JP2008001755A - 活性エネルギー線硬化性組成物及び積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】低屈折率で、透明性に優れ、高硬度な硬化被膜を生産性よく短時間で成形できる活性エネルギー線硬化性組成物を提供する。低屈折率で、透明性に優れ、高硬度な硬化被膜を有し、低反射性の光学部品素材として好適な積層体を提供する。
【解決手段】シロキサン化合物(A)、屈折率が1.40以下でありかつ個数平均粒子径が100nm以下である無機微粒子(B)、活性エネルギー線感応性酸発生剤(C)を含有し、好ましくは屈折率1.42以下の硬化被膜を与える。さらに好ましくは、シロキサン化合物(A)が、特定のアルキルシリケート類と、特定のアルコキシシラン類との加水分解・縮合物である。
【選択図】なし
【解決手段】シロキサン化合物(A)、屈折率が1.40以下でありかつ個数平均粒子径が100nm以下である無機微粒子(B)、活性エネルギー線感応性酸発生剤(C)を含有し、好ましくは屈折率1.42以下の硬化被膜を与える。さらに好ましくは、シロキサン化合物(A)が、特定のアルキルシリケート類と、特定のアルコキシシラン類との加水分解・縮合物である。
【選択図】なし
Description
本発明は、低屈折率で透明性に優れ、高硬度な硬化被膜を短時間に形成可能な活性エネルギー線硬化性組成物やこれを用いて得られる硬化被膜を有する積層体に関する。
近年、眼鏡レンズ、機器レンズ等の各種光学レンズや、液晶ディスプレイ、プロジェクションディスプレイ等の各種ディスプレイの前面板に、軽量で耐衝撃性に優れる等の利点から各種透明合成樹脂成形品が使用されている。
これらの光学部品には透明性等、高度な光学特性が要求され、表面における低反射性が強く要請される場合がある。これに対して、光学部品の表面に、低屈折率の透明被膜をコーティングすることにより、表面における反射光を低減させ透過率の上昇を図っている。
更に、より高い透過率が求められる場合は、光学部品表面に高屈折率材料からなる高屈折率層と、低屈折率材料からなる低屈折率層とを、特定の厚みにて数層積層して設けることにより、高い低反射性を付与することが行われている。
かかる高屈折率材料からなる高屈折率層としては、TiO2、ZrO2等の無機物を真空蒸着して得られる被膜、高屈折率構造を有する多官能(メタ)アクリレート組成物を重合して得られる被膜、Ti系やZn系などの金属アルコキシドを加水分解・縮合して得られる被膜、高屈折率微粒子を含むTi系、Si系アルコキシドを加水分解・縮合して得られる被膜等が知られている。
一方、低屈折率材料からなる低屈折率層としては、MgF2、SiO2等低屈折率の無機物を真空蒸着して得られる被膜、フッ素系非晶質ポリマーを溶剤キャスト法にて得られる被膜(特許文献1)、多孔質シリカ、フッ化マグネシウム等の低屈折率無機微粒子を含有するSi系アルコキシドを加水分解・縮合し、硬化して得られる被膜(特許文献2、3)などが知られている。
しかし、上述の真空蒸着による方法においては、成膜装置が高価、大面積化が困難、製膜速度が遅く生産性が低いなどの問題がある。また、フッ素系非晶質ポリマーを溶剤キャスト法により成形する被膜は、原料が高価であり、また他の材料との密着性が低く、かつ得られた被膜の硬度が低く耐擦傷性が低い問題がある。また、低屈折率微粒子を含有するSi系アルコキシドを加水分解・縮合して得られる組成物を硬化して得られる被膜は低屈折率被膜が得られるものの、その硬化には高温での加熱や長時間の加熱が必要という生産上の問題がある。
この生産上の問題を改善するために、光カチオン重合可能な化合物と低屈折率微粒子との組み合わせにより低屈折率被膜を光照射により短時間に形成する試みがなされている(特許文献4)。しかしながら、これらの被膜はバインダー成分として、光カチオン重合可能な、例えば、オキセタン基、エポキシ基等の有機基を含有するシロキサン化合物を使用し、それら有機基の重合により硬化被膜を形成するため、屈折率が高い傾向にあるという問題がある。
特開平6−115023号公報
特開平7−48527号公報
特開平7−69621号公報
特開2004−284221号公報
