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JP5316409B2 - 位相差素子および光ヘッド装置 - Google Patents

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JP5316409B2 JP2009525366A JP2009525366A JP5316409B2 JP 5316409 B2 JP5316409 B2 JP 5316409B2 JP 2009525366 A JP2009525366 A JP 2009525366A JP 2009525366 A JP2009525366 A JP 2009525366A JP 5316409 B2 JP5316409 B2 JP 5316409B2
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Description

本発明は、光の偏光状態を変化させる位相差素子および、CD、DVD、ブルーレイディスク(以下BD)、HD−DVD等の光記録媒体(以下、光ディスクという)に対して記録または再生を行う光ヘッド装置に関する。
この種の光ヘッド装置は、光源および光検出器と、光源から発せられた光ビームを光ディスクに導くように反射するとともに光ディスクからの反射光を光検知器の方に導くように透過させるビームスプリッター等の光路分離素子と、光ディスクの情報記録面に対向配置される対物レンズとを備える。とくに、対物レンズと光路分離素子との間に、光ディスクに入射および反射される光の偏光面を回転させる、即ち光の偏光状態を変える、1/4波長板(λ/4板:quarter−wave plate)を備えるのが一般的である。ここに本願発明における光の「偏光状態」とは、円偏光、直線偏光または楕円偏光を意味しており、直線偏光や楕円偏光ならばその電場の長軸の方向をも意味する。
通常の位相差素子として用いられる1/4波長板は、ある特定の波長の光に対しては1/4波長の位相差を発現させ、直線偏光の光を円偏光の光(または円偏光の光を直線偏光の光)に変換することができるが、それと異なる波長の直線偏光の光に対しては、位相差が1/4波長からずれるため円偏光に変換することができない。この場合、例えば複数の規格の光ディスクを記録あるいは再生する光ヘッド装置においては複数の波長の光源を有するので、複数の波長の光に合わせた1/4波長板をそれぞれ備える必要があり、装置の小型化および低コスト化に不都合が生じていた。
これまで、複数の波長の光に対してひとつの位相差素子で1/4波長板の機能を実現するために、例えば2種類の波長の光(DVDとCD用の660nm帯、780nm帯の波長)の場合、位相差層を2層用いる構成の広帯域波長板を備えることで特定の2つの波長の光に対して楕円率を他の波長の光よりも高くする、つまり円偏光に近づけることを可能にした(特許文献1)。また、より広範囲な波長の1/4波長板として3層の波長板によって構成して楕円率の大きな波長範囲を広げたものが報告されている(特許文献2)。このほかに、位相差層を2層用いて400nm、650nmおよび785nmの波長をピンポイントで楕円率を1に近づける波長板も報告されている(特許文献3)。
特開2001−101700号公報 特開2006−114080号公報 特開2007−086105号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2は、いずれも特定の波長範囲における楕円率を1に近づけるピークは2点であり、これらの広帯域波長板を近年の光ヘッド装置に適用させる場合、CD用の780nm帯、DVDの660nm帯、そしてBDやHD−DVDの405nm帯の3つの波長帯にすべておいて楕円率を1に近づけるピークを有することはできない。つまり、405nm帯、660nm帯の楕円率にピークを持たせると780nm帯の楕円率にはピークがなく楕円率も比較的低くなる。このため、このような3つの光源を有する光ヘッド装置に対してはいずれかの波長の光では光の利用率の低下を招くという問題があった。また、特許文献3は、光ヘッド装置用の3つの光源の波長に合わせて楕円率を1に近づけるピークとなる特性を有するが、ピンポイントの光源の波長が揺らいだり光源のばらつきによって所定の波長より10nm程度ずれてしまうだけで楕円率が大きく低下して円偏光への変換が困難となるため、信頼性や製造ばらつきに問題があった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、所定の波長範囲(380〜900nm)おいて直線偏光の光が入射したときに楕円率が1に近づくピークが3点以上有するとともに、ピーク以外の波長においても一定の楕円率を有する位相差素子を提供することを目的とする。
