JP2745501B2 - 密閉型アルカリ蓄電池 - Google Patents
密閉型アルカリ蓄電池Info
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Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
本発明は電気化学的に水素を吸蔵,放出する水素吸蔵
合金を負極に用いた密閉形アルカリ蓄電池に係わるもの
で、特にその負極の改良に関するものである。 従来の技術 従来この種二次電池としては、鉛蓄電池,ニッケル−
カドミウム蓄電池が最も広く知られているが、これらの
蓄電池は負極中に固形状の活物質を含むために、重量ま
たは容量の単位当りエネルギー貯蔵容量が比較的少な
い。このエネルギー貯蔵容量を向上させるため、水素吸
蔵合金を負極とし、正極には例えばニッケル酸化物を用
いた蓄電池が提案されている(米国特許第3,874,928号
明細書)。この提案によるLaNi5合金を負極に用いた電
池は充・放電サイクル寿命が短い。その上、合金の構成
金属であるランタン(La)が高価であるため、電極自体
のコストも当然高くなる。 このLaNi5合金負極を改良した電極組成も提案されて
いる(特開昭51-13934号公報)。即ちLaの一部をミッシ
ュメタル(Mm)で置換したLnNi5,LnCo5系(Lnは希土類
金属混合物)とし、低コスト化を図っているが、密閉形
アルカリ蓄電池を構成した時、放電容量が小さく、しか
もサイクル寿命も短かく実用的な蓄電池とは云えない。
又一方で水素吸蔵材料としてMmNi5-xAlx-yCoy(但しx
=0.1〜2,y=0.01〜1.99)の4種の金属からなる水素吸
蔵用合金が提案されている(特開昭57-19347号公報)。
ここで、Mmは一般に市販されている安価な材料であり、
その組成はLa25〜35wt%,Ce(セリウム)40〜50wt%,Pr
(プラセオジウム)2〜10wt%,Nd(ネオジム)5〜15w
t%、その他の希土類1〜5wt%、その他の金属としてSi
(珪素),Mg(マグネシウム)Al(アルミニウム)0.1〜
10wt%などから構成される希土類混合物の総称である。
これらはつぎの理由から一種の金属の名称と見なされて
いる。即ち、モナザイトに天然比のまま存在しているC
e,La,Ndやその他の軽希土類の混合体の粗塩化物を通常
電解法で還元して得ることができ、しかも市販されてい
るMmはある程度組成が定まっているので1つの金属とし
て呼ばれることが多い。 しかし、先に述べたMm,Ni,Al,Coの4種の金属からな
る合金を密閉形アルカリ蓄電池の負極に用いた時、電解
液中で取扱うためにガス状態での挙動と異なり高温で保
存した時の容量保持率が小さく、また過充電時に発生す
るガスによって電池内圧の上昇が大きく、しかも放電後
の残存水素量の蓄積もあり、電池内圧力は充・放電サイ
クル数と共に上昇する傾向にある。この理由からサイク
ル寿命が短かくなると共に安全性の観点からも実用的な
密閉形アルカリ蓄電池とは云えない。 発明が解決しようとする問題点 上記合金系、すなわち特開昭57-19347号公報記載のミ
ッシュメタル−ニッケルを主体としたMm,Ni,Al,Coの4
種の金属からなる合金を密閉型アルカリ蓄電池の負極に
用いて充・放電特性を調べて見ると、ガス状で水素を吸
蔵・放出させる挙動と異なり、Ni量の多い場合は充電時
に水素を吸蔵しにくく、またCo量の多い場合は水素貯蔵
量が小さく、高温サイクル寿命も短かくなる。一方、Mm
単独では水素解離圧力が高く、過充電時に電極から発生
するガスによって電池内部の圧力が高く、漏液現象をお
こす、とくに高温時にその傾向が大きい。したがって、
密閉型アルカリ蓄電池に用いる負極合金はガス状で水素
を貯蔵する場合と異なり、Mmの一部をLaで置換し、Ni,A
l,Co量を最適な範囲に選定しないと実用的な蓄電池はで
きないことが多くの実験を繰り返す中で判明した。そこ
でさらに多くの合金組成を負極に用いて密閉形アルカリ
蓄電池の試験を行なうことによって最適な範囲を見い出
す必要があった。 本発明ではとくに、放電容量を大きくするNiにより、
放電容量を下げないで、また充電によって負極に水素が
吸蔵しやすいように水素解離圧力を下げる金属LaとAlに
着目し、La,Al両者の相剰効果およびCoの酸素ガス吸収
能力の機能も加わって上記問題点を解決することを目的
とする。 問題点を解決するための手段 本発明は、式Mm1-xLax(Nia・Cob・Alc)[但し、x
はMmに置換するLa量を示し、La/Mm+Laで表わせる全体
のLa量が35〜70wt%の範囲となるようLa量を規制し、4.
5<a+b+c<5.5,3.5<a<4.3,0.5<b<1.5,0.1<
c<0.5]で表わされる5種の金属からなる水素吸蔵合
金又は水素化物からなる負極と、正極と、セパレータ及
びアルカリ電解液とから密閉型アルカリ蓄電池を構成し
たものである。 ここで総称するMmの組成は大体において、La:25〜35w
t%,Ce:40〜50wt%,Nd:5〜15wt%,Pr:2〜10wt%,その
他の希土類金属:1〜5wt%、その他の金属(Fe,Si,Al,Mg
など):0.1〜10wt%である。 作用 このような構成においてLaは高価であるために、安価
に市販されているMmを主体に用いて、合金材料の低コス
ト化を図ることができるが、Mmを用いるとLaと比較して
水素解離圧力が大幅に上昇する。したがって、密閉型ア
ルカリ蓄電池用負極にMmNi5合金を用いても充電時に水
素の吸蔵が困難である。結局負極に充電される電気量が
非常に小さく放電容量も小さくなる。 一方、水素解離圧力を下げる目的からMmNi5-xCox(0.
1<x<4.9)のような水素吸蔵合金材料を負極に用いて
も大幅な改善はできなかった。 そこで、Ni量の調整によって水素吸蔵量の向上を図
り、Co量によって水素の充電受入れ性を促進させ、しか
もMmの一部をLaで置換することとAlを添加することによ
って、水素解離圧力の上昇を抑制し、容量保持率と放電
容量の向上およびサイクル寿命の伸長を可能としたもの
である。 以下、本発明の詳細な実施例で説明する。 実施例 市販のMm,La,Ni,Co,Alの5種の金属からなる試料を各
種配合組成になるように秤量して混合し、誘導加熱によ
る高周波溶解炉を用いて加熱溶解させた。 ここで云うMmは一般に市販されている安価な希土類金
属の混合物であり、組成としてはLa:25〜35wt%,Ce:40
〜50wt%,Nd:5〜15wt%,Pr:2〜10wt%,その他の希土類
金属1〜5wt%,その他の金属0.1〜10wt%である。本実
施例ではLaの含有量30wt%のMmを用いた。 これらの各種合金を粗粉砕後、さらにボールミルなど
で38μm以下の微粉末とし、適量のポリビニルアルコー
ル樹脂溶液(約1wt%)とよく混練し、このペースト状
合金を一定の大きさの発泡状ニッケル多孔体に充てん
し、加圧・乾燥させた後リードを取り付けて電極とし
た。また必要に応じて合金を水素化物にして用いること
もできる。この電極を負極とし、これに公知の方法で製
造した正極をセパレータを介して組合わせて単2形の密
閉型アルカリ蓄電池(容量1800mAh)を作りサイクル寿
命,保存容量試験を行なった。使用した合金は正極容量
より大きくなるように12g(0.25Ah/g換算)であり、こ
の容量は約3Ahに相当する。試験に用いた密閉型アルカ
リ蓄電池の構成を図に示す。図において、水素吸蔵合金
からなる負極板1とニッケル正極2はセパレータ3を介
して渦巻き状に巻回され、負極端子を兼ねるケース4内
に挿入される。なお極板群の上下には絶縁板5,6が当て
がわれ、安全弁7のある封口板8でケース4の開口部を
密閉化されている。9は封口板8を介して正極リード10
と接続しているキャップ状の正極端子である。 なお、電池の充・放電条件として、0.2C(360mA)で
7時間充電し、0.2C(360mA)で放電した。測定温度は
はすべて45℃とした。サイクル寿命試験は初期容量の20
%に低下した場合を寿命とし、容量保持率は完全充電し
た後45℃の温度で1週間放電した後の容量を放置前の容
量と比較し、残存容量比率として次表に表示した。 従来の電池の1例としてNo.1〜4を示し、本実施の電
池の1例としてNo.5〜7を示し、また比較のためにNo.
8,9を示した。 電池No.1は常温で水素解離圧力が20気圧以上の高い合
金負極を用いているために、初期から充電ができなく、
したがって放電容量が非常に小さい。電池No.2,3,4は1
種の金属と見なしている粗m単独であるが、No.1のMmNi
5より水素解離圧力が低いために充・放電は可能ではあ
るが、常温で数気圧から10気圧程度の水素解離圧力を有
し、充・放電のくりかえしと共に電池内の圧力が上昇
し、電解液の漏出等を発生させ電池内の抵抗上昇と共に
容量の低下をおこしている。とくにNo.4の電池の内圧上
昇は大きく、電解液の漏出現象も大きい。一方、No.3の
電池は負極容量が小さく、他の電池よりは早く負極律則
になって容量の低下をおこしている。いずれにしても市
販のMmを単独で用いる電池では電池内圧力の上昇をとも
ない、10kg/cm2以上の圧力を持っているので安全性の面
からも問題である。 又当然、水素解離圧力が高いので、負極から水素の自
然放出の程度が大きく、容量保持率も20〜30%と小さい
値を示している。この傾向は温度が高くなる程顕著に現
われる。 電池No.5,6,7は200サイクル経過しても容量低下およ
び漏液現象は認められない、容量保持率も従来電池より
も2倍以上程向上している。 電池No.8はMmよりLaを多く用いた場合であるが、容量
保持率は比較的高い値を示すが、Laの量が多くなると充
・放電サイクルと共にLa基合金が変質(水酸化物)し、
合金組成にも変化をもたらし容量が低下するものと考え
られる。このことからサイクル寿命が180回で終了し、N
o.5,6,7と比較して短くなっている。一方、Laが多くな
ると合金材料の価格が高くなるなどの理由から実用的と
は云えない。 No.9の電池はNi量を少なく、Co量を多くした場合であ
り、放電容量が小さくなると共に、Coが電解液に溶解
し、その溶解したCoがセパレータ中に析出し、微少短絡
を発生させて、サイクル寿命を短くする。この現象のた
めに、容量保持率も当然低くなる。 本実施例で示すようにMm単独よりも、La/Mm+Laで表
わせる全体のLa量は35〜70wt%が好ましく、全体のLa量
がこの範囲より大きくなるとLaの変質によるサイクル寿
命の短縮とコストアップにつながり実用的ではない。ま
た逆に小さくなると水素解離圧力が高くなり常圧では充
電効率が非常に悪くなる。そこでMmに置換するLa量を規
制し、全体のLa量を上記の35〜70wt%とするにはxの値
は0.1<x<0.6の範囲が望ましい。一方、aの値が3.5
<a<4.3の範囲より大きい時は水素解離圧力が高く、
充電受入性が悪い。逆に、小さい時は水素貯蔵量の減少
にする放電容量の低下がある。また、bの値が0.5<b
<1.5の範囲より大きい時は負極容量が小さくなると共
にCoが電解液中に溶解しやすく、その溶解したCoがセパ
レータ内に析出し、微少短絡を発生させる。また、bの
値がこの範囲より小さい時は水素解離圧力が高く、過充
電時に正極から発生する酸素ガスの吸収が困難となり、
電池内圧上昇につながる。 さらに、cの値が0.1<c<0.5の範囲より大きい時は
合金の均一組成ができにくく、負極合金相の不均質性か
ら放電容量も小さくなる。逆に、この値が小さい時はAl
の添加効果が少なく、電池内圧の上昇によるサイクル寿
命を短くする。a,b,c合計の値は合金相を均質に保持す
るために4.5<a+b+c<5.5の範囲がよい。この範囲
より小さい場合は水素貯蔵量が少なく、放電容量も少な
くなる。逆に大きい場合は均質な合金相ができない上に
電池内圧の上昇をもたらすので容量保持率も低下する。
このように特定の金属を添加することによって、水素解
離圧力を下げて金属(元素)と水素との結合力を少し強
め、無負荷状態での水素の放出を弱めて容量保持率の改
善をも図っている。とくにLaの添加効果の影響は大き
い。 本実施例ではMm中のLa量が30wt%であるMmを用いた
が、25wt%,35wt%のLa含有量のMmを用いても同様の効
果があり、La/Mm+Laで表わされるLa量は全体の35〜70w
t%が望ましい。この範囲に入るようにLaの置換量を決
めて実用的な電池とすることが重要である。La量を規制
することは、一方でCeなどの他の金属の含有量が規定さ
れることになる。 均質な合金を製造するためには、まずNi,Co,Alをa,b,
cの組成で混合溶解した後、再度MmとLaを加えて再溶解
する。また、これらの合金を不活性雰囲気中又は真空
中、800〜1100℃の温度で熱処理して負極に用いると、
平坦性の優れた放電性能が得られる。800℃以下では熱
処理の効果が不十分であり一部不均一相が見られる。ま
た1100℃以上の温度にするとAlが蒸発して組成変化をお
こすので好ましくない。 この種の負極には合金を用いても、一部水素化物の状
態で用いても同様な効果が期待できる。 発明の効果 以上のように、本発明によれば容量保持率が大きく、
しかもサイクル寿命が長く、低コストで品質の安定性に
も優れ、実用性の高い密閉型アルカリ蓄電池が得られ
る。
合金を負極に用いた密閉形アルカリ蓄電池に係わるもの
で、特にその負極の改良に関するものである。 従来の技術 従来この種二次電池としては、鉛蓄電池,ニッケル−
カドミウム蓄電池が最も広く知られているが、これらの
蓄電池は負極中に固形状の活物質を含むために、重量ま
たは容量の単位当りエネルギー貯蔵容量が比較的少な
い。このエネルギー貯蔵容量を向上させるため、水素吸
蔵合金を負極とし、正極には例えばニッケル酸化物を用
いた蓄電池が提案されている(米国特許第3,874,928号
明細書)。この提案によるLaNi5合金を負極に用いた電
池は充・放電サイクル寿命が短い。その上、合金の構成
金属であるランタン(La)が高価であるため、電極自体
のコストも当然高くなる。 このLaNi5合金負極を改良した電極組成も提案されて
いる(特開昭51-13934号公報)。即ちLaの一部をミッシ
ュメタル(Mm)で置換したLnNi5,LnCo5系(Lnは希土類
金属混合物)とし、低コスト化を図っているが、密閉形
アルカリ蓄電池を構成した時、放電容量が小さく、しか
もサイクル寿命も短かく実用的な蓄電池とは云えない。
又一方で水素吸蔵材料としてMmNi5-xAlx-yCoy(但しx
=0.1〜2,y=0.01〜1.99)の4種の金属からなる水素吸
蔵用合金が提案されている(特開昭57-19347号公報)。
ここで、Mmは一般に市販されている安価な材料であり、
その組成はLa25〜35wt%,Ce(セリウム)40〜50wt%,Pr
(プラセオジウム)2〜10wt%,Nd(ネオジム)5〜15w
t%、その他の希土類1〜5wt%、その他の金属としてSi
(珪素),Mg(マグネシウム)Al(アルミニウム)0.1〜
10wt%などから構成される希土類混合物の総称である。
これらはつぎの理由から一種の金属の名称と見なされて
いる。即ち、モナザイトに天然比のまま存在しているC
e,La,Ndやその他の軽希土類の混合体の粗塩化物を通常
電解法で還元して得ることができ、しかも市販されてい
るMmはある程度組成が定まっているので1つの金属とし
て呼ばれることが多い。 しかし、先に述べたMm,Ni,Al,Coの4種の金属からな
る合金を密閉形アルカリ蓄電池の負極に用いた時、電解
液中で取扱うためにガス状態での挙動と異なり高温で保
存した時の容量保持率が小さく、また過充電時に発生す
るガスによって電池内圧の上昇が大きく、しかも放電後
の残存水素量の蓄積もあり、電池内圧力は充・放電サイ
クル数と共に上昇する傾向にある。この理由からサイク
ル寿命が短かくなると共に安全性の観点からも実用的な
密閉形アルカリ蓄電池とは云えない。 発明が解決しようとする問題点 上記合金系、すなわち特開昭57-19347号公報記載のミ
ッシュメタル−ニッケルを主体としたMm,Ni,Al,Coの4
種の金属からなる合金を密閉型アルカリ蓄電池の負極に
用いて充・放電特性を調べて見ると、ガス状で水素を吸
蔵・放出させる挙動と異なり、Ni量の多い場合は充電時
に水素を吸蔵しにくく、またCo量の多い場合は水素貯蔵
量が小さく、高温サイクル寿命も短かくなる。一方、Mm
単独では水素解離圧力が高く、過充電時に電極から発生
するガスによって電池内部の圧力が高く、漏液現象をお
こす、とくに高温時にその傾向が大きい。したがって、
密閉型アルカリ蓄電池に用いる負極合金はガス状で水素
を貯蔵する場合と異なり、Mmの一部をLaで置換し、Ni,A
l,Co量を最適な範囲に選定しないと実用的な蓄電池はで
きないことが多くの実験を繰り返す中で判明した。そこ
でさらに多くの合金組成を負極に用いて密閉形アルカリ
蓄電池の試験を行なうことによって最適な範囲を見い出
す必要があった。 本発明ではとくに、放電容量を大きくするNiにより、
放電容量を下げないで、また充電によって負極に水素が
吸蔵しやすいように水素解離圧力を下げる金属LaとAlに
着目し、La,Al両者の相剰効果およびCoの酸素ガス吸収
能力の機能も加わって上記問題点を解決することを目的
とする。 問題点を解決するための手段 本発明は、式Mm1-xLax(Nia・Cob・Alc)[但し、x
はMmに置換するLa量を示し、La/Mm+Laで表わせる全体
のLa量が35〜70wt%の範囲となるようLa量を規制し、4.
5<a+b+c<5.5,3.5<a<4.3,0.5<b<1.5,0.1<
c<0.5]で表わされる5種の金属からなる水素吸蔵合
金又は水素化物からなる負極と、正極と、セパレータ及
びアルカリ電解液とから密閉型アルカリ蓄電池を構成し
たものである。 ここで総称するMmの組成は大体において、La:25〜35w
t%,Ce:40〜50wt%,Nd:5〜15wt%,Pr:2〜10wt%,その
他の希土類金属:1〜5wt%、その他の金属(Fe,Si,Al,Mg
など):0.1〜10wt%である。 作用 このような構成においてLaは高価であるために、安価
に市販されているMmを主体に用いて、合金材料の低コス
ト化を図ることができるが、Mmを用いるとLaと比較して
水素解離圧力が大幅に上昇する。したがって、密閉型ア
ルカリ蓄電池用負極にMmNi5合金を用いても充電時に水
素の吸蔵が困難である。結局負極に充電される電気量が
非常に小さく放電容量も小さくなる。 一方、水素解離圧力を下げる目的からMmNi5-xCox(0.
1<x<4.9)のような水素吸蔵合金材料を負極に用いて
も大幅な改善はできなかった。 そこで、Ni量の調整によって水素吸蔵量の向上を図
り、Co量によって水素の充電受入れ性を促進させ、しか
もMmの一部をLaで置換することとAlを添加することによ
って、水素解離圧力の上昇を抑制し、容量保持率と放電
容量の向上およびサイクル寿命の伸長を可能としたもの
である。 以下、本発明の詳細な実施例で説明する。 実施例 市販のMm,La,Ni,Co,Alの5種の金属からなる試料を各
種配合組成になるように秤量して混合し、誘導加熱によ
る高周波溶解炉を用いて加熱溶解させた。 ここで云うMmは一般に市販されている安価な希土類金
属の混合物であり、組成としてはLa:25〜35wt%,Ce:40
〜50wt%,Nd:5〜15wt%,Pr:2〜10wt%,その他の希土類
金属1〜5wt%,その他の金属0.1〜10wt%である。本実
施例ではLaの含有量30wt%のMmを用いた。 これらの各種合金を粗粉砕後、さらにボールミルなど
で38μm以下の微粉末とし、適量のポリビニルアルコー
ル樹脂溶液(約1wt%)とよく混練し、このペースト状
合金を一定の大きさの発泡状ニッケル多孔体に充てん
し、加圧・乾燥させた後リードを取り付けて電極とし
た。また必要に応じて合金を水素化物にして用いること
もできる。この電極を負極とし、これに公知の方法で製
造した正極をセパレータを介して組合わせて単2形の密
閉型アルカリ蓄電池(容量1800mAh)を作りサイクル寿
命,保存容量試験を行なった。使用した合金は正極容量
より大きくなるように12g(0.25Ah/g換算)であり、こ
の容量は約3Ahに相当する。試験に用いた密閉型アルカ
リ蓄電池の構成を図に示す。図において、水素吸蔵合金
からなる負極板1とニッケル正極2はセパレータ3を介
して渦巻き状に巻回され、負極端子を兼ねるケース4内
に挿入される。なお極板群の上下には絶縁板5,6が当て
がわれ、安全弁7のある封口板8でケース4の開口部を
密閉化されている。9は封口板8を介して正極リード10
と接続しているキャップ状の正極端子である。 なお、電池の充・放電条件として、0.2C(360mA)で
7時間充電し、0.2C(360mA)で放電した。測定温度は
はすべて45℃とした。サイクル寿命試験は初期容量の20
%に低下した場合を寿命とし、容量保持率は完全充電し
た後45℃の温度で1週間放電した後の容量を放置前の容
量と比較し、残存容量比率として次表に表示した。 従来の電池の1例としてNo.1〜4を示し、本実施の電
池の1例としてNo.5〜7を示し、また比較のためにNo.
8,9を示した。 電池No.1は常温で水素解離圧力が20気圧以上の高い合
金負極を用いているために、初期から充電ができなく、
したがって放電容量が非常に小さい。電池No.2,3,4は1
種の金属と見なしている粗m単独であるが、No.1のMmNi
5より水素解離圧力が低いために充・放電は可能ではあ
るが、常温で数気圧から10気圧程度の水素解離圧力を有
し、充・放電のくりかえしと共に電池内の圧力が上昇
し、電解液の漏出等を発生させ電池内の抵抗上昇と共に
容量の低下をおこしている。とくにNo.4の電池の内圧上
昇は大きく、電解液の漏出現象も大きい。一方、No.3の
電池は負極容量が小さく、他の電池よりは早く負極律則
になって容量の低下をおこしている。いずれにしても市
販のMmを単独で用いる電池では電池内圧力の上昇をとも
ない、10kg/cm2以上の圧力を持っているので安全性の面
からも問題である。 又当然、水素解離圧力が高いので、負極から水素の自
然放出の程度が大きく、容量保持率も20〜30%と小さい
値を示している。この傾向は温度が高くなる程顕著に現
われる。 電池No.5,6,7は200サイクル経過しても容量低下およ
び漏液現象は認められない、容量保持率も従来電池より
も2倍以上程向上している。 電池No.8はMmよりLaを多く用いた場合であるが、容量
保持率は比較的高い値を示すが、Laの量が多くなると充
・放電サイクルと共にLa基合金が変質(水酸化物)し、
合金組成にも変化をもたらし容量が低下するものと考え
られる。このことからサイクル寿命が180回で終了し、N
o.5,6,7と比較して短くなっている。一方、Laが多くな
ると合金材料の価格が高くなるなどの理由から実用的と
は云えない。 No.9の電池はNi量を少なく、Co量を多くした場合であ
り、放電容量が小さくなると共に、Coが電解液に溶解
し、その溶解したCoがセパレータ中に析出し、微少短絡
を発生させて、サイクル寿命を短くする。この現象のた
めに、容量保持率も当然低くなる。 本実施例で示すようにMm単独よりも、La/Mm+Laで表
わせる全体のLa量は35〜70wt%が好ましく、全体のLa量
がこの範囲より大きくなるとLaの変質によるサイクル寿
命の短縮とコストアップにつながり実用的ではない。ま
た逆に小さくなると水素解離圧力が高くなり常圧では充
電効率が非常に悪くなる。そこでMmに置換するLa量を規
制し、全体のLa量を上記の35〜70wt%とするにはxの値
は0.1<x<0.6の範囲が望ましい。一方、aの値が3.5
<a<4.3の範囲より大きい時は水素解離圧力が高く、
充電受入性が悪い。逆に、小さい時は水素貯蔵量の減少
にする放電容量の低下がある。また、bの値が0.5<b
<1.5の範囲より大きい時は負極容量が小さくなると共
にCoが電解液中に溶解しやすく、その溶解したCoがセパ
レータ内に析出し、微少短絡を発生させる。また、bの
値がこの範囲より小さい時は水素解離圧力が高く、過充
電時に正極から発生する酸素ガスの吸収が困難となり、
電池内圧上昇につながる。 さらに、cの値が0.1<c<0.5の範囲より大きい時は
合金の均一組成ができにくく、負極合金相の不均質性か
ら放電容量も小さくなる。逆に、この値が小さい時はAl
の添加効果が少なく、電池内圧の上昇によるサイクル寿
命を短くする。a,b,c合計の値は合金相を均質に保持す
るために4.5<a+b+c<5.5の範囲がよい。この範囲
より小さい場合は水素貯蔵量が少なく、放電容量も少な
くなる。逆に大きい場合は均質な合金相ができない上に
電池内圧の上昇をもたらすので容量保持率も低下する。
このように特定の金属を添加することによって、水素解
離圧力を下げて金属(元素)と水素との結合力を少し強
め、無負荷状態での水素の放出を弱めて容量保持率の改
善をも図っている。とくにLaの添加効果の影響は大き
い。 本実施例ではMm中のLa量が30wt%であるMmを用いた
が、25wt%,35wt%のLa含有量のMmを用いても同様の効
果があり、La/Mm+Laで表わされるLa量は全体の35〜70w
t%が望ましい。この範囲に入るようにLaの置換量を決
めて実用的な電池とすることが重要である。La量を規制
することは、一方でCeなどの他の金属の含有量が規定さ
れることになる。 均質な合金を製造するためには、まずNi,Co,Alをa,b,
cの組成で混合溶解した後、再度MmとLaを加えて再溶解
する。また、これらの合金を不活性雰囲気中又は真空
中、800〜1100℃の温度で熱処理して負極に用いると、
平坦性の優れた放電性能が得られる。800℃以下では熱
処理の効果が不十分であり一部不均一相が見られる。ま
た1100℃以上の温度にするとAlが蒸発して組成変化をお
こすので好ましくない。 この種の負極には合金を用いても、一部水素化物の状
態で用いても同様な効果が期待できる。 発明の効果 以上のように、本発明によれば容量保持率が大きく、
しかもサイクル寿命が長く、低コストで品質の安定性に
も優れ、実用性の高い密閉型アルカリ蓄電池が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の実施例に用いた密閉型アルカリ蓄電池の構
造を示す図である。 1……負極板、2……正極板、3……セパレータ、4…
…ケース、9……正極端子。
造を示す図である。 1……負極板、2……正極板、3……セパレータ、4…
…ケース、9……正極端子。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.水素吸蔵合金又は水素化物からなる負極と、正極
と、セパレータ及びアルカリ電解液よりなる密閉型アル
カリ蓄電池であって、前記負極が式Mm1-xLax(Nia・Cob
・Alc)[但しMmはミッシュメタルであり、XはMmに置
換するLa量を示し、La/Mm+Laで表わせる負極全体のLa
量が35〜70wt%の範囲となるようLa量を規制し、4.5<
a+b+c<5.5,3.5<a<4.3,0.5<b<1.5,0.1<c
<0.5]で表わされる5種の金属からなることを特徴と
する密閉型アルカリ蓄電池。 2.式Mm1-xLax(NiaCobAlc)において、La/Mm+Laで表
わせる全体のLa量が35〜70wt%の範囲となるようLa量を
規制し、かつx=0.2〜0.5,a=3.7〜3.9,b=0.8〜1.0,c
=0.2〜0.3である特許請求の範囲第1項記載の密閉型ア
ルカリ蓄電池。 3.Mm(ミッシュメタル)の組成がLa:25〜35wt%,Ce:4
0〜50wt%,Nd:5〜15wt%,Pr:2〜10wt%その他の希土類
金属1〜5wt%、その他の金属0.1〜10wt%からなる特許
請求の範囲第1項記載の密閉型アルカリ蓄電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60260038A JP2745501B2 (ja) | 1985-11-20 | 1985-11-20 | 密閉型アルカリ蓄電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60260038A JP2745501B2 (ja) | 1985-11-20 | 1985-11-20 | 密閉型アルカリ蓄電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62119864A JPS62119864A (ja) | 1987-06-01 |
JP2745501B2 true JP2745501B2 (ja) | 1998-04-28 |
Family
ID=17342435
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60260038A Expired - Lifetime JP2745501B2 (ja) | 1985-11-20 | 1985-11-20 | 密閉型アルカリ蓄電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2745501B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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---|---|---|---|---|
US5284619A (en) * | 1990-03-24 | 1994-02-08 | Japan Storage Battery Company, Limited | Hydrogen absorbing electrode for use in nickel-metal hydride secondary batteries |
DE4343321A1 (de) * | 1993-12-18 | 1995-06-22 | Varta Batterie | Elektrischer Akkumulator |
US6066415A (en) * | 1996-09-12 | 2000-05-23 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Hydrogen absorbing electrode and metal oxide-hydrogen secondary battery |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4487817A (en) | 1983-10-21 | 1984-12-11 | Willems Johannes J G S A | Electrochemical cell comprising stable hydride-forming material |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5839217B2 (ja) * | 1980-07-04 | 1983-08-29 | 工業技術院長 | 水素吸蔵用ミツシユメタル−ニツケル系合金 |
JPS60250558A (ja) * | 1984-05-25 | 1985-12-11 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 密閉形アルカリ蓄電池 |
JPH0756803B2 (ja) * | 1984-10-11 | 1995-06-14 | 松下電器産業株式会社 | 密閉形アルカリ蓄電池 |
-
1985
- 1985-11-20 JP JP60260038A patent/JP2745501B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4487817A (en) | 1983-10-21 | 1984-12-11 | Willems Johannes J G S A | Electrochemical cell comprising stable hydride-forming material |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62119864A (ja) | 1987-06-01 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |