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JP4240272B2 - 膜触媒層接合体の製造方法 - Google Patents

膜触媒層接合体の製造方法 Download PDF

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JP4240272B2
JP4240272B2 JP2002138291A JP2002138291A JP4240272B2 JP 4240272 B2 JP4240272 B2 JP 4240272B2 JP 2002138291 A JP2002138291 A JP 2002138291A JP 2002138291 A JP2002138291 A JP 2002138291A JP 4240272 B2 JP4240272 B2 JP 4240272B2
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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は膜触媒層接合体の製造方法に関する。詳しくは固体高分子電解質膜型燃料電池の膜触媒層接合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子電解質膜型燃料電池に用いられる触媒層と電解質膜との接合体の製造として以下の手法が知られている。
【0003】
まずポリテトラフルオロエチレン(四フッ化樹脂)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のシートを触媒層担持基材として用いて、このシートの表面に触媒溶液を塗布して触媒層を形成する。そしてシートの表面に塗布された触媒溶液の溶媒を蒸発させて乾燥した触媒層を形成する。その後この乾燥した触媒層と電解質膜とを面プレスやロールプレスを用いて加熱加圧して触媒層を電解質膜に転写する。そして電解質膜に転写した触媒層から触媒層担持基材を剥離して、触媒層と電解質膜との接合体を製造する。
【0004】
このように従来の手法は、乾燥した触媒層を形成してから電解質膜に転写して膜触媒層接合体を製造している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこのように触媒溶液の溶媒を完全に蒸発させ除去した触媒層を形成した後に、この触媒層を電解質膜に熱圧転写すると次の問題が生ずることが分かってきた。
【0006】
触媒層を電解質膜に加熱加圧して転写する際に、既に触媒層が完全に乾燥しているので、触媒層と電解質膜とを加熱加圧して接合する際に高温高圧にかけないと触媒層と電解質膜との密着性が不充分となる虞がある。
【0007】
しかし触媒層と電解質膜との密着性を向上させるために高温高圧をかけると、触媒層が熱圧応力によって塑性変形して触媒層の3次元構造が崩れてしまうということが生ずる。このように触媒層の3次元構造が崩れると、触媒層におけるガス拡散性が阻害されて、触媒反応活性が低下してしまう。
【0008】
また触媒層と電解質膜との密着性を向上させるために高温高圧をかけると電解質膜も熱圧応力によってダメージが生じて耐久性が低下する虞が生ずる。そして電解質膜にダメージが生ずると燃料電池に用いられる水素ガスや酸素ガスが電解質膜を通過するというクロスオーバー現象が生じ易くなる。
【0009】
さらに触媒層と電解質膜とを接合して膜触媒層接合体を形成した後に、拡散層を膜触媒層接合体の触媒層側に接合する場合には、拡散層と膜触媒層接合体とを接合する際に良好な界面密着性を得るために高温高圧をかけると触媒層の3次元構造が崩れたり、電解質膜にダメージが生ずる。
【0010】
そこで、本発明の目的とするところは、触媒層と電解質膜との界面密着性を向上することができ、同時に触媒層の3次元構造を確保することができる膜触媒層接合体の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
(1)本発明者は、従来の手法は触媒層を完全に乾燥してから電解質膜と触媒層とを加熱加圧により接合することから、電解質膜と触媒層との界面密着性を向上するために高温高圧をかけることが必要となり、その結果触媒層や電解質膜にダメージを生じさせることになると考えた。そこで触媒層が半乾燥状態即ち有機溶媒がまだ残留している状態で電解質膜と触媒層とを加熱加圧によって接合すればよいと考えた。つまり触媒層に有機溶媒が残留している状態で電解質膜と触媒層とを接合すれば、触媒層に残留している有機溶媒が接合の相手方の電解質膜の界面を膨潤することになって、結果高温高圧をかけなくても界面密着性を向上することができ、触媒層の3次元構造を確保することができると考えた。
