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JP4034525B2 - 静電アクチュエータ、静電アクチュエータの駆動方法及びカメラモジュール - Google Patents

静電アクチュエータ、静電アクチュエータの駆動方法及びカメラモジュール Download PDF

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JP4034525B2
JP4034525B2 JP2001102460A JP2001102460A JP4034525B2 JP 4034525 B2 JP4034525 B2 JP 4034525B2 JP 2001102460 A JP2001102460 A JP 2001102460A JP 2001102460 A JP2001102460 A JP 2001102460A JP 4034525 B2 JP4034525 B2 JP 4034525B2
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章裕 笠原
雅之 関村
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電気力で駆動される静電アクチュエータ及びこれを用いたカメラモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
図29を用いて、従来の静電アクチュエータの構成とその駆動方法について説明する。
【0003】
静電アクチュエータ(例えば特開平8−140367号公報参照)101は、可動子102とそれを上下より挟み込む2つの固定子103a,103bより構成される。それぞれの固定子103a,103bには、2系統ずつの電極が配されており、上下一組の固定子で、合計4系統の電極A〜Dを持つ。なお、固定子103a,103bに設けたそれぞれの電極A〜Dおよび可動子102の電極部104のピッチと電極幅はそれぞれ同一である。ただ、固定子103a,103bにおいては、2系統の電極(例えばAとC)がそれぞれ順番に現れるように電極が組み合わされている。加えて、上下一組の固定子の電極(例えばAとB)は、上下でちょうどその位相が1/2ずれるように配されている。
【0004】
今、電極Aに高電圧を印加すると、電極Aと可動子102の電極部104に設けられた電極Eとの間に作用する静電力(クーロン力)により、可動子は上側固定子103aに(電極Aと電極Eが重なりあう位置に)吸引される。続いて、高電圧を印加する電極を電極Bに切り換えると、可動子102は下側固定子103bに(電極Bと電極Eが重なり合う位置に)吸引される。この様に、高電圧を印加する電極を電極A→電極B→電極C→電極Dと順次切り換えていくと、可動子102は微視的には上下振動をしながら、巨視的には図中の右側(1自由度)に駆動される。電極に高電圧を加える順番を逆にして、電極A→電極D→電極C→電極Bとすれば、可動子は図中の左側への駆動される。ただ、この駆動を実現する為には、上下2枚の固定子103a,103b同士の位相を精度良くコントロールする必要と、可動子102の対向する2面に精度良く電極を製作する必要があった。その為、組立に要する時間と手間より、コストが高く、量産を実現する上での課題となっていた。
【0005】
図30を用いて、これまでの静電アクチュエータにおける電圧印加方法を説明する。なお、図29に示した部分と同一の部分については、同一符号を用いることにより重複説明を省略する。
【0006】
上記のように、固定子103a,103bに配した4系統の電極A〜Bに順次高電圧を印加していくと、可動子102は駆動される。今、電極Aに電圧を印加した場合の挙動を述べる。ここで、電極の上には、絶縁破壊に対する対策として、誘電体膜105等を被膜している(例えば特開平8−140367号公報参照)。電極Aに高電圧を印加すると、その電極を覆うように被膜した誘電体膜105において、図に示したように誘電分極106が発生する。続いて、電極Bに高電圧を印加すると、本来は可動子102を下側固定子103bに(電極Bに電極Eが重なり合う位置に)駆動する作用力により、可動子は電極Bと重なり合うように駆動される。しかし、実際には、電極Aに設けた誘電体膜105での誘電分極106の成分により、可動子102を上側固定子103aに(電極Aと電極Eが重なり合う位置に)引きつけたままにしようとする作用力も働く。誘電分極106による成分は電位レベルとしては微小であるが、対象物(可動子102の電極部104)までの距離が短いため、相対的に下側固定子103bに設けられた電極Bによる作用力よりもその力が大きくなり、動作を妨げる力として無視出来なくなる可能性がある。これは、静電力がその電極間距離の2乗に反比例することに起因する。かかる理由により、従来の静電アクチュエータ101では、可動子102の駆動が不安定となる虞を含んでいた。また、誘電体膜105における電荷がリークする度合い(誘電分極が解消する時間)のバラツキ等により、可動子102の動作への再現性低下の原因ともなっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、従来の静電アクチュエータ101では、上下2枚の固定子103a,103b同士の位相を精度良くコントロールする必要と、可動子102の対向する2面に精度良く電極を製作する必要があり、組立に要する時間と手間より、コストが高く、量産を実現する上での課題となっていた。
【0008】
また、従来の静電アクチュエータ101では、電極に皮膜された誘電体膜105に生じる誘電分極の影響により、可動子102の駆動が不安定となる虞を含んでいた。
【0009】
さらに、誘電体膜105における電荷がリークする度合い(誘電分極が解消する時間)のバラツキ等により、可動子102の動作への再現性低下の原因ともなっていた。
【0010】
そこで、本発明はこれらの課題を解決し、組立性および量産性の向上を図ることができ、バラツキのない安定した駆動を実現することが可能な静電アクチュエータおよびその駆動方法を提供するとともに、かかる静電アクチュエータを焦点調節機構として用いたカメラモジュールを併せて提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、所定方向に順次配列される少なくとも3系統の第1電極を備えた第1の固定子と、この第1の固定子と対向して設けられ、前記所定方向に延設された1系統の第2電極を備えた第2の固定子と、前記第1の固定子と前記第2の固定子との間に配置され、前記第1電極に対向する電極部を有する第3電極を備えた可動子とを具備し、前記第3電極の電位よりも前記第1電極もしくは前記第2電極の電位が高くなるように、該第1電極と該第2電極に交互に電圧を印加するとともに、該第1電極の系統を前記所定方向に順次切り換えることにより、前記可動子を該所定方向に駆動することを特徴とする静電アクチュエータを提供する。
【0012】
ここで、前記可動子に設けられる前記電極部の前記所定方向に沿った幅は、前記第1電極の各電極の該所定方向に沿った幅の1.5倍〜2.0倍であることが望ましい。
【0013】
また、前記第1もしくは第2電極を覆うように設けられる誘電体膜をさらに備えるようにしてもよい。
【0014】
また、前記第3電極を覆うように設けられる誘電体膜をさらに備えるようにしてもよい。
【0015】
さらに、上記誘電体膜を備える場合、前記第2電極に電圧を印加する際に、前記第1電極の電位が前記第3電極の電位と比べて低電位となるように電位差を与える手段をさらに備えるようにしてもよい。
【0016】
また、前記可動子は、駆動される前記所定方向と直交する面を光学素子面とするようにしてもよい。
【0017】
また、前記第1及び第2の固定子は、前記電極が設けられた表面に該電極の面よりも突出したストッパーを備え、前記可動子は、前記第3電極が設けられた表面に前記ストッパーを摺動させるための領域を備えるようにしてもよい。
【0018】
また、前記可動子は、前記第3電極が設けられた表面に該電極の面よりも突出したストッパーを備え、前記第1及び第2の固定子は、前記電極が設けられた表面に前記ストッパーを摺動させるための領域を備えるようにしてもよい。
【0019】
また、前記第1の固定子は第1の部品からなり、前記第2の固定子は第2の部品からなり、これら第1及び第2の部品を接続することにより固定子を形成するようにしてもよい。
【0020】
さらに、本発明では、所定方向に順次配列される第1電極を備えた第1の固定子と、この第1の固定子と対向して設けられ、前記所定方向に配列される第2電極を備えた第2の固定子と、前記第1の固定子と前記第2の固定子との間に配置され、前記第1電極及び前記第2電極に対向する第3電極を備えた可動子とを具備し、前記第3電極の電位よりも前記第1電極もしくは前記第2電極の電位が高くなるように、該第1電極と該第2電極に交互に電圧を印加することにより、前記可動子を前記所定方向に駆動することを特徴とする静電アクチュエータであって、前記第1もしくは第2の固定子の表面に、前記第1もしくは第2電極を覆うように設けられる誘電体膜と、前記第2電極に電圧を印加する際に、前記第1電極の電位が前記第3電極の電位と比べて低電位となるように電位差を与える手段とをさらに備えたことを特徴とする静電アクチュエータを提供する。ここで、前記誘電体膜は、前記可動子の表面に、前記第3電極を覆うように設けてもよい。
【0021】
また、本発明では、所定方向に順次配列される第1電極を備えた第1の固定子と、この第1の固定子と対向して設けられ、前記所定方向に配列される第2電極を備えた第2の固定子と、前記第1の固定子と前記第2の固定子との間に配置され、前記第1電極及び前記第2電極に対向する第3電極を備えた可動子とを具備し、前記第3電極の電位よりも前記第1電極もしくは前記第2電極の電位が高くなるように、該第1電極と該第2電極に交互に電圧を印加することにより、前記可動子を前記所定方向に駆動することを特徴とする静電アクチュエータであって、前記第1及び第2の固定子は、前記電極が設けられた表面に該電極の面よりも突出したストッパーを備え、前記可動子は、前記第3電極が設けられた表面に前記ストッパーを摺動させるための領域を備えることを特徴とする静電アクチュエータを提供する。ここで、前記ストッパーを前記可動子に設け、前記前記ストッパーを摺動させるための領域を前記第1及び第2の固定子に設けるようにしてもよい。
【0022】
また、本発明では、異なる順序で電圧が印加される少なくとも3つの電極が所定方向に順次配列されてなる第1の電極群を備えた第1の固定子と、この第1の固定子と対向して設けられ、前記所定方向に延設された平面状の第2の電極を備えた第2の固定子と、前記第1の固定子と前記第2の固定子との間に配置され、前記第1の電極群に対向する第1の電極部及び前記第2の電極に対向する第2の電極部を備えた可動子と、前記第1の電極部の電位よりも前記第1の電極群のいずれかの電極の電位が高くなるように、もしくは前記第2の電極部よりも前記第2の電極の電位が高くなるように、該第1に電極群と該第2電極に交互に電圧を印加するとともに、該第1の電極群に電圧を印加する順序を順次切り換えるスイッチング回路とを有することを特徴とする静電アクチュエータを提供する。
【0023】
また、本発明では、異なる順序で電圧が印加される少なくとも3つの電極が所定方向に順次配列されてなる第1の電極群を備えた第1の固定子と、この第1の固定子と対向して設けられ、前記所定方向に延設された平面上の第2の電極を備えた第2の固定子と、前記第1の固定子と前記第2の固定子との間に配置され、前記第1の電極群に対向する第1の電極部及び前記第2の電極に対向する第2の電極部を備えた可動子を有する静電アクチュエータを駆動する方法であって、前記第1の電極部の電位よりも前記第1の電極群のいずれかの電極の電位が高くなるように電圧を印加し、前記第2の電極部よりも前記第2の電極の電位が高くなるように電圧を印加し、前記第1の電極群の電極を切り換えて前記第1の電極部の電位よりも前記電極の電位が高くなるように電圧を印加すし、前記第2の電極部よりも前記第2の電極の電位が高くなるように電圧を印加し、上記した各電圧の印加を繰り返し行うことを特徴とする静電アクチュエータの駆動方法を提供する。
【0024】
また、本発明では、撮像素子と、この撮像素子上に設けられ、異なる順序で電圧が印加される少なくとも3つの電極が所定方向に順次配列されてなる第1の電極群を備えた第1の固定子と、この第1の固定子と対向して設けられ、前記所定方向に延設された平面状の第2の電極を備えた第2の固定子と、前記第1の固定子と前記第2の固定子との間に配置され、前記第1の電極群に対向する第1の電極部及び前記第2の電極に対向する第2の電極部と、前記撮像素子に光を結像させる光学素子を備えた可動子と、前記第1の電極部の電位よりも前記第1の電極群のいずれかの電極の電位が高くなるように、もしくは前記第2の電極部よりも前記第2の電極の電位が高くなるように、該第1に電極群と該第2電極に交互に電圧を印加するとともに、該第1の電極群に電圧を印加する順序を順次切り換えるスイッチング回路とを有する静電アクチュエータとを有することを特徴とするカメラモジュールを提供する。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0026】
[第1の実施形態]
図1乃至図3を参照して、本発明に係る静電アクチュエータの第1の実施形態について説明する。
【0027】
図1は、本実施形態に係る静電アクチュエータの概略構成を示す図である。この図1に示される静電アクチュエータでは、互いに対向されて第1の固定子2a及び第2の固定子2bが配置され、その間に矢印24に示す方向に沿ってスライド可能に可動子3が配置されている。ここで、第1及び第2の固定子2a、2bは、平板状であっても良く、或いは、半円筒板状であっても良い。第1及び第2の固定子2a、2bが平板状である場合には、可動子3は、これらとの対向面がほぼ平坦な面を有するブロック体或いは中空ブロックに形成され、第1及び第2の固定子2a、2bが半円筒板状である場合には、可動子3は、第1及び第2の固定子2a、2bの形状に対応して円柱体或いは中空シリンダーに形成される。
【0028】
静電アクチュエータ1は、その1つの表面の所定方向に順次配列される3系統の電極A,B,C(第1電極)を備えた第1の固定子2aと、その表面に一様な1系統の電極D(第2電極)を備えた第2の固定子2bと、その表面に第1の固定子2aに設けられる電極の電極ピッチに対応した電極部3a及び第2の固定子2bに対応して平坦な電極部3dから構成され、この両電極部3a及び3dが同一電位に維持される1系統の電極E(第3電極)を備えた可動子3とにより構成される。
【0029】
図1を用いて、本実施形態に係る静電アクチュエータの駆動原理を説明する。まず、固定子2aに設けられる電極Aに電圧を印加して、電極Aの電位を可動子3に設けられる電極Eの電位よりも高くすると、電極Aと電極Eとの間で作用する静電力(クーロン力)により、可動子3は第1の固定子2a側に吸引される。その際、電極Aと電極部3aがぴったり重なり合う状態がもっとも安定であるため、可動子3は電極Aと電極部3aとが重なり合うように電極Aより作用力を受ける。続いて、電圧を印加する電極を第2の固定子2bに設けられる電極Dに切り換えると、可動子3は第2の固定子2b側に吸引される。さらに、電圧を印加する電極を固定子2aに設けられる電極Bに切り換えると、電極Aに電圧を印加した際と同様なメカニズムにより、可動子3は電極Bと電極部3aが重なり合う用に電極Bより作用力を受ける。このような一連の動作、即ち電圧を電極A→電極D→電極B→電極D→電極C→電極D→電極A…と順次繰り返して印加する(第1の固定子2aに設けられる電極A〜Cと第2の固定子2bに設けられる電極Dとに交互に電圧を印加するとともに、第1の固定子2aに設けられる電極を前記所定方向に順次切り換える)ことにより、可動子3は微視的には上下振動をしながら、巨視的には第1の固定子に配列された電極の配列方向(図中の右側)に駆動される。
【0030】
また、固定子2a,2bの電極に電圧を加える順番を逆に(電極A→電極D→電極C→電極D→電極B→電極D→電極A…)すると、可動子3は巨視的には上記した方向と反対方向(図中の左側)に駆動される。なお、第1の固定子2aの電極A,B,Cにおいては、各系統の電極が順番に現れるように、各電極の位相を1/3ずらして入れ子状に配置している(具体的な構成については後述する)。また、可動子3の電極部3aは、図に示すように、導体母材の表面に凹凸を設けたものでも良いし、フラットな面の上に一様に導電性材料を設け、それを所定ピッチにてパターニングしたものでも良い。
【0031】
上述するように可動子3を駆動する為には、電極A,B,C、電極D、電極Eは、図1に示すようにこれら電極A,B,C及び電極Dに電圧を印加するタイミングを定めるスイッチング回路40を介して電圧を発生する電圧源42に接続される。また、電極Eは、このスイッチング回路40を介して接地され、或いは、マイナス電位に接続される。このスイッチング回路40は、後に参照される図6とほぼ同様な回路に構成され、各電極A,B,C及び電極Dに接続される固定接点及び接地された固定接点と、このこれら固定接点に接続される電圧源42に接続された第1の可動接点及び接地され、或いは、マイナス電位に接続された第2の可動接点から構成される。このスイッチング回路40では、これら固定接点の1つが第1の可動接点を介して電圧源42に接続された際には、他の固定接点は、第2の可動接点を介して接地され、或いは、マイナス電位に接続される。
【0032】
図1に示された静電アクチュエータでは、具体的には、可動子3は、下記のようにフォワード方向24及びこれとは反対のバックワード方向に移動される。
【0033】
始めに、第1の固定子2aに設けられている電極Aに電圧(図2中のハイレベル電圧或いは電位H)が図2(a)に示すように印加され、可動子3に設けられた電極E、電極Dが図2(e)、(d)に示されるように接地され、或いは、電極Aの電位よりも低い電位(図2(e)(d)中のローレベル電圧或いは電位L)に維持される。このように、電極Aの電位が可動子3に設けられる電極Eの電位よりも高く設定され、また、他の電極B、電極C及び電極Dが接地され、或いは、ローレベル電圧或いは電位Lに接続されると、電極Aと第1の可動子電極部3aとの間に静電力、即ち、クーロン力が生じ、第1の可動子電極部3aが電極Aに引き寄せられるように可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。即ち、電極Aと第1の可動子電極部3aが重なり合う状態がもっとも安定であるため、可動子3は、矢印44で示すように電極Aと第1の可動子電極部3aとが重なり合うように電極Aより作用力を受ける。続いて、スイッチング回路40によって電極Aから固定子2bに設けられる平坦に広がっている電極Dに切り換えられてハイレベル電圧Hが図2(d)に示すように電極Dに印加され、他の電極がローレベル電圧Lに維持されると、可動子3は、電極Aから離れて第2の固定子2b側に吸引される。
