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JP7479872B2 - 熱伝導性接着用シート、及び半導体装置 - Google Patents

熱伝導性接着用シート、及び半導体装置 Download PDF

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JP7479872B2 JP2020033426A JP2020033426A JP7479872B2 JP 7479872 B2 JP7479872 B2 JP 7479872B2 JP 2020033426 A JP2020033426 A JP 2020033426A JP 2020033426 A JP2020033426 A JP 2020033426A JP 7479872 B2 JP7479872 B2 JP 7479872B2
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Description

本発明は、熱伝導性接着用シート、及び半導体装置に関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、電力用半導体装置が一般産業用途、電鉄用途のみならず車載用途にも広く使用されるようになってきている。特に車載用部品は限られた許容サイズの中で各部品を小さく、軽くすることが車両の性能に直結することから、電力用半導体装置に対してもサイズの縮小化が非常に重要な課題になっている。このような半導体装置は、例えばDBC(Direct Bonded Copper:登録商標)基板のダイパッドに耐熱性の高い高鉛はんだを介して電力用半導体素子を実装していた。しかしながら、鉛を含む有害物質の使用が規制されるようになり、鉛フリー化が求められている。
高鉛はんだ以外の高耐熱の鉛フリー接合材として、ナノオーダーの銀フィラーを融点以下の温度で接合する焼結型の銀ペーストを用いた接合方法が検討されている(例えば、特許文献1参照)。焼結型の銀ペーストは高熱伝導であり、大電流を扱う電力用半導体素子の接合に有効である。しかし、半導体装置の小型化、薄型化の観点から、接合材も薄層になるシート材料が望まれている。
はんだの熱伝導率は一般的に30W/m・Kであるため、その代替えとなるような高い熱伝導性を有するシート材料が求められ、そのようなシート材料も提供されている(例えば、特許文献2参照)。
国際公開第2015/151136号 特表2016-536467号公報
しかしながら、高い熱伝導性を有するシート材料は市場には少ない。これは、シート材料が熱伝導性をはんだ材料並みに発現させようとすると、その反動で冷熱サイクル試験などの信頼性特性が悪化してしまうことがあるためであり、上記特許文献2に記載のシート材料も改善の余地がある。さらには、高い熱伝導特性を発現させるには、シート中に含まれる粒子を焼結させるため、その焼結温度を250℃以上にする必要があるが、有機基板への対応、銅基板の酸化、周辺部材の耐熱性を考慮すると更なる低温(200℃以下)での焼結が求められている。
ところで、ナノサイズの銀粒子を含むシート材料は低温焼結性に優れるが、仮接着性が問題となり、マイクロサイズの銀粒子を含むシート材料はシート性に課題がある。さらに、銀粒子を用いて熱伝導性を発現するには樹脂成分の粘度を低くする必要があり、シート材料のタック性が問題となるが、シート材料のタック性が問題にならない程度の粘度にすると仮接着性が低下する。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、仮接着性及びシート性に優れ、低温焼結条件でも熱伝導性が高く、信頼性に優れた半導体装置を得ることができる高熱伝導性接着用シートにより半導体素子を接合してなる半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、下記の発明により上記課題を解決することを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本願開示は、以下に関する。
[1](A)銀粒子と、(B)熱硬化性樹脂と、(C)バインダー樹脂とを含有する樹脂組成物をシート状に成形してなる熱伝導性接着用シートであって、
前記(A)銀粒子は、平均粒子径10~100nmの一次粒子を含む粒子が凝集した二次粒子であることを特徴とする熱伝導性接着用シート。
[2]前記(A)銀粒子は、150℃~300℃の間の熱膨張係数が正であることを特徴とする上記[1]に記載の熱伝導性接着用シート。
[3]前記(A)銀粒子は、タップ密度が4.0~7.0g/cmである上記[1]又は[2]に記載の熱伝導性接着用シート。
[4]前記(A)銀粒子は、BET法により求めた比表面積が0.5~1.5m/gである上記[1]~[3]のいずれかに記載の熱伝導性接着用シート。
[5]前記(A)銀粒子の平均粒子径が0.5~5.0μmである上記[1]~[4]のいずれかに記載の熱伝導性接着用シート。
[6]前記(B)熱硬化性樹脂は、液状もしくは軟化点が70℃以下の固形材料である上記[1]~[5]のいずれかに記載の熱伝導性接着用シート。
[7]前記(B)熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、マレイミド樹脂及びアクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である上記[1]~[6]のいずれかに記載の熱伝導性接着用シート。