【0012】
(2)そこで上記課題を解決する本発明は、固体高分子電解質膜型燃料電池に用いる電解質膜に触媒層担持基材の表面に形成された触媒層を転写して膜触媒層接合体を製造する膜触媒層接合体の製造方法において、少なくとも有機溶媒と触媒金属担持粉末と電解質成分と水とを含む触媒溶液を触媒層担持基材の表面に塗布して触媒層を形成する触媒層塗布工程と、前記触媒層を前記電解質膜に転写した際に転写された前記触媒層が前記電解質膜の界面を膨潤軟化することができる程度の量の前記有機溶媒を前記触媒層に残留させて前記触媒層を予備乾燥する予備乾燥工程と、前記触媒層と前記電解質膜とが接触して積層する状態で前記触媒層担持基材と前記電解質膜とを加熱加圧し前記電解質膜の前記触媒層との界面を膨潤軟化させて前記触媒層を前記電解質膜に転写して接合体を形成する触媒層転写工程と、前記接合体から前記触媒層担持基材を剥離して膜触媒層接合体とする基材剥離工程と、前記膜触媒層接合体を乾燥して前記触媒層に残留している前記有機溶媒を除去する本乾燥工程とを有し、前記予備乾燥工程では、前記触媒層全体の質量を100%とした場合に前記水と前記有機溶媒とを合わせた質量が3〜20%となるように予備乾燥し、前記触媒層転写工程では、60〜120℃及び1〜5MPaの温度及び圧力の条件で加熱加圧することを特徴とする膜触媒層接合体の製造方法である(請求項1)。
【0013】
このように請求項1記載の膜触媒層接合体の製造方法においても、従来の手法と同様、少なくとも有機溶媒と触媒金属担持粉末と電解質成分と水とを含む触媒溶液を触媒層担持基材の表面に塗布して触媒層を形成するが、このように触媒層担持基材の表面に形成された触媒層を電解質膜に転写する前に有機溶媒を完全に除去する程度まで触媒層を乾燥するものではない。本発明の膜触媒層接合体の製造方法においては、触媒層担持基材の表面に形成された触媒層を電解質膜に転写した際に転写された触媒層が電解質膜の界面を膨潤軟化することができる程度の量の有機溶媒を触媒層に残留させて触媒層を予備乾燥するようにしている。すなわち触媒層全体の質量を100%とした場合に水と有機溶媒とを合わせた質量が3〜20%となるように予備乾燥している。このように有機溶媒を電解質膜に転写される触媒層に残留させることで、触媒層と電解質膜とが接触して積層する状態で、60〜120℃及び1〜5MPaの温度及び圧力の条件で加熱加圧すると、触媒層に残留しているこの有機溶媒が電解質膜の界面を膨潤軟化して触媒層と電解質膜との界面密着性を向上させることが可能となり、密着性に優れた触媒層と電解質膜との接合体を形成することができる。
【0014】
そして触媒担持基材を触媒層と電解質膜との接合体から剥離して膜触媒層接合体とし、更に膜触媒層接合体を乾燥して触媒層に残留している有機溶媒を除去して密着強度に優れまた触媒層の3次元構造が確保された膜触媒層接合体を製造することができる。
【0015】
請求項1の膜触媒層接合体の製造方法において、前記触媒溶液に含有されている前記有機溶媒は水の沸点よりも高い温度で蒸発することが好ましい(請求項2)。触媒層を形成する触媒溶液に含まれている有機溶媒が水の沸点よりも低い温度で蒸発すると、触媒層担持基材の表面に形成された触媒層を予備乾燥させて半乾燥状態の触媒層を形成したとしても水よりも早く有機溶媒が蒸発することから有機溶媒の残留量が少なくなっている。そこで予備乾燥させて半乾燥状態の触媒層で効果的に電解質膜の界面を膨潤軟化させるには水が先に蒸発して触媒層に有機溶媒が残留している状態とすることが好ましい。
【0016】
また請求項1又は2の膜触媒層接合体の製造方法において、前記予備乾燥工程においては、スチーム乾燥によって前記触媒層を予備乾燥するようにすることが好ましい(請求項3)。触媒層を予備乾燥する場合にスチーム乾燥とすることで、予備乾燥による有機溶媒の蒸気による触媒金属の燃焼や電解質成分のドライアップを効果的に抑制することができる。
【0017】
さらに請求項1、2又は3の膜触媒層接合体の製造方法において、前記基材剥離工程を経た後に、前記膜触媒層接合体の前記触媒層側に拡散層を加熱加圧して接合する拡散層接合工程を有し、前記拡散層接合工程を経た後に、前記拡散層が接合された前記膜触媒層接合体を乾燥して前記触媒層に残留している前記有機溶媒を除去する前記本乾燥工程を行うことができる(請求項4)。
【0018】
上述のように予備乾燥工程を経た触媒層を電解質膜に転写して触媒層と電解質膜との接合体を形成し、この接合体から触媒担持基材を剥離して膜触媒層接合体とした場合、この膜触媒層接合体における触媒層には有機溶媒が残留している。そこでこの膜触媒層接合体を乾燥させて触媒層から有機溶媒を完全に除去する前に有機溶媒が残留している触媒層に拡散層を積層して加熱加圧することで膜触媒層接合体に拡散層を接合することができる。この場合に触媒層には有機溶媒が残留しているので、触媒層中の電解質成分が軟化しており、触媒層と拡散層との密着強度を向上させることができる。また、この場合に、60〜100℃及び1〜3MPaの温度及び圧力の条件で加熱加圧することが好ましい(請求項5)。
【0023】
(3)本発明の膜触媒層接合体の製造方法においては、上述のように、予備乾燥によって、触媒層中の有機溶媒を電解質膜の界面を膨潤軟化させることができる程度に残留させておいてから触媒層と電解質膜とをあわせて加熱加圧して接合する。
【0024】
この接合時においては、触媒層には有機溶媒が残留しているので触媒層に接する電解質膜は有機溶媒によって膨潤し軟化する。その結果電解質膜と触媒層とは従来よりも低い温度、低い圧力で接合しても電解質膜と触媒層との界面密着性を向上させることが可能となる。その結果触媒層を電解質膜に高熱高圧で接合する必要がなくなり、触媒層の3次元構造を従来よりも確保することができる。
【0025】
なお界面密着性が向上することで、本発明の膜触媒層接合体の製造方法で製造された膜触媒層接合体は燃料電池の放電性能を向上させることができる。
【0026】
また触媒層は有機溶媒を含んでいるので電解質膜と触媒層とが接合する際に、従来のように乾燥した触媒層の表面に生じた突起が電解質膜にダメージを与えるということが減少する。即ち本発明の膜触媒層接合体の製造方法においては、触媒層の表面に触媒金属担持粉末や電解質成分からなる突起が生じていても有機溶媒が残留しているので、電解質膜と触媒層とが接合するときに触媒層の表面の突起を構成する触媒金属担持粉末や電解質成分が移動するので、突起がそのまま電解質膜に押し込まれて電解質膜にダメージを与えるということを抑制することができる。その結果電解質膜へのダメージを減少させることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明は、固体高分子電解質膜型燃料電池に用いる電解質膜に触媒層担持基材の表面に形成された触媒層を転写して膜触媒層接合体を製造する膜触媒層接合体の製造方法であって、触媒層塗布工程と、予備乾燥工程と、触媒層転写工程と、基材剥離工程と、本乾燥工程とを有することを特徴とする。以下本発明の実施の形態について分節して説明する。
【0028】
<1>触媒層塗布工程は、少なくとも有機溶媒と触媒金属担持粉末と電解質成分と水とを含む触媒溶液を触媒層担持基材の表面に塗布して触媒層を形成する工程である。触媒溶液を触媒層担持基材の表面に塗布することは、公知の手法で行うことができる。
【0029】
触媒溶液が表面に塗布される触媒層担持基材は特に限定されておらず、ポリテトラフルオロエチレン(四フッ化樹脂)等のフッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)等のフィルムを用いることができる。
【0030】
触媒溶液の触媒担持基材への塗布は特に限定されておらず、公知の手法で行うことができる。即ちスクリーン印刷法、ダイコータ法等のコータ法、スプレー法、輪転機等を用いたオフセット印刷法等によって行うことができる。
【0031】
触媒溶液は少なくとも有機溶媒と触媒金属担持粉末と電解質成分と水とを含む液体である
【0032】
触媒担持粉末、電解質成分は、触媒層を形成するのに用いられる公知の触媒担持粉末、電解質成分を用いることができる。触媒担持粉末としては、例えば白金等の白金属金属を担持したカーボン粉末、Pt−Fe、Pt−Ru等の合金触媒を担持したカーボン粉末等を挙げることができる。また電解質成分としては例えばデュポン社商品名ナフィオンソリューション等のフッ素系イオン交換樹脂等を挙げることができる。
【0033】
有機溶媒としては、電解質成分と相溶性の良い有機溶媒を用いることが好ましい。例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、酢酸、プロピオン酸、酪酸、エチレングリコール、プロピレングリコールを用いることができる。なお有機溶媒が電解質成分や触媒担持粉末と共に用いられている状態において、水が蒸発する温度より高い温度で蒸発する有機溶媒を選択することが好ましい。例えばエタノール自体の沸点は水の-沸点よりも低い温度である。しかしエタノールを電解質成分と共に用いると電解質成分に膨潤して蒸散しにくくなり、また触媒担持粉末の触媒によっても酸化されて酢酸等の沸点の高い物質に変化する。その結果後述の予備乾燥工程において、水の方を先に蒸発させて有機溶媒が残留した触媒層とすることができる。
【0034】
▲2▼予備乾燥工程は、触媒層を電解質膜に転写した際に転写された触媒層が電解質膜の界面を膨潤軟化することができる程度の量の有機溶媒を触媒層に残留させて触媒層を予備乾燥する工程である。
【0035】
この予備乾燥工程では触媒層担持基材の表面に塗布されて形成された触媒層を乾燥する。乾燥方法は公知の方法で乾燥させることができる。例えば乾燥機を用いて乾燥することができる。ここで用いる乾燥機は適切なものを用いることができ、例えば温風乾燥機でもスチーム乾燥機、窒素ガス温風乾燥機等を用いることができる。この場合触媒層に含まれる触媒の発熱、電解質成分のドライアップ、分解を防止するという観点からは、スチーム乾燥機を用いてスチーム乾燥を行うことが好ましい。同様に窒素ガス温風乾燥機を用いて窒素ガス乾燥を行うことも好ましい。
【0036】
ここでの温度は、触媒混合物に用いられる溶媒の種類によって適切な温度を設定することができるが、概ね80〜150℃とすることができる。
【0037】
なお触媒層を電解質膜に転写した際に転写された触媒層が電解質膜の界面を膨潤軟化することができる程度の量とは、触媒層全体の質量を100%とした場合に水と有機溶媒とを併せた質量が3〜20%となる量である。この場合5〜15%とすることが更に好ましい。水と有機溶媒とを併せた質量が3%よりも少ないと、有機溶媒が電解質膜の界面を膨潤軟化させることが困難となり、触媒層と電解質膜との界面密着性が低下する。また20%を超えると、触媒層に水と有機溶媒の量が多すぎるために電解質膜と触媒層とを重ねて加熱加圧すると触媒層の形が崩れてしまう虞がある。
【0038】
▲3▼触媒層転写工程は、触媒層と電解質膜とが接触して積層する状態で触媒層担持基材と電解質膜とを加熱加圧し電解質膜の触媒層との界面を膨潤軟化させて触媒層を電解質膜に転写して接合体を形成する工程である。
【0039】
上述したように触媒層を電解質膜に転写した際に転写された触媒層が電解質膜の界面を膨潤軟化することができる程度の量を含有した状態で触媒層と電解質膜とが接触して積層する状態で加熱加圧することで、電解質膜の触媒層との界面を膨潤軟化させることができる。そして電解質膜の触媒層との界面を膨潤軟化した状態で電解質膜と触媒層とを転写するので、従来よりも低い温度と低い圧力で転写することができ、また電解質膜と触媒層との界面密着性を向上させることができる。なおこの加熱加圧は、加熱と加圧とを同時に行ってもよい。また同時に行わなくてもよい。例えば加熱と加圧とを交互に行うこともできる。
【0040】
この場合触媒層は触媒層担持基材の表面に担持されているので触媒層を表面に担持した触媒層担持基材と電解質膜とを加熱加圧することになる。
【0041】
加熱加圧の方法は公知の方法で行うことができ、例えばロールプレスや面プレスを用いて行うことができる。この場合カソード側触媒層とアノード側触媒層を同時に電解質膜に転写することもできるし、いずれか一方の触媒層を電解質膜に転写してから他方の触媒層を転写することもできる。
【0042】
ロールプレスまたは面プレスを用いて触媒層を電解質膜に転写するときの温度は概ね60〜120℃で行う。つまり従来よりも低い温度で行うことができる。
【0043】
例えば電解質膜としてパーフルオロカーボンスルフォン酸樹脂膜を用いた場合には、パーフルオロカーボンスルフォン酸樹脂膜が概ね60℃以上から軟化し始めて125℃程度でガラス転移温度に達するので、有機溶媒を完全に除去した状態の触媒層を転写する場合には概ね120℃程度で転写していたが、本発明においては、概ね80〜100℃程度に設定して転写することができる。
【0044】
またロールプレスまたは面プレスを用いて触媒層を電解質膜に転写するときの圧力は概ね1〜5MPaで行う。
【0045】
例えば電解質膜としてパーフルオロカーボンスルフォン酸樹脂膜を用いた場合には、従来の手法においては概ね5MPaに加圧していたところ、本発明においては、概ね1〜3MPaで加圧することができる。
【0046】
なお電解質膜は、上述のパーフルオロカーボンスルフォン酸樹脂の他、炭化水素系のイオン交換膜等の公知の材料を用いて、公知の方法、例えば押出法、キャスティング等の方法で製造することができる。また市販されている商品を用いることもできる。例えば旭化成社の商品名アシプレックス、デュポン社の商品名ナフィオン膜、ジャパンゴアテック社の商品名ゴアセレクト膜を用いることができる。
【0047】
▲4▼基材剥離工程は接合体から触媒層担持基材を剥離して膜触媒層接合体とする工程である。
【0048】
触媒層転写工程において触媒層を電解質膜に転写しても、この段階では触媒層は触媒層担持基材の表面に形成された状態のままである。そこでこの基材剥離工程において、電解質膜に転写された触媒層から触媒層担持基材を剥離することを行う。
【0049】
電解質膜に転写された触媒層から触媒層担持基材を剥離するには、剥離バー等を用いて剥離することができる。
【0050】
▲5▼本乾燥工程は、触媒層担持基材を剥離した膜触媒層接合体を乾燥して触媒層に残留している有機溶媒を除去する工程である。
【0051】
有機溶媒の除去は、乾燥機を用いて行うことができる。この場合にはスチーム乾燥機を用いてスチーム乾燥を行うことが好ましい。電解質がドライアップすることを防止することができる。また有機溶媒が白金(Pt)で発熱、発火することにより触媒層の電解質成分、カーボンが分解劣化することを防止することができる。
【0052】
この場合乾燥温度は概ね100〜130℃とすることができる。
【0053】
なお転写後に触媒層から有機溶媒を除去することから、触媒層に微細な連通孔を形成した膜触媒層接合体を製造することができる。
【0054】
このように製造された膜触媒層接合体をロール等に巻き取り、保存することができる。
【0055】
▲6▼なお上述の基材剥離工程を経た後に、膜触媒層接合体の触媒層側に拡散層を加熱加圧して接合する拡散層接合工程を有し、この拡散層接合工程を経た後に、拡散層が接合された膜触媒層接合体を乾燥して、触媒層に残留している有機溶媒を除去する本乾燥工程を行うこともできる。
【0056】
拡散層接合工程において、基材剥離工程を得た膜触媒層接合体の触媒層側に拡散層を積層して拡散層と膜触媒層接合体を接合することができる。この拡散層と膜触媒層接合体との接合は、ロールプレスまたは面プレスを用いて加熱加圧して行うことができる。
【0057】
この場合温度は概ね60〜100℃程度で行うことができる。また圧力は1〜3MPa程度で行うことができる。触媒層はまだ有機溶媒が残留しているので低温低圧力で膜触媒層接合体と拡散層との界面密着性を向上させることができる。
【0058】
なおこの拡散層接合工程の後に、触媒層に残留している有機溶媒を除去する本乾燥工程を行う。この有機溶媒の除去は、先に述べたように乾燥機を用いて行うことができ、スチーム乾燥機を用いてスチーム乾燥を行うことが好ましい。
【0083】
【実施例】
以下本発明の膜触媒層接合体の製造方法の実施例を説明する。なお図1に本実施例の膜触媒層接合体の製造方法に用いる装置の概略を示す。
【0084】
▲1▼本実施例では、触媒層塗布工程及び予備乾燥工程を以下のように実施することができる。
【0085】
以下、図1を参照しつつこの触媒層塗布工程を具体的に説明する。
【0086】
触媒溶液を全体の質量を100%として、10質量%の白金担持カーボンと、3質量%の電解質溶液と、15質量%のプロピレングリコールと、10質量%のエタノールと、62質量%の水とから構成する。そして電解質溶液は、パーフルオロカーボンスルフォン酸樹脂の水、エタノールの溶液から構成される。
【0087】
本実施例では、触媒層担持基材としては、ポリテトラフルオロエチレン(デュポン社:商品名テフロン)のシートを用いて、上述のように構成された触媒溶液をダイコートを用いて触媒担持基材の表面に連続的に塗布する。
【0088】
なお本実施例では後述するようにアノード触媒層及びカソード触媒層を電解質膜に両側から同時に転写して膜触媒層接合体を形成するのでアノード触媒層に関する工程とカソード触媒層に関する工程と別途行われるが、アノード触媒層に関する工程もカソード触媒層に関する工程も基本的には同一の工程である。図1においては、概ね右側がカソード触媒層に関係する工程を示し、左側がアノード触媒層に関係する工程を示している。
【0089】
触媒溶液が塗布されてアノード触媒層ANが表面に形成されるアノード用シートASと触媒溶液が塗布されてカソード触媒層CTが表面に形成されるカソード用シートCSが触媒層担持基材として用いられる。このアノード用シートAS及びカソード用シートCSとしては、厚さが100μmのポリテトラフルオロエチレン(デュポン社:商品名テフロン)シートを用いることができる。
【0090】
アノード用シートASはアノード用シート巻き出しロール20に巻かれており、アノード用シート第1送り出しロール21、アノード用シート第2送り出しロール22、アノード用シート第3送り出しロール23によって連続的に後の工程に送り出されるように構成されている。また同様にカソード用シートCSは、カソード用シート巻き出しロール30に巻かれており、カソード用シート第1送り出しロール31、カソード用シート第2送り出しロール32、カソード用シート第3送り出しロール33によって連続的に後の工程に送り出されるように構成されている。
【0091】
そしてアノード用シートASを挟んでアノード用シート第2送り出しロール22の反対側にアノード用触媒溶液を塗布するアノード用ダイコータ25が設置され、同様にカソード用シートCSを挟んでカソード用シート第2送り出しロール32の反対側にカソード用触媒溶液を塗布するカソード用ダイコータ35が設置されている。
【0092】
そしてアノード用シート第2送り出しロール22とアノード用シート第3送り出しロール23との間のスチーム乾燥機(図示しない)が設置され、図中においてAPHで示した空間でアノード用シートASの表面に塗布された触媒溶液を予備乾燥してアノード触媒層ANを形成するように構成されている。またカソード用用シート第2送り出しロール32とカソード用シート第3送り出しロール33との間のスチーム乾燥機(図示しない)が設置され、図中においてCPHで示した空間でカソード用シートCSの表面に塗布された触媒溶液を予備乾燥してカソード触媒層CTを形成するように構成されている。
【0093】
以下動作について説明する。カソード用シートCSが巻かれているカソード用シート巻き出しロール30からカソード用シート第1送り出しロール31、カソード用シート第2送り出しロール32及びカソード用シート第3送り出しロール33を用いて送り出される。送り出されたカソード用シートCSはカソード用ダイコータ35によってその表面に触媒溶液が塗布されてカソード触媒層CTが形成される。
【0094】
このようにカソード用シートCSの表面に形成されたカソード触媒層CTをCPHで示す領域でスチーム乾燥機によって概ね100〜130℃の温度で有機溶媒を残留させた状態になるように乾燥する。この温度で乾燥することで触媒層に含まれている水を先に蒸発させて、触媒層を電解質膜に転写した際に転写された触媒層が電解質膜の界面を膨潤軟化することができる程度の量の有機溶媒を残留させることができる。またスチーム乾燥機を用いることで、蒸発した有機溶媒が触媒上で燃焼し、また電解質成分がドライアップしたり熱分解することを抑制することができる。
【0095】
なお触媒上における有機溶媒の反応発熱は、有機溶媒の沸点以上おおよそ80℃以上で生じ易くなり、200℃以上で触媒層中の電解質成分が熱分解し易くなり、400℃以上でカーボンが燃焼しやすくなると解される。
【0096】
このカソード触媒層CTの予備乾燥においては、カソード触媒層CTの全体の質量を100%として、水と有機溶媒とを併せた質量が5〜15質量%程度残留するように予備乾燥することが好ましい。水と有機溶媒の量をこの程度とすることで触媒層をこの後の転写工程で電解質膜にきれいに転写することができ、また電解質膜を有機溶媒が溶かしてしまって電解質膜にダメージを生じさせることはない。
【0097】
アノード用シートASに触媒溶液を塗布してアノード触媒層ANを形成し、このアノード触媒層ANを予備乾燥する工程も同様の工程で行われる。
【0098】
なおアノード触媒層についても、水と有機溶媒とを併せた質量が5〜15質量%程度残留するように乾燥することが好ましい。
【0099】
▲2▼本実施例では、触媒層転写工程を以下のように実施することができる。
【0100】
触媒層転写工程においては、電解質膜MEが電解質膜巻き出しロール10に巻かれており、この電解質膜巻き出しロール10に巻かれた電解質膜MEを電解質膜第1送り出しロール11が送り出すように設定されている。そして送り出された電解質膜MEの両側に予備乾燥工程においてそれぞれの表面に担持した触媒層を予備乾燥させたアノード用シートAS及びカソード用シートCSを一対の積層用ロール40が積層するように設定されている。
【0101】
このように積層されたアノード用シートAS、電解質膜ME及びカソード用シートCSはロールプレス50によって加熱加圧されるように設定されている。なおロールプレス50についてはロールのみを図示し、加熱装置、加圧装置、駆動手段等の図示は省略した。
【0102】
以下動作について説明する。電解質膜巻き出しロール10に巻かれている電解質膜MEは、電解質膜第1送り出しロール11によって電解質膜巻き出しロール10から巻き出される。そしてこの巻き出された電解質膜MEの両側に、アノード用シート第3送り出しロール23から送り出されたアノード用シートAS及びカソード用シート第3送り出しロール33から送り出されたカソード用シートCSが一対の積層用ロール40によって積層される。この場合において、アノード用シートASの表面に形成されたアノード触媒層AN及びカソード用シートCSの表面に形成されたカソード触媒層CTが電解質膜MEに接するように積層される。
【0103】
なお電解質膜MEは、市販されている商品を用いることも、予め公知の方法、例えば押出法、キャスティング等の方法で製造しておくことができる。なお本実施例では、厚さが概ね30〜50μmの電解質膜MEを用いることができる。
【0104】
この一対の積層用ロール40によって積層された電解質膜ME、アノード用シートAS及びカソード用シートCSはロールプレス50によって加熱加圧されて、アノード触媒層AN及びカソード触媒層CTが電解質膜MEに転写される。
【0105】
この場合加熱温度は概ね60〜100℃程度とすることができ、加圧圧力は概ね1〜3MPaとすることができる。残留した有機溶媒が蒸発せず、電解質膜MEが軟化し始める温度でなるべく低圧力で接合することができる範囲が好ましい。
【0106】
ロールプレス50の送り速度は、概ね0.5〜5m/分とすることができる。
【0107】
このロールプレス50による加熱加圧によって、触媒層AN、CTを電解質膜MEに転写して接合体を形成することができる。
【0108】
▲3▼本実施例では基材剥離工程を以下のように実施することができる。
【0109】
触媒層転写工程においては、アノード触媒層AN及びカソード触媒層CTが電解質膜MEに転写されて接合体が形成されるが、アノード用シートAS及びカソード用シートCSがアノード触媒層AN及びカソード触媒層CTから剥離されていない。
【0110】
この工程では、アノード用シートASを触媒層AN、CTと電解質膜MEとの接合体からアノード用押さえ板26によって剥離し、カソード用シートCSを触媒層AN、CTと電解質膜MEとの接合体からカソード用押さえ板36によって剥離するように設定されている。そして剥離されたアノード用シートAS及びカソード用シートCSはそれぞれアノード用シート巻き取りロール24及びカソード用シート巻き取りロール34に巻き取られるように設定されている。
【0111】
即ちこの工程では、触媒層転写工程を経て形成された触媒層AN、CTと電解質膜MEとの接合体はアノード用押さえ板26とカソード用押さえ板36とによってアノード用シートASとカソード用シートCSとが剥離され、触媒層AN、CTと電解質膜MEとの接合体は膜触媒層接合体MEAとなる。そしてこの膜触媒層接合体MEAは本乾燥工程に送り出される。
【0112】
剥離されたアノード用シートAS及びカソード用シートCSはアノード用シート巻き取りロール24及びカソード用シート巻き取りロール34と巻き取られる。
【0113】
▲4▼本実施例では本乾燥工程を以下のように実施することができる。
【0114】
この工程では、スチーム乾燥機(図示しない)を用いて膜触媒層接合体MEAを図中においてHで示した空間で乾燥し、乾燥された膜触媒層接合体MEAは膜触媒層接合体送り出しロール12を経て膜触媒層接合体巻き取りロール13に巻き取られるように設定されている。
【0115】
以下動作について説明する。膜触媒層接合体MEAを概ね100〜130℃で乾燥することができる。この乾燥によって触媒層AN、CT中に残留している有機溶媒を除去することができる。スチーム乾燥することで、電解質膜のドライアップを抑制でき、共沸による乾燥温度の低温下を図ることができる。そしてこの乾燥によって触媒層AN、CT中に微細な連通孔を形成することができる。このように触媒層AN、CT中に残留している有機溶媒を除去した膜触媒層接合体MEAは、膜触媒層接合体送り出しロール12によって膜触媒層接合体巻き取りロール13の方向に送り出されて、膜触媒層接合体巻き取りロール13に巻き取られる。
【0116】
▲5▼なお本実施例では、ロールプレスによって連続的に触媒層AN、CTを電解質膜MEに転写するが、面プレスによって触媒層AN、CTを電解質膜MEに転写する構成とすることもできる。
【0117】
また本実施例では、基材剥離工程を経て膜触媒層接合体を製造して、その膜触媒層接合体をそのまま乾燥するが、本実施例を変形してこの場合基材剥離工程の後に膜触媒層接合体の触媒層側に拡散層を加熱加圧して接合する拡散層接合工程を設けて、この拡散層接合工程を経た後に、拡散層が接合された膜触媒層接合体を乾燥して、触媒層に残留している有機溶媒を除去する本乾燥工程を行う構成とすることもできる。
【0118】
この構成は、図1に示した基材剥離工程の後において、拡散層を巻き出す拡散層巻き出しロールを設けておいて、この拡散層巻き出しロールから拡散層を巻きだして、拡散層をアノード触媒層及びカソード触媒層に積層するようにして、拡散層をアノード触媒層及びカソード触媒層にそれぞれ積層した積層体をロールプレスによって加熱加圧するように設定することで実現することができる。
【0119】
即ち基材剥離工程を経た膜触媒層接合体においては、触媒層中に有機溶媒がまだ残留している。従ってアノード触媒層、カソード触媒層のそれぞれに拡散層を積層して、ロールプレスで加熱加圧することで拡散層触媒層とを接合することができる。このとき加熱温度は概ね60〜100℃とすることができ、加圧圧力は1〜3MPaとすることができる。残留した有機溶媒が飛ばず、電解質膜MEが軟化し始める温度でなるべく低圧力で接合することができる範囲が好ましい。
【0120】
なおこのように拡散層を膜触媒層接合体に接合した後は、触媒層中の有機溶媒を除去するためにスチーム乾燥機を用いて本乾燥工程を実施することができる。このときの設定温度は、<4>で述べたように概ね100〜130℃行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の膜触媒層接合体の製造方法に用いる装置の概略を示した図である。
【符号の説明】
AN:アノード触媒層
AS:アノード用シート
CT:カソード触媒層
CS:カソード用シート
ME:電解質膜
MEA:膜触媒層接合体
10:電解質膜巻き出しロール
11:電解質膜第1送り出しロール
12:膜触媒層接合体送り出しロール
13:膜触媒層接合体巻き取りロール
20:アノード用シート巻き出しロール
21:アノード用シート第1送り出しロール
22:アノード用シート第2送り出しロール
23:アノード用シート第3送り出しロール
24:アノード用シート巻き取りロール
25:アノード用ダイコータ
26:アノード用押さえ板
30:カソード用シート巻き出しロール
31:カソード用シート第1送り出しロール
32:カソード用シート第2送り出しロール
33:カソード用シート第3送り出しロール
34:カソード用シート巻き取りロール
35:カソード用ダイコータ
36:カソード用押さえ板
40:積層用ロール
50:ロールプレス

Claims (5)

  1. 固体高分子電解質膜型燃料電池に用いる電解質膜に触媒層担持基材の表面に形成された触媒層を転写して膜触媒層接合体を製造する膜触媒層接合体の製造方法において、
    少なくとも有機溶媒と触媒金属担持粉末と電解質成分と水とを含む触媒溶液を触媒層担持基材の表面に塗布して触媒層を形成する触媒層塗布工程と、
    前記触媒層を前記電解質膜に転写した際に転写された前記触媒層が前記電解質膜の界面を膨潤軟化することができる程度の量の前記有機溶媒を前記触媒層に残留させて前記触媒層を予備乾燥する予備乾燥工程と、
    前記触媒層と前記電解質膜とが接触して積層する状態で前記触媒層担持基材と前記電解質膜とを加熱加圧し前記電解質膜の前記触媒層との界面を膨潤軟化させて前記触媒層を前記電解質膜に転写して接合体を形成する触媒層転写工程と、
    前記接合体から前記触媒層担持基材を剥離して膜触媒層接合体とする基材剥離工程と、
    前記膜触媒層接合体を乾燥して前記触媒層に残留している前記有機溶媒を除去する本乾燥工程とを有し、
    前記予備乾燥工程では、前記触媒層全体の質量を100%とした場合に前記水と前記有機溶媒とを合わせた質量が3〜20%となるように予備乾燥し、
    前記触媒層転写工程では、60〜120℃及び1〜5MPaの温度及び圧力の条件で加熱加圧することを特徴とする膜触媒層接合体の製造方法。
  2. 前記触媒溶液に含有されている前記有機溶媒は水の沸点よりも高い温度で蒸発する請求項1記載の膜触媒層接合体の製造方法。
  3. 前記予備乾燥工程においては、スチーム乾燥によって前記触媒層を予備乾燥する請求項1又は2記載の膜触媒層接合体の製造方法。
  4. 前記基材剥離工程を経た後に、前記膜触媒層接合体の前記触媒層側に拡散層を加熱加圧して接合する拡散層接合工程を有し、
    前記拡散層接合工程を経た後に、前記拡散層が接合された前記膜触媒層接合体を乾燥して前記触媒層に残留している前記有機溶媒を除去する前記本乾燥工程を行う請求項1、2又は3記載の膜触媒層接合体の製造方法。
  5. 前記拡散層接合工程では、60〜100℃及び1〜3MPaの温度及び圧力の条件で加熱加圧する請求項4記載の膜触媒層接合体の製造方法。
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