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JP2011244735A - プリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物 - Google Patents

プリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物 Download PDF

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JP2011244735A JP2010120860A JP2010120860A JP2011244735A JP 2011244735 A JP2011244735 A JP 2011244735A JP 2010120860 A JP2010120860 A JP 2010120860A JP 2010120860 A JP2010120860 A JP 2010120860A JP 2011244735 A JP2011244735 A JP 2011244735A
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Junji Yoshida
淳二 吉田
Shunsuke Kutari
俊輔 久多里
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Kaneka Corp
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Abstract

【課題】 口触りが良好で且つ濃厚な風味のカスタードプリンを安価に製造することを可能とするカスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物および該乳化油脂組成物を用いたプリンを提供すること。
【解決手段】 カスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物全体中、pH調整剤を含まず、乳蛋白質を4〜9重量%含有し、油脂を13〜25重量%含有し、pHが5.7〜6.4のカスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物を用いてカスタードプリンを作製すること。
【選択図】なし

Description

本発明は、カスタードプリン生地に用いるプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物に関する。
一般的にプリンとは、卵、牛乳、砂糖を主原料にした蒸し焼き菓子のことを指し、カスタードプリンのことを意味する。一方では、ゲル化剤で固めた弾力のあるデザートのこともプリンと言うこともあり、これをゲルプリンやケミカルプリンと呼んで区別されることもある。現在では、消費者の多様なニーズに応えるべく、非常に多くの種類のプリンが発売されており、脂肪分を高配合したなめらかな食感のプリンや、マンゴー風味のプリン、表面に焼き目を入れたプリン、層状に分離させたプリン、温泉水を利用して固めたプリンなど様々な趣向を凝らしたプリンが流通している。
上記のように、プリンをゲル化特性の点から大別すると、「カスタードプリン」と「ゲルプリン」の2種類に分けられる。カスタードプリンは、卵素材、乳素材に不可逆的な熱変性を与えることで蛋白質を凝固させてボディーを形成しているのに対し、ゲルプリンはゲル化剤を使用しボディーを形成している。そのため、2種のプリンの口触りを比較すると大きな違いがある。
近年では、不景気を反映した節約志向の高まりで、消費者から美味しいプリンを安く提供することが熱望されている。一般的には、ゲルプリンは卵素材や乳素材の配合量が少なくてもボディーを形成することが出来るため安価であるが、卵素材や乳素材の添加量が少なくなると風味が希薄になる問題があった。また、その風味改良の目的で香料を使用した場合、食品添加物由来の人工的な風味になる問題があった。
一方のカスタードプリンは、口触りが良好で且つ風味が濃厚であるが、熱凝固に必要な十分量の卵素材と乳素材を配合する必要があるため、安価に作製することが出来ない問題があった。
安価で口触りも風味も良いカスタードプリンを作製する目的で、乳素材として牛乳の代わりに水中油型乳化油脂組成物を希釈して使用する場合や、卵素材として全卵の代わりに凍結加糖卵黄や加工卵製品を使用する場合がある。しかし、そのようなリーンな配合系で作製されるカスタードプリンは、加熱凝固性が不足して十分なゲル弾力が得られなかったり、良好なカスタード風味を得ることが出来ない問題があった。
また、ホエイ蛋白質を含有する乳原料と、ゲル化剤と、増粘剤と、ナトリウム塩類を含む原材料をゲル化してなることを特徴とするプリン状食品(特許文献1)のように、乳素材として安価なホエイ蛋白質を使用しても、粉っぽくなく、なめらかな食感が得られる方法が提案されている。しかしながら、ホエイ蛋白質は熱安定性が低いため、これを主要原料として作製されるカスタードプリンは、蛋白質が部分変性し、ゲル中に白い繊維状の帯を生じる場合がある。さらには、ゲル強度を補強するために、ゲル化剤、増粘剤、ナトリウム塩を添加すると、人工的な風味になり、且つ口触り良好なゲルが得られない問題があった。