[8]前記(C)バインダー樹脂は、重量平均分子量が200,000~1,000,000であり、ガラス転移温度が-40℃~0℃である上記[1]~[7]のいずれかに記載の熱伝導性接着用シート。
[9]前記樹脂組成物全量に対して、前記(B)熱硬化性樹脂の含有量と前記(C)バインダー樹脂の含有量との合計含有量が5~30質量%であり、前記(A)銀粒子の含有量が30~95質量%である上記[1]~[8]のいずれかに記載の熱伝導性接着用シート。
[10]前記樹脂組成物の硬化後における、弾性率が3GPa以下であり、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下であり、熱膨張係数が-50~-40℃および140℃~150℃において50ppm/℃以下である上記[1]~[9]のいずれかに記載の熱伝導性接着用シート。
[11]前記樹脂組成物を200℃以下で硬化させた硬化物の熱伝導率が30W/m・K以上である上記[1]~[10]のいずれかに記載の熱伝導性接着用シート。
[12]支持部材と、前記支持部材上に設けられた、上記[1]~[11]のいずれかに記載の熱伝導性接着用シートの硬化物と、前記熱伝導性接着用シートの硬化物を介して、前記支持部材上に接合された半導体素子とを有することを特徴とする半導体装置。
本発明によれば、仮接着性及びシート性に優れ、低温焼結条件でも熱伝導性が高く、信
頼性に優れた半導体装置を得ることができる高熱伝導性接着用シートにより半導体素子を
接合してなる半導体装置を提供することができる。
以下、本発明について、一実施形態を参照しながら詳細に説明する。
<熱伝導性接着用シート>
本実施形態の熱伝導性接着用シートは、(A)銀粒子と、(B)熱硬化性樹脂と、(C)バインダー樹脂と、を含有する樹脂組成物をシート状に成形してなり、前記(A)銀粒子が、平均粒子径10~100nmの一次粒子を含む粒子が凝集した二次粒子からなることを特徴とする。
〔(A)銀粒子〕
上記(A)銀粒子は、平均粒子径10~100nmの一次粒子を含む粒子が凝集した二次粒子からなる。(A)銀粒子は、上記平均粒子径を有する一次粒子が凝集した二次粒子からなる銀粒子であってもよく、上記平均粒子径を有する一次粒子と、該平均粒子径よりも大きい平均粒子径を有する粒子とを含む粒子が凝集した二次粒子からなる銀粒子であってもよい。
上記一次粒子の平均粒子径が10nm未満であると比表面積が増大し、シートが脆くなるおそれがあり、100nmを超えると焼結性が低下するおそれがある。このような観点から、上記一次粒子の平均粒子径は、好ましくは10~50nmであり、より好ましくは20~50nmである。
上記一次粒子の平均粒子径は、集束イオンビーム(FIB)装置で切断した球状の銀粒子の断面を電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)で観察することにより測定した200個の銀粒子の粒子径を個数平均することにより求めることができ、具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
上記(A)銀粒子は、更に、焼成温度領域である150℃~300℃の間に正の熱膨張係数をもつ銀粒子からなる。(A)銀粒子の熱膨張係数は、0.2~10.0ppm/℃であってもよく、1.5~8.0ppm/℃であってもよい。
本開示において銀粒子の熱膨張係数を求めるために、ミニ油圧プレス(Specac社製)を用いて、Ag粉銀粒子に対して荷重200kgfを1分間加えて作製された直径5mm、厚さ1mmの円柱型のペレット型試料を作成し、得られた当該試料を熱機械的分析(TMA)装置(セイコーインスツルーメント(株)製、商品名:TMA SS150)を使用して、常温から昇温速度20℃/分で350℃まで昇温する条件にて熱膨張を測定し、25℃のペレット長さを基準とした場合の熱膨張係数が、焼成温度領域である150℃~300℃の間の熱膨張係数を求めた。
また、正の線膨張係数を有する銀粒子の焼結開始温度は、収縮が開始するタイミング、つまり、熱膨張係数が最大になった時点の温度であり、通常、その温度範囲は150~300℃の間である。
熱膨張係数を示すときの温度がこの範囲にあると、熱伝導性接着用シートは焼結時に銀微粒子が膨張することにより銀粒子同士の接触の機会が増える為、焼結性が良好となり高い熱伝導性が得られる。
特に、バインダー樹脂を必須成分として含む熱伝導性接着用シートは、樹脂組成として反応性官能基の割合が少なくなるため、樹脂硬化収縮に伴う体積排除効果が小さいため、銀粒子焼結時における銀粒子同士の接近による焼結促進効果が小さく、また銀粒子の自由度が小さくなることから、正の熱膨張係数をもつ銀粒子を含むことで高い熱伝導性が得られる。
上記(A)銀粒子(二次粒子)の平均粒子径は、好ましくは0.5~5.0μmであり、より好ましくは0.5~3.0μmであり、より好ましくは1.0~3.0μmである。上記二次粒子の平均粒子径が0.5μm以上であると保存安定性が良好となり、5.0μm以下であると焼結性が向上する。
上記二次粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定した粒度分布において積算体積が50%となる粒径(50%粒径D50)のことであり、具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
