JP2006028322A - シロキサン系コーティング膜および、そのコーティング膜形成用塗料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】、シリカ系微粒子を膜全量に対して、30重量%以上含有する、膜厚0.001〜0.5μmで基材上に形成されたシロキサン系コーティング膜であって、該コーティング膜面1(μm)2当りに存在する非コーティング領域の割合が、5%以下であることを特徴とするシロキサン系コーティング膜および、そのコーティング膜形成用塗料。
【選択図】 なし
Description
測定領域:1μm角
プローブのカンチレバー長:125μm
共振周波数:260〜410kHz
低屈折率と、硬度及び耐汚染性を満足するためには、上記非コーティング領域の割合は、膜面1(μm)2当り、5%以下が好ましく、特に好ましくは3%以下である。これを満足するためには、例えば、シロキサン系コーティング膜は、以下に示す、(a)〜(f)を含有する塗料を100℃〜180℃の熱処理により硬化させることによって得ることが出来るが、該非コーティング領域の割合が、5%以下であれば、この塗料に限定されるものではない。
(b)一般式(1)および、一般式(2)〜(4)から選ばれる1種以上のシラン化合物を、酸触媒により、一旦加水分解した後、縮合させることによって得られたフッ素含有シロキサンポリマー
(c)平均粒子径1nm〜200nmのシリカ系微粒子
(d)アルミニウム系及び/または、マグネシウム系硬化剤
(e)大気圧下沸点100〜180℃の溶剤
(f)大気圧下沸点100℃未満の溶剤
R1Si(OR´)3 (1)
(ただし、R1はフッ素が3から17のフルオロアルキル基を表わす。R´はメチル基、エチル基を表わし、それぞれ、同一でも、異なっていても良い。)
R2Si(OR´)3 (2)
(ただし、R2は水素、アルキル基、アリール基、アルケニル基、およびそれらの置換体を表わす。R´はメチル基、エチル基を表わし、それぞれ、同一でも、異なっていても良い。)
R3R4Si(OR´)2 (3)
(ただし、R3、R4は水素、アルキル基、フルオロアルキル基、アリール基、アルケニル基、およびそれらの置換体を表わし、それぞれ、同一でも、異なっていても良い。R´はメチル基、エチル基を表わし、それぞれ、同一でも、異なっていても良い。)
Si(OR´)4 (4)
(ただし、R´はメチル基、エチル基を表わし、それぞれ、同一でも、異なっていても良い。)
本発明で用いられる(a)成分のシラノール化合物は、上記一般式(1)〜(4)で表されるシラン化合物を溶剤中、酸触媒により、公知の加水分解反応を利用して得ることができる。また、本発明で用いられる(b)成分のフッ素含有シロキサンポリマーは、(a)成分形成と同様の方法にて、一旦シラノール化合物を形成し、公知の縮合反応を利用することによって得ることができる。(a)成分と(b)成分を形成するのに用いられるシラン化合物は、同一でも、異なっていても良い。
粒子径12nmのイソプロパノールを分散剤としたIPA−ST、粒子径12nmのメチルイソブチルケトンを分散剤としたMIBK−ST、粒子径45nmのイソプロパノールを分散剤としたIPA−ST−L、粒子径100nmのイソプロパノールを分散剤としたIPA−ST−ZL(以上、商品名、日産化学工業(株)製)、粒子径12nmのγ−ブチルラクトンを分散剤としたオスカル101、粒子径60nmのγ−ブチルラクトンを分散剤としたオスカル105、粒子径120nmのジアセトンアルコールを分散剤としたオスカル106(以上、商品名、触媒化成工業(株)製)が挙げられる。
キレート化剤の例としては、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタンなどのβ−ジケトン;アセト酢酸エチル、ベンゾイル酢酸エチルなどのβ−ケト酸エステルなどを用いることができる。
本発明のシロキサン系コーティング膜形成用塗料に使用される全溶剤の含有量は、(a)成分と(b)成分の全シラン化合物に対して、1300重量%〜9900重量%の範囲で添加することが好ましく、特に好ましくは、1500重量%〜6000重量%の範囲である。1300重量%を下回る及び、9900重量%を越えると、所定の膜厚の透明被膜を形成することが困難となる。