軟らかい食感のプリンの作製方法としては、特定の組成と物性をもつ油脂を含む水中油型乳化油脂組成物を使用してプリンを作製する方法(特許文献2)がある。口溶け良好であるとともに、油性感を感じないプリンを製造する方法としては、特定の2種類の油脂を使用し、特定のSFCとなるように配合した油相をもつ水中油型乳化油脂組成物を使用してプリンを作製する方法がある(特許文献3)。しかしながら、これらの水中油型乳化油脂組成物は、プリンの口溶けや食感に水中油型乳化油脂組成物中の油脂分が大きく寄与するため、蛋白質の熱変性で得られるカスタードプリン本来の口触りを得ることは出来ず、脂肪分を高配合したタイプのなめらかな食感のプリンの様な食感となり、卵素材、乳素材が熱凝固して得られるカスタードプリン特有の口触りと同様の食感が得られない問題があった。
さらには、特定量の糖類、有機酸、炭酸塩、無脂乳固形分を含有し、且つ油脂と水及び糖類の重量比が特定範囲にあり、加えてpHが6.0〜7.5である水中油型乳化油脂組成物が作製されているが(特許文献4)、有機酸や炭酸塩といった食品衛生法第4条第2項に定められる食品添加物に該当するpH調整剤が含まれており、該水中油型乳化油脂組成物を使用してカスタードプリンを作製した際には特有のエグ味や化学臭で風味が悪くなる問題があった。
特開2006−61035号公報 特開2003−134998号公報 特開2009−240257号公報 特開2001−346516号公報
本発明の目的は、口触りが良好で且つ濃厚な風味のカスタードプリンを安価に製造することを可能とするカスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物および該乳化油脂組成物を用いたプリンを提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定量の乳蛋白質を含有し、pH調整剤を使用せずにpHを特定範囲に調整した水中油型乳化油脂組成物を用いてプリンを作製すると、口触りが良好で且つ濃厚な風味のカスタードプリンを製造することが出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、カスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物全体中、pH調整剤を含まず、乳蛋白質を4〜9重量%含有し、油脂を13〜25重量%含有し、pHが5.7〜6.4のカスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物に関する。好ましい実施態様は、乳蛋白質全体中のカゼイン蛋白質含量が30〜100重量%である上記記載のカスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物に関する。本発明の第二は、上記記載のカスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物を含有するカスタードプリン用ミックス液に関する。本発明の第三は、上記記載のカスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物を含有するカスタードプリンに関する。
本発明に従えば、口触りが良好で且つ濃厚な風味のカスタードプリンを安価に製造することを可能とするカスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物および該乳化油脂組成物を用いたプリンを提供することができる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明のカスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物は、乳蛋白質を特定量含有し、pH調整剤を含まずに特定のpH域に調整されていることが特徴である。また該水中油型乳化油脂組成物は、乳蛋白質以外に、pHを5.7〜6.4に調整するための素材を含有し、さらには必要に応じて糖類、乳化剤、蛋白溶解塩及び水溶性香料などの水溶性原材料を含有する。
本発明の乳蛋白質としては、食品に用いることの出来るものであれば特に限定はないが、風味の点で乳由来の蛋白質が好ましく、生乳、牛乳、特別牛乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、クリーム、バター、チーズ、濃縮ホエイ、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、蛋白質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳、調整粉乳、はっ酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料など、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)に定義される乳及び乳製品に由来する乳蛋白質や、トータルミルクプロテイン、ホエイプロテインコンセントレートのようなUF膜やイオン交換樹脂処理等により分離、分画した乳由来の蛋白質、カゼインナトリウム、カゼインカルシウム、カゼインカリウム、カゼインマグネシウムのような乳タンパク質の塩類であるカゼイン蛋白質、カゼインを酸処理した酸カゼイン等のカゼイン蛋白質が挙げることができ、それらの群より選ばれる少なくとも1種が用いられる。
