JP2817731B2 - カラー液晶表示装置 - Google Patents
カラー液晶表示装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可視光波長域の波長
選択透過性を有するカラーフィルタ、及びバックライト
とを有するカラー液晶表示装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のカラー液晶表示装置は、特開昭59
−210481号,特開昭59−208577号公報等に記載のよう
に、光源として三波長発光型の蛍光灯を用いたことと、
カラーフィルタの各色要素と光源の分光分布のピーク特
性を合わせ、かつカラーフィルタの各色要素の半値幅よ
り光源の半値幅を小さくするとなっていた。しかし、バ
ックライトの最適な分光分布,偏光板を含めた液晶素子
の分光透過率,カラーフィルタの分光透過率の組み合わ
せについて配慮されていない。 【0003】従来の装置は、上記2件に記載されている
三波長型光源をバックライトとして使用することやカラ
ーフィルタと三波長型光源を組み合わせたものである
が、カラー液晶ディスプレイの色再現性はカラーフィル
タ,バックライト以外に偏光板の分光透過率と液晶に大
きく依存する。 【0004】ここで、色再現性に影響を及ぼす液晶と
は、液晶分子の長軸方向の屈折率の短軸方向の屈折率の
差、すなわち、液晶の屈折率異方性と液晶層の厚さの関
係である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】カラー液晶ディスプレ
イにおいて、表色範囲が広く、かつ明るいディスプレイ
を達成するためには、カラーフィルタ,バックライトに
加えて、偏光板を含めた液晶素子の最適化が重要な課題
である。 【0006】また、カラーフィルタとバックライトの組
み合わせにおいても、上記2件の従来装置では単にバッ
クライトの半値幅がカラーフィルタの各色要素の半値幅
より小さい分光特性を有するバックライトの組み合わせ
だけでは、明るいカラーフィルタを用いた場合には、カ
ラーフィルタの半値幅より小さな半値幅の分光分布を有
するバックライトを用いても、カラーフィルタの分光透
過率特性がシャープの特性でないため、混色が発生し易
くなり、色再現性が低下する。 【0007】カラー液晶ディスプレイでは、低消費電力
のバックライトでも表色範囲が広く、かつ明るいことが
望まれる。 【0008】本発明の目的はカラーフィルタ,偏光板,
バックライト,液晶素子の組み合わせにおいて、表色範
囲が広く、かつ明るいカラー液晶ディスプレイを提供す
ることにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明はカラーフィル
タ,偏光板,バックライト,液晶素子で構成されるカラ
ー液晶ディスプレイにおいて、各構成要素と色再現性、
特に表色範囲,刺激純度及び明るさの関係を実験により
明らかにし、カラーフィルタ,偏光板,バックライトの
最適な組合わせを見出すことにより、表色範囲が広く、
かつ色再現性の優れたカラーディスプレイを提供するも
のである。 【0010】カラーフィルタとしては450〜650n
mの波長領域における赤,緑及び青の各色要素の分光透
過率のピーク値が緑より青のほうが大きく、かつ、青よ
り赤のほうが大きくなっており、各色要素の遮光すべき
波長領域における分光透過率がほぼ5%以下のものを用
いる。 【0011】一対の偏光板としては、これらの透過軸を
直交させた状態の450〜650nmの波長領域におけ
る分光透過率がほぼゼロであり、及び、これらの透過軸
を一致させた状態の450〜650nm波長領域におけ
る分光透過率の変化がほぼ一定であるものを用いる。 【0012】また、光源としては、三波長型のライトを
複数用いる。 【0013】フルカラーを表示できるカラー液晶表示装
置は図1に示すように、カラーフィルタ1の偏光板2を
設けた光シャッタとなる液晶素子3とバックライト4か
ら構成される。 【0014】同図(a)には、光シャッタとなる液晶素
子3をTN(ツイステッド,ネマチック)タイプとした
場合で、カラーフィルタ1と液晶素子3を2枚の偏光板
2で挟み込む構成が多いが、カラーフィルタ1は偏光板
2の外側に設けることは勿論可能である。また、光源4
の拡散板上にカラーフィルタ1を設けるような構成も可
能である。 【0015】同図(a)に示した液晶素子3をTNタイ
プとした場合には、見る方向により明るさ及び色相がか
わるという欠点がある。 【0016】同図(b)には、光シャッタとなる。液晶
素子3をG−H(ゲスト,ホスト)タイプとした場合
で、カラーフィルタ1,1枚の偏光板2,液晶素子3と
バックライト4で構成するものが一般的である。 【0017】このG−Hタイプの液晶素子を用いた場合
には、見る方向より明るさ及び色相がかわるという視角
に対する依存性は少ないが、暗いという欠点がある。 【0018】したがって、用途により液晶素子3をTN
タイプとするかG−Hタイプとするか決定すべきである
が、一般には階調表示をしないものにはTNタイプ、階
調表示をするものにはG−Hタイプの液晶を3を用いる
例が多い。 【0019】同図には、光源4を光シャッタとなる液晶
素子3の背面側に置く透過タイプの構成だけを示した
が、光源4を光シャッタとなる液晶素子3の手前に置く
反射タイプも勿論可能である。 【0020】しかし、実際には反射タイプの場合には、
暗く刺激純度も低下するため、一般には透過タイプが多
い。 【0021】カラーフィルタ1と光シャッタとなる液晶
素子3は、図2に示すように加法混色の場合、カラーフ
ィルタは赤(R),緑(G),青(B)を平面内に分散
するように配置している。 【0022】同図には、加法混色の場合についてのみ示
したが、減法混色も勿論可能である。その場合には、シ
アン,イエロー,マゼンタを重ねて配置する構成とな
