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JP4876826B2 - 位相差素子および光ヘッド装置 - Google Patents

位相差素子および光ヘッド装置 Download PDF

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JP4876826B2
JP4876826B2 JP2006264830A JP2006264830A JP4876826B2 JP 4876826 B2 JP4876826 B2 JP 4876826B2 JP 2006264830 A JP2006264830 A JP 2006264830A JP 2006264830 A JP2006264830 A JP 2006264830A JP 4876826 B2 JP4876826 B2 JP 4876826B2
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Description

本発明は、光の偏光状態を変化させる位相差素子およびこの位相差素子を備えてCD、DVDなどの光記録媒体(以下「光ディスク」という。)に対して記録または再生を行う光ヘッド装置に関する。
従来、この種の光ヘッド装置は、光源および光検出器と、光源から発せられた光ビームを光ディスクの方に導くよう反射するとともに光ディスクからの反射光を光検知器の方に導くよう透過させるビームスプリッタなどの光路分離素子と、光ディスクの情報記録面に対向配置される対物レンズとを備えている。そして特に、対物レンズと光路分離素子との間に、光ビームの偏光状態を変化させる、すなわち光ディスクの情報記録面に照射される光束と情報記録面により反射された光束の偏光面を回転させる1/4波長板を備えるのが一般的である。
前述のような1/4波長板を備えた光ヘッド装置においては、情報記録面上に照射された光スポットのうち予め設定された所定の強度以上の領域(すなわち、光スポットにおけるいわゆるファーフィールド領域)の形状は楕円形状である。そして、この楕円形状における長軸の方向が、情報記録面上に情報ピットにより形成されている記録トラックの方向と直交または平行となるよう設定されている。
前述のように構成された光ヘッド装置が、光ディスクを再生する際に生じうる問題として、情報記録面における複屈折によって、再生信号のS/Nが低下する問題が知られている。このような複屈折は、光ディスクに係る保護層などの透明層において、反射光を構成する光が二重になる現象を起こす。この複屈折の発生は、スタンパなどを用いた光ディスクの製法プロセスに起因しており、光ディスクの内周と外周とにおいて、情報記録面内で屈折率の分布にムラが生じるためである。これにより、ジッタ量、すなわち再生信号が有する時間軸方向のゆらぎが許容範囲を外れ、情報の正しい再生が困難になるという問題が生じる。
この問題の解決を図るものとして、例えば特許文献1に示された光ヘッド装置が提案されている。特許文献1に示された光ヘッド装置は、直線偏光の光ビームを出射する半導体レーザと、反射ミラーやハーフミラーからなる光学系とを備え、半導体レーザは、光ビームの出射方向を中心として所定の角度で回転されて配置され、反射ミラーやハーフミラーの反射光に対する位相差を制御することにより、半導体レーザから出射された光の偏光方向を情報記録面上の情報ピットにより形成されている記録トラックの方向に対して45度の角度に設定して、光ディスクの再生特性を改善するようになっている。
特開2004−259328号公報
しかしながら、特許文献1に示された光ヘッド装置では、反射ミラーやハーフミラーでのS偏光成分およびP偏光成分の位相差を制御する構成となっているが、当該位相差を精度よく制御することは困難であり、偏光方向のばらつきが大きくなりやすいという課題があった。また、互いに異なる複数の波長を用いる場合には、当該複数の波長に対してそれぞれの位相差を制御するのはさらに困難であり、歩留の低下やコストアップを招くという課題があった。また、光ビームの偏光方向を制御する偏光板を用いる方法もあるが、偏光板を用いた場合は、不要な偏光方向の光を偏光板が吸収してしまうので、光の利用効率が低下するという課題があった。
