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JP3942762B2 - 振動子、振動型ジャイロスコープ、直線加速度計および回転角速度の測定方法 - Google Patents

振動子、振動型ジャイロスコープ、直線加速度計および回転角速度の測定方法 Download PDF

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JP3942762B2 JP03257199A JP3257199A JP3942762B2 JP 3942762 B2 JP3942762 B2 JP 3942762B2 JP 03257199 A JP03257199 A JP 03257199A JP 3257199 A JP3257199 A JP 3257199A JP 3942762 B2 JP3942762 B2 JP 3942762B2
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幸久 大杉
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転系内の回転角速度を検出するために使用される角速度センサに用いられる振動子、振動型ジャイロスコープ、直線加速度計、および回転角速度の測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、回転系内の回転角速度を検出するための角速度センサとして、圧電体を用いた振動型ジャイロスコープが、航空機や船舶、宇宙衛星などの位置の確認用として利用されてきた。最近では、民生用の分野としてカーナビゲーションや、VTRやスチルカメラの手振れの検出などに使用されている。
【0003】
このような圧電振動型ジャイロスコープは、振動している物体に角速度が加わると、その振動と直角方向にコリオリ力が生じることを利用している。そして、その原理は力学的モデルで解析される(例えば、「弾性波素子技術ハンドブック」、オーム社、第491〜497頁)。そして、圧電型振動ジャイロスコープとしては、これまでに種々のものが提案されている。例えば、スペリー音叉型ジャイロスコープ、ワトソン音叉型ジャイロスコープ、正三角柱型音片ジャイロスコープ、円筒型音片ジャイロスコープ等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
こうした振動型ジャイロスコープにおいては、円盤形状の振動子を使用したものが、例えば、米国特許第5540094号公報に開示されている。この特許においては、円盤形状の平板状の振動子に対して、例えば4つのノード(節)を持つ駆動振動を励起し、この振動子に対して垂直な回転軸を中心とする回転を振動子に加え、振動子に励起される検出振動の振幅を検出している。ここで励起される検出振動も4つのノード(節)を有している。
【0005】
しかし、こうした振動子においては、感度は必ずしも高くなかった。また、駆動振動に付随して発生する種々のノイズの中に検出振動が含まれてしまい、検出振動の振幅の寄与を検出信号から正確に分離することが困難であり、この観点からも感度が低く、また信号/雑音比率が低かった。
【0006】
また、本発明者は、振動型ジャイロスコープの応用について種々検討を進めており、例えば自動車の車体回転速度フィードバック式の車両制御方法に用いる回転速度センサーに振動型ジャイロスコープを使用することを検討した。こうしたシステムにおいては、操舵輪の方向自身は、ハンドルの回転角度によって検出する。これと同時に、実際に車体が回転している回転速度を振動ジャイロスコープによって検出する。そして、操舵輪の方向と実際の車体の回転速度を比較して差を求め、この差に基づいて車輪トルク、操舵角に補正を加えることによって、安定した車体制御を実現する。
【0007】
従来の圧電振動型ジャイロスコープは、ほとんどの場合、振動子を回転軸に対して平行に配置(いわゆる縦置き)しなければ、回転角速度を検出することができない。しかし、通常、測定したい回転系の回転軸は、装着部に対して垂直である。従って、このような圧電振動型ジャイロスコープを実装する際、圧電振動型ジャイロスコープの低背化を達成すること、即ち、振動型ジャイロスコープを回転軸方向に見たときの寸法を減少させることができなかった。
【0008】
本発明の課題は、感度が高く、S/N比が良好な、新しい原理に基づく振動型ジャイロスコープおよび振動子を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る振動子は、環状振動系とその内側の基部とが連結部により連結され、さらに基部より環状振動系に向かって突出する他の振動系を備えていることを特徴とする、振動子。備えていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、回転系の回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコープであって、前記の振動子と、この振動子に対して駆動振動を励振する励振手段であって、環状振動系と他の振動系との一方に設けられている励振手段と、振動子の回転によって振動子に発生した検出振動を検出する検出手段であって、環状振動系と他の振動系との他方に設けられている検出手段とを備えていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記振動子を用いて回転系の回転角速度を検出する方法であって、環状振動系と他の振動系との一方に励振手段を設け、環状振動系と他の振動系との他方に検出手段を設け、励振手段によって振動子に駆動振動を励振し、振動子の回転によって振動子に発生した検出振動を、検出手段によって検出することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、直線加速度を検出するための直線加速度計であって、前記振動子と、この振動子に直線加速度が加わったときに振動子に加わるニュートンの力による振動子の変形を検出するための検出手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明者は、振動型ジャイロスコープに使用できる振動子の振動原理について基礎研究を行ってきたが、この過程で、まったく新しい原理に基づく振動子および振動型ジャイロスコープを開発することに成功した。