る。 【0023】加法混色,減法混色いずれの場合でも、各
色要素に対応する波長に発光ピークを持つ、バックライ
トと、カラーフィルタを組み合わせることにより、明る
さ及び刺激純度の高い、色再現性に優れたカラー液晶デ
ィスプレイの実現を目指している。 【0024】このように、各色要素に対応する波長に発
光ピークを持つバックライトを用いることは、表示でき
る色の範囲がカラーフィルタの性能に大きく左右されな
いという利点があり、発光ピークのシャープな特性を持
つ三波長蛍光管の開発が各方向で進められている。 【0025】図3は、カラーフィルタの赤(R),緑
(G),青(B)各色要素に対応する波長に発光ピークを
有するバックライトと組み合わせた系による表色範囲を
CIE色度図上に示している。 【0026】同図において、カラー液晶ディスプレイの
表色範囲を実線で示し、CRTの表色範囲を破線で示し
た。いずれも完全な色再現を持っていない。特に、カラ
ー液晶表示装置では、色素の吸収を用いているため刺激
純度の高い色の再現は不可能であり、表色範囲も狭い。 【0027】本発明は、このような欠点に鑑みてなされ
たものであり、赤(R),緑(G),青(B)に対応す
る波長に発光ピークを持つ。バックライトとカラーフィ
ルタを組み合わせることは勿論、TNタイプ液晶素子の
複屈折による干渉色と偏光板の色目とを組み合わせて最
適化し、明るく刺激純度の高い、色再現性に優れたカラ
ー液晶ディスプレイを提供するものである。 【0028】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
を詳細に説明する。まず、本発明を見出すための実験に
用いたカラーフィルタを図4に示す。同図に示すように
120μm角の各色要素を125μmピッチでドット状
に配置したものを用いた。 【0029】また、カラーフィルタは表色範囲と明るさ
に及ぼす影響を明らかにするため、刺激純度重視型,刺
激純度,明るさバランス型及び明るさ重視型の3種類を
使用した。そのカラーフィルタの分光透過率を図5に示
す。同図(a)は刺激純度を重視したカラーフィルタの
分光透過率、(b)は刺激純度と明るさがバランスした
カラーフィルタの分光透過率、(c)は明るさを重視し
たカラーフィルタの分光透過率である。いずれにおいて
も、450〜650nmの波長領域における赤,緑及び
青の各色要素の分光透過率のピーク値が緑より青のほう
が大きく、かつ、青より赤のほうが大きくなっている。
また、刺激純度を重視したカラーフィルタ及び刺激純度
と明るさがバランスしたカラーフィルタの場合は、同図
(a)及び(b)から明らかなように各色要素の遮光す
べき波長領域における透過率がほぼ5%以下である。 【0030】同図に示すように、刺激純度を重視したカ
ラーフィルタの分光特性は明るさを重視したカラーフィ
ルタの分光特性に比較し、各色要素とも透過率は低い
が、遮光すべき部分の透過率も低い。一方、明るさを重
視したカラーフィルタは、各色要素とも透過率は高い。
しかし、遮光すべき部分の透過率も高くなっていること
が解る。 【0031】偏光板はその分光透過率と表色範囲および
明るさの関係を明らかにするため、市販されているニュ
ートラル系,ブルー系のものについて実験したが代表的
な偏光板の分光透過率を図6に示す。同図に示す偏光板
は、比較的波長依存性の小さい分光透過率を有するもの
である。また、同図において1は偏光板単体の特性、2
は偏光板2枚で透過軸を一致させた、いわゆるオープン
状態の特性、3は偏光板2枚で透過軸を直交させた、い
わゆるクローズ状態の特性である。1,2,3いずれの
場合も長波長領域で透過率が高くなっている。 【0032】次に、実験に用いたバックライトの分光分
布を図7に示す。同図(a)は比較的波長依存性の小さ
な分光分布を有する写真用光源、(b)はカラーフィル
タの各色要素の波長領域に発光ピークを持つ三波長型平
面光源である。 【0033】なお、液晶素子はTN液晶を用いた。その
液晶素子を含めた、カラー液晶ディスプレイの実験に用
いた構成を図8に示す。 【0034】同図に示すように、カラーフィルタ1,偏
光板2,液晶素子3,バックライト4から構成した。 【0035】さらに、表色範囲および明るさを測定した
光学系を図9に示す。同図に示すように、光学測定系は
カラーフィルタ1,偏光板2,液晶素子3,バックライ
ト4,分光放射測定装置5から構成した。 【0036】まず、カラーフィルタとバックライトの組
み合わせにおける各カラーフィルタの表色範囲を図10
に示す。同図(a)は写真用光源とカラーフィルタの組
み合わせで、刺激純度を重視したカラーフィルタ1,刺
激純度と明るさがバランスしたカラーフィルタ2,明る
さを重視したカラーフィルタ3であり、(b)は三波長
型平面光源とカラーフィルタの組み合わせである。 【0037】同図から、カラーフィルタと写真用源,三
波長型平面光源、どぢらの組み合わせにおいても表色範
囲は大差ない。しかし、各カラーフィルタ間の色相の変
化は、写真用光源との組み合わせに比較し、三波長型平
面光源との組み合わせの方が小さい。 【0038】このカラーフィルタとバックライトの組み
合わせにおける、刺激純度と透過率の関係を図11に示
す。同図(a)は写真用光源との組み合わせ、(b)は
三波長型平面光源との組み合わせである。 【0039】同図において、1は刺激純度を重視したカ
ラーフィルタ、2は刺激純度と明るさがバランスしたカ
ラーフィルタ、3は明るさを重視したカラーフィルタの
特性である。 【0040】同図から解るように、写真用光源と組み合
わせた場合に比較し、三波長型平面光源と組み合わせた
場合は刺激純度、透過率ともに優れている。また、刺激
純度を重視したカラーフィルタ及び刺激純度と明るさが
バランスしたカラーフィルタを用いた方が、明るさを重
視したカラーフィルタを用いた方より表色範囲が広が
る。 【0041】次に、偏光板とバックライトの組み合わせ
