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JP2001281647A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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Publication number
JP2001281647A
JP2001281647A JP2000094674A JP2000094674A JP2001281647A JP 2001281647 A JP2001281647 A JP 2001281647A JP 2000094674 A JP2000094674 A JP 2000094674A JP 2000094674 A JP2000094674 A JP 2000094674A JP 2001281647 A JP2001281647 A JP 2001281647A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
crystal display
cell
pair
display device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000094674A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitaka Yamada
義孝 山田
Yoshihito Hida
佳人 飛弾
Akio Murayama
昭夫 村山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2000094674A priority Critical patent/JP2001281647A/ja
Publication of JP2001281647A publication Critical patent/JP2001281647A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストおよび消費電力の増加を招くことな
く、高輝度および広色再現範囲の達成を可能とする液晶
表示装置を提供すること。 【解決手段】 配向処理を施した一対の透明基板と、前
記一対の透明基板の間に狭持されたツイステッドネマテ
ィック液晶層と、前記一対の透明基板の外側に、偏光面
がほぼ垂直な光学配置で設けられた一対の偏光板と、前
記一対の透明基板の少なくとも一方に配置されたカラー
フィルターのアレイと、前記一対の透明基板の少なくと
も一方に配列されたアクティブマトリクス素子のアレイ
とを具備するツイステッドネマティック型液晶表示装置
において、前記液晶セルのリタデーション値を、着色層
の色彩ごとに異なった値に設定したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に係
り、特に、アクティブマトリクス型の液晶表示装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、薄型でかつ低消費電力型のカラー
ディスプレー装置として、アクティブマトリクス型の液
晶セルを用いた液晶ディスプレーが多く用いられてい
る。従来のアクティブマトリクス型の液晶セルの構造を
図14に示す。図14に示すように、アクティブマトリ
クス型の液晶セルは、カラーフィルター12を備えたカ
ラーフィルター基板11aと、TFTアレイ13を備え
たアレイ基板11bとを対向させ、間に液晶層14を挟
むことにより構成されている。なお、カラーフィルター
基板11aとアレイ基板11bとの間のギャップは、ス
ペーサー15により保持されている。
【0003】また、カラーフィルター基板11aとアレ
イ基板11bの、対向面とは反対側には、偏光板16a
と偏光板16bが設けられ、偏光板16bの更に外側に
は、白色光源17が配置されている。なお、実際には、
両基板11a、11bの膜面側最表面には、ポリイミド
等の配合処理を施した透明膜が形成してあるが、図14
では省略してある。
【0004】カラーフィルター12は、青色着色層B
と、緑色着色層Gと、赤色着色層Rとから構成され、そ
れぞれは、図15に示すように、一定の厚さhを有して
いる。
【0005】以上のように構成される液晶セルを備えた
液晶ディスプレーの基本的な性能として、高輝度、広色
再現範囲、低消費電力を両立できることが求められてい
る。輝度を高くする方法として、これまで種々提案され
