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JP2009191133A - インクジェット記録用水性インク - Google Patents

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JP2009191133A
JP2009191133A JP2008032166A JP2008032166A JP2009191133A JP 2009191133 A JP2009191133 A JP 2009191133A JP 2008032166 A JP2008032166 A JP 2008032166A JP 2008032166 A JP2008032166 A JP 2008032166A JP 2009191133 A JP2009191133 A JP 2009191133A
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mass
water
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JP2008032166A
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Misato Sasada
美里 佐々田
Takashi Hosokawa
隆史 細川
Naruhiro Kato
考浩 加藤
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Fujifilm Corp
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Fujifilm Corp
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Abstract

【課題】分散安定性に優れ、吐出安定性と耐擦性の両立を可能としたインクジェット記録用水性インクを提供する。
【解決手段】樹脂(A)と、樹脂(A)によって分散された顔料(B)と、樹脂エマルション(C)と、水性液媒体(D)とを少なくとも含むインクジェット記録用水性インクにおいて、前記樹脂(A)は疎水性構造単位(a)と親水性構造単位(b)とを有し、前記疎水性構造単位(a)は、前記樹脂(A)の主鎖を形成する原子と直接に結合していない芳香環を有する疎水性構造単位(a1)を40質量%以上と、アクリル酸またはメタクリル酸の、炭素数1〜4のアルキルエステルに由来する疎水性構造単位(a2)を15質量%以上含み、前記親水性構造単位(b)は、アクリル酸及び/またはメタクリル酸(b1)を含有し、かつ親水性構造単位(b)が15質量%以下であることを特徴とするインクジェット記録用水性インク。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用水性インクに関する。
近年、インクジェット記録技術の進歩により、写真やオフセット印刷の用途向けであった高精細画像向けに、インクジェット記録方法が用いられるようになってきており、高品質な記録が求められている。
インクジェット記録用インクとしては、一般的に着色剤である色材と水と水溶性有機溶剤、界面活性剤からなるものが知られているが、さらに高画質化用インクに適するとして、顔料を含有する水不溶性ビニルポリマー分散体を含有するインク(例えば、特許文献1参照。)や、水不溶性ビニルポリマーとポリマー微粒子を含有させるインク(例えば、特許文献2参照。)などが提案されている。しかしながら、これらのような顔料インクにおいては、吐出安定性と耐擦性において共に十分な性能を満たすことが困難であった。
特開2005−41994号公報 特開2006−273891号公報
本発明は、分散安定性に優れ、吐出安定性と耐擦性の両立を可能としたインクジェット記録用水性インクを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、顔料の分散に使用する樹脂を、特定構造とし、樹脂エマルションと併用することにより、吐出安定性、耐擦性が良く、かつ分散安定性の高いインクジェット記録用水性インクが得られることを見出した。
即ち、以下の手段により本発明の目的は達成される。
<1> 樹脂(A)と、樹脂(A)によって分散された顔料(B)と、樹脂エマルション(C)と、水性液媒体(D)とを少なくとも含むインクジェット記録用水性インクにおいて、
前記樹脂(A)は疎水性構造単位(a)と親水性構造単位(b)とを有し、
前記疎水性構造単位(a)は、
前記樹脂(A)の主鎖を形成する原子と直接に結合していない芳香環を有する疎水性構造単位(a1)を40質量%以上と、
アクリル酸またはメタクリル酸の、炭素数1〜4のアルキルエステルに由来する疎水性構造単位(a2)を15質量%以上含み、
前記親水性構造単位(b)は、アクリル酸及び/またはメタクリル酸に由来する構造単位(b1)を有し、かつ親水性構造単位(b)が15質量%以下であることを特徴とするインクジェット記録用水性インク。
<2> 前記樹脂(A)の主鎖を形成する原子と直接に結合していない芳香環が樹脂(A)中15質量%以上27質量%以下であることを特徴とする上記<1>に記載のインクジェット記録用水性インク。
<3> 前記樹脂(A)の酸価が30mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることを特徴とする上記<1>又は<2>に記載のインクジェット記録用水性インク。
<4> 前記樹脂(A)の主鎖を形成する原子と直接に結合していない芳香環を有する疎水性構造単位(a1)が、ベンジルメタアクリレート、フェノキシエチルアクリレート及びフェノキシエチルメタクリレートのいずれか1つ以上に由来する構造単位であることを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
<5> 前記樹脂(A)の主鎖を形成する原子と直接に結合していない芳香環を有する疎水性構造単位(a1)が、フェノキシエチルアクリレートまたはフェノキシエチルメタクリレートに由来する構造単位であることを特徴とする上記<4>に記載のインクジェット記録用水性インク。
<6>前記樹脂エマルション(C)が、芳香環を含有するモノマーに由来する構造単位を含む共重合体であることを特徴とする、上記<1>〜<5>のいずれかに記載のインクジェット記録用水性インク。
<7> 前記顔料(B)が、前記樹脂(A)に被覆されるように転相法によって作製されたことを特徴とする上記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
<8> 前記顔料(B)と前記樹脂(A)との質量比が、100:25〜100:140であることを特徴とする上記<1>〜<7>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
<9> 前記樹脂(A)の重量平均分子量が、30,000〜150,000であることを特徴とする、上記<1>〜<8>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
<10> インク中に少なくとも1種類の水溶性有機溶剤を含むことを特徴とする、上記<1>〜<9>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
<11> インク中に界面活性剤を含むことを特徴とする、上記<1>〜<10>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
本発明によれば、分散安定性に優れ、吐出安定性と耐擦性の両立を可能としたインクジェット記録用水性インクを提供することができる。
以下、本発明の詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、樹脂(A)と、樹脂(A)によって分散された顔料(B)と、樹脂エマルション(C)と、水性液媒体(D)とを少なくとも含み、前記樹脂(A)は疎水性構造単位(a)と親水性構造単位(b)とを有し、
前記疎水性構造単位(a)は、前記樹脂(A)の主鎖を形成する原子と直接に結合していない芳香環を有する疎水性構造単位(a1)を少なくとも40質量%以上と、
アクリル酸またはメタクリル酸の、炭素数1〜4のアルキルエステルに由来する疎水性構造単位(a2)を15質量%以上含み、
かつ親水性構造単位(b)を15質量%以下含有する共重合体であって、前記親水性構造単位(b)がアクリル酸及び/またはメタクリル酸(b1)を少なくとも含有する共重合体であることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録用水性インク(以下、適宜、水性インクという。)は、前記構成とすることにより、顔料が微細に分散し、かつ、分散安定性に優れ、吐出安定性、耐擦性に優れたインクとなる。
以下、本発明の水性インクの構成成分について説明する。
<樹脂(A)>
前記樹脂(A)は、水性液媒体(D)中での前記顔料(B)の分散剤として用いる。
前記樹脂(A)の構造は、疎水性構造単位(a)と、親水性構造単位(b)とを有する。必要に応じて、前記樹脂(A)は、前記疎水性構造単位(a)及び前記親水性構造単位(b)とは異なる構造単位(c)を含むことができる。
前記親水性構造単位(b)及び疎水性構造単位(a)の組成としては、それぞれの親水性、疎水性の程度にもよるが、疎水性構造単位(a)が樹脂(A)全体の質量に対して80質量%を超えて含有されることが好ましく、85質量%以上がより好ましい。すなわち、親水性構造単位(b)は15質量%以下にする必要があり、親水性構造単位(b)が15質量%よりも多い場合には、顔料の分散に寄与せず単独で水性液媒体(D)中に溶解する成分が増加し、顔料(B)の分散性等の諸性能を悪化させ、インクジェット記録用インクの吐出性を悪化させる原因となる。
<疎水性構造単位(a)>
本発明における樹脂(A)は、疎水性構造単位(a)のうち、前記樹脂(A)の主鎖を形成する原子と直接に結合していない芳香環を有する疎水性構造単位(a1)を少なくとも含む。
ここでいう「直接に結合していない」とは、芳香環と樹脂の主鎖構造を形成する原子とが、連結基を介して結合した構造となっていることを表す。このような形態を有することで、樹脂(A)中の親水性構造単位と疎水性の芳香環との間に適切な距離が維持されるため、樹脂(A)と顔料(B)とに相互作用が生じやすくなり、強固に吸着し、結果分散性が向上する。
(芳香環を有する疎水性構造単位(a1))
前記樹脂(A)の主鎖を形成する原子と直接に結合していない芳香環を有する疎水性構造単位(a1)は、顔料の分散安定性、吐出安定性、洗浄性の観点から、前記樹脂(A)の全質量のうち40質量%以上75質量%未満であることが好ましく、40質量%以上70質量%未満であることがより好ましく、40質量%以上60質量%未満であることが特に好ましい。
前記樹脂(A)の主鎖を形成する原子と直接に結合していない芳香環が、顔料の分散安定性、吐出安定性、洗浄性、耐擦過性の向上の点で、樹脂(A)中15質量%以上27質量%以下であることが好ましく、15質量%以上25質量%以下がより好ましく、15質量%以上20質量%以下が特に好ましい。
上記範囲とすることにより、顔料の分散安定性、吐出安定性、洗浄性、耐擦過性を向上することができる。
本発明に於いては、前記疎水性構造単位(a)における前記芳香環を含む疎水性構造単位(a1)は、下記一般式(1)で表される構造で樹脂(A)に導入された形態が好ましい。
Figure 2009191133
一般式(1)中、Rは水素原子、メチル基、またはハロゲン原子を表し、Lは(主鎖側)−COO−、−OCO−、−CONR−、−O−、または置換もしくは無置換のフェニレン基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基を表す。Lは単結合または、炭素数1〜30の2価の連結基を表し、2価の連結基である場合、その好ましい範囲は好ましくは炭素数1〜25の連結基であり、特に好ましくは炭素数1〜20の連結基である。ここで、前記置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基等、シアノ基等が挙げられるが、特に限定されない。Arは芳香環から誘導される1価の基を表す。
上記一般式(1)の中でも、Rが水素原子またはメチル基であり、Lが(主鎖側)−COO−であり、Lがアルキレンオキシ基および/またはアルキレン基を含む炭素数1〜25の2価の連結基である構造単位の組合せが好ましく、より好ましくは、Rが水素原子またはメチル基であり、Lが(主鎖側)−COO−であり、Lが(主鎖側)−(CH−CH−O)−である(nは平均の繰り返し単位数をあらわし、n=1〜6である)構造単位の組合せである。
疎水性構造単位(a1)中に含まれる前記Arにおける芳香環としては、特に限定されないが、ベンゼン環、炭素数8以上の縮環型芳香環、芳香環が縮環したヘテロ環、または二個以上連結したベンゼン環が挙げられる。
前記炭素数8以上の縮環型芳香環とは、少なくとも二個以上のベンゼン環が縮環した芳香環、及び/又は、少なくとも一種以上の芳香環と該芳香環に縮環した脂環式炭化水素で環が構成される、炭素数8以上の芳香族化合物である。具体的な例としては、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、アセナフテンなどが挙げられる。
前記芳香環が縮環したヘテロ環とは、ヘテロ原子を含まない芳香族化合物(好ましくはベンゼン環)と、ヘテロ原子を有する環状化合物とが少なくとも縮環した化合物である。ここで、ヘテロ原子を有する環状化合物は5員環または6員環であることが好ましい。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子が好ましい。ヘテロ原子を有する環状化合物は複数のヘテロ原子を有していても良く、この場合、ヘテロ原子は互いに同じでも異なっていてもよい。芳香環が縮環したヘテロ環の具体例としては、フタルイミド、アクリドン、カルバゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾールなどが挙げられる。
以下に、前記ベンゼン環、炭素数8以上の縮環型芳香環、芳香環が縮環したヘテロ環、または二個以上連結したベンゼン環から誘導される1価の基を含む疎水性構造単位(a1)を形成しうるモノマーの具体例を挙げるが、本発明は以下の具体例に制限されるものではない。
Figure 2009191133
Figure 2009191133
本発明において、前記樹脂(A)の主鎖を形成する原子と直接に結合していない芳香環を有する疎水性構造単位(a1)のなかでも、分散安定性の観点から、ベンジルメタアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、及びフェノキシエチルメタクリレートのいずれか1以上に由来する構造単位であることが好ましい。
(アクリル酸またはメタクリル酸の、炭素数1〜4のアルキルエステルに由来する疎水性構造単位(a2))
前記樹脂(A)に含まれるアクリル酸またはメタクリル酸の、炭素数1〜4のアルキルエステルに由来する疎水性構造単位(a2)は、樹脂(A)中に少なくとも15質量%以上であることが必要であり、好ましくは20質量%以上60質量%以下、さらに好ましくは、20質量%以上50質量%以下である。
これら(メタ)アクリレート類の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記アルキル基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがさらに好ましい。
<親水性構造単位(b)>
本発明における樹脂(A)を構成する親水性構造単位(b)について説明する。
該親水性構造単位(b)は、前記樹脂(A)の全質量に対して、0質量%超15質量%以下含有され、2質量%以上15質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下が好ましく、8質量%以上12質量%以下がより好ましい。
前記樹脂(A)は、親水性構造単位(b)としてアクリル酸及び/またはメタクリル酸(b1)を少なくとも含む。
(親水性構造単位(b1))
前記親水性構造単位(b1)の含有量は、後述の構造単位(b2)の量または疎水性構造単位(a)の量か、あるいはその両方により変更する必要がある。
即ち、本発明における樹脂(A)は、疎水性構造単位(a)として80質量%を超える量を含み、かつ親水性構造単位(b)を15質量%以下とする量とすればよく、前記疎水性構造単位(a1)と(a2)、親水性構造単位(b1)と(b2)及び構造単位(c)により決定されるものである。
例えば、樹脂(A)が、疎水性構造単位(a1)、(a2)と親水性構造単位(b1)と構造単位(b2)のみから構成される場合において、アクリル酸及び/またはメタクリル酸(b1)の含有量は、「100−(疎水性構造単位(a1)・(a2)の質量%)−(構造単位(b2)の質量%)」で求めることができる。このとき、(b1)と(b2)の和は15質量%以下でなければならない。
また、樹脂(A)が疎水性構造単位(a1)、(a2)と、親水性構造単位(b1)と、構造単位(c)とからなるとき、親水性構造単位(b1)の含有量は、「100−(疎水性構造単位(a1)・(a2)の質量%)−(構造単位(c)の質量%)」で求めることができる。
また、樹脂(A)は疎水性構造単位(a1)、疎水性構造単位(a2)、親水性構造単位(b1)のみから構成されることも可能である。
親水性構造単位(b1)は、アクリル酸及び/またはメタクリル酸を重合することにより得ることができる。
なお、アクリル酸またはメタクリル酸は、単独で又は混合して用いることができる。
本発明の樹脂(A)の酸価は、顔料分散性、保存安定性の観点から、30mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが好ましく、30mgKOH/g以上、85mgKOH/g未満であることがより好ましく、50mgKOH/g以上、85mgKOH/gであることが特に好ましい。
なお、ここでいう酸価とは、樹脂(A)の1gを完全に中和するのに要するKOHの質量(mg)で定義され、JIS規格(JISK0070、1992)記載の方法により測定することができる。
(前記構造単位(b2))
前記構造単位(b2)は非イオン性の親水性基を含有して成ることが好ましい。また、構造単位(b2)は、これに対応するモノマーを重合することにより形成することができるが、ポリマーの重合後、ポリマー鎖に親水性官能基を導入してもよい。
前記構造単位(b2)を形成するモノマーは、重合体を形成しうる官能基と非イオン性の親水性の官能基とを有していれば特に制限はなく、公知の如何なるモノマー類をも用いることができるが、入手性、取り扱い性、汎用性の観点からビニルモノマー類が好ましい。
これらビニルモノマー類の例として、親水性の官能基を有する(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエステル類が挙げられる。
親水性の官能基としては、水酸基、アミノ基、(窒素原子が無置換の)アミド基及び、後述するようなポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のアルキレンオキシド重合体が挙げられる。
これらのうち、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、アミノエチルアクリレート、アミノプロピルアクリレート、アルキレンオキシド重合体を含有する(メタ)アクリレートが特に好ましい。
前記構造単位(b2)は、アルキレンオキシド重合体構造を有する親水性の構造単位を含むことが好ましい。
前記アルキレンオキシド重合体のアルキレンとしては、親水性の観点から炭素数1〜6が好ましく、炭素数2〜6がより好ましく、炭素数2〜4が特に好ましい。
また、前記アルキレンオキシド重合体の重合度としては、1〜120が好ましく、1〜60がより好ましく、1〜30が特に好ましい。
前記構造単位(b2)は、水酸基を含む親水性の構造単位であることも好ましい態様である。
前記構造単位(b2)中の水酸基数としては、特に限定されず、樹脂(A)の親水性、重合時の溶媒や他のモノマーとの相溶性の観点から、1〜4が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2が特に好ましい。
<構造単位(c)>
本発明における樹脂(A)は、前述の通り、前記疎水性構造単位(a1)、前記疎水性構造単位(a2)及び前記親水性構造単位(b)とは異なる構造を有する構造単位(c)(以下、単に「構造単位(c)」という。)を含有することもできる。
前記疎水性構造単位(a1)、疎水性構造単位(a2)及び親水性構造単位(b)とは異なる構造単位(c)とは、前記(a1)、(a2)又は(b)とは異なる構造を有する構造単位(c)を言い、該構造単位(c)は疎水性の構造単位であることが好ましい。
前記構造単位(c)は、疎水性の構造単位であるが、疎水性構造単位(a1)、疎水性構造単位(a2)とは異なる構造を有する構造単位である必要がある。
前記構造単位(c)は、前記樹脂(A)に全質量中35質量%以下とすることが好ましく、20質量%以下とすることがより好ましく、15質量%以下とすることが更に好ましい。
前記構造単位(c)はこれに対応するモノマーを重合することにより形成することができる。また、樹脂の重合後に、ポリマー鎖に疎水性官能基を導入してもよい。
前記構造単位(c)が疎水性の構造単位である場合のモノマーは、重合体を形成しうる官能基と疎水性の官能基とを有していれば特に制限はなく、公知の如何なるモノマー類をも用いることができる。
前記疎水性の構造単位を形成しうるモノマーとしては、入手性、取り扱い性、汎用性の観点から、ビニルモノマー類、((メタ)アクリルアミド類、スチレン類、ビニルエステル類等)が好ましい。
(メタ)アクリルアミド類としては、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、N−アリル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。
スチレン類としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、n−ブチルスチレン、tert−ブチルスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、およびα−メチルスチレン、ビニルナフタレン等などが挙げられ、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
ビニルエステル類としては、ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、および安息香酸ビニルなどのビニルエステル類が挙げられ、中でも、ビニルアセテートが好ましい。
これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明における樹脂(A)は、各構造単位が不規則的に導入されたランダム共重合体であっても、規則的に導入されたブロック共重合体であっても良く、ブロック共重合体である場合の各構造単位は、如何なる導入順序で合成されたものであっても良く、同一の構成成分を2度以上用いてもよいが、ランダム共重合体であることが汎用性、製造性の点で好ましい。
さらに、本発明で用いる樹脂(A)の分子量範囲は、重量平均分子量(Mw)で、好ましくは3万〜15万であり、より好ましくは3万〜10万であり、さらに好ましくは3万〜8万である。
前記分子量を上記範囲とすることにより、分散剤としての立体反発効果が良好な傾向となり、また立体効果により顔料への吸着に時間がかからなくなる傾向の観点から好ましい。
また、本発明で用いる樹脂の分子量分布(重量平均分子量値/数平均分子量値で表される)は、1〜6であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。
前記分子量分布を上記範囲とすることは、インクの分散安定性、吐出安定性の観点から好ましい。ここで数平均分子量及び、重量平均分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THF、示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用い換算して表した分子量である。
本発明に用いられる樹脂は、種々の重合方法、例えば溶液重合、沈澱重合、懸濁重合、沈殿重合、塊状重合、乳化重合により合成することができる。重合反応は回分式、半連続式、連続式等の公知の操作で行うことができる。
重合の開始方法はラジカル開始剤を用いる方法、光または放射線を照射する方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば鶴田禎二「高分子合成方法」改定版(日刊工業新聞社刊、1971)や大津隆行、木下雅悦共著「高分子合成の実験法」化学同人、昭和47年刊、124〜154頁に記載されている。
上記重合方法のうち、特にラジカル開始剤を用いた溶液重合法が好ましい。溶液重合法で用いられる溶剤は、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールのような種々の有機溶剤の単独あるいは2種以上の混合物でも良いし、水との混合溶媒としても良い。
重合温度は生成するポリマーの分子量、開始剤の種類などと関連して設定する必要があり、通常、0℃〜100℃程度であるが、50〜100℃の範囲で重合を行うことが好ましい。
反応圧力は、適宜選定可能であるが、通常は、1〜100kg/cm、特に、1〜30kg/cm程度が好ましい。反応時間は、5〜30時間程度である。得られた樹脂は再沈殿などの精製を行っても良い。
本発明における樹脂(A)として好ましい具体例を以下に示すが、本発明は以下に限定されるものではない。
Figure 2009191133
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Figure 2009191133
Figure 2009191133
Figure 2009191133
<顔料と樹脂分散剤(樹脂(A))の比率>
顔料と樹脂分散剤の比率は、重量比で100:25〜100:140が好ましく、さらに好ましくは100:25〜100:50である。樹脂分散剤が100:25以上の場合は分散安定性と耐擦性が良化する傾向となる。樹脂分散剤が100:140以下の場合も、分散安定性が良化する傾向となる。
<顔料(B)>
本発明において、顔料とは化学大辞典第3版1994年4月1日発行(編集 大木道則他)の518頁に記載のように、水、有機溶剤にほとんど不溶の有色物質(無機顔料では白色も含む)の総称であり、本発明では有機顔料と無機顔料とを用いることができる。
また、本発明において、「樹脂(A)によって分散された顔料(B)」とは、樹脂(A)によって分散保持されている顔料をいい、
水性液媒体(D)に樹脂(A)を用いて分散保持されている顔料として用いることが好ましい。
水性液媒体(D)中には更に分散剤を含んでいても、含んでいなくともよい。
本発明において、樹脂(A)によって分散された顔料(B)としては、前記樹脂(A)によって分散保持されている顔料であれば、特に限定されないが、中でも、顔料分散の安定性、吐出安定性の観点から、転相法により作製されたマイクロカプセル化顔料である。
本発明に含有される顔料として、マイクロカプセル化顔料を好ましい例として挙げることができる。マイクロカプセル化顔料とは、顔料が樹脂(A)で被覆された顔料である。
マイクロカプセル化顔料の樹脂は、前記樹脂(A)を用いる必要があるが、更に必要に応じて、水に対して自己分散能又は溶解能を有し、かつアニオン性基(酸性)を有する高分子の化合物を樹脂(A)以外の樹脂に用いてもよい。
(マイクロカプセル化顔料の製造)
マイクロカプセル化顔料は、前記樹脂(A)等の前記成分を用いて、従来の物理的、化学的方法によって製造することができる。例えば、特開平9−151342号、特開平10−140065号、特開平11−209672号、特開平11−172180号、特開平10−25440号、または特開平11−43636号に開示されている方法によって製造することができる。マイクロカプセル化顔料の製造方法について、以下に概説する。
マイクロカプセル化顔料の製造方法としては、特開平9−151342号及び特開平10−140065号記載の転相法と酸析法等を用いることができ、中でも、転相法が分散安定性の点で好ましい。
a)転相法
本発明において、転相法とは、基本的には、自己分散能または溶解能を有する樹脂と顔料との混合溶融物を水に分散させる、自己分散化(転相乳化)方法をいう。また、この混合溶融物には、前記した硬化剤または高分子化合物を含んでなるものであってもよい。ここで、混合溶融物とは、溶解せず混合した状態、また溶解して混合した状態、またはこれら両者の状態のいずれの状態をも含むものをいう。「転相法」のより具体的な製造方法は、特開平10−140065号に開示されているものと同様であってよい。
b)酸析法
本発明において、酸析法とは、樹脂と顔料とからなる含水ケーキを用意し、その含水ケーキ中の、樹脂が含有してなるアニオン性基の一部又は全部を、塩基性化合物を用いて中和することによって、マイクロカプセル化顔料を製造する方法をいう。
酸析法は具体的には、(1)樹脂と顔料とをアルカリ性水性媒体中に分散し、又、必要に応じて加熱処理を行なって樹脂のゲル化を図る工程と、(2)pHを中性または酸性にすることによって樹脂を疎水化して、樹脂を顔料に強く固着する工程と、(3)必要に応じて、濾過および水洗を行なって、含水ケーキを得る工程と、(4)含水ケーキを中の、樹脂が含有してなるアニオン性基の一部または全部を、塩基性化合物を用いて中和し、その後、水性媒体中に再分散する工程と、(5)必要に応じて加熱処理を行ない樹脂のゲル化を図る工程と、を含んでなるものである。
上記の、転相法及び酸析法のより具体的な製造方法は、特開平9−151342号、特開平10−140065号に開示されているものと同様であってよい。
特開平11−209672号公報及び特開平11−172180号公報に記載の着色剤の製造方法も本発明において用いることができる。
本発明において好ましい製法の概要は、基本的には次の製造工程からなる。
(1)アニオン性基を有する樹脂またはそれを有機溶剤に溶解した溶液と塩基性化合物水溶液とを混合して中和することと、(2)この混合液に顔料を混合して懸濁液とした後に、分散機等で顔料を分散して顔料分散液を得ることと、(3)必要に応じて、溶剤を蒸留して除くことによって、顔料を、アニオン性基を有する樹脂で被覆した水性分散体を得ることとを含んでなるものである。
本発明において、前記における混練、分散処理は、たとえばボールミル、ロールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、高速攪拌型分散機、超音波ホモジナイザ−などを用いて行うことができる。
本発明において使用可能な顔料としては、イエローインクの顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、14C、16、17、24、34、35、37、42、53、55、65、73、74、75、81、83、93、95、97、98、100、101、104、108、109、110、114、117、120、128、129、138、150、151、153、154、155、180等が挙げられる。
また、マゼンタインクの顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、48(Ca)、48(Mn)、48:2、48:3、48:4、49、49:1、50、51、52、52:2、53:1、53、55、57(Ca)、57:1、60、60:1、63:1、63:2、64、64:1、81、83、87、88、89、90、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、163、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、209、219等が挙げられ、特に、C.I.ピグメントレッド122が好ましい。
また、シアンインクの顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17:1、22、25、56、60、C.I.バットブルー4、60、63等が挙げられ、特に、C.I.ピグメントブルー15:3が好ましい。
その他のカラーインクの顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19(キナクリドンレッド)、23、38等も挙げられる。その他顔料表面を樹脂等で処理したグラフトカーボン等の加工顔料等も使用できる。
黒色系のものとしては、例えばカーボンブラックが挙げられる。かかるカーボンブラックの具体例としては、三菱化学製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No2200B 等が、コロンビア社製のRaven5750、Raven5250、Raven5000、Raven3500、Raven1255、Raven700等が、キャボット社製のRegal 400R、Regal330R、Regal660R、Mogul L、Monarch700、Monarch800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等が、デグッサ社製のColor Black
FW1、ColorBlack FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、ColorBlack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U 、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black4A、Special Black4等が挙げられる。
上記の顔料は、単独種で使用してもよく、また上記した各群内もしくは各群間より複数種選択してこれらを組み合わせて使用してもよい。
本発明のインク中の顔料(B)の含有量としては、インクの分散安定性、濃度の観点から、1〜10質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましく、2〜6質量%が特に好ましい。
<樹脂エマルション(C)>
本発明に用いることができる樹脂エマルションとしては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン系樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、パラフィン系樹脂、フッ素系樹脂等のエマルションを用いることができる。中でも、形成される画像の耐擦性向上の観点から、アクリル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン系樹脂のエマルションを好ましい例として挙げることができる。
樹脂エマルション中の樹脂の重量平均分子量は1万以上、20万以下が好ましく、より好ましくは10万以上、20万以下である。
樹脂エマルションの平均粒径は、インクの分散安定性、吐出安定性の観点から、10nm〜1μmの範囲が好ましく、10〜200nmの範囲がより好ましく、20〜100nmの範囲が更に好ましく、20〜50nmの範囲が特に好ましい。
また、樹脂エマルションの粒径分布に関しては、特に制限は無く、広い粒径分布を持つもの、又は単分散の粒径分布を持つもの、いずれでもよい。また、単分散の粒径分布を持つ樹脂エマルションを、2種以上混合して使用してもよい。
樹脂エマルションの添加量はインクに対して、固形分で0.5〜20質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましく、5〜15質量%がさらに好ましい。
樹脂エマルションの樹脂のガラス転移温度Tgは、インクの分散安定性の観点から、30℃以上であることが好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。
前記樹脂エマルションとしては、特に限定されないが、芳香環を含むモノマーと、(メタ)アクリル酸モノマーとからなる樹脂のエマルションが好ましい。
芳香環を含むモノマーとしては、特に限定されないが、スチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
芳香環を含むモノマー単位の、共重合体全体に占める割合は、60質量%以下が好ましく、30〜60質量%であることがより好ましい。
本発明において、前記樹脂エマルションとしては、主鎖に直接に連結しない芳香環を含む(メタ)アクリレートモノマー、アクリル酸以外の共重合可能なモノマーを共重合したものがより好ましい。
前記共重合可能なモノマーとしては、ブタジエン、置換基を有するスチレン、(メタ)アクリル酸のエステル、アミド、などが挙げられる。
前記共重合可能なモノマー(メタ)アクリル酸のエステル、アミドとしては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸であることが好ましく、アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸であることがより好ましく、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルであることがさらに好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルは、それ以外の共重合成分に対して、1〜6質量%含有することが好ましく、2〜5質量%含有することがより好ましい。
また、樹脂エマルション(C)の樹脂のガラス転移温度Tgは、下記の式を用いて算出することができる。
[式1]
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここで、樹脂エマルションの樹脂は、i=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの重量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただし、Σはi=1からnまでの和とする。なお、たとえば各モノマーの単独重合体のガラス転移温度の値(Tgi)は、Polymer Handbook(3rd Edition)(J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を参考にして、スチレンは100°C、ブタジエンは−85°Cとして算出する。したがって、構成するモノマーの種類は同じでも、これらのモノマーの組成比を変えることにより、Tgを制御することができる。
本発明のインクに含有される樹脂エマルションの作製方法としては、公知の方法を特に制限はなく用いることができ、1)乳化重合法、2)乳化分散法、3)転相法で作製された樹脂エマルションを好ましい例として挙げることができる。
<樹脂エマルションの作製方法>
乳化重合、乳化分散に用いる乳化剤としては、公知の乳化剤を特に制限なく用いることができるが、カルボン酸塩系乳化剤の少なくとも1種を含む乳化剤を用いて乳化重合、乳化分散を行うことで本発明における樹脂エマルションを得ることができる。また、非カルボン酸塩系乳化剤を用いて乳化重合、乳化分散を行った場合には、乳化重合、乳化分散後にカルボン酸塩系乳化剤を添加することで本発明における樹脂エマルションを得ることができる。
−1)乳化重合法−
乳化重合法は、例えば、水性媒体(例えば、水など)にモノマー、重合開始剤、乳化剤、および、必要に応じて連鎖移動剤などを加えて調製した乳化物を重合させることで行うことができる。
前記モノマーは特に制限されるものではなく、前記樹脂エマルションを構成し得るモノマーを好適に用いることができる。
また、前記重合開始剤は、特に制限されるものではなく、無機過硫酸塩(例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなど)、アゾ系開始剤(例えば2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]など)、有機過酸化物(例えばペルオキシピバル酸−t−ブチル、t−ブチルヒドロペルオキシドなど)等を用いることができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち、樹脂エマルションの凝集性の観点から、アゾ系開始剤、有機過酸化物を用いることが好ましい。
前記重合開始剤の使用量としては、樹脂エマルションの構成成分の全モノマーに対して、通常0.01〜2質量%であり、好ましくは0.2〜1質量%である。
乳化剤としては、樹脂エマルションの凝集性の観点から、少なくとも1種のカルボン酸塩系乳化剤を用いる必要がある。樹脂エマルションに含まれる前記カルボン酸塩系乳化剤としては、分子内にカルボキシ基を有する乳化剤であれば特に制限はない。例えば、牛脂系脂肪酸石鹸、ヤシ油系脂肪酸石鹸、ロジン酸石鹸、ステアリン酸塩およびオレイン酸塩等の各種精製脂肪酸石鹸、アルケニルコハク酸塩、並びにN−ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン塩等が挙げられる。中でも、せん断力に対する安定性からアルケニルコハク酸塩が好ましい。また、その他の公知の乳化剤を更に追加して用いることができる。
前記乳化剤の使用量としては、樹脂エマルションの凝集性の観点から、樹脂エマルションの構成成分の全モノマーに対して、1〜50質量%であることが好ましく、2〜20質量%であることがより好ましい。
また、連鎖移動剤としては、四ハロゲン化炭素、スチレン類の二量体、(メタ)アクリル酸エステル類の二量体、メルカプタン類、スルフィド類などの公知の化合物を用いることができる。中でも、特開5−17510号公報に記載されているスチレン類の二量体やメルカプタン類を好適に用いることができる。
−2)乳化分散法−
乳化分散としては、特に制限なく公知の乳化分散方法を用いることができる。例えば、ポリマー溶液や溶融ポリマーを、乳化剤を含む水性媒体に乳化分散する強制乳化法、ポリマー溶液に乳化剤を溶解し、水性媒体を添加するか、または、ポリマー溶液に乳化剤の水性媒体溶液を徐々に添加して、相反転を行う転相乳化法の何れの方法を用いても良い。
ポリマー溶液、溶融ポリマーとしては前記水不溶性ポリマーを用いることができる。また、乳化剤については上述の通りである。
−3)転相法−
転相法としては、たとえば、界面活性剤を用いることなく、ポリマーの含有する官能基によって水中で乳化可能な水不溶性ポリマーを使用することが好ましい。ポリマーの含有する官能基とは、この場合、塩基性基またはその塩をさす。
転相法による樹脂エマルションの調製方法としては、ポリマーを溶媒中に溶解あるいは分散させた後、水相に添加し、ポリマーが含有する塩生成基を中和した後、攪拌混合して分散状態とした後、前記溶媒を除去することによって樹脂エマルションを得る方法が挙げられる。
<水性液媒体(D)>
インクジェット記録方式の水系インクにおいて、水性液媒体(D)とは、水及び水溶性有機溶媒の混合物を表す。水溶性有機溶媒(以下、「水溶性有機溶剤」ともいう。)は乾燥防止剤、湿潤剤あるいは浸透促進剤の目的で使用される。
ノズルのインク噴射口において該インクジェット用インクが乾燥することによる目詰まりを防止する目的で乾燥防止剤が用いられ、乾燥防止剤や湿潤剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。
また、インクジェット用インクを紙により良く浸透させる目的で浸透促進剤として、水溶性有機溶剤が好適に使用される。
水溶性有機溶剤の例として、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等のアルカンジオール(多価アルコール類);グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の糖類;糖アルコール類;ヒアルロン酸類;尿素類等のいわゆる固体湿潤剤;エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
乾燥防止剤や湿潤剤の目的としては,多価アルコール類が有用であり、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
浸透剤の目的としては、ポリオール化合物が好ましく、脂肪族ジオールとしては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールが好ましい例として挙げることができる。
本発明に使用される水溶性有機溶媒は、単独で使用しても、2種類以上混合して使用しても構わない。水溶性有機溶媒の含有量としては、インク中、1質量%以上60質量%以下、好ましくは、5質量%以上40質量%以下で使用される。
本発明に使用される水の添加量は、インク中、特に制限は無いが、好ましくは、10質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは、30質量%以上80質量%以下である。更に好ましくは、50質量%以上70質量%以下である。
本発明における水性液媒体(D)は、インク中、分散安定性、吐出安定性の観点から、好ましくは60質量%以上95質量%以下、より好ましくは、70質量%以上95質量%以下である。
<界面活性剤>
界面活性剤(以下、表面張力調整剤ともいう。)としてはノニオン、カチオン、アニオン、ベタイン界面活性剤が挙げられる。表面張力の調整剤の添加量は、インクジェットで良好に打滴するために、本発明のインクの表面張力を20〜60mN/mに調整する量が好ましく、より好ましくは20〜45mN/m、更に好ましくは25〜40mN/mに調整できる量である。
本発明における界面活性剤としては、分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ構造を有する化合物等が有効に使用することができ、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤のいずれも使用することができる。更には、上記高分子物質(高分子分散剤)を界面活性剤としても使用することもできる。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテ硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、t−オクチルフェノキシエトキシポリエトキシエチル硫酸ナトリウム塩等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、t−オクチルフェノキシエチルポリエトキシエタノール、ノニルフェノキシエチルポリエトキシエタノール等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
カチオン性界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられ、具体的には、例えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド等が挙げられる。
本発明におけるインクジェット記録用水性インクに添加する界面活性剤の量は、特に限定されるものではないが、1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量%、更に好ましくは1〜3質量%である。
<その他成分>
本発明のインクジェット記録用水性インクはその他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、褪色防止剤、防黴剤、pH調整剤、防錆剤、酸化防止剤、乳化安定剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。
防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、ソルビン酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウムなどが挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
pH調整剤としては、調合される記録用インクに悪影響を及ぼさずにpHを所望の値に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類(例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオールなど)、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、アンモニウム水酸化物(例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物)、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩などが挙げられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤などが挙げられる。
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
<フルカラー画像形成>
本発明のインクジェット記録用インクは、フルカラーの画像形成にインクジェット記録用インクセットとして用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー色調インクを用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。また、イエロー、マゼンタ、シアン色調インク以外のレッド、グリーン、ブルー、白色インクやいわゆる印刷分野における特色インク等を用いることができる。
画像記録方法は、前記したインクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。なお、本発明に好ましいインクジェット記録方法として、特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105の記載が適用できる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
[合成例](樹脂分散剤P−1の合成)
下記スキームに従って合成した。
Figure 2009191133
攪拌機、冷却管を備えた1000mlの三口フラスコにメチルエチルケトン88gを加え窒素雰囲気下で72℃に加熱し、ここにメチルエチルケトン50gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.85g、ベンジルメタクリレート60g、メタクリル酸10g、メチルメタクリレート30gを溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応した後メチルエチルケトン2gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.42gを溶解した溶液を加え、78℃に昇温し4時間加熱した。得られた反応溶液は大過剰量のヘキサンに2回再沈殿し、析出した樹脂を乾燥してP−1を96g得た。
得られた樹脂の組成はH−NMRで確認し、GPCより求めた重量平均分子量(Mw)は44600であった。さらに、JIS規格(JISK0070:1992)記載の方法により、このポリマーの酸価を求めたところ、65.2mgKOH/gであった。
本発明における他の樹脂分散剤についても同様に合成する事ができる。
[樹脂エマルションの調製]
〈合成例1〉
水120gに、ラテムルASK((株)花王製、カルボン酸塩系乳化剤)19.8g、5mol/L水酸化ナトリウム水溶液6g、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.3gを加え、均一に溶解させた。70℃に加熱し、窒素気流下に、スチレン25.9gとブチルアクリレート26.3gとアクリル酸5.1gのモノマー混合物を2時間かけて添加した。その後、70℃で2時間、80℃で3時間加熱した。室温に冷却後、pHが9前後になるように、攪拌しながら1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えて、ラテックスPL−01を得た。得られたラテックスの体積平均粒子径は115nmであった。またラテックス分散液の固形分は33質量%であった。
〈合成例2〉
合成例1において、スチレン35.4gとブチルアクリレート21.2gとアクリル酸4.4gのモノマー混合物を用いた以外は合成例1と同様にしてラテックスPL−02を得た。得られたラテックスの体積平均粒子径は125nmであった。また、ラテックス分散液の固形分は32質量%であった。
[実施例1]
(顔料含有樹脂粒子の分散物)
ピグメントブルー15:3(大日精化株式会社製 フタロシアニンブル−A220) 10質量部と、表1に記載のP−1樹脂分散剤5質量部と、メチルエチルケトン42質量部と、1規定 NaOH水溶液 5.5質量部と、イオン交換水87.2質量部を混合し、ビーズミルで0.1mmΦジルコニアビーズを使い、2〜6時間分散した。
得られた分散物を減圧下55℃でメチルエチルケトンを除去し、さらに一部の水を除去することにより、顔料濃度が10.2質量%の顔料含有樹脂粒子の分散物を得た。
(インク組成物の調製)
次に、得られた顔料含有樹脂粒子の分散物を使い、以下の組成でインク組成物を調製した。
上記顔料含有樹脂粒子の分散物 35質量部
ラテックスPL−01 18.2質量部
グリセリン 11質量部
ジエチレングリコール 8質量部
1,2−ヘキサンジオール 3質量部
オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) 1質量部
イオン交換水 23.8質量部
[インク組成物の評価]
<分散安定性>
上記で得られたインク組成物について、60℃の恒温槽中で14日間保存後の粒子径、粘度を測定し、下記の基準で評価した。結果は表1に示す。
−評価基準−
A:粒子径変化が10nm以内かつ、粘度変化が10%以内であって、粒子の体積平均粒子径が150nm以上のものを含まない。
B:A以外の範囲のものである。
(粒子径の測定)
ナノトラック粒度分布測定装置 UPA−EX150(日機装(株)製)を用い、動的光散乱法により得られた顔料分散物の体積平均粒径を測定した。測定条件:水性インク10μlに対しイオン交換水10ccを加え、測定用溶液を調製し、25℃で測定した。
(粘度の測定)
VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用い、水性インクを25℃の条件下で測定した。
インクジェット記録装置として、600dpi、256ノズルの試作プリントヘッドを用い、以下の評価を行なった。記録媒体としてはFX−L紙(富士ゼロックス(株)製)を用いた。
<耐擦性>
上記で得られたインク組成物を用いて、100%カバレッジパターンで印字した記録物上に、別の白紙のFX−L紙を4.9×10N/mの荷重で押し付け、白紙のFX−L紙に転写されたインクについて、予め定めておいた限度見本に照合して、目視による官能評価を行った。評価結果は表1に示す。
−評価基準−
AA・・・傷がつかない。
A・・・わずかに傷がつく。
B・・・傷がつくが実用上問題にならない程度である。
C・・・傷が目立ち、実用上問題がある。
<吐出安定性>
インクジェット記録装置を用いた印刷の際に、印字開始から印字終了までにインクの飛行曲がり、ミストが発生するか印刷物を観察して評価し、下記基準に基づき判定した。
−評価基準−
A・・・発生しない。
B・・・発生するが実用上問題ない程度に頻度が低い。
C・・・頻繁に発生し実用上問題がある。
[比較例1]
実施例1で調製したインク組成物において、ラテックスPL−01を添加せず、その代わりにその重量分のイオン交換水をさらに添加した以外は実施例1と同様にして、インク組成物を得て、評価を行った。
[実施例2]
実施例1で作製した顔料含有樹脂粒子の分散物を使用し、以下の組成でインク組成物を調製し、評価を行った。
実施例1の上記顔料含有樹脂粒子の分散物 35質量部
ラテックスPL−02 18.8質量部
グリセリン 11質量部
ジエチレングリコール 8質量部
1,2−ヘキサンジオール 3質量部
オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) 1質量部
イオン交換水 23.2質量部
[実施例3]
実施例1において、P−1樹脂分散剤をP−2樹脂分散剤とした以外は同様にして、インク組成物を作製し、評価を行った。
[実施例4]
実施例1において、P−1樹脂分散剤をP−3樹脂分散剤とした以外は同様にして、インク組成物を作製し、評価を行った。
[比較例2]
実施例2において、P−1樹脂分散剤をP−4樹脂分散剤とした以外は同様にして、インク組成物を作製したが、このサンプルは分散性が悪く、インク組成物として適さなかった。
[比較例3]
実施例2において、P−1樹脂分散剤をP−5樹脂分散剤とした以外は同様にして、インク組成物を作製し、評価を行った。
[比較例4]
実施例2において、P−1樹脂分散剤をP−6樹脂分散剤とした以外は同様にして、インク組成物を作製し、評価を行った。
[比較例5]
実施例2において、P−1樹脂分散剤をP−7樹脂分散剤とした以外は同様にして、インク組成物を作製し、評価を行った。
[実施例5]
実施例2において、P−1樹脂分散剤をP−8樹脂分散剤とした以外は同様にして、インク組成物を作製し、評価を行った。
[実施例6]
実施例2において、P−1樹脂分散剤をP−9樹脂分散剤とした以外は同様にして、インク組成物を作製し、評価を行った。
[比較例6]
実施例2において、P−1樹脂分散剤をP−10樹脂分散剤とした以外は同様にして、インク組成物を作製し、評価を行った。
[比較例7]
実施例2において、P−1樹脂分散剤をP−11樹脂分散剤とした以外は同様にして、インク組成物を作製し、評価を行った。
[比較例8]
実施例2において、P−1樹脂分散剤をP−12樹脂分散剤とした以外は同様にして、インク組成物を作製したが、このサンプルは分散性が悪く、インク組成物として適さなかった。
[実施例7]
実施例2において、P−1樹脂分散剤をP−13樹脂分散剤とした以外は同様にして、インク組成物を作製し、評価を行った。
以上の評価結果を表1に記載した。
Figure 2009191133
Figure 2009191133
表1から明らかな通り、本発明における樹脂エマルション(C)を用いていない比較例1は耐擦性が十分でなく、及び樹脂(A)を用いていない比較例2〜8は、そのいずれにおいても分散性、分散安定性もしくは吐出安定性が十分ではなかった。一方、実施例1〜7は全ての評価項目で両立しており、特に吐出安定性は優れていることが判った。

Claims (11)

  1. 樹脂(A)と、樹脂(A)によって分散された顔料(B)と、樹脂エマルション(C)と、水性液媒体(D)とを少なくとも含むインクジェット記録用水性インクにおいて、
    前記樹脂(A)は疎水性構造単位(a)と親水性構造単位(b)とを有し、
    前記疎水性構造単位(a)は、
    前記樹脂(A)の主鎖を形成する原子と直接に結合していない芳香環を有する疎水性構造単位(a1)を40質量%以上と、
    アクリル酸またはメタクリル酸の、炭素数1〜4のアルキルエステルに由来する疎水性構造単位(a2)を15質量%以上含み、
    前記親水性構造単位(b)は、アクリル酸及び/またはメタクリル酸に由来する構造単位(b1)を有し、かつ親水性構造単位(b)が15質量%以下であることを特徴とするインクジェット記録用水性インク。
  2. 前記樹脂(A)の主鎖を形成する原子と直接に結合していない芳香環が樹脂(A)中15質量%以上27質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用水性インク。
  3. 前記樹脂(A)の酸価が30mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録用水性インク。
  4. 前記樹脂(A)の主鎖を形成する原子と直接に結合していない芳香環を有する疎水性構造単位(a1)が、ベンジルメタアクリレート、フェノキシエチルアクリレート及びフェノキシエチルメタアクリレートのいずれか1つ以上に由来する構造単位であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
  5. 前記樹脂(A)の主鎖を形成する原子と直接に結合していない芳香環を有する疎水性構造単位(a1)が、フェノキシエチルアクリレートまたはフェノキシエチルメタアクリレートに由来する構造単位であることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録用水性インク。
  6. 前記樹脂エマルション(C)が、芳香環を含有するモノマーに由来する構造単位を含む共重合体であることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のインクジェット記録用水性インク。
  7. 前記顔料(B)が、前記樹脂(A)に被覆されるように転相法によって作製されたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
  8. 前記顔料(B)と前記樹脂(A)との質量比が、100:25〜100:140であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
  9. 前記樹脂(A)の重量平均分子量が、30,000〜150,000であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
  10. インク中に少なくとも1種類の水溶性有機溶剤を含むことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
  11. インク中に界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
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