上記(A)銀粒子のタップ密度は、好ましくは4.0~7.0g/cmであり、より好ましくは4.5~7.0g/cmであり、更に好ましくは4.5~6.5g/cmである。上記(A)銀粒子のタップ密度が、4.0g/cm以上であると樹脂組成物中に銀粒子を高充填することができ、7.0g/cm以下であるとシート作製時において銀粒子の沈降を防止することができる。
上記(A)銀粒子のタップ密度は、タップ密度測定器を用いて測定することができ、具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
上記(A)銀粒子は、BET法により求めた比表面積が好ましくは0.5~1.5m/gであり、より好ましくは0.5~1.2m/gであり、更に好ましくは0.6~1.2m/gである。上記比表面積が、0.5m/g以上であるとシートがべたつくのを抑えることができ、1.5m/g以下であると仮接着性が向上する。
上記(A)銀粒子の比表面積は、比表面積測定装置を用いて、窒素吸着によるBET1点法により測定することができ、具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
(A)銀粒子は、ナノサイズの一次粒子を含む粒子が凝集した二次粒子であることにより、該一次粒子の表面が有する高活性を維持し、低温で二次粒子同士の焼結性(自己焼結性)を有する。また、銀粒子同士の焼結と、銀粒子及び接合部材の焼結とが並行して進む。そのため、(A)銀粒子を用いることにより、熱伝導性及び接着特性に優れた熱伝導性接着用シートを得ることができる。
(A)銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、フレーク状、鱗片等が挙げられ、中でも、球状が好ましい。
また、(A)銀粒子は、中空粒子であってもよく、中実粒子であってもよい。ここで、中空粒子とは、粒子内部に空隙が存在する粒子を意味する。(A)銀粒子が中空粒子の場合、特に、銀粒子の中央部に空隙が存在することが好ましい。また、中実粒子とは、粒子内部に実質的に空間の存在しない粒子を意味する。
((A)銀粒子の製造方法)
(A)銀粒子の製造方法は、特に限定されないが、例えば、銀化合物を含む水溶液にアンモニア水を添加し、銀アンミン錯体溶液を得る工程と、前記工程で得られた銀アンミン錯体溶液中の銀アンミン錯体を還元性化合物によって還元し、銀粒子含有スラリーを得る工程と、前記工程で得られた銀粒子含有スラリーに、有機保護化合物を添加し、該銀粒子に保護基を導入する工程と、を有する。
(銀アンミン錯体溶液を得る工程)
本工程では、銀化合物を含む水溶液にアンモニア水を添加し、銀アンミン錯体溶液を得る。
銀化合物としては、硝酸銀、塩化銀、酢酸銀、シュウ酸銀、酸化銀等が挙げられる。中でも、水への溶解度の観点から、硝酸銀、酢酸銀が好ましい。
アンモニアの添加量は、銀化合物を含む水溶液中の銀1mol当たり好ましくは2~50molであり、より好ましくは5~50molであり、更に好ましくは10~50molである。アンモニアの添加量が上記範囲内であると、一次粒子の平均粒子径を上述の範囲内とすることができる。
このようにして得られる銀アンミン錯体溶液に、平均粒子径0.5~20μmの銀粉を含有させてもよい。
(銀粒子含有スラリーを得る工程)
本工程では、前記工程で得られた銀アンミン錯体溶液中の銀アンミン錯体を還元性化合物によって還元し、銀粒子含有スラリーを得る。
銀アンミン錯体を還元性化合物によって還元することにより、銀アンミン錯体中の銀粒子の一次粒子が凝集し、中央に空隙を有する二次粒子(中空粒子)が形成される。また、前記工程において、銀アンミン錯体溶液に平均粒子径0.5~20μmの銀粉を含有させた場合には、銀粉の周りに銀アンミン錯体中の銀粒子の一次粒子が凝集した二次粒子(中実粒子)が形成される。
銀アンミン錯体中の銀量と、還元性化合物の含有量とを適宜調整することにより、上記一次粒子の凝集を制御することができ、得られる二次粒子の平均粒子径を上述の範囲内とすることができる。
還元性化合物は、銀アンミン錯体を還元し銀を析出させる還元力を有するものであれば、特に限定されない。還元性化合物としては、例えば、ヒドラジン誘導体が挙げられる。
ヒドラジン誘導体としては、例えば、ヒドラジン一水和物、メチルヒドラジン、エチルヒドラジン、n-プロピルヒドラジン、i-プロピルヒドラジン、n-ブチルヒドラジン、i-ブチルヒドラジン、sec-ブチルヒドラジン、t-ブチルヒドラジン、n-ペンチルヒドラジン、i-ペンチルヒドラジン、neo-ペンチルヒドラジン、t-ペンチルヒドラジン、n-ヘキシルヒドラジン、i-ヘキシルヒドラジン、n-ヘプチルヒドラジン、n-オクチルヒドラジン、n-ノニルヒドラジン、n-デシルヒドラジン、n-ウンデシルヒドラジン、n-ドデシルヒドラジン、シクロヘキシルヒドラジン、フェニルヒドラジン、4-メチルフェニルヒドラジン、ベンジルヒドラジン、2-フェニルエチルヒドラジン、2-ヒドラジノエタノール、アセトヒドラジン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
還元性化合物の含有量は、銀アンミン錯体中の銀1mol当たり好ましくは0.25~20molであり、より好ましくは0.25~10molであり、更に好ましくは1.0~5.0molである。還元性化合物の含有量が上記範囲内であると、得られる二次粒子の平均粒子径を上述の範囲内とすることができる。