【0034】
また、スイッチング回路40によって電極Dから固定子2aに設けた電極Bに切り換えられると、電極Bに電圧が図2(b)に示すように印加され、電極Aに電圧を印加した際と同様に、電極Bと第1の可動子電極部3aとの間に矢印46で示すような静電力、即ち、クーロン力が生じ、可動子電極部3aが固定子電極Bに重なり合うように可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。続いて、スイッチング回路40によって電極Bから平坦に広がっている電極Dに切り換えられて電圧が図2(d)に示すように電極Dに印加されると、可動子3は、固定子電極Bから離れて第2の固定子2b側に吸引される。
【0035】
更に、スイッチング回路40によって電極Dから第3の電極Cに切り換えられると、図2(c)に示すように電極Cに電圧が印加され、電極A、Bに電圧を印加した際と同様に、電極Cと電極部3aとの間に矢印48で示すような静電力、即ち、クーロン力が生じ、電極部3aが電極Cに重なり合うように可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。続いて、スイッチング回路40によって第3の電極Cから平坦に広がっている電極Dに切り換えられて電圧が電極Dに印加されると、可動子3は、第3の電極Cから離れて第2の固定子2b側に吸引される。
【0036】
上述した一連のシーケンス、即ち、図2(a)〜(d)に示すように電圧が電極A、電極D、電極B、電極D、電極C及び電極Dに順番に印加され、再び電極Aへの電圧印加のシーケンスが順次繰り返されると、可動子3は、微視的には矢印24に対して交差する方向に上下振動をしながら、巨視的には、第1の固定子2aに配列された電極の配列方向(フォワード方向24)に直線的に微少駆動される。
【0037】
上述したシーケンスでは、可動子3がフォワード方向24に移動される場合について説明したが、可動子3がフォワード方向24とは反対のバックワード方向に移動される場合には、上述したと逆の順序で電圧が電極に印加される。即ち、始めに、第1の可動子電極部3a及び電極Dが図2(d)に示すようにローレベルの電位Lに維持された状態で、図2(c)に示すように電極Cに電圧が印加される。従って、電極Cと電極部3aとの間の静電力、即ち、クーロン力によって電極部3aが電極Cに引き寄せられるように可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。続いて、スイッチング回路40によって第3の電極Cから電極Dに切り換えられて電圧が図2(d)に示すように電極Dに印加され、可動子3は、第3の電極Cから離れて第2の固定子2b側に吸引される。
【0038】
その後、スイッチング回路40によって電極Dから固定子電極Bに切り換えられ、図2(b)に示すように固定子電極Bに電圧が印加され、第2の電極Bと第1の可動子電極部3aとの間の静電力によって、可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。続いて、スイッチング回路40によって電極Bから電極Dに切り換えられて図2(d)に示すように電圧が電極Dに印加され、可動子3は、固定子電極Bから離れて第2の固定子2b側に吸引される。
【0039】
更に、スイッチング回路40によって電極Dから電極Aに切り換えられ、図2(a)に示すように電極Aに電圧が印加され、電極Aと電極部3aとの間の静電力によって、可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。続いて、スイッチング回路40によって電極Aから電極Dに切り換えられて図2(d)に示すように電圧が電極Dに印加され、可動子3は、第3の電極Cから離れて第2の固定子2b側に吸引される。
【0040】
このバックワード方向への可動子3の移動のシーケンスでは、電圧が電極C、電極D、固定子電極B、電極D、電極A及び電極Dに順番に印加され、再び電極Aへの電圧印加のシーケンスが順次繰り返されると、可動子3は、微視的には矢印24に対して交差する方向に上下振動をしながら、巨視的には、第1の固定子2aに配列された電極の配列方向(フォワード方向24と逆の方向)に直線的に微少駆動される。
【0041】
かかる構成によれば、第1の固定子2aと第2の固定子2bに設けられた電極の位相を所定量ずらして配置するための位置合わせが不要となり、静電アクチュエータの組立性および量産性の向上を図ることが可能となる。
【0042】
次に、本実施形態において可動子3を駆動する他の方法について説明する。
【0043】
図3は、図1に示した静電アクチュエータの構成を用いて、固定子2a,2bの電極A〜Dに電圧を印加する他の方法と、その際の可動子3の動きを示したものである。この方法では、電圧を電極A→電極D→電極A+B→電極D→電極B→電極D→電極B+C→電極D→電極C+A→電極A…と順次繰り返して印加することにより、可動子3が微視的には上下振動をしながら、巨視的には第1の固定子に配列された電極の配列方向(図中の右側)に駆動される。
【0044】
ここでは、第1の固定子2a上に設けられた電極において、まず1系統の電極(例えばA)で可動子3を吸引し、次に2系統の電極(例えばA+B)で可動子3を吸引することにより、可動子3の電極部3aは電圧が印加されている2系統の電極のほぼ中央に来るように作用力を受ける。かかる駆動方法によれば、可動子3を上下方向に駆動する作用力を比較的大きくとることができるため、可動子の駆動をよりスムーズに行なうことが可能となる。
【0045】
図3(a)〜(e)に示した静電アクチュエータの駆動動作は、具体的には、図4(a)〜(e)に示した電圧信号が印加されることによって達成される。
【0046】
始めに、第1の可動子電極部3a及び電極Dが図4(e)、(d)に示すようにローレベルの電位Lに維持され、図4(a)に示すように電極Aに電圧が印加される。従って、図3(a)に示されるように電極Aと電極部3aとの間の静電力によって第1の可動子電極部3aが電極Aに引き寄せられるように可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。続いて、図4(d)に示されるようにスイッチング回路40によって電極Aから電極Dに切り換えられて電圧が電極Dに印加され、図3(b)に示されるように可動子3は、電極Cから離れて第2の固定子2b側に吸引される。
【0047】
その後、スイッチング回路40によって電極Dから電極A、Bに切り換えられ、図4(a)及び(b)に示されるように固定子電極A、Bに電圧が印加され、電極A、Bと第1の可動子電極部3aとの間の静電力によって、図4(c)に示すように可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。ここで、図4(a)及び(b)に示されるように電極A、Bの両者に電圧が印加されていることから、図3(c)に示すように可動子電極部3aは、電極A、Bの両者に対向されるように可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。続いて、スイッチング回路40によって電極A、Bから電極Dに切り換えられて図4(d)に示されるように電圧が電極Dに印加され、図3(d)に示すように可動子3は、電極A、Bから離れて第2の固定子2b側に吸引される。
【0048】
その後、スイッチング回路40によって電極Dから電極Bに切り換えられ、図4(b)に示されるように電極Bに電圧が印加され、電極Bと第1の可動子電極部3aとの間の静電力によって、図3(e)に示すように可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。続いて、スイッチング回路40によって固定子電極Bから電極Dに切り換えられて図4(d)に示されるように電圧が電極Dに印加され、可動子3は、固定子電極Bから離れて第2の固定子2b側に吸引される。
【0049】
更に、スイッチング回路40によって電極Dから電極B、Cに切り換えられ、図4(b)及び(c)に示されるように電極B、Cに電圧が印加され、電極B、Cと可動子電極部3aとの間の静電力によって、可動子3は、固定子2a側に吸引される。ここで、電極B、Cの両者に電圧が印加されていることから、可動子電極部3aは、電極B、Cの両者に対向されるように可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。続いて、スイッチング回路40によって固定子電極B、Cから電極Dに切り換えられて図4(d)に示されるように電圧が電極Dに印加され、可動子3は、電極B、Cから離れて第2の固定子2b側に吸引される。
【0050】
その後、スイッチング回路40によって電極Dから電極Cに切り換えられ、図4(c)に示されるように電極Cに電圧が印加され、電極Cと可動子電極部3aとの間の静電力によって、可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。続いて、スイッチング回路40によって電極Cから電極Dに切り換えられて図4(d)に示されるように電圧が電極Dに印加され、可動子3は、固定子電極Bから離れて第2の固定子2b側に吸引される。
【0051】