における色温度の変化を図12に示す。同図において、
写真用光源1,三波長型平面光源2で、偏光板1枚,偏
光板2枚で透過軸を一致させたオープン状態,偏光板2
枚で透過軸を直交させたクローズ状態への色温度の低下
は大きくなる。また、同図から解るように、写真用光源
と偏光板を組み合わせた場合に比較して、三波長平面光
源と組み合わせた場合の方が色温度の低下は小さい。 【0042】次に、カラーフィルタ,偏光板,バックラ
イトの組み合わせにおける、刺激純度と透過率の関係を
図13に示す。同図(a)はバックライトに写真用光源
を用いた場合、(b)はバックライトに三波長型平面光
源を用いた場合である。 【0043】同図から解るように、バックライトに写真
用光源を用いた場合に比較して、三波長型平面光源を用
いた場合の方が刺激純度,透過率ともに高いことが解
る。 【0044】以上の検討結果から、カラー液晶ディスプ
レイのバックライトとしては、波長依存性の小さな分光
分布を有する光源に較べ、カラーフィルタの各色要素の
波長領域に発光ピークを有する分光分布の三波長型光源
が色再現性に優れていることが確認できた。 【0045】次に、バックライトは三波長型平面光源が
色再現性に優れていることが確認できたので、偏光板に
よる色再現性に及ぼす影響を検討した。まず、市販され
ているニュートラル系偏光板とブルー系偏光板におけ
る、刺激純度と透過率の関係を図14に示す。 【0046】同図(a)はブルー系偏光板、(b)はニ
ュートラル系偏光板である。同図から解るように、ブル
ー系偏光板に比較して、ニュートラル系偏光板の方が刺
激純度が高い。 【0047】この検討結果から、偏光板の分光透過率は
波長依存性の小さい分光特性が色再現性に優れているこ
とが明らかになった。 【0048】そこで、市販されている偏光板に較べ、一
段と波長依存性の小さい分光透過率を持つ偏光板によ
り、刺激純度と透過率の関係を検討した。 【0049】この実験で用いた偏光板の分光透過率を図
15に示す。同図に示すように偏光板は波長依存性の小
さな分光透過率を有している。すなわち、図から明らか
なように、一対の偏光板の透過軸を直交させた状態(Axe
s Crossed)の450〜650nmの波長領域における分
光透過率はほぼゼロであり、これらの透過軸を一致させ
た状態(Axes Parallered )の450〜650nm波長
領域における分光透過率の変化はほぼ一定である。 【0050】この偏光板を用いた刺激純度と透過率の関
係を図16に示す。同図に示すようにカラーフィルタと
三波長型平面光源とを組み合わせた場合の刺激純度に比
較し、波長依存性の小さな分光透過率を有する偏光板を
組み合わせても刺激純度を低下させないことが明らかに
なった。 【0051】また、三波長型光源のバックライトとこの
波長依存性の小さな分光透過率を持つ偏光板を組み合わ
せた場合の色温度変化を図17に示す。同図に示すよう
に、偏光板1枚,偏光板2枚で透過軸を一致させたオー
プン状態,偏光板2枚で透過軸を直交させたクローズ状
態と偏光板を組み合わせても、色温度はほとんど低下し
ない。 【0052】このように、カラーフィルタ,バックライ
トだけでは、色再現性に優れたカラー液晶ディスプレイ
は達成できず、偏光板は色再現性を左右する大きな因子
である。 【0053】次に、TN液晶素子を含めた、カラーフィ
ルタ,偏光板,液晶素子,バックライトの組み合わせに
おける、色温度と透過率の温度を図18に示す。本実験
に用いたカラーフィルタは刺激純度を重視したもの、偏
光板はニュートラル系の市販品、液晶は長軸方向と短軸
方向の屈折率の差Δn=0.123 ,液晶層の厚さを6
μm,7μm,8μm,10μmとした。 【0054】同図に示すように、1はカラーフィルタ,
偏光板,バックライトの組み合わせ、2〜5はカラーフ
ィルタ、偏光板,液晶素子,バックライトの組み合わ
せ、2は液晶層の厚さd=6μm、3はd=7μm、4
はd=8μm、5はd=10μmの特性である。 【0055】同図から解るように、液晶層の厚さにより
色温度が大きく変化する。したがって、カラーフィル
タ,偏光板,液晶素子,バックライト、この4つの構成
要素を最適化しなければ、色再現性に優れたカラー液晶
ディスプレイは達成できない。このことから、液晶素子
は液晶の屈折率異方性Δnと液晶層の厚さdを最適化し
なければならない。液晶素子の透過率Tと液晶の屈折率
異方性Δn,液晶層の厚さdの関係は次式で表わせる。 【0056】 【数1】 【0057】透過率TとΔnの関係の一例を図19に示
す同図はd=10μm,λ=550nmとしたときの例
である。同図において、初めの透過率Tが最小になるΔ
nとdの組み合わせが視角依存性が広く、コントラスト
も高い。 【0058】また、液晶素子の分光の透過率が、刺激純
度に影響を及ぼすので、できるだけ波長依存性の小さな
分光透過率となるようなΔnとdの組み合わせにしなけ
ればならない。 【0059】液晶素子の波長と透過率の関係の一例を図
20に示す。同図には、屈折率異方性Δn=0.062
で、液晶層の厚さd=6μm,7μm,8μm,9μ
m,10μmの分光透過率を示した。同図から解るよう
に、Δnとdの関係により分光透過率は大幅に変化す
る。 【0060】この実験には、前述した波長依存性の小さ
い偏光板を使用したが、市販されている偏光板を使用す
ると、さらに大きな変化となる。 【0061】したがって、偏光板と液晶素子を組み合わ
せて、波長依存性の小さな分光透過率にしなければなら
ない。このことから、液晶素子の屈折率異方性Δn,液
晶層の厚さdと刺激純度の関係を検討した。 【0062】液晶素子の屈折率異方性Δnと液晶層の厚
さdの積Δn・dと刺激純度の関係を図21に示す。同
図から解るように、Δn・d=0.45〜0.70の間が
着色がほとんどない範囲である。 【0063】したがって、液晶素子は、液晶の屈折率異
方性Δnと液晶層の厚さdの積Δn・dを0.45〜0.