ているが、液晶セルの分光特性に関しては、例えばカラ
ーフィルターの透過率を向上させる方法がある。しか
し、この方法では、色純度が低下し、色再現範囲が低下
してしまう。
【0006】液晶ディスプレーに用いる液晶セルの光ス
イッチング原理は、セル中の液晶層のダイレクターを変
化させて、液晶層のリタデーションを変化させることに
ある。このリタデーションの変化量は、偏光板を通すこ
とにより、光の強度の変化として可視化することがで
き、そのため、スイッチング素子として利用することが
できる。液晶のダイレクターを変化させるには、映像信
号に応じて液晶分子に必要な電界を印加し、それを制御
すれば良い。
【0007】ツイステッドネマティックモードを用いる
場合、偏光板の配置方法として、ノーマリーホワイトモ
ードと、ノーマリーブラックモードのつの2タイプが存
在し、一般的にはノーマリーホワイトモードが用いるこ
とが多い。
【0008】ノーマリーホワイトモードとは、液晶への
電圧が無印加状態のときに透過率が最大で、電圧に比例
して透過率が減少し、最大電圧のときに透過率が最小と
なる特性をいう。ノーマリーブラックモードは、その逆
の電圧−透過率特性である。
【0009】ツイステッドネマティック液晶セルの場
合、その性質上、電界無印加時に液晶セルのリタデーシ
ョンが最大となり、セルに配置する2枚の偏光板をクロ
スニコルにすると、ノーマリーホワイトモードとなり、
平行ニコルにすると、ノーマリーブラックモードとな
る。
【0010】ノーマリーブラックモードの欠点として、
黒表示(透過光最小)を得るリタデーションは、後述の
いわゆるファーストミニマム条件を満たす必要があるこ
とである。この場合、非常に高いセルギャップ精度が要
求されるばかりでなく、ファーストミニマム条件を満た
すリタデーションは、波長毎に異なり、かつ液晶のΔn
には温度依存性があるなど、製造上困難な点が多い。
【0011】特に、白色光源とカラーフィルターを用い
た構造の場合、黒表示の際に波長依存性の強い光漏れを
生じ、色むら、コントラスト低下等、映像劣化を生ずる
欠点がある。
【0012】一方、ノーマリーホワイトモードにおいて
は、黒表示を行うためには、セルに十分な電圧を印加し
さえすればよい。このため、セルのリタデーションばら
つきに対する許容度が大きく、高コントラストのディス
プレーを安定して得ることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のノーマ
リーホワイトモードの液晶表示装置は、高コントラスト
は得られるが、輝度が低く、色再現範囲が狭いという欠
点がある。
【0014】本発明は、このような事情の下になされ、
コストおよび消費電力の増加を招くことなく、高輝度お
よび広色再現範囲の達成を可能とする液晶表示装置を提
供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、配向処理を施した一対の透明基板と、前
記一対の透明基板の間に狭持されたツイステッドネマテ
ィック液晶層と、前記一対の透明基板の外側に、偏光面
がほぼ垂直な光学配置で設けられた一対の偏光板と、前
記一対の透明基板の少なくとも一方に配置された、複数
の着色層を含むカラーフィルターのアレイと、前記一対
の透明基板の少なくとも一方に配列されたアクティブマ
トリクス素子のアレイとを具備するツイステッドネマテ
ィック型液晶表示装置において、前記液晶セルのリタデ
ーション値を、前記着色層の色彩ごとに異なった値に設
定したことを特徴とする液晶表示装置を提供する。
【0016】以上のように構成される本発明の液晶表示
装置によると、従来の液晶表示装置に比べ、透過率を向
上させることが出来、結果として、消費電力の増加や、
色純度の低下を招くことなく、高輝度、広色再現範囲を
達成することが可能である。
【0017】本発明の液晶表示装置には、以下のような
実施態様がある。 (1)カラーフィルターは、青色着色層、緑色着色層、
および赤色着色層からなるものであること。
【0018】(2)可視光領域の特定波長における、青
色着色層を有する画素領域のリタデーションΔnd1
(Δn:屈折率異方性、d1:セルギャップ)の値と、
緑色着色層を有する画素領域のリタデーションΔnd2
(Δn:屈折率異方性、d2:セルギャップ)の値と、
赤色着色層を有する画素領域のリタデーションΔnd3
(Δn:屈折率異方性、d3:セルギャップ)の値とが
それぞれ、Δnd1<Δnd2、Δnd2<Δnd3、
