JPH027387B2 - - Google Patents
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- JPH027387B2 JPH027387B2 JP59268240A JP26824084A JPH027387B2 JP H027387 B2 JPH027387 B2 JP H027387B2 JP 59268240 A JP59268240 A JP 59268240A JP 26824084 A JP26824084 A JP 26824084A JP H027387 B2 JPH027387 B2 JP H027387B2
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- Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
Description
〔発明の目的〕
本発明は軟質ガラスの封着用合金に関するもの
である。 〔従来の技術〕 従来より軟質ガラスとの封着に用いられる合金
として、Ni−Cr−Fe系合金(42Ni−6Cr−Fe)、
Cr−Fe系合金(18Cr−Feなど)が知られてい
る。このうち42Ni−6Cr−Fe合金は、熱膨張係数
が軟質ガラスとよく一致しており、しかも封着強
度が特に優れていることから種々の封着体に使用
されている。これに対してCr−Fe合金は封着性
の点で劣る欠点がある。すなわち、ガラス封着に
先立ち酸化膜を生成させるが、この酸化膜と地金
の密着性が弱いこと及びこの酸化膜とガラスの濡
れ性が悪いことの2点である。この欠点のため高
品質を要求される部品にはもつぱら42Ni−6Cr−
Fe合金が使用されているのが現状である。しか
し、42Ni−6Cr−Fe合金は高価なNiを42重量%
も含むため非常に高価であり、同等な封着性を有
する安価な材料を求める声が強い。 本発明は、このような要望に応え、Cr−Fe合
金について種々検討を重ねた結果、前述した欠点
を改良し、高い封着性を有し、42Ni−6Cr−Fe合
金に十分代替できる安価な合金を提供するもので
ある。すなわち、重量%でCr15〜30%、C0.002
%以下、O0.015%以下、Ni0.025%以下、
H0.0005%以下、P0.05%以下、S0.05%以下、残
部Fe及び不可避的不純物からなるガラス封着用
合金及び重量%でCr15〜30%、C0.02%以下、
O0.015%以下、N0.025%以下、H0.0005%以下、
P0.05%以下、S0.05%以下、副成分としてSi0.1
〜3%、Mn0.1〜1%、Al0.05〜1%のうち1種
または2種以上、残部Fe及び不可避的不純物か
らなるガラス封着用合金及び重量%でCr15〜30
%、C0.02%以下、O0.015%以下、N0.025%以
下、H0.0005%以下、P0.05%以下、S0.05%以下、
副成分としてTi0.05超〜1%、Zr0.05〜1%、
Nb0.05〜1%、Cu0.01〜2%、Mo0.01〜3%、
Mg0.01〜0.5%、Ca0.01〜0.5%、V0.01〜0.5%、
B0.005〜0.2%のうち1種または2種以上、残部
Fe及び不可避的不純物からなるガラス封着用合
金及び重量%でCr15〜30%、C0.02%以下、
O0.015%以下、N0.025%以下、H0.0005%以下、
P0.05%以下、S0.05%以下、副成分としてSi0.1
〜3%、Mn0.1〜1%、Al0.05〜1%のうち1種
または2種以上及びTi0.05超〜1%、Zr0.05〜1
%、Nb0.05〜1%、Cu0.01〜2%、Mo0.01〜3
%、Mg0.01〜0.5%、Ca0.01〜0.5%、V0.01〜0.5
%、B0.005〜0.2%のうち1種または2種以上、
残部Fe及び不可避的不純物からなるガラス封着
用合金並びに該合金において、結晶粒度が粒度番
号8.0以上であるガラス封着用合金に関する。 次に、本発明合金の組成の限定理由について説
