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JP4831035B2 - スタータ - Google Patents

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Description

本発明は、衝撃吸収装置を備えたスタータに関する。
従来技術として、特許文献1に記載されたスタータが公知である。
このスタータは、図4に示す様に、モータ(図示せず)に駆動されて回転する出力軸100と、この出力軸100の外周に軸受110を介して嵌合するピニオンギヤ120と、出力軸100とピニオンギヤ120との間に設けられる衝撃吸収装置130とを備えている。この衝撃吸収装置130は、出力軸100の外周にセレーション嵌合する第1のケース140と、ピニオンギヤ120と一体に設けられた円筒部の外周にセレーション嵌合する第2のケース150と、両ケース140、150の間に相対回転可能に配置される中間ケース160と、各ケース140〜160の間に挟み込まれるゴムダンパ170等より構成され、例えば、クランキング時にエンジン側から衝撃(エンジン側のリングギヤがピニオンギヤ120を叩く時に生じる衝撃)を受けた時に、ゴムダンパ170が周方向に圧縮変形することにより、衝撃の伝達を遅らせながら衝撃値を低減する働きを有している。
特開2006−207573号公報
ところで、上記の衝撃吸収装置130は、衝撃を受けた時に、ゴムダンパ170が周方向に押圧されて圧縮し、その後、弾性力により復元する。このゴムダンパ170が圧縮と復元とを繰り返すことにより、ゴムダンパ170と各ケース140、150、160との間に摩擦が生じるため、その摩擦を低減するために、両者の接触面に潤滑用グリースが塗布されている。
しかし、スタータのピニオンギヤ120と、エンジン側のリングギヤとが配置されるエンジンケース内が密閉されていない場合は、例えば、車両の冠水等により、外部から大量の泥水やダスト等が衝撃吸収装置130の内部(ケース内部のゴムダンパ170が配置されている部分)まで侵入する恐れがある。
特に、図4に示される衝撃吸収装置130は、第1のケース140と中間ケース160との間、及び、中間ケース160と第2のケース150との間にそれぞれ隙間を有しているため、これらの隙間から衝撃吸収装置130の内部に侵入した泥水やダスト等にグリースの油分が吸収される。また、遠心力により油分が飛散して外部に流出する恐れもある。その結果、ゴムダンパ170と各ケース140、150、160との間の摩擦係数が上昇し、ゴムダンパ170の表面のむしれ、及び、亀裂等が早期に発生することにより、衝撃吸収性能が低下することが予想される。
また、エンジンオイルやLLC(不凍液)等、他の油が侵入した場合には、ゴムダンパ170の膨潤、性状変化の恐れもあるため、経時変化による不具合が心配される。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、スタータに使用される衝撃吸収装置の内部に外部からの泥水、ダスト、オイル等が侵入することを防止することにより、衝撃吸収性能を安定化させることにある。
(請求項1の発明)
本発明のスタータは、モータに駆動されて回転する出力軸と、この出力軸に支持され、モータが発生する駆動トルクをエンジンのリングギヤに伝達するピニオンギヤと、モータの駆動トルクが出力軸を介してピニオンギヤに伝達されるトルク伝達経路に設けられる衝撃吸収装置とを備えるスタータであって、衝撃吸収装置は、軸方向に対向して相互に回転可能に配置される複数のケースと、各ケースの間に配置される複数の弾性体とを有し、トルク伝達経路に衝撃が加わった時に、複数のケースが互いに相対回転して弾性体が周方向に圧縮変形することにより、衝撃の伝達を遅らせながら衝撃値を低減する働きを有し、且つ、軸方向に隣り合うケース同士の間には、径方向の外周に生じる軸方向の隙間を塞ぐシール部材が装着されており、このシール部材が装着されるケースの外周部には、シール部材が径方向の外側へ飛び出すことを防止する突起部が設けられていることを特徴とする。
