JP5128982B2 - 油中水型クリーム - Google Patents
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Description
このように、乳蛋白質を利用して乳風味を改善しようとすると、少量の添加量では乳風味を改善することはできなかった。
乳清ミネラルとは、乳又はホエー(乳清)から、可能な限り蛋白質や乳糖を除去したものであり、高濃度に乳の灰分を含有するという特徴を有する。そのため、そのミネラル組成は、原料となる乳やホエイ中のミネラル組成に近い比率となる。
本発明の油中水型クリームは、乳蛋白質を含有する。乳蛋白質は、カゼイン蛋白質とホエイ蛋白質に大別され、カゼイン蛋白質又はホエイ蛋白質の何れかを用いてもよいし、これらを併用してもよいが、本発明においては、良好な口溶けを有する点から、上記カゼイン蛋白質とホエイ蛋白質を併用することが好ましい。
ここで、該乳化成分としては、乳化剤や乳化成分を含有する食品素材を挙げることができる。
尚、主要構成脂肪酸が不飽和脂肪酸であるとは、そのポリグリセリン脂肪酸エステルに含まれる脂肪酸の60%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは100%が不飽和脂肪酸であることをいう。
尚、本発明の油中水型クリームにおける上記食用油脂の含有量は、油中水型乳化の安定化のためには、好ましくは18〜80質量%、より好ましくは28〜70質量%、さらに好ましくは38〜60質量%であることが好ましい。
上記安定剤の含有量は、本発明の油中水型クリーム中、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜5質量%である。
これらの「乳蛋白質以外の蛋白質」は、目的に応じて一種ないし二種以上の蛋白質として、或いは一種ないし二種以上の蛋白質を含有する食品素材の形で添加してもよい。
上記の「乳蛋白質以外の蛋白質」の含有量は、本発明の油中水型クリーム中、好ましくは0〜5質量%、より好ましくは0〜1質量%である。
上記糖類の含有量は、本発明の油中水型クリーム中、好ましくは0〜50質量%、より好ましくは0〜30質量%である。
本発明の油中水型クリームの製造方法は、乳蛋白質を0.001〜2.5質量%及び固形分中のカルシウム含量が2質量%未満である乳清ミネラルを固形分として0.001〜10質量%含有する水相と、主要構成脂肪酸が不飽和であり、HLBが9以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する油相とを乳化するものである。そしてこの場合、水相は乳化成分を含有しないものであることが好ましい。
水に、乳蛋白質を0.001〜2.5質量%、乳清ミネラルを固形分として0.001〜10質量%、及び必要に応じその他の成分を添加、混合して水相を用意する。一方、油脂に、必要に応じその他の成分を添加、混合して油相を用意する。これらの水相と油相は好ましくは60℃以上に加温し、添加した成分を完全に溶解しておくことが好ましい。
次いで、該水相と該油相とを混合乳化してW/O型乳化物を得る。そして、該W/O型乳化物を殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。次に、該W/O型乳化物を冷却し、可塑化して、W/O型の乳化形態の本発明の油中水型クリームを得る。冷却、可塑化する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
また、W/O型の乳化形態の本発明の油中水型クリームを製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、させなくても構わない。
このようにして得られるW/O型の乳化形態の本発明の油中水型クリームにおいて、油相と水相との割合は、質量比率で、好ましくは40〜90:10〜60、より好ましくは50〜85:15〜50、さらに好ましくは65〜80:20〜35である。
水に、乳蛋白質を0.001〜2.5質量%、乳清ミネラルを固形分として0.001〜10質量%、及び必要に応じその他の成分を添加、混合して水相を用意する。一方、油脂に必要に応じその他の成分を添加、混合した油相1(内油相)、及び油脂に必要に応じその他の成分を添加、混合した油相2(外油相)を用意する。これらの水相と油相は好ましくは60℃以上に加温し、添加した成分を完全に溶解しておくことが好ましい。
次いで、上記水相と上記油相1とを混合し、乳化してO/W型乳化物を得る。次に、上記油相2中に、このO/W型乳化物を投入して、O/W/O型乳化物を得る。そして、該O/W/O型乳化物を殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。
次に、該O/W/O型乳化物を冷却し、可塑化して、O/W/O型の乳化形態の本発明の油中水型クリームを得る。冷却、可塑化する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
また、O/W/O型の乳化形態の本発明の油中水型クリームを製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、させなくても構わない。
このようにして得られるO/W/O型の乳化形態の油中水型クリームにおいて、油相1(内油相)と水相と油相2(外油相)との割合は、質量比率で、好ましくは25〜55:25〜55:10〜30、より好ましくは30〜50:30〜50:10〜30、さらに好ましくは35〜45:35〜45:15〜25である。