(銀粒子に保護基を導入する工程)
本工程では、前記工程で得られた銀粒子含有スラリーに、有機保護化合物を添加し、該銀粒子に保護基を導入する。
有機保護化合物としては、例えば、カルボン酸、アミン、アミド等が挙げられる。中でも、分散性を高める観点から、カルボン酸が好ましい。
カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、カプリル酸、オクチル酸、ノナン酸、カプリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等のモノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ジグリコール酸等のジカルボン酸;安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、没食子酸等の芳香族カルボン酸;グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、リンゴ酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、酒石酸、クエン酸、イソクエン酸等のヒドロキシ酸等が挙げられる。
有機保護化合物の配合量は、銀粒子1molに対し、好ましくは1~20mmolであり、より好ましくは1~10mmolであり、更に好ましくは1~5mmolである。有機保護化合物の配合量が1mmol以上であると銀粒子が樹脂中に分散することができ、20mmol以下であると銀粒子が焼結性を損なわず、樹脂中に分散することができる。
上記(A)銀粒子の含有量は、樹脂組成物全量に対して、好ましくは30~95質量%であり、より好ましくは30~80質量%であり、更に好ましくは35~70質量%である。(A)銀粒子の含有量が30質量%以上であると熱伝導率を向上させることができ、95質量%以下であると接着強度を向上させることができる。
〔(B)熱硬化性樹脂〕
(B)熱硬化性樹脂は、一般に接着剤用途として使用される熱硬化性樹脂であれば特に限定されずに使用できる。中でも、液状もしくは軟化点が70℃以下の固形材料であることが好ましく、室温(25℃)で液状である樹脂がより好ましい。上記(B)熱硬化性樹脂としては、接着用途の観点から、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、マレイミド樹脂及びアクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、エポキシ樹脂がより好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂は、グリシジル基を分子内に1つ以上有する化合物であり、加熱によりグリシジル基が反応することで3次元的網目構造を形成し、硬化する樹脂である。グリシジル基は1分子に2つ以上含まれていることが好ましいが、これはグリシジル基が1つの化合物のみでは反応させても十分な硬化物特性を示すことができないからである。グリシジル基を1分子に2つ以上含む化合物は、2つ以上の水酸基を有する化合物をエポキシ化して得ることができる。このような化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノールなどのビスフェノール化合物又はこれらの誘導体、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF、水素添加ビフェノール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジエタノールなどの脂環構造を有するジオール又はこれらの誘導体、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオールなどの脂肪族ジオール又はこれらの誘導体などをエポキシ化した2官能のもの、トリヒドロキシフェニルメタン骨格、アミノフェノール骨格を有する化合物などをエポキシ化した3官能のもの、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂などをエポキシ化した多官能のものなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
上記エポキシ樹脂の中でも、液状エポキシ樹脂及び70℃以下の軟化点をもつ固形エポキシ樹脂が好ましく用いられるが、液状のエポキシ樹脂がより好ましい。ここで、液状エポキシ樹脂とは、常温(25℃)で液状又は半固体状態のエポキシ樹脂をいい、例えば、常温(25℃)で流動性をもつエポキシ樹脂が挙げられる。液状エポキシ樹脂の25℃における粘度は、好ましくは100,000mPa・s以下、より好ましくは10,000~60,000mPa・sである。
なお、上記液状エポキシ樹脂の25℃における粘度は、回転式粘度計により測定することができる。
液状エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、流動性、柔軟性の観点から、好ましくは300~3,000であり、より好ましくは500~1,000である。ここで、本明細書において、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したクロマトグラムを標準ポリスチレンの分子量に換算した値である。
