[go: up one dir, main page]

JP3964612B2 - 静電アクチュエータ - Google Patents

静電アクチュエータ Download PDF

Info

Publication number
JP3964612B2
JP3964612B2 JP2000307728A JP2000307728A JP3964612B2 JP 3964612 B2 JP3964612 B2 JP 3964612B2 JP 2000307728 A JP2000307728 A JP 2000307728A JP 2000307728 A JP2000307728 A JP 2000307728A JP 3964612 B2 JP3964612 B2 JP 3964612B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mover
stator
electrode
electrodes
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000307728A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002119073A (ja
Inventor
章裕 笠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2000307728A priority Critical patent/JP3964612B2/ja
Priority to US09/970,943 priority patent/US6531804B2/en
Publication of JP2002119073A publication Critical patent/JP2002119073A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3964612B2 publication Critical patent/JP3964612B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N1/00Electrostatic generators or motors using a solid moving electrostatic charge carrier
    • H02N1/002Electrostatic motors
    • H02N1/004Electrostatic motors in which a body is moved along a path due to interaction with an electric field travelling along the path

Landscapes

  • Micromachines (AREA)
  • Lens Barrels (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
静電アクチュエータは、静電気力で駆動するアクチュエータの一種であり、例えば特開平8-140367号公報などがある。
【0003】
この静電アクチュエータは、小型、軽量であることから内視鏡や携帯電話などの移動電話、各種PDA(Personal Digital Assistant)などに搭載されるレンズの焦点合わせに使用可能であり、最近注目されている。
【0004】
図39は従来の静電アクチュエータの分解斜視図であり、静電アクチュエータ100は平板形状の固定子101a,101b、導電体からなる略直方体形状の可動子102、略直方体形状のスペーサ103a,103bを有する。
【0005】
固定子101a,101bは互いに離間して平行にスペーサ103a,103bに接着される。可動子102は、固定子101a,101bとスペーサ103a,103bとに囲まれた空間に、それぞれに離間して挿入されるものとする。また、固定子101a,101bから等距離で、かつスペーサ103a,103bそれぞれの長手方向の中心軸から等距離な位置を仮想的に軸Aとする。可動子102はこの軸A方向に移動可能である。
【0006】
この軸Aを挟んで固定子101a,101bの対向する面の一部分には、長方形の固定子電極104a,104b,105a,105bがパターニングによって形成される。固定子電極104a,104b,105a,105bの面積は略同一であり、固定子電極104aと固定子電極105aとが対向し、固定子電極104bと固定子電極105とが対向する。また固定子電極104a,104bは軸A方向に一列に、かつ互いに離間して固定子101aの両端に形成される。固定子電極105a,105bも固定子電極104a,104bと同様な配置/形状で形成される。
【0007】
固定子101a,101bと可動子102とが離間している距離は数ミクロン程度である。
【0008】
各固定子電極に所定パタンの電圧をそれぞれ印加し可動子を固定子101a,101b間で移動させることで、巨視的に軸A方向に可動子102を移動させる。
【0009】
以下、可動子の移動について説明する。
【0010】
図40(a)は固定子電極105bに印加される電圧の電圧パタンであり、(b)は固定子電極105bに印加される電圧の電圧パタンであり、(c)は固定子電極104bに印加される電圧の電圧パタンであり、(d)は固定子電極104aに印加される電圧の電圧パタンをそれぞれ示している。
(1)まず、可動子102を固定子電極104a,104bに一時的に固定させる。このためには固定子電極104a,104bに電圧V[V]を印加する(図40(a)〜(d)の時間t0〜t1参照)。
(2)次に、可動子102の一端を固定子電極104aに保持し、この一端を中心に可動子102を時計回りに回転させる。このためには、固定子電極104aには電圧V[V]を印加したままで固定子電極105bに電圧V[V]を印加する(図40(a)〜(d)の時間t1〜t2参照)。
(3)次に、可動子102の他端を固定子電極105bに保持し、この他端を中心に可動子102を反時計回りに回転させる。このためには、固定子電極105bには電圧V[V]を印加したままで固定子電極105aに電圧V[V]を印加する(図40(a)〜(d)の時間t2〜t3参照)。
(4)次に、可動子102の一端を固定子電極105aに保持し、この一端を中心に可動子102を反時計回りに回転させる。このためには、固定子電極105bに電圧V[V]を印加したままで固定子電極104bに電圧V[V]を印加する(図40(a)〜(d)の時間t3〜t4参照)。
(5)次に、可動子102の他端を固定子電極104bに保持し、この他端を中心に可動子102を時計回りに回転させる。このためには、固定子電極104bに電圧V[V]を印加したままで固定子電極104aに電圧V[V]を印加する(図40(a)〜(d)の時間t4〜t5参照)。
【0011】
図40のような各固定子電極に対する電圧パタンによって、可動子102は図41のような動作が行われる。
【0012】
ここで図41の最上段は上述した(1)の状態を示しており、以下2段目は(2)、3段目は(3)、4段目は(4)、5段目は(5)をそれぞれ示している。
【0013】
最上段では、可動子102は固定子電極104a,104bとの間で発生する静電気力により固定子電極104a,104bに吸着され一時的に保持される。
【0014】
2段目では、固定子電極104aに可動子102の一端を保持したままで、固定子電極105bに電圧を印加することで、可動子102の他端が静電気力によって固定子電極105bに吸引され一時的に保持される。可動子102の他端は最上段と比べてδだけ図41中左方向に移動されている。
【0015】
3段目は、固定子電極105bに可動子102の他端を保持したままで、固定子電極105aに電圧を印加することで、可動子102の一端が静電気力によって固定子電極105aに吸引され一時的に保持される。このとき可動子102は(1)と比べてδだけ図41中左方向に移動されている。
【0016】
4段目は、固定子電極105aに可動子102の一端を保持したままで、固定子電極104bに電圧を印加することで、可動子102の他端が静電気力によって固定子電極104bに吸引され一時的に保持される。このとき可動子102の他端は(1)と比べて2δだけ図41中左方向に移動されている。
【0017】
5段目は、固定子電極104bに可動子102の他端を保持したままで、固定子電極104aに電圧を印加することで、可動子102の一端が静電気力によって固定子電極104aに吸引され一時的に保持される。このとき可動子102は(1)と比べて2δだけ図41中左方向に移動されている。
【0018】
このような動作を可動子102にさせることで、可動子102を図41中左方向に移動させる。
【0019】
なお、図41中右方向に可動子102を移動させる場合には、図40中(ホ)、(ニ)、(ハ)、(ロ)、(イ)の順に電圧を各固定子電極に印加することで移動させることができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述したような従来の静電アクチュエータでは、可動子が接触可能な固定子電極が存在する範囲内でのみ可動子を所望の方向に移動させることはできるが、固定子電極の長さ以上に可動子を移動させることができず、そのため可動子の移動範囲が限定されており広い範囲を移動することができなかった。
【0021】
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、可動子の移動範囲が従来よりも大きい静電アクチュエータの提供を目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の静電アクチュエータは、選択的に電圧が供給される所定の間隔を隔てた1対の固定子電極を備えた固定子と、前記間隔内に配置され、所定方向に移動可能な支持体、および、この支持体の前記固定子電極に対向する側面に配置された1対の可動子電極とを備えた可動子とを備えた静電アクチュエータにおいて、前記1対の固定子電極のそれぞれは、前記所定方向に延伸した複数のストライプ状電極からなり、前記1対の可動子電極のそれぞれは、前記複数のストライプ状電極に対向するように複数の導電部材からなり、これら複数の導電部材の第1のグループは、前記可動子の移動方向側に偏位して配置されるとともに、前記複数の導電部材の第2のグループは、前記可動子の移動方向とは逆側に偏位して配置されることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の静電アクチュエータの実施の形態を図面を参照して説明する。
【0024】
静電アクチュエータは、小型、軽量であることから内視鏡に内蔵されるレンズや携帯電話などの移動電話に搭載されるレンズ、各種PDA(Personal Digital Assistant)などに具備されるレンズ、の焦点合わせや撮像される画像の拡大・縮小を行うための装置である。
(第1の実施の形態)
図1乃至図8は第1の実施の形態を示すものである。
【0025】
図1は第1の実施の形態の分解斜視図である。
【0026】
静電アクチュエータは、所定方向に延伸された複数のストライプ状電極を表面に有し、電気抵抗の高いガラスから形成された平板状の固定子1,2と、この複数のストライプ状電極に対向するように複数の導電部材を表面に有し所定方向に移動可能な直方体状の可動子3と、横断面が略コの字形のホルダ4とからなり、ホルダ4に固定子1が嵌着されて、可動子3の移動方向をガイドするための中空枠体となり、この嵌着された固定子1に対向するように所定間隔隔てて固定子2がホルダ4に嵌着されて、この所定間隔内に可動子3が固定子1,2、ホルダ4に非接触に挿入される。挿入後可動子3は固定子1,2、ホルダ4で覆われる。、また可動子3と固定子1、もしくは可動子3と固定子2の隙間は5ミクロン程度である。
【0027】
詳しくは、固定子1には、ガラス表面に、3つの長方形状の固定子電極5a1〜5a3と、固定子電極5a1に電圧を印加する固定子電極端子10a1と、固定子電極5a2,5a3に同電圧を印加する固定子電極端子10a2と、が導電膜のパターニングによって形成される。なお固定子電極5a1が中央に配置され、この固定子電極5a1を挟むように固定子電極5a2,5a3が配置される。さらに、この固定子電極5a1〜5a3は、互いに離間し固定子1の長手方向に延びる列であり、かつ固定子1の長さとほぼ同じ長さに形成されている。固定子電極5a2と5a3の幅は同一である。
【0028】
また、固定子2には、ガラス表面に、3つの長方形状の固定子電極5b1〜5b3と、固定子電極5b1に電圧を印加する固定子電極端子10b1と、固定子電極5b2,5b3に同電圧を印加する固定子電極端子10b2と、が導電膜のパターニングによって形成される。固定子電極5b1が中央に配置され、この固定子電極5b1を挟むように固定子電極5b2,5b3が配置される。固定子電極5b1〜5b3は、互いに離間し固定子2の長手方向に延びる列であり、かつ固定子2の長さとほぼ同じ長さに形成されている。固定子電極5b2と5b3との幅は同一である。
【0029】
なお、上述した各固定子電極及び各固定子電極端子は、ガラス表面に導電膜をエッチングプロセスにてパターニングして形成しても、金属薄膜を接着して形成しても、スパッタリングや蒸着によって導電膜を蒸着させて形成しても、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて導電膜を堆積させて形成してもよい。また積層される電極を形成する場合には、電極と電極の間に絶縁膜を必要とするが、この絶縁膜も上述した電極と同様の形成方法で作る。なお絶縁膜は電気抵抗の高い物質からなり例えば酸化シリコンなどである。
【0030】
また、可動子3は、複数のレンズ8(被移動物体)を保持するために設けられた略直方体の導電体もしくは抵抗体からなる支持体3-1と、この支持体3-1の一対の側面それぞれに突出して形成された3つの可動子駆動電極7a1〜7a3(導電部材)、7b1〜7b3(導電部材)と、可動子駆動電極7a1〜7a3、7b1〜7b3が形成されたそれぞれの面の4隅に突設される同一面積のストッパ9,9,9,9(阻止する手段)と、支持体3-1に貯まった電荷を支持体3-1から取り除くための接地配線6と、からなる。さらに、この可動子駆動電極7a1〜7a3は、固定子電極5a1〜5a3に対向するように配置され、また可動子駆動電極7b1〜7b3は、固定子電極5b1〜5b3に対向するように配置される。可動子駆動電極7a1,7a2(第1のグループ)は可動子3の移動方向側に偏位して配置され、可動子駆動電極7a3(第2のグループ)は移動方向と逆側に偏位して配置される。可動子駆動電極7a1〜7a3、7b1〜7b3の長さは、可動子3の長さのほぼ半分である。
【0031】
図2は可動子3の斜視図であり、可動子駆動電極7a1と7a2とは略同一形状であり、また可動子駆動電極7a1,7a2と可動子駆動電極7a3とは長さが略同一であり、可動子駆動電極7a1の幅は可動子駆動電極7a3の略半分である。さらに可動子駆動電極7a1〜7a3の高さは同一である。なお、可動子駆動電極7a1〜7a3が形成された面の裏面に形成された可動子駆動電極7b1〜7b3の構成も、図示はしていないが可動子駆動電極7a1〜7a3と同様の構成とする。ここで可動子駆動電極7a1は可動子駆動電極7b1に対応し、可動子駆動電極7a2は可動子駆動電極7b2に対応し、可動子駆動電極7a3は可動子駆動電極7b3に対応するとする。
【0032】
図3(a)は可動子駆動電極7a1〜7a3が形成された面の平面図であり、(b)は可動子駆動電極7b1〜7b3が形成された面の平面図である。
【0033】
可動子駆動電極7a1と7b1と7a2と7b2とは同一形状であり、可動子駆動電極7a3と7b3とは同一形状である。可動子駆動電極7a1と7b1とは、可動子3の重心に対して対称な位置に配置され、同様に、可動子駆動電極7a2と7b2、7a3と7b3は、可動子3の重心に対して対称な位置に配置される。
【0034】
また、可動子駆動電極7a3は、可動子駆動電極7a1,7a2に入り組んだように形成される。可動子駆動電極7b3は、可動子駆動電極7b1,7b2に入り組んだように形成される。入り組んだ状態とは可動子駆動電極7a1(7b1)と7a2(7b2)との間に7a3(7b3)が挿入され挟まれているような状態である。
【0035】
また、可動子駆動電極7a3は中央に形成され、可動子駆動電極7a1,7a2は可動子駆動電極7a1を挟んで略対称な位置に形成される。なお可動子駆動電極7a1〜7a3の高さは略同一とし、可動子駆動電極7a1と可動子駆動電極7a2の面積は略同一であり、可動子駆動電極7a1,7a2の面積の和と可動子駆動電極7a3の面積は略同一である。
【0036】
また、可動子駆動電極7b3は中央に形成され、可動子駆動電極7b1,7b2は可動子駆動電極7b1を挟んで略対称な位置に形成される。なお可動子駆動電極7b1〜7b3の高さは略同一とし、可動子駆動電極7b1と可動子駆動電極7b2の面積は略同一であり、可動子駆動電極7b1,7b2の面積の和と可動子駆動電極7b3の面積は略同一である。
【0037】
また、可動子駆動電極7a3,7b3は、図中右側端部に偏って配置され、可動子駆動電極7a1,7a2,7b1,7b2は図中左側端部に偏って配置される。
【0038】
また、可動子駆動電極7a1,7a2,7a3のそれぞれの図心と、可動子駆動電極7b1,7b2,7b3のそれぞれの図心とは、可動子3の重心を含み可動子駆動電極7a1〜7a3、7b1〜7b3の長手方向に垂直な面を挟んで対設され、さらに可動子3の重心から略等距離にある。なお図心とは平面図形の重心を意味する。
【0039】
次に、図4を参照して制御部11の構成について説明する。
【0040】
図4(a)は固定子1の平面図であり、図4(b)は固定子2の平面図である。
【0041】
固定子1の端部近傍に形成された固定子電極端子10a1は、固定子電極5a1とパターニングによって結線される。また固定子電極端子10a2は、固定子電極5a3とパターニングによって結線され、固定子電極5a3と固定子電極5a1とはパターニングによって結線される。固定子電極端子10a1,10a2は、それぞれが制御部11に接続される。
【0042】
制御部11は、固定子電極5a1〜5a3に印加される電圧値及び電圧印加タイミングを電圧パタンとして記憶しており、この電圧パタンに従って選択的に各固定子電極に印加する。
【0043】
また、固定子電極端子10b1と固定子電極5b1とはパターニングによって結線される。また固定子電極端子10b2と固定子電極5b3とはパターニングによって結線され、固定子電極5b3と固定子電極5b1とはパターニングによって結線される。固定子電極端子10b1,10b2は、それぞれが制御部11に接続される。
【0044】
制御部11は、固定子電極5b1〜5b3に印加される電圧値及び電圧印加タイミングを電圧パタンとして記憶しており、この電圧パタンに従って選択的に各固定子電極に電圧を印加する。
【0045】
このような構成を有する第1の実施の形態の動作について説明する。
【0046】
まず、可動子3が所定方向(移動方向)に移動する場合について説明する。
【0047】
