JPH072430B2

JPH072430B2 - 記録用シート

Info

Publication number: JPH072430B2
Application number: JP1121414A
Authority: JP
Inventors: 勝俊簾田; 隆文長谷川
Original assignee: Asahi Glass Co Ltd
Current assignee: AGC Inc
Priority date: 1988-12-16
Filing date: 1989-05-17
Publication date: 1995-01-18
Anticipated expiration: 2010-01-18
Also published as: JPH02276670A; JPH02276671A

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は、水性および油性のいずれのインクでも記録可
能な透明シートに関するものである。

［従来の技術］近年、各種学会、会議等のプレゼンテーション用とし
て、従来のスライドプロジェクターに替わり、オーバー
ヘッドプロジェクターが用いられる機会が多くなってい
る。また、印刷の分野でも、各種の出版物や、包装等の
用途で、透明な印刷物が求められるようになっている。

これらの透明なシートへの印字、印刷は、基材であるシ
ートそれ自体に吸収性が無いため、一般の紙面上に行な
う印刷に比べ印刷の速度や乾燥の面で特別な配慮が必要
である。

また、オーバーヘッドプロジェクター用のシート等の、
ごく少量の印刷物を得るために、パーソナルコンピュー
ターやワープロを用いて原稿を編集し、プリンターによ
って印字する方法が広く行なわれており、そのプリンタ
ーとして、フルカラー化が容易なことからインクジェッ
ト方式が注目されている。

また、インク受容層中に半径40〜1000Åの細孔を持つ多
孔性アルミナキセロゲルを有するインクジェット記録媒
体も知られている。（特開昭60−245588号公報参照）［発明の解決しようとする問題点］しかしながら、透明シートに対して従来の如きインクジ
ェット方式を採用すると、多量のインクが取り扱われる
ため、吸収性の乏しい透明シートへの印字はごく低品位
の場合のみ可能であり、フルカラー化は殆ど不可能に近
かった。

また、特開昭60−245588号に示されたインクジェット記
録媒体においては、インクの受容体としてアルミナキセ
ロゲルが用いられているため、粒子径が比較的大きくな
り、従って、粒子間間隙も大きくなる。この結果、光の
散乱が生じ、透明性が損なわれ、像が白っぽくなる欠点
を有している。そしてこの傾向は基材が透明材である程
著しくなる。

［問題点を解決するための手段］本発明者はこれら従来法が有する諸欠点を排除し、透明
基材上にインクジェットプリントを施しても透明性を失
わず、かつ充分にフルカラー発色し得る記録用シートを
得ることを目的として種々の研究、検討した結果、特定
のアルミナを特定の細孔容積に揃えて透明シート上にイ
ンクの受容層として用いることにより前記目的を達成し
得ることを見出した。

かくして本発明は、透明な基材上に多孔質のインク受容
層を設けた記録用シートにおいて、インク受容層が主と
して擬ベーマイトよりなり、そのインク受容層の半径10
0〜1000Åを有する細孔の全容積が0.1cc/g以下であるこ
とを特徴とする記録用シートを提供するにある。

本発明に用いられる基材としては、透明であれば特に限
定はされず、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリ
エステル、ジアセテート等の有機フィルムやシート、各
種ガラス等を用い得る。

また、基材の厚さは目的により選ばれ、特に限定されな
い。これら基材は、使用に際し、後述するインク受容層
との接着性を良好ならしめるため、コロナ放電処理等の
表面処理を行なったり、プレコート層を設けることも出
来る。

本発明におけるインク受容体としては擬ベーマイトが用
いられる。かかる擬ベーマイトとしては、半径100〜100
0Åを有する細孔の全容積が0.1cc/g以下である必要があ
る。かかる半径およびその全容積が前記範囲を超過する
場合には、光の散乱が生じ、印刷された像が白っぽくな
りフルカラー化が困難となるので不適当である。

望ましくはこれらの物性に加え、インク受容体の半径40
〜100Åを有する細孔の全容積が0.1〜0.4cc/g、更に望
ましくはこれに加うるに半径10〜40Å未満を有する細孔
の全容積が0.2〜1.0cc/gが好ましい。かくすることによ
り、いずれの色においても十分発色し、鮮明な像を得る
ことができる。

そして、本発明においてはこれら物性を有するインクの
受容体として擬ベーマイトを用いる場合に限り、インク
中の染料を十分吸着し、透明性を損なわない程度の細孔
容積でも十分な発色効果が得られ、他のアルミナ物質で
は困難である。

更に具体的には後述する実施例に示した如き触媒化成工
業（株）から市販されている商品名「カタロイドAS−
３」の如き擬ベーマイトゾルに代表される様な、Al₂O₃
固形分に換算して７重量％を含有するアルミナゾルを純
水により100倍に稀釈し、これを親水化したコロジオン
膜上に滴下して乾燥せしめた場合、一定方向に配向した
毛束状のアルミナ水和物の集合体を形成する様なアルミ
ナゾルから得られる擬ベーマイトが最適である。

かかる擬ベーマイトの層厚は印刷、印字に用いられるイ
ンク量により適宜選択されるが、一般には１〜20μ程度
を採用するのが適当である。層厚が前記範囲を逸脱する
と発色性が不安定になったり透明性が損なわれたりする
恐れがあるので好ましくない。擬ベーマイト層を透明基
材上に設ける手段としては、擬ベーマイトとバインダー
の混合スラリーをロールコーター、エアナイフコータ
ー、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコーター
等の各種コーターにより基材上に塗布し、乾燥する手段
が主として用いられる。擬ベーマイトとしては、そのゾ
ルを用いると好ましいインク受容層を容易に得ることが
できるので望ましい。

バインダーとしては、一般にデンプンやその変性物、PV
Aやその変性物、SBRラテックス、NBRラテックス、ヒド
ロキシセルロース、ポリビニルピロリドン等の有機物を
用いることができる。

また、その使用量は、余り少ないと受容層の強度が不十
分となり、逆に余り多すぎるとインクの吸収性を阻害す
るので好ましくなく、一般に擬ベーマイトの10〜50重量
％程度を採用するのが適当である。尚、本発明における
細孔径分布の測定は窒素吸脱着法（オミクロンテクノロ
ジー社製オムニソープ100」）により行なった。

以下に実施例に示すが、本発明による記録シートはイン
クジェット方式のみに用い得るものではない。

［実施例］尚、実施例、比較例で得られた記録用シートの評価方法
は次に示す方法で行なった。

印字：シャープ社カラーイメージジェットプリンター
IO-735を用いて、黒色で1cm×1cmのパターンを印字し
た。

色濃度：で印字したシートに白紙で裏あてをして、
黒色の反射色濃度をサクラデンシトメータPDA45で測定
した。

解像度：で印字したシートのパターンのにじみ具合
から４段階で評価した。

（0:最悪、3:最良）透明性：印字していない部分に黒紙で裏あてをして色
濃度を測定した。黒紙そのものの色濃度を100とし、％
で表したものを評価値とした。

ヘイズ:JIS K-7105によった。

実施例擬ベーマイトゾル（触媒化成社製カタロイドAS-3）５重
量部（固形分）、ポリビニルアルコール（クラレ社製PV
A117）１重量部（固形分）および水からなる固形分約10
重量％のコート液を調整し、ポリエチレンテレフタレー
トフィル（東レ社製、厚さ100μ）に、バーコーターに
より乾燥時の膜厚が５μとなるよう塗布し乾燥して記録
用シートを得た。

比較例１実施例１の擬ベーマイトゾルの代わりにアモルファスア
ルミナゾル（日産化学社製アルミナゾル100）を用いた
以外は実施例１と同様の方法でシートを得た。

比較例２実施例１の擬ベーマイトゾルの代わりにシリカゾル（触
媒化成社製カタロイドSI-40）を用いた以外は実施例１
と同様の方法でシートを得た。

これらのシートのインク受容層の物性および評価結果を
表１に示す。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】透明な基材上に多孔質のインク受容層を設
けた記録用シートにおいて、インク受容層が主として擬
ベーマイトよりなり、そのインク受容層の半径100〜100
0Åを有する細孔の全容積が0.1cc/g以下であることを特
徴とする記録用シート。
【請求項２】インク受容層の半径10〜40Åを有する細孔
細孔の全容積が0.2〜1.0cc/g、かつ、半径40〜100Åを
有する細孔の容積が0.1〜0.4cc/gである請求項１の記録
用シート。
【請求項３】擬ベーマイトは、Al₂O₃固形分に換算して
７重量％を含有するアルミナゾルを純水により100倍に
稀釈し、これを親水化したコロジオン膜上に滴下して乾
燥せしめた場合、一定方向に配向した毛状束のアルミナ
水和物の集合体を形成する様なアルミナゾルから得られ
る擬ベーマイトである請求項１または請求項２の記録用
シート。