液状エポキシ樹脂としては、ビフェニルアラルキル樹脂が好ましい。なお、ビフェニルアラルキル樹脂は、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂であるが、本実施形態におけるビフェニル骨格には、ビフェニル環のうち少なくとも一方の芳香族環を水素添加してなるものも含まれる。
ビフェニルアラルキル樹脂の具体例としては、例えば、4,4’-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)-3,3’,5,5’-テトラメチルビフェニル、4,4’-(3,3’,5,5’-テトラメチル)ビフェニル、エピクロルヒドリンと4,4’-ビフェノール、または4,4’-(3,3’,5,5’-テトラメチル)ビフェノールのようなビフェノール化合物とを反応させて得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。これらのなかでも、4,4’-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)-3,3’,5,5’-テトラメチルビフェニル、4,4’-(3,3’,5,5’-テトラメチル)ビフェニルのグリシジルエーテルが好ましい。ビフェニルアラルキル樹脂は1種を使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
ビフェニルアラルキル樹脂として使用される市販品を例示すると、例えば、三菱ケミカル(株)製のYX7105等が挙げられる。液状エポキシ樹脂、特にビフェニルアラルキル樹脂の使用により、先述した(A)銀粒子を高充填しても樹脂組成物の溶融粘度を好適な範囲に維持しやすくすることができ、さらに耐熱性に優れた熱伝導性接着用シートを得ることができる。
上記液状エポキシ樹脂と、(A)銀粒子とを組み合わせることにより、割れや剥離等の発生が無くシート性が良好であり、且つ50~80℃において適度なタック性が発現することから仮接着性が良好なものとなる。これは、常温では銀粒子の表面積が液状成分を保持し、仮付け時の温度で樹脂成分が軟化してこのように良好なシート性が発現するものと推定している。
エポキシ樹脂の硬化剤としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、ジシアンジアミド、ジヒドラジド化合物、酸無水物、フェノール樹脂などが挙げられる。芳香族アミンとしては、ジアミノジフェニルメタン、m-フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジエチルトルエンジアミン、トリメチレンビス(4-アミノベンゾエート)、ならびに、ポリテトラメチレンオキシド-ジ-p-アミノベンゾエート、および4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチルジフェニルメタンなどが挙げられる。ジヒドラジド化合物としては、アジピン酸ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、p-オキシ安息香酸ジヒドラジドなどのカルボン酸ジヒドラジドなどが挙げられる。
酸無水物としては、フタル酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、無水マレイン酸とポリブタジエンの反応物、無水マレイン酸とスチレンの共重合体などが挙げられる。中でも特に好ましいのは、スルホンを含有している硬化剤である。
硬化剤の含有量は、上記エポキシ樹脂が有するエポキシ基数(x)に対する硬化剤が有する反応性官能基数(y)の比(y)/(x)が0.3以上1.5以下となる範囲が好ましく、0.5以上1.2以下となる範囲がより好ましい。比(y)/(x)が0.3以上であると、硬化物の信頼性を向上させることができ、比(y)/(x)が1.5以下であると、硬化物の強度を向上させることができる。
さらに、硬化を促進するために硬化促進剤を配合でき、エポキシ樹脂の硬化促進剤としては、イミダゾール類、トリフェニルホスフィン又はテトラフェニルホスフィン及びそれらの塩類、ジアザビシクロウンデセンなどのアミン系化合物及びその塩類などが挙げられる。例えば、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-C11H23-イミダゾール、2-メチルイミダゾールと2,4-ジアミノ-6-ビニルトリアジンとの付加物などのイミダゾール化合物が好適に用いられる。中でも特に好ましいのは融点が180℃以上のイミダゾール化合物である。焼結性が良好となる観点から、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール等の、活性水素を含まないイミダゾールを使用してもよい。
シアネート樹脂は、分子内に-NCO基を有する化合物であり、加熱により-NCO基が反応することで3次元的網目構造を形成し、硬化する樹脂である。具体的に例示すると、1,3-ジシアナトベンゼン、1,4-ジシアナトベンゼン、1,3,5-トリシアナトベンゼン、1,3-ジシアナトナフタレン、1,4-ジシアナトナフタレン、1,6-ジシアナトナフタレン、1,8-ジシアナトナフタレン、2,6-ジシアナトナフタレン、2,7-ジシアナトナフタレン、1,3,6-トリシアナトナフタレン、4,4’-ジシアナトビフェニル、ビス(4-シアナトフェニル)メタン、ビス(3,5-ジメチル-4-シアナトフェニル)メタン、2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジブロモ-4-シアナトフェニル)プロパン、ビス(4-シアナトフェニル)エーテル、ビス(4-シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4-シアナトフェニル)スルホン、トリス(4-シアナトフェニル)ホスファイト、トリス(4-シアナトフェニル)ホスフェート、及びノボラック樹脂とハロゲン化シアンとの反応により得られるシアネート類などが挙げられる。また、これらの多官能シアネート樹脂のシアネート基を三量化することによって形成されるトリアジン環を有するプレポリマーも使用できる。当該プレポリマーは、上記の多官能シアネート樹脂モノマーを、例えば、鉱酸、ルイス酸などの酸、ナトリウムアルコラート、第三級アミン類などの塩基、炭酸ナトリウムなどの塩類を触媒として重合させることにより得られる。
シアネート樹脂の硬化促進剤としては、一般に公知のものが使用できる。例えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、アセチルアセトン鉄などの有機金属錯体、塩化アルミニウム、塩化錫、塩化亜鉛などの金属塩、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミンなどのアミン類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの硬化促進剤は1種を使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
マレイミド樹脂は、1分子内にマレイミド基を1つ以上含む化合物であり、加熱によりマレイミド基が反応することで3次元的網目構造を形成し、硬化する樹脂である。例えば、N,N’-(4,4’-ジフェニルメタン)ビスマレイミド、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、2,2-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンなどのビスマレイミド樹脂が挙げられる。より好ましいマレイミド樹脂は、ダイマー酸ジアミンと無水マレイン酸の反応により得られる化合物、マレイミド酢酸、マレイミドカプロン酸といったマレイミド化アミノ酸とポリオールの反応により得られる化合物である。マレイミド化アミノ酸は、無水マレイン酸とアミノ酢酸又はアミノカプロン酸とを反応させることで得られ、ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ(メタ)アクリレートポリオールが好ましく、芳香族環を含まないものが特に好ましい。
ここで用いるアクリル樹脂とは、分子内に(メタ)アクリロイル基を有する化合物であり、(メタ)アクリロイル基が反応することで3次元的網目構造を形成し、硬化する樹脂である。(メタ)アクリロイル基は分子内に1つ以上含まれていることが好ましい。
アクリル樹脂としては、エポキシ基、アミド基、アミノ基又はヒドロキシル基含有のアクリル樹脂、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレートで(メタ)アクリル基を有するアクリル樹脂が挙げられる。エポキシ基含有アクリル樹脂としては、アリルアリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレートなどを単独、又は共重合して得られるアクリル樹脂が挙げられる。アミド基又はアミノ含有アクリル樹脂としては、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド等を、単独、又は共重合して得られるアクリル樹脂が挙げられる。カルボキシル基含有アクリル樹脂としては、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸等を単独、又は共重合して得られるアクリル樹脂が挙げられる。ヒドロキシル基含有アクリル樹脂としては、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、及び1,4-シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート等を単独、又は共重合して得られるアクリル樹脂が挙げられる。
好ましいアクリル樹脂としては、分子量が100~10000のポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレートで(メタ)アクリル基を有する化合物、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリルアミド、等が挙げられる。
(B)熱硬化性樹脂の含有量は、(A)銀粒子100質量部に対し、好ましくは1~30質量部であり、より好ましくは5~25質量部である。(B)熱硬化性樹脂の含有量が1質量部以上であると熱硬化性樹脂による接着効果を十分に得ることができ、(B)熱硬化性樹脂の含有量が30質量部以下であると銀成分の割合が低下するのを抑制し、高熱伝導性を十分に確保することができ、熱放散性を向上させることができる。