上記の構成によれば、各ケースの間に生じる隙間をシール部材により塞いでいるので、外部から泥水、ダスト、エンジンオイル等の異物が衝撃吸収装置の内部(特に、弾性体が配置されているケースの内部)へ侵入することを防止できる。これにより、ダスト等にグリースの油分が吸収されることはなく、また、遠心力によるグリースの油分の飛散も防止できるので、弾性体とケースとの潤滑を良好に保つことができ、両者間の摩擦係数が急激に上昇することもなく安定化できる。その結果、弾性体の損傷を抑制でき、衝撃吸収性能を安定化させることができる。
また、シール部材が装着されるケースの外周部には、シール部材が径方向の外側へ飛び出すことを防止する突起部が設けられているので、シール部材に遠心力が働いた時に、ケースの突起部によってシール部材が径方向の外側へ飛び出すことを防いで、シール性能を維持できる。
(請求項2の発明)
請求項1に記載したスタータにおいて、弾性体とシール部材は、共にゴム製であり、且つ、シール部材のゴム硬度は、弾性体のゴム硬度以下であることを特徴とする。
本発明の衝撃吸収装置は、軸方向に隣合うケース同士の隙間にシール部材を装着しているので、このシール部材のゴム硬度が弾性体のゴム硬度より大きいと、弾性体の衝撃吸収性能に影響を生じる。つまり、衝撃を受けた時に弾性体が撓む量が少なくなる、言い換えると、弾性体のバネ定数が高くなった場合と同様の結果を生じる。
従って、シール部材のゴム硬度を弾性体のゴム硬度以下にすることで、弾性体の衝撃吸収性能を確保できる。
(請求項3の発明)
請求項1または2に記載したスタータにおいて、弾性体は、ケースに対し径方向の移動が規制された状態で配置され、シール部材は、弾性体の径方向の外周面との間に隙間を有した状態で、軸方向に隣り合うケース同士の間に装着されていることを特徴とする。
この場合、シール部材が弾性体に接触することはないので、シール部材が弾性体の動き(圧縮及び復元)に影響を与えることはなく、安定した衝撃吸収性能を確保できる。
(請求項4の発明)
請求項1または2に記載したスタータにおいて、複数のケースは、トルク伝達経路の入力側に配置される入力側ケースと、トルク伝達経路の出力側に配置される出力側ケースと、両ケースの間に相対回転可能に配置される1個以上の中間ケースとを有し、この中間ケースは、樹脂製であり、且つ、突起部が一体に設けられていることを特徴とする。
樹脂製の中間ケースに突起部を設ける場合、金型による成形によって突起部を容易に形成でき、且つ、突起部の形状変更も容易である。
(請求項5の発明)
請求項1または2に記載したスタータにおいて、複数のケースは、出力軸に係合する第1のケースと、ピニオンギヤに係合する第2のケースと、両ケースの間に相対回転可能に配置される1個以上の中間ケースとを有し、この中間ケースは、樹脂製であり、且つ、突起部が一体に設けられていることを特徴とする。
樹脂製の中間ケースに突起部を設ける場合、金型による成形によって突起部を容易に形成でき、且つ、突起部の形状変更も容易である。
(請求項6の発明)
請求項1〜5に記載した何れかのスタータにおいて、ピニオンギヤは、リングギヤに常時噛み合わされていることを特徴とする。
スタータのピニオンギヤがエンジン側のリングギヤに常時噛み合っている場合は、エンジン始動時に生じる衝撃、つまり、クランキング時のエンジン回転変動によってリングギヤがピニオンギヤを叩くことにより生じる衝撃だけでなく、エンジンが逆回転した時、例えば、エンジンが停止する際に生じるクランク軸の揺動による逆回転、あるいは、登板路でのエンストにより車両が後退する時にエンジンが逆回転すると、その逆回転がリングギヤに常時噛み合うピニオンギヤに衝撃として伝達される。このため、ピニオンギヤがリングギヤに常時噛み合う方式のスタータでは、エンジン側から受ける衝撃を吸収するために衝撃吸収装置が大きな働きを有している。
(請求項7の発明)
請求項6に記載したスタータにおいて、エンジンの停止および再始動を自動制御するエンジン自動停止/再始動システムに用いられることを特徴とする。
エンジン自動停止/再始動システム(一般に、アイドルストップシステム、エコランシステム等とも呼ばれる)は、例えば、交差点や渋滞等で車両が一旦停止した時に、エンジンを自動停止させ、その後、運転者により所定の発進操作が行われた時に、エンジンを自動的に再始動させるもので、車両の燃費向上あるいは排気エミッションの改善に効果がある。このエンジン自動停止/再始動システムを搭載する車両では、同システムを搭載しない車両と比較して、必然的にエンジンの始動回数、つまりスタータの始動回数が大幅に増加する。
ところで、エンジン始動時(クランキング時)には、ユーザにとって不快な騒音(リングギヤがピニオンギヤを叩く時の叩き音)が衝撃と共に発生する。このため、上記システムを搭載する車両では、エンジン再始動の度に不快な騒音及び衝撃が発生することになる。これに対し、本発明のスタータは、エンジン始動時に発生する衝撃や不快な騒音を衝撃吸収装置によって低減できるので、始動回数の多いエンジン自動停止/再始動システムに用いることにより、ユーザの不快感を低減できる効果がある。
本発明を実施するための最良の形態を以下の実施例により詳細に説明する。ただし、実施例1は、本発明が適用されていない参考例を示すものであり、実施例2は、本発明が適用された例を示す。
図1は衝撃吸収装置10の半断面図であり、図2はスタータ1の半断面図である。
実施例1に係るスタータ1は、図2に示す様に、内蔵する電機子3に回転力を発生するモータ2と、バッテリ(図示せず)から電機子3に通電するためのモータ回路に設けられるメイン接点(後述する)を開閉する電磁リレー4と、電機子3の逆回転を防止する逆転防止用クラッチ5と、電機子3の回転を減速する減速機6と、この減速機6を介してモータ2の駆動トルクが伝達される出力軸7と、この出力軸7の外周に軸受8を介して嵌合するピニオンギヤ9と、出力軸7とピニオンギヤ9との間に設けられる衝撃吸収装置10等より構成される。本実施例のスタータ1は、エンジンの停止および再始動を自動制御するエンジン自動停止/再始動システムに用いることができる。
モータ2は、電機子3の回転を出力する電機子軸11の一端側(図示右側)に整流子12が設けられ、この整流子12の外周に配置されるブラシ13を介して電機子3に通電される周知の整流子電動機であり、磁気回路を形成するヨーク14の内周に永久磁石15(界磁コイルでも良い)を配置している。電機子軸11は、整流子12より突き出る一端側の端部が、軸受16を介してエンドフレーム17に回転自在に支持され、反整流子側(他端側)の端部が、出力軸7の端部に形成された空洞部の内周に軸受18(図1参照)を介して相対回転可能に挿入されている。
エンドフレーム17は、ヨーク14のエンド側(図示右側)の開口部に嵌合して組み付けられ、複数本のスルーボルト(図示せず)をスタータハウジング19に締め付けて固定されている。
電磁リレー4は、電磁コイル20とプランジャ21とを内蔵するソレノイドと、このソレノイドに固定される樹脂製の接点カバー22とを有し、この接点カバー22の内部にメイン接点が配置される。
ソレノイドは、電磁コイル20への通電により電磁石を形成してプランジャ21を吸引する周知の働きを有し、このプランジャ21の動きに連動してメイン接点を閉操作する。 また、電磁コイル20への通電が停止して電磁石の吸引力が消滅すると、リターンスプリング23(図2参照)に蓄えられた反力により、プランジャ21が図示左方向へ押し戻されてメイン接点を開操作する。
メイン接点は、B端子ボルト24を介してモータ回路の高電位側(バッテリ側)に接続されるB固定接点25と、M端子ボルト26を介してモータ回路の低電位側(モータ2側)に接続されるM固定接点27と、プランジャ21と一体に可動して両固定接点25、27間を断続する可動接点28とで形成され、この可動接点28が両固定接点25、27に当接して両固定接点25、27間が導通することによりメイン接点が閉状態となり、可動接点28が両固定接点25、27から離れて両固定接点25、27間の導通が遮断されることによりメイン接点が開状態となる。
B端子ボルト24とM端子ボルト26は、それぞれ、接点カバー22に固定され、この接点カバー22より軸方向(図示右方向)に突き出るB端子ボルト24の先端側にバッテリケーブル(図示せず)のターミナルが接続され、同様に、接点カバー22より軸方向に突き出るM端子ボルト26の先端側にモータリード線29のターミナルが接続される。なお、モータリード線29の反ターミナル側は、モータ2のヨーク14とエンドフレーム17との間に挟持されるグロメット30を通ってモータ2の内部に引き込まれ、正極側のブラシ13に接続されている。
逆転防止用クラッチ(以下クラッチ5と呼ぶ)は、電機子軸11の一部に設けられたインナ31と、このインナ31の外周面との間に複数のカム室(図示せず)を形成するアウタ32と、カム室に配設されるローラ33等より構成される。
アウタ32は、径方向の外側へ延びるアウタ壁部32aを有し、このアウタ壁部32aの外周部が、軸方向に位置決めされ、且つ、スタータハウジング19に対し回転規制されている。カム室は、電機子軸11の反回転方向に向かって、ローラ33を収納する空間が次第に狭くなるくさび状に形成されている。
ローラ33は、図示しないスプリングによってカム室の空間が狭くなる狭小方向(電機子軸11の反回転方向)へ付勢され、インナ31とアウタ32との間でトルクの伝達を断続する働きを有する。
このクラッチ5は、エンジンに逆回転が生じた時に、その逆回転が減速機6を介して電機子軸11に伝達されると、ローラ33がカム室の狭小方向へ移動してインナ31とアウタ32との間にロックされることにより、電機子軸11の逆回転が阻止される。
一方、スタータ1によりエンジンを駆動する時は、電機子軸11の回転方向であるカム室の反狭小方向(空間が広くなる方向)へローラ33が移動して空転することにより、電機子軸11の回転を許容する。
減速機6は、電機子軸11と同軸上で減速できる遊星歯車減速機であり、電機子軸11の反整流子側に形成された太陽歯車34と、下記のトルクリミッタを介して回転規制される内歯歯車35と、両歯車34、35に噛み合う複数の遊星歯車36(図1参照)とで構成され、この遊星歯車36の公転運動が出力軸7に伝達される。
トルクリミッタは、図1に示す様に、センタケース37と固定ディスク38との間に摩擦力によって回転規制される回転ディスク39を有し、この回転ディスク39の滑りトルクを超える過大トルクが内歯歯車35に加わると、回転ディスク39が摩擦力に抗して滑る(回転する)ことにより、内歯歯車35の回転が許容されて、過大トルクの伝達を遮断する。
センタケース37は、スタータハウジング19の内部に出力軸7と直交して配置され、スタータハウジング19の内周に設けられた段差に当接して軸方向に位置決めされると共に、スタータハウジング19に対し回転規制されている。
出力軸7は、図2に示す様に、電機子軸11と同一軸線上に配置されると共に、反モータ側の端部が軸受40を介してスタータハウジング19の先端部に回転自在に支持され、モータ2側の端部が減速機6に連結され、且つ、センタケース37に軸受41(図1参照)を介して回転自在に支持されている。
ピニオンギヤ9は、エンジン側のリングギヤ42(図2参照)に常時噛み合わされ、且つ、以下に説明する衝撃吸収装置10を介して出力軸7に連結されている。
次に、衝撃吸収装置10について図1を基に説明する。
この衝撃吸収装置10は、入力側ケースまたは第1のケースを形成するリングドライブ43と、出力側ケースまたは第2のケースを形成するリングドライブ44と、中間ケースを形成するリングスペース45と、リングドライブ43とリングスペース45との間、および、リングスペース45とリングドライブ44との間に組み込まれる複数個のゴムダンパ46と、軸方向に隣り合うケース同士の間に装着されるシール部材をなすOリング47等より構成される。
リングドライブ43は、径方向の中央部に円筒状のボス部43aが設けられ、このボス部43aが出力軸7の外周にセレーション嵌合して、出力軸7に対し相対回転不能に連結されている。
リングドライブ44は、リングドライブ43と同様に、径方向の中央部に円筒状のボス部44aが設けられ、このボス部44aが、ピニオンギヤ9と一体に設けられた円筒部9aの外周にセレーション嵌合して、ピニオンギヤ9に対し相対回転不能に連結されている。
リングスペース45は、リングドライブ43に設けられたボス部43aの外周に回転可能に嵌合して、リングドライブ43とリングドライブ44との間に配置される。
軸方向に対向するリングドライブ43とリングスペース45との間、および、リングスペース45とリングドライブ44との間には、それぞれ、周方向に複数ヶ所(例えば、3カ所)のダンパスペース(図示せず)が形成され、各ダンパスペースにゴムダンパ46が1個ずつ、合計6個収納されている。
また、衝撃吸収装置10の内部には、ゴムダンパ46の摩擦による消耗、表面のむしれ、亀裂等を抑制するために、ゴムダンパ46の表面、ゴムダンパ46に接触するリングドライブ43、リングスペース45、および、リングドライブ44の各表面等に潤滑用のグリースが塗布されている。なお、リングドライブ43とリングドライブ44は、トルク伝達に必要な強度を確保するために、それぞれ、金属製(例えば、鉄製)であり、リングスペース45は、例えば、軽量化に寄与できる樹脂製である。
軸方向に隣り合うリングドライブ43とリングスペース45、および、リングスペース45とリングドライブ44は、それぞれ、両者の間にゴムダンパ46を組み込んだ状態で、軸方向に所定の間隔を保って配置される。つまり、エンジン側から衝撃が伝達されてゴムダンパ46が周方向に撓む(圧縮変形する)際に、リングドライブ43とリングスペース45、および、リングスペース45とリングドライブ44とが互いに摩擦接触しない様に、軸方向に所定の隙間が確保されている。
また、リングドライブ43とリングスペース45との間、および、リングスペース45とリングドライブ44との間には、それぞれ、径方向の外周に生じる軸方向の隙間を塞ぐために、ゴム製のOリング47が装着されている。但し、Oリング47のゴム硬度は、ゴムダンパ46の硬度以下に設定されている。一例として、Oリング47のゴム硬度:Hs60±10、ゴムダンパ46の硬度:Hs80±5である。
次に、スタータ1の作動を説明する。
電磁リレー4によりモータ回路のメイン接点が閉操作されると、バッテリから電機子3に給電されて電機子3に回転力を発生する。電機子3の回転は、減速機6で減速されて出力軸7に伝わり、更に、出力軸7から衝撃吸収装置10を介してピニオンギヤ9に伝達され、このピニオンギヤ9の回転がリングギヤ42に伝達されて、エンジンをクランキングする。
エンジンが完爆してエンジン回転数がスタータ回転数を上回ると、例えば、リングギヤ42に内蔵された一方向クラッチ(図示せず)が空転して、エンジンのクランク軸とリングギヤ42との間でトルクの伝達が遮断されるため、エンジンの回転がピニオンギヤ9に伝達されることはなく、電機子3のオーバランを防止できる。
また、エンジンが逆回転した場合、例えば、エンジンが停止する際に生じるクランク軸の揺動による逆回転、あるいは、登板路でのエンストにより車両が後退する時にエンジンが逆回転した時は、リングギヤ42に内蔵された一方向クラッチが結合状態となる。このため、ピニオンギヤ9がリングギヤ42に常時噛み合っているスタータ1では、エンジンの逆回転がリングギヤ42からピニオンギヤ9に伝達される。これに対し、本実施例のスタータ1は、電機子3の逆回転を防止できる逆転防止用クラッチ5を備えているので、エンジンの逆回転がスタータ1に入力れた場合でも、電機子3の逆回転を防止できる。
上記の作動において、衝撃吸収装置10は、エンジン側からスタータ1が衝撃を受けた時(例えば、クランキング時にリングギヤ42がピニオンギヤ9を叩くことにより生じる衝撃、あるいは、上記のエンジンが逆回転した時に生じる衝撃等)に、リングスペース45を介してリングドライブ43とリングドライブ44とが相対回転しながら、ゴムダンパ46が周方向に撓む(圧縮変形する)ことにより、衝撃の伝達を遅らせながら衝撃値を低減する働きを有する。
また、トルクリミッタは、衝撃吸収装置10で吸収しきれない過大な衝撃、つまり、トルクリミッタの設定トルク(回転ディスク39の滑りトルク)を超える過大な衝撃が出力軸7に伝達された時に、回転ディスク39が摩擦力に抗して滑ることにより、衝撃力の伝達を遮断する働きを有する。これにより、スタータ1のトルク伝達経路に過大な衝撃が加わることはなく、エンジン側から受ける衝撃による損傷を回避できる。
(実施例1の効果)
本実施例のスタータ1に使用される衝撃吸収装置10は、リングドライブ43とリングスペース45との間、および、リングスペース45とリングドライブ44との間に生じる軸方向の隙間にOリング47が装着されている。これにより、外部から泥水、ダスト、エンジンオイル等の異物が衝撃吸収装置10の内部(特に、ゴムダンパ46が配置されている部分)へ侵入することを防止できる。その結果、ダスト等にグリースの油分が吸収されることはなく、また、遠心力によりグリースの油分が飛散することも防止できるので、ゴムダンパ46表面の潤滑を良好に保つことができ、且つ、ゴムダンパ46とリングドライブ43およびリングドライブ44との間の摩擦係数を安定化できるので、ゴムダンパ46の損傷(例えば、ゴムダンパ46の表面のむしれ、亀裂等)を防止できる。
また、Oリング47は、ゴムダンパ46よりゴム硬度が小さいので、エンジン側から衝撃を受けた時に、ゴムダンパ46の動き(圧縮と復元)に影響を生じることは殆どなく、安定した衝撃吸収性能を確保できる。
図3は衝撃吸収装置10のシール部位を拡大した断面図である。
この実施例2に係る衝撃吸収装置10は、図3に示す様に、リングスペース45の外周壁の軸方向両側にそれぞれ突起部45aを設けた一例である。この突起部45aは、Oリング47のリングスペース45側の外周を保持できる様に、Oリング47側へ傾斜した状態で突き出ている。あるいは、Oリング47の外周形状に沿って湾曲した形状に設けても良い。これにより、Oリング47は、リングドライブ43とリングスペース45との間、および、リングスペース45とリングドライブ44との間に、それぞれ、軸方向に挟み込まれるだけでなく、突起部45aによって外周の一部が保持されるので、遠心力でOリング47が隙間から外側へ張り出す、あるいは飛び出すことを防止できる。
また、突起部45aを設けられるリングスペース45は、樹脂製であるため、金型による成形によって突起部45aを容易に形成でき、且つ、突起部45aの形状変更も容易である。但し、金属製であるリングドライブ43およびリングドライブ44に突起部を設けることもできる。
さらに、本実施例のOリング47は、ゴムダンパ46と接触することはなく、図3に示す様に、Oリング47の内周(内径)とゴムダンパ46の外周面との間に隙間Cが確保されている。つまり、ゴムダンパ46は、リングスペース45に対し径方向の移動が規制された状態で配置されているので、そのゴムダンパ46の外周面との間に隙間Cを確保できるだけの内径を有するOリング47が使用される。また、Oリング47の最大圧縮時、つまり、Oリング47が軸方向に圧縮されて、Oリング47の内周がゴムダンパ46側へ押し出された場合でも、ゴムダンパ46にOリング47が押圧されることが無い様に、Oリング47の最大圧縮時でもC≧0となる様に、隙間Cを確保することが望ましい。これにより、ゴムダンパ46にOリング47が殆ど接触することはないので、エンジン側から衝撃が伝達された時に、Oリング47がゴムダンパ46の動き(圧縮及び復元)に影響を与えることはなく、安定した衝撃吸収性能を確保できる。
(変形例)
実施例1に記載した衝撃吸収装置10では、弾性体としてゴムダンパ46を用いているが、ゴムダンパ46以外の弾性体(例えば、ねじりコイルバネ、弾性を有する樹脂材等)を使用することもできる。
実施例1及び実施例2に記載した衝撃吸収装置10は、リングドライブ43とリングドライブ44との間に、リングスペース45を介してゴムダンパ46を直列二段(合計6個)に配置しているが、リングスペース45の数を増やして、ゴムダンパ46を直列三段以上に配置しても良い。あるいは、リングスペース45を廃止して、リングドライブ43とリングドライブ44との間にゴムダンパ46を配置しても良い。この場合、リングドライブ43とリングドライブ44との軸方向の隙間にシール部材としてOリング47を装着することは言うまでもない。
また、実施例1では、衝撃吸収装置10を出力軸7とピニオンギヤ9との間に設けているが、この位置に限定されるものではなく、スタータ1のトルク伝達経路(モータ2の駆動トルクが出力軸7を介してピニオンギヤ9に伝達される経路)に有れば良い。
衝撃吸収装置の半断面図である(実施例1)。 スタータの断面図である(実施例1)。 衝撃吸収装置のシール部位を拡大した断面図である(実施例2)。 従来技術を示す衝撃吸収装置の半断面図である。
符号の説明
1 スタータ
2 モータ
7 出力軸
9 ピニオンギヤ
10 衝撃吸収装置
39 回転ディスク
42 リングギヤ
43 リングドライブ(入力側ケース、第1のケース)
44 リングドライブ(出力側ケース、第2のケース)
45 リングスペース(中間ケース)
45a 突起部
46 ゴムダンパ(弾性体)
47 Oリング(シール部材)
C Oリングとゴムダンパとの間の隙間

Claims (7)

  1. モータに駆動されて回転する出力軸と、
    この出力軸に支持され、前記モータが発生する駆動トルクをエンジンのリングギヤに伝達するピニオンギヤと、
    前記モータの駆動トルクが前記出力軸を介して前記ピニオンギヤに伝達されるトルク伝達経路に設けられる衝撃吸収装置とを備えるスタータであって、
    前記衝撃吸収装置は、軸方向に対向して相互に回転可能に配置される複数のケースと、各ケースの間に配置される複数の弾性体とを有し、前記トルク伝達経路に衝撃が加わった時に、前記複数のケースが互いに相対回転して前記弾性体が周方向に圧縮変形することにより、衝撃の伝達を遅らせながら衝撃値を低減する働きを有し、且つ、軸方向に隣り合う前記ケース同士の間には、径方向の外周に生じる軸方向の隙間を塞ぐシール部材が装着されており、
    前記シール部材が装着される前記ケースの外周部には、前記シール部材が径方向の外側へ飛び出すことを防止する突起部が設けられていることを特徴とするスタータ。
  2. 請求項1に記載したスタータにおいて、
    前記弾性体と前記シール部材は、共にゴム製であり、且つ、前記シール部材のゴム硬度は、前記弾性体のゴム硬度以下であることを特徴とするスタータ。
  3. 請求項1または2に記載したスタータにおいて、
    前記弾性体は、前記ケースに対し径方向の移動が規制された状態で配置され、
    前記シール部材は、前記弾性体の径方向の外周面との間に隙間を有した状態で、軸方向に隣り合う前記ケース同士の間に装着されていることを特徴とするスタータ。
  4. 請求項1または2に記載したスタータにおいて、
    前記複数のケースは、前記トルク伝達経路の入力側に配置される入力側ケースと、前記トルク伝達経路の出力側に配置される出力側ケースと、両ケースの間に相対回転可能に配置される1個以上の中間ケースとを有し、この中間ケースは、樹脂製であり、且つ、前記突起部が一体に設けられていることを特徴とするスタータ。
  5. 請求項1または2に記載したスタータにおいて、
    前記複数のケースは、前記出力軸に係合する第1のケースと、前記ピニオンギヤに係合する第2のケースと、両ケースの間に相対回転可能に配置される1個以上の中間ケースとを有し、この中間ケースは、樹脂製であり、且つ、前記突起部が一体に設けられていることを特徴とするスタータ。
  6. 請求項1〜5に記載した何れかのスタータにおいて、
    前記ピニオンギヤは、前記リングギヤに常時噛み合わされていることを特徴とするスタータ。
  7. 請求項6に記載したスタータにおいて、
    前記エンジンの停止および再始動を自動制御するエンジン自動停止/再始動システムに用いられることを特徴とするスタータ。
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