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JP4317992B2 - 通信制御装置、通信制御方法、ノード及び通信システム - Google Patents

通信制御装置、通信制御方法、ノード及び通信システム Download PDF

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Description

本発明は通信制御装置、通信制御方法、ノード及び通信システムに関し、例えば、センサネットワークやLAN(Local Area Network)に接続された複数の機器から構成されるシステム等のように、空間に分散配置された多数のノードや移動体に設置されたノードが、相互にデータ通信を行なう場合において電波干渉等による通信データの衝突を回避しようとしたものである。
空間に分散配置された複数のノードが衝突することなくデータ通信し得るようにするための方式として、TDMA方式、CSMA(CSMA/CAやCSMA/CD)方式などがある(非特許文献1)。
しかし、TDMA方式の場合、タイムスロットの割り当てを行なう集中管理ノードが故障したときに通信システムがダウンしてしまう等の問題があるために、集中管理サーバを必要とせず、個々のノードが自律分散的にタイムスロットを割り当て、相互調整することによって、通信データの衝突を回避する方法が種々提案されている。
上記提案されている各ノードが自律分散的にタイムスロットの割り当てを調整する方法は、各ノードが近傍ノードとの間で周期的なインパルス信号の送受信により相互作用することで調整する技術である。
すなわち、非線形振動をモデル化した数式を用いて、他ノードがインパルス信号を発信するタイミングに応じて、自ノードがインパルス信号を発信するタイミングを調整する。これにより、各ノードにおいて、自ノード及び他ノードのインパルス信号の発信タイミングが極力離れるような調整を相互に行なうことにより、自律分散的なタイムスロットの獲得を実現することができる。
また、上記提案されている技術では、インパルス信号を用いてノード間の相互作用が離散的な形態だけでなく、ノード間の相互作用が連続的な形態についても示されている。この形態は、ノード間において、位相信号を連続的に送受信することによって適切に位相関係を形成し、自律分散的なタイムスロットの獲得を実現する。
さらに、各ノードが近傍ノードの通信タイミングの予測値を仮想ノードの位相として、インパルスによる相互作用に基づいて生成し、仮想ノードとの相互作用を通して適切な位相関係を形成し、自律分散的なタイムスロットの獲得を実現している。
これらは通信範囲と相互作用範囲の2種類の範囲の通信を想定していたが、これら2種類の通信範囲を想定する代わりに制御メッセージ(インパルス信号)を中継することによってタイミング調整を行なう機能を実現している。
松下温、中川正雄編著、「ワイヤレスLANアーキテクチャ」、共立出版、1996年、p.47、53〜59、69
上述した通信タイミング制御方式を行なうことで、適切な位相関係の形成後(収束後)は、受信信号の衝突を起こさず、効率よく通信を行なうことができる。
しかしながら、無線通信の特性によっては、必ずしも最適なノード間で位相関係を形成できず、最適な通信タイミングを生成することができない場合がある。
例えば、有線通信の場合、通信路を共有する複数のノードが同時に通信を行なったときには、信号が衝突し、両方のデータとも消滅するから、受信ノードでは正しくデータ受信できない。しかし、無線通信の場合、通信路を共通する複数のノードが同時に通信を行なったとしても、受信ノードは、受信電力値に十分差があれば、受信電力値の強いデータを受信することができる。
そのため、干渉によるデータ衝突があっても、無線通信方式や通信環境に応じた通信範囲に基づいて、通信タイミング調整の範囲を最適なものに調整することによって、より最適な通信タイミングを形成することができる通信制御装置、通信制御方法、ノード及び通信システムが望まれている。
かかる課題を解決するために、第1及び第2の本発明の通信制御装置はいずれも、各ノードが制御信号を発生し、また、自ノード以外のノードが発生する制御信号を検出することによって、近傍ノードと相互に作用し合うことで、自律分散的に通信タイミングの調整を行なう通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに設けられている通信制御装置において、(1)他ノードから受信した制御信号の受信電力値を求める受信電力判定手段と、(2)受信電力判定手段により求められた制御信号の受信電力値に基づいて干渉の起こらない干渉距離を求め、制御信号の送信元ノードとの間の距離と干渉距離とに基づいて通信タイミングの調整を行なうか否かを判定する制御信号判定手段と、(3)制御信号判定手段の判定結果より通信タイミング調整を行なうとする他ノードからの制御信号の受信タイミングを用いて当該自ノードの通信タイミングの調整を行ない、他ノードとの間の通信を制御する通信制御手段とを備える。第1の本発明の通信制御装置は、制御信号判定手段が、制御信号の受信電力値より所定規則に従って送信元ノードとの間の距離を求め、その求めた送信元ノードとの距離と、所定規則により通信タイミングの調整を行う距離の範囲内で求めた干渉距離との比較に基づいて、当該送信元ノードが通信タイミングの調整を行なうべきノードであるか否かを分別するノード分別部と、ノード分別部による分別結果を参照し、今回受信した制御信号の送信元ノードが通信タイミングの調整を行なうべき他ノードか否かを識別する制御信号識別部とを有することを特徴とする。また、第2の本発明の通信制御装置は、制御信号が、他ノードとの間で2段階で授受される基準制御信号と応答制御信号とからなるものであり、制御信号判定手段が、基準制御信号を受信した場合に、基準制御信号の干渉の起こらない受信電力値を有する応答制御信号を生成し、送信させる応答制御信号生成部を有することを特徴とする。
の本発明のノードは、第1又は第2の本発明の通信制御装置を有することを特徴とするノードである。
の本発明の通信システムは、第の本発明のノードを複数有して構成されることを特徴とするものである。
5及び第6の本発明の通信制御方法はいずれも、各ノードが制御信号を発生し、また、自ノード以外のノードが発生する制御信号を検出することによって、近傍ノードと相互に作用し合うことで、自律分散的に通信タイミングの調整を行なう通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに設けられている通信制御方法において、(1)受信電力判定手段が、他ノードから受信した制御信号の受信電力値を求める受信電力判定工程と、(2)制御信号判定手段が、受信電力判定手段により求められた制御信号の受信電力値に基づいて干渉の起こらない干渉距離を求め、制御信号の送信元ノードとの間の距離と干渉距離とに基づいて通信タイミングの調整を行なうか否かを判定する制御信号判定工程と、(3)通信制御手段が、制御信号判定手段の判定結果より通信タイミング調整を行なうとする他ノードからの制御信号の受信タイミングを用いて当該自ノードの通信タイミングの調整を行ない、他ノードとの間の通信を制御する通信制御工程とを備える。第5の本発明の通信制御方法は、制御信号判定手段が、制御信号の受信電力値より所定規則に従って送信元ノードとの間の距離を求め、その求めた送信元ノードとの距離と、所定規則により通信タイミングの調整を行う距離の範囲内で求めた干渉距離との比較に基づいて、当該送信元ノードが通信タイミングの調整を行なうべきノードであるか否かを分別するノード分別工程と、ノード分別工程での分別結果を参照し、今回受信した制御信号の送信元ノードが通信タイミングの調整を行なうべき他ノードか否かを識別する制御信号識別工程とを有することを特徴とする。また、第6の本発明の通信制御装置は、制御信号が、他ノードとの間で2段階で授受される基準制御信号と応答制御信号とからなるものであり、制御信号判定手段が、基準制御信号を受信した場合に、基準制御信号の干渉の起こらない受信電力値を有する応答制御信号を生成し、送信させる応答制御信号生成工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、干渉によるデータ衝突があっても、無線通信方式や通信環境に応じた通信範囲に基づいて、通信タイミング調整の範囲を最適なものに調整することによって、より最適な通信タイミングを形成することができる。
