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JPH0319317B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0319317B2
JPH0319317B2 JP58079434A JP7943483A JPH0319317B2 JP H0319317 B2 JPH0319317 B2 JP H0319317B2 JP 58079434 A JP58079434 A JP 58079434A JP 7943483 A JP7943483 A JP 7943483A JP H0319317 B2 JPH0319317 B2 JP H0319317B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tin
chromate
layer
steel plate
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP58079434A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS59205498A (ja
Inventor
Hiroshi Matsubayashi
Makoto Horiguchi
Nobuyuki Sato
Wataru Kurokawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Seikan Kaisha Ltd filed Critical Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority to JP7943483A priority Critical patent/JPS59205498A/ja
Publication of JPS59205498A publication Critical patent/JPS59205498A/ja
Publication of JPH0319317B2 publication Critical patent/JPH0319317B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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  • Electrochemical Coating By Surface Reaction (AREA)
  • Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はスズめつき鋼板に関し、詳しくは有機
塗膜の接着性に優れたスズめつき鋼板に関するも
のであり、更に詳しくは有機塗料塗布後の絞り加
工性に優れたスズめつき鋼板に関する。 スズめつき鋼板は一般に表面が美しく耐食性や
半田性にすぐれ且つ毒性が無いので食品用の缶用
材その他各種容器の材料として用いられて来た。
スズめつき鋼版は、魚類、肉類、グリーンピー
ス、アスパラガス等の種々の食品類の缶詰用材料
等として用いた場合、缶内面に塗装した塗膜の密
着性が低下したり、或いは食品から微量に発生す
る硫化水素のために缶内面に変色を生じる等の問
題があつた。この様な問題を解決するためスズめ
つき鋼版の製造に際しリフロー工程を非酸化性雰
囲気で行うといつた提案(特開昭50−109136号)
やクロメート処理に先立つてスズ酸化膜を除去す
るといつた提案(特開昭52−103333号)及び
1.5mc/cm2以下のスズ酸化膜上に3.0mg/m2以上の
金属クロムめつきをするといつた提案(特開昭53
−72742号)等があつた。 しかしながら、近年スズめつき鋼版に有機塗料
を塗装して後、絞り加工を行つて食品等の包装容
器又は包装容器部材を製造しようとする試みが多
く行なわれるようになつて来た。例えば第1図の
ツナ油漬用等の絞り缶、第2図A及び第2図Bの
ビールや炭酸飲料用等の容器の上部体1及び第3
図A及第3図Bのビール用等の容器の上部体4及
び下部体5等がその様な例として挙げることがで