O/O型の乳化形態とは、O/W/O型の乳化形態の一種であり、外油相中に、1つの内油相をもったO/W乳化物が多数存在する状態を指す。O/O型の乳化形態の油中水型クリームを製造する方法としては、例えば以下の4つの方法が挙げられる。
水に、乳蛋白質を0.001〜2.5質量%、乳清ミネラルを固形分として0.001〜10質量%、及び必要に応じその他の成分を添加、混合して水相を用意する。一方、油脂に必要に応じその他の成分を添加、混合した油相1(内油相)、及び油脂に必要に応じその他の成分を添加、混合した油相2(外油相)を用意する。これらの水相と油相は好ましくは60℃以上に加温し、添加した成分を完全に溶解しておくことが好ましい。
そして、上記の油相1(内油相)、水相及び油相2(外油相)を乳化し、O/W/O型乳化物を製造する。次に、該O/W/O型乳化物を殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。
次いで、上記O/W/O型乳化物を冷却、可塑化、転相させて、O/O型の本発明の油中水型クリームを得る。冷却、可塑化、転相させる機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
また、1つめの方法のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、させなくても構わない。
水に、乳蛋白質を0.001〜2.5質量%、乳清ミネラルを固形分として0.001〜10質量%、及び必要に応じその他の成分を添加、混合して水相を用意する。一方、油脂に、必要に応じその他の成分を添加、混合して油相を用意する。これらの水相と油相は好ましくは60℃以上に加温し、添加した成分を完全に溶解しておくことが好ましい。
そして、上記水相と上記油相とを乳化してO/W型乳化物を得る。次に、O/W型乳化物を殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。
次いで、上記O/W型乳化物を冷却、可塑化、転相させて、O/O型の本発明の油中水型クリームを得る。冷却、可塑化、転相させる機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
また、2つめの方法のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、させなくても構わない。
水に、乳蛋白質を0.001〜2.5質量%、乳清ミネラルを固形分として0.001〜10質量%、及び必要に応じその他の成分を添加、混合して水相を用意する。一方、油脂に、必要に応じその他の成分を添加、混合して油相を用意する。これらの水相と油相は好ましくは60℃以上に加温し、添加した成分を完全に溶解しておくことが好ましい。
そして、上記水相と上記油相とを乳化してW/O型乳化物を得る。次に、該W/O型乳化物を殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。
次いで、上記W/O型乳化物を転相させてO/W型乳化物とする。転相させる機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
次いで、上記O/W型乳化物を冷却、可塑化、転相させて、O/O型の本発明の油中水型クリームを得る。冷却、可塑化、転相させる機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
また、3つめの方法のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、させなくても構わない。
水に、乳蛋白質を0.001〜2.5質量%、乳清ミネラルを固形分として0.001〜10質量%、及び必要に応じその他の成分を添加、混合して水相を用意する。一方、油脂に、必要に応じその他の成分を添加、混合して油相を用意する。これらの水相と油相は好ましくは60℃以上に加温し、添加した成分を完全に溶解しておくことが好ましい。
そして、上記水相と上記油相とを乳化してW/O型乳化物を得る。次に、該W/O型乳化物を殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。
次いで、上記W/O型乳化物を転相させてO/W/O型乳化物とする。転相させる機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
次いで、上記O/W/O型乳化物を冷却、可塑化、転相させて、O/O型の本発明の油中水型クリームを得る。冷却、可塑化、転相させる機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
また、4つめの方法のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、させなくても構わない。
このようにして得られるO/O型の乳化形態の本発明の油中水型クリームにおいて、油相1(内油相)と水相と油相2(外油相)の割合は、質量比率で、好ましくは15〜45:35〜65:5〜35、より好ましくは20〜40:40〜60:10〜30、さらに好ましくは25〜35:45〜60:10〜25である。
また、本発明の油中水型クリームの上記用途における使用量は、各用途により異なるものであり、特に制限されるものではない。
〔製造例1〕
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーをナノ濾過膜分離した後、さらに逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮し、次いで、これをさらにエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分98質量%の乳清ミネラルAを得た。得られた乳清ミネラルAの固形分中のカルシウム含量は2.2質量%であった。
