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JP3966704B2 - 静電アクチュエータ、静電アクチュエータの駆動方法及びこれを用いたカメラモジュール - Google Patents

静電アクチュエータ、静電アクチュエータの駆動方法及びこれを用いたカメラモジュール Download PDF

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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
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    • H02N1/002Electrostatic motors
    • H02N1/004Electrostatic motors in which a body is moved along a path due to interaction with an electric field travelling along the path

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  • Lens Barrels (AREA)
  • Micromachines (AREA)
  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電アクチュエータ、静電アクチュエータの駆動方法及びこれを用いたカメラモジュールに関し、特に、静電気力で駆動され、組み立てが容易で動作の円滑性、安定性、確実性が改善された静電アクチュエータ、静電アクチュエータの駆動方法及びこれを用いたカメラモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
超小型カメラの焦点調節などに用いるため、小型、正確且つ安価な直線駆動機構が要求されている。このような用途に答えるものとして、例えば、特開平8−140367号公報に静電アクチュエータが開示されている。
図27は、従来の静電アクチュエータの構成を表す模式図である。
【0003】
すなわち、同図の静電アクチュエータ101は、可動子102と、それを上下より挟み込む2つの固定子103a、103bより構成されている。固定子103a、103bのそれぞれには、2系統ずつの電極が配されており、上下一組の固定子で、合計4系統の電極A〜Dを持つ。
【0004】
ここで、固定子103a、103bに設けたそれぞれの電極A〜Dおよび可動子102の電極部104のピッチと電極幅はそれぞれ同一である。ただし、固定子103a、103bにおいては、2系統の電極(例えばAとC)が、それぞれ順番に交互に現れるように電極が組み合わされている。加えて、上下一組の固定子の電極(例えばAとB)は、上下でちょうどその配列パターンの位相が1/2ずれるように配されている。
【0005】
今、電極Aに高電圧を印加すると、電極Aと可動子102の電極部104に設けられた電極Eとの間に作用する静電力(クーロンカ)により、可動子は上側固定子103aに(電極Aと電極Eが重なりあう位置に)吸引される。続いて、高電圧を印加する電極を電極Bに切り換えると、可動子102は下側固定子103bに(電極Bと電極Eが重なり合う位置に)吸引される。このように高電圧を印加する電極を電極A→電極B→電極C→電極Dと順次切り換えていくと、可動子102は微視的には上下振動をしながら、巨視的には図中の右側(1自由度)に駆動される。
【0006】
電極に高電圧を加える順番を逆にして、電極A→電極D→電極C→電極Bとすれば、可動子は図中の左側への駆動される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この駆動を実現するためには、上下2枚の固定子103a、103b同士の電極配列パターンの位相を精度良くコントロールする必要と、可動子102の対向する2面に精度良く電極を製作する必要があった。そのため、組立に時間と手間とを要し、よってコストが高く量産を実現する上での課題となっていた。
【0008】
またさらに、この静電アクチュエータの場合、可動子103の上下2枚の固定子103a、103bの間で比較的大きな上下振動を繰り返しながら1ピッチずつ横方向に移動するため、微視的に見た時の動作は円滑とはいえず、その機構や動作方法には改善の余地があった。
【0009】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものである。すなわち、その目的は、組み立てが簡単で量産性に優れ、バラツキのない円滑且つ安定した動作と高い信頼性とを両立した静電アクチュエータ、静電アクチュエータの駆動方法及びこれを用いたカメラモジュールを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の静電アクチュエータは、所定方向に沿って少なくとも3系統の駆動電極が順番に現れるように前記駆動電極を周期的に配置してなる第1電極を有する第1の固定子と、この第1の固定子と対向して設けられ、前記所定方向に延設された第2電極を有する第2の固定子と、前記第1の固定子と前記第2の固定子との間に設けられた可動子と、前記駆動電極と前記可動子との間に電位差を生じさせる第1の電圧を、前記所定方向に沿って前記系統ごとに順次切り替えて印加するとともに、前記第2電極と前記可動子との間に電位差を生じさせる第2の電圧を、前記第1の電圧が印加されている状態において断続的に印加することにより、前記可動子を前記所定方向に駆動させるスイッチング回路と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
前記構成によれば、可動子を第1電極の側にほぼ吸着させた状態のまま駆動させることが可能となり、上下振動を抑止して、吸引力が強く安定した状態で円滑且つ確実な動作を実現できる。
【0012】
ここで、前記第1の電圧を印加することにより前記駆動電極と前記可動子との間に生ずる電位差は、前記第2の電圧を印加することにより前記第2電極と前記可動子との間に生ずる電位差よりも大きいものとすれば、可動子を第1電極の側に吸着させた状態を確実に維持することができる。
【0013】
または、前記駆動電極に前記第1の電圧が印加され且つ前記第2電極に前記第2の電圧が印加されている状態において、前記第1の電圧が印加されている駆動電極と前記可動子との対向部の面積は、前記第2電極と前記可動子との対向部の面積よりも大きいものとしても、可動子を第1電極の側に吸着させた状態を確実に維持することができる。
【0014】
また、前記スイッチング回路は、前記第2の電圧を印加している時に、前記第1の電圧が印加されていない前記系統の前記駆動電極と前記可動子との間に電位差を生じさせる前記第1の電圧とは極性が反対の電圧を印加するものとすれば、第1電極の表面に設けられる誘電体膜の残留分極による影響を排除することができる。
【0015】
または、前記スイッチング回路は、前記第1電極のそれぞれの系統の駆動電極の電位が前記可動子の電位よりも高い状態と、前記それぞれの系統の駆動電極の電位が前記可動子の電位よりも低い状態と、を繰り返すように電圧を印加するものとしても、第1電極の表面に設けられる誘電体膜の残留分極による影響を排除することができる。
【0016】
または、本発明の静電アクチュエータは、所定方向に沿って少なくとも3系統の駆動電極が順番に現れるように前記駆動電極を周期的に配置してなる第1電極を有する第1の固定子と、この第1の固定子と対向して設けられ、前記所定方向に延設された第2電極と、前記第2電極と略並列して前記所定方向に延設された第3電極とを有する第2の固定子と、前記第1の固定子と前記第2の固定子との間に設けられた第1の可動子と、前記第1の固定子と前記第2の固定子との間に設けられた第2の可動子と、前記駆動電極と前記第1の可動子との間に電位差を生じさせる第1の電圧を、前記所定方向に沿って前記系統ごとに順次切り替えて印加するとともに、前記第2電極と前記第1の可動子との間に電位差を生じさせる第2の電圧を、前記第1の電圧が印加されている状態において断続的に印加することにより、前記第1の可動子を前記所定方向に駆動させ、前記駆動電極と前記第2の可動子との間に電位差を生じさせる第1の電圧を、前記所定方向に沿って前記系統ごとに順次切り替えて印加するとともに、前記第3電極と前記第2の可動子との間に電位差を生じさせる第2の電圧を、前記第1の電圧が印加されている状態において断続的に印加することにより、前記第2の可動子を前記所定方向に駆動させるスイッチング回路と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、2つの可動子をそれぞれ独立して第1電極の側にほぼ吸着させた状態のまま駆動させることが可能となり、上下振動を抑止して、吸引力が強く安定した状態で円滑且つ確実な動作をさせることが可能となり、カメラのズーム光学系などに用いて好適である。