前記乳蛋白質の含有量は、カスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物全体中、4〜9重量%の範囲であることが好ましい。4重量%未満では、水中油型乳化油脂組成物を使用してカスタードプリンを作製する際に、加熱凝固性が不足し十分なゲル弾力が得られない場合がある。また、9重量%を越えると、製造ラインでの蛋白質の凝集や焦げ付きが発生する場合がある上に、蛋白質は高価であるため、カスタードプリンの製造コストが上がってしまう。
前記カゼイン蛋白質は、脱脂乳のpHを20℃でpH4.6にした時に沈殿する蛋白質のことであり、αS1カゼイン、αS2カゼイン、βカゼイン、κカゼイン、γカゼインの4種の蛋白質を指す。カゼイン蛋白質の含有量は、水中油型乳化油脂組成物に含まれる乳蛋白質全体中30〜100重量%の範囲であることが好ましい。30%未満では、ホエイ蛋白質の割合が多くなるため、水中油型乳化油脂組成物を使用してカスタードプリンを作製する際に、蛋白質が部分変性しゲル中に白い繊維状の帯を生じる場合がある。
本発明のカスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物のpHは、5.7〜6.4が好ましく、5.9〜6.2がより好ましい。pHが5.7より低いと、該水中油型乳化油脂組成物中のカゼイン蛋白質が等電点に近づくため、水中油型乳化油脂組成物の乳化安定性が低下し、可塑化する場合がある。pHが6.4より高いと、該水中油型乳化油脂組成物を使用してカスタードプリンを作製する際に、蛋白質の不可逆的な加熱変性反応が抑えられる場合がある。
また上記において、pHを調整するためにpH調整剤を使用すると、特有のエグ味や化学臭が風味を邪魔することがあるので、使用しないことが好ましい。ここで言うpH調整剤とは、食品衛生法第4条第2項に定められる食品添加物であって、特に化学的に合成されて特有のエグ味や化学臭を有す素材のことを指す。pH調整剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カルシウムなどの有機酸及び有機酸塩等などが挙げられる。
pH調整剤を使用せずにpHを5.7〜6.4に調整するための素材としては、化学的に作られて特有のエグ味や化学臭を有すpH調整剤以外の素材であれば特に限定はないが、乳由来の素材では、発酵乳、乳酸菌飲料、濃縮ホエイ、チーズ、酸性に処理した牛乳などが挙げられる。その他素材としては、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ、りんごなどの果実類、ワインビネガー、ワイン、ぶどう酒、コーヒー、酸性水などが挙げられる。風味の観点からは、乳由来の素材の使用が好ましい。
本発明のカスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物に含有する油脂は、植物性油脂及び/又は乳脂肪が好ましく、該水中油型乳化油脂組成物全体中に13〜25重量%含有することが好ましく、より好ましくは15〜20重量%である。植物性油脂としては、コーン油、パーム油、パーム核油、ナタネ油、サフラワー油等の一般的な食用植物性油脂であれば特に限定はなく、エステル交換、分別、硬化等の操作が加わった油脂であってもかまわない。また乳脂肪は、バター、クリームなど乳脂肪を含んでいるものであれば何でも使用できるが、純分のみを含有量として計算する。植物性油脂と乳脂肪の比率は何ら制限がなく、好みに合わせて調整できる。
本発明のカスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物に用いることができる糖類は、食用であれば特に限定されないが、澱粉,セルロース,デキストリンなどの多糖類、ショ糖,乳糖,麦芽糖,キシロース,トレハロース,マルトトリオース,ラフィノースなどの少糖類、ブドウ糖,果糖,マンノース,ガラクトースなどの単糖類、ソルビトール,マンニトール,マルチトール,エリスリトール,キシリトールなどの糖アルコール、その他にも糖類としてフラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、異性化液糖、ショ糖結合水飴、酵素糖化水飴、還元乳糖、還元糖ポリデキストロース、ラクチュロース、ステビア、アスパルテーム等を例示でき、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