70とすることにより、カラー液晶ディスプレイに適し
たものとなる。 【0064】以上、カラーフィルタ,偏光板,液晶素
子,バックライトの組み合わせにおいて、特に、バック
ライトとして三波長光源を用い、カラーフィルタの各色
要素の分光透過率特性外に分光分布がないようにする。
カラーフィルタとしては、図5(a),(b)に示すよう
に450〜650nmの波長領域における赤,緑及び青
の各色要素の分光透過率のピーク値が緑より青のほうが
大きく、かつ、青より赤のほうが大きくなっており、各
色要素の遮光すべき波長領域における透過率がほぼ5%
以下であるものを用い表色範囲を広げることができる。
また、一対の偏光板としては図15に示すように、これ
らの透過軸を直交させた状態の450〜650nmの波
長領域における分光透過率がほぼゼロであり、及び、こ
れらの透過軸を一致させた状態の450〜650nm波
長領域における分光透過率の変化がほぼ一定であるもの
を用い、色再現性を向上させることができる。 【0065】 【発明の効果】本発明によれば、表色範囲が広く、かつ
色再現性に優れたカラー液晶ディスプレイを実現するこ
とができる。
選択透過性を有するカラーフィルタ、及びバックライト
とを有するカラー液晶表示装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のカラー液晶表示装置は、特開昭59
−210481号,特開昭59−208577号公報等に記載のよう
に、光源として三波長発光型の蛍光灯を用いたことと、
カラーフィルタの各色要素と光源の分光分布のピーク特
性を合わせ、かつカラーフィルタの各色要素の半値幅よ
り光源の半値幅を小さくするとなっていた。しかし、バ
ックライトの最適な分光分布,偏光板を含めた液晶素子
の分光透過率,カラーフィルタの分光透過率の組み合わ
せについて配慮されていない。 【0003】従来の装置は、上記2件に記載されている
三波長型光源をバックライトとして使用することやカラ
ーフィルタと三波長型光源を組み合わせたものである
が、カラー液晶ディスプレイの色再現性はカラーフィル
タ,バックライト以外に偏光板の分光透過率と液晶に大
きく依存する。 【0004】ここで、色再現性に影響を及ぼす液晶と
は、液晶分子の長軸方向の屈折率の短軸方向の屈折率の
差、すなわち、液晶の屈折率異方性と液晶層の厚さの関
係である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】カラー液晶ディスプレ
イにおいて、表色範囲が広く、かつ明るいディスプレイ
を達成するためには、カラーフィルタ,バックライトに
加えて、偏光板を含めた液晶素子の最適化が重要な課題
である。 【0006】また、カラーフィルタとバックライトの組
み合わせにおいても、上記2件の従来装置では単にバッ
クライトの半値幅がカラーフィルタの各色要素の半値幅
より小さい分光特性を有するバックライトの組み合わせ
だけでは、明るいカラーフィルタを用いた場合には、カ
ラーフィルタの半値幅より小さな半値幅の分光分布を有
するバックライトを用いても、カラーフィルタの分光透
過率特性がシャープの特性でないため、混色が発生し易
くなり、色再現性が低下する。 【0007】カラー液晶ディスプレイでは、低消費電力
のバックライトでも表色範囲が広く、かつ明るいことが
望まれる。 【0008】本発明の目的はカラーフィルタ,偏光板,
バックライト,液晶素子の組み合わせにおいて、表色範
囲が広く、かつ明るいカラー液晶ディスプレイを提供す
ることにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明はカラーフィル
タ,偏光板,バックライト,液晶素子で構成されるカラ
ー液晶ディスプレイにおいて、各構成要素と色再現性、
特に表色範囲,刺激純度及び明るさの関係を実験により
明らかにし、カラーフィルタ,偏光板,バックライトの
最適な組合わせを見出すことにより、表色範囲が広く、
かつ色再現性の優れたカラーディスプレイを提供するも
のである。 【0010】カラーフィルタとしては450〜650n
mの波長領域における赤,緑及び青の各色要素の分光透
過率のピーク値が緑より青のほうが大きく、かつ、青よ
り赤のほうが大きくなっており、各色要素の遮光すべき
波長領域における分光透過率がほぼ5%以下のものを用
いる。 【0011】一対の偏光板としては、これらの透過軸を
直交させた状態の450〜650nmの波長領域におけ
る分光透過率がほぼゼロであり、及び、これらの透過軸
を一致させた状態の450〜650nm波長領域におけ
る分光透過率の変化がほぼ一定であるものを用いる。 【0012】また、光源としては、三波長型のライトを
複数用いる。 【0013】フルカラーを表示できるカラー液晶表示装
置は図1に示すように、カラーフィルタ1の偏光板2を
設けた光シャッタとなる液晶素子3とバックライト4か
ら構成される。 【0014】同図(a)には、光シャッタとなる液晶素
子3をTN(ツイステッド,ネマチック)タイプとした
場合で、カラーフィルタ1と液晶素子3を2枚の偏光板
2で挟み込む構成が多いが、カラーフィルタ1は偏光板
2の外側に設けることは勿論可能である。また、光源4
の拡散板上にカラーフィルタ1を設けるような構成も可
能である。 【0015】同図(a)に示した液晶素子3をTNタイ
プとした場合には、見る方向により明るさ及び色相がか
わるという欠点がある。 【0016】同図(b)には、光シャッタとなる。液晶
素子3をG−H(ゲスト,ホスト)タイプとした場合
で、カラーフィルタ1,1枚の偏光板2,液晶素子3と