(シロキサン系コーティング膜形成用基材の作製)
厚さ100μmの東レ(株)社製PETフイルム、“ルミラー”100U42の両面をコロナ処理し、ハードコート層を設置する面に屈折率1.55、ガラス転移温度37℃のスチレン−ブタジエンコポリマーからなるラテックス(LX407C5、日本ゼオン(株)製)と酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物(FS−10D、石原産業(株)製)を重量で5:5の割合で混合し、乾燥後の膜厚が200nmとなるよう塗布し、帯電防止層付き下塗り層を形成した後、下記ハードコート層用塗布液を40μmの厚みになるように、エクストルージョン方式で塗布、120℃で3分間乾燥し、紫外線を照射(700mJ/cm2)してハードコート層を有する帯電防止層付きフイルムを作製した。さらに、ハードコート層形成面に、下記高屈折率層塗布液を100nmの厚みになるように、バーコーターを用いて塗布し、120℃で3分間乾燥し、紫外線を照射(1000mJ/cm2)して、シロキサン系コーティング膜形成用の基材である、ハードコート層/高屈折層を有する帯電防止層付きフイルムを作製した。
(ハードコート層塗布液の調製)
メチルエチルケトン(MEK)中にグリシジルメタクリレートを溶解させ、熱重合開始剤を滴下しながら80℃で2時間反応させ、得られた反応溶液をヘキサンに滴下し、沈殿物を減圧乾燥して得たポリグリシジルメタクリレート(ポリスチレン換算分子量は12,000)をメチルエチルケトンに50質量%濃度になるように溶解した溶液100質量部に、トリメチロールプロパントリアクリレート(ビスコート#295、大阪有機化学工業(株)製)150質量部と光ラジカル重合開始剤(イルガキュア184、チバガイギー社製)6重量部と光カチオン重合開始剤(ロードシル2074、ローディア社製)6質量部を30質量部のメチルイソブチルケトンに溶解したものを撹拌しながら混合し、ハードコート層塗布液を作製した。
(高屈折率層(屈折率=1.65)塗布液の調製)
二酸化チタン微粒子(TTO−55B、石原産業(株)製)10.0質量部、カルボン酸基含有モノマー(アロニクスM−5300、東亞合成(株)製)4.5質量部及びシクロヘキサノン65.5質量部を、サンドグラインダーミルにより分散し、質量平均径55nmの二酸化チタン分散液を調製した。前記二酸化チタン分散物にジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬(株)製)と、光ラジカル重合開始剤(イルガキュア184、チバガイギー社製、モノマーの合計量(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アニオン性モノマー及びカチオン性モノマーの合計量に対し5%)とを混合し、高屈折率層塗布液を作製した。
(シロキサン系コーティング膜の作製)
シリコンウエハーおよび、基材上の高屈折層が形成された面に膜厚が0.1μmとなるように、シロキサン系コーティング膜形成用塗料を、バーコーターを用いて塗布し、ついでイナートオーブンINH−21CD(光洋サーモシステム(株)社製)を用いて、130℃で5分間、加熱硬化することにより、シロキサン系コーティング膜を得た。
(非コーティング領域の割合の算出)
基材上に形成されたシロキサン系コーティング膜表面1(μm)2当りに存在する非コーティング領域の割合をAFM(デジタルインスツルメント社製:Dimension3000)によって評価した。非コーティング領域の割合が5%以下であれば良好である。測定条件を以下に示す。
測定領域:1μm角
プローブのカンチレバー長:125μm
共振周波数:260〜410kHz
(屈折率の測定)
シリコンウエハー上に形成されたシロキサン系コーティング膜について、位相差測定装置(ニコン(株)製:NPDM−1000)で633nmの屈折率を測定した。なお、屈折率が1.38以下であれば良好である。
(硬度の評価)
基材上に形成されたシロキサン系コーティング膜上に、標準試験針((株)ロックウエル製:硬度HRC−60、φ0.5mm)をセットし、1±0.3kgの加重をかけ、30〜40mmのストロークで掃引した。掃引したのち、1000ルックス照明下、被膜表面から45cm離れて表面の観察を行い、スクラッチ強度を評価し、これを膜の硬度とした。判断基準は、引っ掻き傷が全くない場合を4、蛍光灯下で反射色が変化(紫から赤色)した場合を3、蛍光灯下で反射が無く傷が観察された場合を2、下地基材が見えた場合を1とし、3と4であれば良好である。
(耐汚染性の評価)
水道水5mlを基材上に形成されたシロキサン系コーティング膜上にしたたらせ、室温雰囲気下で48時間放置後、布で拭いた時の水垢の残存状態を観察した。水垢が除去できた時を良好とし、除去できなかった時を不良とした。
(実施例1)
(a)成分
メチルトリメトキシシラン95.2g(0.7mol)、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン65.4g(0.3mol)をプロピレングリコールモノメチルエーテル32.2gに溶解し、これに、水60g、リン酸2gを撹拌しながら、反応温度が30℃を越えないように滴下した。滴下後、得られた溶液をバス温40℃で2時間加熱し、内温を40℃まで上げた後、室温まで冷却し、イソプロピルアルコール250gを用いて、固形分濃度20%に調製した。
メチルトリメトキシシラン95.2g(0.7mol)、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン65.4g(0.3mol)をプロピレングリコールモノメチルエーテル241.2gに溶解し、これに、水60g、リン酸2gを撹拌しながら、反応温度が30℃を越えないように滴下した。滴下後、得られた溶液をバス温40℃で2時間加熱、その後、溶液をバス温105℃で2時間加熱し、内温を90℃まで上げて、主として副生するメタノールからなる成分90gを留出せしめた。次いでバス温130℃で1.0時間加熱し、内温を118℃まで上げて、主として水からなる成分を留出せしめた後、室温まで冷却し、イソプロピルアルコール140gを用いて、固形分濃度20%に調製した
アルミニウム系硬化剤として、アルミニウムトリス(アセチルアセテート)(商品名:アルミキレートA(W)、川研ファインケミカル(株)社製)0.4gをメタノール7.6gに溶解し、これに、(a)成分100gと、(b)成分0.1g、イソプロピルアルコールに分散された粒子径12nmの内部に空洞を有しないシリカ系微粒子のゾル(商品名:IPA−ST、日産化学工業(株)製、固形分30%)44.5gを混合して、室温にて2時間撹拌し、均一な溶液とし、さらにイソプロピルアルコール 972.2gを用いて、固形分濃度を3%に調製して、シロキサン系コーティング膜形成用塗料の塗料Aを得た。得られた塗料Aを用いて前記のように、基材及び、シリコンウエハー上にシロキサン系コーティング膜を作製し、非コーティング領域の割合、硬度、耐汚染性、屈折率について評価を行った。
(実施例2)
(a)成分
メチルトリメトキシシラン81.6g(0.6mol)、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン65.4g(0.3mol)、ジメチルジメトキシシラン12g(0.1mol)をジアセトンアルコール29.4gに溶解し、これに、水60g、リン酸2gを撹拌しながら、反応温度が30℃を越えないように滴下した。滴下後、得られた溶液をバス温40℃で2時間加熱し、内温を40℃まで上げた後、室温まで冷却し、イソプロピルアルコール257.7gを用いて、固形分濃度20%に調製した。
メチルトリメトキシシラン95.2g(0.7mol)、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン65.4g(0.3mol)をジアセトンアルコール241.2gに溶解し、これに、水60g、シュウ酸2gを撹拌しながら、反応温度が30℃を越えないように滴下した。滴下後、得られた溶液をバス温40℃で2時間加熱、その後、溶液をバス温105℃で2時間加熱し、内温を90℃まで上げて、主として副生するメタノールからなる成分90gを留出せしめた。次いでバス温130℃で1.0時間加熱し、内温を118℃まで上げて、主として水からなる成分を留出せしめた後、室温まで冷却し、イソプロピルアルコール136gを用いて、固形分濃度20%に調製した。
アルミニウム系硬化剤として、マグネシウムビス(エチルアセトアセテート)0.4gをメタノール7.4gに溶解し、これに、(a)成分100gと、(b)成分0.2g、イソプロピルアルコールに分散された粒子径100nmの内部に空洞を有しないシリカ系微粒子のゾル(商品名:IPA−ST−ZL、日産化学工業(株)製、固形分30%)54.6gを混合して、室温にて2時間撹拌し、均一な溶液とし、さらにイソプロピルアルコール1064.5gを用いて、固形分濃度を3%に調製して、シロキサン系コーティング膜形成用塗料の塗料Bを得た。得られた塗料Bを用いて前記のように、基材及び、シリコンウエハー上にシロキサン系コーティング膜を作製し、非コーティング領域の割合、硬度、耐汚染性、屈折率について評価を行った。
(実施例3)
(a)成分
エチルトリメトキシシラン75.1g(0.5mol)、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン284.1g(0.5mol)をプロピレングリコールモノエチルエーテル71.8gに溶解し、これに、水60g、リン酸3gを撹拌しながら、反応温度が30℃を越えないように滴下した。滴下後、得られた溶液をバス温40℃で2時間加熱し、内温を40℃まで上げた後、室温まで冷却し、イソプロピルアルコール1007.8gを用いて、固形分濃度20%に調製した
(b)成分
エチルトリメトキシシラン90.1g(0.6mol)、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン170.4g(0.3mol)、テトラメトキシシラン15.2g(0.1mol)をプロピレングリコールモノエチルエーテル390.1gに溶解し、これに、水60g、リン酸2gを撹拌しながら、反応温度が30℃を越えないように滴下した。滴下後、得られた溶液をバス温40℃で2時間加熱、その後、溶液をバス温105℃で2時間加熱し、内温を90℃まで上げて、主として副生するメタノールからなる成分100gを留出せしめた。次いでバス温130℃で1.0時間加熱し、内温を118℃まで上げて、主として水からなる成分を留出せしめた後、室温まで冷却し、イソプロピルアルコール437.1gを用いて、固形分濃度20%に調製した。
(実施例4)
(a)成分
ビニルトリメトキシシラン74.2g(0.5mol)、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン109.1g(0.5mol)をプロピレングリコールモノメチルエーテル36.6gに溶解し、これに、水60g、リン酸2gを撹拌しながら、反応温度が30℃を越えないように滴下した。滴下後、得られた溶液をバス温40℃で2時間加熱し、内温を40℃まで上げた後、室温まで冷却し、イソプロピルアルコール334.2gを用いて、固形分濃度20%に調製した。
メチルトリメトキシシラン95.2g(0.7mol)、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン65.4g(0.3mol)をプロピレングリコールモノメチルエーテル241.2gに溶解し、これに、水60g、酢酸1gを撹拌しながら、反応温度が30℃を越えないように滴下した。滴下後、得られた溶液をバス温40℃で2時間加熱、その後、溶液をバス温105℃で2時間加熱し、内温を90℃まで上げて、主として副生するメタノールからなる成分96gを留出せしめた。次いでバス温130℃で1.0時間加熱し、内温を118℃まで上げて、主として水からなる成分を留出せしめた後、室温まで冷却し、イソプロピルアルコール131gを用いて、固形分濃度20%に調製した。
(実施例5)
(a)成分
メチルトリメトキシシラン81.7g(0.6mol)、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン65.4g(0.3mol)、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン56.8g(0.1mol)をプロピレングリコールモノプロピルエーテル29.4gに溶解し、これに、水60g、リン酸2gを撹拌しながら、反応温度が30℃を越えないように滴下した。滴下後、得られた溶液をバス温40℃で2時間加熱し、内温を40℃まで上げた後、室温まで冷却し、イソプロピルアルコール427.8gを用いて、固形分濃度20%に調製した
(b)成分
メチルトリメトキシシラン81.8g(0.6mol)、フェニルトリメトキシシラン19.8g(0.1mol)、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン65.4g(0.3mol)をジアセトンアルコール220.8gに溶解し、これに、水60g、リン酸2gを撹拌しながら、反応温度が30℃を越えないように滴下した。滴下後、得られた溶液をバス温40℃で2時間加熱、その後、溶液をバス温105℃で2時間加熱し、内温を90℃まで上げて、主として副生するメタノールからなる成分93gを留出せしめた。次いでバス温130℃で1.0時間加熱し、内温を118℃まで上げて、主として水からなる成分を留出せしめた後、室温まで冷却し、イソプロピルアルコール181.2gを用いて、固形分濃度20%に調製した。
(実施例6)
(a)成分
メチルトリメトキシシラン81.8g(0.6mol)、フェニルトリメトキシシラン19.8g(0.1mol)、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン65.4g(0.3mol)をジアセトンアルコール29.4gに溶解し、これに、水60g、リン酸2gを撹拌しながら、反応温度が30℃を越えないように滴下した。滴下後、得られた溶液をバス温40℃で2時間加熱し、内温を40℃まで上げた後、室温まで冷却し、イソプロピルアルコール279.8gを用いて、固形分濃度20%に調製した
(b)成分
メチルトリメトキシシラン68.1g(0.5mol)、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン65.4g(0.3mol)、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン56.8g(0.1mol)、ジメチルジメトキシシラン12.0g(0.1mol)をジアセトンアルコール303.6gに溶解し、これに、水60g、リン酸2gを撹拌しながら、反応温度が30℃を越えないように滴下した。滴下後、得られた溶液をバス温40℃で2時間加熱、その後、溶液をバス温105℃で2時間加熱し、内温を90℃まで上げて、主として副生するメタノールからなる成分93gを留出せしめた。次いでバス温130℃で1.0時間加熱し、内温を118℃まで上げて、主として水からなる成分を留出せしめた後、室温まで冷却し、イソプロピルアルコール249.1gを用いて、固形分濃度20%に調製した。
(比較例1)
(b)成分のトリフルオロプロピルトリメトキシシラン65.4gをフェニルトリメトキシシラン59.5gに変更した他は、実施例1と同様にして、塗料A1を得た。得られた塗料A1を用いて前記のように、基材及び、シリコンウエハー上にシロキサン系コーティング膜を作製し、非コーティング領域の割合、硬度、耐汚染性、屈折率について評価を行った。
(比較例2)
(b)成分を混合しなかった他は、実施例2と同様にして、塗料B1を得た。得られた塗料B1を用いて前記のように、基材及び、シリコンウエハー上にシロキサン系コーティング膜を作製し、非コーティング領域の割合、硬度、耐汚染性、屈折率について評価を行った。
(比較例3)
(b)成分の添加量を1.05gから2.2gに変更した他は、実施例3と同様にして、塗料C1を得た。得られた塗料C1を用いて前記のように、基材及び、シリコンウエハー上にシロキサン系コーティング膜を作製し、非コーティング領域の割合、硬度、耐汚染性、屈折率について評価を行った。
(比較例4)
(a)成分のトリフルオロプロピルトリメトキシシラン109.1gをフェニルトリメトキシシラン99.2gに変更した他は、実施例4と同様にして、塗料D1を得た。得られた塗料D1を用いて前記のように、基材及び、シリコンウエハー上にシロキサン系コーティング膜を作製し、非コーティング領域の割合、硬度、耐汚染性、屈折率について評価を行った。
(比較例5)
(a)成分と(b)成分の合成溶剤を、t−ブタノールに変更した他は、実施例1と同様にして、塗料E1を得た。得られた塗料E1を用いて前記のように、基材及び、シリコンウエハー上にシロキサン系コーティング膜を作製し、非コーティング領域の割合、硬度、耐汚染性、屈折率について評価を行った。
(比較例6)
アルミニウム系硬化剤のアルミニウムトリス(アセチルアセテート)をチタン系系硬化剤のチタニウムテトラ(アセチルアセテート)に変更した他は、実施例1と同様にして、塗料F1を得た。得られた塗料F1を用いて前記のように、基材及び、シリコンウエハー上にシロキサン系コーティング膜を作製し、非コーティング領域の割合、硬度、耐汚染性、屈折率について評価を行った。
(比較例7)
イソプロピルアルコールに分散された粒子径20nmの内部に空洞を有するシリカ系微粒子のゾル(商品名:SOC−NPA−4MA、住友大阪セメント(株)社製、固形分8.5%)101.3gを78.8gに、イソプロピルアルコール 763.7gを722.4gに変更した他は、実施例3と同様にして、塗料G1を得た。得られた塗料G1を用いて前記のように、基材及び、シリコンウエハー上にシロキサン系コーティング膜
実施例1〜6、比較例1〜7の組成、評価結果を表1、2に示した。
Claims (4)
- シリカ系微粒子を膜全量に対して、30重量%〜80重量%含有する、膜厚0.001〜0.5μmで基材上に形成されたシロキサン系コーティング膜であって、該コーティング膜面1(μm)2当りに存在する非コーティング領域の割合が、5%以下であることを特徴とするシロキサン系コーティング膜
- 請求項1に記載のシロキサン系コーティング膜を形成するために用いるシロキサン系コーティング膜形成用塗料であって、(a)〜(f)を含有することを特徴とするシロキサン系コーティング膜形成用塗料。
(a)一般式(1)および、一般式(2)〜(4)から選ばれる1種以上のシラン化合物を、酸触媒により、加水分解し、縮合させずに得られたシラノール化合物
(b)一般式(1)および、一般式(2)〜(4)から選ばれる1種以上のシラン化合物を、酸触媒により、一旦加水分解した後、縮合させることによって得られたフッ素含有シロキサンポリマー
(c)平均粒子径1nm〜200nmのシリカ系微粒子
(d)アルミニウム系および/または、マグネシウム系硬化剤
(e)大気圧下沸点100〜180℃の溶剤
(f)大気圧下沸点100℃未満の溶剤
R1Si(OR´)3 (1)
(ただし、R1はフッ素が3から17のフルオロアルキル基を表わす。R´はメチル基、エチル基を表わし、それぞれ、同一でも、異なっていても良い。)
R2Si(OR´)3 (2)
(ただし、R2は、水素、アルキル基、アリール基、アルケニル基、およびそれらの置換体を表す。R´はメチル基、エチル基を表わし、それぞれ、同一でも、異なっていても良い。)
R3R4Si(OR´)2 (3)
(ただし、R3、R4は水素、アルキル基、フルオロアルキル基、アリール基、アルケニル基、およびそれらの置換体を表わし、それぞれ、同一でも、異なっていても良い。R´はメチル基、エチル基を表わし、それぞれ、同一でも、異なっていても良い。)
Si(OR´)4 (4)
(ただし、R´はメチル基、エチル基を表わし、それぞれ、同一でも、異なっていても良い。) - 上記(a)成分と(b)成分の合計量に対して、(b)成分が0.1重量%〜5重量%であることを特徴とする請求項2に記載のシロキサン系コーティング膜形成用塗料。
- 請求項1に記載のシロキサン系コーティング膜を、反射防止材料の低屈折率膜として利用することを特徴とする低屈折率膜
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