JP4427877B2 - 開口制限素子および光ヘッド装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録媒体に情報の記録・再生を行う光ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CDやDVDなどの光ディスク(光記録媒体)に情報の記録・再生を行う光ヘッド装置において、光源である半導体レーザからの出射光はレンズにより光記録媒体上に集光され、光記録媒体で反射し戻り光となる。この戻り光はビームスプリッタを用いて光検出器である受光素子へ導かれ、光記録媒体上の情報が電気信号に変換される。
【0003】
同一の光ヘッド装置で、規格の異なる光記録媒体であるCD光ディスクおよびDVD光ディスクの情報の記録・再生のため、CD/DVD互換の光ヘッド装置が製品化されている。光記録媒体の記録層として光の反射・吸収に対して波長依存性の高い媒質を用いる、CD−Rなどの再生を前提とした光ヘッド装置においては、CDに用いる半導体レーザは790nm波長帯のものである。このとき、DVDには660nm波長帯の半導体レーザが用いられている。
【0004】
CDとDVDでは、規格すなわち記録・再生の使用波長帯、基板(光ディスク)厚、記録密度などが異なるため、CDの記録・再生時とDVDの記録・再生時とでそれぞれ光学系の開口数を0.45〜0.5および0.6〜0.65の範囲に変える必要がある。
【0005】
そのため、開口制限素子として、誘電体多層膜を用いて660nm波長帯の光を透過し、790nm波長帯の光を反射する波長選択性のドーナツ状領域を形成し、中心部にドーナツ状領域との位相差を調整する誘電体多層膜を成膜した開口制限素子が提案、実用化されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の2種の誘電体多層膜は、通常、膜厚が3〜4μmと厚く、さらに20層程度の薄膜を1%以下の光学膜厚精度で成膜する必要があり、生産性が低くまた歩留まりを著しく低下させる問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、ともに直線偏光である、波長λ1の光束L1および波長λ2の光束L2(λ1≠λ2)のうち、透過しうる光束L2の径の大きさを制限する波長選択性の開口制限素子であって、開口制限素子は、位相子層と偏光回折格子層とが重ねられてなり、位相子層は、中央部に等方性媒質領域A2が形成され、中央部を囲んで周辺部に複屈折性有機物薄膜領域A1が形成され、かつ複屈折性有機物薄膜領域A1のリタデーション値が、m1とm2を自然数として、光束L1に対してm1・λ1、光束L2に対して(m2−1/2)・λ2であり、偏光回折格子層は、中央部に光束L1と光束L2をともに回折せず透過させる開口領域B1が形成され、中央部を囲んで周辺部に光束L2を回折させ光束L1を回折せず透過させる開口制限領域B2が形成され、等方性媒質領域A2と開口領域B1の大きさが実質的に同じにされていることを特徴とする開口制限素子を提供する。
【0008】
また、ともに直線偏光である、波長λ1の光束L1および波長λ2の光束L2(λ1≠λ2)のうち、透過しうる光束L2の径の大きさを制限する波長選択性の開口制限素子であって、開口制限素子は、位相子層と偏光回折格子層とが重ねられてなり、位相子層は、中央部に複屈折性有機物薄膜領域A1が形成され、中央部を囲んで周辺部に等方性媒質領域A2が形成され、かつ複屈折性有機物薄膜領域A1のリタデーション値が、m1とm2を自然数として、光束L1に対してm1・λ1、光束L2に対して(m2−1/2)・λ2であり、偏光回折格子層は、中央部に光束L1と光束L2をともに回折せず透過させる開口領域B1が形成され、中央部を囲んで周辺部に光束L2を回折させ光束L1を回折せず透過させる開口制限領域B2が形成され、複屈折性有機物薄膜領域A1と開口領域B1の大きさが実質に同じにされていることを特徴とする開口制限素子を提供する。
【0009】
また、波長λ1の光束L1および波長λ2の光束L2(λ1≠λ2)を出射する光源と、光束L1および光束L2を光記録媒体に集光する対物レンズと、光源と対物レンズとの間の光路中に偏光ホログラム素子とを備えた光ヘッド装置であって、前記光源と前記偏光ホログラム素子との間に、上記の開口制限素子が配設されている光ヘッド装置を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
「第1の実施態様」
本発明の第1の実施態様の開口制限素子101は、波長λ1の光束L1および波長λ2の光束L2(λ1≠λ2)が、それぞれの偏波面が平行な直線偏光として入射する場合の開口制限素子であり、図1(a)の断面図に示すように、基本的には位相子層11と偏光回折格子層12とが重ねられている。
【0011】
透明基板14上に、複屈折性有機物薄膜領域A1と等方性媒質領域A2とからなる位相子層11(図1(b))が形成される。また、透明基板15上に、位相子層11とほぼ同じ平面形状の偏光回折格子層12が形成される。すなわち、透明基板15上に、中央部の開口領域B1(図示せず)と開口領域B1を囲む周辺部の開口制限領域B2(図示せず)からなる、偏光回折格子層12が形成される。ここで、開口領域B1は等方性媒質領域A2に対応しており、大きさが実質的に等方性媒質領域A2に同じであり、また開口制限領域B2は複屈折性有機物薄膜領域A1に対応している。開口制限領域B2は、複屈折性有機物薄膜と等方性媒質13からなる。開口領域B1と等方性媒質領域A2とが重なるように、位相子層11と偏光回折格子層12とが重ねられる。
【0012】
また、光束L2に対する位相子層11の開口数NA11と偏光回折格子層12の開口数NA12は、それぞれ等方性媒質領域A2の大きさと開口領域B1の大きさから決まる。開口数NA11が開口数NA12に等しいか、またはそれ以上になるように等方性媒質領域A2および開口領域B1の大きさを決める。すなわち、開口制限素子101は、図1(a)の下方より入射する光束L2に対し、開口数がNA11に等しくなるように光束L2の径を制限することになる。
【0013】
透明基板14、15としては、ガラスや石英などの光学的に等方性の媒質を用いることができる。位相子層11の複屈折性有機物薄膜としては、透明基板14に配向処理を施した後に、液晶モノマの溶液を塗布して配向処理した方向に液晶分子の光軸を揃えた状態で、光重合などで高分子化させた高分子液晶膜を使用できる。または、透明基板14にポリ(1,3−ブタジイン)などを斜方蒸着させて成膜した薄膜を使用できるが、複屈折性の調整および成膜の容易さを考慮すると高分子液晶膜を用いることが好ましい。
【0014】
さらに、複屈折性有機物薄膜の厚さd11としては、厚さd11と複屈折性有機物薄膜の材料の異常光屈折率と常光屈折率の差Δn11との積Δn11・d11(リタデーション値)がつぎの値となるように決める。すなわち、m1、m2を自然数とすると、光束L1に対してはm1・λ1、光束L2に対しては(m2−1/2)・λ2となるように決める。m1およびm2は3以下の値を採ることが、波長変動によるリタデーション値への影響が小さく好ましい。
【0015】
透明基板14に成膜した複屈折性有機物薄膜の加工には、パターニング精度の良いフォトリソグラフィの技術、および形状加工が容易なエッチングの技術を用いることが生産性を高めるうえで好ましい。
【0016】
位相子層11および偏光回折格子層14に使用する等方性媒質13は接着剤であることが好ましい。透明基板14上の位相子層11と透明基板15上の偏光回折格子層14を対向させて、その間に等方性媒質13を充填し硬化させて開口制限素子101を構成できる。また、接着剤の材料としては、アクリル系、エポキシ系、ポリエステル系のUV硬化型または熱硬化型であれば作業性が良く好ましいが、これらに限定されない。
【0017】
等方性媒質13の屈折率は、位相子層11の複屈折性有機物薄膜の常光屈折率、および偏光回折格子層12の複屈折性有機物薄膜の常光屈折率にほぼ等しいものを選定する。この選定で、位相子層11および偏光回折格子層12に常光入射する直線偏光に対して、位相子層11および偏光回折格子層12が等方性媒質層であるよう機能する。
【0018】
また、開口制限素子101によって、開口制限を受けない光束L1に対し、位相子層11の複屈折性有機物薄膜のリタデーション値Δn11・d11が波長の自然数倍であること、および複屈折性有機物薄膜の常光屈折率と充填接着剤の屈折率が等しいことから、位相子層11の複屈折性有機物薄膜領域A1と等方性媒質領域A2で波面を乱すことがない。
【0019】
偏光回折格子層12の開口制限領域B2は、位相子層11と同様に透明基板15上に成膜された複屈折性有機物薄膜をフォトリソグラフィとエッチングの技術を用いて加工される。また、偏光回折格子層12の複屈折性有機物薄膜の材料、および位相子層11の複屈折性有機物薄膜の材料として、同一の材料のものを用いることは生産性向上のため好ましいが、両者の常光屈折率が等しければ同一の材料に限定されない。
【0020】
偏光回折格子層12の厚さd12としては、厚さd12、および、偏光回折格子層12の複屈折性有機物薄膜の異常光屈折率と等方性媒質13の屈折率との差Δn12との積Δn12・d12が、波長λ1の自然数倍になるように決める(理由は後述する)。また、偏光回折格子層12の格子パターンは、偏光回折格子層12によって開口制限を受ける光束L2の回折光が、光検出器上に集光しないように決める。
【0021】
上記のように作製される開口制限素子101に対しては、その作製プロセスにおいて、フォトリソグラフィやエッチングに要求される精度が誘電体多層膜の成膜に要求される精度に比べ低いため、歩留まりを低下させることなく生産できる。また、位相子層11の複屈折性有機物薄膜領域A1と等方性媒質領域A2で波面を乱すことがない構成を容易に実現できる。さらに、より生産性を向上させるために基板を大型化することも容易である。
【0022】
「第2の実施態様」
本実施態様は、位相子層11の複屈折性有機物薄膜領域A1と等方性媒質領域A2との場所が交換している点の除いて、第1の実施態様と同じである。ここでは、光束L1および光束L2が、それぞれの偏波面を直交した直線偏光として入射する。この場合図2(a)、(b)に示すように、位相子層11の複屈折性有機物薄膜領域A1と等方性媒質領域A2とを形成することで対応でき、第1の実施態様と同様にこの素子に図(a)の下方より入射する光束L2の径を位相子層11と偏光回折格子層12により実効的に制限できる。
【0023】
「第3の実施態様」
本実施態様の図3の光ヘッド装置は、DVD系光ディスク6およびCD系光ディスク7の情報の記録・再生を行う光ヘッド装置であって、光源として、DVD用の波長λ1の光束L1を出射する半導体レーザ1AとCD用の波長λ2の光束L2を出射する半導体レーザ1Bとの2種の光源を備えており、本発明の第1の実施態様の開口制限素子101と偏光ホログラム素子201が搭載されている。
【0024】
半導体レーザ1Aを出射した光束L1は、ビームスプリッタ2を反射、コリメートレンズ4を透過後、開口制限素子101および偏光ホログラム素子201を透過して、対物レンズ5によって、DVD6上に集光される。また、半導体レーザ1A、1Bを出射した光束L2は、平面ビームスプリッタ9、ビームスプリッタ2を透過後光束L1と同様に進行し、CD7上に集光される。DVD6で反射した光束L1は、最終的に光検出器8A上に集光し、一方CD7で反射した光束L2は、平板ビームスプリッタ9で光を分割し光検出器8B上に集光する。
【0025】
図4は光ヘッド装置の往路において、光束L2が開口制限素子101によって実効的に開口数を0.45〜0.5の範囲に制限されて、偏光ホログラム素子201透過後に対物レンズ5により光ディスク7上に集光される様子を示している。図5は光ヘッド装置の往路において、光束L1が開口制限素子101透過後も、0.6〜0.65の範囲で開口数を変えずに、偏光ホログラム素子201透過後に対物レンズ5により光ディスク6上に集光される様子を示している。
【0026】
偏光ホログラム素子201としては、1)ガラスなどの透明基板上に成膜した複屈折性有機物薄膜に、フォトリソグラフィおよびエッチングの技術を用いてホログラフィック・パターンを形成し格子凹部を等方性媒質で埋めた素子、2)ニオブ酸リチウムなどの複屈折性結晶にプロトン交換を施して、ホログラフィック・パターンを形成した素子、などを用いることができる。さらに、偏光ホログラム素子は、直線偏光を円偏光とする波長板と組み合わせて使われる場合が多く、素子の小型化のため偏光ホログラム素子と波長板とを一体化することは好ましい。
【0027】
図4において201は、透明基板21上に高分子液晶からなる複屈折性有機物薄膜にホログラフィック・パターンを形成した偏光ホログラム層22と波長板24を一体化した偏光ホログラム素子である。図4中の23は等方性媒質からなる充填接着剤、25は接着剤、および26は透明基板である。
【0028】
波長板24として、光束L1に対し直線偏光を円偏光とするが光束L2に対しその偏光状態を変えない波長板を用いる。この波長板により、偏光ホログラム素子201は、光束L1が常光として入射する光ヘッド装置の往路では透過し、異常光として入射する復路では回折光を発生でき、一方光束L2に対しては、往路および復路ともに、等方性媒質として機能する。
【0029】
また、本実施態様の光ヘッド装置において、光束L1は開口制限素子101および偏光ホログラム素子201に対し、往路で常光として入射するが、復路で異常光として入射する。このため、偏光ホログラム素子201による光束L1の回折光が開口制限素子101によってさらに回折されないように、開口制限素子101の偏光回折格子層12の厚さd12を決定する。すなわち厚さd12、および偏光回折格子層12の複屈折性有機物薄膜の異常光屈折率と等方性媒質13の屈折率の差Δn12との積Δn12・d12が、波長λ1の自然数倍になるように開口制限素子101を作製する。
【0030】
したがって、上述のような開口制限素子101と偏光ホログラム素子201を搭載した本発明の光ヘッド装置では、入射直線偏光の波長の長さに応じて開口を制限することで、対物レンズの開口数を実効的に制限して直線偏光を光ディスク上に集光させる。したがって、CDおよびDVDなどの厚さの異なる光ディスクでも1つの光学系で高い集光能力を発揮でき、良好な光ディスクの情報の記録・再生が実現できる。
【0031】
本実施態様では、開口制限素子101と偏光ホログラム素子201が別体素子として説明したが、開口制限素子101と偏光ホログラム素子201の透明基板を貼り合わせて一体化してもよい。さらに、図6のように、光ヘッド装置に搭載する偏光ホログラム素子として、偏光ホログラム素子を構成する波長板に、光束L1と光束L2の両方に対して4分の1波長板として機能する広帯域4分の1波長板を採用した偏光ホログラム素子202を用いることもできる。この場合、偏光ホログラム素子202による、光束L1および光束L2の回折光を1つの光検出器で検出する系を実現できる。
【0032】
開口制限素子101の位相子層11の開口数NA11を、偏光回折格子層12の開口数NA12よりも大きくし、光束L2に対して、光ヘッド装置の往路における開口数よりも復路における開口数を小さくできる。すなわち、開口数が小さいほど、光ディスクの傾きや厚さむらにより生じる集光能力の劣化が小さくなるので、光束L2の光検出器8上での信号再生時に有効である。3はビームスプリッタであり、また図6中の符号で図3と同符号の構成要素は、図3の構成要素と同じものである。
【0033】
「第4の実施態様」
図7に示す開口制限素子103の断面図は、本発明の第4の実施態様の開口制限素子であり、開口制限素子と偏光ホログラム素子を透明基板が3枚構成となるように一体化して、小型化したものである。開口制限素子103は、第3の実施態様で述べた偏光ホログラム素子201に、第1の実施態様で述べた透明基板14上に積層した位相子層を接着剤からなる等方性媒質13で固定することで作製できる。また、図7中の符号で図1および図3と同符号の構成要素は、図1および図3の構成要素と同じものである。
【0034】
開口制限素子103では、波長λ2の光束L2の径を制限するために使用する偏光回折格子層は、偏光ホログラム層22の周辺領域であるので、径が制限される光束L2の偏光ホログラム層22の周辺領域で発生する回折光が、光ヘッド装置の光検出器に集光しない場合に、開口制限素子103を光ヘッド装置に使用できる。
【0035】
図7に示す開口制限素子103は、光ヘッド装置搭載時にこの素子に入射する光束L1および光束L2のそれぞれの偏波面が平行な直線偏光である場合の構成である。図8に示す開口制限素子は、この素子に入射する光束L1および光束L2の偏波面が直交する直線偏光である場合の構成を示している。図8中の符号で図7と同符号の構成要素は、図7の構成要素と同じものである。
【0036】
【実施例】
「例1」
本例は第1の実施態様の開口制限素子101(図1)の具体例である。開口制限素子101を構成する部材、材料および作製方法を以下に説明する。
透明基板14、15として、厚さ0.3mmのガラス基板を用いた。位相子層11の複屈折性有機物薄膜領域A1を以下のように形成した。透明基板14の表面に塗布した配向膜用ポリイミドに、ラビング処理を施して配向膜とした。この配向膜上に複屈折性を示す液晶モノマの溶液を塗布して、配向処理した方向に液晶分子の光軸を揃えた状態で、液晶モノマ溶液にあらかじめ含有させた光重合硬化剤に、光重合用の光源光を照射して液晶モノマを高分子化することにより、高分子液晶層とした。さらに、フォトリソグラフィとエッチングの技術にて、開口数NA11が0.45になるように高分子液晶の中心部を除去して、複屈折性有機物薄膜領域A1を形成した。
【0037】
位相子層11の複屈折性有機物薄膜領域A1の材料である高分子液晶としては、波長660nmの光に対する常光屈折率と異常光屈折率との差Δn11が0.15であり、波長790nmの光に対する常光屈折率と異常光屈折率との差Δn11が0.14である高分子液晶を用い、位相子層11の厚さd11を8.8μm(=2×0.66/0.15≒(2−1/2)×0.79/0.14)とした。
【0038】
偏光回折格子層12は、位相子層11の複屈折性有機物薄膜領域A1と同様のプロセスで形成し、開口領域B1の大きさを開口数NA12が0.45になるように決めた。ここで、偏光回折格子層12の材料となる高分子液晶としては、位相子層11の複屈折性有機物薄膜領域A1の材料である高分子液晶と同じものを用いた。偏光回折格子層12に形成する回折格子パターンは光ヘッド装置の光学系と光検出器の配置によって決めた。また、偏光回折格子層12の厚さd12は、波長660nmの光に対する、偏光回折格子層12の複屈折性有機物薄膜の異常光屈折率と等方性媒質13の屈折率との差Δn12と厚さd12の積Δn12・d12が、波長の2倍になるように8.8μmとし、光ヘッド装置に搭載したとき、復路にて波長660nmの光が回折しないように決めた。
【0039】
最後に、透明基板14上に形成した位相子層11の複屈折性有機物薄膜領域A1と、透明基板15上に形成した偏光回折格子層12が対向するように、接着剤である等方性媒質13を用いて固定して開口制限素子101を作製した。等方性媒質13としては、ポリエステル系のUV硬化型の接着剤を用い、屈折率が、位相子層11と偏光回折格子層12に用いた高分子液晶の常光屈折率とほぼ等しいものを選択した。
【0040】
「例2」
例1で作製した開口制限素子101を図3に示すように光ヘッド装置に搭載した。図3の光ヘッド装置は、第3の実施態様で述べたように、DVD系光ディスク6およびCD系光ディスク7の情報の記録・再生を行う光ヘッド装置である。光源として、DVD用の波長660nmの光を直線偏光として出射する半導体レーザ1AとCD用の波長790nmの光を直線偏光として出射する半導体レーザ1Bとの2種の光源を備えており、例1で作製した開口制限素子101と偏光ホログラム素子201が搭載されている。
【0041】
偏光ホログラム素子201は、図4に示すように、透明基板21と26の間に形成された偏光ホログラム層22と波長板25からなり、例1の開口制限素子101と同様のプロセスで作製した。厚さ0.3mmのガラス基板を透明基板21として、例1で用いた高分子液晶を例1と同様に成膜して、フォトリソグラフィとエッチングの技術を用いて偏光ホログラム層22を形成した。次に、厚さ0.3mmのガラス基板を透明基板26にアクリル系のUV硬化型接着剤25を用いて波長板24を固定した。
【0042】
波長板24としては、ポリカーボネートを延伸して複屈折を誘起したものを用いた。波長板24のリタデーション値は、波長660nmの光に対して825nm(=5/4×660nm)であり、波長790nmの光に対して800nm(≒1×790nm)となるように調整されている。入射する波長660nmの直線偏光の偏光方向に対して波長板の光軸を45°方向に設定することで、波長板24は波長660nmの直線偏光を円偏光に変換し、波長790nmの光に対して等方性媒質として機能する。
最後に、透明基板21上に形成した偏光ホログラム層と、透明基板26に固定した波長板24を、接着剤である等方性媒質23を用いて固定した。等方性媒質23として、例1で用いた等方性媒質13と同じものを用いた。
【0043】
本例の光ヘッド装置(図3)の往路では、波長790nmの光は開口制限素子101によって実効的に開口数が0.45に制限されて、対物レンズ5によりCD系の光ディスク7上に集光した(図4)。一方、波長660nmの光は開口制限素子101透過後も径を変えずに対物レンズ5により、DVD系の光ディスク6上に集光した(図5)。すなわち、厚さの異なる光ディスクに対し、1つの光学系で高い集光能力を示した。
【0044】
さらに、DVD系の光ディスク6を反射した波長660nmの光は、偏光ホログラム素子201によって回折し、光検出器8Aに集光した。また、CD系の光ディスクで反射した波長790nmの光は、偏光ホログラム素子201では回折せず、平板ビームスプリッタ9によって偏向され、光検出器8Bに集光した。その結果、規格の異なるDVD系の光ディスク、またはCD系の光ディスクの情報の記録・再生が実現できた。
【0045】
【発明の効果】
本発明の開口制限素子は、従来の誘電体多層膜を用いた開口制限素子に比べ、生産性の高いプロセスを用いて容易に作製できる。また、本発明の光ヘッド装置は上記の開口制限素子素子を、コリメートレンズと対物レンズとの間に配置したものであり、光ヘッド装置としても生産性を高めることができる。また、本発明の光ヘッド装置においては、光源からの出射光の波長の大きさに応じて、対物レンズの開口数を実効的に制限し、厚さの異なる光ディスクに対して、一つの光学系で高い集光能力を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施態様の開口制限素子の1例を示す図、(a)断面図、(b)位相子層の平面図。
【図2】本発明の第2の実施態様の開口制限素子の1例を示す図、(a)断面図、(b)位相子層の平面図。
【図3】本発明の第3の実施態様の光ヘッド装置の1例を示す概念図。
【図4】図3光ヘッド装置において、波長λ2の直線偏光が、径が制限されて、光ディスク上に集光する様子を表す概念図。
【図5】図3の光ヘッド装置において、波長λ1の直線偏光が径を変えずに、光ディスク上に集光する様子を表す概念図。
【図6】本発明の第3の実施態様の光ヘッド装置の他の例を示す概念図。
【図7】本発明の第4の実施態様の開口制限素子の1例を示す断面図。
【図8】本発明の第4の実施態様の開口制限素子の他の例を示す断面図。
【符号の説明】
101、102、103、104:開口制限素子
201、202:偏光ホログラム素子
11:位相子層
12:偏光回折格子層
13、23:等方性媒質
14、15、21、26:透明基板
22:偏光ホログラム層
24:波長板
25:接着剤
1A、1B:半導体レーザ
2:ビームスプリッタ
4:コリメートレンズ
5:対物レンズ
6、7:光ディスク
8、8A、8B:光検出器
9:平板ビームスプリッタ
Claims (3)
- ともに直線偏光である、波長λ1の光束L1および波長λ2の光束L2(λ1≠λ2)のうち、透過しうる光束L2の径の大きさを制限する波長選択性の開口制限素子であって、
開口制限素子は、位相子層と偏光回折格子層とが重ねられてなり、
位相子層は、中央部に等方性媒質領域A2が形成され、中央部を囲んで周辺部に複屈折性有機物薄膜領域A1が形成され、かつ複屈折性有機物薄膜領域A1のリタデーション値が、m1とm2を自然数として、光束L1に対してm1・λ1、光束L2に対して(m2−1/2)・λ2であり、
偏光回折格子層は、中央部に光束L1と光束L2をともに回折せず透過させる開口領域B1が形成され、中央部を囲んで周辺部に光束L2を回折させ光束L1を回折せず透過させる開口制限領域B2が形成され、
等方性媒質領域A2と開口領域B1の大きさが実質的に同じにされていることを特徴とする開口制限素子。 - ともに直線偏光である、波長λ1の光束L1および波長λ2の光束L2(λ1≠λ2)のうち、透過しうる光束L2の径の大きさを制限する波長選択性の開口制限素子であって、
開口制限素子は、位相子層と偏光回折格子層とが重ねられてなり、
位相子層は、中央部に複屈折性有機物薄膜領域A1が形成され、中央部を囲んで周辺部に等方性媒質領域A2が形成され、かつ複屈折性有機物薄膜領域A1のリタデーション値が、m1とm2を自然数として、光束L1に対してm1・λ1、光束L2に対して(m2−1/2)・λ2であり、
偏光回折格子層は、中央部に光束L1と光束L2をともに回折せず透過させる開口領域B1が形成され、中央部を囲んで周辺部に光束L2を回折させ光束L1を回折せず透過させる開口制限領域B2が形成され、
複屈折性有機物薄膜領域A1と開口領域B1の大きさが実質に同じにされていることを特徴とする開口制限素子。 - 波長λ1の光束L1および波長λ2の光束L2(λ1≠λ2)を出射する光源と、光束L1および光束L2を光記録媒体に集光する対物レンズと、光源と対物レンズとの間の光路中に偏光ホログラム素子とを備えた光ヘッド装置であって、前記光源と前記偏光ホログラム素子との間に、請求項1または2に記載の開口制限素子が配設されている光ヘッド装置。
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