バックライト4で構成するものが一般的である。 【0017】このG−Hタイプの液晶素子を用いた場合
には、見る方向より明るさ及び色相がかわるという視角
に対する依存性は少ないが、暗いという欠点がある。 【0018】したがって、用途により液晶素子3をTN
タイプとするかG−Hタイプとするか決定すべきである
が、一般には階調表示をしないものにはTNタイプ、階
調表示をするものにはG−Hタイプの液晶を3を用いる
例が多い。 【0019】同図には、光源4を光シャッタとなる液晶
素子3の背面側に置く透過タイプの構成だけを示した
が、光源4を光シャッタとなる液晶素子3の手前に置く
反射タイプも勿論可能である。 【0020】しかし、実際には反射タイプの場合には、
暗く刺激純度も低下するため、一般には透過タイプが多
い。 【0021】カラーフィルタ1と光シャッタとなる液晶
素子3は、図2に示すように加法混色の場合、カラーフ
ィルタは赤(R),緑(G),青(B)を平面内に分散
するように配置している。 【0022】同図には、加法混色の場合についてのみ示
したが、減法混色も勿論可能である。その場合には、シ
アン,イエロー,マゼンタを重ねて配置する構成とな
る。 【0023】加法混色,減法混色いずれの場合でも、各
色要素に対応する波長に発光ピークを持つ、バックライ
トと、カラーフィルタを組み合わせることにより、明る
さ及び刺激純度の高い、色再現性に優れたカラー液晶デ
ィスプレイの実現を目指している。 【0024】このように、各色要素に対応する波長に発
光ピークを持つバックライトを用いることは、表示でき
る色の範囲がカラーフィルタの性能に大きく左右されな
いという利点があり、発光ピークのシャープな特性を持
つ三波長蛍光管の開発が各方向で進められている。 【0025】図3は、カラーフィルタの赤(R),緑
(G),青(B)各色要素に対応する波長に発光ピークを
有するバックライトと組み合わせた系による表色範囲を
CIE色度図上に示している。 【0026】同図において、カラー液晶ディスプレイの
表色範囲を実線で示し、CRTの表色範囲を破線で示し
た。いずれも完全な色再現を持っていない。特に、カラ
ー液晶表示装置では、色素の吸収を用いているため刺激
純度の高い色の再現は不可能であり、表色範囲も狭い。 【0027】本発明は、このような欠点に鑑みてなされ
たものであり、赤(R),緑(G),青(B)に対応す
る波長に発光ピークを持つ。バックライトとカラーフィ
ルタを組み合わせることは勿論、TNタイプ液晶素子の
複屈折による干渉色と偏光板の色目とを組み合わせて最
適化し、明るく刺激純度の高い、色再現性に優れたカラ
ー液晶ディスプレイを提供するものである。 【0028】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
を詳細に説明する。まず、本発明を見出すための実験に
用いたカラーフィルタを図4に示す。同図に示すように
120μm角の各色要素を125μmピッチでドット状
に配置したものを用いた。 【0029】また、カラーフィルタは表色範囲と明るさ
に及ぼす影響を明らかにするため、刺激純度重視型,刺
激純度,明るさバランス型及び明るさ重視型の3種類を
使用した。そのカラーフィルタの分光透過率を図5に示
す。同図(a)は刺激純度を重視したカラーフィルタの
分光透過率、(b)は刺激純度と明るさがバランスした
カラーフィルタの分光透過率、(c)は明るさを重視し
たカラーフィルタの分光透過率である。いずれにおいて
も、450〜650nmの波長領域における赤,緑及び
青の各色要素の分光透過率のピーク値が緑より青のほう
が大きく、かつ、青より赤のほうが大きくなっている。
また、刺激純度を重視したカラーフィルタ及び刺激純度
と明るさがバランスしたカラーフィルタの場合は、同図
(a)及び(b)から明らかなように各色要素の遮光す
べき波長領域における透過率がほぼ5%以下である。 【0030】同図に示すように、刺激純度を重視したカ
ラーフィルタの分光特性は明るさを重視したカラーフィ
ルタの分光特性に比較し、各色要素とも透過率は低い
が、遮光すべき部分の透過率も低い。一方、明るさを重
視したカラーフィルタは、各色要素とも透過率は高い。
しかし、遮光すべき部分の透過率も高くなっていること
が解る。 【0031】偏光板はその分光透過率と表色範囲および
明るさの関係を明らかにするため、市販されているニュ
ートラル系,ブルー系のものについて実験したが代表的
な偏光板の分光透過率を図6に示す。同図に示す偏光板
は、比較的波長依存性の小さい分光透過率を有するもの
である。また、同図において1は偏光板単体の特性、2
は偏光板2枚で透過軸を一致させた、いわゆるオープン
状態の特性、3は偏光板2枚で透過軸を直交させた、い
わゆるクローズ状態の特性である。1,2,3いずれの
場合も長波長領域で透過率が高くなっている。 【0032】次に、実験に用いたバックライトの分光分
布を図7に示す。同図(a)は比較的波長依存性の小さ
な分光分布を有する写真用光源、(b)はカラーフィル
タの各色要素の波長領域に発光ピークを持つ三波長型平
面光源である。 【0033】なお、液晶素子はTN液晶を用いた。その
液晶素子を含めた、カラー液晶ディスプレイの実験に用
いた構成を図8に示す。 【0034】同図に示すように、カラーフィルタ1,偏
光板2,液晶素子3,バックライト4から構成した。 【0035】さらに、表色範囲および明るさを測定した
光学系を図9に示す。同図に示すように、光学測定系は
カラーフィルタ1,偏光板2,液晶素子3,バックライ
ト4,分光放射測定装置5から構成した。 【0036】まず、カラーフィルタとバックライトの組
み合わせにおける各カラーフィルタの表色範囲を図10
に示す。同図(a)は写真用光源とカラーフィルタの組
み合わせで、刺激純度を重視したカラーフィルタ1,刺
激純度と明るさがバランスしたカラーフィルタ2,明る
さを重視したカラーフィルタ3であり、(b)は三波長
型平面光源とカラーフィルタの組み合わせである。 【0037】同図から、カラーフィルタと写真用源,三
波長型平面光源、どぢらの組み合わせにおいても表色範
囲は大差ない。しかし、各カラーフィルタ間の色相の変
化は、写真用光源との組み合わせに比較し、三波長型平
面光源との組み合わせの方が小さい。 【0038】このカラーフィルタとバックライトの組み
合わせにおける、刺激純度と透過率の関係を図11に示
す。同図(a)は写真用光源との組み合わせ、(b)は
三波長型平面光源との組み合わせである。 【0039】同図において、1は刺激純度を重視したカ
ラーフィルタ、2は刺激純度と明るさがバランスしたカ
ラーフィルタ、3は明るさを重視したカラーフィルタの
特性である。 【0040】同図から解るように、写真用光源と組み合
わせた場合に比較し、三波長型平面光源と組み合わせた
場合は刺激純度、透過率ともに優れている。また、刺激
純度を重視したカラーフィルタ及び刺激純度と明るさが
バランスしたカラーフィルタを用いた方が、明るさを重
視したカラーフィルタを用いた方より表色範囲が広が
る。 【0041】次に、偏光板とバックライトの組み合わせ
における色温度の変化を図12に示す。同図において、
写真用光源1,三波長型平面光源2で、偏光板1枚,偏
光板2枚で透過軸を一致させたオープン状態,偏光板2
枚で透過軸を直交させたクローズ状態への色温度の低下
は大きくなる。また、同図から解るように、写真用光源
と偏光板を組み合わせた場合に比較して、三波長平面光
源と組み合わせた場合の方が色温度の低下は小さい。 【0042】次に、カラーフィルタ,偏光板,バックラ
イトの組み合わせにおける、刺激純度と透過率の関係を
図13に示す。同図(a)はバックライトに写真用光源
を用いた場合、(b)はバックライトに三波長型平面光
源を用いた場合である。 【0043】同図から解るように、バックライトに写真
用光源を用いた場合に比較して、三波長型平面光源を用
いた場合の方が刺激純度,透過率ともに高いことが解
る。 【0044】以上の検討結果から、カラー液晶ディスプ
レイのバックライトとしては、波長依存性の小さな分光
分布を有する光源に較べ、カラーフィルタの各色要素の
波長領域に発光ピークを有する分光分布の三波長型光源
が色再現性に優れていることが確認できた。 【0045】次に、バックライトは三波長型平面光源が
色再現性に優れていることが確認できたので、偏光板に
よる色再現性に及ぼす影響を検討した。まず、市販され
ているニュートラル系偏光板とブルー系偏光板におけ
る、刺激純度と透過率の関係を図14に示す。 【0046】同図(a)はブルー系偏光板、(b)はニ
ュートラル系偏光板である。同図から解るように、ブル
ー系偏光板に比較して、ニュートラル系偏光板の方が刺
激純度が高い。 【0047】この検討結果から、偏光板の分光透過率は
波長依存性の小さい分光特性が色再現性に優れているこ
とが明らかになった。 【0048】そこで、市販されている偏光板に較べ、一
段と波長依存性の小さい分光透過率を持つ偏光板によ
り、刺激純度と透過率の関係を検討した。 【0049】この実験で用いた偏光板の分光透過率を図
15に示す。同図に示すように偏光板は波長依存性の小
さな分光透過率を有している。すなわち、図から明らか
なように、一対の偏光板の透過軸を直交させた状態(Axe
s Crossed)の450〜650nmの波長領域における分
光透過率はほぼゼロであり、これらの透過軸を一致させ
た状態(Axes Parallered )の450〜650nm波長
領域における分光透過率の変化はほぼ一定である。 【0050】この偏光板を用いた刺激純度と透過率の関
係を図16に示す。同図に示すようにカラーフィルタと
三波長型平面光源とを組み合わせた場合の刺激純度に比
較し、波長依存性の小さな分光透過率を有する偏光板を
組み合わせても刺激純度を低下させないことが明らかに
なった。 【0051】また、三波長型光源のバックライトとこの
波長依存性の小さな分光透過率を持つ偏光板を組み合わ
せた場合の色温度変化を図17に示す。同図に示すよう
に、偏光板1枚,偏光板2枚で透過軸を一致させたオー
プン状態,偏光板2枚で透過軸を直交させたクローズ状
態と偏光板を組み合わせても、色温度はほとんど低下し
ない。 【0052】このように、カラーフィルタ,バックライ
トだけでは、色再現性に優れたカラー液晶ディスプレイ
は達成できず、偏光板は色再現性を左右する大きな因子
である。 【0053】次に、TN液晶素子を含めた、カラーフィ
ルタ,偏光板,液晶素子,バックライトの組み合わせに
おける、色温度と透過率の温度を図18に示す。本実験
に用いたカラーフィルタは刺激純度を重視したもの、偏
光板はニュートラル系の市販品、液晶は長軸方向と短軸
方向の屈折率の差Δn=0.123 ,液晶層の厚さを6
μm,7μm,8μm,10μmとした。 【0054】同図に示すように、1はカラーフィルタ,
偏光板,バックライトの組み合わせ、2〜5はカラーフ
ィルタ、偏光板,液晶素子,バックライトの組み合わ
せ、2は液晶層の厚さd=6μm、3はd=7μm、4
はd=8μm、5はd=10μmの特性である。 【0055】同図から解るように、液晶層の厚さにより
色温度が大きく変化する。したがって、カラーフィル