〔(C)バインダー樹脂〕
(C)バインダー樹脂は、樹脂組成物をシート状に加工するための樹脂材料であれば特に限定されずに使用できる。上記(C)バインダー樹脂としては、シリコーンオイル、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ニトリルゴム、アクリルゴムなどが挙げられる。なかでも、シート性が良好であるという観点から、アクリル樹脂が好ましい。これらは1種を使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
(C)バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は200,000~1,000,000が好ましく、400,000~800,000がより好ましい。(C)バインダー樹脂の重量平均分子量が200,000以上であると成膜性が向上し、1,000,000以下であると配合物の粘度が塗膜するのに適する。
また、(C)バインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)は-40℃~0℃であることが好ましく、-30℃~-5℃であることがより好ましい。(C)バインダー樹脂のガラス転移温度が-40℃以上であると、シート表面にタックがなくなり、ハンドリング性が向上し、0℃以下であると成膜性が向上する。
上記ガラス転移温度は、JIS K7121:2012に準拠して測定することができる。
(C)バインダー樹脂の含有量は、(A)銀粒子100質量部に対し、好ましくは5~35質量部であり、より好ましくは10~30質量部である。(C)バインダー樹脂の含有量が5質量部以上であると良好なシートを得ることができ、35質量部以下であると熱伝導性の低下を抑えることができる。
また、上記(B)熱硬化性樹脂の含有量と(C)バインダー樹脂の含有量との合計含有量は、樹脂組成物全量に対して、好ましくは5~30質量%であり、より好ましくは6~25質量%であり、更に好ましくは8~20質量%である。(B)熱硬化性樹脂の含有量と(C)バインダー樹脂の含有量との合計含有量が5質量%以上であると接着強度を向上させることができ、30質量%以下であると高い熱伝導性を維持することができる。
〔希釈剤〕
本実施形態で用いる樹脂組成物は、さらに希釈剤を含有することが作業性の観点から好ましい。希釈剤としては、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、ブチルカルビトール、酢酸セロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、γ-ブチロラクトン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、3,5-ジメチル-1-アダマンタンアミン(DMA)等が挙げられる。これらは1種を使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本実施形態で用いる樹脂組成物が、希釈剤を含有する場合、その含有量は、(A)銀粒子100質量部に対し、好ましくは3~30質量部であり、より好ましくは4~25質量部であり、更に好ましくは4~20質量部である。希釈剤の含有量が、3質量部以上であると希釈により低粘度化することができ、30質量部以下であるとシート中に残る溶剤分が少なく、上記樹脂組成物を硬化させる際のボイドの発生が抑制される。
〔その他の成分〕
本実施形態で用いる樹脂組成物には、以上の各成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合される、カップリング剤、消泡剤、界面活性剤、着色剤(顔料、染料)、各種重合禁止剤、酸化防止剤、無機イオン交換体、その他の各種添加剤を、必要に応じて配合することができる。これらの各添加剤はいずれも1種を使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
上記カップリング剤としては、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、クレイドシラン、ビニルシラン、スルフィドシランなどのシランカップリング剤や、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、アルミニウム/ジルコニウムカップリング剤等が挙げられる。
上記着色剤としては、カーボンブラック等が挙げられる。
上記無機イオン交換体としては、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
上記樹脂組成物の硬化物の弾性率は、好ましくは3GPa以下であり、より好ましくは2.8GPa以下である。
上記樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは0℃以下であり、より好ましくは-6℃以下である。
上記樹脂組成物の硬化物の熱膨張係数は、-50~-40℃および140℃~150℃において50ppm/℃以下であることが好ましく、48ppm/℃以下であることがより好ましい。
上記弾性率、ガラス転移温度及び熱膨張係数は、いずれも実施例に記載の方法により測定することができる。