その後、スイッチング回路40によって電極Dから電極C、Aに切り換えられ、図4(c)、(a)に示されるように電極C、Aに電圧が印加され、電極C、Aと可動子電極部3aとの間の静電力によって、可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。ここで、電極C、Aの両者に電圧が印加されていることから、第1の可動子電極部3aは、電極C、Aの両者に対向されるように可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。続いて、スイッチング回路40によって電極C、Aから電極Dに切り換えられて図4(d)に示されるように電圧が電極Dに印加され、可動子3は、固定子電極B、Cから離れて第2の固定子2b側に吸引される。
【0052】
再び、既に説明したように図4(a)に示すように電極Aに電圧が印加されて電極Aと第1の可動子電極部3aとの間の静電力によって、可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。
【0053】
上述したように、電圧が電極A、電極D、電極A、Bの両方、電極D、固定子電極B、電極D、固定子電極B、Cの両方、電極D、第3の電極C、電極D、第3及び第1電極の両方、電極D、及び電極Aの順序で電圧が順次印加されることにより、可動子3が微視的には上下振動をしながら、巨視的には第1の固定子3aに配列された電極の配列方向(フォワード方向)に駆動される。
【0054】
なお、本実施形態においては第1の固定子2aに3系統の電極を設けたが、本発明はこの場合に限られない。例えば、図5に示すように第1の固定子2aに4系統の電極A〜D(第1電極)を設け、第2の固定子2bに1系統の電極E(第2電極)を設けるようにしても良い。そして可動子3には電極F(第3電極)を設け、固定子2a,2bの電極に順次電圧を印加することにより可動子3を所定方向に駆動するようにしても良い。その際、電圧を印加する順番は、例えば電極A→電極E→電極B→電極E→電極C→電極E→電極D→電極E→電極A…、もしくは電極A+B→電極E→電極B+C→電極E→電極C+D→電極E→電極A+B…とすればよい。かかる構成によっても上記した本実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0055】
この図5に示される静電アクチュエータの動作を図6及び図7を参照してより詳細に説明する。図5に示される静電アクチュエータでは、図2に示される静電アクチュエータの第1の固定子2aに第1〜第3の電極A、B、Cに加えて更に第4の電極Dが設けられている。これら第1〜第4の電極A、B、C、Dは、同一ピッチで配置され、可動子3には、2つの固定子電極の幅に相当する幅を有する複数の可動子電極部3aがフォワード方向に沿って配列されている。可動子3は、同一電位に維持される1系統の電極Fを構成している。また、可動子3に対向する固定子2bの表面には、可動子3の可動範囲に渡って一様な平面状の電極Eが設けられている。
【0056】
図6に示されるように4つの電極A,B,C、D及び電極Eは、これら電極A,B,C、D及び電極Eに電圧を印加するタイミングを定めるスイッチング回路40を介して電圧を発生する電圧源42に接続されている。また、可動子3の電極Fは、このスイッチング回路40を介して接地され、或いは、マイナス電位に接続される。このスイッチング回路40は、各電極A,B,C、D及び電極Eに接続される固定接点40A、40B、40C、40D及び接地された固定接点40Gと、このこれら固定接点40A、40B、40C、40Dに接続される電圧源42に接続された第1の可動接点40F及び接地され、或いは、マイナス電位に接続された第2の可動接点40Eから構成される。このスイッチング回路40では、これら固定接点40A、40B、40C、40Dの1つが第1の可動接点40Fを介して電圧源42に接続された際には、他の固定接点40A、40B、40C、40Dは、第2の可動接点40Eを介して接地され、或いは、マイナス電位Lに接続される。
【0057】
この静電アクチュエータにおいては、他の実施形態と同様に電圧が電極A、電極E、電極B、電極E、電極C、電極E、電極D及び電極Eに順番に印加され、再び電極Aに印加されることによって、可動子3は、微視的にはフォワード方向24に交差する方向に上下振動をしながら、巨視的には、第1の固定子2aに配列された電極の配列方向(フォワード方向24)に直線的に微少駆動される。
【0058】
また、図6に示されるアクチュエータ機構においては、図7(a)から(f)に示されるタイミングの電圧が固定接点40A、40B、40C、40Dに印加することによって可動子3をフォワード方向或いはバックワード方向に直線的に微少駆動することができる。即ち、始めに、第1の可動子電極部3aの電極Fが図7(f)に示すようにローレベルの電位Lに維持され、図7(a)及び(b)示すように電極A、Bに電圧が印加される。従って、電極A、Bと固定子電極部3aとの間の静電力によって可動子電極部3aが電極A、Bに引き寄せられるように可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。続いて、図7(e)に示されるようにスイッチング回路40によって電極A、Bから電極Eに切り換えられて電圧が電極Eに印加され、可動子3は、第3の電極A,Bから離れて第2の固定子2b側に吸引される。
【0059】
その後、スイッチング回路40によって電極Eから固定子電極B、Cに切り換えられ、図7(b)及び(c)に示されるように固定子電極B、Cに電圧が印加され、電極B、Cと第1の可動子電極部3aとの間の静電力によって、可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。続いて、スイッチング回路40によって固定子電極B、Cから電極Eに切り換えられて図7(e)に示されるように電圧が電極Eに印加され、可動子3は、電極B,Cから離れて第2の固定子2b側に吸引される。
【0060】
その後、スイッチング回路40によって電極Eから電極C、Dに切り換えられ、図7(c)及び(d)に示されるように電極C、Dに電圧が印加され、電極C、Dと第1の可動子電極部3aとの間の静電力によって、可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。続いて、スイッチング回路40によって電極C、Dから電極Eに切り換えられて図7(e)に示されるように電圧が電極Eに印加され、可動子3は、固定子電極Bから離れて第2の固定子2b側に吸引される。
【0061】
更に、スイッチング回路40によって電極Eから電極D、Aに切り換えられ、図7(d)及び(a)に示されるように電極D、Aに電圧が印加され、電極D、Aと可動子電極部3aとの間の静電力によって、可動子3は、第1の固定子2a側に吸引される。続いて、スイッチング回路40によって固定子電極D、Aから電極Eに切り換えられて図7(e)に示されるように電圧が電極Eに印加され、可動子3は、固定子電極D、Aから離れて第2の固定子2b側に吸引される。
【0062】
この図5に示される静電アクチュエータでは、図4(a)から(e)を参照して説明したと同様に電圧が電極A、電極E、電極A、Bの両方、電極E、電極B、電極E、電極B、Cの両方、電極E、電極C、電極E、電極C、Dの両方、電極E、電極D、電極E、電極D、Aの両方、電極E、及び電極Aの順序で電圧が順次印加されても良い。これにより、可動子3が微視的には上下振動をしながら、巨視的には第1の固定子3aに配列された電極の配列方向(フォワード方向24)に駆動される。
【0063】
図6を参照して静電アクチュエータを動作させる駆動力について下記に簡単に説明する。下記の説明では、4つの電極A、B、C、Dが設けられる場合について説明しているが、4つに限らず、3つの固定子電極が設けられる固定子、或いは、n個の固定子電極が設けられる固定子電極から可動子3に与えられる場合に付いても同様の駆動力が可動子2に与えられる。
【0064】
駆動力、即ち、発生力(ここで、垂直方向をFz、水平方向(進行方向)をFyと表す。)は、可動子2の電極部3aと固定子3に設けた各電極A、B、C、Dが共に厚さの無い平行平板導体電極であると考えると、下記式(式1)及び(式2)で表される。
【0065】
【数1】
Figure 0004034525
【0066】
ここでnは、可動子3に設けた可動子電極部3aの数である。εは、可動子3と固定子2aに設けた各電極A、B、C、D間の誘電率である。誘電率は、真空の誘電率と前記可動子3の可動子電極部3aと固定子2aに設けた各電極A、B、C、D間の物質の比誘電率の積で表される。真空の誘電率はε0=8.85×10-12[N/m]であり、比誘電率は、例えば、空気では約1,電極の絶縁等に用いられるポリイミドでは約3である。Sは、平行平板を構成する互いに対向して可動子電極部3aと電極A、B、C、Dが構成する平行平板の対向する部分の面積である。いま、図6に示すように対向している電極部の幅(フォワード方向に沿った辺を幅とする。)をw、奥行きをLとすると、S=w×Lの関係がある。Vは、電極間に加える電圧を表している。また、dは、互いの電極間の距離を表し、この距離dは、図6では、GapGaに相当している。
【0067】
電極C及びDに電圧が印加されてアクティブである状態において、上記の(式1)及び(式2)を考察する。なお、ここで、電極Cのバックワード方向のエッジ、即ち、左端が基準位置と定められ、これが原点(0)に定められ、フォワード方向をプラス及びバックワード方向をマイナスに定めている。可動子電極部3aの左端が電極Cの左端よりも左に位置されている状態、即ち、変位Xが−L以上である場合には、可動子電極部3a及び電極Cが互いに重なり合う関係でなく、互いに対向する平行平板を構成しないことから、水平方向の発生力Fyは、実質的にゼロとなる。