図5(a)は静電アクチュエータを移動方向から見たときの正面図であり、(b)は固定子電極5a2,5a3に印加される電圧の電圧パタンであり、(c)は固定子電極5b2,5b3に印加される電圧パタンであり、(d)は固定子電極5a1に印加される電圧パタンであり、(e)は固定子電極5b1に印加される電圧パタンである。
【0048】
各固定子電極に(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)の順番で所定電圧を印加し、可動子3を所定方向に移動させる。
(0)まず、固定子電極5b1〜5b3に電圧V[V]を印加する(図5(b)〜(e)の時間t0〜t1)。
(1)次に、固定子電極5a1に電圧V[V]を、固定子電極5b2,5b3に電圧(1/3)V[V]をそれぞれ印加する(図5(b)〜(e)の時間t1〜t2)。
(2)次に、固定子電極5a1に電圧V[V]を、固定子電極5a2,5a3に電圧V[V]をそれぞれ印加する(図5(b)〜(e)の時間t2〜t3)。
(3)次に、固定子電極5a2,5a3に電圧(1/3)V[V]を、固定子電極5b1に電圧V[V]をそれぞれ印加する(図5(b)〜(e)の時間t3〜t4)。
(4)次に、固定子電極5b1〜5b3に電圧V[V]を印加する(図5(b)〜(e)の時間t4〜t5)。
【0049】
このような電圧パタン(0)〜(4)によって、可動子は所定方向に移動される。
【0050】
可動子3が移動される状態を図6を参照して説明する。
【0051】
図6(a)は静電アクチュエータを移動方向から見たときの正面図であり、(b)は上から下に時系列的に並べられた可動子3の移動の仕方を表すものである。
【0052】
図6(b)の最上段は上述した(0)の電圧パタンが印加されたときの可動子3の状態であり、2段目は上述した(1)の電圧パタンが印加されたときの可動子3の状態であり、3段目は上述した(2)の電圧パタンが印加されたときの可動子3の状態であり、4段目は上述した(3)の電圧パタンが印加されたときの可動子3の状態であり、5段目は上述した(4)の電圧パタンが印加されたときの可動子3の状態である。なお、2段目〜5段目に記載された点線は、それぞれの1つ前の段の可動子3の状態を表している。
【0053】
まず、最上段では、固定子電極5b1〜5b3に電圧が印加されているため、可動子駆動電極7b1〜7b3が固定子電極5b1〜5b3に静電気力により吸引され、可動子3の下面のストッパ9,9,9,9が固定子2と接触した状態で固定子2側に一時的に保持される。
【0054】
次に、2段目では、固定子電極5b2,5b3,5a1に電圧が印加されているため、可動子駆動電極7a3が固定子電極5a1に静電気力により吸引され、点αを中心にして反時計周りに可動子3が回転する。点αとは可動子駆動電極7b1,7b2それぞれに最も近いストッパ9,9と固定子2とが接触する点である。可動子駆動電極7a3それぞれに最も近いストッパ9,9が固定子1と接触した状態で一時的に可動子3が保持される。
【0055】
次に、3段目では、固定子電極5a1〜5a3に電圧が印加されているため、可動子駆動電極7a1,7a2が固定子電極5a2,5a3に静電気力により吸引され、点βを中心にして時計回りに可動子3が回転する。点βとは可動子駆動電極7a3に最も近いストッパ9,9が固定子1と接触する点である。そして可動子駆動電極7a1,7a2それぞれに最も近いストッパ9,9が固定子1と接触した状態で一時的に可動子3が保持される。この状態で可動子3は最上段の可動子3の位置に対してδだけ図中左方向に移動されている。
【0056】
次に、4段目では、固定子電極5a2,5a3,5b1に電圧が印加されているため、可動子駆動電極7b3が固定子電極5b1に静電気力により吸引され、点γを中心にして時計周りに可動子3が回転する。点γとは可動子駆動電極7a1,7a2それぞれに最も近いストッパ9,9が固定子1と接触する点である。そして可動子駆動電極7b3に最も近いストッパ9,9が固定子2と接触した状態で一時的に可動子3が保持される。
【0057】
次に、5段目では、固定子電極5b1〜5b3に電圧が印加されるため、可動子駆動電極7b1,7b2が固定子電極5b2,5b3に静電気力により吸引され、点εを中心にして反時計回りに可動子3が回転する。点εとは可動子駆動電極7b3に最も近いストッパ9,9が固定子2と接触する点である。そして可動子駆動電極7b1,7b2に最も近いストッパ9,9が固定子2と接触した状態で一時的に可動子3が保持される。この状態では最上段の可動子3の位置に比べて図中左方向に2δ移動されている。
【0058】
以降必要な移動距離だけ上記(0)〜(4)を繰り返すことによって、図6中左方向の移動方向に可動子3を移動させる。
【0059】
必要な移動距離だけ可動子3が移動された後は、複数のレンズによって、レンズに入射する光の焦点が所定位置に合わされているため、この所定位置に設けられたCCDカメラなどによって映像信号を得る。ただしCCDカメラによって映像信号を得るときには、可動子3は固定子1もしくは2のいずれか一方に一時的に保持されるものとする。
【0060】
次に、可動子3が所定方向と反対の方向に移動する場合について説明する。
【0061】
図7(a)は静電アクチュエータを移動方向から見たときの正面図であり、(b)は固定子電極5a2,5a3に印加される電圧の電圧パタンであり、(c)は固定子電極5b2,5b3に印加される電圧の電圧パタンであり、(d)は固定子電極5a1に印加される電圧の電圧パタンであり、(e)は固定子電極5b1に印加される電圧の電圧パタンである。
【0062】
各固定子電極に(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)の順番で所定電圧を印加し、可動子3を所望方向に移動させる。
(0)まず、固定子電極5b1〜5b3に電圧V[V]を印加する(図7(b)〜(e)の時間t0〜t1)。
(1)次に、固定子電極5a2,5a3に電圧V[V]を、固定子電極5b1に電圧(1/3)V[V]をそれぞれ印加する(図7(b)〜(e)の時間t1〜t2)。
(2)次に、固定子電極5a2,5a3に電圧V[V]を、固定子電極5a1に電圧V[V]をそれぞれ印加する(図7(b)〜(e)の時間t2〜t3)。
(3)次に、固定子電極5b2,5b3に電圧V[V]を、固定子電極5a1に電圧(1/3)V[V]をそれぞれ印加する(図7(b)〜(e)の時間t3〜t4)。
(4)次に、固定子電極5b1〜5b3に電圧V[V]を印加する(図7(b)〜(e)の時間t4〜t5)。
【0063】
このような電圧パタン(0)〜(4)によって、可動子は所望の方向に移動される。
【0064】
上述した電圧パタンによって可動子3が移動される状態を図8を参照して説明する。なお移動される方向は図8中右方向とする。
【0065】
図8(a)は静電アクチュエータを移動方向から見たときの正面図であり、(b)は上から下に時系列的に並べられた可動子3の移動の仕方を表すものである。
【0066】
図8(b)の最上段は上述した(0)の電圧パタンが印加されたときの可動子3の状態であり、2段目は上述した(1)の電圧パタンが印加されたときの可動子3の状態であり、3段目は上述した(2)の電圧パタンが印加されたときの可動子3の状態であり、4段目は上述した(3)の電圧パタンが印加されたときの可動子3の状態であり、5段目は上述した(4)の電圧パタンが印加されたときの可動子3の状態である。なお、2段目〜5段目に記載された点線は、それぞれの1つ前の段の可動子3の状態を表している。
【0067】
最上段では、固定子電極5b1〜5b3に電圧が印加されているため、可動子駆動電極7b1〜7b3が固定子電極5b1〜5b3に静電気力により吸引され、可動子3の下面のストッパ9,9,9,9が固定子2と接触した状態で固定子2側に一時的に保持される。
【0068】
次に、2段目では、固定子電極5a2,5a3,5b1に電圧が印加されているため、可動子駆動電極7a1,7a2が固定子電極5a2,5a3に静電気力により吸引され、点αを中心にして時計周りに可動子3が回転する。点αとは可動子駆動電極7b3に最も近いストッパ9,9と固定子2とが接触する点である。可動子駆動電極7a1,7a2それぞれに最も近いストッパ9,9が固定子1と接触した状態で一時的に可動子3が保持される。
【0069】
次に、3段目では、固定子電極5a1〜5a3に電圧が印加されているため、可動子駆動電極7a3が固定子電極5a1に静電気力により吸引され、点βを中心にして反時計回りに可動子3が回転する。点βとは可動子駆動電極7a1,7a2それぞれに最も近いストッパ9,9が固定子1と接触する点である。そして可動子駆動電極7a3に最も近いストッパ9,9が固定子1と接触した状態で一時的に可動子3が保持される。この状態で可動子3は最上段の可動子3の位置に対してδだけ図中右方向に移動されている。
【0070】
次に、4段目では、固定子電極5a1,5b2,5b3に電圧が印加されているため、可動子駆動電極7b1,7b2が固定子電極5b2,5b3に静電気力により吸引され、点γを中心にして反時計周りに可動子3が回転する。点γとは可動子駆動電極7a3に最も近いストッパ9,9が固定子1と接触する点である。そして可動子駆動電極7b1,7b2それぞれに最も近いストッパ9,9が固定子2と接触した状態で一時的に可動子3が保持される。
【0071】
次に、5段目では、固定子電極5b1〜5b3に電圧が印加されるため、可動子駆動電極7b3が固定子電極5b1に静電気力により吸引され、点εを中心にして時計回りに可動子3が回転する。点εとは可動子駆動電極7b1,7b2に最も近いストッパ9,9が固定子2と接触する点である。そして可動子駆動電極7b3に最も近いストッパ9,9が固定子2と接触した状態で一時的に可動子3が保持される。この状態では最上段の可動子3の位置に比べて図中右方向に2δ移動されている。
【0072】
以降必要な移動距離だけ上記(0)〜(4)を繰り返すことによって、図8中右方向に可動子3を移動させることができる。
【0073】
必要な移動距離だけ可動子3が移動された後は、複数のレンズによって、レンズに入射する光の焦点が所定位置に合わされているため、この所定位置に設けられたCCDカメラなどによって映像信号を得る。ただしCCDカメラによって映像信号を得るときには、可動子3は固定子1もしくは2のいずれか一方に一時的に保持されるものとする。
【0074】
以上述べたような第1の実施の形態では、可動子の移動範囲を従来よりも大きくすることができる。そのためレンズ8の焦点合わせを行える範囲を広げることができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態のついて図9、図10を参照して説明する。
【0075】
尚、以下の各実施の形態において同一構成要素は同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0076】
第2の実施の形態の特徴は、第1の実施の形態よりも各固定子電極に印加する電圧パタンを簡略化したことである。
【0077】
第2の実施の形態の静電アクチュエータの構成は、第1の実施の形態の静電アクチュエータの構成と同一である。
【0078】
図9(a)は静電アクチュエータを移動方向から見たときの正面図であり、(b)は固定子電極5a2,5a3に印加される電圧の電圧パタンであり、(c)は固定子電極5b2,5b3に印加される電圧の電圧パタンであり、(d)は固定子電極5a1に印加される電圧の電圧パタンであり、(e)は固定子電極5b1に印加される電圧の電圧パタンである。図9は移動方向が左方向(図5と同じ)である場合を示している。
【0079】
第2の実施の形態では、可動子3を左方向に移動させる場合に、第1の実施の形態で(ロ)で固定子電極5b2,5b3に、(ニ)で固定子電極5a2,5a3に、それぞれ(1/3)V[V]の電圧を印加していたが、この印加される電圧を0とした。
【0080】
つまり、(ニ)においては、(ハ)で可動子駆動電極7a1,7a2が固定子電極5a2,5a3に静電気力で吸引されるときに発生した時計回りの慣性力を用いて、固定子電極5b1に電圧を印加し可動子駆動電極7b3を素早く吸引する。(ハ)は、固定子電極5a2,5a3に可動子駆動電極7a1,7a2が最接近した時に動作を終了し、制御部11は次の(ニ)の電圧パタンに切り替える。
【0081】
また、工程(ロ)においては、(イ)で可動子駆動電極7b1,7b2が固定子電極5b2,5b3に静電気力で吸引されるときに発生した反時計回りの慣性力を用いて、固定子電極5a1に電圧を印加し可動子駆動電極7a3を素早く吸引する。(イ)は、固定子電極5b2,5b3に可動子駆動電極7b1,7b2が最接近した時に動作を終了し、制御部11は次の(ロ)の電圧パタンに切り替える。
【0082】
このような駆動方法によって、より素早く可動子3を左方向に移動させていく。
【0083】
また、図10(a)は静電アクチュエータを移動方向から見たときの正面図であり、(b)は固定子電極5a2,5a3に印加される電圧の電圧パタンであり、(c)は固定子電極5b2,5b3に印加される電圧の電圧パタンであり、(d)は固定子電極5a1に印加される電圧の電圧パタンであり、(e)は固定子電極5b1に印加される電圧の電圧パタンである。図10は移動方向が右方向(図7と同じ)である場合を示している。
【0084】
第2の実施の形態では、可動子3を右方向に移動させる場合に、第1の実施の形態で(ロ)で固定子電極5b1に、(ニ)で固定子電極5a1に、それぞれ(1/3)V[V]の電圧を印加していたが、この印加される電圧を0とした。
【0085】
つまり、(ニ)においては、(ハ)で可動子駆動電極7a3が固定子電極5a1に静電気力で吸引されるときに発生した反時計回りの慣性力を用いて、固定子電極5b2,5b3に電圧を印加し可動子駆動電極7b2,7b2を素早く吸引する。(ハ)は、固定子電極5a1に可動子駆動電極7a3が最接近した時に動作を終了し、制御部11は次の(ニ)の電圧パタンに切り替える。
【0086】
また、工程(ロ)においては、(イ)で可動子駆動電極7b3が固定子電極5b1に静電気力で吸引されるときに発生した時計回りの慣性力を用いて、固定子電極5a2,5a3に電圧を印加し可動子駆動電極7a1,7a2を素早く吸引する。(イ)は、固定子電極5b1に可動子駆動電極7b3が最接近した時に動作を終了し、制御部11は次の(ロ)の電圧パタンに切り替える。
【0087】
このような駆動方法によって、より素早く可動子3を右方向に移動させていく。
【0088】
以上述べたような第2の実施の形態では、各固定子電極に印加する電圧のパタンをより簡易にすることで制御を容易にし、静電アクチュエータの動作を早めることができる。なお慣性力を効率良く使用するために、各時間間隔は予め適正な値が設定されているものとする。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態のついて図11、12を参照して説明する。
【0089】
第7の実施の形態の特徴は、第2の実施の形態よりも各固定子電極に印加する電圧パタンを簡略化したことである。
【0090】
図11は可動子3を左方向に移動させる場合の電圧パタンであり、図12は右方向に移動させる場合の電圧パタンである。
【0091】
第3の実施の形態の静電アクチュエータの構成は、第1の実施の形態の静電アクチュエータの構成と同一である。
【0092】
まず、可動子3を左方向に移動させる場合を説明する。
【0093】
図11(a)は静電アクチュエータを移動方向から見たときの正面図であり、(b)は固定子電極5a2,5a3に印加される電圧の電圧パタンであり、(c)は固定子電極5b2,5b3に印加される電圧の電圧パタンであり、(d)は固定子電極5a1に印加される電圧の電圧パタンであり、(e)は固定子電極5b1に印加される電圧の電圧パタンである。
(0)まず、固定子電極5b1に電圧V[V]を印加して、可動子3が固定子2側に吸引され一時的に保持される(図11(b)〜(e)の時間t0〜t1)。
(1)次に、固定子電極5a1に電圧V[V]を印加して、可動子駆動電極7a3を吸引する(図11(b)〜(e)の時間t1〜t2)。可動子駆動電極7a3に最も近いストッパ9,9が固定子1と接触して可動子3は一時的に保持される。
(2)次に、固定子電極5a1に電圧V[V]を印加し続ける。少しずつ可動子3の可動子駆動電極7a1,7a2側が固定子1側に吸引され、可動子駆動電極7a1,7a2それぞれに最も近いストッパ9,9が固定子1に接触する。可動子3は一時的に固定子1側に保持される(図11(b)〜(e)の時間t2〜t3)。
(3)次に、固定子電極5b1に電圧V[V]を印加し、可動子駆動電極7b3を吸引する(図11(b)〜(e)の時間t3〜t4)。可動子駆動電極7b3に最も近いストッパ9,9が固定子2と接触して可動子3は一時的に保持される。
(4)次に、固定子電極5b1に電圧V[V]を印加し続ける。少しずつ可動子3の可動子駆動電極7b1,7b2側が固定子2側に吸引され、可動子駆動電極7b1,7b2それぞれに最も近いストッパ9,9が固定子2に接触する。可動子3は一時的に固定子2側に保持される(図11(b)〜(e)の時間t4〜t5)。
【0094】
このような電圧パタン(0)〜(4)によって、可動子3は左方向に移動される。なお、上述した(1)、(2)もしくは(3)、(4)は一つの工程にしても構わない。また(2)が実行される時間と(4)が実行される時間は、(2)の方が長く設定される。これは(4)では可動子3の自重により移動が促進されるためである。
【0095】
また、(2)から(3)へ電圧パタンを切り替える時には、(2)における可動子3が移動される慣性力を利用することができる。同様に(0)から(1)へ電圧パタンを切り替える時も(0)における可動子3が移動される慣性力を利用することができる。
【0096】
次に、可動子3を右に移動させる場合を説明する。
【0097】
図12(a)は静電アクチュエータを移動方向から見たときの正面図であり、(b)は固定子電極5a2,5a3に印加される電圧の電圧パタンであり、(c)は固定子電極5b2,5b3に印加される電圧の電圧パタンであり、(d)は固定子電極5a1に印加される電圧の電圧パタンであり、(e)は固定子電極5b1に印加される電圧の電圧パタンである。
(0)まず、固定子電極5b2,5b3に電圧V[V]を印加して、可動子3が固定子2側に吸引され一時的に保持される(図12(b)〜(e)の時間t0〜t1)。
(1)次に、固定子電極5a2,5a3に電圧V[V]を印加して、可動子駆動電極7a1,7a2を吸引する(図12(b)〜(e)の時間t1〜t2)。可動子駆動電極7a1,7a2それぞれに最も近いストッパ9,9が固定子1と接触して可動子3は一時的に保持される。
(2)次に、固定子電極5a2,5a3に電圧V[V]を印加し続ける。少しずつ可動子3の可動子駆動電極7a3側が固定子1側に吸引され、可動子駆動電極7a3に最も近いストッパ9,9が固定子1に接触する。可動子3は一時的に固定子1側に保持される(図12(b)〜(e)の時間t2〜t3)。
(3)次に、固定子電極5b2,5b3に電圧V[V]を印加し、可動子駆動電極7b1,7b2を吸引する(図12(b)〜(e)の時間t3〜t4)。可動子駆動電極7b1,7b2それぞれに最も近いストッパ9,9が固定子2と接触して可動子3は一時的に保持される。
(4)次に、固定子電極5b2,5b3に電圧V[V]を印加し続ける。少しずつ可動子3の可動子駆動電極7b3側が固定子2側に吸引され、可動子駆動電極7b3に最も近いストッパ9,9が固定子2に接触する。可動子3は一時的に固定子2側に保持される(図12(b)〜(e)の時間t4〜t5)。