本発明は、3つ以上の異なる波長λ(k=1、2、3、・・・)の直線偏光の光で入射する入射光の偏光状態を変えて透過させる位相差素子であって、前記位相差素子は、前記入射光側よりそれぞれ屈折率異方性を有する材料からなる第1の位相差層、第2の位相差層、第3の位相差層の順に3つの位相差層が平行に並んで構成され、前記第2の位相差層の進相軸方向は、前記第1の位相差層および前記第3の位相差層の進相軸方向とは異なり、前記位相差素子を透過する光の楕円率は、前記透過する光の波長により変化し、前記3つの位相差層のリタデーションおよび光学軸方向の角度は、前記波長のうち少なくとも3つの異なる波長λ (k=1、2、3)において当該3つの位相差層を透過する光の楕円率が0.9以上となり、かつ、Δλを波長λの3%の波長とするときλ±Δλの波長帯域における楕円率が0.6以上となる条件を満たし、前記第1の位相差層および前記第2の位相差層のリタデーションおよび光学軸方向の角度は、さらに以下の条件(A)を満たす位相差素子を提供する。
条件(A):
前記3つの波長λ 、λ 、λ の光が、同じ偏光方向となる直線偏光の光で前記第1の位相差層に入射されたときの、前記第3の位相差層に入射する光の偏光状態を示すストークスパラメターの値を、前記3つの波長λ 、λ 、λ に対してそれぞれ(S 131 、S 231 、S 331 )、(S 132 、S 232 、S 332 )、(S 133 、S 233 、S 333 )とするとき、
231 =B ×S 131
232 =B ×S 132
233 =B ×S 133
の等式を満足するB 、B 、B の値が、arctan(B )、arctan(B )、arctan(B )を計算したとき±15°以内となる値である
この構成により、ひとつの位相差素子で異なる3つの波長の光に対して高品質な1/4波長板として機能させることができる。また、各波長における1/4波長板としての機能がいずれも十分に満たせることができるため、光利用効率の低下を抑制できる。また、各位相差層のリタデーションおよび光学軸方位角度の条件のうち、第1の位相差層および第2の位相差層の設定条件が明確化されているので、この条件を満たした上で第3の位相差層の設定を行うことで、容易に上記機能を有する位相差素子を得られる
また、記第1の位相差層および前記第2の位相差層のリタデーションおよび光学軸方向の角度は、さらに以下の条件(B)を満たす位相差素子を提供する。
条件(B):
前記3つの波長λ、λ、λの光が、同じ偏光方向となる直線偏光の光で前記第1の位相差層に入射されたときの、前記第2の位相差層に入射する光の偏光状態を示すストークスパラメターの値を、前記3つの波長λ、λ、λに対してそれぞれ(S121、S221、S321)、(S122、S222、S322)、(S123、S223、S323)とするとともに、前記第3の位相差層に入射する光の偏光状態を示すストークスパラメターの値を、前記3つの波長λ、λ、λに対してそれぞれ(S131、S231、S331)、(S132、S232、S332)、(S133、S233、S333)とするとき、
(S231−S221)=A×(S131−S121)、
(S232−S222)=A×(S132−S122)、
(S233−S223)=A×(S133−S123)、
の等式を満足するA、A、Aの値が、arctan(A)、arctan(A)、arctan(A)を計算したとき±15°以内となる値である
この構成により、ひとつの位相差素子で異なる3つの波長の光に対して高品質な1/4波長板として機能させることができる。また、各波長における1/4波長板としての機能がいずれも十分に満たせることができるため、光利用効率の低下を抑制できる。また、各位相差層のリタデーションおよび光学軸方位角度の条件のうち、第1の位相差層および第2の位相差層の設定条件が明確化されているので、この条件を満たした上で第3の位相差層の設定を行うことで、容易に上記機能を有する位相差素子を得られる
また、前記第1の位相差層および前記第2の位相差層のリタデーションおよび光学軸方向の角度は、さらに上記条件(A)および(B)を満たす上記に記載の位相差素子を提供する。
この構成により、第1の位相差層および第2の位相差層の設定条件がさらに明確化されているので、この条件を満たした上で第3の位相差層の設定を行うことで、さらに容易に上記機能を有する位相差素子を得られる
また、前記第1の位相差層の波長λ (ただし、λ <λ <λ )におけるリタデーションをRd 13 、前記第2の位相差層の波長λ におけるリタデーションをRd 23 、前記第3の位相差層の波長λ におけるリタデーションをRd 33 とするとき、Rd 13 /λ 、Rd 23 /λ およびRd 33 /λ の値がそれぞれ2以下である上記に記載の位相差素子を提供する。
この構成により、楕円率の波長変化量依存性を小さくできるので、所定の波長の光に揺らぎがあって位相差素子に入射しても直線偏光の楕円率を低下させることなく変調させることができ、信頼性が向上し好ましい
また、前記λが380〜450nmの間、λが600〜720nmの間、λが750〜900nmの間である上記に記載の位相差素子を提供する。
この構成により、光ディスクのピックアップ用に規格化されている光の波長帯域すべてにおいて1/4波長板として機能するので、複数枚の位相板の代替が可能になる。