本発明のカスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物に用いることができる乳化剤は、食用であれば特に限定されないが、大豆レシチン、卵黄レシチン、又はそれらの酵素分解物、グリセリン脂肪酸エステル、酢酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルなど脂肪酸とグリセリンのエステル及びその誘導体、その他、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド、ポリソルベート等を例示でき、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
本発明のカスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物に用いることができる蛋白溶解塩は、食用であれば特に限定されないが、例えばリン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、重曹を例示でき、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
本発明のカスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物に用いることができる水溶性香料は、水溶性の香料で食用であれば特に限定されないが、ミルクフレーバー、バターフレーバー、発酵乳フレーバー、エッグフレーバーなどを例示できる。
本発明のカスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物の製造方法は、特に限定はないが、以下に例示する。まず、乳蛋白質含む無脂乳固形分や、糖類、乳化剤、蛋白溶融塩、水溶性香料などの水溶性原材料を撹拌しながら、60℃前後で加熱・溶解して水相部とする。一方、油脂、乳化剤、油溶性香料、酸化防止剤などの油溶性原材料を60℃前後で撹拌しながら加熱・溶解して油相部とする。前記油相部を60℃前後で加熱しながら前記水相部に添加し、攪拌混合して予備乳化させる。
次に、従来の公知の方法に準じて殺菌又は滅菌する。該殺菌又は滅菌は、インジェクション式、インフュージョン式等の直接加熱方式やプレート式、チューブラー式、掻きとり式、バッチ式等の間接加熱方式、あるいは食品に直接、交流電流を流すことでその電気抵抗によって食品を内部から加熱殺菌させるジュール加熱殺菌方式を用いた殺菌からなる群より選ばれる少なくとも1方式により実施することができる。
続いて、従来の公知の方法に準じて冷却する。該冷却はプレート式、チューブラー式、掻きとり式、バッチ式等の間接冷却方式、及び蒸発冷却方式からなる群より選ばれる少なくとも1方式により実施することができる。
また、加熱前及び/又は冷却後、ホモジナイザーによる均質化を行っても良い。その後、容器に充填することで本発明のカスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物を得ることができる。
本発明のカスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物は、カスタードプリン、カスタードなど、卵素材と乳素材を混ぜて加熱し、不可逆的な加熱変性を与えることで蛋白質を凝固させてボディー形成するような食品に使用することができるが、カスタードプリン練り込み用に好適に使用され、プリンミックス液を作製してから使用しても良い。該水中油型乳化油脂組成物のカスタードプリン用ミックス液への添加量は、カスタードプリン用ミックス液組成物全体中2〜50重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。
本発明のカスタードプリン用ミックス液とは、全卵や凍結卵黄などの卵素材、牛乳や乳原料を用いた水中油型乳化油脂組成物などの乳素材、上白糖、グラニュー糖などの糖類やその他カスタードプリン用の原材料を全て混合溶解した液のことを指し、該ミックス液を焼成すればカスタードプリンが得られる。
カスタードプリンミックス液の製造方法は、特に限定はないが、以下に例示する。まず、卵素材に上白糖、グラニュー糖などの糖類や、その他原材料を添加し泡が立たないように混合する。そこに、40℃付近まで加熱した乳素材と水、その他原材料の混合液をゆっくり添加して混合した後、フィルターで濾して得る。
カスタードプリンの製造方法は、特に限定はないが、以下に例示する。カスタードプリンミックス液を耐熱性のある容器に充填した後、150℃付近で30分間程度焼成した後、放冷してカスタードプリンを得る。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
<水中油型乳化油脂組成物作製時の蛋白質の焦げ付き評価>
実施例及び比較例において、水中油型乳化油脂組成物1〜8を作製する際に、直接加熱方式滅菌機を用いて140〜150℃で4秒間滅菌した後、直接加熱方式滅菌機の蒸気導入口内部の蛋白質の焦げ付きを目視で評価した。
<水中油型乳化油脂組成物のpH測定>
実施例及び比較例で得られた水中油型乳化油脂組成物のpHは、水中油型乳化油脂組成物作製後、5℃で2日間静置したサンプルを、pHメーター(堀場製作所製「F−52」)にて測定した。
<カスタードプリンのゲルの硬さ測定>
実施例及び比較例で得られたカスタードプリンのゲルの硬さは、クリープメータ(株式会社山電製RHEONER IIシリーズ「RE2−33005S」)を用いて測定した。測定は、得られたカスタードプリンを5℃で1日間静置したサンプルを、直径16mmの円柱状プランジャーを用い、測定速度:5mm/sec、測定歪率:45%として破断強度の最大荷重(N)を測定し、該測定値を基に、以下の基準で評価した。5点:最大荷重1.2N以上、4点:最大荷重1.0N以上1.2N未満、3点:最大荷重0.8N以上1.0N未満、2点:最大荷重0.6N以上0.8N未満、1点:最大荷重0.6N未満。
<カスタードプリンの外観評価>
実施例及び比較例で得られたカスタードプリンの外観を目視で評価した。その際の評価基準は、以下の通りであった。○:プリンの表面が滑らかで且つゲル中に白い繊維状の帯が無い、△:プリンの表面が荒れているがゲル中に白い繊維状の帯が無い、×:プリンの表面が荒れており且つゲル中に白い繊維状の帯が有る。
<カスタードプリンの食感評価>
実施例及び比較例で得られたカスタードプリンの食感を、熟練した5人のパネラーに食べてもらい評価した。その際の評価基準は、以下の通りであった。5点:極めて口触り良好且つゲルに弾力がある、4点:口触り良好且つゲルに弾力がある、3点:口触り良好であるが弾力が弱い、2点:口触りが悪く弾力が弱い、1点:極めて口触りが悪く弾力が弱い。
<カスタードプリンの風味評価>
実施例及び比較例で得られたカスタードプリンの風味を、熟練した5人のパネラーに食べてもらい評価した。該評価は、水中油型乳化油脂組成物1〜7の代わりに牛乳を使用した本格派配合のカスタードプリンとの比較で行ない、その際の評価基準は以下の通りであった。5点:全く差異を感じず美味しい、4点:やや差異を感じるが美味しい、3点:やや差異を感じ、やや美味しさに欠ける、2点:やや異味を感じ、美味しさに欠ける、1点:大きな異味を感じ、美味しさに欠ける。
(実施例1) 水中油型乳化油脂組成物1の作製
表1に示す配合に従って、水中油型乳化油脂組成物1を作製した。まず、40℃前後まで加温した水に脱脂粉乳、濃縮ホエイ、ホエイパウダー、塩化ナトリウム、グラニュー糖を溶解し、60℃前後まで加温して水相を調整した。また、パーム分別軟質油(ヨウ素価:60)を60℃前後まで加熱して油相を調整した。水相を撹拌しながら、そこへ油相を添加して予備乳化した。次に、直接加熱方式滅菌機を用いて140〜150℃で4秒間滅菌を行った後、ホモジナイザーで均質化して、直ちに5℃まで冷却を行うことにより水中油型乳化油脂組成物1を得た。直接加熱方式滅菌機の蒸気導入口内部の蛋白質の焦げ付きは無く、乳化安定性の高い水中油型乳化油脂組成物であった。乳化物のpHを測定したところpH6.4であった。それらの結果は、表1にまとめた。
Figure 2011244735
(実施例2) 水中油型乳化油脂組成物2の作製
水相にレモン果汁を0.8重量部加え、水量を調整した以外は実施例1と同様にして水中油型乳化油脂組成物2を得た。直接加熱方式滅菌機の蒸気導入口内部の蛋白質の焦げ付きは無く、乳化安定性の高い水中油型乳化油脂組成物であった。乳化物のpHを測定したところpH6.1であった。それらの結果は、表1にまとめた。
(実施例3) 水中油型乳化油脂組成物3の作製
水相にレモン果汁を1.6重量部加え、水量を調整した以外は実施例1と同様にして水中油型乳化油脂組成物3を得た。直接加熱方式滅菌機の蒸気導入口内部の蛋白質の焦げ付きは無く、乳化安定性の高い水中油型乳化油脂組成物であった。乳化物のpHを測定したところpH5.8であった。それらの結果は、表1にまとめた。
(実施例4) 水中油型乳化油脂組成物4の作製
油脂の含有量を変え、水量を調整した以外は実施例1と同様にして水中油型乳化油脂組成物4を得た。直接加熱方式滅菌機の蒸気導入口内部の蛋白質の焦げ付きは無く、乳化安定性の高い水中油型乳化油脂組成物であった。乳化物のpHを測定したところpH6.4であった。それらの結果は、表1にまとめた。
(実施例5) 水中油型乳化油脂組成物5の作製
油脂の含有量を変え、水量を調整した以外は実施例1と同様にして水中油型乳化油脂組成物5を得た。直接加熱方式滅菌機の蒸気導入口内部の蛋白質の焦げ付きは無く、乳化安定性の高い水中油型乳化油脂組成物であった。乳化物のpHを測定したところpH6.4であった。それらの結果は、表1にまとめた。
(比較例1) 水中油型乳化油脂組成物6の作製
水相にレモン果汁を3重量部加え、水量を調整した以外は実施例1と同様にして水中油型乳化油脂組成物6を得た。直接加熱方式滅菌機の蒸気導入口内部の蛋白質の焦げ付きがあるものの、水中油型乳化油脂組成物の乳化は安定していた。乳化物のpHを測定したところpH5.4であった。それらの結果は、表1にまとめた。
(比較例2) 水中油型乳化油脂組成物7の作製
脱脂粉乳、濃縮ホエイ、ホエイパウダーの含有量を変え、水量を調整した以外は実施例1と同様にして水中油型乳化油脂組成物7を得た。直接加熱方式滅菌機の蒸気導入口内部の蛋白質の焦げ付きは無く、乳化安定性の高い水中油型乳化油脂組成物であった。乳化物のpHを測定したところpH6.4であった。それらの結果は、表1にまとめた。
