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JP2007037210A - 回転電機の回転子 - Google Patents

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JP2007037210A
JP2007037210A JP2005212149A JP2005212149A JP2007037210A JP 2007037210 A JP2007037210 A JP 2007037210A JP 2005212149 A JP2005212149 A JP 2005212149A JP 2005212149 A JP2005212149 A JP 2005212149A JP 2007037210 A JP2007037210 A JP 2007037210A
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JP2005212149A
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Hiroki Tanaka
大記 田中
Takashi Kato
崇 加藤
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】延性材料と脆性材料を一体化して形成した回転子において、高回転時に脆性材料に加わる引張り力を低減することにより、高回転化が可能になる回転電機の回転子を提供する。
【解決手段】脆性材料からなる部材と延性材料からなる部材を回転平面上に配置して形成した回転電機の回転子において、脆性材料からなる部材と延性材料からなる部材の接触部を、脆性材料からなる部材の配置により延性材料からなる部材の回転軸方向への移動を規制することができる形状に形成し、脆性材料からなる部材と延性材料からなる部材を接触状態にして形状的に保持した。脆性材料からなる部材と延性材料からなる部材との接触部を、遠心力付加時に変形可能な低弾性率接着剤により結合した。
【選択図】図1

Description

この発明は、回転電機の回転子に関し、特に、アキシャルギャップ型の回転電機の回転子に関する。
従来、ロータとステータを軸方向に対向配置したアキシャルギャップ型の回転電機が知られている。
図7は、従来のアキシャルギャップ型回転電機を示し、(a)は軸方向に沿う断面図、(b)は回転子の平面図、(c)は(b)のA−O線に沿う断面図、(d)は(b)のB−O線に沿う断面図である。図7に示すように、従来のアキシャルギャップ型回転電機の回転子1は、積層鋼板により形成した円盤状のプレート2と、プレート2に放射状に配置した複数の磁石3により形成されている((a),(b)参照)。
磁石3は、プレート2に放射状に配置された複数の貫通孔に合わせた形状を有しており、各貫通孔に挿入配置した後、プレート2との接触面を接着剤で結合している。また、周方向に隣接する磁石3の間には、長板状の軟磁性圧紛材料からなるブリッジ4が配置されている((b),(d)参照)。プレート2と磁石3及びブリッジ4との接触面は接着剤で結合されている。
また、各貫通孔に挿入配置された磁石3の内周側には、プレート2の回転軸方向の剛性を向上させるため、非磁性体であるカラー5がプレート2を挟み込むように配置されている((a),(c),(d)参照)。カラー5は、磁石3或いはブリッジ4に対し、接着材によって固定されている。磁石3の外周側には、回転強度を向上させるため、磁石3及びブリッジ4とプレート2の外縁部を一体的に保持するように、プレート2を両面側から挟み込む一対の円環部材(リング)6,6が装着されている((a),(c),(d)参照)。プレート2、磁石3及びブリッジ4と各リング6はそれぞれ接着材によって結合されている。
このようなアキシャルギャップ型回転電機としては、例えば、「アキシャルギャップ回転電機」(特許文献1参照)が知られている。
特開平6−38418号公報
しかしながら、従来のアキシャルギャップ型回転電機は、プレート2、磁石3、ブリッジ4、カラー5、リング6の全部品間の接触面が接着材によって結合され一体成型されていたため、回転子1の回転に伴う遠心力や磁力に伴う軸方向の力を受けた場合、脆性材料からなる磁石3やブリッジ4等と延性材料からなるプレート2やリング6等が、同様に変形する必要があった。
図8は、図7(b)の回転子を示し、(a)は部分平面図、(b)は(a)のC−C線に沿う断面図、(c)はブリッジ破断状態の部分平面図、(d)は(c)のB−O線に沿う断面図である。図8に示すように、延性材料からなるプレート2及びリング6は、脆性材料からなる磁石3及びブリッジ4に隣接し或いは挟み込まれて一体成形されている((a),(b)参照)。
