JP4035836B2 - 艶消しカチオン電着塗料組成物 - Google Patents
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本発明の背景
本発明は、艶消しカチオン電着塗料組成物に関する。
【0002】
金属表面にワンコート仕上げで塗装される電着塗料には艶消しが求められる。このため塗料へシリカ微粉末や焼付温度で溶融しない樹脂微粒子を添加し、または顔料容積濃度(PVC)を高めるなどによって塗膜表面に微細な凹凸を形成し、光の乱反射によって艶消し効果を得るのが一般的である。ところがこれらの方策には粒子の沈降、塗膜性能の低下などの問題がある。
【0003】
本発明は、塗料に含まれる樹脂成分の組合せによってカチオン電着塗料へ艶消し効果を与える。従って艶消しのため特別に微粒子を添加したり、PVCを高めたりしないから前記のような欠点を回避することができる。
【0004】
本発明の開示
本発明は、
(a)固形分重量比7/3ないし3/7のアミン変性エポキシ樹脂およびカチオン性アクリル樹脂のブレンドと、
(b)エポキシ系顔料分散用樹脂に分散した顔料ペーストと、
(c)ブロックポリイソシアネート架橋剤
とを中和剤を含む水性媒体中に分散してなる艶消しカチオン電着塗料組成物を提供する。
【0005】
カチオン電着塗料は、(a)塗膜の主体となるカチオン性樹脂(メイン樹脂)と、(b)顔料分散用樹脂で分散した顔料分散ペーストと、(c)架橋剤を含んでいる。これらの成分は中和剤として酸を含む水性媒体中に分散される。本発明は、メイン樹脂としてアミン変性エポキシ樹脂とカチオン性アクリル樹脂のブレンドを使用し、顔料分散用樹脂としてカチオン性変性エポキシ樹脂を使用する。このような樹脂の組合せにより、慣用の塗料配合を変えることなく艶消し効果を与えることができる。
【0006】
詳細な議論
メイン樹脂
カチオン電着塗料にメイン樹脂として使用されるアミン変性エポキシ樹脂およびカチオン性アクリル樹脂(複数のアミノ基を有するアクリル樹脂)は良く知られている。
【0007】
アミン変性エポキシ系カチオン樹脂は、分子内に複数のエポキシ基を有する樹脂のエポキシ環を1級アミン、2級アミンまたは3級アミン酸塩との反応によって開環して製造される。出発樹脂の典型例は、ビスフェノールA,ビスフェノールF、ビスフェノールS,フェノールノボラック,クレゾールノボラック等の多環式フェノール化合物のエピクロルヒドリンとの反応生成物であるポリフェノールポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂である。
【0008】
出発樹脂はアミンによるエポキシ環の開環反応の前に、2官能のポリエステルポリオール,ポリエーテルポリオール,ビスフェノール類,2塩基性カルボン酸等を使用して鎖延長して用いることができる。出発樹脂は、アミンとの反応の前に、分子量またはアミン当量の調節、熱フロー性の改善等を目的として、一部のエポキシ環に対して2−エチルヘキサノール、ノニルフェノール、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルのようなモノヒドロキシ化合物を付加して用いることもできる。
【0009】
次に鎖延長および/またはモノヒドロキシ化合物で変性した樹脂を含む出発物質は、アミンとの反応によってエポキシ環を開環し、アミノ基が導入される。使用し得るアミンの例は、ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエチルアミン酸塩、N,N−ジメチルエタノールアミン酸塩などの1級,2級または3級アミン酸塩である。アミノエチルエタノールアミンメチルイソブチルケチミンのようなケチミンブロック1級アミノ基含有2級アミンもしばしば使用される。これらのアミンは残っているエポキシ環の全部を開環するようにエポキシ環に対して少なくとも当量で反応させなければならない。
【0010】