【0098】
このような電圧パタン(0)〜(4)によって、可動子3は右方向に移動される。なお、上述した(1)、(2)もしくは(3)、(4)は一つの工程にしても構わない。また(2)が実行される時間と(4)が実行される時間は、(2)の方が長く設定される。これは(4)では可動子3の自重により移動が促進されるためである。
【0099】
また、(2)から(3)へ電圧パタンを切り替える時には、(2)における可動子3が移動される慣性力を利用することができる。同様に(0)から(1)へ電圧パタンを切り替える時も(0)における可動子3が移動される慣性力を利用することができる。
【0100】
以上述べたような第3の実施の形態では、更に可動子3に印加される電圧パタンを簡易にすることで、制御をより容易にすることができる。なお所望の移動距離移動した後は、固定子1(もしくは2)の固定子電極5a1〜5a3(もしくは固定子電極5b1〜5b3)に電圧V[V]が印加されて、可動子3が一時的に保持されるものとする。
(第4の実施の形態)
次に、静電アクチュエータの第4の実施の形態の構成について図13,14を参照して説明する。
【0101】
第4の実施の形態の特徴は、各可動子駆動電極の形状が第1の実施の形態と異なっていることである。
【0102】
図13(a)は第4の実施の形態の各可動子駆動電極の平面図であり、(b)は(a)とは異なる各可動子駆動電極の平面図であり、(c)は(a),(b)と異なる各可動子駆動電極の平面図である。
((a)の形態について)
可動子駆動電極7a1,7a2の間に、可動子駆動電極7a3が入り組まないように配置される。また、可動子駆動電極7a1〜7a3の長さは可動子3の長さの半分よりも小さく、第1の実施の形態の各可動子駆動電極に比べて面積は小さい。また可動子駆動電極7a1と7a2のそれぞれの面積は略同一であり、これら面積の和は可動子駆動電極7a3と略同一である。
【0103】
また、可動子駆動電極7a1〜7a3の図心をそれぞれP1〜P3とする。なお図心とは平面図形の重心を意味し、例えば図心P1は可動子駆動電極7a1の重心を指す。
((b)の形態について)
可動子駆動電極7a1〜7a3は、上述した(a)の形態に比べて更に各可動子駆動電極の面積が小さい。このとき可動子駆動電極7a1〜7a3の形状は略正方形であっても構わない。
【0104】
また、可動子駆動電極7a1〜7a3の図心をそれぞれP4〜P6とする。
((c)の形態について)
可動子3の一端に形成される可動子駆動電極を3つの可動子駆動電極7a1,7a4,7a2とし、他端に形成される可動子駆動電極を2つの可動子駆動電極7a3-1,7a3-2とした。可動子駆動電極7a1と可動子駆動電極7a2と可動子駆動電極7a4の面積は略同一である。また可動子駆動電極7a1,7a2,7a4の面積の和は可動子駆動電極7a3-1,7a3-2の面積の和と略同一である。
【0105】
また、可動子駆動電極7a1,7a2,7a3-1,7a3-2,7a4の図心をそれぞれP7〜P11とする。
【0106】
上述した(a)〜(c)の形態と同一の可動子駆動電極が、この各可動子駆動電極が形成された面の裏面にも形成される。
【0107】
続いて、各可動子駆動電極の図心と可動子3の重心について図14を参照して説明する。
【0108】
図中Xは例えば図13(a)の可動子電極7a1もしくは7a2の図心であり、図中Yは図13(a)の可動子電極7a3の図心である。また図中gは可動子3の重心である。また図中oは重心gを通る鉛直方向の線が可動子3表面と交差する点である。
【0109】
図心Xと図心Yとは、点oから略等距離にあり、また可動子3の重心gから略等距離にある。
【0110】
以上述べたような第4の実施の形態では、可動子3が固定子1,2間を移動する際に必要な静電気力の大きさによって、可動子駆動電極の形状を種々変形でき設計範囲を広げることができる。また可動子駆動電極の面積が小さければ小さいほどおおむね製作費用や製作時間を低減させることができる。なお必要な静電気力の大きさは印加される電圧と、可動子と固定子との離間距離が一定であるならば固定子電極/可動子駆動電極の面積、または可動子3の重さに比例し、各電極の面積、または可動子3の重さが大きければ移動に必要な静電気力も大きくなる。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の静電アクチュエータの第5の実施の形態の構成について図15,16を参照して説明する。
【0111】
第5の実施の形態の特徴は、固定子1,2、可動子3の形状が円筒であることである。
【0112】
図15は第5の実施の形態の静電アクチュエータの分解斜視図である。
【0113】
各固定子電極、各可動子駆動電極の形状は第1の実施の形態と同一である。
【0114】
固定子1,2は横断面が略U字形状であり、これらを組み合わせて中空円筒形状となる。固定子1,2の内面には固定子電極5a1〜5a3、5b1〜5b3が互いに対向するように配置される。
【0115】
固定子1,2を組み合わせた時に形成される中空部に円筒形状の可動子3が、固定子1,2に離間して挿入される。この可動子3は、複数のレンズ8を保持する支持体3-1と、固定子電極5a1〜5a3,5b1〜5b3に対向する位置に設けられた可動子駆動電極7a1〜7a3、7b1〜7b3とからなる。
【0116】
可動子3の中心軸を軸Aとすると、可動子3はこの軸A方向に移動することができる。
【0117】
次に、図16を用いて可動子3が移動される時の回転を防止する手段について説明する。
【0118】
図16(a),(b)は図15の静電アクチュエータの横断面図である。
【0119】
可動子3の外面の上下方向の一部に、外側に突出する突出部12a,12bが軸A方向にわたって形成される。この突出部12a,12bは軸Aに対して対称なる位置、つまり180度ずれた位置に形成される。この突出部12a,12bが対応する固定子1,2内面には、突出部12a,12bが挿入可能な凹部がそれぞれ穿設される。なお固定子1と固定子2との接合面は左右方向とする((a)参照)。
【0120】
また、この突出部12a,12bは、可動子3の外面の左右方向の一部に突設されていても良い。なお凹部は固定子1,2の接合面近傍に穿設される((b)参照)。
【0121】
この突出部12a,12b及び凹部は、可動子3が移動する際に、軸Aを中心とした回転運動が誘起された場合、この回転運動を防止するために設けられたものである。なお突出部12a,12b及び凹部は、各可動子駆動電極及び各固定子電極が形成される場所とは異なる位置に形成されるものとする。
【0122】
以上述べたような第5の実施の形態では、レンズ8の形状に合わせて可動子3及び固定子1,2の形状を製作できるため、静電アクチュエータを略直方体形状よりも省スペースとできる。
(第6の実施の形態)
次に、本発明の静電アクチュエータの第6の実施の形態の構成について図17乃至図20を参照して説明する。
【0123】
第6の実施の形態の特徴は、2つの可動子3L,3Rが設けられたことである。
【0124】
図17は第6の実施の形態の分解斜視図であり、各可動子駆動電極及び各固定子電極の構成以外は第1の実施の形態と同一である。
【0125】
固定子1には、所定方向に延伸された複数のストライプ状の、固定子電極30a,30b,31a,31bと位置保持電極32と、この位置保持電極32に電圧を印加する電極端子33と、この固定子電極30a,30bに電圧を印加する電極端子34と、この固定子電極31a,31bに電圧を印加する電極端子35と、が形成される。なお位置保持電極32を中央にして、その両側に固定子電極31a,31bが配置され、さらにその外側に固定子電極30a,30bが配置される。
【0126】
固定子2には、所定方向に延伸された複数のストライプ状の、固定子電極37a,37b,38a,38bと位置保持電極39と、この位置保持電極39に電圧を印加する電極端子40と、この固定子電極37a,37bに電圧を印加する電極端子41と、この固定子電極38a,38bに電圧を印加する電極端子42と、が形成される。なお位置保持電極39を中央にして、その両側に固定子電極38a,38bが配置され、さらにその外側に固定子電極37a,37bが配置される。
【0127】
可動子3Lは、支持体3-1と、この支持体3-1表面に形成された複数の可動子駆動電極、位置保持電極と、支持体3-1に接続されて電荷を取り除く接地配線6Lと、からなる。
【0128】
可動子3Lの固定子1に対向する面には、固定子電極30a,30b,31a,31b、位置保持電極32に対向するように、長方形状の可動子駆動電極20b,20a,21b,21a、可動子固定電極22が配置される。ここで可動子駆動電極20a,20bは可動子3の移動方向に偏位して配置され、可動子駆動電極21a,21bは可動子3の移動方向とは逆側に偏位して配置される。また可動子駆動電極20b,20a,21b,21aのそれぞれの長さは略同一であり、可動子3の長さの半分程度である。なお可動子駆動電極20a,20b間に、可動子駆動電極21a,21bが入り組んで配置される。また可動子固定電極22は可動子3の長さとほぼ同程度の長さである。また、この面の四隅には、各可動子駆動電極、可動子固定電極22よりも高さの高いストッパ9,9,9,9が突出して配置される。
【0129】
可動子3Lの固定子2に対向する面には、固定子電極37a,37b,38a,38bに対向するように、長方形状の可動子駆動電極23b,23a,24b,24aが配置される。ここで可動子駆動電極23a,23bは可動子3の移動方向に偏位して配置され、可動子駆動電極24a,24bは可動子3の移動方向とは逆側に偏位して配置される。また可動子駆動電極23b,23a,24b,24aのそれぞれの長さは略同一であり、可動子3の長さの半分程度である。なお可動子駆動電極23a,23b間に、可動子駆動電極24a,24bが入り組んで配置される。また、この面の四隅には、各可動子駆動電極の高さよりも高いストッパ9,9,9,9が突出して配置される。
【0130】
可動子3Rは、支持体3-1と、この支持体3-1表面に形成された複数の可動子駆動電極、位置保持電極と、支持体3-1に接続されて電荷を取り除く接地配線6Rと、からなる。
【0131】
可動子3Rの固定子1に対向する面には、固定子電極30a,30b,31a,31bに対向するように、長方形状の可動子駆動電極28b,28a,29b,29aが配置される。ここで可動子駆動電極28a,28bは可動子3の移動方向に偏位して配置され、可動子駆動電極29a,29bは可動子3の移動方向とは逆側に偏位して配置される。また可動子駆動電極28b,28a,29b,29aのそれぞれの長さは略同一であり、可動子3の長さの半分程度である。なお可動子駆動電極28a,28b間に、可動子駆動電極29a,29bが入り組んで配置される。また、この面の四隅には、各可動子駆動電極よりも高さの高いストッパ9,9,9,9が突出して配置される。
【0132】
可動子3Rの固定子2に対向する面には、固定子電極37a,37b,38a,38b、位置保持電極39に対向するように、長方形状の可動子駆動電極25b,25a,26b,26a、可動子固定電極27が配置される。ここで可動子駆動電極25a,25bは可動子3の移動方向に偏位して配置され、可動子駆動電極26a,26bは可動子3の移動方向とは逆側に偏位して配置される。また可動子駆動電極25b,25a,26b,26aのそれぞれの長さは略同一であり、可動子3の長さの半分程度である。なお可動子駆動電極25a,25b間に、可動子駆動電極26a,26bが入り組んで配置される。また可動子固定電極27は可動子3の長さとほぼ同程度の長さである。また、この面の四隅には、各可動子駆動電極、可動子固定電極27の高さよりも高いストッパ9,9,9,9が突出して配置される。
【0133】
図18(a)は可動子3Lの斜視図であり、可動子駆動電極20a,20b,21a,21bは略同一形状である。図には示されていないが可動子駆動電極23a,23b,24a,24bは略同一形状である。さらに可動子駆動電極20a,20b,21a,21bの高さは同一である。
【0134】
図18(b)は可動子3Rの斜視図であり、可動子駆動電極20a,20b,21a,21bは略同一形状である。図には示されていないが可動子駆動電極23a,23b,24a,24bは略同一形状である。さらに可動子駆動電極20a,20b,21a,21bの高さは同一である。
【0135】
図19(a)は可動子駆動電極20a等が形成された面の平面図であり、(b)は可動子駆動電極23a等が形成された面の平面図であり、(c)は可動子駆動電極28a等が形成された面の平面図であり、(d)は可動子駆動電極25a等が形成された面の平面図である。
【0136】
可動子駆動電極20aと20bは可動子3Lの重心に対して対称な位置に配置され、可動子駆動電極21aと21b、可動子駆動電極23aと23b、可動子駆動電極24aと24b、可動子駆動電極28aと28b、可動子駆動電極29aと29b、可動子駆動電極25aと25b、可動子駆動電極26aと26bのそれぞれも可動子駆動電極21aと21bと同様の関係にある。
【0137】
次に、図20(a)は固定子1の平面図であり、(b)は固定子2の平面図である。
【0138】
(a)に示すように、固定子1の端部近傍に形成された電極端子33は、位置保持電極32とパターニングによって結線される。また電極端子34は、固定子電極30bとパターニングによって結線され、固定子電極30bと固定子電極30aとはパターニングによって結線される。また電極端子35は、固定子電極31aとパターニングによって結線され、固定子電極31aと固定子電極31bはパターニングによって決戦される。電極端子33〜35は、それぞれが制御部36に接続される。
【0139】
制御部36は、固定子電極30a,30b,31a,31bまたは位置保持電極32に印加される電圧値及び電圧印加タイミングを電圧パタンとして記憶しており、この電圧パタンに従って各固定子電極または位置保持電極32に印加される電圧を制御する。
【0140】
また、(b)に示すように、位置保持電極39と電極端子40とはパターニングによって結線される。また電極端子41と固定子電極37bとはパターニングによって結線され、固定子電極37bと固定子電極37aとはパターニングによって結線される。また電極端子42と固定子電極38aとはパターニングによって結線され、固定子電極38aと固定子電極38bとがパターニングによって結線される。電極端子40〜42は、それぞれが制御部36に接続される。
【0141】
制御部36は、固定子電極37a,37b,38a,38bまたは位置保持電極39に印加される電圧値及び電圧印加タイミングを電圧パタンとして記憶しており、この電圧パタンに従って各固定子電極または位置保持電極に印加される電圧を制御する。
【0142】
このような構成からなる第6の実施の形態の動作について説明する。
【0143】
可動子3L,3Rを所定方向に移動させる場合には、以下の4つの運動パタンがある。
1.可動子3L,3Rを共に図17中左方向に移動させる場合。
2.可動子3L,3Rを共に図17中右方向に移動させる場合。
3.可動子3Lのみを図17中左もしくは右方向に移動させ可動子3Rを固定し移動させない場合。
4.可動子3Rのみを図17中左もしくは右方向に移動させ可動子3Lを固定し移動させない場合。
【0144】
上記1〜4の運動パタン及び各運動パタン中の工程によって、制御部36が電圧を印加する固定子電極及び位置保持電極が異なり、その関係は以下の表1のとおりである。
【表1】
Figure 0003964612
なお、表1中の「使用する」とは各運動パタンを構成する複数の工程中でその電極に電圧が印加されるものであり、「使用しない」とは電圧が印加されないものである。つまり、可動子の移動動作に関係のあるもの(使用する)か否か(使用しない)という違いである。以下の表においても同様の定義とする。
【0145】
まず、運動パタン1、2について説明する。
【0146】
運動パタン1もしくは2の場合には、各可動子駆動電極及び各固定子電極が以下の表2、3に示すような関係を有する。
【表2】
Figure 0003964612
【表3】
Figure 0003964612
したがって、位置保持電極32,39に電圧を印加しないような制御を制御部36が行えば、運動パタン1もしくは2は第1の実施の形態の可動子3を所定方向に移動させる場合と同一である。つまり電圧値、この印加される電圧のタイミングは第1の実施の形態と同一である。
【0147】
なお、可動子3L,3Rを運動パタン1もしくは2で動作させる時は、可動子3L,3Rの間の距離は移動開始前の距離のままである。
【0148】
次に、運動パタン3について説明する。
【0149】
可動子3Lは移動可能であるため、運動パタン1もしくは2にしたがって、所望の方向に移動可能である。また可動子3Rは、可動子3Lの動作中は固定子2に一時的に保持される。
【0150】
この可動子3Rが一時的に保持される動作について説明する。
【0151】
固定子2の位置保持電極39に電圧V[V]が印加される。電圧が印加されたことで、位置保持電極39に対応する可動子固定電極27と、位置保持電極39との間に最も大きな静電気力が発生する。この静電気力によって可動子3Rが固定子2に吸引される。可動子3Rの下面のストッパ9,9,9,9が固定子2と接触し可動子3が固定子2側に一時的に保持される。
【0152】
位置保持電極39には可動子3Rを保持したい時間(例えば可動子3Lの動作中)だけ電圧が印加される。
【0153】
位置保持電極39に電圧が印加されている間に、例えば固定子1側の固定子電極30a,30b,31a,31bに電圧が印加されたとしても可動子3Rは固定子2に保持されたままである。これは固定子2に保持された可動子3Rと固定子1との距離が数十ミクロンあり、印加される電圧がV[V]であれば、固定子2に保持されている力よりも大きな静電気力が得られないためである。
【0154】
なお移動可能な可動子3Lは、一時的に保持された可動子3Rと接触しない範囲で移動される。この移動可能な可動子3Lは、第1の実施の形態と同様の方法で移動される。
【0155】
次に、運動パタン4について説明する。
【0156】
可動子3Rは移動可能であるため、運動パタン1もしくは2にしたがって、所望の方向に移動する。また可動子3Lは可動子3Rが動作中は固定子2に一時的に保持される。
【0157】
この可動子3Lが一時的に保持される動作について説明する。
【0158】
固定子1の位置保持電極32にV[V]の電圧が印加される。電圧が印加されたことで、位置保持電極32に対応する可動子固定電極22と位置保持電極32との間に最も大きな静電気力が発生する。この静電気力によって可動子3Lが固定子1に吸引される。可動子3Lの上面のストッパ9,9,9,9が固定子1に接触し、可動子3Lが固定子1側に一時的に保持される。
【0159】
位置保持電極32には、可動子3Lを固定したい時間(例えば可動子3Rが動作中)だけ制御部36によって電圧が印加される。
【0160】
位置保持電極32に電圧が印加されている間に、例えば固定子2側の駆動電極37a,37b,38a,38bに電圧が印加されたとしても、可動子3Lは固定子1側に保持されたままである。これは可動子3Lと固定子2との距離が数十ミクロンあり、印加される電圧がV[V]であれば、固定子1に保持されている力よりも大きな静電気力が得られないためである。