【0018】
ここで、前記第2の電圧の印加により前記第2電極と前記第1の可動子との間に生ずる電位差よりも大きい電位差を生じさせる第3の電圧を前記第2電極に印加することにより前記第1の可動子の一方を保持固定した状態で、前記第2の可動子を駆動可能とする保持回路をさらに備えたものとすれば、一方の可動子を確実に固定した状態で他方の可動子を駆動させることができる。
【0019】
また、少なくとも隣接する2つの前記系統の駆動電極と前記可動子との間に電位差を生じさせるように前記第1の電圧を印加するものとすれば、やはり同時に複数の駆動電極により吸引させることによりさらに円滑な動作が可能となる。
【0020】
また、前記スイッチング回路が前記第1の電圧を印加するパルス時間幅は、前記第2の電圧を前記第2電極に印加するパルス時間幅よりも長いものとすれば、上下の電極に対して同時に電圧をオン、オフすることによるチャタリングあるいはリップルを抑止することができる。
【0021】
また、前記スイッチング回路は、前記第2の電圧の印加を開始するよりも前に、前記第1の電圧の印加を開始し、前記第2の電圧の印加を停止した後に、前記第1の電圧の印加を停止することによっても、上下の電極に対して同時に電圧をオン、オフすることによるチャタリングあるいはリップルを抑止することができる。
【0022】
また、前記第1の固定子と前記可動子との間に設けられたストッパをさらに備え、前記ストッパにより前記第1電極と前記可動子との最短距離が決定されてなるものとすれば、加工精度などによるバラツキに対応して確実な動作を保証することができる。
【0023】
一方、本発明の静電アクチュエータの駆動方法は、所定方向に沿って少なくとも3系統の駆動電極が順番に現れるように前記駆動電極を周期的に配置してなる第1電極を有する第1の固定子と、この第1の固定子と対向して設けられ、前記所定方向に延設された第2電極を有する第2の固定子と、前記第1の固定子と前記第2の固定子との間に設けられた可動子と、を有する静電アクチュエータの駆動方法であって、
前記駆動電極と前記可動子との間に電位差を生じさせる第1の電圧を、前記所定方向に沿って前記系統ごとに順次切り替えて印加するとともに、前記第2電極と前記可動子との間に電位差を生じさせる第2の電圧を、前記第1の電圧が印加されている状態において断続的に印加することにより、前記可動子を前記所定方向に駆動させることを特徴とする。
【0024】
上記構成によれば、可動子を第1電極の側にほぼ吸着させた状態のまま駆動させることが可能となり、上下振動を抑止して、吸引力が強く安定した状態で円滑且つ確実な動作を実現できる。
【0025】
また一方、本発明のカメラモジュールは、撮像素子と、上記のいずれかの静電アクチュエータと、前記静電アクチュエータの前記可動子に設けられ前記撮像素子に光学的情報を入力するレンズと、を備えたことを特徴とする。
【0026】
上記構成によれば、小型で高性能のカメラモジュールを安価に提供することが可能となる。
【0027】
以下、本発明の実施の形態を説明するに先立って、まず、その基本となる静電アクチュエータについて説明する。
【0028】
図24は、本発明の基本となる静電アクチュエータの概略構成を表す模式図である。
【0029】
この静電アクチュエータにおいては、互いに対向して第1の固定子2a及び第2の固定子2bが配置され、その間に矢印24に示す方向に沿ってスライド可能に可動子3が配置されている。
【0030】
第1の固定子2aには、4系統の電極A〜Dが設けられ、第2の固定子2bには、その表面に一様な1系統の電極Eが設けられている。4系統の電極A〜Dは、図示した如く、ストライプ状に配列され、可動子3の進行方向に沿った見ると順番に表れるように配置されている。そして、電極の系統毎に、スイッチング回路140によって電圧源142から所定の駆動電圧を印加される。
【0031】
図25は、スイッチング回路140により各電極に印加される電圧波形を表すタイミングチャートである。
【0032】
すなわち、始めに、可動子電極部3aの電極Fが図25(f)に示すようにローレベルの電位Lに維持され、図25(a)及び(b)示すように電極A、Bに電圧が印加される。従って、電極A、Bと可動子電極部3aとの間の静電力によって可動子電極部3aが電極A、Bに引き寄せられるように可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。続いて、図25(e)に示されるようにスイッチング回路140によって電極A、Bから電極Eに切り換えられて電圧が電極Eに印加され、可動子3は、第3の電極A、Bから離れて第2の固定子2b側に吸引される。
【0033】
その後、スイッチング回路140によって電極Eから固定子電極B、Cに切り換えられ、図25(b)及び(c)に示されるように固定子電極B、Cに電圧が印加され、電極B、Cと可動子3aとの間の静電力によって、可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。続いて、スイッチング回路140によって固定子電極B、Cから電極Eに切り換えられて図25(e)に示されるように電圧が電極Eに印加され、可動子3は、電極B、Cから離れて第2の固定子2b側に吸引される。
【0034】
その後、スイッチング回路140によって電極Eから電極C、Dに切り換えられ、図25(c)及び(d)に示されるように電極C、Dに電圧が印加され、電極C、Dと第1の可動子電極部3aとの間の静電力によって、可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。続いて、スイッチング回路140によって電極C、Dから電極Eに切り換えられて図25(e)に示されるように電圧が電極Eに印加され、可動子3は、固定子電極Bから離れて第2の固定子2b側に吸引される。
【0035】
更に、スイッチング回路140によって電極Eから電極D、Aに切り換えられ図25(d)及び(a)に示されるように電極D、Aに電圧が印加され、電極D、Aと可動子電極部3aとの間の静電力によって、可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。続いて、スイッチング回路140によって固定子電極D、Aから電極Eに切り換えられて図25(e)に示されるように電圧が電極Eに印加され可動子3は、固定子電極D、Aから離れて第2の固定子2b側に吸引される。
【0036】
以上説明した動作を繰り返すことにより、可動子3は、微視的には上下振動をしながら、巨視的には第1の固定子2aに配列された電極の配列方向に駆動される。
【0037】
以上説明したように、図24の静電アクチュエータの場合、固定子2bには一様な一系統の電極Dが設けらているのみで直線駆動を実現している。従って、図27に表した従来の静電アクチュエータのように、ストライプ状の電極が形成された上下2枚の固定子103a、103bにおける電極配列パターンの位相を精度良くコントロールする必要がない。つまり、一対の固定子2a、2bの位置関係をそれほど精密に調節する必要がないため、組立に要する時間と手間を減らし、コストを下げ、量産性を大幅に改善することができる。
【0038】
ところで、図24に表した静電アクチュエータの場合、第1の固定子2aと第2の固定子2bとの間で交互に電圧を印加するために、可動子3は、上下に振動しながら横方向に動くこととなる。
【0039】
図26は、図24に表した静電アクチュエータにおける可動子の動きを測定した結果を表すグラフ図である。すなわち、同図の横軸は時間、左側の縦軸はそれぞれの電極に印加される電圧、右側の縦軸は可動子3の変位量を表す。また、グラフ中の下側の矩形状のプロットは電極に対する印加電圧の波形、上側の矩形状のプロットは可動子3の上下方向の変位量、左下から右上に延びるプロットは可動子3の進行方向(横方向)の変位量をそれぞれ表す。
【0040】
なお、図26においては、上下方向の変位量に対して横方向の変位量を1/10に縮小してプロットしている。つまり、縦軸の上で同一目盛りの横方向の変位量は、縦方向の変位量の10倍となる。
【0041】
図26からも分かるように、電極に対する印加電圧の切換える度に、可動子3は上下方向に振動しながら、進行方向(左右方向)に少しずつ移動している。この上下方向の振動量は、可動子3とその上下の固定子2a、2bとの間隔に対応し、横方向の1ピッチ分の移動量よりもはるかに大きい。つまり、可動子3は、上下方向に比較的大きく振動しながら、横方向に少しずつ移動している。しかも、その上下方向の振動量は、可動子3とその上下の固定子2a、2bとの間隔により決定され、製造誤差などに応じて変動する可能性がある。
【0042】
可動子3と固定子2a、2bとの間に働くクーロン力は、距離の2乗に反比例するので、両者の距離が常に変動するということは、吸引力も常に変動することになり、移動動作のための発生力が不安定になりやすい。
【0043】
本発明者は、かかる点を改善することにより、可動子の動作の円滑性と安定性を向上させて、さらに完成度の高い静電アクチュエータを発明した。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0045】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態にかかる静電アクチュエータの概略構成を表す模式図である。同図については、図24乃至図25に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付した。
【0046】
本実施の形態の静電アクチュエータにおいても、互いに対向して第1の固定子2a及び第2の固定子2bが配置され、その間に矢印24に示す方向に沿ってスライド可能に可動子3が配置されている。
【0047】
ここで、第1及び第2の固定子2a、2bは、平板状であっても良く、或いは、半円筒板状であっても良い。第1及び第2の固定子2a、2bが平板状である場合には、可動子3は、これらとの対向面がほぼ平坦な面を有するブロック体あるいは中空ブロックに形成され、第1及び第2の固定子2a、2bが半円筒板状である場合には、可動子3は、第1及び第2の固定子2a、2bの形状に対応して円柱体あるいは中空シリンダーに形成される。
【0048】
図2は、第1の固定子2aにおける電極A〜Dの配列を例示する平面図である。
【0049】
同図にも表したように、第1の固定子2aには、4系統の電極A〜Dが設けられ、第2の固定子2bには、その表面に一様な1系統の電極Eが設けられている。4系統の電極A〜Dは、図示した如く、ストライプ状の「駆動電極」として配列され、これら駆動電極が可動子3の進行方向に沿った見た時に順番に表れるように配置されている。そして、電極の系統毎に、スイッチング回路40によって電圧源42から所定の駆動電圧を印加される。
【0050】
図2に表したように、これら4系統の電極A〜Dは、順次切り替えて電圧を印加することにより、可動子を所定方向へ移動させるために用いられるものであるから、以下、これら電極A〜Dを「駆動電極」と称する。また、これに対して、第2の固定子2bに設けられた一様な1系統の電極Eを「下部電極」と称することとする。なお、この下部電極は、1系統であれば単一であっても、複数であってもかまわない。
【0051】
なお、図2における符号10は、可動子3と駆動電極との間隔を規定するストッパを表す。この点に関しては、後に詳述する。
【0052】
図3は、本発明の静電アクチュエータにおいてスイッチング回路40により各電極に印加される電圧波形を例示するタイミングチャートである。
【0053】
このタイミングの特徴を一言で表現すると、「下部電極に電圧を印加する際に、駆動電極のいずれかにも同時に電圧を印加する」ということである。このようなタイミングで電圧を印加すると、可動子3を、第1の固定子2aにほぼ吸着した状態のまま、横方向に移動させることができる。
【0054】
図3に例示したタイミングについて以下に説明すると、まず始めに、可動子3の電極Fが図3(f)に示すようにローレベルの電位に維持され、図3(a)及び(b)示すように駆動電極A、Bに電圧が印加される。従って、駆動電極A、Bと可動子3との間の静電力によって可動子3が電極A、Bに引き寄せられるように可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。
【0055】
続いて、次のタイミングには、駆動電極Aの電圧がローレベルにされ、下部電極Eの電圧がハイレベルにされる。この際に、駆動電極Bの電圧はハイレベルに維持される。従って、可動子3は、駆動電極が形成された第1の固定子2aの側に引き寄せられたまま、下部電極Eからも吸引されて、第1の固定子2aから僅かに浮いた状態となり、駆動電極Bに向けて横方向にずれる。つまり、駆動電極Bは、可動子3が下部電極Eに吸着されることを防ぐための「アシスト電極」として作用する。
【0056】
次に、駆動電極Bの電圧をハイレベルに維持したまま、駆動電極Cの電圧をハイレベルに遷移させ、下部電極Eの電圧をローレベルにする。すると、可動子は第1の固定子2aの側に引き寄せられつつ、駆動電極Cに向けて横方向にずれる。
【0057】
次に、駆動電極Cの電圧をハイレベルに維持したまま、駆動電極Bの電圧をろーレベルに遷移させ、下部電極Eの電圧をハイレベルにする。すると、やはり可動子3は、駆動電極の側に引き寄せられたまま、下部電極Eからも吸引されて、第1の固定子2aから僅かに浮いた状態となり、駆動電極Cに向けて横方向にずれる。つまり、駆動電極Cが「アシスト電極」として作用する。
【0058】
以下、同様の手順により駆動電極C、D、Aに順番に電圧を印加することにより、1サイクルが終了する。このようなサイクルを横方向に並んだ一連の駆動電極A〜Dに繰り返すことにより、可動子3は、第1の固定子2aにほぼ吸着した状態のまま、横方向に駆動される。
【0059】
つまり、本発明によれば、下部電極Eに電圧を印加する際に、駆動電極A〜Dのいずれかに同時に電圧を印加することにより「アシスト電極」として作用させ、可動子3の上下振動を抑えて、駆動電極の側にほぼ吸着させたままスムーズに駆動させることが可能となる。
【0060】
図4は、本発明の静電アクチュエータにおいてスイッチング回路40により各電極に印加される電圧波形を例示するタイミングチャートの変型例である。本タイミングチャートの場合、隣接する電極、例えばA系統とB系統の電極の間で電圧のオンオフを4回ずつ繰り返す。そして、それぞれのオンオフに合わせて下部電極Eにも電圧を印加する。電極Aと電極Bとの間でオンオフを4回繰り返した後は、電極Bと電極Cとの間でオンオフを4回繰り返し、以降、電極Cと電極D、電極Dと電極A・・・というように続ける。
【0061】
このように隣接する電極間でのオンオフを繰り返すことにより、可動子の移動をより確実に実行させることができる。なお、隣接電極間のオンオフの回数は図示した4回に限定されるものではなく、用途に応じて適宜決定することができ、4回より少なくても多くてもよい。
【0062】
図5は、図4に表したタイミングにより静電アクチュエータを駆動させた場合の可動子の動きを測定した結果を表すグラフ図である。すなわち、同図の横軸は時間、左側の縦軸はそれぞれの電極に印加される電圧、右側の縦軸は可動子3の変位量を表す。また、グラフ中の下側の矩形状のプロットPは電極に対する印加電圧の波形、上側のプロットVは可動子3の上下方向の変位量、左下から右上に延びるプロットHは可動子3の進行方向(横方向)の変位量をそれぞれ表す。
【0063】
なお、図5においては、上下方向の変位量に対して横方向の変位量を1/10に縮小してプロットしている。つまり、縦軸の上で同一目盛りの横方向の変位量は、縦方向の変位量の10倍となる。
【0064】
図5を見ると、可動子3は、最初のタイミングで駆動電極側に吸引された後は、ほぼその状態を維持しつつ横方向に移動していることが分かる。駆動電極と下部電極とに交互に電圧を印加すると、図26に表したように可動子3は上下に振動しながら横方向に移動する。
【0065】
これに対して、本発明によれば、下部電極と同時に駆動電極にも電圧を印加することにより、図5に表したように、可動子3を駆動電極の側にほぼ吸着させた状態のまま、横方向にスムーズに駆動することが可能となる。その結果として、不要な上下振動を抑制でき、さらに、可動子3と固定子2aのギャップが小さくなったのと同様の効果が得られ、発生力の向上が実現できる。つまり、駆動電極A〜Dと可動子3との間隔を常にほぼ最小の値に維持できるので、可動子3に対して、強く且つ安定した吸引力すなわちクーロン力を作用させることができる。
【0066】
また、図5に表した具体例の場合、隣接する駆動電極の間で4回のオンオフを繰り返しているが、その1回目のオンオフにより可動子3が横方向に移動しており、残りの3回のオンオフ時には、可動子3は殆ど移動していないことが分かる。これは、隣接する駆動電極(例えば電極Aと電極B)の間での1回目のオンオフによって可動子3はこれら駆動電極間における平衡位置に移動しているからである。これに対して、可動子3に摩擦力や何らかの外乱が作用して、1回目のオンオフの際に平衡位置に達しないような場合には、2回目以降のオンオフによって可動子が平衡位置まで達する場合もあると考えられる。
【0067】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態として、駆動電極と下部電極とに印加する電圧のバランスを調節した静電アクチュエータについて説明する。
【0068】
すなわち、本発明者は、本発明の第1実施形態の静電アクチュエータに関してさらに検討を進め、固定子2aと可動子3とのギャップや電極に印加する電圧などについて定量的な知見を得た。
【0069】
以下まず、本実施形態において前提となる機構部の構造について簡単に説明する。
【0070】
図6は、本発明の静電アクチュエータの機構部を模式的に表す断面図である。すなわち、駆動電極A〜Dと下部電極Eの表面は、それぞれ保護膜4により覆われて保護されている。保護膜4は、絶縁性の材料からなり、例えば、酸化シリコンや窒化シリコンなどの無機材料、あるいはポリイミドなどの有機材料を用いることができる。
【0071】
そして、これら保護膜4と可動子3とが直接に接触しないように、ストッパ10が設けられている。例えば、図7に表したように、上下の固定子2a、2bの表面にストッパ10を設けて、可動子3とストッパ10とが摺動するようにすれば、可動子3と保護膜4とが接触するのを防ぐことができる。また、図8に表したように、接触を防ぐためのストッパ10は、可動子3の側に設けてよい。
【0072】
さて、図6に戻って説明を続けると、同図には、これらストッパの高さやギャップの具体的な数値を併せて表した。すなわち、ストッパ10の高さSは、例えば、4.5ミクロン程度とすることができる。また、上下のストッパの間で可動子3が動き得る振幅値Vは、例えば4.0ミクロン程度に設定することができる。
【0073】
さらに、同図は、可動子3が駆動電極A〜Dの側に吸着された状態を表しているので、この状態での可動子3と駆動電極A〜Dとの間の距離は、電極間距離としては最小値をとる。この電極間距離(最小値)G1は、例えば4.0ミクロン程度である。つまり、駆動電極A〜Dの高さは、0.5ミクロン前後である。またこの場合、可動子3と下部電極Eとの間隔は、電極間距離としては、最大値をとる。この電極間距離(最大値)G2は、8.0ミクロン程度となる。
【0074】
一方、横方向に見た時に、例えば、駆動電極Aを中心として可動子3の突出部3aを置いた場合、その突出部3aと電極Bとの重なり量OLが約6.0ミクロン程度となるように、突出部3aの長さと駆動電極A〜Dの配列ピッチを決定することができる。
【0075】
図9は、印加電圧が150Vの時の、可動子3に働く吸引力と電極間距離との関係を表すグラフ図である。すなわち、同図の横軸は可動子3と駆動電極A〜Dとの間の電極間距離を表し、縦軸は可動子3に働く吸引力を表す。また図9のグラフ図においては、図6に表した電極間距離(最大値)G2を8ミクロンに固定し、ストッパ高さSを変化させることにより、可動子3と駆動電極A〜Dとの間の距離を変化させた場合を表した。
【0076】
またここでは、図6に表したように、可動子3が駆動電極A〜Dの側に吸着された状態を想定している。従って、図9の横軸に表した可動子3と駆動電極A〜Dとの距離は、図6に表した電極間距離(最小値)G1に相当する。そして、その値は、ストッパ高さSから、用いている電極A〜Dの厚み分を差し引いた値と等しい。
【0077】
ここで、可動子3と駆動電極A〜Dあるいは下部電極Eとの間Iに発生する力は、次式により表される。
【0078】
【数1】
Figure 0003966704
ここで、εは誘電率(真空中における値は8.85×10−12 F/m)であり、Sは電極面積、Vは印加電圧、dは電極間距離(ギャップ)をそれぞれ表す。
【0079】
可動子3と電極A〜E間の距離が動作の過程で変化すると、電極間に発生する出力値にリップルが生ずる。電極間距離(最大値)G2の値は、その出力値リップルの最小値に影響するため、その値を大きくすると、出力値(ミニマム値)が減少する。そのため、電極間距離(最大値)G2を固定して、ストッパ高さSを変えた場合の、可動子3に対する吸引力の関係を表したものが図9である。
【0080】
図9を見ると、電極間距離(最小値)G1が3.5ミクロンよりも小さい場合には、駆動電極A〜Dから可動子3への吸引力のほうが下部電極Eから可動子3への吸引力よりも高いが、電極間距離G1が3.5ミクロンを超えると、その関係は逆転し、下部電極Eからの吸引力のほうが大きくなる。
【0081】
つまり、可動子3が駆動電極A〜Dにほぼ常に吸引されながら駆動されるためには、電極間距離(最小値)G1が3.5ミクロン以下でなければならない。これは、ストッパ高さSの上限が約4.0ミクロンとなることを意味する。
【0082】
可動子3に対する吸引力だけを考えれば、ストッパ高さSを低くすることが望ましい。しかし、現実には、ストッパ高さSを低くすると、可動子3が保護膜4と接触することによる劣化や故障の危険性が増大する。また、電極間距離(最小値)G1が小さくなると電界強度が高くなるため、保護膜4の放電破壊による劣化や故障の危険性も増大する。保護膜4が傷ついた場合には、放電破壊の危険性はさらに増大するので、保護膜4の損傷と放電破壊の発生が相乗しうる状況では、劣化や故障の可能性はさらに高くなる。各種の用途において実用化するための信頼性を考えた場合、この点は重要である。
【0083】
従って、静電アクチュエータが利用される用途に応じて、十分な信頼性を確保しつつできるだけ高い吸引力が得られるように、適用先からの仕様に応じて適切に構造パラメータ及び駆動条件を決定することが非常に重要となる。
【0084】
図10乃至図12を参照しつつ、その手順の一例について説明する。
【0085】
図10は、ストッパ高さSを3.5ミクロンとした時の、印加電圧に対する駆動電極−可動子、下部電極−可動子間の吸引力の関係を表すグラフ図である。すなわち、同図は、図6に例示したサイズパラメータを採用し、ストッパの高さSを3.5ミクロンとした場合を表す。従って、同図の場合、電極間距離(最小値)G1は3.0ミクロンとなる。
【0086】
このストッパ高さにおいては、印加電圧を100ボルト乃至200ボルトの範囲において、常に駆動電極A〜Dから可動子3に対する吸引力のほうが、下部電極Eから可動子3に対する吸引力よりも大きい。つまり、可動子3は、常に駆動電極A〜Dの側に吸引された状態で駆動される。装置の信頼性や構成部品の加工精度からこのストッパ高さSが許容される場合においては、この高さのストッパを採用することで問題は生じない。例えば、ストッパ10の加工精度から想定される高さのバラツキの範囲内においては可動子3が保護膜4に接触しない場合には、このストッパ高さを採用することができる。
【0087】
一方、図11は、ストッパ高さSを4.0ミクロンとした時の、印加電圧に対する駆動電極−可動子、下部電極−可動子間の吸引力の関係を表すグラフ図である。同図から、ストッパ高さSが4.0ミクロンの場合では、駆動電極−可動子間、下部電極−可動子間の吸引力がほぼ拮抗しており、不安定な状態であることが分かる。
【0088】
つまり、この条件においては、可動子3は、常に駆動電極A〜Dの側に吸着されるとは限らず、場合によっては下部電極Eの側に吸着されて上下に振動する可能性がある。
【0089】
また、図12は、ストッパ高さSを4.5ミクロンとした時の、印加電圧に対する駆動電極−可動子、下部電極−可動子間の吸引力の関係を表すグラフ図である。同図から、ストッパ高さSを4.5ミクロンとすると、駆動電極−可動子間、下部電極−可動子間の吸引力の関係は逆転することが分かる。
【0090】
つまり、アシスト付きの駆動波形を与えても、可動子3は電圧指令値に従い各タイミング毎に上下に振動することになることが分かる。これでは、安定した十分な駆動力の向上が期待できない。
【0091】
しかし一方で、部品の加工精度や信頼性の観点などから、図11や図12のようにストッパ高さSを高めに設定したい場合もありうる。そこで、本発明においては、このような場合に、下部電極Eの印加電圧を調節することによって動作を安定化させる。
【0092】
この方法について、図12の具体例を参照しつつ以下に説明する。
【0093】
例えば、駆動電極A〜Dに印加する電圧を150ボルトに設定したとする。この場合には、この条件において駆動電極A〜Dから発生する吸引力よりも下部電極Eからの吸引力のほうが小さくなるように、下部電極Eの印加電圧を調節する。
【0094】
具体的には、まず、150ボルトにおける駆動電極−可動子間の吸引力を調べる。同図の場合、これは約12.5mNである。次に、その吸引力と同等の力を発生するのに必要とされる下部電極の電圧値を調べる。図12においては、これは約130ボルトである。このようにして求めた電圧あるいはそれ以下の電圧を、下部電極Eに対する印加電圧とすれば、駆動電極A〜Dの吸引力のほうが常に高く、可動子3を常に駆動電極A〜Dに側に吸着させた状態で駆動させることができる。
【0095】
つまり、本実施形態によれば、駆動電極A〜Dに対する印加電圧と、下部電極Eに対する印加電圧との関係を調節することにより、常に駆動電極からの吸引力が勝る状態とし、可動子3を上下振動させることなく、安定した吸引力で駆動させることができる。
【0096】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態として、駆動電極と下部電極の電極面積のバランスを調節した静電アクチュエータについて説明する。
【0097】
すなわち、本発明においては、第2実施形態に関して前述したように各電極に印加する電圧を調節する代わりに、電極面積を調節することによっても、上下の電極の吸引力にバランスを調整することができる。
【0098】
例えば、駆動電極A〜Dは、図2に例示したようにストライプ状に設けられ、例えば、これらいずれかの系統の電極に電圧が印加される。そして、これに対して下方から下部電極Eの吸引力が働く。
【0099】
図3に例示した駆動シーケンスの場合について説明すれば、下部電極Eに電圧が印加されているタイミングにおいて、駆動電極A〜Dのいずれか1種のみに電圧が印加されている。従って、これらいずれか1種の駆動電極と可動子3との対向面積に対して、下部電極Eと可動子3との対向面積のバランスを調節すればよい。
【0100】
もっとも簡単には、いずれか1種の駆動電極と可動子3との対向面積を、下部電極Eと可動子3との対向面積よりも大きくすればよい。但し、これら対向面積のバランスは、印加電圧の関係や、ストッパ高さSなどを考慮して適宜決定することができる。
【0101】
要は、可動子3が駆動電極A〜Dの側にほぼ常に吸着された状態で駆動できればよい。
【0102】
図13は、下部電極Eの平面パターンを例示する模式図である。同図の例においては、下部電極Eは、可動子3の進行方向に伸びる3本のストライプ状に形成されている。そこで、これらストライプの幅Wを変えることにより、下部電極Eの面積を調整することができる。
【0103】
従って、ストッパ高さSや、各電極A〜Eに対する印加電圧などのパラメータを考慮し、常に駆動電極からの吸引力が勝る状態となるように、ストライプ幅Wを調節すればよい。その結果として、可動子3を上下振動させることなく、安定した吸引力で駆動させることができる。
【0104】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態として、保護膜4の誘電分極による影響を緩和する静電アクチュエータについて説明する。
【0105】
図14は、本実施形態にかかる静電アクチュエータの動作を説明するための概念図である。
【0106】
また、図15は、このアクチュエータ機構を動作させる電圧信号を表すタイミングチャートである。
【0107】
すなわち、同図に表した具体例においては、3系統の駆動電極A〜Cが設けられ、これに対して下部電極Dが対向して配置されている。但し、本発明においては、駆動電極の系統数は3系統には限定されず、図1に例示したように4系統でも良く、あるいは5系統以上としても良い。
【0108】
本実施形態においては、例えば、駆動電極A〜Cに対して極性を反転させた電圧を適宜印加することにより、保護膜4の誘電分極による影響を抑制する。
【0109】
すなわち、図15(a)、(b)、(c)は、それぞれ電極A、B、Cに印加される信号電圧のタイミングチャートを表し、(d)は、固定子電極Dに印加される信号電圧のタイミングチャートを表し、(e)は、可動子電極Eに印加される電圧を表している。
【0110】
図15(e)に示される可動子電極Eに印加される電圧は、接地電位であり、図15(d)に示される固定子電極Dに印加される信号電圧のローレベルLが接地電位であるに対してハイレベルHは、高い電位となっている。また、図15(a)、(b)、(c)に示される電極A、B、Cに印加される信号電圧のハイレベルHは、高い電位であるに対して、そのローレベルLは、マイナス電位に定められ、その中間レベルは、接地電位となっている。
【0111】
従って、図15(a)、(b)、(c)に示されるハイレベルHで可動子3が吸引力によって電極A、B、Cに引き付けられ、ローレベルLで可動子3が電極A、B、Cから反発力によって分離されることとなる。そして、中間レベルで可動子3は電極A、B、Cから何らの作用も受けないこととなる。
【0112】
ここで例えば、図14(a)に例示したように、電極Bにプラスの電圧を印加すると、可動子3は、静電力(クーロン力)を受け、固定子2a側に吸引される。なお、図14は、説明の便宜上、3系統の駆動電極A〜Cのうちの電極Bのみに電圧を印加した状態を表したが、本発明においては、図15のタイミングチャートにも例示したように、電極Bと同時に電極Aあるいは電極Cにも電圧を印加してもよい。
【0113】
さて、図14(a)に表したように電極Bにプラスの電圧を印加すると、駆動電極Bの表面に設けた保護膜4が誘電電極5を起こし、巨視的に見ると、駆動電極Bの表面においてプラスの電位を有するかのように、可動子3に対して振る舞う。
【0114】
このような保護膜4の誘電分極5は、電極Bに対するプラスの電圧の印加を停止しても残留する場合がある。すると、可動子3は、電極Bの近傍に吸引され続ける。このため、次のタイミングに移行しても、可動子3が進行方向に隣接する電極Cの方向に円滑に移動しにくいという現象が起こる場合もある。
【0115】
これは、誘電分極5によって保護膜4の中に生じた電気的な偏りによる影響である。誘電分極5により残余する電位は少ないが、クーロン力は電極間の距離の2乗に反比例する為、いったん可動子3が電極Bに吸引され、電極間距離が小さくなっている状態においては、保護膜4に残留した電位が小さくても、それが可動子3に与える作用力は大きい。本変型例は、この悪影響を低減し、可動子3を良好に駆動せしめる駆動シーケンスを実現するものである。
【0116】
すなわち、本実施形態において、可動子3が電極Bに引かれている状態から、次の駆動シーケンス、即ち電極Cに向けて移動させる際に、電極Bに可動子3の電極Eの電位と比べて低電位(可動子3の電位レベルをゼロとすると、電極Bはマイナス電位)となるように電位差を与えることにより、可動子3の保護膜4からの剥離を良好とし、スムーズなアクチュエータ動作を実現させるものである。
【0117】
これは、巨視的にみれば、固定子2aの電極Bと対応する可動子3の電極Eとの間で、保護膜4に残余した誘電分極5による電荷の偏りによる電界と、新たに電極Bに加えた電位(電極Eの電位レベルよりも低位)と電極Eとの間に発生する電界とがそれぞれ逆向きの電界となり、双方がうち消しあうためであると説明出来る。微視的にみれば、保護膜4に残留した誘電分極5による電荷の偏りが、新たに加えた電極Bへの電位(電極Eの電位レベルよりも低位)による電界によって、解消される現象であると説明できる。
【0118】
尚、上述した具体例において、可動子3の電位は、いわゆる浮かした状態、即ち、電気的に接地されないフロート状態であっても良い。また、可動子3への静電吸引力が効果的に働く様に、可動子3の近傍に接地されたダミーの電極を設けても良い。また、図14(a)及び(b)に示される具体例においては、固定子2a側に保護膜4を設けているが、保護膜4は、可動子3側に設けられても良い。または、固定子2aと可動子3の両方に保護膜4を設けてもよい。
【0119】
一方、本発明において保護膜4の残留分極を消去する方法は、駆動電極に印加する電圧の極性を反転させる方法だけではない。すなわち、保護膜4に印加される電界の極性を反転させればよいのであるから、駆動電極と可動子3との間の電圧関係を反転させることによっても、残留電極を消去することは可能である。
【0120】
図16及び図17は、このように駆動電極と可動子との間の電圧の関係を反転させることにより保護膜4の残留分極を消去できる電圧印加のパターンを例示するタイミングチャートである。ここで、図16は、本発明によらないタイミングを表し、図17は本発明によるタイミングを表す。
【0121】
まず、図16を参照しつつ、この印加方法について説明すると、最初に、第1タイミングとして、可動子3に電圧を印加しない状態で電極A及びBに電圧を印加する。次に、第2タイミングとして、電極A及びBの電圧をオフにして、下部電極に電圧を印加する。しかる後に、第3タイミングとして、電極C及びDに電圧を印加すると同時に可動子3にも電圧を印加する。この第3タイミングにおいては、電極A及びBには電圧が印加されていないので、電極A及びBの表面の保護膜4に印加される電界は、第1タイミングにおいて電極A及びBに電圧を印加した時と比べて反転することとなる。
【0122】
つまり、可動子3と、電極A及びBとの電圧の関係は、第1タイミングと第3タイミングで反転し、保護膜4に印加される電界もそれに応じて反転する。このように、電界を反転させることにより、保護膜4の残留分極を消去できる。
【0123】
このような残留分極を消去させるパターンを本発明に応用したものが図17に表したタイミングチャートである。すなわち、図17においては、下部電極に電圧を印加するタイミングにおいては、駆動電極A〜Dのいずれかにも電圧を印加して可動子3の上下振動を防いでいる。そして、可動子3にも適宜電圧を印加することにより、駆動電極A〜Dと可動子3との間の電圧関係を反転させ、保護膜4に印加される電界を適宜反転させて残留分極を消去することができる。
【0124】
図14及び図15に関して前述した具体例の場合、正電圧と負電圧と接地電位の3レベルの電圧が必要であるのに対して、図16及び図17に例示した方法によれば、正電圧(または負電圧)と接地電位の2レベルの電圧のみによって保護膜4の残留分極を消去することができる点で便利である。
【0125】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態として、複数の可動子を有する静電アクチュエータについて説明する。
【0126】
図18及び図19は、本実施形態にかかる静電アクチュエータをカメラモジュールのレンズ機構に適用した例を表す模式図である。
【0127】
このレンズ機構は、四角筒状の固定子20と、この固定子20内を軸方向に沿って往復動自在に配置された2つの可動子30,40とを備え、固定子20の一端部に配置され画像を検出するCCDデバイス50を設けることでカメラモジュールを構成する。なお、図中のCはレンズの光軸方向を表している。
【0128】
固定子20は、枠体21と、ガラス基板上に半導体プロセス技術を用いてパターンニングされた固定子電極22と、枠体21内部に光軸方向Cに沿って延設された突条部25と、固定子電極22に電力を供給する電力供給部26とを備えている。
【0129】
固定子電極22は、駆動電極群23と、下部電極群24とを備えている。
【0130】
駆動電極23は、光軸方向Cに沿って交互に設けられた4系統の駆動電極23a、23b、23c、23dからなっている。すなわち、各駆動電極23a、23b、23c、23dは、それぞれ光軸方向Cと交差する方向に沿ってストライプ状に形成されている。ここで、駆動電極群23は、4系統に限定されるものではなく、3系統あるいは5系統以上とすることもできる。
【0131】
一方、下部電極群24は、2系統の下部電極24a、24bからなり、それぞれ光軸方向Cに沿ってストライプ状に形成されている。
【0132】
電力供給部26は、電源保持回路26a及びスイッチング回路26bを備えている。電源保持回路26aは、下部電極群24のそれぞれの下部電極24a、24bに対する電圧の供給を選択的に行うことで可動子31又は可動子32のいずれか一方を保持固定し、その光軸方向Cに沿った移動を規制する機能を有している。
【0133】
スイッチング回路26bは、駆動電極群23の各駆動電極23a、23b、23c、23d及び下部電極群24の各下部電極24a、24bのうち電源保持回路26aにて保持状態となっていない下部電極に電圧を交互供給するとともに、各駆動電極23a、23b、23c、23dに供給する順序を順次切り換える機能を有している。
【0134】
この際に各電極に電圧を印加するタイミングは、本発明の第1乃至第4の実施の形態に関して前述した通りである。すなわち、下部電極24a、24bに電圧を印加する際には、駆動電極24a〜24dのいずれかにも必ず電圧を印加し、可動子31、32が駆動電極群23の側に常に吸着された状態で駆動される。
【0135】
可動子31は、可動子本体に支持されたレンズ群31Lと、固定子電極22から与えられた駆動電圧により駆動力が作用する被駆動用電極31aと、被保持用電極31bとを備えている。
【0136】
被駆動用電極31aは、光軸方向Cと交差する方向に沿って形成された複数のストライプ状に形成されている。被保持用電極31bは、下部電極24aに対向し、かつ、光軸方向Cに沿ってストライプ状に形成されている。
【0137】
可動子32は、可動子本体に支持されたレンズ群32Lと、固定子電極22から与えられた駆動電圧により駆動力が作用する被駆動用電極32aと、被保持用電極32bとを備えている。
【0138】
被駆動用電極32aは、光軸方向Cと交差する方向に沿って形成された複数のストライプ状に形成されている。被保持用電極32bは、下部電極24bに対向し、かつ、光軸方向Cに沿ってストライプ状に形成されている。
【0139】
このように構成されたレンズ機構は、次のように動作する。なお、ここでは簡単のために、可動子31のみを図19(a)の矢印α方向へ移動させる場合について説明する。なお、図19(a)は、可動子31が初期位置にある状態を表している。また、可動子の駆動のためのシーケンスとしては、図3に例示したタイミングに準ずる場合を例に挙げる。
【0140】
まず、スイッチング回路26bにより駆動電極23a及び23bに電圧Vを供給すると、可動子31の被駆動用電極31aとの間、及び可動子32の被駆動用電極32aとの間に静電力による吸引カが生じる。この吸引力によって、駆動電極23a、23bにより第1の可動子31及び第2の可動子32が固定子20の駆動電極群23側へ吸引される。
【0141】
次に、スイッチング回路26bにより、駆動電極23aの電圧をローレベルに戻し、同時に下部電極24a及び下部電極24bに電圧を供給する。すると、可動子31及び可動子32は、駆動電極群23の側に吸着されたまま、同図の下方向に吸引力を受け、進行方向に僅かにずれる。
【0142】
ここで、電源保持回路26aにより下部電極24bに電圧を供給しつづけることにより可動子32はそのままの位置で保持する。この際、下部電極24bに印加する電圧を、可動子32を駆動させるための電圧よりも高めに設定すると、可動子32を下部電極24bにより確実に保持させ、固定させることができる。
【0143】
次に、スイッチング回路26bにより駆動電極23b、23cに電圧供給し、さらにその次のタイミングで、駆動電極23bの電圧をローレベルにして下部電極24aに電圧を印加する。
【0144】
以降、例えば図3に例示したタイミングにより各電極に電圧を印加すると、可動子31を駆動電極群23の側に吸着された状態のまま、矢印α方向に駆動させることができる。
一方、電源保持回路26aにより下部電極24bに電圧を供給しつづけているので可動子32はそのままの位置に保持固定され、進行しない。
【0145】
このように、スイッチング回路26bにより駆動電極群23の各駆動電極23a〜23dと下部電極群24のうち下部電極24aとに交互に電圧を加えて、その供給順序を設定することで、可動子31を光軸方向Cに沿って駆動することが可能となるとともに、電源保持回路26aにより下部電極24bに電圧を供給しつづけることで、可動子32の位置を固定することが可能となる。
【0146】
なお、可動子32のみを移動させる場合には、逆にスイッチング回路26bにより駆動電極群23の各駆動電極23a〜23dと下部電極24bとに交互に駆動用電圧を供給することで、同様に駆動することが可能となるとともに、電源保持回路26aにより下部電極24aに電圧を供給しつづけることで、可動子31の位置を固定することが可能となる。
【0147】
いずれの場合も、可動子を固定する場合には、その可動子を駆動させる場合に与える電圧よりも高い電圧を下部電極24aまたは24bに与えることにより、その可動子を確実に保持固定することができる。
【0148】
またここで、本実施形態においても、例えば、可動子31を駆動させる場合に、可動子31が上下に無用な振動をしないように、例えば、第2実施形態において前述したように駆動電極23a〜23dに印加する電圧と下部電極24aに印加する電圧を適宜調節したり、または、第3実施形態に関して前述したように、駆動電極23a〜23dと下部電極24aの面積のバランスを適宜調節することができる。
【0149】
ここで、固定子20には、可動子31、32の駆動に際して「遊び」あるいは「ガタ」を低減するための突条部25が設けられ、可動子31、32に線接触する。すなわち、突条部25は、可動子31、32に対して線接触支持部として機能している。
【0150】
本発明によれば、第1乃至第4実施形態に関して前述したようなシーケンスで駆動させることにより、可動子31、32は、駆動電極群23の側にほぼ吸着された状態のまま光軸方向に駆動させることができる。その結果として、可動子31、32の不要な上下振動が解消され、これら可動子31、32と突条部25との接触による摩擦抵抗を大幅に低減できる。このため、駆動効率を向上させることが可能となる。
【0151】
上述したように本実施形態に係る静電アクチュエータが適用されたレンズ機構によれば、レンズ群を配置した複数の可動子31、41を選択的に駆動することが可能となり、レンズ駆動機構としてズーム機能を持つようなアクチュエータ構成が可能となる。
【0152】
また、固定子20と可動子31、41との摩擦抵抗を大幅に低減できることから、駆動効率を向上させることが可能となる。
【0153】
なお、上述した具体例においては、可動子が2つの場合を例に挙げたが、本発明は、これに限定されるものではなく、3つ以上の可動子を設けた場合であっても、同様に適用して同様の作用効果を得ることができる。
【0154】
つまり、それぞれの可動子に対応させた下部電極を設け、適宜、固定用の電圧を印加することにより、所望の可動子を下部電極側に保持固定し、所望の可動子のみを光軸方向に駆動させることができる。
【0155】
また一方、本実施形態は、レンズ機構のみならず、複数の可動子を相互に独立して駆動させるあらゆる用途に適用することができる。
【0156】
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態として、第1乃至第5実施形態にかかる静電アクチュエータを搭載した小型カメラモジュールについて説明する。
【0157】
すなわち、本発明にかかる静電アクチュエータは、駆動特性に優れることから、小型カメラの焦点調節機構やズーム機構としての利用に適している。
【0158】
図20は、本発明にかかる静電アクチュエータを搭載した小型カメラのモジュール部分を例示した模式図である。すなわち、同図の小型カメラにおいては、基板321上には、CMOSもしくはCCD等の撮像素子があり、その前面には、本発明の第1乃至第5実施形態にかかる静電アクチュエータ322が設けられている。
【0159】
ここで、静電アクチュエータを構成する可動子は、例えば、第4実施形態に関して前述したようなレンズー体型のものを用いることができる。また、基板21上には静電アクチュエータの駆動を制御するためのDSP(Digital Signal Processor)のICが搭載されている。
【0160】
かかるカメラモジュールは、携帯電話やデジタルカメラあるいは携帯型パソコン等のカメラユニットとして用いられる。
【0161】
本発明によれば、第1乃至第5実施形態にかかる静電アクチュエータを搭載することより確実且つ安定したフォーカシングやズーミングが可能となり、小型カメラモジュールの性能を向上させることができる。
【0162】
また、ズーム光学系を構成するには、少なくとも2組の移動可能なレンズ群が必要とされ、光軸方向に短い小型のズーム光学系は、それぞれのレンズ群を離した位置から一度近接させて離す位置関係で光学倍率を変化させることが多い。本発明によれば、第5実施形態に関して前述した静電アクチュエータを用いることより、このような2組のレンズ群を光軸に沿って独立に移動可能とし、しかも、このような光学系を極めてコンパクトに実現し、しかも確実且つ円滑な動作を確保できる。
【0163】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
【0164】
例えば、静電アクチュエータに設ける駆動電極の系統数は、前述したA〜Dの4系統あるいはA〜Cの3系統には限定されず、5系統あるいはそれ以上の系統の駆動電極を設けてもよい。
【0165】
また、各電極に駆動用電圧を印加する際の極性に関しても、前述した各具体例には限定されず、要するに、駆動電極と可動子との間、及び下部電極と可動子との間に所定の電圧が印加されて所定の静電力による吸引作用が得られればよい。
【0166】
また、各電極に駆動用電圧を印加するタイミングに関しても、前述した各具体例としてのタイミングには限定されず、下部電極に電圧を印加する際に、駆動電極にも電圧を印加するのであれば良い。
【0167】
図21乃至図23は、本発明において用いることができるタイミングの他の具体例を表すタイミングチャートである。 すなわち、これらは、いずれもA〜Dの4系統の駆動電極と下部電極Eとを設けた場合のタイミングである。
【0168】
図3あるいは図15に例示したものは、下部電極に電圧を印加しない時には、隣接する2系統の駆動電極(例えば、AとB、BとCなど)に同時に電圧を印加するシーケンスを有する。
【0169】
しかし、本発明はこれには限定されず、下部電極に電圧を印加しない時に、いずれか1系統の駆動電極のみに電圧を印加するシーケンスであってもよい。
【0170】
図21に例示したシーケンスの場合、例えば、まず電極Aに電圧を印加した後、次のタイミングにおいては、電極Aの電圧をローレベルとし、電極Bと電極(下部電極)Eとに電圧を印加する。さらに、その次のタイミングにおいては、電極Bの電圧を維持したまま下部電極Eの電圧をローレベルとする。
【0171】
以降、このように順番に駆動電極A〜Dに電圧を印加することによっても、可動子を駆動電極の側にほぼ吸着させたまま、駆動させることができる。
【0172】
なお、この場合にも、第2乃至第3実施形態に関して前述したように、駆動電極と下部電極との印加電圧または電極面積のバランスを適宜調節することにより、可動子の上下振動を確実に抑制することができる。
【0173】
また一方、図22に例示したシーケンスの場合、まず、電極Bに電圧を印加し、次のタイミングにおいて、電極Bの電圧を維持したまま下部電極Eに電圧を印加する。そして、その次のタイミングにおいては、電極Bと下部電極Eの電圧をそれぞれローレベルとし、電極Cに電圧を印加する。
【0174】
以降、このように順番に各電極に電圧を印加することによっても、可動子を駆動電極の側にほぼ吸着させたまま、駆動させることができる。
【0175】
さらに、図23に例示したシーケンスの場合、駆動電極A〜Dのタイミングと下部電極Eのタイミングに「ずれ」を設けてある。すなわち、駆動電極A〜Dのそれぞれには、順番に2タイミングに亘って電圧が印加されているが、このタイミングとずらして1タイミングだけ下部電極Eに電圧を印加する。つまり、駆動電極と下部電極とに対して、同時に電圧を印加したり、同時に電圧をローレベルとすることがない。
【0176】
このようにすると、下部電極Eに対する電圧を遷移させる際にも、駆動電極に対しては一定の電圧が印加された状態が継続しているので、上下の電極に対して同時に電圧を印加あるいは停止した場合に生じうる「チャタリング」あるいは「リップル」を効果的に抑止することができる。
【0177】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、下部電極に電圧を印加する際には、同時に駆動電極にも電圧を印加することにより、可動子を駆動電極の側にほぼ吸着させた状態のまま、横方向に駆動することが可能となる。
【0178】
その結果として、可動子の不要な上下振動を抑制でき、さらに、可動子と固定子のギャップが小さくなったのと同様の効果が得られ、発生力の向上が実現できる。つまり、駆動電極と可動子との間隔を常にほぼ最小の値に維持できるので、可動子に対して、強く且つ安定したい吸引力すなわちクーロン力を作用させることができ、確実且つ安定した動作が可能な完成度の高い静電アクチュエータを提供することができ、産業上のメリットは多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる静電アクチュエータの概略構成を表す模式図である。
【図2】第1の固定子2aにおける電極A〜Dの配列を例示する平面図である。
【図3】本発明の静電アクチュエータにおいてスイッチング回路40により各電極に印加される電圧波形を例示するタイミングチャートである。
【図4】本発明の静電アクチュエータにおいてスイッチング回路40により各電極に印加される電圧波形を例示するタイミングチャートの変型例である。
【図5】図3に表したタイミングにより静電アクチュエータを駆動させた場合の可動子の動きを測定した結果を表すグラフ図である。
【図6】本発明の静電アクチュエータの機構部を模式的に表す断面図である。
【図7】上下の固定子2a、2bの表面にストッパ10を設けて、可動子3とストッパ10とが摺動するようにした静電アクチュエータを表す模式図である。
【図8】接触を防ぐためのストッパ10を、可動子3の側に設けた静電アクチュエータを表す模式図である。
【図9】印加電圧が150Vの時の、可動子3に働く吸引力と電極間距離との関係を表すグラフ図である。
【図10】ストッパ高さSを3.5ミクロンとした時の、印加電圧に対する駆動電極−可動子、下部電極−可動子間の吸引力の関係を表すグラフ図である。
【図11】ストッパ高さSを4.0ミクロンとした時の、印加電圧に対する駆動電極−可動子、下部電極−可動子間の吸引力の関係を表すグラフ図である。
【図12】ストッパ高さSを4.5ミクロンとした時の、印加電圧に対する駆動電極−可動子、下部電極−可動子間の吸引力の関係を表すグラフ図である。
【図13】下部電極Eの平面パターンを例示する模式図である。
【図14】本発明の第4実施形態にかかる静電アクチュエータの動作を説明するための概念図である。
【図15】図14のアクチュエータ機構を動作させる電圧信号を表すタイミングチャートである。
【図16】駆動電極と可動子との間の電圧の関係を反転させることにより保護膜4の残留分極を消去できる電圧印加のパターンを例示するタイミングチャートである。
【図17】本発明により駆動電極と可動子との間の電圧の関係を反転させることにより保護膜4の残留分極を消去できる電圧印加のパターンを例示するタイミングチャートである。
【図18】本発明の第5実施形態にかかる静電アクチュエータをカメラモジュールのレンズ機構に適用した例を表す模式図である。
【図19】本発明の第5実施形態にかかる静電アクチュエータをカメラモジュールのレンズ機構に適用した例を表す模式図である。
【図20】本発明にかかる静電アクチュエータを搭載した小型カメラのモジュール部分を例示した模式図である。
【図21】本発明において用いることができるタイミングの他の具体例を表すタイミングチャートである。
【図22】本発明において用いることができるタイミングの他の具体例を表すタイミングチャートである。
【図23】本発明において用いることができるタイミングの他の具体例を表すタイミングチャートである。
【図24】本発明の基本となる静電アクチュエータの概略構成を表す模式図である。
【図25】スイッチング回路140により各電極に印加される電圧波形を表すタイミングチャートである。
【図26】図24に表した静電アクチュエータにおける可動子の動きを測定した結果を表すグラフ図である。
【図27】従来の静電アクチュエータの構成を表す模式図である。
【符号の説明】
2a、2b 固定子
3 可動子
3a 可動子電極部
4 保護膜
5 誘電分極
10 ストッパ
20 固定子
21 枠体
23 駆動電極群
24 下部電極群
25 突条部
26 電力供給部
26a 電源保持回路
26b スイッチング回路
31、32 可動子
31L、32L レンズ群
31a、32a 被駆動用電極
31b、32b 被保持用電極
40 スイッチング回路
42 電圧源
50 デバイス
101 静電アクチュエータ
102 可動子
103 可動子
103a 上側固定子
103a 固定子
103b 下側固定子
104 電極部
140 スイッチング回路
142 電圧源
321 基板
322 静電アクチュエータ
W ストライプ幅

Claims (13)

  1. 所定方向に沿って少なくとも3系統の駆動電極が順番に現れるように前記駆動電極を周期的に配置してなる第1電極を有する第1の固定子と、
    この第1の固定子と対向して設けられ、前記所定方向に延設された第2電極を有する第2の固定子と、
    前記第1の固定子と前記第2の固定子との間に設けられた可動子と、
    前記駆動電極と前記可動子との間に電位差を生じさせる第1の電圧を、前記所定方向に沿って前記系統ごとに順次切り替えて印加するとともに、前記第2電極と前記可動子との間に電位差を生じさせる第2の電圧を、前記第1の電圧が印加されている状態において断続的に印加することにより、前記可動子を前記所定方向に駆動させるスイッチング回路と、
    を備えたことを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 前記第1の電圧を印加することにより前記駆動電極と前記可動子との間に生ずる電位差は、前記第2の電圧を印加することにより前記第2電極と前記可動子との間に生ずる電位差よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータ。
  3. 前記駆動電極に前記第1の電圧が印加され且つ前記第2電極に前記第2の電圧が印加されている状態において、前記第1の電圧が印加されている駆動電極と前記可動子との対向部の面積は、前記第2電極と前記可動子との対向部の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の静電アクチュエータ。
  4. 前記スイッチング回路は、前記第2の電圧を印加している時に、前記第1の電圧が印加されていない前記系統の前記駆動電極と前記可動子との間に電位差を生じさせる前記第1の電圧とは極性が反対の電圧を印加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の静電アクチュエータ。
  5. 前記スイッチング回路は、前記第1電極のそれぞれの系統の駆動電極の電位が前記可動子の電位よりも高い状態と、前記それぞれの系統の駆動電極の電位が前記可動子の電位よりも低い状態と、を繰り返すように電圧を印加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の静電アクチュエータ。
  6. 所定方向に沿って少なくとも3系統の駆動電極が順番に現れるように前記駆動電極を周期的に配置してなる第1電極を有する第1の固定子と、
    この第1の固定子と対向して設けられ、前記所定方向に延設された第2電極と、前記第2電極と略並列して前記所定方向に延設された第3電極とを有する第2の固定子と、
    前記第1の固定子と前記第2の固定子との間に設けられた第1の可動子と、
    前記第1の固定子と前記第2の固定子との間に設けられた第2の可動子と、
    前記駆動電極と前記第1の可動子との間に電位差を生じさせる第1の電圧を、前記所定方向に沿って前記系統ごとに順次切り替えて印加するとともに、前記第2電極と前記第1の可動子との間に電位差を生じさせる第2の電圧を、前記第1の電圧が印加されている状態において断続的に印加することにより、前記第1の可動子を前記所定方向に駆動させ、
    前記駆動電極と前記第2の可動子との間に電位差を生じさせる第1の電圧を、前記所定方向に沿って前記系統ごとに順次切り替えて印加するとともに、前記第3電極と前記第2の可動子との間に電位差を生じさせる第2の電圧を、前記第1の電圧が印加されている状態において断続的に印加することにより、前記第2の可動子を前記所定方向に駆動させるスイッチング回路と、
    を備えたことを特徴とする静電アクチュエータ。
  7. 前記第2の電圧の印加により前記第2電極と前記第1の可動子との間に生ずる電位差よりも大きい電位差を生じさせる第3の電圧を前記第2電極に印加することにより前記第1の可動子の一方を保持固定した状態で、前記第2の可動子を駆動可能とする保持回路をさらに備えたことを特徴とする請求項6記載の静電アクチュエータ。
  8. 少なくとも隣接する2つの前記系統の駆動電極と前記可動子との間に電位差を生じさせるように前記第1の電圧を印加することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の静電アクチュエータ。
  9. 前記スイッチング回路が前記第1の電圧を印加するパルス時間幅は、前記第2の電圧を前記第2電極に印加するパルス時間幅よりも長いことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の静電アクチュエータ。
  10. 前記スイッチング回路は、前記第2の電圧の印加を開始するよりも前に、前記第1の電圧の印加を開始し、
    前記第2の電圧の印加を停止した後に、前記第1の電圧の印加を停止することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の静電アクチュエータ。
  11. 前記第1の固定子と前記可動子との間に設けられたストッパをさらに備えたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の静電アクチュエータ。
  12. 所定方向に沿って少なくとも3系統の駆動電極が順番に現れるように前記駆動電極を周期的に配置してなる第1電極を有する第1の固定子と、この第1の固定子と対向して設けられ、前記所定方向に延設された第2電極を有する第2の固定子と、前記第1の固定子と前記第2の固定子との間に設けられた可動子と、を有する静電アクチュエータの駆動方法であって、
    前記駆動電極と前記可動子との間に電位差を生じさせる第1の電圧を、前記所定方向に沿って前記系統ごとに順次切り替えて印加するとともに、前記第2電極と前記可動子との間に電位差を生じさせる第2の電圧を、前記第1の電圧が印加されている状態において断続的に印加することにより、前記可動子を前記所定方向に駆動させることを特徴とする静電アクチュエータの駆動方法。
  13. 撮像素子と、
    請求項1〜11のいずれか1つに記載の静電アクチュエータと、
    前記静電アクチュエータの前記可動子に設けられ前記撮像素子に光学的情報を入力するレンズと、
    を備えたことを特徴とするカメラモジュール。
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