カチオン性アクリル樹脂は、分子内に複数のオキシラン環および複数のヒドロキシ基を含んでいるアクリル共重合体とアミンとの開環付加反応によってつくることができる。このようなアクリル重合体は、(i)グリシジル(メタ)アクリレートと、(ii)ヒドロキシル基含有アクリルモノマー、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、プラクセルFAおよびFMシリーズとして知られる2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとカプロラクトンとの付加反応生成物と、(iii )その他のアクリル系および/または非アクリル系モノマーを共重合することによって得られる。その他のアクリル系および非アクリル系モノマーの例は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニルなどである。
【0011】
このオキシ環含有アクリル樹脂は、エポキシ樹脂のオキシラン環をアミンで開環してカチオン性基を導入するのと全く同様に、そのオキシラン環の全部を1級アミン、2級アミンまたは3級アミン酸塩との反応によって開環し、カチオン性アクリル樹脂とすることができる。
【0012】
他の方法として、アミノ基を有するアクリルモノマーを他のモノマーと共重合することによって直接カチオン性アクリル樹脂をつくることができる。この場合は、先にオキシラン環含有アクリル樹脂の製造に用いたグリシジル(メタ)アクリレートの代りにN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有アクリルモノマーを使用し、これをヒドロキシル基含有アクリルモノマーおよび他のアクリル系および/または非アクリル系モノマーと共重合することによってカチオン性アクリル樹脂が直接得られる。
【0013】
カチオン性アクリル樹脂は、重合体の数平均分子量が1,000〜20,000、好ましくは2,000〜10,000の範囲内になるように常法によって前記モノマーを共重合することによって得られる。
【0014】
本発明においては、前記のアミン変性エポキシ樹脂とカチオン性アクリル樹脂を、固形分重量比で7/3ないし3/7の比でブレンドしてメイン樹脂として用いる。ブレンド比が等量、すなわち5/5に近いほど好ましい。その理由はどちらかを単独でメイン樹脂として使用した場合には艶消し効果が得られないことから明瞭であろう。
【0015】
顔料分散ペーストおよび樹脂
顔料分散ペースト用の樹脂には、一般には相溶性理由のためメイン樹脂と同じタイプの樹脂が使用される。しかしながら本発明においてはエポキシ系の顔料分散用樹脂が使用される。アクリル系樹脂では艶消し効果が不満足である。
【0016】
顔料分散用樹脂には一般にカチオン性基として4級アンモニウムまたは3級スルホニウムカチオン基を有する樹脂が使用される。周知のように、エポキシ顔料分散用樹脂は、メイン樹脂の一部として使用されるアミン変性エポキシ樹脂と同様に、エポキシ樹脂のエポキシ環を3級アミンとカルボキシル酸との塩もしくは混合物、またはスルフィド化合物とカルボシル酸との混合物との反応によって開環し、4級アンモニウムまたはスルホニウム基を導入することによって得られる。
【0017】
このために使用し得る3級アミンは、ヒドロキシル基で置換された脂肪族3級アミン、例えばジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンなどが好ましい。スルフィド化合物も同様にヒドロキシル基で置換された脂肪族スルフィド化合物、例えばチオビスエタノール、1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2,3−プロパンジオール、1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2−プロパノール、1−(2−ヒドロキシプロピルチオ)−2,3−プロパンジオール、1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2−ブタノール、1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−3−ブトキシ−1−プロパノールなどが好ましい。
【0018】
カルボキシル酸としては、ギ酸、乳酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ジメチロールプロピオン酸、N−アセチルグリシン、N−アセチル−β−アラニンなどが挙げられるが、カルボキシル基のほかに親水基としてヒドロキシル基やアミド基を有する乳酸、ジメチロールプロピオン酸、N−アセチル−β−アラニンなどが好ましい。
【0019】