およびΔnd1<Δnd3の3つの不等式の少なくとも
一つを満たすこと。
【0019】(3)各着色層を有する画素領域のリタデ
ーション値が、波長540〜560nmにおいて、Δn
d1=426〜465[nm]、Δnd2=466〜5
04[nm]、およびΔnd3=505〜523[n
m]の範囲であること。
【0020】(4)セルギャップd1,d2,d3が、
それぞれ異なり、d1<d2、d2<d3、およびd1
<d3のうちの少なくとも一つを満たすこと。
【0021】(5)セルギャップd1,d2,d3がそ
れぞれ、d1=4.4〜4.8μm、d2=4.8〜
5.2μm、およびd3=5.4〜5.8μmの範囲で
あること。
【0022】(6)青色、緑色、および赤色の着色層の
膜厚値h1,h2,h3が、h1−h2>+0.2μ
m、h2−h3>+0.2μm、およびh1−h3>+
0.4μmの少なくとも一つを満たすこと。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の液晶表示装置につ
いて、より詳細に説明する。本発明の特徴は、ノーマリ
ーホワイトモードを用いる液晶表示装置において、従来
の基本構造を維持しつつ、カラーフィルターの着色層の
色彩毎に、異なるリタデーション値を設けることによ
り、従来と比べて透過率を向上させ、結果として、消費
電力の増加や、色純度の低下を招くことなく、高輝度お
よび広色再現範囲を達成することにある。
【0024】図1は、本発明の一実施形態に係る液晶表
示セルの構成を示す断面図である。図1に示すように、
アクティブマトリクス型の液晶セルは、カラーフィルタ
ー2を備えたカラーフィルター基板1aと、TFTアレ
イ3を備えたアレイ基板1bとを対向させ、間に液晶層
4を挟むことにより構成されている。なお、カラーフィ
ルター基板1aとアレイ基板1bとの間のギャップは、
スペーサー5により保持されている。
【0025】また、カラーフィルター基板1aとアレイ
基板1bの、対向面とは反対側には、偏光板6a、6b
が設けられ、偏光板6bの更に外側には、白色光源7が
配置されている。
【0026】カラーフィルター2は、青色着色層Bと、
緑色着色層Gと、赤色着色層Rとから構成され、それぞ
れは、図2に示すように、それぞれ異なる厚さh1、h
2、h3を有している。
【0027】ここで、液晶ディスプレーの明るさ(輝
度)について行った理論的な考察について説明する。液
晶ディスプレーの明るさは、光源の輝度及び液晶セルの
透過率に比例して高くなる。一般的な白色光源を用いた
液晶ディスプレーの場合、明るさは色彩光学上のY値に
よって表される。
【0028】Y値を求めるには、光源の発光スペクトル
関数IBL(λ)、対象となる光学素子(液晶セル、カラ
ーフィルター)の透過スペクトル関数、及び等色関数
(視感度関数)y(λ)の積を、可視光領域について積
分すればよい。ここで、液晶ディスプレーの出射強度Y
値をIとすると(後述のΔndの関数として見た場
合)、Iは、下記式(1)により表わすことが出来る。
【0029】
【数1】
【0030】式中、 λ:光の波長 380:短波長側の可視限界波長 780:長波長側の可視限界波長 Δn(λ):液晶分子の屈折率異方性 d:セルギャップ(液晶層の光路長) Tcell(Δn(λ),d,λ):ツイステッドネマティ
ック液晶セルの透過スペクトル関数(Δn(λ),d,
λの関数)(但し、カラーフィルター層を除く) y(λ):視感度関数 TCF(λ):カラーフィルター部分の透過スペクトル関
数 IBL(λ):光源の発光スペクトル関数 なお、IBL(λ)は、一般的な三波長管や、連続光源な
どの発光スペクトル関数を表す。
【0031】以下、上記式(1)について様々な検討を
行う。第1段階として、カラーフィルターなどによる光
の反射・吸収が無く、光源が単波長の場合について考え
る。この場合、式(1)中の比積分関数中に現れる、セ
ルの透過率Tcellのみを考えればよい。
【0032】理想的なセルの場合、ノーマリーホワイト
モードにおけるセルの透過率Tcell(Δn(λ),d,
λ)は、下記式(2)により表わすことが出来る(Go
och and Tarryの式)。
【0033】
【数2】
【0034】ここで、理想的なセルとは、理想的な偏光
板を用いた、反射、吸収がないセルのことを言う。ま
た、理想的な偏光板とは、強度100の無偏光を入射し
た場合、強度50の完全直線光が得られるものをいう。
【0035】高輝度の明るいディスプレーを得るために
は、Y値を最大にすれば良い。セル部分については、透
過率が最大となることであり、式(2)に於いては、下
記式(4)により表わされる条件を満たすとき、Tcell
が最大となる。
【0036】
【数3】
【0037】上記式(4)を満たす条件は、
【数4】
【0038】であればよい。ここで、U=√3は、ファ
ーストミニマム条件、U=√5は、セカンドミニマム条
件と呼ばれている。
【0039】カラーディスプレーに用いるアクティブマ
トリクス型液晶セルの場合、視野角が広い、応答速度が
速い等の理由により、主にファーストミニマム条件が用
いられる。以下、ファーストミニマム条件を前提にして
考察を行うが、セカンドミニマム等、他の条件でも同様
な考えが成り立つことは、いうまでもない。
【0040】さて、ファーストミニマム条件の場合、上
記式(3)に於いて、下記式(5)が、特定の波長にお
ける最大透過率を得る条件である。
【0041】 =√3/2=Δn(λ)d/λ (5) 次に、実際の液晶ディスプレーに用いられるような、光
源が白色光で、かつカラーフィルターを有する場合を考
えるが、第2段階として、比較的簡単な例として、三原
色のうち、緑色の場合を考える。
【0042】緑が簡単な例である理由は、図3に示すよ
うに、カラーフィルターの透過ピーク波長が540nm
付近であり、視感度関数y(λ)のピーク波長である5
55nmと比較的一致しており、また、ピーク波長に対
して波長の対称性が良いからである。なお、図3は、一
般的な2種類のカラーフィルター(CF1,CF2)の
分光特性および視感度関数を示す。
【0043】このため、式(1)の{y(λ)T
CF(λ)}項についても、540〜560nmをピーク
波長とする。つまり、透過率を最大化する手法として、
近似的に式(5)を用い、波長として、555nmを用
いて計算することができる。
【0044】つまり、√3/2=Δnλ=555d/5
55である。例として、一般的に用いられている液晶材
料を使って計算してみることにする。例えば、Δn
λ=555nm=0.097とすると、セルギャップd=4.
95[μm]を用いれば、Δnλ=555nmd/555=
0.097×4.95×10=480[μm]とな
り、式(5)の条件を満たす。
【0045】図4は、式(1)における、{y(λ)T
CF(λ)}関数とセルギャップ5μmのセル分光特性を
表わし、図4に示すように、液晶セルのファーストミニ
マム条件を視感度ピークである555nmに設定した場
合、Tcellは550〜560nmを極大とするなだらか
な凸特性となることがわかる。
【0046】このことは、定性的に、最大輝度を得るた
めに必要な条件は、式(1)の{y(λ)TCF(λ)}
項と、Tcell(λ)の分光特性のピーク波長が略一致す
ることであることを示唆している。
【0047】ただし、これはセル透過率の波長依存性
が、ピーク波長に対して対称性が良い場合にのみ成り立
つ。しかし、実際のセルの透過率については、図4に示
すように、非対称性が強く、また、カラーフィルター
や、光源の分布も非対称性が強い。よって、実際に最適
なΔndを求めるには、後述のように、式(1)を各波
長について数値積分を行う必要がある。
【0048】ここで、リタデーションΔndを変化させ
る方法について説明する。Δndのうち、液晶のΔn
(λ)は、液晶材料の配合比の調整等により特定の範囲
内で所望の値を設定することが技術的に可能である。し
かし、波長依存性については、一般的な液晶の屈折率お
よび屈折率異方性の波長依存性を示す図5に示すよう
に、弱い負の依存性を有する。
【0049】従って、波長ごとに任意の値(波長分散特
性)を得ることは困難である。このため、最適なΔnd
を得る手段としては、セルギャップdの方を可変パラメ
ータとすれば良いことがわかる。
【0050】第3段階として、一般的なカラーフィルタ
ー特性をもつ場合について、最大の輝度を得る条件につ
いて考える。式(1)が最大輝度となるような、dを求
める条件を考える。Iをdの関数として考えると、I
(d)は、下記式(1’)により与えられる。
【0051】
【数5】
【0052】出射強度が最大となるセルギャップ条件
は、dについての偏微分した式について、下記式(6)
を満たすことである。
【0053】∂I(d)/∂d=0 (6) すなわち、下記式(7)が求める条件である。
【0054】
【数6】
【0055】式(7)について、実際にコンピュータシ
ミュレーション等で数値計算を行うためには、計算を容
易な形に変形する必要がある。解析学によれば、上記式