つまり、延性材料からなるプレート2やリング6等が、遠心力を受けて半径方向に変形すると、脆性材料からなる磁石3やブリッジ4等には、その変形量に伴って引張り応力((d)矢印参照)が発生するが、圧粉材料からなるブリッジ4の引張り強度はプレート2の引張り強度より弱い。このため、ブリッジ4は、プレート2の伸びに追従することができずに破断してしまう((c),(d)参照)。
このように、全体としての回転強度は、圧粉材料からなるブリッジ4の引張り強度によって決まってしまうことになり、延性材料と脆性材料を一体化して形成した回転子においては、高回転時に加わる引張り力に脆性材料が耐えられないため、高回転化が困難であった。
この発明の目的は、延性材料と脆性材料を一体化して形成した回転子において、高回転時に脆性材料に加わる引張り力を低減することにより、高回転化が可能になる回転電機の回転子を提供することである。
上記目的を達成するため、この発明に係る回転電機の回転子は、脆性材料からなる部材と延性材料からなる部材を回転平面上に配置して形成した回転電機の回転子において、前記脆性材料からなる部材と前記延性材料からなる部材の接触部を、前記脆性材料からなる部材の配置により前記延性材料からなる部材の回転軸方向への移動を規制することができる形状に形成し、前記脆性材料からなる部材と前記延性材料からなる部材を接触状態にして形状的に保持している。
この発明によれば、脆性材料からなる部材と延性材料からなる部材を回転平面上に配置して形成した回転電機の回転子は、脆性材料からなる部材と延性材料からなる部材の接触部が、脆性材料からなる部材の配置により延性材料からなる部材の回転軸方向への移動を規制することができる形状に形成され、脆性材料からなる部材と延性材料からなる部材を接触状態にすることで形状的に保持される。これにより、延性材料と脆性材料を一体化して形成した回転子において、高回転時に脆性材料に加わる引張り力を低減することにより、高回転化が可能になる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施の形態に係る回転電機の回転子を示し、(a)は部分平面図、(b)は(a)のD−D線に沿う断面図、(c)は(a)のE−E線に沿う断面図である。図1に示すように、アキシャルギャップ型の回転電機の回転子(ロータ)10は、例えば、積層鋼板により外歯車状に形成したプレート11と、プレート11に組み込んだ複数の磁石12を有している((a)参照)。
プレート11は、回転軸が貫通するリング状部(図示しない)と、リング状部から車輪のスポーク状に放射状に伸び、周方向に等間隔で隣接する複数本のビーム状部(図示しない)を有している。磁石12は、隣接するビーム状部間に形成される空間形状に合わせた横断面形状を有しており、隣接ビーム状部間に挿入配置される。ビーム状部には、表裏両面側から挟み込むように長板状の軟磁性圧紛材料からなるブリッジ13が装着されている((a),(b)参照)。
また、磁石12の内周側のプレート11には、プレート11の回転軸方向の剛性を高めるため、非磁性体からなるカラー14がプレート11を表裏両面側から挟み込むように装着されている((a),(c)参照)。磁石12の外周側には、回転子10の回転強度を高めるため、プレート11を挟み込むブリッジ13及び磁石12の外縁部を一体的に保持するように、これらを表裏両面側から挟み込む円環部材(リング)15が装着されている((a),(c)参照)。
磁石12とブリッジ13の接触部は、磁石12がブリッジ13を押さえ込むことができる形状に形成されている。例えば、ブリッジ13は、両接触面が外向き傾斜、即ち、プレート11側(底面側)の幅が広い台形状断面((b)参照)を有して、或いは、階段状段差面を有して、形成されており、磁石12は、ブリッジ13の形状に対応する、両接触面が内向き傾斜、即ち、厚み方向中央部の幅が最も狭いプーリー形状((b)参照)を有して、或いは、裏側階段状段差面を有して、形成されている。
つまり、脆性材料からなる部材と延性材料からなる部材を回転平面上に配置して形成した回転電機の回転子は、脆性材料からなる部材と延性材料からなる部材の接触部が、脆性材料からなる部材の配置により延性材料からなる部材の回転軸方向への移動を規制することができる形状に形成され、脆性材料からなる部材と延性材料からなる部材を接触状態にすることで形状的に保持される。
