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JP3973742B2 - 振動型ジャイロスコープ - Google Patents

振動型ジャイロスコープ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転系内の回転角速度を検出するために使用される角速度センサに用いられる振動子用いた振動型ジャイロスコープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、回転系内の回転角速度を検出するための角速度センサとして、圧電体を用いた振動型ジャイロスコープが、航空機や船舶、宇宙衛星などの位置の確認用として利用されてきた。最近では、民生用の分野としてカーナビゲーションや、VTRやスチルカメラの手振れの検出などに使用されている。
【0003】
このような圧電振動型ジャイロスコープは、振動している物体に角速度が加わると、その振動と直角方向にコリオリ力が生じることを利用している。そして、その原理は力学的モデルで解析される(例えば、「弾性波素子技術ハンドブック」、オーム社、第491〜497頁)。そして、圧電型振動ジャイロスコープとしては、これまでに種々のものが提案されている。例えば、スペリー音叉型ジャイロスコープ、ワトソン音叉型ジャイロスコープ、正三角柱型音片ジャイロスコープ、円筒型音片ジャイロスコープ等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、振動型ジャイロスコープの応用について種々検討を進めており、例えば自動車の車体回転速度フィードバック式の車両制御方法に用いる回転速度センサーに振動型ジャイロスコープを使用することを検討した。こうしたシステムにおいては、操舵輪の方向自身は、ハンドルの回転角度によって検出する。これと同時に、実際に車体が回転している回転速度を振動ジャイロスコープによって検出する。そして、操舵輪の方向と実際の車体の回転速度を比較して差を求め、この差に基づいて車輪トルク、操舵角に補正を加えることによって、安定した車体制御を実現する。
【0005】
しかし、上述した従来の圧電振動型ジャイロスコープは、いずれの例でも、振動子を回転軸に対して平行に配置(いわゆる縦置き)しなければ、回転角速度を検出することができない。しかし、通常、測定したい回転系の回転軸は、装着部に対して垂直である。従って、このような圧電振動型ジャイロスコープを実装する際、圧電振動型ジャイロスコープの低背化を達成すること、即ち、振動型ジャイロスコープを回転軸方向に見たときの寸法を減少させることができなかった。
【0006】
近年になって、振動子を回転軸に対して垂直に配置(いわゆる横置き)しても、回転角速度を検出できる圧電振動型ジャイロスコープが、特開平8−128833号公報において提案されている。しかし、このような振動型ジャイロスコープにおいても、振動型ジャイロスコープを回転軸方向に見たときの寸法を減少させる上で限界があった。
【0007】
また、日本音響学会平成8年春季研究発表会講演論文集No.3−9−21第1071頁〜1072頁(1996−03)において、図24に概略的に示すような振動型ジャイロスコープが提案された。この振動子は、固定部10から突出する三本のアーム50A、50B、50Cを備えており、両端のアーム50A、50Cの先端に質量部51を設ける。そして、両端のアーム50A、50Cを互いに逆位相で矢印Hのように固定部10を中心として屈曲振動させる。そして、この振動子の全体を矢印ωのように紙面内で回転させると、質量部51に加わるコリオリ力によって屈曲振動が生ずるので、中央のアーム50Bの根元部分に設けられている検出電極によってこの屈曲振動を検出する。この振動型ジャイロスコープは、振動効率の高い三本音叉を利用し、振動子の全体が所定平面内から突出しないような振動子を使用したものであり、しかもその所定平面内における回転の角速度を検出可能としたものである。
【0008】
また、本発明者は、特願平8−317781号明細書において、図25(a)、(b)に示すような振動型ジャイロスコープを提案した。この振動子54において、固定部10から細長い基部57が延びており、基部57には検出電極58A、58Bが設けられている。基部57の先端に一対の屈曲振動片56A、56Bが設けられており、屈曲振動片に駆動電極55A、55B、55C、55Dが設けられている。各屈曲振動片を矢印Iに示すように屈曲振動させ、この振動子の全体を回転させると、コリオリ力によって矢印Jのように基部57が屈曲振動する。この振動を検出電極58A、58Bによって検出する。
【0009】
しかし、これらの振動型ジャイロスコープにおいても、更に次のような問題点が残されていることを発見した。即ち、図24に示す振動型ジャイロスコープにおいては、アーム50A、50Cの駆動振動によって、各アームの基部52、53は、局部的に見ると伸縮振動することになる。この伸縮振動の共振周波数は、アーム50Bの検出振動の共振周波数と近いために、検出信号に対して大きなノイズとなる。
【0010】
また、図25に示す振動型ジャイロスコープにおいても、図25(b)に示すように、屈曲振動片56A、56Bが例えば矢印Iのように振動したときには、基部57の根元部分59に矢印Kのように応力が加わる。従って、屈曲振動片56A、56Bの屈曲振動の結果、基部57の根元部分、即ち検出電極が存在する部分に伸縮振動が発生し、この伸縮振動がノイズとなる。
【0011】
本発明の課題は、特に所定平面内に延びる振動子に対して、この所定平面内の回転を与えたときに、この回転の角速度を検出できるような、新しい振動型ジャイロスコープを提供することである。
【0012】
また、本発明の課題は、所定平面内に延びる振動子の屈曲振動を利用した振動型ジャイロスコープにおいて、振動子の駆動振動に応じて振動子の検出部分に伸縮振動が発生し、検出信号のノイズとなることを防止できるようにすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコープであって、振動子と、この振動子に所定平面内の振動を励振するための励振手段と、振動子に所定平面内の回転が加わったときに振動子に加わるコリオリ力による振動子の屈曲振動を検出し、この屈曲振動に応じた信号を出力するための検出手段とを備え、前記振動子は、少なくとも一方が固定されている基部、この基部に対して交差する方向に延びる第一の脚部、基部から見て第一の脚部とは反対側に向かって基部に対して交差する方向に延びる第二の脚部、この第一の脚部に対して交差する方向に延びる第一の屈曲振動片、第一の脚部から見て第一の屈曲振動片とは反対側に向かって第一の脚部に対して交差する方向に延びる第二の屈曲振動片、第二の脚部に対して交差する方向に延びる第三の屈曲振動片、第二の脚部から見て第三の屈曲振動片とは反対側に向かって延びる第二の屈曲振動片を備えていることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、振動子の駆動振動および検出のための振動が、所定平面内で行われ、かつ検出すべき振動として屈曲振動を使用できる。これによって、振動子の振動アームが回転軸に対して垂直方向に延びるように、振動子を設置した場合にも、振動子から回転軸の方向に向かって一定重量の突出部を設けることなく、十分に高い感度で回転角速度を検出できるようになった。
【0016】
しかも、各屈曲振動片が振動したときに、これによって各脚部に伸縮振動が生じても、この伸縮振動は基部に対してほぼ対称的であって、互いに相殺される。従って、回転角速度が0のときには、各屈曲振動片の影響による基部の伸縮振動を防止でき、これによる検出信号ノイズを抑制ないし防止することができる。このような振動型ジャイロスコープ従来の振動型ジャイロスコープの根本的な問題点を解決したものである。
【0017】
本発明の振動子において、好ましくは、例えば図4に示すように、第一の屈曲振動片3Aの振動Aの位相と第二の屈曲振動片3Bの振動Bの位相とが第一の脚部4Aに対して対称的であり、第三の屈曲振動片3Cの振動Cの位相と第四の屈曲振動片3Dの振動Dの位相とが第二の脚部4Bに対して対称的である。これによって、各脚部4A、4Bが屈曲振動しにくくなる。
【0018】
特に、好ましくは、図4(a)、(b)に示すように、第一の屈曲振動片3Aおよび第二の屈曲振動片3Bからなる全振動系60Aの振動時の重心61Aが、第一の脚部4A上またはその延長線G上にあり、第三の屈曲振動片3Cおよび第四の屈曲振動片3Dからなる全振動系60Bの振動時の重心61Bが、第二の脚部4B上またはその延長線G上にある。これによって、駆動振動時に、各脚部4A、4Bが屈曲振動せず、この屈曲振動による基部6の屈曲振動が生じなくなる。
【0019】
また、図5(a)、(b)に示すように、各屈曲振動片3A、3Bの振動に伴って、第一の脚部4A、第一の屈曲振動片3Aおよび第二の屈曲振動片3Bからなる全振動系62Aの振動時における重心63Aが振動する。これと共に、各屈曲振動片3C、3Dの振動に伴って、第一の脚部4B、第三の屈曲振動片3Cおよび第四の屈曲振動片3Dからなる全振動系62Bの振動時における重心63Bが振動する。この際、重心63Aの振動の位相と、重心63Bの振動の位相とが、基部6に対して対称的であることが好ましい。これによって、各振動系62A、62Bから基部6に対して加わる応力が相殺され易い。
【0020】
この際、特に好ましくは、第一の脚部4A、第一の屈曲振動片3Aおよび第二の屈曲振動片3Bからなる全振動系62Aの振動によって基部6に加わる応力FAと、第二の脚部4B、第三の屈曲振動片3Cおよび第四の屈曲振動片3Dからなる全振動系62Bの振動によって基部6に加わる応力FBとが、基部6において互いに相殺されるように振動子を設計する。これによって、基部6の屈曲振動によるノイズを防止できる。
【0021】
また、特に好ましくは、第一の脚部4A、第一の屈曲振動片3A、第二の屈曲振動片3B、第二の脚部4A、第三の屈曲振動片3Cおよび第四の屈曲振動片3Dからなる全振動系の振動時における重心64が、基部6上またはその延長線M上に位置するようにする。
【0022】
また、本発明は(図4を参照すると)、少なくとも一方が固定されている基部6、基部6に対して交差する方向に延びる第一の脚部4A、基部6から見て第一の脚部4Aとは反対側に向かって基部6に対して交差する方向に延びる第二の脚部4B、第一の脚部4Aの一方の側に設けられている第一の振動系、第一の脚部4Aの他方の側に設けられている第二の振動系、第二の脚部4Bの一方の側に設けられている第三の振動系、および第二の脚部4Bの他方の側に設けられている第四の振動系を備えており、第一の振動系の重心の振動の位相と第二の振動系の重心の振動の位相とが第一の脚部4Aに対して対称的であり、第三の振動系の重心の振動の位相と第四の振動系の重心の振動の位相とが第二の脚部4Bに対して対称的である振動子を提供する。
【0023】
また、本発明は(図5を参照すると)、少なくとも一方が固定されている基部6、この基部6に対して交差する方向に延びる第一の脚部4A、基部6から見て第一の脚部4Aとは反対側に向かって基部6に対して交差する方向に延びる第二の脚部4B、第一の脚部4Aの一方の側に設けられている第一の振動系、第一の脚部4Aの他方の側に設けられている第二の振動系、第二の脚部4Bの一方の側に設けられている第三の振動系、および第二の脚部4Bの他方の側に設けられている第四の振動系を備えており、第一の脚部4A、第一の振動系および第二の振動系からなる全振動系62Aの振動時における重心63Aの振動の位相と、第二の脚部4B、第三の振動系および第四の振動系からなる全振動系62Bの振動時における重心63Bの振動の位相とが、基部6に対して対称的である振動子を提供する。
【0024】
これらの発明の好適な態様においては、第一の振動系が、第一の脚部に対して交差する方向に延びる第一の屈曲振動片3Aであり、第二の振動系が、第一の脚部から見て第一の屈曲振動片とは反対側に向かって第一の脚部に対して交差する方向に延びる第二の屈曲振動片3Bであり、第三の振動系が、第二の脚部に対して交差する方向に延びる第三の屈曲振動片3Cであり、第四の振動系が、第二の脚部から見て第三の屈曲振動片とは反対側に向かって第二の脚部に対して交差する方向に延びる第四の屈曲振動片3Dである。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の振動子の変位は、所定平面内で生ずる。このため、振動子の全体を、同一の圧電単結晶によって形成することができる。この場合には、まず圧電単結晶の薄板を作製し、この薄板をエッチング、研削により加工することによって、振動子を作製できる。
【0026】
振動子の各部分は、別の部材によってそれぞれ形成することもできるが、一体で構成することが特に好ましい。また、振動子の材質は特に限定するものでないが、水晶、LiNbO3 、LiTaO3 、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体(Li(Nb,Ta)O3 )単結晶等からなる単結晶を使用することが好ましい。こうした単結晶を使用すると、検出感度を良好にすることができるとともに、検出ノイズを小さくできる。
【0027】
しかも、圧電単結晶を使用すると、温度変化に対して特に鈍感な振動子を作製でき、このような振動子は、温度安定性を必要とする車載用として好適である。この点について更に説明する。
【0028】
音叉型の振動子を使用した角速度センサとしては、例えば前述した特開平8−128833号公報に記載された圧電振動型ジャイロスコープがある。しかし、こうした振動子において、振動子が2つの方向に向かって振動する。このため、振動子を特に前記したような単結晶によって形成した場合には、単結晶の2方向の特性を合わせる必要がある。しかし、現実には圧電単結晶には異方性がある。
【0029】
一般に圧電振動型ジャイロスコープでは、測定感度を良好にするために、駆動の振動モードの固有共振周波数と検出の振動モードの固有共振周波数との間に、一定の振動周波数差を保つことが要求されている。しかし、圧電単結晶は異方性を持っており、結晶面が変化すると、振動周波数の温度変化の度合いが異なる。例えば、ある特定の結晶面に沿って切断した場合には、振動周波数の温度変化がほとんどないが、別の結晶面に沿って切断した場合には、振動周波数が温度変化に敏感に反応する。従って、振動子が2つの方向に向かって振動すると、2つの振動面のうち少なくとも一方の面は、振動周波数の温度変化が大きい結晶面になる。
【0030】
これに対して、本発明におけるように振動子の全体を所定平面内で振動するようにし、かつ振動子を圧電単結晶によって形成することで、単結晶の最も温度特性の良い結晶面のみを振動子において利用できるようになった。
【0031】
即ち、振動子の全体が所定平面内で振動するように設計されていることから、圧電単結晶のうち振動周波数の温度変化がほとんどない結晶面のみを利用して、振動子を製造することができる。これによって、きわめて温度安定性の高い振動型ジャイロスコープを提供できる。
【0032】
前記した単結晶の中では、LiNbO3 単結晶、LiTaO3 単結晶、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶が、電気機械結合係数が特に大きい。また、LiNbO3 単結晶とLiTaO3 単結晶とを比較すると、LiTaO3 単結晶の方がLiNbO3 単結晶よりも電気機械的結合係数が一層大きく、かつ温度安定性も一層良好である。
【0033】
本発明の振動子を圧電単結晶等の圧電性材料によって形成した場合には、この振動子に駆動電極および検出電極を設ける。また、本発明の振動子を圧電単結晶、PZT等の圧電セラミックス等の圧電性材料によって形成した場合には、この振動子に駆動電極および検出電極を設ける。
【0034】
また、本発明の振動子を、エリンバー等の恒弾性金属によって形成することもできる。この場合には、振動子の所定箇所に圧電体を取り付ける必要がある。
【0035】
本発明の振動子においては、基部の長手方向と各脚部の長手方向とは、必ずしも垂直である必要はないが、垂直であることが好ましい。また、各脚部の長手方向と各屈曲振動片の長手方向とは、必ずしも垂直である必要はないが、垂直であることが好ましい。
【0036】
図1は、本発明の一実施形態に係る振動型ジャイロスコープ1Aを示す概略斜視図である。この振動子2Aにおいては、固定部10の突出部9から、基部6と一対の共振アーム7A、7Bとが互いに平行に延びている。基部6の先端部分には、基部6に対して垂直な方向に向かって、第一の脚部4Aと第二の脚部4Bとが延びている。第一の脚部4Aと第二の脚部4Bとの交差部分には、基部6とは反対方向へと向かって突出する突出部5が設けられている。第一の脚部4Aの先端には、脚部4Aに対して垂直な方向へと向かって第一の屈曲振動片3Aと第二の屈曲振動片3Bとが互いに反対方向へと延びている。また、第二の脚部4Bの先端には、脚部4Bに対して垂直な方向へと向かって第三の屈曲振動片3Cと第四の屈曲振動片3Dとが互いに反対方向へと延びている。
【0037】
各屈曲振動片の駆動、検出方式は特に限定されないが、本実施形態においては、図2(a)、(b)に示すような構成の駆動電極、検出電極を使用している。ここでは、水晶のように所定平面内に三回対称軸(a軸)を有している圧電単結晶を使用して振動子を形成し、かつ圧電単結晶のc軸が所定平面に対して垂直な方向に向かっている。この実施形態においては、各屈曲振動片における電圧の印加方向と、各共振アームにおける信号電圧の方向とが、それぞれa軸に向かうようにすることが好ましい。
【0038】
このため、屈曲振動片3A、3C(および3B、3D)においては、図2(a)に示すように、駆動電極11Aと11Bとの一方を高周波電源に接続し、他方をアースすることによって、a軸方向に高周波電圧を印加できるようにした。また、共振アーム7A、7Bにおいては、図2(b)に示すように、検出電極12Bをアースし、検出電極12Aを検出部14に接続することによって、a軸方向に発生する信号電圧を検出できるようにした。
【0039】
図3(a)は、振動子2Aの駆動振動の形態を示す線図である。ここでは、各屈曲振動片3A、3B、3C、3Dを、矢印A、B、C、Dのように屈曲振動させる。この際、第一の屈曲振動片3Aと第二の屈曲振動片3Bとの振動は脚部4Aに対して対称的であるので、脚部4Aには屈曲振動は生じない。ただし、脚部4Aには、その長手方向への伸縮振動は生ずる。これと同様に、第三の屈曲振動片3Cと第四の屈曲振動片3Dとの振動は脚部4Bに対して対称的であるので、脚部4Bには屈曲振動は生じず、その長手方向への伸縮振動のみが生ずる。この結果、基部6には各脚部4A、4Bの屈曲振動による影響はなく、しかも各脚部が伸縮振動しても、その伸縮振動は基部6に対して対称的であるために、基部6に対する影響はほとんど無視できる程度であった。
【0040】
図3(b)は、この振動子2Aの検出振動を示す線図である。この振動においては、各屈曲振動片に対してそれぞれ加わるコリオリ力に応じて、屈曲振動片3A、3Cと3B、3Dとが互いに逆方向へと振動する。この振動の非対称性のために、基部6が振動し、基部6の振動に対して各共振アーム7A、7Bが基部6とは逆相で振動する。各共振アーム7A、7Bに設けられている検出電極12A、12Bによって、この振動の振幅を検出する。なお、15は静止状態の振動子の形態を示す。
【0041】
なお、本発明においては、後述するように共振アームを使用しないで、基部6に検出電極を設けることもできる。しかし、固定部から基部と共に少なくとも一対の共振アームを突出させ、基部の振動に対して共振アームを共振させることによって、特に検出振動の減衰を少なくし、Q値を大きく改善することができる。
【0042】
また、本実施形態においては、固定部9、10からの共振アーム7A、7Bの突出位置において、共振アームの両側の固定部からの突出寸法を異ならせることによって、いわゆるスプリアスモードの振動の固有共振周波数を変動させている。即ち、各共振アーム7A、7Bの外側には寸法aの切り欠き部8A、8Bが設けられており、これによって固定部10から高さaの突出部9が形成されている。この結果、スプリアスモードの振動の固有共振周波数を、駆動振動の固有共振周波数から離すことができる。
【0043】
通常、図3(a)に示す駆動振動の固有共振周波数と、図3(c)に示すスプリアスモードの振動の固有共振周波数との差が50Hz以下となると、この共振アームの同相振動(スプリアスモードの振動)によって生ずる信号が、検出信号に比べて非常に大きくなてしまう。
【0044】
しかし、図1において、寸法aを大きくするのに従って、スプリアスモードの振動の固有共振周波数が著しく変化し、駆動振動の固有共振周波数からずれてくる。特にaをアームの長さの1/10以上とすることによって、スプリアスモードの固有共振周波数を駆動振動の固有共振周波数から大きく逸らすことが可能になった。
【0045】
このように、固定部からの共振アームの突出位置において、共振アームの両側の固定部からの突出寸法を異ならせることが、スプリアスモードの振動の影響によるノイズを減少させるために有効であり、このためにはaをアームの長さの1/10以上とすることが特に好ましい。これはアームの長さの6/10以下とすることが好ましい。
【0046】
図4、図5は、いずれも各振動系の振動形態を説明するための図であり、前述した。
【0047】
図6〜図7は、いずれも、本発明の各実施形態に係る振動型ジャイロスコープを概略的に示す斜視図である。各図面において、図1に示した各構成部分と同じ構成部分には同じ符号を付け、その説明は省略する。
【0048】
図6の振動型ジャイロスコープ1Bの振動子2Bにおいては、基部5を設けていない。駆動方法、検出方法は、図1に示す振動型ジャイロスコープと同じである。こうした振動型ジャイロスコープにおいても前記した本発明の作用効果を奏することができる。ただし、本例では、脚部4A、4Bの下側には基部6が存在するのに、脚部の上側には突出部が存在しておらず、このために駆動振動の際に振動子の全体の応力分布が脚部4A、4Bに対して非対称的になる。このため、屈曲振動片3Aと3Bとの振動の振幅、および屈曲振動片3Cと3Dとの振動の振幅が、基部6が存在しない方向へと向かって増大し、矢印E方向へと向かって大きく振動する傾向がある。これが基部6の伸縮振動として現れる傾向がある。
【0049】
従って、図1に示すように、基部6とは反対側に突出部5を設けることによって、各屈曲振動片の駆動振動を、脚部4A、4Bに対して線対称とすることが好ましい。このためには、突出部5の長さを、基部6の長さの1/10以上とすることが特に好ましい。
【0050】
ただし、突出部5の長さが基部6の長さの2/3を越えると、振動子の駆動振動の固有共振周波数と検出振動の固有共振周波数との差が大きくなり、検出感度が低下する傾向がある。従って、突出部5の長さを、基部6の長さ以下とすることが好ましい。
【0051】
図7の振動型ジャイロスコープ1Cの振動子2Cにおいては、共振アームを設けることなく、基部6の根元部分に検出電極12A、12Bを設ける。これによって、基部6の振動を直接検出する。
【0052】
図8の振動型ジャイロスコープ1Dの振動子2Dにおいては、振動子の全体の固定枠15の内側に固定部9を設け、固定部9から基部6および一対の共振アーム7A、7Bを突出させている。また、脚部4A、4Bから見て、基部6の反対側に突出部14を設け、この突出部14を固定枠15の内側に連続させている。この結果、脚部4A、4Bは、基部6と突出部14との双方から拘束を受けている。
【0053】
この振動型ジャイロスコープ1Dも、図1の振動型ジャイロスコープ1Aと同様に動作する。ただし、各屈曲振動片が駆動振動するときには、各脚部4A、4Bには伸縮方向への応力が加わる。そして、この応力によって基部6に歪みが生じやすい。これに対して、例えば図1等に示すように、基部5が固定枠に対して拘束されていない場合には、この伸縮方向の応力による基部6の歪みが少ない。
【0054】
参考例である、図9の振動型ジャイロスコープ1Eの振動子2Eにおいては、固定部である固定片部16の一方の側に、基部6、一対の共振アーム7A、7Bが突出している。これと共に、固定片部16の他方の側には共振片19が設けられている。固定片部16の両端は、それぞれ、図示しない固定部分に対して連続している。本実施形態の共振片19は、固定片部16から突出している突出部17、突出部17から突出している一対の共振アーム18A、18Bおよび基部28を備えている。
【0055】
基部28の先端部分には、基部28に対して垂直な方向に向かって、一対の脚部26Aと26Bとが延びている。各脚部26Aと26Bとの交差部分には、基部28とは反対方向へと向かって突出する突出部29が設けられている。脚部26Aの先端には、脚部26Aに対して垂直な方向へと向かって延びる一対の屈曲振動片20A、20Bが設けられている。また、脚部26Bの先端には、脚部26Bに対して垂直な方向へと向かって延びる一対の屈曲振動片20C、20Dが設けられている。
【0056】
駆動時には、各屈曲振動片3A、3B、3C、3Dを駆動し、これに対して共振片19の各屈曲振動片20A、20B、20C、20Dを共振させる。この振動子2Eの全体を所定平面内で回転させ、共振アーム7A、7Bを前記したように振動させると共に、共振片19の共振アーム18A、18Bを屈曲振動させる。共振片19の共振アーム18A、18Bに設けられている検出電極12A、12Bによって、この振動を検出する。
【0057】
以上述べてきた各実施形態においては、圧電単結晶のa軸の方向に電圧を印加することによって、各アームを駆動していた。これに対して、例えばニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶の場合には、例えば図8に示すように、紙面と平行な方向にa軸を配向させ、c軸が紙面に対して50°の角度をなすようにすることが、温度特性の観点からもっとも有利である。この場合には、紙面に対して垂直な方向に電圧を印加することで、各屈曲振動片を屈曲振動させる。図8、図11は、この実施形態に係る振動型ジャイロスコープを示すものである。
【0058】
図10の振動型ジャイロスコープ1Fの振動子2Fは、上述のような圧電単結晶の板からなっている。固定部10の突出部9から、基部6と一対の共振アーム27A、27Bとが互いに平行に延びている。基部6の先端部分には、基部6に対して垂直な方向に向かって、第一の脚部4Aと第二の脚部4Bとが延びている。第一の脚部4Aの先端には、脚部4Aに対して垂直な方向へと向かって第一の屈曲振動片23Aと第二の屈曲振動片23Bとが互いに反対方向へと延びている。また、第二の脚部4Bの先端には、脚部4Bに対して垂直な方向へと向かって第三の屈曲振動片23Cと第四の屈曲振動片23Dとが互いに反対方向へと延びている。
【0059】
各屈曲振動片においては、図11(a)に示すように、駆動電極21A、21B、21C、21Dが設けられており、駆動電極21Aと21Cとが対向しており、駆動電極21Bと21Dとが対向している。電極21A−21Cと電極21B−21Dとの間では、高周波電圧の印加方向が逆になっており、これによって各屈曲振動片を所定平面内で屈曲振動させることができる。
【0060】
各共振アーム27A、27Bにおいては、図11(b)に示すように、検出電極22A、22B、22C、22Dが設けられており、検出電極22Aと22Cとが対向しており、検出電極22Bと22Dとが対向している。検出電極22C、22Dをアースし、検出電極22A、22Bを検出部14に接続する。
【0061】
また、本発明においては、屈曲振動片および/または共振アームに、その長手方向に向かって延びる貫通孔を設けることができる。これによって、屈曲振動片および/または共振アームの振動の固有共振周波数を低下させ、振動のQ値を一層向上させることができる。図12〜図15は、この実施形態に係る各振動型ジャイロスコープを示すものである。
【0062】
図12の振動型ジャイロスコープ1Gの振動子2Gにおいては、固定部10の突出部9から、基部6と一対の共振アーム37A、37Bとが互いに平行に延びている。
【0063】
第一の脚部4Aの先端には、脚部4Aに対して垂直な方向へと向かって第一の屈曲振動片33Aと第二の屈曲振動片33Bとが互いに反対方向へと延びている。また、第二の脚部4Bの先端には、脚部4Bに対して垂直な方向へと向かって第三の屈曲振動片33Cと第四の屈曲振動片33Dとが互いに反対方向へと延びている。
【0064】
各屈曲振動片33A、33B、33C、33Dには、それぞれ、屈曲振動片の長手方向に延びる貫通孔30Aが形成されている。そして、各屈曲振動片には、図13(a)に示すように、各貫通孔30Aの外側壁面に駆動電極31A、31Dが設けられており、内側壁面に駆動電極31B、31Cが設けられている。
【0065】
本実施形態では、水晶のように、所定平面内に三回対称軸のa軸を有する圧電単結晶板を使用している。各屈曲振動片では、図13(a)に示すように、外側面上の駆動電極31A、31Dが交流電源13に接続されており、内側面上の駆動電極31B、31Cがアースされている。この結果、駆動電極31A−31Bの組み合わせと、駆動電極31C−31Dの組み合わせとの間では、電圧の印加方向が逆になるので、屈曲振動片が屈曲する。
【0066】
また、各共振アーム37A、37Bには、それぞれ、共振アームの長手方向に延びる貫通孔30Bが形成されている。そして、図13(b)に示すように、各貫通孔30Bの外側壁面に検出電極32A、32Dが設けられており、内側壁面に検出電極32B、32Cが設けられている。各共振アームでは、検出電極32A−32B側と32C−32D側との間で、発生する電界が逆方向になる。
【0067】
そして、本実施形態におけるように、各共振アームや各屈曲振動片の各貫通孔において、各貫通孔の両側で、内側面と外側面とに一対の駆動電極を設けることで、1本の屈曲振動片または共振アームを屈曲させることができる。検出側においても同様である。
【0068】
図14の振動型ジャイロスコープ1Hの振動子2Hにおいては、固定部10の突出部9から、基部6と一対の共振アーム47A、47Bとが互いに平行に延びている。第一の脚部4Aの先端には、第一の屈曲振動片43Aと第二の屈曲振動片43Bとが延びており、第二の脚部4Bの先端には、第三の屈曲振動片43Cと第四の屈曲振動片43Dとが延びている。
【0069】
本実施形態では、タンタル酸リチウムの130°Y板を使用しており、c軸が振動子の主面に対して50°をなしている。この角度で振動子の温度特性がもっとも良好になる。各屈曲振動片には、それぞれ、屈曲振動片の長手方向に延びる貫通孔30Aが形成されている。そして、図15(a)に示すように、駆動電極21A−21Cと駆動電極21B−21Dとの間で、電圧の印加方向が逆相になるので、屈曲振動片が屈曲する。
【0070】
また、各共振アーム47A、47Bには、それぞれ、共振アームの長手方向に延びる貫通孔30Bが形成されている。図15(b)に示すように、各共振アームには、各貫通孔の両側の位置に、細長い検出電極22A、22B、22C、22Dが設けらており、検出電極22A−22Cと検出電極22B−22Dとの間で、発生する電界が逆方向になる。
【0071】
平板形状の材料、例えば水晶等の圧電単結晶の平板状の材料から、エッチングプロセスによって振動子を形成する場合には、振動子の各アームに特定形状の突起、例えば細長い突起が生成することがある。この場合には、振動子の一部をレーザー加工等によって削除することによって、第一の屈曲振動片および第二の屈曲振動片からなる全振動系の振動時の重心が第一の脚部上またはその延長線上に位置するようにし、第三の屈曲振動片および第四の屈曲振動片からなる全振動系の振動時の重心が、第二の脚部上またはその延長線上に位置するように調整できる。
【0072】
なお、本発明の振動型ジャイロスコープを構成する振動子は、シリコンマイクロマシンにおいて使用されるように、シリコン半導体プロセスによって形成することもできる。この場合には、振動子を駆動する際には静電力等を利用する。振動子の屈曲振動を検出する際には、例えば、シリコンにドーピングを行うことによってピエゾ抵抗素子を作り、検出部分を作製できる。
【0073】
図16は、この実施形態に係る振動型ジャイロスコープを概略的に示す斜視図である。この振動子71の全体はシリコン半導体プロセスによって形成されている。枠72の内側に、突出部(固定部)78が設けられており、突出部78から、基部76と一対の共振アーム77A、77Bとが突出している。基部76の先端側には、基部76に対して垂直に延びる第一の脚部74Aと第二の脚部74Bとが設けられており、かつ突出部75が設けられている。各脚部74A、74Bに対して垂直に延びるように、第一の屈曲振動片73A、第二の屈曲振動片73B、第三の屈曲振動片73C、第四の屈曲振動片73Dが設けられている。
【0074】
各屈曲振動片の外側面に静電駆動電極79が設けられており、枠72の各駆動電極に対向する位置に、それぞれ静電駆動電極80が設けられている。これらの電極によって各屈曲振動片を静電的に駆動する。
【0075】
また、各共振アーム77A、77Bにはそれぞれ特定の金属がドープされた半導体ドーピング領域81が設けられており、この半導体ドーピング領域がピエゾ抵抗素子を構成している。振動子が回転するときに、各共振アームの各ピエゾ抵抗素子81に加わる応力による抵抗値の変化を測定し、回転角速度の指標として検出する。
【0076】
また、本発明の振動子を用いて、直線加速度計を作製することができる。即ち、本発明では、直線加速度が加わった場合、検出部分に加速度に比例した歪みが発生するので、この歪みに応じた直流検出信号により、加速度を測定することができる。従来の振動子を使用した直線加速度計は、振動子に駆動振動を与えたときに、駆動振動の影響によって前述したように基部に伸縮振動が生じ、この伸縮振動によるノイズ信号が大きく、このノイズ信号が温度変化に応じて大きく変動するという問題があった。直線加速度を検出する際には、ノイズ信号をベースラインとして測定値から差し引く必要がある。しかし、このノイズ信号の値が温度変化に応じて大きく変化するために、測定値からノイズ信号の寄与を差し引く際に、誤差が大きかった。
【0077】
本発明の振動子を使用した直線加速度計によれば、振動子に駆動振動を与えたときの基部の伸縮振動によるノイズ信号が顕著に低減されているので、このノイズ信号の温度変化による誤差を防止することができる。
【0078】
また、本発明の振動子を用いて、回転速度と直線加速度とを同時に計測するセンサーを作製することができる。本発明の振動子では、振動子に回転速度と直線加速度が同時に加わった場合、回転速度に対応する検出信号と、直線加速度に対応する信号とが同時に発生する。このときの検出信号のうち、駆動信号と同じ周波数の信号成分の振幅の変化が回転速度に比例しており、直流電圧信号成分の変化が直線加速度に比例している。
【0079】
次に、本発明の振動型ジャイロスコープでは、振動子を支持する際、検出振動の一番小さい領域の局在する小領域で振動子を支持することで、振動子の一番動きの小さい領域を固定することができる。これによって、検出振動のQ値が高くなり、感度を上昇させることができる。コリオリの力により発生する検出振動は振動が小さいため、感度を上昇させる上で、検出振動の一番小さい領域の局在する小領域で振動子を支持するが最も効果的である。
【0080】
この実施形態においては、振動子の支持を、検出振動の一番小さい領域と、駆動振動の一番小さい領域とが重なる領域で行うことが最も好ましい。これによって、検出振動のQ値だけでなく、駆動振動のQ値も高くなる。
【0081】
この実施形態において、検出振動または駆動振動の一番小さい領域とは、検出振動時または駆動振動時の振動振幅の、振動子における最大振動振幅点に対する比率が最も小さい領域のことを言い、これが1000分の2以下の範囲にある領域が好ましく、1000分の1以下の範囲にある領域が最も好ましい。
【0082】
また、本発明の振動子においては、検出アームの長さを駆動アームの長さよりも大きくすることが好ましく、検出アームの長さと駆動アームの長さとの比率を、1.05〜1.20:1.00とすることが一層好ましい。これによって、信号/雑音比率が臨界的に上昇することを発見した。この理由は明らかではないが、検出アームの方を駆動アームよりも長くすることによって、ジャイロ信号の大きさはほとんど変化せす、一方ノイズ信号の方が小さくなる傾向があることが判明した。
【0083】
ここで、ノイズ信号とは、振動子がまったく回転していない状態で検出電極に生ずる電圧Nのことであり、主として駆動信号電圧が検出電極の方に漏れてくることにより発生するものと考えられる。また、ジャイロ信号とは、ある回転に対して、検出信号に現れた信号Rから、ノイズ信号Nを差し引いた信号(R−N)になる。
【0084】
また、屈曲振動をする各アームの根元部分は、平面的に見て直角に曲がっていてもよいが、本発明者は、この根元部分にアール面を設けるか、あるいはテーパー面を設けることによって、S/N比が一層向上することを見いだした。この理由ははっきりしない。また、屈曲振動するアームとは、具体的には前記の各屈曲振動片、共振アーム、基部が該当する。
【0085】
例えば、図17(a)の模式図に示すように、屈曲振動するアームを42とし、アーム42が接続している部分を41とし、42が41に対して垂直に曲がっているものとする。この際、テーパー面44A、44B、44Cを設けることによって、S/N比が向上する。この際、特に接続部分41から屈曲振動するアーム42を見たときのテーパー角θA、θB、θCを50〜70°とすることが好ましいことが判った。また、図17(b)に示すように、アール面45を設けることもできる。ただし、gはアール面45の曲率半径である。
【0086】
図18は、図1に示した振動子2Aの具体的設計の一例を示す。実際に図18に示すような振動子2Aを作製した。ただし、図18の各部分の寸法を表す数値は、いずれも「mm」単位である。振動子は厚さ mmの水晶によって形成した。aは3mmとした。駆動アームである屈曲振動片3A、3B、3C、3Dの長さnを6mmに固定し、検出アームである共振アーム7A、7Bの長さmのnに対する比率を、表1に示すように変更し、1°/秒におけるS/N比を測定した。また、各共振アームおよび基部の根元部分96にテーパー面(テーパー角60°)を設け、各屈曲振動片3A、3B、3C、3Dの根元部分にもテーパー面97(テーパー角60°)を設けた。各電極(図1参照)をクロム層及び金層によって形成した。この結果を表1に示す。
【0087】
【表1】
Figure 0003973742
【0088】
次に、前述した図18の振動子において、検出アームの長さmを6.6mmとし(m/nを1.1とし)、1°/秒におけるS/N比を測定し、その結果を表2に示した。ただし、実験1においては96、97をすべて平面的に見て垂直にし、実験2では図17(b)に示すようなアール面45を形成し、曲率半径gを5mmとした。実験3、4、5では、それぞれ図17(a)に示すようなテーパー面を形成し、そのテーパ角θA、θB、θCを30°、60°、80°とした。e、fは5mmとした。
【0089】
【表2】
Figure 0003973742
【0090】
次に、前述した図18の振動子において、検出アームの長さmを6.6mmとし(m/nを1.1とし)、テーパー角60°のテーパー面96、97を形成した。そして、この振動子について、駆動振動および検出振動モードが振動子の全体に及ぼす影響を調べるため、有限要素法による固有モード解析を実施し、振動子の各点の振動の振幅を、最大振動振幅点に対する比率の分布として求めた。
【0091】
図19には、振動子の各点の駆動振動モードにおける最大振動時の振幅の相対比率を示し、図20には、振動子の各点の検出振動モードにおける最大振動時の振幅の相対比率を示している。図19および図20において、それぞれ色の異なる領域は、各別に異なる最大振動振幅点との比率の領域を示す。橙色の部分が、振幅が最小の領域となる。
【0092】
図19によると、駆動振動系の振動による影響は、基部6においては互いに相殺し合う。このため、基部6、そして各共振アームにおいては、駆動振動による影響がほとんど見られなくなっている。図20によると、固定部10の中心付近の領域99(図18参照)においては、検出振動による影響が見られなくなっている。
【0093】
本例では、図19、図20から、駆動振動の振幅が最小の領域と検出振動の振幅が最小の領域とが、図18に示す99のように固定部の中央部分に局在していることが判明しているので、この領域99を支持し、固定する。この際、振動子を支持する具体的方法については特に限定せず、あらゆる支持方法、固定方法を採用できる。
【0094】
例えば、圧電材料の接着方法として公知のあらゆる接着方法を使用できる。その一例として、領域99内に所定の支持孔40を設け、支持孔40内に何らかの支持具を挿入して振動子を固定できる。例えば、振動子を支持するための治具から支持具を突出させ、支持具を支持孔40内に挿入し、固定できる。支持具を支持孔40中に挿入し、固定する際には、支持具の表面にメタライズ層を設け、および/または支持孔40の内周面にメタライズ層を設け、次いで支持具と支持孔40の内周面とをハンダ付け又はロウ付けする。あるいは、支持具と支持孔40との間に樹脂を配することにより、振動子を固定できる。
【0095】
この支持孔40は、振動子を貫通していてもよく、また振動子を貫通していなくともよい。支持孔40が振動子を貫通する貫通孔である場合には、支持孔40に支持具を貫通させることもできるが、支持具を貫通させなくともよい。なお、振動子に支持孔40を設けない場合には、領域99の表面および/または裏面に、支持具をハンダ付けしたり、あるいは樹脂によって接着できる。
【0096】
本発明者は、前述した図18の振動子において、表3に示すように「底部固定」または「ノード点固定」を行った。「底部固定」の場合には、固定部10の縁面10aを保持した。「ノード点固定」の場合には、支持具の表面にメタライズ層を設け、支持孔40内に支持具を挿入し、支持具と支持孔40の内周面とをハンダ付けした。
【0097】
【表3】
Figure 0003973742
【0098】
また、本発明の振動型ジャイロスコープの好適な実施形態では、駆動振動を発生するために使用した電気信号を参照信号とし、駆動振動に伴って発生した、駆動振動と異なる振動モードを持つ振動を検出手段によって電気信号として取り出したときの信号を出力信号とするとき、参照信号と出力信号の位相差を検出し、検出した位相差の変化に基づいて角速度を検出する。
【0099】
図21は、こうした方法で使用する位相差検出装置の一例を示すブロック図である。
【0100】
図21に示す位相検出手段46において、出力信号は、AC増幅器48で増幅された後、位相差検出回路49に供給される。参照信号は、参照信号前処理回路64で波形等を整える前処理を行った後、同じく位相差検出回路49に供給される。位相差検出回路49では、供給された前処理済みの参照信号と出力信号との位相差を検出する。検出した位相差はローパスフィルタ65およびDC増幅器66に供給され、位相差の大きさに応じた大きさを持つ直流信号となる。上述した位相差検出手段46で求めた直流信号は、回転角速度検出回路67に供給される。回転角速度検出回路では、予め求めておいた直流信号の大きさと回転角速度との関係に基づき、回転角速度を求めている。
【0101】
なお、上述した回路46では、出力信号と参照信号との位相差を直接数値として求めることができないため、位相差に応じた直流信号の大きさから回転角速度を求めているが、直接位相差を数値として求め、予め求めた位相差と回転角速度との関係に基づき、回転角速度を求めることもできる。
【0102】
本発明の振動型ジャイロスコープは、こうした位相差を検出する方法に対して特に適合しており、位相差と回転角速度との間で高い直線性を得られることがわかった。ジャイロ信号と漏れ信号との比が、1:7以上となる領域、つまり漏れ信号の方が大きい領域において、特に位相差と回転角速度との間で極めて高い直線性が得られることが判明した。なお、漏れ信号が大きくなりすぎると、いかに圧電単結晶を使用しても、検出限界を越えてしまう。そのため、漏れ信号の上限は、振動型ジャイロスコープの検出感度に応じて決定される。
【0103】
このように、ジャイロ信号に対して漏れ信号の方が大きい領域、特にジャイロ信号ともれ信号との比が、1:7以上となる領域において、検出感度が低下した場合にも、位相差と回転角速度との直線性はかえって向上する。
【0104】
また、本発明の振動子を、2枚以上の圧電層を積層することによって、作製できる。この場合には、各圧電層の分極軸の方向は互いに異ならせることが好ましく、各圧電層の分極軸の方向がそれぞれ振動子の主面に対して直交していることが最も好ましい。
【0105】
図22は、この実施形態に係る振動型ジャイロスコープ68および振動子69を概略的に示す斜視図であり、図23(a)、(b)は、図22においてXXIII(a)、(b)線−XXIII(a)、(b)線に沿って切ってみた断面図である。
【0106】
振動子69の全体は、二枚の平板状体88Aと88Bとの接合体からなっている。平板状体88Aの分極方向(矢印91で示す)と平板状体88Bの分極方向(矢印92で示す)とは正反対であり、かつ一方の主面90A、他方の主面90Bに対して直交している。
【0107】
固定部10の突出部86から、基部100と一対の共振アーム85A、85Bとが互いに平行に延びている。基部の先端部分には、基部に対して垂直な方向に向かって、第一の脚部83Aと第二の脚部83Bとが延びている。脚部83Aと83Bとの交差部分には、基部とは反対方向へと向かって突出する突出部5が設けられている。第一の脚部83Aの先端には、脚部83Aに対して垂直な方向へと向かって第一の屈曲振動片82Aと第二の屈曲振動片82Bとが互いに反対方向へと延びている。第二の脚部83Bの先端には、脚部83Bに対して垂直な方向へと向かって第三の屈曲振動片82Cと第四の屈曲振動片82Dとが互いに反対方向へと延びている。
【0108】
例えば屈曲振動片82A、82B、82C、82Dを、図23に矢印Hで示すようにX方向に励振できる。このためには、例えば電極84A、84Cを交流電源94に接続し,電極84B、84Dをアースし、電極84Aと84Bとの間、84Cと84Dとの間に電界93を印加する。平板状の圧電層88A、88Bにおいては、電極84A、84Cに近い領域では、分極軸の方向と電界の方向とが逆になり、電極84B、84Dに近い領域では、分極軸の方向と電界の方向とがほぼ同じになる。このため、屈曲振動片が、矢印Hのように振動する。
【0109】
振動子69を、ωで示すようにZ軸を中心として回転させると、前述したように、各共振アーム85A、85Bが矢印Hのように振動する。この振動によって、図23(b)に示すように、共振アーム85A(85B)において、電極87Aと87Bとの間、電極87Cと87Dとの間に、矢印101で示すように起電力が発生する。電極87Bと87Dとをアースし、電極87Aと87Cとを、所定の電圧検出装置95に対して予め接続しておく。この電圧を測定することによって、回転角速度を算出する。
【0110】
【発明の効果】
以上の説明から明かなように、本発明によれば、特に所定平面内に延びる振動子に対して、この所定平面内の回転を与えたときに、この回転の角速度を検出できるような、新しい振動型ジャイロスコープを提供できる。そして振動子の駆動振動に応じて振動子の検出部分に伸縮振動が発生し、検出信号のノイズとなることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る振動型ジャイロスコープ1Aを概略的に示す斜視図である。
【図2】(a)は、各屈曲振動片の駆動電極の形態を示す断面図であり、(b)は各共振アームの検出電極の形態を示す断面図である。
【図3】(a)は、振動子2Aの駆動振動を示す線図であり、(b)は、振動子2Aの検出振動の一例を示す線図であり、(c)は、スプリアスモードの振動を示す線図である。
【図4】(a)、(b)は、各振動系60A、60Bの各重心61A、61Bの振動の状態を説明するための模式図である。
【図5】(a)、(b)は、各振動系62A、62Bの各重心63A、63Bの振動の状態、および基部6に働く伸縮応力の状態を説明するための模式図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る振動型ジャイロスコープ1Bを概略的に示す斜視図であり、突出部5が存在していない。
【図7】本発明の更に他の実施形態に係る振動型ジャイロスコープ1Cを概略的に示す斜視図であり、共振アームが存在していない。
【図8】本発明の更に他の実施形態に係る振動型ジャイロスコープ1Dを概略的に示す斜視図であり、基部6および突出部14が固定枠15に連続している。
【図9】参考例の実施形態に係る振動型ジャイロスコープ1Eを概略的に示す斜視図であり、共振片19が設けられている。
【図10】本発明の更に他の実施形態に係る振動型ジャイロスコープ1Fを概略的に示す斜視図である。
【図11】(a)は、図10の振動型ジャイロスコープにおいて、屈曲振動片における駆動電極の形態を示す回路図であり、(b)は、共振アームにおける検出電極の形態を示す回路図である。
【図12】本発明の更に他の実施形態に係る振動型ジャイロスコープ1Gを概略的に示す斜視図であり、各屈曲振動片および共振アームに貫通孔が設けられている。
【図13】(a)は、図12の振動型ジャイロスコープにおいて、屈曲振動片における駆動電極の形態を示す断面図であり、(b)は、共振アームにおける検出電極の形態を示す断面図である。
【図14】本発明の更に他の実施形態に係る振動型ジャイロスコープ1Hを概略的に示す斜視図であり、各屈曲振動片および共振アームに貫通孔が設けられている。
【図15】(a)は、図14の振動型ジャイロスコープにおいて、屈曲振動片における駆動電極の形態を示す断面図であり、(b)は、共振アームにおける検出電極の形態を示す断面図である。
【図16】振動子がシリコン半導体プロセスによって形成されている場合における、振動型ジャイロスコープの一実施形態を概略的に示す斜視図である。
【図17】(a)は、屈曲振動するアーム42と、アーム42が接続されている部分41との境界におけるテーパー面を示す模式図であり、(b)は、屈曲振動するアーム42と、アーム42が接続されている部分41との境界におけるアール面を示す模式図である。
【図18】図1の振動型ジャイロスコープ1Aの具体的設計の一例を示す平面図である。
【図19】振動子の各点の駆動振動モードにおける最大振動時の振幅の相対比率を示す。
【図20】振動子の各点の検出振動モードにおける最大振動時の振幅の相対比率を示す。
【図21】本発明の振動型ジャイロスコープにおいて、角速度の検出に好適に使用できる位相検出装置の一形態を示すブロック図である。
【図22】複数枚の圧電層88A、88Bを積層して作製した振動子69、および振動子69を備えた振動型ジャイロスコープ68を概略的に示す斜視図である。
【図23】(a)は、図22に示す振動子の各屈曲振動片における駆動振動の励起方法を説明するためのXXIII(a)−XXIII(a)断面図であり、(b)は、図22に示す振動子の各共振アームにおける検出振動の検出方法を説明するためのXXIII(b)−XXIII(b)断面図である。
【図24】従来の振動型ジャイロスコープの駆動振動の形態を説明するための概略図である。
【図25】(a)は、本発明者が開発した振動型ジャイロスコープの一形態を示す正面図であり、(b)は、(a)の振動型ジャイロスコープの駆動振動の状態を説明するための線図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、振動型ジャイロスコープ 2A、2B、2C、2D、2E、2F、2G、2H、振動子
3A、23A、33A、43A、第一の屈曲振動片 3B、23B、33B、43B、第二の屈曲振動片 3C、23C、33C、43C、第三の屈曲振動片 3D、23D、33D、43D、第四の屈曲振動片 4A、第一の脚部 4B、第二の脚部 5、突出部 6、基部
7A、27A、37A、47A、第一の共振アーム 7B、27B、37B、47B、第二の共振アーム 9、10、固定部 11A、11B、21A、21B、31A、31B、31C、31D、駆動電極 12A、12B、22A、22B、32A、32B、32C、32D、検出電極

Claims (3)

  1. 回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコープであって、振動子と、この振動子に所定平面内の振動を励振するための励振手段と、前記振動子に前記所定平面内の回転が加わったときに前記振動子に加わるコリオリ力による前記振動子の屈曲振動を検出し、この屈曲振動に応じた信号を出力するための検出手段とを備え、前記振動子は、固定端を有する基部、この基部に対して交差する方向に延びる第一の脚部、前記基部から見て前記第一の脚部とは反対側に向かって前記基部に対して交差する方向に延び、前記第一の脚部との交差部において前記基部と接続する第二の脚部、この第一の脚部に対して交差する方向に延びる第一の屈曲振動片、前記第一の脚部から見て前記第一の屈曲振動片とは反対側に向かって前記第一の脚部に対して交差する方向に延びる第二の屈曲振動片、前記第二の脚部に対して交差する方向に延びる第三の屈曲振動片、前記第二の脚部から見て前記第三の屈曲振動片とは反対側に向かって前記第二の脚部に対して交差する方向に延びる第四の屈曲振動片、および前記交差部分から前記基部とは反対側へと向かって突出する突出部を備えており、前記基部、前記第一及び第二の脚部、前記第一、第二、第三及び第四の屈曲振動片、及び、前記突出部が、全て、実質的に平面形状であり、同一の平面内に存在することを特徴とする、振動型ジャイロスコープ。
  2. 前記励振手段は、前記振動子の前記第一の屈曲振動片、前記第二の屈曲振動片、前記第三の屈曲振動片および前記第四の屈曲振動片をそれぞれ屈曲振動させ、前記検出手段は、前記振動子が前記所定平面内で回転したときに前記振動子に加わるコリオリ力による前記基部の屈曲振動を検出し、この屈曲振動に応じた信号を出力することを特徴とする、請求項記載の振動型ジャイロスコープ。
  3. 前記振動子は、前記基部の一方を固定している固定部と、前記基部の振動に対して共振する、前記固定部から突出している第一及び第二の共振アームとをさらに備え、前記励振手段は、前記振動子の前記第一の屈曲振動片、前記第二の屈曲振動片、前記第三の屈曲振動片および前記第四の屈曲振動片をそれぞれ屈曲振動させ、前記検出手段は、前記振動子が前記所定平面内で回転したときに前記振動子に加わるコリオリ力による前記第一及び第二の共振アームの屈曲振動を検出し、この屈曲振動に応じた信号を出力することを特徴とする、請求項1記載の振動型ジャイロスコープ。
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