【0014】
即ち、環状振動系と、この環状振動系とは独立して振動する他の振動系と、環状振動系と他の振動系とを連結する連結部とを設けることによって、環状振動系の振動と他の振動系との振動を独立させ、これらの一方に駆動振動を励振し、他方に検出振動を励振することを想到した。例えば、環状振動系に駆動振動を励振したとき、ある回転軸を考えたときに、この回転軸を中心として回転していない時(回転角速度が0のとき)には、他の振動系が実質的に振動しないようにする。回転時には、環状振動系内において、駆動振動に対応してコリオリ力が作用し、この結果、振動子に検出振動が励振される。この検出振動のうち、他の振動系内に現れる検出振動成分のみを検出する。
【0015】
このとき、検出振動系が実質的に振動しないとは、例えば駆動振動を励起したときの検出振動系の振動の振幅が、駆動振動の最大振幅の1/1000以下である場合を含む。
【0016】
従来の振動型ジャイロスコープにおいては、いずれも駆動振動アームの駆動振動が、何らかの形で検出アームにも歪みとして影響を及ぼし、検出信号にノイズを発生させていた。また、円盤状振動子を使用していた前記の従来技術においても、駆動振動による円盤状振動子の歪みのために、検出振動の感度低下、S/N比低下を招いていた。本発明によれば、このような、検出信号に不可避的に発生していたノイズを、抑制ないし防止することができる。この点で、本発明は、振動型ジャイロスコープに内在していた根本的な問題点を解決したものである。
【0017】
本発明においては、環状振動系と他の振動系とが、所定面内に延びていることが特に好ましい。これは厳密に幾何学的意味で所定面内に延びていることを言うものではなく、本技術分野において常識的な値、即ち、厚さにして1mm以下の範囲内に環状振動系と他の振動系とが形成されていることを意味する。この際、環状振動系および他の振動系以外の部分は、所定面から突出することもありえるが、振動子の全体が所定面内に形成されていることが好ましい。
【0018】
環状振動系とは、完全に円環状であることを意味しておらず、幾何学的には閉曲線をなしておればよい。しかし、この閉曲線は、楕円形状、真円形状であることが好ましい。また、環状振動系の振動の重心が、振動子の全体の重心上か、またはその近傍(振動子の全体の重心から直径1mmの円内)に存在していることが好ましい。これによって、環状振動系における駆動振動が互いに相殺し合い、検出振動を検出するための他の振動系に対する駆動振動の影響が一層小さくなる。
【0019】
本発明の一実施形態では、他の振動系が、環状振動系の内側に設けられている内側振動系を含み、この内側振動系は、環状振動系に連結されている基部と、振動子の重心から見たときに基部の外周縁部から環状振動系に向かって延びている屈曲振動片とを備えている。この場合には、環状振動系と屈曲振動片との一方に励振手段を設け、他方に検出手段を設ける。図1−図9は、この実施形態に係るものである。
【0020】
図1(a)は、振動子1Aを示す斜視図であり、図1(b)は、振動子1Aの駆動振動1Bを示す正面図であり、図2は、振動子1Aの検出振動1Cを示す正面図である。図1、図2の実施形態では、所定面に対して垂直な回転軸Zを中心とする回転の回転角速度を検出する。
【0021】
振動子1Aの環状振動系2は、本例では円環形状をなしている。環状振動系2の内側に、例えば正方形状の基部3Aが設けられており、基部3Aの相対向する二片に、それぞれ直線状の細長い屈曲振動片5A、5Bが設けられている。基部3Aと環状振動系2とは、連結部4A、4Bによって連結されている。この結果、環状振動系2の内側に中空部6A、6Bが形成されている。Oは、回転軸Zと振動子の所定面との交点(回転中心)である。GOは振動子の全体の重心(非振動時)であり、GDは駆動振動の重心である。3aは基部3の外周縁部である。
【0022】
図1(b)に示すように、環状振動系2に駆動振動を励振する。ここで、2c、2gの振幅が小さく、2a、2b、2hがAYのように屈曲し、2d、2e、2fもこれと同様にAYのように屈曲する。振動子1Aに対して、回転軸Zを中心とする回転を加えると、図2に示す検出振動1Cが励振される。ここで例えば2a、2eの部分はBXのように逆位相で振動する。これに応じて、各屈曲振動片5A、5Bには、所定面内の屈曲振動成分CXが励振される。CXによる歪みを、公知の手段によって、電気信号として検出する。
【0023】
このような振動子および振動型ジャイロスコープによれば、振動子の駆動振動および検出のための振動が、いずれも所定面内で行われ、振動子が回転軸に対して交差する方向に延びるように、振動子を設置した場合にも、振動子から回転軸の方向に向かって一定重量の突出部を設けることなく、十分に高い感度で回転角速度を検出できる。なお、これは後述する各振動子においても、回転軸Zを中心とする回転の角速度を検出する場合に当てはまる。
