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JP2006088373A - 印刷画像に含まれるノイズを抑制する印刷 - Google Patents

印刷画像に含まれるノイズを抑制する印刷 Download PDF

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JP2006088373A
JP2006088373A JP2004273539A JP2004273539A JP2006088373A JP 2006088373 A JP2006088373 A JP 2006088373A JP 2004273539 A JP2004273539 A JP 2004273539A JP 2004273539 A JP2004273539 A JP 2004273539A JP 2006088373 A JP2006088373 A JP 2006088373A
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Hirokazu Kasahara
広和 笠原
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Seiko Epson Corp
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Abstract


【課題】 印刷媒体上にインクを吐出する印刷において、画像ノイズによる画質の劣化を抑制する技術を提供する。
【解決手段】 本発明は、印刷媒体上にドットを形成して印刷を行うために印刷部を制御する印刷制御装置である。本印刷制御装置は、印刷画像の各画素における各種類のドットの形成の有無を表すドットデータを含むとともに、複数の設定パラメータの操作によって設定された複数の制御内容のいずれかでドットの形成を行うように構成された印刷データを生成する印刷データ生成部と、印刷データに応じて印刷部が出力した出力画像に含まれる画像ノイズを数値化する印刷画像評価部とを備える。印刷データ生成部は、同一の入力画像を用いて複数の制御内容毎に複数のテストパターンを出力させるテストパターン出力モードを有する。印刷画像評価部は、複数のテストパターンから生成された複数の評価用画像データに含まれた画像ノイズを数値化することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、インク滴を吐出して印刷媒体上に画像を印刷する技術に関する。
近年、コンピュータの出力装置として、印刷ヘッドの主走査と印刷媒体の副走査とを行いつつ印刷ヘッドから印刷媒体上にインク滴を吐出してドットを形成するプリンタが広く普及している。このようなプリンタでは、ドットの大きさや位置の誤差、副走査送り量の誤差といった要因によって発生する粒状性やバンディングといった印刷画像のノイズを小さくするために、かかる複数の要因を個々に小さくする努力がなされている。
特開2003−219158号公報
しかし、このような複数の要因の相乗効果に着目して印刷画像のノイズを小さくすることは考慮されていなかった。さらに、複数の要因の相乗効果は、印刷ヘッドの主走査と印刷媒体の副走査とを行うプリンタだけでなく、印刷媒体上にドットを形成して印刷を行うプリンタに共通して生じ得る効果である。
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、印刷媒体上にインクを吐出する印刷において、画像ノイズによる画質の劣化を抑制する技術を提供することを目的とする。
本発明は、印刷媒体上にドットを形成して印刷を行うために印刷部を制御する印刷制御装置であって、
印刷画像の各画素における各種類のドットの形成の有無を表すドットデータを含むとともに、複数の設定パラメータの操作によって設定された複数の制御内容のいずれかで前記ドットの形成を行うように構成された印刷データを生成する印刷データ生成部と、
前記印刷データに応じて前記印刷部が出力した出力画像に含まれる画像ノイズを数値化する印刷画像評価部と、
を備え、
前記印刷データ生成部は、同一の入力画像を用いて、前記複数の制御内容毎に複数のテストパターンを出力させる出力モードを有し、
前記印刷画像評価部は、前記印刷部から出力された複数のテストパターンから生成された複数の評価用画像データに含まれた画像ノイズを数値化することを特徴とする。
本発明の印刷制御装置によれば、複数の設定パラメータの操作によって設定された複数の制御内容毎に出力された複数のテストパターン毎に画像ノイズが数値化されるので、かかる数値を利用して複数の制御内容から最適なものを選択することが可能となる。なお、各種類のドットとは、各色のインクで形成される各サイズのドットを意味する。
本発明は、印刷制御処理の最適化に関する新規な着想によって印刷品質の向上を実現するものである。従来は、インクドットの径や紙送り量、減色処理内容、インターレース処理内容といった印刷制御処理の各設定パラメータに対して相互作用を考慮することなく公差その他の仕様を決定するとともに、製造時において各仕様を満たすように各設定パラメータを設定することによってプリンタの個体差を吸収して最低限の印刷品質を保証していた。
これに対して本発明は、各設定パラメータが有機的な関係を有している点に発明者が着目することによって創作されたものである。本発明では、各設定パラメータを他の設定パラメータと無関係に設定するのではなく、複数の設定パラメータの組合せとして設定する点に特徴がある。かかる設定は、複数の設定パラメータの操作によって設定された制御内容で出力されたテストパターン毎に画像ノイズを数値化することによって可能とされている。
本発明は、さらに、プリンタの製造時における個体差だけでなく経年変化によって生じた個体差や新規な印刷環境(たとえば新規な印刷媒体等)にも対応することができるという特徴をも有する。本発明における制御内容の最終的な選択は、たとえば最も数値が小さな制御内容を初期設定として自動的に行うようにしても良いし、あるいは後述するようにユーザーを介して半自動的に行うようにしても良い。
上記印刷制御装置において、前記印刷画像評価部は、さらに、前記数値化された画像ノイズに応じて前記複数の制御内容のうちの前記数値が比較的に少ない制御内容を選択するとともに、前記選択された制御内容の中から1つを選択することをユーザに許容する選択画面を表示部に表示して、ユーザによる前記選択を受け取り、
前記印刷データ生成部は、少なくとも初期設定として、前記ユーザにより選択された制御内容で前記ドットの形成を行うように構成された印刷データを生成するようにしても良い。
この構成では、利用可能な複数の制御内容の中で画像ノイズの比較的に少ないものが自動的に選択されるので、ユーザは、選択された範囲の中から画像ノイズの少ない制御内容を実現する設定の組合せを選択することができる。これにより、ユーザの負担の増大を抑制しつつ、プリンタの個体差が考慮された最適な印刷制御を実現することができる。この構成は、さらにユーザの嗜好をも考慮した設定を可能とするという利点を有する。
上記印刷制御装置において、前記印刷部は、インクを吐出するための複数のノズルと、前記複数のノズルを駆動するための複数の駆動素子と、を備える印刷ヘッドを備え、前記印刷ヘッドの主走査と前記印刷媒体の副走査とを行いつつ、前記印刷ヘッドから前記印刷媒体上にインクを吐出することによってドットを形成し、
前記複数の設定パラメータは、前記複数の駆動素子を駆動するための電圧波形と、前記印刷媒体の副走査を行うための紙送り量と、前記ドットデータを生成するための処理の内容と、の3つの設定パラメータのうちの少なくとも2つを含むようにしても良い。
かかる3つの設定パラメータは、印刷ヘッドの主走査と印刷媒体の副走査とを行う印刷に関し、発明者によって顕著な相互作用を有することが確認されている。このため、かかる3つの設定パラメータのうちの少なくとも2つを設定パラメータに含むようにすれば、本発明は、顕著な効果を奏することができる。
なお、本発明は、印刷装置、それらの方法または装置の機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、コンピュータプログラム製品等の種々の形態で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.本発明の実施例における印刷システムの構成:
B.本発明の実施例で抑制の対象となる画像ノイズ:
C.本発明の第1実施例における高画質化処理:
D.本発明の第2実施例における高画質化処理:
E.変形例:
A.本発明の実施例における印刷システムの構成:
図1は、本発明の実施例における印刷システム10の構成を示す説明図である。印刷システム10は、画像処理や印刷処理のためのユーザインターフェース部18と、ユーザインターフェース部18からの入力に応じて画像処理や印刷処理を行うパーソナルコンピュータPCと、印刷画像を出力する出力装置としてのカラープリンタ20と、出力された印刷画像を入力して画像データを生成するスキャナ30とを備えている。
パーソナルコンピュータPCは、画像処理を実行する画像処理アプリケーションプログラム300と、カラープリンタ20に送信するための印刷データPDと設定データとを生成する印刷データ生成部100と、スキャナ30から入力された画像データに応じて印刷画像を評価する印刷画像評価部200と、スキャナ30やユーザインターフェース部18、カラープリンタ20といった外部機器との間のインターフェースを司るインターフェース部15とを備えている。ユーザインターフェース部18は、後述する操作表示画面を表示するディスプレイ18aと、ユーザからの入力を受け付けるキーボード18bやマウス18cを備える。
図2は、本発明の実施例における印刷データ生成部100の構成を示すブロック図である。印刷データ生成部100は、解像度変換モジュール107と、色変換モジュール108と、減色モジュール109と、インターレースデータ生成部110と、色変換テーブルLUTと、記録率テーブルDTと、を備えている。
印刷データ生成部100や印刷画像評価部200の機能を実現するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給される。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
図3は、カラープリンタ20の概略構成図である。カラープリンタ20は、紙送りモータ22によって印刷用紙Pを副走査方向に搬送する副走査送り機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ31をプラテン25の軸方向(主走査方向)に往復動させる主走査送り機構と、キャリッジ31に搭載された印刷ヘッドユニット60(「印刷ヘッド集合体」とも呼ぶ)を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御するヘッド駆動機構と、これらの紙送りモータ22,キャリッジモータ24,印刷ヘッドユニット60および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とを備えている。制御回路40は、コネクタ56を介してコンピュータPCに接続されている。
印刷用紙Pを搬送する副走査送り機構は、紙送りモータ22の回転をプラテン25と用紙搬送ローラ(図示せず)とに伝達するギヤトレインを備える(図示省略)。また、キャリッジ31を往復動させる主走査送り機構は、プラテン25の軸と並行に架設されキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検出する位置センサ39とを備えている。
図4は、制御回路40を中心としたカラープリンタ20の構成を示すブロック図である。制御回路40は、CPU41と、プログラマブルROM(PROM)43と、RAM44と、文字のドットマトリクスを記憶したキャラクタジェネレータ(CG)45とを備えた算術論理演算回路として構成されている。この制御回路40は、さらに、外部のモータ等とのインタフェースを専用に行なうI/F専用回路50と、このI/F専用回路50に接続され印刷ヘッドユニット60を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動回路52と、紙送りモータ22およびキャリッジモータ24を駆動するモータ駆動回路54と、を備えている。I/F専用回路50は、パラレルインタフェース回路を内蔵しており、コネクタ56を介してコンピュータPCから供給される印刷データPDを受け取ることができる。カラープリンタ20は、この印刷データPDに従って印刷を実行する。
印刷用紙Pの紙送り量は、カラープリンタ20の製造時や印刷モードの設定時において調整される。印刷用紙Pの紙送り量は、プラテン25や印刷用紙Pの種類に応じて変動するからである。たとえば、個体差に起因するプラテン25の表面状態に応じて変動する紙送り量は、かかる変動量を補償するようにカラープリンタ20の製造時において調整される。一方、印刷用紙Pの種類に応じて変動する紙送り量は、かかる変動量を補償するように印刷モードの設定において紙種を選択する際において調整される。
このような調整は、たとえば紙送りモータ22を駆動するモータ駆動回路54にバイアス信号を与えることによって調整することができる。ただし、このような方法では、副走査送り機構の経年変化に応じて変動する紙送り量の補償をすることはできない。さらに、紙送り毎の紙送り量のバラツキも補償することができない。
印刷ヘッドユニット60は、印刷ヘッド28を有しており、また、インクカートリッジを搭載可能である。なお、印刷ヘッドユニット60は、1つの部品としてカラープリンタ20に着脱される。すなわち、印刷ヘッド28を交換しようとする際には、印刷ヘッドユニット60を交換することになる。
図5は、印刷ヘッド28の下面におけるノズル配列を示す説明図である。印刷ヘッド28の下面には、シアンインクを吐出するためのシアンインクノズル列Cと、淡シアンインクを吐出するための淡シアンインクノズル列LC と、マゼンタインクを吐出するためのマゼンタインクノズル列Mと、淡マゼンタインクを吐出するための淡マゼンタインクノズル列LMと、イエローインクを吐出するためのイエローノズル列Yと、ダークイエロインクを吐出するためのダークイエローノズル列DYと、ブラックインクを吐出するためのブラックインクノズル列Kとが形成されている。ここで、淡シアンインクは、シアンインクに比べて濃度が低いインクである。淡マゼンタインクは、マゼンタインクに比べて濃度が低いインクである。ダークイエロインクと比較して明度が低いインクである。
各ノズルには、各ノズルを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子としてのピエゾ素子(後述する)が設けられている。印刷時には、印刷ヘッド28が主走査方向に移動しつつ、各ノズルからインク滴が吐出される。
図6は、ノズルNzとピエゾ素子PEの構造を示す説明図である。ピエゾ素子PEは、ノズルNzまでインクを導くインク通路68に接する位置に設置されている。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に電圧を印加することにより、インク通路68の側壁のひとつを変形させてインク滴IpをノズルNzの先端から高速に吐出させている。
図7は、インクが吐出される際のノズルNzの2種類の駆動波形と吐出される2つのサイズのインク滴IPs、IPmとの関係を示した説明図である。図7(a)は、単体で小ドットを形成可能な小インク滴IPsを吐出するための駆動波形を示しており、図7(b)は、単体で中ドットを形成可能な中インク滴IPmを吐出するための駆動波形を示している。
小インク滴IPsは、以下のようにインク吸収過程とインク吐出過程の2つの過程を経てノズルNzから吐出させることができる。
(1)インク供給過程(d1s):この過程では、インク通路68(図6)が拡張されて図示しないインクタンクからインク通路68にインクが供給される。インク通路68の拡張は、ピエゾ素子PEに印加する電位を低くして、これを収縮させることによって行われる。
(1)インク吐出過程(d2):この過程では、インク通路68が圧縮されてノズルNzからにインクが吐出される。インク通路68の圧縮は、ピエゾ素子PEに印加する電位を高くして、これを膨張させることによって行われる。
中インク滴IPmは、インク吸収過程において、図7(b)に示されるように電位を比較的ゆっくりと低下させることによって、小インク滴IPsと同様に吐出させることができる。電位をゆっくりと低下させることによりインク通路68をゆっくりと拡張させると、図示しないインクタンクからより多くのインクを供給させることができるからである。
このように、電位の低下速度を速くすると、図7(a)に示されるようにインク界面MeがノズルNzの内側に大きくへこんだ状態でインク吐出過程に移行することになるため、吐出されるインク滴が小さくなる。一方、電位の低下速度を遅くすると、図7(b)に示されるようにインク界面MeがノズルNzの内側に小さくへこんだ状態でインク吐出過程に移行することになるため、吐出されるインク滴が大きくなる。本実施例では、このようにインク供給過程における電位の変化速度を変動させることによってインク滴の大きさを変化させている。
図8は、小インク滴IPsと中インク滴IPmとを用いて大中小の3つのサイズのドットを同一位置に形成する様子を示す説明図である。駆動波形W1は、小インク滴IPsを吐出するための波形であり、駆動波形W2は、中インク滴IPmを吐出するための波形である。図8から分かるように、本実施例では、小インク滴IPsを吐出するための駆動波形W1が出力された後、一定時間経過後に中インク滴IPmを吐出するための駆動波形W2が出力されている。
このようなタイミングで2つの駆動波形W1、W2をピエゾ素子PEに出力しているのは、小インク滴IPsと中インク滴IPmの着弾位置を一致させるためである。すなわち、図8から分かるように、平均飛翔速度が比較的に遅い小インク滴IPsを先に吐出させて、一定時間経過後に平均飛翔速度が比較的に速い中インク滴IPmを吐出させると着弾位置を一致させることができる。なお、平均飛翔速度とは、吐出から着弾までの飛翔速度の平均値を意味し、減速率が大きい場合には低下する。
インク滴Ipの大きさや着弾位置は、本実施例では、カラープリンタ20への印刷ヘッドユニット60の装着によって調整される。インク滴Ipの大きさや着弾位置は、ピエゾ素子PEの特性やインク通路68の大きさと形状といった印刷ヘッド28の各ノズル列の個体差によって変動するからである。具体的には、ヘッド駆動回路52(図4)が、印刷ヘッド28の特性情報に基づいて、各ノズル列毎に駆動信号を調整することによって調整される。印刷ヘッド28の特性情報は、印刷ヘッドユニット60が備える図示しないメモリに格納されている。
各ノズル列毎に駆動信号を調整するのは、ノズル列毎に一体として製造されるのが通例なので、ノズル列毎に特性が近似することが分かっているからである。したがって、各ノズル列内における各ノズルの特性のバラツキは、補償されないことになる。駆動信号の調整は、ドット径については、たとえば時間d1s、d1mの調整によって、ドット着弾位置については、ピーク電圧の高さの調整によって行われる。
このように、カラープリンタ20は、紙送り量やインク滴Ipの大きさや着弾位置の相互作用を考慮することなく別個に調整し、予め設定された公差の範囲内とすることで印刷画質を保証するように構成されている。
B.本発明の実施例で抑制の対象となる画像ノイズ:
図9は、インクドットによって形成された印刷画像において、バンディングノイズが発生する様子を示す説明図である。円内の番号は、その画素位置におけるドットの形成を担当するノズルの番号を示している。この例では、5番ノズルで形成されるドットの着弾位置が製造誤差等により上方にずれていることにより白スジや黒スジとしてバンディングノイズが発生している。バンディングノイズが印刷画質を大きく劣化させるのは、人間の視覚感度の大きな周波数帯におけるノイズだからである。
図10は、人間の視覚感度VTFを示すグラフである。視覚感度VTFは、空間周波数が低い帯域で高くなっている。一方、白スジや黒スジは、主走査方向に長く低い空間周波数を有しているため、ノイズとして人間の目につきやすいことが分かる。さらに、白スジと黒スジのうち、白スジが特に人間の目につきやすいので、白スジの抑制が人間の目につきやすいノイズの抑制に効果があることが分かる。
白スジは、インクドットの径が小さく印刷用紙Pの紙送り量が大きな場合に生じやすいことが分かっている。このような場合には、インクドットとインクドットとの間に隙間が生じやすいからである。一方、紙送り量が小さな場合には、黒スジが生じやすくなる。さらに、インクドットの着弾位置の副走査方向の分散が大きいと、白スジが分断されやすくなるのでバンディングノイズが抑制される傾向がある一方、インクドットのモトルを生じさせて粒状性を悪化させるという問題が生ずる可能性が高くなる。モトルとは、インクドットの着弾位置のバラツキによって生ずる集落である。
このように、紙送り量とインクドットの大きさや着弾位置は、有機的に関係してバンディングノイズや粒状性といった印刷画質の劣化の原因となる画像ノイズに影響を与えていることが分かる。
C.本発明の第1実施例における高画質化処理:
図11は、本発明の第1実施例における高画質化処理の内容を示すフローチャートである。本高画質化処理は、印刷制御パラメータ(設定パラメータとも呼ばれる)を変動させた状態でテストパターンを印刷するとともに、このようにして印刷された印刷物の印刷画質に含まれる画像ノイズの評価に基づいて最適な印刷制御パラメータを決定する。本実施例では、印刷制御パラメータとしてインクドットの径と紙送り量とが選択されている。
ステップS100では、印刷画像評価部200(図1)は、ユーザからの命令に応じて所定のテストパターン群(図12)をカラープリンタ20に印刷させる。所定のテストパターン群は、本実施例では、5種類の濃度が異なるパッチを含むテストパターンを9種類の異なる設定で印刷された合計45個のパッチを含むテストパターン群である。
図13は、本発明の第1実施例におけるテストパターン群の印刷方法を示すフローチャートである。ステップS110では、印刷画像評価部200は、設定内容を決定する。設定内容の決定は、印刷画像評価部200内に予め準備されたテーブルに基づいて行われる。
図14は、本発明の第1実施例におけるテストパターン群の印刷における設定内容を格納するテーブルを示す表である。このテーブルは、設定内容を表す印刷制御パラメータとして「ドット径」と「副走査送り量」とを含んでいる。設定内容は、説明を分かりやすくするためにノミナル値とノミナル値に対するバイアス値ε、δの加減の組合せとして簡単に示されている。
印刷画像評価部200は、最初に、設定1を選択して印刷制御パラメータとして「ドット径」および「副走査送り量」を、それぞれ「ノミナル値+ε」と「ノミナル値+δ」に設定する。
ステップS120では、印刷画像評価部200は、I/F部15を介して設定データをカラープリンタ20に送信する(図1)。カラープリンタ20は、設定データの受信に応じて、「ドット径」および「副走査送り量」を、それぞれ「ノミナル値+ε」と「ノミナル値+δ」に設定する。
ステップS130では、印刷画像評価部200は、5種類の濃度が異なるパッチを印刷するための印刷データPDをカラープリンタ20に送信する。カラープリンタ20は、印刷データPDの受信に応じて、上記の設定状態で5種類の濃度が異なるパッチを印刷する。このような印刷処理は、同一のカラーパッチに対して9種類の全ての設定について行われる(ステップS140)。このような印刷処理の結果、図12に示されるような所定のテストパターン群が印刷されることになる。
なお、本実施例では、「設定データ」と「印刷データPD」とが特許請求の範囲における「印刷データ」に相当する。また、設定データは、たとえば印刷データPDのヘッダ情報の一部としてカラープリンタ20に送信するようにしても良い。こうすれば、印刷ジョブ毎に設定の変更が望まれる場合にユーザの負担を軽減することができる。
ステップS200(図11)では、印刷画像評価部200は、所定のテストパターン群が印刷された印刷画像をスキャナー30(図1)を使用して画像データとして入力する。この入力操作は、印刷画像評価部200は、ユーザに対して所定のテストパターン群が印刷された印刷画像をスキャナー30から入力するようにディスプレイ18aを通じて要求するとともに、この要求にユーザが応じることによって行われる。
ステップS300(図11)では、印刷画像評価部200は、入力された画像データを評価する。この評価は、画像ノイズを定量化する処理である。画像ノイズの定量化は、印刷画像に含まれる画像ノイズを粒状性ノイズとバンディングノイズとに分離するとともに、各々のノイズに所定の感度係数を乗じて合計することによって行われる。
図15は、本発明の第1実施例における印刷画像評価処理の内容を示すフローチャートである。ステップS310では、印刷画像評価部200は、ウィナースペクトルを生成する。ウィナースペクトルは、たとえば画像データの明度の2次元フーリエ変換結果を二乗するか、あるいは画像データの明度の自己相関関数の2次元フーリエ変換として簡単に求めることができる。ウィナースペクトルは、粒状性ノイズやバンディングノイズを定量化(数値化)することができる。
ステップS320では、印刷画像評価部200は、ウィナースペクトルに含まれる粒状性ノイズとバンディングノイズとを分離する。この分離は、画像ノイズの等法性の有無や特定の周波数への集中の有無を利用して実現することができる。等法性とは、画像ノイズの性質が特定の方向に依存しない性質をいう。
画像ノイズの等法性に着目した分離方法は、粒状性ノイズが等法性を有しているのに対して、バンディングノイズが方向性を有している点を利用した方法である。たとえば、均一なパッチのウィナースペクトルに基づき、方向に応じたパワーの変動に着目して等法性を有するバックグラウンドノイズ(ここでは、粒状性ノイズ)から方向性を有するバンディングノイズを分離抽出することができる。
特定の周波数への集中に着目した分離方法は、バンディングノイズが特定の周波数に集中することを利用した方法である。たとえば、均一なパッチのウィナースペクトルに基づき、パワーの平均レベルに応じて変化する閾値を設定するとともに、閾値よりも大きなパワーを有するノイズがバンディングノイズであると決定して分離抽出することができる。
図16は、このようにして分離抽出された粒状性ノイズとバンディングノイズとから総ノイズ量を算出する様子を示す説明図である。図16(a)は、各パッチの粒状性ノイズの値と各設定の統合ノイズの値とを示している。図16(b)は、各パッチのバンディングノイズの値と各設定の統合ノイズの値とを示している。図16(c)は、各設定の2つの統合ノイズから算出された総ノイズ量を示している。
図16(a)(b)中の濃度1、濃度2、濃度3、濃度4、および濃度5は、図12に示される各設定の左端から右端のパッチの各ノイズの値である。たとえば図12に示される設定1の左端のパッチについては、粒状性ノイズの値は4.1と算出されている。図16(a)(b)における統合ノイズは、各設定におけるノイズの大きさを表す値であり、各パッチのノイズの値の中で最も大きな値とされている。各設定におけるノイズの大きさを表す値を、各パッチの中で最も大きな値としたのは、いわゆるワーストケースにおける印刷画質を評定として印刷処理システムをロバスト性の高いシステムとすることが好ましいからである。
ステップS330では、印刷画像評価部200は、重み付け処理を行う。重み付け処理は、分離された粒状性ノイズの値とバンディングノイズの値とに重み付け係数を乗ずる処理である。重み付け処理を行うのは、粒状性ノイズとバンディングノイズとが性質の異なるノイズであって、視覚感度に与える影響が異なるとともに、ユーザの嗜好によっても評価が異なるからである。
重み付け処理は、たとえば設定1では以下のように行われている。設定1では、粒状性ノイズとバンディングノイズの統合ノイズの値は、それぞれ「8.8」と「2.8」である。係数1は、粒状性ノイズの統合ノイズに係数0.6を乗じ、バンディングノイズの統合ノイズに係数0.4を乗ずることを意味している。この結果、「6.4」の値が算出されている。係数2と係数3については、同様に5.8と5.2の値が算出されている。
ステップS340では、印刷画像評価部200は、総ノイズ量を決定する。総ノイズ量は、係数1、係数2、および係数3を用いて算出された値の中で最も大きな値を各設定について選択することで決定される。最も大きな値を選択するのは、視覚感度に与える影響やユーザの嗜好のバラツキを考慮しつつ、印刷処理システムをロバスト性の高いシステムとするためである。
ステップS400(図11)では、印刷画像評価部200は、設定の絞り込みを行う。設定の絞り込みは、本実施例では、総ノイズ量の最も小さな3つの設定を選択することによって行われる。具体的には、図16の例では、設定2、設定4、及び設定7が選択される。印刷画像評価部200は、選択された3つの設定を各パッチの画像とともにディスプレイ18aに表示する。
図17は、ディスプレイ18aに表示された各パッチの画像を表すユーザーインターフェース画面W1を示す説明図である。ユーザーインターフェース画面W1には、設定2、設定4、及び設定7によって印刷された各パッチの画像が示されている。ユーザは、マウス18cを用いて設定2、設定4、あるいは設定7のいずれかをクリックすることによって最も好みの設定を選択することができる(ステップS500)。
ステップS600(図11)では、印刷画像評価部200は、I/F部15を介して、選択された設定をカラープリンタ20の初期設定とするようにカラープリンタ20を操作する。具体的には、ヘッド駆動回路52やモータ駆動回路54が選択された設定となるようにカラープリンタ20が操作されることになる。
このように、本発明に第1実施例では、ドット径と紙送り量といった有機的に関係する複数の制御パラメータを変動させた印刷画像に含まれる画像ノイズを数値化するととともに、数値化された画像ノイズに応じて絞り込まれた複数の設定からユーザが好ましい設定を選択することができるので、複数の印刷制御パラメータの有機的な関係を考慮した設定の最適化を容易に実現することができる。
D.本発明の第2実施例における高画質化処理:
本発明の第2実施例は、有機的に関係する印刷制御パラーメータとしてドット径と紙送り量だけでなく減色処理が含まれている点で第1実施例と異なる。減色処理が含まれているのは、減色処理の内容もドット径や紙送り量と有機的な関係をもって粒状性ノイズやバンディングノイズに大きな影響を与えるからである。本実施例では、256のインク階調値が大ドット、中ドット、小ドット、ドットなしの4階調に減色される。
図18は、ドット記録率テーブルとインク吐出量との間の関係を示す説明図である。図18(a)は、多階調データの階調値と各サイズのドットのドット記録率との間の関係を示す図であり図7と同一である。図18(b)は、階調値と所定の領域に吐出されるインク重量との間の関係を示す説明図である。所定の領域は、255個の画素から構成される領域仮定されている。インク重量は、小ドットが10ng、中ドットが20ng、そして大ドットが30ngと仮定している。
図18(b)は、各階調値毎に下記の積をプロットしたものである。
(1)各サイズのドットの記録率(たとえば階調値G2において小ドットは25%、中ドットは50%)
(2)インクの重量(小ドットは10ng、中ドットは20ng、大ドットは30ng)
(3)所定の領域の画素数(255画素)
たとえば階調値が255(最大階調値)の場合には、上記の積は、7650ng(=100%×30ng×255画素)となる。
図18(b)から分かるように、階調値が0から255に向かって高くなると、インク吐出量は直線Wiに沿って0ngから7650ngに向かって増加する。このように、本実施例では、説明を分かりやすくするために所定の領域に吐出されるインク重量と階調値とは線形の関係にあるものとしている。
所定の領域に吐出されるインク重量は、図18(a)(b)から分かるように、階調値の増大に応じて以下のように増加する。
(1)階調値0から階調値G1までの領域においては、小ドットのドット記録率の増大に応じて線形にインク重量が増加する。
(2)階調値G1から階調値G2までの領域においては、小ドットのドット記録率は一定となり、中ドットのドット記録率の増大に応じて線形にインク重量が増加する。
(3)階調値G2から階調値G3までの領域においては、小ドットと中ドットのドット記録率は一定となり、大ドットのドット記録率の増大に応じて線形にインク重量が増加する。
(4)階調値G3から最大階調値までの領域においては、小ドットと中ドットのドット記録率は減少に転じ、小ドットと中ドットを大ドットに置き換えていくことにより線形にインク重量が増加する。
このようなドット記録率のプロファイルは、本実施例では、以下のようなトレードオフの結果として生成されている。
(1)粒状性(画像のざらつき)を抑制するためには、視認されやすい比較的大きなドットの記録率を低くして比較的小さなドットのドット記録率を高くするのが好ましい。このような特性は、低い階調領域において特に顕著である。
(2)バンディング(筋状の画質劣化)を少なくするためには、比較的小さなドットを比較的大きなドットに置き換えることにより比較的小さなドットのドット記録率を低くするのが好ましい。このような特性は、高い階調領域において特に顕著である。
このようなトレードオフの結果、本実施例では、小ドットのドット記録率の上限値を25%とし、中ドットのドット記録率の上限値を50%としてプロファイルを設定している。
図19は、小ドットおよび中ドットのドット記録率と、バンディングの発生との間の関係を示す説明図である。図19(a)は、図9(a)と同一の図である円内の番号は、図9(a)と同様に、その画素位置におけるドットの形成を担当するノズルの番号を示している。
図19(c)は、図19(b)と同一のエリアに同一のインク量が吐出された様子である。このため、図19(c)のドットパターンと図19(b)のドットパターンは、同一の階調を表現している。ただし、図19(c)では、図19(b)における6個の小ドットが3個の中ドットに置き換えられている。
図19(c)のドットパターンでは、図19(b)のものよりバンディングが抑制されていることが分かる。図19(b)で発生している白スジが4番ノズルと5番ノズルで形成されている2個の中ドットで分断されているからである。白スジは、以下に示すように分断されると画質の劣化として目立ちにくくなることが分かっている。
このように、単独で小ドットの記録率を高くすると、もしくは中ドットの記録率が極めて低い状態で小ドットの記録率を高くすると、バンディングが発生し易いことが分かる。ただし、中ドットを多用すると逆に粒状性(画像のざらつき)が発生しやすくなる。中ドットは小ドットに比較して視認されやすいからである。
このため、各サイズのドット記録率は、前述のようにバンディングと粒状性のトレードオフの結果として最適な値に決定されることになる。ところが、ドット径が設定により変動すると、減色処理用に最適に設定されたはずの小ドットの上限値が最適でなくなるという問題が生じることになる。さらに、ドット径と有機的な相互作用を有する紙送り量とも間接的に減色処理が相互作用を有することになる。
図20は、本発明の第2実施例において利用される複数のドット記録率テーブルDT(n)を示す説明図である。図20は、複数のドット記録率テーブルDT(n)に3つのドット記録率テーブルDTn、DT1、DT2が含まれていることを示している。ドット記録率テーブルDTn、DT1、DT2は、減色処理の印刷制御パラメータとして選択可能である。
図21は、本発明の第2実施例におけるドット記録率テーブルの設定方法を示す説明図である。図21(a)は、ドット記録率テーブルの設定に使用される各サイズのドット記録率のプロファイルを示している。たとえば小ドットのドット記録率プロファイルには、プロファイルSDn、SD1、SD2がある。これらのプロファイルSDn、SD1、SD2の相違点は、ドット記録率の上限値にある。ドット記録率の上限値は、プロファイルSDnでは25%に設定されているが、プロファイルSD1ではプロファイルSDnより5%だけ高い30%(L1)に設定されており、プァイルSD2ではプロファイルSDnより5%だけ低い20%(L2)に設定されている。小ドット記録率のプロファイルの調整に伴って、中ドット記録率のプロファイルMDn、MD1、MD2にも調整が行われている。
図22は、本発明の第2実施例におけるテストパターン群の印刷における設定内容を格納するテーブルを示す表である。このテーブルは、設定内容を表す印刷制御パラメータとして「ドット径」と「副走査送り量」に加えて「ドット記録率テーブル」を含んでいる。
このように、第2実施例では、印刷制御パラーメータとしてドット径と紙送り量だけでなく減色処理が含まれているので、選択対象となる設定の選択肢が増大するが、印刷画像評価部200によって選択肢を絞り込むことができるので、ユーザの負担増大を抑制しつつ、さらに加えられた印刷制御パラメータの有機的な関係をも考慮した設定の最適化を容易に実現することができる。
なお、本実施例では、「複数の設定パラメータの操作によって設定された複数の制御内容のいずれかでドットの形成を行うように構成された印刷データ」とは、設定パラメータとしての複数のドット記録率テーブルの選択が行われて生成された印刷データPDと、設定データ(ドット径と副走査送り量)とを含む印刷データを意味する。
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、たとえば次のような変形も可能である。
E−1.上述の各実施例では、画像ノイズに応じて複数の制御内容のうちの数値が比較的に少ない制御内容を選択するとともに、選択された制御内容の中からユーザが選択することによって制御内容の最終的な選択が行われているが、自動的に最終的な選択が行われるようにしても良い。ただし、ユーザが最終的な選択を行うように構成すればユーザの嗜好をも考慮した選択が可能となるという利点があり、自動的に最終的な選択が行われるように構成すればユーザの負担がさらに軽くなるという利点がある。
E−2.上述の各実施例では、ノズルの駆動素子を駆動するための電圧波形や印刷媒体の副走査を行うための紙送り量、ドットデータを生成するための処理の内容といった3つのパラメータが設定パラメータとして使用されているが、たとえばインターレース方法や色変換、色分版といった他のパラメータを設定パラメータに含めるようにしても良い。ただし、実施例で使用された3つのパラメータは、顕著な相互作用を有することが確認されているので、かかる3つの設定パラメータのうちの少なくとも2つを設定パラメータに含むようにすれば、本発明は、顕著な効果を奏することができる。
E−3.制御内容の選択は、印刷環境(たとえば印刷用紙やインクの種類、印刷用紙とインクの相性)や印刷対象画像(たとえば自然画やDTP)といった印刷状況毎に行うようにしても良い。このような場合には、印刷環境や印刷対象画像に応じて選択された制御内容が印刷処理において自動的に選択されるように構成することが好ましい。
E−4.上述の実施例では、テストパターンの出力は1回だけであるが、複数回の出力を行って段階的に設定を行うようにしても良い。たとえば最初の段階で大まかな設定を行って徐々に詳細な設定を行うようにしても良い。このような場合には、各設定パラメータの変動に対する画像ノイズの感度分析を行って、次回のテストパターン群を決定するようにしても良い。
たとえば3つのパラメータのうちドット径と紙送り量の調整による画像ノイズの変動が大きい場合には、ドット径と紙送り量の調整を詳細に変動させて設定パラメータを決定するようにしても良いし、さらに、人間の視覚感度VTFを考慮して設定の変動幅を決定するようにしても良い。こうすれば、ユーザー負担をさらに軽減させることができる。
E−5.上述の実施例では、ピエゾ素子を備えるインクジェットプリンタを例に説明したが、いわゆるノズルに備えたヒータに通電することによりインク内に生じるバブルでインクを吐出するタイプのプリンタを始め種々のプリンタその他の印刷装置に適用可能である。
E−6.この発明はカラー印刷だけでなくモノクロ印刷にも適用できる。また、1画素を複数のドットで表現することにより多階調を表現する印刷にも適用できる。
E−7.上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図1に示した印刷画像評価部等の一部または全部を、プリンタ20内の制御回路40が実行するようにすることもできる。この場合には、印刷データを作成する印刷制御装置としてのコンピュータPCの機能の一部または全部が、プリンタ20の制御回路40によって実現される。
本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
本発明の実施例における印刷システム10の構成を示す説明図。 本発明の実施例における印刷データ生成部100の構成を示すブロック図。 カラープリンタ20の概略構成図。 制御回路40を中心としたカラープリンタ20の構成を示すブロック図。 印刷ヘッド28の下面におけるノズル配列を示す説明図。 ノズルNzとピエゾ素子PEの構造を示す説明図。 インクが吐出される際のノズルNzの2種類の駆動波形と吐出される2つのサイズのインク滴IPs、IPmとの関係を示した説明図。 小インク滴IPsと中インク滴IPmとを用いて大中小の3つのサイズのドットを同一位置に形成する様子を示す説明図。 インクドットによって形成された印刷画像において、バンディングノイズが発生する様子を示す説明図。 人間の視覚感度VTFを示すグラフ。 本発明の第1実施例における高画質化処理の内容を示すフローチャート。 本発明の第1実施例における所定のテストパターン群を示す説明図。 本発明の第1実施例における所定のテストパターン群の印刷方法を示すフローチャート。 本発明の第1実施例におけるテストパターン群の印刷における設定内容を格納するテーブルを示す表。 本発明の第1実施例における印刷画像評価処理の内容を示すフローチャート。 分離抽出された粒状性ノイズとバンディングノイズとから総ノイズ量を算出する様子を示す説明図。 ディスプレイ18aに表示された各パッチの画像を表すユーザーインターフェース画面W1を示す説明図。 ドット記録率テーブルとインク吐出量との間の関係を示す説明図。 小ドットおよび中ドットのドット記録率と、バンディングの発生との間の関係を示す説明図。 本発明の第2実施例において利用される複数のドット記録率テーブルDT(n)を示す説明図。 本発明の第2実施例におけるドット記録率テーブルの設定方法を示す説明図。 本発明の第2実施例におけるテストパターン群の印刷における設定内容を格納するテーブルを示す表。
符号の説明
10…印刷システム
15…インターフェース部
18…ユーザインターフェース部
20…カラープリンタ
22…紙送りモータ
24…キャリッジモータ
25…プラテン
28…印刷ヘッド
30…スキャナ
31…キャリッジ
32…操作パネル
34…摺動軸
36…駆動ベルト
38…プーリ
39…位置センサ
40…制御回路
41…CPU
44…RAM
50…I/F専用回路
52…ヘッド駆動回路
54…モータ駆動回路
56…コネクタ
60…印刷ヘッドユニット
68…インク通路
100…印刷データ生成部
107…解像度変換モジュール
108…色変換モジュール
109…減色モジュール
110…インターレースデータ生成部
125…プラテン
200…印刷画像評価部
300…画像処理アプリケーションプログラム

Claims (6)

  1. 印刷媒体上にドットを形成して印刷を行うために印刷部を制御する印刷制御装置であって、
    印刷画像の各画素における各種類のドットの形成の有無を表すドットデータを含むとともに、複数の設定パラメータの操作によって設定された複数の制御内容のいずれかで前記ドットの形成を行うように構成された印刷データを生成する印刷データ生成部と、
    前記印刷データに応じて前記印刷部が出力した出力画像に含まれる画像ノイズを数値化する印刷画像評価部と、
    を備え、
    前記印刷データ生成部は、同一の入力画像を用いて、前記複数の制御内容毎に複数のテストパターンを前記印刷データとして出力させる出力モードを有し、
    前記印刷画像評価部は、前記出力画像として出力された複数のテストパターンから生成された複数の評価用画像データに含まれた画像ノイズを数値化することを特徴とする、印刷制御装置。
  2. 請求項1記載の印刷制御装置であって、
    前記印刷画像評価部は、さらに、前記数値化された画像ノイズに応じて前記複数の制御内容のうちの前記数値が比較的に少ない制御内容を選択するとともに、前記選択された制御内容の中から1つを選択することをユーザに許容する選択画面を表示部に表示して、ユーザによる前記選択を受け取り、
    前記印刷データ生成部は、少なくとも初期設定として、前記ユーザにより選択された制御内容で前記ドットの形成を行うように構成された印刷データを生成する、印刷制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の印刷制御装置であって、
    前記印刷部は、インクを吐出するための複数のノズルと、前記複数のノズルを駆動するための複数の駆動素子と、を備える印刷ヘッドを備え、前記印刷ヘッドの主走査と前記印刷媒体の副走査とを行いつつ、前記印刷ヘッドから前記印刷媒体上にインクを吐出することによってドットを形成し、
    前記複数の設定パラメータは、前記複数の駆動素子を駆動するための電圧波形と、前記印刷媒体の副走査を行うための紙送り量と、前記ドットデータを生成するための処理の内容と、の3つの設定パラメータのうちの少なくとも2つを含む、印刷制御装置。
  4. 印刷媒体上にドットを形成することによって印刷を行う印刷装置であって、
    印刷媒体上に印刷ヘッドからインクを吐出することによってドットを形成する印刷部と、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の印刷制御装置と、
    を備える印刷装置。
  5. 印刷媒体上にドットを形成して印刷を行うために印刷部を制御する印刷制御方法であって、
    印刷画像の各画素における各種類のドットの形成の有無を表すドットデータを含むとともに、複数の設定パラメータの操作によって設定された複数の制御内容のいずれかで前記ドットの形成を行うように構成された印刷データを生成する印刷データ生成工程と、
    前記印刷データに応じて前記印刷部が出力した出力画像に含まれる画像ノイズを数値化する印刷画像評価工程と、
    を備え、
    前記印刷データ生成工程は、同一の入力画像を用いて、前記複数の制御内容毎に複数のテストパターンを前記印刷データとして出力させる出力モードを有し、
    前記印刷画像評価工程は、前記出力画像として出力された複数のテストパターンから生成された複数の評価用画像データに含まれた画像ノイズを数値化する工程を含むことを特徴とする、印刷制御方法。
  6. 印刷媒体上にドットを形成して印刷を行うために印刷部を制御するための処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    印刷画像の各画素における各種類のドットの形成の有無を表すドットデータを含むとともに、複数の設定パラメータの操作によって設定された複数の制御内容のいずれかで前記ドットの形成を行うように構成された印刷データを生成する印刷データ生成機能と、
    前記印刷データに応じて前記印刷部が出力した出力画像に含まれる画像ノイズを数値化する印刷画像評価機能と、
    を前記コンピュータに実現させるプログラムを有し、
    前記印刷データ生成機能は、同一の入力画像を用いて、前記複数の制御内容毎に複数のテストパターンを前記印刷データとして出力させる機能を有し、
    前記印刷画像評価機能は、前記出力画像として出力された複数のテストパターンから生成された複数の評価用画像データに含まれた画像ノイズを数値化する機能を含むことを特徴とする、コンピュータプログラム。
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