【0068】
一方、図6に示すように可動子3の左端が電極Cの左端に対して、マイナスのL幅分から原点(0)までの範囲にある時には、即ち、変位Xが−Lから0である場合には、その可動子3の位置によらず、水平方向の発生力Fyは、一定となる。これは、(式2)に水平方向の成分がないからである。また、さらに可動子3の左端が、電極Cに対して、原点(0)からプラス側にL幅分までの範囲にある時は、即ち、変位Xが0から+L以下である場合には、発生力は、マイナス方向で大きさは一定となる。これは、可動子3の深さ方向が発生力に対しての影響、即ち、図6に示すように可動子電極部3aの側面のテーパが付いた箇所と、固定子2aに設けた各電極A、B、C、D間の相互で生じる作用の影響を無視している為である。実際のアクチュエータ機構では、それらの影響を考慮する必要はあるが上述した説明では、説明の簡便化から無視している。
【0069】
図8には、上述した考察を基にした水平方向の発生力Fyに関するグラフ▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼が示されている。このグラフは、有限要素法を用いて、可動子3と固定子2aに設けた各電極A、B、C、Dとの位置関係による発生力の変化を示している。縦軸は、フォワード方向をプラスとする水平方向の発生力Fyを力(単位[N])で表し、横軸は、可動子3と固定子2aに設けた各電極A、B、C、Dとの位置関係、即ち、フォワード方向をプラスとする変位値を表している。このグラフ▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼は、パラメータとして図6に示したギャップGaを取り、グラフ▲2▼は、ギャップGaが7.8ミクロンの場合を、グラフ▲3▼は、ギャップGaが5.8ミクロンの場合を、グラフ▲4▼は、ギャップGaが4.8ミクロンの場合を、グラフ▲5▼は、ギャップGaが3.8ミクロンの場合を示している。図8のグラフを得るための静電アクチュエータのサイズは、携帯電話等のモバイル機器に適用する場合を想定してそのサイズが定められている。例えば、Gapは、3.8μm〜7.8μm、Lは、28μm、wは、12μm、Phは、16μm、可動子3に設けた可動子電極部3aの数は、94としている。
【0070】
図8のグラフから明らかなように、水平方向の発生力Fyは、可動子3の可動子電極部3aが電極Cと重なり合う前後および離れる前後で徐々に変化している事が分かる。なお、グラフから明らかなように水平方向の発生力Fyは、0点と最大値を結ぶ正弦波波形に置き代えることができる。なお、図8においては、固定子電極に加えている電圧は、100Vでの算出値である。図8に示されるグラフ及びこのグラフから考察した結果によれば、Gapは、好ましくは、3〜10μmの範囲、より好ましくは、3〜5μmの範囲であれば、効果的に水平方向の発生力Fyを可動子3に与えることができることが判明している。
【0071】
[第2の実施形態]
図9及び図10を参照して、本発明に係る静電アクチュエータの第2の実施形態について説明する。なお、図1に示した部分と同一の部分については、同一符号を用いることにより重複説明を省略する(以下、各図面の説明において同様とする)。
【0072】
図9は、本実施形態に係る静電アクチュエータの概略構成を示す図である。
【0073】
ここで、可動子3の電極部3aの電極幅(L)は固定子2aに設けられた各電極の電極幅(Wa)の1.5倍〜2.5倍、望ましくは1.5倍〜2.0倍となっている。
【0074】
図に示すように、電極Aと電極Bに電圧を印加すると、可動子3が固定子2a側に吸引され、電極A,Bと可動子3の電極部3aとが重なりあうような作用力が働く。続いて、電極Dに電圧を印加すると、可動子3は固定子2b側に吸引される。さらに、電極Bと電極Cに電圧を印加すると、電極Aと電極Bに電圧を印加した際と同様に、可動子3は固定子2a側に吸引され、可動子3の電極部3aは電極B,Cに重なり合うように作用力を受ける。このように、電圧を電極A+B→電極D→電極B+C→電極D→電極C+A→電極D→電極A+B…と順次繰り返して印加することにより、可動子3は微視的には上下振動をしながら、巨視的には第1の固定子に配列された電極の配列方向(図中の右側)に駆動される。また、電圧を加える順番を逆に(電極A+B→電極D→電極A+C→電極D→電極C+B→電極D→電極A+B…)すると、可動子3は巨視的には上記した方向と反対方向(図中の左側)に駆動される。
【0075】
ここで、可動子3に設けられ電極部3aの電極幅(L)を固定子2aに設けられた各電極の電極幅(a)の1.5倍〜2.5倍、望ましくは1.5倍〜2.0倍に設定する理由について図10を参照しつつ説明する。上側の図10(a)にあるように、例えば電極Bと電極Cに電圧を印加すると、可動子3の本来の進行方向(図中の右側)とは反対方向(図中の左側)にも作用力が発生する。従って、反対方向の作用力を低減するためには、下側の図10(b)にあるように可動子3の電極幅(L)を小さくした方が良い。しかしながら、電極幅を小さくし過ぎると、合計の電極面積が小さくなり、可動子3を上下方向に駆動する作用力が低減するとともに、可動子3に設けられる電極部3aを固定子2aの電圧が印加されている2系統の電極のほぼ真ん中に位置させるための位置決め力が不安定になると言うデメリットがある。従って、これらを総合的に勘案し電磁場解析を行なった結果、可動子の電極Eの電極幅(L)は、上記範囲とすることが望ましいとの知見が得られた。
【0076】
[第3の実施形態]
図11及び図12を参照して、本発明に係る静電アクチュエータの第3の実施形態について説明する。
【0077】
例えば、図1に示したように、固定子2aの電極Aに電圧を印加すると、可動子3の電極Eと固定子2aの電極Aとの間に発生する電場により、可動子3は静電力(クーロン力)を受け、固定子2a側へ吸引される。この時、電極Aと可動子3の電極部3aが直接触れると、電気的にショートとなり、瞬間的に電極が破壊される現象が起きる。その為、電極Aと電極部3aの間に絶縁破壊強度が十分ある誘電体膜4を設ける。ただ、上記したように、従来の電圧印加方法においては、例えば固定子2a側の電極Aの近傍に設けた誘電体膜4が誘電分極5を起こし、巨視的に見ると、固定子2aの表面が陽極の電位を持ったかのように可動子3aに対して振る舞う。その為、次の駆動シーケンスに制御を移しても、良好に可動子3が電極Dを有する固定子2b側に駆動されないという現象が起こる場合もあった。これは、誘電分極5によって誘電体膜4の中に生じた電気的な偏りによる影響である。誘電分極5により残余する電位は少ないが、クーロン力は電極間の距離の2乗に反比例する為、いったん電極Eが電極Aに吸引され、電極間距離が小さくなっている状態においては、残余した電位が小さくても、それが可動子3に与える作用力は大きい。本発明は、上記の悪影響を低減し、可動子3を良好に駆動せしめる駆動シーケンスを実現するものである。
【0078】
本実施形態は、可動子3が電極Aに引かれている状態から、次の駆動シーケンス、即ち電極Dに電圧を印加する際に、固定子2aの電極Aに可動子3の電極Eの電位と比べて低電位(可動子3の電位レベルをゼロとすると、電極Aはマイナス電位)となるように電位差を与えることにより、可動子3の固定子2aからの剥離を良好とし、スムーズなアクチュエータ動作を実現させるものである。これは、巨視的にみれば、固定子2aの電極Aと対応する可動子3の電極Eとの間で、誘電体膜4に残余した誘電分極5による電荷の偏りによる電界と、新たに電極Aに加えた電位(電極Eの電位レベルよりも低位)と電極Eとの間に発生する電界とがそれぞれ逆向きの電界となり、双方がうち消しあうためであると説明出来る。微視的にみれば、誘電体膜4に残余した誘電分極5による電荷の偏りが、新たに加えた電極Aへの電位(電極Eの電位レベルよりも低位)による電界によって、解消される現象であると説明出来る。
【0079】
図11(a)及び(b)に示されるようにアクチュエータ機構を動作させるには、図12(a)から(f)に示すような電圧信号がスイッチング回路40から各電極に印加される。ここで、図12(a)、(b)、(c)は、それぞれ電極A、B、Cに印加される信号電圧のタイミングチャートを示し、図12(d)は、固定子電極Dに印加される信号電圧のタイミングチャートを示し、また、図12(e)は、可動子電極Eに印加される電圧を示している。図12(e)に示される可動子電極Eに印加される電圧は、接地電位であり、図12(d)に示される固定子電極Dに印加される信号電圧のローレベルLが接地電位であるに対してハイレベルHは、高い電位となっている。また、図12(a)、(b)、(c)に示される電極A、B、Cに印加される信号電圧のハイレベルHは、高い電位であるに対して、そのローレベルLは、マイナス電位に定められ、その中間レベルは、接地電位となっている。従って、図12(a)、(b)、(c)に示されるハイレベルHで可動子電極部3aが吸引力によって電極A、B、Cに引き付けられ、ローレベルLで可動子電極部3aが電極A、B、Cから反発力によって分離されることとなる。そして、中間レベルで可動子電極部3aは電極A、B、Cから何らの作用も受けないこととなる。
【0080】
尚、可動子電極部3aの電位がいわゆる浮かした状態、即ち、電気的に接地されないフロート状態であっても良い。また、可動子電極部3aへの静電吸引力が効果的に働く様に、可動子3の近傍に接地されたダミーの電極を設けても良い。また、図11(a)及び(b)に示される実施形態においては、固定子2a側に誘電体膜を設けているが、図13(a)及び(b)に示されに示されるように、誘電体膜4は、可動子3側に設けられても良い。この図13(a)及び(b)に示されアクチュエータも同様に図12(a)から12(f)に示すような電圧信号がスイッチング回路40から各電極に印加されることによって動作される。
【0081】
[第4の実施形態]
図14及び図15を参照して、本発明に係る静電アクチュエータの第4の実施形態について説明する。
【0082】
本実施形態に係る静電アクチュエータは、その可動子3の形状に特徴を有する。図14に示すように、可動子3の持つ面の内、固定子に設けた電極部と対向する部分の面にある一定のピッチで電極部6を設ける。また、巨視的にみた際の静電アクチュエータの駆動方向に垂直な面に、必要な光学特性を満足したレンズ面(光学素子面)7を少なくとも1面設ける。図14においては、図面上側にレンズ面7が来ているが、これに加えて、図面では隠れている上部のレンズ面7と反対側の下部にもレンズ面を設けてもかまわない。このレンズ面7と静電アクチュエータを構成する電極部6を備えた可動子3は、例えば、ガラスモールド技術にて製作する。即ち、レンズ面7は可動子3と一体を成し、可動子3の一面がレンズ面を成す構成となる。
【0083】
静電アクチュエータとして駆動するように電極部6をどのように製作するかを、図15を参照しつつ説明する。まず、ガラスモールド技術等で図15に示すような可動子形状を製作する。次に、レンズ面7が上側を向いた状態で可動子3を設置する。金属プレート等のジグに設置面を接触させて固定したのち、可動子3に導体材料を被膜する。被膜する方法としては、スパッタや蒸着および塗布を用いる。これにより、ジグ等に接触した1面を除き、それ以外の5面に導電体による被膜を行なう。続いて、静電吸引力を利用したレジスト塗布方法(スプレー方式)等を用いて、同じ姿勢のままで、レジストの塗布を行なう。これにより、ジグ等に接触した1面を除き、それ以外の5面にレジストによる被膜を行なう。ここで、可動子3をジグ等より取り外し、可動子を電極パターニング用のジグに取り付ける。この電極パターニング用のジグとは、可動子を納める事が出来る穴を持ち、電極を設ける面と電極パターニング用のジグの表面がほぼ同一の高さとなる様に穴の深さが設定してある(図示省略)。また、可動子は、前述の穴にバネ等の機械的な押しつけ方式もしくは負圧による吸引方式により、電極パターニング用のジグにしっかりと固定されている。なお、電極パターニング用のジグには、可動子3を1度に複数個取り付けてもかまわない(その為には、複数の穴を設ける)。続いて、レジストが塗布された面に対して、写真転写方式を利用したパターン転写(いわゆるフォトファブリケーション技術)を行ない、レジストの感光工程を実施する。続いて、レジスト部のエッチング、金属部のエッチングを経て、必要箇所について導電性材料によるパターニングが行われる。なお、この際、導電性材料としては、透明(例えばITO等の材料を利用する)であっても、非透明であってもかまわない。透明な場合には、前記の工程にて可動子の製作は完了である。非透明である場合は、前記工程において、エッチング工程の前に、一度可動子を電極パターニング用のジグより取り外し、レンズ面を上側にして、再度電極パターニング用のジグに設置する。続いて、レンズ面のみの導電性材料を除去する光学マスク(半導体プロセスでは一般にレチクルと呼ばれる)を用いて、写真転写方式を利用したパターン転写(いわゆるフォトファブリケーション技術)を行ない、レジストの感光工程を実施する。その後に前記と同様にレジスト部のエッチング、金属部のエッチングを経ることにより、可動子3が完成する。
【0084】
なお、可動子3の電極部6は、梯子形状のパターニングを行った部分を含め、側面の4面の電極がすべて、レンズ面の側部を介して、電気的につながっている。なお、梯子状の電極部6を設けたのと同じ効果を得るために、その面の表面に凹凸形状(そのピッチを梯子状の電極と同じとする。)を設け、全面を導電性材料で皮膜してもかまわない。
【0085】
また、梯子状の電極部6を設けた面の一部には、可動子3が固定子に設けた電極と直接に接触しないように、梯子状電極を設けない領域8を設けてもかまわない。図16(a)及び(b)に示すように、かかる領域8に対応する固定子電極の表面に、微小な高さ(但し、設けた電極の厚さよりも高い)のストッパー10を設け、そのストッパー10と前記領域8とが摺動するようにすれば、可動子の電極部と固定子の電極が接触するのを防ぐことができる。なお、図17(a)及び(b)に示すように、接触を防ぐ為のストッパー10は可動子3側に設けてもかまわない。
【0086】
以上説明したような製造方法により、可動子を製造することにより、量産性に富みかつ安価な静電アクチュエータを実現することが可能となる。
【0087】
[第5の実施形態]
図18を参照して、本発明に係る静電アクチュエータの第5の実施形態について説明する。
【0088】
図18は、本実施形態に係る静電アクチュエータの構成方法を示したものである。固定子2は、少なくとも2つの分割部品2c,2dから構成される。例えば2つに分割した場合、一方には3系統の電極を備え、もう一方には1系統の一様な電極を備える。2つの分割部品2c,2dを機械的に押しつけて、側面等を接着することにより、可動子3よりもある一定の距離分だけ大きな隙間を持った電極間距離を備えた固定子2を製作する。その際、可動子3は予め中に挿入しておき、2つの分割部品を接着することにより、静電アクチュエータとして完成させる。なお、高い精度を備えた固定子2は例えば型成型により実現する。ポンチもしくはプレス加工により加工する方向が1軸である形状となるように、固定子2を分割し、高い精度を備えた電極間距離を実現する。なお、図18では、一様な電極Dを備えた固定子2cが型成型部品となっているが、3系統の電極を備えた固定子を型成型部品と、逆に入れ替えてもかまわない。
【0089】
[第6の実施形態]
図19乃至図21を参照して、本発明に係る静電アクチュエータの第6の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明に係る静電アクチュエータを構成する固定子の構造に関するものである。
【0090】
図19は、固定子2の構造および電極A〜Cの取り出し形態を示したもので、固定子2を構成する基板11の平面図と、そのA−A断面図及びB−B断面図である。固定子用の基板11の図示しない可動子と対向する面上に3系統の電極A〜Cが形成されている。基板11にはガラスあるいは表面にシリコン酸化膜などの絶縁膜が形成されたシリコン基板が用いられる。ここでは、3系統の電極が4段分図示されている。電極Aと電極Cはそれぞれの配線と共に櫛形状にかみ合わさるように配置されている。電極Aと電極Cの間に電極Bが配置され、B電極からの配線は電極Aからの配線の上に設けられる絶縁膜を経由して電極Aの配線の外側に取り出されている。それぞれの配線は各電極が形成された面側から取り出される。
【0091】
次に、図20を参照しつつ固定子の製造工程について説明する。
【0092】
まず、基板11上に電極Aと配線部、電極Cと配線部、電極Bと電極Aの配線部の外側に位置する電極Bの配線部とがAlなどの金属材料12で形成される(図20(a)参照)。その上に絶縁膜13が形成され、電極Aの配線部の外側に位置するB電極の配線部とB電極を結線するためのスルーホール14が、A電極の配線部の外側に位置するB電極の配線部とB電極の所定の位置に形成される(図20(b)参照)。絶縁膜としては、酸化シリコンや窒化シリコン、あるいはポリイミドなどをプロセスに応じて用いることができる。次いで、電極Aの配線部の外側に位置する電極Bの配線部と電極Bを結線する配線15が形成される(図20(c)参照)。更に、必要に応じて電極Aの配線部の外側に位置するB電極の配線部とB電極を結線する配線15の上に絶縁膜16が形成される(図20(d)参照)。
【0093】
ここでは、電極Bの配線部と電極Bを結線する配線は電極Aの配線の上側に形成されているが、逆に下側に形成されてもよい。また、ここでは絶縁膜上に電極Bの配線部と電極Bを結線する配線形成したが、ワイアボンディングを行なってもよい。
【0094】
なお、ここでは固定子を構成する基板11上に3系統の電極を形成する場合について説明したが、本発明はこの場合にかぎられず、例えば、図21に示すように基板11上に4系統の電極A〜Dを設けるようにしても良い。
【0095】
[第7の実施形態]
図22を参照して、本発明に係る静電アクチュエータの第7の実施形態について説明する。本実施形態も、本発明に係る静電アクチュエータを構成する固定子の構造に関するものである。
【0096】
図22は、固定子2の構造および電極A〜Cの取り出し形態を示したもので、固定子2を構成する基板11の平面図と、そのA−A断面図及びB−B断面図である。上記した第6の実施形態と異なるのは、それぞれの配線を各電極が形成された面ではなく、基板11の裏面から取り出している点である。図に示すように、配線取り出し部分に相当する箇所にはスルーホール17が開けられ、基板に裏面に配線が取り出されている。
【0097】
[第8の実施形態]
図23を参照して、本発明に係る静電アクチュエータの第8の実施形態について説明する。本実施形態も、本発明に係る静電アクチュエータを構成する固定子の構造に関するものである。
【0098】
図23は、固定子2の構造および電極A〜Cの取り出し形態を示したもので、固定子2を構成する基板11の平面図、そのA−A断面図及びB−B断面図、及び基板11の裏面図である。この実施形態の特徴は各電極がそれぞれ結線される前に基板裏面に取り出されている点である。基板11の可動子と対向する面には電極が、基板裏面には各電極を結線するための配線が形成され、スルーホール18を経由して両者が結線されている。
【0099】
[第9の実施形態]
図24乃至図26を参照して、本発明に係る静電アクチュエータの第9の実施形態について説明する。本実施形態も、本発明に係る静電アクチュエータを構成する固定子の構造に関するものである。
【0100】
図24及び図25は、固定子2の構造および電極A〜Cの取り出し形態を示したもので、それぞれ固定子2の一部を構成する基板11a,11bの平面図、そのA−A断面図及びB−B断面図、及び基板11a,11bの裏面図である。この実施形態の特徴は、図24及び図25に示した配線が形成された基板11が接合された接合基板を用いている点にある。構造的には、図26に示すように、図24に示した各電極が形成された基板11aと図25に示したスルーホールが形成された基板11bがはり合わされ一体化した構造である。
【0101】
次に、この実施形態の加工プロセスを説明する。まず、基板11aの裏面側に上記した第8の実施形態と同様に各電極を結線するための配線とスルーホールが形成される。但し、この面は基板11bと接合する面であるので、配線部分は図のように予め加工した凹部に形成している。また、スルーホールは貫通している必要はなく、後工程で研磨した時に貫通する深さでよい。次いで、基板11aと基板11bを接合する。この基板の接合は、シリコンとガラスの場合は陽極接合法、シリコン同士の場合は水ガラス法など基板の種類に応じた方法で行うことができる。接合する基板11bには予めスルーホールや配線取り出しのための配線が形成されていてもよい。接合した基板11は、基板11a側を研磨で所定の厚さまで薄くする。この時、スルーホールは貫通していることが必要である。次いで、基板11aの研磨した面に各電極と配線を形成して基板11aの裏面側の配線と結線する。更に、基板11b側に予めスルーホールや配線取り出しのための配線が形成されていない場合は、これらの形成を行ない、更に基板11aと基板11bの配線の結線を行なうことによって固定子2が完成する。この手法を用いることにより、基板11aに設けるスルーホールの深さ加工が小さくてすむというプロセス上のメリットがある。また、スルーホールの加工においては、一般的に等方的な加工(つまりある一定の深さ方向に加工を行なおうとしたら、それと同じ量だけ横方向にも加工されることを指す)となる。そうなると、スルーホールを貫通させるべき基板の厚さより、開けることが出来るスルーホールの孔径(φ)に制約が生じ、スルーホール同士を近接する際の限界が生じる。この制約が、基板11aの表面に設けた可動子の電極と対応した電極の配置ピッチを微細にする際の妨げとなる。本実施形態の手法を用いることにより、この基板11の表面電極の微細化に対応出来るという著しい効果が期待できる。なお、本説明では、基板11aの表に設けた表面電極の配線を基板11aの裏面に設けているが、この配線部は基板11bの表面に設けても構わない。
【0102】
[第10実施形態]
図27を参照して、本発明に係る静電アクチュエータの第10の実施形態について説明する。本実施形態も、本発明に係る静電アクチュエータを構成する固定子の構造に関するものである。
【0103】
図27は、固定子2の構造および電極A〜Cの取り出し形態を示したもので、それぞれ固定子2を構成する基板11の平面図、そのA−A断面図及びB−B断面図、及び基板11の裏面図である。
【0104】
本実施形態の特徴は、固定子2の基板11にSOI基板を用い、各電極がバルクシリコンから構成される点である。SOI基板11の片面に、各電極となるシリコン構造体19がDRIE装置などを用いて形成されている。シリコン構造体の表面には絶縁膜を形成してもよい。
【0105】
基板裏面には、電極を取り出すためのスルーホール20が開けられ、電極となるシリコン構造体との結線や配線の取り出しが行なわれている。
【0106】
次に、本実施形態の変形例について説明する。本変形例の構造は図27に示したものとほぼ同様で、各電極がシリコン構造体ではなくNiに代わっている点で異なる。
【0107】
本変形例の製造工程について説明する。まず、酸化したシリコン基板にめっきのシード層となる金属層を形成する。その基板の上に、厚膜レジストの露光・現像プロセスを行ない、電極構造体を形成するための型構造を形成する。次に、電界めっき法で電極構造体となるNi層を形成する。その後、厚膜レジスト層を除去し、絶縁膜をコートすると電極構造体が完成する。この製造工程では、必要に応じて調整工程(例えば研磨)を行なう。なお、基板の裏面は本実施形態と同様に電極を取り出すためのスルーホールが開けられ、電極構造体との結線や配線の取り出しが行なわれる。
【0108】
[第11の実施形態]
図28を参照して、本発明にかかる静電アクチュエータを利用した応用例について説明する。
【0109】
本発明にかかる静電アクチュエータは、駆動特性に優れることから、小型カメラの焦点調節機構としての利用に適している。
【0110】
図28は、本発明にかかる静電アクチュエータを搭載した小型カメラのモジュール部分を示したもので、基板21上には、CMOSもしくはCCD等の撮像素子があり、その上に静電アクチュエータ22が設けられている。ここで、静電アクチュエータを構成する可動子は上記したレンズ一体型のものが用いられる。また、基板21上には静電アクチュエータの駆動を制御するためのDSP等のICが搭載されている。
【0111】
かかるカメラモジュールは、携帯電話やデジタルカメラ等のカメラユニットとして用いられる。
【0112】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、安価でかつ量産性にも対応した静電アクチュエータ及びその駆動方法を提供することが出来る。また、かかる静電アクチュエータを利用した小型のカメラモジュールを併せて提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静電アクチュエータの第1の実施形態(3系統)を示す図。
【図2】(a)から(e)は、図1に示した静電アクチュエータの電極に印加される電圧信号を示すタイミングチャート。
【図3】(a)から(e)は、図1に示した第1の実施形態の変形例に係る静電アクチュエータの駆動方法を説明する為の動作説明図。
【図4】(a)から(e)は、図3(a)から(e)に示した駆動方法に係る静電アクチュエータの電極に印加される電圧信号を示すタイミングチャート。
【図5】本発明に係る静電アクチュエータの第2の実施形態を示す図。
【図6】本発明に係る静電アクチュエータの第2の実施形態における可動子の電極幅に関する説明図。
【図7】(a)から(e)は、図5及び図6に示した静電アクチュエータの電極に印加される電圧信号を示すタイミングチャート。
【図8】図5及び図6に示した静電アクチュエータにおけるギャップをパラメータとした変位と可動子に与えられる駆動力との関係を示すグラフである。
【図9】本発明に係る静電アクチュエータの更に他の変形実施形態を概略的に示す断面図。
【図10】(a)及び(b)は、本発明に係る静電アクチュエータにおける説明図である。
【図11】(a)及び(b)は、本発明に係る静電アクチュエータの第3の実施形態(固定子に誘電体膜)を示す図。
【図12】図11に示された静電アクチュエータの電極に印加される電圧信号を示すタイミングチャート。
【図13】(a)及び(b)は、本発明に係る静電アクチュエータの第3の実施形態(可動子に誘電体膜)を示す図。
【図14】本発明に係る静電アクチュエータの第4の実施形態(可動子)を示す図。
【図15】(a)から(c)は、本発明に係る静電アクチュエータの第4の実施形態(可動子)の製造工程を示す図。
【図16】(a)及び(b)は、本発明に係るストッパーを備えた(固定子側)静電アクチュエータを示す図。
【図17】(a)及び(b)は、本発明に係るストッパーを備えた(可動子側)静電アクチュエータを示す図。
【図18】本発明に係る静電アクチュエータの第5の実施形態を示す図。
【図19】(a)から(c)は、本発明に係る静電アクチュエータの第6の実施形態(固定子,3系統)を示す図。
【図20】(a)から(d)は、本発明に係る静電アクチュエータの第6の実施形態(固定子)の製造工程を示す図。
【図21】(a)から(c)は、本発明に係る静電アクチュエータの第6の実施形態(固定子,4系統)を示す図。
【図22】(a)から(c)は、本発明に係る静電アクチュエータの第7の実施形態(固定子)を示す図。
【図23】(a)から(d)は、本発明に係る静電アクチュエータの第8の実施形態(固定子)を示す図。
【図24】(a)から(d)は、本発明に係る静電アクチュエータの第9の実施形態(固定子の一部)を示す図。
【図25】(a)から(c)は、本発明に係る静電アクチュエータの第9の実施形態(固定子の一部)を示す図。
【図26】(a)から(c)は、本発明に係る静電アクチュエータの第9の実施形態(固定子)を示す図。
【図27】(a)から(d)は、本発明に係る静電アクチュエータの第10の実施形(固定子)を示す図。
【図28】本発明に係る静電アクチュエータの応用例を示す図。
【図29】従来の静電アクチュエータの構成を示す図。
【図30】従来の静電アクチュエータの構成(誘電体膜)を示す図。
【符号の説明】
1...静電アクチュエータ
2a...第1の固定子
2b...第2の固定子
3...可動子
4...誘電体膜
5...誘電分極
6...電極部
7...レンズ面

Claims (31)

  1. 所定方向に順次配列される少なくとも3系統の第1電極を備えた第1の固定子と、
    この第1の固定子と対向して設けられ、前記所定方向に延設された1系統の第2電極を備えた第2の固定子と、
    前記第1の固定子と前記第2の固定子との間に配置され、前記第1電極に対向する電極部を有する第3電極を備えた可動子とを具備し、
    前記第3電極の電位よりも前記第1電極もしくは前記第2電極の電位が高くなるように、該第1電極と該第2電極に交互に電圧を印加するとともに、該第1電極の系統を前記所定方向に順次切り換えることにより、前記可動子を該所定方向に駆動することを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 前記可動子に設けられる前記電極部の前記所定方向に沿った幅は、前記第1電極の各電極の該所定方向に沿った幅の1.5倍〜2.0倍であることを特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータ。
  3. 前記第1もしくは第2電極を覆うように設けられる誘電体膜をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータ。
  4. 前記第3電極を覆うように設けられる誘電体膜をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータ。
  5. 前記第2電極に電圧を印加する際に、前記第1電極の電位が前記第3電極の電位と比べて低電位となるように電位差を与える手段をさらに備えたことを特徴とする請求項3または4のいずれか一項に記載の静電アクチュエータ。
  6. 前記可動子は、駆動される前記所定方向と直交する面を光学素子面としたことを特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータ。
  7. 前記第1及び第2の固定子は、前記電極が設けられた表面に該電極の面よりも突出したストッパーを備え、前記可動子は、前記第3電極が設けられた表面に前記ストッパーを摺動させるための領域を備えることを特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータ。
  8. 前記可動子は、前記第3電極が設けられた表面に該電極の面よりも突出したストッパーを備え、前記第1及び第2の固定子は、前記電極が設けられた表面に前記ストッパーを摺動させるための領域を備えることを特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータ。
  9. 異なる順序で電圧が印加される少なくとも3つの電極が所定方向に順次配列されてなる第1の電極群を備えた第1の固定子と、
    この第1の固定子と対向して設けられ、前記所定方向に延設された平面状の第2の電極を備えた第2の固定子と、
    前記第1の固定子と前記第2の固定子との間に配置され、前記第1の電極群に対向する第1の電極部及び前記第2の電極に対向する第2の電極部を備えた可動子と、
    前記第1の電極部の電位よりも前記第1の電極群のいずれかの電極の電位が高くなるように、もしくは前記第2の電極部よりも前記第2の電極の電位が高くなるように、該第1に電極群と該第2電極に交互に電圧を印加するとともに、該第1の電極群に電圧を印加する順序を順次切り換えるスイッチング回路と
    を有することを特徴とする静電アクチュエータ。
  10. 前記スイッチング回路は前記第1の電極群に電圧を印加する際に、少なくとも前記所定方向に隣接する2つの電極に同時に電圧を印加することを特徴とする請求項9記載の静電アクチュエータ。
  11. 前記可動子に設けられる前記第1の電極部の前記所定方向に沿った幅は、前記第1の電極群の各電極の該所定方向に沿った幅の1.5倍〜2.5倍であることを特徴とする請求項9記載の静電アクチュエータ。
  12. 前記第1の電極群を覆うように設けられる誘電体膜をさらに備えたことを特徴とする請求項9記載の静電アクチュエータ。
  13. 前記第2の電極に電圧を印加する際に、前記第1の電極群の電位が前記第1の電極部の電位と比べて低い電位となるように電位差を与える手段をさらに備えたことを特徴とする請求項12記載の静電アクチュエータ。
  14. 前記第1の電極部を覆うように設けられる誘電体膜をさらに備えたことを特徴とする請求項9記載の静電アクチュエータ。
  15. 前記第2の電極に電圧を印加する際に、前記第1の電極群の電位が前記第1の電極部の電位と比べて低い電位となるように電位差を与える手段をさらに備えたことを特徴とする請求項14記載の静電アクチュエータ。
  16. 前記電極部は実質的に接地電位であることを特徴とする請求項9に記載の静電アクチュエータ。
  17. 前記可動子は、該可動子とともに駆動される光学素子を備えたことを特徴とする請求項9記載の静電アクチュエータ。
  18. 前記第1及び第2の固定子は、前記第1の電極群及び第2の電極の表面よりも突出したストッパーを備え、前記可動子は、前記電極部が設けられた表面に前記ストッパーを摺動させるための領域を備えることを特徴とする請求項9記載の静電アクチュエータ。
  19. 前記可動子は、前記電極部の表面よりも突出したストッパーを備え、前記第1及び第2の固定子は、前記第1の電極群及び第2の電極が設けられた表面に前記ストッパーを摺動させるための領域を備えることを特徴とする請求項9記載の静電アクチュエータ。
  20. 前記第1の電極群は、異なる順序で電圧が印加される3つの電極が前記所定方向に順次配列されてなることを特徴とする請求項9記載の静電アクチュエータ。
  21. 前記第1の電極群は、異なる順序で電圧が印加される4つの電極が前記所定方向に順次配列されてなることを特徴とする請求項9記載の静電アクチュエータ。
  22. 異なる順序で電圧が印加される少なくとも3つの電極が所定方向に順次配列されてなる第1の電極群を備えた第1の固定子と、この第1の固定子と対向して設けられ、前記所定方向に延設された平面上の第2の電極を備えた第2の固定子と、前記第1の固定子と前記第2の固定子との間に配置され、前記第1の電極群に対向する第1の電極部及び前記第2の電極に対向する第2の電極部を備えた可動子を有する静電アクチュエータを駆動する方法であって、
    前記第1の電極部の電位よりも前記第1の電極群のいずれかの電極の電位が高くなるように電圧を印加し、
    前記第2の電極部よりも前記第2の電極の電位が高くなるように電圧を印加し、
    前記第1の電極群の電極を切り換えて前記第1の電極部の電位よりも前記電極の電位が高くなるように電圧を印加すし、
    前記第2の電極部よりも前記第2の電極の電位が高くなるように電圧を印加し、
    上記した各電圧の印加を繰り返し行うことを特徴とする静電アクチュエータの駆動方法。
  23. 前記第1の電極群に電圧を印加する際に、少なくとも前記所定方向に隣接する2つの電極に同時に電圧を印加することを特徴とする請求項22記載の静電アクチュエータの駆動方法。
  24. 前記第2の電極に電圧を印加する際に、前記第1の電極群の電位が前記第1の電極部の電位と比べて低い電位となるように電位差を与えることを特徴とする請求項22記載の静電アクチュエータの駆動方法。
  25. 撮像素子と、
    この撮像素子上に設けられ、異なる順序で電圧が印加される少なくとも3つの電極が所定方向に順次配列されてなる第1の電極群を備えた第1の固定子と、この第1の固定子と対向して設けられ、前記所定方向に延設された平面状の第2の電極を備えた第2の固定子と、前記第1の固定子と前記第2の固定子との間に配置され、前記第1の電極群に対向する第1の電極部及び前記第2の電極に対向する第2の電極部と、前記撮像素子に光を結像させる光学素子を備えた可動子と、前記第1の電極部の電位よりも前記第1の電極群のいずれかの電極の電位が高くなるように、もしくは前記第2の電極部よりも前記第2の電極の電位が高くなるように、該第1に電極群と該第2電極に交互に電圧を印加するとともに、該第1の電極群に電圧を印加する順序を順次切り換えるスイッチング回路とを有する静電アクチュエータと
    を有することを特徴とするカメラモジュール。
  26. 前記スイッチング回路は前記第1の電極群に電圧を印加する際に、少なくとも前記所定方向に隣接する2つの電極に同時に電圧を印加することを特徴とする請求項25記載のカメラモジュール。
  27. 前記可動子に設けられる前記第1の電極部の前記所定方向に沿った幅は、前記第1の電極群の各電極の該所定方向に沿った幅の1.5倍〜2.5倍であることを特徴とする請求項25記載のカメラモジュール。
  28. 前記第1の電極群を覆うように設けられる誘電体膜をさらに備えたことを特徴とする請求項25記載のカメラモジュール。
  29. 前記第2の電極に電圧を印加する際に、前記第1の電極群の電位が前記第1の電極部の電位と比べて低い電位となるように電位差を与える手段をさらに備えたことを特徴とする請求項28記載のカメラモジュール。
  30. 前記第1の電極部を覆うように設けられる誘電体膜をさらに備えたことを特徴とする請求項25記載のカメラモジュール。
  31. 前記第2の電極に電圧を印加する際に、前記第1の電極群の電位が前記第1の電極部の電位と比べて低い電位となるように電位差を与える手段をさらに備えたことを特徴とする請求項30記載のカメラモジュール。
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