JP3546295B2 - マルチキャリア送信装置差動符号化回路 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマルチキャリア送信装置に用いる、ディジタル信号の差動符号化のためのマルチキャリア送信装置用差動符号化回路に関する。特に、差動4相位相変調(Differential Quadrature Phase Shift Keying)方式を適用した、マルチキャリア送信装置に用いるマルチキャリア送信装置用差動符号化回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、多数の搬送波(キャリア)を使用した、多重通信方式が盛んに開発されている。中でも、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式は、高速且つ高密度信号のディジタル伝送方式として注目されている。このOFDM方式は、高品質且つ干渉に強い点で特に自動車等に於ける移動受信に適したオーディオ信号、映像信号の伝送手段として有望視されている。
【0003】
例えばOFDM方式は、互いに直交する数百或いは数千の搬送波を用いることで、各搬送波のデータレートを数百分の1或いは数千分の1に落とすことができる。これにより、いわゆるマルチパスによる干渉を軽減させることができる。
【0004】
このようなマルチキャリア送信方式における変調の方式としては、4相位相変調(Quadrature Phase Shift Keying)方式のような多相位相変調方式、或いは16相直交振幅変調(16 Quadrature Amplitude Modulation)方式のような直交振幅変調方式が使用されている。特に受信装置側で絶対位相の検出を不要とすることができる差動変調方式として、差動4相位相変調(DQPSK)、8相、或いは16相差動位相変調(8, 16 Differential Phase Shift Keying)方式のような差動位相変調方式が注目されている。また、位相差と振幅比を検出することで絶対位相及び絶対振幅の検出を不要とする16値或いは64値差動振幅位相変調(16, 64 Differential Amplitude and Phase Shift Keying)方式も注目されている。
【0005】
図1は、これら差動符号を用いたマルチキャリア送信方式の一例として、変調装置の概略を示したブロック図である。送信すべき情報データがディジタル信号として差動符号化回路900に入力される。このディジタル信号は、Mビットずつを1シンボルとして1つのキャリアにあてて送信されるべきものである。
【0006】
図1の変調装置がOFDM変調装置の場合、送信すべき情報データであるディジタル信号を同相(In Phase)成分と直交(Quadrature)成分とに分ける必要が有る。この同相(In Phase)成分と直交(Quadrature)成分とに分けられた信号を複素周波数成分として離散フーリエ逆変換することで、複素時間軸上の信号列が得られる。これを並直列変換し、ディジタル直交変調ののちディジタル/アナログ変換、或いはディジタル/アナログ変換ののちアナログ直交変調して低周波の信号を得、これを周波数変換して送信する。
【0007】
差動位相変調について説明する。最も単純な差動符号化とは、受信側において次の関係により受信波の位相列{φ'n}から本来の位相列{φn}を得られるよう、送信側において位相列{φn}から送信波の位相列{φ'n}を生成することを言う。
φn=φ'n−φ'n-1 …(1)
【0008】
例えば位相変調において、位相列{φn}から式(1)を満たすよう生成した位相列{φ'n}を位相変調信号とすれば、受信側では遅延検波或いは検波後の位相の減算演算により、絶対位相の判定無しに元の位相列{φn}を容易に生成することができるという特長がある。これを利用し、もとのディジタル信号に対応する位相列{φn}を算出し、式(1)を満たすよう{φ'n}を求める、詳しくはキャリアの同相(In Phase)成分と直交(Quadrature)成分とのベクトル和の位相が{φ'n}となるよう、もとのディジタル信号から信号処理により、同相(In Phase)成分と直交(Quadrature)成分の振幅及び位相を算出することで、容易に送信波を変調できる。
【0009】
実際、図3の(a)の信号空間ダイヤグラムに示す通り、DQPSK方式において、1シンボル2ビットの信号の各々について、1つのキャリアの4つの位相をあてることにより、信号の送信が可能となる。これは差動符号を取らない単なるQPSK方式と全く同様である。同様に、図3の(b)の信号空間ダイヤグラムに示す通り、8DPSK方式において、1シンボル3ビットの信号の各々について、1つのキャリアの8つの位相をあてることにより、信号の送信が可能となる(8PSKと同様)。図3の(a)及び(b)についてはグレイ符号(Gray Code)化した2ビット或いは3ビット信号を各位相に記した。以上は、16DPSK他2の階乗の多相(2M)DPSK方式においても全く同様に多相(2M)PSK方式と同じ信号空間ダイヤグラムとなる。
【0010】
また、図3の(c)は64DAPSKの信号空間ダイヤグラムを示したものであるが、この場合は、4つの16DPSKの信号空間ダイヤグラムを重ねたものであり、隣り合う円周とは半径即ちキャリアの振幅の比が一定値aとなっている。これにより、2つのシンボルの位相差及び振幅比から元のディジタル信号を複号するものである。この場合は1キャリア1シンボルあたり6ビットの信号を送信できる。
【0011】
図3の(a)の信号空間ダイヤグラムから、DQPSKにおいて、2ビットの信号から同相(In Phase)成分と直交(Quadrature)成分の係数として例えば1及び−1を対応させることにより容易に差動変調を行うことができる。例えば2ビットの信号が(00)であれば、同相(In Phase)成分と直交(Quadrature)成分に1及び1、2ビットの信号が(11)であれば、同相(In Phase)成分と直交(Quadrature)成分に−1及び−1を係数とすることにより変調が可能である。
【0012】
特にOFDM方式においてDQPSK方式を適用する場合、変調装置の離散フーリエ逆変換の際の入力が1及び−1(或いは任意の値a及び−a)とすれば良く、差動符号化回路と合わせて容易にDQPSK変調装置とすることができる。
【0013】
以上を図2に示すDQPSK−OFDM変調装置について具体的に説明する。図2に示すDQPSK−OFDM変調装置においては、差動符号化回路900において、送信すべき情報データであるディジタル信号を同相(In Phase)成分と直交(Quadrature)成分とに分け、各々を信号変換回路401及び402に出力する。信号変換回路401及び402は、0及び1の1ビット信号から成る信号列を1及び−1、或いは任意の値a及び−aを示す多ビット信号からなる信号列とし、直並列変換器(S/P)411及び412に出力する。尚、信号変換回路401及び402においては、0の入力信号を1に変換するのが通常であるが、復調側との対応で逆にしても良い。直並列変換器(S/P)411及び412は、信号列を並列信号として離散フーリエ逆変換器(IDFT)420に出力する。離散フーリエ逆変換器(IDFT)420は、入力された1又は−1、或いは任意の値a及び−aを示す多ビット信号の信号を、複素周波数のキャリアの振幅として扱い、離散フーリエ逆変換する。この際、同相(In Phase)成分Ikを各複素周波数の実数部、直交(Quadrature)成分Qkを各複素周波数の虚数部として扱う。
【0014】
尚、OFDM方式においてガードバンド(ヌルシンボルキャリア)を設定する際は、そのキャリアに対応する入力は常に0とする必要が有る。図2のDQPSK−OFDM変調装置においては離散フーリエ逆変換器(IDFT)420に直接0が入力される構成としている。
【0015】
離散フーリエ逆変換器(IDFT)420の出力in及びqnは複素時間軸上の信号であるが、良く知られている通り、出力信号を並直列変換したのち実部、虚部それぞれを直交変調して加えることで、OFDM送信用の中間周波数信号とすることができる。よって、離散フーリエ逆変換器(IDFT)420の出力を並直列変換器(P/S)431及び432で実部、虚部をそれぞれ並直列変換し、直交変調及びD/A変換部440に出力し、直交変調及びD/A変換部440で得られる中間周波数信号を周波数変換器450で周波数変換して送信することができる。
【0016】
尚、以上の従来例で、直交変調及びD/A変換部440は、ディジタル直交変調ののちディジタル/アナログ(D/A)変換する構成の場合も、ディジタル/アナログ(D/A)変換ののちアナログ直交変調する構成の場合も他の部分に影響はない。また、例えばOFDM方式ではガードインターバル(複写による各シンボルの冗長部分)の挿入が行われることが多いが、図2の直交変調及びD/A変換部440はガードインターバル挿入回路を含んでいるものをも表すものとする。
【0017】
図2のDQPSK−OFDM変調装置における従来の差動符号化回路900の作用を更に詳しく説明する。図10は、従来の差動符号化回路900の構成を示したブロック図である。また、図11は、従来の差動符号化回路900に使用されている単位差動符号化回路990−kを示した回路図である。
【0018】
図10の差動符号化回路900は、1及び0の1ビット信号を2N個並べた信号列S{SI1、SQ1、SI2、SQ2、…、SIN、SQN}ごとに差動符号化を行うものである。信号列S{SI1、SQ1、SI2、SQ2、…、SIN、SQN}を、直並列変換器910にて2ビットの信号{SI1、SQ1}、{SI2、SQ2}、…、{SIN、SQN}毎に分け、それぞれ単位差動符号化回路990−1、990−2、…、990−Nに出力する。単位差動符号化回路990−1は差動符号化を行い、差動符号{DI1、DQ1}を得て、並直列変換器991及び992にそれぞれDI1、DQ1を出力する。単位差動符号化回路990−2、…、990−Nも同様に差動符号化を行い、並直列変換器991及び992にそれぞれDI2、…、DIN及びDQ2、…、DQNを出力する。並直列変換器991及び992は、それぞれ並直列変換を行い、直列信号DI{DI1、DI2、…、DIN}及び直列信号DQ{DQ1、DQ2、…、DQN}を出力する。直列信号DI{DI1、DI2、…、DIN}は図1の信号変換回路401に、直列信号DQ{DQ1、DQ2、…、DQN}は図1の信号変換回路402出力されるものである。
【0019】
図10の従来の差動符号化回路900の働きを、差動符号化回路900に使用されている単位差動符号化回路990−kを示した図11の回路図で説明する。図11の単位差動符号化回路990−kは、二桁2進加算器930を使用しており、遅延レジスタ941及び942を有する。また、グレイ符号化のため排他的論理和回路920、950を有する。
【0020】
単位差動符号化回路990−kに、クロック(時刻)tにおいて信号SIk(t)及びSQk(t)が入力された時、遅延レジスタ941及び942にはそれぞれ1ビットの信号RIk(t-1)及びRQk(t-1)が保持されている。クロック(時刻)tにおいて1ビットの信号SIk(t)及びSQk(t)が入力されると、次のように演算が行われ、1ビットの信号RIk(t)及びRQk(t)が生成される。
【数1】
【0021】
実際、信号SIk(t)及びSQk(t)が直並列変換器910から単位差動符号化回路990−kに出力されると、図11のように第1の排他的論理和回路920により信号SIk(t)及びSQk(t)の排他的論理和が求められ、信号SQk(t)と共に二桁2進加算器930に出力される。二桁2進加算器930は、信号SQk(t)及びSIk(t)の排他的論理和、並びにSQk(t)を、1の二桁2進数(信号SQk(t)及びSIk(t)の排他的論理和が一の位)とし、遅延レジスタ941及び942にそれぞれ保持された信号RIk(t-1)及びRQk(t-1)を、1の二桁2進数(RIk(t-1)が一の位)として二桁2進加算を行う。和は一の位、二の位それぞれ排他的論理和回路931、932により演算され、排他的論理和回路932には、論理積回路933による一の位の繰り上がりも入力される。こうして、式(1)、(2)に示す信号RIk(t)及びRQk(t)が排他的論理和回路931、932の出力、即ち二桁2進加算器930の出力が遅延レジスタ941及び942にそれぞれ保持される。
【0022】
また、クロック(時刻)tにおける遅延レジスタ941の出力信号RIk(t-1)、及び942の出力信号RQk(t-1)は、次の関係によりグレイ符号DIk(t-1)及びDQk(t-1)とグレイ符号化され、並直列変換器991及び992に、それぞれ出力される。
【数2】
【0023】
これらの回路は外部クロックの周波数f及び、分周器960により生成されるクロック周波数f/2及びf/2Nにより制御される。即ち、直並列変換器910の信号列Sの入力及びシフトは外部クロックの周波数fで、単位差動符号化回路990−1、…、990−Nの各遅延レジスタはクロック周波数f/2で、並直列変換器991及び992の入力はクロック周波数f/2で、出力はクロック周波数f/2Nにて行われる。
【0024】
このように、各単位差動符号化回路において、式(1−1)、(1−2)、(2−1)、(2−2)を満たす、即ち以下の関係の差動符号DIk(t-1)及びDQk(t-1)、並びにDIk(t)及びDQk(t)が得られる。この差動符号DIk(t-1)及びDQk(t-1)、並びにDIk(t)及びDQk(t)がQPSK方式で送信されれば、復調側で絶対位相の判定をすることなく簡易な回路でもとの信号SIk(t)及びSQk(t)が容易に復号できる。
【数3】
【0025】
従来の差動符号化回路の動作を説明するため、Q相、I相ともに4ビットを1フレームとする、差動符号化回路900−4について動作の様子を説明する。図12は、差動符号化回路900−4の構成を示したブロック図である。差動符号化回路900−4は、直並列変換回路(S/P)9104、並直列変換回路(P/S)991−4及び992−4の段数が8段、4段及び4段であり、単位差動符号化回路990−kが4個で構成されているほかは図10の差動符号化回路900と同様の動作を示す、具体例である。
【0026】
直並列変換器9104の各クロック(時刻)tでの出力がSI1、SQ1、SI2、SQ2、SI3、SQ3、SI4、SQ4であるものとし、信号SI1、SQ1が単位差動符号化回路990−1に、信号SI2、SQ2が単位差動符号化回路990−2に、信号SI3、SQ3が単位差動符号化回路990−3に、信号SI4、SQ4が単位差動符号化回路990−4に出力される。各単位差動符号化回路990−1、990−2、990−3、990−4は差動符号{DI1、DQ1}、{DI2、DQ2}、{DI3、DQ3}、{DI4、DQ4}、を得、並直列変換器991−4及び992−4にそれぞれDI1、DI2、DI3、DI4;DQ1、DQ2、DQ3、DQ4を出力する。
【0027】
各単位差動符号化回路990−kの構成は図12の(b)の通りであり、遅延レジスタとしてDelay−フリップフロップFDCEを使用するほかは図11の単位差動符号化回路990−kと同様である。図12の(c)のように、Delay−フリップフロップFDCEは、入力端子がD、出力端子がQで示されており、同期クロック端子としてC及びCEを持つ。同期クロック端子Cには周波数fのクロックパルスが、同期クロック端子CEには周波数f/8のクロックパルスが入力される。この他、Delay−フリップフロップFDCEは、クリア信号入力端子CLRを持つ。図12の(b)の遅延レジスタ941及び942は、二桁2進加算器930からの入力が各々のD端子に、出力がQ端子からであり、その他のC、CE、CLR端子は図12の(b)では省略しているが、それらは図12の(c)の様になっている。
【0028】
各単位差動符号化回路990−kの遅延レジスタ941及び942であるDelay−フリップフロップFDCEに、周波数f/8のクロックパルスを供給するため、周波数fのクロックパルスから分周する分周回路960−4を図12の(d)に示す。3つのTrigger−フリップフロップFTC961、963、965と、インバータ962、2入力論理積回路965、3入力論理積回路966から良く知られた構成で実現できる。3つのTrigger−フリップフロップFTC961、963、965は、元となる周波数fのクロックパルスと同期を取るため、同期クロック端子Cに周波数fのクロックパルスが入力される(図12の(e))。
【0029】
以上のような構成の差動符号化回路900−4の動作波形を各段の出力波形とともに図13に示す。簡単のため、クロックタイミングを周波数fのクロックパルスで0、1、2、…とする。
クロック0において直並列変換器9104、Delay−フリップフロップFDCE941−1、942−1、941−2、942−2、941−3、942−3、941−4、942−4、並直列変換器991−4及び992−4の内容がクリアされる。即ちクロック0でのこれらの出力は全て0(Low)である。この状態で信号列S(Symbol)SI1、SQ1、SI2、SQ2、SI3、SQ3、SI4、SQ4が順次直並列変換器9104に入力される。直並列変換器9104の各段の保持内容は、図13の9104−1、9104−2、…、9104−8のとおりである。尚、9104−8の内容が1クロック毎に順次9104−7、9104−6、…、9104−1へとシフトされる。
【0030】
次にクロック8にてこれら9104−1、9104−2、9104−3、9104−4、9104−5、9104−6、9104−7、9104−8に各々SI1、SQ1、SI2、SQ2、SI3、SQ3、SI4、SQ4が保持される。このとき、SI1及びSQ1、SI2及びSQ2、SI3及びSQ3、SI4及びSQ4に対応するRI1及びRQ1、RI2及びRQ2、RI3及びRQ3、RI4及びRQ4が各単位差動符号化回路990−1、990−2、990−3、990−4で演算される。
【0031】
次にクロック9では、各単位差動符号化回路990−1、990−2、990−3、990−4での演算結果、SI1及びSQ1、SI2及びSQ2、SI3及びSQ3、SI4及びSQ4に対応するRI1及びRQ1、RI2及びRQ2、RI3及びRQ3、RI4及びRQ4が新たにDelay−フリップフロップFDCE941−1、942−1、941−2、942−2、941−3、942−3、941−4、942−4に保持される。即ちDelay−フリップフロップFDCE941−1、942−1、941−2、942−2、941−3、942−3、941−4、942−4から各々RI1、RQ1、RI2、RQ2、RI3、RQ3、RI4、RQ4が出力される。。各単位差動符号化回路990−1、990−2、990−3、990−4での演算結果が更新されるのは、8ビット1フレームの信号列Sが丁度直並列変換器9104の各段の保持内容を更新するタイミングであるので、これ以降も8クロック毎となる。
【0032】
同じくクロック9において、各単位差動符号化回路990−1、990−2、990−3、990−4のそれぞれの排他的論理和回路950にて、Delay−フリップフロップFDCE941−1及び942−1、941−2及び942−2、941−3及び942−3、941−4及び942−4の出力信号RI1及びRQ1、RI2及びRQ2、RI3及びRQ3、RI4及びRQ4が排他的論理和が取られ、信号DI1、DI2、DI3、DI4が生成される。これらのうち、並直列変換器991−4に信号DI1、DI2、DI3、DI4が出力され、並直列変換器992−4に信号RQ1、RQ2、RQ3、RQ4即ち信号DQ1、DQ2、DQ3、DQ4が出力される。
【0033】
そしてクロック17において、並直列変換器991−4の内容が信号DI1、DI2、DI3、DI4に、並直列変換器992−4の内容が信号DQ1、DQ2、DQ3、DQ4と更新される。こうしてクロック17、19、21、23において、並直列変換器991−4から信号{DI1、DI2、DI3、DI4}が順次出力され、並直列変換器992−4から信号{DQ1、DQ2、DQ3、DQ4}が順次出力される。このように、従来の差動符号化回路900−4では、先頭の情報信号SI1がクロック1に入力されてから、その差動符号DI1が出力されるクロック17までクロックパルス16個分の時間遅延(図13でRagと示した部分)が存在する。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、図10に示す従来の差動符号化回路900においては、直並列変換器910における情報信号の直並列変換の時間遅延(2N個分のクロックパルス長)と、並直列変換器991及び992における並直列変換の時間遅延(これも2N個分のクロックパルス長)の合計の時間遅延(4N個分のクロックパルス長)が必要であった。図10の差動符号化回路900はDQPSKに用いられる1シンボル2ビットであるが、図1に示す任意の2M相DPSK方式、或いは2M値DAPSK方式ではMN個の信号毎に差動符号化する場合、時間遅延は2MN個分のクロックパルス長となる。また、分周回路としてf/MNのクロックが必要であった。
【0035】
この課題に鑑み、発明者らは図11の単位差動符号化回路の遅延レジスタ941及び942を各々N個直列に連結することで、新規な差動符号化回路を構成できることを見出した。
【0036】
よって本発明の目的は、差動符号化回路において、直並列変換の時間遅延及び並直列変換の時間遅延を減少させることである。また、本発明の別の目的は、差動符号化回路において加算器を共有することにより、差動符号化回路の回路規模を簡略化することである。
【0037】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため請求項1に記載の手段によれば、ディジタル信号をMNビット毎に差動符号化するためのマルチキャリア送信装置用差動符号化回路において、1のM桁2進加算器と、M桁2進加算器の出力を順次記憶するM組のN段の遅延レジスタ列とから構成され、M桁2進加算器が、Mビットの外部からの入力を1の第1のM桁2進数とし、M組のN段の遅延レジスタ列の最終段の各々の出力信号を1の第2のM桁2進数として、第1のM桁2進数及び第2のM桁2進数の和であるM桁2進数のM個の桁をそれぞれM組のN段の遅延レジスタ列の各組の開始段に入力し、M組のN段の遅延レジスタ列の任意の1段、又はM桁2進加算器の出力信号を、ディジタル信号の差動符号として出力することを特徴とする。
【0038】
また、請求項2に記載の手段によれば、ディジタル信号をMNビット毎に差動符号化するためのマルチキャリア送信装置用差動符号化回路において、1のM桁2進加算器と、M桁2進加算器の出力を順次記憶するM組のN段の遅延レジスタ列とから構成され、M桁2進加算器が、Mビットの外部からの入力を1の第1のM桁2進数とし、M組のN段の遅延レジスタ列の最終段の各々の出力信号を1の第2のM桁2進数として、第1のM桁2進数及び第2のM桁2進数の和であるM桁2進数のM個の桁をそれぞれM組のN段の遅延レジスタ列の各組の開始段に入力し、M組のN段の遅延レジスタ列の任意の1段、又はM桁2進加算器の出力信号であるMビットの差動符号をMビットのグレイ符号化して出力することを特徴とする。
【0039】
また、請求項3に記載の手段によれば、ディジタル信号をMNビット毎に差動符号化するためのマルチキャリア送信装置用差動符号化回路において、1のM桁2進加算器と、M桁2進加算器の出力を順次記憶するM組のN段の遅延レジスタ列とから構成され、M桁2進加算器が、Mビットの外部からの入力を1の第1のM桁2進数とし、M組のN段の遅延レジスタ列の最終段の各々の出力信号を1の第2のM桁2進数として、第1のM桁2進数及び第2のM桁2進数の和であるM桁2進数のM個の桁をそれぞれM組のN段の遅延レジスタ列の各組の開始段に入力し、M組のN段の遅延レジスタ列の各段の出力信号を、ディジタル信号の差動符号として出力することを特徴とする。
【0040】
また、請求項4に記載の手段によれば、ディジタル信号をMNビット毎に差動符号化するためのマルチキャリア送信装置用差動符号化回路において、1のM桁2進加算器と、M桁2進加算器の出力を順次記憶するM組のN段の遅延レジスタ列とから構成され、M桁2進加算器が、Mビットの外部からの入力を1の第1のM桁2進数とし、M組のN段の遅延レジスタ列の最終段の各々の出力信号を1の第2のM桁2進数として、第1のM桁2進数及び第2のM桁2進数の和であるM桁2進数のM個の桁をそれぞれM組のN段の遅延レジスタ列の各組の開始段に入力し、M組のN段の遅延レジスタ列の各段の出力信号であるN組のMビットの差動符号を各々Mビットのグレイ符号化して出力することを特徴とする
【0041】
また、請求項5に記載の手段によれば、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のマルチキャリア送信装置用差動符号化回路において、ディジタル信号が直列信号であり、ディジタル信号をMビット毎に直並列変換する直並列変換器を有し、その出力をM桁2進加算器に入力することを特徴とする。
【0042】
また、請求項6に記載の手段によれば、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のマルチキャリア送信装置用差動符号化回路において、ディジタル信号が直列信号であり、ディジタル信号をMビット毎に直並列変換する直並列変換器を有し、その出力をグレイ符号化したのちM桁2進加算器に入力することを特徴とする。
【0043】
【作用及び発明の効果】
1ビット信号から成る情報データであるディジタル直列信号を、2MN個毎にMビット1組としてM相位相変調のための差動符号とする際、加算器の出力をM組のN段の遅延レジスタに順次保持することにより、1の加算器のみで連続的に差動符号化を行うことができる。この際、差動符号をMビットの信号として順次出力することができる(請求項1)。この出力は、M組のN段の遅延レジスタの最終段に限られず、M組のN段の遅延レジスタの任意の1段、又はM桁2進加算器の出力で良い。M組のN段の遅延レジスタの任意の1段、又はM桁2進加算器の出力即ち差動符号をグレイ符号化することで、受信時のビット誤り率を低減することができる(請求項2)。
【0044】
また、上記の構成において、M組のN段の遅延レジスタの各段の出力を取れば、MNビットの信号の差動符号をN組のMビットのディジタル信号として一度に出力することができる(請求項3)。各段の出力即ち差動符号をグレイ符号化することで、やはり受信時のビット誤り率を低減することができる(請求項4)。
【0045】
以上の場合、ディジタル直列信号をMビットの並列信号にしたのちM桁N進加算器に入力するとしても、時間遅延は、情報データであるディジタル直列信号をMビットの並列信号にする際の直並列変換と、M組のN段の遅延レジスタの時間遅延のみであり、結局MNである(請求項1乃至請求項5)。ディジタル直列信号をMビットの並列信号にしたのちグレイ符号化し、M桁N進加算器に入力する場合も全く同様である(請求項6)。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施例について、図を用いながら説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0047】
〔第1実施例〕
本発明の具体的な第1の実施例に係る差動符号化回路100の概略をブロック図として図4に示す。差動符号化回路100は、1ビット2段の直並列変換器110、二桁2進加算器130、N段遅延レジスタ141及び142、排他的論理和回路120及び150から構成される。二桁2進加算器130は、一の位、二の位それぞれ排他的論理和回路131、132により演算され、排他的論理和回路132には、論理積回路133による一の位の繰り上がりも入力される。差動符号化回路100は、図11に示す従来の単位差動符号化回路990−kの1段の遅延レジスタ941及び942をN段遅延レジスタ141及び142に置き換えた構成である。差動符号化回路100は、1及び0から成るディジタル直列信号を2N個の信号列S{SI1、SQ1、SI2、SQ2、…、SIN、SQN}ごとに差動符号化するものであり、N個のキャリアによるDQPSK方式の変調装置に用いられる差動符号化回路である。
【0048】
N段遅延レジスタ141の各段を、二桁2進加算器130の一の位の出力が入力される段をriNとし、順にriN-1、…、ri2、ri1とおく。同様にN段遅延レジスタ142の各段を、二桁2進加算器130の二の位の出力が入力される段をrqNとし、順にrqN-1、…、rq2、rq1とおく。
【0049】
ある時刻tと、その時刻tの直並列変換器110の保持する信号をSQk(t)及びSIk(t)とおく。1≦k≦Nである。直並列変換器110のシフトのクロックパルス2N個を1単位として、1時刻前をt-1とすれば、図4に示す通り、2つのN段遅延レジスタ141及び142の各段riN、riN-1、…、riN-k+2、riN-k+1、…、ri2、ri1、及び、rqN、rqN-1、…、rqN-k+2、rqN-k+1、…、rq2、rq1の保持内容は、RIk-1(t)、RIk-2(t)、…、RI1(t)、RIN(t-1)、…、RIk+1(t-1)、RIk(t-1)、及び、RQk-1(t)、RQk-2(t)、…、RQ1(t)、RQN(t-1)、…、RQk+1(t-1)、RQk(t-1)である。
【0050】
さて時刻tにおいて、2つのN段遅延レジスタ141及び142の最終段ri1及びrq1の保持内容RIk(t-1)及びRQk(t-1)が二桁2進加算器130に入力され、次のようにして信号RIk(t)及びRQk(t)が生成される。
【数4】
【0051】
これは従来例と全く同様である。さて、生成された信号RIk(t)及びRQk(t)は、2つのN段遅延レジスタ141及び142の開始段riN及びrqNに入力され、こうして2つのN段遅延レジスタ141及び142の各段riN、riN-1、…、riN-k+2、riN-k+1、…、ri2、ri1、及び、rqN、rqN-1、…、rqN-k+2、rqN-k+1、…、rq2、rq1の出力は、RIk(t)、RIk-1(t)、…、RI2(t)、RI1(t)、…、RIk+2(t-1)、RIk+1(t-1)、及び、RQk(t)、RQk-1(t)、…、RQ2(t)、RQ1(t)、…、RQk+2(t-1)、RQk+1(t-1)となる。
【0052】
一方、RIk(t-1)及びRQk(t-1)からは排他的論理和回路により差動符号DIk(t-1)が生成され、差動符号DQk(t-1)(RQk(t-1)に等しい)と共に差動符号化回路100から出力される。このように、本発明に係る差動符号化回路100は、1及び0から成るディジタル直列信号を2N個の信号列S{SI1、SQ1、SI2、SQ2、…、SIN、SQN}ごとに差動符号化し、直列信号DI{DI1、DI2、…、DIN}及び直列信号DQ{DQ1、DQ2、…、DQN}を出力する差動符号化回路である。
【0053】
本発明の第1の実施例に係る差動符号化回路の動作を示すため、Q相、I相ともに4ビットを1フレームとする、差動符号化回路100−4について動作の様子を説明する。図5は差動符号化回路100−4の回路図である。差動符号化回路100−4は、直並列変換回路を構成するDelay−フリップフロップ111及び112と、2つの4段遅延レジスタ列を構成するDelay−フリップフロップ141−4、141−3、141−2、141−1、及び、142−4、142−3、142−2、142−1、並びにバッファメモリ1310、1320、1321、1400の他は図4の差動符号化回路100と同様の動作を示す、具体例である。
【0054】
Delay−フリップフロップ111及び112は、図12の(c)に示すFDCEと同様であるが、クロックCEは必要なく、周波数fのクロックパルスのみで制御される。Delay−フリップフロップ141−4、141−3、141−2、141−1、及び、142−4、142−3、142−2、142−1は、図12の(c)に示すFDCEと同様であるが、クロックCEには周波数f/2のクロックパルスが入力される。この他、いずれのDelay−フリップフロップも、クリア信号入力端子CLRを持つが、図5では表示を省略してある。周波数f/2のクロックパルスを供給するため、周波数fのクロックパルスから分周する分周回路160−4を図5中に示す。1つのTrigger−フリップフロップFTC161と、インバータ162から構成できる。Trigger−フリップフロップFTC161は、元となる周波数fのクロックパルスと同期を取るため、同期クロック端子Cに周波数fのクロックパルスが入力されることも図12の(e)に示すTrigger−フリップフロップFTCと同様である。
【0055】
以上のような構成の差動符号化回路100−4の動作波形を各段の出力波形とともに図6に示す。簡単のため、クロックタイミングを周波数fのクロックパルスで0、1、2、…とする。
【0056】
クロック0でDelay−フリップフロップ111、112、141−4、141−3、141−2、141−1、及び、142−4、142−3、142−2、142−1の内容がクリアされる。即ちクロック0でのこれらの出力は全て0(Low)である。この状態で信号列S(Symbol)SI1、SQ1、SI2、SQ2、SI3、SQ3、SI4、SQ4が順次Delay−フリップフロップ112に出力される。Delay−フリップフロップ112はクロック周波数fでDelay−フリップフロップ111にその内容を出力し、Delay−フリップフロップ112及び111が、1ビット2段の直並列変換器(シフトレジスタ)を構成する。
【0057】
クロック2で、Delay−フリップフロップ111及び112の出力がそれぞれSI1及びSQ1となる。このとき排他的論理和回路120の出力はこれらの排他的論理和を取る。こうして二桁2進加算器130が、Delay−フリップフロップ112の出力及び排他的論理和回路120の出力、Delay−フリップフロップ141−1及び142−1の出力を二桁2進数として加算する。その出力が排他的論理和回路131及び132の出力である。即ち、排他的論理和回路120の出力を一の位、Delay−フリップフロップ112の出力を二の位とする二桁2進数と、Delay−フリップフロップ141−1の出力を一の位、142−1の出力を二の位とする二桁2進数との和の、一の位が排他的論理和回路131の出力RI1、二の位が排他的論理和回路132の出力RQ1である。
【0058】
排他的論理和回路131の出力RI1、及び排他的論理和回路132の出力RQ1はDelay−フリップフロップ141−4及び142−4にそれぞれ出力される。クロック3ではこれらの出力がDelay−フリップフロップ141−3及び142−3にそれぞれ出力され、以下同様に、クロック9で、Delay−フリップフロップ141−1及び142−1の出力がRI1及びRQ1となる。
【0059】
同じくクロック9では、Delay−フリップフロップ141−1及び142−1の出力がRI1及びRQ1から、排他的論理和回路150が排他的論理和を取り、差動符号DI1を生成し、RQ1即ち差動符号DQ1と共に差動符号化回路100−4から出力される。以下同様にして、差動符号化回路100−4からクロック11で差動符号DI2及びDQ2、クロック13で差動符号DI3及びDQ3、クロック15で差動符号DI4及びDQ4が出力される。このようにクロック9から8クロック間に1番目のシンボルのキャリア数(4)の差動符号が2つの直列信号として出力され、クロック17からは2番目のシンボルの差動符号が、クロック25からは3番目のシンボルの差動符号が、以下同様に出力される。
【0060】
このように、図5に示す差動符号化回路100−4は、先頭の信号SI1の入力(クロック1)から先頭の差動符号DI1及びDQ1の出力(クロック9)まで、クロックパルス8個分の時間遅延(図6でRagと示した部分)であり、図12に示す従来の差動符号化回路900−4の時間遅延(図13でRagと示した部分)の1/2となっていることが判る。
【0061】
これは本発明に係る第1の実施例において、実質的にN段の遅延レジスタのみで時間遅延が発生していることが理解でき、その時間遅延は、単位差動符号化回路をN個使用する従来の差動符号化回路の時間遅延の1/2である。また、直列信号を並列変換する直並列変換器も1/Nの規模に縮小でき、著しく回路規模を小さくできる。また分周回路も直列信号の入力周波数fからf/2を生成するもののみで良い。これは従来のDQPSK変調用差動符号化回路において、入力周波数fからf/2Nを生成する分周回路が必要であり、そのためにはlog22N個のTrigger−フリップフロップが必要であったことと比較すると、大幅な回路規模の縮小である。このように本発明に係る第1の実施例において、時間遅延の減少と、回路規模の大幅な縮小を達成することができる。
【0062】
〔第2実施例〕
本発明の具体的な第2の実施例に係る差動符号化回路200の概略をブロック図として図7に示す。差動符号化回路200の構成は、N段の遅延レジスタを構成する各段の出力について取り出し、且つN個の排他的論理和回路151−N、…、151−1を有する構成としたほかは図4の差動符号化回路100と同様の構成であり、同一の構成要素には同一の符号が付されている。差動符号化回路200は、1及び0から成るディジタル直列信号を2N個の信号列S{SI1、SQ1、SI2、SQ2、…、SIN、SQN}ごとに差動符号化するものであり、N個のキャリアによるDQPSK方式の変調装置に用いられる差動符号化回路である。
【0063】
簡単のため、時刻tにおいて直並列変換器110の出力がSI1(t)及びSQ1(t)であるとする。N段の遅延レジスタ141及び142の各段riN、…、ri2、ri1、及び、rqN、…、rq2、rq1の出力はRIN(t-1)、…、RI2(t-1)、RI1(t-1)、及び、RQN(t-1)、…、RQ2(t-1)、RQ1(t-1)である。これらから、差動符号DIN(t-1)、…、DI2(t-1)、DI1(t-1)、及び、DQN(t-1)、…、DQ2(t-1)、DQ1(t-1)が生成される。また、実施例1と全く同様にして加算器130がriN及びrqNにRI1(t)、RQ1(t)を出力する。これを順次繰り返すと、2N個の1ビット信号の開始SI1(t)及びSQ1(t)が直並列変換器110の出力となる時刻において、N段の遅延レジスタ141及び142の各段riN、…、ri2、ri1、及び、rqN、…、rq2、rq1の出力RIN(t-1)、…、RI2(t-1)、RI1(t-1)、及び、RQN(t-1)、…、RQ2(t-1)、RQ1(t-1)から、差動符号DIN(t-1)、…、DI2(t-1)、DI1(t-1)、及び、DQN(t-1)、…、DQ2(t-1)、DQ1(t-1)を取りだせば良いことが判る。これは並列信号である。この際、並直列変換器あるいは接続される並列信号処理器を差動符号化回路200の外部に置く場合は分周回路170の生成クロック周波数はf/2で良い。差動符号DIN(t-1)、…、DI2(t-1)、DI1(t-1)、及び、DQN(t-1)、…、DQ2(t-1)、DQ1(t-1)を並直列変換する2つの並直列変換器を内部に置く場合は分周回路170の生成すべきクロック周波数はf/2及びf/2Nである。
【0064】
本発明の具体的な第2の実施例に係る差動符号化回路200は、出力が並列信号として得られるので、それに続く信号変換回路も並列処理することが望ましい。この際、その信号変換回路が出力も並列信号であれば、そのまま離散フーリエ逆変換器の入力とすることができる。この際、図2の構成における直並列変換器(S/P)411及び412を省略することができる。このように、本発明の具体的な第2の実施例に係る差動符号化回路200と、並列信号入力且つ並列信号出力の並列信号変換回路とを用いることで、図8に示すような変調装置を構成することができる。
【0065】
〔応用例〕
上記第1実施例及び第2実施例ではDQPSK方式の送信装置のための差動符号化回路を示したが、本発明はこれに限定されてない。多相DPSK、多値DAPSKにおいては、上記実施例からわずかな変形にて適合する差動符号化回路を作製することができる。また、多相DPSK、多値DAPSKに対応する第1実施例及び第2実施例の変形例における送信装置の構成は、それぞれ図1及び図9のように構成することができる。図1の差動符号化回路310及び図9の320は、1及び0から成るディジタル直列信号をMN個の信号列S{S11、S21、…、SM1、S12、S22、…、SM2、……、S1N、S2N、…、SMN}ごとに差動符号化するものであり、N個のキャリアによるM相DPSK方式、或いはM値DAPSK方式の変調装置に用いられる差動符号化回路である。
【0066】
図1及び図9において、差動符号化回路310及び320から信号変換回路400及び並列型信号変換回路500への出力DkはMビットの差動符号を示しており、図1においてはMビットの差動符号が従来同様直列(シリアル)に差動符号化回路310から信号変換回路400に出力され、図9においてはMビットの差動符号が並列(パラレル)に差動符号化回路320から並列型信号変換回路500に出力される。尚、例えばOFDM方式においてガードバンド(ヌルシンボルキャリア)を設定する際は、そのキャリアに対応する入力は常に0とする必要が有るが、離散フーリエ逆変換器(IDFT)420或いは520に直接0が入力される構成としても、信号変換回路400或いは並列型信号変換回路500にて0を示す多ビット信号を生成して離散フーリエ逆変換器(IDFT)420或いは520に出力する構成としても良い。
【0067】
上記実施例では、DQPSK方式における信号変換回路として、1ビット信号0から1を生成するものを示したが、本発明の要部は差動符号化回路であり、その外部に位置する信号変換回路或いは並列型信号変換回路の変換方式にはいっさい限定されない。また、OFDM送信装置を例として挙げたが、本発明は差動符号化による差動位相変調(DPSK)、或いは差動振幅位相変調(DAPSK)を用いる任意のマルチキャリア送信装置に用いることができる。
【0068】
また、上記の第1実施例では排他的論理和回路及び差動符号の出力をN段の遅延レジスタの最終段の出力としたが、第2の実施例の構成から容易に推察できるように、差動符号の出力はN段の遅延レジスタの任意の段で良く、また二桁2進加算器の直後においても良い。これは第2の実施例の構成でも二桁2進加算器の直後及びN段の遅延レジスタの最終段以外の各段とし、出力時の同期を取れば良い。これらの場合、差動符号が2N個の0から始まる場合、即ちクロック0において全てのレジスタの内容が0である場合は、実質的な差動符号の出力は、情報信号の入力からわずか2クロック、即ち直並列変換器の時間遅延のみで出力できる。これはMビットの差動符号化回路においてはMクロックで済むことを意味する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的な第1の実施例及び従来例に係る差動符号化回路を利用したマルチキャリア送信装置の概略を示したブロック図。
【図2】本発明の具体的な第1の実施例及び従来例に係る差動符号化回路を利用したDQPSK変調方式マルチキャリア送信装置の概略を示したブロック図。
【図3】(a)はDQPSK、(b)は8DPSK、(c)は64DAPSKの信号空間ダイヤグラムを示したグラフ図。
【図4】本発明の具体的な第1の実施例に係る差動符号化回路100の概略を示したブロック図。
【図5】本発明の具体的な第1の実施例に係る差動符号化回路100−4の詳細な回路図。
【図6】本発明の具体的な第1の実施例に係る差動符号化回路100−4の動作を示した各段の波形図。
【図7】本発明の具体的な第2の実施例に係る差動符号化回路200の概略を示したブロック図。
【図8】本発明の具体的な第2の実施例に係る差動符号化回路を利用したDQPSK変調方式マルチキャリア送信装置の概略を示したブロック図。
【図9】本発明に係る他の差動符号化回路を利用したマルチキャリア送信装置の概略を示したブロック図。
【図10】従来の差動符号化回路900の概略を示したブロック図。
【図11】従来の差動符号化回路900に使用されている各単位差動符号化回路の構成を示したブロック図。
【図12】(a)は、従来の差動符号化回路900−4の、構成を示したブロック図、(b)は、差動符号化回路900−4に使用されている各単位差動符号化回路の構成を示したブロック図、(c)は、差動符号化回路900−4に使用されている各単位差動符号化回路のDelay−フリップフロップFDCEの入力D及び制御C,CE,CLR並びに出力Qを示した図、(d)は、差動符号化回路900−4に使用されているクロック分周回路960、(e)は、差動符号化回路900−4に使用されているクロック分周回路960のTrigger−フリップフロップFTCの入力T及び制御C,CLR並びに出力Qを示した図。
【図13】従来の差動符号化回路900−4の動作を示した各段の波形図。
【符号の説明】
100、100−4、200、310、320本発明に係る差動符号化回路
130、930 二桁2進加算器
141、142 N段遅延レジスタ
400、401、402信号変換回路
500、501、502並列型信号変換回路
160、160−4、170、960分周回路
900 従来の差動符号化回路
990−k 従来の差動符号化回路を構成する単位差動符号化回路
【発明の属する技術分野】
本発明はマルチキャリア送信装置に用いる、ディジタル信号の差動符号化のためのマルチキャリア送信装置用差動符号化回路に関する。特に、差動4相位相変調(Differential Quadrature Phase Shift Keying)方式を適用した、マルチキャリア送信装置に用いるマルチキャリア送信装置用差動符号化回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、多数の搬送波(キャリア)を使用した、多重通信方式が盛んに開発されている。中でも、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式は、高速且つ高密度信号のディジタル伝送方式として注目されている。このOFDM方式は、高品質且つ干渉に強い点で特に自動車等に於ける移動受信に適したオーディオ信号、映像信号の伝送手段として有望視されている。
【0003】
例えばOFDM方式は、互いに直交する数百或いは数千の搬送波を用いることで、各搬送波のデータレートを数百分の1或いは数千分の1に落とすことができる。これにより、いわゆるマルチパスによる干渉を軽減させることができる。
【0004】
このようなマルチキャリア送信方式における変調の方式としては、4相位相変調(Quadrature Phase Shift Keying)方式のような多相位相変調方式、或いは16相直交振幅変調(16 Quadrature Amplitude Modulation)方式のような直交振幅変調方式が使用されている。特に受信装置側で絶対位相の検出を不要とすることができる差動変調方式として、差動4相位相変調(DQPSK)、8相、或いは16相差動位相変調(8, 16 Differential Phase Shift Keying)方式のような差動位相変調方式が注目されている。また、位相差と振幅比を検出することで絶対位相及び絶対振幅の検出を不要とする16値或いは64値差動振幅位相変調(16, 64 Differential Amplitude and Phase Shift Keying)方式も注目されている。
【0005】
図1は、これら差動符号を用いたマルチキャリア送信方式の一例として、変調装置の概略を示したブロック図である。送信すべき情報データがディジタル信号として差動符号化回路900に入力される。このディジタル信号は、Mビットずつを1シンボルとして1つのキャリアにあてて送信されるべきものである。
【0006】
図1の変調装置がOFDM変調装置の場合、送信すべき情報データであるディジタル信号を同相(In Phase)成分と直交(Quadrature)成分とに分ける必要が有る。この同相(In Phase)成分と直交(Quadrature)成分とに分けられた信号を複素周波数成分として離散フーリエ逆変換することで、複素時間軸上の信号列が得られる。これを並直列変換し、ディジタル直交変調ののちディジタル/アナログ変換、或いはディジタル/アナログ変換ののちアナログ直交変調して低周波の信号を得、これを周波数変換して送信する。
【0007】
差動位相変調について説明する。最も単純な差動符号化とは、受信側において次の関係により受信波の位相列{φ'n}から本来の位相列{φn}を得られるよう、送信側において位相列{φn}から送信波の位相列{φ'n}を生成することを言う。
φn=φ'n−φ'n-1 …(1)
【0008】
例えば位相変調において、位相列{φn}から式(1)を満たすよう生成した位相列{φ'n}を位相変調信号とすれば、受信側では遅延検波或いは検波後の位相の減算演算により、絶対位相の判定無しに元の位相列{φn}を容易に生成することができるという特長がある。これを利用し、もとのディジタル信号に対応する位相列{φn}を算出し、式(1)を満たすよう{φ'n}を求める、詳しくはキャリアの同相(In Phase)成分と直交(Quadrature)成分とのベクトル和の位相が{φ'n}となるよう、もとのディジタル信号から信号処理により、同相(In Phase)成分と直交(Quadrature)成分の振幅及び位相を算出することで、容易に送信波を変調できる。
【0009】
実際、図3の(a)の信号空間ダイヤグラムに示す通り、DQPSK方式において、1シンボル2ビットの信号の各々について、1つのキャリアの4つの位相をあてることにより、信号の送信が可能となる。これは差動符号を取らない単なるQPSK方式と全く同様である。同様に、図3の(b)の信号空間ダイヤグラムに示す通り、8DPSK方式において、1シンボル3ビットの信号の各々について、1つのキャリアの8つの位相をあてることにより、信号の送信が可能となる(8PSKと同様)。図3の(a)及び(b)についてはグレイ符号(Gray Code)化した2ビット或いは3ビット信号を各位相に記した。以上は、16DPSK他2の階乗の多相(2M)DPSK方式においても全く同様に多相(2M)PSK方式と同じ信号空間ダイヤグラムとなる。
【0010】
また、図3の(c)は64DAPSKの信号空間ダイヤグラムを示したものであるが、この場合は、4つの16DPSKの信号空間ダイヤグラムを重ねたものであり、隣り合う円周とは半径即ちキャリアの振幅の比が一定値aとなっている。これにより、2つのシンボルの位相差及び振幅比から元のディジタル信号を複号するものである。この場合は1キャリア1シンボルあたり6ビットの信号を送信できる。
【0011】
図3の(a)の信号空間ダイヤグラムから、DQPSKにおいて、2ビットの信号から同相(In Phase)成分と直交(Quadrature)成分の係数として例えば1及び−1を対応させることにより容易に差動変調を行うことができる。例えば2ビットの信号が(00)であれば、同相(In Phase)成分と直交(Quadrature)成分に1及び1、2ビットの信号が(11)であれば、同相(In Phase)成分と直交(Quadrature)成分に−1及び−1を係数とすることにより変調が可能である。
【0012】
特にOFDM方式においてDQPSK方式を適用する場合、変調装置の離散フーリエ逆変換の際の入力が1及び−1(或いは任意の値a及び−a)とすれば良く、差動符号化回路と合わせて容易にDQPSK変調装置とすることができる。
【0013】
以上を図2に示すDQPSK−OFDM変調装置について具体的に説明する。図2に示すDQPSK−OFDM変調装置においては、差動符号化回路900において、送信すべき情報データであるディジタル信号を同相(In Phase)成分と直交(Quadrature)成分とに分け、各々を信号変換回路401及び402に出力する。信号変換回路401及び402は、0及び1の1ビット信号から成る信号列を1及び−1、或いは任意の値a及び−aを示す多ビット信号からなる信号列とし、直並列変換器(S/P)411及び412に出力する。尚、信号変換回路401及び402においては、0の入力信号を1に変換するのが通常であるが、復調側との対応で逆にしても良い。直並列変換器(S/P)411及び412は、信号列を並列信号として離散フーリエ逆変換器(IDFT)420に出力する。離散フーリエ逆変換器(IDFT)420は、入力された1又は−1、或いは任意の値a及び−aを示す多ビット信号の信号を、複素周波数のキャリアの振幅として扱い、離散フーリエ逆変換する。この際、同相(In Phase)成分Ikを各複素周波数の実数部、直交(Quadrature)成分Qkを各複素周波数の虚数部として扱う。
【0014】
尚、OFDM方式においてガードバンド(ヌルシンボルキャリア)を設定する際は、そのキャリアに対応する入力は常に0とする必要が有る。図2のDQPSK−OFDM変調装置においては離散フーリエ逆変換器(IDFT)420に直接0が入力される構成としている。
【0015】
離散フーリエ逆変換器(IDFT)420の出力in及びqnは複素時間軸上の信号であるが、良く知られている通り、出力信号を並直列変換したのち実部、虚部それぞれを直交変調して加えることで、OFDM送信用の中間周波数信号とすることができる。よって、離散フーリエ逆変換器(IDFT)420の出力を並直列変換器(P/S)431及び432で実部、虚部をそれぞれ並直列変換し、直交変調及びD/A変換部440に出力し、直交変調及びD/A変換部440で得られる中間周波数信号を周波数変換器450で周波数変換して送信することができる。
【0016】
尚、以上の従来例で、直交変調及びD/A変換部440は、ディジタル直交変調ののちディジタル/アナログ(D/A)変換する構成の場合も、ディジタル/アナログ(D/A)変換ののちアナログ直交変調する構成の場合も他の部分に影響はない。また、例えばOFDM方式ではガードインターバル(複写による各シンボルの冗長部分)の挿入が行われることが多いが、図2の直交変調及びD/A変換部440はガードインターバル挿入回路を含んでいるものをも表すものとする。
【0017】
図2のDQPSK−OFDM変調装置における従来の差動符号化回路900の作用を更に詳しく説明する。図10は、従来の差動符号化回路900の構成を示したブロック図である。また、図11は、従来の差動符号化回路900に使用されている単位差動符号化回路990−kを示した回路図である。
【0018】
図10の差動符号化回路900は、1及び0の1ビット信号を2N個並べた信号列S{SI1、SQ1、SI2、SQ2、…、SIN、SQN}ごとに差動符号化を行うものである。信号列S{SI1、SQ1、SI2、SQ2、…、SIN、SQN}を、直並列変換器910にて2ビットの信号{SI1、SQ1}、{SI2、SQ2}、…、{SIN、SQN}毎に分け、それぞれ単位差動符号化回路990−1、990−2、…、990−Nに出力する。単位差動符号化回路990−1は差動符号化を行い、差動符号{DI1、DQ1}を得て、並直列変換器991及び992にそれぞれDI1、DQ1を出力する。単位差動符号化回路990−2、…、990−Nも同様に差動符号化を行い、並直列変換器991及び992にそれぞれDI2、…、DIN及びDQ2、…、DQNを出力する。並直列変換器991及び992は、それぞれ並直列変換を行い、直列信号DI{DI1、DI2、…、DIN}及び直列信号DQ{DQ1、DQ2、…、DQN}を出力する。直列信号DI{DI1、DI2、…、DIN}は図1の信号変換回路401に、直列信号DQ{DQ1、DQ2、…、DQN}は図1の信号変換回路402出力されるものである。
【0019】
図10の従来の差動符号化回路900の働きを、差動符号化回路900に使用されている単位差動符号化回路990−kを示した図11の回路図で説明する。図11の単位差動符号化回路990−kは、二桁2進加算器930を使用しており、遅延レジスタ941及び942を有する。また、グレイ符号化のため排他的論理和回路920、950を有する。
【0020】
単位差動符号化回路990−kに、クロック(時刻)tにおいて信号SIk(t)及びSQk(t)が入力された時、遅延レジスタ941及び942にはそれぞれ1ビットの信号RIk(t-1)及びRQk(t-1)が保持されている。クロック(時刻)tにおいて1ビットの信号SIk(t)及びSQk(t)が入力されると、次のように演算が行われ、1ビットの信号RIk(t)及びRQk(t)が生成される。
【数1】
【0021】
実際、信号SIk(t)及びSQk(t)が直並列変換器910から単位差動符号化回路990−kに出力されると、図11のように第1の排他的論理和回路920により信号SIk(t)及びSQk(t)の排他的論理和が求められ、信号SQk(t)と共に二桁2進加算器930に出力される。二桁2進加算器930は、信号SQk(t)及びSIk(t)の排他的論理和、並びにSQk(t)を、1の二桁2進数(信号SQk(t)及びSIk(t)の排他的論理和が一の位)とし、遅延レジスタ941及び942にそれぞれ保持された信号RIk(t-1)及びRQk(t-1)を、1の二桁2進数(RIk(t-1)が一の位)として二桁2進加算を行う。和は一の位、二の位それぞれ排他的論理和回路931、932により演算され、排他的論理和回路932には、論理積回路933による一の位の繰り上がりも入力される。こうして、式(1)、(2)に示す信号RIk(t)及びRQk(t)が排他的論理和回路931、932の出力、即ち二桁2進加算器930の出力が遅延レジスタ941及び942にそれぞれ保持される。
【0022】
また、クロック(時刻)tにおける遅延レジスタ941の出力信号RIk(t-1)、及び942の出力信号RQk(t-1)は、次の関係によりグレイ符号DIk(t-1)及びDQk(t-1)とグレイ符号化され、並直列変換器991及び992に、それぞれ出力される。
【数2】
【0023】
これらの回路は外部クロックの周波数f及び、分周器960により生成されるクロック周波数f/2及びf/2Nにより制御される。即ち、直並列変換器910の信号列Sの入力及びシフトは外部クロックの周波数fで、単位差動符号化回路990−1、…、990−Nの各遅延レジスタはクロック周波数f/2で、並直列変換器991及び992の入力はクロック周波数f/2で、出力はクロック周波数f/2Nにて行われる。
【0024】
このように、各単位差動符号化回路において、式(1−1)、(1−2)、(2−1)、(2−2)を満たす、即ち以下の関係の差動符号DIk(t-1)及びDQk(t-1)、並びにDIk(t)及びDQk(t)が得られる。この差動符号DIk(t-1)及びDQk(t-1)、並びにDIk(t)及びDQk(t)がQPSK方式で送信されれば、復調側で絶対位相の判定をすることなく簡易な回路でもとの信号SIk(t)及びSQk(t)が容易に復号できる。
【数3】
【0025】
従来の差動符号化回路の動作を説明するため、Q相、I相ともに4ビットを1フレームとする、差動符号化回路900−4について動作の様子を説明する。図12は、差動符号化回路900−4の構成を示したブロック図である。差動符号化回路900−4は、直並列変換回路(S/P)9104、並直列変換回路(P/S)991−4及び992−4の段数が8段、4段及び4段であり、単位差動符号化回路990−kが4個で構成されているほかは図10の差動符号化回路900と同様の動作を示す、具体例である。
【0026】
直並列変換器9104の各クロック(時刻)tでの出力がSI1、SQ1、SI2、SQ2、SI3、SQ3、SI4、SQ4であるものとし、信号SI1、SQ1が単位差動符号化回路990−1に、信号SI2、SQ2が単位差動符号化回路990−2に、信号SI3、SQ3が単位差動符号化回路990−3に、信号SI4、SQ4が単位差動符号化回路990−4に出力される。各単位差動符号化回路990−1、990−2、990−3、990−4は差動符号{DI1、DQ1}、{DI2、DQ2}、{DI3、DQ3}、{DI4、DQ4}、を得、並直列変換器991−4及び992−4にそれぞれDI1、DI2、DI3、DI4;DQ1、DQ2、DQ3、DQ4を出力する。
【0027】
各単位差動符号化回路990−kの構成は図12の(b)の通りであり、遅延レジスタとしてDelay−フリップフロップFDCEを使用するほかは図11の単位差動符号化回路990−kと同様である。図12の(c)のように、Delay−フリップフロップFDCEは、入力端子がD、出力端子がQで示されており、同期クロック端子としてC及びCEを持つ。同期クロック端子Cには周波数fのクロックパルスが、同期クロック端子CEには周波数f/8のクロックパルスが入力される。この他、Delay−フリップフロップFDCEは、クリア信号入力端子CLRを持つ。図12の(b)の遅延レジスタ941及び942は、二桁2進加算器930からの入力が各々のD端子に、出力がQ端子からであり、その他のC、CE、CLR端子は図12の(b)では省略しているが、それらは図12の(c)の様になっている。
【0028】
各単位差動符号化回路990−kの遅延レジスタ941及び942であるDelay−フリップフロップFDCEに、周波数f/8のクロックパルスを供給するため、周波数fのクロックパルスから分周する分周回路960−4を図12の(d)に示す。3つのTrigger−フリップフロップFTC961、963、965と、インバータ962、2入力論理積回路965、3入力論理積回路966から良く知られた構成で実現できる。3つのTrigger−フリップフロップFTC961、963、965は、元となる周波数fのクロックパルスと同期を取るため、同期クロック端子Cに周波数fのクロックパルスが入力される(図12の(e))。
【0029】
以上のような構成の差動符号化回路900−4の動作波形を各段の出力波形とともに図13に示す。簡単のため、クロックタイミングを周波数fのクロックパルスで0、1、2、…とする。
クロック0において直並列変換器9104、Delay−フリップフロップFDCE941−1、942−1、941−2、942−2、941−3、942−3、941−4、942−4、並直列変換器991−4及び992−4の内容がクリアされる。即ちクロック0でのこれらの出力は全て0(Low)である。この状態で信号列S(Symbol)SI1、SQ1、SI2、SQ2、SI3、SQ3、SI4、SQ4が順次直並列変換器9104に入力される。直並列変換器9104の各段の保持内容は、図13の9104−1、9104−2、…、9104−8のとおりである。尚、9104−8の内容が1クロック毎に順次9104−7、9104−6、…、9104−1へとシフトされる。
【0030】
次にクロック8にてこれら9104−1、9104−2、9104−3、9104−4、9104−5、9104−6、9104−7、9104−8に各々SI1、SQ1、SI2、SQ2、SI3、SQ3、SI4、SQ4が保持される。このとき、SI1及びSQ1、SI2及びSQ2、SI3及びSQ3、SI4及びSQ4に対応するRI1及びRQ1、RI2及びRQ2、RI3及びRQ3、RI4及びRQ4が各単位差動符号化回路990−1、990−2、990−3、990−4で演算される。
【0031】
次にクロック9では、各単位差動符号化回路990−1、990−2、990−3、990−4での演算結果、SI1及びSQ1、SI2及びSQ2、SI3及びSQ3、SI4及びSQ4に対応するRI1及びRQ1、RI2及びRQ2、RI3及びRQ3、RI4及びRQ4が新たにDelay−フリップフロップFDCE941−1、942−1、941−2、942−2、941−3、942−3、941−4、942−4に保持される。即ちDelay−フリップフロップFDCE941−1、942−1、941−2、942−2、941−3、942−3、941−4、942−4から各々RI1、RQ1、RI2、RQ2、RI3、RQ3、RI4、RQ4が出力される。。各単位差動符号化回路990−1、990−2、990−3、990−4での演算結果が更新されるのは、8ビット1フレームの信号列Sが丁度直並列変換器9104の各段の保持内容を更新するタイミングであるので、これ以降も8クロック毎となる。
【0032】
同じくクロック9において、各単位差動符号化回路990−1、990−2、990−3、990−4のそれぞれの排他的論理和回路950にて、Delay−フリップフロップFDCE941−1及び942−1、941−2及び942−2、941−3及び942−3、941−4及び942−4の出力信号RI1及びRQ1、RI2及びRQ2、RI3及びRQ3、RI4及びRQ4が排他的論理和が取られ、信号DI1、DI2、DI3、DI4が生成される。これらのうち、並直列変換器991−4に信号DI1、DI2、DI3、DI4が出力され、並直列変換器992−4に信号RQ1、RQ2、RQ3、RQ4即ち信号DQ1、DQ2、DQ3、DQ4が出力される。
【0033】
そしてクロック17において、並直列変換器991−4の内容が信号DI1、DI2、DI3、DI4に、並直列変換器992−4の内容が信号DQ1、DQ2、DQ3、DQ4と更新される。こうしてクロック17、19、21、23において、並直列変換器991−4から信号{DI1、DI2、DI3、DI4}が順次出力され、並直列変換器992−4から信号{DQ1、DQ2、DQ3、DQ4}が順次出力される。このように、従来の差動符号化回路900−4では、先頭の情報信号SI1がクロック1に入力されてから、その差動符号DI1が出力されるクロック17までクロックパルス16個分の時間遅延(図13でRagと示した部分)が存在する。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、図10に示す従来の差動符号化回路900においては、直並列変換器910における情報信号の直並列変換の時間遅延(2N個分のクロックパルス長)と、並直列変換器991及び992における並直列変換の時間遅延(これも2N個分のクロックパルス長)の合計の時間遅延(4N個分のクロックパルス長)が必要であった。図10の差動符号化回路900はDQPSKに用いられる1シンボル2ビットであるが、図1に示す任意の2M相DPSK方式、或いは2M値DAPSK方式ではMN個の信号毎に差動符号化する場合、時間遅延は2MN個分のクロックパルス長となる。また、分周回路としてf/MNのクロックが必要であった。
【0035】
この課題に鑑み、発明者らは図11の単位差動符号化回路の遅延レジスタ941及び942を各々N個直列に連結することで、新規な差動符号化回路を構成できることを見出した。
【0036】
よって本発明の目的は、差動符号化回路において、直並列変換の時間遅延及び並直列変換の時間遅延を減少させることである。また、本発明の別の目的は、差動符号化回路において加算器を共有することにより、差動符号化回路の回路規模を簡略化することである。
【0037】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため請求項1に記載の手段によれば、ディジタル信号をMNビット毎に差動符号化するためのマルチキャリア送信装置用差動符号化回路において、1のM桁2進加算器と、M桁2進加算器の出力を順次記憶するM組のN段の遅延レジスタ列とから構成され、M桁2進加算器が、Mビットの外部からの入力を1の第1のM桁2進数とし、M組のN段の遅延レジスタ列の最終段の各々の出力信号を1の第2のM桁2進数として、第1のM桁2進数及び第2のM桁2進数の和であるM桁2進数のM個の桁をそれぞれM組のN段の遅延レジスタ列の各組の開始段に入力し、M組のN段の遅延レジスタ列の任意の1段、又はM桁2進加算器の出力信号を、ディジタル信号の差動符号として出力することを特徴とする。
【0038】
また、請求項2に記載の手段によれば、ディジタル信号をMNビット毎に差動符号化するためのマルチキャリア送信装置用差動符号化回路において、1のM桁2進加算器と、M桁2進加算器の出力を順次記憶するM組のN段の遅延レジスタ列とから構成され、M桁2進加算器が、Mビットの外部からの入力を1の第1のM桁2進数とし、M組のN段の遅延レジスタ列の最終段の各々の出力信号を1の第2のM桁2進数として、第1のM桁2進数及び第2のM桁2進数の和であるM桁2進数のM個の桁をそれぞれM組のN段の遅延レジスタ列の各組の開始段に入力し、M組のN段の遅延レジスタ列の任意の1段、又はM桁2進加算器の出力信号であるMビットの差動符号をMビットのグレイ符号化して出力することを特徴とする。
【0039】
また、請求項3に記載の手段によれば、ディジタル信号をMNビット毎に差動符号化するためのマルチキャリア送信装置用差動符号化回路において、1のM桁2進加算器と、M桁2進加算器の出力を順次記憶するM組のN段の遅延レジスタ列とから構成され、M桁2進加算器が、Mビットの外部からの入力を1の第1のM桁2進数とし、M組のN段の遅延レジスタ列の最終段の各々の出力信号を1の第2のM桁2進数として、第1のM桁2進数及び第2のM桁2進数の和であるM桁2進数のM個の桁をそれぞれM組のN段の遅延レジスタ列の各組の開始段に入力し、M組のN段の遅延レジスタ列の各段の出力信号を、ディジタル信号の差動符号として出力することを特徴とする。
【0040】
また、請求項4に記載の手段によれば、ディジタル信号をMNビット毎に差動符号化するためのマルチキャリア送信装置用差動符号化回路において、1のM桁2進加算器と、M桁2進加算器の出力を順次記憶するM組のN段の遅延レジスタ列とから構成され、M桁2進加算器が、Mビットの外部からの入力を1の第1のM桁2進数とし、M組のN段の遅延レジスタ列の最終段の各々の出力信号を1の第2のM桁2進数として、第1のM桁2進数及び第2のM桁2進数の和であるM桁2進数のM個の桁をそれぞれM組のN段の遅延レジスタ列の各組の開始段に入力し、M組のN段の遅延レジスタ列の各段の出力信号であるN組のMビットの差動符号を各々Mビットのグレイ符号化して出力することを特徴とする
【0041】
また、請求項5に記載の手段によれば、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のマルチキャリア送信装置用差動符号化回路において、ディジタル信号が直列信号であり、ディジタル信号をMビット毎に直並列変換する直並列変換器を有し、その出力をM桁2進加算器に入力することを特徴とする。
【0042】
また、請求項6に記載の手段によれば、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のマルチキャリア送信装置用差動符号化回路において、ディジタル信号が直列信号であり、ディジタル信号をMビット毎に直並列変換する直並列変換器を有し、その出力をグレイ符号化したのちM桁2進加算器に入力することを特徴とする。
【0043】
【作用及び発明の効果】
1ビット信号から成る情報データであるディジタル直列信号を、2MN個毎にMビット1組としてM相位相変調のための差動符号とする際、加算器の出力をM組のN段の遅延レジスタに順次保持することにより、1の加算器のみで連続的に差動符号化を行うことができる。この際、差動符号をMビットの信号として順次出力することができる(請求項1)。この出力は、M組のN段の遅延レジスタの最終段に限られず、M組のN段の遅延レジスタの任意の1段、又はM桁2進加算器の出力で良い。M組のN段の遅延レジスタの任意の1段、又はM桁2進加算器の出力即ち差動符号をグレイ符号化することで、受信時のビット誤り率を低減することができる(請求項2)。
【0044】
また、上記の構成において、M組のN段の遅延レジスタの各段の出力を取れば、MNビットの信号の差動符号をN組のMビットのディジタル信号として一度に出力することができる(請求項3)。各段の出力即ち差動符号をグレイ符号化することで、やはり受信時のビット誤り率を低減することができる(請求項4)。
【0045】
以上の場合、ディジタル直列信号をMビットの並列信号にしたのちM桁N進加算器に入力するとしても、時間遅延は、情報データであるディジタル直列信号をMビットの並列信号にする際の直並列変換と、M組のN段の遅延レジスタの時間遅延のみであり、結局MNである(請求項1乃至請求項5)。ディジタル直列信号をMビットの並列信号にしたのちグレイ符号化し、M桁N進加算器に入力する場合も全く同様である(請求項6)。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施例について、図を用いながら説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0047】
〔第1実施例〕
本発明の具体的な第1の実施例に係る差動符号化回路100の概略をブロック図として図4に示す。差動符号化回路100は、1ビット2段の直並列変換器110、二桁2進加算器130、N段遅延レジスタ141及び142、排他的論理和回路120及び150から構成される。二桁2進加算器130は、一の位、二の位それぞれ排他的論理和回路131、132により演算され、排他的論理和回路132には、論理積回路133による一の位の繰り上がりも入力される。差動符号化回路100は、図11に示す従来の単位差動符号化回路990−kの1段の遅延レジスタ941及び942をN段遅延レジスタ141及び142に置き換えた構成である。差動符号化回路100は、1及び0から成るディジタル直列信号を2N個の信号列S{SI1、SQ1、SI2、SQ2、…、SIN、SQN}ごとに差動符号化するものであり、N個のキャリアによるDQPSK方式の変調装置に用いられる差動符号化回路である。
【0048】
N段遅延レジスタ141の各段を、二桁2進加算器130の一の位の出力が入力される段をriNとし、順にriN-1、…、ri2、ri1とおく。同様にN段遅延レジスタ142の各段を、二桁2進加算器130の二の位の出力が入力される段をrqNとし、順にrqN-1、…、rq2、rq1とおく。
【0049】
ある時刻tと、その時刻tの直並列変換器110の保持する信号をSQk(t)及びSIk(t)とおく。1≦k≦Nである。直並列変換器110のシフトのクロックパルス2N個を1単位として、1時刻前をt-1とすれば、図4に示す通り、2つのN段遅延レジスタ141及び142の各段riN、riN-1、…、riN-k+2、riN-k+1、…、ri2、ri1、及び、rqN、rqN-1、…、rqN-k+2、rqN-k+1、…、rq2、rq1の保持内容は、RIk-1(t)、RIk-2(t)、…、RI1(t)、RIN(t-1)、…、RIk+1(t-1)、RIk(t-1)、及び、RQk-1(t)、RQk-2(t)、…、RQ1(t)、RQN(t-1)、…、RQk+1(t-1)、RQk(t-1)である。
【0050】
さて時刻tにおいて、2つのN段遅延レジスタ141及び142の最終段ri1及びrq1の保持内容RIk(t-1)及びRQk(t-1)が二桁2進加算器130に入力され、次のようにして信号RIk(t)及びRQk(t)が生成される。
【数4】
【0051】
これは従来例と全く同様である。さて、生成された信号RIk(t)及びRQk(t)は、2つのN段遅延レジスタ141及び142の開始段riN及びrqNに入力され、こうして2つのN段遅延レジスタ141及び142の各段riN、riN-1、…、riN-k+2、riN-k+1、…、ri2、ri1、及び、rqN、rqN-1、…、rqN-k+2、rqN-k+1、…、rq2、rq1の出力は、RIk(t)、RIk-1(t)、…、RI2(t)、RI1(t)、…、RIk+2(t-1)、RIk+1(t-1)、及び、RQk(t)、RQk-1(t)、…、RQ2(t)、RQ1(t)、…、RQk+2(t-1)、RQk+1(t-1)となる。
【0052】
一方、RIk(t-1)及びRQk(t-1)からは排他的論理和回路により差動符号DIk(t-1)が生成され、差動符号DQk(t-1)(RQk(t-1)に等しい)と共に差動符号化回路100から出力される。このように、本発明に係る差動符号化回路100は、1及び0から成るディジタル直列信号を2N個の信号列S{SI1、SQ1、SI2、SQ2、…、SIN、SQN}ごとに差動符号化し、直列信号DI{DI1、DI2、…、DIN}及び直列信号DQ{DQ1、DQ2、…、DQN}を出力する差動符号化回路である。
【0053】
本発明の第1の実施例に係る差動符号化回路の動作を示すため、Q相、I相ともに4ビットを1フレームとする、差動符号化回路100−4について動作の様子を説明する。図5は差動符号化回路100−4の回路図である。差動符号化回路100−4は、直並列変換回路を構成するDelay−フリップフロップ111及び112と、2つの4段遅延レジスタ列を構成するDelay−フリップフロップ141−4、141−3、141−2、141−1、及び、142−4、142−3、142−2、142−1、並びにバッファメモリ1310、1320、1321、1400の他は図4の差動符号化回路100と同様の動作を示す、具体例である。
【0054】
Delay−フリップフロップ111及び112は、図12の(c)に示すFDCEと同様であるが、クロックCEは必要なく、周波数fのクロックパルスのみで制御される。Delay−フリップフロップ141−4、141−3、141−2、141−1、及び、142−4、142−3、142−2、142−1は、図12の(c)に示すFDCEと同様であるが、クロックCEには周波数f/2のクロックパルスが入力される。この他、いずれのDelay−フリップフロップも、クリア信号入力端子CLRを持つが、図5では表示を省略してある。周波数f/2のクロックパルスを供給するため、周波数fのクロックパルスから分周する分周回路160−4を図5中に示す。1つのTrigger−フリップフロップFTC161と、インバータ162から構成できる。Trigger−フリップフロップFTC161は、元となる周波数fのクロックパルスと同期を取るため、同期クロック端子Cに周波数fのクロックパルスが入力されることも図12の(e)に示すTrigger−フリップフロップFTCと同様である。
【0055】
以上のような構成の差動符号化回路100−4の動作波形を各段の出力波形とともに図6に示す。簡単のため、クロックタイミングを周波数fのクロックパルスで0、1、2、…とする。
【0056】
クロック0でDelay−フリップフロップ111、112、141−4、141−3、141−2、141−1、及び、142−4、142−3、142−2、142−1の内容がクリアされる。即ちクロック0でのこれらの出力は全て0(Low)である。この状態で信号列S(Symbol)SI1、SQ1、SI2、SQ2、SI3、SQ3、SI4、SQ4が順次Delay−フリップフロップ112に出力される。Delay−フリップフロップ112はクロック周波数fでDelay−フリップフロップ111にその内容を出力し、Delay−フリップフロップ112及び111が、1ビット2段の直並列変換器(シフトレジスタ)を構成する。
【0057】
クロック2で、Delay−フリップフロップ111及び112の出力がそれぞれSI1及びSQ1となる。このとき排他的論理和回路120の出力はこれらの排他的論理和を取る。こうして二桁2進加算器130が、Delay−フリップフロップ112の出力及び排他的論理和回路120の出力、Delay−フリップフロップ141−1及び142−1の出力を二桁2進数として加算する。その出力が排他的論理和回路131及び132の出力である。即ち、排他的論理和回路120の出力を一の位、Delay−フリップフロップ112の出力を二の位とする二桁2進数と、Delay−フリップフロップ141−1の出力を一の位、142−1の出力を二の位とする二桁2進数との和の、一の位が排他的論理和回路131の出力RI1、二の位が排他的論理和回路132の出力RQ1である。
【0058】
排他的論理和回路131の出力RI1、及び排他的論理和回路132の出力RQ1はDelay−フリップフロップ141−4及び142−4にそれぞれ出力される。クロック3ではこれらの出力がDelay−フリップフロップ141−3及び142−3にそれぞれ出力され、以下同様に、クロック9で、Delay−フリップフロップ141−1及び142−1の出力がRI1及びRQ1となる。
【0059】
同じくクロック9では、Delay−フリップフロップ141−1及び142−1の出力がRI1及びRQ1から、排他的論理和回路150が排他的論理和を取り、差動符号DI1を生成し、RQ1即ち差動符号DQ1と共に差動符号化回路100−4から出力される。以下同様にして、差動符号化回路100−4からクロック11で差動符号DI2及びDQ2、クロック13で差動符号DI3及びDQ3、クロック15で差動符号DI4及びDQ4が出力される。このようにクロック9から8クロック間に1番目のシンボルのキャリア数(4)の差動符号が2つの直列信号として出力され、クロック17からは2番目のシンボルの差動符号が、クロック25からは3番目のシンボルの差動符号が、以下同様に出力される。
【0060】
このように、図5に示す差動符号化回路100−4は、先頭の信号SI1の入力(クロック1)から先頭の差動符号DI1及びDQ1の出力(クロック9)まで、クロックパルス8個分の時間遅延(図6でRagと示した部分)であり、図12に示す従来の差動符号化回路900−4の時間遅延(図13でRagと示した部分)の1/2となっていることが判る。
【0061】
これは本発明に係る第1の実施例において、実質的にN段の遅延レジスタのみで時間遅延が発生していることが理解でき、その時間遅延は、単位差動符号化回路をN個使用する従来の差動符号化回路の時間遅延の1/2である。また、直列信号を並列変換する直並列変換器も1/Nの規模に縮小でき、著しく回路規模を小さくできる。また分周回路も直列信号の入力周波数fからf/2を生成するもののみで良い。これは従来のDQPSK変調用差動符号化回路において、入力周波数fからf/2Nを生成する分周回路が必要であり、そのためにはlog22N個のTrigger−フリップフロップが必要であったことと比較すると、大幅な回路規模の縮小である。このように本発明に係る第1の実施例において、時間遅延の減少と、回路規模の大幅な縮小を達成することができる。
【0062】
〔第2実施例〕
本発明の具体的な第2の実施例に係る差動符号化回路200の概略をブロック図として図7に示す。差動符号化回路200の構成は、N段の遅延レジスタを構成する各段の出力について取り出し、且つN個の排他的論理和回路151−N、…、151−1を有する構成としたほかは図4の差動符号化回路100と同様の構成であり、同一の構成要素には同一の符号が付されている。差動符号化回路200は、1及び0から成るディジタル直列信号を2N個の信号列S{SI1、SQ1、SI2、SQ2、…、SIN、SQN}ごとに差動符号化するものであり、N個のキャリアによるDQPSK方式の変調装置に用いられる差動符号化回路である。
【0063】
簡単のため、時刻tにおいて直並列変換器110の出力がSI1(t)及びSQ1(t)であるとする。N段の遅延レジスタ141及び142の各段riN、…、ri2、ri1、及び、rqN、…、rq2、rq1の出力はRIN(t-1)、…、RI2(t-1)、RI1(t-1)、及び、RQN(t-1)、…、RQ2(t-1)、RQ1(t-1)である。これらから、差動符号DIN(t-1)、…、DI2(t-1)、DI1(t-1)、及び、DQN(t-1)、…、DQ2(t-1)、DQ1(t-1)が生成される。また、実施例1と全く同様にして加算器130がriN及びrqNにRI1(t)、RQ1(t)を出力する。これを順次繰り返すと、2N個の1ビット信号の開始SI1(t)及びSQ1(t)が直並列変換器110の出力となる時刻において、N段の遅延レジスタ141及び142の各段riN、…、ri2、ri1、及び、rqN、…、rq2、rq1の出力RIN(t-1)、…、RI2(t-1)、RI1(t-1)、及び、RQN(t-1)、…、RQ2(t-1)、RQ1(t-1)から、差動符号DIN(t-1)、…、DI2(t-1)、DI1(t-1)、及び、DQN(t-1)、…、DQ2(t-1)、DQ1(t-1)を取りだせば良いことが判る。これは並列信号である。この際、並直列変換器あるいは接続される並列信号処理器を差動符号化回路200の外部に置く場合は分周回路170の生成クロック周波数はf/2で良い。差動符号DIN(t-1)、…、DI2(t-1)、DI1(t-1)、及び、DQN(t-1)、…、DQ2(t-1)、DQ1(t-1)を並直列変換する2つの並直列変換器を内部に置く場合は分周回路170の生成すべきクロック周波数はf/2及びf/2Nである。
【0064】
本発明の具体的な第2の実施例に係る差動符号化回路200は、出力が並列信号として得られるので、それに続く信号変換回路も並列処理することが望ましい。この際、その信号変換回路が出力も並列信号であれば、そのまま離散フーリエ逆変換器の入力とすることができる。この際、図2の構成における直並列変換器(S/P)411及び412を省略することができる。このように、本発明の具体的な第2の実施例に係る差動符号化回路200と、並列信号入力且つ並列信号出力の並列信号変換回路とを用いることで、図8に示すような変調装置を構成することができる。
【0065】
〔応用例〕
上記第1実施例及び第2実施例ではDQPSK方式の送信装置のための差動符号化回路を示したが、本発明はこれに限定されてない。多相DPSK、多値DAPSKにおいては、上記実施例からわずかな変形にて適合する差動符号化回路を作製することができる。また、多相DPSK、多値DAPSKに対応する第1実施例及び第2実施例の変形例における送信装置の構成は、それぞれ図1及び図9のように構成することができる。図1の差動符号化回路310及び図9の320は、1及び0から成るディジタル直列信号をMN個の信号列S{S11、S21、…、SM1、S12、S22、…、SM2、……、S1N、S2N、…、SMN}ごとに差動符号化するものであり、N個のキャリアによるM相DPSK方式、或いはM値DAPSK方式の変調装置に用いられる差動符号化回路である。
【0066】
図1及び図9において、差動符号化回路310及び320から信号変換回路400及び並列型信号変換回路500への出力DkはMビットの差動符号を示しており、図1においてはMビットの差動符号が従来同様直列(シリアル)に差動符号化回路310から信号変換回路400に出力され、図9においてはMビットの差動符号が並列(パラレル)に差動符号化回路320から並列型信号変換回路500に出力される。尚、例えばOFDM方式においてガードバンド(ヌルシンボルキャリア)を設定する際は、そのキャリアに対応する入力は常に0とする必要が有るが、離散フーリエ逆変換器(IDFT)420或いは520に直接0が入力される構成としても、信号変換回路400或いは並列型信号変換回路500にて0を示す多ビット信号を生成して離散フーリエ逆変換器(IDFT)420或いは520に出力する構成としても良い。
【0067】
上記実施例では、DQPSK方式における信号変換回路として、1ビット信号0から1を生成するものを示したが、本発明の要部は差動符号化回路であり、その外部に位置する信号変換回路或いは並列型信号変換回路の変換方式にはいっさい限定されない。また、OFDM送信装置を例として挙げたが、本発明は差動符号化による差動位相変調(DPSK)、或いは差動振幅位相変調(DAPSK)を用いる任意のマルチキャリア送信装置に用いることができる。
【0068】
また、上記の第1実施例では排他的論理和回路及び差動符号の出力をN段の遅延レジスタの最終段の出力としたが、第2の実施例の構成から容易に推察できるように、差動符号の出力はN段の遅延レジスタの任意の段で良く、また二桁2進加算器の直後においても良い。これは第2の実施例の構成でも二桁2進加算器の直後及びN段の遅延レジスタの最終段以外の各段とし、出力時の同期を取れば良い。これらの場合、差動符号が2N個の0から始まる場合、即ちクロック0において全てのレジスタの内容が0である場合は、実質的な差動符号の出力は、情報信号の入力からわずか2クロック、即ち直並列変換器の時間遅延のみで出力できる。これはMビットの差動符号化回路においてはMクロックで済むことを意味する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的な第1の実施例及び従来例に係る差動符号化回路を利用したマルチキャリア送信装置の概略を示したブロック図。
【図2】本発明の具体的な第1の実施例及び従来例に係る差動符号化回路を利用したDQPSK変調方式マルチキャリア送信装置の概略を示したブロック図。
【図3】(a)はDQPSK、(b)は8DPSK、(c)は64DAPSKの信号空間ダイヤグラムを示したグラフ図。
【図4】本発明の具体的な第1の実施例に係る差動符号化回路100の概略を示したブロック図。
【図5】本発明の具体的な第1の実施例に係る差動符号化回路100−4の詳細な回路図。
【図6】本発明の具体的な第1の実施例に係る差動符号化回路100−4の動作を示した各段の波形図。
【図7】本発明の具体的な第2の実施例に係る差動符号化回路200の概略を示したブロック図。
【図8】本発明の具体的な第2の実施例に係る差動符号化回路を利用したDQPSK変調方式マルチキャリア送信装置の概略を示したブロック図。
【図9】本発明に係る他の差動符号化回路を利用したマルチキャリア送信装置の概略を示したブロック図。
【図10】従来の差動符号化回路900の概略を示したブロック図。
【図11】従来の差動符号化回路900に使用されている各単位差動符号化回路の構成を示したブロック図。
【図12】(a)は、従来の差動符号化回路900−4の、構成を示したブロック図、(b)は、差動符号化回路900−4に使用されている各単位差動符号化回路の構成を示したブロック図、(c)は、差動符号化回路900−4に使用されている各単位差動符号化回路のDelay−フリップフロップFDCEの入力D及び制御C,CE,CLR並びに出力Qを示した図、(d)は、差動符号化回路900−4に使用されているクロック分周回路960、(e)は、差動符号化回路900−4に使用されているクロック分周回路960のTrigger−フリップフロップFTCの入力T及び制御C,CLR並びに出力Qを示した図。
【図13】従来の差動符号化回路900−4の動作を示した各段の波形図。
【符号の説明】
100、100−4、200、310、320本発明に係る差動符号化回路
130、930 二桁2進加算器
141、142 N段遅延レジスタ
400、401、402信号変換回路
500、501、502並列型信号変換回路
160、160−4、170、960分周回路
900 従来の差動符号化回路
990−k 従来の差動符号化回路を構成する単位差動符号化回路
Claims (6)
- ディジタル信号をMNビット毎に差動符号化するためのマルチキャリア送信装置用差動符号化回路において、
1のM桁2進加算器と、
該M桁2進加算器の出力を順次記憶するM組のN段の遅延レジスタ列とから構成され、
前記M桁2進加算器が、Mビットの外部からの入力を1の第1のM桁2進数とし、前記M組のN段の遅延レジスタ列の最終段の各々の出力信号を1の第2のM桁2進数として、前記第1のM桁2進数及び前記第2のM桁2進数の和であるM桁2進数のM個の桁をそれぞれ前記M組のN段の遅延レジスタ列の各組の開始段に入力し、
前記M組のN段の遅延レジスタ列の任意の1段、又は前記M桁2進加算器の出力信号を、前記ディジタル信号の差動符号として出力することを特徴とするマルチキャリア送信装置用差動符号化回路。 - ディジタル信号をMNビット毎に差動符号化するためのマルチキャリア送信装置用差動符号化回路において、
1のM桁2進加算器と、
該M桁2進加算器の出力を順次記憶するM組のN段の遅延レジスタ列とから構成され、
前記M桁2進加算器が、Mビットの外部からの入力を1の第1のM桁2進数とし、前記M組のN段の遅延レジスタ列の最終段の各々の出力信号を1の第2のM桁2進数として、前記第1のM桁2進数及び前記第2のM桁2進数の和であるM桁2進数のM個の桁をそれぞれ前記M組のN段の遅延レジスタ列の各組の開始段に入力し、
前記M組のN段の遅延レジスタ列の任意の1段、又は前記M桁2進加算器の出力信号であるMビットの差動符号を、Mビットのグレイ符号化して出力することを特徴とするマルチキャリア送信装置用差動符号化回路。 - ディジタル信号をMNビット毎に差動符号化するためのマルチキャリア送信装置用差動符号化回路において、
1のM桁2進加算器と、
該M桁2進加算器の出力を順次記憶するM組のN段の遅延レジスタ列とから構成され、
前記M桁2進加算器が、Mビットの外部からの入力を1の第1のM桁2進数とし、前記M組のN段の遅延レジスタ列の最終段の各々の出力信号を1の第2のM桁2進数として、前記第1のM桁2進数及び前記第2のM桁2進数の和であるM桁2進数のM個の桁をそれぞれ前記M組のN段の遅延レジスタ列の各組の開始段に入力し、
前記M組のN段の遅延レジスタ列の各段の出力信号を、前記ディジタル信号の差動符号として出力することを特徴とするマルチキャリア送信装置用差動符号化回路。 - ディジタル信号をMNビット毎に差動符号化するためのマルチキャリア送信装置用差動符号化回路において、
1のM桁2進加算器と、
該M桁2進加算器の出力を順次記憶するM組のN段の遅延レジスタ列とから構成され、
前記M桁2進加算器が、Mビットの外部からの入力を1の第1のM桁2進数とし、前記M組のN段の遅延レジスタ列の最終段の各々の出力信号を1の第2のM桁2進数として、前記第1のM桁2進数及び前記第2のM桁2進数の和であるM桁2進数のM個の桁をそれぞれ前記M組のN段の遅延レジスタ列の各組の開始段に入力し、
前記M組のN段の遅延レジスタ列の各段の出力信号であるN組のMビットの差動符号を、各々Mビットのグレイ符号化して出力することを特徴とするマルチキャリア送信装置用差動符号化回路。 - 前記ディジタル信号が直列信号であり、前記ディジタル信号をMビット毎に直並列変換する直並列変換器を有し、該直並列変換器の出力を前記M桁2進加算器に入力することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のマルチキャリア送信装置用差動符号化回路。
- 前記ディジタル信号が直列信号であり、前記ディジタル信号をMビット毎に直並列変換する直並列変換器を有し、該直並列変換器の出力をグレイ符号化したのち前記M桁2進加算器に入力することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のマルチキャリア送信装置用差動符号化回路。
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