JP3555265B2 - 周波数分割多重信号送信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は周波数分割多重信号送信装置に係り、特に符号化されたディジタル映像信号などを限られた周波数帯域の直交周波数分割多重(OFDM:OrthogonalFrequency Division Multiplex)信号に変換して送信する直交周波数分割多重信号送信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
符号化されたディジタル映像信号などを限られた周波数帯域で伝送する方式の一つとして、256直交振幅変調(QAM:Quadrature Amplitude Modulation)などの多値変調されたディジタル情報を多数の搬送波を用いてOFDM信号として伝送するOFDM方式が従来より知られている。このOFDM方式は多数の搬送波を直交して配置し、各々の搬送波で独立したディジタル情報を伝送する方式である。なお、「搬送波が直交している」とは、隣接する搬送波のスペクトラムが当該搬送波の周波数位置で零になることを意味する。
【0003】
このOFDM方式によれば、ガードバンド期間(ガードインターバル)を設定し、その期間の情報を重複して伝送するようにしているため、電波のマルチパスにより生ずる伝送歪みを軽減できる。すなわち、このOFDM信号の受信は、シンボル期間内に伝送される信号の振幅、位相変調成分を検出し、これらのレベルにより情報の値を復号するものであるから、最初のガードインターバル期間の信号を除いて復号することにより、同一シンボル区間のマルチパス信号と、受信すべき信号の周波数成分は同一であるため、比較的狭い周波数帯域で、伝送歪みの少ない復号ディジタルデータを伝送できる。
【0004】
従来は、上記のOFDM信号は単一の逆高速フーリエ変換回路(IFFT回路)を用いて生成されている。このIFFT回路はデータ系列の長さNが2のべき乗2L であるとき、サイズNの離散的フーリエ変換(DFT)をサイズがN/2のDFTに分解してバタフライ演算を多重して行う回路であり、次数をkとするときkの実数部と虚数部の端子に伝送しようとするディジタル値に対応する値(レベル)の信号を与えて、ディジタル値を伝送するための信号を得る。時間間隔Tの間にN個の複素数による逆DFT(IDFT)演算を実行すると、OFDM信号を生成でき、逆DFTの各点が搬送波に相当することが知られている(「データ圧縮とディジタル変調」、日経エレクトロニクスブック、233頁)。
【0005】
このIFFT回路を用いて発生された多数の情報搬送波は、送信すべき情報に応じて変調、送信されるため、これらの情報搬送波の周波数分割多重信号であるOFDM信号はランダム信号としての形態をとる。
【0006】
ここで、IFFT回路は所定の周波数帯域幅よりも高いサンプルクロック周波数で動作を行う。例えば、2倍オーバーサンプリングでNポイントIDFTを演算する場合、IFFT回路として入力周波数整列型IDFT回路を用いた場合においては、第0〜第[N/4]番目の入力端子と、第[3N/4]〜第[N−1]番目の入力端子にディジタル情報を入力して演算動作を行い、変調帯域内OFDM信号を発生させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、2倍オーバーサンプリングでNポイントIDFTを演算する場合、入力周波数整列型IDFT回路の第0〜第[N/4]番目の入力端子と、第[3N/4]〜第[N−1]番目の入力端子にディジタル情報を入力して変調帯域内OFDM信号を発生させるとき、従来は第[(N/4)+1]〜第[(3N/4)−1]番目の入力端子には信号レベルをゼロとして帯域外の信号を発生させないようにしている。
【0008】
上記のIDFT演算は多段のバタフライ演算を伴い、その結果として出力信号を発生させるため、一般的には装置の柔軟性を考慮してIDFT演算はディジタル信号処理プロセッサ(以下、DSPという)で行う方法が考えられる。この場合、安価なDSPを使用するとDSPが低速なために演算時間が長くなり、他方、演算時間を短縮するために高速なDSPを使用すると、そのようなDSPはかなり高価であるため装置全体を高価なものとしてしまう。
【0009】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、安価なDSPを用いて高速なIDFT演算ができる直交周波数分割多重信号送信装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するため、伝送情報であるディジタルデータが複数の入力端子に入力されて2M倍(ただし、Mは1〜3のいずれかの自然数)のオーバーサンプリングで逆離散的フーリエ変換演算を行う演算部と、演算部の逆離散的フーリエ変換の第kステージ(ただし、kは1(M=1のとき)、又は1及び2(M=2のとき)、又は1及び2と3の一部(M=3のとき))の演算を実行しながら、その演算結果をディジタルデータとして演算部へ出力するハードウェア回路で構成されたステージ演算回路と、ステージ演算回路により演算されるステージ以降の残りの全ステージの演算を行って得られた演算部の演算結果を一時保持する出力バッファ回路と、出力バッファ回路から連続的に読み出された演算結果をディジタル信号のまま、若しくはアナログ信号に変換してから直交変調する直交変調手段と、直交変調手段の出力直交周波数分割多重信号を送信する送信手段とを有する構成としたものである。
【0013】
一般に、外部システムから伝送情報を入力する場合、装置全体の信頼性上、読み込みクロックは数MHz以下が望ましい。しかしながら、この転送時間をそのまま待つことは、演算部にとっては大きな時間的ロスとなる。しかし、本発明では、演算部によるオーバーサンプリングを使用するIDFT演算においては、入力にゼロを設定する周波数が存在し、その部分の演算は小規模の回路で実現でき、IDFT演算の第kステージの演算をハードウェア回路であるステージ演算回路により実施しながら出力するようにしているため、演算部はそれ以降のステージの演算を行えばよく、これにより演算部に対して入力時間は同じで、全体として演算時間の短縮に役立ち、伝送情報の入力時間及び演算結果の出力時間を極力少なくすることができる。
【0014】
また、本発明は演算部よりの入力要求に従いディジタルデータを外部システムからステージ演算回路へ供給する伝送情報入力制御回路と、ステージ演算回路の出力演算結果を前記伝送情報入力制御回路の制御の下に一時格納した後、ディジタルデータとして前記演算部へ出力する伝送情報入力バッファ回路と、出力バッファ回路内のデータ量を監視し、所定量以下になったときに出力要求信号を発生して前記演算部に供給し演算結果を出力させる演算結果出力制御回路とを有し、更に、演算部は演算結果を出力バッファ回路に書き込む速度よりも遅い速度で出力バッファ回路の格納演算結果を連続的に読み出し、演算結果出力制御回路は、出力バッファ回路の格納データ量を監視し、所定データ量以上になった時点で演算部へ供給する出力要求信号をノンアクティブにし、所定データ量未満になると出力要求信号をアクティブにして演算部の演算結果を出力バッファ回路に書き込ませる構成としたものである。
【0015】
これにより、本発明では、演算部が入力要求信号を発するのみで、伝送情報は入力され、必要な時に入力完了信号を検査し、演算部の速度限界で入力バッファ回路からデータを読み取ることができる。よって、本発明では、データ入力に関しては、演算部にとって極力無駄な時間を省くことができ、演算部は、最小の時間でIDFT演算結果を出力バッファ回路に出力できる。
【0016】
また、本発明は、ステージ演算回路を、送信すべきディジタルデータを所定ビットずつ順次に保持する保持回路と、保持回路で保持されたディジタルデータを所定数のビットの上位側ビットデータと下位側ビットデータにそれぞれ2分割したとき、上位側ビットデータと下位側ビットデータの一方を選択する第1の選択回路と、第1の選択回路の出力ビットデータのすべてを論理反転する反転回路と、選択回路の出力ビットデータと反転回路の出力ビットデータの一方を選択する第2の選択回路と、第2の選択回路より第kステージの演算結果が得られるように、第1及び第2の選択回路の選択動作を制御する制御回路とを有する構成としたものである。
【0017】
この構成により、2倍のオーバーサンプリングのIDFT演算を行う場合は第一ステージを実施しながら、また4倍のオーバーサンプリングのIDFT演算を行う場合は第一ステージと第二ステージを実施しながら伝送情報を出力するステージ演算回路をハードウェア回路で構成できる。
【0018】