(A)第1の実施形態
以下、本発明に係る通信制御装置、通信制御方法、ノード及び通信システムの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
第1の実施形態は、例えば、センサネットワークやアドホックネットワーク等のように、空間に分散配置された多数のノードが、相互に無線でデータをやり取りするシステムを想定している。
第1の実施形態は、各ノードがインパルス信号を発生し、また、自分以外のノードが発生するインパルス信号を有効に検出することによって、近傍のノードと相互に作用し合い、自律分散的にタイムスロットの割り当てを決定するものである。
第1の実施形態の通信システムは、無線回線を介してデータを授受する、空間中に分散配置された複数のノードを備えている。なお、第1の実施形態では、各ノードの位置が通信中はほとんど変化しないものを想定しているが、各ノードは移動可能としてもよい。
以下では、本実施形態に係るノードにおける受信信号波と干渉波との関係を説明した後、本実施形態に係るノードの内部構成、及び制御信号判定手段の詳細な機能構成を説明する。
(A−1)電波干渉の関係の説明
通信システムを構成する全てのノードが同じ送信電力で通信しており、その通信範囲をRtとすると、受信信号波が干渉波の影響によって受信に失敗するのは、信号対干渉雑音電力比(SIR:Signal to Interference power Ratio)がある閾値ethを下回った場合である。
あるノードが距離d離れた地点から送信された無線信号を受信する場合、その送信元からの当該受信信号の受信電力をPsとし、距離Ri離れた地点から送信された無線信号を干渉信号とし、この干渉信号の受信電力(干渉電力)をPiとすると、信号対干渉雑音電力比は次式(1)で表わされる。
SIR=Ps/Pi …(1)
ここで、受信信号の受信電力は距離のα乗に反比例すると考えると、距離dと受信電力Psとの関係は次式(2)で表わされる。
Ps=p/dα …(2)
ここで、p、αは定数パラメータで実験から求めることができるものである。
上記式(2)の関係から、SIRは、次式(3)のように表わされる。
SIR=(Ri/d)α …(3)
そして、SIRが閾値ethより小さければ、干渉波の影響により受信誤りを起こすこととなるので、その干渉範囲Riは、次式(4)のように表わすことができる。
Figure 0004317992
また、干渉範囲が当該ノードの通信範囲の内部になる条件を満たす最大の距離d=Dとすると、次式(5)のようになる。
Figure 0004317992
このように、式(5)の要件を満たす場合、あるノードの通信範囲Rtと(5)式で求めた干渉範囲Riとの関係を図5を参照して説明する。
図5において、ノードjはノードiとノードkの通信範囲内にあるが、ノードiとノードkが同時に通信を行なった場合でも、ノードjはノードiから受信可能である。
つまり、ノードiは、通信範囲Rtの範囲内にあるノードと同時に通信を行なうことがなければ、距離D内のノードとは電波干渉による衝突が起こることはない。
(A−2)第1の実施形態に係るノードの内部構成
次に、本実施形態に係るノードの内部構成を図2を参照して説明する。
図2において、ノード10は、インパルス信号受信手段11、通信タイミング計算手段12、インパルス信号送信手段13、同調判定手段14、データ通信手段15、センサ16、制御信号判定手段17を有する。
なお、通信制御装置としては、インパルス信号受信手段11、通信タイミング計算手段12、インパルス信号送信手段13、制御信号判定手段17及び同調判定手段14が構成要素となっている。
インパルス信号受信手段11は、近傍ノード(例えば、そのノードの発信電波が届く範囲に存在する他のノード)が発信した出力インパルス信号(宛先情報は含まれていない)を入力インパルス信号Sin11として受信するものである。ここで、インパルス信号はタイミング信号として授受されるものであり、例えば、ガウス分布形状等のインパルス形状を有するものである(なお、インパルス信号がなんらかのデータ情報を保持するものであっても良い)。受信インパルス信号Spr11は、入力インパルス信号Sin11を波形整形したものでも良く、信号を再生成したものであっても良い。
制御信号判定手段17は、インパルス信号受信手段11から受信したインパルス信号(以下、制御信号ともいう)を受け取り、そのインパルス信号(制御信号)を受信したときの受信電力値に基づいて、そのインパルス信号(制御信号)に基づく通信タイミング調整をするか否かを判定するものである。
これにより、後述する通信タイミング計算手段12が通信タイミングを求めるために必要なノードからのインパルス信号(制御信号)を選別し、通信タイミングの調整を行なうノードを正しく判定することができる。
通信タイミング計算手段12は、制御信号判定手段17により選別されたインパルス信号に基づいて、当該ノードでの通信タイミングを規定する位相信号Spr12を形成して出力するものである。なお、通信タイミング計算手段12は、受信インパルス信号Spr11がない場合であっても位相信号Spr12を形成して出力するものとする。
ここで、当該ノードiの位相信号Spr12の時刻tでの位相値をθi(t)とすると、通信タイミング計算手段12は、受信インパルス信号Spr11に基づいて、例えば下記式(6)及び(7)のように、位相信号Spr12(=θi(t))を非線形振動リズムで変化させる。
Figure 0004317992
この位相信号の変化は、近傍のノード同士が逆相(振動の位相が反転位相)又は他の位相になろうとする非線形特性を実現し、その特性を用いて衝突回避を実行させようとしたものである。すなわち、近傍のノード間における出力インパルス信号Sout11の発信タイミングなどが衝突しないように、適当な時間関係(時間差)を形成させようとしている。
なお、以下では、上記式(6)及び(7)を構成する構成要素を簡単に説明する。上記式(6)は、自ノード(ノードiとする)の非線形振動リズムを時間的に変化させる規則(時間発展規則)を示す方程式である。また上記式(6)において、変数tは時間を表わし、関数θiは時刻tにおける自ノードの非線形振動に対する位相を表わす。
また、上記式(7)において、Δθij(t)は近傍ノードjの位相θj(t)から自ノードiの位相θi(t)を引くことにより得られる位相差である。
さらに、ωiは固有角振動数パラメータである。また、関数Pj(t)は近傍ノードjから受信した受信インパルス信号Spr11を表わしており、関数R(Δθij(t))は受信インパルス信号Spr11の入力に応じて、自ノードiの基本的なリズムを変化させる応答特性を表現する位相応答関数であり、Nは自ノードが受信インパルス信号Spr11を受信可能な空間的距離範囲に存在する近傍ノードの総数を表わす。
