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JP5056059B2 - 広帯域波長板 - Google Patents

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JP5056059B2
JP5056059B2 JP2007040830A JP2007040830A JP5056059B2 JP 5056059 B2 JP5056059 B2 JP 5056059B2 JP 2007040830 A JP2007040830 A JP 2007040830A JP 2007040830 A JP2007040830 A JP 2007040830A JP 5056059 B2 JP5056059 B2 JP 5056059B2
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Description

本発明は、広帯域波長板に関するものである。
広帯域波長板は、光ストレージの光ピックアップや、プロジェクター等の照明装置において、複数の波長に対応する4分の1波長板や2分の1波長板等として使用されている。従来の広帯域波長板は、4分の1波長板と2分の1波長板を張り合わせた構成を有するもの(例えば、特許文献1、2参照)や、屈折率周期構造を有するもの(例えば、特許文献3参照)等があげられ、4分の1波長板として使用する場合においては、リタデーション値が約90°、2分の1波長板として使用する場合においては、リタデーション値が約180°となるよう構成されている。
光ピックアップにおいては、例えば、CDに使用される波長帯域の直線偏光と、DVDに使用される波長帯域の直線偏光との2波長の帯域の直線偏光に適用できる広帯域波長板として使用されている。この光ピックアップは、複数の光デバイスによって構成されており、これらの光デバイスの中には、透過する光波の波長に応じて異なる旋光性を有するものもある。また、2波長光源として用いられる発光素子には、出射時に2つの波長の偏光方向が異なるものもある。したがって、ピックアップに入射された2波長の直線偏光が、広帯域波長板に入射される前にこのような旋光性を有する光デバイスを透過すると、広帯域波長板に入射される2波長の光波の偏光方向が互いに異なることとなる。
特開平11−149015号公報 特開平10−68816号公報 特開2004−170623号公報
しかしながら、従来の広帯域波長板においては、2波長の直線偏光に対して同一のリタデーション値を得るためには、2波長の直線偏光の偏光面(偏光方向)を互いに一致させて入射しなければならなかった。したがって、偏光方向を揃えるために偏光子を広帯域波長板の直前に追加した場合、広帯域波長板への入射光が偏光子によって減衰されるという問題があった。また、2波長の直線偏光を、偏光方向が互いに異なる状態において従来の広帯域波長板に入射させると、所望の偏光特性が得られないという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、波長及び偏光方向が互いに異なる複数の入射光に対して略同一のリタデーション値(以下、単にRd値という)を与え、結果として偏光方向が互いに異なるいずれの波長の直線偏光に対しても所望の偏光特性を与えることのできる広帯域波長板を提供するものである。
本発明の広帯域波長板は、複屈折材料によって形成される第1および第2の位相板が互いに積層されるよう構成され、少なくとも、波長λを有する第1の偏光と前記λより長い波長λを有する第2の偏光とが、互いに異なる方向の直線偏光として前記第1の位相板に入射され、所定の偏光状態に変化して前記第2の位相板から出射されるように用いられる広帯域波長板であって、前記第1の位相板の光学軸と前記第1の偏光の偏光方向とが交差する角度をθとし、前記第1の偏光の偏光方向と前記第2の偏光の偏光方向とのなす角度をαとし、前記第1の位相板の光学軸と前記第2の位相板の光学軸とのなす角度をβとし、前記第1の位相板の任意の波長λにおけるリタデーション値をRd(λ)とし、前記第2の位相板の任意の波長λにおけるリタデーション値をRd(λ)とすると、λ ≦λ≦λ の関係式を満たす波長λに対して、前記Rd (λ)が80°≦Rd (λ)≦100°の関係式を満たし、前記βが30°≦β≦60°の関係式を満たし、前記Rd (λ )、Rd (λ )及び前記αが、|{Rd (λ )−Rd (λ )}/2−α|≦10°の関係式を満たし、前記θは、前記第2の位相板を通過することにより前記2つの偏光に与えられる位相差の差Rd(λ)−Rd(λ)によって、前記第1の位相板を出射した後の2つの偏光のポアンカレ球上での緯度の差を相殺し、前記第2の位相板通過後に2つの偏光の偏光状態が共に楕円率90%以上の楕円偏光となるように設定されていることを特徴とする広帯域波長板である。
