JP4961302B2 - アキシャルギャップ型モータ - Google Patents

Description

本発明は、アキシャルギャップ型モータに関する。

従来、例えば回転軸方向の両側からロータを挟み込むようにして対向配置された１対のステータを備え、ロータの永久磁石による界磁磁束に対して、１対のステータを介した磁束ループを形成する軸ギャップ型の永久磁石同期機が知られている（例えば、特許文献１、特許文献２参照）。
特開平１０−２７１７８４号公報 特開２００１−１３６７２１号公報

ところで、上記従来技術に係る永久磁石同期機において、単に回転軸方向の同一方向のみに磁化された永久磁石と磁性体とが周方向に交互に配置されたロータを備える永久磁石同期機では、例えば磁化方向が反転する永久磁石が周方向に交互に配置されたロータを備える永久磁石同期機に比べて、磁石トルクが半減してしまうと共に、リラクタンストルクを有効に利用することができないという問題が生じる。
また、単に磁化方向が反転する永久磁石が周方向に交互に配置されると共に、周方向で隣り合う永久磁石間に磁性体が配置されたロータを備える永久磁石同期機では、磁石トルクの位相とリラクタンストルクの位相とが異なることから、磁石トルクおよびリラクタンストルクを有効に利用することができないという問題が生じる。
さらに、このような永久磁石発電機においては、１対のステータを介した所望の磁束ループを形成する際に、不必要な磁束短絡ループが形成されてしまうことを抑制して、ステータの固定子巻線を鎖交する鎖交磁束量を適切に増大させて、トルクポテンシャルを増大させることが望まれている。

本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、不必要な磁束短絡ループが形成されてしまうことを抑制しつつ、ロータに具備される永久磁石および磁性体を有効利用して効率よく出力を増大させることが可能なアキシャルギャップ型モータを提供することを目的とする。

上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の第１態様に係るアキシャルギャップ型モータは、回転軸周りに回転可能なロータ（例えば、実施の形態でのロータ１１）と、前記ロータの回転軸に平行な回転軸方向の両側から前記ロータを挟み込むようにして対向配置された１対のステータ（例えば、実施の形態でのステータ１２）とを備えるアキシャルギャップ型モータであって、前記ロータは、磁束の方向が前記回転軸方向と平行となるようにして周方向に配置された複数の主磁石（例えば、実施の形態での主永久磁石片４１）と、前記主磁石の周方向端部近傍に配置されると共に、前記回転軸方向および径方向に直交する方向に磁化された副永久磁石（例えば、実施の形態での副永久磁石片４３）と、前記主磁石の前記回転軸方向の一方側および他方側の少なくとも何れか一方の表面上に配置された磁性部材（例えば、実施の形態での磁性部材４２）とを備え、前記磁性部材の前記回転軸方向の長さは、前記副永久磁石の前記回転軸方向の長さよりも長く形成されている。

さらに、本発明の第２態様に係るアキシャルギャップ型モータは、前記磁性部材の周方向端部に面取り形状の面取り部（例えば、実施の形態での面取り部４２ａ）を備える。

さらに、本発明の第３態様に係るアキシャルギャップ型モータでは、前記面取り部は径方向外方から径方向内方に向かい縮小傾向に変化する。

さらに、本発明の第４態様に係るアキシャルギャップ型モータは、前記磁性部材の周方向端部に径方向断面略円弧状の曲面部（例えば、実施の形態での曲面部４２ｂ）を備える。

さらに、本発明の第５態様に係るアキシャルギャップ型モータでは、前記曲面部は径方向外方から径方向内方に向かい縮小傾向に変化する。

本発明の第１態様に係るアキシャルギャップ型モータによれば、主磁石の周方向端部に、主磁石の磁化方向と直交する方向に磁化された副永久磁石を備えることにより、所謂主磁石および副永久磁石のハルバッハ配置による磁束レンズ効果によって、主磁石および副永久磁石の磁束を収束させることができ、ステータの固定子巻線に鎖交する磁束量を増大させることができる。
そして、主磁石の表面上に磁性部材を備えることにより、リラクタンストルクを増大させることができると共に、主磁石のパーミアンスの低下を防止し、主磁石の減磁を抑制することができる。
しかも、磁性部材の前記回転軸方向の長さは、副永久磁石の回転軸方向の長さよりも長く形成され、ステータに向かい副永久磁石よりも突出していることから、より一層、リラクタンストルクを増大させることができ、ロータでの永久磁石量を増大させること無しに、出力可能なトルクを増大させることができる。

さらに、本発明の第２態様に係るアキシャルギャップ型モータによれば、磁性部材の周方向端部を面取り形状とすることにより、ステータからロータに向かい突出するティースの先端部、例えば略直角あるいは略鋭角等に屈曲することで磁束の漏洩が生じ易い先端に対して、空隙を増大させることができると共に、磁性部材の周方向端部を磁束の漏洩が生じ難い形状とすることができ、ティースの先端部と磁性部材の周方向端部との間で磁石磁束（特に、副永久磁石の磁束）の短絡ループが発生することを抑制し、トルクポテンシャルの低下を防止することができる。しかも、面取り部を備えることにより、トルクリップルの発生を抑制することができる。

さらに、本発明の第３態様に係るアキシャルギャップ型モータによれば、ステータの周方向に配置された複数のティースに対し、隣り合うティース間に形成されるスロットに固定子巻線が装着されることから、スロットの周方向幅が径方向内方側および径方向外方側において同等となるように形成されると、各ティースの周方向幅は径方向外方から径方向内方に向かい短縮傾向に変化する。これに対し、副永久磁石の周方向幅が径方向内方側および径方向外方側において同等となるように形成されると、この副永久磁石を周方向の両側から挟みこむ磁性部材間の間隔（つまり、対向する互いの周方向端部間の間隔）も径方向内方側および径方向外方側において同等となる。したがって、ティースの先端部と磁性部材の周方向端部との間の距離は、径方向外方から径方向内方に向かい増大傾向に変化することになる。このため、磁性部材の周方向端部の面取り部を径方向外方から径方向内方に向かい縮小傾向に変化させることによって、ティースの先端部と磁性部材の周方向端部の面取り部との間の距離を、径方向内方側および径方向外方側において同等とすることができ、例えば、この距離が径方向で不均一となることで磁束の漏洩が生じ易い箇所が生じてしまうことを防止することができる。

さらに、本発明の第４態様に係るアキシャルギャップ型モータによれば、磁性部材の周方向端部に径方向断面略円弧状の曲面部を備えることにより、ステータからロータに向かい突出するティースの先端部、例えば略直角あるいは略鋭角等に屈曲することで磁束の漏洩が生じ易い先端に対して、空隙を増大させることができると共に、磁性部材の周方向端部を磁束の漏洩が生じ難い形状とすることができ、ティースの先端部と磁性部材の周方向端部との間で磁石磁束（特に、副永久磁石の磁束）の短絡ループが発生することを抑制し、トルクポテンシャルの低下を防止することができる。しかも、曲面部を備えることにより、トルクリップルの発生を抑制することができる。

さらに、本発明の第５態様に係るアキシャルギャップ型モータによれば、ステータの周方向に配置された複数のティースに対し、隣り合うティース間に形成されるスロットに固定子巻線が装着されることから、スロットの周方向幅が径方向内方側および径方向外方側において同等となるように形成されると、各ティースの周方向幅は径方向外方から径方向内方に向かい短縮傾向に変化する。これに対し、副永久磁石の周方向幅が径方向内方側および径方向外方側において同等となるように形成されると、この副永久磁石を周方向の両側から挟みこむ磁性部材間の間隔（つまり、対向する互いの周方向端部間の間隔）も径方向内方側および径方向外方側において同等となる。したがって、ティースの先端部と磁性部材の周方向端部との間の距離は、径方向外方から径方向内方に向かい増大傾向に変化することになる。このため、磁性部材の周方向端部の曲面部を径方向外方から径方向内方に向かい縮小傾向に変化させることによって、ティースの先端部と磁性部材の周方向端部の曲面部との間の距離を、径方向内方側および径方向外方側において同等とすることができ、例えば、この距離が径方向で不均一となることで磁束の漏洩が生じ易い箇所が生じてしまうことを防止することができる。

以下、本発明のアキシャルギャップ型モータの一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態によるアキシャルギャップ型モータ１０は、例えば図１および図２に示すように、このアキシャルギャップ型モータ１０の回転軸Ｏ周りに回転可能に設けられた略円環状のロータ１１と、回転軸Ｏ方向の両側からロータ１１を挟みこむようにして対向配置され、ロータ１１を回転させる回転磁界を発生する複数相の各固定子巻線（図示略）を有する１対のステータ１２，１２とを備えて構成されている。

このアキシャルギャップ型モータ１０は、例えばハイブリッド車両や電動車両等の車両に駆動源として搭載され、出力軸がトランスミッション（図示略）の入力軸に接続されることで、アキシャルギャップ型モータ１０の駆動力がトランスミッションを介して車両の駆動輪（図示略）に伝達されるようになっている。

また、車両の減速時に駆動輪側からアキシャルギャップ型モータ１０に駆動力が伝達されると、アキシャルギャップ型モータ１０は発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギー（回生エネルギー）として回収する。さらに、例えばハイブリッド車両においては、アキシャルギャップ型モータ１０の回転軸が内燃機関（図示略）のクランクシャフトに連結されると、内燃機関の出力がアキシャルギャップ型モータ１０に伝達された場合にもアキシャルギャップ型モータ１０は発電機として機能して発電エネルギーを発生する。

各ステータ１２は、略円環板状のヨーク部２１と、ロータ１１に対向するヨーク部２１の対向面上で周方向に所定間隔をおいた位置から回転軸Ｏ方向に平行にロータ１１に向かい突出すると共に径方向に伸びる複数のティース２２，…，２２と、適宜のティース２２，２２間に装着される固定子巻線（図示略）とを備えて構成されている。

各ステータ１２は、例えば主極が６個（例えば、Ｕ^＋，Ｖ^＋，Ｗ^＋，Ｕ⁻，Ｖ⁻，Ｗ⁻）とされた６Ｎ型であって、一方のステータ１２の各Ｕ^＋，Ｖ^＋，Ｗ^＋極に対して、他方のステータ１２の各Ｕ⁻，Ｖ⁻，Ｗ⁻極が回転軸Ｏ方向で対向するように設定されている。
例えば回転軸Ｏ方向で対向する１対のステータ１２，１２に対し、Ｕ^＋，Ｖ^＋，Ｗ^＋極およびＵ⁻，Ｖ⁻，Ｗ⁻極の一方に対応する一方のステータ１２の３個のティース２２，２２，２２と、Ｕ^＋，Ｖ^＋，Ｗ^＋極およびＵ⁻，Ｖ⁻，Ｗ⁻極の他方に対応する他方のステータ１２の３個のティース２２，２２，２２とが、回転軸Ｏ方向で対向するように設定され、回転軸Ｏ方向で対向する一方のステータ１２のティース２２と、他方のステータ１２のティース２２とに対する通電状態が電気角で反転状態となるように設定されている。

そして、各ティース２２の周方向幅は径方向外方から径方向内方に向かい短縮傾向に変化し、周方向で隣り合うティース２２，２２同士間の周方向での間隔、つまり周方向で隣り合うティース２２，２２間に形成されて径方向に伸びるスロット２３のスロット幅は、径方向において所定の一定値となるように設定されている。

ロータ１１は、複数の主磁石極部３１，…，３１と、複数の副磁石部３２，…，３２と、非磁性材からなるロータフレーム３３とを備えて構成され、主磁石極部３１と副磁石部３２とは、周方向において交互に配置された状態で、ロータフレーム３３内に収容されている。

ロータフレーム３３は、周方向に所定間隔をおいて配置された複数の径方向リブ３４，…，３４によって接続された内周側筒状部３５と外周側筒状部３６と、内周側筒状部３５の内周面上から内方に向かい突出する円環板状に形成され、外部の駆動軸（例えば、車両のトランスミッションの入力軸等）に接続される接続部３７とを備えて構成されている。
この実施の形態では、ロータフレーム３３の内周側筒状部３５が外部の駆動軸に接続されることから、径方向リブ３４の径方向の内方側がシャフト部側となり、径方向リブ３４の径方向の外方側がリム部側となる。

そして、ロータフレーム３３内に収容された複数の主磁石極部３１，…，３１は、径方向の両側から内周側筒状部３５と外周側筒状部３６とにより挟み込まれると共に、径方向リブ３４を介して周方向で隣り合うように配置されている。

主磁石極部３１は、例えば図３および図４に示すように、厚さ方向（つまり、回転軸Ｏ方向）に磁化された略扇形板状の主永久磁石片４１と、この主永久磁石片４１を厚さ方向の両側から挟み込む１対の磁性部材４２，４２とを備えて構成され、周方向で隣り合う主磁石極部３１，３１の各主永久磁石片４１，４１は、磁化方向が互いに異方向となるように設定されている。つまり、回転軸Ｏ方向の一方側がＮ極とされた主永久磁石片４１を具備する主磁石極部３１には、回転軸Ｏ方向の一方側がＳ極とされた主永久磁石片４１を具備する主磁石極部３１が周方向で隣り合うようになっている。

そして、ロータフレーム３３内に収容された複数の主磁石極部３１，…，３１は、径方向の両側から内周側筒状部３５と外周側筒状部３６とにより挟み込まれると共に、径方向リブ３４を介して周方向で隣り合うように配置されている。
つまり、ロータフレーム３３内において、各主磁石極部３１の主永久磁石片４１は２つの径方向リブ３４によって周方向の両側から挟み込まれている。

主永久磁石片４１の厚さ方向の一方の表面および他方の表面を覆う１対の磁性部材４２，４２は、厚さ方向に対する断面形状が主永久磁石片４１と同等の略扇形とされている。
そして、磁性部材４２の周方向両端部には、面取り形状の面取り部４２ａが形成されている。

副磁石部３２は、例えばロータフレーム３３内において回転軸Ｏ方向の両側から径方向リブ３４を挟み込む１対の副永久磁石片４３，４３を備えて構成され、回転軸Ｏ方向で対向する１対の副永久磁石片４３，４３は、例えば図４に示すように、それぞれ回転軸Ｏ方向および径方向に直行する方向（略周方向）に磁化され、互いに磁化方向が異方向とされている。

そして、ロータフレーム３３内において、周方向で隣り合う副磁石部３２，３２の副永久磁石片４３，４３同士は、主磁石極部３１の磁性部材４２を周方向の両側から挟み込んでいる。
なお、ロータ１１のロータフレーム３３とロータフレーム３３以外の構成要素（つまり、主磁石極部３１および副磁石部３２）とを分離して示す図２と、ロータ１１のロータフレーム３３以外の構成要素（つまり、主磁石極部３１および副磁石部３２）を示す図３とにおいては、回転軸Ｏ方向で対向する１対の副永久磁石片４３，４３間および周方向で隣り合う主永久磁石片４１，４１間に、ロータフレーム３３の径方向リブ３４が配置される空間部３４ａが形成されている。

磁性部材４２を介して周方向で対向する１対の副永久磁石片４３，４３同士は、例えば図４に示すように、互いに磁化方向が異方向とされている。
そして、回転軸Ｏ方向の一方側に配置された１対の副永久磁石片４３，４３同士は、回転軸Ｏ方向に磁化された主永久磁石片４１の一方側の磁極と同極の磁極を対向させ、回転軸Ｏ方向の他方側に配置された１対の副永久磁石片４３，４３同士は、回転軸Ｏ方向に磁化された主永久磁石片４１の他方側の磁極と同極の磁極を対向させるように配置されている。

つまり、例えば回転軸Ｏ方向の一方側がＮ極かつ他方側がＳ極とされた主永久磁石片４１に対して、回転軸Ｏ方向の一方側において磁性部材４２を周方向の両側から挟み込む１対の副永久磁石片４３，４３は、互いのＮ極が周方向で対向するように配置され、回転軸Ｏ方向の他方側において磁性部材４２を周方向の両側から挟み込む１対の副永久磁石片４３，４３は、互いのＳ極が周方向で対向するように配置されている。
これにより、所謂永久磁石のハルバッハ配置による磁束レンズ効果により主永久磁石片４１および各副永久磁石片４３，４３の各磁束が収束し、各ステータ１２，１２に鎖交する有効磁束が相対的に増大するようになっている。

そして、例えば図５に示すように、磁性部材４２の回転軸Ｏ方向の長さＬＹ（＞ＬＳ）は、副永久磁石片４３の回転軸Ｏ方向の長さＬＳよりも長く形成されている。
また、ステータ１２のティース２２の先端部での外周側周方向幅Ｂおよび内周側周方向幅ｂと、周方向で隣り合う磁性部材４２，４２同士の第１間隔ｈ（つまり、互いの面取り部４２ａの内周端ｐ同士の間隔）および第２間隔Ｈ（つまり、互いの面取り部４２ａの外周端ｑ同士の間隔）とに対し、第２間隔Ｈは外周側周方向幅Ｂ以上とされ、第１間隔ｈは内周側周方向幅ｂ以上とされている。

上述したように、本実施の形態によるアキシャルギャップ型モータ１０によれば、主永久磁石片４１の周方向端部に、主永久磁石片４１の磁化方向と直交する方向に磁化された副永久磁石片４３を備えることにより、所謂主永久磁石片４１および副永久磁石片４３のハルバッハ配置による磁束レンズ効果によって、主永久磁石片４１および副永久磁石片４３の磁束を収束させることができ、ステータ１２の固定子巻線に鎖交する磁束量を増大させることができる。
そして、主永久磁石片４１の表面上に磁性部材４２を備えることにより、リラクタンストルクを増大させることができると共に、主永久磁石片４１のパーミアンスの低下を防止し、主永久磁石片４１の減磁を抑制することができる。
しかも、磁性部材４２の回転軸Ｏ方向の長さＬＹ（＞ＬＳ）は、副永久磁石片４３の回転軸Ｏ方向の長さＬＳよりも長く形成され、ステータ１２に向かい副永久磁石片４３よりも突出していることから、より一層、リラクタンストルクを増大させることができ、ロータ１１での永久磁石量を増大させること無しに、出力可能なトルクを増大させることができる。

さらに、磁性部材４２の周方向端部を面取り形状とすることにより、ステータ１２からロータ１１に向かい突出するティース２２の先端部、例えば略直角等に屈曲することで磁束の漏洩が生じ易い先端（例えば、図５に示す先端ｅ）に対して、空隙を増大させることができると共に、磁性部材４２の周方向端部を磁束の漏洩が生じ難い形状とすることができ、ティース２２の先端部と磁性部材４２の周方向端部との間で磁石磁束（特に、副永久磁石片４３の磁石磁束）の短絡ループが発生することを抑制し、トルクポテンシャルの低下を防止することができる。しかも、面取り部４２ａを備えることにより、トルクリップルの発生を抑制することができる。

また、磁性部材４２，４２同士の第２間隔Ｈはティース２２の外周側周方向幅Ｂ以上とされ、磁性部材４２，４２同士の第１間隔ｈはティース２２の内周側周方向幅ｂ以上とされていることにより、より一層、磁石磁束（特に、副永久磁石片４３の磁石磁束）の短絡ループが発生することを抑制し、トルクポテンシャルの低下を防止することができる。

なお、上述した実施の形態では、例えば図６に示すように、磁性部材４２の周方向両端部に径方向外方から径方向内方に向かい同等の幅Ｗを有する面取り形状の面取り部４２ａを備えるとしたが、これに限定されず、例えば図７および図８に示すように、面取り部４２ａは径方向外方から径方向内方に向かい縮小傾向に変化してもよい。

この場合、ステータ１２の周方向に配置された各ティース２２の周方向幅は径方向外方から径方向内方に向かい短縮傾向に変化するのに対して、副永久磁石片４３の周方向幅は径方向内方側および径方向外方側において同等となるように形成され、この副永久磁石片４３を周方向の両側から挟みこむ磁性部材４２，４２間の周方向間隔も径方向内方側および径方向外方側において同等となる。したがって、ティース２２の先端部と磁性部材４２の周方向端部との間の距離は、径方向外方から径方向内方に向かい増大傾向に変化することになる。このため、磁性部材４２の周方向端部の面取り部４２ａを径方向外方から径方向内方に向かい縮小傾向に変化させることによって、ティース２２の先端部と磁性部材４２の面取り部４２ａとの間の距離を、径方向内方側および径方向外方側において同等とすることができ、例えば、この距離が径方向で不均一となることで磁束の漏洩が生じ易い箇所が生じてしまうことを防止することができる。

なお、上述した実施の形態では、磁性部材４２の周方向両端部には、面取り形状の面取り部４２ａが形成されているとしたが、これに限定されず、例えば図９に示すように、面取り部４２ａの換わりに、磁性部材４２の周方向端部に径方向断面略円弧状の曲面部４２ｂを備えてもよい。さらに、曲面部４２ｂは径方向外方から径方向内方に向かい縮小傾向に変化してもよい。

本発明の一実施形態に係るアキシャルギャップ型モータの斜視図である。 本発明の一実施形態に係るアキシャルギャップ型モータのロータの分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係るアキシャルギャップ型モータのロータの要部分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係るアキシャルギャップ型モータのロータの要部分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係るアキシャルギャップ型モータのステータおよびロータの要部を径方向外方から径方向内方に向かい見た図である。 本発明の一実施形態に係るアキシャルギャップ型モータのロータの要部斜視図である。 本発明の一実施形態の変形例に係るアキシャルギャップ型モータのロータの要部斜視図である。 本発明の一実施形態の変形例に係るアキシャルギャップ型モータのロータの要部分解斜視図である。 本発明の一実施形態の変形例に係るアキシャルギャップ型モータのステータおよびロータの要部を径方向外方から径方向内方に向かい見た図である。

符号の説明

１０ アキシャルギャップ型モータ
１１ ロータ
１２ ステータ（ステータ）
２２ ティース
２３ スロット
４１ 主永久磁石片（主磁石）
４２ 磁性部材
４２ａ 面取り部
４２ｂ 曲面部
４３ 副永久磁石片（副永久磁石）

Claims (5)

1. 回転軸周りに回転可能なロータと、前記ロータの回転軸に平行な回転軸方向の両側から前記ロータを挟み込むようにして対向配置された１対のステータとを備えるアキシャルギャップ型モータであって、
   前記ロータは、磁束の方向が前記回転軸方向と平行となるようにして周方向に配置された複数の主磁石と、前記主磁石の周方向端部近傍に配置されると共に、前記回転軸方向および径方向に直交する方向に磁化された副永久磁石と、前記主磁石の前記回転軸方向の一方側および他方側の少なくとも何れか一方の表面上に配置された磁性部材とを備え、
   前記磁性部材の前記回転軸方向の長さは、前記副永久磁石の前記回転軸方向の長さよりも長く形成されていることを特徴とするアキシャルギャップ型モータ。
2. 前記磁性部材の周方向端部に面取り形状の面取り部を備えることを特徴とする請求項１に記載のアキシャルギャップ型モータ。
3. 前記面取り部は径方向外方から径方向内方に向かい縮小傾向に変化することを特徴とする請求項２に記載のアキシャルギャップ型モータ。
4. 前記磁性部材の周方向端部に径方向断面略円弧状の曲面部を備えることを特徴とする請求項１に記載のアキシャルギャップ型モータ。
5. 前記曲面部は径方向外方から径方向内方に向かい縮小傾向に変化することを特徴とする請求項４に記載のアキシャルギャップ型モータ。

Images