【0161】
なお移動可能な可動子3Rは、一時的に保持された可動子3Lと接触しない範囲で移動される。この移動可能な可動子3Rの移動は、第1の実施の形態と同様の方法で移動される。
【0162】
以上述べたような第6の実施の形態では、従来よりも広い範囲で可動子3L,3Rを移動させること可能であることは勿論、可動子3L,3Rを同時に、もしくはどちらか一方のみを所定方向に移動させることによって、レンズ8によって結像される画像の焦点合わせ及び画像の拡大・縮小動作を行うことができる。
(第7の実施の形態)
次に,本発明の第7の実施の形態の構成について図21乃至図24を参照して説明する。
【0163】
第7の実施の形態の特徴は、第1の実施の形態よりも可動子3に形成される可動子駆動電極を増加したことである。
【0164】
第7の実施の形態は、各固定子電極、各可動子電極以外の構成は第1の実施の形態と同一である。
【0165】
図21は第7の実施の形態の分解斜視図である。
【0166】
固定子1には、所定方向に延伸された複数のストライプ状の、固定子電極52a,52c1,52c2,52b1,52b2と、この固定子電極52b1,52b2に電圧を印加する電極端子55と、この固定子電極52aに電圧を印加する電極端子53と、この固定子電極52c1,52c2に電圧を印加する電極端子54と、が形成される。なお固定子電極52aを中央にして、その両側に固定子電極52b1,52b2が配置され、さらにその外側に固定子電極52c1,52c2が配置される。
【0167】
固定子2には、所定方向に延伸された複数のストライプ状の、固定子電極57a,57c1,57c2と固定子電極57b1,57b2と、この固定子電極57b1,57b2に電圧を印加する電極端子60と、この固定子電極57aに電圧を印加する電極端子58と、この固定子電極57c1,57c2に電圧を印加する電極端子59と、が形成される。なお固定子電極57aを中央にして、その両側に固定子電極39が配置され、さらにその外側に固定子電極57c1,57c2が配置される。
【0168】
可動子3は、支持体3-1と、この支持体3-1表面に形成された複数の可動子駆動電極と、支持体3-1に接続されて電荷を取り除く接地配線6と、からなる。
【0169】
可動子3の固定子1に対向する面には、固定子電極52a,52c1,52c2,52b1,52b2に対向するように、長方形状の可動子駆動電極50b,50a2,50a1,50c2,50c1が配置される。ここで可動子駆動電極50a1,50a2は可動子3の移動方向に偏位して配置され、可動子駆動電極50bは可動子3の移動方向とは逆側に偏位して配置される。また可動子駆動電極50a1,50a2,50bのそれぞれの長さは略同一であり、可動子3の長さの半分以下である。また可動子駆動電極50c1,50c2は可動子3の長さとほぼ同程度の長さである。また、この面の四隅には、各可動子駆動電極よりも高さの高いストッパ9,9,9,9が突出して配置される。
【0170】
可動子3の固定子2に対向する面には、固定子電極57a,57c1,57c2,57b1,57b2に対向するように、長方形状の可動子駆動電極51b,51c1,51c2,51c2,51c1が配置される。ここで可動子駆動電極51a1,51a2は可動子3の移動方向に偏位して配置され、可動子駆動電極51bは可動子3の移動方向とは逆側に偏位して配置される。また可動子駆動電極51a1,51a2,51bのそれぞれの長さは略同一であり、可動子3の長さの半分以下である。また、この面の四隅には、各可動子駆動電極の高さよりも高いストッパ9,9,9,9が突出して配置される。
【0171】
図22は可動子3の斜視図であり、可動子駆動電極50a1,50a2,50bは略同一形状である。図には示されていないが可動子駆動電極51a1,51a2,51bは略同一形状である。さらに可動子駆動電極50a1,50a2,50b,50c1,50c2の高さは同一である。
【0172】
図23は可動子駆動電極50a1等が形成された面の平面図であり、(b)は可動子駆動電極51a1等が形成された面の平面図である。
【0173】
可動子駆動電極50a1と50a2は可動子3の重心に対して対称な位置に配置され、可動子駆動電極50c1と50c2、可動子駆動電極51aと51a2、可動子駆動電極51c1と51c2、のそれぞれも可動子駆動電極50a1と50a2と同様の関係にある。
【0174】
次に、図24(a)は固定子1の平面図であり、(b)は固定子2の平面図である。
【0175】
(a)に示すように、固定子1の端部近傍に形成された電極端子53は、固定子電極52aとパターニングによって結線される。また電極端子54は、固定子電極52c1とパターニングによって結線され、固定子電極52c1と固定子電極52c2とはパターニングによって結線される。また電極端子55は、固定子電極52b2とパターニングによって結線され、固定子電極52b2と固定子電極52b1はパターニングによって決戦される。電極端子53〜55は、それぞれが制御部56に接続される。
【0176】
制御部56は、固定子電極52a,52c1,52c2または固定子電極52b1,52b2に印加される電圧値及び電圧印加タイミングを電圧パタンとして記憶しており、この電圧パタンに従って各固定子電極に印加される電圧を制御する。
【0177】
また、(b)に示すように、電極端子58は固定子電極57aとパターニングによって結線される。また電極端子59は固定子電極57c1とパターニングによって結線され、固定子電極57c1は固定子電極57c2とパターニングによって結線される。また電極端子60は固定子電極57b2とパターニングによって結線され、固定子電極57b2は固定子電極57b1とパターニングによって結線される。電極端子58〜60は、それぞれが制御部56に接続される。
【0178】
制御部56は、固定子電極57a,57c1,57c2,57b1,57b2に印加される電圧値及び電圧印加タイミングを電圧パタンとして記憶しており、この電圧パタンに従って各固定子電極に印加される電圧を制御する。
【0179】
このような構成からなる第6の実施の形態の動作について図25を参照して説明する。
【0180】
図25(a)は静電アクチュエータを移動方向から見たときの正面図であり、(b)は固定子電極52b1,52b2に印加される電圧の電圧パタンであり、(c)は固定子電極57b1,57b2に印加される電圧パタンであり、(d)は固定子電極52aに印加される電圧パタンであり、(e)は固定子電極57aに印加される電圧パタンであり、(f)は固定子電極52c1,52c2に印加される電圧パタンであり、(g)は固定子電極57c1,57c2に印加される電圧パタンである。
【0181】
各固定子電極に(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)の順番で所定電圧を印加し、可動子3を所定方向に移動させる。
(0)まず、固定子電極57a,57b1,57b2,57c1,57c2に電圧V[V]を印加する(図25(b)〜(g)の時間t0〜t1)。
(1)次に、固定子電極52a,57c1,57c2,52b1,52b2に電圧V[V]を印加する(図25(b)〜(g)の時間t1〜t2)。
(2)次に、固定子電極52b1,52b2,52a,52c1,52c2に電圧V[V]を印加する(図25(b)〜(g)の時間t2〜t3)。
(3)次に、固定子電極57b1,57b2,57a,52c1,52c2に電圧V[V]を印加する(図25(b)〜(g)の時間t3〜t4)。
(4)次に、固定子電極57b1,57b2,57a,57c1,57c2に電圧V[V]を印加する(図25(b)〜(g)の時間t4〜t5)。
【0182】
このような電圧パタン(0)〜(4)によって、可動子は所定方向に移動される。
【0183】
可動子3が移動される状態を図26を参照して説明する。
【0184】
図26(a)は静電アクチュエータを移動方向から見たときの正面図であり、(b)は上から下に時系列的に並べた可動子3の移動の仕方を表すものである。
【0185】
図26(b)の最上段は上述した(0)の電圧パタンが印加されたときの可動子3の状態であり、2段目は上述した(1)の電圧パタンが印加されたときの可動子3の状態であり、3段目は上述した(2)の電圧パタンが印加されたときの可動子3の状態であり、4段目は上述した(3)の電圧パタンが印加されたときの可動子3の状態であり、5段目は上述した(4)の電圧パタンが印加されたときの可動子3の状態である。なお、2段目〜5段目に記載された点線は、それぞれの1つ前の段の可動子3の状態を表している。
【0186】
まず、最上段では、固定子電極57a,57b1,57b2,57c1,57c2に電圧が印加されているため、可動子駆動電極51b,51c2,51c1,51a2,51a1が固定子電極57a,57b1,57b2,57c1,57c2に静電気力により吸引され、可動子3の下面のストッパ9,9,9,9が固定子2と接触した状態で固定子2側に一時的に保持される。
【0187】
次に、2段目では、固定子電極52b1,52b1,52a,57c1,57c2に電圧が印加されているため、可動子駆動電極50c2,50c1,50bが固定子電極52b1,52b1,52aに静電気力により吸引され、点αを中心にして反時計周りに可動子3が回転する。点αとは可動子駆動電極51a1,51a2それぞれに最も近いストッパ9,9と固定子2とが接触する点である。可動子駆動電極50bに最も近いストッパ9,9が固定子1と接触した状態で一時的に可動子3が保持される。
【0188】
次に、3段目では、固定子電極52b1,52b2,52a,52c1,52c2に電圧が印加されているため、可動子駆動電極50a1,50a2,50c1,50c2が固定子電極52c2,52c1,52b2,52b1に静電気力により吸引され、点βを中心にして時計回りに可動子3が回転する。点βとは可動子駆動電極50bに最も近いストッパ9,9が固定子1と接触する点である。そして可動子駆動電極50a1,50a2それぞれに最も近いストッパ9,9が固定子1と接触した状態で一時的に可動子3が保持される。この状態で可動子3は最上段の可動子3の位置に対してδだけ図中左方向に移動されている。
【0189】
次に、4段目では、固定子電極57b1,57b2,57a,52c1,52c2に電圧が印加されているため、可動子駆動電極51b,51c1,51c2が固定子電極57a,57b2,57b1に静電気力により吸引され、点γを中心にして時計周りに可動子3が回転する。点γとは可動子駆動電極50a1,50a2それぞれに最も近いストッパ9,9が固定子1と接触する点である。そして可動子駆動電極51bに最も近いストッパ9,9が固定子2と接触した状態で一時的に可動子3が保持される。
【0190】
次に、5段目では、固定子電極57b1,57b2,57a,57c1,57c2に電圧が印加されるため、可動子駆動電極51a1,51a2,51c2,51c1が固定子電極57c2,57c1,57b1,57b2に静電気力により吸引され、点εを中心にして反時計回りに可動子3が回転する。点εとは可動子駆動電極51bに最も近いストッパ9,9が固定子2と接触する点である。そして可動子駆動電極51a1,51a2それぞれに最も近いストッパ9,9が固定子2と接触した状態で一時的に可動子3が保持される。この状態では最上段の可動子3の位置に比べて図中左方向に2δ移動されている。
【0191】
以降必要な移動距離だけ上記(0)〜(4)を繰り返すことによって、図26中左方向に可動子3を移動させることができる。
【0192】
必要な移動距離だけ可動子3が移動された後は、複数のレンズによって、レンズに入射する光の焦点が所定位置に合わされているため、この所定位置に設けられたCCDカメラなどによって映像信号を得る。ただしCCDカメラによって映像信号を得るときには、可動子3は固定子1もしくは2のいずれか一方に一時的に保持されるものとする。
【0193】
次に、可動子3が上述した図26で述べた方向とは反対の方向に移動する場合について説明する。
【0194】
図27(a)は静電アクチュエータを移動方向から見たときの正面図であり、(b)は固定子電極52b1,52b2に印加される電圧の電圧パタンであり、(c)は固定子電極57b1,57b2に印加される電圧の電圧パタンであり、(d)は固定子電極52aに印加される電圧の電圧パタンであり、(e)は固定子電極57aに印加される電圧の電圧パタンであり、(f)は固定子電極52c1,52c2に印加される電圧の電圧パタンであり、(g)は固定子電極57c1,57c2に印加される電圧の電圧パタンである。
【0195】
各固定子電極に(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)の順番で所定電圧を印加し、可動子3を所望方向に移動させる。
(0)まず、固定子電極57b1,57b2,57a,57c1,57c2に電圧V[V]を印加する(図27(b)〜(g)の時間t0〜t1)。
(1)次に、固定子電極52b1,52b2,57a,52c1,52c2に電圧V[V]を印加する(図27(b)〜(g)の時間t1〜t2)。
(2)次に、固定子電極52b1,52b2,52a,52c1,52c2に電圧V[V]を印加する(図27(b)〜(g)の時間t2〜t3)。
(3)次に、固定子電極57b1,57b2,52a,57c1,57c2に電圧V[V]を印加する(図27(b)〜(g)の時間t3〜t4)。
(4)次に、固定子電極57b1,57b2,57a,57c1,57c2に電圧V[V]を印加する(図27(b)〜(g)の時間t4〜t5)。
【0196】
このような電圧パタン(0)〜(4)によって、可動子は所望の方向に移動される。
【0197】
上述した電圧パタンによって可動子3が移動される状態を図28を参照して説明する。なお移動される方向は図28中右方向とする。
【0198】
図28(a)は静電アクチュエータを移動方向から見たときの正面図であり、(b)は上から下に時系列的に並べられた可動子3の移動の仕方を表すものである。
【0199】
図28(b)の最上段は上述した(0)の電圧パタンが印加されたときの可動子3の状態であり、2段目は上述した(1)の電圧パタンが印加されたときの可動子3の状態であり、3段目は上述した(2)の電圧パタンが印加されたときの可動子3の状態であり、4段目は上述した(3)の電圧パタンが印加されたときの可動子3の状態であり、5段目は上述した(4)の電圧パタンが印加されたときの可動子3の状態である。なお、2段目〜5段目に記載された点線は、それぞれの1つ前の段の可動子3の状態を表している。
【0200】
まず、最上段では、固定子電極57b1,57b2,57a,57c1,57c2に電圧が印加されているため、可動子駆動電極51a1,51a2,51b,51c1,51c2が固定子電極57c2,57c1,57a,57b2,57b1に静電気力により吸引され、可動子3の下面のストッパ9,9,9,9が固定子2と接触した状態で固定子2側に一時的に保持される。
【0201】
次に、2段目では、固定子電極52b1,52b2,57a,52c1,52c2に電圧が印加されているため、可動子駆動電極50a1,50a2,50c1,50c2が固定子電極52c2,52c1,52b2,52b1に静電気力により吸引され、点αを中心にして時計周りに可動子3が回転する。点αとは可動子駆動電極51bに最も近いストッパ9,9と固定子2とが接触する点である。可動子駆動電極50a1,50a2それぞれに最も近いストッパ9,9が固定子1と接触した状態で一時的に可動子3が保持される。
【0202】
次に、3段目では、固定子電極52b1,52b2,52a,52c1,52c2に電圧が印加されているため、可動子駆動電極50b,50c1,50c2が固定子電極52a,52b2,52b1に静電気力により吸引され、点βを中心にして反時計回りに可動子3が回転する。点βとは可動子駆動電極50a1,50a2それぞれに最も近いストッパ9,9が固定子1と接触する点である。そして可動子駆動電極50bに最も近いストッパ9,9が固定子1と接触した状態で一時的に可動子3が保持される。この状態で可動子3は最上段の可動子3の位置に対してδだけ図中右方向に移動されている。
【0203】
次に、4段目では、固定子電極57b1,57b2,52a,57c1,57c2に電圧が印加されているため、可動子駆動電極51a1,51a2,51c1,51c2が固定子電極57c2,57c1,57b2,57b1に静電気力により吸引され、点γを中心にして反時計周りに可動子3が回転する。点γとは可動子駆動電極50bに最も近いストッパ9,9が固定子1と接触する点である。そして可動子駆動電極51a1,51a2それぞれに最も近いストッパ9,9が固定子2と接触した状態で一時的に可動子3が保持される。
【0204】
次に、5段目では、固定子電極57b1,57b2,57a,57c1,57c2に電圧が印加されるため、可動子駆動電極51bが固定子電極57aに静電気力により吸引され、点εを中心にして時計回りに可動子3が回転する。点εとは可動子駆動電極51a2,51a1に最も近いストッパ9,9が固定子2と接触する点である。そして可動子駆動電極51bに最も近いストッパ9,9が固定子2と接触した状態で一時的に可動子3が保持される。この状態では最上段の可動子3の位置に比べて図中右方向に2δ移動されている。
【0205】
以降必要な移動距離だけ上記(0)〜(4)を繰り返すことによって、図28中右方向に可動子3を移動させることができる。
【0206】
必要な移動距離だけ可動子3が移動された後は、複数のレンズによって、レンズに入射する光の焦点が所定位置に合わされているため、この所定位置に設けられたCCDカメラなどによって映像信号を得る。ただしCCDカメラによって映像信号を得るときには、可動子3は固定子1もしくは2のいずれか一方に一時的に保持されるものとする。
【0207】
以上述べたような第7の実施の形態では、可動子3の移動範囲を従来よりも大きくできる。そのため焦点合わせを行える範囲を広げることができる。また固定子電極52b1,52b2,57b1,57b2と可動子3との間に静電気力を作用させることにより、第1の実施の形態よりもすばやく可動子3をどちらかの固定子側に移動させることができ応答性を向上させることができる。
(第8の実施の形態)
次に、本発明の静電アクチュエータの第8の実施の形態の構成について図29乃至図31を参照して説明する。
【0208】
第8の実施の形態の特徴は、第7の実施の形態の可動子駆動電極及び固定子電極の形状を変えたことである。
【0209】
図29は第8の実施の形態の可動子の斜視図である。
【0210】
可動子3は、複数のレンズ8を保持するために設けられた略直方体の導電体もしくは抵抗体からなる支持体3-1と、この支持体3-1の1対の側面のそれぞれに、突出して形成された4つの可動子駆動電極と1つの可動子固定電極と、四隅に突設される同一面積のストッパ9,9,9,9と、支持体3-1に貯まった電荷を取り除くための接地配線6と、からなる。
【0211】
ここで、可動子3上面には、長方形状の可動子駆動電極70a1,70a2,70b1,70b2、長方形状の可動子固定電極70cがエッチングにより形成される。可動子駆動電極70a1,70a2,70b1,70b2、可動子固定電極70cは互いに離間して所定方向に互いに並行に延伸される。なお可動子駆動電極70a1,70a2,70b1,70b2の長さは可動子3の長さの半分よりも小さく、また可動子固定電極70cの長さは可動子3の長さと略同一である。
