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JP2008246373A - 厨芥処理システム - Google Patents

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康雄 三宅
Yasuhiro Okubo
泰宏 大久保
Kazuo Yamazaki
和生 山崎
Kazuyoshi Aoki
一義 青木
Susumu Isoda
進 磯田
Jun Kono
純 河野
Yosuke Tsuyama
陽祐 津山
Takashi Uchida
崇 打田
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Nishihara Engineering Co Ltd
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Abstract

【課題】厨芥を減容化しながらも、厨芥が有している有機物由来のエネルギーの損失を極力抑え、有効利用度の非常に高い厨芥を取り出すことが可能な厨芥処理システムを得ることにある。
【解決手段】建物内に設置された厨房排水管1A,1B,1Fと、複数箇所に設置され、厨芥を粉砕する粉砕機2A,2Bと、該粉砕機に水を供給する給水器3A,3Bと、粉砕された厨芥および水の混合排水を粉砕固形物および分離液に固液分離する固液分離機4A,4Bと、該固液分離機4A,4Bから前記厨房排水管1A,1Bへ前記分離液を移送する分離液移送管5A,5Bとからなるものである。
【選択図】図1

Description

この発明は、厨芥を処理する厨芥処理システムに関するものであって、特に、ホテル等の宿泊施設や多数の飲食店が入居する飲食店ビルや複合ビルのような集合住宅に比べて多量の厨芥が発生する建物に設置される厨芥処理システムに関するものである。
従来、ホテルのような宿泊施設では、施設内に宴会場やレストランが複数箇所設けられている場合が多く、その数に対応して調理を行う業務用厨房が設けられているのが一般的である。また、それらの業務用厨房からは、調理時に野菜、肉、魚介等のくず、後片付け時には残飯等、いわゆる厨芥が大量に発生する。この場合において発生する厨芥は、各業務用厨房の従業員や清掃員が業務用厨房で袋詰めして建物内の厨芥収集場に運搬することで集められ、そこから定期的に運搬業者が運搬車で処理場まで搬送して処理されている。多数の飲食店が入居する飲食店ビルや複合ビルにおいても、各飲食店から多量の厨芥が発生し、宿泊施設の場合と同様に処理されている。
また、それらの業務用厨房からは厨芥以外にも、調理時や調理器具および食器の洗浄時等で水を使用することにより、BOD、SS、n−Hexが高濃度の厨房排水が発生する。前記の宿泊施設の場合では、各厨房の厨房排水は、各業務用厨房当たりの規模が大きく、それが複数箇所設けられているため、大量の厨房排水が発生する。飲食店ビル、複合ビル等の場合においては、各店舗の業務用厨房の規模は大規模ではないにしても、多数の店舗が同居しているので、宿泊施設の場合と同様、大量の厨房排水が発生する。このような大量の厨房排水が発生する建物が、同一の下水処理場の処理対象エリア内に多数存在すると、下水処理場の処理能力以上の処理負荷が掛かってしまい、所定値以下の水質の処理水を維持できなくなってしまう恐れがある。このようなことを防止するため、法令等で、厨房排水の1日当たり排水量が所定値以上である建物については、建物内で厨房排水を排出基準値以下の水質にまで浄化する排水処理装置である除害施設の設置が義務付けられている。すなわち、建物内の各業務用厨房の厨房排水は、厨房排水管によってまとめられて、排水処理装置に送られ、そこで浄化処理された後、下水道に放流されるようになっている。
一方、集合住宅においても、排出量自体は少ないが各家庭(住戸)で厨芥が発生する。従来は、各居住者が自ら厨芥を袋詰して集合住宅共用のごみ収集所や公共のごみ収集所まで運搬し、ゴミ収集車がごみ収集所から厨芥のごみ袋を回収してごみ処理場まで運搬し、そこで焼却処理されていた。しかし、ゴミ収集車によるごみ回収は毎日行われるわけではないため、ごみ収集所に集められた厨芥に起因する臭気や虫害の発生が問題となっていた。そこで、近年、厨芥等の固形物を粉砕できる粉砕機を流し台シンクの排水口と器具排水管の間に設置する厨芥処理装置が開発された。居住者は、厨芥を流し台シンクに投入して粉砕機で厨芥を粉砕し、粉砕機洗浄用の水や他の生活排水と共に器具排水管から住居外に排出していた。
しかし、この粉砕した厨芥と洗浄水等との混合排水は、BOD、SS、n−Hexともに通常の生活排水に比べて高い。同一の下水処理場の処理エリア内にこの厨芥処理装置を設置する集合住宅が多数あると、下水処理場の処理負荷の限界を超えてしまう恐れがあった。また、下水道処理場の処理負荷軽減のため、各住戸から排出される粉砕した厨芥と洗浄用の水との混合排水と生活排水を1つにまとめて排水処理装置で浄化処理しようとしても全体の排水量が多大になることから排水処理装置が大規模になってしまい、集合住宅居住者の費用負担が多大になってしまう。厨芥処理装置の排水処理装置には、ランニングコストが安価な微生物の浄化作用を利用する生物処理装置を適用する場合が多い。生物処理装置は、浄化処理能力は微生物と処理対象の排水との接触時間による部分が大きく、処理水量が多くなると必然的に処理水槽の容積も大きくなってしまう。そのようなことから、現在では、厨芥処理装置が設置されている流し台シンクの排水(厨芥処理装置使用時の粉砕された厨芥および粉砕機洗浄用の水、通常の流し台利用時における排水)と他の生活排水(トイレ、浴室、洗面所等)とは、別の排水系統とし、当該他の生活排水の系統は、従来と同様に排水処理を行わず下水道に直接放流とすることを許可する一方、厨芥処理装置が設置されている流し台シンクの排水については、単独系統で1つにまとめ、排水処理装置で排出基準値以内に浄化してから下水道に放流するように法令等で定められている。
集合住宅の場合においては、各住戸の流し台シンクの排水口に粉砕機を設置し、各住戸の排水を排水管でまとめて、排水処理装置で厨芥を含む混合排水を浄化処理する厨芥処理システムによって、厨芥に起因する臭気や虫害の発生の問題を解決でき、それなりの効果をあげていた。これまで、厨芥処理システムに関しては、以下の特許文献1から特許文献3に記載の発明が提案されている。
特許文献1には、集合住宅向けの厨芥処理システムが示されている。この厨芥処理システムは、破砕装置、枝パイプ、メインパイプおよび分離機で主に構成されている。この厨芥処理システムは、まず、各家庭における厨房の流しに隣接して破砕装置が設けられており、その破砕装置で厨芥は粉砕され、水と共に枝パイプに流される。各枝パイプからの厨芥と水との混合物は、メインパイプに合流され、建物の最下階に設置されてメインパイプが接続する分離機で固形物の厨芥と液体の水とに固液分離される。分離された厨芥は輸送車両によって建物外に搬出され、液体の水は下水に放流されるようになっている。
特許文献2には、粉砕装置、脱水装置、生物処理装置および焼却装置で主に構成されている厨芥処理装置が記載されている。この厨芥処理装置では、厨芥を上水と共に粉砕装置で粉砕してスラリー状にし、脱水装置で固形分と脱離液に固液分離し、脱離液は生物処理装置で浄化処理され、固形分は焼却装置で焼却して廃棄物の発生量を減容化できるようになっている。
特許文献3には、粉砕部、排水配管部、分離部、固形物処理部、生物処理部、沈殿部および貯留部で構成されている排水処理システムが記載されている。この排水処理システムでは、まず、粉砕部で水供給部から供給される洗浄水と共に厨芥を粉砕し、排水配管部で分離部へ搬送する。分離部では、厨芥の固形物と排水に固液分離し、排水は生物処理部で微生物により浄化処理され、沈殿部で余剰微生物由来の汚泥が分離され、上澄処理水を下水道や合併処理浄化槽に放流する。一方、沈殿部で分離された汚泥は分離部に返送され、厨芥固形物とともにスクリューコンベアで固形物処理部へ移送され、固形物処理部では微生物による分解処理等で減容化が行われるようになっている。
特開昭62−240203号公報(第1実施例、図1) 特開平7−19436号公報(段落番号[0007〜0012]、図1) 特開2002−282899号公報(段落番号[0029〜0037]、図2)
従来の厨芥処理システムは、集合住宅向けのものがほとんどであり、粉砕厨芥と洗浄水の混合排水のほか、流し台シンクからの生活排水(調理時の排水、食器洗浄排水等)も生物処理を行うシステムである。集合住宅内で発生する厨芥量は、業務用厨房で発生する量に比べて非常に少なく、また流し台シンクからの生活排水は、業務用厨房で排出される厨房排水に比べてBODはさほど高くなく、n−Hexも低いため、粉砕厨芥と生活廃水の混合排水のBOD、SSおよびn−Hexはさほど高い数値とはならない。このため、集合住宅向けの厨芥処理システムは、単純な処理方式の生物処理装置で粉砕厨芥と流し台シンクの生活排水を同時に処理しており、これでも十分に法令で定める排出基準値を満たすことができていた。
しかし、業務用厨房から発生する厨房排水は、BOD、SSおよびn−Hexが共に高濃度であり、厨芥発生量も多い。よって、厨房排水と粉砕厨芥との混合排水は、BOD、SSおよびn−Hexがともに非常に高い数値となる。このため、集合住宅向けの厨芥処理システムでは、生物処理装置で排出基準値以下にまで処理することができない。法令で定める排出基準値まで浄化できるようにするには、複雑で大掛かりな多段階の処理フローの生物処理装置が必須となり、生物処理装置の設置スペースも大きく、イニシャルコストおよびランニングコストも大きく、大変不経済なシステムになってしまうため、厨芥を粉砕して厨房排水と共に生物処理装置で浄化処理する方法は、ほとんど採用されていなかった。
仮に、粉砕した厨芥を固液分離せずに排水とともに生物処理装置に送り、そこで生物化学的処理を行う厨芥処理システムを採用したとしても、粉砕された厨芥と排水中の有機物は、好気性微生物あるいは嫌気性微生物によって分解処理され、大量の汚泥が固形物として残る。そして残った汚泥は、好気性微生物あるいは嫌気性微生物が厨芥中の有機物を分解してエネルギーを取り出し、そのエネルギーを元に増殖した生物汚泥であるので、元の厨芥に比べて非常に低いエネルギーしか残っていない状態となる。このため、汚泥の利用用途は、堆肥として利用する、焼却処理して建設資材の原料として利用する、セメントの原料として利用する程度の非常に限定的な用途でしか利用できず、資源再利用の面でも問題となっていた。
特許文献1に示されている集合住宅向けの厨芥処理システムでは、集合住宅の場合、厨芥を粉砕する破砕装置(粉砕機)が設置されている台所とメインパイプ(排水立て管)との距離が比較的短く、枝パイプ(排水横枝管)の長さも比較的短い。粉砕された厨芥を分離機まで輸送するには、破砕装置からメインパイプまで輸送することが可能な量の水と共に枝パイプ内を流下させる必要があるが、その枝パイプの長さが短いので、比較的少ない水量で粉砕された厨芥を輸送することができる。
しかし、宿泊施設等の厨房の場合では、粉砕機から排水立て管までの排水横枝管の距離が長いことが多い。このため、特許文献1に示された集合住宅向けの厨芥処理システムを宿泊施設等の厨房での厨芥処理システムに適用しようとすると、粉砕機に流入させる給水量を増やす必要があり、通常、建物内に複数の粉砕機を設置することから、給水使用量が増大してしまい、問題となっていた。
特許文献2に示されている厨芥処理装置では、粉砕装置(粉砕機)でスラリー状にした厨芥類から脱水装置(固液分離機)で固形分(粉砕固形物)を分離し、さらに焼却装置で焼却処理することによって、固形分を1/20程度まで減容化できるようになっている。しかし、固形分を焼却処理することは、厨芥が有する有機物由来のエネルギーを消費してしまい、残った灰にはほとんどエネルギーは残されておらず、建設資材用の原料等で利用する程度の非常に限定的な用途でしか利用できず、問題となっていた。
特許文献3に示されている厨芥処理装置では、固形物処理部に移送された厨芥の固形物と汚泥の混合物に対し、微生物による分解処理等で減容化が行われるようになっているが、微生物が分解処理を行う際に有機物由来のエネルギーを消費してしまうので減容化後の固形物には、非常に少ないエネルギーしか残されず、堆肥として利用する、焼却処理して建設資材の原料として利用する、セメントの原料として利用する程度の非常に限定的な用途でしか利用できず、問題となっていた。
また、固形物処理部で微生物による分解処理をせずに系外に搬出するにしても、有機物由来のエネルギーを多く保有している厨芥の固形物と、有機物由来のエネルギーを消費してしまった後の余剰微生物由来の汚泥とが混合された状態で貯留されていることから、全重量(全容量)に占める有機物由来のエネルギーの保有比率が低下してしまい、これをバイオプラント等で有効利用しようとする際に効率が悪く、問題となっていた。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、厨芥を減容化しながらも、厨芥が有している有機物由来のエネルギーの損失を極力抑え、有効利用度の非常に高い厨芥を取り出すことが可能な厨芥処理システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の厨芥処理システムは、建物内に設置された厨房排水管と、複数箇所に設置され、厨芥を粉砕する粉砕機と、該粉砕機に水を供給する給水器と、粉砕された厨芥および水の混合排水を粉砕固形物および分離液に固液分離する固液分離機と、該固液分離機から前記厨房排水管へ前記分離液を移送する分離液移送管とからなるものである。
本発明の請求項2の厨芥処理システムは、厨房排水管から厨房排水および分離液の混合液を受け入れ、浄化処理する生物処理装置を備えたことを特徴とする。
本発明の請求項3の厨芥処理システムは、建物内に設置された厨房排水管と、複数箇所に設置され、厨芥を粉砕する粉砕機と、該粉砕機に水を供給する給水器と、前記厨房排水管に粉砕された厨芥および水の混合排水を移送する厨芥移送管と、前記厨房排水管から前記厨房排水および混合排水を受け入れ、粉砕固形物および分離液に固液分離する固液分離機と、該分離液を受け入れ、浄化処理する生物処理装置とからなるものである。
本発明の請求項4の厨芥処理システムは、粉砕固形物を乾燥処理する乾燥機を備えたことを特徴とする。
本発明の請求項5の厨芥処理システムは、粉砕固形物を可溶化処理する可溶化装置を備えたことを特徴とする。
この発明に係る厨芥処理システムによれば、厨芥を粉砕機で粉砕し、固液分離機で分離液を厨房排水管へ排水し、粉砕固形物を分離して取り出すことができる。これにより、元の厨芥に比べ、粉砕固形物は水分をある程度除去することができて軽量化が図れ、厨芥を粉砕することで個々の厨芥が積み重なったときの空隙が小さくなり、袋詰した際の厨芥の全体容積を小さくすることができる。厨房等の厨芥発生箇所から施設内の厨芥の一時保管場所までの人力による運搬作業負荷の大幅な軽減を図ることができる。また、厨芥の一時保管場所から厨芥の処理場までの運送費の低減が図れ、さらには、運搬車両の燃料使用量も低減できるので、環境負荷低減にも寄与できる。
この発明に係る厨芥処理システムによれば、厨芥を粉砕し、粉砕された厨芥と水の混合排水を固液分離し、固液分離後の粉砕固形物を好気性微生物や嫌気性微生物による処理や焼却処理を行わずに搬出するようにしたことにより、厨芥中の有機物が保持しているエネルギーがほとんどそのまま維持された状態で、しかも水分の少ない粉砕固形物を取り出すことができる。この粉砕固形物は、汚泥に比べて利用用途が広く、例えば、メタン発酵処理によってメタンを取り出すことや、水素発酵処理によって水素を取り出すこと、いわゆるバイオプラントでバイオガスを取り出すことも可能であり、厨芥が有するエネルギーを有効利用できる効果がある。
厨芥を原料にメタン発酵処理や水素発酵処理を行う場合、安定した処理を行うためには、大容量の発酵槽に多量の厨芥を投入して処理する必要があり、また発酵槽内の温度を一定範囲の高い温度に維持する必要がある。1日に多くの厨芥が発生する宿泊施設であっても1つの建物からの厨芥発生量では、安定したメタン等発酵処理を行うには不十分である。1つの建物に対してメタン等発酵処理を行うバイオプラントを設置するのは、イニシャルコストやランニングコストを考慮すると費用対効果に著しく欠ける。別の場所にバイオプラントを設置し、複数の建物から厨芥を回収する形をとることが現実的である。また、発酵槽に厨芥を投入時は、厨芥に含まれる水分の影響等によって一時的に槽内温度が低下する。より安定したメタン等発酵処理を行うためには、投入される厨芥の水分量が少ない方が槽内温度の低下割合が少なくなり、より効率的な処理が可能となる。
この発明に係る厨芥処理システムでは、建物内における厨房等の所定箇所に厨芥を粉砕する粉砕機を設置し、粉砕固形物を分離する固液分離機を設置するだけで、水分量の少ない厨芥を取り出すことができるので、各建物からバイオプラントまでの厨芥の運搬が容易になり、より低コストであるメタン等発酵処理を実現できる効果がある。また、水分量の少ない厨芥を取り出すことができるので、より効率的なメタン等発酵処理が可能となる効果がある。
請求項1記載の発明に係る厨芥処理システムの場合においては、厨芥は粉砕機で粉砕された後、固液分離機で粉砕固形物が除去され、分離液だけを分離液移送管に排水するため、粉砕固形物が分離液移送管や厨房排水管に流れ込むことがない。このため、厨房排水管の横配管部分において、厨房排水の排水流量が少なく、固形物の搬送能力が低下しているときにおいても、粉砕固形物が横配管の底部に滞留する恐れがない効果がある。
請求項2記載の発明に係る厨芥処理システムの場合においては、粉砕された厨芥と水の混合排水を固液分離機で分離した分離液を厨房排水とともに生物処理装置で浄化処理する構成としたことにより、また、請求項3から請求項5記載の各発明に係る厨芥処理システムの場合においては、粉砕された厨芥と水の混合排水を厨房排水に合流させ、固液分離機で粉砕固形物を分離した後の分離液を生物処理装置で浄化処理する構成としたことにより、次のような効果がある。
ホテル、飲食店ビル、複合ビル等のような建物内に厨房が設置されており、法令で規定される水量以上の厨房排水を下水道に放流する建物の場合、厨房排水の水質を排出基準値以下に浄化する除害設備の設置が法令等で義務付けられている。除害設備の設置が義務付けられる新築建物において、除害設備と兼用することを目的として、粉砕された厨芥と水の混合排水を固液分離せずに厨房排水と共に生物処理装置で浄化処理する厨芥処理システムを設置する場合、生物処理装置では非常に高濃度の混合排水と比較的高濃度の厨房排水を同時に浄化処理する必要があることから、非常に高性能な生物処理装置を設置しなければならない。このため、厨芥処理システムを設置するためのイニシャルコスト、ランニングコストとも大幅に高いものになってしまう。また、除害設備の設置義務のある既設建物であって、未設置の建物では、生物処理装置の設置できるスペースが限られており、この厨芥処理システムを導入できず、通常の厨房排水のみを浄化処理する生物処理装置のみを設置して、除害設備としてのみ使用する場合が多い。
これに対し、請求項2から請求項5記載の各発明に係る厨芥処理システムでは、固液分離機で粉砕固形物が分離されることから、生物処理装置が処理すべき対象は、厨房排水と、粉砕厨芥から固液分離された若干高濃度であるが厨房排水に比べて少量である分離液との混合排水であり、通常の厨房排水よりも若干高濃度の混合排水である。このため、請求項2から請求項5記載の厨芥処理システムでは、従来の厨房排水のみを処理対象とする生物処理装置と同等あるいは若干性能を向上させた程度のものを設置すれば、法令等で定める排水基準を満たすことができ、厨芥処理システム設置のためのイニシャルコストおよびランニングコストを大幅に低減でき、また、生物処理装置の設置スペースは厨房排水のみを処理する場合とほとんど変わらないという大きな効果がある。
また、既存建物であって、厨房排水の除害設備として生物化学的処理方式の生物処理装置を設置している場合においても、余程処理能力に余裕のあるものでなければ粉砕固形物を固液分離せずに生物処理装置で同時に処理することは困難であり、生物処理装置の処理能力を増強するにも限度があり、実質的に粉砕固形物を含む混合排水と厨房排水とを同時処理することは困難である。請求項2から請求項5記載の各発明に係る厨芥処理システムでは、既存の生物処理装置あるいは処理能力が不足されることが懸念されるときは、処理能力向上のために生物処理装置の若干の増強工事を行う作業を追加して、これを厨芥処理システムの生物処理装置とし、さらに厨房に粉砕機を設置し、給水器、固液分離機、分離液移送管を設けるだけの低コストで厨芥処理システムを実現できる効果がある。
一般に厨房排水管には、食品洗浄等の調理関係で使用される水の排水のほかにも調理器具や食器を洗浄したときの排水も合流しており、他の系統の排水管よりも排水量が多い。大規模な建物においては、特にその傾向が強く、厨房排水管を流下する排水量が多い場合には、粉砕厨芥をそのまま厨房排水管内に合流させても、粉砕固形物が厨房排水管内に堆積してしまう可能性は低い。請求項3記載の発明に係る厨芥処理システムでは、粉砕した粉砕厨芥を厨芥移送管でそのまま厨房排水管に合流させて、各厨房排水管が1本に合流した先に固液分離機を設置して、粉砕固形物を固液分離する構成としたことにより、1箇所の固液分離機で粉砕固形物を取り出す作業を行うだけで、建物内全体の粉砕固形物を取り出すことができる効果がある。建物施設の清掃員が粉砕固形物の袋詰作業を行う場合においては、清掃員の作業負荷が大幅に軽減される効果がある。
請求項4記載の発明に係る厨芥処理システムによれば、固液分離機で分離した粉砕固形物を乾燥機で乾燥処理することが可能であることから、粉砕固形物の重量および容積を更に小さくすることができ、前記人力による運搬作業のさらなる軽減および運搬車のコスト低減、環境負荷低減に大きな効果がある。また、粉砕固形物を原料にバイオプラントでメタン等発酵処理の原料として粉砕固形物を発酵槽に投入する場合においても、乾燥機による乾燥処理によって水分重量比が大幅に低下していることから、発酵槽内の温度低下をより小さな変動で抑えることができ、さらに効率的な処理を行うことが可能となる効果もある。
バイオプラントにおけるメタン等発酵処理では、投入される厨芥は、発酵槽内でまず液状化されてからメタン生成菌でメタン発酵されてメタンが生成される。請求項5記載の発明に係る厨芥処理システムによれば、固液分離機で分離した粉砕固形物を可溶化装置で可溶化処理することが可能であることから、粉砕固形物を発酵槽内で液状化させる必要がなくなるので、より短時間で効率的にメタンを生成することができる、すなわちバイオプラントで利用しやすい厨芥を提供できるという効果がある。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における厨芥処理システムのフロー図である。この実施の形態1の厨芥処理システムは、建物内に設置された厨房排水管1と、建物内の複数箇所に設置され、投入された厨芥を粉砕する粉砕機2A,2Bと、該粉砕機2A,2Bに水を供給する給水器3A,3Bと、前記粉砕機2A,2Bで粉砕された厨芥および水の混合排水を導入して粉砕固形物と分離液に固液分離する固液分離機4A,4Bと、該固液分離機4A,4Bからそれぞれの系統の前記厨房排水管1に前記分離液を移送する分離液移送管5A,5Bとから主要部が構成されている。図1では、建物内で距離の離れた2箇所の業務用厨房から発生する厨芥を処理する厨芥処理システムについて図示されている。
厨房排水管1は、各業務用厨房内で発生する厨房排水が合流する各厨房排水管1A,1Bと、各厨房排水管1A,1Bからの厨房排水を合流して下水道等の建物外に排水する厨房排水管1Fにより構成されている。通常、1つの業務用厨房には複数の流し台シンクが設けられている。流し台シンクには、給水栓や給湯栓が設けられており、厨房で働く従業員等が、食材を洗浄するときや、煮汁等を捨てるとき、調理器具や食器等を洗浄するときに水や湯が使用された結果として排水が発生する。業務用厨房内の各流し台から発生する排水は、流し台シンクの排水口から器具排水管を経由して各業務用厨房の排水を受け持つ厨房排水管1A,1Bにそれぞれ合流している。この厨房排水管1A,1B内を流れる排水は、一般に厨房排水と呼ばれている。
各業務用厨房には、厨芥を粉砕する粉砕機2A,2B、粉砕機に水を供給する給水器3A,3B、粉砕された厨芥と水の混合排水を粉砕固形物と分離液に固液分離する固液分離機4A,4B、分離液を厨房排水管に移送する分離液移送管5A,5Bが業務用厨房毎にセットで設けられている。固液分離機4A,4Bから分離液移送管5A,5Bによって移送される分離液はその濃度が高いので、上流側で流し台シンクの器具排水管が接続して厨房排水管1A,1B内の厨房排水の水量が多くなる位置で分離液を合流させることが望ましい。つまり、極力、厨房排水管1A,1Bの下流側に分離液移送管5A,5Bを接続することが望ましい。
粉砕機2A,2Bは、集合住宅向けの厨芥処理システムで通常使用されている粉砕機が適用可能であるが、基本的に厨芥を細かく粉砕できるのであれば、どのような構造であってもよい。粉砕機2A,2Bの粉砕方式には、筒状の粉砕室内にステンレス鋼等からなる突起物が円周付近の表面に取り付けられた円盤が電動機等の動力で高速回転することによって、粉砕室内に投入された厨芥を粉砕するハンマーミル方式、粉砕刃が粉砕室内で高速回転して厨芥を粉砕するカッターミル方式のほか、チェーンミル方式等がある。粉砕機2A,2Bは、流し台シンクの排水口に粉砕室上方の投入口が直結するように接続し、粉砕室から粉砕厨芥と水の混合排水が流出する排水口と固液分離機4A,4Bの導入口とを配管で接続するように配置される。ただし、流し台シンクに設置することに限定されるわけではなく、厨芥投入専用の円錐あるいは角錐状の槽の底部に投入口を設け、そこに粉砕機2A,2Bの投入口を直結した構成としてもよい。
粉砕機2A,2Bの作動方式には、例えば、手元スイッチや足元スイッチを押して作動させる方式や、厨芥を粉砕機2A,2Bの投入口から投入後に、該投入口を上蓋で蓋をすることで粉砕機2A,2Bのスイッチが自動的に入るタイプ等があるが、どのような方式であってもよい。粉砕室内の洗浄用としてあるいは粉砕厨芥を固液分離機4A,4Bまで流すために必要な水の粉砕機2A,2Bへの給水については、例えば、流し台シンクに備え付けられている飲用や食品・食器・厨房器具等の洗浄用で主に用いられる水栓(給水器3A,3Bの一種)を手動で開いて給水する方式や、粉砕機2A,2Bの粉砕室に給水管が接続され、該給水管に組み付けられた電磁弁等の自動開閉弁によって、粉砕機2A,2Bの作動に伴い自動的に給水する方式等がある。
固液分離機4A,4Bは、平面スクリーンを配置して、平面スクリーン上方から粉砕した厨芥と水の混合排水を導入し、重力で平面スクリーンから分離液を通過させて固液分離するタイプ、回転する筒状容器内に前記混合排水を流入させて分離液を遠心分離するタイプ等が適用可能である。
また、固液分離機4A,4Bは、円筒状で外周にスリット状のスクリーンを備えた回転容器を横置きにし、その回転容器を覆う外側容器とからなる固液分離機であって、外側容器に前記混合排水を導入し、スリット状のスクリーンから回転容器内部へ分離水を通過させるタイプの固液分離機も適用可能である。このタイプの固液分離機は、回転容器の外周に外側容器の内壁に堆積する粉砕固形物を掻き出す突起が設けられており、その突起によって、粉砕固形物は外側容器内の混合排水面より上方に設けられた排出口まで掻き出されて、固液分離機外に排出されるようになっている。そして、排出口は管路等で貯留容器に繋がっており、排出口から排出された粉砕固形物は、貯留容器に貯留されるようになっている。
次に、実施の形態1の厨芥処理システムの動作について説明する。
処理したい厨芥を業務用厨房内に設置された粉砕機2A,2Bの投入口から投入し、厨芥が投入された粉砕機2A,2Bを作動させる。その作動中は、給水器3A,3Bから粉砕機2A,2Bの粉砕室内に給水が行われる。このとき、粉砕機2A,2Bの粉砕室内では、粉砕された厨芥と水とが混合され、その混合排水が粉砕機2A,2Bの粉砕室内の回転力によって固液分離機4A,4Bへ強制的に送り込まれる。固液分離機4A,4Bでは、粉砕機2A,2Bからの混合排水を、厨芥中の固形分である粉砕固形物と分離液とに固液分離する。固液分離後の粉砕固形物は、固液分離機4A,4B内に貯蔵されているか、あるいは固液分離機4A,4Bの最寄りに設置されている貯留容器に移送されて貯留される。貯留された粉砕固形物は、業務用厨房の従業員や建物施設の清掃員等によって、定期的に貯留容器から搬出される。
固液分離機4A,4Bで粉砕固形物と分離された分離液は、分離液移送管5A,5Bによって、最寄りの厨房排水管1A,1Bに移送される。これらの厨房排水管1A,1Bには、その厨房排水管1A,1Bが受け持つ業務用厨房の流し台シンク等からの厨房排水が合流して流れており、それらの厨房排水に前記分離液が合流して混合排水となり、各厨房排水管1A,1Bは、厨房配水管1Fで1つに合流して建物の最下階まで移送されて下水道等の建物外に放流される。
なお、この実施の形態1の厨芥処理システムでは、図1に示したように、建物内の離れた2箇所の業務用厨房での適用例を示したが、3箇所以上の業務用厨房がそれぞれ離れたところにある建物においても当然適用可能である。その場合は、各業務用厨房には必ず厨房排水管が配置されているので、それに加えて粉砕機、給水器、固液分離機、分離液移送管をセットで図1の場合と同様に配置するとよい。また、建物内で業務用厨房同士の距離が近いところにおいては、厨房排水管を兼用している場合が多いことから、粉砕機、給水器、固液分離機、分離液移送管も1セット設置して両業務用厨房で共用してもよい。
以上のように、実施の形態1の厨芥処理システムによれば、次のような数々の効果が得られる。
(1)分離液移送管5A,5Bで分離液を厨房排水管1A,1Bに排出することにより、既設の業務用厨房を有し、厨房排水管が配設されている建物においても、分離液を系外に放流する配管を新たに付設する必要がなく、厨芥処理システムの設置コストを低減できる。
(2)厨芥を粉砕機2A,2Bで粉砕し、粉砕された厨芥と水の混合排水を固液分離機4A,4Bで粉砕固形物と分離液とに固液分離し、その分離液を厨房排水管1A,1Bに排出して粉砕固形物を取り出すことができる。これにより、元の厨芥に比べ、粉砕固形物は水分をある程度除去することができて軽量化が図れると共に、厨芥を粉砕することで個々の厨芥を集積したときの空隙が小さくなり、袋詰した際の厨芥の全体容積を小さくすることができる。
(3)厨房等の厨芥発生箇所から施設内の厨芥一時保管場所までの人力による運搬作業負荷の大幅な軽減を図ることができる。また、厨芥一時保管場所から厨芥処理場までの運送費の低減も図れ、さらには、運搬車両の燃料使用量も低減できるので、環境負荷低減にも寄与できる。
(4)粉砕された厨芥と水の混合排水を固液分離し、固液分離後の粉砕固形物を、好気性微生物や嫌気性微生物による処理や焼却処理を行わずに搬出することができるので、厨芥中の有機物が保持しているエネルギーが殆どそのまま維持された状態で、しかも水分の少ない粉砕固形物を取り出すことができる。
(5)この粉砕固形物は、汚泥に比べて利用用途が広く、例えば、メタン発酵処理によってメタンを取り出すことや、水素発酵処理によって水素を取り出すこと、いわゆるバイオプラントでバイオガスを取り出すことも可能となり、このため、厨芥が有するエネルギーを有効利用することができる。
(6)固液分離機4A,4Bから搬出された粉砕固形物は水分量が少ないので、メタン等発酵処理時における発酵槽内の温度低下の割合が少なくなり、より安定したメタン等発酵処理を低コストで効率的に行うことが可能となる。
(7)厨芥が粉砕機2A,2Bで粉砕され、その粉砕固形物が固液分離機4A,4Bで除去されて分離液だけが分離液移送管5A,5Bから厨房排水管1A,1Bに排水されるため、粉砕固形物が分離液移送管5A,5Bや厨房排水管1A,1Bに流れ込むことがない。このため、厨房排水管1A,1Bの横配管部分において、厨房排水の排水流量が少なく、固形物の搬送能力が低下しているときにおいても、粉砕固形物が横配管部の底部に滞留する恐れがない。
(8)建物施設の作業員が固液分離機4からの粉砕固形物の回収作業を行う場合には、作業員の負荷軽減の観点から見ると、厨房排水管1A,1Bが合流した厨房排水管1Fに大型の固液分離機を1台設置する構成のほうが、粉砕固形物の回収作業の効率がよい。通常、建物施設の作業員の人件費は、その建物内に業務用厨房を有する店舗(飲食店等)を構えて営業している各事業者が負担しなければならない。厨芥処理システムは、現状では法令等で特に設置が義務付けられているわけではない。特に、飲食店ビルや複合ビルのような業務用厨房を有する多くの事業者が建物内で事業を営んでいる形態の建物の場合、利便性を選択して厨芥処理システムを採用したいと考える事業者と、コスト増を懸念して厨芥処理システムは不必要と考える事業者が混在することが予想されるので、大型の固液分離機を設置して、建物施設の作業員にメンテナンスさせ、その設置費用や維持管理費を各事業者で負担し合う形態を実現することは難しい。この実施の形態1の厨芥処理システムでは、各事業者で厨芥処理システムの採否を選択することができ、粉砕固形物の搬出作業も従業員が行うことも可能でランニングコストも低減することができる。
実施の形態2.
図2は、実施の形態2における厨芥処理システムのフロー図であり、図1と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態2では、前記実施の形態1の厨芥処理システムにおける各業務用厨房の厨房排水管1A,1Bが合流した厨房排水管1Fの下流側に生物処理装置12を設けた点が前記実施の形態1と大きく異なる。
図3に実施の形態2の厨芥処理システムで適用可能な生物処理装置12の一例を示す。この生物処理装置12は、処理対象の各業務用厨房からの厨房排水と分離液の混合排水を厨房排水管1Fから流入させて貯留する貯留槽13、この貯留槽13からの混合排水を浄化処理するばっ気槽14、およびばっ気槽14からの混合排水を沈殿処理する沈殿槽150を備えている。貯留槽13内の混合排水は、移送手段16によってばっ気槽14に移送するようにしてある。ばっ気槽14内の混合排水は、移送管17によって沈殿槽150に移送するようにしてある。そして、沈殿槽150内の底部に沈殿する汚泥を多く含む排水(以下、このような汚泥を多く含む排水を汚泥排水という。)は、汚泥返送手段18によってばっ気槽14に返送するようにしてある。
すなわち、この実施の形態2における厨芥処理システムでは、生物処理装置12に従来の好気性微生物による活性汚泥法を適用しており、特に、沈殿槽150で沈殿処理された汚泥排水を汚泥返送手段18によってばっ気槽14に返送する標準式活性汚泥法を適用している。
さらに詳述すると、厨房排水管1Fには各業務用厨房からの混合排水を流通させるスクリーン20を配設してある。このスクリーン20は、混合排水(主として厨房排水)に含まれている比較的大きく異質な浮遊物質、つまり夾雑物を除去する前処理のために配設してある。スクリーン20はその構造を限定するものではなく、混合排水中の夾雑物の除去が可能であればどのような構造のものでも適用できる。しかし、混合排水中の夾雑物の量が生物処理装置12で分解可能な程度である場合には、スクリーン20を設置する必要はない。
貯留槽13は、厨房排水管1Fから流入した混合排水を一時的に貯留するものであり、その貯留槽13には粗大気泡を混合排水中に吐出する散気装置210を設置してある。この散気装置210は、貯留槽13内の一方の側壁側底面に配置された散気管220、貯留槽13の外部に配置したブロワ23、および散気管220とブロワ23を接続した空気供給管24によって構成してある。そして、貯留槽13内の一方の側壁側底面の散気管220から粗大気泡を混合排水中に吐出させて、散気管220の上方の混合排水に粗大気泡の浮力を付与して上昇流を発生させ、散気管220が配設されない他方の側壁側の混合排水に下降流を発生させることで、貯留槽13内の混合排水に撹拌流を発生させている。これによって、貯留槽13内に貯留される混合排水が嫌気性化することを防止している。
ばっ気槽14は、混合排水を好気性処理によって浄化するもの、すなわち貯留槽13から移送手段16によって移送された汚水中の有機物を、ばっ気槽14内の混合排水や沈殿槽150から返送される汚泥排水に含まれる好気性微生物によって分解するものとしてある。ばっ気槽14には、微細気泡を槽内底面全面から混合排水中に噴出する散気装置25を設置してある。この散気装置25は、ばっ気槽14内の底部全面に配置した散気管26、ばっ気槽14の外部に配置したブロワ27、および散気管26とブロワ27を接続した空気供給管28によって構成してある。
なお、粗大気泡は、混合排水に溶存しにくい特性がある上に、粗大気泡が混合排水中を上昇する際に、周囲の混合排水に浮力を付与する特性があるので、貯留槽13のように、混合排水に上昇流を発生させる必要がある場合に特に適している。一方、微細気泡は、混合排水に溶存し易い特性がある反面、気泡が混合排水中を上昇する途上で溶存して消滅していくので、周囲の混合排水に大きな浮力を付与することは難しい。このため、ばっ気槽14のように、混合排水に空気を溶け込ませて好気性微生物に酸素を与える必要がある場合に特に適している。
貯留槽13とばっ気槽14はそれぞれの散気装置210と散気装置25によってそれぞれ常時散気されるので、貯留槽13とばっ気槽14には散気された空気と各槽内で発生するガスをその臭気を低減して系外に排出するための図示しない排気手段を設置してある。この排気手段は、貯留槽13とばっ気槽14からそれぞれ立ち上げた排気用分岐管と、これらの排気用分岐管を合流させた1本の排気用本管と、この排気用本管に順次に配設したミストセパレータ、排気ファン、および脱臭塔によって構成してある。
沈殿槽150は、底面がホッパー状の水槽とし、ばっ気槽14から流入した混合排水を上層の上澄水と下層の汚泥排水とに分離するものであり、下層の汚泥排水には、汚泥と共に多量の好気性微生物を含有している。沈殿槽150の移送管17が接続している側と反対側の側面の所定位置には上澄水を越流させる越流堰29を設けてある。また、沈殿槽150の外側には、越流堰29から越流した上澄水を系外に放出するための上澄水移送管30を配設してある。このような沈殿槽150では、移送管17から混合排水が流入するごとに上澄水の水位が上昇し、上澄水は越流堰29を越流して上澄水移送管30に流れ込む。必要であれば、上澄水移送管30の先に図示しない放流水槽を設置し、この放流水槽に上澄水を一時的に貯留するように構成することも可能である。この構成は、放流水槽に貯留した上澄水をポンプと移送管によって系外に移送することになるが、上澄水を例えば公共下水道に放流する場合で放流水量が規制されている場合に好適となる。
貯留槽13、ばっ気槽14、沈殿槽150は、建物内の床下ピットを利用する躯体水槽や、床上スペースを利用する床上設置型水槽とすることができる。躯体水槽とする場合には、床上スペースをその他の目的に活用できるので好ましいが、水槽内面にエポキシ樹脂などのライニングによる防水層を形成する必要がある。床上設置型水槽とする場合には、貯留槽13をFRP、ポリプロピレンなどの合成樹脂や、鋼板、ステンレス鋼などの金属や、コンクリートで形成することができる。
貯留槽13内の混合排水をばっ気槽14へ移送する移送手段16は、貯留槽13内の混合排水中に設置した移送ポンプ160と、一端を移送ポンプ160に接続し他端をばっ気槽14に開口させた移送管161と、この移送管161の途中に配設した計量槽162によって構成してある。計量槽162は、その内部に設けた堰によって混合排水の移送量を定量に制御する構造としてある。そして、計量槽162において堰から流出した余分の混合排水は、図示しない返送管を介して貯留槽13に戻すようにしてある。
このような移送手段16は上記の構成に限定するものではない。例えば、移送ポンプ160は水中ポンプとしたが、陸上ポンプとして計量槽162の一次側において移送管161に配設し、水中ポンプに代えてフート弁を配設する構成も適用できる。また、移送管161に計量槽162を配設する代りに、移送管161の途中と貯留槽13とを接続するバイパス管を配設し、移送管161には流量計を配設し、バイパス管に電動弁、空圧弁、油圧弁などの制御弁を配設し、流量計の計測値が所定流量を維持するように制御弁を制御する構成とすることもできる。
移送管17は、ばっ気槽14と沈殿槽150を管で連通する構成としてある。しかし、移送管17はばっ気槽14内の混合排水を沈殿槽150に確実に移送できるのであれば、その構造を限定するものではない。例えば、移送管17は、混合排水を堰によってばっ気槽14から沈殿槽150に自然に流出させる構造、混合排水を開口路によってばっ気槽14から沈殿槽150に自然に流出させる構造とすることができる。また、ばっ気槽14内の混合排水をポンプと移送管によって沈殿槽150へ強制的に圧送する構造などとすることができるが、その場合、計量槽等によってポンプ起動による移送量を一定に制御するようにしてポンプにON/OFFで移送量を制御できるようにしておく必要がある。さらに、特に、混合排水をポンプで沈殿槽150に圧送する場合や、自然に流出させる構成でも沈殿槽150に流入する混合排水の流量が多い場合、流入する混合排水で沈殿槽150内の下層の汚泥排水の一部が上層の上澄水にまで巻き上げられて撹拌されてしまい、沈殿処理に支障が生じることがある。この場合、移送管17の沈殿槽150側の開口に流入する混合排水の流速を減衰する役割を有するバッフルやセンターウェルを設置するとよい。
沈殿槽150内の汚泥排水をばっ気槽14に返送する汚泥返送手段18は、沈殿槽150内の底部に配置した返送ポンプ180、一端を返送ポンプ180に接続し他端をばっ気槽14に開口させた汚泥返送管181、この汚泥返送管181の途中に配設した計量槽182によって構成してある。計量槽182は、移送手段16の場合と同様に、内部に設けた堰によって移送量を制御し、計量槽182において堰から流出した余分の汚泥排水を図示しない返送管を介して沈殿槽150に返送する構造としてある。なお、汚泥返送手段18は、この構成に限定されるわけではなく、返送ポンプ180に代えて、エアリフトで汚泥排水をばっ気槽14へ返送するようにしてもよい。
ばっ気槽14の散気管26は、例えば粒状樹脂を隙間が残るように固めた素材から筒状または板状に形成したものとすることができる。しかし、これらの散気管26の材料や構造は、比較的微細な気泡を混合排水中に吐出できる構造であれば限定されるものではない。例えば、散気管26は、多数の比較的径大の穴を有する管の外周に多数の小孔を有するゴムを巻回した構造や、円形ディスク状で円周部分に多数の小孔を有する構造のディスクディフューザとすることができる。また、散気管26は、袋状散気管、サラン巻散気管、ボックスエアレータ、シャーフューザなどとすることもできる。
貯留槽13は概ね平面状の底面を有しており、この底面の一部には凹状のポンプ釜場(図示せず)を設けてあり、ポンプ釜場内に移送手段16の移送ポンプ160を配置している。貯留槽13の底面にはポンプ釜場に向かって低下する所定勾配を与え、混合排水中の固形物が貯留槽13の底面上に滞留しないようにしてある。このような貯留槽13の底面の所定勾配は、10〜15度程度であるのが好ましい。
移送管17の沈殿槽150側は、所定の高さ位置で開口されている。越流堰29は、上澄水を設定水位で越流させる高さ位置で移送管17が開口する側面と反対側の側面に設けられており、上澄水移送管30は越流堰29の高さ位置に対応させて設けてある。沈殿槽15の底面の隅部には凹状のポンプ釜場(図示せず)を設け、このポンプ釜場内に返送手段18の返送ポンプ180を配置している。
次に、この実施の形態2における生物処理装置12の作用を説明する。なお、実施の形態2における生物処理装置12を除く厨芥処理システムの動作は前記実施の形態1と同様に行われるので、その動作説明は省略する。
各業務用厨房からの厨房排水と固液分離機4A,4Bからの分離液とが厨房排水管1Fで合流し、その混合排水が貯留槽13に流入するが、この間にスクリーン20が前処理として混合排水中の夾雑物を除去する。スクリーン20を通過した混合排水は貯留槽13内に流入して一時的に貯留される。貯留槽13では、散気手段210がその散気管220から空気を汚水中に噴出することにより、混合排水は攪拌されて嫌気性化を防止している。
貯留槽13内の混合排水は、移送手段16の移送ポンプ160を作動させることで移送管161からばっ気槽14に移送される。この際に混合排水は、移送手段16の計量槽162によって流量が調整され、定量としてばっ気槽14に移送される。同時に、ばっ気槽14には沈殿槽150から汚泥返送管181を通って汚泥排水が返送され、ばっ気槽14内の混合排水と混合する。この際にも、汚泥返送手段18は計量槽182によって汚泥排水の流量を調整し、定量でばっ気槽14に返送されている。汚泥排水は多量の好気性微生物を含んでいるが、その好気性微生物の活性は低下していて有機物の吸着・分解能力が大幅に低下している状態となっている。しかし、ばっ気槽14では、散気装置25が散気管26から空気を混合排水(貯留槽13からの混合排水と沈殿槽15からの汚泥排水との混合排水)中に常時噴出するので、好気性微生物が再度活性化されて有機物を吸着・分解可能な状態となり、既に自らが吸着している有機物を分解する。次いで、好気性微生物は混合排水中の有機物を吸着し、更には分解を開始して好気性処理を行う。
ばっ気槽14で好気性処理された混合排水は移送管17を通って沈殿槽150へ越流する形で流れる。沈殿槽150に流れ込む混合排水の流量は、貯留槽13からばっ気槽14へ流れ込む混合排水の流量と同量となる。沈殿槽150では混合排水が静置され、上層の上澄水と下層の汚泥排水とに沈降分離される。そして、上澄水は越流堰29を越流し、上澄水移送管30を通って処理水として下水道等の建物外に放流される。この上澄水移送管30を通って流出する上澄水の水量は、ばっ気槽14から移送管17を通って沈殿槽150に流入する混合排水の水量から、沈殿槽150からばっ気槽14へ返送される汚泥排水の水量を差し引いた分となる。
なお、この実施の形態2における生物処理装置12は、活性汚泥法による排水処理方式を適用したが、これに限定される必要はなく、同じ好気性微生物を用いた接触ばっ気方式による排水処理、好気ろ床方式、長時間ばっ気方式も適用可能である。また、嫌気性微生物による嫌気性処理も適用可能であり、前記好気性処理と嫌気性処理とを組み合わせた多段階処理も適用可能である。さらに、厨房排水と分離液の混合排水をこれらの処理によって浄化した処理水に対してろ過処理等を行ってより浄化し、便器の洗浄水や散水等に再利用できるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態2における厨芥処理システムでは、固液分離機4A,4Bで粉砕固形物を分離した後の分離液を厨房排水とともに生物処理装置12で浄化処理する構成としたことにより、実施の形態1に示した効果に加えて、次のような効果がある。
粉砕された厨芥と水の混合排水を固液分離せずに厨房排水と共に生物処理装置12で浄化処理する厨芥処理システムとする場合、生物処理装置12では非常に高濃度の混合排水と比較的高濃度の厨房排水を同時に浄化処理する必要があることから、図3に示したような標準式活性汚泥法のような比較的単純な浄化処理では法令等で定める排出基準値を満たす水質にまで浄化することは困難である。
これに対し、この実施の形態2における厨芥処理システムでは、固液分離機4A,4Bで粉砕固形物が分離されることから、生物処理装置12が処理すべき対象は、厨房排水と粉砕厨芥から固液分離された若干高濃度であるが厨房排水に比べて少量である分離液との混合排水であり、通常の厨房排水よりも若干高濃度の混合排水であるので、標準式活性汚泥法等の比較的単純な浄化処理でも法令等で定める排出基準値を満たす水質にまで浄化することが十分に可能となるという大きな効果がある。
また、この実施の形態2における厨芥処理システムでは、生物処理装置12に比較的単純な浄化方式を適用できることから、厨芥処理システム設置のためのイニシャルコストおよびランニングコストを大幅に低減でき、しかも、生物処理装置12の設置スペースは厨房排水のみを処理する場合とほとんど変わらないという大きな効果がある。
また、既存建物であって、厨房排水の除害設備として生物化学的処理方式の生物処理装置を既に設置している場合においても、余程処理能力に余裕のあるものでなければ粉砕固形物を固液分離せずに生物処理装置で同時に処理することは困難であり、生物処理装置の処理能力を増強するにも限度があり、実質的に粉砕固形物を含む混合排水と厨房排水とを同時処理することは困難であった。
これに対し、この実施の形態2における厨芥処理システムでは、既存の生物処理装置あるいは処理能力が不足されることが懸念されるときは、処理能力向上のために生物処理装置の若干の増強工事を行う作業を追加して、これを厨芥処理システムの生物処理装置12とし、さらに厨房に粉砕機2A,2Bを設置し、給水器3A,3B、固液分離機4A,4B、分離液移送管5A,5Bを設けるだけの低コストで厨芥処理システムを実現できる効果がある。
実施の形態3.
図4は、実施の形態3における厨芥処理システムにおける生物処理装置に関するフロー図である。図3と同一または相当部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態3の生物処理装置12は前記実施の形態2の厨芥処理システムに適用されるものである。この実施の形態3では、前記実施の形態2(図3)の生物処理装置12とは、貯留槽13内の散気管22を全面ばっ気可能に配設した点、沈殿槽15の底面を貯留槽13やばっ気槽14と同様の平面形状とした点、沈殿槽15内の汚泥排水を貯留槽13に返送するようにした点、沈殿槽15内にその底面に向かって気泡を噴出することが可能な散気管52を設けた点が前記実施の形態2の生物処理装置12と大きく異なる。
この実施の形態3において、貯留槽13の散気装置21における複数の散気管22は、ばっ気槽14の散気管26と同様の構造であり、比較的微細な気泡を吐出できるようになっている。そして、散気管22は、貯留槽13内の厨房排水と分離液の混合排水を全面ばっ気できるように、ポンプ釜場を除く底面全体に一定間隔で配置してある。また、散気装置21の空気供給管24はブロワ23から散気管22の列の中央に立ち下げて各散気管22に接続してある。これらの散気管22は、各散気管22に加わる水圧が同程度となるように所定の高さに配置し、各散気管22から気泡が均等に噴出されるようにしてある。なお、貯留槽13内の散気管22の配置位置および空気供給管24の配管方法は、貯留槽13の底面全面から空気を供給可能、つまり全面ばっ気可能であれば、どのような構成であってもよい。
沈殿槽15の底面には各側面からポンプ釜場に向かって低下する所定勾配を与え、排水中の汚泥が底面上に滞留しないようにしてある。その所定勾配は、貯留槽13の場合と同様に10〜15度程度であるのが好ましい。貯留槽13等と同様に躯体水槽とする場合には、水槽の底面形状を平面状とする方が、ホッパー状とするよりも水槽の高さを低く抑えることができ、また方形であるため水槽底面積を大きく取り易く、築造しやすいメリットがある。しかし、沈殿槽15の底面形状を平面としたことにより、流入した混合排水が沈殿処理される際に汚泥排水が底面に片寄って滞留しやすくなる問題があった。片寄って滞留したことによって、返送ポンプ180で貯留槽13へ返送されにくくなった部分の汚泥排水は、嫌気性化して内部で腐敗ガス等が発生してしまい、この腐敗ガス等を含んだことによって水よりも比重が軽くなった汚泥排水中の汚泥が上澄水面上に浮遊してスカムに変化してしまう。
この問題を防止する対策として、沈殿槽15内に底面に向かって気泡が噴出するように散気管52を配設し、空気供給管28から分岐接続した空気供給管53を散気管52に接続して沈殿槽15内の上澄水および汚泥排水を撹拌することを可能としている。すなわち、通常時(貯留槽13への混合排水の流入量の多い時間帯等)は、空気供給管53に設けられた開閉弁54を閉じておき、散気管52からの気泡の噴出を行なわず、生物処理装置12は、混合排水の生物処理を行う。そして、夜間等の貯留槽13への混合排水の流入量が少ない時間帯に、移送ポンプ160を停止して混合排水のばっ気槽14への流入を停止し、返送ポンプ180を起動させて沈殿槽15内の上澄水水位を低下させて、沈殿槽15内で気泡を噴出させても上澄水と汚泥排水が混ざり合った排水が越流堰29から越流してしまわないようにしてから、開閉弁54を開弁して散気管52から底面に向かって気泡を噴出させて上澄水と汚泥排水の撹拌を行うようにしている。なお、設置条件に余裕があるのであれば、この底面が概ね平面である沈殿槽15に代えて、底面がホッパー状の水槽を適用することも可能である。
一方、沈殿槽15内底部の汚泥移送ポンプ180に一端が接続された汚泥返送管181の他端は、ばっ気槽14ではなく貯留槽13内に開口させており、これにより、沈殿槽15内の下層の汚泥排水を貯留槽13に返送するようにしてある。
次に、実施の形態3における生物処理装置12の作用を説明する。厨房排水管1Fからスクリーン20を介して貯留槽13内に厨房排水と分離液の混合排水が流入すると同時に、その貯留槽13内には、沈殿槽15内の汚泥排水が汚泥返送ポンプ180の稼働により汚泥返送管181を通って流入し、貯留槽13内に貯留されている混合排水と混ざり合う。この際に、汚泥返送手段18は計量槽182によって返送する汚泥排水の流量を調整し、定量で貯留槽13に返送する。汚泥排水は多量の好気性微生物を含んでいるが、その活性は低下していて有機物の吸着・分解能力が大幅に低下している状態となっている。しかし、貯留槽13では、散気装置21の散気管22から微細気泡が混合排水中に常時噴出されることで、混合排水中に空気を溶存させている。この溶存している空気から好気性微生物が酸素を取り込み再度活性化して有機物を吸着・分解可能な状態となり、既に自らが吸着している有機物を分解する。次いで、好気性微生物は混合排水中の有機物を吸着し、更には分解を開始して好気性処理を行う。
このように貯留槽13内で好気性処理された混合排水は、移送手段16の移送ポンプ160の稼働によって移送管161からばっ気槽14に移送される。この際にも、移送手段16は計量槽162によって混合排水の流量を調整し、定量としてばっ気槽14へ順次流す。ばっ気槽14では、散気装置25がその散気管26から微細気泡を混合排水中に噴出し、該混合排水の汚泥中の好気性微生物は吸着した有機物を分解して好気性処理を引き続き行う。その後、好気性処理された混合排水は移送管17を通って沈殿槽15へ越流する形で流入する。沈殿槽15に流れ込む混合排水の流量は、貯留槽13からばっ気槽14へ流れ込む混合排水の流量と同じとなる。
沈殿槽15では混合排水が静置され、上層の上澄水と下層の汚泥排水とに分離される。そして、上澄水は越流堰29を越流し、上澄水移送管30を通って系外に流出する。この上澄水移送管30を通って流出する上澄水の量は、ばっ気槽14から移送管17を通って沈殿槽15に流入する混合排水の量から、沈殿槽15から貯留槽13へ返送される汚泥排水の返送量を差し引いた量となる。この実施の形態3における生物処理装置12は、以上のような処理フローによって好気性処理を行う。
以上のように、この実施の形態3における厨芥処理システムでは、固液分離機4A,4Bで固液分離した分離液と厨房排水との混合排水を、図4に示す生物処理装置12で浄化処理する構成としたことにより、実施の形態1および実施の形態2に示した効果に加えて、次に示す効果がある。
この実施の形態3における生物処理装置12では、貯留槽13内の混合排水中に微細な気泡を噴出する散気装置21を貯留槽13内に配設し、多くの好気性微生物が存在する汚泥排水を沈殿槽15から汚泥返送手段18によって貯留槽13に返送するので、沈殿槽15内で嫌気性傾向にあった汚泥を貯留槽13において再活性化させることができる。したがって、再活性化された汚泥中の好気性微生物によって、貯留槽13では混合排水の有機物を吸着・分解させることが可能となり、貯留槽13において好気性処理できるという大きな効果がある。
また、この実施の形態3の生物処理装置12では、貯留槽13において混合排水と汚泥排水を接触させるとともに、それらの混合排水を散気装置21によって散気するので、汚泥中の好気性微生物が混合排水中の有機物を吸着する吸着時間を確保できる。また、吸着した有機物を分解できるので分解時間の一部も確保できる。さらにばっ気槽14では、好気性微生物が全ての有機物を分解するまでの最低限の分解時間だけ混合排水を滞留させればよいので、ばっ気槽14の容量を大幅に低減できるという大きな効果がある。これに対し、ばっ気槽14の容量を従来と同じにすれば、有機物を分解する処理能力を大幅に向上させることができるという大きな効果がある。
さらに、この実施の形態3の生物処理装置12では、貯留槽13において好気性処理を行うので、貯留槽13内の混合排水が嫌気性化することによる硫化水素などの腐敗ガスの発生を大幅に低減でき、それに起因する臭気の問題を解消できるという大きな効果がある。また、腐敗ガスの発生を大幅に低減できるので、それに起因する貯留槽13内のライニングの劣化や移送ポンプ160の劣化を大幅に抑えることが可能となり、ライニングの補修や移送ポンプ160の交換頻度を大幅に低減でき、補修・交換の手間や費用を大幅に低減できるという大きな効果がある。また、ライニングの材質を腐敗ガス対応のものではなく通常のものを使用でき、かつ移送ポンプ160も耐食性の低い一般仕様のものを使用できるので、システムの施工のイニシャルコストを大幅に低減できるという大きな効果がある。そして、腐敗ガスの発生を大幅に低減できることから、システムから流出する排気ガスの臭気が低減するので、脱臭塔などの脱臭装置を従来よりも小容量化でき、イニシャルコストを削減できるという効果がある。その上に、定期的に交換する必要のある活性炭や脱臭菌などの量が低減するので、ランニングコストも大幅に低減できるという大きな効果が有る。
そして、この実施の形態3の生物処理装置12では、貯留槽13内で混合排水の好気性処理を行うので、混合排水中の油分を好気性微生物に吸着させることが可能となり、油分が貯留槽13の側面に付着するのを大幅に低減できる。この結果として、貯留槽13の清掃回数が大幅に減少し、清掃のための人件費や付着物を産業廃棄物として処分する費用が大幅に低減するという大きな効果がある。また、貯留槽13において混合排水の好気性処理を行うので、従来の沈殿槽を備える生物処理装置のように沈殿槽15から返送される汚泥排水中の好気性微生物を再活性化させるために再ばっ気槽を別に設けて好気性処理を行わなくとも、生物処理装置全体の浄化能力を従来の生物処理装置と同等とすることができ、生物処理装置の設置面積を削減できるという大きな効果がある。
実施の形態4.
図5は、実施の形態4における厨芥処理システムの生物処理装置に関するフロー図であり、図3と同一または相当部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態4の生物処理装置12は前記実施の形態2の厨芥処理システムに適用されるものである。この実施の形態4では、前記実施の形態2における厨芥処理システムに適用可能な図3の生物処理装置12に再ばっ気槽31を追加した点、さらには、その再ばっ気槽31に沈殿槽15から汚泥排水を返送するようにした点が前記実施の形態2における生物処理装置12と大きく異なる。
この実施の形態4における生物処理装置12は、沈殿槽15内の下層の汚泥排水を再ばっ気槽31に送り、汚泥中の好気性微生物を再活性化させ、さらに飢餓状態にしてばっ気槽13に返送するバイオソープション法を適用している。
再ばっ気槽31は、ばっ気槽14とほぼ同様の構造・材質とすることができる。この再ばっ気槽31には、ばっ気槽14の散気装置25と同様に微細な気泡を汚泥排水中に噴出する散気装置32を設置している。この散気装置32は、再ばっ気槽31内の底部に配置した複数の散気管33、再ばっ気槽31の外側に配置したブロワ34、このブロワ34と前記散気管33とを接続した空気供給管35によって構成されている。散気管33は、再ばっ気槽31内の汚泥排水の全体を常時ばっ気するように、再ばっ気槽31の底面全体に配設されている。
したがって、再ばっ気槽31では、散気装置32によって汚泥排水中に散気されることにより、好気性微生物が再活性化され、汚泥排水中の有機物を吸着して分解し尽くすので、好気性微生物が飢餓状態となる。また、好気性微生物は、ばっ気槽14および再ばっ気槽31で有機物を分解する際に自己増殖するため、そのままでは汚泥量が増加し続けてしまい、定期的に余剰汚泥として系外に搬出しなければならなくなるが、飢餓状態の好気性微生物に対してさらに散気を継続すると、自己酸化(共食い)が進行するので、汚泥排水中の増えすぎた好気性有機物の数が減少する。このように飢餓状態の好気性微生物を含む汚泥排水は、有機物および空気を豊富に含む混合排水を貯留するばっ気槽14に返送管36を通して返送される。これにより、ばっ気槽14内の有機物が吸着・分解されて混合排水の浄化が促進される。この間に、移送手段16で貯留槽13からばっ気槽14に移送される混合排水の量に応じて、沈殿槽15では上澄水が系外に排出され、連続した浄化処理が行われる。
以上のように、この実施の形態4における厨芥処理システムでは、固液分離機4A,4Bで固液分離した分離液と厨房排水との混合排水を、図5に示す生物処理装置12で浄化処理する構成としたことにより、実施の形態1および実施の形態2に示した効果に加えて、次に示す効果がある。この実施の形態4の生物処理装置12では、沈殿槽15内の汚泥排水を再ばっ気槽31に送り、汚泥中の好気性微生物を飢餓状態にしてばっ気槽14に返送するので、ばっ気槽14内の有機物が吸着・分解されて混合排水の浄化が促進されるという効果がある。
実施の形態5.
図6は、実施の形態5の厨芥処理システムにおける生物処理装置に関するフロー図であり、図5と同一または相当部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態5の生物処理装置12は前記実施の形態2の厨芥処理システムに適用されるものである。この実施の形態5の生物処理装置12は、前記実施の形態3で示した図4の生物処理装置12とは、実施の形態4で示した再ばっ気槽31を追加した点、沈殿槽15内の下層の汚泥排水を再ばっ気槽31に返送するようにした点、再ばっ気槽31で好気性微生物を飢餓状態にした汚泥排水を返送管37で貯留槽13に返送するようにした点が大きく異なる。
次に、この実施の形態5における生物処理装置12の作用を説明する。厨房排水管1Fから貯留槽13内に厨房排水と分離液の混合排水が流入し、貯留槽13内に滞留して好気性処理された混合排水が移送手段16でばっ気槽14内に移送され、ばっ気槽14で好気性処理された混合排水が沈殿槽15に流入し、沈殿槽15内で上澄水が越流堰29を越流し、上澄水移送管30から系外に排出される点は前記実施の形態3における生物処理装置12と同様である。
この実施の形態5における生物処理装置12では、沈殿槽15内の汚泥排水が汚泥返送手段18の汚泥返送管181から定量で再ばっ気槽31内に返送される。再ばっ気槽31では、汚泥に含まれる好気性微生物が散気装置32によって活性化され、飢餓状態になっている。その後に、再ばっ気槽31内の汚泥排水は、後続で返送される汚泥排水の流入により返送管37に越流する形で押し出されて貯留槽13に流入する。貯留槽13では厨房排水管1Fからの混合排水と再ばっ気槽31からの汚泥排水とが混合される。貯留槽13内の汚泥は、その好気性微生物が再ばっ気槽31において既に活性化されているので、貯留槽13内の混合排水中の有機物を即座に吸着し、更に散気装置21の散気管22から吐出する微細気泡の空気を得て混合排水中の有機物を分解し、好気性処理を行う。
貯留槽13で好気性処理された混合排水は、移送手段16の移送ポンプ160の稼働により、移送管161を通ってばっ気槽14へ順次に流れる。ばっ気槽14では、散気装置25の散気管26から空気が吐出され、汚泥の好気性微生物が有機物を分解し、好気性処理を引き続き行う。この間に、ばっ気槽14で好気性処理された混合排水は移送管17を越流して沈殿槽15へ流れるが、その量は貯留槽13からばっ気槽14に流れ込む混合排水の量と同じとなる。
沈殿槽15では、混合排水を静置して上層の上澄水と下層の汚泥排水とに分離する沈殿処理を行う。上層の上澄水は越流堰29を越流し、上澄水移送管30を経て系外に流出する。この場合にも、越流堰29を越流する上澄水の量は、ばっ気槽14から沈殿槽15に流れ込む混合排水の量から沈殿槽15から再ばっ気槽31へ返送される汚泥排水の水量を差し引いた量となる。沈殿槽15内の汚泥排水は、返送手段18の返送ポンプ180の稼働によりポンプ釜場から返送管181と計量槽182を通って再ばっ気槽31に流入する。
再ばっ気槽31では、散気装置32の散気管33から空気を吐出し、嫌気性傾向にあった汚泥排水をばっ気する。これにより、汚泥中の好気性微生物が再活性化して有機物を吸着・分解可能な状態に回復し、既に自らが吸着している有機物の分解と排水中の有機物の吸着・分解とを行なう。また、好気性微生物は、ばっ気槽14および再ばっ気槽31で有機物を分解する際に自己増殖するため汚泥量が増加しているが、再ばっ気槽31内の全ての有機物を分解し尽くすと、その後に好気性微生物は自己酸化(共食い)を始めるので、増えすぎた汚泥排水中の好気性微生物が減少し、適正な汚泥量となる。そして、好気性微生物が減少した汚泥排水は、返送管37を通って貯留槽13へ流れる。この実施の形態5における生物処理装置12は、以上の流れによって混合排水の好気性処理を行う。
以上のように、この実施の形態5における厨芥処理システムでは、固液分離機4A,4Bで固液分離した分離液と厨房排水との混合排水を、図6に示す生物処理装置12で浄化処理する構成としたことにより、実施の形態1から実施の形態4に示した各効果に加えて、次に示す効果がある。この実施の形態5における生物処理装置12では、貯留槽13、ばっ気槽14、および再ばっ気槽31の3槽において好気性処理を行うので、従来の実施の形態4で示した生物処理装置と同じ設置面積でも全体の浄化能力を従来よりも飛躍的に上昇させることができるという大きな効果がある。また、従来と同じ浄化能力で処理する場合には、汚泥中の好気性微生物の自己酸化をより促進することが可能となり、余剰汚泥の排出量を大幅に抑制できるという効果がある。したがって、余剰汚泥を搬出するために必要な人件費や、それを産業廃棄物として処理するための費用を大幅に削減できるという効果がある。
実施の形態6.
図7は、実施の形態6における厨芥処理システムのフロー図であり、図2と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態6における厨芥処理システムは、固液分離機4A,4Bで固液分離された後の粉砕固形物を乾燥させる乾燥機6A,6Bを設けた点が前記実施の形態2とは大きく異なる。
乾燥機6A,6Bには、電気ヒーターで粉砕固形物の残存水分を蒸発させるタイプや、粉砕固形物の収納容器の外側からガス燃料による燃焼熱で残存水分を蒸発させるタイプ、粉砕固形物の収容容器の外側を覆う蒸気室を形成し、蒸気室内に高温蒸気を流通させて粉砕固形物の残存水分を蒸発させるタイプ等があるが、粉砕固形物中を乾燥させて残存水分を減少させることが可能であればどのような構成であってもよい。ただし、粉砕固形物が炭化してしまうまで蒸発させてしまうと、粉砕固形物中の有機物由来のエネルギーまで失われてしまうので、この実施の形態6の厨芥処理システムでは、そのような乾燥機は不適である。なお、この実施の形態6の厨芥処理システムにおいても、生物処理装置12として実施の形態2から実施の形態5で示した各処理フローが適用可能である。また、その建物の排水の浄化処理を受け持つ下水処理場の浄化能力に十分余裕がある場合においては、建物内に生物処理装置12を特に設置せず、粉砕厨芥から粉砕固形物を固液分離後の分離液と厨房排水との混合排水を浄化処理せずに下水道に放流するようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態6における厨芥処理システムでは、実施の形態1から実施の形態5に示した各効果に加えて、次に示す効果がある。この実施の形態6における厨芥処理システムでは、前記実施の形態2において固液分離機4A,4Bで固液分離された
後の粉砕固形物を乾燥させる乾燥機6A,6Bを設けたので、乾燥機6A,6Bにより粉砕固形物を乾燥させて粉砕固形物中の残存水分を減少させることができ、粉砕固形物の減量化が図れると共に、搬出時の作業労力の軽減が図れるという効果がある。また、前述のように粉砕固形物中の残存水分が減少することにより、バクテリア等の微生物の活動を抑制することができ、粉砕固形物の腐敗速度を低下させることができる。よって、粉砕固形物の搬出頻度を少なくしても(粉砕固形物の貯留日数を増やしても)、腐敗による臭気等の問題が発生しにくくなるという効果がある。さらには、粉砕固形物をバイオプラントでメタン等発酵処理の原料として粉砕固形物を発酵槽に投入する場合においても、乾燥機6A,6Bによる乾燥処理によって水分重量比が大幅に低下していることから、発酵槽内の温度低下をより小さな変動で抑えることができ、さらに効率的な処理を行うことができるという大きな効果がある。
実施の形態7.
図8は、実施の形態7における厨芥処理システムのフロー図であり、図2と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態7における厨芥処理システムは、固液分離機4A,4Bで固液分離された後の粉砕固形物を液状化させるための可溶化装置7A,7Bを設けた点が前記実施の形態2とは大きく異なる。
可溶化装置7A,7Bには、例えば、超音波発振器で粉砕固形物に対して超音波を発振して液状化する方式、粉砕固形物の貯留容器内に粉砕固形物の細胞壁を溶解するバクテリアや薬剤を投入して可溶化する方式が適用可能である。なお、この実施の形態7の厨芥処理システムにおいても、生物処理装置12として実施の形態2から実施の形態5で示した各処理フローが適用可能である。また、その建物の排水の浄化処理を受け持つ下水処理場の浄化能力に十分余裕がある場合においては、建物内に生物処理装置12を特に設置せず、粉砕厨芥から粉砕固形物を固液分離後の分離液と厨房排水との混合排水を浄化処理せずに下水道に放流するようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態7における厨芥処理システムでは、実施の形態1から実施の形態5に示した各効果に加えて、次に示す効果がある。この実施の形態7における厨芥処理システムでは、固液分離機4A,4Bで分離された粉砕固形物を可溶化装置7A,7Bで液状化させることができるので、厨芥処理後の粉砕固形物をバイオプラントでバイオガス生成のために利用する場合、バイオプラントに投入する前に既に粉砕固形物が液状化していることから、厨芥を投入時のバイオガスプラントの一次的な処理能力の低下を抑制できるという大きな効果がある。また、バイオガス生成までの処理日数を短縮することができるという大きな効果がある。
実施の形態8.
図9は、実施の形態8における厨芥処理システムのフロー図であり、図2と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態8における厨芥処理システムは、固液分離機4A,4Bとして連続処理が容易であるが脱水効率が比較的低いスクリーン型等の連続処理が可能な固液分離機を選定し、さらに固液分離機4A,4Bで固液分離された後の粉砕固形物について、含水率を低下させる脱水処理を行うための脱水機8A,8Bを設けた点が前記実施の形態2とは大きく異なる。
脱水機8A,8Bは、粉砕固形物を脱水した際に発生する分離水を分離水移送管9A,9Bによって厨房排水管1A,1Bに排出されるようになっている。したがって、各厨房排水管1A,1Bには、各業務用厨房からの厨房排水と、スクリーン型固液分離機4A,4Bからの分離液と、脱水機8A,8Bからの分離水が流入し、それらが一本の厨房排水管1Fで合流して生物処理装置12に流れ込むようになっている。脱水機8A,8Bには、遠心脱水機、スクリュープレス、ベルトプレス等が適用可能である。
粉砕機2A,2Bでの粉砕処理中は粉砕厨芥と水の混合排水が連続的に固液分離機4A,4Bに流入するが、スクリーン型固液分離機の場合、スクリーンから分離液を連続で通過させることができ、スクリーン上に残った粉砕固形物も掻き寄せ機等でスクリーンから収納容器等へ容易に除去することができるので、大型の業務用厨房のような1箇所の厨房での厨芥発生量が非常に多い場合にも連続処理することが可能である。しかし、その反面、スクリーン型固液分離機は、粉砕固形物中の水分除去率が他の方式の固液分離器に比べて低いというデメリットもある。この実施の形態8の厨芥処理システムでは、粉砕機2A,2Bからの粉砕厨芥と水の混合排水をスクリーン型等の連続処理が可能な固液分離機4A,4Bで連続的に固液分離処理し、スクリーン上に残る含水率が多い粉砕固形物を間欠処理(バッチ処理)で脱水機8A,8Bに投入して脱水処理し、分離水を分離水移送管9A,9Bで厨房排水管1A,1Bへ移送することで含水率の低い粉砕固形物を得ることができるようになっている。なお、この実施の形態8の厨芥処理システムにおいても、生物処理装置12として実施の形態2から実施の形態5で示した各処理フローが適用可能である。また、その建物の排水の浄化処理を受け持つ下水処理場の浄化能力に十分余裕がある場合においては、建物内に生物処理装置12を特に設置せず、粉砕厨芥から粉砕固形物を固液分離後の分離液、分離水および厨房排水の混合排水を浄化処理せずに下水道に放流するようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態8における厨芥処理システムでは、実施の形態1から実施の形態5に示した各効果に加えて、次に示す効果がある。この実施の形態8における厨芥処理システムでは、給水器3A,3Bから給水されている粉砕機2A,2Bで粉砕された粉砕固形物を固液分離する固液分離機としてスクリーン型等の連続処理が可能な固液分離4A,4Bを適用したので、特に大量の厨芥が発生する場合においても、粉砕機2A,2Bからの粉砕固形物を固液分離機4A,4Bに連続流入させ処理することができるという効果がある。しかも、固液分離機4A,4Bで固液分離された粉砕固形物をさらに脱水機8A,8Bで脱水処理するので、粉砕固形物の含水率を大幅に低下させることができ、その重量および容積をさらに小さくすることができ、人力による運搬作業のさらなる軽減および運搬車のコスト低減、環境負荷低減に大きな効果がある。また、粉砕固形物をバイオプラントでメタン等発酵処理の原料として発酵槽に投入する場合においても、脱水機8A,8Bによって含水率が大幅に低下していることから、発酵槽内の温度低下をより小さな変動で抑えることができ、さらに効率的な処理を行うことが可能になるという大きな効果がある。
実施の形態9.
図10は、実施の形態9における厨芥処理システムのフロー図であり、図2と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態9における厨芥処理システムは、各業務用厨房の厨房排水管1A,1Bに油脂分離機10A,10Bをそれぞれ設けた点が前記実施の形態2とは大きく異なる。この実施の形態9の厨芥処理システムでは、各厨房排水管1A,1Bにおける分離液移送管5A,5Bとの接続部よりも下流側に油脂分離機10A,10Bを設け、これらの油脂分離機10A,10Bで油脂分が分離除去された分離液と厨房排水との混合排水を一本の厨房排水管1で合流させて生物処理装置12に流し込むようにしてある。油脂分離機10A,10Bとしては、例えば、グリース阻集器や、繊維状、布状あるいは固形状の吸着材によって吸着除去する方式のもの、薬剤によって油脂分を固形化して除去する方式のもの等が適用可能であるが、混合排水中の油脂分を除去可能であればどのような構成であってもよい。
なお、この実施の形態9の油脂分離機10A,10Bを備えた厨芥処理システムは、実施の形態1、実施の形態3から実施の形態8に示した各厨芥処理システムで適用可能である。また、その建物の排水の浄化処理を受け持つ下水処理場の浄化能力に十分余裕がある場合においては、建物内に生物処理装置12を特に設置せず、粉砕厨芥から粉砕固形物を固液分離後の分離液と厨房排水との混合排水を浄化処理せずに下水道に放流するようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態9における厨芥処理システムでは、実施の形態1から実施の形態5に示した各効果に加えて、次に示す効果がある。この実施の形態9における厨芥処理システムでは、特に、業務用厨房からの厨房排水中に油脂分が多く含まれているような場合や、粉砕機2A,2Bに油脂分の多い厨芥が投入されることが多い場合において、油脂分離機10A,10Bで厨房排水と分離液の混合排水から油脂分を除去することができ、これにより、混合排水が厨房排水管1を自然流下している間に温度が低下して管内壁に油分が堆積してしまうこと、油脂分を多く含んだ混合排水が生物処理装置12に流入することによる浄化処理負荷が増大すること、生物処理装置12の貯留槽13等の内壁面や配管に油脂分が付着することを抑制することができる。また、厨房排水管1の管内洗浄回数や、生物処理装置12の貯留槽等の清掃回数を大幅に削減することができ、清掃のための人件費等も削減できるなどの効果もある。
実施の形態10.
図11は、実施の形態10における厨芥処理システムのフロー図であり、図2と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態10における厨芥処理システムは、各業務用厨房の粉砕機2A,2Bで粉砕された厨芥と水の混合排水をそのまま厨房排水管1A,1Bに流入させ、厨房排水管1Fに合流後に一つの固液分離機4で固液分離するようにした点が前記実施の形態2の厨芥処理システムとは大きく異なる。
この実施の形態10の厨芥処理システムでは、各業務用厨房の粉砕機2A,2Bは、これらの粉砕機2A,2Bで粉砕された厨芥と水の混合排水を厨芥移送管11A,11Bによってそれぞれの系統の厨房排水管1A,1Bに流し込むようにしている。そして、各厨房排水管1A,1Bが合流する厨房排水管1Fであって、かつ生物処理装置12の上流側に一つの固液分離機4を配置し、一括して固液分離処理するようになっている。したがって、この実施の形態10の厨芥処理システムでは、実施の形態1から実施の形態9の各厨芥処理システムとは異なり、厨房排水管1A,1B,1Fに粉砕厨芥が流入するようになっている。
図12は、この実施の形態10の厨芥処理システムを建物内に業務用厨房を複数有する宿泊施設で適用した例について配管系統図で示したものであり、図13は、従来の集合住宅向けの厨芥処理システムの配管系統図を示したものである。ただし、図12、図13とも本発明に直接関連する排水配管のみ図示してあり、実際の排水設備で必要な通気管は省略してある。集合住宅は、各住戸で区分所有者が異なること等の制約があり、例えば給水配管では、共用部の給水立て管から同一階の各住戸へ供給する場合、ある住戸へ給水する給水横枝管を他の住戸の床下や天井裏に配設することはしない。給水配管の場合は、共用部に設けられている同一階で隣接する2住戸で共用するシャフト室に給水立て管を設け、当該2住戸に2本の給水横枝管で各々供給するようになっている。一方、排水管に関しても、同一階の各住戸で発生する排水を排水立て管に合流させる場合、ある住戸で発生した排水を排水立て管に搬送する排水横枝管を他の住戸の床下や下階住戸の天井裏に配設することはしない。排水立て管を共用部のシャフト室に設けて2住戸分の排水を合流させることもあるが、通常は、各住戸内にシャフトスペースを設けて排水立て管を立設し、当該住戸内の排水を排水横枝管に合流させる配管方式をとることが多い。
図13に示した従来の集合住宅向けの厨芥処理システムにおける厨芥搬送管の場合も他の排水管の場合と同様に、粉砕機2M、給水器3Mが設置されている流し台シンク50Mの最寄りの住戸内にシャフトスペースを設けて厨芥搬送立て管102Mを設置し、粉砕機2Mで粉砕された厨芥と水の混合排水を厨芥搬送管11Mから厨芥搬送横枝管101Mを経て、厨芥搬送立て管102Mに合流させるようになっている。さらに各厨芥搬送立て管102Mは、最下階(図13の場合は1階)床下で厨芥搬送横主管103Mに合流接続し、生物処理装置12Mへ混合排水を搬送し、そこで浄化処理されて系外に放流されるようになっている。
これに対して、図12に示すように、宿泊施設のような建物内に業務用厨房が複数箇所ある場合では、集合住宅のような制約はないので、業務用厨房毎に厨房排水立て管を設置するような非効率的なことはせず、極力少ない立て管本数となるように厨房排水管を配設する。図12の場合では、n階に距離の離れた2ヶ所に業務用厨房が配設されており、各業務用厨房に流し台シンク50,水栓51(給水用水栓、給湯用水栓、湯水混合水栓、浄水器ろ過水栓等)が設けられており、各業務用厨房の流し台シンク50からの厨房排水は器具排水管110で厨房排水管(横枝管)1A,1Bにそれぞれ合流して、厨房排水管(立て管)に合流するようになっている。また、3階の業務用厨房で発生する厨房排水に関しても同様に厨房排水管(横枝管)1Cから厨房排水が厨房排水管(立て管)1Fに合流している。
そして、図12に示す例では、各業務用厨房で複数ある流し台シンク50の内の1台の排水口に粉砕機2A,2B,2C、給水器3A,3B,3Cを設け、粉砕された厨芥と水の混合排水を厨芥移送管11A,11B,11Cで最寄りの厨房排水管(横枝管)1A,1B,1Cに合流させており、厨房排水管(立て管)1Fに合流し、B1階の固液分離機4で厨芥、水および厨房排水の混合排水中の粉砕固形物を固液分離し、分離液を生物処理装置12で浄化処理して、建物外の下水道等に放流するようになっている。
なお、この実施の形態10の厨芥処理システムにおいても、生物処理装置12として実施の形態2から実施の形態5で示した各処理フローが適用可能である。また、その建物の排水の浄化処理を受け持つ下水処理場の浄化能力に十分余裕がある場合においては、建物内に生物処理装置12を特に設置せず、粉砕厨芥、水および厨房排水の混合排水から粉砕固形物を固液分離後の混合排水を浄化処理せずに下水道に放流するようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態10における厨芥処理システムでは、実施の形態1において(1)から(6)で示した効果、および実施の形態2から実施の形態5に示した効果に加えて、次に示す効果がある。
(1)図13に示した通り、集合住宅向けの厨芥処理システムの場合、同一階では各住戸の粉砕機2Mの最寄りに厨芥搬送立て管102Mが設けられている。このため、粉砕厨芥と水の混合排水は、短い水平方向の搬送経路で厨芥搬送立て管102Mに合流することができ、一住戸から発生する粉砕厨芥の量が少ないので、水平方向の厨芥搬送立て管内に粉砕固形物が滞留する恐れがほとんどない。これに対し、図12に示した通り、業務用厨房を複数箇所有する建物で粉砕厨芥の搬送を厨芥搬送専用の配管で行おうとした場合、1箇所の業務用厨房から発生する粉砕厨芥量は多く、制約のある集合住宅の場合と異なり厨芥搬送立て管の本数を極力少なくする(厨房排水管1F参照)ことができることから、粉砕機2Bから厨芥搬送立て管までの水平距離が長く(厨房排水管1B参照)、粉砕厨芥と粉砕機洗浄用の水のみの混合排水量では、水平方向の搬送中に粉砕固形物が滞留し易い(厨芥移送管11Bのみが厨房排水管1Bに接続しているような状況であるので管内を流下する混合排水の流量は少ない。)。また、通常の建物では、フロア内の平面レイアウトが上階と下階(例えば、2階と1階のような)で大きく異なることがあり(例えば、宿泊施設の場合では、最上階が展望レストラン、中層が宿泊客室、下層が宴会場)、立て管等の収納スペースであるパイプシャフトの平面位置が上階と下階で大きく変わることが多い。この場合、当該上階床下で、下階のパイプシャフトまで水平方向に延々配管される(2階床下の水平方向の厨房排水管1F参照)、いわゆる展開配管とする必要があり、厨芥搬送管についても同様で上階のパイプシャフト内の立て管から水平方向の展開配管に変わり、下階のパイプシャフトで再び立て管に変わる。この展開配管部も水平距離が長く、水平方向の粉砕厨芥の搬送中に粉砕固形物が滞留し易い。これに対し、この実施の形態10の厨芥処理システムの場合、粉砕機2A,2B,2Cで粉砕された厨芥と水の混合排水を厨房排水管(横枝管)1A,1B,1Cに合流させる構成としているので、厨房排水管には水量の多い厨房排水が流れていることから、水平方向の搬送距離が長い場合であっても粉砕固形物を容易に搬送してしまうことができ、粉砕固形物が配管底部に滞留する恐れがない。また、展開配管部においても、複数の厨房からの厨房排水とともに粉砕固形物が搬送されるので、同様に配管底部に滞留する恐れがない。
(2)宿泊施設のような、建物内で業務用厨房を有して事業を行っている事業者が単独の場合や、当該単独の事業者がテナントとして別の業務用厨房を有して事業を行う事業者を出店させる事業形態の場合においては、建物内の全業務用厨房で厨芥処理システムを使用することが実現し易い。また、この場合、厨房排水管1A,1Bが厨房排水管1Fに大型の固液分離機4を1台設置して建物施設の作業員にメンテナンスさせる形態を取り易く、実施の形態1から実施の形態9に記載の厨芥処理システムよりもイニシャルコスト・ランニングコストとも大幅に低減することができる。
実施の形態11.
図14は、実施の形態11における厨芥処理システムのフロー図であり、図7および図11と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態11における厨芥処理システムは、実施の形態10とは、固液分離機4で固液分離された後の粉砕固形物を乾燥させる実施の形態6に示したものと同様の乾燥機6を設けた点が大きく異なる。
以上のように、この実施の形態11における厨芥処理システムでは、前記実施の形態10に示した効果のほかに、実施の形態6に示した効果も同時に得られる効果がある。また、粉砕固形物を乾燥処理するのを1箇所で行うため、実施の形態6のような個別で粉砕固形物の乾燥処理を行う場合に比べて処理効率性が向上し、電気、ガス、蒸気等の使用量が大幅に低減できる効果がある。
実施の形態12.
図15は、実施の形態12における厨芥処理システムのフロー図であり、図8および図11と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態12における厨芥処理システムは、実施の形態10とは、固液分離機4で固液分離された後の粉砕固形物を液状化させる実施の形態7に示したものと同様の可溶化装置7を設けた点が大きく異なる。
以上のように、この実施の形態12における厨芥処理システムでは、前記実施の形態10に示した効果のほかに、実施の形態7に示した効果も同時に得られる効果がある。また、粉砕固形物を可溶化処理するのを1箇所で行うため、実施の形態7のような個別で粉砕固形物の可溶化処理を行う場合に比べて処理効率性が向上し、電気等の使用量が大幅に低減できる効果がある。
実施の形態13.
図16は、実施の形態13における厨芥処理システムのフロー図であり、図9および図11と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態13における厨芥処理システムは、実施の形態10とは、固液分離機4として実施の形態8で示した連続処理が容易であるが脱水効率が比較的低いスクリーン型の固液分離機を選定し、さらに固液分離機4で固液分離された後の粉砕固形物について、含水率を低下させる脱水処理を行うための脱水機8を設けた点が大きく異なる。脱水機8で粉砕固形物を脱水した際に発生する分離水は、分離水移送管9によって、固液分離機4の下流側であって、生物処理装置12の上流側の厨房排水管1Fに排出されるようになっている。
以上のように、この実施の形態13における厨芥処理システムでは、前記実施の形態10に示した効果のほかに、実施の形態8に示した効果も同時に得られる効果がある。また、粉砕固形物を脱水処理するのを1箇所で行うため、実施の形態8のような個別で粉砕固形物の脱水処理を行う場合に比べて処理効率性が向上し、電気等の使用量が大幅に低減できる効果がある。
この発明の実施の形態1における厨芥処理システムを示すフロー図である。 この発明の実施の形態2における厨芥処理システムを示すフロー図である。 この発明の実施の形態2における生物処理装置のフロー図である。 この発明の実施の形態3における生物処理装置のフロー図である。 この発明の実施の形態4における生物処理装置のフロー図である。 この発明の実施の形態5における生物処理装置のフロー図である。 この発明の実施の形態6における厨芥処理システムを示すフロー図である。 この発明の実施の形態7における厨芥処理システムを示すフロー図である。 この発明の実施の形態8における厨芥処理システムを示すフロー図である。 この発明の実施の形態9における厨芥処理システムを示すフロー図である。 この発明の実施の形態10における厨芥処理システムを示すフロー図である。 この発明の実施の形態10における厨芥処理システムを適用した場合の建物内配管系統図の一例を示したものである。 従来の集合住宅用厨芥処理システムの建物内配管系統図を示したものである。 この発明の実施の形態11における厨芥処理システムを示すフロー図である。 この発明の実施の形態12における厨芥処理システムを示すフロー図である。 この発明の実施の形態13における厨芥処理システムを示すフロー図である。
符号の説明
1,1A,1B,1C,1F 厨房排水管
2A,2B,2C,2M 粉砕機
3A,3B,3C,3M 給水器
4,4A,4B 固液分離機
5A,5B 分離液移送管
6,6A,6B 乾燥機
7,7A,7B 可溶化装置
8,8A,8B 脱水機
9,9A,9B 分離水移送管
10A,10B 油脂分離機
11A,11B,11C,11M 厨芥移送管
12,12M 生物処理装置
13 貯留槽
14 ばっ気槽
15 沈殿槽
16 移送手段
17,161 移送管
18 返送手段
20 スクリーン
21,25,32 散気装置
22,26,33 散気管
23,27,34 ブロワ
24,28,35 空気供給管
29 越流堰
30 上澄水移送管
31 再ばっ気槽
36,37,181 返送管
50,50M 流し台シンク
51 水栓
52 散気管
53 空気供給管
54 開閉弁
110 器具排水管
101M 厨芥搬送横枝管
102M 厨芥搬送立て管
103M 厨芥搬送横主管
150 沈殿槽
160 移送ポンプ
162,182 計量槽
180 返送ポンプ

Claims (5)

  1. 建物内に設置された厨房排水管と、
    複数箇所に設置され、厨芥を粉砕する粉砕機と、
    該粉砕機に水を供給する給水器と、
    粉砕された厨芥および水の混合排水を粉砕固形物および分離液に固液分離する固液分離機と、
    該固液分離機から前記厨房排水管へ前記分離液を移送する分離液移送管と
    からなる厨芥処理システム。
  2. 厨房排水管から厨房排水および分離液の混合液を受け入れ、浄化処理する生物処理装置を備えることを特徴とする請求項1記載の厨芥処理システム。
  3. 建物内に設置された厨房排水管と、
    複数箇所に設置され、厨芥を粉砕する粉砕機と、
    該粉砕機に水を供給する給水器と、
    前記厨房排水管に粉砕された厨芥および水の混合排水を移送する厨芥移送管と、
    前記厨房排水管から前記厨房排水および混合排水を受け入れ、粉砕固形物および分離液に固液分離する固液分離機と、
    該分離液を受け入れ、浄化処理する生物処理装置と
    からなる厨芥処理システム。
  4. 粉砕固形物を乾燥処理する乾燥機を備えた
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の厨芥処理システム。
  5. 粉砕固形物を可溶化処理する可溶化装置を備えた
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の厨芥処理システム。
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