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーをナノ濾過膜分離した後、さらに逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮し、次いで、80℃、20分の加熱処理をして生じた沈殿を遠心分離して除去し、これをさらにエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分98質量%の乳清ミネラルBを得た。得られた乳清ミネラルBの固形分中のカルシウム含量は0.4質量%であった。
下記実施例1〜7及び下記比較例1〜5においては、W/O型の油中水型クリームを作製し、下記実施例8〜11においては、O/W/O型の油中水型クリームを作製した。
パーム核油とパーム極度硬化油を70:30で混合した配合油のランダムエステル交換油脂41.1質量部、コーン油28質量部、レシチン0.2質量部、香料0.1質量部、色素液0.1質量部からなる油相と、脱脂粉乳(乳蛋白質の含有量:36質量%)1質量部、上白糖14.4質量部、水14.5質量部、食塩0.2質量部、乳清ミネラルA0.4質量部からなる水相とを、45〜55℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を80℃にて15秒間殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の油中水型クリームを製造した。
実施例1で使用した乳清ミネラルAに代えて、乳清ミネラルBを使用した以外は実施例1と同様にして、W/O型の油中水型クリームを製造した。
乳清ミネラルBの配合量を0.4質量部から0.1質量部に変更し、併せて、水の配合量を14.5質量部から14.8質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、W/O型の油中水型クリームを製造した。
乳清ミネラルBの配合量を0.4質量部から1質量部に変更し、併せて、水の配合量を14.5質量部から13.9質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、W/O型の油中水型クリームを製造した。
脱脂粉乳の配合量を1質量部から2質量部に変更し、併せて、水の配合量を14.5質量部から13.5質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、W/O型の油中水型クリームを製造した。
ポリグリセリン脂肪酸エステル(ヘキサグリセリンモノオレート:SYグリスターMO5S:阪本薬品株式会社製、HLB=12、グリセリンの重合度=6)を油相に0.4質量部配合し、併せて、パーム核油とパーム極度硬化油を70:30で混合した配合油のランダムエステル交換油脂の配合量を41.1質量部から40.7質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、W/O型の油中水型クリームを製造した。
実施例6で使用したポリグリセリン脂肪酸エステルを油相ではなく水相に添加し、併せて、パーム核油とパーム極度硬化油を70:30で混合した配合油のランダムエステル交換油脂の配合量を40.7質量部から41.1質量部に、水の配合量を14.5質量部から14.1質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、W/O型の油中水型クリームを製造した。
乳清ミネラルBを無添加とし、併せて、水の配合量を14.5質量部から14.9質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、W/O型の油中水型クリームを製造した。
乳清ミネラルBを無添加とし、併せて、食塩の添加量を0.2質量部から0.6質量部に、水の配合量を14.5質量部から14.9質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、W/O型の油中水型クリームを製造した。
脱脂粉乳を無添加とし、併せて、水の配合量を14.5質量部から15.5質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、W/O型の油中水型クリームを製造した。
脱脂粉乳1質量部に代えて、ホエープロテインコンセントレート(乳蛋白質の含有量:
80質量%)2.2質量部を使用し、併せて、水の配合量を14.5質量部から13.3質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、W/O型の油中水型クリームを製造した。
脱脂粉乳を無添加とし、併せて、乳清ミネラルBの添加量を1質量部、水の配合量を14.5質量部から14.9質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、W/O型の油中水型クリームを製造した。
◎+:口中分散性が極めて優れ、極めて良好な口溶けである
◎:口中分散性が優れ、極めて良好な口溶けである
○+:極めて良好な口溶けである
○:良好な口溶けである
△:ややもたつきが感じられ、やや不良な口溶けである
×:口中での溶解性が悪く、不良な口溶けである
××:極めて不良な口溶けである。
◎:極めて良好な乳風味である
○:良好な乳風味である
△:やや不良な乳風味である