明する。 Crはガラスとの適合性すなわちガラスの熱膨
張係数に近似させる元素として大きな影響を与え
る。Crが30%を越えると熱膨張特性がガラスと
適合しなくなり、δ相の析出によつて硬化するた
め加工性も悪化するので封着用合金としては不適
である。Cr含有量を10%程度まで下げることも
可能であるが、少ない場合には熱膨張係数が低下
するので、ガラスに近似するように熱膨張係数を
より安定的に保持するためにはCr含有量15〜30
%が必要である。 Cは0.02%を越えて含有すると封着時にガラス
中に気泡ができやすく、封着強度を著しく劣化さ
せる。このため、C含有量の上限を0.02%に規定
した。 Oは酸化膜の生成及び封着に大きく影響を及ぼ
す元素で、0.015%を越えて含有すると、酸化膜
にムラが生じ、また酸化膜の緻密性が劣化するた
め封着強度が著しく損なわれる。また、最悪の場
合には封着時にガラス中に気泡を作り、満足な封
着性は到底得られない。そのため、O含有量の上
限を0.015%に規定した。 NもO同様封着性に大きく影響を及ぼす元素で
0.025%を越えて含有すると封着強度が著しく損
なわれるため、N含有量の上限を0.025%に規定
した。 Hも封着性に大きく影響を及ぼす元素で0.0005
%を越えて含有すると封着強度が著しく損なわれ
るためH含有量の上限を0.0005%に規定した。 Pは0.05%を越えて含有すると酸化ムラができ
やすいため上限を0.05%に規定した。 Sは0.05%を越えて含有すると酸化ムラができ
やすく、また、酸化膜と地金との密着性も低下す
るため上限を0.05%に規定した。 副成分として、Siは、酸化処理においてCr酸
化物層と地金との間にSiの濃化層を形成し、酸化
膜と地金の密着性を向上させるが、0.1%未満で
は効果がなく、3%を越えて含有すると熱膨張特
性が変化し、また加工性が悪くなり好ましくな
い。 Mnは酸化膜外層にガラスの濡れ性の良い酸化
物を形成し、酸化膜とガラスとの濡れ性を向上さ
せるが、0.1%未満では効果がなく、1%を越え
て含有すると酸化速度が大きくなり、酸化膜が厚
くなりすぎ封着には不適となる。 Alは酸化膜と地金の密着強度を向上させるが、
0.05%未満では効果がなく、1%を越えて含有す
ると熱膨張特性が変化し好ましくない。 また、さらに高い封着性が要求される高度な部
品に使用される材料として封着性を向上させる元
素を微量添加することも効果がある。 すなわち、副成分としてTi0.05超〜1%、
Zr0.05〜1%、Nb0.05〜1%、Cu0.01〜2%、
Mo0.01〜3%、Mg0.01〜0.5%、Ca0.01〜0.5%、
V0.01〜0.5%、B0.005〜0.2%のうち1種または
2種以上を含有するとさらに封着性が改善され
る。 以下にこれらの副成分の添加理由及び成分範囲
限定理由を述べる。 Tiは酸化膜と地金の密着性を向上させるが、
0.05%以下では効果がなく、1%を越えると加工
性が悪くなり、また酸化膜にムラが生じやすくな
る。 Zrは酸化膜と地金の密着性及び酸化膜のガラ
スとの濡れ性を向上させるが、0.05%未満では効
果がなく、1%を越えると加工性を害する。 Nbは酸化膜と地金の密着性を向上させるが、
0.05%未満では効果がなく、1%を越えると加工
性を害する。 Cuは酸化膜を緻密にし封着性を向上させるが、
0.01%未満では効果がなく、2%を越えると酸化
膜が厚くなりすぎ封着に不適となる。 Moは酸化膜と地金の密着性を向上させるが、
0.01%未満では効果がなく、3%を越えると加工
性を害し、また酸化ムラを生じやすくなる。 Mgは酸化膜と地金の密着性及び酸化膜のガラ
スとの濡れ性を向上させるが、0.01%未満では効
果がなく、0.5%を越えると酸化膜が厚くなりす
ぎ好ましくない。 Caは酸化膜と地金の密着性を向上させるが、
0.01%未満では効果がなく、0.5%を越えると酸
化ムラが生じやすくなるため好ましくない。 Vは酸化膜と地金の密着性を向上させるが、
0.01%未満では効果がなく、0.5%を越えると加