【0024】
基部から環状振動系へと向かって突出する屈曲振動片は、一つであっても良いが、複数あることが好ましく、複数の屈曲振動片が、振動子の重心GOを中心として回転対称の位置にあることが特に好ましい。例えば、図1、図2においては、屈曲振動片5A、5Bが、振動子の重心GOを中心として二回対称の位置に設けられている。
【0025】
ここで、各屈曲振動片が重心GOを中心として回転対称の位置にあるとは、重心GOを中心として、問題とする複数の屈曲振動片が、それぞれ所定面内で同じ所定角度離れている状態を意味する。従って、一つの屈曲振動片について、GOを中心として、所定面内で所定角度回転させる操作を行うと、他の屈曲振動片の位置に位置する。例えば、図1においては、屈曲振動片5Aと5Bとは、180°離れているので、屈曲振動片5Aを180°回転させる操作を行うと、屈曲振動片5Bの位置にくる。回転対称は、具体的には2回対称、3回対称、4回対称であることが好ましい。
【0026】
駆動振動の重心GDは、振動子の全体の重心GO上か、または重心GOの近傍(振動子の全体の重心から直径1mmの円内)に存在していることが好ましい。これによって、環状振動系における駆動振動が互いに相殺し合い、内側振動系に対する駆動振動の影響が一層小さくなる。
【0027】
なお、現実の振動型ジャイロスコープにおいては、回転軸と所定面とが直交しておらず、交差していることがある。この場合にも、所定面に垂直な回転軸Zを中心とする回転成分の角速度について、前記の検出方法は有効である。しかし、所定面と実際の回転軸との交差角度が大きくなり過ぎると、測定感度が低下するので、所定面と回転軸とがなす角度は、60−120度とすることが好ましく、85−95度とすることが好ましく、直交していることが一層好ましい。
【0028】
また、図1においては、回転中心(回転軸と所定面との交点)Oが、振動子の重心GOおよび駆動振動の全体の重心GDと一致しているが、必ずしもその必要はない。なぜなら、回転中心Oが振動子の重心GOとは一致していない場合も、更には回転中心Oが振動子の外部に位置している場合も、基本的に本願発明の振動子は有用であり、本発明の振動型ジャイロスコープに使用できるからである。
【0029】
この理由を述べる。振動子が回転しているときに、回転中心Oと振動子の重心GOとが一致していない場合の振動子の各部分の変位速度は、回転中心Oが振動子の重心GOと一致している場合の振動子の各部分の変位速度(回転による振動子の各部分の変位速度)と、振動子の各部分の並進運動による変位速度とのベクトル和となる。そして、振動子の各部分の並進運動による変位速度については、コリオリ力は働かないので、振動型ジャイロスコープによって検出することなく消去できるからである。
【0030】
ここで、一般的に、本発明の振動子の材質等について述べる。
本発明の振動子の全体を、同一の圧電単結晶によって形成することができる。この場合には、まず圧電単結晶の薄板を作製し、この薄板をエッチング、研削により加工することによって、振動子を作製できる。振動子の各部分は、別の部材によってそれぞれ形成することもできるが、一体で構成することが好ましい。
【0031】
平板形状の材料、例えば水晶等の圧電単結晶の平板状の材料から、エッチングプロセスによって振動子を形成する場合には、振動子の各屈曲振動片等の各構成片に特定形状の突起、例えば細長い突起が生成することがある。このような突起は、厳密には設計時に予定された振動子の対称性を低下させる原因となる。しかし、この突起は存在していても良く、突起の高さは小さい方が好ましいが、突起の高さが振動子の構成片の幅の1/5以下であれば一般に問題なく使用できる。他の製造上の原因による突起以外の非対称部分が振動子に存在する場合にも同様である。
【0032】
なお、このように突起などが振動子に存在する場合には、エッチング加工後に、この突起の一部をレーザー加工等によって削除することによって、または振動子の突起以外の部分をレーザー加工等によって削除することによって、調整できる。これによって、環状振動系の重心、屈曲振動片の重心、駆動振動の重心、検出振動の重心の各位置を調整し、これらが、振動子の全体の重心GOの近傍領域内に位置するようにできる。
【0033】
振動子の材質は特に限定するものでないが、水晶、LiNbO3 、LiTaO3 、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体(Li(Nb,Ta)O3 )単結晶、ホウ酸リチウム単結晶、ランガサイト単結晶等からなる圧電単結晶を使用することが好ましい。
【0034】
前記した単結晶の中では、LiNbO3 単結晶、LiTaO3 単結晶、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶が、電気機械結合係数が特に大きい。また、LiNbO3 単結晶とLiTaO3 単結晶とを比較すると、LiTaO3 単結晶の方がLiNbO3 単結晶よりも電気機械的結合係数が一層大きく、かつ温度安定性も一層良好である。
【0035】
圧電単結晶を使用すると、検出感度を良好にすることができるとともに、検出ノイズを小さくできる。しかも、圧電単結晶を使用すると、温度変化に対して特に鈍感な振動子を作製でき、このような振動子は、温度安定性を必要とする車載用として好適である。この点について更に説明する。
【0036】
音叉型の振動子を使用した角速度センサとしては、例えば特開平8−128833号公報に記載された圧電振動型ジャイロスコープがある。しかし、こうした振動子においては、振動子が2つの方向に向かって振動する。このため、振動子を特に圧電単結晶によって形成した場合には、圧電単結晶の2方向の特性を合わせる必要がある。しかし、現実には圧電単結晶には異方性がある。
【0037】
一般に圧電振動型ジャイロスコープでは、測定感度を良好にするために、駆動の振動モードの固有共振周波数と検出の振動モードの固有共振周波数との間に、一定の振動周波数差を保つことが要求されている。しかし、圧電単結晶は異方性を持っており、結晶面が変化すると、振動周波数の温度変化の度合いが異なる。例えば、ある特定の結晶面に沿って切断した場合には、振動周波数の温度変化がほとんどないが、別の結晶面に沿って切断した場合には、振動周波数が温度変化に敏感に反応する。従って、振動子が2つの方向に向かって振動すると、2つの振動面のうち少なくとも一方の面は、振動周波数の温度変化が大きい結晶面になる。
【0038】
従って、振動子の全体を所定面内で振動するようにし、かつ振動子を圧電単結晶によって形成した場合には、単結晶の最も温度特性の良い結晶面のみを振動子において利用できるようになった。
【0039】
即ち、この場合には、振動子の全体が所定平面内で振動するように設計されていることから、圧電単結晶のうち振動周波数の温度変化がほとんどない結晶面のみを利用して、振動子を製造することができる。これによって、きわめて温度安定性の高い振動型ジャイロスコープを提供できる。
【0040】
本発明の振動子を圧電性材料によって形成した場合には、この振動子に駆動電極および検出電極を設ける。圧電性材料としては、圧電単結晶の他に、PZT等の圧電セラミックスがある。
【0041】
また、本発明の振動子を、エリンバー等の恒弾性金属によって形成することもできる。この場合には、振動子の所定箇所に圧電体を取り付ける必要がある。
【0042】
本発明の振動子は、圧電材料や恒弾性合金の他に、シリコンマイクロマシンにおいて使用されるように、シリコン半導体プロセスによって形成することもできる。この場合には、振動子を駆動する際には、静電力等を利用する。
【0043】
具体的には静電検出電極を利用できる。また、静電検出電極のかわりに、特定の金属がドープされた半導体ドーピング領域を設け、この半導体ドーピング領域によってピエゾ抵抗素子を構成できる。この場合には、振動子が回転するときに、各屈曲振動片の各ピエゾ抵抗素子に加わる応力による抵抗値の変化を測定し、回転角速度の指標として検出する。
【0044】
図3は、振動子11A(駆動振動)を示す斜視図であり、図4は、図3の振動子の検出振動11Bを示す斜視図である。図3、図4の実施形態では、軸Zを中心とする回転の回転角速度成分を検出する。
【0045】
振動子11Aの環状振動系12は、本例では曲折形状をなしている。環状振動系12の内側に基部3Aが設けられており、基部3Aの相対向する二片に、それぞれ直線状の細長い屈曲振動片5A、5Bが設けられており、各屈曲振動片の先端側に重量部9が設けられている。基部3Aと環状振動系12とは、連結部4A、4Bによって連結されている。この結果、環状振動系12の内側に中空部6C、6Dが形成されている。
【0046】
連結部4A、4Bの先端側には、それぞれ屈曲振動片12b、12c、12g、12fが設けられており、これらの各屈曲振動片は、各連結部に対してほぼ直交している。7は、環状振動系と連結部との接続部分を示す。これらの各屈曲振動片は、更に屈曲振動片12a、12h、12d、12eによって互いに連結されている。10は、各屈曲振動片の接続部分を示している。
【0047】
図3に示すように、環状振動系12に駆動振動AX、Dを励振する。ここで、各屈曲振動片12bと12cとの一組、12fと12gとの一組は、それそれ、AXのように互いに順位相で屈曲振動する。この振動の結果、Dで示す振動が引き起こされる。
【0048】
この振動子に対して、回転軸Zを中心とする回転成分を加えると、図4に示す検出振動11Bが励振される。連結部4A、4Bは、矢印BYで示すように、互いに逆位相で振動する。これに応じて、各屈曲振動片5A、5Bには、所定面内の屈曲振動成分CXが励振される。
【0049】
図5−図7の実施形態においては、図1−図4で説明したプロセスに加えて、更に、所定面に対して平行な回転軸XまたはYを中心とする回転の回転角速度を検出できる。この際には、回転軸XまたはYを中心とする回転に応じて振動子21Aに加わるコリオリ力によって励起される検出振動のうち、所定面に対して垂直な面垂直振動成分を検出する必要がある。また、この場合には、同じ振動子を使用して、回転軸Xを中心とする回転の回転角速度成分と、回転軸Yを中心とする回転の回転角速度成分との双方を検出できる。
【0050】
図5は、振動子21Aを示す斜視図である。振動子21Aの環状振動系22は円環形状をなしている。環状振動系22の内側に例えば正方形状の基部3Aが設けられており、基部3Aの四片に、それぞれ直線状の細長い屈曲振動片5A、5B、5C、5Dが設けられている。基部3Aと環状振動系22とは、例えば4列の連結部4C、4D、4E、4Fによって連結されている。この結果、環状振動系22の内側に中空部6E、6F、6G、6Hが形成されている。
【0051】
図6(a)に示すように、環状振動系22に駆動振動21Bを励振する。この駆動振動においては、22a、22eがAYのように振動し、22c、22gがAXのように振動し、22b、22d、22f、22hがノードとなる。振動子21Aに対して、回転軸Zを中心とする回転を加えると、図6(b)に示す検出振動21Cが励振される。即ち、駆動振動の振動方向とは直交する方向に向かってコリオリ力が働き、BX、BYのように振動が現れる。これに応じて、各屈曲振動片5A、5Bには、所定面内の屈曲振動成分CXが励振される。また、各屈曲振動片5C、5Dには、所定面内の屈曲振動成分CYが励振される。振動CX、CYによる歪みを、電気信号として検出する。
【0052】
また、振動子21Aに対して、図7(a)に示すように、回転軸Yを中心とする回転を加えると、検出振動21Dが励振される。即ち、図6(a)に示す駆動振動21Bのうち、Y軸方向の振動成分AYはこの回転に対して中立的であり、X軸方向の振動成分AXに応じてコリオリ力が作用する。この結果、図7(a)、(b)に示すように、環状振動系22の特に22c、22g付近に、EZで示すZ軸方向の振動成分が励振され、これに応じて、屈曲振動片5C、5DにZ軸方向の検出振動成分FZが励振される。振動FZによる歪みを、電気信号として検出する。
【0053】
図7の例では、Y軸を中心とする回転の角速度を検出したが、この系では、X軸とY軸とは等価であるので、X軸を中心とする回転成分の角速度を測定することもできる。また,X軸を中心とする回転成分の角速度と、Y軸を中心とする回転成分の角速度とを、同じ振動子によって測定できる。
【0054】
図8、9の実施形態においては、所定面に対して平行な回転軸Yを中心とする回転の回転角速度を検出できる。図8(a)は、振動子31Aを示す斜視図であり、図8(b)は、振動子31Aの駆動振動31Bを示す正面図であり、図9(a)は、振動子31Aの検出振動31Cを示す斜視図であり、図9(b)は図9(a)の上面図である。
【0055】
振動子31Aの環状振動系2は円環形状をなしている。環状振動系2の内側に、例えば正方形状の基部3Aが設けられている。基部3Aの相対向する二辺の各端部に、それぞれ直線状の細長い屈曲振動片5E、5F、5G、5Hが設けられている。
【0056】
図8(b)に示すように、環状振動系2の各部分をAX、AYのように振動させる。振動子31Aに対して、回転軸Yを中心とする回転を加えると、図9(b)に示す検出振動31Cが励振される。即ち、駆動振動31Bのうち、Y軸方向の振動成分AYはこの回転に対して中立的であり、X軸方向の振動成分AXに応じてコリオリ力が作用する。この結果、図9(a)、(b)に示すように、環状振動系2に、EZで示すZ軸方向の振動成分が励振され、これに応じて、屈曲振動片5E、5F,5G、5HにZ軸方向の検出振動成分FZが励振される。基部の同じ辺上にある各屈曲振動片の振動の位相は逆相になる。
【0057】
本発明の他の実施形態においては、内側振動系が平板状振動系からなり、この平板状振動系に駆動振動を励振するか、あるいは平板状振動系に検出振動を励起させる。この場合には、平板状振動系を第二の環状振動系とすることができ、この場合には第二の環状振動系は屈曲振動する。あるいは、平板状振動系を盤状振動体とすることができ、この場合は盤状振動体は伸縮振動する。
【0058】
また、環状振動系に、振動子の重心から見たときに環状振動系の外周縁部から径方向へと向かって延びている屈曲振動片、および/または、環状振動系の内周縁部から振動子の重心へと向かって延びている屈曲振動片を設けることができる。こうした屈曲振動片は、振動子の重心を中心として互いに回転対称の位置に設けることが好ましい。この「回転対称」については、前述したとおりである。
【0059】
図10は、振動子41を示す正面図である。振動子41の環状振動系42は円環形状をなしている。環状振動系42の内側に、円盤形状の平板状振動系14が設けられている。平板状振動系14と環状振動系42とは、例えば4列の連結部4C、4D、4E、4Fによって連結されており、環状振動系42の内側に中空部6E、6F、6G、6Hが形成されている。環状振動系42の内側へと向かって延びるように、4本の屈曲振動片15A、15B、15C、15Dが形成されている。各屈曲振動片は、振動子の重心GOを中心として4回の回転対称の位置にある。
【0060】
本例では、平板状振動系14を駆動振動体として使用している。即ち、平板状振動系14にAX、AYで示すような駆動振動を励振する。この駆動振動においては、例えば円盤状振動体14を周方向に4分割したときに、各領域16A、16CをY軸方向に振動させ、各領域16B、16DをX軸方向に振動させる。各領域の境界がノードとなる。平板状振動系14の振動は伸縮振動となる。
【0061】
振動子41に対して、回転軸Zを中心とする回転を加えると、図11に示すように、駆動振動の振動方向とは直交する方向に向かってコリオリ力が働き、平板状振動系14にBX、BYのように振動が現れる。図10に示す領域16A−16Dを45度回転させた位置に相当する各領域17A、17B、17C、17Dの各境界付近にノードが現れる。これに応じて、各屈曲振動片15A、15Cには、所定面内の屈曲振動成分CXが励振され、各屈曲振動片15B、15Dには、所定面内の屈曲振動成分CYが励振される。振動CX、CYによる歪みを、電気信号として検出する。
【0062】
また、振動子41に対して、図12に示すように、回転軸Yを中心とする回転を加えると、これに応じて検出振動が励振される。即ち、図10に示す駆動振動のうち、Y軸方向の振動成分AYは、この回転に対して中立的であり、X軸方向の振動成分AXに応じてコリオリ力が作用する。この結果、図12に示すように、平板状振動系14のうち、X方向の駆動振動成分AXの振幅が大きかった領域に、EZで示すZ軸方向の振動成分が励振され、これに応じて、屈曲振動片15B、15DにZ軸方向の検出振動成分FZが励振される。
【0063】
図12の例では、Y軸を中心とする回転の角速度を検出したが、この系では、屈曲振動片15A、15Bに現れる振動成分を検出することによって、X軸を中心とする回転成分の角速度を検出できる。また,X軸を中心とする回転成分の角速度と、Y軸を中心とする回転成分の角速度とを、同じ振動子によって測定できる。
【0064】
図13は、振動子51を示す正面図である。振動子51の環状振動系42、連結部4A−4D、屈曲振動片15A−15Dの形態およびその動作は、図10−図12に示したものと同じである。
【0065】
本実施形態においては、第二の環状振動系24を駆動振動体として使用している。即ち、第二の環状振動系24に、AX、AYで示すような駆動振動を励振する。この駆動振動は、各連結部との接続部分を始点とする屈曲振動となる。振動子51に対して、回転軸Zを中心とする回転を加えると、駆動振動の振動方向とは直交する方向に向かってコリオリ力が働き、第二の環状振動系24に、BX、BYのように振動が現れる。
【0066】
これに応じて、各屈曲振動片15A、15Cには、所定面内の屈曲振動成分CXが励振され、各屈曲振動片15B、15Dには、所定面内の屈曲振動成分CYが励振される。
【0067】
また、振動子51に対して、回転軸Yを中心とする回転を加えると、環状振動系24のうち、X方向の駆動振動成分AXの振幅が大きかった領域に、EZで示すZ軸方向の振動成分が励振される。これに応じて、屈曲振動片15C、15DにZ軸方向の検出振動成分FZが励振される。
【0068】
図14は、振動子61を示す正面図である。振動子61の環状振動系42、連結部4A−4D、平板状振動系14の形態およびその動作は、図10−図12に示したものと同じである。
【0069】
本実施形態においては、屈曲振動片15E、15F、15G、15Hを、それぞれ、振動子の重心GOから離れる方向へと向かって延びるように形成する。これらの屈曲振動片の動作は、前述した屈曲振動片15A−15Dと同じである。
【0070】
なお、図10−図14のような各実施形態において、環状振動系の外側と内側との双方に屈曲振動片を設けることもできる。また、各屈曲振動片の位置と個数とは、種々変更できるが、2−4個設け、かつ重心GOを中心として2−4回対称の位置に設けることが特に好ましい。
【0071】
本発明においては、屈曲振動片を用いず、前記した環状振動系において、または前記した第二の環状振動系や平板状振動系において、検出振動を検出することができる。図15−図20は、この実施形態に係るものである。
【0072】
図15は、振動子71を示す正面図である。振動子71の環状振動系19は円環形状をなしている。環状振動系19の内側に、円盤形状の平板状振動系14が設けられている。平板状振動系14と環状振動系19とは、例えば4列の連結部4C、4D、4E、4Fによって連結されている。
【0073】
本例では、平板状振動系14にAX、AYで示すような駆動振動を励振する。振動子41に対して、回転軸Zを中心とする回転を加えると、図16に示すように、駆動振動の振動方向とは直交する方向に向かってコリオリ力が働き、平板状振動系14に、BX、BYのように振動が現れる。これに応じて、環状振動系19には、所定面内の屈曲振動成分CXと、所定面内の屈曲振動成分CYとが励振される。この際、所定面内の屈曲振動成分CX、CYは、いずれも、環状振動系がその長さ方向(周方向)へと向かって伸縮する伸縮振動として現れる。
【0074】
振動子71に対して、図17に示すように、回転軸Yを中心とする回転を加えると、図15に示す駆動振動のうち、Y軸方向の振動成分AYは、この回転に対して中立的である。X軸方向の振動成分AXに応じて、振動子にコリオリ力が作用する。この結果、図17に示すように、平板状振動系14のうち、X方向の駆動振動成分AXの振幅が大きかった領域に、EZで示すZ軸方向の振動成分が励振される。これに応じて、環状振動系19には、Z軸方向の検出振動成分FZが励振される。このFZの振動は、環状振動系の屈曲振動となるので、伸縮振動よりも感度が高い可能性がある。むろん、この方法によって、X軸を中心とする回転成分の角速度を検出することもできる。
【0075】
図18は、振動子81を示す正面図である。振動子81の環状振動系19、連結部4A−4Dの形態およびその動作は、図15−図17に示したものと同じである。ただし、本例では第二の環状振動系24を駆動振動体として使用している。即ち、第二の環状振動系24に、AX、AYで示すような駆動振動を励振する。この駆動振動は、各連結部との接続部分を始点とする屈曲振動となる。
【0076】
また、外側の環状振動系に駆動振動を励振し、内側振動系、特に平板状振動系において検出振動を検出することができる。図19は、この実施形態にも係るものである。
【0077】
即ち、環状振動系19に、AX、AYで示すような駆動振動を励振する。この駆動振動は、各連結部との接続部分を始点とする屈曲振動となる。振動子91に対して、回転軸Zを中心とする回転を加えると、駆動振動の振動方向とは直交する方向に向かってコリオリ力が働き、環状振動系19に、BX、BYのように振動が現れる。これに応じて、第二の環状振動系24には、所定面内の屈曲振動成分CX、CYが励振される。
【0078】
また、振動子91に対して、回転軸Yを中心とする回転を加えると、駆動振動成分のうち、Y軸方向の振動成分AYは、この回転に対して中立的であり、X軸方向の振動成分AXに応じてコリオリ力が作用する。この結果、環状振動系19のうち、X方向の駆動振動成分AXの振幅が大きかった領域に、EZで示すZ軸方向の振動成分が励振され、これに応じて、環状振動系24に、Z軸方向の検出振動成分FZが励振される。
【0079】
本発明においては、環状振動系を3つ以上設けることができる。この場合には、いずれの環状振動系に駆動振動を励振してもよいが、少なくとも駆動振動を励振していない環状振動系において検出振動を検出する必要がある。環状振動系の個数の上限は特に限定されないが、製造上の観点からは4個以下とすることが好ましい。
【0080】
この際、特に好ましくは、検出振動を行う環状振動系を2以上設け、各環状振動系において、それぞれ異なる軸を中心とする回転成分の角速度を検出することができる。これによって、同じ振動子を使用して、相異なる軸を中心とする回転成分の角速度を検出することができ、しかも、各角速度の値のS/N比を一層向上させることかできる。
【0081】
この場合には、X軸またはY軸を中心とする回転成分の角速度を、一つの環状振動系において検出し、Z軸を中心とする回転成分の角速度を、これとは別の環状振動系において検出することができる。更には、3つの環状振動系において、それぞれ、X軸、Y軸、Z軸をそれぞれ中心とする各回転成分の角速度をそれぞれ別個に検出することができる。図20は、三つの環状振動系を有する振動子に係るものである。
【0082】
振動子101は、環状振動系19と、第二の環状振動系24と、外側環状振動系34とを備えている。環状振動系19、24、34は、例えば円環形状をなしている。環状振動系19と第二の環状振動系24とは、例えば4列の連結部4C、4D、4E、4Fによって連結されている。環状振動系19と外側環状振動系34とは、例えば4列の連結部4G、4H、4I、4Jによって連結されており、これらの間に中空部6I、6J、6K、6Lが形成されている。
【0083】
本例では、環状振動系19に、AX、AYで示すような駆動振動を励振する。振動子101に対して、回転軸Zを中心とする回転を加えると、駆動振動の振動方向とは直交する方向に向かってコリオリ力が働き、環状振動系19に、BX、BYのように振動が現れる。これに応じて、環状振動系24には、所定面内の屈曲振動成分CXと、所定面内の屈曲振動成分CYとが励振される。外側の環状振動系34には、所定面内の屈曲振動成分CXと、所定面内の屈曲振動成分CYとが励振される。
【0084】
振動子101に対して、回転軸Yを中心とする回転を加えると、Y軸方向の振動成分AYは、この回転に対して中立的である。X軸方向の振動成分AXに応じて、振動子にコリオリ力が作用する。この結果、環状振動系19のうち、X方向の駆動振動成分AXの振幅が大きかった領域に、EZで示すZ軸方向の振動成分が励振される。これに応じて、第二の環状振動系24と外側の環状振動系34には、それぞれ、Z軸方向の検出振動成分FZが励振される。
【0085】
そして、例えば内側の第二の環状振動系24において、Z軸を中心とする回転成分の角速度を検出し、外側の環状振動系34において、X軸および/またはY軸を中心とする回転成分の角速度を検出する。
【0086】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、感度が高く、S/N比が良好な、新しい原理に基づく振動型ジャイロスコープおよび振動子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、振動子1Aを示す斜視図であり、(b)は、振動子1Aの駆動振動1Bを示す正面図である。
【図2】振動子1Aの検出振動1Cを示す正面図である。
【図3】振動子11Aの駆動振動の状態を示す斜視図である。
【図4】振動子11Aの検出振動11Bを示す斜視図である。
【図5】振動子21Aを示す斜視図である。
【図6】(a)は、振動子21Aの駆動振動21Bを示す正面図であり、(b)は、振動子21Aの検出振動21Cを示す正面図である。
【図7】(a)は、振動子21Aの検出振動21Dを示す斜視図であり、(b)は検出振動21Dの上面図である。
【図8】(a)は、振動子31Aを示す斜視図であり、(b)は、振動子31Aの駆動振動31Bを示す正面図である。
【図9】(a)は、振動子31Aの検出振動31Cを示す斜視図であり、(b)は検出振動31Cの上面図である。
【図10】振動子41およびその駆動振動を示す正面図である。
【図11】振動子41をZ軸を中心として回転させたときの検出振動を示す正面図である。
【図12】振動子41をY軸を中心として回転させたときの検出振動を示す正面図である。
【図13】振動子51およびその動作状態を説明するための正面図である。
【図14】振動子61およびその動作状態を説明するための正面図である。
【図15】振動子71およびその駆動振動を示す正面図である。
【図16】振動子71をZ軸を中心として回転させたときの検出振動を示す正面図である。
【図17】振動子71をY軸を中心として回転させたときの検出振動を示す正面図である。
【図18】振動子81およびその動作状態を説明するための正面図である。
【図19】振動子91およびその動作状態を説明するための正面図である。
【図20】振動子101およびその動作状態を説明するための正面図である。
【符号の説明】
1A、11A、21A、31A、41、51、61、71、81、91、101 振動子,1B、11B、21A、31B 駆動振動,1C、11B、21C、31C 検出振動,2、12、19、22、42 環状振動系,3A 基部,4A−4J 連結部,5A、5B、5C、5D、5E、5F、5G、5H 基部から突出する屈曲振動片,14 平板状振動系(円盤状振動体),15A、15B、15C、15D 環状振動系から重心GOの方へと向かって延びる屈曲振動片,15E、15F、15G、15H 環状振動系から外側へと向かって延びる屈曲振動片,24 平板状振動系(円環形状の振動体),34 外側環状振動系,AX 駆動振動のうちX軸方向の振動成分,AY 駆動振動のうちY軸方向の振動成分,BX Z軸を中心とする回転成分によって駆動振動系に引き起こされた振動のX軸方向の成分,BY Z軸を中心とする回転成分によって駆動振動系に引き起こされた振動のY軸方向の成分,CX Z軸を中心とする回転成分による検出振動のうちX軸方向の成分,CY Z軸を中心とする回転成分による検出振動のうちY軸方向の成分,EZ Y軸を中心とする回転成分によって駆動振動系に引き起こされた振動のZ軸方向の成分,FZ Y軸を中心とする回転成分によって検出振動系に引き起こされた振動のZ軸方向の成分,O 回転中心,GD 駆動振動の重心,GO 振動子の全体の重心

Claims (14)

  1. 環状振動系とその内側の基部とが連結部により連結され、さらに基部より環状振動系に向かって突出する他の振動系を備えていることを特徴とする、振動子。
  2. 前記環状振動系と前記他の振動系とが、所定面内に延びていることを特徴とする、請求項1記載の振動子。
  3. 前記他の振動系が、前記振動子の重心から見たときに前記基部の外周縁部から前記環状振動系に向かって延びている屈曲振動片を備える内側振動系であることを特徴とする、請求項記載の振動子。
  4. 前記内側振動系が平板状振動系からなることを特徴とする、請求項3記載の振動子。
  5. 前記屈曲振動片が、前記振動子の重心を中心として互いに回転対称の位置に設けられていることを特徴とする、請求項記載の振動子。
  6. 前記環状振動系の振動の全体の重心が、前記振動子の重心の近傍領域内にあることを特徴とする、請求項1記載の振動子。
  7. 回転系の回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコープであって、請求項1−のいずれか一つの請求項に記載の振動子と、この振動子に対して駆動振動を励振する励振手段であって、前記環状振動系と前記他の振動系との一方に設けられている励振手段と、前記振動子の回転によって前記振動子に発生した検出振動を検出する検出手段であって、前記環状振動系と前記他の振動系との他方に設けられている検出手段とを備えていることを特徴とする、振動型ジャイロスコープ。
  8. 回転系の回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコープであって、請求項または記載の振動子と、この振動子に対して駆動振動を励振する励振手段であって、前記環状振動系と前記内側振動系の前記屈曲振動片との一方に設けられている励振手段と、前記振動子の回転によって前記振動子に発生した検出振動を検出する検出手段であって、前記環状振動系と前記屈曲振動片との他方に設けられている検出手段とを備えていることを特徴とする、振動型ジャイロスコープ。
  9. 回転系の回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコープであって、請求項記載の振動子と、この振動子に対して駆動振動を励振する励振手段であって、前記環状振動系と前記平板状振動系との一方に設けられている励振手段と、前記振動子の回転によって前記振動子に発生した検出振動を検出する検出手段であって、前記環状振動系と前記平板状振動系との他方に設けられている検出手段とを備えていることを特徴とする、振動型ジャイロスコープ。
  10. 前記環状振動系と前記他の振動系とが所定面内に延びており、前記振動型ジャイロスコープが、前記所定面に対して垂直な回転軸を中心とする回転の回転角速度を検出するものであり、前記所定面に対して垂直な回転軸を中心とする回転に応じて前記振動子に加わるコリオリ力によって励起される検出振動のうち、前記所定面内の面内振動成分を検出することを特徴とする、請求項のいずれか一つの請求項に記載の振動型ジャイロスコープ。
  11. 請求項1−のいずれか一つの請求項に記載の振動子を用いて回転系の回転角速度を検出する方法であって、前記環状振動系と前記他の振動系との一方に励振手段を設け、前記環状振動系と前記他の振動系との他方に検出手段を設け、前記励振手段によって前記振動子に駆動振動を励振し、前記振動子の回転によって前記振動子に発生した検出振動を、前記検出手段によって検出することを特徴とする、回転角速度の検出方法。
  12. 請求項2−のいずれか一つの請求項に記載の振動子を用いて、前記所定面に対して垂直な回転軸を中心とする回転の回転角速度を検出する方法であって、前記所定面に対して垂直な回転軸を中心とする回転に応じて前記振動子に加わるコリオリ力によって励起される検出振動のうち、前記所定面内の面内振動成分を検出することを特徴とする、回転角速度の測定方法。
  13. 請求項2−のいずれか一つの請求項に記載の振動子を用いて、前記所定面に対して垂直な回転軸を中心とする回転の回転角速度と、前記所定面に対して平行な回転軸を中心とする回転の回転角速度とを検出する方法であって、前記所定面内に対して垂直な回転軸を中心とする回転に応じて前記振動子に加わるコリオリ力によって励起される検出振動から、前記所定面内の面内振動成分を検出し、かつ前記所定面に対して垂直な面垂直振動成分を検出することを特徴とする、回転角速度の測定方法。
  14. 直線加速度を検出するための直線加速度計であって、請求項1−のいずれか一つの請求項に記載の振動子と、この振動子に直線加速度が加わったときに前記振動子に加わるニュートンの力による前記振動子の変形を検出するための検出手段とを備えることを特徴とする、直線加速度計。
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