きる。これ等の容器又は容器部材の場合には、絞
り加工前に平板で塗装を行うので高速塗装が可能
であり、絞り加工後成形品1個1個を塗装して乾
燥する場合に較べて、塗装コストが可成り低廉と
なるので、塗装後の絞り加工による包装容器又は
包装容器部材の製造の要望は益益強くなつて来て
いる。しかし、従来のスズめつき鋼板をこの様な
用途に用いた場合は、絞り加工後の塗膜の密着性
が十分でなく食品等の包装容器として用いること
はできなかつた。 本発明は、上記のような塗装後の絞り加工にも
塗膜の性能が優れ、特に長期貯蔵後或いは空焼き
後の塗装と絞り加工にも塗膜の密着性の低下や塗
膜の劣化を来たすことのない新規なスズめつき鋼
板を提供するものである。 本発明のスズめつき鋼版は、スズ酸化物層及び
(実質的に金属クロム層を有さない非晶性の)ク
ロメート層を有するスズめつき鋼板であつて、ク
ロメート層中のアルカリ不溶性クロメートがクロ
ーム量として1〜10mg/m2、好ましくは1.5〜8
mg/m2、最も好しくは2〜7mg/m2であり、該鋼
板面の全クロメート及びスズ酸化物の均一度が40
%以上、好ましくは50%以上、最も好しくは70%
以上であることを特徴とする鋼板に関する。 本明細書で「アルカリ不溶性クロメート」と
は、7.5Nの水酸化ナトリウム水溶液に90℃で不
溶解のクロメートを表す意味で用いるものであ
る。また本明細書で「鋼板面の全クロメート及び
スズ酸化物の均一度」とは、詳細後記の測定条件
でのX線マイクロアナライザーによる全測定点当
り、全クロメートがクローム量として5〜10mg/
m2でスズ酸化物がスズ量として1〜10mg/m2であ
る測定点の数の百分率を表す意味で用いる。 本発明の鋼板の全クロメート量は特に制限され
るものではないが、一般にクローム量として3〜
12mg/m2が好ましい。また本発明の鋼板のスズ酸
化物量は特に制限されるものではないが、一般に
0.5〜2mc/cm2が好ましい。 一方本発明の鋼板でクロメート層中に金属クロ
ムを含む場合は、金属クロムが結晶性であるの
で、平板塗膜密着性は優れているが、絞り加工後
の塗膜密着性が低下するので好ましくない。また
アルカリ不溶性クロメートが1mg/m2未満と少な
すぎては、錫酸化物層の生長を抑制できないため
絞り加工後の塗膜の密着強度が低下するので好ま
しくなく、また10mg/m2を越えて多すぎてもコス
トのみが嵩んで格別の利点もないので好ましくな
い。 また、本発明の鋼板では、鋼板面の全クロメー
ト及びスズ酸化物の均一度が40%未満と低すぎて
は、絞り加工後の塗膜の密着強度が低下するので
好ましくない。又該均一度についての前記定義に
おいて、全クロメートがクロム量として5mg/m2
未満と少なすぎては錫酸化物層の生長を抑制でき
ないため絞り加工後の塗膜密着強度が低下するの
で好ましくなく、一方10mg/m2を超えて多すぎて
はクロメート層内で剥離が起きるので好ましくな
い。またスズ酸化物がスズ量として1mg/m2未満
と少なすぎてはスズ酸化物層とクロメート層間で
剥離が起きるので好ましくなく、10mg/m2を超え
て多すぎてはスズ酸化物層内で剥離が起きるので
好ましくない。 本発明の鋼板は、加工に際しては容器内面に当
る面に防食乃至接着を目的とした有機塗料が塗装
されるが、この様な有機塗料としては、例えばエ
ポキシ系塗料、フエノール系塗料、ポリエステル
系塗料、塩ビ・酢ビ共重合体塗料、オルガノゾル
系塗料及アクリル系塗料であり、これ等は単独で
も二種或いはそれ以上の組合せでも使用され、中
でもエポキシ・ユリア系塗料、エポキシフエノー
ル系塗料が好ましい。 本発明のスズめつき鋼板は種々の方法で製造す
ることができ、次にそのいくつかの好ましい方法
を例示するが、これら例示方法に限定されるもの
ではない。 (1) 鋼板の表面を常法により、脱脂、酸洗、水洗
後スズめつき及びスズめつき層の再溶融処理を
した後、加熱溶融時に生成した不均一なスズ酸
化物層を完全に還元除去し、次いで陽極処理に
より2〜12mg/m2の均一なスズ酸化物層を生成
させた後、6価クロムイオンを含み、硫酸塩、
ふつ化物、けいふつ化物等の金属クロム析出に
必要な特定の助剤を含まないPH4以下の水溶液
中で温度60℃以上、電流密度1〜3A/dm2
陰極処理することにより製造することができ
る。 (2) 鋼板の表面を常法により、脱脂、酸洗、水洗
後スズめつきした後、非酸化性雰囲気でスズめ
つき層の再溶融処理をし、希酸中でスズ酸化物
層を含むスズ層表面の一部を溶解した後スズ層
の溶融温度以下の酸化雰囲気中でスズ酸化物層
を2〜12mg/m2生成させた後、6価クロムイオ
ンを含み、硫酸塩、ふつ化物、けいふつ化物等
の金属クロム析出に必要な特定の助剤を含まな
いPH3以下の水溶液中で温度60℃以上、電流密
度1〜3A/dm2で陰極処理することにより製
造することができる。 ここでは、処理液中に硫酸塩、ふつ化物、けい
ふつ化物等の金属クロムの析出に必要な特定の助
剤を含まないので生成されるクロメート層は実質
的に金属クロム層を有さない非晶性のクロメート
層となる。また、処理液のPHを3または4と比較
的小さくし、処理温度を60℃と比較的高くするこ
とにより、生成されたクロメート層中のアルカリ
不溶性クロメートの割合が大きくなつている。 本発明のスズめつき鋼板は、有機塗料の塗布後
に絞り加工を行つた場合、塗膜の接着強度が極め
て優れている。この長所は、塗料の塗装前に鋼板
を空焼きしても或いは塗装前に鋼板の長期貯蔵を
行つても変らないといつた特徴を有する。このよ
うな本発明のスズめつき鋼板の優れた特徴は、絞
り加工前における平板の塗膜の接着強度が従来品
と比して同等(ピール試験)乃至若干劣る(碁板
目テスト)傾向よりみて極めて意外なものであ
り、更には、アルカリ不溶性クロメートを含むク
ロメート層は平板での塗膜密着性を低下させる傾
向にあるとの文献(高野等「ブリキの塗料密着性
におよぼす不働態皮膜の影響」;第96回鉄鋼協会
講演会講演概要〔第1978年〕第65〜68頁)の記載
よりも本発明の上記特徴は極めて意外なものであ
るということができる。 本発明の鋼板を用いて塗装後絞り加工を行つた
成型品としては、包装容器の外に、電気釜、トー
スター、照明器具の笠などの電気器具の部材、手
さげ金庫、鉛筆削り器、物容れ等の家具什器の部
材、メーター、時計文字板、自転車のチエーンケ
ース等の車輛部品の部材、玩具部材等があり、包
装容器としては第1図の絞り缶や第2図A及第2
図Bの包装容器上部体1、第3図A及第3図Bの
包装容器上部体4及下部体5がある。第1図の絞
り缶は1〜3回の絞り加工により成形したもの
で、例えばツナ油漬等に用いられるものである。
第2図A及第2図Bはビール、炭酸飲料等の容器
として用いられるものであり、その下部体2は絞
りしごき加工で成形されたもので、絞り加工で成
形された上部体1と下部体2は接着部3で接着剤
等を用いて接着される。第3図A及び第3図はビ
ール等の容器として用いられるもので、その上部
体4と下部体5は共に絞り加工によつて成形され
たものであり、上部体4と下部体5は接着部6で
接着剤等を用いて接着される。 本明細書における測定法は下記の通りである: 〔アルカリ不溶性クロメート量の測定法〕 直径5cmの円板状の試料を用い、7.5N水酸化
ナトリウム溶液中に90℃の条件で5分間浸漬した
後、螢光X線分析装置を使用しクロムの特性X線
強度を測定し検量線法でクロム量を求める。次
に、試料を水酸化ナトリウムとリン酸ナトリウム
混合水溶液中で、陽極電解と陰極電解を行ないア
ルカリ不溶性クロメートを除去した後、ふたたび
螢光X線装置で測定し、この値を最初の値から差
し引くことによりアルカリ不溶性クロメート量を
求める。試験数5の算術平均値で示す。 〔スズめつき鋼板面の全クロメート及びスズ酸化
物の均一度の測定法〕 予め炭素蒸着膜で補強した全クロメート層及び
スズ酸化物層を水銀アマルガム法(東洋鋼鈑;ぶ
りきとテインフリースチール、改訂第2版、
P.166、(1974、アグネ社))によりスズめつき鋼
板上より取り出し試料とする。 X線マイクロアナライザーを使用し、直径10〜
500nmの電子線プローブを用い試料面上の38×
38μmの面積を2μm毎に400点についてクロム及び
スズの特性X線強度を測定し、検量線法により全
クロメート中のクロム量及びスズ酸化物中のスズ
量を求める。全測定点数に対する全クロメート中
のクロム量が5〜10mg/m2、且つスズ酸化物中の
スズ量が1〜10mg/m2である測定点数の百分率を
スズめつき鋼板面の全クロメート及びスズ酸化物
の均一度とする。試験数10の算術平均値で示す。 〔スズめつき鋼板上の全クロメート量の測定法〕 直径5cmの円板状の試料を用い、螢光X線分析
装置を使用しクロムの特性X線強度を測定し、検
量線法でクロム量を求める。次に試料を7.5N水
酸化ナトリウム溶液中に90℃の条件で5分間浸漬
し、更に水酸化ナトリウムとリン酸ナトリウム混
合水溶液中で陽極電解と陰極電解を行ない試料表
面のクロメートを除去した後、ふたたび螢光X線
装置で測定し、この値を最初の値から差し引くこ
とによりスズめつき鋼板上の全クロメート量を求
める。試験数5の算術平均値で示す。 [金属クロム量の測定法] 温度25℃、PH7.5の50g/のNaH2PO4水溶液
中で、試料を陽極とし、白金板を対極として、
50μA/cm2の電流密度で定電流電解を行ない、
銀/塩化銀電極を参照電極として試料の電位変化
を求めた。得られた電位−時間曲線の中で銀/塩
化銀電極に対して約600mV付近にある金属クロ
ムの溶解電位での停滞時間から金属クロムの溶解
に消費された電気量を算出し、フアラデーの法則
より金属クロム量を求めた。すなわち、電位停滞
時間をt秒とすれば金属クロム量は、 金属クロム量(mg/m2)=0.8981×t×0.05 で求められる。 試験数5の算術平均値で示す。 〔スズ酸化物量の測定法〕 「ぶりきとテインフリースチール」P.216東洋
鋼鈑、改訂2版(1974、アグネ社)に記述されて
いる電気めつきぶりきの表面酸化膜測定法に基き
測定し、単位面積あたりの還元に要した電気量で
表わす。試験数5の算術平均値で示す。 〔平板塗料密着性の測定法〕 (1)−1 T型剥離強度 エポキシ・フエノール系塗料を厚さ50mg/dm2
に塗布し焼付けした試料から長さ10cm、巾5mmに
切り出し接着試験片とした。塗装面同志をナイロ
ン系の接着剤で接着し、その後、引張り試験機に
て「T型剥離」を行ないその時の強度を測定す
る。試験数10の算術平均値で示す。 (1)−2 ゴバン目試験 エポキシ・フエノール系塗料を厚さ50mg/dm2
塗布し、焼付けた試料上の塗膜を1.0mmのゴバン
目100個に切る。この上に粘着テープをはりつけ、
テープをはがし剥離した塗膜面積の百分率から以
下の様に評価した。 評点5:異常なし 〃 4:1〜5%の面積の塗膜が剥離したも
の。 〃 3:6〜25% 〃 〃 2:26〜60% 〃 〃 1:60〜100%〃 〔絞り加工後の塗料密着性の測定法〕 (2)−1貯蔵後塗装した試料の絞り加工後の塗料密
着力 製造後1年間室温貯蔵した試料の両面にエポキ
シ・フエノール系塗料を50mg/dm2の厚さに順次
塗布、焼付けた。その後、初めに塗装した面が内
面になる様に直径112mmに打ち抜き、絞り加工
(絞り比2.1)を行なつて直径53mm、高さ40mmの缶
をつくり、絞り比2.0の部分から5mm巾に切り出
し接着試験片とした。缶内面側同志をナイロン系
接着剤を用い接着し、引張り試験機にて「T型剥
離」を行ないそのの時の強度を測定する。 試験数10の算術平均値で示す。 (2)−2空焼後塗装した試料の絞り加工後の塗料密
着力 200℃、10分間空焼した試料について、(2)−1
と同様にして塗装、絞り加工、接着、T型剥離試
験を行なつた。 (2)−3 絞り加工による塗膜の劣化 (2)−1の試験と同様にして作製した絞り缶中
に、10g/の炭酸ナトリウム水溶液を入れ、絞
り缶側を陰極とし、炭素棒を陽極とし直流電圧
5Vを30秒間印加し、その時剥離した塗膜面積の
百分率から以下の様に評価した。 評点5:異常なし 〃 4:1〜5%の面積の塗膜が剥離している
もの。 〃 3:6〜25% 〃 〃 2:26〜60% 〃 〃 1:60〜100%〃 〔実缶貯蔵試験の測定法〕 (3)−1 孔あき (2)−1で作製した絞り缶に内容物を通常の充填
条件で充填、巻締後116℃で90分間の加熱殺菌を
する。その後37℃で貯蔵し、1年間以内に生じた
穿孔缶数で示す。試験缶数は100缶である。 (3)−2 缶の内面状態 (3)−1で示した貯蔵缶の開缶後の缶内面錆の発
生状態、塗膜の変化等を視覚により評価する。 (3)−3 缶内真空度 (3)−1で示した貯蔵缶で穿孔が生じていないも
のについては、缶内真空度を測定した。 以下に実施例(及び比較例)によつて本願発明
の具体的な実施態様の例を説明する。 実施例1〜4(明細書本文中記載の製造法(1)に相
当) 厚さ0.23mmの冷延鋼板の原板を常法により電解
脱脂、水洗、酸洗および再水洗したのち、片面当
り5.6g/m2のスズめつきを両面に施し、水洗し
たのち、直流通電抵抗加熱により280℃で再溶融
した。その後温度50℃の濃度25g/の炭酸ナト
リウム水溶液中で電流密度3A/dm2で2秒間陰
極電解処理したのち水洗し、詳細表−1の条件で
直ちに濃度5g/のホウ酸水溶液中で陽極電解
処理し、水洗し、その後6価クロムイオン濃度10
g/の水溶液中でPH3.5、温度60℃、陰極電解
処理を施した。得られたスズめつき鋼板の特性は
表−3に一括した(以下の実施例、比較例でも同
じ)。 比較例 1 表−1の条件で陽極電解及び陰極電解処理を行
つた以外は実施例1〜4と同じ条件で製造してス
ズめつき鋼板を得た。 比較例 2 下記表−1の条件で陽極電解処理を行い、陰極
電解処理の代りに6価クロムイオン濃度10g/
の水溶液中で6秒間の無電解浸漬処理を行つた以
外は、実施例1〜4と同じ条件で製造して、スズ
めつき鋼板を得た。
【表】 比較例3(特開昭53−72742の実施例1のトレー
ス) 実施例1〜4で用いた原板を実施例1〜4と同
様にして前処理、スズめつき、再溶融した後、濃
度25g/、温度50℃の炭酸ナトリウム水溶液中
で電流密度1A/dm2で0.3秒間陰極電解処理した
のち、水洗し、その後無水クロム酸80g/、硫
酸0.8g/、温度50℃の水溶液中で電流密度
10A/dm2で1秒間陰極電解処理を施して、スズ
めつき鋼板を得た。 比較例4(特開昭52−103333の実施例4のトレー
ス) 実施例1〜4で用いた原板を実施例1〜4と同
様にして、前処理、スズめつき、再溶融し、その
後PH6.8の30g/の食塩水中で電流密度5A/d
m2で1秒間、陰極電解処理したのち、水洗し、そ
の後、20g/の重クロム酸ナトリウム水溶液中
で電流密度3A/dm2で1秒間陰極電解処理を施
して、スズめつき鋼板を得た。 実施例5〜8(明細書本文記載の製造法(2)に相
当) 厚さ0.23mmの冷延鋼板の原板を常法により電解
脱脂、水洗、酸洗および再水洗したのち、片面当
り2.8g/m2のスズめつきを両面に施し水洗した。
次いで窒素ガス雰囲気中で直流通電抵抗加熱によ
り280℃で再溶融した。その後0.5N硫酸中に1秒
間浸漬し、水洗したのち、下記表−2の条件によ
り空気中で酸化した後、6価クロムイオン濃度15
g/の水溶液中でPH3.0、温度60℃で陰極処理
を施して、スズめつき鋼板を得た。
【表】 比較例 5 実施例5〜8で用いたと同じ原板を、実施例5
〜8と同様の方法により前処理、スズめつき、再
溶融したのち、6価クロムイオン濃度15g/の
水溶液中でPH3.0、温度60℃、電流密度1A/dm2
で0.5秒間陰極電解処理を施して、スズめつき鋼
板を得た。 比較例 6 実施例5〜8で用いたと同じ厚板を、実施例5
〜8と同様の方法により前処理、スズめつきした
のち、空気中で直流抵抗加熱により280℃で再溶
融した。その後、6価クロムイオン濃度15g/
の水溶液中でPH3.0、温度60℃、電流密度1A/d
m2で、0.6秒間陰極電解処理を施して、スズめつ
き鋼板を得た。なお、得られた鋼板の特性を表−
3に示したが、鋼板面の全クロメート中のクロー
ム量が3mg/m2以上5mg/m2未満で且つスズ酸化
物中のスズ量が1〜10mg/m2である測定点数の全
測定点に対する割合は56%であつた。 比較例7(特開昭50−109136の実施例2のトレー
ス) 実施例5〜8で用いたと同じ原板を実施例5〜
8と同様の方法により前処理、スズめつきし、そ
の後、窒素ガス中で直流抵抗加熱により270℃で
再溶融し直ちに水中に浸漬し急冷し、次いでPH
4.5、温度45℃の濃度25.5g/の重クロム酸水
溶液中で、電流密度2A/dm2で1.9秒間陰極電解
処理を施してスズめつき鋼板を得た。
【表】 表−3のデーターより凡そ以下のことが判る: 実施例1〜4、比較例1,2は、スズめつき鋼
板面の全クロメート及びスズ酸化物の均一度が67
〜80%の比較的狭い範囲でアルカリ不溶性クロメ
ート量の影響を調べたものであり、アルカリ不溶
性クロメート量が1未満の少量になると、貯蔵後
塗装した試料の絞り加工後の塗料密着力、空焼後
塗装した試料の絞り加工後の塗料密着力、絞り加
工による塗膜の劣化等いずれの特性も著しく低下
し、腐食性の強い内容物であるツナ醤油味付を充
填した実缶貯蔵試験結果でも孔あきや缶胴部での
塗膜剥離が顕著になる。これらの特性は、従来か
らスズめつき鋼板を特定するのに用いられた全ク
ロメート量やスズ酸化物量とは無関係であること
が判る。 比較例3は、クロメート層に多量の金属クロム
を含有するスズめつき鋼板であるが、平板塗料密
着性は優れているが、絞り加工された後の各特性
はいずれも本発明のスズめつき鋼板より劣る。 比較例4は、特開昭52−103333号の実施例のト
レースであるが、アルカリ不溶性クロメート量は
0.3mg/m2と少なく、スズめつき鋼板面の全クロ
メート及びスズ酸化膜の均一度も35%と低く、平
板塗料密着性は本発明品と同等であるが、絞り加
工後の塗料密着性は著しく劣る。 実施例5〜8、比較例5,6は、アルカリ不溶
性クロメート量が4.2〜4.5の比較的狭い範囲で、
スズめつき鋼板面の全クロメート及びスズ酸化物
の均一度の影響を調べたものであり、均一度が40
%未満になると、絞り加工後の塗料密着性、実缶
貯蔵試験における孔あき、缶の内面状態が悪くな
ることが判る。 比較例7は、特開昭50−109136の実施例のトレ
ースであるが、アルカリ不溶性クロムは0.8mg/
m2と少なく、スズめつき鋼板面の全クロメート及
びスズ酸化物の均一度は15%と低く、平板塗料密
着性においては本発明品より若干優れているが、
絞り加工後の塗料密着性及び実缶貯蔵試験結果に
おいては、本発明品より著しく劣る。 実施例9 (応用例) 実施例1のスズめつき鋼板を用い、内外面にエ
ポキシ・ユリア系塗料をそれぞれ全体の塗膜量が
150mg/dm2、60mg/dm2となるように塗布、焼
付を行つた後に94mmの円板に打抜き、通常のプレ
ス加工により絞り成形を施し、接合部端縁の内径
が64.5mmで中心部に直径25mmの注ぎ口を有する第
2図Aの1のような容器上部体を作製した。 一方、素材厚0.30mmの実施例1と同様の方法で
製造したスズめつき鋼板を約142mmの径に打抜き、
絞りポンチと絞りダイスとの間で内径が約85mmの
コツプ状に成形する。次いで、このコツプ状成形
物を再絞り工程に賦した後、直径66.1mmのしごき
ポンチとダイスによりしごき加工を施した。 この外面に変性エポキシ系塗料を塗膜量が60
mg/dm2になるようにマンドレルコーターで塗布
後焼付し、更に内面には、エポキシ・ユリア系塗
料を塗膜量150mg/dm2になるようにスプレーコ
ートし、焼付を行つた後に、ネツクイン加工を行
つてその円周端縁の外周が64.4mmの第2図Aの2
のような容器下部体を作製した。 この下部体の端縁全周にわたつて、その外面側
約4mm巾、内面側約2mm巾でポリエステル系接着
剤を塗布した。このようにして得られた上部体と
接着剤を塗布した下部体とを嵌合し、嵌合部を高
周波加熱して接着剤を溶融した後冷却固化させて
上部体と下部体を接合した容量約500mlの金属製
容器を作製した。第2図B参照。 この容器にコーラを充填した後注ぎ口を密栓
し、50℃で6ケ月の貯蔵試験を行つた所、接合部
の接着強度は2.4Kg/4mm巾と強く鉄溶出量は
0.5ppmと少なく、貯蔵中に孔あき、内容物の漏
洩等が認められないことから本発明のスズめつき
鋼板を使用して絞り加工で製造した上部体を持つ
接合容器は優れた容器性能を示すことが判る。 実施例10 (応用例) 実施例5のスズめつき鋼板の内外面にエポキシ
ユリア系塗料とビニル系塗料をそれぞれ全体の塗
膜量が150mg/dm2、60mg/dm2となるように塗
布、焼付を行つた後に250mmの径の円板に打抜き、
通常のプレス加工により絞り成形を施し、接合部
端縁の内径が110.6mmで中心部に直径30mmの注ぎ
口を有する第3図Aの4のような容器上部体を作
製した。 一方、同じ塗装板より250mmの径の内板を打抜
き、プレス加工により絞り成形を行つて接合部端
縁の外径が110.6mmの第3図Aの5のような容器
下部体を作製した。 この下部体の端縁全周にわたつて、その外面側
約5.5mm巾、内面側約1.5mm巾でポリエステル系接
着剤を塗布した。この様にして得られた、上部体
と接着剤を塗布した下部体とを嵌合し、嵌合部を
高周波加熱して接着剤を溶融した後冷却固化させ
て上部体と下部体を接合した容量約2の容器を
作製した。第3図B参照。 この容器に90℃でオレンジ・ジユースを充填し
た後、注ぎ口を密栓し、50℃で6ケ月の貯蔵試験
を行つた所、貯蔵後も接合部の接着強度は、27
Kg/5.5mm巾と強く、鉄溶出量は0.3ppmと少な
く、貯蔵中に孔あき、内容物の漏洩等が認められ
ないことから、本発明のスズめつき鋼板を使用し
て絞り加工で製造した上部体と下部体を持つ接合
容器は優れた容器性能を示すことが判る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のスズめつき鋼板を用いて作つ
た缶の断面図、第2図A及びBは本発明のスズめ
つき鋼板を上部体に用いた容器の断面図、第3図
A及びBは本発明のスズめつき鋼板を上部体及び
下部体に用いた容器の断面図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 スズ酸化物層及び実質的に金属クロム層を有
    さない非晶性のクロメート層を有するスズめつき
    鋼板であつて、クロメート層中のアルカリ不溶性
    クロメートがクローム量として1〜10mg/m2であ
    り、全測定点に対する全クロメート層中のクロー
    ム量が5〜10mg/m2であり且つスズ酸化物層中の
    スズ量が1〜10mg/m2である測定点の数の百分率
    で表わされる該鋼板面の全クロメート及びスズ酸
    化物の均一度が40%以上であることを特徴とする
    鋼板。 2 有機塗料塗装用である特許請求の範囲第1項
    記載の鋼板。 3 有機塗料がエポキシ・ユリア塗料、エポキ
    シ・フエノール塗料又はオルガノゾル塗料である
    特許請求の範囲第2項記載の鋼板。 4 絞り加工用である特許請求の範囲第1〜第3
    項の何れかに記載の鋼板。 5 スズ酸化物層及び実質的に金属クロム層を有
    さない非晶性のクロメート層を有するスズめつき
    鋼板であつて、クロメート層中のアルカリ不溶性
    クロメートがクローム量として1〜10mg/m2であ
    り、全測定点に対する全クロメート層中のクロー
    ム量が5〜10mg/m2であり且つスズ酸化物層中の
    スズ量が1〜10mg/m2である測定点の数の百分率
    で表わされる該鋼板面の全クロメート及びスズ酸
    化物の均一度が40%以上である鋼板を塗装後絞り
    加工して製作した成形品。 6 容器又は容器の部材である特許請求の範囲第
    5項記載の成形品。 7 キヤツプである特許請求の範囲第5項記載の
    成形品。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57185997A (en) * 1981-05-06 1982-11-16 Toyo Kohan Co Ltd After-treatment of very thinly tinned steel plate
JPS57192293A (en) * 1981-05-19 1982-11-26 Nippon Kokan Kk <Nkk> Manufacture of surface treated steel sheet of excellent paint adherence
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