【0212】
また、可動子駆動電極70a1と70a2の面積は略同一であり、可動子駆動電極70b1と70b2の面積は略同一である。また、可動子固定電極70cを中心にして、その両側に可動子駆動電極70b1,70b2が配置され、更にその両側に可動子駆動電極70a1,70a2が配置される。可動子駆動電極70b1と70b2は可動子固定電極70cを中心に対称な位置に配置され、可動子駆動電極70a1と70a2は可動子固定電極70cを中心に対称な位置に配置される。
【0213】
また、可動子3下面には、可動子駆動電極71a1,71a2,71b1,71b2と、可動子固定電極71cと、ストッパ9,9,9,9とが、レンズ8の光軸に対して対称な位置に可動子駆動電極70a2,70a1,70b2,70b1、可動子固定電極70c、ストッパ9,9,9,9が略同一形状で形成される。
【0214】
図30(a)は第8の実施の形態の可動子の上面図であり、(b)は下面図である。
【0215】
可動子駆動電極70a1,70a2の図心と可動子駆動電極70b1,70b2の図心とは、可動子3の重心から略等距離となるように配置される。また可動子固定電極70cの図心は、鉛直方向に可動子3の重心と略一致するように配置される。
【0216】
次に、図31(a)の固定子1の固定子電極の平面図と、(b)の固定子2の固定子電極の平面図を用いて固定子電極の構成を説明する。
【0217】
固定子1には、ガラス表面に、5つの固定子電極が形成される。この固定子電極は、4つの略長方形状の駆動電極72a1,72a2,72b1,72b2と、位置保持電極72cとからなる。駆動電極72a1,72a2,72b1,72b2と位置保持電極72cは互いに離間して所定方向に並行に延伸され形成される。また、位置保持電極72cを中心にして、その両側に駆動電極72b1,72b2が配置され、更にその外側に駆動電極72a1,72a2が配置される。駆動電極72a1,72a2,72b1,72b2は略同一形状に形成される。
【0218】
また、駆動電極72a1の一端には電極端子73が結線され、他端には駆動電極72a2が結線される。位置保持電極72cの一端には電極端子74が結線される。駆動電極72b2の一端には電極端子75が結線され、他端には駆動電極72b1が結線される。電極端子73〜75は制御部76に接続される。この制御部76は、駆動電極72a1,72a2,72b1,72b2、位置保持電極72cに印加される電圧値及び電圧印加タイミングを電圧パタンとして記憶しており、この電圧パタンにしたがって各駆動電極、位置保持電極に電圧を印加する。
【0219】
また、固定子2には、ガラス表面に、5つの固定子電極が形成される。この固定子電極は、4つの略長方形状の駆動電極77a1,77a2,77b1,77b2と、位置保持電極77cとからなる。駆動電極77a1,77a2,77b1,77b2と位置保持電極77cは互いに離間して所定方向に並行に延伸され形成される。また、位置保持電極77cを中心にして、その両側に駆動電極77b1,77b2が配置され、更にその外側に駆動電極77a1,77a2が配置される。駆動電極77a1,77a2,77b1,77b2は略同一形状に形成される。
【0220】
また、駆動電極77a1の一端には電極端子78が結線され、他端には駆動電極77a2が結線される。位置保持電極77cの一端には電極端子79が結線される。駆動電極77b2の一端には電極端子80が結線され、他端には駆動電極77b1が結線される。電極端子78〜80は制御部76に接続される。この制御部76は、駆動電極77a1,77a2,77b1,77b2、位置保持電極77cに印加される電圧値及び電圧印加タイミングを電圧パタンとして記憶しており、この電圧パタンにしたがって各駆動電極、位置保持電極に電圧を印加する。
【0221】
このような構成からなる第8の実施の形態の駆動方法を説明する。
【0222】
可動子駆動電極70a1,70a2,70b1,70b2,71a1,71a2,71b1,71b2は、第7の実施の形態の可動子駆動電極50a1,50a2,50b,50b,51a1,51a2,51b,51bにそれぞれ対応して、同様の動作を行う。
【0223】
また、可動子固定電極70cは、第7の実施の形態の可動子駆動電極50c1(50c2)に対応し、同様の動作をする。
【0224】
また、可動子固定電極71cは、第7の実施の形態の可動子駆動電極51c1(51c2)に対応し、同様の動作をする。
【0225】
さらに、駆動電極72a1,72a2,72b1,72b2は、第7の実施の形態の固定子電極52c1,52c12,52a,52aのそれぞれに対応して、同様の動作を行う。
【0226】
また、位置保持電極72cは、第7の実施の形態の固定子電極52b1(52b2)に対応し、同様の動作をする。
【0227】
また、位置保持電極77cは、第7の実施の形態の固定子電極57b1(57b2)に対応し、同様の動作をする。
【0228】
したがって、制御部76は、電極端子73〜75、78〜80に所定の電圧パタンに沿った電圧を印加して、電圧を印加したことによって発生する静電気力で可動子を所望の方向に移動させる。可動子を所定方向に移動させるための電圧パタンは第7の実施の形態と同様である。
【0229】
以上述べたような第8の実施の形態では、第7の実施の形態に比べて各電極の設計の範囲を広げることができる。また、可動子駆動電極70c,71cの図心が可動子3の重心の鉛直線上に形成されるため第7の実施の形態よりも小さな静電気力で固定子1,2間を移動させることができる。
(第9の実施の形態)
次に,本発明の静電アクチュエータの第9の実施の形態の構成について図32乃至図35を参照して説明する。
【0230】
第9の実施の形態の特徴は、第8の実施の形態において可動子を2つ設けたことである。
【0231】
図32は第9の実施の形態の分解斜視図である。
【0232】
まず、可動子3Lの構成について説明する。
【0233】
可動子3Lの上面には、略長方形状の、可動子駆動電極70a1,70a2,70b1,70b2,70c1,70c2と、可動子固定電極90と、この面の四隅にストッパ9,9,9,9と、が突出して形成される。ただし、可動子駆動電極70a1,70a2,70b1,70b2,70c1,70c2、可動子固定電極90は、互いに離間して所定方向に並行にストライプ状に形成される。このとき可動子駆動電極70a1,70a2は、移動方向側に偏位して配置され、可動子駆動電極70b1,70b2は、移動方向とは逆側に偏位して配置される。また、可動子固定電極90を中心にして、この両側に可動子駆動電極70c1,70c2が配置され、更にこの外側に可動子駆動電極70b1,70b2が配置され、更にこの外側に可動子駆動電極70a1,70a2が配置される。可動子駆動電極70a1,70a2,70b1,70b2は略同一形状に形成される。
【0234】
また、可動子3Lの下面には、可動子駆動電極70a1,70a2,70b1,70b2,70c1,70c2がレンズ8の光軸に対して対象な位置に、可動子駆動電極71a2,71a1,71b2,71b1,71c2,71c1が形成される。なお、可動子駆動電極71a2,71a1,71b2,71b1,71c2,71c1の形状は、可動子駆動電極70a1,70a2,70b1,70b2,70c1,70c2と同一である。
【0235】
次に、可動子3Rの構成について説明する。
【0236】
可動子3Rの下面には、略長方形状の、可動子駆動電極71a1,71a2,71b1,71b2,71c1,71c2と、可動子固定電極91と、この面の四隅にストッパ9,9,9,9と、が突出して形成される。ただし、可動子駆動電極71a1,71a2,71b1,71b2,71c1,71c2、可動子固定電極91は、互いに離間して所定方向に並行にストライプ状に形成される。このとき可動子駆動電極71a1,71a2は、移動方向側に偏位して配置され、可動子駆動電極71b1,71b2は、移動方向とは逆側に偏位して配置される。また、可動子固定電極91を中心にして、この両側に可動子駆動電極71c1,71c2が配置され、更にこの外側に可動子駆動電極71b1,71b2が配置され、更にこの外側に可動子駆動電極71a1,71a2が配置される。可動子駆動電極71a1,71a2,71b1,71b2,71c1,71c2は略同一形状に形成される。
【0237】
また、可動子3Rの上面には、可動子駆動電極71a1,71a2,71b1,71b2,71c1,71c2がレンズ8の光軸に対して対称な位置に、動子駆動電極70a2,70a1,70b2,70b1,70c2,70c1が形成される。なお、可動子駆動電極70a2,70a1,70b2,70b1,70c2,70c1の形状は、可動子駆動電極71a1,71a2,71b1,71b2,71c1,71c2と同一である。
【0238】
次に、固定子1,2の構成について説明する。
【0239】
固定子1には、ガラス表面に、7つの長方形状の固定子電極が形成される。この固定子電極は、駆動電極72a2,72a1,72b2,72b1,72c2,72c1と、位置保持電極92とからなり、互いに離間して並行であり所定方向に延伸されたストライプ状である。位置保持電極92を中央にして、この両側に駆動電極72c1,72c2が配置され、更にこの外側に駆動電極72b1,72b2が配置され、更にこの外側に駆動電極72a1,72a2が配置される。なお、各駆動電極と位置保持電極92との長さは、固定子1の長さとほぼ同一であり、また各駆動電極の形状は同一である。
【0240】
また、駆動電極72a1の一端には電極端子73が結線され、他端には駆動電極72a2が結線される。また、駆動電極72b2の一端には電極端子75が結線され、他端には駆動電極72b1が結線される。また、駆動電極72c1の一端には電極端子74が接続され、他端には駆動電極72c2が結線される。また、位置保持電極92には、電極端子93が結線される。
【0241】
固定子2には、ガラス表面に、7つの長方形状の固定子電極が形成される。この固定子電極は、駆動電極77a2,77a1,77b2,77b1,77c2,77c1と、位置保持電極95とからなり、互いに離間して並行であり所定方向に延伸されたストライプ状である。位置保持電極95を中央にして、この両側に駆動電極77c1,77c2が配置され、更にこの外側に駆動電極77b1,77b2が配置され、更にこの外側に駆動電極77a1,77a2が配置される。なお、各駆動電極と位置保持電極95との長さは、固定子2の長さとほぼ同一であり、また各駆動電極の形状は同一である。
【0242】
また、駆動電極77a1の一端には電極端子78が結線され、他端には駆動電極77a2が結線される。また、駆動電極77b2の一端には電極端子80が結線され、他端には駆動電極77b1が結線される。また、駆動電極77c1の一端には電極端子79が接続され、他端には駆動電極77c2が結線される。また、位置保持電極95には、電極端子96が結線される。
【0243】
図33(a)は第9の実施の形態の可動子3Lの斜視図、(b)は可動子3Rの斜視図である。
【0244】
可動子3Lの上面の各駆動電極、位置保持電極90の高さは、略同一である。また(a)には図示していないが、下面の各駆動電極、位置保持電極の高さも略同一である。
【0245】
図34(a)は第9の実施の形態の可動子3Lの上面図、(b)は下面図、(c)は可動子3Rの上面図、(d)は下面図である。
【0246】
まず、可動子3Lについて説明する。
【0247】
可動子駆動電極70a1と70a2のそれぞれの図心は、可動子3の重心から等距離の位置にあり、また可動子駆動電極70b1と70b2のそれぞれの図心、可動子駆動電極70c1と70c2のそれぞれの図心、も可動子3の重心から等距離の位置にある。
【0248】
可動子駆動電極71a1と71a2のそれぞれの図心は、可動子3の重心から等距離の位置にあり、また可動子駆動電極71b1と71b2のそれぞれの図心、可動子駆動電極71c1と71c2のそれぞれの図心、も可動子3の重心から等距離の位置にある。
【0249】
次に、可動子3Rについて説明する。
【0250】
可動子駆動電極70a1と70a2のそれぞれの図心は、可動子3の重心から等距離の位置にあり、また可動子駆動電極70b1と70b2のそれぞれの図心、可動子駆動電極70c1と70c2のそれぞれの図心、も可動子3の重心から等距離の位置にある。
【0251】
可動子駆動電極71a1と71a2のそれぞれの図心は、可動子3の重心から等距離の位置にあり、また可動子駆動電極71b1と71b2のそれぞれの図心、可動子駆動電極71c1と71c2のそれぞれの図心、も可動子3の重心から等距離の位置にある。
【0252】
次に、図35(a)は第9の実施の形態の固定子1の平面図と、(b)は固定子2の平面図を参照して固定子電極の構成について説明する。
【0253】
まず、固定子1について説明する((a)参照)。
【0254】
電極端子73〜75、93は制御部94に接続される。この制御部94は、駆動電極72a1,72a2,72b1,72b2,72c1,72c2、位置保持電極92に印加される電圧値及び電圧印加タイミングを電圧パタンとして記憶しており、この電圧パタンにしたがって各駆動電極、位置保持電極に電圧を印加する。
【0255】
次に、固定子2について説明する((b)参照)。
【0256】
電極端子78〜80、96は制御部94に接続される。この制御部94は、駆動電極77a1,77a2,77b1,77b2,77c1,77c2、位置保持電極95に印加される電圧値及び電圧印加タイミングを電圧パタンとして記憶しており、この電圧パタンにしたがって各駆動電極、位置保持電極に電圧を印加する。
【0257】
このような構成からなる第9の実施の形態の動作について説明する。
【0258】
可動子3L,3Rを所定方向に移動させる場合には、以下の4つの運動パタンがある。
1.可動子3L,3Rを共に図32中左方向に移動させる場合
2.可動子3L,3Rを共に図32中右方向に移動させる場合
3.可動子3Lのみを図32中左もしくは右方向に移動させ可動子3Rを固定し移動させない場合
4.可動子3Rのみを図32中左もしくは右方向に移動させ可動子3Lを固定し移動させない場合
上記1〜4の運動パタンによって、制御部94が電圧を印加する各駆動電極及び位置保持電極が異なり、その関係は以下の表4のとおりである。
【表4】
Figure 0003964612
まず、運動パタン1と2について説明する。
【0259】
運動パタン1,2は、位置保持電極92,95に電圧を印加しないような制御を制御部94が行えば、第8の実施の形態と同様の電圧パタンで、所定方向に可動子3L,3Rを移動させることができる。
【0260】
可動子3L,3Rを運動パタン1もしくは2で動作させる時は、可動子3L,3Rの間の距離は移動開始前の距離のままである。
【0261】
次に、運動パタン3について説明する。
【0262】
可動子3Lは移動されることが可能なため、運動パタン1もしくは2にしたがって、所望の方向に移動する。また可動子3Rは、可動子3Lが動作中は固定子2側に一時的に保持されている。
【0263】
この可動子3Rが一次的に保持される動作について説明する。
【0264】
固定子2の位置保持電極95に電圧V[V]が印加される。電圧が印加されたことで、位置保持電極95に対応する可動子固定電極91と位置保持電極95との間に静電気力が発生する。この静電気力によって可動子3Rが固定子2に吸引されて可動子固定電極91に最も近いストッパ9,9と固定子2とが接触して、可動子3Rは固定子2側に一時的に保持される。
【0265】
位置保持電極95には、可動子3Rを固定子2側に保持したい時間(可動子3Lが動作中)だけ電圧が印加される。
【0266】
位置保持電極95に電圧が印加されている間に、例えば固定子1側の駆動電極72a1,72a2,72b1,72b2,72c1,72c2に電圧が印加されたとしても、可動子3Rは固定子2側に保持されたままである。これは可動子3Rと固定子1との距離が数十ミクロンあり、固定子1側の駆動電極に印加される電圧がV[V]であれば、固定子2に保持される力よりも大きな静電気力が得られないためである。
【0267】
なお、移動可能な可動子3Lは、一時的に保持される可動子3Rと接触しない範囲で移動される。
【0268】
次に、運動パタン4について説明する。
【0269】
可動子3Rは移動されることが可能なため、運動パタン1もしくは2に従って、所望の方向に移動される。また可動子3Lは可動子3Rが動作中は固定子1側に一時的に保持される。
【0270】
この可動子3Lが一時的に保持される動作について説明する。
【0271】
固定子1の位置保持電極92に電圧V[V]が印加される。電圧が印加されたことで、位置保持電極92に対応する可動子固定電極90と位置保持電極92との間に静電気力が発生する。この静電気力によって可動子3Lが固定子1側に吸引されて可動子固定電極90に最も近いストッパ9,9と固定子1とが接触して可動子3Lが固定子1側に一次的に保持される。
【0272】
位置保持電極92には、可動子3Lを保持したい時間(可動子3Rが動作中)だけ制御部94によって電圧が印加される。
【0273】
位置保持電極92に電圧が印加されている間に、例えば固定子2側の駆動電極77a1,77a2,77b1,77b2,77c1,77c2に電圧が印加されたとしても可動子3Lは固定子1に保持されたままである。これは可動子3Lと固定子2との距離が数十ミクロンあり、固定子2側の電極に印加される電圧がV[V]であれば、固定子1に固定される力よりも大きな静電気力が得られないためである。
【0274】
なお、移動可能な可動子3Rは、一時的に保持された可動子3Lと接触しない範囲で移動される。
【0275】
以上述べたような第9の実施の形態では、従来よりも広い範囲で可動子3L,3Rを移動させることができることは勿論、可動子3L,3Rを同時に、もしくはどちらか一方のみを移動させることによって、レンズ8によって結像される画像の焦点合わせ及び画像の拡大・縮小を行うことができる。また、固定子1,2間の可動子3L,3Rの移動をすばやくすることができる。
(第10の実施の形態)
次に、本発明の静電アクチュエータの第10の実施の形態の構成について図36、37を参照して説明する。
【0276】
第10の実施の形態の特徴は、第1の実施の形態の固定子電極5a1,5a2,5a3、5b1,5b2,5b3をそれぞれ2つに分割したことである。
【0277】
図36(a)は第10の実施の形態の固定子1の平面図であり、(b)は固定子2の平面図である。なお固定子電極は軸Aを挟む固定子1,2が対向する面に形成される。
【0278】
まず、固定子1の構成について説明する。
【0279】
第1の実施の形態の固定子1の固定子電極5a1,5a2,5a3を、それぞれ所定方向(延伸された方向)に2つに分割した形状になるように、固定子電極5a1-1,5a1-2、5a2-1,5a2-2、5a3-1,5a3-2を形成する。なお固定子電極5a1-1,5a1-2の面積は同一であり、また固定子電極5a2-1,5a2-2の面積は同一であり、また固定子電極5a3-1,5a3-2の面積は同一である。
【0280】