(7)の積分は、λについて行うので、λと独立なdに
ついては、微分と順序を入れ替えることができる。よっ
て、必要に応じて、dについての偏微分を比積分関数に
ついて先に実行しておくことができる。
【0056】比積分関数[ ]の内、dを含むのはT
cell(Δn(λ),d)項のみであるから、この部分に
ついてのみ、dについて偏微分を行えばよい。従って、
上記(式7)は、下記式(8)により表わすことが出来
る。
【0057】
【数7】
【0058】ちなみに、理想的なセルの場合、上記式
(8)の∂Tcell(Δn(λ),d,λ)/∂dは、上
記式(2)より計算することが出来、下記式(9)のよ
うになる。
【0059】
【数8】
【0060】(但し、u=2Δn(λ)d/λ) 以上のように、上記式(8)より、液晶表示装置の出射
強度が最大となるセルギャップdを、波長ごとに求める
ことが出来る。
【0061】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。ま
ず、図14に示す従来のアクティブマトリクス型の液晶
セルについて説明する。図14に示す従来のアクティブ
マトリクス型の液晶セルにおいて、緑画素領域のセルギ
ャップd2は、555nmが透過率ピークとなるよう
に、4.9〜5.0μmを中心に設計されている。ま
た、青、赤の画素領域のセルギャップd1,d3も、そ
れぞれ、d2(4.9〜5.0μm)に対し±0.1μ
mの範囲であり、d2と略等しくなっている。
【0062】前述した通り、緑色は、他の色と比べて式
(1)の{y(λ)TCF(λ)}の値が最も大きい。こ
のため、用いるカラーフィルター、光源の分光特性によ
り若干異なるが、液晶ディスプレーの輝度として、緑の
画素からの寄与が約60%と大半を占め、赤が25%程
度、青が15%程度の寄与となっている。
【0063】ところで、図14に示す、従来の液晶セル
構造の場合、式(1)中の青、赤の透過特性Tcellにつ
いても緑と同様に、視感度ピークである555nmと略
一致することになる。
【0064】このような条件における、青、赤画素の透
過率について考える。青色、赤色の着色層における透過
スペクトルのピーク波長は、図4に示すごとく、y
(λ)のそれと異なる。このため、{y(λ)T
CF(λ)}の項のピーク波長も、青が略520nm、赤
が略600nmと、視感度ピークである555nmから
大きくずれていることがわかる。
【0065】ところが、液晶セルの透過率ピーク波長
は、550〜560付近に一致させている。このため、
式(1)の値は、最大値より小さくなっているのであ
る。つまり、従来の液晶セル構造では、緑以外の、青、
赤については、最大のY値を得られておらず、明るさと
いう観点から、その性能を最大限発揮できないという問
題点があった。
【0066】本発明は、青、赤領域についても、最大輝
度を得ることが出来るような条件を求め、そのような液
晶セル構造を実現するものである。まず、青、赤領域に
ついて、輝度が最大となるリタデーションΔndを求め
る。定性的には、前述の緑画素で述べたことと同様、液
晶セルの透過率の波長依存性が、青、赤それぞれについ
て{y(λ)TCF(λ)}項のピーク波長に近いように
Δndを設定すればよい。
【0067】本発明者らは、上記知見に基づき、青、赤
画素の輝度を向上することができるセルギャップdにつ
いて検討をおこなった。以下に、その方法と結果につい
て説明する。
【0068】青、緑、赤の着色層の分光特性は、材料、
用途により様々である。本発明者らは、青、緑、赤にお
ける、様々な分光特性をもつ着色層とセルリタデーショ
ンの組み合わせについて、シミュレーションを行い、そ
の結果、分光特性によらない最適なセルギャップdを見
出した。なお、シミュレーションにはF10光源を用い
た。
【0069】図6、図7、および図8は、式(1′)に
ついて、セルギャップdを変化させた時の、輝度の変化
を数値積分により求めた結果である。図6、図7、およ
び図8から、カラーフィルターの分光特性に多少の違い
があっても、輝度の最大となるセルギャップの値はほぼ
同一であることがわかる。この理由は、図4に示すよう
に、{y(λ)TCF(λ)}項のピーク波長が、カラー
フィルターの相違によらず一定であることに起因してい
る。
【0070】図6、図7、および図8によると、∂I
(d)/∂d=0を満たす条件は、次の通りであること
がわかった。 d1(青)=4.6μm d2(緑)=5.0μm d3(赤)=5.6μm これらの結果によれば、最大セルギャップ差となるd3