また、本発明は、ステージ演算回路を、送信すべきディジタルデータが入力され、これを所定数のビット毎に分割し、分割したデータを順次4個ずつまとめて得た第1乃至第4の分割データを並列に出力する入力データ分割回路と、第3の分割データの全ビットの論理値を反転する第1の反転回路と、第4の分割データの全ビットの論理値を反転する第2の反転回路と、それぞれ第1及び第2の入力端子に入力されたデータを加算してステージ演算結果を出力する全部で8個の第1乃至第8の加算回路とより構成し、第1の分割データを第1、第3、第5及び第7の加算回路の第1の入力端子に入力し、第2の分割データを第2、第4、第6及び第8の加算回路の第1の入力端子に入力し、第3の分割データを第1及び第8の加算回路の第2の入力端子に入力し、第4の分割データを前記第2及び第3の加算回路の第2の入力端子に入力し、第1の反転回路の出力反転データを第4及び第5の加算回路の第2の入力端子に入力し、第2の反転回路の出力反転データを第6及び第7の加算回路の第2の入力端子に入力する構成としたものである。
【0019】
これにより、2倍のオーバーサンプリングを使用し、基数2でIDFT演算を行うに当たり、第一ステージと第2ステージを実施しながら伝送情報を出力するステージ演算回路をハードウェア回路で構成できる。あるいは、2倍オーバーサンプリングでIDFT演算をする場合に、基数4のIDFT演算の第一ステージを実行するステージ演算回路をハードウェア回路で構成できる。
【0020】
また、本発明は、ステージ演算回路を、送信すべきディジタルデータが入力され、これを所定数のビット毎に分割し、分割したデータを順次4個ずつまとめて得た第1乃至第4の分割データを並列に出力する入力データ分割回路と、第3、第4の分割データの全ビットの論理値を反転する第1、第2の反転回路と、第3、第4の分割データをそれぞれ加算する第1の加算回路と、第4の分割データと第1の反転回路の出力データとをそれぞれ加算する第2の加算回路と、第1、第2、第3及び第4の分割データがそれぞれ入力されて少なくとも1ビット以上符号拡張する第1、第2、第3及び第4の拡張回路と、第1及び第2の反転回路の出力データが入力されて少なくとも1ビット以上符号拡張する第5及び第6の拡張回路と、を有する構成としたものである。
【0021】
本発明によれば、第1乃至第6の拡張回路の出力データと第1及び第2の加算回路の出力データをそれぞれ4倍又は8倍のオーバーサンプリング時のIDFT演算の第一及び第二のステージ演算と第三のステージ演算の一部の演算結果として出力するできる。
【0023】
更に、本発明は、演算部を、入力バッファ回路を介して入力された第1乃至第6の拡張回路の出力データをAm、Bm、Cm、Dm、−Cm及び−Dmとし、第1及び第2の加算回路の出力データをEm及びFmとしたとき、内部のメモリの所望の0番地から1F(16進数)番地までの計32個の番地に対し、0、2、4、6、8、A、C及びEの各番地がAm、1、3、5、7、9、B、D及びFの各番地がBm、10番地が+Cm、11番地が+Dm、12番地が+SEm、13番地が+SFm、14番地が+Dm、15番地が−Cm、16番地が+SFm、17番地が−SEm、18番地が−Cm、19番地が−Dm、1A番地が−SEm、1B番地が−SFm、1C番地が−Dm、1D番地が+Cm、1E番地が−SFm、1F番地が+SEm(ただし、S=√2)となるように構成することにより、8倍のオーバーサンプリングの第三ステージのIDFT演算を実行することができ、簡単なハードウェア構成により、演算部に対し、伝送情報の入力時間、及び、演算結果の出力時間を極力少なくすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の周波数分割多重信号送信装置の第1の実施の形態の要部のブロック図を示す。同図において、外部システム1は送信すべきディジタルデータを生成するシステムで、ディジタルデータとしては、例えばカラー動画像符号化表示方式であるMPEG方式などの符号化方式で圧縮されたディジタル映像信号や音声信号などがある。
【0025】
本実施の形態は、この外部システム1からのディジタルデータを送信する装置で、伝送情報入力制御回路2、ステージ演算回路3、伝送情報入力バッファ回路4、IDFT演算部5、演算結果出力バッファ回路6及び演算結果出力制御回路7を有し、更に図示は省略したが、演算結果出力バッファ回路6の出力側には、直交変調器、送信周波数帯への周波数変換を行い更に所定の送信処理を行う送信回路部が設けられている。
【0026】
IDFT演算部5はDSPにより構成されて逆離散的フーリエ変換(IDFT)をソフトウェア動作により行う演算回路で、ステージ演算回路3によるステージの残りの全ステージの演算を行う。本実施の形態では、データ系列Nが256本の搬送波で送信されるとき、2倍オーバーサンプリングでは、M=2N=512のIDFT演算をして信号を発生させる。このときのIDFT演算部5への入力割り当ては、入力周波数整列型で順番に番号をふると、次のようになる。
【0027】
n=0〜128 搬送波を変調する情報信号が与えられる。
【0028】
n=129〜383 搬送波レベルを0とし、信号を発生させない。
【0029】
n=384〜511 搬送波を変調する情報信号が与えられる。
【0030】
すなわち、IDFT演算部5の入力端子数は実数部(R)信号用と虚数部(I)信号用とにそれぞれ512ずつあり、そのうち1番目(n=1)から127番目(n=127)までの計127個ずつと、385番目(n=385)から511番目(n=511)の計127個ずつの入力端子に情報信号が入力され、また、0番目(n=0)の入力端子には直流電圧(一定)が入力されて伝送する搬送波の中心周波数で伝送され、128番目(n=M/4)と384番目(n=3M/4)の入力端子には例えば、パイロット信号のための固定電圧が入力され、ナイキスト周波数の1/2倍の周波数である両端の周波数の搬送波で伝送される。
【0031】
ここで、1番目から128番目までの計128個の入力端子の入力情報は中心搬送波周波数F0の上側(高域側)の情報伝送用搬送波で伝送され、384番目から511番目までの計128個の入力端子の入力情報は中心搬送波周波数の下側(低域側)の情報伝送用搬送波で伝送される。また、残りの129番目から383番目の入力端子には0が入力され(グランド電位とされ)、その部分の搬送波が発生しないようにされるものとする(データ伝送には用いない)。
【0032】
次に、この図1の実施の形態の動作の概要について、図2のフローチャートを併せ参照して説明する。まず、電源投入後、IDFT演算部5より入力要求信号aが発生されると(ステップ11)、伝送情報入力制御回路2はこの入力要求信号aを受けて外部システム1に対し約1.6μs間隔(612.5kHz)で248個のパルス(後述のRCLK248)を出力し、これに同期して外部システム1から248バイトのディジタルデータを1バイト毎に並列にステージ演算回路3に入力させる。上記の入力要求信号aの発生には、IDFT演算部5がDSPで具現化されるので、I/Oポートの1ビットが割り当てられている。
【0033】
このディジタルデータには誤り訂正符号が付加されており、ステージ演算回路3は入力ディジタルデータに対してIDFT演算の第一ステージの演算を行う。ここで、本実施の形態の出力時間軸データ整列型のIDFT演算の第一ステージについて説明する。
【0034】
一般には、R1+jI1で表される実数部データR1と虚数部データI1、R2+jI2で表される次の実数部データR2と虚数部データI2に対し{(R1+R2)/2}+j(I1+I2)/2と、{(R1−R2)/2}+j(I1−I2)/2の演算が実施される。
【0035】
データAB、CD、EF、・・・(それぞれ1文字は4ビットごとのかたまりを示す)を演算する場合、入力の周波数割当と、第一ステージ演算結果は、2倍オーバーサンプリングの考慮のもとに、複素数扱いで、かつ、ビットリバースの順で示すと、
周波数 入力時割当 第一ステージ演算結果
第 0キャリア A+Bj A/2+jB/2
第256キャリア 0+0j A/2+jB/2
第128キャリア 0+0j C/2+jD/2
第384キャリア C+Dj −C/2−jD/2
第 64キャリア E+Fj E/2+jF/2
第320キャリア 0+0j E/2+jF/2
第192キャリア 0+0j G/2+jH/2
第448キャリア G+Hj −G/2−jH/2
第 32キャリア I+Jj I/2+jJ/2
第288キャリア 0+0j I/2+jJ/2
第160キャリア 0+0j K/2+jL/2
第416キャリア K+Lj −K/2−jL/2
第 96キャリア M+Nj M/2+jN/2
第352キャリア 0+0j M/2+jN/2
第224キャリア 0+0j O/2+jP/2
第480キャリア O+Pj −O/2−jP/2
第 16キャリア Q+Rj Q/2+jR/2
........................
となる。上記の演算結果の「1/2」はビットシフトで簡単に操作できるので、入力バッファには、A,B,A,B,C,D,−C,−D,E,F,E,F,G,H,−G,・・・の順に格納されると第一ステージが実施された事になる。
【0036】
本明細書では説明しないが、第0キャリア、第128キャリア、第384キャリア等は、基準データ、同期用データのキャリアとして使用するので、これらに該当する番地のデータは、第二ステージの前に他の番地に転送される。なお、データの発生速度は、送信するOFDM波の伝送能力よりやや少なめに設定してある。その違いを吸収するために、外部システム1では、適宜ヌルデータを発生させる構成となっている。
【0037】
このようにして、第一ステージの演算がステージ演算回路3により実行されながら演算結果が取り出されて伝送情報入力バッファ回路4へ供給されて格納される。伝送情報入力制御回路2は248バイトの伝送情報の入力が完了した時点で入力完了信号bをIDFT演算部5へ出力する。これにより、図2のフローチャートに示すように、IDFT演算部5が入力完了信号bが入力されたかどうかをチェックし(ステップ12)、入力されたときには、伝送情報入力制御回路2に格納されている248バイトの伝送情報(ディジタルデータ)を読み込む(ステップ13)。
【0038】
続いて、IDFT演算部5は、入力要求信号aを伝送情報入力制御回路2へ出力する(ステップ14)。伝送情報入力制御回路2はこの入力要求信号aを受けて、再び外部システム1に対し248バイトの次のシンボルのディジタルデータをステージ演算回路3に入力させ、ここで第一ステージの演算を実行させた後伝送情報入力バッファ回路4に格納させる。また、このときIDFT演算部5はステップ13で入力されたディジタルデータに対し、第二ステージ以降のIDFT演算を2倍のオーバーサンプリングで実行して同相信号(I信号)及び直交信号(Q信号)からなる演算結果を得る(ステップ15)。
【0039】
続いて、IDFT演算部5は演算結果出力制御回路7より出力要求信号cが入力されたかどうかをチェックし(ステップ16)、入力されたときには、IDFT演算して得られた演算結果を演算結果出力バッファ回路6に供給して格納させる(ステップ17)。データ出力後IDFT演算部5は、再び入力完了信号aが入力されたかどうかを監視し、入力完了信号aが入力された場合にはステップ13〜17の処理を実行する。
【0040】
このようにして、IDFT演算部5の出力演算結果は、1回のIDFT演算において248個(248個のデータ+基準データ等9個)の入力情報が512点の時間軸信号(I信号及びQ信号)として、バースト的に発生される。演算結果出力バッファ回路6はその記憶内容を読み取り速度一定で連続的に読み出す。すなわち、IDFT演算結果は、時間的に一定間隔で所定量生成される。一方、それらは、所定の連続クロックで次段の直交変調器に転送される。このため、演算結果出力バッファ回路6は、IDFT演算部5の出力演算結果と、演算結果出力バッファ回路6以降の回路の時間的違いを調整するために設けられている。
【0041】
演算結果出力バッファ回路6より連続的に読み出されたIDFT演算結果(I信号とQ信号)は、D/A変換器によりアナログ信号に変換された後、アナログ直交変調器へ供給されるか、そのままディジタル直交変調器へ供給される。入力されたディジタルデータのI信号とQ信号で直交振幅変調(QAM)して257波の情報搬送波からなるOFDM信号を生成する。すなわち、本実施の形態では実数部、虚数部それぞれ16レベル(4ビット)の値が振幅成分と位相成分に変換され、I信号とQ信号が生成され、そのI信号とQ信号を計257組直交変調器に供給することにより、直交変調器からは中心周波数F0の図3に示す如き周波数スペクトラムのOFDM信号が取り出される。
【0042】
IDFT演算部5のデータ系列が512である場合のOFDM信号は、周波数帯域99kHz内に全部で257波の搬送波が存在し、そのうち248波の搬送波がそれぞれ1バイトの情報データを有する256QAM変調されており、中心周波数F0を含む残りの9波の搬送波が補助信号の伝送のために使用される。
【0043】
ただし、この場合のOFDM信号の周波数スペクトラムは、図3に示すように、中心周波数F0より高域側の搬送波は、IDFT演算部5の1番目から128番目の実数部入力端子及び虚数部入力端子に入力されたデータ等で変調されており、また中心周波数F0より低域側の搬送波は、IDFT演算部5の384番目から511番目の実数部入力端子及び虚数部入力端子に入力されたデータ等で変調されている。
【0044】
前記したように、図3に示す”128”はIDFT演算部5の128番目の実数部入力端子及び虚数部入力端子に入力された固定電圧により生成されたパイロット信号伝送用搬送波であり、”−128”はIDFT演算部5の384番目の実数部入力端子及び虚数部入力端子に入力された固定電圧により生成されたパイロット信号伝送用搬送波で、これらはナイキスト周波数の1/2倍の周波数に等価である周波数の搬送波である。
【0045】
また、IDFT演算部5の129番目から383番目の入力端子には0が入力されるものとして第一ステージをステージ演算回路3で実施しているから、図3に示すようにOFDM信号中のそれらの入力端子のデータを伝送する、”129”〜”256”及び”−256”〜”−129”の搬送波は0である。
【0046】
直交変調器より取り出された、シンボル周波数毎に隣接配置された複数の搬送波からなる上記のOFDM信号は、図示しない送信回路部により例えば中心搬送波周波数F0が100MHzとされて送信される。なお、ガードインターバルの設定については言及しない。
【0047】
次に、図1に示した実施の形態の各構成部について更に詳細に説明する。図4は図1の伝送情報入力制御回路2、ステージ演算回路3、伝送情報入力バッファ回路4及びIDFT演算部5からなる部分の詳細ブロック図、図5は図1及び図4の伝送情報入力制御回路2の一実施の形態の回路図、図6は図4及び図5の動作説明用タイミングチャートを示す。(なお、後述する信号1などは、S1などと記している。)
図5において、図示しない40MHzを分周した2.5MHzの信号(以下、CLKA)が伝送情報入力制御回路2に入力され、内部の第1のカウンタ21により1/2分周して得られた第1の分周クロックCLKBと、1/4分周して得られた第2の分周クロックCLKCが作成される。これらのクロックは図6に示される。ここで、伝送情報入力制御回路2は、図5に示すように、4段縦続接続されたD型フリップフロップ22、23、24及び25のうち初段のD型フリップフロップ22のデータ入力端子に図6の上から4番目に示す波形の入力要求信号aが到来すると、D型フリップフロップ22のクロック端子に入力されるCLKAの立上りにより図6に示すようにラッチされて信号S1がQ出力端子より出力される。
【0048】
この信号S1はD型フリップフロップ23のクロック端子に印加され、その立上りでデータ入力端子に固定的に印加されているハイレベルをラッチして図6に示す如き信号S2を出力させる。更に、信号S2とCLKCが印加されるD型フリップフロップ24により信号S3が生成され、信号S3とCLKBが印加されるD型フリップフロップ25により生成された信号をインバータ26で位相反転することにより図6に示す如き信号S4が生成される。この信号S4とカウンタ21の出力クロックCLKCはそれぞれ図5に示すORゲート27に供給されて論理和演算されることにより、図6に示す如きパルスRCLK248が生成される。
【0049】
このパルスRCLK248は、図1に示した外部システム1に転送され、外部システム1において伝送情報の読み出しクロックとして使用される。また、信号S4の反転信号(D型フリップフロップ25のQ出力信号)は図5に示すD型フリップフロップ28のデータ入力端子に印加され、そのクロック端子に入力される第3のクロックCLKCの立上りによりラッチされることにより、図6に示す如きWENA1信号(ライトイネーブル1)がQ出力端子より出力される。WENA1信号は、伝送情報入力バッファ回路4への書き込み許可信号として使用されると共に、ANDゲート29に供給されて第1のクロックCLKAをゲートして、図6に示す如きWCLK1(書き込みクロック)信号を生成するためにも用いられる。
【0050】
ここで、図6のタイミングチャートから分かるように、1つのリードパルスに対応して4つの書き込みクロックが生成されている。これは、後述するように1バイトの入力に対して4アドレスにデータを格納する事を示している。
【0051】
書き込みクロックWCLK1は、その立ち上がりエッジで図1及び図4に示す伝送情報入力バッファ回路4へ入力されて、その書き込みを繰り返させると共に、図5の第2のカウンタ31に入力され、立ち下がりエッジを利用して図6に示す如きアドレス信号0〜9の生成に使用される。なお、第2のカウンタ31はライトイネーブル信号WENA1をインバータ30で位相反転された信号でクリアされる。
【0052】
アドレス信号0〜9は、988番地(3DCh)が検出回路32でデコードされた後、D型フリップフロップ33のデータ入力端子に入力され、またD型フリップフロップ33のクロック端子に第1のクロックCLKAが入力されることにより、そのQ出力端子より図6に示す如きRST2信号(リセット)が生成される。このRST2信号はインバータ35を介してD型フリップフロップ23及び24のリセット端子に印加され、その立上りで信号S2、信号S3をノンアクティブとする。その後、信号S4がハイレベルに変化し、パルスRCLK248はパルスの生成が禁止される(すなわち、図6に示すように、ハイレベルに固定される)。以上の時点でパルスRCLK248は、248個生成されることとなる。
【0053】
ライトイネーブル信号WENA1は、その後第3のクロックCLKCの立上りでローレベルに変化するため、さらに書き込みは継続し、最終的に0番地から991番地まで行われる。ライトイネーブル信号WENA1は、DSPで構成されているIDFT演算部5のI/Oポートの所定の1ビットに接続することにより、入力完了信号bとしての機能も果たす。
【0054】
外部システム1はパルスRCLK248の立下がりエッジに同期して、8ビットデータを図6に示すように出力する。図4のステージ演算回路3は、このパルスRCLK248の立上がりエッジを使用して外部システム1からの8ビットデータを図6に示すように保持する。
【0055】
次に、2倍オーバーサンプリング時に、第一ステージの演算をハードウェア回路で行うステージ演算回路3の構成及び動作を図7と共に説明する。図7に示すように、ステージ演算回路3は、入力8ビットデータをラッチするラッチ回路41、ラッチ回路41の出力データを選択する選択回路42、選択回路42の出力データを反転する反転回路43、ANDゲート44、及び選択回路42と反転回路43の両出力データの一方を選択する選択回路45より構成されている。
【0056】
このステージ演算回路3の動作について説明するに、外部システム1より到来した8ビットのデータAB、CD、EF、・・・(それぞれ1文字は4ビットごとのかたまりを示す)は、パルスRCLK248の立上がりエッジを使用して図7のラッチ回路41により保持される。保持された8ビットデータは前述のアドレス信号0〜9のうち、アドレス信号0によって上位4ビットか下位4ビットかの選択が選択回路42によって行われる。アドレス信号0=”L”の時、つまり偶数番地には上位4ビットが選択され、アドレス信号0=”H”の時、つまり奇数番地には下位4ビットが選択される。
【0057】
その後、選択回路42で選択された4ビットは、そのまま選択回路45に供給される一方、反転回路43に供給されてすべて信号反転されてから選択回路45に供給される。選択回路45は、アドレス信号1とアドレス信号2をANDゲート44により論理積演算された信号がセレクト信号として入力され、このセレクト信号が”H”のとき、すなわちアドレス信号1とアドレス信号2が共に”H”のときにのみ信号反転された方の4ビットを選択し、セレクト信号が”L”のときは選択回路42の出力4ビットを選択する。
【0058】
従って、選択回路45はアドレス信号が0h〜5h、8h〜Dh、10h〜15h、18h〜1Dh、・・・の時にそのままの状態を選択し、6h〜7h、Eh〜Fh、16h〜17h、1Eh〜1Fh、・・・の時に信号反転された状態を選択する。
【0059】
これらの動作と最終4ビットの関係をまとめると、次表の様になる。
【0060】
【表1】
選択回路45より取り出されたこれらの出力4ビットが順番に図1及び図4に示した伝送情報入力バッファ回路4に格納されるが、これらの値の並びは、出力時間軸データ整列型(入力周波数軸データビットリバース型)で、2倍オーバーサンプリングのIDFT演算において、第一ステージの結果と一致する。
【0061】
選択回路45の出力は16ビットデータバスとして、また、2の補数表記で演算されることを前提にして、伝送情報入力バッファ回路4に格納される。すなわち、選択回路45の出力4ビットデータは図7に示すように、16ビットデータバスDATA0〜15のうちのDATA14〜11に割り当てられ、DATA14がDATA15に拡張され、さらに、DATA10は”H”に固定され、DATA9〜0は”L”に固定される。
【0062】
次に、これらの操作について説明する。IDFTの演算をする際に、ステージごとにその結果を1/2にする操作は、時間はかからず簡単である。また、そのようにする方がソフト上利便である。そのため、4ビットデータは上位に配置すべきである。第一ステージでの1/2と、オーバーフロー、アンダーフローを避けることも考慮し、DATA14〜11に配置する。DATA15の処理は、符号拡張のためである。
【0063】
DATA10に”H”を指定することは、一般的にQAM変調等で行われる様に、信号点配置を”0.5”ずらし、受信機での復調を簡単にするためである。ここで、符号反転するために、すべて信号反転する回路を用いたが、前記”0.5”を加算する処理がなされるため、結果は、符号反転されていることになる。4ビットDATAに”0.5”を加算して符号反転した結果と、4ビットデータを反転して”0.5”を加算した結果とが一致することを次表に示す。
【0064】
【表2】
すなわち、W、X、Y及びZをそれぞれ”0”又は”1”の値のビットとし、A、B、C及びDをそれぞれW、X、Y及びZの反転した値とすると、W、X、Y及びZの4ビットに対し”0.5”を加算すると、”WXYZ1”の5ビットとなるから、この値を符号反転して最下位に1ビットを加えると”ABCD1”となる。一方、上記のW、X、Y及びZの4ビットを反転すると、”ABCD”となるから、この値の最下位に1ビットの値”1”を加算すると、”ABCD1”となる。そこで、本実施の形態では後者の方法で4ビットデータに”0.5”を加算して符号反転した、第一ステージの演算結果を得ている。
【0065】
上記のようにしてステージ演算回路3により第一ステージの演算が実行されて得られた16ビットデータは、図4に示した伝送情報入力バッファ回路4に格納される。IDFT演算部5は、入力完了信号(WENA1)bが伝送情報入力制御回路2から入力された時点で、高速に伝送情報入力バッファ回路4から上記の16ビットデータを読み取り、第二ステージ以降のIDFT演算を実施する。
【0066】
図8はIDFT演算部5と、演算結果出力バッファ回路6と、演算結果出力制御回路7の詳細ブロック図を示す。初期状態において、演算結果出力バッファ回路6内のデータ量はゼロである。
【0067】
IDFT演算部5は一回のIDFT演算では、I信号、Q信号それぞれに約512個のデータを生成する(1シンボル分)。実際には、512個のデータに、12個のガードインターバル用のデータを加え、524個のデータをそれぞれ生成する。演算結果出力バッファ回路6は8k×16ビットのFIFO−RAM6a及び6bからそれぞれ構成されている。従って、約16個弱のシンボルが蓄えられる。
【0068】
演算結果出力制御回路7は、演算結果出力バッファ回路6内のデータ量が半分に達するまで、出力要求信号cを発し続ける。従って、前記伝送情報の入力とIDFT演算と演算結果書き込みが、出力要求信号cがノンアクティブになるまで約8回以上繰り返される。
【0069】
演算結果出力バッファ回路6の記憶データは所定の連続クロックで読み出され、図示しない次段の直交変調器に転送されるが、IDFT演算結果の書き込みの方が多少速く動作する(データ生成スピードが速い)ため、演算結果出力バッファ回路6内のデータは漸次増加してゆく。データ量が増加し、演算結果出力バッファ回路6の記憶容量の半分に達すると、演算結果出力制御回路7がこれを検出してその出力要求信号cをノンアクティブとする。
【0070】
IDFT演算部5は、この出力要求信号cがノンアクティブとなるとIDFT演算結果の演算結果出力バッファ回路6への書き込みをせず、出力要求信号cがアクティブ状態になるまで待つ。 しかし、その間にも、演算結果出力バッファ回路6内のデータは連続的に読み出されるため、データ量は漸次減少してゆく。更にデータ量が減少して、演算結果出力バッファ回路6の記憶容量の半分以下になったときに、演算結果出力制御回路7がこれを検出してその出力要求信号cをアクティブ状態とし、IDFT演算部5の出力演算結果の演算結果出力バッファ回路6への書き込みを許可する。
【0071】
このようにして、IDFT演算部5は、出力要求信号cの制御下で、DSPの速度限界で高速にIDFT演算結果を演算結果出力バッファ回路6に出力して書き込むことができる。よって、データ出力に関しては、DSPからなるIDFT演算部5にとって極力無駄な時間を省くことが可能となる。
【0072】
なお、上記の出力要求信号cは、ハーフ(HALF)フラグ(データ量が半分以上か、以下かを示す信号ピン)付きのFIFO−RAMの機能で代用してもよく、また、カウンタを用意し、バッファ書き込みクロックでカウントアップ、バッフア読み出しクロックでカウントダウンして実現してもよい。
【0073】
上記のIDFT演算部5、すなわちDSPの動作は図2のフローチャートと共に説明したように、電源投入初期の段階で一回、入力完了信号待ちの状態が発生するが、その後、装置の安定状態では、毎回、ほぼ一定時間、出力要求信号待ちの状態が繰り返されることになる。
【0074】
このように、本実施の形態では2倍オーバーサンプリング時のIDFT演算の第一ステージの演算を図7に示したハードウェア回路構成のステージ演算回路3により実現しているため、IDFT演算部5に対して伝送情報の入力時間及び演算結果の出力時間を極力少なくすることができる。また、IDFT演算部5が入力要求信号aを発するのみで、伝送情報は入力され、必要な時に入力完了信号bを検査し、IDFT演算部5の速度限界で入力バッファ回路4からデータを読み取ることができる。
【0075】
以上より、この実施の形態のデータ入力に関しては、IDFT演算部5にとって極力無駄な時間を省くことができ、結果として演算時間の短縮が図れる。従って、安価なDSPをIDFT演算部5に用いてIDFT演算を実行でき、装置全体での低コスト化を実現することができる。また、演算時間の短縮化により、余った時間を他の機能を実現するために使用することもできる。
【0076】
次に、本発明の要部のステージ演算回路3の他の実施の形態について説明する。上記の説明ではステージ演算回路3は2倍オーバーサンプリングの第一ステージの演算をするように説明したが、4倍オーバーサンプリングの一部のIDFT演算をすることもできる。この場合、ステージ演算回路3はIDFT演算の第一及び第二ステージの演算を実行する。
【0077】
この4倍オーバーサンプリング時のIDFT演算の第一及び第二ステージの演算について説明するに、入力の実数部データと虚数部データ(入力)と、第一ステージ結果と第二ステージ結果とは以下に示すようになる。
【0078】
の繰り返しにおいて(数字は16進)、
にデータが割り当てられ、
にはゼロが設定される。
【0079】
従って、4倍オーバーサンプリングでは、以下のようになる。
【0080】
これを、前記したパルスCLK248と入力8ビットとアドレス信号と最終4ビットとの関係で表すと、表3のようになる。
【0081】
【表3】
このようにして、ステージ演算結果が前記伝送情報入力バッファ回路4に格納される。このステージ演算回路は既述の応用で簡単に実現できる。この4倍オーバーサンプリング時にも2倍オーバーサンプリング時と同様の効果を奏する。
【0082】
次に、本発明の要部のステージ演算回路3の第2の実施の形態について説明する。図9は本発明の要部のステージ演算回路3の第2の実施の形態のブロック図を示す。この実施の形態では、後段のアナログ系の設計を容易にするため、2倍のオーバーサンプリングを使用し、基数2で256ポイントのIDFT演算を行い、OFDM信号を発生させるものとする。また、256QAMにより1本の搬送波に8ビットの情報を印加し、IDFT演算部への入力割り当ては、入力周波数整列型で順番に番号をふると次のようになる。
【0083】
番号 0〜 64 搬送波を変調する情報信号が与えられる。
【0084】
番号67〜191 搬送波レベルを0とし、信号を発生させない。
【0085】
番号192〜255 搬送波を変調する情報信号が与えられる。
【0086】
出力時間軸データ整列型のIDFT演算の第一ステージ、第二ステージについて説明する。 ビットリバース型周波数入力に対して、それぞれの演算は以下の通りとなる。
【0087】
この繰り返しにおいて、2倍オーバーサンプリングのため(数字は16進)、
にデータが割り当てられ、
にはゼロが設定される。
従って、入力割り当てと上記の第一、第二ステージの結果は、
の繰り返しとなる。
【0088】
図9は前述したように、2倍のオーバーサンプリングを使用し、基数2で256ポイントのIDFT演算を行うに当たり、IDFT演算部の入力側に設けられた第一ステージと第二ステージを実施しながら伝送情報を出力するステージ演算回路のブロック図で、この実施の形態のステージ演算回路は、入力データ分割回路51、反転回路52及び53、加算回路54〜61からなるハードウェア回路である。
【0089】
同図において、入力データ分割回路51は図示しない外部システムからの8ビットデータを入力として受け、入力データをを4ビット毎に分割し、分割された4ビットデータを順次4個ずつまとめ、それらを出力端子A、B、C、Dより出力する。出力端子Aからの4ビットデータAn等は1番目、3番目、5番目及び7番目の2入力加算回路54、56、58及び60の各一方の入力端子に入力され、出力端子Bからの4ビットデータBn等は2番目、4番目、6番目及び8番目の2入力加算回路55、57、59及び61の各一方の入力端子に入力される。
【0090】
また、入力データ分割回路51の出力端子Cからの4ビットデータCn等は1番目と8番目の2入力加算回路54、61の各他方の入力端子に入力され、出力端子Dからの4ビットデータDn等は2番目と3番目の2入力加算回路55、56の各他方の入力端子に入力される。更に、入力データ分割回路51の出力端子C、Dからの各4ビットデータは、それぞれ反転回路52、53に入力されてすべてのビットが論理反転された後、反転回路52の出力データ(−Cn等)は4番目と5番目の2入力加算回路57、58の各他方の入力端子に入力され、反転回路53の出力データ(−Dn等)は6番目と7番目の2入力加算回路59、60の各他方の入力端子に入力される。
【0091】
上記の8個の加算回路54〜61は、いわゆる全加算器で、一方の入力端子(第1入力)と、他方の入力端子(第2入力)に入力された4ビットデータに対し加算演算すると共に符号拡張する。その際に、更に+1の加算も行われる。実際には、上記の符号拡張は最上位ビットのデータがさらにその上位2ビットとしてコピーされ、全体として6ビットとするものである。符号拡張された後のデータをAm、Bm、Cm、Dm、−Cm、−Dmとする。以後これらのデータは2の補数表現で演算される。これにより、加算回路54〜61の入力と出力の関係はまとめると、表4に示すようになる。
【0092】
【表4】
上記の表4の加算結果は、前記した第二ステージ演算結果と同等の結果である。例えば、R0、I0、R3、I3に入力に対して、前記したように第二ステージ演算結果は、R0+jI0と更に続くR3+jI3の入力に対しては、(R0+R3)/4と(I0+I3)/4、(R0+I3)/4と(I0−R3)/4、(R0−R3)/4と(I0−I3)/4及び(R0−I3)/4と(I0+R3)/4である。
【0093】
ここで、上記のR0、I0、R3及びI3をそれぞれA、B、C及びDで表すものとし、また1/4はビットシフトにより得られるので無視すると、第二ステージ演算結果は上記の入力の場合には、{(A+C)、(B+D)}、{(A+D)、(B−C)}、{(A−C)、(B−D)}及び{(A−D)、(B+C)}と書き改めることができる。これは表4から分かるように、加算回路54〜61の出力加算結果Hm0〜Hm7にほかならない。ただし、表4の加算結果Hm0〜Hm7では符号拡張と+1の加算結果が得られているが、この意味は第二ステージ演算結果に関係ないので、加算結果Hm0〜Hm7が実質上、第二ステージ演算結果であることが分かる。他の入力の場合も上記と同様である。
【0094】
なお、図9において、説明を簡略化するため、Hm0〜Hm7が伝送情報バッファ回路に伝達される部分は記述してないが、実際には図7の選択回路45と同等な機能を有する8入力1出力型の選択回路で実現できる。選択信号も容易に作成できる。
【0095】
ここで、2ビット符号拡張する意味は、加算時のオーバーフロー、アンダーフローを避けるためであり、記述の第二ステージ演算結果の1/4スケーリングに対応している。また、+1を加算するのは第1の実施の形態で図7のDATA10に”H”を与えた理由と同じである。
【0096】
すなわち、一般的にQAM変調等では、信号点配置を+0.5ずらし、受信機での復調を簡単にする。そこで、通常の方法としては、既述の入力nビットに対し、最下位ビットのさらに下位に1ビットを論理”1”で加える。補数を求めるには、すべてのビットを反転しLSBに”1”を加えてつくる。そして加算する。この動作の簡便な方法として、補数に関してはビット反転することと、加算後には+1することで、同等となる。
【0097】
そのままの加算については、0.5に対応するビットは常に論理”1”であり、加算により0.5+0.5=1になるからであり、補数の場合も、反転するだけで、0.5に対応するビットは常に論理”1”であり、加算で1になるからである。2つの例についてこの様子を図10及び図11に示す。なお、両図中、+0.5した値を”’”で表す。
【0098】
このような方法により、IDFT演算の第一、第二ステージを実施することができる。なお、上記は一例であり、所望の結果を得ることが要点である。加算回路54〜61より得られた8個のデータは、前記IDFT演算部5に渡され、第三ステージ以降の演算を実施する。演算の最終結果は、図示しない直交変調器に入力され、D/A、周波数変換部等を通ってOFDM信号となり、増幅器を介して送信アンテナに給電され、電波発射される。
【0099】
次に、本発明の第3の実施の形態ついて説明する。この場合、2倍オーバーサンプリングを使用し、基数4で256ポイントのIDFT演算を行い、OFDM信号を発生させる。基数4のIDFT演算の詳細は、他に専門書が多数あるので省略する。基数4の基本演算は、図12に示すように行われる。なお、入力データをx(0)、x(1)、x(2)、x(3)とし、求まる変換値をX(0)、X(1)、X(2)、X(3)とし、回転因子Wnをexp(−2πjn/4)とする。
【0100】
図12から次式が成立する。
【0101】
X(0)=x(0)+x(1)+x(2)+x(3)
X(1)=x(0)+jx(1)−x(2)−jx(3)
X(2)=x(0)−x(1)+x(2)−x(3)
X(3)=x(0)−jx(1)−x(2)+jx(3)
入力整列型のIDFT演算において、第一ステージを実施する際、2倍オーバーサンプリングを考慮すると、上記のx(1)とx(2)は常にゼロであるから上式は次のように書き表せる。
【0102】
X(0)=x(0)+x(3)=(R0+R3)+j(I0+I3)
X(1)=x(0)−jx(3)=(R0+I3)+j(I0−R3)
X(2)=x(0)−x(3)=(R0−R3)+j(I0−I3)
X(3)=x(0)+jx(3)=(R0−I3)+j(I0+R3)
ここで、記述内容に合わせて、x(0)=R(0)+jI0、x(3)=R3+jI3とおいている。
【0103】
上記の説明から分かるように、基数4のIDFT演算の第一ステージは、前記の基数2のIDFT演算の第一及び第二ステージと同じ演算であり、同じハードウェア回路により演算できる。
【0104】
次に、本発明の要部のステージ演算回路3の第4の実施の形態について説明する。図13は本発明の要部のステージ演算回路3の第4の実施の形態のブロック図を示す。この実施の形態では、後段のアナログ系の設計を容易にするため、4倍のオーバーサンプリングを使用し、512ポイントのIDFT演算を行い、OFDM信号を発生させる。また、256QAMにより1本の搬送波に8ビットの情報を印加し、IDFT演算部への入力割り当ては、入力周波数整列型で順番に番号をふると、次のようになる。
【0105】
番号 0〜 64 搬送波を変調する情報信号が与えられる。
【0106】
番号 65〜447 搬送波レベルを0とし、信号を発生させない。
【0107】
番号448〜511 搬送波を変調する情報信号が与えられる。
【0108】
この場合の出力時間軸データ整列型のIDFT演算の第一、第二、第三ステージの演算は図14に示すようになる。また、このIDFT演算による第三ステージの演算結果は次式のH0〜H7の繰り返しとなる。
【0109】
【数1】
(1)式を更に整理すると次式が得られる。
【0110】
【数2】
次に、上記の第三ステージの演算結果を得る図13のステージ演算回路3の構成及び動作について説明する。図13中、図1と同一構成部分には同一符号を付してある。この実施の形態のステージ演算回路3は、図13に示すように、入力データ分割回路71、反転回路72及び73、2入力加算回路74及び75、6個の拡張回路76〜81からなるハードウェア回路である。
【0111】
図13において、入力データ分割回路71は図示しない外部システムからの8ビットデータを入力として受け、入力データを4ビット毎に分割し、分割された4ビットデータを順次4個ずつまとめ、それらを出力端子A、B、C、Dより出力する。出力端子A、B、C及びDからの各4ビットデータAn、Bn、Cn及びDn等は1番目、2番目、3番目及び4番目の拡張回路76、77、78及び79に入力され、更に出力端子Cからの4ビットデータCn等は反転回路72と加算回路74に入力され、出力端子Dからの4ビットデータDn等は反転回路73と加算回路74及び75にそれぞれ入力される。反転回路72の出力反転データ(−Cn等)は、拡張回路80と加算回路75にそれぞれ入力される。また、反転回路73の出力反転データ(−Dn等)は、拡張回路81に入力される。
【0112】
加算回路74及び75は、いわゆる全加算器で、一方の入力端子(第1入力)と、他方の入力端子(第2入力)に入力された4ビットデータに対し加算演算すると共に符号拡張する。実際には、図9の加算回路54〜61と同様に、符号拡張は最上位ビットのデータをさらにその上位2ビットとしてコピーし、全体として6ビットとするものである。また、このとき+1の加算を行い、LSBの下位に論理”0”で1ビット付加して7ビットとする。すなわち、加算回路74、75では、6ビットに0.5+0.5を加算するので、00001.0(7ビット)を加算することになる。よって、+1をして最下位(LSB)の下に”0”を付加するのと同等である。
【0113】
以下、時刻nにおける動作につき説明するに、加算回路74は第1入力Dnと第2入力 Cnの4ビットデータに対し符号拡張して6ビットとし、かつ、加算演算結果(Dm+Cm)を生成し、さらに+1を加算し、LSBの下位に論理”0”で1ビット付加して7ビットのデータEmを生成出力する。また、もう一つの加算回路75は、第1入力Dnと第2入力−Cnの4ビットデータに対し符号拡張して6ビットとし、かつ、加算演算結果により(Dm−Cm)を生成し、さらに+1を加算し、LSBの下位に論理”0”で1ビット付加して7ビットのデータFmを生成する。
【0114】
拡張回路76は、入力4ビットデータAnを2ビット符号拡張し、LSBの下位に論理”1”で1ビット付加して7ビットとした拡張データAmを出力する。他の拡張回路77、78及び79も上記と同様に、入力4ビットデータBn、Cn及びDnの最上位ビットが更にその上位2ビットとしてコピーされ、全体として6ビットとされた後、そのLSBの下位に論理”1”で1ビット付加して7ビットとされた、拡張データBm、Cm及びDmをそれぞれ出力する。
【0115】
また、拡張回路80は、反転回路72より入力された4ビットデータ−Cnを2ビット符号拡張し、かつ、LSBの下位に論理”1”で1ビット付加して7ビットとした拡張データ−Cmを生成する。更に、拡張回路81は、反転回路72より入力された4ビットデータ−Dnを2ビット符号拡張し、かつ、LSBの下位に論理”1”で1ビット付加して7ビットとした拡張データ−Dmを生成する。
【0116】
ここで、上記の演算をより具体的に、例えばAnを「1001(−7)」、Bnを「0011(3)」、Cnを「0001(1)」、Dnを「1011(−5)」であるものとして説明するに、このときは反転回路72、73の出力は−Cn=1110、−Dn=0100となる。また、加算回路74は上記のDnを上位2ビット符号拡張してDm=111011を生成し、Cnを上位2ビット符号拡張してCm=000001を生成し、それらを加算してDm+Cm=111100を生成した後、+1を加算した値(Dm+Cm+1)として「111101」を生成し、この6ビットのLSBの下に1ビット”0”を付加して7ビットデータEmとして「1111010」を生成する。同様にして、加算回路75は7ビットデータFmとして「1110100」を生成する。
【0117】
また、拡張回路76〜81は、上位2ビットを符号拡張して更にLSBに下に1ビット付加するので、「1110011」の値の7ビットデータAm、「0000111」の値の7ビットデータBm、「0000011」の値の7ビットデータCm、「1110111」の値の7ビットデータDm、「1111101」の値の7ビットデータ−Cm、「0001001」の値の7ビットデータ−Dmをそれぞれ出力する。
【0118】
ここで、上記7ビットの上位4ビット目と5ビット目の間に小数点があると仮定すると、Amは「1110.011」で、これは−1.625であるから(−7+.5)/4と同等である。同様に、Bmは(3+.5)/4と、Cmは(1+.5)/4と、Dmは(−5+.5)/4とそれぞれ同等である。更に、−Cm、−DmはCm、Dmの符号反転と同等である。また、Emの「1111.010」は「−0.75」で、これはDm+Cmと同等であり、Fmの「1110.100」は「−1.5」で、これはDm−Cmと同等である。
【0119】
以上のようにして得られた拡張データAm、Bm、Cm、Dm、−Cm、−Dm、Em及びFmの8個のデータは、それぞれ伝送情報入力バッファ回路4に入力される。IDFT演算部5は、伝送情報入力バッファ回路4内の8個のデータから、IDFT演算部5の有するメモリの、所望の16個の番地(0番地〜F番地)に対し、次式が得られるように演算して格納する。
【0120】
【数3】
上記の(3)式は、(2)式と同一である。すなわち、(2)式において、R0=Am、I0=Bm、R7=Cm、I7=Dmであり、S=√2であり、更にDm+Cm=Em、Dm−Cm=Fmを用いて(2)式を書き直すと(4)式が得られる。
【0121】
【数4】
(4)式のH0〜H7を実数部と虚数部に分けて各番地に格納すると(3)式と同等となる。従って、図13に示したハードウェア回路のステージ演算回路3によりIDFT演算の第一、第二ステージと第三ステージの一部の演算を実施できる。なお、上記は一例であり、所望の結果を得ることが要点である。更に、もっと第三ステージの部分をハードウェアで実施したい場合は、加算器を備え、Am+Cm等をハードウェアで実施してもよい。
【0122】
IDFT演算部5は、16個のデータを得る上記の動作を64回繰り返した後、さらに第四ステージ以降の演算を実施する。演算の最終結果は、図示しない直交変調器に入力され、D/A、周波数変換部等を通ってOFDM信号となり、増幅器を介して送信アンテナに給電され、電波発射される。
【0123】
次に、上記の実施例の形態で8倍オーバーサンプリングを使用した場合について説明する。この場合IDFT演算は前記のR7+jI7、R8+jI8 はゼロとなるため、さらに簡単になる。すなわち、(2)式に対応する式は以下のようになる。
【0124】
【数5】
(5)式から解かるように、バッファ回路4内に8個のデータが入るまでは、第4の実施の形態と同様であり、IDFT演算部5で、IDFT演算部5の有するメモリの、所望の32個の番地に対し、(5)式の演算を施せばよい。すなわち、IDFT演算部5内のメモリの所望の0番地から1F(16進数)番地までの計32個の番地に対し、0、2、4、6、8、A、C及びEの各番地がAm、1、3、5、7、9、B、D及びFの各番地がBm、10番地が+Cm、11番地が+Dm、12番地が+SEm、13番地がSFm、14番地が+Dm、15番地が−Cm、16番地が+SFm、17番地が−SEm、18番地が−Cm、19番地が−Dm、1A番地が−SEm、1B番地が−SFm、1C番地が−Dm、1D番地が+Cm、1E番地が−SFm、1F番地が+SEm(ただし、S=√2)となるように演算して格納する。
【0125】
このようにして、ステージ演算回路3で第三ステージの一部までの演算が終了するので、IDFT演算部5は、32個のデータを得る上記の動作を32回繰り返した後、さらに第四ステージ以降の演算を実施する。
【0126】
なお、以上では8倍オーバーサンプルまで説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、それ以上のものでも適用可能である。それらのステージ演算回路については、以上の実施の形態の説明より容易に類推できる。
【0127】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、IDFT演算の第kステージの演算を簡単な構成のハードウェア回路であるステージ演算回路により実施しながら出力して、演算部はそれ以降のステージの演算を行うようにしたため、演算部に対して入力時間は同じで、全体として演算時間の短縮に役立ち、伝送情報の入力時間及び演算結果の出力時間を極力少なくすることができ、よって、安価なDSPを用いてIDFT演算をソフトウェアにより実行する演算部を実現することができる。
【0128】
また、本発明によれば、演算部の速度限界で入力バッファ回路からデータを読み取ることができ、データ入力に関しては、演算部にとって極力無駄な時間を省くことができ、演算部は、最小の時間でIDFT演算結果を出力バッファ回路に出力できる。以上より、本発明によれば、装置全体での低コスト化を実現できると共に、余った時間を利用して、他の機能を実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要部の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1の動作説明用フローチャートである。
【図3】本発明装置で送信するOFDM信号の一例の周波数スペクトラムを示す図である。
【図4】図1の要部の詳細ブロック図である。
【図5】図1の要部の伝送情報入力制御回路の一実施の形態を示す回路図である。
【図6】図5の動作説明用タイミングチャートである。
【図7】本発明の要部のステージ演算回路の第1の実施の形態を示す回路系統図である。
【図8】図1の他の要部の詳細ブロック図である。
【図9】本発明の要部のステージ演算回路の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図10】図9の動作を説明する図である。
【図11】図9の動作を説明する図である。
【図12】ステージ演算の動作を説明する図である。
【図13】本発明の要部のステージ演算回路の第4の実施の形態を示すブロック図である。
【図14】図13のステージ演算回路の第4の実施の形態のステージ演算を説明する図である。
【符号の説明】
1 外部システム
2 伝送情報入力制御回路
3 ステージ演算回路
4 伝送情報入力バッファ回路
5 逆離散的フーリエ変換(IDFT)回路
6 演算結果出力バッファ回路
7 演算結果出力制御回路
21 第1のカウンタ
22〜25、28、33 D型フリップフロップ
31 第2のカウンタ
32 3DC検出回路
41 ラッチ回路
42、45 選択回路
43、52、53、72、73 反転回路
51、71 入力データ分割回路
54〜61、74、75 加算回路
76〜81 拡張回路
Claims (9)
- 伝送情報であるディジタルデータが複数の入力端子に入力されて2M倍(ただし、Mは1〜3のいずれかの自然数)のオーバーサンプリングで逆離散的フーリエ変換演算を行う演算部と、
前記演算部の逆離散的フーリエ変換の第kステージ(ただし、kは1(M=1のとき)、又は1及び2(M=2のとき)、又は1及び2と3の一部(M=3のとき))の演算を実行しながら、その演算結果を前記ディジタルデータとして前記演算部へ出力するハードウェア回路で構成されたステージ演算回路と、
前記ステージ演算回路により演算されるステージ以降の残りの全ステージの演算を行って得られた前記演算部の演算結果を一時保持する出力バッファ回路と、
前記出力バッファ回路から連続的に読み出された演算結果をディジタル信号のまま、若しくはアナログ信号に変換してから直交変調する直交変調手段と、
前記直交変調手段の出力直交周波数分割多重信号を送信する送信手段と、
を有することを特徴とする周波数分割多重信号送信装置。 - 前記演算部よりの入力要求に従いディジタルデータを外部システムから前記ステージ演算回路へ供給する伝送情報入力制御回路と、前記ステージ演算回路の出力演算結果を前記伝送情報入力制御回路の制御の下に一時格納した後、前記ディジタルデータとして前記演算部へ出力する伝送情報入力バッファ回路と、前記出力バッファ回路内のデータ量を監視し、所定量以下になったときに出力要求信号を発生して前記演算部に供給し演算結果を出力させる演算結果出力制御回路とを有することを特徴とする請求項1記載の周波数分割多重信号送信装置。
- 請求項1記載の周波数分割多重信号送信装置において、k=1、M=1とし、
前記ステージ演算回路は、
送信すべきディジタルデータを所定ビットずつ順次に保持する保持回路と、
前記保持回路で保持されたディジタルデータを所定数のビットの上位側ビットデータと下位側ビットデータにそれぞれ2分割したとき、前記上位側ビットデータと下位側ビットデータの一方を選択する第1の選択回路と、
前記第1の選択回路の出力ビットデータのすべてを論理反転する反転回路と、
前記選択回路の出力ビットデータと前記反転回路の出力ビットデータの一方を選択する第2の選択回路と、
前記第2の選択回路より前記第kステージ(k=1)の演算結果が得られるように、前記第1及び第2の選択回路の選択動作を制御する制御回路と、
を有することを特徴とする周波数分割多重信号送信装置。 - 請求項1記載の周波数分割多重信号送信装置において、k=1及び2、M=2とし、
前記ステージ演算回路は、
送信すべきディジタルデータが入力され、これを所定数のビット毎に分割し、分割したデータを順次4個ずつまとめて得た第1乃至第4の分割データを並列に出力する入力データ分割回路と、
前記第3の分割データの全ビットの論理値を反転する第1の反転回路と、
前記第4の分割データの全ビットの論理値を反転する第2の反転回路と、
それぞれ第1及び第2の入力端子に入力されたデータを加算してステージ演算結果を出力する全部で8個の第1乃至第8の加算回路とよりなり、
前記第1の分割データを奇数番目の前記第1、第3、第5及び第7の加算回路の第1の入力端子に入力し、前記第2の分割データを偶数番目の前記第2、第4、第6及び第8の加算回路の第1の入力端子に入力し、前記第3の分割データを前記第1及び第8の加算回路の第2の入力端子に入力し、前記第4の分割データを前記第2及び第3の加算回路の第2の入力端子に入力し、前記第1の反転回路の出力反転データを前記第4及び第5の加算回路の第2の入力端子に入力し、前記第2の反転回路の出力反転データを前記第6及び第7の加算回路の第2の入力端子に入力する構成としたことを特徴とする周波数分割多重信号送信装置。 - 前記第1乃至第8の加算回路は、その第1、第2の入力端子に入力されたnビットのデータを少なくとも1ビット以上符号拡張してmビットとした後それらのデータを算術加算し、更に+1の加算をすることを特徴とする請求項4記載の周波数分割多重信号送信装置。
- 前記ステージ演算回路は、前記演算部が2倍オーバーサンプリングでIDFT演算をする場合に、基数2のIDFT演算の第一ステージと第二ステージを実行することを特徴とする請求項5記載の周波数分割多重信号送信装置。
- 前記ステージ演算回路は、前記演算部が2倍オーバーサンプリングでIDFT演算をする場合に、基数4のIDFT演算の第一ステージを実行することを特徴とする請求項5記載の周波数分割多重信号送信装置。
- 請求項1記載の周波数分割多重信号送信装置において、k=1及び2と3の一部、M=3とし、
前記ステージ演算回路は、
送信すべきディジタルデータが入力され、これを所定数のビット毎に分割し、分割したデータを順次4個ずつまとめて得た第1乃至第4の分割データを並列に出力する入力データ分割回路と、
前記第3の分割データの全ビットの論理値を反転する第1の反転回路と、
前記第4の分割データの全ビットの論理値を反転する第2の反転回路と、
前記第3の分割データと前記第4の分割データとをそれぞれ加算する第1の加算回路と、
前記第4の分割データと前記第1の反転回路の出力データとをそれぞれ加算する第2の加算回路と、
前記第1、第2、第3及び第4の分割データがそれぞれ入力されて少なくとも1ビット以上符号拡張する第1、第2、第3及び第4の拡張回路と、
前記第1及び第2の反転回路の出力データが入力されて少なくとも1ビット以上符号拡張する第5及び第6の拡張回路と、
を有し、前記第1乃至第6の拡張回路の出力データと前記第1及び第2の加算回路の出力データをそれぞれ4倍又は8倍のオーバサンプリング時のIDFT演算の第一及び第二のステージ演算と第三のステージ演算の一部の演算結果として出力する構成としたことを特徴とする周波数分割多重信号送信装置。 - 前記第1及び第2の加算回路は、その第1、第2の入力端子に入力されたnビットのデータを少なくとも1ビット以上符号拡張した後それらのデータを算術加算し、更にそのLSBの下位に論理”0”で1ビット付加してmビットとし、前記第1乃至第6の拡張回路は、入力データを少なくとも1ビット以上符号拡張して得たデータのLSBの下位に論理”1”で1ビット付加してmビットとし、前記演算部は、前記入力バッファ回路を介して入力された前記第1乃至第6の拡張回路の出力データをAm、Bm、Cm、Dm、−Cm及び−Dmとし、前記第1及び第2の加算回路の出力データをEm及びFmとしたとき、内部のメモリの所望の0番地から1F(16進数)番地までの計32個の番地に対し、0、2、4、6、8、A、C及びEの各番地がAm、1、3、5、7、9、B、D及びFの各番地がBm、10番地が+Cm、11番地が+Dm、12番地が+SEm、13番地が+SFm、14番地が+Dm、15番地が−Cm、16番地が+SFm、17番地が−SEm、18番地が−Cm、19番地が−Dm、1A番地が−SEm、1B番地が−SFm、1C番地が−Dm、1D番地が+Cm、1E番地が−SFm、1F番地が+SEm(ただし、S=√2)となるように8倍のオーバーサンプリングのIDFT演算することを特徴とする請求項8記載の周波数分割多重信号送信装置。
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