本発明は、従来の課題を解決するためになされたものであり、互いに異なる複数の波長を用いる場合でも、製造コストの増大や光の利用効率の低下を招くことなく、光ディスクの再生特性を向上させることができる位相差素子および光ヘッド装置を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、少なくとも2つの位相板を組み合わせた位相差素子について種々の検討を行った結果、(1)所定の条件を満たす位相差素子を用いることにより、位相差素子に入射される2つの波長λおよびλの直線偏光の光は楕円偏光となり、入射光の偏光方向に対して位相差素子透過後の楕円偏光の長軸方向が概ね45度を示すこと、(2)45度に傾いた偏光の光を光ディスクに照射することで光ディスクの再生特性が向上すること、を見出し従来の課題を解決した。なお、本明細書において、「概ね」という文言で示した角度は、その角度が±10度の範囲内にあることを意味している。例えば、概ね45度とは、35度から55度までの範囲の角度をいう。
すなわち、本発明の光ヘッド装置は、少なくとも660nm帯および790nm帯の2つの異なる波長の直線偏光の光を出射する光源と、前記光を光記録媒体上に集光させる対物レンズと、前記光源と前記対物レンズとの間に設けられて前記光を透過させる位相差素子とを備え、前記位相差素子は、複屈折性を有する第1および第2の位相板を含む複数の位相板を備えていて、前記波長660nm帯の入射光の波長をλ、前記波長790nm帯の入射光の波長をλとし、波長λと波長λとの間の波長をλとしたとき、前記波長λの入射光に対する前記第1の位相板の位相差をRd1m、前記波長λの入射光の偏光方向と前記第1の位相板の進相軸とのなす角をθとし、前記波長λの入射光に対する前記第2の位相板の位相差をRd2m、前記波長λの入射光の偏光方向と前記第2の位相板の進相軸とのなす角をθとしたとき、下記式(1)または(2)で示される(A1,B1,A2,B2)の組に対して、Rd1m、Rd2m、θおよびθが下記式(3)〜(6)の関係を満たし、前記第1の位相板は、前記第2の位相板よりも前記光源に近い側にあることを特徴とする光ヘッド装置。
(A1,B1,A2,B2)=(−0.209±0.02,93.8±5,−0.256±0.02,214.7±5) ・・・ (1)
(A1,B1,A2,B2)=(−0.209±0.02,183.8±5,−0.259±0.02,125.1±5) ・・・ (2)
Rd1m=180(度) ・・・ (3)
Rd2m=100〜170(度)または190〜223(度)・・・(4)
θ=A1×Rd2m+B1(度) ・・・ (5)
θ=A2×Rd2m+B2(度) ・・・ (6)
この構成により、本発明の光ヘッド装置が備える位相差素子は、同じ偏光状態の波長λおよびλの直線偏光の光が入射した場合、ともに楕円偏光に変化させ、入射光の偏光方向に対して位相差素子透過後の楕円偏光の長軸方向が概ね45度を示すこととなる。したがって、本発明の光ヘッド装置が備える位相差素子は、互いに異なる複数の波長を用いる場合でも、製造コストの増大や光の利用効率の低下を招くことなく、光ディスクの再生特性を向上させることができる。よって、本発明の光ヘッド装置は、1つの位相差板によって、DVDの記録再生波長である660nm帯の波長の光、およびCDの記録再生波長である790nm帯の波長の光の偏光方向を同様に変化させ、かつ、楕円の偏光を得ることができるので、光ディスクの再生特性を向上させることができるので好ましい。
また、本発明の光ヘッド装置が備える位相差素子は、前記波長λmが690nmないし740nmである構成を有している。
この構成により、本発明の光ヘッド装置が備える位相差素子は、少なくとも波長660nm帯および波長790nm帯の、偏光方向が互いに平行な直線偏光の入射光を、ほぼ同様の楕円偏光に変化させることができる。
さらに、本発明の光ヘッド装置が備える位相差素子は、前記複数の位相板は、積層されて一体化されている構成を有している。
この構成により、本発明の光ヘッド装置が備える位相差素子は、第1および第2の位相板を含む複数の位相板を1つの部品として扱えるものとなるので、一体化されていないものよりも部品点数を削減することができて好ましい。また、第1および第2の位相板を予め精度よく貼り合わせることにより、本発明の光ヘッド装置が備える位相差素子は、精度よく偏光状態を変換できるので好ましい。
また、本発明の光ヘッド装置は、前記位相差素子を透過した光は、前記位相差素子に入射する際の直線偏光の偏光方向に対し、概ね45度傾いた方向に長軸を有する楕円偏光である構成を有している。
この構成により、本発明の光ヘッド装置は、1つの位相板によって、2つの波長の光に対して光ディスク面上での偏光方向を概ね45度にできるので、光ディスクの再生特性を向上させることができるので好ましい。
本発明は、互いに異なる複数の波長を用いる場合でも、製造コストの増大や光の利用効率の低下を招くことなく、光ディスクの再生特性を向上させることができるという効果を有する位相差素子および光ヘッド装置を提供することができるものである。
以下、本発明の一実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施の形態における位相差素子10の構成例を概念的に示す概念図である。
図1に示すように、本実施の形態における位相差素子10は、複屈折性を有する第1の位相板11および第2の位相板12と、第1の位相板11と第2の位相板12とを接着する接着層13とを備えている。
第1の位相板11および第2の位相板12は、複屈折性を有する複屈折材料からなる複屈折層で構成されている。複屈折材料としては、例えば液晶を重合した高分子液晶が用いられる。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、水晶やLiNbOのような複屈折性を有する単結晶材料を用いてもよい。また、複屈折性を有する樹脂のフィルム、例えばポリカーボネートやオレフィン系樹脂を用いることもできる。なお、第1の位相板11および第2の位相板12を高分子液晶や樹脂のフィルムで構成することにより、単結晶材料で構成するものよりも厚さを薄くすることができて好ましい。
接着層13は、例えば粘着フィルム、UV硬化型接着剤、熱硬化型接着剤などで構成される。位相差素子10の波面収差の低減、温度特性および信頼性の向上のためには、接着層13はできるだけ薄いことが好ましく、接着層13の厚さを10μm以下にすることが特に好ましい。また、接着層13を設けずに、第1の位相板11と第2の位相板12とを融着するなどして直接貼り付けてもよい。
なお、図1においては、接着層13によって、第1の位相板11と第2の位相板12とを接着して積層一体化した構成としているが、第1の位相板11と第2の位相板12とを光路中に別々に配置する構成とすることもできる。
また、図1においては、第1の位相板11および第2の位相板12の2つの位相板で位相差素子10を構成した例を示したが、本発明の位相差素子はこれに限定されるものではなく、3つ以上の位相板を組み合わせて構成することもできる。例えば、第1の位相板11を2つの位相板11aおよび11bで構成し、位相板11aの位相差と位相板11bの位相差とを加算した位相差が、第1の位相板11による位相差と等しくなる構成とすることもできる。また、例えば、図1に示された位相差素子10に、1/2λ位相板やλ位相板を追加して3つ以上の位相板で構成しても同様な機能を有するものとなる。
さらに、本発明に係る位相差素子は、例えば図2に示すように構成することもできる。すなわち、図2に示された位相差素子20は、2枚の透明基板21に位相差素子10が挟持されたものである。ここで、透明基板21は、例えばガラスや樹脂などを用いて構成することができ、複屈折が小さいものが好ましい。この構成により、位相差素子20は、位相差素子10と比較して、剛性が向上するので製造工程上においてハンドリングが行いやすくなるとともに、表面の平坦性が向上するので透過波面収差が改善され、さらに、信頼性も向上するので好ましい。
また、2枚の透明基板21を1枚のみとし、この1枚の透明基板21の片面または両面に位相板を設ける構成としてもよい。この構成により、透明基板21の枚数を削減することができるので、位相差素子20の製造コストの低減化を図ることができて好ましい。
次に、第1の位相板11および第2の位相板12の具体的な構成について説明する。
一般に、位相板の波長λの光に対する位相差Rdは、位相板の複屈折層の互いに直交する光学軸方向に振動する直線偏光に対する屈折率の差Δnと複屈折層の厚さdとの積Δn・dを光の波長λで除算し、Rd=(Δn・d/λ)×360(度)で表すことができる。1つの複屈折層からなる位相板では、波長により位相差が異なるため、出射する偏光状態が異なってしまうという問題があった。
そこで、本発明の発明者は、少なくとも2つの位相板を組み合わせた位相差素子について種々の検討を重ね、下記条件を満たす第1の位相板11および第2の位相板12によって位相差素子10を構成することにより、偏光方向が互いに平行な直線偏光である、波長660nm帯および波長790nm帯のいずれの波長の入射光に対しても、45度だけ回転した方向に長軸をもつ楕円偏光の出射光が得られることを見出すに至った。なお、660nm帯とは660±30nmの波長でDVDの記録再生に適した波長帯であり、790nm帯とは790±30nmの波長でCDの記録再生に適した波長帯である。
図1において、位相差素子10に入射される波長660nm帯および波長790nm帯の直線偏光の光は、第1の位相板11側から入射され、第2の位相板12側に進むものとし、波長660nm帯の入射光の波長をλ、波長790nm帯の入射光の波長をλ、波長λと波長λとの間の波長をλとする。また、第1の位相板11の波長λの入射光に対する位相差をRd1m、波長λの入射光の偏光方向(電場の振動方向)と第1の位相板11の光学軸(進相軸)とのなす角をθとし、第2の位相板12の波長λの入射光に対する位相差をRd2m、波長λの入射光の偏光方向(電場の振動方向)と第2の位相板12の光学軸(進相軸)とのなす角をθとする。なお、波長λ、λの入射光の偏光方向は互いに平行とした。
まず、波長λの光に対する第1の位相板11の位相差Rd1mを式(7)に示す値とする。
Rd1m=180(度) ・・・ (7)
ここで、波長λおよびλは波長λとは異なるので、第1の位相板11は、波長λおよびλの光に対しては1/2波長の位相差を示さない。
次いで、波長λの光に対する第2の位相板12の位相差Rd2mを式(8)に示す値とする。
Rd2m=100〜170(度)または190〜220(度) ・・・ (8)
なお、式(7)に示したRd1mは、Rd1m=180+360×i(度)でもよく、式(7)はRd1mの代表値を示している。同様に、式(8)に示したRd2mは、Rd2m=(100〜170)+360×j(度)、またはRd2m=(190〜220)+360×j(度)でもよく、式(8)はRd2mの代表値を示している。ここで、iおよびjは整数である。i,j=0とすると、複屈折層の厚さを薄くできて、位相差Rd1m、Rd2mの公差を小さく抑えるとともに、位相差素子10を薄型化できて好ましい。
さらに、角θおよびθと、第2の位相板12の位相差Rd2mとの関係を式(9)および(10)に示すものとする。
θ=A1×Rd2m+B1(度) ・・・ (9)
θ=A2×Rd2m+B2(度) ・・・ (10)
ここで、A1、B1、A2およびB2は、式(11)または(12)に示す値である。
(A1,B1,A2,B2)=(−0.209±0.02,93.8±5,−0.256±0.02,214.7±5) ・・・ (11)
(A1,B1,A2,B2)=(−0.209±0.02,183.8±5,−0.259±0.02,125.1±5) ・・・ (12)
なお、波長λは、690nmないし740nmであることが好ましく、さらに700nmないし730nmとすることで、位相板を透過した光は2つの波長の光に対してともに同等の所望の偏光状態を得られるので好ましい。
ここで、式(7)、(9)、(10)および(12)を満たすRd2m、θおよびθの関係を図3に例示する。また、式(7)および(9)〜(11)を満たすRd2m、θおよびθの関係を図4に例示する。図3または図4に示されたいずれかの条件を満たす位相差素子を透過した光は、波長λおよびλに対して、入射光の偏光方向(以下「入射偏光方向」という。)に対して45度傾いた方向に長軸方向をもつ楕円偏光、同じく45度傾いた方向に振動する直線偏光、または円偏光である出射光である。
この出射光の楕円率と第2の位相板の位相差Rd2mとの関係を図5に示す。ここで、楕円率とは、楕円偏光の長軸に対する短軸の比(短軸/長軸)をいい、楕円率=1は円偏光を、楕円率=0は直線偏光を示す。すなわち、式(7)および(9)〜(11)、または式(7)、(9)、(10)および(12)に示された関係を満たすとともに、式(8)を満たすよう角θおよびθを選ぶことによって、位相差素子10は、入射偏光方向に対して概ね45度または−45度傾いた方向に長軸方向をもつ楕円偏光を得ることができる。
次に、Rd2m、θ、θおよび楕円率の関係について具体的な設計例を表1、2に示す。表1、2において、備考欄に丸印を記したものは楕円率が0.3であり、最も好ましいものである。なお、備考欄に参考と記したものは楕円偏光が得られないが、比較参照するために記載したものである。ここで、λは720nmとした。
Figure 0004876826
Figure 0004876826
以上のように、本実施の形態における位相差素子10は、少なくとも波長660nm帯および波長790nm帯の、偏光方向が互いに平行な直線偏光の光が入射されたとき、入射偏光方向に対して概ね45度または−45度傾いた方向に長軸方向をもつ楕円偏光を得ることができる。
次に、本実施の形態における位相差素子10を光ヘッド装置に適用した場合について説明する。図6は、本発明に係る光ヘッド装置の一例を示す模式図である。
図6に示すように、本実施の形態における光ヘッド装置30は、互いに異なる波長のレーザ光線をそれぞれ出射する光源31および32と、光源31および32からの光を合波する合波プリズム33と、入射光を光ディスク37または光検出系38に導くビームスプリッタ34と、入射光を平行光に変換するコリメータレンズ35と、入射光を楕円偏光に変換する位相差素子10と、光ディスク37に集光する対物レンズ36と、光ディスク37からの再生光を検出する光検出系38とを備えている。
光源31および32は、例えば半導体レーザで構成され、直線偏光のレーザ光を合波プリズム33に出射するようになっている。ここで、例えば、光源31が出射するレーザ光の波長λは660±20nm帯、光源32が出射するレーザ光の波長λは790±20nm帯である。なお、1つの半導体レーザから2つの波長を発光するいわゆるツインレーザを用いてもよい。また、波長λおよびλとは異なる第3の波長の光を出射する光源を追加する構成としてもよい。
合波プリズム33は、透光性を有する材料、例えばガラスや樹脂などで構成され、光源31からのレーザ光を透過し、光源32からのレーザ光を反射する反射面を備えている。この構成により、合波プリズム33は、光源31および32からのレーザ光を合波してビームスプリッタ34に出射するようになっている。
ビームスプリッタ34は、透光性を有する材料、例えばガラスや樹脂などで構成され、光源31および32からのレーザ光を透過し、光ディスク37からの再生光を反射する反射面を備えている。
コリメータレンズ35は、透光性を有する材料、例えばガラスや樹脂などで構成され、入射されたレーザ光を平行光に変換するようになっている。
位相差素子10は、前述のように図1に示した第1の位相板11および第2の位相板12を備えている。図6においては図示を省略したが、第1の位相板11は、第2の位相板12よりも光源31および32に近い側になるよう配置されている。なお、位相差素子10に代えて図2に示した位相差素子20を用いる構成としてもよい。また、位相差素子10の配置場所としては、図6に示された位置に限定されず、光源31および32と対物レンズ36との間の光路中に配置してあればよい。
対物レンズ36は、例えば所定のNA(開口数)を有する樹脂製のレンズで構成され、位相差素子10から入射された楕円偏光の光を光ディスク37の記録層に集光し、記録層からの反射光を捕捉するようになっている。なお、位相差素子10は、対物レンズやその他の回折素子、開口制限素子と一体化してもよい。
光検出系38は、例えばレンズやフォトダイオードなどを含み、ビームスプリッタ34の反射面によって反射された光ディスク37からの再生光を電気信号に変換するようになっている。
本発明の位相差素子10を前述のように用いると、光ディスクのピットの長手方向に対して、長軸が45度に傾いた楕円偏光の光が照射され、光ディスクの再生特性(例えばCNR)が向上することがわかった。一方、偏光状態は、円偏光(楕円率=1)に近いほうが光ディスクの複屈折に対してジッタの低下が抑制されて好ましい。したがって、楕円率は、0.2から0.7とすると、光ディスクの複屈折が比較的大きな場合でも信号強度の変化が小さくなり、ジッタの低下が抑制され好ましい。位相差素子10を前述の設計とすることにより、このような楕円光が照射されるようにすることができる。さらに楕円率を0.3から0.5とするのが最も好ましいことがわかった。
したがって、図7に示すように光ディスクの半径方向またはピット方向に対して45度に長軸方向をなす楕円偏光として光ディスクに照射することで、光ディスクの再生特性、特にジッタやCNRを改善できるので好ましい。
次に、本実施の形態における光ヘッド装置30の動作について説明する。
まず、光源31および32によって、互いに異なる波長λおよびλの直線偏光の光が出射される。
次いで、合波プリズム33によって、光源31が出射した波長λのレーザ光と、光源32が出射した波長λのレーザ光とが合波され、ビームスプリッタ34に出射される。
さらに、ビームスプリッタ34によって、波長λおよびλのレーザ光が透過されてコリメータレンズ35に出射され、コリメータレンズ35によって、平行光に変換されて位相差素子10に出射される。
続いて、位相差素子10によって、波長λおよびλの直線偏光の光が楕円偏光に変換されて対物レンズ36に出射される。ここで、位相差素子10を透過した波長λおよびλの透過光はともに楕円偏光となり、例えば、入射偏光方向に対する楕円偏光の長軸方向の角度は45度で楕円率は=0.3である。
次いで、対物レンズ36によって、位相差素子10から出射された楕円偏光の光が光ディスク37に集光され、光ディスク37上のピットに応じた反射光が光ディスク37から反射される。光ディスク37からの反射光は、対物レンズ36、位相差素子10およびコリメータレンズ35を順次透過してビームスプリッタ34に入射される。
そして、ビームスプリッタ34の反射面によって、光ディスク37からの反射光が反射され、光検出系38に入射され、光検出系38によって、光ディスク37に記録された情報が電気信号として取得される。
以上のように、本実施の形態における光ヘッド装置30によれば、位相差素子10は、少なくとも波長660nm帯および波長790nm帯の、偏光方向が互いに平行な直線偏光の光が入射されたとき、入射偏光方向に対して各楕円偏光の向きをそれぞれ45度傾いた方向に長軸方向をもつ楕円偏光とするので、互いに異なる複数の波長を用いる場合でも、製造コストの増大や光の利用効率の低下を招くことなく、光ディスクの再生特性を向上させることができる。
以上のように、本発明に係る位相差素子および光ヘッド装置は、互いに異なる複数の波長を用いる場合でも、製造コストの増大や光の利用効率の低下を招くことなく、光ディスクの再生特性を向上させることができるという効果を有し、光の偏光状態を変化させる位相差素子や、CD、DVDなどの光ディスクに対して記録または再生を行う光ヘッド装置等として有用である。
本発明の一実施の形態における位相差素子の構成例を概念的に示す断面図 本発明の一実施の形態における位相差素子の他の構成例を概念的に示す断面図 本発明の一実施の形態において、式(7)、(9)、(10)および(12)を満たすRd2m、θおよびθの関係を例示する図 本発明の一実施の形態において、式(7)および(9)〜(11)を満たすRd2m、θおよびθの関係を例示する図 本発明の一実施の形態において、楕円偏光の楕円率と第2の位相板の位相差Rd2mとの関係を例示する図 本発明の一実施の形態における光ヘッド装置の構成例を示す模式図 本発明の一実施の形態における光ヘッド装置において、光ディスクのピットと偏光状態との関係を模式的に示す図
符号の説明
10、20 位相差素子
11 第1の位相板
12 第2の位相板
13 接着層
21 透明基板
30 光ヘッド装置
31、32 光源
33 合波プリズム
34 ビームスプリッタ
35 コリメータレンズ
36 対物レンズ
37 光ディスク
38 光検出系

Claims (4)

  1. 少なくとも660nm帯および790nm帯の2つの異なる波長の直線偏光の光を出射する光源と、前記光を光記録媒体上に集光させる対物レンズと、前記光源と前記対物レンズとの間に設けられて前記光を透過させる位相差素子とを備え、
    前記位相差素子は、
    複屈折性を有する第1および第2の位相板を含む複数の位相板を備えていて、
    前記波長660nm帯の入射光の波長をλ、前記波長790nm帯の入射光の波長をλとし、波長λと波長λとの間の波長をλとしたとき、
    前記波長λの入射光に対する前記第1の位相板の位相差をRd1m、前記波長λの入射光の偏光方向と前記第1の位相板の進相軸とのなす角をθとし、
    前記波長λの入射光に対する前記第2の位相板の位相差をRd2m、前記波長λの入射光の偏光方向と前記第2の位相板の進相軸とのなす角をθとしたとき、下記式(1)または(2)で示される(A1,B1,A2,B2)の組に対して、Rd1m、Rd2m、θおよびθが下記式(3)〜(6)の関係を満たし、
    前記第1の位相板は、前記第2の位相板よりも前記光源に近い側にあることを特徴とする光ヘッド装置。
    (A1,B1,A2,B2)=(−0.209±0.02,93.8±5,−0.256±0.02,214.7±5) ・・・ (1)
    (A1,B1,A2,B2)=(−0.209±0.02,183.8±5,−0.259±0.02,125.1±5) ・・・ (2)
    Rd1m=180(度) ・・・ (3)
    Rd2m=100〜170(度)または190〜223(度)・・・(4)
    θ=A1×Rd2m+B1(度) ・・・ (5)
    θ=A2×Rd2m+B2(度) ・・・ (6)
  2. 前記波長λが690nmないし740nmである請求項1記載の光ヘッド装置
  3. 前記複数の位相板は、積層されて一体化されている請求項1または2記載の光ヘッド装置
  4. 前記位相差素子を透過した光は、前記位相差素子に入射する際の直線偏光の偏光方向に対し、概ね45度傾いた方向に長軸を有する楕円偏光である請求項1ないし3のいずれか1項記載の光ヘッド装置。
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