本発明の課題は、低屈折率で、透明性に優れ、高硬度な硬化被膜を生産性よく短時間で成形できる活性エネルギー線硬化性組成物を提供し、低屈折率で、透明性に優れ、高硬度な硬化被膜を有し、低反射性の光学部品素材として好適な積層体を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく低屈折率を示すシロキサン被膜に着目して研究を行った。その結果、基材に塗布した塗膜に、活性エネルギー線を照射して短時間で形成することができ、比較的低屈折率で耐擦傷性、耐クラック性に優れた透明な硬化被膜を得ることができる、シロキサン化合物と活性エネルギー線感応性酸発生剤を含む組成物を既に開発している(例えば特願2005−201924)。しかし、これら硬化被膜は、多官能アクリレートモノマーを原料とする有機系被膜と比較すると屈折率は低いものの、その屈折率は、反射防止膜用等の光学部品材料としての低反射率を満たすのに充分低いといえる程度ではない。そこで、さらに硬化被膜の低屈折率化について鋭意研究を重ねた結果、屈折率が1.40以下でありかつ個数平均粒子径が100nm以下である無機微粒子を組成物に配合したところ、無機微粒子は良好に被膜中に分散し、低屈折率で、透明性に優れ、高硬度な硬化被膜を短時間に得られることの知見を得た。これらの知見に基づき本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、シロキサン化合物(A)、屈折率が1.40以下でありかつ個数平均粒子径が100nm以下である無機微粒子(B)及び活性エネルギー線感応性酸発生剤(C)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
また、本発明は、基材上に上記活性エネルギー線硬化性組成物の硬化被膜を有する積層体に関する。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、低屈折率で、透明性に優れ、高硬度な硬化被膜を生産性よく短時間で成形できる。
本発明の積層体は、低屈折率で、透明性に優れ、高硬度な硬化被膜を有し、生産性よく短時間で製造することができ、低反射性の光学部品素材として好適である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、シロキサン化合物(A)、屈折率が1.40以下でありかつ個数平均粒子径が100nm以下である無機微粒子(B)及び活性エネルギー線感応性酸発生剤(C)を含有するものであれば、特に制限されるものではない。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物に用いるシロキサン化合物(A)は、分子内にシロキサン結合(−Si−O−Si−)と、反応基(縮合性基)としてシラノール基(−Si−OH)またはアルコキシシリル基(−Si−OR)を有する化合物であり、実質的に分子内に、例えば、エポキシ基、オキセタン基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基等の重合性の有機基を含有しない化合物である。さらに、後述する無機微粒子(B)、活性エネルギー線感応性酸発生剤(C)と均一に混合し、基材に成膜後、活性エネルギー線を照射することにより透明で、低屈折率の硬化被膜を与えるものである。
上記シロキサン化合物(A)としては、アルコキシシラン類の加水分解・縮合物を使用することができる。かかるアルコキシシラン類としては、具体的に、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシランなどのケイ素化合物や、メチルシリケート、エチルシリケート、プロピルシリケート等のアルキルシリケート類などを挙げることができる。これらの化合物は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記シロキサン化合物(A)としては、特に、一般式(1)
で示されるアルキルシリケート類と、一般式(2)
で示されるアルコキシシラン類との加水分解・縮合物であることが、低屈折率であって、硬化性に優れ、高硬度の硬化被膜が得られることから好ましい。
一般式(1)中、R1、R2、R3、R4は独立して炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、nは3〜20のいずれかの整数を示す。一般式(1)示されるアルキルシリケート類のうち、R1〜R4の総てがメチル基を示すメチルシリケート類、R1〜R4の総てがエチル基を示すエチルシリケート類が加水分解・縮合反応の速度が速い点で好ましい。
また、一般式(2)中、R5は炭素数1〜10の有機基を示し、R6は炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数1〜4のアシル基を示し、aは1〜3のいずれかの整数を示す。一般式(2)中のR5は得られる硬化被膜の硬度、基材との密着性の点で、メチル基、エチル基、フェニル基であることが好ましい。特に低屈折率の硬化被膜が必要な場合は、炭化水素基の水素原子の一部または全部がフッ素原子と置換したフッ素化アルキル基であることが好ましい。また、一般式(2)中のR6は、加水分解・縮合の速度が速い点で、メチル基、エチル基であることが好ましい。
このようなアルコキシシラン類としては、具体的に、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記一般式(1)で示されるアルキルシリケート類と一般式(2)で示されるアルコキシシラン類との加水分解・縮合物はこれらの化合物の任意の割合によるものであってよいが、アルキルシリケート類100質量部に対して、アルコキシシラン類50〜1,000質量部であることが好ましい。アルキルシリケート類100質量部に対して、アルコキシシラン類が50質量部以上の加水分解・縮合物は、ゲル化が抑制される。また、アルコキシシラン類が1,000質量部以下の加水分解・縮合物は、硬化性が高く、硬化被膜の硬度を向上させることができる。より好ましくは、アルキルシリケート類100質量部に対して、アルコキシシラン類100〜300質量部である。
上記一般式(1)で示されるアルキルシリケート類と一般式(2)で示されるアルコキシシラン類との加水分解・縮合は、既知の方法を用いて行うことができる。
加水分解は、例えば、アルキルシリケート類とアルコキシシラン類とを任意の割合で混合し、その溶液100質量部に対して、水10〜1,000質量部、アルコール類0〜1,000質量部を加え、攪拌する方法を挙げることができる。攪拌は、0〜100℃に温度制御して行ってもよい。また、塩酸や酢酸などの酸を加えて溶液を酸性(pH2〜5)にして行ってもよい。加水分解に際して発生するアルコールは、反応系外に留去してもよい。
上記加水分解に続く縮合は、例えば、1〜4時間、放置あるいは攪拌することにより進行させることができる。その際、pHを、例えばpH6〜7に制御することにより、縮合の進行を速めることができる。縮合に際して発生する水は、反応系外に留去してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物に含有される無機微粒子(B)は、D線(589nm)、20℃における屈折率が1.40以下かつ個数平均粒子径が100nm以下であり、上記シロキサン化合物(A)に配合し硬化被膜としたとき透明な硬化被膜を与えるものである。無機微粒子(B)は、シロキサン化合物(A)との相溶性が高く、均質、透明で高硬度の硬化被膜を得ることができる。
上記無機微粒子(B)は、D線(589nm)の20℃における屈折率が1.40以下であれば、硬化被膜において、D線の20℃における屈折率として1.42以下とすることが容易となる。
ここで、屈折率は、例えば、アッベ屈折率計(光源D線、測定温度20℃)を用いた測定による値を採用することができる。
また、上記無機粒子(B)は、個数平均粒子径が100nm以下である。上記無機粒子(B)が、100nm以下の個数平均粒子径を有することにより、シロキサン化合物(A)との相溶性が優れたものとなり、均一に溶解させることができる。無機粒子(B)の個数平均粒子径は5nm以上であることが好ましい。5nm以上であれば、硬化被膜の硬度向上が期待できる。
ここで、個数平均粒子径は、例えば電子顕微鏡観察による粒子径測定による値を採用することができる。
上記無機微粒子(B)としては、具体的には、例えば、フッ化マグネシウムMgF2微粒子(MFS−10P:日産化学工業株式会社製)(IPA分散、個数平均粒子径10〜15nm、固形分約10質量%、粒子屈折率1.30〜1.40)、多孔質又は中空コロイダルシリカ(ナノポーラスシリカ:住友大阪セメント株式会社製)(個数平均粒子径約30nm、粒子屈折率1.28〜1.30)などを挙げることができる。
無機微粒子(B)の組成物中の含有量としては、例えば、シロキサン化合物(A)の固形分100質量部に対して、無機微粒子(B)が10〜400質量部であることが好ましい。無機微粒子(B)の含有量が10質量部以上であれば、得られる硬化被膜に低屈折率を付与することができる、また、400質量部以下であれば、均質で透明な硬化被膜を得ることができる。ここで、シロキサン化合物(A)の固形分とは、シロキサン化合物(A)を完全に加水分解・縮合して得られる化合物の質量をいう。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物に含有される活性エネルギー線感応性酸発生剤(C)は、可視光線、紫外線、熱線、電子線などの活性エネルギー線照射により酸を発生し、この酸によりシロキサン化合物(A)の硬化を促進させることができる化合物である。可視光線、紫外線により酸を発生する光感応性酸発生剤、熱線により酸を発生する熱感応性酸発生剤が好ましい。中でも、活性が高く、プラスチック材料に熱劣化を与えないなどの点から、光感応性酸発生剤が特に好ましい。
かかる光感応性酸発生剤としては、ジフェニルヨードニウム系化合物、トリフェニルスルホニウム系化合物、ジアゾジスルホン系化合物等を挙げることができる。具体的には、上市されているイルガキュア250(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)、アデカオプトマーSP−150、SP−170(以上、旭電化工業株式会社製)、サイラキュアUVI−6970、サイラキュアUVI−6974、サイラキュアUVI−6990、サイラキュアUVI−6950(以上、米国ユニオンカーバイド社製)、DAICATII(ダイセル化学工業株式会社製)、UVAC1591(ダイセル・ユーシービー株式会社製)、CI−2734、CI−2855、CI−2823、CI−2758(以上、日本曹達株式会社製)、サイラキュアUVI−6992(ダウケミカル日本株式会社製)などの市販品を使用することができる。
活性エネルギー線感応性酸発生剤(C)の組成物中の含有量は、シロキサン化合物(A)の固形分100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲が好ましい。活性エネルギー線感応性酸発生剤(C)の配合量が0.01質量部以上であれば、活性エネルギー線の照射によってシロキサン化合物を効率よく硬化することができ、良好な硬化被膜が得られ、また、10質量部以下であれば、着色が抑制され、表面硬度や耐擦傷性が良好な硬化被膜を得ることができる。さらに、硬化性、性能が良好な硬化被膜が得られることから、活性エネルギー線感応性酸発生剤(C)の含有量は0.05〜5質量部の範囲がより好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、固形分濃度を調整し、分散安定性、被膜形成性、基材への硬化被膜密着性向上の観点から、有機溶媒を含有することが好ましい。かかる有機溶媒としては、例えば、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、セロソルブ類、芳香族化合物類などを挙げることができる。具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ベンジルアルコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、グリセリンエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセテート、2−エチルブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトン、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−フェノキシエチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることができる。これらの有機溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
上記有機溶媒の含有量は、シロキサン化合物(A)、無機微粒子(B)及び活性エネルギー線感応性酸発生剤(C)の固形分合計100質量部に対して10〜1,000質量部の範囲が好ましい。有機溶媒の含有量が、10質量部以上であれば、組成物の保存安定性が良好となり、液状の組成物が高粘度になるのを抑制することができ、作業性がよく、良好な硬化被膜を得ることができる。また、有機溶媒の含有量が1000質量部以下であれば、外観良好な被膜を得ることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、上記シロキサン化合物(A)、無機微粒子(B)、および活性エネルギー線感応性酸発生剤(C)の他、これらの機能を阻害しない範囲で、さらに、酸によりカチオン重合可能なエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物や、分子内にラジカル重合性二重結合基を含有するビニル化合物と活性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤などを含有していてもよい。
かかるエポキシ化合物は分子内にエポキシ基を含有するものであり、その具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ジグリセリンテトラグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、2,6−ジグリシジルフェニルエーテル、ソルビトールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、ジグリシジルアミン、ジグリシジルベンジルアミン、フタル酸ジグリシジルエステル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ブタジエンジオキサイド、ジシクロペンタジエンジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンオールエポキシドグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とエチレンオキサイドとの付加物、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などを挙げることができる。
ビニルエーテル化合物としては、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,9−ノナンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリト−ルテトラビニルエーテル、などを挙げることができる。
上記分子内にラジカル重合性二重結合基を有するビニル化合物は、分子内に重合性二重結合基を1または2以上有するものであり、重合速度の速い点から、分子内にアクリロイル基またはメタクリロイル基を含有する単官能または多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましい。このような単官能(メタ)アクリレート化合物としては、具体的に、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フォスフォエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
上記多官能(メタ)アクリレート化合物としては、具体的に、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]−プロパン、ビス[4−(メタ)アクリロイルチオフェニル]スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル]−スルフィド、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニルプロパン]、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。上記ビニル化合物は1種または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
上記活性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤としては、具体的に、3,3−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1,2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等を挙げることができる。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、その他、必要に応じて、ポリマー、ポリマー微粒子、コロイド状シリカ、コロイド状金属、コロイド状金属酸化物、染料、顔料、顔料分散剤、流動調整剤、レベリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤などを含有してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を用いて硬化被膜を成形するには、上記組成物を用いて塗工膜を形成し、これに活性エネルギー線を照射して硬化すればよい。塗工膜を形成する方法としては、例えば、バーコート、ディップコート、スプレーコート、ロールコート、グラビアコート、フレキソコート、スクリーンコート、スピンコート、フローコート等の方法を挙げることができる。
上記塗工膜を硬化するために照射する活性エネルギー線としては、真空紫外線、紫外線、可視光線、近赤外線、赤外線、遠赤外線、マイクロ波、電子線、β線、γ線などを挙げることができる。中でも、紫外線、可視光線を、光感応性の酸発生剤と組み合わせて使用することが、縮合速度が速い点、基材の劣化が比較的少ない点から好ましい。上記活性エネルギー線として、具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、白熱電球、キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、エキシマーレーザー、太陽などを光源とする光線を挙げることができる。これらの活性エネルギー線は、一種類を単独で使用してもよく、複数種を、同時にまたは順次に使用してもよい。活性エネルギー線としては、その照射強度、照射時間を適宜選択することができる。
上記活性エネルギー線照射により成形される硬化被膜は、20℃でD線(589nm)における屈折率が1.42以下のものであることが好ましい。このような屈折率を有する硬化被膜は、低反射用途として有効である。硬化被膜の屈折率は1.30〜1.42(nD、20℃)の範囲がより好ましい。硬化被膜の屈折率が1.42以下であれば、良好な低反射効果を得ることができ、1.30以上であれば、硬化被膜の透明性と均一性、硬度の低下を抑えつつ低屈折率の硬化被膜を得ることができる。
本発明の積層体は、上記活性エネルギー線硬化性組成物を用いて基材上に塗工膜を形成し、これに活性エネルギー線を照射して硬化して得られる硬化被膜を有するものであれば、特に制限されるものではない。
本発明の積層体における被膜を形成する基材としては、いずれのものであってもよく、例えば、プラスチック、ガラス、金属、紙、木質材、無機質材、電着塗装板、ラミネート板などの各種基材を挙げることができる。これらの基材への活性エネルギー線硬化性組成物、これを用いて塗工膜を形成する方法、塗工膜を硬化するために使用する活性エネルギー線としては、具体的には上記と同様のものを挙げることができる。
本発明の積層体の硬化被膜の厚さとしては、例えば、0.05〜10μmを挙げることができる。また、本発明の積層体においては、これらの低屈折率の硬化被膜と、他の高屈折率被膜を交互に有していてもよい。
本発明の積層体は、いずれのものにも適用することができるが、眼鏡レンズ、機器レンズ等の各種光学レンズや、液晶ディスプレイ、プロジェクションディスプレイ等の各種ディスプレイの前面板などの光学部品に好適に用いることができる。
[シロキサン化合物の調製]
[合成例1]
アルコキシシラン類として(a1)シリカ換算濃度53質量%のメチルシリケート(メチルシリケート53A:コルコート株式会社製)(平均約7量体、平均分子量約789)10.0g、及び(a2)メチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、分子量136)17.2gを用い、このアルコキシシラン類とイソプロピルアルコール10.0gとを攪拌して均一な溶液とした。さらに、水10.5gを加え、攪拌しつつ80℃で5時間加熱し、加水分解・縮合を行った。その後25℃まで冷却し、24時間攪拌して縮合を進行させた。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテル5.0g、γ−ブチロラクトン5.0gを加え混合し均一溶液とした。さらに、イソプロピルアルコールで希釈してシロキサン化合物の固形分率20.0質量%溶液(A1)を得た。
[合成例1]
アルコキシシラン類として(a1)シリカ換算濃度53質量%のメチルシリケート(メチルシリケート53A:コルコート株式会社製)(平均約7量体、平均分子量約789)10.0g、及び(a2)メチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、分子量136)17.2gを用い、このアルコキシシラン類とイソプロピルアルコール10.0gとを攪拌して均一な溶液とした。さらに、水10.5gを加え、攪拌しつつ80℃で5時間加熱し、加水分解・縮合を行った。その後25℃まで冷却し、24時間攪拌して縮合を進行させた。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテル5.0g、γ−ブチロラクトン5.0gを加え混合し均一溶液とした。さらに、イソプロピルアルコールで希釈してシロキサン化合物の固形分率20.0質量%溶液(A1)を得た。
ここで言う固形分率は、シロキサン化合物を完全に加水分解・縮合して得られる化合物の、シロキサン化合物溶液に対する質量分率である。
[合成例2]
アルコキシシラン類として、合成例1における(a1)10.0g、(a2)11.0g、及び(a3)トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(KBM7103:信越化学工業株式会社製)(分子量218.2)10.0gを用い、このアルコキシシラン類とイソプロピルアルコール10.0gとを攪拌して均一な溶液とした。さらに、水10.5gを加え、攪拌しつつ80℃で5時間加熱し、加水分解・縮合を行った。その後25℃まで冷却し、24時間攪拌して縮合を進行させた。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテル10.0g、γ−ブチロラクトン10.0gを加え混合し均一溶液とした。さらに、イソプロピルアルコールで希釈して、シロキサン化合物の固形分率20.0質量%溶液(A2)を得た。
アルコキシシラン類として、合成例1における(a1)10.0g、(a2)11.0g、及び(a3)トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(KBM7103:信越化学工業株式会社製)(分子量218.2)10.0gを用い、このアルコキシシラン類とイソプロピルアルコール10.0gとを攪拌して均一な溶液とした。さらに、水10.5gを加え、攪拌しつつ80℃で5時間加熱し、加水分解・縮合を行った。その後25℃まで冷却し、24時間攪拌して縮合を進行させた。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテル10.0g、γ−ブチロラクトン10.0gを加え混合し均一溶液とした。さらに、イソプロピルアルコールで希釈して、シロキサン化合物の固形分率20.0質量%溶液(A2)を得た。
[実施例1]
[活性エネルギー線硬化性組成物の調製]
合成例1で得られたシロキサン化合物の溶液(A1)10.0g、無機微粒子(B)としてフッ化マグネシウム(MgF2)ゾル(MFS−10P:日産化学工業株式会社製)(個数平均粒子径12nm、イソプロピルアルコール分散、固形分10.7質量%)18.7g、活性エネルギー線感応性酸発生剤(C)としてチオビス(4,1−フェニレン)−S,S,S',S'−テトラフェニルジスルフォニウムビスヘキサフルオロフォスフェートとジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルフォニウムヘキサフルオロフォスフェートのプロピレンカーボネート溶液(サイラキュアUVI−6992:ダウケミカル日本株式会社製)0.08gを配合した(表1中、酸発生剤1と記載する)。さらにシリコーン系レベリング剤0.002g(L−7001:日本ユニカー株式会社製)を配合し、均一に攪拌して活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
[活性エネルギー線硬化性組成物の調製]
合成例1で得られたシロキサン化合物の溶液(A1)10.0g、無機微粒子(B)としてフッ化マグネシウム(MgF2)ゾル(MFS−10P:日産化学工業株式会社製)(個数平均粒子径12nm、イソプロピルアルコール分散、固形分10.7質量%)18.7g、活性エネルギー線感応性酸発生剤(C)としてチオビス(4,1−フェニレン)−S,S,S',S'−テトラフェニルジスルフォニウムビスヘキサフルオロフォスフェートとジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルフォニウムヘキサフルオロフォスフェートのプロピレンカーボネート溶液(サイラキュアUVI−6992:ダウケミカル日本株式会社製)0.08gを配合した(表1中、酸発生剤1と記載する)。さらにシリコーン系レベリング剤0.002g(L−7001:日本ユニカー株式会社製)を配合し、均一に攪拌して活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
[硬化被膜の形成]
得られた活性エネルギー線硬化性組成物を、長さ10cm、幅10cm、厚み3mmのアクリル板(アクリライト(登録商標)EX:三菱レイヨン株式会社製)上に適量滴下し、バーコート法(バーコーターNo.30使用)にて塗布し、室温で約15分自然乾燥後60℃で約15分乾燥し、塗膜を得た。さらに、紫外線照射装置の高圧水銀灯(ハンディーUV−1200、QRU−2161型:株式会社オーク製作所製)にて、塗膜に約1,000mJ/cm2の紫外線を照射し、硬化被膜を得た。紫外線照射量は、紫外線光量計(UV−351型:株式会社オーク製作所製)によりピーク感度波長360nmを測定した。
得られた活性エネルギー線硬化性組成物を、長さ10cm、幅10cm、厚み3mmのアクリル板(アクリライト(登録商標)EX:三菱レイヨン株式会社製)上に適量滴下し、バーコート法(バーコーターNo.30使用)にて塗布し、室温で約15分自然乾燥後60℃で約15分乾燥し、塗膜を得た。さらに、紫外線照射装置の高圧水銀灯(ハンディーUV−1200、QRU−2161型:株式会社オーク製作所製)にて、塗膜に約1,000mJ/cm2の紫外線を照射し、硬化被膜を得た。紫外線照射量は、紫外線光量計(UV−351型:株式会社オーク製作所製)によりピーク感度波長360nmを測定した。
[屈折率測定用サンプルの作成]
得られた活性エネルギー線硬化性組成物を、188μm厚のPETフィルム(A4300:東洋紡績株式会社製)上に適量滴下し、バーコート法(バーコーターNo.50使用)にて塗布し、室温で約15分自然乾燥後60℃で約15分乾燥し、塗膜を得た。
得られた活性エネルギー線硬化性組成物を、188μm厚のPETフィルム(A4300:東洋紡績株式会社製)上に適量滴下し、バーコート法(バーコーターNo.50使用)にて塗布し、室温で約15分自然乾燥後60℃で約15分乾燥し、塗膜を得た。
上記と同様の高圧水銀灯にて、塗膜に約1,000mJ/cm2の紫外線を照射し、硬化被膜を得た。紫外線照射量は上記と同様にして測定した。
[硬化被膜の評価]
得られた硬化被膜は、以下の方法により評価した。評価の温度は指定がある場合を除き室温(約25℃)とした。結果を表1に示す。
(1)膜厚
硬化被膜を形成したアクリル板の断面を走査型電子顕微鏡で観察し膜厚を測定した。
(2)外観
硬化被膜を形成したアクリル板の透明性、クラック、白化の有無を目視にて観察し、以下の基準により評価した。
「○」:透明でクラック、白化の欠陥がない(良好)。
「×」:不透明な部分、クラック、白化等の欠陥がある(不良)。
(3)全光線透過率
硬化被膜を形成したアクリル板を、濁度計(NDH2000:日本電色工業株式会社製)を用いて、JIS K 7361−1に準じて全光線透過率を測定した。
(4)硬化被膜硬度
アクリル板上の硬化被膜の鉛筆硬度をJIS−K5600(鉛筆引っかき試験)に準じて評価した。
(5)硬化被膜屈折率
上記屈折率測定用サンプルを用いて屈折率計をアッベ屈折率計(DR−M2:株式会社アタゴ製)にて測定した。測定温度は20℃、測定波長はD線(589nm)とした。
得られた硬化被膜は、以下の方法により評価した。評価の温度は指定がある場合を除き室温(約25℃)とした。結果を表1に示す。
(1)膜厚
硬化被膜を形成したアクリル板の断面を走査型電子顕微鏡で観察し膜厚を測定した。
(2)外観
硬化被膜を形成したアクリル板の透明性、クラック、白化の有無を目視にて観察し、以下の基準により評価した。
「○」:透明でクラック、白化の欠陥がない(良好)。
「×」:不透明な部分、クラック、白化等の欠陥がある(不良)。
(3)全光線透過率
硬化被膜を形成したアクリル板を、濁度計(NDH2000:日本電色工業株式会社製)を用いて、JIS K 7361−1に準じて全光線透過率を測定した。
(4)硬化被膜硬度
アクリル板上の硬化被膜の鉛筆硬度をJIS−K5600(鉛筆引っかき試験)に準じて評価した。
(5)硬化被膜屈折率
上記屈折率測定用サンプルを用いて屈折率計をアッベ屈折率計(DR−M2:株式会社アタゴ製)にて測定した。測定温度は20℃、測定波長はD線(589nm)とした。
[実施例2]
シロキサン化合物(A)として、溶液(A1)10.0gに替えて溶液(A1)5.0gを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、硬化被膜を形成し、評価を行った。結果を表1に示す。
シロキサン化合物(A)として、溶液(A1)10.0gに替えて溶液(A1)5.0gを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、硬化被膜を形成し、評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
シロキサン化合物(A)として、溶液(A1)に替えて合成例2で得られた溶液(A2)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、硬化被膜を形成し、評価を行った。結果を表1に示す。
シロキサン化合物(A)として、溶液(A1)に替えて合成例2で得られた溶液(A2)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、硬化被膜を形成し、評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
無機微粒子(B)を使用しないこと以外は、実施例1と同様にして、硬化被膜を形成し、評価を行った。結果を表1に示す。
無機微粒子(B)を使用しないこと以外は、実施例1と同様にして、硬化被膜を形成し、評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
無機微粒子(B)に替えてイソプロピル分散コロイダルシリカ(IPA−ST:日産化学工業株式会社製)(固形分30質量%、個数平均粒子径:平均16nm、粒子屈折率約1.46)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、硬化被膜を形成し、評価を行った。結果を表1に示す。
無機微粒子(B)に替えてイソプロピル分散コロイダルシリカ(IPA−ST:日産化学工業株式会社製)(固形分30質量%、個数平均粒子径:平均16nm、粒子屈折率約1.46)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、硬化被膜を形成し、評価を行った。結果を表1に示す。
結果からも、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を用いて得られる硬化被膜は、良好な外観、硬度、低屈折率を総て満たしていることが明らかである。これに対し比較例においては、低屈折率を達成できるものではない。
Claims (4)
- シロキサン化合物(A)、屈折率が1.40以下でありかつ個数平均粒子径が100nm以下である無機微粒子(B)及び活性エネルギー線感応性酸発生剤(C)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物。
- 屈折率1.42以下の硬化被膜を与える請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 基材上に請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化被膜を有する積層体。
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