−d1で1μmもの差があり、最大輝度を実現するため
には、従来の液晶セル構造と異なる構成が必要であるこ
とがわかる。
【0071】また、緑画素の最大輝度セルギャップは、
d2=5.0μmとなり、式(5′)とほぼ一致した。
次に、上記知見に基づき、実際に、図1に示すような液
晶セルを試作して、シミュレーション結果の実証を行っ
た。
【0072】色毎に異なるセルギャップ値を実現するた
めの方法は、いくつか考えられるが、本発明において
は、図2に示すように、着色層の膜厚を、青の膜厚h
1、緑の膜厚h2、赤の膜厚h3のように、変更させる
方法を用いた。カラーフィルターの製造方法としては、
従来用いられている方法と基本的には同様である。
【0073】着色層の材料として、一般的な、アクリル
樹脂やポリイミド等の透明樹脂に、顔料や染料を分散さ
せたものを用いた。着色層の形成方法もまた、スピンコ
ーターなどを用い、所定の膜厚に塗布した後、フォトリ
ソグラフィー技術を用いてパターン形成する一般的な方
法を用いた。
【0074】ただし、赤、青の着色層については、従来
と膜厚を変更しているため、従来と同じカラーフィルタ
ー材料をそのまま用いて形成すると、当初の色度や透過
率を得ることができない。このため、所定の膜厚の時に
所望の色度を発現するように、透明樹脂層と着色剤との
配合比を変更している。
【0075】なお、膜厚は、スピンコーターの回転数
や、回転時間を制御することにより容易に制御すること
ができる。液晶セルの作成方法については、従来のセル
プロセスと同様な方法を用いた。
【0076】このように作成された液晶セルを用いた液
晶ディスプレーについて、光学特性を測定した。下記表
1に、従来および本発明の液晶セルのカラーフィルター
の作成条件を示す。
【表1】
【0077】上記表1に示すように、緑色着色層につい
ては、従来および本発明ともに同一の作成条件であり、
得られた緑色着色層の膜厚および着色層単体の色度も、
従来および本発明ともに同一であった。しかし、青色着
色層については、従来よりも色材の割合を増やすととも
に、スピンコーターの回転数を増加させ、膜厚を少なく
した。また、赤色着色層については、従来よりも色材の
割合を減らすとともに、スピンコーターの回転数を減少
させ、膜厚を多くした。
【0078】下記表2に、従来および本発明の液晶セル
のセルギャップおよびリタデーションを示す。
【表2】
【0079】上記表2に示すように、液晶セルの緑色着
色層の部分については、従来および本発明ともに同一の
セルギャップおよびリタデーションであったが、青色着
色層の部分については、本発明は、従来よりも小さいセ
ルギャップおよびリタデーションであり、赤色着色層の
部分については、従来よりも大きいセルギャップおよび
リタデーションであった。
【0080】下記表3に、従来および本発明の液晶セル
の光学測定結果を示す。
【表3】
【0081】上記表3より明らかなように、本発明の液
晶ディスプレーは、従来の液晶ディスプレーよりも高い
青色および赤色輝度を示し、かつ平均輝度、すなわち最
大輝度となる白表示時の輝度については、従来の液晶デ
ィスプレーよりも8.9nit(4.4%)高くするこ
とができた。
【0082】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、液晶セルのリタデーション値を、着色層の色彩
ごとに異なった値に設定したことにより、従来の液晶デ
ィスプレーの基本構造を保ちつつ、光学的な最適化を行
うことにより、コストアップ、消費電力の増加、及び色
再現範囲の低下を招くこと無く、高輝度、広色再現範囲
を達成することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る液晶セルの構造を表
す断面図。
【図2】図1に示す液晶セルのカラーフィルターの構造
を表す断面図。
【図3】一般的なカラーフィルターの分光特性と視感度
関数y(λ)を表す特性図。
【図4】式(1)における{y(λ)TCF(λ)}関数
とセルギャップ5μmの液晶セルの分光特性を表す特性
図。
【図5】F10光源、y(λ)、Syの波長依存性を表
す特性図。
【図6】青色着色層を用いた輝度シミュレーション結果
を表す特性図。
【図7】緑色着色層を用いた輝度シミュレーション結果
を表す特性図。
【図8】赤色着色層を用いた輝度シミュレーション結果
を表す特性図。
【図9】青色着色層を用いた色度シミュレーション結果
を表す特性図。
【図10】緑色着色層を用いた色度シミュレーション結
果を表す特性図。
【図11】赤色着色層を用いた色度シミュレーション結
果を表す特性図。
【図12】セルギャップをパラメータとした、セル透過
率の波長依存性を表す特性図。
【図13】一般的な液晶の屈折率と屈折率異方性の波長
依存性を表す特性図。
【図14】従来の液晶セルの構造を表す断面図。
【図15】図14に示す液晶セルのカラーフィルターの
構造を表す断面図。
【符号の説明】
1a・・・カラーフィルター基板 1b・・・アレイ基板 2・・・カラーフィルター 3・・・TFTアレイ 4・・・液晶層 5・・・スペーサー 6a、6b・・・偏光板 7・・・白色光源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村山 昭夫 兵庫県姫路市余部区上余部50番地 株式会 社東芝姫路工場内 Fターム(参考) 2H088 EA02 HA08 HA12 HA18 JA05 KA07 MA05 MA06 2H091 FA02Y FA08X FA08Z FB02 FB12 GA13 HA07 KA02 KA04 KA10 LA15 LA17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配向処理を施した一対の透明基板と、 前記一対の透明基板の間に狭持されたツイステッドネマ
    ティック液晶層と、 前記一対の透明基板の外側に、偏光面がほぼ垂直な光学
    配置で設けられた一対の偏光板と、 前記一対の透明基板の少なくとも一方に配置された、複
    数の色彩の着色層を含むカラーフィルターのアレイと、 前記一対の透明基板の少なくとも一方に配列されたアク
    ティブマトリクス素子のアレイとを具備するツイステッ
    ドネマティック型液晶表示装置において、 前記液晶セルのリタデーション値を、前記着色層の色彩
    ごとに異なった値に設定したことを特徴とする液晶表示
    装置。
  2. 【請求項2】前記カラーフィルターが、青色着色層、緑
    色着色層、および赤色着色層を含むことを特徴とする請
    求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】可視光領域の特定波長における、青色着色
    層を有する画素領域のリタデーション値Δnd1(Δ
    n:屈折率異方性、d1:セルギャップ)と、緑色着色
    層を有する画素領域のリタデーション値Δnd2(Δ
    n:屈折率異方性、d2:セルギャップ)と、赤色着色
    層を有する画素領域のリタデーション値Δnd3(Δ
    n:屈折率異方性、d3:セルギャップ)とがそれぞ
    れ、Δnd1<Δnd2、Δnd2<Δnd3、および
    Δnd1<Δnd3の3つの不等式の少なくとも一つを
    満たすことを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装
    置。
  4. 【請求項4】各着色層を有する画素領域のリタデーショ
    ン値が、波長540〜560nmにおいて、Δnd1=
    426〜465[nm]、Δnd2=466〜504
    [nm]、およびΔnd3=505〜523[nm]の
    範囲であることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示
    装置。
  5. 【請求項5】前記セルギャップd1,d2,d3が、そ
    れぞれ異なり、d1<d2、d2<d3、およびd1<
    d3の3つの不等式の少なくとも一つを満たすことを特
    徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】前記セルギャップd1,d2,d3がそれ
    ぞれ、d1=4.4〜4.8μm、d2=4.8〜5.
    2μm、およびd3=5.4〜5.8μmの範囲である
    ことを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】青色、緑色、および赤色の着色層の膜厚値
    h1,h2,h3が、h1−h2>+0.2μm、h2
    −h3>+0.2μm、およびh1−h3>+0.4μ
    mの3つの不等式の少なくとも一つを満たすことを特徴
    とする請求項5に記載の液晶表示装置。
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