さらに、固定子電極5a1-1の一端には電極端子10a2-1が結線され、他端には固定子電極5a3-1が結線される。また、固定子電極5a1-1には電極端子10a1-1が結線され、固定子電極5a1-2には電極端子10a1-1が結線される。また、固定子電極5a3-2の一端には電極端子10a2-2が結線され、他端には固定子電極5a2-2が結線される。この電極端子10a1-1,10a1-2,10a2-1,10a2-2は制御部11に接続される。
【0281】
次に、固定子2の構成について説明する。
【0282】
第1の実施の形態の固定子1の固定子電極5b1,5b2,5b3を、それぞれ所定方向(延伸された方向)に2つに分割した形状になるように、固定子電極5b1-1,5b1-2、5b2-1,5b2-2、5b3-1,5b3-2を形成する。なお固定子電極5b1-1,5b1-2の面積は同一であり、また固定子電極5b2-1,5b2-2の面積は同一であり、また固定子電極5b3-1,5b3-2の面積は同一である。
【0283】
さらに、固定子電極5b1-1の一端には電極端子10b2-1が結線され、他端には固定子電極5b3-1が結線される。また、固定子電極5b1-1には電極端子10b1-1が結線され、固定子電極5b1-2には電極端子10b1-1が結線される。また、固定子電極5b3-2の一端には電極端子10b2-2が結線され、他端には固定子電極5b2-2が結線される。この電極端子10b1-1,10b1-2,10b2-1,10b2-2は制御部11に接続される。
【0284】
次に、可動子が所定方向に移動する場合について説明する。
【0285】
図37(a)は静電アクチュエータを移動方向から見たときの正面図であり、(b)は固定子電極5a2-2,5a3-2に印加される電圧の電圧パタンであり、(c)は固定子電極5a2-1,5a3-1に印加される電圧の電圧パタンであり、(d)は固定子電極5b3-2,5b2-2に印加される電圧の電圧パタンであり、(e)は固定子電極5b3-2,5b2-2に印加される電圧の電圧パタンであり、(f)は固定子電極5a1-1に印加される電圧の電圧パタンであり、(g)は固定子電極5a1-2に印加される電圧の電圧パタンであり、(h)は固定子電極5b1-1に印加される電圧の電圧パタンであり、(i)は固定子電極5b1-2に印加される電圧の電圧パタンである。
【0286】
各固定子電極に(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)の順番で所定電圧を印加し、可動子を所定方向に移動させる。
(0)まず、固定子電極5b3-2,5b2-2、5b1-1に電圧V[V]を、固定子電極5b3-1,5b2-1、5b1-2に電圧-V[V]をそれぞれ印加する(図37(b)〜(i)の時間t0〜t1)。
(1)次に、固定子電極5b3-2,5b2-2に電圧(1/3)V[V]を、固定子電極5b3-1,5b2-1に電圧-(1/3)V[V]を、固定子電極5a1-1に電圧V[V]を、固定子電極5a1-2に電圧-V[V]をそれぞれ印加する(図37(b)〜(i)の時間t1〜t2)。
(2)次に、固定子電極5a2-2,5a3-2,5a1-1に電圧V[V]を、固定子電極5a2-1,5a3-1,5a1-2に電圧-V[V]を、それぞれ印加する(図37(b)〜(e)の時間t2〜t3)。
(3)次に、固定子電極5a2-2,5a3-2に電圧(1/3)V[V]を、固定子電極5a2-1,5a3-1に電圧-(1/3)V[V]を、固定子電極5b1-1に電圧V[V]を、固定子電極5b1-1に-V[V]を、それぞれ印加する(図37(b)〜(i)の時間t3〜t4)。
(4)次に、固定子電極5b3-2,5b2-2に電圧V[V]を、固定子電極5b3-1,5b2-1に電圧-V[V]を、固定子電極5b1-1に電圧V[V]を、固定子電極5b1-2に電圧-V[V]を、それぞれ印加する(図37(b)〜(i)の時間t4〜t5)。
【0287】
このような電圧パタン(0)〜(4)によって、可動子は所定方向に移動される。
【0288】
続いて、図37の電圧パタンで可動子が移動される状態を図38を参照して説明する。
【0289】
図38(a)は静電アクチュエータを移動方向から見たときの正面図であり、(b)は上から下に時系列的に並べられた可動子の移動の仕方を表すものである。
【0290】
図38(b)の最上段は上述した(0)の電圧パタンが印加されたときの可動子の状態であり、2段目は上述した(1)の電圧パタンが印加されたときの可動子の状態であり、3段目は上述した(2)の電圧パタンが印加されたときの可動子の状態であり、4段目は上述した(3)の電圧パタンが印加されたときの可動子の状態であり、5段目は上述した(4)の電圧パタンが印加されたときの可動子の状態である。なお、2段目〜5段目に記載された点線は、それぞれの1つ前の段の可動子の状態を表している。
【0291】
まず、最上段では、固定子電極5b3-1,5b3-2、5b1-1,5b1-2、5b2-1,5b2-2にそれぞれに所定の電圧が印加されているため、可動子駆動電極7b2、7b1、7b3が固定子電極5b2-1,5b2-2、5b1-1,5b1-2、5b3-1,5b3-2に静電気力により吸引され、可動子3の下面のストッパ9,9,9,9が固定子2と接触した状態で固定子2側に一時的に保持される。
【0292】
この工程では、固定子電極5b3-2から出て5b3-1へ入るような磁力線が形成され、同様に固定子電極5b2-2から5b2-1へ入る磁力線、5b1-1から5b1-2へ入る磁力線が形成される。
【0293】
次に、2段目では、固定子電極5b3-1,5b3-2、5b2-1,5b2-2、5a1-1,5a1-2にそれぞれに所定の電圧が印加されているため、可動子駆動電極7a3が固定子電極5a1-1,5a1-2に静電気力により吸引され、点αを中心にして反時計周りに可動子3が回転する。点αとは可動子駆動電極7b1,7b2それぞれに最も近いストッパ9,9と固定子2とが接触する点である。可動子駆動電極7a3に最も近いストッパ9,9が固定子1と接触した状態で一時的に可動子3が保持される。
【0294】
この工程では、固定子電極5b3-2から出て5b3-1へ入るような磁力線が形成され、同様に固定子電極5b2-2から5b2-1へ入る磁力線、5a1-1から5a1-2へ入る磁力が形成される。
【0295】
次に、3段目では、固定子電極5a2-1,5a2-2、5a3-1,5a3-2、5a1-1,5a1-2に電圧が印加されているため、可動子駆動電極7a1,7a2が固定子電極5a2-1,5a2-2、5a3-1,5a3-2に静電気力により吸引され、点βを中心にして時計回りに可動子3が回転する。点βとは可動子駆動電極7a3に最も近いストッパ9,9が固定子1と接触する点である。そして可動子駆動電極7a1,7a2それぞれに最も近いストッパ9,9が固定子1と接触した状態で一時的に可動子3が保持される。この状態で可動子3は最上段の可動子3の位置に対してδだけ図中左方向に移動されている。
【0296】
この工程では、固定子電極5a2-2から出て5a2-1へ入るような磁力線が形成され、同様に固定子電極5a3-2から5a3-1へ入る磁力線、5a1-1から5a1-2へ入る磁力線が形成される。
【0297】
次に、4段目では、固定子電極5a2-1,5a2-2、5a3-1,5a3-2、5b1-1,5b1-2に電圧が印加されているため、可動子駆動電極7b3が固定子電極5b1-1,5b1-2に静電気力により吸引され、点γを中心にして時計周りに可動子3が回転する。点γとは可動子駆動電極7a1,7a2それぞれに最も近いストッパ9,9が固定子1と接触する点である。そして可動子駆動電極7b3に最も近いストッパ9,9が固定子2と接触した状態で一時的に可動子3が保持される。
【0298】
この工程では、固定子電極5a2-2から出て5a2-1へ入るような磁力線が形成され、同様に固定子電極5a3-2から5a3-1へ入る磁力線、5b1-1から5b1-2へ入る磁力線が形成される。
【0299】
次に、5段目では、固定子電極5b2-1,5b2-2、5b3-1,5b3-2、5b1-1,5b1-2に電圧が印加されるため、可動子駆動電極7b1,7b2が固定子電極5b2-1,5b2-2、5b3-1,5b3-2に静電気力により吸引され、点εを中心にして反時計回りに可動子3が回転する。点εとは可動子駆動電極7b3に最も近いストッパ9,9が固定子2と接触する点である。そして可動子駆動電極7b1,7b2に最も近いストッパ9,9が固定子2と接触した状態で一時的に可動子3が保持される。この状態では最上段の可動子3の位置に比べて図中左方向に2δ移動されている。
【0300】
この工程では、固定子電極5b3-2から出て5b3-1へ入るような磁力線が形成され、同様に固定子電極5b2-2から5b2-1へ入る磁力線、5b1-1から5b1-2へ入る磁力線が形成される。
【0301】
以降必要な移動距離だけ上記(0)〜(4)を繰り返すことによって、図38中左方向に可動子3を移動させる。
【0302】
必要な移動距離だけ移動された後は、可動子内に装着される複数のレンズによって所定位置にレンズに入射する光の焦点が合わされているため、この所定位置に設けられたCCDカメラなどによって映像信号を得ている。
【0303】
以上述べたような第10の実施の形態では、一つの可動子駆動電極に対応した固定子電極を2つに分割し、分割された固定子電極に大きさが等しく極性が異なる電圧をそれぞれに印加することにより、より高速に可動子を所定方向に移動させることができる。
【0304】
尚、本発明は上記各実施の形態には限定されず、その主旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは言うまでもない。例えば、可動子は一つもしくは二つでなくとも所望の倍率を得るために三つ以上設けてもよい。
【0305】
また、固定子電極、位置保持電極に印加される電圧と印加されるタイミング等の電圧パタンは、制御部に記憶されている場合を説明したが、電子機器(パソコンやリモコン)などの外部装置からワイヤレスで制御信号(電圧パタン)を出力し、静電アクチュエータが設けられた各種装置の受信部で、この制御信号を受信することにより、静電アクチュエータを動作させることも可能である。
【0306】
【発明の効果】
以上述べたような本発明によれば、可動子の移動範囲を従来よりも大きくし、焦点合わせ及び拡大・縮小の倍率の範囲を大きくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の静電アクチュエータの第1の実施の形態の分解斜視図。
【図2】 本発明の静電アクチュエータの第1の実施の形態の可動子の斜視図。
【図3】 本発明の静電アクチュエータの第1の実施の形態を説明するものであり、(a)は可動子の上面図、(b)は可動子の下面図。
【図4】 本発明の静電アクチュエータの第1の実施の形態を説明するものであり、(a)は一方の固定子の平面図、(b)は他方の固定子の平面図。
【図5】 本発明の静電アクチュエータの第1の実施の形態を説明するものであり、(a)は静電アクチュエータを移動方向から見た場合の正面図、(b)〜(e)は可動子を左方向に移動させる場合の固定子電極に印加される電圧と時間との関係を示すグラフ。
【図6】 本発明の静電アクチュエータの第1の実施の形態を説明するものであり、(a)は静電アクチュエータを移動方向から見た場合の正面図、(b)は可動子を左方向に移動させる場合を説明する静電アクチュエータの縦断面図。
【図7】 本発明の静電アクチュエータの第1の実施の形態を説明するものであり、(a)は静電アクチュエータを移動方向から見た場合の正面図、(b)〜(e)は可動子を右方向に移動させる場合の固定子電極に印加される電圧と時間との関係を示すグラフ。
【図8】 本発明の静電アクチュエータの第1の実施の形態を説明するものであり、(a)は静電アクチュエータを移動方向から見た場合の正面図、(b)は可動子を右方向に移動させる場合を説明する静電アクチュエータの縦断面図。
【図9】 発明の静電アクチュエータの第2の実施の形態を説明するものであり、(a)は静電アクチュエータを移動方向から見た場合の正面図、(b)〜(e)は可動子を左方向に移動させる場合の固定子電極に印加される電圧と時間との関係を示すグラフ。
【図10】 本発明の静電アクチュエータの第2の実施の形態を説明するものであり、(a)は静電アクチュエータを移動方向から見た場合の正面図、(b)〜(e)は可動子を右方向に移動させる場合の固定子電極に印加される電圧と時間との関係を示すグラフ。
【図11】 本発明の静電アクチュエータの第3の実施の形態を説明するものであり、(a)は静電アクチュエータを移動方向から見た場合の正面図、(b)〜(e)は可動子を左方向に移動させる場合の固定子電極に印加される電圧と時間との関係を示すグラフ。
【図12】 本発明の静電アクチュエータの第3の実施の形態を説明するものであり、(a)は静電アクチュエータを移動方向から見た場合の正面図、(b)〜(e)は可動子を右方向に移動させる場合の固定子電極に印加される電圧と時間との関係を示すグラフ。
【図13】 本発明の静電アクチュエータの第4の実施の形態を説明するものであり、(a)は可動子駆動電極の平面図、(b)は(a)と異なる可動子駆動電極の平面図、(c)は(a)、(b)と異なる可動子駆動電極の平面図。
【図14】 本発明の静電アクチュエータの可動子駆動電極の図心と可動子の重心との関係を説明するための可動子の側面図。
【図15】 本発明の静電アクチュエータの第5の実施の形態の分解斜視図。
【図16】 本発明の静電アクチュエータの第5の実施の形態を説明するものであり、(a)は図15の横断面図、(b)は(a)とは異なる図15の横断面図。
【図17】 本発明の静電アクチュエータの第6の実施の形態の分解斜視図。
【図18】 本発明の静電アクチュエータの第6の実施の形態の可動子を説明するものであり、(a)は第1の可動子の斜視図、(b)は第2の可動子の斜視図。
【図19】 本発明の静電アクチュエータの第6の実施の形態の可動子駆動電極を説明するものであり、(a)は第1の可動子の上面図、(b)第1の可動子の下面図、(c)は第2の可動子の上面図、(d)は第2の可動子の下面図。
【図20】 本発明の静電アクチュエータの第6の実施の形態を説明するものであり、(a)は一方の固定子の平面図、(b)は他方の固定子の平面図。
【図21】 本発明の静電アクチュエータの第7の実施の形態の分解斜視図。
【図22】 本発明の静電アクチュエータの第7の実施の形態の可動子の斜視図。
【図23】 本発明の静電アクチュエータの第7の実施の形態の可動子を説明するものであり、(a)は上面図、(b)は下面図。
【図24】 本発明の静電アクチュエータの第7の実施の形態を説明するものであり、(a)は一方の固定子の平面図、(b)は他方の固定子の平面図。
【図25】 本発明の静電アクチュエータの第7の実施の形態を説明するものであり、(a)は静電アクチュエータを移動方向から見た場合の正面図、(b)〜(g)は可動子を左方向に移動させる場合の固定子電極に印加させる電圧と時間との関係を示すグラフ。
【図26】 本発明の静電アクチュエータの第7の実施の形態を説明するものであり、(a)は静電アクチュエータを移動方向から見た場合の正面図、(b)は可動子を右方向に移動させる場合を説明する静電アクチュエータの縦断面図。
【図27】 本発明の静電アクチュエータの第7の実施の形態を説明するものであり、(a)は静電アクチュエータを移動方向から見た場合の正面図、(b) 〜(g)は可動子を右方向に移動させる場合の固定子電極に印加される電圧と時間との関係を示すグラフ。
【図28】 本発明の静電アクチュエータの第7の実施の形態を説明するものであり、(a)は静電アクチュエータを移動方向から見た場合の正面図、(b)は可動子を右方向に移動させる場合を説明する静電アクチュエータの縦断面図。
【図29】 本発明の静電アクチュエータの第8の実施の形態の可動子の斜視図。
【図30】 本発明の静電アクチュエータの第8の実施の形態を説明するものであり、(a)は可動子の上面図、(b)は可動子の下面図。
【図31】 本発明の静電アクチュエータの第8の実施の形態を説明するものであり、(a)は一方の固定子の平面図、(b)は他方の固定子の平面図。
【図32】 本発明の静電アクチュエータの第9の実施の形態の分解斜視図。
【図33】 本発明の静電アクチュエータの第9の実施の形態を説明するものであり、(a)は可動子3Lの斜視図、(b)は可動子3Rの斜視図。
【図34】 本発明の静電アクチュエータの第9の実施の形態を説明するものであり、(a)は可動子3Lの上面図、(b)は下面図、(c)は可動子3Rの上面図、(d)は可動子3Rの下面図。
【図35】 本発明の静電アクチュエータの第9の実施の形態を説明するものであり、(a)は一方の固定子の平面図、(b)は他方の固定子の平面図。
【図36】 本発明の静電アクチュエータの第10の実施の形態を説明するものであり、(a)は固定子の一方の面の平面図、(b)は他方の面の平面図。
【図37】 本発明の静電アクチュエータの第10の実施の形態で、静電アクチュエータを左方向に移動させる場合を説明するものであり、(a)は静電アクチュエータを移動方向から見た正面図、(b)〜(i)は各固定子電極に印加される電圧と時間との関係を示すグラフ。
【図38】 本発明の静電アクチュエータの第10の実施の形態を説明するものであり、(a)は静電アクチュエータの移動方向から見た正面図、(b)は可動子を左方向に移動させる場合を説明する静電アクチュエータの縦断面図。
【図39】 従来の静電アクチュエータの分解斜視図。
【図40】 従来の静電アクチュエータの動作を説明するものであり、(a)は静電アクチュエータを移動方向から見た場合の正面図、(b)〜(e)は可動子を左方向に移動させる場合の固定子電極に印加される電圧と時間との関係を示すグラフ。
【図41】 従来の静電アクチュエータの動作を説明するものであり、可動子を左方国移動させる場合を説明する静電アクチュエータの縦断面図。
【符号の説明】
1,2 固定子
3 可動子
3-1 支持体
4 ホルダ
5a1〜5a3,5b1〜5b3 固定子電極
6 接地配線
7a1〜7a3,7b1〜7b3 可動子駆動電極
8 レンズ
9 ストッパ
10a1,10a2,10b1,10b2 電極端子
11 制御部
12a,12b 突出部
20a,20b,21a,21b 可動子駆動電極
22 可動子固定電極
23a,23b,24a,24b 可動子駆動電極
25a,25b,26a,26b 可動子駆動電極
27 可動子固定電極
28a,28b,29a,29b 可動子駆動電極
30a,30b,31a,31b 駆動電極
32 位置保持電極
33〜35 電極端子
36 制御部
37a,37b,38a,38b 駆動電極
39 位置保持電極
40〜42 電極端子
50a1,50a2,50b,50c1,50c2 可動子駆動電極
51a1,51a2,51b,51c1,51c2 可動子駆動電極
52a,52b1,52b2,52c1,52c2 固定子電極
53〜55 電極端子
56 制御部
57a,57b1,57b2,57c1,57c2 固定子電極
58〜60 電極端子
70a,70a2,70b1,70b2,70c,70c1,70c2 可動子駆動電極
71a,71a2,71b1,71b2,71c,71c1,71c2 可動子駆動電極
72a1,72a2,72b1,72b2,72c 駆動電極
73〜75 電極端子
76 制御部
77a1,77a2,77b1,77b2,77c,77c1,77c2 駆動電極
78〜80 電極端子
90,91 可動子固定電極
92,95 位置保持電極
93,96 電極端子
94 制御部

Claims (6)

  1. 選択的に電圧が供給される所定の間隔を隔てた1対の固定子電極を備えた固定子と、
    前記間隔内に配置され、所定方向に移動可能な支持体、および、この支持体の前記固定子電極に対向する側面に配置された1対の可動子電極とを備えた可動子と
    を備えた静電アクチュエータにおいて、
    前記1対の固定子電極のそれぞれは、前記所定方向に延伸した複数のストライプ状電極からなり、
    前記1対の可動子電極のそれぞれは、前記複数のストライプ状電極に対向するように複数の導電部材からなり、
    これら複数の導電部材の第1のグループは、前記可動子の移動方向側に偏位して配置されるとともに、
    前記複数の導電部材の第2のグループは、前記可動子の移動方向とは逆側に偏位して配置されることを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 前記第1のグループを、前記可動子の中心から移動方向側にずらして配置し、前記第2のグループを、前記可動子の中心から移動方向の反対側にずらして配置したことを特徴とする請求項1に記載の静電アクチュエータ。
  3. 前記可動子は、前記導電部材が前記ストライプ状電極に直接接触することを阻止する手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の静電アクチュエータ。
  4. 前記導電部材の所定方向の長さが、前記可動子の長さの略半分であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の静電アクチュエータ。
  5. 前記支持体が、被移動物体を保持することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の静電アクチュエータ。
  6. 前記可動子の移動方向をガイドするための固定子枠で前記可動子をカバーしたことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の静電アクチュエータ。
JP2000307728A 2000-10-06 2000-10-06 静電アクチュエータ Expired - Fee Related JP3964612B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000307728A JP3964612B2 (ja) 2000-10-06 2000-10-06 静電アクチュエータ
US09/970,943 US6531804B2 (en) 2000-10-06 2001-10-05 Electrostatic actuator