顔料分散用樹脂を自己架橋型とするために、ハーフブロックジイソシアネートを樹脂またはヒドロキシル基で置換された脂肪族3級アミンへ結合することもできる。
【0020】
顔料ペーストは、常法により顔料分散用樹脂と、顔料と、脱イオン水とを、ミルを用いて粒度10μ以下に良く分散して得られる。顔料は二酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラ等の着色顔料、塩基性ケイ酸鉛、リンモリブデン酸アルミ等の防錆顔料、カオリン、クレー、タルク等の体質顔料を適宜混合して用いることができる。ペースト中の樹脂(固形分)と顔料の混合比は、一般に1:1〜1:10である。
【0021】
架橋剤
電着塗料に使用されるブロックポリイソシアネート架橋剤は周知である。使用し得るポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)などの芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族および脂環族ジイソシアネート、それらの二量体、三量体およびプレポリマーなどである。
【0022】
使用し得るブロック剤はこの分野で良く知られており、n−ブタノール、2−エチルヘキサノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、シクロヘキサノール等の脂肪族アルコール;フェノール、ニトロフェノール、クレゾールおよびノニルフェノール等のフェノール類;ジメチルケトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム等のオキシム;カプロラクタム等のラクタムがある。
【0023】
塗料組成物
塗料化は、メイン樹脂ブレンドと架橋剤を中和剤として酸を含む水性媒体中に分散してメインエマルションとして、これに顔料分散ペーストを加えることによって行うことができる。
【0024】
中和剤は塩酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、乳酸、スルファミン酸、アセチルグリシン等の無機酸または有機酸である。水性媒体は水か、水と有機溶剤との混合物である。使用しうる溶剤の例としては炭化水素類(例えば、キシレンまたはトルエン)、アルコール類(例えば、メチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール)、エーテル類(例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ケトン類(例えば、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセチルアセトン)、エステル類(例えば、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)またはそれらの混合物が挙げられる。
【0025】
ブロックポリイソシアネート硬化剤の量は、硬化時に樹脂中のヒドロキシル基等の官能基と反応して良好な硬化塗膜を与えるのに十分でなければならず、一般にメイン樹脂合計固形分100重量部あたり10〜100重量部が使用される。中和剤の量は樹脂中のアミノ基の少なくとも20%,好ましくは30〜60%を中和するのに足りる量である。
【0026】
塗料は、ジブチルスズジラウレート、酢酸スズのようなウレタン開裂触媒を含むことができる。その量はブロックポリイソシアネート硬化剤の0.1〜5重量%が通常である。
【0027】
塗料の他の性能に悪影響を与えることなく満足な艶消し効果を達成するためには、顔料ペースト中の顔料/顔料分散樹脂重量比は2/1〜6/1であり、かつ顔料分散用樹脂が塗料中の全樹脂固形分重量の5〜15%であることが好ましい。顔料分散ペースト中の顔料濃度は顔料の種類によって変動し、例えば二酸化チタン等の白色系顔料の場合は前記顔料/樹脂比は好ましくは4/1〜6/1であるが、カーボンブラックの場合は2/1〜3/1であり、従って塗料中の全樹脂固形分重量に対する顔料分散樹脂の割合は、白色顔料については約9%,黒色顔料については約10%であることが好ましい。また塗料中の顔料/全樹脂固形分重量比は1/6〜1/2の範囲内であり、この比は白色系塗料にあっては1/2〜1/3,黒色系塗料にあっては1/4〜1/6であることが好ましい。
【0028】
さらに艶消し効果を高めるために、YG−1として知られるクレゾール/プロピレンオキサイド付加物を塗料全固形分に対し約10重量%まで加えても良い。
【0029】
塗料はさらに、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの慣用の塗料用添加剤を含むことができる。
【0030】
電着は、塗料の不揮発分を15〜25%程度に調節し、被塗物を陰極とし、浴温15〜35℃,負荷電圧100〜400Vの条件で乾燥膜厚10〜50μm,好ましくは20〜40μmに電着し、その後100〜200℃,好ましくは140〜180℃にて10〜30分間焼付けることによって行うことができる。
【0031】
特定の理論に拘束されるものではないが、本発明による艶消し効果は、エポキシ系顔料分散樹脂による顔料の分散性がアクリル系カチオン樹脂の存在下で低下し、硬化時に顔料凝集や表面に顔料が露出することにより平面の平滑性が失われ、艶消し効果を発揮するものと考えられる。
【0032】
以下の製造例、実施例中、「部」および「%」は重量基準による。
【0033】
製造例1
アミノ化エポキシ樹脂
攪拌装置、冷却管、窒素導入管および温度計を備え付けた反応容器に、エピコート1001(油化シェルエポキシ社製、エポキシ当量475のビスフェノールA型エポキシ樹脂)99.8部、エピコート1004(油化シェルエポキシ社製、エポキシ当量950のビスフェノールA型エポキシ樹脂)850.2部、ノニルフェノール55部、MIBK193.3部およびベンジルジメチルアミン4.5gを加え、140℃で4時間反応し、エポキシ当量1175を有する樹脂を得た。ここにエチレングリコールn−ヘキシルエーテル69.1部、2−アミノエチルエタノールアミンのMIBKケチミン化物のMIBK溶液(固形分78重量%)35.4部、N−メチルエタノールアミン26.5部およびジエタノールアミン37.1部を加えた。これを120℃で2時間反応させ、目的とする樹脂を得た。
【0034】
製造例2
カチオン性アクリル樹脂
攪拌装置、冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備えたフラスコに、スチレン50.7部、メチルメタクリレート10.0部、n−ブチルアクリレート20.1部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10.2部、グリシジルメタクリレート9.2部、およびt−ブチルパーオクトエート4.0部の混合物を滴下ロートから3時間かけて滴下した。滴下終了後115℃で約1時間保持し、t−ブチルパーオクトエート0.5部を滴下し、115℃で約30分間保持し、固形分65%の樹脂溶液を得た。数平均分子量(Mn)5000
【0035】
冷後これへN−メチルエタノールアミン5.1部を加え、窒素雰囲気下120℃で2時間反応させ固形分約66%のアミン付加アクリル樹脂溶液を得た。
【0036】
製造例3
アンモニウム塩型エポキシ系顔料分散樹脂
【0037】
上記組成に従って、適当な反応容器を用い、室温で2−エチルヘキサノールハーフブロック化TDIをジメチルエタノールアミンに加えた。混合物は発熱し、これを80℃で1時間攪拌した。次いて、乳酸を仕込み、さらにブチルセロソルブを反応混合物を65℃で約半時間攪拌し、四級化剤を得た。
【0038】
2)顔料分散用ワニスの調製
1 ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量193〜203、シェル・ケミカル・カンパニー製
【0039】
上記組成に従って、EPON829およびビスフェノールAを適当な反応容器に仕込み、窒素雰囲気下150〜160℃へ加熱した。初期発熱反応が起こった。反応混合物を150〜160℃で約1時間反応させ、次いで、120℃へ冷却後、2−エチルヘキサノールハーフブロック化TDIを加えた。反応混合物を110〜120℃に約1時間保ち、次いで、ブチルセロソルブを加えた。次いで、85〜95℃に冷却して均一化し、さらに1)の四級化剤を加えた。酸価が1になるまで混合物を85〜95℃に保持し、顔料分散用ワニスを得た。樹脂固形分50%
【0040】
製造例4
【0041】
エポン828,ビスフェノールA,ノニルフェノールを反応容器に入れ、107℃まで加熱し、ビスフェノールAが溶解するまでこの温度に保った。次いで、ヨウ化エチルトリフェニルホスホニウムを加え、125℃に加熱し、エポキシ当量763に達するまで約1時間発熱反応させた。次いで反応混合物を75℃に冷却し、プロピレングリコールモノブチルエーテル、チオジエタノール、ジメチロールプロピオン酸、および脱イオン水を加えた。この混合物を約3.2の酸価が得られるまで70〜75℃で反応させて顔料分散用樹脂を得た。これを冷却し、30%の固形分量になるまで脱イオン水で希釈し、顔料分散用ワニスを得た。
【0042】
製造例5
架橋剤
還流冷却器、攪拌機、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた5つ口フラスコに、ヘキサメチンジイソシアネート三量体(コロネートEH)199.1部とメチルイソブチルケトン31.6部を仕込み、窒素雰囲気下40℃に加熱保持した。これへジブチルスズジラウレート0.2部を加え、さらにメチルエチルケトオキシム87.0部を滴下ロートより2時間かけて滴下し、滴下終了後IRスペクトルによりイソシアネート基のピークが消失するまで70℃で反応させた。反応終了後メチルイソブチルケトン38.1部およびブタノール1.6部を加え冷却し、固形分80%のブロックポリイソシアネート架橋剤を得た。
【0043】
製造例6
アミノ化エポキシ樹脂メインエマルション
製造例1のアミノ化エポキシ樹脂と製造例5のポリイソシアネート架橋剤を固形分として70:30の割合で混合し、酢酸で中和率40%に中和し、脱イオン水を加え、ゆっくり希釈し、次いで不揮発分が36%になるようにメチルイソブチルケトンを除去し、メインエマルションAを得た。
【0044】
製造例7
カチオン性アクリル樹脂メインエマルション
製造例6に同様に、製造例2のカチオン性アクリル樹脂と製造例6の架橋剤を固形分として70:30の割合で含む不揮発分30%メインエマルションBを調製した。ただし、酢酸での中和率は60%とした。
【0045】
製造例8
顔料ペースト
表1に示す配合により、顔料ペーストA〜Cを調製した。
【0046】
【表1】
【0047】
分散用樹脂、顔料および脱イオン水をサンドグラインドミルに入れ、粒径10μ以下に粉砕して顔料分散ペーストとした。
【0048】
実施例1〜3
製造例6および7のメインエマルションAおよびBと、製造例8の顔料ペーストA〜Cとを表2の配合に従って混合し、不揮発分20%のカチオン電着塗料を得た。各塗料をリン酸亜鉛処理した冷延鋼板に乾燥膜厚が約30μm(ホワイト)または約25μm(ブラック)になるように電着し、水洗後140℃で20分間焼付けた。硬化塗膜の光沢(60°グロス)および表面平均粗さ(Ra)を測定し、結果を表2に示した。
【0049】
【表2】
【0050】
比較例1〜2
実施例と同様に、表3の配合に従ってメインエマルションAまたはBと、顔料ペーストBを混合して不揮発分20%の電着塗料を得た。各塗料を実施例と同様にリン酸亜鉛処理した冷延鋼板に電着し、焼付けして得られた塗膜の光沢および表面平均粗さ(Ra)を評価した。結果を表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】
実施例5
実施例3の塗料へ、YG−1(o−クレゾール/プロピレンオキシド付加物)を塗料中の全樹脂固形分に対して5または10重量%添加した。硬化塗膜の60°グロスは添加量に比例してさらに低下した。
【0053】
Claims (6)
- (a)固形分重量比7/3ないし3/7のアミン変性エポキシ樹脂およびカチオン性アクリル樹脂のブレンドと、
(b)4級アンモニウム塩型またはスルホニウム塩型変性エポキシ樹脂に分散した顔料ペーストと、
(c)ブロックポリイソシアネート架橋剤
とを中和剤を含む水性媒体中に分散してなる艶消しカチオン電着塗料組成物。 - 前記4級アンモニウム塩型またはスルホニウム塩型変性エポキシ樹脂は、塗料の全樹脂固形分重量の5〜15%である請求項1の塗料組成物。
- 塗料中の顔料/全樹脂固形分重量比が1/6〜1/2である請求項1または2の塗料組成物。
- 塗料中の顔料/全樹脂固形分重量比が1/6〜1/4である請求項1または2の黒色系塗料組成物。
- 塗料中の顔料/全樹脂固形分重量比が1/2〜1/3である請求項1または2の白色系塗料組成物。
- 艶消し助剤として塗料の全樹脂固形分重量の10%までのクレゾール−プロピレンオキサイド付加物を含む請求項1ないし5のいずれかの塗料組成物。
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