タ,偏光板,液晶素子,バックライト、この4つの構成
要素を最適化しなければ、色再現性に優れたカラー液晶
ディスプレイは達成できない。このことから、液晶素子
は液晶の屈折率異方性Δnと液晶層の厚さdを最適化し
なければならない。液晶素子の透過率Tと液晶の屈折率
異方性Δn,液晶層の厚さdの関係は次式で表わせる。 【0056】 【数1】 【0057】透過率TとΔnの関係の一例を図19に示
す同図はd=10μm,λ=550nmとしたときの例
である。同図において、初めの透過率Tが最小になるΔ
nとdの組み合わせが視角依存性が広く、コントラスト
も高い。 【0058】また、液晶素子の分光の透過率が、刺激純
度に影響を及ぼすので、できるだけ波長依存性の小さな
分光透過率となるようなΔnとdの組み合わせにしなけ
ればならない。 【0059】液晶素子の波長と透過率の関係の一例を図
20に示す。同図には、屈折率異方性Δn=0.062
で、液晶層の厚さd=6μm,7μm,8μm,9μ
m,10μmの分光透過率を示した。同図から解るよう
に、Δnとdの関係により分光透過率は大幅に変化す
る。 【0060】この実験には、前述した波長依存性の小さ
い偏光板を使用したが、市販されている偏光板を使用す
ると、さらに大きな変化となる。 【0061】したがって、偏光板と液晶素子を組み合わ
せて、波長依存性の小さな分光透過率にしなければなら
ない。このことから、液晶素子の屈折率異方性Δn,液
晶層の厚さdと刺激純度の関係を検討した。 【0062】液晶素子の屈折率異方性Δnと液晶層の厚
さdの積Δn・dと刺激純度の関係を図21に示す。同
図から解るように、Δn・d=0.45〜0.70の間が
着色がほとんどない範囲である。 【0063】したがって、液晶素子は、液晶の屈折率異
方性Δnと液晶層の厚さdの積Δn・dを0.45〜0.
70とすることにより、カラー液晶ディスプレイに適し
たものとなる。 【0064】以上、カラーフィルタ,偏光板,液晶素
子,バックライトの組み合わせにおいて、特に、バック
ライトとして三波長光源を用い、カラーフィルタの各色
要素の分光透過率特性外に分光分布がないようにする。
カラーフィルタとしては、図5(a),(b)に示すよう
に450〜650nmの波長領域における赤,緑及び青
の各色要素の分光透過率のピーク値が緑より青のほうが
大きく、かつ、青より赤のほうが大きくなっており、各
色要素の遮光すべき波長領域における透過率がほぼ5%
以下であるものを用い表色範囲を広げることができる。
また、一対の偏光板としては図15に示すように、これ
らの透過軸を直交させた状態の450〜650nmの波
長領域における分光透過率がほぼゼロであり、及び、こ
れらの透過軸を一致させた状態の450〜650nm波
長領域における分光透過率の変化がほぼ一定であるもの
を用い、色再現性を向上させることができる。 【0065】 【発明の効果】本発明によれば、表色範囲が広く、かつ
色再現性に優れたカラー液晶ディスプレイを実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するためのカラー液晶ディスプレ
イの構成要素を示す説明図。 【図2】カラーフィルタの一般例を示す斜視図。 【図3】CRTとカラーLCDの表色範囲を示す説明
図。 【図4】本発明を見出すのに用いたカラーフィルタの構
成図。 【図5】そのカラーフィルタの分光透過率を示す説明
図。 【図6】本発明を見出すのに用いた偏光板の分光透過率
を示す線図。 【図7】本発明を見出すのに用いたバックライトの分光
分布図。 【図8】本発明を見出すのに用いた構成要素の構成図。 【図9】光学測定系を示す説明図。 【図10】カラーフィルタとバックライトの組み合わせ
における表色範囲を示す説明図。 【図11】カラーフィルタとバックライトの組み合わせ
における刺激純度と透過率の関係図。 【図12】偏光板とバックライトの組み合わせにおける
色温度変化を示す説明図。 【図13】カラーフィルタ,偏光板,バックライトの組
み合わせにおける刺激純度と透過率の関係図。 【図14】ブルー系偏光板とニュートラル偏光板の刺激
純度と透過率の関係図。 【図15】本発明の偏光板の分光透過率を示す線図。 【図16】この偏光板を用いたときの刺激純度と透過率
の関係図。 【図17】この偏光板を用いたときの色温度変化を示す
説明図。 【図18】液晶素子のΔn・dの違いによる色温度変化
を示す説明図。 【図19】TN液晶素子のΔnと透過率の関係図。 【図20】液晶素子のΔn・dと分光透過率を示す説明
図。 【図21】本発明のポイントとなる液晶素子のΔn・d
積と刺激純度の関係図である。 【符号の説明】 1…カラーフィルタ、2…偏光板、3…液晶素子、4…
バックライト、5…分光放射測定装置。
イの構成要素を示す説明図。 【図2】カラーフィルタの一般例を示す斜視図。 【図3】CRTとカラーLCDの表色範囲を示す説明
図。 【図4】本発明を見出すのに用いたカラーフィルタの構
成図。 【図5】そのカラーフィルタの分光透過率を示す説明
図。 【図6】本発明を見出すのに用いた偏光板の分光透過率
を示す線図。 【図7】本発明を見出すのに用いたバックライトの分光
分布図。 【図8】本発明を見出すのに用いた構成要素の構成図。 【図9】光学測定系を示す説明図。 【図10】カラーフィルタとバックライトの組み合わせ
における表色範囲を示す説明図。 【図11】カラーフィルタとバックライトの組み合わせ
における刺激純度と透過率の関係図。 【図12】偏光板とバックライトの組み合わせにおける
色温度変化を示す説明図。 【図13】カラーフィルタ,偏光板,バックライトの組
み合わせにおける刺激純度と透過率の関係図。 【図14】ブルー系偏光板とニュートラル偏光板の刺激
純度と透過率の関係図。 【図15】本発明の偏光板の分光透過率を示す線図。 【図16】この偏光板を用いたときの刺激純度と透過率
の関係図。 【図17】この偏光板を用いたときの色温度変化を示す
説明図。 【図18】液晶素子のΔn・dの違いによる色温度変化
を示す説明図。 【図19】TN液晶素子のΔnと透過率の関係図。 【図20】液晶素子のΔn・dと分光透過率を示す説明
図。 【図21】本発明のポイントとなる液晶素子のΔn・d
積と刺激純度の関係図である。 【符号の説明】 1…カラーフィルタ、2…偏光板、3…液晶素子、4…
バックライト、5…分光放射測定装置。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭62−50730(JP,A)
特開 昭57−40229(JP,A)
特開 昭60−130715(JP,A)
特開 昭59−210481(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名)
G02F 1/1335 505
G02F 1/1335 530
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.対向面に電極を有する一対の基板と、前記一対の基
板に挟持された液晶層と、前記一対の基板の一方の基板
に設けられたカラーフィルタと、前記一対の基板のそれ
ぞれの前記液晶層の反対側に設けられた一対の偏光板
と、前記カラーフィルタの各色要素に対応する波長領域
に発光ピークを有する三波長型光源とを有するカラー液
晶表示装置であって、 前記カラーフィルタは450〜650nmの波長領域に
おける赤,緑及び青の各色要素の分光透過率のピーク値
が緑より青のほうが大きく、かつ、青より赤のほうが大
きくなっており、各色要素の遮光すべき波長領域におけ
る分光透過率がほぼ5%以下であり、 前記一対の偏光板は、これらの透過軸を直交させた状態
の450〜650nmの波長領域における分光透過率が
ほぼゼロであり、及び、これらの透過軸を一致させた状
態の450〜650nm波長領域における分光透過率の
変化がほぼ一定であることを 特徴とするカラー液晶表示
装置。 2.請求項1において、前記液晶層を構成する液晶はツ
イステッド・ネマチック液晶であることを特徴とするカ
ラー液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8284907A JP2817731B2 (ja) | 1996-10-28 | 1996-10-28 | カラー液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8284907A JP2817731B2 (ja) | 1996-10-28 | 1996-10-28 | カラー液晶表示装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60189617A Division JPH07117660B2 (ja) | 1985-08-30 | 1985-08-30 | カラー液晶表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09311331A JPH09311331A (ja) | 1997-12-02 |
JP2817731B2 true JP2817731B2 (ja) | 1998-10-30 |
Family
ID=17684599
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8284907A Expired - Lifetime JP2817731B2 (ja) | 1996-10-28 | 1996-10-28 | カラー液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2817731B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11237632A (ja) * | 1998-02-24 | 1999-08-31 | Sharp Corp | 蛍光型液晶表示装置 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3022818C2 (de) * | 1980-06-19 | 1986-11-27 | Merck Patent Gmbh, 6100 Darmstadt | Flüssigkristall-Anzeigeelement |
JPH0642029B2 (ja) * | 1983-12-19 | 1994-06-01 | セイコーエプソン株式会社 | カラー表示装置 |
JPS59210481A (ja) * | 1983-05-13 | 1984-11-29 | セイコーエプソン株式会社 | カラ−液晶表示装置 |
JPH07117660B2 (ja) * | 1985-08-30 | 1995-12-18 | 株式会社日立製作所 | カラー液晶表示装置 |
-
1996
- 1996-10-28 JP JP8284907A patent/JP2817731B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09311331A (ja) | 1997-12-02 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |