JP2005041994A - インクジェット記録用水系インク - Google Patents
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Abstract
【課題】 分散安定性に優れ、高い光沢性及び高い印字濃度を付与しうるインクジェット記録用水系インク及びそれに用いられるインクジェット記録用水分散体の提供。
【解決手段】 顔料を含有する水不溶性ビニルポリマーの水分散体であって、水不溶性ビニルポリマーが、ノニオン性の(メタ)アクリルアミド系モノマーを含むモノマー成分を重合させてなるものである、インクジェット記録用水分散体、及びこの水分散体を含有するインクジェット記録用水系インク。
【選択図】 なし
【解決手段】 顔料を含有する水不溶性ビニルポリマーの水分散体であって、水不溶性ビニルポリマーが、ノニオン性の(メタ)アクリルアミド系モノマーを含むモノマー成分を重合させてなるものである、インクジェット記録用水分散体、及びこの水分散体を含有するインクジェット記録用水系インク。
【選択図】 なし
Description
本発明は、インクジェット記録用水分散体、及びインクジェット記録用水系インクに関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて文字や画像を得る記録方式である。この方式によれば、使用する装置が低騒音で操作性がよいという利点を有するのみならず、カラー化が容易であり、かつ記録部材として普通紙を使用することができるという利点があるため、近年広く用いられている。インクジェットプリンタに使用されるインクには、耐水性や耐光性を向上させるため、近年、顔料系インクが使用されている。しかしながら、顔料系インクは、コピー用紙では顔料が表面に残留しがたく、印字濃度が低いという欠点がある。
そこで、印字品質を向上させる為にアクリルアミド誘導体を表面処理したカーボンブラックを用いる記録用インク(例えば、特許文献1参照)が提案されている。しかしながら、かかる方法では、普通紙における印字濃度と専用紙における光沢性を両立させることができないという欠点がある
特開平5−230410号公報
本発明は、分散安定性に優れ、高い光沢性及び高い印字濃度を付与しうるインクジェット記録用水系インク及びそれに用いられるインクジェット記録用水分散体を提供することを課題とする。
本発明は、顔料を含有する水不溶性ビニルポリマーの水分散体であって、水不溶性ビニルポリマーが、ノニオン性の(メタ)アクリルアミド系モノマーを含むモノマー成分を重合させてなるものである、インクジェット記録用水分散体、及びこの水分散体を含有するインクジェット記録用水系インクを提供する。
なお、本明細書にいう「(メタ)アクリ」とは、「アクリ」又は「メタクリ」を意味する。
本発明の水系インクは、分散安定性に優れ、更に、高光沢性、高印字濃度を付与しうるものであるので、インクジェット記録用水系インクとして好適に使用することができるものである。
[顔料]
本発明に用いられる顔料は、有機顔料及び無機顔料である。また、必要に応じて、それらに体質顔料を併用することもできる。
本発明に用いられる顔料は、有機顔料及び無機顔料である。また、必要に応じて、それらに体質顔料を併用することもできる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジスアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。
好ましい有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・イエロー 13, 74, 83, 109, 110, 128, 151, 155、C.I. ピグメント・レッド 48, 57, 122, 177, 184, 188, 202, 254、C.I.ピグメント・バイオレット 19、C.I. ピグメント・ブルー 15, 15:1, 15:2, 15:3, 15:4, 16、C.I. ピグメント・グリーン 7, 36等が挙げられる。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられる。これらの中では、特に黒色水系インクにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。体質顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
これらの中では、光沢性の観点から表面極性の低い有機顔料が、より好ましい。
これらの中では、光沢性の観点から表面極性の低い有機顔料が、より好ましい。
顔料の含有量は、印字濃度及び分散安定性の観点から、ビニルポリマーの樹脂固形分100 重量部に対して、好ましくは20〜1200重量部、より好ましくは50〜900 重量部である。
[水不溶性ビニルポリマー]
本発明に用いられる水不溶性ビニルポリマーは、ノニオン性の(メタ)アクリルアミド系モノマーを含むモノマー成分(以下、本発明のモノマー成分という)を重合させて得られるものである。
本発明に用いられる水不溶性ビニルポリマーは、ノニオン性の(メタ)アクリルアミド系モノマーを含むモノマー成分(以下、本発明のモノマー成分という)を重合させて得られるものである。
ノニオン性の(メタ)アクリルアミド系モノマーは、塩生成基を有さないモノマーであり、式(I)で表わされるモノマー(以下、モノマー(I)という)が好ましい。
CH2=C(R1)CONR2R3 (I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2及びR3は同一又は異なって、酸素原子又はハロゲン原子を有していても良い炭素数1〜22の1価の炭化水素基を示し、R2 とR3は、一緒になって、ヘテロ原子を有していても良い環を形成していてもよい。)
式(I)において、R2 とR3は、同一又は異なって、酸素原子又はハロゲン原子を有していても良い炭素数1〜22の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、炭素数6〜22のアリール基が好ましい。アリール基としてアルキルアリール基、アリールアルキル基等であってもよい。アルキル基としては、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2及びR3は同一又は異なって、酸素原子又はハロゲン原子を有していても良い炭素数1〜22の1価の炭化水素基を示し、R2 とR3は、一緒になって、ヘテロ原子を有していても良い環を形成していてもよい。)
式(I)において、R2 とR3は、同一又は異なって、酸素原子又はハロゲン原子を有していても良い炭素数1〜22の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、炭素数6〜22のアリール基が好ましい。アリール基としてアルキルアリール基、アリールアルキル基等であってもよい。アルキル基としては、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、べへニル基等が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ノニルフェニル基等が挙げられる。ハロゲン原子として、塩素原子、フッ素原子、臭素原子等が挙げられる。
モノマー(I)の具体例としては、(メタ)アクリルアミド、N −(1,1―ジメチル−3−オキソブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N −ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N −ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N −ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N −ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N −ジフェニル(メタ)アクリルアミド、N −t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N −t−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N −t−オクチル(メタ)アクリルアミド、N −(1−メチルウンデシル)(メタ)アクリルアミド、N −イソボルニル(メタ)アクリルアミド、N −ノルボルニル(メタ)アクリルアミド、N −アダマンチル(メタ)アクリルアミド、N −ベンジル(メタ)アクリルアミド、N −(4−メチルフェニル)メチル(メタ)アクリルアミド、N −ジフェニル(メタ)アクリルアミド、フタリミドメチル(メタ)アクリルアミド、N −(2,2,2−トリクロロ−1−ヒドロキシ)エチル(メタ)アクリルアミド、N −(1,1,3,5−テトラメチル)オクチル(メタ)アクリルアミド、N −(1,5−ジメチル−1−エチル)ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N −イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N −メチロール(メタ)アクリルアミド、N −シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N −(1,1,3−トリメチル)ブチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミドモノマーが挙げられる。ノニオン性の(メタ)アクリルアミド系モノマーは、本発明のインクジェット記録用水系インクの専用紙に印字した際に、光沢性を高めるという優れた効果を発現するものである。
本発明のモノマー成分中における、ノニオン性の(メタ)アクリルアミド系モノマーの含有量は、光沢性の観点から、0.1〜40重量%が好ましく、1〜30重量%が更に好ましく、3〜20重量%が特に好ましい。
本発明のモノマー成分は、更に塩生成基含有モノマー及び疎水性モノマーを含有することが好ましい。
塩生成基含有モノマーとしては、アニオン性モノマー及びカチオン性モノマーが挙げられる。
アニオン性モノマーとしては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。不飽和カルボン酸モノマーとしては、(メタ)アクリル酸〔(メタ)アクリル酸は、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらの混合物を意味する〕、スチレンカルボン酸、マレイン酸系モノマー(無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸モノアミド又はそれらのうちの2種類以上の混合物)、イタコン酸等が挙げられる。不飽和スルホン酸モノマーとしては、2-(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、2-(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-アルキル(炭素数1〜4)プロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸等が挙げられる。不飽和リン酸モノマーとしては、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル-2- アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル-2-メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル-2-アクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル-2-メタクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。これらの中では、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、中でもアクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
カチオン性モノマーとしては、不飽和3級アミン含有モノマー、不飽和アンモニウム塩含有モノマー等が挙げられ、具体的には、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-(N',N'- ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、メタクリロイルオキシエチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート等が挙げられる。これらの中では、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
本発明のモノマー成分中における塩生成基含有モノマーの含有量は、分散安定性の観点から、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは2〜40重量%、更に好ましくは5〜20重量%である。
本発明に用いられる疎水性モノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート、芳香環含有モノマー等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル部分が炭素数1〜18のアルキル基であるアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
なお、前記(イソ又はターシャリー)及び(イソ)は、これらの基が存在している場合とそうでない場合の双方を意味し、これらの基が存在していない場合には、ノルマルを示す。
芳香環含有モノマーは、耐水性の観点から、スチレン、ビニルナフタレン、α―メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、4−ビニルビフェニル、1,1−ジフェニルエチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸及びネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステルからなる群より選ばれる1種以上が好ましい。これらの中ではスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びビニルナフタレンからなる群より選ばれる1種以上が、耐水性、耐擦過性の観点からより好ましい。
疎水性モノマーとしては、芳香環含有モノマーが好ましい。
疎水性モノマーとしては、芳香環含有モノマーが好ましい。
本発明のモノマー成分中における疎水性モノマーの含有量は、印字濃度の観点から、好ましくは1〜60重量%、より好ましくは2〜50重量%、更に好ましくは5〜40重量%である。
本発明のモノマー成分は、更にポリオキシアルキレン又はアリーレン基含有モノマーを含むことが好ましい。本発明に用いられるポリオキシアルキレン又はアリーレン基含有モノマーの代表例としては、式(II)で表されるモノマー(以下、モノマー(II)という)が挙げられる。
CH2=C(R1)COO(R4O)rR5 (II)
(式中、R1は前記の意味を示し、R4はヘテロ原子を有していても良い炭素数1〜30の2価の炭化水素基、R5は水素原子又はヘテロ原子を有していても良い炭素数1〜30の1価の炭化水素基、rは1〜60の数を示し、r個のR4は同一でも異なっていてもよい。)
式(II)において、ヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)及び硫黄原子が挙げられる。
(式中、R1は前記の意味を示し、R4はヘテロ原子を有していても良い炭素数1〜30の2価の炭化水素基、R5は水素原子又はヘテロ原子を有していても良い炭素数1〜30の1価の炭化水素基、rは1〜60の数を示し、r個のR4は同一でも異なっていてもよい。)
式(II)において、ヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)及び硫黄原子が挙げられる。
R4の代表例としては、置換基を有していてもよい炭素数6〜30の2価の芳香族環、置換基を有していてもよい炭素数3〜30の2価のヘテロ環及び置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキレン基が挙げられる。これらの環又は基は、2種以上を組合わせたものであってもよい。置換基としては、炭素数6〜29の芳香族環、炭素数3〜29のヘテロ環、炭素数1〜29のアルキル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、アミノ基等が挙げられる。
R4の好適な例としては、炭素数1〜24の置換基を有していてもよいフェニレン基、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20のアルキレン基、置換基として芳香族環を有する炭素数7〜30のアルキレン基及び置換基としてヘテロ環を有する炭素数4〜30のアルキレン基が挙げられる。
また、R4O基の好適な例としては、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、トリメチレンオキシ基、テトラメチレンオキシ基、ヘプタメチレンオキシ基、ヘキサメチレンオキシ基及びこれらアルキレンオキシ基の1種以上の組合せからなる炭素数2〜7のアルキレンオキシ基やフェニレンオキシ基が挙げられる。最も好ましくは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基である。r個のR4は、同一でも異なっていてもよく、異なる場合は、ブロック付加、ランダム付加、交互付加等いずれであってもよい。
R5は、水素原子又はヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の1価の炭化水素基である。ヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子が挙げられる。R5の代表例としては、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数6〜30の1価の芳香族環、置換基を有していてもよい炭素数3〜30の1価のヘテロ環、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基が挙げられる。置換基としては、炭素数6〜29の芳香族環、炭素数4〜29のヘテロ環、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アミノ基等が挙げられる。
R5の好適な例としては、水素原子、フェニル基、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、置換基として芳香族環を有する炭素数7〜30のアルキル基及び置換基としてヘテロ環を有する炭素数4〜30のアルキル基が挙げられる。R5のより好適な例としては、水素原子、メチル基、エチル基、(イソ)プロピル基、(イソ)ブチル基、(イソ)ペンチル基、(イソ)ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基等が挙げられる。
rは1〜60の数であるが、好ましくは1〜30の数、より好ましくは3〜10の数である。
rは1〜60の数であるが、好ましくは1〜30の数、より好ましくは3〜10の数である。
モノマー(II)の具体例としては、ポリエチレングリコール(2〜30:式(II)中のrの値を示す。以下同じ)(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール(1〜15)・プロピレングリコール(1〜15))(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(2〜30)(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、メトキシポリテトラメチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、(イソ)プロポキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、メトキシ(エチレングリコール・プロピレングリコール共重合)(1〜30、その中のエチレングリコール:1〜29)(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
モノマー(II)の中では、ポリエチレングリコール(2〜30)(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(2〜30)(メタ)アクリレートが好ましい。
本発明のモノマー成分中におけるポリオキシアルキレン又はアリーレン基含有モノマーの含有量は、印字濃度の観点から、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは3〜40重量%、更に好ましくは5〜30重量%である。
本発明のモノマー成分は、更にマクロモノマーを含有することが好ましい。本発明に用いられるマクロモノマーの代表例としては、片末端に重合性官能基を有し、好ましくは数平均分子量が500 〜500000、より好ましくは1000〜10000 であるマクロモノマーが挙げられる。
なお、マクロモノマーの数平均分子量は、溶媒として1mmol/L のドデシルジメチルアミン含有クロロホルムを用いたゲルクロマトグラフィーにより、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
マクロモノマーの具体例としては、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロモノマー、片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロモノマー、片末端に重合性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系マクロモノマー、例えばメチルメタクリレート系マクロモノマー、ブチルアクリレート系マクロモノマー、イソブチルメタクリレート系マクロモノマー等が挙げられる。これらの中では、ビニルポリマーに顔料を十分に含有させる観点から、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロモノマーが好ましい。
片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロモノマーとしては、片末端に重合性官能基を有するスチレン単独重合体、及び片末端に重合性官能基を有する、スチレンと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
片末端に重合性官能基を有する、スチレンと他のモノマーとの共重合体において、他のモノマーとしては、アクリロニトリル等が挙げられる。また、そのスチレンの含有量は、顔料が十分にビニルポリマーに含有されるようにする観点から、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロモノマーの中では、片末端に重合性官能基としてアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有するスチレン系マクロモノマーが好ましい。
商業的に入手しうるスチレン系マクロモノマーとしては、例えば、東亜合成(株)製のAS-6, AS-6S, AN-6, AN-6S, HS-6S, HS-6等が挙げられる。
シリコーン系マクロモノマーの中では、式(III):
X(Y)pSi(R6)3-q(Z)q (III)
(式中、Xは重合可能な不飽和基、Yは2価の結合基、R6はそれぞれ独立して水素原子、低級アルキル基、アリール基又はアルコキシ基、Zは500 以上の数平均分子量を有する1価のシロキサンポリマーの残基、pは0又は1、qは1〜3の整数を示す)
で表されるシリコーン系マクロモノマーが、インクジェットプリンターのヘッドの焦げ付きを防止する観点から好ましい。
X(Y)pSi(R6)3-q(Z)q (III)
(式中、Xは重合可能な不飽和基、Yは2価の結合基、R6はそれぞれ独立して水素原子、低級アルキル基、アリール基又はアルコキシ基、Zは500 以上の数平均分子量を有する1価のシロキサンポリマーの残基、pは0又は1、qは1〜3の整数を示す)
で表されるシリコーン系マクロモノマーが、インクジェットプリンターのヘッドの焦げ付きを防止する観点から好ましい。
式(III)で表されるシリコーン系マクロモノマーにおいて、Xで示される重合可能な不飽和基の代表例としては、CH2=CH−基、CH2=C(CH3)−基等の炭素数2〜6の1価不飽和炭化水素基が挙げられる。Yで示される2価の結合基の代表例としては、−COO−基、−COOCaH2a−基(aは1〜5の整数を示す)、フェニレン基等の2価の結合基が挙げられる。これらの中では−COOC3H6−が好ましい。R6の具体例としては、水素原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜5の低級アルキル基;フェニル基等の炭素数6〜20のアリール基、メトキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基等が挙げられる。これらの中では、メチル基が好ましい。Zは、好ましくは数平均分子量500 〜5000の1価のジメチルシロキサンポリマーの残基である。pは、好ましくは1である。qは、好ましくは1である。
更に好適なシリコーン系マクロモノマーの例としては、式(IV)、(V)、(VI)又は(VII)で表されるマクロモノマー等が挙げられる。
CH2=CR1-COOC3H6-[Si(R7)2-O]b-Si(R7)3 (IV)
(式中、R1は前記と同じ。R7はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキル基、bは5〜60の数を示す。)
CH2=CR1-COO-[Si(R7)2-O]b-Si(R7)3 (V)
(式中、R1、R7及びbは前記と同じ。)
CH2=CR1-Ph-[Si(R7)2-O]b-Si(R7)3 (VI)
(式中、Phはフェニレン基、R1、R7及びbは前記と同じ。)
CH2=CR1-COOC3H6-Si(OE)3 (VII)
〔式中、R1は前記と同じ。Eは式:-[Si(R7)2-O]c-Si(R7)3基(R7は前記と同じで、cは5〜65の数)を示す。〕
これらのシリコーンマクロモノマーの中では、式(IV)で表されるシリコーンマクロモノマーがより好ましく、式(VIII):
CH2=C(CH3)-COOC3H6-[Si(CH3)2-O]d-Si(CH3)3 (VIII)
(式中、dは8〜40の数を示す。)
で表されるシリコーン系マクロモノマーが特に好ましい。その商業的に入手しうるシリコーン系マクロモノマーの例として、FM-0711 〔チッソ(株)製、商品名〕等が挙げられる。
(式中、R1は前記と同じ。R7はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキル基、bは5〜60の数を示す。)
CH2=CR1-COO-[Si(R7)2-O]b-Si(R7)3 (V)
(式中、R1、R7及びbは前記と同じ。)
CH2=CR1-Ph-[Si(R7)2-O]b-Si(R7)3 (VI)
(式中、Phはフェニレン基、R1、R7及びbは前記と同じ。)
CH2=CR1-COOC3H6-Si(OE)3 (VII)
〔式中、R1は前記と同じ。Eは式:-[Si(R7)2-O]c-Si(R7)3基(R7は前記と同じで、cは5〜65の数)を示す。〕
これらのシリコーンマクロモノマーの中では、式(IV)で表されるシリコーンマクロモノマーがより好ましく、式(VIII):
CH2=C(CH3)-COOC3H6-[Si(CH3)2-O]d-Si(CH3)3 (VIII)
(式中、dは8〜40の数を示す。)
で表されるシリコーン系マクロモノマーが特に好ましい。その商業的に入手しうるシリコーン系マクロモノマーの例として、FM-0711 〔チッソ(株)製、商品名〕等が挙げられる。
本発明のモノマー成分中におけるマクロモノマーの含有量は、耐水性の観点から、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは3〜40重量%、更に好ましくは5〜30重量%である。
本発明の水不溶性ビニルポリマーは、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により、モノマー成分を共重合させることによって得られる。これらの重合法の中では、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法で用いる溶媒としては、有機溶媒が好ましく、有機溶媒として水混和性有機溶媒を用いる場合、水混和性有機溶媒と水とを混合して用いることもできる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜3の脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン又はこれらのうちの1種以上と水との混合溶媒が好ましい。
なお、重合の際には、ラジカル重合開始剤を用いることができる。好ましいラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。また、ラジカル重合開始剤として、t−ブチルペルオキシオクトエート、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジベンゾイルオキシド等の有機過酸化物を使用することもできる。
モノマー成分に対する重合開始剤の量は、好ましくは0.001〜5モル%、より好ましくは0.01〜2モル%である。
モノマー成分に対する重合開始剤の量は、好ましくは0.001〜5モル%、より好ましくは0.01〜2モル%である。
なお、重合の際には、さらに重合連鎖移動剤を添加してもよい。重合連鎖移動剤の具体例としては、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、メルカプトエタノール等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタン等の炭化水素類;及びアクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、タービノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、α−メチルスチレンダイマー、さらに9,10−ジヒドロアントラセン、1,4−ジヒドロナフタレン、インデン、1,4−シクロヘキサジエン等の不飽和環状炭化水素化合物;2,5−ジヒドロフラン等の不飽和ヘテロ環状化合物等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
モノマー成分の重合条件は、使用するラジカル重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等によって異なるが、通常、重合温度は30〜100℃、好ましくは50〜80℃であり、重合時間は1〜20時間である。また、重合雰囲気は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法によってビニルポリマーを単離することができる。また、得られたビニルポリマーは、再沈澱を繰り返したり、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去して精製することができる。
本発明の水不溶性ビニルポリマーの重量平均分子量は、印字濃度及び光沢性の観点から、好ましくは10000〜300000、より好ましくは20000〜250000、更に好ましくは30000〜200000である。
尚、水不溶性ビニルポリマーの重量平均分子量は、標準物質としてポリスチレン、溶媒として50mmol/LのLiBrを含有するジメチルホルムアミドを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した値である。
[水不溶性ビニルポリマーの水分散体]
本発明の水不溶性ビニルポリマーの水分散体は、例えば、水不溶性ビニルポリマーを有機溶媒に溶解し、得られた溶液に顔料を添加し、予備混練し、次いで中和剤及び水を添加して混練し、分散処理を施すことによって水中油型の分散体を調製し、得られた混練物から有機溶媒を除去することによって得ることができる。混錬及び分散処理を行う際には、例えば、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、高速撹拌型分散機等を用いることができる。これらの中では、無機不純物の混入量を少なくすることができる観点から、高圧ホモジナイザーが好ましい。
本発明の水不溶性ビニルポリマーの水分散体は、例えば、水不溶性ビニルポリマーを有機溶媒に溶解し、得られた溶液に顔料を添加し、予備混練し、次いで中和剤及び水を添加して混練し、分散処理を施すことによって水中油型の分散体を調製し、得られた混練物から有機溶媒を除去することによって得ることができる。混錬及び分散処理を行う際には、例えば、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、高速撹拌型分散機等を用いることができる。これらの中では、無機不純物の混入量を少なくすることができる観点から、高圧ホモジナイザーが好ましい。
ここでいう「有機溶媒」とは、101kPaでの沸点が130℃未満である有機溶媒を意味する。有機溶媒の中では、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒及びエーテル系溶媒が好ましい。
アルコール系溶媒として、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。ケトン系溶媒として、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル系溶媒として、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。これらの有機溶媒の中では、イソプロパノール、アセトン及びメチルエチルケトンが好ましい。
中和剤として、塩生成基の種類に応じて酸又は塩基を使用することができる。酸としては、塩酸、硫酸等の無機酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等の有機酸が挙げられる。塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の3級アミン類、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。中和度には、特に限定がないが、通常、得られる水分散体の液性が中性、例えば、pHが4 〜10であることが好ましい。
塩生成基を中和させた後の水不溶性ビニルポリマーの25℃での水に対する溶解度は、耐水性の観点から15重量%以下が好ましく、水系インクの低粘度化の観点から10重量%以下が更に好ましく、5重量%以下が特に好ましく、1重量%以下が最も好ましい。
本発明の水分散体中の、顔料を含有する水不溶性ビニルポリマーの粒径は、ノズルの目詰まり防止及び分散安定性の観点から、好ましくは0.01〜0.50μm、より好ましくは0.02〜0.20μmである。
尚、顔料を含有する水不溶性ビニルポリマーの粒径は、レーザー粒子解析システム〔大塚電子(株)製、ELS−8000〕を用いて測定した値である。
本発明の水分散体における、顔料を含有する水不溶性ビニルポリマーの含有量(固形分)は、印字濃度及び分散安定性の観点から、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜30重量%である。
本発明において、顔料を含有する水不溶性ビニルポリマーは、少なくとも顔料と水不溶性ビニルポリマーにより粒子が形成されているものであれば粒子形態は特に制限されるも
のではなく、例えば、水不溶性ビニルポリマーに顔料が内包された粒子形態、水不溶性ビニルポリマーに顔料が均一に分散された粒子形態、水不溶性ビニルポリマーに顔料が内包されているが、粒子表面に一部の顔料が露出した粒子形態等が含まれる。
のではなく、例えば、水不溶性ビニルポリマーに顔料が内包された粒子形態、水不溶性ビニルポリマーに顔料が均一に分散された粒子形態、水不溶性ビニルポリマーに顔料が内包されているが、粒子表面に一部の顔料が露出した粒子形態等が含まれる。
[水系インク]
本発明のインクジェット記録用水系インク中における水分散体の含有量は、通常、印字濃度及び吐出安定性の観点から、顔料を含有する水不溶性ビニルポリマー粒子の固形分量として、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜15重量%となるように調整することが望ましい。
本発明のインクジェット記録用水系インク中における水分散体の含有量は、通常、印字濃度及び吐出安定性の観点から、顔料を含有する水不溶性ビニルポリマー粒子の固形分量として、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜15重量%となるように調整することが望ましい。
本発明の水系インクには、必要により、湿潤剤、分散剤、消泡剤、防黴剤、キレート剤等の添加剤を添加することもできる。
湿潤剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノn−ブチルエーテル等の多価アルコール及びそのエーテル、アセテート類、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等の含窒素化合物等が挙げられる。水系インク中における湿潤剤の含有量は、好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは0.1〜30重量%である。水系インク中の水の含有量は、40〜90重量%が好ましい。
本発明の水系インクには更に、界面活性剤等のアニオン系、ノニオン系、カチオン系、及び両性の分散剤を配合してもよい。水系インク中における分散剤の含有量は、好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは1〜20重量%である。
例中の「部」は、特記しない限り「重量部」である。
製造例1〜3
表1に示すモノマー、有機溶媒(メチルエチルケトン)、重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)、重合開始剤を用い、窒素ガス置換を十分に行った反応容器内で、75℃攪拌下重合し、モノマー成分(100部)に対してメチルエチルケトン(40部)に溶解した2, 2' −アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリル)(0.9部)で未反応モノマーを追い切り、その後80℃で1時間熟成させ、ポリマー溶液A〜Cを得た。得られたポリマーの重量平均分子量を表1に示す。
表1に示すモノマー、有機溶媒(メチルエチルケトン)、重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)、重合開始剤を用い、窒素ガス置換を十分に行った反応容器内で、75℃攪拌下重合し、モノマー成分(100部)に対してメチルエチルケトン(40部)に溶解した2, 2' −アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリル)(0.9部)で未反応モノマーを追い切り、その後80℃で1時間熟成させ、ポリマー溶液A〜Cを得た。得られたポリマーの重量平均分子量を表1に示す。
尚、ポリマーの重量平均分子量は、標準物質としてポリスチレン、溶媒として50mmol/LのLiBrを含有するジメチルホルムアミドを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した。
なお、表1に示す化合物の詳細は、以下のとおりである。
・アクリルアミド:和光純薬工業(株)製、1級試薬
・ポリプロピレングリコールモノメタクリレート:プロピレンオキシドの付加モル数=平均9モル、末端水酸基
・ポリエチレングリコールモノメタクリレート:エチレンオキシドの付加モル数=平均23モル、末端メトキシ基
・スチレンマクロモノマー:東亜合成(株)製、商品名:AS−6S、数平均分子量:6000 、重合性官能基:メタクリロイルオキシ基
・V−65:和光純薬工業(株)製、重合開始剤、2, 2' −アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリル)
・アクリルアミド:和光純薬工業(株)製、1級試薬
・ポリプロピレングリコールモノメタクリレート:プロピレンオキシドの付加モル数=平均9モル、末端水酸基
・ポリエチレングリコールモノメタクリレート:エチレンオキシドの付加モル数=平均23モル、末端メトキシ基
・スチレンマクロモノマー:東亜合成(株)製、商品名:AS−6S、数平均分子量:6000 、重合性官能基:メタクリロイルオキシ基
・V−65:和光純薬工業(株)製、重合開始剤、2, 2' −アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリル)
実施例1
ポリマー溶液Aから減圧乾燥させて得られたポリマー5部を、メチルエチルケトン15部に溶かし、その中に中和剤(5N水酸化ナトリウム水溶液)を所定量加えてメタクリル酸を中和した。更にモノアゾ系イエロー顔料〔C.I.ピグメント・イエロー74 、大日精化工業(株)製〕15部を加え、水を加えながら分散機で処理した。
ポリマー溶液Aから減圧乾燥させて得られたポリマー5部を、メチルエチルケトン15部に溶かし、その中に中和剤(5N水酸化ナトリウム水溶液)を所定量加えてメタクリル酸を中和した。更にモノアゾ系イエロー顔料〔C.I.ピグメント・イエロー74 、大日精化工業(株)製〕15部を加え、水を加えながら分散機で処理した。
得られた混練物に、イオン交換水100部を加え、攪拌した後、減圧下、60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去したのち、5μmのフィルター〔アセチルセルロース膜、外径:2.5cm 、富士写真フイルム(株)製〕を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ〔テルモ(株)製〕で濾過し、粗大粒子を除去し、平均粒径98nmの水分散体を得た(固形分として25重量%)。
得られた水分散体に、表2に示す成分を加え、特開平11−349876号公報記載の実施例1と同様にして水系インクを調製した。
なお、表2に示す化合物の詳細は、以下のとおりである。
・サーフィノール465:ノニオン活性剤、エアプロダクツ社製
・Ploxel XL2(S):抗菌剤、アビシア(株)製
実施例2
ポリマー溶液Bから減圧乾燥させて得られたポリマーを用いる以外は実施例1と同様にして、平均粒径107nmの水分散体を得た(固形分として25重量%)。更に得られた水分散体に、表2に示す成分を加え、同様にインクを調製した。
・サーフィノール465:ノニオン活性剤、エアプロダクツ社製
・Ploxel XL2(S):抗菌剤、アビシア(株)製
実施例2
ポリマー溶液Bから減圧乾燥させて得られたポリマーを用いる以外は実施例1と同様にして、平均粒径107nmの水分散体を得た(固形分として25重量%)。更に得られた水分散体に、表2に示す成分を加え、同様にインクを調製した。
比較例1
ポリマー溶液Cから減圧乾燥させて得られたポリマーを用いる以外は実施例1と同様にして、平均粒径97nmの水分散体を得た(固形分として25重量%)。更に得られた水分散体に、表2に示す成分を加え、同様にインクを調製した。
ポリマー溶液Cから減圧乾燥させて得られたポリマーを用いる以外は実施例1と同様にして、平均粒径97nmの水分散体を得た(固形分として25重量%)。更に得られた水分散体に、表2に示す成分を加え、同様にインクを調製した。
実施例1〜2及び比較例1で得られた水系インクの物性を下記方法に基づいて評価した。その結果を表2に示す。
(1)分散安定性
レーザー粒子解析システム〔大塚電子(株)製、ELS−8000〕を用い、インクに含まれている、顔料を含有するポリマー粒子の平均粒径(以下、保存前の平均粒径という)を測定した。このポリマー粒子を40℃に調整した減圧乾燥機〔ヤマト科学(株)製、DP33〕で12時間乾燥した後、同様の方法にて平均粒径(以下、保存後の平均粒径という)を測定した。分散安定性の指標として、分散安定度を下記式に従って求め、以下の評価基準に基づいて評価した。
レーザー粒子解析システム〔大塚電子(株)製、ELS−8000〕を用い、インクに含まれている、顔料を含有するポリマー粒子の平均粒径(以下、保存前の平均粒径という)を測定した。このポリマー粒子を40℃に調整した減圧乾燥機〔ヤマト科学(株)製、DP33〕で12時間乾燥した後、同様の方法にて平均粒径(以下、保存後の平均粒径という)を測定した。分散安定性の指標として、分散安定度を下記式に従って求め、以下の評価基準に基づいて評価した。
分散安定度(%)=[保存後の平均粒径/保存前の平均粒径]×100
<評価基準>
◎:分散安定度が100%以上120 %未満
○:分散安定度が120 %以上140 %未満
△:分散安定度が140 %以上160%未満
×:分散安定度が160%以上
(2)光沢性
セイコーエプソン(株)製のインクジェットプリンター(型番:EM−900C)を用い、専用紙〔セイコーエプソン社製、PM写真用紙〕にベタ印字し、25℃で1日放置後、光沢度を光沢計(日本電飾(株)製、品番:PG-1M、測定角60°) で測定し、以下の評価基準に基づいて評価した。
<評価基準>
◎:分散安定度が100%以上120 %未満
○:分散安定度が120 %以上140 %未満
△:分散安定度が140 %以上160%未満
×:分散安定度が160%以上
(2)光沢性
セイコーエプソン(株)製のインクジェットプリンター(型番:EM−900C)を用い、専用紙〔セイコーエプソン社製、PM写真用紙〕にベタ印字し、25℃で1日放置後、光沢度を光沢計(日本電飾(株)製、品番:PG-1M、測定角60°) で測定し、以下の評価基準に基づいて評価した。
<評価基準>
◎:光沢度が100以上
○:光沢度が85以上100未満
△:光沢度が70以上85未満
×:光沢度が70未満
(3)印字濃度
(2)と同様のプリンターを用い、普通紙〔ゼロックス社製、コピー用紙4024〕にベタ印字し、25℃で1日放置後、印字濃度をマクベス濃度計(マクベス社製、品番:RD914) で測定し、以下の評価基準に基づいて評価した。
◎:光沢度が100以上
○:光沢度が85以上100未満
△:光沢度が70以上85未満
×:光沢度が70未満
(3)印字濃度
(2)と同様のプリンターを用い、普通紙〔ゼロックス社製、コピー用紙4024〕にベタ印字し、25℃で1日放置後、印字濃度をマクベス濃度計(マクベス社製、品番:RD914) で測定し、以下の評価基準に基づいて評価した。
<評価基準>
◎:印字濃度が1.2以上
○:印字濃度が1.1以上1.2 未満
△:印字濃度が1.0 以上1.1 未満
×:印字濃度が1.0未満
◎:印字濃度が1.2以上
○:印字濃度が1.1以上1.2 未満
△:印字濃度が1.0 以上1.1 未満
×:印字濃度が1.0未満
表2に示された結果より、比較例1の水系インクに対して、実施例1〜2の水系インクは、いずれも、分散安定性に優れ、専用紙における光沢性が高く、普通紙における印字濃度が高い印刷物が得られることがわかる。
Claims (7)
- 顔料を含有する水不溶性ビニルポリマーの水分散体であって、水不溶性ビニルポリマーが、ノニオン性の(メタ)アクリルアミド系モノマーを含むモノマー成分を重合させてなるものである、インクジェット記録用水分散体。
- ノニオン性の(メタ)アクリルアミド系モノマーが、式(I)で表わされるモノマーである、請求項1記載のインクジェット記録用水分散体。
CH2=C(R1)CONR2R3 (I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2及びR3は同一又は異なって、酸素原子又はハロゲン原子を有していても良い炭素数1〜22の1価の炭化水素基を示し、R2 とR3は、一緒になって、ヘテロ原子を有していても良い環を形成していてもよい。) - 水不溶性ビニルポリマーが、更に、塩生成基含有モノマー及び疎水性モノマーを共重合させて得られるものである、請求項1又は2記載のインクジェット記録用水分散体。
- 水不溶性ビニルポリマーが、更に、式(II)で表わされるポリオキシアルキレン又はアリーレン基含有モノマーを共重合させて得られるものである、請求項1〜3いずれかの項記載のインクジェット記録用水分散体。
CH2=C(R1)COO(R4O)rR5 (II)
(式中、R1は前記の意味を示し、R4はヘテロ原子を有していても良い炭素数1〜30の2価の炭化水素基、R5は水素原子又はヘテロ原子を有していても良い炭素数1〜30の1価の炭化水素基、rは1〜60の数を示し、r個のR4は同一でも異なっていてもよい。) - 水不溶性ビニルポリマーが、更にマクロモノマーを共重合させて得られるものである、請求項1〜4いずれかの項記載のインクジェット記録用水分散体。
- 水不溶性ビニルポリマーが、10000〜300000の重量平均分子量を有する、請求項1〜5いずれかの項記載のインクジェット記録用水分散体。
- 請求項1〜6いずれかの項記載の水分散体を含有するインクジェット記録用水系インク。
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