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JP4053713B2 - 親水性硬化性組成物を用いた塗膜 - Google Patents

親水性硬化性組成物を用いた塗膜 Download PDF

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JP4053713B2 JP2000148690A JP2000148690A JP4053713B2 JP 4053713 B2 JP4053713 B2 JP 4053713B2 JP 2000148690 A JP2000148690 A JP 2000148690A JP 2000148690 A JP2000148690 A JP 2000148690A JP 4053713 B2 JP4053713 B2 JP 4053713B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は親水性硬化性組成物を用いた塗膜に関し、主として、金属、セラミックス、ガラス、セメント、窯業系成形物、プラスチック、木材、紙、繊維、建築外装、家電用品、産業機器等に使用される上塗り塗料用硬化性組成物を用いた塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
従来より、窯業系素材、鉄鋼、建築や建材等の産業製品の表面にアクリルシリコン樹脂を含む組成物を被覆していた。これにより、前記産業製品に対して意匠的効果を付与できるということもさることながら、表面に高硬度膜が形成し、これにより前記産業製品の耐候性、耐食性等の物性を向上させることができた。
【0003】
さらに今日にあっては、以下の理由により、膜表面に親水性を付与することが社会的に要求されている。すなわち、例えば、都市部を中心にして、建築物の汚染が問題になっている。しかし、表面のぬれ性を改善することで、表面に付着した汚染物質を雨水等により洗い流せることができ、前記建築物の耐汚染性を向上させることができる。
【0004】
親水性付与は、前記組成物に界面活性剤を添加する方法により実現できるものの、表面硬度の低下を招いたり、長期にわたる屋外暴露での親水性保持に問題があり、まだまだ満足のいく方法ではなかった。
【0005】
本発明は上記の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、優れた表面硬度を有するとともに、長期にわたって屋外暴露させても親水性を保持し得る塗膜を提供するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の塗膜は、
(A)一般式;
【化3】
Figure 0004053713
(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基よりなる群から選ばれた1価の炭化水素基、aは0、1または2を示す)で表される基を含有し、かつ共重合モノマーとしてメタクリル酸nブチル20〜50重量部を含有する数平均分子量15000〜30000のアルコキシシリル基含有アクリル共重合体100重量部、
(B)テトラエチルシリケートおよび/またはその縮合物2〜40重量部、
(C)性リン酸エステルとアミンとの混合物または反応物である酸性硬化触媒(以下、単に「酸性硬化触媒」という)からなる親水性硬化性組成物を用いた塗膜である。
【0007】
本発明の塗膜を構成する1成分である、(A)成分のアルコキシシリル基含有アクリル共重合体(以下、「アルコキシシリル基含有アクリル共重合体(A)」あるいは単に「(A)成分」とも言う)は、
一般式;
【化4】
Figure 0004053713
で表わされるアルコキシシリル基を1分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以上有する重合体である。このアルコキシシリル基は、(A)成分の主鎖の末端に含まれていても良く、側鎖に含まれても良く、双方に含まれても良い。
【0008】
(A)成分1分子中のアルコキシシリル基の個数が1個未満では、本発明における組成物から得られる塗膜の耐溶剤性が低下しやすくなる。
【0009】
前記式中、Rは炭素数1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基である。炭素数が10を超えると、アルコキシシリル基の反応性が低下し、Rがアルキル基以外、例えばフェニル基、ベンジル基の場合にも、反応性は低下する。
【0010】
の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基などが挙げられる。
【0011】
前記式中、Rは水素原子、または炭素数1〜10、好ましくは、1〜4のアルキル基、アリール基、アラルキル基よりなる群から選ばれた1価の炭化水素基である。
【0012】
であるアルキル基の具体例としては、Rと同様の基があげられ、アリール基の具体例としては、例えばフェニル基などが挙げられ、アラルキル基の具体例としては、例えばベンジル基などが挙げられる。
【0013】
前記一般式[化4]で表わされるアルコキシシリル基の具体例としては、例えば後述するアルコキシシリル基含有モノマーに含まれる基が挙げられる。
【0014】
アルコキシシリル基含有アクリル共重合体(A)は、その主鎖が実質的にアクリル共重合鎖からなるために、硬化物(塗膜)の耐候性、耐薬品性、耐水性などに優れている。さらに、(A)成分において、アルコキシシリル基が炭素原子に結合していれば、得られる硬化物(塗膜)の耐水性はより一層優れたものとなり、耐アルカリ性、耐酸性なども優れたものとなる。
【0015】
アルコキシシリル基含有アクリル共重合体(A)の数平均分子量は、本発明の組成物から得られる塗膜の耐久性などの物性の点から、15000〜30000である。
【0016】
(A)成分は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、それらの誘導体などのアクリル系モノマーと、アルコキシシリル基含有モノマーとの共重合により得ることができる。
【0017】
アクリル系モノマーには特に限定はなく、その具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、東亜合成化学工業(株)製のアロニクスM−5700、東亜合成化学工業(株)製のマクロモノマーであるAS−6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−5、ダイセル化学工業(株)製のPlaccel FA−1、Placcel FA−4、Placcel FM−1、Placcel FM−4、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸もしくはリン酸エステル類との縮合生成物たるリン酸エステル基含有ビニル系化合物、ウレタン結合やシロキサン結合を含む(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0018】
前記アルコキシシリル基含有モノマーとしては重合性二重結合を有しているということ以外とくに限定はなく、その具体例としては、例えば、
【化5】
Figure 0004053713
【化6】
Figure 0004053713
などが挙げられ、末端にアルコキシシリル基をウレタン結合あるいはシロキサン結合を介して有する(メタ)アクリレートなども含まれる。
【0019】
(A)成分中におけるアルコキシシリル基含有モノマーの割合は、組成物の硬化性や塗膜の耐久性などの点から5〜70%が好ましく、10〜70%がさらに好ましい。
【0020】
(A)成分中には、50%をこえない範囲で、主鎖にウレタン結合やシロキサン結合により形成されたセグメントを含んでいてもよく、(メタ)アクリル酸誘導体以外のモノマーに由来するセグメントを含んでいてもよい。このモノマーには限定はなく、その具体例として、例えばスチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル系化合物;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸、それらの塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩など)、それらの酸無水物(無水マレイン酸など)、または、それらと炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコールとのジエステルまたはハーフエステルなどの不飽和カルボン酸のエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビニルエステルやアリル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基含有ビニル系化合物;イタコン酸ジアミド、クロトンアミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミド、N−ビニルピロリドンなどのアミド基含有ビニル系化合物;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオロオレフィンマレイミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルスルホン酸などのその他のビニル系化合物などが挙げられる。
【0021】
アルコキシシリル基含有アクリル共重合体(A)は、例えば、特開昭54−36395号公報、同57−36109号公報、同58−157810号公報などに示される方法により製造することができるが、合成の容易さなどの点からアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系ラジカル開始剤を用いた溶液重合法により製造するのが最も好ましい。
【0022】
この際においても必要に応じて、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、
(CHO)Si−S−S−Si(OCH、などの連鎖移動剤を用い、分子量を調整することができる。とくにアルコキシシリル基を分子中に有する連鎖移動剤、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランを用いることが、シリル基含有アクリル共重合体の末端にアルコキシシリル基を導入できるという理由で好ましい。
【0023】
また、前記溶液重合法に用いられる重合溶剤は、炭化水素類(トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサンなど)、酢酸エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、エーテル類(エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテートなど)、ケトン類(メチルエチルケトン、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、アセトンなど)のごとき非反応性の溶剤であれば特に限定はない。
【0024】
このようなアルコキシシリル基含有重合体(A)は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】
また、(B)成分のテトラエチルシリケートおよび/またはその縮合物との相溶性の点から、(A)成分における共重合モノマーとして、メタクリル酸nブチルを20〜50部導入することが望ましい。
【0026】
本発明に使用される(B)成分のテトラエチルシリケートおよび/またはその縮合物は、組成物を塗装して得られる硬化塗膜(塗布物)の親水性と硬度を向上させ、あるいは塗膜と基材の密着性を向上させる。
【0027】
テトラエチルシリケートの縮合物としては、上記テトラエチルシリケートを加水分解条件下にて縮合させて得る、という既知の製造方法により生成可能である。すなわち、テトラエチルシリケートに水を添加し、縮合せしめることにより行うことができる。また、テトラエチルシリケート縮合物は、市販品を用いることもできる。このような縮合物としては、例えば、ESI28、ESI40(いずれもコルコート(株)製)等がある。
【0028】
上記テトラエチルシリケートおよび/またはその縮合物は、(A)成分に混合してよいし、(A)成分を合成する際、すなわちアルコキシシリル基含有モノマーとアクリル系モノマーとを共重合させる際、(B)成分を予め反応容器中に存在せしめておくこともできる。後者の方法を採れば、相溶性および親水性が改良される。
【0029】
上記テトラエチルシリケートの配合割合は、成分(A)の樹脂分100部に対し2〜40部、好ましくは5〜40部である。2部未満では得られる硬化物(塗膜)の親水性が充分でなく、40部を超えると硬化物(塗膜)における外観が悪化したり、クラックが発生しやすくなるといった問題がある。
【0030】
本発明に用いる(C)成分である硬化触媒(以下、「硬化触媒(C)」あるいは単に「(C)成分」ともいう)は、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルとアミンとの混合物または反応物、飽和もしくは不飽和多価カルボン酸、飽和もしくは不飽和多価カルボン酸の酸無水物である酸性硬化触媒である。併用可能な他の触媒とともに以下列挙する。すなわち、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレート、ジオクチルスズラウレート、ジオクチルスズマレート、オクチル酸スズなどの有機スズ化合物、リン酸、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェート、モノデシルホスフェート、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジデシルホスフェートなどのリン酸エステル;プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、グリシジルメタクリレート、グリシドール、アクリルグリシジルエーテル、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、
【化7】
Figure 0004053713
油化シェルエポキシ(株)製のカーデュラE、油化シェルエポキシ(株)製のエピコート828、エピコート1001などのエポキシ化合物とリン酸および/またはモノ酸性リン酸エステルとの付加反応物、マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イタコン酸、クエン酸、コハク酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの酸無水物、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などの酸性化合物が挙げられる。また、これらの酸性触媒とアミンとの混合物または反応物も含まれる。例えば、ヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、ドデシルアミン等のアミン類が挙げられる。
【0031】
なお、硬化触媒(C)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0032】
(C)成分の使用量には特に限定はないが、(A)成分および(B)成分の樹脂固形分100部に対して、通常0.1〜20部が好ましく、0.1〜10部がさらに好ましい。(C)成分の使用量が0.1部未満になると、硬化性が低下する傾向があり、20部を超えると塗膜の外観性が低下する傾向がある。
【0033】
長期にわたって繰り返し使用しても問題のない保存安定性を確保するために、脱水剤及びアルキルアルコールを使用することが好ましい。
【0034】
脱水剤の具体例としては、例えばオルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、メチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルシリケート、エチルシリケートなどの加水分解性エステル化合物が挙げられる。アルキルアルコールとしてはメタノール、エタノールのような低分子量アルコールが挙げられる。脱水剤、アルキルアルコールは、アルコキシシリル基含有重合体(A)の重合前に加えてもよく、重合後に加えてもよく、重合中に加えてもよい。
【0035】
脱水剤、アルキルアルコールの使用量に特に限定はないが、(A)成分および(B)成分の樹脂固形分100部に対し、0.5〜20部、2〜10部がさらに好ましい。
【0036】
脱水剤とアルキルアルコールを併用すれば、保存安定性に顕著な効果がみられる。
【0037】
本発明における組成物には、用途に応じて希釈剤、顔料(体質顔料を含む)、紫外線吸収剤、光安定剤、沈降防止剤、レベリング剤などの添加剤;ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレートなどの繊維素;エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、ポリビニルブチラールなどの樹脂;充填剤などを添加してもよい。
【0038】
各種塗装、特に浸漬、吹付け、刷毛塗りなどの常法により被塗物に上記組成物を塗付した後、通常30℃以上で硬化させることにより被塗物の表面に密着性、耐久性などに優れた塗膜(塗装物)を形成することができる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の親水性硬化性組成物を用いた塗膜を実施例に基づいて、さらに具体的に説明する。
【0040】
[合成例1]
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロートを備えた反応容器に、キシレン40.4部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ110℃に昇温した後、下記組成の混合物(a)を滴下ロートにより5時間かけて等速滴下した。
【0041】
混合物(a)
メタクリル酸メチル 28.4部
メタクリル酸nブチル 47.1部
アクリル酸ブチル 11.8部
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 11.8部
アクリルアミド 0.9部
キシレン 17.9部
2,2−アゾビスイソブチロニトリル 1.0部。
【0042】
混合物(a)の滴下終了後、2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.5部、トルエン8.1部を1時間かけて等速滴下した。滴下終了後、110℃で2時間熟成の後冷却し、樹脂溶液にキシレンを加えて固形分濃度を50%に調整した。得られた樹脂の数平均分子量は15,000であった。
【0043】
[合成例2]
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロートを備えた反応容器に、キシレン40.4部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ110℃に昇温した後、下記組成の混合物(b)を滴下ロートにより5時間かけて等速滴下した。
【0044】
混合物(b)
メタクリル酸メチル 56.6部
アクリル酸ブチル 30.7部
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 11.8部
アクリルアミド 0.9部
キシレン 17.9部
2,2−アゾビスイソブチロニトリル 1.0部。
【0045】
混合物(b)の滴下終了後、2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.5部、トルエン8.1部を1時間かけて等速滴下した。滴下終了後、110℃で2時間熟成の後冷却し、樹脂溶液にキシレンを加えて固形分濃度を50%に調整した。得られた樹脂の数平均分子量は15,000であった。
【0046】
[比較例1]
合成例1に示す樹脂100部に対し(B)成分であるMSI51(コルコート(株)製)を30部配合した。この樹脂溶液を用いPWC(全固形分に対する顔料の割合)40%、塗料固形物濃度60%となるように酸化チタン(石原産業(株)製CR−90)を分散させ、白エナメルを調整した。分散は、ガラスビーズを用いペイントコンディショナーで2時間行なった。前記白エナメルに硬化触媒としてジオクチルホスフェートとドデシルアミンを樹脂固形分100部に対しそれぞれ0.25部加え、シンナーで固形分濃度45%になるよう希釈した。
【0047】
この塗料をアルミ板(A5052P)に乾燥膜厚が約30μmになるようエアースプレーで塗装した。その後塗板を23℃で7日間養生し、前記アルミ板の表面に塗膜を形成した。該塗膜における光沢度、ペロゾス硬度、水との接触角および3ケ月曝露後における水との接触角をそれぞれ測定した。結果を[表2]に記載する。
【0048】
[実施例1、及び比較例2〜比較例7]
[表1]に示す配合組成物を前記と同条件で白エナメルを調整し塗料とした。同じく[表1]に示す硬化触媒を添加し、シンナーで固形分濃度45%になるよう希釈した。
【0049】
この塗料をアルミ板(A5052P)に乾燥膜厚が約30μmになるようにエアースプレーで塗装した。その後塗板を[表1]に示す養生条件で養生し形成した塗膜における光沢度、ペロゾス硬度、水との接触角および3ケ月曝露後における水との接触角をそれぞれ測定した。結果を[表2]に併記する。
【0050】
【表1】
Figure 0004053713
【表2】
Figure 0004053713
【0051】
【発明の効果】
本発明の親水性硬化性組成物の塗膜は、優れた表面硬度を有するとともに、長期にわたって屋外暴露させても親水性を保持することができる。
【0052】
また、テトラエチルシリケートおよび/またはその縮合物の存在下で、アルコキシシリル基含有モノマーとアクリル系モノマーとを共重合すれば、得られた組成物により形成する塗膜(塗装物)の親水性がより一層向上する。

Claims (5)

  1. (A)一般式;
    Figure 0004053713
    (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基よりなる群から選ばれた1価の炭化水素基、aは0、1または2を示す)で表される基を含有し、かつ共重合モノマーとしてメタクリル酸nブチル20〜50重量部を含有する数平均分子量15000〜30000のアルコキシシリル基含有アクリル共重合体100重量部、
    (B)テトラエチルシリケートおよび/またはその縮合物2〜40重量部、
    (C)性リン酸エステルとアミンとの混合物または反応物である酸性硬化触媒からなる親水性硬化性組成物を用いた塗膜。
  2. (A)成分が、分子内に重合性二重結合を含有するアルコキシシリル基含有モノマーを共重合成分とした重合体であり、かつ全共重合体成分に対する前記アルコキシシリル基含有モノマーの割合が5〜70重量%である請求項1に記載の塗膜。
  3. 前記アルコキシシリル基含有モノマーの割合が10〜70重量%である請求項2に記載の塗膜。
  4. 前記Rが炭素数1〜4のアルキル基である請求項1〜3のいずれか1項記載の塗膜。
  5. テトラエチルシリケートおよび/またはその縮合物2〜40重量部を反応系中に含めた状態で、一般式;
    Figure 0004053713
    (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基よりなる群から選ばれた1価の炭化水素基、aは0、1または2を示す)であらわされる基を含有するアルコキシシリル基含有モノマーとメタクリル酸nブチル20〜50重量部を含有するアクリル系モノマーとを共重合して数平均分子量15000〜30000のアルコキシシリル基含有アクリル共重合体100重量部を調製し、その後、酸性リン酸エステルとアミンとの混合物または反応物である酸性硬化触媒を添加することにより得られた親水性硬化性組成物を被対象物に塗布し硬化させてなる塗膜。
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