(比較例3) 水中油型乳化油脂組成物8の作製
水相にトータルミルクプロテインを7重量部加え、水量を調整した以外は実施例1と同様にして水中油型乳化油脂組成物8を作製しようと試みたが、直接加熱方式滅菌機の蒸気導入口内部の蛋白質の焦げ付きが激しく作製出来なかった。そのため乳化物のpHは測定不能であった。それらの結果は、表1にまとめた。
(参考例) 本格派配合のカスタードプリンの作製
牛乳:60重量部、全卵:25重量部、グラニュー糖:10重量部、水:5重量部の配合で、常法に従いカスタードプリンを作製した。即ち、全卵にグラニュー糖を添加し、泡が立たないように混合した液に、牛乳と水を混合してから40℃まで加温した混合液を添加し、フィルターで濾過してカスタードプリンミックス液を得た。その後、該カスタードプリンミックス液を、底面の直径60mm×上部の直径80mm×高さ48mmのプリンカップの容器に40mmの高さまで充填して、150℃で30分間焼成し、その後放冷してカスタードプリンを得た。
(実施例6) カスタードプリンの作製
表2の配合で、常法に従いカスタードプリンを作製した。即ち、全卵にグラニュー糖を添加し、泡が立たないように混合した液に、水中油型乳化油脂組成物1と水を混合してから40℃まで加温した混合液を添加し、フィルターで濾過してカスタードプリンミックス液を得た。その後、カスタードプリンミックス液を、底面の直径60mm×上部の直径80mm×高さ48mmのプリンカップの容器に40mmの高さまで充填して、150℃で30分間焼成し、その後放冷してカスタードプリンを得た。得られたカスタードプリンはゲルの硬さ、外観、食感、風味ともに良好であった。それらの結果は、表2にまとめた。
Figure 2011244735
(実施例7) カスタードプリンの作製
水中油型乳化油脂組成物1の代わりに水中油型乳化油脂組成物2を使用した以外は、実施例6と同様にしてカスタードプリンを得た。得られたカスタードプリンはゲルの硬さ、外観、食感、風味ともに良好であった。それらの結果は、表2にまとめた。
(実施例8) カスタードプリンの作製
水中油型乳化油脂組成物1の代わりに水中油型乳化油脂組成物3を使用した以外は、実施例6と同様にしてカスタードプリンを得た。得られたカスタードプリンは、表面がやや荒れていたが、外観として問題ないレベルであった。ゲルの硬さ、食感、風味はともに良好であった。それらの結果は、表2にまとめた。
(実施例9) カスタードプリンの作製
水中油型乳化油脂組成物1の代わりに水中油型乳化油脂組成物4を使用した以外は、実施例6と同様にしてカスタードプリンを得た。得られたカスタードプリンは、弾力が弱くなめらかな状態であったが、食感として問題ないレベルであった。ゲルの硬さ、外観、風味はともに良好であった。それらの結果は、表2にまとめた。
(実施例10) カスタードプリンの作製
水中油型乳化油脂組成物1の代わりに水中油型乳化油脂組成物5を使用した以外は、実施例6と同様にしてカスタードプリンを得た。得られたカスタードプリンはゲルの硬さ、外観、風味は問題ないものの、口触りが悪くて弾力が弱く、脂肪分を高配合したなめらかな食感のプリンのような食感となった。それらの結果は、表2にまとめた。
(比較例4) カスタードプリンの作製
水中油型乳化油脂組成物1の代わりに水中油型乳化油脂組成物6を使用した以外は、実施例6と同様にしてカスタードプリンを得た。得られたカスタードプリンはゲルの硬さがやや弱く、表面がやや荒れており、口触りが悪くて弾力が弱く、風味も牛乳で作製したプリンと大きく異なった。それらの結果は、表2にまとめた。
(比較例5) カスタードプリンの作製
水中油型乳化油脂組成物1の代わりに水中油型乳化油脂組成物7を使用した以外は、実施例6と同様にしてカスタードプリンを得た。得られたカスタードプリンは、ゲルの硬さが弱く、表面が荒れ、ゲル中に白い繊維状の帯が有り、口触りが悪くて弾力が弱く、風味も牛乳で作製したプリンと大きく異なった。それらの結果は、表2にまとめた。

Claims (4)

  1. カスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物全体中、pH調整剤を含まず、乳蛋白質を4〜9重量%含有し、油脂を13〜25重量%含有し、pHが5.7〜6.4のカスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物。
  2. 乳蛋白質全体中のカゼイン蛋白質含量が30〜100重量%である請求項1に記載のカスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のカスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物を含有するカスタードプリン用ミックス液。
  4. 請求項1又は2に記載のカスタードプリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物を含有するカスタードプリン。
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