工性を害し、また、酸化ムラを生じやすくなる。 Bは酸化膜と地金の密着性及び酸化膜とガラス
の濡れ性を向上させるが、0.005%未満では効果
がなく、0.2%を越えると酸化ムラを生じやすく
なる。 以上、本発明の合金成分について説明したが、
これらの合金の結晶粒度を適正に制御することに
より、さらに優れた封着性を安定して得られるこ
とが確かめられた。すなわち、結晶粒度が粒度番
号8.0以上である場合に、より優れた封着性を有
する。 次に本発明を実施例により詳しく説明する。 〔実施例〕 第1表及び第2表に本発明合金と比較例を示
す。 各合金は、真空高周波誘導溶解炉により溶解鋳
造した後、熱処理と圧延をくり返し、板厚0.5mm
の板材に仕上げた。この試料の表面を脱脂した
後、湿潤水素中にて950℃で2時間加熱し、表面
に酸化膜を形成させた後、ガラスとの封着試験に
供した。 密着強度は、ガラスを封着した後、引張試験に
よつて測定した。 試料No.1〜43は本発明合金であり、これに対す
る比較合金がNo.44〜50である。本発明合金は密着
強度2.7Kg/mm2以上を示し封着用合金に適してい
る。なかでも、Si、Mn、Al、を含有させたNo.3
〜10及びTi等の元素を添加したNo.11〜26は密着
強度2.9Kg/mm2以上、Si、Mn、Al及びTi等の元
素を添加したNo.27〜43は密着強度4.0Kg/mm2以上
を示し、封着用合金に最適である。これに対して
比較合金は、C、O、N、H含有量が本発明の許
容量を越えるものがあり、そのため密着強度が
1.0Kg/mm2しかなく、また、Si、Mn、Al及びTi
等の元素を添加しても高々2.0Kg/mm2にしかなら
ないため封着用合金には適さない。 次に、結晶粒度の影響であるが、No.1、6、
25、40を供試材とし、試験を行つた結果を第3表
に示す。 第3表から結晶粒が小さくなると密着強度が向
上していることがわかる。したがつて、優れた封
着性を安定して得るためには結晶粒度を粒度番号
8.0以上にすることが有効である。 以上、述べたように本発明合金は優れた封着性
を有しており、従来42Ni−6Cr−Fe合金が使用さ
れていた、高品質を要求される部品にも十分使用
でき、しかも42Ni−6Cr−Fe合金よりもはるかに
安価に製造できる工業的に極めて有用な合金であ
る。
である。 〔従来の技術〕 従来より軟質ガラスとの封着に用いられる合金
として、Ni−Cr−Fe系合金(42Ni−6Cr−Fe)、
Cr−Fe系合金(18Cr−Feなど)が知られてい
る。このうち42Ni−6Cr−Fe合金は、熱膨張係数
が軟質ガラスとよく一致しており、しかも封着強
度が特に優れていることから種々の封着体に使用
されている。これに対してCr−Fe合金は封着性
の点で劣る欠点がある。すなわち、ガラス封着に
先立ち酸化膜を生成させるが、この酸化膜と地金
の密着性が弱いこと及びこの酸化膜とガラスの濡
れ性が悪いことの2点である。この欠点のため高
品質を要求される部品にはもつぱら42Ni−6Cr−
Fe合金が使用されているのが現状である。しか
し、42Ni−6Cr−Fe合金は高価なNiを42重量%
も含むため非常に高価であり、同等な封着性を有
する安価な材料を求める声が強い。 本発明は、このような要望に応え、Cr−Fe合
金について種々検討を重ねた結果、前述した欠点
を改良し、高い封着性を有し、42Ni−6Cr−Fe合
金に十分代替できる安価な合金を提供するもので
ある。すなわち、重量%でCr15〜30%、C0.002
%以下、O0.015%以下、Ni0.025%以下、
H0.0005%以下、P0.05%以下、S0.05%以下、残
部Fe及び不可避的不純物からなるガラス封着用
合金及び重量%でCr15〜30%、C0.02%以下、
O0.015%以下、N0.025%以下、H0.0005%以下、
P0.05%以下、S0.05%以下、副成分としてSi0.1
〜3%、Mn0.1〜1%、Al0.05〜1%のうち1種
または2種以上、残部Fe及び不可避的不純物か
らなるガラス封着用合金及び重量%でCr15〜30
%、C0.02%以下、O0.015%以下、N0.025%以
下、H0.0005%以下、P0.05%以下、S0.05%以下、
副成分としてTi0.05超〜1%、Zr0.05〜1%、
Nb0.05〜1%、Cu0.01〜2%、Mo0.01〜3%、
Mg0.01〜0.5%、Ca0.01〜0.5%、V0.01〜0.5%、
B0.005〜0.2%のうち1種または2種以上、残部
Fe及び不可避的不純物からなるガラス封着用合
金及び重量%でCr15〜30%、C0.02%以下、
O0.015%以下、N0.025%以下、H0.0005%以下、
P0.05%以下、S0.05%以下、副成分としてSi0.1
〜3%、Mn0.1〜1%、Al0.05〜1%のうち1種
または2種以上及びTi0.05超〜1%、Zr0.05〜1
%、Nb0.05〜1%、Cu0.01〜2%、Mo0.01〜3
%、Mg0.01〜0.5%、Ca0.01〜0.5%、V0.01〜0.5
%、B0.005〜0.2%のうち1種または2種以上、
残部Fe及び不可避的不純物からなるガラス封着
用合金並びに該合金において、結晶粒度が粒度番
号8.0以上であるガラス封着用合金に関する。 次に、本発明合金の組成の限定理由について説
明する。 Crはガラスとの適合性すなわちガラスの熱膨
張係数に近似させる元素として大きな影響を与え
る。Crが30%を越えると熱膨張特性がガラスと
適合しなくなり、δ相の析出によつて硬化するた
め加工性も悪化するので封着用合金としては不適
である。Cr含有量を10%程度まで下げることも
可能であるが、少ない場合には熱膨張係数が低下
するので、ガラスに近似するように熱膨張係数を
より安定的に保持するためにはCr含有量15〜30
%が必要である。 Cは0.02%を越えて含有すると封着時にガラス
中に気泡ができやすく、封着強度を著しく劣化さ
せる。このため、C含有量の上限を0.02%に規定
した。 Oは酸化膜の生成及び封着に大きく影響を及ぼ
す元素で、0.015%を越えて含有すると、酸化膜
にムラが生じ、また酸化膜の緻密性が劣化するた
め封着強度が著しく損なわれる。また、最悪の場
合には封着時にガラス中に気泡を作り、満足な封
着性は到底得られない。そのため、O含有量の上
限を0.015%に規定した。 NもO同様封着性に大きく影響を及ぼす元素で
0.025%を越えて含有すると封着強度が著しく損
なわれるため、N含有量の上限を0.025%に規定
した。 Hも封着性に大きく影響を及ぼす元素で0.0005
%を越えて含有すると封着強度が著しく損なわれ
るためH含有量の上限を0.0005%に規定した。 Pは0.05%を越えて含有すると酸化ムラができ
やすいため上限を0.05%に規定した。 Sは0.05%を越えて含有すると酸化ムラができ
やすく、また、酸化膜と地金との密着性も低下す
るため上限を0.05%に規定した。 副成分として、Siは、酸化処理においてCr酸
化物層と地金との間にSiの濃化層を形成し、酸化
膜と地金の密着性を向上させるが、0.1%未満で
は効果がなく、3%を越えて含有すると熱膨張特
性が変化し、また加工性が悪くなり好ましくな
い。 Mnは酸化膜外層にガラスの濡れ性の良い酸化
物を形成し、酸化膜とガラスとの濡れ性を向上さ
せるが、0.1%未満では効果がなく、1%を越え
て含有すると酸化速度が大きくなり、酸化膜が厚
くなりすぎ封着には不適となる。 Alは酸化膜と地金の密着強度を向上させるが、
0.05%未満では効果がなく、1%を越えて含有す
ると熱膨張特性が変化し好ましくない。 また、さらに高い封着性が要求される高度な部
品に使用される材料として封着性を向上させる元
素を微量添加することも効果がある。 すなわち、副成分としてTi0.05超〜1%、
Zr0.05〜1%、Nb0.05〜1%、Cu0.01〜2%、
Mo0.01〜3%、Mg0.01〜0.5%、Ca0.01〜0.5%、
V0.01〜0.5%、B0.005〜0.2%のうち1種または
2種以上を含有するとさらに封着性が改善され
る。 以下にこれらの副成分の添加理由及び成分範囲
限定理由を述べる。 Tiは酸化膜と地金の密着性を向上させるが、
0.05%以下では効果がなく、1%を越えると加工
性が悪くなり、また酸化膜にムラが生じやすくな
る。 Zrは酸化膜と地金の密着性及び酸化膜のガラ
スとの濡れ性を向上させるが、0.05%未満では効
果がなく、1%を越えると加工性を害する。 Nbは酸化膜と地金の密着性を向上させるが、
0.05%未満では効果がなく、1%を越えると加工
性を害する。 Cuは酸化膜を緻密にし封着性を向上させるが、
0.01%未満では効果がなく、2%を越えると酸化
膜が厚くなりすぎ封着に不適となる。 Moは酸化膜と地金の密着性を向上させるが、
0.01%未満では効果がなく、3%を越えると加工
性を害し、また酸化ムラを生じやすくなる。 Mgは酸化膜と地金の密着性及び酸化膜のガラ
スとの濡れ性を向上させるが、0.01%未満では効
果がなく、0.5%を越えると酸化膜が厚くなりす
ぎ好ましくない。 Caは酸化膜と地金の密着性を向上させるが、
0.01%未満では効果がなく、0.5%を越えると酸
化ムラが生じやすくなるため好ましくない。 Vは酸化膜と地金の密着性を向上させるが、
0.01%未満では効果がなく、0.5%を越えると加
工性を害し、また、酸化ムラを生じやすくなる。 Bは酸化膜と地金の密着性及び酸化膜とガラス
の濡れ性を向上させるが、0.005%未満では効果
がなく、0.2%を越えると酸化ムラを生じやすく
なる。 以上、本発明の合金成分について説明したが、
これらの合金の結晶粒度を適正に制御することに
より、さらに優れた封着性を安定して得られるこ
とが確かめられた。すなわち、結晶粒度が粒度番
号8.0以上である場合に、より優れた封着性を有
する。 次に本発明を実施例により詳しく説明する。 〔実施例〕 第1表及び第2表に本発明合金と比較例を示
す。 各合金は、真空高周波誘導溶解炉により溶解鋳
造した後、熱処理と圧延をくり返し、板厚0.5mm
の板材に仕上げた。この試料の表面を脱脂した
後、湿潤水素中にて950℃で2時間加熱し、表面
に酸化膜を形成させた後、ガラスとの封着試験に
供した。 密着強度は、ガラスを封着した後、引張試験に
よつて測定した。 試料No.1〜43は本発明合金であり、これに対す
る比較合金がNo.44〜50である。本発明合金は密着
強度2.7Kg/mm2以上を示し封着用合金に適してい
る。なかでも、Si、Mn、Al、を含有させたNo.3
〜10及びTi等の元素を添加したNo.11〜26は密着
強度2.9Kg/mm2以上、Si、Mn、Al及びTi等の元
素を添加したNo.27〜43は密着強度4.0Kg/mm2以上
を示し、封着用合金に最適である。これに対して
比較合金は、C、O、N、H含有量が本発明の許
容量を越えるものがあり、そのため密着強度が
1.0Kg/mm2しかなく、また、Si、Mn、Al及びTi
等の元素を添加しても高々2.0Kg/mm2にしかなら
ないため封着用合金には適さない。 次に、結晶粒度の影響であるが、No.1、6、
25、40を供試材とし、試験を行つた結果を第3表
に示す。 第3表から結晶粒が小さくなると密着強度が向
上していることがわかる。したがつて、優れた封
着性を安定して得るためには結晶粒度を粒度番号
8.0以上にすることが有効である。 以上、述べたように本発明合金は優れた封着性
を有しており、従来42Ni−6Cr−Fe合金が使用さ
れていた、高品質を要求される部品にも十分使用
でき、しかも42Ni−6Cr−Fe合金よりもはるかに
安価に製造できる工業的に極めて有用な合金であ
る。
【表】
【表】
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%でCr15〜30%、C0.02%以下、O0.015
%以下、N0.025%以下、H0.0005%以下、P0.05
%以下、S0.05%以下、残部Fe及び不可避的不純
物からなるガラス封着用合金。 2 合金の結晶粒度が粒度番号8.0以上である特
許請求の範囲第1項記載のガラス封着用合金。 3 重量%でCr15〜30%、C0.02%以下、O0.015
%以下、N0.025%以下、H0.0005%以下、P0.05
%以下、S0.05%以下、副成分としてSi0.1〜3
%、Mn0.1〜1%、Al0.05〜1%のうち1種また
は2種以上、残部Fe及び不可避的不純物からな
るガラス封着用合金。 4 合金の結晶粒度が粒度番号8.0以上である特
許請求の範囲第3項記載のガラス封着用合金。 5 重量%でCr15〜30%、C0.02%以下、O0.015
%以下、N0.025%以下、H0.0005%以下、P0.05
%以下、S0.05%以下、副成分としてTi0.05超〜
1%、Zr0.05〜1%、Nb0.05〜1%、Cu0.01〜
2%、Mo0.01〜3%、Mg0.01〜0.5%、Ca0.01〜
0.5%、V0.01〜0.5%、B0.005〜0.2%のうち1種
または2種以上、残部Fe及び不可避的不純物か
らなるガラス封着用合金。 6 合金の結晶粒度が粒度番号8.0以上である特
許請求の範囲第5項記載のガラス封着用合金。 7 重量%でCr15〜30%、C0.02%以下、O0.015
%以下、N0.025%以下、H0.0005%以下、P0.05
%以下、S0.05%以下、副成分としてSi0.1%〜3
%、Mn0.1〜1%、Al0.05〜1%のうち1種また
は2種以上及びTi0.05超〜1%、Zr0.05〜1%、
Nb0.05〜1%、Cu0.01〜2%、Mo0.01〜3%、
Mg0.01〜0.5%、Ca0.01〜0.5%、V0.01〜0.5%、
B0.005〜0.2%のうち1種または2種以上、残部
Fe及び不可避的不純物からなるガラス封着用合
金。 8 合金の結晶粒度が粒度番号8.0以上である特
許請求の範囲第7項記載のガラス封着用合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26824084A JPS61147850A (ja) | 1984-12-21 | 1984-12-21 | ガラス封着用合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26824084A JPS61147850A (ja) | 1984-12-21 | 1984-12-21 | ガラス封着用合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61147850A JPS61147850A (ja) | 1986-07-05 |
JPH027387B2 true JPH027387B2 (ja) | 1990-02-16 |
Family
ID=17455845
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26824084A Granted JPS61147850A (ja) | 1984-12-21 | 1984-12-21 | ガラス封着用合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61147850A (ja) |
-
1984
- 1984-12-21 JP JP26824084A patent/JPS61147850A/ja active Granted
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
ANNUAL BOOK OF ASTM STANDARDS=1981 * |
TRANSACTIONS OF THE METALLURGICAL SOCIETY OF AIME=1963 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61147850A (ja) | 1986-07-05 |
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