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000307728A JP3964612B2 (ja) 2000-10-06 2000-10-06 静電アクチュエータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002119073A JP2002119073A (ja) 2002-04-19
JP3964612B2 true JP3964612B2 (ja) 2007-08-22

Family

ID=18788194

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000307728A Expired - Fee Related JP3964612B2 (ja) 2000-10-06 2000-10-06 静電アクチュエータ

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6531804B2 (ja)
JP (1) JP3964612B2 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1330082C (zh) * 2000-03-30 2007-08-01 株式会社东芝 静电致动器机构、其驱动方法、和使用其的摄像机模块
EP1193853B1 (en) 2000-09-28 2013-07-24 Kabushiki Kaisha Toshiba Electrostatic actuator and method of driving the same
JP2002112560A (ja) 2000-09-28 2002-04-12 Toshiba Corp 静電アクチュエータ及びこれを用いたカメラモジュール
JP3964612B2 (ja) * 2000-10-06 2007-08-22 株式会社東芝 静電アクチュエータ
EP1202099A3 (en) * 2000-10-31 2003-04-16 Kabushiki Kaisha Toshiba Electrostatic actuator and camera module using the same
JP3966704B2 (ja) * 2001-09-18 2007-08-29 株式会社東芝 静電アクチュエータ、静電アクチュエータの駆動方法及びこれを用いたカメラモジュール
US7307653B2 (en) * 2001-10-19 2007-12-11 Nokia Corporation Image stabilizer for a microcamera module of a handheld device, and method for stabilizing a microcamera module of a handheld device
JP3529761B2 (ja) * 2001-11-20 2004-05-24 株式会社東芝 静電アクチュエータ及びその駆動方法
JP2004061937A (ja) * 2002-07-30 2004-02-26 Japan Aviation Electronics Industry Ltd 微小可動デバイス
JP2004126009A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Toshiba Corp ズームレンズユニット及びズームレンズユニット駆動方法
JP4213540B2 (ja) * 2003-08-20 2009-01-21 株式会社日立製作所 振動発電用振動子
JP4095529B2 (ja) * 2003-09-30 2008-06-04 株式会社東芝 静電アクチュエータ、静電アクチュエータ駆動方法、電気機械変換素子及び電気機械変換素子駆動方法
US7477842B2 (en) * 2004-03-12 2009-01-13 Siimpel, Inc. Miniature camera
US7623142B2 (en) * 2004-09-14 2009-11-24 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Flexure
JP4744900B2 (ja) * 2005-03-16 2011-08-10 アイホン株式会社 テレビドアホン装置
US20090001846A1 (en) * 2007-06-27 2009-01-01 Seagate Technology Llc Electrostatic Surface Drive With Multiple Operating Voltages
CN101498823B (zh) * 2008-01-28 2011-03-30 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 相机模组
JP5418317B2 (ja) * 2010-03-11 2014-02-19 富士通株式会社 静電アクチュエータ、およびその駆動方法

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03169278A (ja) * 1989-11-28 1991-07-22 Yaskawa Electric Mfg Co Ltd 静電アクチュエータ
US5235225A (en) * 1990-08-31 1993-08-10 Northwestern University Linear electrostatic actuator with means for concatenation
JP2721638B2 (ja) * 1993-11-25 1998-03-04 富士通株式会社 静電気アクチュエータ
JPH0833361A (ja) * 1994-07-14 1996-02-02 Yaskawa Electric Corp 静電アクチュエータ
JP2928752B2 (ja) * 1995-12-07 1999-08-03 株式会社東芝 静電アクチュエータ及びその駆動方法
JPH10239578A (ja) * 1997-02-28 1998-09-11 Toshiba Corp 光学装置およびこの光学装置を用いた観察装置
JPH10239740A (ja) * 1997-02-28 1998-09-11 Toshiba Corp 内視鏡装置
JPH114803A (ja) * 1997-06-13 1999-01-12 Asahi Optical Co Ltd 内視鏡の焦点調整機構
JP2931809B1 (ja) * 1998-03-30 1999-08-09 株式会社東芝 撮像装置
CN1330082C (zh) * 2000-03-30 2007-08-01 株式会社东芝 静电致动器机构、其驱动方法、和使用其的摄像机模块
JP2002112560A (ja) * 2000-09-28 2002-04-12 Toshiba Corp 静電アクチュエータ及びこれを用いたカメラモジュール
JP3964612B2 (ja) * 2000-10-06 2007-08-22 株式会社東芝 静電アクチュエータ
EP1202099A3 (en) * 2000-10-31 2003-04-16 Kabushiki Kaisha Toshiba Electrostatic actuator and camera module using the same
JP2002182095A (ja) * 2000-12-19 2002-06-26 Fuji Photo Film Co Ltd 焦点位置調整装置および露光ヘッドならびに画像記録装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002119073A (ja) 2002-04-19
US20020074896A1 (en) 2002-06-20
US6531804B2 (en) 2003-03-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3964612B2 (ja) 静電アクチュエータ
KR100398856B1 (ko) 정전 액튜에이터 기구, 그 구동 방법, 및 그것을 이용한카메라 모듈
US8598972B2 (en) Electromagnetic multi-axis actuator
US10334172B2 (en) Multi-aperture imaging device, method for producing the same and imaging system
US6806618B2 (en) Electrostatic actuator and camera module using the same
US20060268383A1 (en) Optical scanner having multi-layered comb electrodes
US8736139B2 (en) Optical image stabilizer and method of manufacturing the same
JP3966704B2 (ja) 静電アクチュエータ、静電アクチュエータの駆動方法及びこれを用いたカメラモジュール
US20070228886A1 (en) Piezoelectric actuator, and carrier and shake correction apparatus each using the actuator
Lee et al. Design and fabrication of scanning mirror for laser display
JP2004126009A (ja) ズームレンズユニット及びズームレンズユニット駆動方法
JP2002112560A (ja) 静電アクチュエータ及びこれを用いたカメラモジュール
JP4157086B2 (ja) ズームレンズユニットおよび撮像装置
JP4124223B2 (ja) アクチュエータおよびアクチュエータを有する光学装置及び当該アクチュエータの製造方法
CN113950642B (zh) 相机模组及相机模组的使用方法
EP1431985A2 (en) Magnetic actuator
JP3484173B2 (ja) 静電アクチュエータ及びこれを用いたカメラモジュール
JP2001346385A (ja) 静電アクチュエータ、静電アクチュエータの駆動方法及びカメラモジュール
CN113055556B (zh) 移动机构及其驱动方法、电子设备、成像模组
JPS61170082A (ja) 積層バイモルフ
JP3529743B2 (ja) 静電アクチュエータ
JP4335660B2 (ja) 静電アクチュエータ
JP3529756B2 (ja) 静電アクチュエータ、静電アクチュエータの駆動方法及びこれを用いたカメラモジュール
JP2001119917A (ja) 静電平面アクチュエータ
JP2010122569A (ja) マイクロミラーデバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050215

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070305

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070522

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070524

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100601

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110601

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees