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JP2006074610A - 伝送媒体アクセス制御装置、伝送媒体アクセス制御方法、および伝送媒体アクセス制御プログラム - Google Patents

伝送媒体アクセス制御装置、伝送媒体アクセス制御方法、および伝送媒体アクセス制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 対等分散型の環境でTDMAを実現し、効率と信頼性を高める。
【解決手段】 伝送媒体アクセス制御装置であって、状態変数信号通信部と、タイミング決定部と、データ送信部と、データ受信部と、動作状態が所定の定常状態にあるとき、周期上に、自ノードのタイムスロットを基準として決めた所定の位相位置に所定の監視期間を設定する監視期間設定部と、定常状態にあるとき、周期上の監視期間以外の期間では、状態変数信号通信部による受信動作を停止させ、監視期間中における他ノードからの状態変数信号の受信状況が変動した場合、近傍の1又は複数の他ノードの間で定常状態が崩壊したものと判定して、周期上の監視期間以外の期間でも、状態変数信号通信部に受信動作を行わせる状態変数信号受信動作制御部とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は伝送媒体アクセス制御装置、伝送媒体アクセス制御方法、および伝送媒体アクセス制御プログラムに関し、例えば、アドホックネットワークのように、あるノードが他のノードから送信されたデータを中継する対等分散型の通信システムなどに適用して好適なものである。
空間に分散配置された複数のノードが衝突することなくデータ通信し得るようにするための方式として、TDMA方式、CSMA(CSMA/CAやCSMA/CD)方式などがある(非特許文献1参照)。
CSMA方式は、発信しようとするノードは、他のノードが通信中か否かをキャリア(周波数)の存在に基づいて確認し、通信が実行されていないときに発信するものである。
しかしながら、CSMA方式の場合、ノード数(チャネル数)が多くなると、衝突が頻発する等の理由で、同時に通信可能なチャネル数は少なくなる。
TDMA方式は、各ノードに異なるタイムスロットを割当て、各ノードは自己に割り当てられているタイムスロットでデータ送信を行うものである。TDMA方式は、CSMA方式より同時に通信可能なチャネル数を多くし易い。TDMA方式では、通信に供するノードが動的に変化する場合、あるノード(管理ノード)が、各ノードへのタイムスロットを動的に割り当てたりする。
松下温、中川正雄編著、「ワイヤレスLANアーキテクチャ」、共立出版、1996年、p.47、53〜59、69
ところで、各ノードが上述した管理ノードのような特別なノードからの制御を受けず、自律的に動作する対等分散型の環境で、TDMAを実現することは必ずしも容易ではない。
また、各ノードが移動性を持つ可能性がある場合などには、TDMAで多重通信を行うノードの組み合わせや、各ノードのタイムスロットなどが動的に変動し得るため、そのような変動に対応するには、各ノードが、タイムスロットの割り当て状況などを示す制御信号(インパルス信号)を常時、受信していることが必要となる。
しかしながら、常時、制御信号を受信することは各ノードにおける節電などの観点で不利である。
このため、各ノードが間欠的に制御信号の受信動作を行う構成も考えられるが、近傍(制御信号が到達する範囲)の全ノードが同時に制御信号を受信しない期間が生じると、新規ノードが近傍に出現した場合など、ノードの移動に対応できない場合が生じるという新たな問題が発生する。新規ノードが近傍に出現したことを近傍の他ノードが検出できなければ、新規ノードに対するタイムスロットの割り当てが正常に行えず、例えば、新規ノードと近傍の他ノードの通信が行えなかったり、新規ノードが送信する制御信号などによって近傍の他ノード間の通信が妨害されたりする可能性があり、効率が低く、信頼性に欠ける。
かかる課題を解決するために、第1の本発明は、周期的に循環する複数のタイムスロットのいずれかを利用して自ノードを伝送媒体にアクセスさせることにより、伝送媒体に対するアクセス制御を実行する伝送媒体アクセス制御装置であって、(1)他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を受信する受信動作と共に、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を間欠的に送信する送信動作を実行する状態変数信号通信部と、(2)当該状態変数信号通信部が受信した他ノードからの状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させ、この遷移を反映させた自ノードからの状態変数信号を生成して前記状態変数信号通信部に与えると共に、自ノード及び状態変数信号が届く近傍の1又は複数の他ノードがデータ信号を送信し得るタイムスロットを認識するタイミング決定部と、(3)自ノードの動作タイミングで定まる前記タイムスロット毎に周期的にデータ信号を送信するデータ送信部と、(4)他ノードからのデータ信号を受信するデータ受信部と、(5)前記動作状態が所定の定常状態にあるとき、前記周期上に、自ノードのタイムスロットを基準として決めた所定の位相位置に所定の監視期間を設定する監視期間設定部と、(6)当該定常状態にあるとき、前記周期上の当該監視期間以外の期間では、前記状態変数信号通信部による受信動作を停止させ、前記監視期間中における他ノードからの状態変数信号の受信状況が変動した場合、前記近傍の1又は複数の他ノードの間で定常状態が崩壊したものと判定して、前記周期上の監視期間以外の期間でも、前記状態変数信号通信部に受信動作を行わせる状態変数信号受信動作制御部とを備えたことを特徴とする。
また、第2の本発明では、周期的に循環する複数のタイムスロットのいずれかを利用して自ノードを伝送媒体にアクセスさせることにより、伝送媒体に対するアクセス制御を実行する伝送媒体アクセス制御方法であって、(1)状態変数信号通信部が、他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を受信する受信動作と共に、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を間欠的に送信する送信動作を実行し、(2)タイミング決定部が、当該状態変数信号通信部が受信した他ノードからの状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させ、この遷移を反映させた自ノードからの状態変数信号を生成して前記状態変数信号通信部に与えると共に、自ノード及び状態変数信号が届く近傍の1又は複数の他ノードがデータ信号を送信し得るタイムスロットを認識し、(3)データ送信部が、自ノードの動作タイミングで定まる前記タイムスロット毎に周期的にデータ信号を送信し、(4)データ受信部が、他ノードからのデータ信号を受信し、(5)監視期間設定部が、前記動作状態が所定の定常状態にあるとき、前記周期上に、自ノードのタイムスロットを基準として決めた所定の位相位置に所定の監視期間を設定し、(6)状態変数信号受信動作制御部が、自ノードが当該定常状態にあるとき、前記周期上の当該監視期間以外の期間では、前記状態変数信号通信部による受信動作を停止させ、前記監視期間中における他ノードからの状態変数信号の受信状況が変動した場合、前記近傍の1又は複数の他ノードの間で定常状態が崩壊したものと判定して、前記周期上の監視期間以外の期間でも、前記状態変数信号通信部に受信動作を行わせることを特徴とする。
さらに、第3の本発明では、周期的に循環する複数のタイムスロットのいずれかを利用して自ノードを伝送媒体にアクセスさせることにより、伝送媒体に対するアクセス制御を実行する伝送媒体アクセス制御プログラムであって、コンピュータに、(1)他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を受信する受信動作と共に、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を間欠的に送信する送信動作を実行する状態変数信号通信機能と、(2)当該状態変数信号通信機能が受信した他ノードからの状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させ、この遷移を反映させた自ノードからの状態変数信号を生成して前記状態変数信号通信機能に与えると共に、自ノード及び状態変数信号が届く近傍の1又は複数の他ノードがデータ信号を送信し得るタイムスロットを認識するタイミング決定機能と、(3)自ノードの動作タイミングで定まる前記タイムスロット毎に周期的にデータ信号を送信するデータ送信機能と、(4)他ノードからのデータ信号を受信するデータ受信機能と、(5)前記動作状態が所定の定常状態にあるとき、前記周期上に、自ノードのタイムスロットを基準として決めた所定の位相位置に所定の監視期間を設定する監視期間設定機能と、(6)当該定常状態にあるとき、前記周期上の当該監視期間以外の期間では、前記状態変数信号通信機能による受信動作を停止させ、前記監視期間中における他ノードからの状態変数信号の受信状況が変動した場合、前記近傍の1又は複数の他ノードの間で定常状態が崩壊したものと判定して、前記周期上の監視期間以外の期間でも、前記状態変数信号通信機能に受信動作を行わせる状態変数信号受信動作制御機能とを実現させることを特徴とする。
本発明によれば、対等分散型の環境でTDMAを実現できる上、効率と信頼性を高めることができる。
(A)実施形態
以下、本発明にかかる伝送媒体アクセス制御装置、伝送媒体アクセス制御方法、および伝送媒体アクセス制御プログラムの実施形態について説明する。
本実施形態は新たな通信プロトコルを提案するものである。この通信プロトコルはTDMAの一種である。
(A−1)第1の実施形態の構成
本実施形態にかかる通信システム10の全体構成例を図9に示す。
図9において、当該通信システム10は、ノードA〜J、Xを備えている。
各ノードは、インパルス信号およびデータ信号を送信する送信機能、他ノードが送信したインパルス信号およびデータ信号を受信する受信機能、他ノードから送信されたデータ信号を別の他ノードに送信する中継機能など、同じ機能を備えている。インパルス信号は各ノードが自身のタイムスロットの位相位置を他のノードに伝える際などに使用する制御信号(タイミング信号)である。データ信号は、所定の通信アプリケーションで使用するユーザデータである。
これによって、各ノードはアドホックネットワークを構成することができる。
なお、タイムスロットは各ノードの送信権を制限するためのものであり、基本的に受信権のほうはすべてのノードが常に保有している。
図9上では、ノードEが送信したデータ信号DEをノードAが中継することによってノードFに届けたり、ノードDが送信したデータ信号DDをノードAが中継することによってノードBに届ける等の無線通信が行われている。
なお、前記インパルス信号やデータ信号などの無線信号が届く範囲には物理的な限界(カバーエリア)があるため、各ノードは、自身のカバーエリア内に存在する他ノードにのみ、インパルス信号やデータ信号を届けることができる。また、後述するように、インパルス信号のカバーエリアはデータ信号のカバーエリアより大きくすることが望ましい。
各ノードA〜F、Xは例えばノート型パソコンなどのように移動性を有するものであってもよいが、移動性を持たないものであってもよい。
図9の例では、ノードA〜Fが相互に、インパルス信号およびデータ信号のカバーエリアに属しているため、インパルス信号およびデータ信号のやり取りが可能である。
以下では主として、当初、ノードXが存在せず、既存ノードA〜Fのあいだでインパルス信号およびデータ信号のやり取りが行われているとき、新規ノードXが図示の位置に出現した結果、後で詳述する定常状態が崩壊するケースを想定して説明を進める。
なお、説明を簡単にするため、ノードA〜FおよびX以外のノード(例えば、ノードG〜J)については基本的に言及しないが、実際には、図9に示した以外のデータ信号の通信やインパルスの通信、例えば、ノードDが送信しノードA経由でノードBまで届けられたデータ信号DDが、ノードBによってさらにノードHまで中継されること等が行われてよいことは当然である。
また、以下の説明では、必要に応じて図10を用いる。図10上の各ノードN1〜N16は、前記ノードA等と同じ機能を持つノードである。
図10において、着目ノードN1やN2を中心とする実線円は、他ノードが送信した前記インパルス信号をノードN1やN2が受信できる範囲(インパルス信号のカバーエリア)を示している。図10の例では、着目ノードN1は、ノードN2、N3、N9が送信したインパルス信号を受信でき、着目ノードN2は、ノードN1、N3〜N12が送信したインパルス信号を受信できる。
また、実線円より狭い範囲の着目ノードN1やN2を中心とする点線円は、他ノードと着目ノードN1やN2がデータ信号を授受できる範囲(データ信号のカバーエリア)を示している。図10の例では、着目ノードN1は、ノードN3とのみデータ信号を授受でき、着目ノードN2は、ノードN3、N7、N8とデータ信号を授受できる。
本実施形態では、図10に示すようにノードの配置に偏りがあっても、各ノードでのタイムスロットをできるだけ均等に割当て(再割当てによる場合を含む)ることができる。
前記ノードAの内部構成は例えば図1に示す通りである。他のノードB〜F、X、ノードN1〜N16の内部構成もこれと同じである。
(A−1−1)ノードの内部構成例
図1において、当該ノードAは、インパルス信号受信手段11と、通信タイミング計算手段12と、インパルス信号送信手段13と、同調判定手段14と、データ信号通信手段15と、タイムスロット幅計測手段16と、角速度変更手段17と、ノード位置検知手段18と、インパルス受信幅格納手段19と、オンオフ制御手段20とを備えている。
このうちインパルス信号受信手段11は、近傍のノード(例えば、自ノードAに関する前記インパルス信号のカバーエリア内に存在する他ノード)が送信したインパルス信号(宛先情報は含まれていない)を受信するものである。インパルス信号は、例えば、ガウス分布形状等のインパルス形状を有するものである。インパルス信号受信手段11は、受信したインパルス信号そのもの、それを波形整形したもの、又は、受信したインパルス信号に基づき再生成し直したインパルス信号を通信タイミング計算手段12及び同調判定手段14に与える。
通信タイミング計算手段12は、インパルス信号受信手段11から与えられた信号に基づき、ノードAでの通信タイミングを規定する位相信号を形成して出力するものである。
ここで、当該ノードAを一般化するためノードiとし、その位相信号の時刻tでの位相値をθi(t)とすると、通信タイミング計算手段12は、(1)式に示すような変化分ずつ位相信号θi(t)を変化させる。なお、(1)式は、非線形振動をモデル化した式であるが、他の非線形振動をモデル化した式を適用することも可能である。また、位相信号θi(t)は、当該ノードの状態変数信号と見ることができる。
Figure 2006074610
(1)式は、インパルス信号受信手段11から与えられた信号に応じて、自ノードiの位相信号θi(t)の非線形振動のリズムを変化させる規則を表している。(1)式において、右辺第1項ω(固有角振動数パラメータ)は、各ノードが備える基本的な変化リズム(「自己の動作状態を遷移させる基本速度」に対応する)を表しており、右辺第2項が非線形変化分を表している。ここで、ωの値は、例えば、システム全体で同一値に統一している。関数Pk(t)は、近傍ノードkから受信したインパルス信号に基づいて、インパルス信号受信手段11が出力した信号を表しており、関数R(θi(t),σ(t))は、他ノードからのインパルス信号の受信に応じて自己の基本的なリズムを変化させる応答特性を表現する位相応答関数であり、例えば、(2)式に従っている。
(2)式は、時刻tにおける位相信号θi(t)の逆相にランダムノイズを重畳させた位相値の正弦波で位相応答関数を定めていることを表している。近傍のノード同士が逆相(振動の位相が反転位相)になろうとする非線形特性を実現し、その特性を用いて衝突回避を実行させようとしたものである。すなわち、近傍のノード間におけるインパルス信号の送信タイミングなどが衝突しないように、各ノードの位相信号の値が同じ値になるタイミングに、適当な時間関係(時間差)を形成させようとしている。
(2)式において、関数σ(t)を表現する定数項π[rad]は、近傍のノード同士が逆相になろうとする非線形特性の働きをし、ランダムノイズ関数φ(t)は、その非線形特性にランダムな変動性を与える働きをする(関数φ(t)は、例えば、平均値が0のガウス分布に従う)。ここで、上記非線形特性にランダムな変動性を与えているのは、システムが目的とする安定状態(最適解)に到達せず、別の安定状態(局所解)に陥ってしまう現象に対処するためである。
なお、(2)式では、位相応答関数R(θi(t),σ(t))の最も簡単な例としてsin関数を用いる形態を示したが、位相応答関数として他の関数を用いても良い。また、関数σ(t)の定数項πに代え、π以外の定数λ(0<λ<2π)を用いても良く、この場合、近傍のノード同士が逆相ではなく、異なる位相になろうと機能する。
通信タイミング計算手段12の上述した機能の意味合いを、図11及び図12を用いて詳述する。図11及び図12は、ある1つのノードiに着目したときに、着目ノード(自ノード)iと近傍のノード(他ノード)jとの間に形成される関係、すなわち、それぞれの非線形振動リズム間の位相関係が時間的に変化していく様子を示している。
図11は、着目ノードiに対して近傍ノードjが1個存在する場合である。図11において、円上を回転する2つの質点の運動は、着目ノードと近傍ノードに対応する非線形振動リズムを表しており、質点の円上の角度がその時刻での位相信号の値を表している。質点の回転運動を縦軸あるいは横軸に射影した点の運動が非線形振動リズムに対応する。(1)式及び(2)式に基づく動作により、2つの質点には相互に逆相になろうとし、仮に、図11(A)に示すように初期状態で2つの質点の位相が近くても、時間経過と共に、図11(B)に示す状態(過渡状態)を経て、図11(C)に示すような2つの質点の位相差がほぼπである定常状態に変化していく。
2つの質点は、それぞれ固有角振動数パラメータωを基本的な角速度(自己の動作状態を遷移させる基本速度に相当)として回転している。ここで、ノード間でインパルス信号の授受に基づく相互作用(位相相互作用)が生じると、これらの質点は、それぞれ角速度を変化(緩急)させ、結果的に、適当な位相関係を維持する定常状態に到達する。この動作は、2つの質点が回転しながら相互に反発しあうことによって、安定な位相関係を形成するものと見ることができる。定常状態では、後述するように、それぞれのノードが所定の位相α(例えばα=0)のときにインパルス信号を送信するとした場合、互いのノードにおける送信タイミングは、適当な時間関係を形成していることになる。
また、図12は、着目ノードiに対して2個の近傍ノードj1、j2が存在する場合を表している。近傍ノードが2個存在する場合においても、上述と同様に、それぞれの質点が回転しながら相互に反発しあうことによって、安定な位相関係(時間的な関係に関する安定性)を形成する。近傍ノード数が3個以上の場合についても同様である。
上述の安定な位相関係(定常状態)の形成は、近傍ノード数の変化に対して非常に適応的(柔軟)な性質を持つ。例えば、今、着目ノードに対して近傍ノードが1個存在し、安定な位相関係(定常状態)が形成されているときに、近傍ノードが1個追加されたとする。定常状態は一旦崩壊するが、過渡状態を経た後、近傍ノードが2個の場合における新たな定常状態を再形成する。また、近傍ノードが削除された場合や故障等により機能しなくなった場合においても、同様に適応的な動作をする。
なお、図11及び図12は、着目ノードの近傍にインパルス信号を授受する他のノードが1個又は2個の場合を示したが、図9や図10に例示したように、実際の複数のノードの配置関係はこれら図11や図12が前提とする場合より複雑である。
通信タイミング計算手段12は、得られた位相信号θi(t)を、インパルス信号送信手段13、同調判定手段14、データ信号通信手段15及びタイムスロット幅計測手段16に出力する。
インパルス信号送信手段13は、位相信号θi(t)に基づいて、インパルス信号を送信出力する。すなわち、位相信号θi(t)が所定の位相α(0≦α<2π)になると、インパルス信号を送信出力する。ここで、所定の位相αは、予めシステム全体で統一しておくことが好ましい。以下では、α=0にシステム全体で統一されているとして説明する。図11の例で言えば、ノードiとノードjとでは、定常状態で相互の位相信号θi(t)及びθj(t)がπだけずれているので、α=0にシステム全体で統一しても、ノードiからのインパルス信号の送信タイミングと、ノードjからのインパルス信号の送信タイミングとはπだけずれる。
同調判定手段14は、自ノードや1又は複数の近傍ノードの間で行われる出力インパルス信号の送信タイミングの相互調整が、「過渡状態」(図11(B)、図12(B)参照)あるいは「定常状態」(図11(C)、図12(C)参照)のいずれの状態にあるかを判定するものである。同調判定手段14は、インパルス信号の受信タイミング(他ノードの出力タイミングに対応する)及びインパルス信号の自ノードからの送信タイミングを観測し、インパルス信号を授受し合う複数のノードの送信タイミング間の時間差が時間的に安定している場合に「定常状態」であると判定する。同調判定手段14には、自ノードからのインパルス信号の送信タイミングを捉えるための信号として、位相信号θi(t)が入力されている。
同調判定手段14は、例えば、以下の(A)〜(D)のような処理を実行して同調判定を行う。
(A)インパルス信号受信手段11からの信号の出力タイミングにおける位相信号θi(t)の値βを、位相信号θi(t)の1周期に亘って観測する。上記の観測を行った結果、得られる位相信号θi(t)の値βをそれぞれ、β1,β2,…,βN (0<β1<β2<…<βN<2π)とする。
(B)観測された位相信号θi(t)の値βに基づいて、隣接値間の差(位相差)Δ1=β1,Δ2=β2−β1,…,ΔN=βN−β(N−1)を算出する。
(C)上記(A)及び(B)の処理を位相信号θi(t)の周期単位に行い、相前後する周期における位相差Δの変化量(差分)γ1=Δ1(τ+1)−Δ1(τ),γ2=Δ2(τ+1)−Δ2(τ),…,γN=ΔN(τ+1)−ΔN(τ)を算出する。ここで、τは、位相信号θi(t)のある周期を示しており、τ+1は、位相信号θi(t)のその次の周期を示している。
(D)上述の変化量γが、いずれも微小パラメータ(閾値)εよりも小さい場合、すなわち、γ1<ε,γ2<ε,…,γN<εの場合に、「定常状態」であると判定する。
なお、γ1<ε,γ2<ε,…,γN<εという条件がM周期にわたって満足される場合を定常状態と判定するようにしても良い。Mの値を大きくするほど、より安定性の高い状態で「定常状態」と判定できる。また、一部の受信インパルス信号に基づいて、「定常状態」の判定を行っても構わない。
同調判定手段14は、位相信号θi(t)の周期毎に、判定結果を示す同調判定信号と、インパルス信号の受信タイミングにおける位相信号θi(t)の値βの最小値β1をスロット信号としてデータ信号通信手段15に出力する。
データ信号通信手段15は、内部にデータ信号を送信する機能と受信する機能を備えている。これにより、データ信号通信手段15は、他ノードからのデータ信号を受信すると共に、自己が送信元となるデータ信号や、自己が中継するデータ信号を送信することができる。
データ信号通信手段15は、データ送信(データ信号の送信)を、同調判定信号が「定常状態」を示すときに、後述するタイムスロット(システム(前記管理ノードに相当)などが割り当てた固定的な時間区間ではないが、「タイムスロット」という用語を用いる)で行ない、同調判定信号が「過渡状態」を示すときには送信動作を停止する。
タイムスロットは、位相信号θi(t)がδ1≦θi(t)≦β1−δ2である期間である。タイムスロットの開始点(そのときの位相信号の値をδ1とする)は、インパルス信号の送信が終了したタイミングであり、タイムスロットの終了点(そのときの位相信号の値をβ1−δ2とする)は、位相信号の周期毎の最初の受信インパルス信号のタイミングより多少のオフセット分δ2だけ前のタイミングとしている。δ1やδ2は、当該ノードの近傍の無線空間で、インパルス信号(送信元は自ノードの場合、他ノードの場合の双方を含む)と、データ信号(送信元は自ノードの場合、他ノードの場合の双方を含む)とが同時に存在しないことを補償するためのごく短い時間に対応する位相幅である。
例えば、図11(C)に示すような「定常状態」の場合、ノードiは、位相θiが0からインパルス信号を送信し始め、位相θiがδ1になる前に、インパルス信号の送信を終了させておき、位相θiがδ1からデータ信号を送信し始め、位相θiがβ1−δ2になると(但しβ1≒π)、データ信号の送信を終了させ、それ以降、位相θiが再び0になるまで、インパルス信号の送信もデータ信号の送信も停止させる。他方のノードjも、位相θjに基づいて同様な動作を実行するが、位相θiと位相θjとがほぼπだけずれているので、送信動作が競合してデータ信号などが衝突することはない。ノード数が3以上の場合も同様に動作し、送信動作が競合することはない。
上述のように、固有角振動数パラメータωは、例えば、通信システム(ネットワーク)全体で同一の値に統一することとしている。固有角振動数ωが統一されていると、各ノードで不規則にばらついている場合に比べ、定常状態に入りやすく、逆に、固有角振動数ωが統一されていないと、異常なインパルス信号を送信するノードも多くなり、定常状態に入り難い。
上述したインパルス信号受信手段11、通信タイミング計算手段12、インパルス信号送信手段13、同調判定手段14及びデータ信号通信手段15の機能により、割り当てられたタイムスロットを見直すために(タイムスロットの幅をできるだけ均等にするために)、タイムスロット幅計測手段16及び角速度変更手段17が設けられている。タイムスロット幅計測手段16及び角速度変更手段17は、図示しない見直し起動スイッチが操作された場合に機能するようにしても良く、外部からの操作を待たずに、常に機能するものであっても良い。
タイムスロット幅計測手段16は、当該ノードが受信するインパルス信号の受信間隔を計測するものである。また、タイムスロット幅計測手段16は、1周期(自ノードのインパルス信号の送信間隔)での受信インパルス数を計測し、自ノードとインパルス信号の送受信可能なノード数を調べるものである。さらに、タイムスロット幅計測手段16は、自ノードに割り当てられたタイムスロット幅及び周期から、割り当てタイムスロット幅を広くする制御を行うか否かを判定するものである。
角速度変更手段17は、タイムスロット幅計測手段16が割り当てタイムスロット幅を広くする制御を行うと判定したときに、通信タイミング計算手段12に対して、位相変更を要求することで、インパルス信号の送信タイミングをずらす機能を担っている。
タイムスロット幅計測手段16および角速度変更手段17の機能を、図13(A)〜(D)を用いてさらに詳細に説明する。
図13(A)および(B)はそれぞれ、図9に示すようなノード配置の場合において、ノードN1、ノードN2から見た各ノードのタイムスロットの割当てを示している。ノードN1から見ると、半径R(実線円の半径)内にノードが4個(ノードN1も含む)あり、ノードN2から見ると、ノードが12個(ノードN2も含む)あり、それぞれ、1周期が4分割(図13(A))、又は、12分割(図13(B))され、タイムスロットが割り振られる。
図13において「N1」から「N12」を付与したタイムスロットは、それぞれ、図10のノードN1からノードN12に割り当てられたタイムスロットを表している。ノードN1、N2、N3及びN9は同様なノードであるのに拘わらず、近傍ノードの位相相互作用の影響を受け、図13(A)に示すように、割り当てられたタイムスロットの幅に大きな相違を有している。このような割当てのアンバランスを少しでも是正するために(割り当てられたタイムスロットを見直すために)、当該タイムスロット幅計測手段16及び角速度変更手段17が設けられ、タイムスロットの再割り当てがなされる。
タイムスロットの再割当ての動作は、(S1)タイムスロット幅拡張必要性の判定、(S2)位相シフト制御、という2段階でなされる。
(S1)タイムスロット幅拡張必要性の判定
各ノードのタイムスロット幅計測手段16は、自インパルス信号を送信してから次に自インパルス信号を送信するまでの1周期の受信インパルス信号数をカウントし、インパルス信号の受信可能範囲(インパルス信号のカバーエリア内)のノード数を調べる。例えば、ノードN1のタイムスロット幅計測手段16は、図13(A)における<1>のタイミングで、自インパルス信号を送信してから、次に自インパルス信号を送信するまでの1周期の受信インパルス信号数をカウントし、インパルス信号のカバーエリア内のノード数を調べる。これにより、ノードN1のタイムスロット幅計測手段16は、ノード数「4」を得る。また、各ノードのタイムスロット幅計測手段16は、自インパルス信号を送信してから、他ノードからのインパルス信号を受信するまでの時間を計測する。これにより、ノードN1のタイムスロット幅計測手段16は、図13(A)における<1>と<2>の間の時間、<1>と<3>の間の時間、<1>と<9>の間の時間を計測し、これら計測時間を整理することにより、各タイムスロットの割当て時間が得られる。
以上のようにして1周期分を計測すると、角速度変更手段17は、自ノードのタイムスロット割当て幅が均等に割り当てられた場合に比べて、少ないか否かを判定する。例えば、「2π/ノード数−自ノードのタイムスロット幅」(ここでは差分であるが、比であっても良い)という値が、予め定められている閾値以下ならば、位相シフト制御を行うと判定する。図13(A)の例の場合、ノードN1のタイムスロット幅が均等に割り当てた場合に比べて小さいので、角速度変更手段17によって、位相シフト制御を行うと判定される。
なお、位相シフト制御を行うか否かの判定基準は、これに限定されない。例えば、以下のような条件(PA)や条件(PB)が成り立つならば、位相シフト制御を行うようにしても良く、また、複数の条件が満たされる場合に、位相シフト制御を行うようにしても良い。
条件(PA):自ノードに割り当てられたタイムスロット幅<最大タイムスロット幅/2
条件(PB):自インパルス信号の前後のタイムスロットの合計<最大タイムスロット幅
(S2)位相シフト制御
角速度変更手段17は、自ノードのタイムスロットの終了を規定するインパルス信号を受信したとき(図13(A)の<2>)の位相θi(t)を保持し、次に後続するインパルス信号を受信した時点(図13(A)の<3>)の位相θi(t+1)との位相差を調べ、位相差θi(t+1)−θi(t)を保持する。さらに、角速度変更手段17は、次のインパルス信号を受信した時点(図13(A)の<9>)の位相差θi(t+2)−θi(t+1)を調べ、この位相差が大きければ、インパルス信号の位相θi(t+1)及び位相差θi(t+2)−θi(t+1)を保持する。このような動作を、再び自インパルス信号を送信する段階まで繰り返す。そして、保持している位相+(位相差の1/2)の位置まで、自ノードのインパルス信号の送信位相を変化させる。ノードN1から見ると、ノードN3に割り当てられたタイムスロットが最も大きいので(保持している位相差から分かる)、図14(A)に示すように、この位置に当該ノードN1の位相をシフトし、インパルス信号の送信を開始する。
図13(C)および(D)は、位相シフト制御を行なった時点でのノードN1、ノードN2のそれぞれから見たタイムスロット幅である。ノードN1は、前後のノードの影響でタイムスロット幅が小さかったのが、割り当て幅が増加する。このとき、図14上では、図14(A)に示す状態から図14(B)に示す状態に遷移する。
位相シフト先は単純に最大タイムスロットの範囲内の位相に限定されず、これ以外でも良い。例えば、連続するタイムスロット(次のタイムスロット)が最も大きい位置に移動するようにしても良い。