また、関数ξ(Si(t))は、自ノードiと近傍ノードjとの相対位相差が小さい場合にストレスを蓄積し、蓄積されたストレス値Si(t)に応じてランダムな大きさで位相シフトする働きをする項である。
図3及び図4は、通信タイミング計算手段12の機能の意味合いを説明するための説明図である。なお、図3及び図4に示す状態変化は、インパルス信号送信手段13の機能も関係している。
図3及び図4は、ある1つのノードに着目したときに、着目ノード(自ノード)と近傍ノード(他ノード)との間に形成される関係、すなわち、それぞれの非線形振動リズム間の位相関係が時間的に変化していく様子を示している。
図3は、着目ノードiに対して近傍ノードjが1個存在する場合である。図3において、円上を回転する2つの質点の運動は、着目ノードと近傍ノードに対応する非線形振動リズムを表しており、質点の円上の角度がその時刻での位相信号の値を表している。質点の回転運動を縦軸あるいは横軸に射影した点の運動が非線形振動リズムに対応する。後述する(1)式に基づく動作により、2つの質点は相互に逆相になろうとし、仮に、図3(a)に示すように初期状態で2つの質点の位相が近くても、時間経過と共に、図3(b)に示す状態(過渡状態)を経て、図3(c)に示すような2つの質点の位相差がほぼπである定常状態に変化していく。
2つの質点は、それぞれ固有角振動数パラメータωを基本的な角速度(自己の動作状態を遷移させる基本速度に相当)とする回転をしている。ここで、ノード間でインパルス信号の送受信に基づく相互作用が生じると、これらの質点は、それぞれ角速度を変化(緩急)させ、結果的に、適当な位相関係を維持する定常状態に到達する。この動作は、2つの質点が回転しながら相互に反発し合うことによって、安定な位相関係を形成するものと見ることができる。定常状態では、後述するように、それぞれのノードが所定の位相(例えば0)のときに出力インパルス信号Sout11を発信するとした場合、互いのノードにおける発信タイミングは、適当な時間関係を形成していることになる。
また、図4は、着目ノードiに対して2個の近傍ノードj1、j2が存在する場合を表している。近傍ノードが2個存在する場合においても、上述と同様に、それぞれの質点が回転しながら相互に反発し合うことによって、安定な位相関係(時間的な関係に関する安定性)を形成する。近傍ノード数が3個以上の場合についても同様である。
上述の安定な位相関係(定常状態)の形成は、近傍ノード数の変化に対して非常に適応的(柔軟)な性質を持つ。例えば、今、着目ノードに対して近傍ノードが1個存在し、安定な位相関係(定常状態)が形成されているときに、近傍ノードが1個追加されたとする。定常状態は一旦崩壊するが、過渡状態を経た後、近傍ノードが2個の場合における新たな定常状態を再形成する。また、近傍ノードが削除された場合や故障等により機能しなくなった場合においても、同様に適応的な動作をする。
通信タイミング計算手段12は、得られた位相信号Spr12(=θi(t))を、インパルス信号送信手段13、同調判定手段14及びデータ通信手段15に出力する。
インパルス信号送信手段13は、位相信号Spr12に基づいて、出力インパルス信号Sout11を送信する。すなわち、位相信号Spr12が所定の位相α(0≦α<2π)になると、出力インパルス信号Sout11を送信する。ここで、所定の位相αは、予めシステム全体で統一しておくことが好ましい。以下では、α=0にシステム全体で統一されているとして説明する。なお、図3の例で言えば、ノードiとノードjとでは、定常状態で相互の位相信号Spr12がπだけずれているので、α=0にシステム全体で統一しても、ノードiからの出力インパルス信号Sout11の送信タイミングと、ノードjからの出力インパルス信号Sout11の送信タイミングとはπだけずれている。
同調判定手段14は、自ノードや1又は複数の近傍ノードの間で行われる出力インパルス信号Sout11の送信タイミングの相互調整が、「過渡状態」(図3(b)、図4(b)参照)あるいは「定常状態」(図3(c)、図4(c)参照)のいずれの状態にあるかを判定するものである。同調判定手段14は、受信インパルス信号Spr11(他ノードの出力インパルス信号Sout11に対応する)及び出力インパルス信号Sout11の発生タイミングを観測し、インパルス信号を授受し合う複数のノードの発生タイミング間の時間差が時間的に安定している場合に「定常状態」であると判定する。なお、この実施形態の場合には、同調判定手段14には、自ノードからの出力インパルス信号Sout11の発生タイミングを捉えるための信号として、出力インパルス信号Sout11に代えて、位相信号Spr12が入力されている。
同調判定手段14は、例えば、以下の(a)〜(d)のような処理を実行して同調判定を行なう。
(a)受信インパルス信号Spr11の発生タイミングにおける位相信号Spr12の値βを、位相信号Spr12の1周期に亘って観測する。ここでは、上記の観測を行った結果、得られる位相信号Spr12の値βをそれぞれ、β1,β2,…,βN (0<β1<β2<…<βN<2π)とする。
(b)観測された位相信号Spr12の値βに基づいて、隣接値間の差(位相差)△1=β1,△2=β2−β1,…,△N=βN−β(N−1)を算出する。
(c)上記(a)及び(b)の処理を位相信号Spr12の周期単位に行い、相前後する周期における位相差△の変化量(差分)γ1=△1(τ+1)−△1(τ),γ2=△2(τ+1)−△2(τ),…,γN=△N(τ+1)−△N(τ)を算出する。ここで、τは、位相信号Spr12のある周期を示しており、τ+1は、位相信号Spr12のその次の周期を示している。
(d)上述の変化量γが、いずれも微小パラメータ(閾値)εよりも小さい場合、すなわち、γ1<ε,γ2<ε,…,γN<εの場合に、「定常状態」であると判定する。
なお、γ1<ε,γ2<ε,…,γN<εという条件がM周期にわたって満足される場合を定常状態と判定するようにしても良い。Mの値を大きくするほど、より安定性の高い状態で「定常状態」と判定できる。また、一部の受信インパルス信号Spr11に基づいて、「定常状態」の判定を行っても構わない。
同調判定手段14は、位相信号Spr12の周期毎に、判定結果を示す同調判定信号Spr13と、受信インパルス信号Spr11の発生タイミングにおける位相信号Spr12の値βの最小値β1をスロット信号Spr14としてデータ通信手段15に出力する。
なお、最小値β1をスロット信号Spr14として出力するようにしたのは、上述したように、α=0としていることと関係しており、αの値の選定によっては、スロット信号Spr14に適用するβの値は変化する。
当該ノード10は、他のノードから受信したデータを中継して送信する機能と、自己を送信元とするデータ送信機能とを有している。
センサ16は、後者の場合の一例として書き出したものであり、例えば、音や振動の強度、化学物質の濃度、温度など、物理的又は化学的な環境情報Sin13を検知して観測データSpr15をデータ通信手段15に出力するものである。
また、前者の場合には、データ通信手段15に、近傍ノードが送信したデータ信号(出力データ信号Sout12)が入力データ信号Sin12として受信される。
データ通信手段15は、観測データSpr15及び又は入力データ信号Sin12(両方の場合を含む)を出力データ信号Sout12として他ノードに送信する。データ通信手段15は、この送信を、同調判定信号Spr13が「定常状態」を示す場合に、後述するタイムスロット(システムなどが割り当てた固定的な時間区間ではないが、「タイムスロット」という用語を用いる)で行ない、同調判定信号Spr13が「過渡状態」を示す場合には送信動作を停止している。なお、出力データ信号Sout12は、出力インパルス信号Sout11と同一周波数帯で送信周波数とするものであっても良い。
タイムスロットは、位相信号Spr12の位相θi(t)がδ1≦θi(t)≦β1−δ2である期間である。タイムスロットの開始点(そのときの位相信号の値をδ1とする)は、出力インパルス信号Sout11の送信が終了したタイミングであり、タイムスロットの終了点(そのときの位相信号の値をβ1−δ2とする)は、位相信号Spr12の周期毎の最初の受信インパルス信号Spr11のタイミングより多少のオフセット分δ2だけ前のタイミングとしている。δ1やδ2は、当該ノード10の近傍の無線空間で、インパルス信号(送信元は自ノードの場合、他ノードの場合の双方を含む)と、データ信号(送信元は自ノードの場合、他ノードの場合の双方を含む)とが同時に存在しないことを補償するためのごく短い時間に対応する位相幅である。δ1及びδ2は、例えば、ノード10の設置状況下で実験的に決定する。
例えば、図3(c)に示すような「定常状態」の場合、ノードiは、位相θiが0から出力インパルス信号Sout11を送信し始め、位相θiがδ1になる前に、出力インパルス信号Sout11の送信を終了させておき、位相θiがδ1から出力データ信号Sout12を送信し始め、位相θiがβ1−δ2になると(但しβ1≒π)、出力データ信号Sout12の送信が終了させ、それ以降、位相θiが再び0になるまで、出力インパルス信号Sout11の送信も出力データ信号Sout12の送信も停止させる。他方のノードjも、位相θjに基づいて同様な動作を実行するが、位相θiと位相θjとがほぼπだけずれているので、送信動作が競合することはない。ノード数が3以上の場合も同様に動作し、送信動作が競合することはない。
(A−3)制御信号判定手段の詳細な機能説明
図1は、第1の実施形態の制御信号判定手段17の詳細な機能構成を示すブロック図である。図1において、第1の実施形態の制御信号判定手段17Aは、受信電力判定部21、制御信号選別部22、ノードリスト生成部23、相互作用範囲内ノード集合リスト部24、通信範囲内ノード集合リスト部25、パラメータ補正部26を有する。
以下で、説明する機能は、ソフトウェアとしてノード上のハードウェア資源(例えばCPU)に読み取られて実現されるものとして説明するが、回路構成上で可能であれば、ハードウェアとして実現できるようにしてもよい。
受信電力判定部21は、他のノードが送信したインパルス信号(制御信号)の受信電力値を算出するものである。ここで、受信電力判定部21による受信電力値の算出方法は、例えば、最も単純な方法として、受信信号を受信するたびに、その受信信号の受信電力を測定し、その測定した受信電力値を採用する方法がある。また例えば、受信電力値の精度を向上させるために、複数回の受信信号の受信電力値を用いて平均をとる等所定の計算式を利用して求めた受信電力値を採用する方法もある。
また、受信電力判定部21は、算出した受信電力値をノードリスト生成部23に与えるものである。また、受信電力判定部21は、他ノードからインパルス信号(制御信号)を受信すると、インパルス信号(制御信号)を制御信号選別部22に与えるものである。
ノードリスト生成部23は、受信電力判定手段21から、受信電力判定手段21が算出した受信電力値を受け取り、その受信電力値に基づいて制御信号(インパルス信号)の送信元のノードを、相互作用範囲内ノード集合リスト部24又は通信範囲内ノード集合リスト部25に振り分け、相互作用範囲内ノード集合リスト部24と通信範囲内ノード集合リスト部25とを生成するものである。
ここで、ノードリスト生成部23によるノードの振り分け方法について説明する。
ノードリスト生成部23は、受信電力値と比較するための閾値Rthが予め設定されており、また受信電力値を閾値Rthとした場合に、上記式(2)に基づいて求められる距離の範囲を、通信タイミング調整を行なう範囲とし、本実施形態では、その距離をRtとして有するものである。
また、ノードリスト生成部23は、上記式(5)に基づいて、閾値Rthのときに、通信タイミング調整を行なう距離Rtの範囲内で、干渉の起こらない距離Dの範囲を求め、この距離Dを有するものである。
このように、送信元ノードとの間の距離が距離Rtの範囲内にあるノードと制御信号(インパルス信号)のやり取りを行ない、通信タイミング制御が完了し、通信タイミングを形成した状態では、距離Rtの範囲内にある複数のノードが同時に通信を行なうことができないため、ノード間の通信距離Dより小さければ干渉が起こることはない。
なお、このとき、上記式(2)及び(5)の計算に必要なパラメータp、αについても予めノードリスト生成部23に設定されているものとする。
そして、ノードリスト生成部23は、受信電力判定部21から、受信電力判定部21が算出した受信電力値を受け取ると、その受信電力値と閾値Rthとを比較し、閾値Rthより小さい受信電力値ものを削除するものである。
このようにすることで、インパルス信号(制御信号)の受信電力値が閾値Rthより小さく、距離Rtよりも遠い距離の位置にあるノードとの間の通信タイミングの調整を行なわないようにすることができる。
また、ノードリスト生成部23は、受信電力判定部21から与えられた受信電力値を上記式(2)に代入して、受信したインパルス信号(制御信号)の送信元ノードとの間の距離を求める。
そして、ノードリスト生成部23は、求めた送信元ノードとの間の距離が、距離Rtより小さいか否かを比較し、距離Rtより小さいと判定したとき、そのノードを相互作用範囲内ノード集合リスト部24に追加するものである。
また、ノードリスト生成部23は、求めた送信元ノードとの間の距離が、距離Dより小さいか否かを比較し、距離Dより小さいと判定したとき、そのノードを通信範囲内ノード集合リスト部25に追加するものである。
制御信号選別部22は、受信電力判定部21を介して、他ノードから受信したインパルス信号(制御信号)を受け取ると、このインパルス信号(制御信号)の送信元ノードが相互作用範囲内ノード集合リスト部24に含まれるものであるか否かを判定するものである。
また、制御信号選別部22は、受信したインパルス信号(制御信号)の送信元ノードが、相互作用範囲内ノード集合リスト部24に含まれている場合に限り、そのインパルス信号(制御信号)の受信を通信タイミング計算手段12に与えるものである。
パラメータ補正部26は、ノードリスト生成部23に設定されている上記式(5)を計算するために必要なパラメータを補正するものである。これにより、実際のデータの送受信状況に応じて距離Dを補正することができるので、距離Dを最適な値に近づけることができる。
ここで、パラメータ補正手段26によるパラメータの補正方法は、例えば、エラーレートが所定の閾値より高い状態が続くときに、距離Dを小さくなるように、パラメータを補正するようにする。なお、高い状態が続くという時定数は、通信タイミング計算手段12によるタイミング制御方式が収束する時定数よりも長いものとしておくことで、安定した動作を実現できる。
なお、パラメータ補正部26は、必須の構成要素でなく、これを備えなくても、本実施形態に係る制御信号判定手段17の機能を実現することができる。
(A−4)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、複数のノードが局所的に近傍のノードと通信タイミングを調整することによって自律分散的なタイムスロット割り当てを行なうデータ通信方法において、制御信号判定手段を備えることにより、インパルス信号(制御信号)の到達から衝突するか否かを判断するだけでなく、干渉を考慮して電波干渉が発生するか否かを判断してタイミング調整を行なうことによって、より正確にタイミング調整を行なうことができる。
また、本実施形態によれば、不必要に多くのノードとタイミング調整を行ない、1ノード当りに割り当てる通信時間が減る問題や、通信タイミングを調整するノードが不十分で割り当てられる通信時間は多くても、実際はパケットが衝突してしまい通信効率が良くないといった問題を回避できる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明に係る通信制御装置、通信制御方法、ノード及び通信システムの第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
第2の実施形態の場合、インパルス信号(制御信号)は基準インパルス信号(基準制御信号)と応答インパルス信号(応答制御信号)の2種類がある。
基準インパルス信号は、各ノードのデータ信号の発信開始を表わすタイミングを周囲に伝達するための信号である。応答インパルス信号は、受信した基準インパルス信号を転送した信号である。
(B−1)第2の実施形態の構成
第2の実施形態におけるノードは、上述した2種類のインパルス信号(制御信号)を交換する構成を有する。
第2の実施形態のノードが、第1の実施形態のノードと異なる点は、制御信号判定手段の機能構成であり、それ以外の機能構成は図2に示す第1の実施形態のノードの構成に対応する。従って、第2の実施形態のノードの特徴的な機能構成である制御信号判定手段の機能構成を中心に詳細に説明し、第1の実施形態で説明した機能構成の説明は省略する。
図6は、第2の実施形態の制御信号判定手段の内部構成を示すブロック図である。
図6において、第2の実施形態の制御信号判定手段17Bは、受信電力判定部31、制御信号識別部32、干渉判定部33、応答制御信号生成部34、パラメータ補正部35、制御信号送信手段36を有する。
なお、制御信号送信手段36は、図1に示すインパルス信号送信手段13に対応するものであるが、第2の実施形態に特有の機能を有するため、これを図6に示し、以下でその詳細な機能を説明する。
受信電力判定部31は、他のノードからインパルス信号(制御信号)を受信した際、受信したインパルス信号(制御信号)の受信電力値を算出するものである。
受信電力判定部31による受信電力値の算出方法は、例えば、最も単純な方法として、今受信した信号の受信電力値を決定する方法がある。また例えば、精度を向上させるために、複数回の受信の平均をとる等所定の計算式を用いて受信電力値を決定する方法もある。なお、受信電力値を単数回で測定するより複数回で測定するほうが正確になるが、計算コストが増加する。
ここで、複数のノード間で通信する場合に、例えば、ノードAからノードBに通信した信号のノードBにおける受信電力値と、ノードBからノードAに通信した信号のノードAにおける受信電力値とは、必ずしも同じでない場合がある。
このような場合に、相手先ノードにおける受信電力値を知る方法としては、例えば、ノードA及びノードBにおける受信電力値を同じと仮定する方法や、また例えば、ノードBは、ノードBにおけるノードAからの受信電力値をノードAに送信し、その後ノードAは、それに基づいて実際にノードBに到達している受信電力値を正確に知る方法がある。なお、前者の受信電力値が同じと仮定する方法より後者の受信電力値を送信する方法のほうが、相手先ノードの受信電力値を正確に知ることができるが、その分計算コストが増加する。
制御信号識別部32は、受信したインパルス信号(制御信号)が基準インパルス信号であるか、又は応答インパルス信号であるかを識別するものである。ここで、インパルス信号の種類を区別するために、転送判定識別子(TTL(Time To Live)フィールド;波形形状)を設け、基準インパルス信号にはTTLフィールドに「1」を設定し、応答インパルス信号にはTTLフィールドに「0」を設定する(例えば、「1」と「0」とでそのフィールドでの波形形状が異なる)。制御信号識別部32は、入力されたインパルス信号のTTLフィールドを見て、基準インパル信号であれば転送し、応答インパルス信号であれば転送しないとする判定を行なうものである。
また、制御信号識別部32は、入力されたインパルス信号が基準インパルス信号であるとき、入力インパルス信号の受信を通信タイミング計算手段12に伝えると共に、応答制御信号生成部34に入力インパルス信号を与え、応答インパルス信号であるとき、入力インパルス信号を干渉判定部33に与える。制御信号識別部32は、同一の基準インパルス信号に係る複数の応答インパルス信号の競合の調停機能をも有しているものである。
なお、基準インパルス信号であるか又は応答インパルス信号であるかの識別のために、TTLフィールドを設けないようにしても良く、ノードがネットワークからインパルス信号を受信したときにTTLを認識できない場合は応答インパルス信号と判定するようにしてもよい。
応答制御信号生成手段34は、制御信号識別部32から基準インパルス信号(基準制御信号)の入力を受け取ると、例えばTTLフィールドに「0」を設定した応答インパルス信号(応答制御信号)を生成し、生成した応答制御信号を制御信号送信手段36に与えるものである。
また、応答制御信号生成部34は、受信電力判定部31が算出した受信電力値に応じて、干渉が起こらない受信電力値を応答インパルス信号に書き込む。応答制御信号生成部34には、衝突とならない受信電力値と干渉電力値との比、すなわち耐干渉性の度合いを示す値をパラメータが予め設定されている。そして、このパラメータと干渉電力値とに基づいて、基準インパルス信号の受信に干渉が起こらないようにするための受信電力値を求めるようにする。
なお、衝突とならない受信電力値と干渉電力値との比は、一般に通信方式等に依存するものであるから、通信方式等に応じたパラメータを設定するものとする。しかし、実際の送受信状況(例えば、エラーレートなど)に基づいてエラーレートが高い場合には正しく受信するのに必要な受信電力値と干渉電力値の比に余裕を持たせるように補正することもできる。
また、図1に示す通信タイミング計算手段12が、タイムスロットの均等化やネットワーク利用効率を向上させるために、実際にはインパルス信号の受信をしてないが、仮想ノードからのインパルス信号受信のタイミングを取り込んで通信タイミングを計算するものもある。
このような通信タイミング計算手段12を適用する場合、制御信号生成手段34は、基準インパルス信号に、当該ノードの1ホップ近傍に位置する他ノードからの受信強度情報、当該ノードの1ホップ範囲内ノードに対応する仮想ノードの位相の情報(すなわち通信タイミングの情報を表わす)を乗せる。
パラメータ補正手段35は、応答制御信号生成部34が応答インパルス信号に書き込む受信電力値を求めるために必要なパラメータを補正するものである。なお、パラメータ補正部26は、必須の構成要素でなく、これを備えなくても、本実施形態に係る制御信号判定手段17の機能を実現することができる。
制御信号送信手段36は、応答制御信号生成部34が生成したインパル信号(制御信号)を送信するものである。
制御信号送信手段36は、他ノードの基準インパルス信号の受信から制御信号送信手段36に応答インパルス信号を受け取ると、直ぐに応答インパルス信号を送信してもよいし、又は直ぐに応答インパルス信号を送信せず、一時的に応答インパルス信号を保存してから送信してもよい。
図7は、インパルス信号(制御信号)の蓄積送信を説明するための説明図である。図7では、ノードi、ノードj、ノードk及びノードlと、その他複数のノードmを示す。
図7において、ノードiの電波到達範囲内にノードjが存在し、ノードjの電波到達範囲内にノードi及びノードlが存在し、ノードkの電波到達範囲内にノードlが存在する。
このような状況において、ノードiが基準インパルス信号を送信したとき、ノードjが応答インパルス信号を送信する例では、ノードkは、ノードiとタイミング調整を行なわないから、ノードiと同じタイミングで通信する可能性があり、ノードjにおいて衝突する可能性がある。
しかし、ノードjが、直ぐに応答インパルス信号を送信せずに、自分の基準インパルス信号の送信のタイミングで基準インパルス信号の情報と応答インパルス信号の情報を併せて送信することで、ノードkとの送信タイミングをずらすことができ、ノードjにおける衝突を回避できる。
この場合、インパルス信号送信手段は、タイマ等を用いて、本来の送信時刻からのずれ込み時間を、応答インパルス信号の情報として書き込む機能を有する。これにより、受信側ノードは、例えば、応答インパルス信号の受信時刻からずれ込み時間を差し引いて、本来受信するはずであった時刻を知ることができる。
干渉判定部33は、制御信号識別部32から応答インパルス信号を受け取ると、その応答インパルス信号の受信電力値と、その応答インパルス信号に書き込まれている受信電力値とを比較するものである。
そして、干渉判定部33は、当該インパルス信号の受信電力値が書き込まれている受信電力値より大きければ、自ノードの送信がその応答インパルス信号の送信元ノードに対して干渉を与えてしまうと判断し、通信タイミング調整を行なうため通信タイミング計算手段12にインパルス信号の受信を伝えるものである。
また、干渉判定部33は、当該応答インパルスの受信電力値が書き込まれている受信電力値より小さければ、自ノードの送信がその応答インパルス信号の送信元に対して干渉とならないと判断し、通信タイミング調整をする必要ないから、応答インパルスの受信を通信タイミング計算手段12に伝えないものである。
ここで、非常に弱い電力で基準インパルスを受信したノードは(例えば、最低受信電力値−90dBmとして−90dBmで受信したとき)それよりもさらに微弱な電力レベルの干渉波(例えばデータ受信時に許容する信号波対干渉波の受信レベル比を10dbとした場合−100dBm)を到達させるノードにまで応答インパルスを到達させる必要があるという問題が発生する。実際は、そのような、遠くのノードに情報を送信することは困難である。
しかし、このような場合にも、実際の最低受信電力値よりも十分に大きな値を基準インパルスの最低受信電力値として設定することによって、干渉波を到達させるようなノードに応答インパルス信号を到達させることができ、問題を解決できる。
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、第2の実施形態に係るノードにおける動作を説明する。
(B−2−1)基準インパルス信号の受信動作及び応答インパルス信号の送信動作
例えば、ノードAがノードBに対して基準インパルス信号を送信した場合におけるノードBのインパルス信号の受信動作を説明する。
ノードBにおいて、インパルス信号が受信されると、受信電力判定部31により受信電力値が算出される。
また、制御信号識別部32において、受信されたインパルス信号のTTLフィールドに基づいて、当該受信インパルス信号が基準インパルス信号であると識別され、基準インパルス信号の受信の旨が応答制御部34に与えられる。
応答制御信号生成部34に基準インパルス信号の受信の旨が伝えられると、応答制御信号生成部34により、応答インパルス信号が生成される。
このとき、ノードBが、ノードAの他にノードCからも基準インパルス信号を受信できる位置に配置されているものとする。この場合、ノードBにおいて、ノードAからの基準インパルス信号の受信電力値が−70dBmであったとし、ノードAとノードCとが同時に基準インパルス信号を送信したとしても、ノードBにおいて受信電力値が−80dBmであれば、干渉電力に耐えながらノードAからの基準インパルス信号を正確に受信できるとすると、応答制御信号生成部34は、受信電力値−80dBmを応答インパルス信号に書き込むようにする。
応答インパルス信号生成部34により生成された応答インパルス信号は制御信号送信手段36に与えられ、応答インパルス信号は制御信号送信手段36により送信される。
(B−2−2)応答インパル信号の受信動作
上述した例において、ノードCは、ノードBが送信した応答インパルス信号を受信する。
このとき、受信電力判定部31により受信したインパルス信号の受信電力値が算出されると共に、制御信号識別部32により受信したインパルス信号が応答インパルス信号であると識別され、応答インパルス信号が干渉判定部33に与えられる。
ノードCの干渉判定部33において、応答インパルス信号には−80dBmまでは干渉を受けないことが書き込まれており、受信電力判定部31が算出した受信電力値より、応答インパルス信号の送信元(ノードB)へ到達する電力が、応答インパルスに書き込まれた値よりも大きければ、自ノードCの送信はノードAとノードBとの通信でノードBにおいて干渉を与えてしまうと判断して、通信タイミング調整を行なうため通信タイミング計算手段12にインパルス信号の受信を伝える。
また、応答インパルス信号の送信元(ノードB)へ到達する電力が書き込まれた受信電力値よりも小さければ、自ノードCの送信はノードBへの干渉とはならないため、通信タイミング調整をする必要ないと判断し、応答インパルスの受信を通信タイミング計算手段12に伝えない。
(B−3)第2の実施形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態によれば、ノードが存在する環境の電波伝搬に依存した伝播パラメータを準備する必要がないので、ノード構成を容易にし、第1の実施形態を実現することができる。
(C)他の実施形態
(C−1)第2の実施形態では、インパルス信号に当該ノードにおいて干渉を及ぼし得る受信電力値を書き込み、それより大きい受信電力値でインパルス信号を受信できる関係にあるノード間で通信タイミングを取り合うようにする場合を説明した。
しかし、本発明は、あるノードの通信が干渉を及ぼす範囲、あるノードへの通信において干渉を受ける範囲を自律的に決定する点において、インパルス信号を用いた通信システムに限定されず、他の通信システムにも適用でき、インパルス信号に上記情報を乗せることに限らず、他のメッセージに乗せるようにしてもよい。
例えば、IEEE802.11規格で標準化された無線LANシステムにおいて、RTS(Request To Send)メッセージやCTS(Clear To Send)メッセージを用いて通信衝突回避する仕組み(特に、隠れ端末を回避する仕組み)にも適用できる。
例えば、ノードAがノードBにRTSメッセージを送信し、ノードBがCTSメッセージを送信する場合、ノードBが、本発明に基づいてRTSメッセージの受信電力値に基づく受信電力値をCTSメッセージに書き込み、送信する。
そうすると、ノードBからCTSメッセージを受信したノードCは、自ノードが通信をした場合には、ノードAとノードBと間の通信に干渉するかを、本発明により判断して本当に通信を控えるべきかを判定することができる。
従来は、受信電力値を考慮せずに、制御信号を受信した場合は必ず通信を控えていたが、このように本発明を適用することによって、制御信号が届いたかどうかではなく、実際の到達電力強度に基づいて厳密な衝突回避の制御を行なうことができる。
(C−2)第1及び第2の実施形態においては、通信タイミング計算手段12は、(6)式のように微分方程式を用いた場合を説明したが、算出方法を規定する一例の表現にしか過ぎず、これ以外に、(6)式の微分方程式を差分化(連続時間変数tを離散化)して得られる差分方程式(漸化式)を用いて算出してもよい。
また、これ以外の記述方法として、例えば、文献「戸田盛和、渡辺慎介著、「非線形力学」、共立出版発行」に開示されるファン・デル・ポール方程式等の一般的な非線形振動やカオス振動のモデルを用いることも可能である。無論、ノード間における相互作用が、時間に関して離散的(パルス的)な場合、及び連続的な場合、ともに実現することが可能である。ファン・デル・ポール方程式は、電子回路上で発生する非線形振動現象をモデル化した式である。ファン・デル・ポール方程式による動作は、電子回路を用いてハードウェアとしてノード上に実装することが可能である。また、ルンゲ・クッタ法等の一般的な数値計算法を用いて、ソフトウェアとしてノード上に実装することも可能である。
本発明は、時間や動作状態、あるいは相互作用等に関する離散モデル、及び連続モデル、その他、特定の振動現象を表現するモデルといった、個別的なモデルの記述方法の違いに依拠するものではなく、ある時間発展規則に従って動作状態が遷移する種々のモデルを用いて実現することが可能である。動作状態が周期的、あるいはカオス的に変化するモデルを用いる形態は、本発明の実施形態の例として位置付けられる。
(C−3)第1の実施形態では、空間に分散配置された多数のノードが、相互に無線でデータをやり取りするシステムを想定して説明した。しかし、本発明の利用形態は、無線通信を行なうシステムに限定されない。空間に分散配置された多数のノードが、相互に有線でデータをやり取りするシステムに適用することも可能である。例えば、イーサネット(登録商標)などのように有線接続されたLANシステムに適用することも可能である。また、同様に有線接続されたセンサやアクチュエータ、あるいはサーバなど、異なる種類のノードが混在するネットワークに適用することも可能である。無論、有線接続されたノードと、無線接続されたノードが混在するネットワークに適用することも可能である。
さらに、本発明は、インターネット上で、各ルータが相互に異なるタイミングでルーティングテーブルを交換するための通信プロトコルとして利用することができる。ここで、ルータとは、ネットワーク上を流れる情報の行き先を振り分ける(通信経路選択)機能を有する中継機器のことである。また、ルーティングテーブルとは、情報の行き先を振り分ける際に参照される通信経路選択規則である。効率的な通信を実現するためには、ネットワーク上における変更や局所的なトラフィックの変化等に応じて、逐次、ルーティングテーブルを更新する必要がある。このため、ネットワーク上に存在する多数のルータは、相互に一定の時間間隔でルーティングテーブルの交換を行っている。しかし、文献「Floyd,S.,and Jacobson,V.,“The Synchronization of Periodic Routing Messages”, IEEE/ACM Transactions on Networking, Vol.2 No.2, pp.122-136, April 1994.」に開示されるように、各ルータがそれぞれ独立にルーティングテーブルを発信しているにもかかわらず、ルータ相互の発信が次第に同期(衝突)する現象が発生することが分かっている。上記文献では、ルーティングテーブルの交換に用いられる通信プロトコルに対して、各ノードの処理周期にランダムな変動性を与えることによって、この問題に対処する方法を提案し、一定の効果が得られることを示している。しかし、上記文献に開示される方法は、基本的にランダム性のみに依存した方法であるため、その効果は十分ではない。
それに対して、本発明を上記の問題に適用すると、近傍のルータ間において、ルーティングテーブルを発信するタイムスロットを自律的に相互調整することが可能である。従って、各ルータの発信は、相互に異なるタイミングとなり、上記文献に開示される方法に比べて高い効果を得ることができる。
以上、説明したように、本発明は無線系、有線系を問わず、あらゆるネットワークに存在する発信データの衝突や同期の問題に適用可能であり、適応性と安定性を兼ね備えた効率的なデータ通信を実現する通信プロトコルとして利用することが可能である。
(C−4)第1及び第2の実施形態では、一例として、固有角振動数パラメータωiは、システム全体で同一の値に統一すると仮定した。しかし、これは本発明を実施する上で必須事項ではない。ノードごとにωiの値が異なっても動作させることが可能である。例えば、各ノードのωiの値が、基準値を中心にその近傍でガウス分布等の確率分布に従って小さくばらついていても動作させることができる。
(C−5)本発明は、通信タイミング情報(実施形態での位相信号)の取得制御に特徴を有し、そのタイミング情報を通信にどのような利用するかは問われない。例えば、各ノードからのデータ信号の送信周波数が異なる場合であれば、タイムスロットを設定することなく通信を行なうようにしても良く、この場合であっても、データ通信の始期を通信タイミング情報から定めるようにすれば良い。
(C−6)第1及び第2の実施形態では、位相応答関数R(Δθij(t))の形態はこれに限定されず、本発明を実施する上で位相応答関数は他の種々の関数を用いて構成可能である。
(C−7)第1及び第2の実施形態では、位相Δθi(t)に対し、衝突率ci(t)を、ストレス応答関数値として反映させ、かつ、位相応答関数R(Δθij(t))の特性切替えという形で反映させるものを示したが、位相応答関数R(Δθij(t))の特性切替えという形でのみ反映させるものであっても良い。
第1の実施形態の制御信号判定手段の内部構成を示す機能ブロック図である。 第1の実施形態のノードの内部構成を示す機能ブロック図である。 第1の実施形態の通信システムでのノード間の同調の説明図(1)である。 第1の実施形態の通信システムでのノード間の同調の説明図(2)である。 第1の実施形態の通信範囲と干渉範囲との関係を説明する説明図である。 第2の実施形態の制御信号判定手段の内部構成を示す機能ブロック図である。 第2の実施形態のインパル信号の蓄積送信を示す説明図である。
符号の説明
10…ノード、11…インパルス信号受信手段、12…通信タイミング計算手段、13…インパルス信号送信手段、14…同調判定手段、15…データ通信手段、16…センサ、17(17A及び17B)…制御信号判定手段、21、31…受信電力判定部、22…制御信号選別部、23…ノードリスト生成部、24…相互作用範囲内ノード集合リスト部、25…通信範囲内ノード集合リスト部、26、35…パラメータ補正部、32…制御信号識別部、33…干渉判定部、34…応答制御信号生成部、36…制御信号送信手段。

Claims (10)

  1. 各ノードが制御信号を発生し、また、自ノード以外のノードが発生する制御信号を検出することによって、近傍ノードと相互に作用し合うことで、自律分散的に通信タイミングの調整を行なう通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに設けられている通信制御装置において、
    他ノードから受信した制御信号の受信電力値を求める受信電力判定手段と、
    上記受信電力判定手段により求められた上記制御信号の受信電力値に基づいて干渉の起こらない干渉距離を求め、上記制御信号の送信元ノードとの間の距離と上記干渉距離とに基づいて通信タイミングの調整を行なうか否かを判定する制御信号判定手段と、
    上記制御信号判定手段の判定結果より通信タイミング調整を行なうとする他ノードからの制御信号の受信タイミングを用いて当該自ノードの通信タイミングを行ない、上記他ノードとの間の通信を制御する通信制御手段と
    を備え、
    上記制御信号判定手段が、
    上記制御信号の受信電力値より所定規則に従って送信元ノードとの間の距離を求め、その求めた上記送信元ノードとの距離と、所定規則により通信タイミングの調整を行う距離の範囲内で求めた上記干渉距離との比較に基づいて、当該送信元ノードが通信タイミングの調整を行なうべきノードであるか否かを分別するノード分別部と、
    上記ノード分別部による分別結果を参照し、今回受信した上記制御信号の送信元ノードが通信タイミングの調整を行なうべき上記他ノードか否かを識別する制御信号識別部と
    を有する
    ことを特徴とする通信制御装置。
  2. 上記ノード分別部が、通信タイミングの調整を行なうべきノードとする分別を動的に調整することを特徴とする請求項に記載の通信制御装置。
  3. 各ノードが制御信号を発生し、また、自ノード以外のノードが発生する制御信号を検出することによって、近傍ノードと相互に作用し合うことで、自律分散的に通信タイミングの調整を行なう通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに設けられている通信制御装置において、
    他ノードから受信した制御信号の受信電力値を求める受信電力判定手段と、
    上記受信電力判定手段により求められた上記制御信号の受信電力値に基づいて干渉の起こらない干渉距離を求め、上記制御信号の送信元ノードとの間の距離と上記干渉距離とに基づいて通信タイミングの調整を行なうか否かを判定する制御信号判定手段と、
    上記制御信号判定手段の判定結果より通信タイミング調整を行なうとする他ノードからの制御信号の受信タイミングを用いて当該自ノードの通信タイミングを行ない、上記他ノードとの間の通信を制御する通信制御手段と
    を備え、
    上記制御信号が、他ノードとの間で2段階で授受される基準制御信号と応答制御信号とからなるものであり、
    上記制御信号判定手段が、上記基準制御信号を受信した場合に、上記基準制御信号の干渉の起こらない受信電力値を有する上記応答制御信号を生成し、送信させる応答制御信号生成部を有することを特徴とする通信制御装置。
  4. 上記応答制御信号を生成するための耐干渉性のパラメータを補正するパラメータ補正部を有することを特徴とする請求項に記載の通信制御装置。
  5. 上記制御信号判定手段が、上記応答制御信号を受信した場合に、上記応答制御信号の受信電力値と、上記応答制御信号が有している送信元ノードにおける受信電力値との比較に応じて、上記送信元ノードにおける当該ノードからの送信による干渉の有無を判定する干渉判定部を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の通信制御装置。
  6. 上記通信制御手段が、他ノードからの制御信号であるタイミング信号の受信タイミングを利用して、当該ノードのタイミング信号の送信タイミングを決定し、この送信タイミング及び他ノードからのタイミング信号の受信タイミングに基づいて、データ信号の送信タイムスロットを決定するタイミング計算部を有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の通信制御装置。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の通信制御装置を有することを特徴とするノード。
  8. 請求項に記載のノードを複数有して構成されることを特徴とする通信システム。
  9. 各ノードが制御信号を発生し、また、自ノード以外のノードが発生する制御信号を検出することによって、近傍ノードと相互に作用し合うことで、自律分散的に通信タイミングの調整を行なう通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに設けられている通信制御装置の通信制御方法において、
    受信電力判定手段が、他ノードから受信した制御信号の受信電力値を求める受信電力判定工程と、
    制御信号判定手段が、上記受信電力判定手段により求められた上記制御信号の受信電力値に基づいて干渉の起こらない干渉距離を求め、上記制御信号の送信元ノードとの間の距離と上記干渉距離とに基づいて通信タイミングの調整を行なうか否かを判定する制御信号判定工程と、
    通信制御手段が、上記制御信号判定手段の判定結果より通信タイミング調整を行なうとする他ノードからの制御信号の受信タイミングを用いて当該自ノードの通信タイミングを行ない、上記他ノードとの間の通信を制御する通信制御工程と
    を備え
    上記制御信号判定手段が、
    上記制御信号の受信電力値より所定規則に従って送信元ノードとの間の距離を求め、その求めた上記送信元ノードとの距離と、所定規則により通信タイミングの調整を行う距離の範囲内で求めた上記干渉距離との比較に基づいて、当該送信元ノードが通信タイミングの調整を行なうべきノードであるか否かを分別するノード分別工程と、
    上記ノード分別工程での分別結果を参照し、今回受信した上記制御信号の送信元ノードが通信タイミングの調整を行なうべき上記他ノードか否かを識別する制御信号識別工程と
    を有する
    ことを特徴とする通信制御方法。
  10. 各ノードが制御信号を発生し、また、自ノード以外のノードが発生する制御信号を検出することによって、近傍ノードと相互に作用し合うことで、自律分散的に通信タイミングの調整を行なう通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに設けられている通信制御装置の通信制御方法において、
    受信電力判定手段が、他ノードから受信した制御信号の受信電力値を求める受信電力判定工程と、
    制御信号判定手段が、上記受信電力判定手段により求められた上記制御信号の受信電力値に基づいて干渉の起こらない干渉距離を求め、上記制御信号の送信元ノードとの間の距離と上記干渉距離とに基づいて通信タイミングの調整を行なうか否かを判定する制御信号判定工程と、
    通信制御手段が、上記制御信号判定手段の判定結果より通信タイミング調整を行なうとする他ノードからの制御信号の受信タイミングを用いて当該自ノードの通信タイミングを行ない、上記他ノードとの間の通信を制御する通信制御工程と
    を備え、
    上記制御信号が、他ノードとの間で2段階で授受される基準制御信号と応答制御信号とからなるものであり、
    上記制御信号判定手段が、上記基準制御信号を受信した場合に、上記基準制御信号の干渉の起こらない受信電力値を有する上記応答制御信号を生成し、送信させる応答制御信号生成工程を有することを特徴とする通信制御方法。
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