また、異なる3つの波長の光源と、前記光源から出射した光を光ディスクに集光する対物レンズと、前記光ディスクからの反射光を検出する光検出器を有する光ヘッド装置において、光源から光検出器に至る光路中に上記に記載の位相差素子を配置することを特徴とする光ヘッド装置を提供する。
この構成により、光ヘッド装置に適用される規格化された3種類の光ディスクのピックアップに用いられる、異なる3種類の波長の光すべてにおいて1/4波長板として適応させることができる。このため、3種類の光ディスクの互換が可能な光ヘッド装置に対してひとつの位相差素子を用いることですべての波長帯の光に適応させることができ、小型化および低コスト化を実現することができる。
本発明は、屈折率異方性を有する3つの位相差層を平行に重ねて構成する位相差素子であり、各位相差層のリタデーションおよび光学軸方位の角度を調整することにより、3つ以上の波長の異なる直線偏光の光すべてに対して円偏光に変換する1/4波長板として機能する位相差素子を提供できるものである。
本発明の位相差素子の構成を示す断面模式図。 本発明の位相差素子の入射光および光学軸方向を示す模式図。 本発明の位相差素子を透過する光の波長に対する楕円率の特性図。 本発明の第1の設計例におけるストークスパラメターの変遷図。 本発明の第3の設計例におけるストークスパラメターの変遷図。 本発明の第4の設計例におけるストークスパラメターの変遷図。 本発明の位相差素子を搭載した光ヘッド装置の概念図。
符号の説明
1 位相差素子
2 入射光(直線偏光)
3 透過光(円偏光)
11 第1位相差層
12 第2位相差層
13 第3位相差層
20 入射光の偏光方向
21 第1位相差層光学軸(進相軸)
22 第2位相差層光学軸(進相軸)
23 第3位相差層光学軸(進相軸)
100 光ヘッド装置
101、102、103 半導体レーザ光源
104、105 合波プリズム
106 コリメータレンズ
107 偏光ビームスプリッター
108 対物レンズ
109 光ディスク
110 光検出系
図1に本実施形態にかかる位相差素子1の断面構造の模式図を示す。位相差素子1は、直線偏光の光が入射される側から屈折率異方性を有する材料からなる第1の位相差層11と第2の位相差層12と第3の位相差層13の3層の位相差層より構成されている。これらの位相差層は接着層や粘着層を介して貼り合わせたり融着あるいは溶着させたりして一体化した構成とすることで、部品点数の削減や貼り合わせ精度が向上し位相差素子の特性が安定する。また、接着層が無くても実質的に貼り合わせることができれば、より小型化が実現でき好ましい。また、これらの位相差層を透明基板と貼り合わせたり、透明樹脂やガラスなどの透明基板によって位相差層を挟み込んだり、2つの位相差層の間に透明基板を挟んでもよい。さらに、本発明の位相差素子と他の位相差素子を積層したり、プリズムや回折素子などと貼り合わせることで一体化することも同様の理由で好ましい。
位相差層の材料としては、ポリカーボネート、ポリオレフィン、PVAなどの樹脂フィルムを延伸したものや、水晶、LiNbO、LiTaO、KDPなどの光学異方性単結晶、液晶や液晶を重合した高分子液晶も用いることができる。そのほか、屈折率異方性を有するものであれば上記に限るものではない。また、3つの位相差層は同一の材料である必要はなく、適宜材料を組み合わせてもよい。
ここで、位相差素子1には、図1のX軸に平行な直線偏光の光がX−Y平面に垂直となるZ軸の直進方向で入射する。図2は、位相差素子1のX−Y平面からみた模式図であり、入射する光の直線偏光方向20を基準として位相差層の光学軸との角度を設定したものである。このとき、入射光の偏光方向20と第1の位相差層11の光学軸の方位との角度をθ、第2の位相差層12の光学軸の方位との角度をθ、第3の位相差層13の光学軸の方位との角度をθとする。ここで光学軸は便宜的に進相軸方向として説明するが、光学軸がすべて位相差層の遅相軸方向であってもよい。また、入射する異なる3つの光の波長λ、λおよびλに対する第1の位相差層11のリタデーションをそれぞれRd11、Rd12およびRd13(nm)、第2の位相差層12のリタデーションをそれぞれRd21、Rd22およびRd23(nm)、第3の位相差層13のリタデーションをそれぞれRd31、Rd32およびRd33(nm)とする。ここでリタデーションは、入射する光の偏光方向に対する位相差層の屈折率異方性Δnと位相差層の厚さ(光路長)dとの積Δn・dで表される。
位相差層のリタデーションは使用する材料によって異なる波長分散特性を有するが、説明を簡単にするためにまずは、各位相差層のリタデーションの波長依存性(屈折率の波長分散)が無い以下の等式が成立する場合を考える。
Rd11=Rd12=Rd13=Rd
Rd21=Rd22=Rd23=Rd
Rd31=Rd32=Rd33=Rd
このとき、Rd、RdおよびRdはそれぞれの位相差層の代表的なリタデーション値である。
3つの異なる波長がそれぞれ、λ=405nm、λ=660nmおよびλ=780nmの直線偏光の光で入射し、各波長の光を円偏光に変換するような位相差素子を設計する。このときの直線偏光の方位角は図2においてX軸に平行しており、このときの偏光方位角を0°とする。位相差素子1を構成する3層の位相差層のうち、図2のようにそれぞれ隣り合う位相差層の光学軸が異なる(θ≠θ、θ≠θ)ように配置する。
本発明の設計法について詳しく説明する。楕円率を1に近づける設計波長をλ(k=1、2、3)とし、位相差素子への光の入射側からj層目の位相差層(j=1、2、3)とする。光の偏光状態を示すためにストークスパラメターSが用いられ、通常(S、S、S、S)の4次元ベクトルで表される。それぞれSは光の輝度、Sは0°の偏光の強さ、Sは45°の偏光の強さ、そしてSは円偏光の強さを意味するものであるが、以降、ストークスパラメターは偏光の強さSを省略して(S、S、S)の3次元ベクトルとして説明をする。
まず、波長の種類(k)および位相差層(j)を考慮したときの光の偏光状態を示すストークスパラメターを(S1jk、S2jk、S3jk)とする。また、表1に示すように位相差素子1透過後の各波長のストークスパラメターを(S1outk、S2outk、S3outk)とする。この3つの設計波長λの光はいずれも同じ方向(X軸方向)の直線偏光の光で位相差素子1に入射するものとし、各波長の入射光のストークスパラメターは(S1k1、S2k1、S3k1)=(1、0、0)となる。3つの設計波長はいずれも同じ方向の直線偏光の光で位相差素子1に入射するものとして説明するが、互いに直交しても特定の角度をなして入射するものでもよい。
Figure 0005316409
設計波長λの直線偏光の光が位相差素子1を通過して円偏光の光になるように表1の各ストークスパラメターの値を後述する方法で求める。表2にそれぞれ位相差層への入射光および透過光のストークスパラメターの具体的な値を示す。円偏光の光は、直線偏光成分であるS1OUTkおよびS2OUTkがそれぞれ0、円偏光成分であるS3OUTkが+1または−1となるようする。表2の例ではS3OUTkは+1であり、偏光状態は右回りの円偏光である。以降、「円偏光」はとくに表記がない場合、右回りの円偏光とする。
Figure 0005316409
設計波長λの入射光の偏光状態(1、0、0)が位相差素子透過後には(0、0、1)の楕円率=1の円偏光に変化させるために各位相差層のリタデーションおよび光学軸方位の角度を設定する。例えば各位相差層の適当なリタデーションと光学軸方位の角度を基礎とすることで各位相差層透過後の光の偏光状態が表2のようなストークスパラメターとなる。このような具体的な値を導く第1の設計指針について説明する。
(第1の設計指針)
図4にストークスパラメターのS成分を横軸にS成分を縦軸にした2次元空間を示す。まずは、第1の位相差層11および第2の位相差層12を透過後(第3の位相差層13への入射光)の偏光状態を示す(S131、S231)、(S132、S232)および(S133、S233)の各点と(S、S)=(0、0)の点とが一直線上に位置するように設計する。このようして第1の位相差層11および第2の位相差層12のリタデーションおよび光学軸方位の角度を調整し、調整できた条件について第3の位相差層13透過後の楕円率が1となるように条件を調整する。
図4において(S131、S231)、(S132、S232)および(S133、S233)の座標について考える。このとき、第1の設計指針として、
231=B×S131
232=B×S132
233=B×S133
となる定数B、B、Bの値をほぼ等しくする条件を見つけ出す。
このことで(S、S)=(0、0)の点を含む4点がほぼ一直線上となる。
具体的には、B、B、Bの値は、arctan(B)、arctan(B)、arctan(B)の値が±15°以内で一致していることが好ましい。±5°以内であればより好ましく、±2°以内であればさらに好ましい。表2の数値を適応すると、
=S131/S231=−0.240/0.752=−0.319、
=S132/S232=−0.298/0.933=−0.319、
=S133/S233=−0.277/0.870=−0.318、
となり、B、B、Bはほぼ等しく、arctan(B)、arctan(B)、arctan(B)の値も±2°以内となっている。
また、第3の位相差層13のリタデーションや光学軸方位の角度を調整しても、3つの設計波長λ、λおよびλすべてが楕円率が1に近づく条件がなければ、再度B、BおよびBの値が等しくなる条件の下で第1の位相差層11および第2の位相差層12のリタデーションや光学軸方位の角度を調整する。そして、第3層の位相差層13の条件を調整し、位相差素子透過後の楕円率が3つの設計波長で1に近づくようにすることを繰り返すことで、本発明の位相差素子を設計することができる。
(第2の設計指針)
さらに、設計を容易にするために第2の設計指針について図4を用いて詳しく説明する。第1の位相差層11を透過後(第2の位相差層12への入射光)の偏光状態を示す(S121、S221)、(S122、S222)および(S123、S223)と、第2の位相差層12を透過後(第3の位相差層13への入射光)の偏光状態を示す(S131、S231)、(S132、S232)および(S133、S233)の各点について、同じ設計波長λの光の点同士を結ぶ。図4では、3つの波長λ(k=1、2、3)に相当する3つのベクトルが表現でき、このベクトルが平行であるように第1と第2の位相差層のリタデーションと光学軸方位角を設計する。
図4においてそれぞれ、
(S231−S221)=A×(S131−S121)、
(S232−S222)=A×(S132−S122)、
(S233−S223)=A×(S133−S123)、
となる定数A、A、Aの値をほぼ等しくすることで上記の3つのベクトルが平行となる。
具体的には、A、A、Aの値は、arctan(A)、arctan(A)、arctan(A)の値が±15°以内で一致していることが好ましい。±5°以内であればより好ましく、±2°以内であればさらに好ましい。表2の数値を適応すると、
=(S231−S221)/(S131−S121)=(0.752−0.305)/(−0.240−0.918)=0.447/(−1.158)=0.386、
=(S232−S222)/(S132−S122)=(0.933−0.482)/(−0.298−0.871)=0.451/(−1.169)=0.386、
=(S233−S223)/(S133−S123)=(0.870−0.420)/(−0.277−0.887)=0.450/(−1.164)=0.387、
となり、A、A、Aはほぼ等しく、arctan(A)、arctan(A)、arctan(A)の値も±2°以内である。
このように上記のように設計できるが、第3の位相差層13のリタデーションや光学軸方位の角度を調整しても、3つの設計波長λ、λおよびλすべてが楕円率が1に近づかなければ、再度2の設計指針の条件の下で第1の位相差層11および第2の位相差層12のリタデーションや光学軸方位の角度を調整したのち、第3層の位相差層13の条件を調整し、位相差素子透過後の楕円率が3つの設計波長で1に近づくようにすることを繰り返すことで、本発明の位相差素子1を設計することができる。共通する設計方針として、3つの設計波長について設計方針に従って楕円率を1に近づける場合、いずれの設計波長も楕円率が0.9以上となる条件を求め、その条件に達しないときに再度条件を変えて再計算を繰り返すものである。
ここでは、第1の設計指針と第2の設計指針とを独立して説明したが、前述の第1の設計指針に示したストークスパラメターの関係である、
231=B×S131
232=B×S132
233=B×S133
となる定数B、B、Bの値をほぼ等しくすることと、第2の設計指針で説明したストークスパラメターの関係である、
(S231−S221)=A×(S131−S121)、
(S232−S222)=A×(S132−S122)、
(S233−S223)=A×(S133−S123)、
となる定数A、A、Aの値をほぼ等しくすることを同時に満足するような、第1の位相差層11と第2の位相差層12のリタデーションと光学軸方位角を設計し、次に、第3の位相差層13のリタデーションと光学軸方位角を調整し、位相差素子透過後の楕円率が3つの設計波長で1に近づくようにすることを繰り返すことで、より容易に本発明の位相差素子1を設計することができる。
(第3の設計方針)
さらに、設計を容易にするために、第3の設計指針を説明する。3つの位相差層のリタデーションのうち、いずれか2つの位相差層のリタデーションの比が、1.5〜2.5の間と限定することで、より容易に設計解を得ることができるので好ましい。さらに好ましくは、1.8〜2.2の間に限定することが好ましい。具体的には、設計開始時の初期値の制限としてRd/Rdの値を2とする。前述の第1の設計指針や第2の設計指針に基づいて、各リタデーションや光学軸方位角を調整する。調整する際の制限条件として、Rd/Rd=1.8〜2.2とする。
(第1の設計例)
このように各位相差層を透過する光が例えば図4のような座標で表されるストークスパラメターで示される偏光状態になるように各位相差層のリタデーション(Rd、Rd、Rd)および光学軸方向の角度(θ、θ、θ)を調整する。第1および第2の設計指針において、
Rd=289.55nm、θ=7.50°、
Rd=281.02nm、θ=34.43°、
Rd=143.82nm、θ=98.84°、
に設定することで、位相差素子1にλ=405nm、λ=660nmおよびλ=780nmのX軸に平行な直線偏光(偏光方位角0°)の光を入射したとき透過した光は楕円率がほぼ1の円偏光になる。この位相差素子の各位相差層に入射する光の偏光状態および透過した光の偏光状態をストークスパラメターで記述したものを表2に示した。また、Rd/Rd=2.01となっていて、前述の第3の設計指針に基づく条件であることがわかる。
上記の条件で所定の波長範囲で位相差素子1を透過する光の楕円率のグラフを図3に示す。これより透過光の楕円率はλ(=405nm)、λ(=660nm)およびλ(=780nm)の3つの波長でピークを有し、楕円率が高くなっていることがわかる。このように、3層の位相差層のリタデーションと光学軸方位の角度を調整することで、3つの設計波長で楕円率が1に近づくピークを持つようにすることができ、直線偏光の光を精度よく円偏光に変換できる位相差素子1が実現できることを示している。
また、実際に光ヘッド装置の光源として半導体レーザを用いる場合には、半導体レーザの個体差による波長ばらつきがあったり、半導体レーザの温度変化により波長変化が生じる。これらの波長変動は設計波長(λ、λおよびλ)の±3%程度である(例えば660nm±20nm)。したがって、位相差素子1の特性として設計波長λに対してのみ楕円率が1に近いのみではなく、λ±Δkの波長帯域においてΔk=3%のときの波長帯域の楕円率が0.6以上であることで、光源波長の温度変動やばらつきに対しても十分に機能し、光ヘッド装置の光利用効率を高く保つことができる。さらにΔk=3%のときの波長帯域の楕円率が0.7以上であるとより好ましい。
さらに、λ±Δkの波長帯域においてΔk=3%のとき、光源の波長が温度変動などで変化したときに、位相差素子の楕円率が大きく変化すると、偏光ビームスプリッターなどの偏光状態に透過率が依存する光学素子を用いた光ヘッド装置ではとくに、光ディスクへの到達光量や光ディスクからの信号強度が温度によって変化してしまい好ましくない。そのため、上記波長範囲内で、波長の変化に対して楕円率の変化が小さいことが好ましい。具体的には、λ±Δkの波長帯域においてΔk=3%の場合、波長が±1%変化したときに楕円率変化量(楕円率の最大値と最小値との差)が0.1以下が好ましく、0.05以下がより好ましく、さらに0.03以下が好ましい。本設計例では0.03以下を実現している。位相差層はリタデーションRd(=Δn・d)が大きいと、Δn・d・(2π/λ)で表される透過光の位相差(|進相軸の位相−遅相軸の位相|)も大きくなる。入射波長λの近傍で波長の変化(λ±Δλ)を想定する場合、リタデーションが大きいと波長の変化に対して位相差の変化も大きくなり、楕円率の波長変化量依存性も大きくなる。
このことから、設計波長(λ、λおよびλ:λ<λ<λ)近傍での楕円率の変化を小さくするために、
Rd13/λ
Rd23/λ
Rd33/λ
が2以下となるような位相差層になるように設計するとよく、1以下、0.7以下はより好ましく、0.5以下はさらに好ましい。
この第1の設計例では、
Rd13/λ=289.55nm/780nm=0.37、
Rd23/λ=281.02nm/780nm=0.36、
Rd33/λ=143.82nm/780nm=0.18、
となりいずれも0.5以下となっている。
次に、実際に位相差素子1を構成する位相差層の材料の波長分散を考慮して設計する方法について説明する。位相差層のリタデーションの波長分散は、材料の屈折率の波長分散特性によって異なる。位相差層の材料としては上述のように屈折率異方性を有する光学異方性材料が好ましく、水晶やLiNbO、LiTaO、KTPなどの単結晶や、波長オーダーの微細構造を有する構造複屈折や、ポリカーボネート、ポリオレフィン、PVAなどの延伸有機フィルムや液晶、高分子液晶などの配向した有機材料を用いることができる。これらの材料を用いて位相差層を形成し、屈折率の波長分散特性を考慮して位相差素子設計する。
位相差層を形成する材料として上記列記した材料のうち液晶を重合し高分子化した高分子液晶を用いると、単結晶材料によって形成するに比べて安価に作製でき、また位相差層を薄膜化したり、光学軸を入射する光軸に垂直な面内に形成できるため入射角度依存性を小さく出来るなどの設計自由度が大きくなる点で好ましい。ここでは、高分子液晶を用いた位相差層を例に説明する。ここで用いる高分子液晶のリタデーションの波長依存性(波長分散)は、波長λ=405nmに対する波長λ(=660nm)、λ(=780nm)の各リタデーションの比が、
Rd(λ)/Rd(λ)=0.818、
Rd(λ)/Rd(λ)=0.727、
で示される位相差層となる。
(第2の設計例)
前述の第1、第2および第3の設計指針に基づき、各位相差層のリタデーションと光学軸方位角を調整する第2の設計例について説明する。本設計例ではRd11/Rd31、Rd21/Rd31ともに1.8〜2.2とした。その結果、波長λ=405nmの入射光に対して、
第1の位相差層11のリタデーションRd11=343.81nm、光学軸方位角度θ=9.54°、
第2の位相差層12のリタデーションRd21=303.51nm、光学軸方位角度θ=34.58°、
第3の位相差層13のリタデーションRd31=166.25nm、光学軸方位角度θ=94.73°、
を求めることができる。λおよびλに対しては、上記に示した設計波長によるリタデーションの比を乗じた値となる。
これらの設計波長の光が位相差素子の各位相差層を透過し次の層への入射光となる偏光状態を示すストークスパラメターを表3に示す。
Figure 0005316409
また、図示しないが、第2の設計例も所定の波長範囲の光で位相差素子1を透過する光の楕円率を示す図3のように、3つの設計波長λ、λおよびλにおいて楕円率が1に近づくように各設計波長において楕円率がピークを持つように設計されている。表3からも各波長で各位相差層を透過後の偏光状態は異なる経路を経ているが、各波長とも入射光の偏光状態(1、0、0)が素子透過後には(0、0、1)の楕円率=1の円偏光に変化していることがわかる。なお、この第2の設計例におけるストークスパラメターの座標は、第1の設計例のそれと近い値を示している。
(第3の設計例)
次に、本発明の第3の設計例について以下に3つの位相差層のリタデーションおよび光学軸の方位角の組み合わせの別の例を示す。なお、各位相差層の波長分散特性は第2の設計例と同じものである。前述の第1、第2および第3の設計指針に基づき、各位相差層のリタデーションと光学軸方位角を調整する。本設計例ではRd21/Rd11は1.5〜2.5とし、Rd31/Rd11を1.8〜2.2とする。その結果、波長λ=405nmの入射光に対して、
第1の位相差層11のリタデーションRd11=153.04nm、光学軸方位角度θ=38.83°、
第2の位相差層12のリタデーションRd21=359.84nm、光学軸方位角度θ=89.55°、
第3の位相差層13のリタデーションRd31=322.94nm、光学軸方位角度θ=20.84°、
を求めることができる。同様に、λおよびλに対しては、上記に示した設計波長によるリタデーションの比を乗じた値となる。
これらの設計波長の光が位相差素子の各位相差層を透過し次の層への入射光となる偏光状態を示すストークスパラメターを表4に示す。
Figure 0005316409
図5に表4に示したストークスパラメターのS成分を横軸にS成分を縦軸にした2次元空間を示す。図5において、第2の位相差層12、第3の位相差層13へ入射する光の偏光状態は、第1の設計例および第2の設計例とは異なっている。各設計波長で各位相差層を透過後の偏光状態は異なる経路を経ているが、各波長とも偏光状態を示すストークスパラメターが入射光の偏光状態(1、0、0)から素子透過後には(0、0、1)の楕円率=1の円偏光に変化されていることがわかる。
また、図示しないが、第3の設計例も所定の波長範囲の光で位相差素子1を透過する光の楕円率を示す図3のように、3つの設計波長λ、λおよびλにおいて楕円率が1に近づくように各設計波長において楕円率がピークを持つように設計されている。なお、第3の設計例も前述の設計条件に基づいた設計例となっている。
(第4の設計例)
次に、本発明の第4の設計例について以下に3つの位相差層のリタデーションおよび光学軸の方位角の組み合わせの別の例を示す。なお、各位相差層の波長分散特性は第2の設計例と同じものである。前述の第1、第2および第3の設計指針に基づき、各位相差層のリタデーションと光学軸方位角を調整する。本設計例ではRd11/Rd21は1.8〜2.2とし、Rd21/Rd31を1.5〜2.5とする。その結果、波長λ=405nmの入射光に対して、
第1の位相差層11のリタデーションRd11=650.30nm、光学軸方位角度θ=10.84°、
第2の位相差層12のリタデーションRd21=327.37nm、光学軸方位角度θ=90.05°、
第3の位相差層13のリタデーションRd31=147.13nm、光学軸方位角度θ=45.31°、
を求めることができる。同様に、λおよびλに対しては、上記に示した設計波長によるリタデーションの比を乗じた値となる。
これらの設計波長の光が位相差素子の各位相差層を透過し次の層への入射光となる偏光状態を示すストークスパラメターを表5に示す。
Figure 0005316409
図6に表5に示したストークスパラメターのS成分を横軸にS成分を縦軸にした2次元空間を示す。図6において、第2の位相差層12、第3の位相差層13へ入射する光の偏光状態は、偏光状態は異なる経路を経ているが、各波長とも偏光状態を示すストークスパラメターが入射光の偏光状態(1、0、0)から素子透過後には(0、0、1)の楕円率=1の円偏光に変化されていることがわかる。
次に本発明の位相差素子を光ヘッド装置に適応する例について説明する。図7は、本発明にかかる光ヘッド装置の模式図の一例である。3つの半導体レーザ光源101、102、103から出射されたそれぞれ異なる波長の光は、合波プリズム104、105で合波され、コリメータレンズ106を透過し、偏光ビームスプリッター107を透過し、本発明の位相差素子1を透過し対物レンズ108で光ディスク109に集光される。集光された光は再び対物レンズ108や位相差素子1などを透過し、偏光ビームスプリッター107により反射され光検出系110へと導かれて光ディスクの情報を読み込むことができる。
ここで、図7に示すように半導体レーザは405nm帯と660nm帯、790nm帯のそれぞれ個別に3つのレーザを用いてもよいし、1つの半導体レーザから2つの異なる波長を発光するいわゆるツインレーザや3つの異なる波長を発するトリプルレーザを用いてもよい。また、4つ目以降の異なる波長のレーザの光を用いることを妨げるものではない。位相差素子1は、図7に示す配置にかかわらず、3つの異なる波長の光の共通の光路中に配置すればよい。位相差素子1は3つの位相差層がそれぞれ高分子液晶からなり各層のリタデーションや光学軸の方位角は第2の設計例のものを用いる。これらの位相差層をそれぞれ3枚のガラス基板上に作製し、それらを貼り合わせて一体化することで作製することができる。
光源101、102、103から出射され、光ディスク109へ向かう往路の直線偏光の光は、本発明の位相差素子1を透過することで、3つの異なる波長の光すべてにおいて楕円率が概ね1となる円偏光の光へ変換される。光ディスク109で反射されたのち、再び本発明の位相差素子1を透過することで、往路の偏光方向と直交する直線偏光の光となり、偏光ビームスプリッター107で効率よく光検出系110へ導かれる方向に反射される。このように、本発明の位相差素子1を用いることで、異なる3つの波長とも往路では円偏光の光に変化することができ、復路では往路と直交する直線偏光の光に変換することができる。
本発明に係る位相差素子は、3つ以上の異なる波長の直線偏光の光に対して楕円率を1に近づけるピークを持たせる特性を有する。また、この位相差素子を異なる3つの波長の光を出射する光ヘッド装置に搭載することよって再生・記録する異なる規格の光ディスクに対して利用することができる。

Claims (5)

  1. 3つ以上の異なる波長λ(k=1、2、3、・・・)の直線偏光の光で入射する入射光の偏光状態を変えて透過させる位相差素子であって、
    前記位相差素子は、前記入射光側よりそれぞれ屈折率異方性を有する材料からなる第1の位相差層、第2の位相差層、第3の位相差層の順に3つの位相差層が平行に並んで構成され、
    前記第2の位相差層の進相軸方向は、前記第1の位相差層および前記第3の位相差層の進相軸方向とは異なり、
    前記位相差素子を透過する光の楕円率は、前記透過する光の波長により変化し、
    前記3つの位相差層のリタデーションおよび光学軸方向の角度は、前記波長のうち少なくとも3つの異なる波長λ(k=1、2、3)において当該3つの位相差層を透過する光の楕円率が0.9以上となり、かつ、Δλを波長λの3%の波長とするときλ±Δλの波長帯域における楕円率が0.6以上となる条件を満たし、
    前記第1の位相差層および前記第2の位相差層のリタデーションおよび光学軸方向の角度は、さらに以下の条件(A)を満たす
    ことを特徴とする位相差素子。
    条件(A):
    前記3つの波長λ、λ、λの光が、同じ偏光方向となる直線偏光の光で前記第1の位相差層に入射されたときの、前記第3の位相差層に入射する光の偏光状態を示すストークスパラメターの値を、前記3つの波長λ、λ、λに対してそれぞれ(S131、S231、S331)、(S132、S232、S332)、(S133、S233、S333)とするとき、
    231=B×S131
    232=B×S132
    233=B×S133
    の等式を満足するB、B、Bの値が、arctan(B)、arctan(B)、arctan(B)を計算したとき±15°以内となる値である
  2. 前記第1の位相差層および前記第2の位相差層のリタデーションおよび光学軸方向の角度は、さらに以下の条件(B)を満たす
    請求項に記載の位相差素子。
    条件(B):
    前記3つの波長λ、λ、λの光が、同じ偏光方向となる直線偏光の光で前記第1の位相差層に入射されたときの、前記第2の位相差層に入射する光の偏光状態を示すストークスパラメターの値を、前記3つの波長λ、λ、λに対してそれぞれ(S121、S221、S321)、(S122、S222、S322)、(S123、S223、S323)とするとともに、前記第3の位相差層に入射する光の偏光状態を示すストークスパラメターの値を、前記3つの波長λ、λ、λに対してそれぞれ(S131、S231、S331)、(S132、S232、S332)、(S133、S233、S333)とするとき、
    (S231−S221)=A×(S131−S121)、
    (S232−S222)=A×(S132−S122)、
    (S233−S223)=A×(S133−S123)、
    の等式を満足するA、A、Aの値が、arctan(A)、arctan(A)、arctan(A)を計算したとき±15°以内となる値である
  3. 前記第1の位相差層の波長λ(ただし、λ<λ<λ)におけるリタデーションをRd13、前記第2の位相差層の波長λにおけるリタデーションをRd23、前記第3の位相差層の波長λにおけるリタデーションをRd33とするとき、Rd13/λ、Rd23/λおよびRd33/λの値がそれぞれ2以下である
    請求項1または請求項2に記載の位相差素子。
  4. 前記λが380〜450nmの間、λが600〜720nmの間、λが750〜900nmの間である請求項1〜いずれか1項に記載の位相差素子。
  5. 異なる3つの波長の光源と、前記光源から出射した光を光ディスクに集光する対物レンズと、前記光ディスクからの反射光を検出する光検出器を有する光ヘッド装置において、
    光源から光検出器に至る光路中に請求項1〜いずれか1項に記載の位相差素子を配置する光ヘッド装置。
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