×:不良な乳風味である
××:乳風味がきわめて弱いかまったくしない。
中でも、実施例2及び6と実施例7とを比較すると、水相中に乳化成分を含有しない実施例2及び6の油中水型クリームは、水相中に乳化成分を含有する実施例7の油中水型クリームに比べ、口溶け、乳風味ともより優れていることがわかる。
特に、実施例1と実施例2とを比較すると、カルシウム含有量の低い乳清ミネラルを使用した実施例2の油中水型クリームは、カルシウム含有量が2質量%以上である乳清ミネラルを使用した実施例1の油中水型クリームに比べ、乳風味が特に優れていることがわかる。
また、水相中の乳清ミネラル含有量が1〜2質量%である、実施例4の油中水型クリームや、油相中に主要構成脂肪酸が不飽和であり、HLBが9以上のポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステルを配合した実施例6の油中水型クリームは、口溶け、乳風味とも良好であることがわかる。
これに対し、乳清ミネラルを含有しない比較例1、2の油中水型クリームや、乳蛋白質含有量が水相中0.001〜2.5質量%の範囲外である比較例3、4、5は良好な乳風味が得られず、特に、乳清ミネラルを含有しない比較例1、2の油中水型クリームや、乳蛋白質含有量が水相中2.5質量%超である比較例4の油中水型クリームは口溶けも不良であった。
パーム核油とパーム極度硬化油を70:30で混合した配合油のランダムエステル交換油脂18質量部、コーン油12質量部、レシチン0.24質量部、ポリグリセリン脂肪酸エステル(SYグリスターMO5S:阪本薬品株式会社製、HLB=11)0.4質量部からなる最内相となる油相1と、脱脂粉乳1質量部、液糖(水分25質量%)34.41質量部、水18質量部、食塩0.15質量部、乳清ミネラルA0.4質量部、香料0.35質量部からなる水相とを、50〜60℃でゆるやかに(分離しない程度に)攪拌し、次いで、この混合物をホモジナイザーに通しO/W型乳化物を得た。次に、このO/W型乳化物を、別途調製したパーム核油とパーム極度硬化油を70:30で混合した配合油のランダムエステル交換油脂9質量部、コーン油6質量部、ショ糖脂肪酸エステル(リョートーシュガーエステルSE−S−1170:三菱化学フーズ株式会社製、HLB=11)0.03質量部、色素液0.02質量部からなる最外相となる油相2に50〜60℃で混合し、ボテーターにて急冷可塑化することにより、内油相と水相と外油相の質量比率が31:54:15のO/W/O型の油中水型クリームを得た。尚、急冷可塑化工程において、窒素ガスを吹き込み、油中水型クリームの比重を0.7とした。
実施例8で使用した乳清ミネラルAに代えて、乳清ミネラルBを使用した以外は、実施例8と同様にして、内油相と水相と外油相の質量比率が31:54:15のO/W/O型の油中水型クリームを製造した。
パーム核油とパーム極度硬化油を70:30で混合した配合油のランダムエステル交換油脂18質量部、コーン油12質量部、レシチン0.24質量部、ポリグリセリン脂肪酸エステル(SYグリスターMO5S:阪本薬品株式会社製、HLB=11)0.4質量部からなる最内相となる油相1と、脱脂粉乳1質量部、スプレードライの粉末コーヒー1質量部、液糖(水分25質量%)33.64質量部、水18質量部、食塩0.07質量部、乳清ミネラルB0.3質量部、香料0.3質量部からなる水相とを、50〜60℃でゆるやかに(分離しない程度に)攪拌し、次いで、この混合物をホモジナイザーに通しO/W型乳化物を得た。次に、このO/W型乳化物を、別途調製したパーム核油とパーム極度硬化油を70:30で混合した配合油のランダムエステル交換油脂9質量部、コーン油6質量部、ショ糖脂肪酸エステル((リョートーシュガーエステルSE−S−1170:三菱化学フーズ株式会社製、HLB=11)0.03質量部、色素液0.02質量部からなる最外相となる油相2に50〜60℃で混合し、ボテーターにて急冷可塑化することにより、内油相と水相と外油相の質量比率が31:54:15のO/W/O型の油中水型クリームを得た。尚、急冷可塑化工程において、窒素ガスを吹き込み、油中水型クリームの比重を0.7とした。
実施例10で使用したスプレードライの粉末コーヒー1質量部に代えて、カカオパウダー4.5質量部に変更し、併せて、水の配合量を18質量部から15質量部に変更し、さらに、液糖を33.64質量部から33.14質量部に変更した以外は、実施例10と同様にして、内油相と水相と外油相の質量比率が31:54:15のO/W/O型の油中水型クリームを製造した。
Claims (3)
- 水相中に、乳蛋白質を0.001〜2.5質量%及び固形分中のカルシウム含量が2質量%未満である乳清ミネラルを固形分として0.001〜10質量%含有し、油相中に、主要構成脂肪酸が不飽和であり、HLBが9以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする油中水型クリーム。
- 水相中に、乳化成分を含有しないことを特徴とする請求項1記載の油中水型クリーム。
- 請求項1又は2記載の油中水型クリームを製造する方法であって、乳蛋白質を0.001〜2.5質量%及び固形分中のカルシウム含量が2質量%未満である乳清ミネラルを固形分として0.001〜10質量%含有する水相と、主要構成脂肪酸が不飽和であり、HLBが9以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する油相とを乳化して得ることを特徴とする油中水型クリームの製造方法。
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