また、本発明の広帯域波長板は、複屈折材料によって形成される第1および第2の位相板が互いに積層されるよう構成され、少なくとも、波長λ を有する第1の偏光と前記λ より長い波長λ を有する第2の偏光とが、互いに異なる方向の直線偏光として前記第1の位相板に入射され、所定の偏光状態に変化して前記第2の位相板から出射されるように用いられる広帯域波長板であって、前記第1の位相板の光学軸と前記第1の偏光の偏光方向とが交差する角度をθとし、前記第1の偏光の偏光方向と前記第2の偏光の偏光方向とのなす角度をαとし、前記第1の位相板の光学軸と前記第2の位相板の光学軸とのなす角度をβとし、前記第1の位相板の任意の波長λにおけるリタデーション値をRd (λ)とし、前記第2の位相板の任意の波長λにおけるリタデーション値をRd (λ)とすると、λ ≦λ≦λ の関係式を満たす波長λに対して、前記Rd (λ)が80°≦Rd (λ)≦100°の関係式を満たし、前記βが30°≦β≦60°の関係式を満たし、前記Rd (λ )、Rd (λ )及び前記αが、|{Rd (λ )−Rd (λ )}/2−α|≦10°の関係式を満たし、前記θは、前記第2の位相板を通過することにより前記2つの偏光に与えられる位相差の差Rd (λ )−Rd (λ )によって、前記第1の位相板を出射した後の2つの偏光のポアンカレ球上での緯度の差を相殺し、前記第2の位相板通過後に2つの偏光の偏光状態が共に楕円率10%以下の楕円偏光となるように設定されていることを特徴とする広帯域波長板である。
また、本発明の広帯域波長板は、前記αの増加に応じて、前記第1の位相板のリタデーション値Rdに対する前記第2の位相板のリタデーション値Rdの比Rd/Rdが実質的に増加することを特徴としている。
また、本発明の広帯域波長板は、前記複屈折材料が高分子液晶の薄膜層により構成されていることが好ましい。
また、本発明の広帯域波長板は、前記θが、前記αの増加に応じて実質的に増加するように設定されていることが好ましい。
さらに、本発明の光ヘッド装置は、複数の波長の光を出射する光源と、前記光源から出射された光を光記録媒体上に集光させる対物レンズと、前記光記録媒体により反射された光を検出する光検出器とを備える光ヘッド装置において、前記光源と前記対物レンズとの間の光路中に上記の記載の広帯域波長板が配置されていることを特徴とする。
本発明は、複屈折材料により形成された第1の位相板と第2の位相板とを、互いの光学軸が特定の角度で交差するように積層することにより、偏光面の方向が互いに異なる複数の波長の直線偏光に対して、同一のリタデーション値を得ることができるという効果を有する広帯域波長板を提供することができるものである。
本発明は、複屈折性を有し、入射側に位置する第1の薄膜層(位相板)と、出射側に位置する第2の薄膜層(位相板)とを備えた広帯域波長板に関するものである。
本発明においては、互いに異なる波長と偏光方向を有する2つの直線偏光が、広帯域波長板に入射したとき、第1の位相板で、一旦2つの直線偏光の偏光状態をポアンカレ球上のほぼ同一経線上に移動させ、次いで第2の位相板の屈折率の分散を利用して、2つの偏光の偏光状態のポアンカレ球上での緯度の差を相殺し、第2の位相板通過後に2つの偏光の偏光状態が共にポアンカレ球上のほぼ同一箇所に移動する。最終的に、2つの偏光をポアンカレ球上の極付近に移動させれば、広帯域の1/4波長板となり、赤道付近に移動させれば、広帯域の1/2波長板となる。
本発明で、「ポアンカレ球上のほぼ同一経線上」、「ポアンカレ球上の経線にほぼ沿って」または、「ポアンカレ球上のほぼ同一箇所」という際の「ほぼ」とは、2つの偏光が第2の位相板を透過した後で実用上十分に等しい偏光状態に変換できる程度に一致していれば良いという意味である。本発明の広帯域波長板を1/4波長板として用いる場合は、第2の位相板を透過後の2つの偏光がいずれも楕円率90%以上となることが好ましい。また、本発明の広帯域波長板を1/2波長板として用いる場合は、第2の位相板を透過後の2つの偏光がいずれも楕円率10%以下となることが好ましい。
なお第2の位相板の向きやリタデーションを調整することにより、第1の位相板を透過後の2つの偏光のポアンカレ球上の位置をやや同一経線上からはずした方が最終的に2つの偏光が等しい偏光状態にすることができる場合もあり、適宜調整可能である。
以下、本発明の広帯域波長板について、図1乃至図3を用いて説明する。
図1は、本発明の広帯域波長板の概略の構成を示す模式図であり、広帯域波長板101は、入射側位相板1および出射側位相板2によって構成されている。
図2は、本発明の広帯域波長板の構成を、より詳細に示す模式図である。広帯域波長板102は、直線偏光の入射側の位相板である第1の位相板103と、出射側の位相板である第2の位相板104とが、UV接着剤9等の接着層を介して互いに積層されるよう構成されている。積層の手順については、実施例において説明する。
第1の位相板103は、複屈折材料を構成する高分子液晶3の薄膜層と、ガラス基板5と、ポリイミド配向膜7とを備えている。
一方、第2の位相板104は、複屈折材料を構成する高分子液晶4の薄膜層と、ガラス基板6と、ポリイミド配向膜8とを備えている。
第1の位相板103および第2の位相板104は、図3に示すように、光学軸を構成する遅相軸201、202をそれぞれ有している。
本発明に係る広帯域波長板は、1枚以上の透明基板に積層されていてもよい。この場合、透明基板によって熱膨張によるゆがみや透過光の波面収差が改善されるため好ましい。
また、透明基板にAR(Anti Reflection)処理が施される場合は、入射光の透過率が向上するため好ましい。
また、本発明に係る広帯域波長板は、複屈折材料が有機物あるいは無機物のいずれの材料により構成されていてもよい。また、第1の位相板と第2の位相板とは、同一の材料により構成されていてもよく、あるいは異なる材料により構成されていてもよい。
ここで、本発明に係る広帯域波長板を4分の1波長板に適用する場合における実施の形態を説明する。
以下、広帯域波長板102に入射される第1の直線偏光の波長をλ、第2の直線偏光の波長をλとし、λ<λの関係を有するものとする。
高分子液晶3、4の薄膜層を形成する材料のRd分散はどのようなものでもよいが、Rd(λ)/Rd(λ)が1.15〜1.67の範囲であれば、本発明の広帯域波長板が適用できる2波長の直線偏光の偏光方向のなす角の範囲が広くなるため好ましい。さらに、Rd(λ)/Rd(λ)が1.15〜1.25の範囲であれば、2波長の直線偏光の偏光方向のなす角の範囲をさらに広くすることが可能であるため好ましい。
光ヘッド装置の構成によって、入射される互いに波長が異なる2つの直線偏光の偏光方向の差がより大きい場合は、第1の位相板のRd値に対して実効的により大きなRd値を有するような第2の位相板を用いることが好ましい。すなわち、第1および第2の直線偏光の偏光方向203、204が互いになす角をα、第1の直線偏光の偏光方向203と第1の位相板103の遅相軸201とがなす角をθとすると、大きなαを有する2つの直線偏光を同じ偏光状態に変換するためには、大きなθを選択することが好ましく、この意味で、αとθとは通常、線形の関係を有するといえる。
入射する2つの偏光の偏光状態をポアンカレ球上のほぼ同一経線上に移動させるためには、2つの偏光の波長で、略1/4波長板として機能する位相板を第1の位相板として、用いることが好ましいが、高次の波長板など同様の機能を有するものを用いてもよい。特に、第1の位相板は、入射する偏光の波長範囲およびその近傍において4分の1波長板に相当するRd値を有するようになっていることが好ましい。
具体的には、第1の位相板103を構成する高分子液晶3の薄膜層のリタデーション値Rdは、λ<λ<λを満たすλに対して、
80°≦Rd(λ)≦100° (1)
の関係を有すると、好ましい。また、分散の大きい材料を用いることも好ましいが、λ<λ<λを満たすλのうち、いずれか1波長のλに対して第1の位相板103が4分の1波長板として機能するようにしてもよい。
本発明では、第1の位相板103を出射した後に2つの偏光は、ポアンカレ球上でほぼ同じ経線上に移動しているが、この偏光が第2の位相板104を通過することにより、その偏光状態がポアンカレ球上の経線にほぼ沿って移動するように、第1の位相板103の遅相軸201と、第2の位相板104の遅相軸202とのなす角βを設定する。具体的には
30°≦β≦60° (3)
の関係を有すると、好ましい。通常は、βの値が45°付近になるよう構成することが好ましいが、2つの位相板のリタデーションやその分散等で最も好ましい角度が変化するので、上記範囲で適宜調整することが好ましい。
また、本発明においては、θは、第2の位相板104を通過することにより前記2つの波長の光に与えられる位相差の差Rd(λ)−Rd(λ)によって、第1の位相板103を出射した後の2つの偏光のポアンカレ球上での緯度の差を相殺し、第2の位相板104通過後に2つの波長の光の偏光状態が共にポアンカレ球上のほぼ同一箇所に移動するように設定されている。2つの波長の光の第1の位相板103を出射した後のポアンカレ球上での緯度の差は、基本的に、前記第1の直線偏光の偏光面と前記第2の直線偏光の偏光面とのなす角度αに基づいて生じるものである。したがって、αが大きくなれば、2つの偏光の偏光状態を一致させるために、上記Rd(λ)−Rd(λ)を大きくする必要がある。一方で、2つの偏光の偏光状態が一致する点は、1/4波長板では、ポアンカレ球の極付近であり、1/2波長板では、ポアンカレ球の赤道付近にしなくてはならない。2つの偏光の偏光状態を一致させる点を極又は赤道にするためには、目標点である極又は赤道と、第1の位相板103透過後の2つの偏光の偏光状態をポアンカレ球上で示す点との距離を調整する必要があり、それは、主にθを適切に調整することにより行える。
こうして、適切にθを設定することにより、第2の位相板104を構成する高分子液晶4の薄膜層のリタデーション値Rdは、
|{Rd(λ)−Rd(λ)}/2−α|≦10° (2)
の関係式を有するようにすることが好ましい。また、分散の大きい材料を用いてもよい。ここで、式(2)の右辺の値が0付近となるように構成してもよい。
次に、図5に示す偏光方向および光学軸の方向の関係を有する本発明の広帯域波長板102を4分の1波長板(以下、広帯域4分の1波長板という)として用いた光ピックアップ(光ヘッド装置)の光学系の1例を図14に示す。
第1の半導体レーザ11から出射された直線偏光は、偏光方向207を有し、第2の半導体レーザ12から出射された直線偏光は、偏光方向208を有している。
第1の半導体レーザ11から出射された直線偏光は、第1および第2のハーフミラー21、22を透過し、コリメータレンズ31によってコリメートされ、本発明に係る広帯域4分の1波長板によって円偏光へと変換される。広帯域4分の1波長板から出射した円偏光は、対物レンズ32によって光ディスク33上の信号トラックへ集光される。
集光された光は、光ディスク33によって反射され、対物レンズ32および広帯域4分の1波長板を透過し、入射光の偏光方向に対して直交した偏光方向を有する直線偏光に変換される。その後、第2のハーフミラー22によって反射された直線偏光は、光検出器34によって検出される。一方、第2のハーフミラー22および第1のハーフミラー21を透過した直線偏光は、第1の半導体レーザ11に入射される。この時、第1の半導体レーザ11へ入射した直線偏光の偏光方向は、出射光の偏光方向に対して直交しており、第1の半導体レーザ11の内部において出射光と干渉しない。したがって、干渉に起因するノイズが発生せず、第1の半導体レーザ11の動作に悪影響を及ぼさない。また、第2の半導体レーザ12から出射された直線偏光も同様である。
このとき、第1の半導体レーザ11および第2の半導体レーザ12からの出射光の波長および偏光方向が互いに異なる場合においても、本発明の広帯域波長板を広帯域4分の1波長板として用いることにより、それぞれの波長の直線偏光に対して、光ディスク33からの戻り光の偏光方向と各半導体レーザが出射する直線偏光の偏光方向とを直交させることができる。したがって、いずれの半導体レーザにおいてもノイズが発生せず、結果として、信号トラックに対応した戻り光の信号成分を光検出器34において良好に検出できる。
一方、広帯域波長板として従来の広帯域4分の1波長板を使用した光ピックアップにおいては、第1および第2の半導体レーザからの2つの出射光が、偏光方向が互いに異なる状態で広帯域4分の1波長板に入射されると、一方の波長の出射光に対しては4分の1波長板として十分に機能せず、結果として、半導体レーザに戻る少なくとも一方の直線偏光の偏光方向は、その半導体レーザの出射光の偏光方向に対して直交しない成分を有することとなる。そのため、半導体レーザにノイズが発生し、半導体レーザからの出射光にノイズ成分が含まれることとなる。したがって、信号トラックに応じた信号成分を有する戻り光を光検出器で検出しても、ノイズ成分が大きいため信号成分が検出できないという問題が発生する。
この問題を解決するために、従来の光ピックアップでは、第2のハーフミラー22の代わりに偏光ビームスプリッターを用いたり、半導体レーザの近傍に波長板、もしくは偏光フィルター等を設置したりすることにより、戻り光の半導体レーザへの影響を低減する必要があった。しかしながら、本発明に係る広帯域波長板を用いた光ピックアップでは、いずれの半導体レーザにおいても戻り光に起因するノイズが発生しないため、ノイズの低減あるいは防止に従来必要とした部品を削減することが可能となり、結果として、従来のものより低コストかつ簡易な構造を有する光ピックアップを実現できる。
なお、上記においては、1つの光源から1つの波長の光が出射される場合について説明したが、1つの光源から2つの波長の光、または3つの波長の光、が出射されてもよい。
[例1]
本発明に係る広帯域波長板を4分の1波長板に適用する場合の実施例を、図2および図3を用いて説明する。
厚さ0.5mmのガラス基板5を用意し、ガラス基板5の一面にポリイミドの膜を形成する。ポリイミドの膜に水平配向処理を施すことによって、ポリイミド配向膜7を形成する。
次に、後の過程で液晶セルを形成した際にガラス基板間のギャップが一定に保持されるよう、配向処理を施したポリイミド配向膜7上に、スペーサーとして直径3μmの図示しないSiOビーズを5000個/cmの密度で散布する。
その後、離型処理を施された不図示の水平配向ガラス基板を、配向処理が施された前述のガラス基板5に対向させる。この時、不図示の熱硬化型のエポキシシール材を基板外周部に印刷しておき、2枚のガラス基板がエポキシシール材を介して対向するようにする。
2枚のガラス基板間のギャップは3.0μmとなるようにする。
このように形成された2枚のガラス基板間に、液状の液晶材料を注入し、2枚のガラス基板によって狭持させる。ここで、液晶材料は、DVDに用いられる波長領域の中心波長である660nmにおける常光屈折率と異常光屈折率の差Δn≒0.061であり、かつCDに用いられる波長領域の中心波長である785nmにおける常光屈折率と異常光屈折率の差Δn≒0.058である。すなわち、DVDに用いられる波長領域におけるΔnと、CDに用いられる波長領域におけるΔnとの比が0.95程度となる液晶性モノマーによって形成されている。
液晶性モノマーは、UV硬化性の液晶性モノマー組成物を構成するよう、光重合開始材としてベンゾインイソプロピルエーテルが1%添加されている。
その後、液晶性モノマー組成物全体が水平配向状態のままガラス基板に重合、固化されるよう、波長365nmのUV光を液晶材料の全体に照射した。
次に、上記のガラス基板を140℃で30分間熱処理した後、不図示の水平配向ガラス基板を離型除去することによって、水平配向した厚さ3μmの高分子液晶3の有機薄膜がポリイミド配向膜7上に形成された。
また、上記のプロセスによって、ガラス基板6のポリイミド配向膜8上に、高分子液晶4の有機薄膜が形成された。
上記のように作製された第1および第2の位相板103、104について、波長660nmの半導体レーザ光を用いてRd値および光学軸の方位を測定した。その結果、第1および第2の位相板103、104のいずれのRd値も184nmであった。また、波長785nmの半導体レーザ光を用いて同様にRd値を測定した。その結果、第1および第2の位相板103、104のいずれのRd値も175nmであった。
次に、上記の測定によって得られた光学軸のうち、第1の位相板103の遅相軸201が、第2の位相板104の遅相軸202に対して約45°で交差するよう、第1の位相板103と第2の位相板104とを配置する。ここで、角度は、第1の位相板103を第2の位相板104の上部に配置し、第1の位相板103から第2の位相板104を見た図3の状態において、反時計回りの方向を正(+)とする。
次に、第1および第2の位相板103、104の間にUV接着剤9を滴下し、UV接着剤9の厚さが5μmとなるよう、1000rpmの回転速度で20秒間、5000rpmの回転速度で100秒間回転させた。
回転時の第1および第2の位相板103、104の軸方向のずれを修正した後、5000mJのUV光を照射し、UV接着剤9を硬化させて、広帯域波長板102を作製した。
波長660nmおよび785nmの半導体レーザ光の直線偏光を用いて、上記の広帯域波長板102の楕円率を測定した。波長785nmの直線偏光の偏光方向204は、波長660nmの直線偏光の偏光方向203に対して10°となるように配置した。また、波長660nmの直線偏光は、第1の位相板103の遅相軸201の方向に対して、偏光方向203が約−95°となるようにガラス基板5側から入射された。その結果、波長660nmの直線偏光の場合、測定された楕円率は0.98以上となった。また、波長785nmの直線偏光に対しても、楕円率が0.98以上得られ、実用上十分な特性が得られた。
ここで、波長660nm周辺の直線偏光を、上記の偏光方向203に合わせて広帯域波長板102に入射した時の、波長に対する楕円率を図4(a)に実線で示す。比較のため、従来の広帯域4分の1波長板に同じ波長の直線偏光を入射した時の、波長に対する楕円率を破線で示す。一方、波長785nm周辺の直線偏光を、上記の偏光方向204に合わせて広帯域波長板102に入射した時の、波長に対する楕円率を図4(b)に実線で示し、従来の広帯域4分の1波長板に同じ波長の直線偏光を入射した時の、波長に対する楕円率を破線で示す。
図4(a)および図4(b)より、従来の広帯域4分の1波長板においては、入射される2波長の直線偏光の偏光方向が互いに異なると楕円率が0.9以下となり、4分の1波長板として機能しないことがわかる。これに対し、本発明に係る広帯域波長板102においては、偏光方向が互いに異なる2波長の直線偏光に対して、良好な楕円率が得られている。
次に、広帯域波長板102の遅相軸201の方向に対して、−95°の方向を基準として、ダイシングソーにより外形5mm×5mmに切断し、広帯域位相素子を作製する。
上記のように作製された広帯域位相素子の透過波面収差を、波長633nmのHe−Neレーザ光を用いて測定した。その結果、平方二乗平均の値で25mλrms以下となり、広帯域位相素子が光学素子として十分使用できることが確認された。
なお、広帯域波長板102の波長660nmおよび785nmの直線偏光に対するRd値を弧度表示すると、それぞれ約100°および80°であり、その差が約20°となる。したがって、入射した2波長の直線偏光の偏光方向が互いになす角の約2倍の角度となる。
[例2]
実施例1においては、広帯域波長板102に入射される2波長の直線偏光の偏光方向のなす角をα=10°としたが、本実施例においては、0°≦α≦90°とした場合における、収束計算の結果求めた、好ましい広帯域波長板の特性を示す。
実際には、実施例1とほぼ同様の作製手順および構成にて広帯域波長板を作製できる。実施例1の作製手順および構成と異なる点は、スペーサーの直径と、第1の位相板103と第2の位相板104との張り合わせ角である。
ここで、図5を用いて、入射される直線偏光の偏光方向と、積層された第1および第2の位相板103、104の遅相軸の方向の関係の定義について説明する。
第1の入射光である波長660nmの直線偏光の偏光方向を207、第2の入射光である波長785nmの直線偏光の偏光方向を208、入射側の第1の位相板103の遅相軸の方向を205、出射側の第2の位相板104の遅相軸の方向を206とする。
また、波長660nmの直線偏光の偏光方向207と、波長785nmの直線偏光の偏光方向208とのなす角をα、波長660nmの直線偏光の偏光方向207と、入射側の第1の位相板103の遅相軸の方向205とのなす角をθ、第1の位相板103の遅相軸の方向205と、第2の位相板104の遅相軸の方向206とのなす角をβとする。
波長660nmの直線偏光を入射した時の、αに対する楕円率の関係を図6(a)に、波長785nmの直線偏光を入射した時の、αに対する楕円率の関係を図6(b)にそれぞれ示す。いずれの波長を用いた場合においても、0°≦α≦90°の範囲のαに対して、楕円率が1の近傍となった。したがって、本実施例に係る広帯域波長板は、互いに異なる偏光方向を有する2波長の入射光に対して、4分の1波長板として機能していることがわかる。
次に、αとθとの関係を図7に示す。5°≦α≦85°のαにおいて、αとθが1次の関係になっていることがわかる。
次に、第2の位相板のリタデーション値Rdの第1の位相板のリタデーション値Rdに対する比と、αとの関係を図8に示す。リタデーション比Rd/Rdは、一定の振幅を伴いながら、αの増加に応じて実質的に増加していることを示している。
また、αとβとの関係を図9に示す。0°≦α≦90°のαに対して、βが30°≦β≦60°の値をとることがわかる。
次に、第1の位相板のリタデーション値Rdのαに対する値を図10に示す。ここで、実線は入射光に波長λ=660nmの直線偏光を用いた場合のRd(λ)であり、破線は入射光に波長λ=785nmの直線偏光を用いた場合のRd(λ)である。図10の実線および破線より、λ≦λ≦λを満たす波長λにおいて、7°≦α≦83°のαに対して80°≦Rd(λ)≦100°となり、ほぼ4分の1波長板として機能していることがわかる。
更に、第2の位相板のリタデーション分散の特性を示すために、第2の位相板のリタデーション値Rdの波長λによる差Rd(λ)−Rd(λ)を2分の1にしてαを引いた値と、αとの関係を図11に示す。リタデーション分散の値は、0°≦α<90°の範囲において10以下となることがわかる。
つまり、Rd及びαが、上記の式(2)の関係を満たしている。
なお、角度θ、角度β、高分子液晶3、4の膜厚、第1の位相板103の波長660nmに対するRd値、第1の位相板103の波長785nmに対するRd値、第2の位相板104の波長660nmに対するRd値、および第2の位相板104の波長785nmに対するRd値の、角度αに対する値を図12に示す。
[例3]
実施例2においては、本発明に係る広帯域波長板102を4分の1波長板に適用する場合についての特性の計算例を示したが、本実施例においては、広帯域波長板102を2分の1波長板に適用する場合についての特性の計算例を示す。
この場合も、実施例1とほぼ同様の作製手順および構成にて広帯域波長板を作製できる。実施例1の作製手順および構成と異なる点は、液晶材料として、波長660nmの直線偏光のリタデーション値と、波長785nmの直線偏光のリタデーション値との比が約0.821となる高分子液晶を用いた点である。また、第1の位相板および第2の位相板の作製に用いたスペーサーの直径は、それぞれ0.9μm、4.2μmである。スペーサーの直径の精度は0.1μm単位であり、第1の位相板と第2の位相板との張り合わせ角の精度を1°単位とした。
ここで、図13を用いて、入射される直線偏光の偏光方向と、積層された第1および第2の位相板の遅相軸の方向の関係の定義について説明する。
第1の入射光である波長660nmの直線偏光の偏光方向を211、第2の入射光である波長785nmの直線偏光の偏光方向を212、入射側の第1の位相板の遅相軸の方向を209、出射側の第2の位相板の遅相軸の方向を210とする。
本実施例においては、波長660nmの直線偏光の偏光方向211と、第2波長785nmの直線偏光の偏光方向212とのなす角を45°、波長660nmの直線偏光の偏光方向211と、第1の位相板の遅相軸の方向209とのなす角を74°、第1の位相板の遅相軸の方向209と、第2の位相板の遅相軸の方向210とのなす角を49°となるように構成した。
まず、本実施例の広帯域波長板を構成する第1の位相板および第2の位相板が積層される前の状態において、これらの位相板に波長660nmの直線偏光を入射した場合におけるリタデーション値は、それぞれ198nm、925nmであった。
次に、第1の位相板および第2の位相板を上記のように積層し、波長660nmおよび785nmの半導体レーザ光の直線偏光を用いて、広帯域波長板の楕円率を測定した。その結果、波長660nmの直線偏光を用いた場合において、楕円率は0.05以下、方位角71.3°となり、波長785nmの直線偏光を用いた場合において、楕円率は0.05以下、方位角71.6°となった。つまり、互いに異なる波長および偏光方向を有する2つの直線偏光が入射された場合、互いに同じ偏光方向を有する直線偏光に変換できることが確認された。また、この広帯域波長板は、広帯域2分の1波長板として十分実用される特性が得られた。
[例4]
実施例3においては、広帯域波長板102に入射される2波長の直線偏光の偏光方向のなす角をα=45°としたが、本実施例においては、0°≦α≦90°とした場合において、収束計算の結果求めた、好ましい広帯域波長板の特性を示す。
実施例3の作製手順および構成と異なる点は、スペーサーの直径と、第1の位相板103と第2の位相板104との張り合わせ角、および、使用する液晶材料がDVDに用いられる波長領域の中心波長である660nmにおける常光屈折率と異常光屈折率の差Δn≒0.035であり、かつCDに用いられる波長領域の中心波長である785nmにおける常光屈折率と異常光屈折率の差Δn≒0.034である点、である。
波長660nmの直線偏光を入射した時、および、波長785nmの直線偏光を入射した時、αに対する楕円率は、0°≦α≦90°の範囲のαに対して、楕円率がほぼ0(ゼロ)となった。したがって、本実施例に係る広帯域波長板は、互いに異なる偏光方向を有する2波長の入射光に対して、2分の1波長板として機能していることがわかる。
次に、αとθとの関係を図15に示す。5°≦α≦85°のαにおいて、αとθがおおよそ1次の関係になっていることがわかる。
次に、第2の位相板104のリタデーション値Rdの第1の位相板103のリタデーション値Rdに対する比と、αとの関係を図16に示す。リタデーション比Rd/Rdは、αの増加に応じて実質的に増加していることを示している。
また、αとβとの関係を図17に示す。20°≦α≦90°のαに対して、おおむねβが30°≦β≦60°の値をとることがわかる。
次に、第1の位相板103のリタデーション値Rdのαに対する値を図18に示す。ここで、実線は入射光に波長λ=660nmの直線偏光を用いた場合のRd(λ)であり、破線は入射光に波長λ=785nmの直線偏光を用いた場合のRd(λ)である。図18の実線および破線より、λ≦λ≦λを満たす波長λにおいて、10°≦α≦80°のαに対しておおむね80°≦Rd(λ)≦100°となり、ほぼ4分の1波長板として機能していることがわかる。
更に、第2の位相板104のリタデーション分散の特性を示すために、第2の位相板104のリタデーション値Rdの波長λによる差Rd(λ)−Rd(λ)を2分の1にしてαを引いた値と、αとの関係を図19に示す。リタデーション分散の値は、10°≦α≦80°の範囲においておおむね10以下となることがわかる。
つまり、Rd及びαが、上記の式(2)の関係を満たしている。
なお、角度θ、角度β、高分子液晶3、4の膜厚、第1の位相板103の波長660nmに対するRd値、第1の位相板103の波長785nmに対するRd値、第2の位相板104の波長660nmに対するRd値、および第2の位相板104の波長785nmに対するRd値の、角度αに対する値を図20に示す。
以上のように、本発明にかかる広帯域波長板は、偏光面の方向が互いに異なる複数の波長の直線偏光に対して、同一のリタデーション値を得ることができるという効果を有し、入射される複数の直線偏光の偏光面を揃えるための偏光子を必要としない広帯域波長板として有用である。
本発明における広帯域波長板の構成を模式的に示す断面図 本発明における広帯域波長板の構成を模式的に示す断面図 本発明の実施例1に係る位相板の遅相軸と入射される2つの直線偏光の偏光方向との関係を示す模式図 (a)波長660nm付近の直線偏光を実施例1に係る広帯域波長板および従来の広帯域4分の1波長板に入射した場合において、波長と楕円率との関係を示す特性図 (b)波長785nm付近の直線偏光を実施例1に係る広帯域波長板および従来の広帯域4分の1波長板に入射した場合において、波長と楕円率との関係を示す特性図 実施例2に係る広帯域波長板の遅相軸と直線偏光の偏光方向との関係を示す模式図 (a)2波長の直線偏光を広帯域波長板に入射した場合において、偏光方向の差αに対する波長660nmの直線偏光の楕円率を示す特性図 (b)2波長の直線偏光を広帯域波長板に入射した場合において、偏光方向の差αに対する波長785nmの直線偏光の楕円率を示す特性図 2波長の直線偏光の偏光方向の差αに対する、第1の直線偏光の偏光方向と第1の位相板の遅相軸とのなす角θを示す特性図 2波長の直線偏光の偏光方向の差αと、Rd/Rdとの関係を示す特性図 2波長の直線偏光の偏光方向の差αと、第1および第2の位相板の遅相軸が互いになす角βとの関係を示す特性図 2波長の直線偏光の偏光方向の差αと、第1の位相板のリタデーション値Rdとの関係を示す特性図 2波長の直線偏光の偏光方向の差αと、式(2)の左辺の値との関係を示す特性図 角度θ、角度β、第1および第2の位相板が有する高分子液晶の膜厚およびリタデーション値の、角度αに対する値を示す特性図 実施例3に係る広帯域波長板の遅相軸と直線偏光の偏光方向との関係を示す模式図 本発明に係る光ピックアップの構成を示す模式図 実施例4における2波長の直線偏光の偏光方向の差αに対する、第1の直線偏光の偏光方向と第1の位相板の遅相軸とのなす角θを示す特性図 実施例4における2波長の直線偏光の偏光方向の差αと、Rd/Rdとの関係を示す特性図 実施例4における2波長の直線偏光の偏光方向の差αと、第1および第2の位相板の遅相軸が互いになす角βとの関係を示す特性図 実施例4における2波長の直線偏光の偏光方向の差αと、第1の位相板のリタデーション値Rdとの関係を示す特性図 実施例4における2波長の直線偏光の偏光方向の差αと、式(2)の左辺の値との関係を示す特性図 実施例4における角度θ、角度β、第1および第2の位相板が有する高分子液晶の膜厚およびリタデーション値の、角度αに対する値を示す特性図
符号の説明
1 入射側位相板
2 出射側位相板
3、4 高分子液晶
5、6 ガラス基板
7、8 ポリイミド配向膜
9 UV接着剤
11 第1の半導体レーザ(光源)
12 第2の半導体レーザ(光源)
21 第1のハーフミラー
22 第2のハーフミラー
31 コリメータレンズ
32 対物レンズ
33 光ディスク(光記録媒体)
34 光検出器
101 広帯域波長板
102 広帯域波長板
103 第1の位相板
104 第2の位相板
201 第1の位相板の遅相軸
202 第2の位相板の遅相軸
203 偏光方向(偏光面)
204 偏光方向(偏光面)
205 第1の位相板の遅相軸
206 第2の位相板の遅相軸
207 偏光方向(偏光面)
208 偏光方向(偏光面)

Claims (6)

  1. 複屈折材料によって形成される第1および第2の位相板が互いに積層されるよう構成され、
    少なくとも、波長λを有する第1の偏光と前記λより長い波長λを有する第2の偏光とが、互いに異なる方向の直線偏光として前記第1の位相板に入射され、所定の偏光状態に変化して前記第2の位相板から出射されるように用いられる広帯域波長板であって、
    前記第1の位相板の光学軸と前記第1の偏光の偏光方向とが交差する角度をθとし、
    前記第1の偏光の偏光方向と前記第2の偏光の偏光方向とのなす角度をαとし、
    前記第1の位相板の光学軸と前記第2の位相板の光学軸とのなす角度をβとし、
    前記第1の位相板の任意の波長λにおけるリタデーション値をRd(λ)とし、
    前記第2の位相板の任意の波長λにおけるリタデーション値をRd(λ)とすると、
    λ ≦λ≦λ の関係式を満たす波長λに対して、前記Rd (λ)が80°≦Rd (λ)≦100°の関係式を満たし、
    前記βが30°≦β≦60°の関係式を満たし、
    前記Rd (λ )、Rd (λ )及び前記αが、|{Rd (λ )−Rd (λ )}/2−α|≦10°の関係式を満たし、
    前記θは、前記第2の位相板を通過することにより前記2つの偏光に与えられる位相差の差Rd(λ)−Rd(λ)によって、前記第1の位相板を出射した後の2つの偏光のポアンカレ球上での緯度の差を相殺し、前記第2の位相板通過後に2つの偏光の偏光状態が共に楕円率90%以上の楕円偏光となるように設定されていることを特徴とする広帯域波長板。
  2. 複屈折材料によって形成される第1および第2の位相板が互いに積層されるよう構成され、
    少なくとも、波長λ を有する第1の偏光と前記λ より長い波長λ を有する第2の偏光とが、互いに異なる方向の直線偏光として前記第1の位相板に入射され、所定の偏光状態に変化して前記第2の位相板から出射されるように用いられる広帯域波長板であって、
    前記第1の位相板の光学軸と前記第1の偏光の偏光方向とが交差する角度をθとし、
    前記第1の偏光の偏光方向と前記第2の偏光の偏光方向とのなす角度をαとし、
    前記第1の位相板の光学軸と前記第2の位相板の光学軸とのなす角度をβとし、
    前記第1の位相板の任意の波長λにおけるリタデーション値をRd (λ)とし、
    前記第2の位相板の任意の波長λにおけるリタデーション値をRd (λ)とすると、
    λ ≦λ≦λ の関係式を満たす波長λに対して、前記Rd (λ)が80°≦Rd (λ)≦100°の関係式を満たし、
    前記βが30°≦β≦60°の関係式を満たし、
    前記Rd (λ )、Rd (λ )及び前記αが、|{Rd (λ )−Rd (λ )}/2−α|≦10°の関係式を満たし、
    前記θは、前記第2の位相板を通過することにより前記2つの偏光に与えられる位相差の差Rd (λ )−Rd (λ )によって、前記第1の位相板を出射した後の2つの偏光のポアンカレ球上での緯度の差を相殺し、前記第2の位相板通過後に2つの偏光の偏光状態が共に楕円率10%以下の楕円偏光となるように設定されていることを特徴とする広帯域波長板。
  3. 前記αの増加に応じて、前記第1の位相板のリタデーション値Rd に対する前記第2の位相板のリタデーション値Rd の比Rd /Rd が実質的に増加する請求項1または2に記載の広帯域波長板。
  4. 前記複屈折材料が高分子液晶の薄膜層により構成されている請求項1から3のいずれか1項に記載の広帯域波長板。
  5. 前記θが、前記αの増加に応じて実質的に増加するように設定されている請求項1から4のいずれか1項に記載の広帯域波長板。
  6. 複数の波長の光を出射する光源と、
    前記光源から出射された光を光記録媒体上に集光させる対物レンズと、
    前記光記録媒体により反射された光を検出する光検出器とを備える光ヘッド装置において、
    前記光源と前記対物レンズとの間の光路中に請求項1からのいずれか1項に記載の広帯域波長板が配置されていることを特徴とする光ヘッド装置。
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