実際には、この例のように、ノードの配置状況などによって、タイムスロットを各ノードに完全に均等に割り当てる(同じ時間幅のタイムスロットを各ノードに割り当てる)ことが難しい場合も少なくないが、以下では、説明を簡単にするため、定常状態では、基本的に各ノードに均等な時間幅のタイムスロットが割り当てられているものとする。
前記ノード位置検知手段18は、ノードAの前記カバーエリア内に存在する各ノードのタイムスロットにつきタイムスロットの1周期上における位相位置に関する情報を取得するものである。具体的には、自ノードAのタイムスロットと他ノードの位相差、または自ノードAによるインパルス信号の送信時刻と他ノード(例えば、B)によるインパルス信号の送信時刻の時間間隔を検出すること等により、各ノードの位相位置に関する情報を取得する。
タイムスロットの1周期上における各ノードの位相位置(各ノードがインパルス信号を送信するタイミングまたは各ノードのタイムスロットに対応)が図4に示す通りであり、A→B→C→…→Fの順番に循環して、各ノードのタイムスロットが到来するものとすると、ノードAは、当該ノード位置検知手段18により、前記1周期上において自ノードの直前にタイムスロットを持つノードがFであることと、そのノードFのタイムスロットFTSの時間幅を検知することができる。同様に、前記1周期上において自ノードの直後にタイムスロットを持つノードがBであることと、そのノードBのタイムスロットBTSまでの期間である自ノードAのタイムスロットATSの時間幅を検知することができる。
インパルス受信幅格納手段19は、このノード位置検知手段18が取得した情報をもとに、自ノードAが定常状態において前記1周期上でインパルス信号の受信動作を行う期間(インパルス信号受信動作期間)を示すインパルス信号受信期間情報RT1を格納するものである。
このインパルス信号受信動作期間は様々なものに決めることが可能であるが、新規ノードXの出現を確実に検知するためには近傍の全既存ノードA〜Fによるインパルス信号受信動作期間を重ね合わせると、1周期の全期間を漏れなくカバーできるものであることが望ましい。ただし、無線伝送路では、伝送誤りなどに起因して、カバーエリア内でいずれかのノードからインパルス信号が送信されたにもかかわらず他ノードが正常に受信できないこと等も起こり得るため、新規ノードXの出現を確実かつ速やかに検知するには、1周期上の全期間が二重以上に重ねてカバーされていることが好ましい。
その一方で、節電などの観点では、既存の各ノード(例えば、A)がインパルス信号の受信動作を行う期間は、できるだけ短いほうが有利である。インパルス信号の受信動作を行う期間を短くすれば、受信する信号(インパルス信号やノイズなど)の数を低減し、受信するインパルス信号を処理する期間を短縮することもできるため、各ノードが備える図示しないCPU(中央処理装置)などの処理能力を節約すること等も可能である。
本実施形態では、一例として、図4では、ノードAがインパルス信号受信動作を行う期間として、RA1,RA2,RA3,RA4を設定している。このうち期間(直接検知用期間)RA1が最も長く、タイムスロットFTSとATSの全期間をカバーしている。しかも、この期間RA1は、FTSとATSを加えた期間よりも、前後(Aからみて、F方向とB方向)に εずつ長い。この εは上述した微小パラメータ(閾値)と同じものであるが、ここでは、前記1周期上の位相差に関する誤差の許容値としての意味を持つ。なお、タイムスロットATSはノードAのためのタイムスロットであり、定常状態において、ノードAは当該タイムスロットATS内でのみ、インパルス信号およびデータ信号を送信する。
同様に、タイムスロットBTSはノードBのためのタイムスロットで、タイムスロットCTSはノードCのためのタイムスロットで、タイムスロットDTSはノードDのためのタイムスロットで、タイムスロットETSはノードEのためのタイムスロットで、タイムスロットFTSはノードFのためのタイムスロットである。定常状態において、各ノードB〜Fは自身のためのタイムスロット内でのみ、インパルス信号およびデータ信号を送信する。
なお、すべてのノードA〜F、Xがインパルス信号の送信に同じ周波数を用いるものとすると、ノードA自身がインパルス信号を送信しているときに、ノードAが他ノード(例えば、X)の送信したインパルス信号を受信することは電波工学的に難しいため、期間RA1は実際にはAの位相位置(ノードAがインパルス信号を送信するタイミング)でいったん途切れ、Aより前の前半期間RA11と、Aより後の後半期間RA12の2つの期間から構成されることになる。本実施形態では、主として、ノードA〜F、Xがインパルス信号の送信に同じ周波数を用いることを想定している。
このような前半期間RA11と後半期間RA12を規定するための前記インパルス信号受信期間情報RT1は、例えば、図3に示すテーブルの形式にまとめることができる。
図3のテーブルは、図4に示す1周期を構成するタイムスロットのノードが6つあること、自ノードAより時間T−Tだけ先にインパルス信号を送信する他ノードFのインパルス信号送信時刻の位相位置と自ノードAのインパルス信号送信時刻の位相位置の位相差(先行インパルス位置)が、θ(T−T)であること、自ノードAより時間T−Tだけ後にインパルス信号を送信する他ノードBのインパルス信号送信時刻の位相位置と自ノードAのインパルス信号送信時刻の位相位置の位相差(後続インパルス位置)が、θ(T−T)であることを示している。
前記ノード位置検知手段18は、前記タイムスロット幅計測手段16で実行したように、定常状態において、自インパルス信号を送信してから次に自インパルス信号を送信するまでの1周期の受信インパルス信号数をカウントすることによって、インパルス信号のカバーエリア内のノード数を調べ、1周期を構成するタイムスロットのノードが6つであることを特定できる。
また、前記1周期上で、自ノードAの位相位置をA→B→C→…とずらしながら、各時点で、自ノードAの直前の位相位置を先行インパルス位置とし、直後の位相位置を後続インパルス位置として行き、自ノードAがインパルス信号を送信した時点で、先行インパルス位置に格納されている内容と、後続インパルス位置に格納されている内容を確定し、保存することによって、図3のθ(T−T)とθ(T−T)が得られる。
このような位相差の替わりに、前記時間間隔(ここでは、T−TおよびT−T)のみを保存するようにしてもよい。
前記期間(間接検知用期間)RA2は、図4上でCの位相位置(ノードCがインパルス信号を送信するタイミング)に設定され、Cの位相位置の前後(Cからみて、B方向とD方向)にεずつの時間幅を持っている。
同様に、期間(間接検知用期間)RA3は、図4上でDの位相位置(ノードDがインパルス信号を送信するタイミング)に設定され、Dの位相位置の前後(Dからみて、C方向とE方向)にεずつの時間幅を持ち、期間(間接検知用期間)RA4は、図4上でEの位相位置(ノードEがインパルス信号を送信するタイミング)に設定され、Eの位相位置の前後(Eからみて、D方向とF方向)にεずつの時間幅を持っている。
前記期間RA1は、ノードFが送信するインパルス信号およびノードBが送信するインパルス信号が本来の位相位置で送信されたか否かを確認するために利用できるほか、前記新規ノードXが近傍に出現して、期間RA1内にインパルス信号を送信した場合には、直接、それを検知(直接検知)するために利用することもできる。
また、例えば、ノードBが直接検知によって新規ノードXが送信したインパルス信号を受信した場合、前記反発などの位相相互作用により、ノードBがインパルス信号を送信する位相位置を変化(この変化幅は、前記εより大きい)させるため、ノードBが送信するインパルス信号が本来の位相位置で送信されなかったことを検知することは、間接的に、新規ノードXがインパルス信号を送信したことを検知(間接検知)することにほぼ等しいので、当該期間RA1は間接検知のために利用することもできる。
ただし、期間RA1内では、既存ノードF、Bによるインパルス信号が送信されていない期間が長いため、当該期間RA1は、主として直接検知のための期間であるといえる。なお、期間RA1内で既存ノードF、Bによって送信されたインパルス信号が本来の位相位置で送信されたか否かを検査しない場合(例えば、単に、その期間(例えば、RA11)内に受信されたインパルス信号の数だけを検査する場合など)には、当該期間RA1は、純粋に直接検知のための期間となる。
前記期間RA2は、ノードCが送信するインパルス信号が本来の位相位置で送信されたか否かを確認するために利用できるほか、前記新規ノードXが近傍に出現して、期間RA2内にインパルス信号を送信した場合には、それを直接検知するために利用することもできる。
同様に、前記期間RA3は、ノードDが送信するインパルス信号が本来の位相位置で送信されたか否かを確認するために利用できるほか、前記新規ノードXが近傍に出現して、期間RA3内にインパルス信号を送信した場合には、それを直接検知するために利用することもでき、前記期間RA4は、ノードEが送信するインパルス信号が本来の位相位置で送信されたか否かを確認するために利用できるほか、前記新規ノードXが近傍に出現して、期間RA4内にインパルス信号を送信した場合には、それを直接検知するために利用することもできる。
ここで、ノードA自身およびノードF、B以外の既存ノード(例えば、D)が送信するインパルス信号が本来の位相位置で送信されなかったことを検知することは、間接的に、新規ノードXがインパルス信号を送信したことを検知する前記間接検知と同じである。当該既存ノードDが送信するインパルス信号は、当該既存ノードDなどが新規ノードXが送信したインパルス信号を直接検知することによって定常状態が崩壊したとき、前記反発などの新たな位相相互作用を行うため、本来の位相位置で送信されなくなるからである。
新規ノードXがどの位相位置でインパルス信号を送信するかを予測することはできず、例えば期間RA2中に送信する可能性もある。ただし、期間RA2、RA3、RA4は、既存ノードによる本来のインパルス信号が送信される期間以外の期間が短いため、主として間接検知のための期間である。期間RA2,RA3,RA4内で新規ノードXがインパルス信号を送信したか否かを検査しない場合には、当該期間RA2、RA3、RA4は、純粋に間接検知のための期間となる。
インパルス信号がどのような仕様の信号になるか(例えば、送信元のノードを特定する送信元アドレスを含んでいるか否か)は実装に依存するが、送信元を絶対的に識別できる仕様である場合には、既存ノードA〜F以外のノードから送信されたインパルス信号は新規ノードXが送信したものとみなすようにしてもよい。これに対し、送信元を識別できない仕様である場合には、単純に、1つの期間(例えば、RA2あるいはRA11などの1つ)内に受信されたインパルス信号の数をカウントし、2つ以上のインパルス信号が受信された場合に、新規ノードXがインパルス信号を送信したものとみなすようにするとよい。これにより、簡単な検査によって、新規ノードXの出現を直接検知することができる。以下では、主として、インパルス信号は送信元アドレスを含んでいないケースを想定する。
前記オンオフ制御手段20は、前記インパルス信号受信期間情報RT1をもとにインパルス信号受信手段11をオンまたはオフに切り替えるものである。
具体的には、図4の例では、1周期中、前記期間RA11,RA12,RA2,RA3,RA4のあいだはインパルス信号受信手段11をオンとし、それ以外の期間はオフとする。
以下、上記のような構成を有する本実施形態の動作について説明する。
(A−2)第1の実施形態の動作
図9に示すノード配置において、近傍の6ノードA〜Fに均等な時間幅のタイムスロットが割り当てられた定常状態で、各ノードA〜FのタイムスロットATS〜FTSが開始する位相位置(各ノードA〜Fがインパルス信号を送信する位相位置)が、図2に示すように、A→B→C→…→Fの順番に循環しているものとする。
このとき、ノードAの内部ではノード位置検知手段18等により、前記インパルス信号受信動作期間の一部である前記前半期間RA11と後半期間RA12を規定するための前記インパルス信号受信期間情報RT1に対応する図3に示すテーブルが得られる。また、このテーブル以外にも、前記インパルス信号受信動作期間の残りを示すインパルス信号受信期間情報RT1として、前記期間RA2〜RA4を規定する情報が得られる。そして、これらのインパルス信号受信期間情報RT1は、インパルス信号幅格納手段19内に保存される。
つづいてノードA内では、オンオフ制御手段20が、当該インパルス信号受信期間情報RT1に基づいて、インパルス信号受信手段11をオンオフ制御する。これにより、図4に示す期間RA11,RA12,RA2,RA3,RA4のあいだのみ、インパルス信号受信手段11がオンとされ、インパルス信号の受信動作を行う。
反対に、図4に示した1周期のうち、これらの期間RA11,RA12,RA2,RA3,RA4以外の期間では、インパルス信号受信手段11がオフとされ、インパルス信号の受信動作は行われない。これにより、ノードA内における消費電力や処理能力を節約し、効率を高めることができる。
ノードA以外の近傍のノードB〜Fも、ノードAと同様に、自身がインパルス信号を送信する位相位置を基準にインパルス信号受信動作期間を設定するため、各ノードA〜Fのインパルス信号受信動作期間は、図4の1周期上にずれた位相で設定され、1周期の全期間を多重にカバーすることができる。
例えば、前記直接検知用期間RA1に対応するノードBの直接検知用期間RB1は、図4に示すように、Bの位相位置を中心に、ほぼAの位相位置からCの位相位置に至る期間となるから、AとBのあいだで、前記直接検知期間PA1と重複している。
実際の1周期には、さらに、図4に示していない他ノードC〜Fの直接検知期間や間接検知期間に加えて、ノードBの間接検知期間も設定されるため、上述したように、1周期の全期間が多重にカバーされることになる。
新規ノードXは、1周期上のあらゆる位相位置でインパルス信号を送信する可能性があるが、図5の例では、BとCのあいだで送信している。この場合、新規ノードXが送信したインパルス信号はまず最初に直接検知期間PB1に対応するノードBと、直接検知期間PC1に対応するノードCによって直接検知される。
この直接検知に応じて、ノードBおよびCが、自身で送信するインパルス信号の位相位置を変化させると、その変化が、ノードAでも検知されて前記間接検知が行われる。ほかのノードD、E、Fでも同様に、間接検知が行われるため、結局、近傍のすべてのノードA〜Fが定常状態の崩壊を認識する。定常状態の崩壊を認識すれば、各既存ノードA〜Fは、1周期の全期間でインパルス信号を受信するための受信動作を行うようになるので、近傍の全既存ノードA〜Fが、新規ノードXが送信するインパルス信号を直接、受信することができるようになり、新規ノードXを含めた7つのノードによる位相相互作用が行われる。これにより前記過渡状態を経て、7つのノード(A〜FおよびX)による新たな定常状態が形成される。この定常状態の1周期は、例えば、図6に示すものとなる。この定常状態では、ノードXにもタイムスロットが割り当てられるため、当然、ノードXが近傍の他ノード(例えば、A)にデータ信号を送信したり、近傍の他ノードからデータ信号を受信したりすることも可能である。
また、ノードXは自身に割り当てられたタイムスロット内でのみ、インパルス信号の送信やデータ信号の送信を行うため、近傍の他ノードA〜Fの通信を妨害することもない。
本実施形態では、図4に示す1周期の全期間が、各既存ノードA〜Fの直接検知用期間によって、少なくとも2重にカバーされているため、新規ノードXがどの位相位置でインパルス信号を送信しても確実に検知することが可能である。例えば、上述したノードBおよびCによる直接検知の際、不測のノイズなどの影響による伝送誤りのため、ノードBまたはCのいずれかで、新規ノードXが送信したインパルス信号が正常に受信できないことも起こり得るが、このようなケースでも、いずれか一方のノード(例えば、B)が直接検知を行うことができれば、他の6ノードA、C〜Fは、間接検知を行うことにより、定常状態の崩壊を認識し、7つのノードA〜FおよびXによる新たな定常状態を形成することができる。したがって本実施形態では、新規ノードXが送信したインパルス信号を検知できず、新規ノードXの出現に対応できないということが起きる可能性がほとんどなく、信頼性が極めて高い。
なお、インパルス信号とデータ信号に同じ周波数を用いる場合には、最初に新規ノードXが送信したインパルス信号によって、いずれかの既存ノードのあいだ(例えば、ノードDとAのあいだ)で送受されたデータ信号(例えば、DD)で伝送誤りが発生する可能性があるが、前記直接検知や間接検知により、新規ノードXの出現は直ちに当該既存ノードDおよびAに検知されるため、検知の直前に送信または受信したデータ信号DDを再送制御の対象とすること等も容易であり、この意味で通信の信頼性が高いといえる。
ノードA以外のノード(Xも含む)も、すべてノードAと同じ機能を備えているため、例えば、新規ノードXにつづく新規ノード(8つ目のノード)が出現した場合などでも、同様な過程を経て、8ノードによる新たな定常状態を形成することが可能である。
また、対等分散型の環境では、今回、既存ノードとしたA〜Fなども、新規ノードとなる可能性があるが、そのようなケースでも、以上と同様な動作により対応することが可能であることは当然である。
(A−3)第1の実施形態の効果
本実施形態によれば、対等分散型の環境でTDMAを実現できる上、効率と信頼性を高めることができる。
(B)第2の実施形態
以下では、本実施形態が第1の実施形態と相違する点についてのみ説明する。
(B−1)第2の実施形態の構成および動作
構成上、本実施形態が第1の実施形態と相違するのは、ノードA〜F、Xの内部構成に関する点に限られる。本実施形態の特徴は、ノードが前記新規ノードとして振る舞うときに発揮されるものであるため、前記ノードXに注目して説明を進める。
本実施形態のノードXの内部構成は例えば図7に示す通りである。その他のノードA〜Fの内部構成もこれと同じである。
図7において、当該ノードXは、インパルス信号受信手段11と、通信タイミング計算手段12と、インパルス信号送信手段13と、同調判定手段14と、データ信号通信手段15と、連続インパルス発生手段21と、周期検知手段22と、初期同期タイミング生成手段23とを備えている。
このうち図1と同じ符号を付与した各構成要素11〜18の機能は基本的に第1の実施形態と同じなので、その詳しい説明は省略する。なお、図7には図示していないが、本実施形態のノードAが、第1の実施形態と同じ機能を持つ前記タイムスロット幅計測手段16と、角速度変更手段17を備えていてよいことは当然である。
前記連続インパルス発生手段21は、当該ノードXが前記既存ノードA〜Fのインパルス信号のカバーエリアである前記近傍に出現するとき、前記インパルス信号送信手段13に、連続的なインパルス信号の送信を行わせるものである。この送信は、前記直接検知の確率を高めるために行うものであるため、少なくとも、1周期に複数回おこなうことが望ましいが、直接検知の確率を高めるには、連続的なインパルス信号送信の時間間隔は短ければ短いほどよいといえる。ここでは、当該時間間隔は、前記タイムスロットに関し予め定めた最小の時間幅より短いもの(またはそれより小さな値(例えば、最小時間幅の1/2の時間幅))とすることが望ましい。ただし、必要ならば、当該時間間隔は、1周期を通じて同じでなくてもかまわない。
各ノードに割り当てられるタイムスロットの時間幅は、近傍のノードの数が増加するほど短くなる傾向があるが、実際の実装では、タイムスロットの時間幅の縮小に一定の限界値(最小値)を設定することが必要になり、前記最小の時間幅が存在する可能性が高い。
タイムスロットは上述したように各ノードの送信権を制限するためのもので、基本的に受信権のほうはすべてのノードが常に保有しているが、本実施形態でも、定常状態におけるインパルス信号の受信は、第1の実施形態のような前記インパルス信号受信動作期間に限って行えるものに制限する。本実施形態の場合、インパルス信号受信動作期間を、前記タイムスロットの最小時間幅と同程度の時間幅に設定しても、ほぼ確実に、近傍の各既存ノードA〜Fは、前記直接検知を実行することができる。
図8は、連続的なインパルス信号送信の時間間隔が1周期を通じて同じではない例であるが、この図8においても、時間間隔が十分に短いため、1つのインパルス信号受信動作期間(例えば、RA1,RD1)内に、2回以上、新規ノードXが送信したインパルス信号が既存ノードに受信されている。なお、RD1は、ノードDの直接検知用期間である。
また、前記周期検知手段22は、前記時間間隔によるインパルス信号の送信を継続する時間を検知するものである。これにより、所定の連続発信時間CT1だけ前記時間間隔によるインパルス信号の送信を継続することができる。この連続発信時間CT1はどのように決めてもかまわないが、例えば、基本振動数である前記ωで質点が1周期を回転するのに要する時間をもとに決定してもよく、1周期より長い値、例えば、2周期以上に決定してもよい。これによっても、ノードX以外の近傍のノードA〜Fによる前記直接検知の確率を高めることができる。
前記初期周期タイミング生成手段23は、当該ノードXが前記近傍で最初にインパルス信号を送信するときの位相位置を決めるものである。この位相位置は、様々な方法で決めることができる。例えば、乱数などを発生することによって、ランダムに決めてもかまわない。また、例えば、ノードXの出現前の6ノードA〜Fによる定常状態で、データ信号の伝送に使用されていないタイムスロットを検知し、そのタイムスロット内の位相位置でノードXの最初のインパルス信号の送信を行わせるように決めてもかまわない。
本実施形態の場合、直接検知用期間または間接検知用期間(純粋に間接検知のために用いるものを除く)のいずれかを省略したり、直接検知用期間や間接検知用期間の時間幅を第1の実施形態より短くしても、第1の実施形態と同程度またはそれ以上の確率で、各既存ノードA〜Fが、前記直接検知を実行できる可能性が高いため、第1の実施形態に比べ、近傍の各既存ノードA〜Fがインパルス信号を受信するために使う消費電力や処理能力を、いっそう節約できる可能性が高い。
(B−2)第2の実施形態の効果
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果と同等な効果を得ることができる。
加えて、本実施形態では、近傍の各既存ノード(A〜F)が新規ノード(X)が送信するインパルス信号を受信するために使う消費電力や処理能力を、いっそう節約できる可能性が高い。
(C)他の実施形態
上記第1、第2の実施形態では、主として近傍の既存ノードの数が6つの場合について説明したが、近傍の既存ノードの数が6つより少なくてもよく、多くてもよいことは当然である。
また、図10では、円形のカバーエリアを示したが、カバーエリアの形状が必ずしも円形である必要がないことは当然である。カバーエリアの形状は、主として、各ノードが搭載し、無線信号(インパルス信号やデータ信号)の送信や受信に使用するアンテナの指向性によって決まる。
さらに、上述したように、インパルス信号とデータ信号に異なる周波数を用いたり、各ノードが送信するインパルス信号に異なる周波数を用いる場合には、システムの構成ははるかに容易になる可能性があるが、上記第1、第2の実施形態のようにインパルス信号とデータ信号に同じ周波数を用い、各ノードが送信するインパルス信号に同じ周波数を用いれば、限られた周波数資源を節約することができる。
なお、上記第2の実施形態では、連続的なインパルス信号の送信を、前記時間間隔で、予め定めた前記連続発信時間CT1だけ継続するようにしたが、連続発信時間CT1の値は、位相相互作用の進行状況などに応じて、動的に変更するようにしてもよい。例えば、前記近傍の6つの既存ノードA〜Fのうち少なくとも1つのノード(例えば、A)が、明らかに定常状態の崩壊を認識して新たな定常状態へ向かう位相相互作用を開始したとき(これは、例えば、そのノード(例えば、A)が送信していたインパルス信号の位相位置の変動などから認識できる)には、ノードXは予め定めたCT1に達する前であっても、インパルス信号の連続的な送信を停止するようにしてもよい。これにより、ノードXを含む7ノードA〜F、Xによる新たな定常状態の形成までの時間をいっそう短縮できる可能性がある。
以上の説明では、主としてハードウエア的に本発明を実現したが、本発明は、ソフトウエア的に実現することが可能である。
第1の実施形態で使用するノードの内部構成例を示す概略図である。 第1の実施形態におけるタイムスロットの1周期を示す概略図である。 第1の実施形態で使用するインパルス信号受信期間情報の一例を示す概略図である。 第1の実施形態で使用するインパルス信号受信動作期間の一例を示す概略図である。 第1の実施形態におけるもう1つのタイムスロットの1周期を示す概略図である。 第1の実施形態で使用するインパルス信号受信期間情報の別な例を示す概略図である。 第2の実施形態で使用するノードの内部構成例を示す概略図である。 第2の実施形態で実行するインパルス信号送信時刻の一例を示す概略図である。 第1および第2の実施形態にかかる通信システムの全体構成例を示す概略図である。 第1の実施形態にかかる通信システムにおける、もう1つの全体構成例(ノードの配置例)を示す概略図である。 第1の実施形態の通信システムでのノード間の同調の説明図である。 第1の実施形態の通信システムでのノード間の同調の説明図である。 第1の実施形態の位相シフト前後のタイムスロット幅の変化例を示す説明図である。 第1の実施形態の位相シフト前後の位相信号の内容を示す説明図である。
符号の説明
10…通信システム、11…インパルス信号受信手段、12…通信タイミング計算手段、13…インパルス信号送信手段、14…同調判定手段、15…データ信号通信手段、16…タイムスロット幅計測手段、17…角速度変更手段、18…ノード位置検知手段、19…インパルス受信幅格納手段、20…オンオフ制御手段、RA1,RA11,RA12、RA2,RA3,RA4…インパルス信号受信動作期間、A〜J、N1〜N16…ノード、DD、DE…データ信号。

Claims (4)

  1. 周期的に循環する複数のタイムスロットのいずれかを利用して自ノードを伝送媒体にアクセスさせることにより、伝送媒体に対するアクセス制御を実行する伝送媒体アクセス制御装置であって、
    他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を受信する受信動作と共に、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を間欠的に送信する送信動作を実行する状態変数信号通信部と、
    当該状態変数信号通信部が受信した他ノードからの状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させ、この遷移を反映させた自ノードからの状態変数信号を生成して前記状態変数信号通信部に与えると共に、自ノード及び状態変数信号が届く近傍の1又は複数の他ノードがデータ信号を送信し得るタイムスロットを認識するタイミング決定部と、
    自ノードの動作タイミングで定まる前記タイムスロット毎に周期的にデータ信号を送信するデータ送信部と、
    他ノードからのデータ信号を受信するデータ受信部と、
    前記動作状態が所定の定常状態にあるとき、前記周期上に、自ノードのタイムスロットを基準として決めた所定の位相位置に所定の監視期間を設定する監視期間設定部と、
    当該定常状態にあるとき、前記周期上の当該監視期間以外の期間では、前記状態変数信号通信部による受信動作を停止させ、前記監視期間中における他ノードからの状態変数信号の受信状況が変動した場合、前記近傍の1又は複数の他ノードの間で定常状態が崩壊したものと判定して、前記周期上の監視期間以外の期間でも、前記状態変数信号通信部に受信動作を行わせる状態変数信号受信動作制御部とを備えたことを特徴とする伝送媒体アクセス制御装置。
  2. 請求項1の伝送媒体アクセス制御装置において、
    前記近傍に位置するノードの数に応じて、各ノードのタイムスロットの時間幅を変化させる場合、それまで他ノードとの間で前記状態変数信号及びデータ信号を送受していなかった自ノードが、前記近傍に新たに出現するときには、所定値よりも短い時間間隔で、前記状態変数信号通信部に、前記状態変数信号を送信させる状態変数信号送信制御部を備えたことを特徴とする伝送媒体アクセス制御装置。
  3. 周期的に循環する複数のタイムスロットのいずれかを利用して自ノードを伝送媒体にアクセスさせることにより、伝送媒体に対するアクセス制御を実行する伝送媒体アクセス制御方法であって、
    状態変数信号通信部が、他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を受信する受信動作と共に、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を間欠的に送信する送信動作を実行し、
    タイミング決定部が、当該状態変数信号通信部が受信した他ノードからの状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させ、この遷移を反映させた自ノードからの状態変数信号を生成して前記状態変数信号通信部に与えると共に、自ノード及び状態変数信号が届く近傍の1又は複数の他ノードがデータ信号を送信し得るタイムスロットを認識し、
    データ送信部が、自ノードの動作タイミングで定まる前記タイムスロット毎に周期的にデータ信号を送信し、
    データ受信部が、他ノードからのデータ信号を受信し、
    監視期間設定部が、前記動作状態が所定の定常状態にあるとき、前記周期上に、自ノードのタイムスロットを基準として決めた所定の位相位置に所定の監視期間を設定し、
    状態変数信号受信動作制御部が、自ノードが当該定常状態にあるとき、前記周期上の当該監視期間以外の期間では、前記状態変数信号通信部による受信動作を停止させ、前記監視期間中における他ノードからの状態変数信号の受信状況が変動した場合、前記近傍の1又は複数の他ノードの間で定常状態が崩壊したものと判定して、前記周期上の監視期間以外の期間でも、前記状態変数信号通信部に受信動作を行わせることを特徴とする伝送媒体アクセス制御方法。
  4. 周期的に循環する複数のタイムスロットのいずれかを利用して自ノードを伝送媒体にアクセスさせることにより、伝送媒体に対するアクセス制御を実行する伝送媒体アクセス制御プログラムであって、コンピュータに、
    他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を受信する受信動作と共に、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を間欠的に送信する送信動作を実行する状態変数信号通信機能と、
    当該状態変数信号通信機能が受信した他ノードからの状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させ、この遷移を反映させた自ノードからの状態変数信号を生成して前記状態変数信号通信機能に与えると共に、自ノード及び状態変数信号が届く近傍の1又は複数の他ノードがデータ信号を送信し得るタイムスロットを認識するタイミング決定機能と、
    自ノードの動作タイミングで定まる前記タイムスロット毎に周期的にデータ信号を送信するデータ送信機能と、
    他ノードからのデータ信号を受信するデータ受信機能と、
    前記動作状態が所定の定常状態にあるとき、前記周期上に、自ノードのタイムスロットを基準として決めた所定の位相位置に所定の監視期間を設定する監視期間設定機能と、
    当該定常状態にあるとき、前記周期上の当該監視期間以外の期間では、前記状態変数信号通信機能による受信動作を停止させ、前記監視期間中における他ノードからの状態変数信号の受信状況が変動した場合、前記近傍の1又は複数の他ノードの間で定常状態が崩壊したものと判定して、前記周期上の監視期間以外の期間でも、前記状態変数信号通信機能に受信動作を行わせる状態変数信号受信動作制御機能とを実現させることを特徴とする伝送媒体アクセス制御プログラム。
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