プレート11のビーム状部とブリッジ13の接触部a((b)参照)、及び磁石12とブリッジ13の接触部b((b)参照)は、例えば、アクリルやウレタン系等の低弾性率接着剤によって結合されている。
図2は、図1の磁石の分割構造を示し、(a)図1(b)と同様の断面図、(b)は図1(c)と同様の断面図である。図2に示すように、磁石12は、組み立て上の利便性を考慮して回転軸方向に二分割されており((a)参照)、ブリッジ13を表裏面側から挟み込むように組み立てられる((a)矢印参照)。二分割された磁石12は、例えば、エポキシ樹脂系等の高強度接着剤或いは溶接によって接合されており、接着/溶接層12aを挟んで一体化している((b)矢印参照)。
また、磁石12とカラー14及び各リング15の接触部は、カラー14及び各リング15が磁石12を押さえ込むことができる形状に形成されている。例えば、各磁石12は、両接触面が階段状段差面((b)参照)を有して、或いは、外向き傾斜、即ち、接着/溶接層12a側(底面側)の幅が広い台形状断面を有して、形成されており、カラー14及び各リング15は、磁石12の形状に対応する、裏側階段状段差面((b)参照)を有して、或いは、両側面が内向き傾斜、即ち、接着/溶接層12a側の幅が広い台形状断面を有して、形成されている。
リング15は、裏側階段状段差面を有するように、断面形状がL字状に形成されており、磁石12の表裏両面側から磁石12を挟み込むように設置される((b)矢印参照)。リング15は、磁石12との接触面が回転軸に対し略平行、且つ、略直交するように、L字状断面形状を有しており、各接触面をエポキシ樹脂系等の高強度接着剤によって結合する。また、磁石12を挟み込むリング15同士は、例えば、高強度接着剤により結合するが、外周側から溶接等により結合しても良く、接着/溶接層15aを挟んで一体化している(図1(c)参照)。
カラー14は、非磁性体である、SUS303やSUS304等のステンレス鋼からなり、回転軸に向って両面の厚みが等しく増加する傾斜面を有しており、プレート11の表裏両面側からプレート11を挟み込むように設置される((b)矢印参照)。カラー14と磁石12及びブリッジ13との接触部c(図1(c)参照)は、リング15との接触面と同様に、接触面が回転軸に対し略平行、且つ、略直交するように形成されており、回転軸に対し略直交する接触面を、例えば、アクリル系やウレタン系の低弾性率接着剤によって結合する。このカラー14は、プレート11とカラー14を共に貫通するネジ穴に非磁性体のボルトを螺着することにより、プレート11に締結固定される。
図3は、図2の磁石の他の例を示し、(a)は磁石装着時の平面図、(b)は磁石装着時の断面図である。図3に示すように、プレート11が、半径方向に広がるビーム状部11aとビーム状部11aの間に磁石12を外側から挿入配置することができる形状であれば、磁石12を、外周縁からビーム状部11aをガイドとしてリング状部11bへ摺動させ((a)矢印参照)組み込むことができる。この場合、磁石12を二分割する必要はない((b)参照)。磁石12を組み込んだ後、磁石12を両側から挟み込むようにリング15を装着する((b)矢印参照)。
次に、上述した構成を有する回転電機の回転子10の回転動作における各作用について説明する。
回転軸方向に対する強度については、磁石12とブリッジ13に、固定子(図示しない)によって付加される回転軸方向の力が加わると、先ず、ブリッジ13に回転軸方向の力が加わる。このとき、ブリッジ13はプレート11に接着固定されているため、ブリッジ13の変位は規制されるが、ブリッジ13とプレート11を接着する接着剤は弾性体であることから、この接着剤のみでは保持力が不足する。
しかしながら、ブリッジ13は、側面が磁石12により、外周がリング15により、内周がカラー14により、それぞれ保持されており、磁石12、リング15、カラー14とブリッジ13の接触部は、ブリッジ13を押さえ込んで回転軸方向への移動を規制する形状を有しているため、形状的保持によってブリッジ13の回転軸方向への変位が規制される。
磁石12の回転軸方向への変位については、磁石12は、側面がプレート11に接着されると共に、内周と外周がそれぞれ磁石12の回転軸方向への移動を規制する形状を有するカラー14とリング15により保持されているため、形状的保持により回転軸方向の変位が規制される。
遠心力に対する作用については、遠心力が回転子10に付加されると、最初に、回転子10の一番外周に位置するリング15が半径方向へ変形する。外周で形状を保持するリング15が変位すると、内周に位置するプレート11も同様に半径方向へ変形する。このとき、プレート11の変形に伴って低弾性率接着剤が変形するため、ブリッジ13に大きな引張り応力が発生することはない。
また、ブリッジ13や磁石12は、低弾性率接着剤でカラー14に固定されているため、遠心力が加わった際、ブリッジ13や磁石12は変形することなく外周方向へ変位し、内周面の低弾性率接着材が磁石12やブリッジ13の変位量分変形する。これにより、脆性材料からなる磁石12やブリッジ13に加わる引張り応力を低減することができる。
また、磁石12及びブリッジ13は、プレート11に対し相対変位するが、これらの摺動面には低弾性率接着剤が介在しているため、相対変位による磨耗は発生しない。なお、これらの摺動面である接触部a及び接触部b(図1(b)参照)には、低弾性率接着剤の代わりに、チタン蒸着膜やDLC(Diamond Like Carbon)処理等の耐磨耗処理を施した面と、研磨面を有する網板等の低摩擦板が張り付けられた面を設けても良い。これにより、それらを摺動させることによって、各部品の相対変位を許容しながら磨耗や摩擦を低減させることもできる。また、低摩擦材をポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)材等の絶縁性能を有する材料に置き換えることによって、磁石12周辺で発生するループ損を低減させることもできる。
更に、磁石12及びブリッジ13とリング15の接触部d(図1(a)参照)の接合には、エポキシ樹脂系等の高強度接着剤が用いられているが、遠心力が働いた際、この部位には圧縮応力のみが付加されるため、接触面に弾性体を設ける必要はない。むしろ、磁石12やブリッジ13の回転軸方向の強度を高めるため、高強度接着剤で強固に固定することに利点がある。
図4は、磁石とブリッジの他の配置例を示し、(a)は磁石装着時の平面図、(b)は磁石装着時の断面図である。図4に示すように、回転電機の回転子20は、プレート11を設けず、磁石21とブリッジ22とカラー23を直接組み合わせている。磁石21とブリッジ22は、互いの接触面に、例えば、相互に組み合わせ可能に位置をずらした切り欠き形状等の、相互に噛み合わせることができる相互噛み合わせ構造を設けて、周方向に交互に配置する。
そして、磁石21とブリッジ22の内周部を、非磁性体からなる一対のカラー23,23により表裏両面側から挟み込んで固定すると共に、外周部を、一対のリング15,15により表裏両面側から挟み込んで固定する。両リング15,15は、エポキシ樹脂系接着剤或いは溶接等で接合し、リング15と磁石21及びリング15とブリッジ22の接合面は、エポキシ樹脂系接着剤により強固に固定する。カラー23同士は、エポキシ樹脂系接着剤或いは溶接等の他、ボルト締め等により結合しても良い。
この回転子20においては、回転軸方向の荷重が磁石21やブリッジ22に加わった場合、外周側をリング15が、内周側をカラー23がそれぞれ保持し、更に、磁石21とブリッジ23は、互いに噛み合った状態で保持されているため、回転軸方向の変位を規制することができる。また、遠心力が付加された場合、体積が大きく重量も重い磁石21が、重量が軽いブリッジ22より外周方向へと変位しようとするため、磁石21とブリッジ22との間に相対変位が生じる。しかしながら、磁石21とブリッジ22は、形状的に保持されていて接着剤等で結合されていないため、応力が発生することはない。
また、磁石21とブリッジ22の接触面は、上述した回転子10と同様に、低弾性率接着剤、低摩擦材、表面処理、絶縁材等を介在させることによって、回転子10による効果と同様の効果を得ることができる。更に、回転子20は、回転子10のように電磁鋼板製のプレート11を介在させていないので、磁石21の外周に発生するループ損を低減させることができる。
図5は、図4の磁石とブリッジの組み合わせ例(a)〜(d)を示す断面図であり、図6は、図4の磁石或いはブリッジのカラー及びリングによる固定状態を示し、(a)は磁石固定状態の断面図、(b)はブリッジ固定状態の断面図である。
図5に示すように、磁石21とブリッジ22は、互いの接触面に、ブリッジ22の回転軸方向への移動を規制することができる嵌合形状を設けている。例えば、断面形状が「エ」の字形のブリッジ22aと、ブリッジ22aの側面凹部に嵌合する突起部を両側面に有する磁石21aの組み合わせ((a)参照)、断面形状が円形のブリッジ22bと、ブリッジ22bの側面形状に合わせた凹部を両側面に有する磁石21bの組み合わせ((b)参照)、断面形状が略X字形のブリッジ22cと、ブリッジ22cの側面形状に合わせた凸部を両側面に有する磁石21cの組み合わせ((c)参照)、断面形状が略O字形のブリッジ22dと、ブリッジ22dの側面形状に合わせた凹部を両側面に有する磁石21dの組み合わせ((d)参照)等、である。
ブリッジ22aと磁石21a((a)参照)の組み合わせの場合、回転軸方向(図中、矢印参照)のモーメントが発生しても高い剛性を有して保持することができる。また、ブリッジ22bと磁石21b((b)参照)の組み合わせの場合、磁石21bやブリッジ22bに回転軸方向の荷重が付加しても、磁石21bとブリッジ22bの接触面への応力集中を低減することができる。これは、ブリッジ22cと磁石21c((c)参照)の組み合わせの場合、及びブリッジ22dと磁石21d((d)参照)の組み合わせの場合でも、同様であり、磁石21c(21d)とブリッジ22c(22d)の接触面への応力集中を低減することができる。
上述したように、回転電機の回転子10(20)は、磁石12(21)やブリッジ13(22)に引っ張り応力がかからないようにした。回転子の回転時、各磁石及びブリッジには、数10kg・fの力が回転軸方向に入力する他、回転に伴う遠心力が付加されるため、回転子を構成する各部品は回転軸方向と半径方向の両方に対する強度が必要になるが、磁石やブリッジの引っ張り強度は、リング、プレート、カラー等の延性材料より低いことから、これらに引っ張り応力がかからないようにした。
つまり、引っ張り強さの異なる脆性材料と延性材料の接触部を摺動構造或いは柔構造により保持し、更に、外周部に高強度部材を装着して半径方向の変位を規制することによって、回転子の高回転化が可能になる。
この発明に係る回転電機の回転子は、脆性材料からなる部材と延性材料からなる部材を回転平面上に配置して形成した回転電機の回転子において、前記脆性材料からなる部材と前記延性材料からなる部材の接触部を、前記脆性材料からなる部材の配置により前記延性材料からなる部材の回転軸方向への移動を規制することができる形状に形成し、前記脆性材料からなる部材と前記延性材料からなる部材を接触状態にして形状的に保持した。
これにより、回転子に遠心力が働いた際に、圧紛体からなるブリッジ及び磁石には外周方向へ働く圧縮応力のみが発生するため、回転子の回転強度が向上する。また、接着剤を用いないため、組み立てにおけるコストの低減及び期間の短縮が可能になる。
また、前記脆性材料からなる部材と前記延性材料からなる部材との接触部を、遠心力付加時に変形可能な低弾性率接着剤により結合した。これにより、回転子に遠心力が働いた際に生じる延性材料の変形量を低弾性率接着剤が追従するため、圧粉体からなるブリッジ及び磁石に加わる引張り力を低減することができる。また、磁石や圧紛体からなるブリッジが低弾性率接着剤によって結合されるため、結合面の摺動を抑制することができる。
また、前記脆性材料からなる部材と外周部に位置する部材との接触部を、両者が一体化するように接合した。これにより、回転強度が向上する。外周部に位置するリングと磁石或いは圧紛体からなるブリッジの接触面では、圧縮力のみが負荷されるため、この部位に高強度接着剤を用いることによって、有効的に回転強度及び回転軸方向の強度を向上することができる。
また、前記脆性材料からなる部材と前記延性材料からなる部材との接触部に形成される、前記脆性材料からなる部材の内外周少なくとも一方の回転軸方向面を、回転軸方向に対し直交配置した。これにより、遠心力によってリングやプレートが変形した場合でも、磁石の回転軸方向への変位を、変形していない時と同様に規制することができる。
また、遠心力の付加により前記脆性材料からなる部材が前記延性材料からなる部材に対し変位する際の、前記脆性材料からなる部材と前記延性材料からなる部材の摺動面の少なくとも一方に、前記摺動面の摩擦係数を低減する処理を施した。これにより、処理として、低摩擦材の板材を固定した場合、遠心力等によって、磁石及び圧紛体からなるブリッジがプレートに対し相対変位を起こした際に、接触面に生じる磨耗を低減させることができ、表面処理を行った場合、部品点数を増やすことなく磁石及び圧紛体からなるブリッジとプレートの間の磨耗を低減させることができる。
また、前記摩擦係数を低減する処理を、前記摺動面に絶縁体からなる低摩擦性部材を装着して行う。これにより、磁石の周囲に発生するループ電流及び渦電流を低減することができ、高効率の回転子を構成することができる。
また、前記磁石と前記ブリッジの接触部に、前記磁石と組み合わされて前記ブリッジの回転軸方向への移動を規制することができる嵌合形状を設け、前記磁石により前記ブリッジを保持する。これにより、軟磁性圧紛材料からなるブリッジの回転軸方向変位を規制することができる。
このように、この発明によれば、脆性材料からなる部材と延性材料からなる部材を回転平面上に配置して形成した回転電機の回転子は、脆性材料からなる部材と延性材料からなる部材の接触部が、脆性材料からなる部材の配置により延性材料からなる部材の回転軸方向への移動を規制することができる形状に形成され、脆性材料からなる部材と延性材料からなる部材を接触状態にすることで形状的に保持されるので、延性材料と脆性材料を一体化して形成した回転子において、高回転時に脆性材料に加わる引張り力を低減することにより、高回転化が可能になる。
この発明の一実施の形態に係る回転電機の回転子を示し、(a)は部分平面図、(b)は(a)のD−D線に沿う断面図、(c)は(a)のE−E線に沿う断面図である。 図1の磁石の分割構造を示し、(a)図1(b)と同様の断面図、(b)は図1(c)と同様の断面図である。 図2の磁石の他の例を示し、(a)は磁石装着時の平面図、(b)は磁石装着時の断面図である。 磁石とブリッジの他の配置例を示し、(a)は磁石装着時の平面図、(b)は磁石装着時の断面図である。 図4の磁石とブリッジの組み合わせ例(a)〜(d)を示す断面図である。 図4の磁石或いはブリッジのカラー及びリングによる固定状態を示し、(a)は磁石固定状態の断面図、(b)はブリッジ固定状態の断面図である。 従来のアキシャルギャップ型回転電機を示し、(a)は軸方向に沿う断面図、(b)は回転子の平面図、(c)は(b)のA−O線に沿う断面図、(d)は(b)のB−O線に沿う断面図である。 図7(b)の回転子を示し、(a)は部分平面図、(b)は(a)のC−C線に沿う断面図、(c)はブリッジ破断状態の部分平面図、(d)は(c)のB−O線に沿う断面図である。
符号の説明
10,20 回転子
11 プレート
11a ビーム状部
11b リング状部
12,21,21a,21b,21c,21d 磁石
12a,15a 接着/溶接層
13,22,22a,22b,22c,22d ブリッジ
14,23 カラー
15 円環部材
a,b,c,d 接触部

Claims (9)

  1. 脆性材料からなる部材と延性材料からなる部材を回転平面上に配置して形成した回転電機の回転子において、
    前記脆性材料からなる部材と前記延性材料からなる部材の接触部を、前記脆性材料からなる部材の配置により前記延性材料からなる部材の回転軸方向への移動を規制することができる形状に形成し、前記脆性材料からなる部材と前記延性材料からなる部材を接触状態にして形状的に保持した回転電機の回転子。
  2. 前記脆性材料からなる部材と前記延性材料からなる部材との接触部を、遠心力付加時に変形可能な低弾性率接着剤により結合した請求項1に記載の回転電機の回転子。
  3. 前記脆性材料からなる部材と外周部に位置する部材との接触部を、両者が一体化するように接合した請求項1または2に記載の回転電機の回転子。
  4. 前記脆性材料からなる部材と前記延性材料からなる部材との接触部に形成される、前記脆性材料からなる部材の内外周少なくとも一方の回転軸方向面を、回転軸方向に対し直交配置した請求項1から3のいずれか一項に記載の回転電機の回転子。
  5. 遠心力の付加により前記脆性材料からなる部材が前記延性材料からなる部材に対し変位する際の、前記脆性材料からなる部材と前記延性材料からなる部材の摺動面の少なくとも一方に、前記摺動面の摩擦係数を低減する処理を施した請求項1から4のいずれか一項に記載の回転電機の回転子。
  6. 前記摩擦係数を低減する処理を、前記摺動面に絶縁体からなる低摩擦性部材を装着して行う請求項5に記載の回転電機の回転子。
  7. 前記脆性材料からなる部材は、前記回転平面上に放射状に配置された磁石、及び隣接する前記磁石の間に配置された圧粉体からなるブリッジであり、前記延性材料からなる部材は、前記磁石の内周に配置されたカラー及び外周に配置されたリングである請求項1から6のいずれか一項に記載の回転電機の回転子。
  8. 前記脆性材料からなる部材は、前記回転平面上に放射状に配置された磁石、及び隣接する前記磁石の間に配置された圧粉体からなるブリッジであり、前記延性材料からなる部材は、前記磁石が装着されるプレート、前記磁石の内周に配置されたカラー及び外周に配置されたリングである請求項1から6のいずれか一項に記載の回転電機の回転子。
  9. 前記磁石と前記ブリッジの接触部に、前記磁石と組み合わされて前記ブリッジの回転軸方向への移動を規制することができる嵌合形状を設け、前記磁石により前記ブリッジを保持する請求項7または8に記載の回転電機の回転子。
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