上記樹脂組成物を200℃以下で硬化させた硬化物の熱伝導率は、好ましくは30W/mK以上であり、より好ましくは32W/mK以上である。
上記熱伝導率は実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の熱伝導性接着用シートは、熱伝導性が求められる用途、特に半導体接着用途に有用な接着用シート材料に好適である。特に、素子の発熱時においても、良好な熱伝導性が維持される。
<熱伝導性接着用シートの製造方法>
本実施形態の熱伝導性接着用シートの製造方法としては、例えば、(A)銀粒子と、(B)熱硬化性樹脂と、(C)バインダー樹脂とを混合して樹脂組成物とし、該樹脂組成物をシート状に成形する方法が挙げられる。
なお、本実施形態の熱伝導性接着用シートは、支持フィルム上に形成されてもよい。
上記樹脂組成物は、(A)銀粒子と、(B)熱硬化樹脂と、(C)バインダー樹脂と、その他必要に応じて配合される各種成分とをディスパース、ニーダー、自公転ミキサー等によって十分に混合することにより調製することができる。
上記(A)エポキシ樹脂、(B)熱硬化樹脂、(C)バインダー樹脂、及びその他必要に応じて配合される各種成分は、それぞれ上記<熱伝導性接着用シート>の項で説明したものを用いることができる。
次に、上記樹脂組成物を支持フィルム上に塗工し、乾燥してシート状に成形する。塗工方法としては公知の方法、例えば、グラビア塗工方式、ダイコート方式、コンマコート方式、リップ塗工方式、キャップコート方式、スクリーン印刷方式等が挙げられる。乾燥温度は、70℃~120℃であることが好ましく、80℃~100℃であることがより好ましい。乾燥温度が70℃以上であるとシート中に残る溶剤分が少なく、上記樹脂組成物を硬化させる際のボイドの発生が抑制され、120℃以下であると成膜性が高く、ハンドリングしやすくなる。塗工装置の具体例としては、(株)康井精機製のμコート350が挙げられる。
支持フィルムとしては、片面に離型剤層を設けた、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアクリロニトリル等のプラスチックフィルムが使用される。
支持フィルムの厚みは、ハンドリング性の観点から、通常10~50μmであり、好ましくは25~38μmである。
熱伝導性接着用シートの厚みは、好ましくは10~100μmであり、より好ましくは10~50μmである。熱伝導性接着用シートの厚みを10μm以上とすることで、シートのハンドリング性が安定し、100μm以下とすることで、シート中の残留溶剤によるタックを減らすことができる。
<半導体装置>
本実施形態の半導体装置は、支持部材と、該支持部材上に設けられた、上述の熱伝導性接着用シートの硬化物と、該熱伝導性接着用シートの硬化物を介して、上記支持部材上に接合された半導体素子とを有することを特徴とする。
本実施形態の半導体装置は、例えば、シリコンチップの接合面等に、温度50~80℃、圧力0.1~1MPa、加熱加圧時間0.1~1分の条件で仮付けした後、銅フレーム等の支持部材にマウントし、温度80℃~200℃、圧力0.1~5MPa、加熱加圧時間0.1~1分の条件で加熱加圧圧着し、さらに150~200℃で0.5~2時間加熱、硬化することにより製造することができる。
支持部材としては、例えば、銅フレーム、アルミニウムや鉄板などの金属基板、セラミック基板、ガラスエポキシ基板等が挙げられる。
半導体素子としては、例えば、IC、LSI、ダイオード、サイリスタ、トランジスタ等が挙げられる。
次に実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
(銀粒子の製造)
[合成例1]
40gの硝酸銀を10Lのイオン交換水に溶解させ、硝酸銀水溶液を調製し、これに濃度26質量%のアンモニア水203mLを添加して撹拌することにより銀アンミン錯体水溶液を得た。この水溶液を液温10℃とし、撹拌しながら20質量%のヒドラジン一水和物水溶液28mLを60秒間かけて滴下し、銀粒子を析出させ、銀粒子含有スラリーを得た。このスラリー中に、銀量に対して1質量%のオレイン酸を加え10分間撹拌した。このスラリーを濾過し、濾物を、水洗、メタノール洗浄を行い、60℃、24時間真空雰囲気で乾燥して、一次粒子の平均粒子径:20nm、二次粒子の平均粒子径:1.1μm、タップ密度:5.2g/cm、比表面積:1.2m/gの銀粒子を得た。
なお、得られた銀粒子の断面を電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)(JEOL社製のJSM-6700F)で観察したところ、該銀粒子は、中央に空隙を有する中空粒子であることを確認した。
[合成例2]
40gの硝酸銀を10Lのイオン交換水に溶解させ、硝酸銀水溶液を調製し、これに濃度26質量%のアンモニア水203mLを添加して撹拌することにより銀アンミン錯体水溶液を得た。この水溶液を液温10℃とし、撹拌しながら20質量%のヒドラジン一水和物水溶液18mLを60秒間かけて滴下し、銀粒子を析出させ、銀粒子含有スラリーを得た。このスラリー中に、銀量に対して1質量%のオレイン酸を加え10分間撹拌した。このスラリーを濾過し、濾物を水洗、メタノール洗浄を行い、60℃、24時間真空雰囲気で乾燥して、一次粒子の平均粒子径:20nm、二次粒子の平均粒子径:1.5μm、タップ密度5.4g/cm、比表面積:1.1m/gの銀粒子を得た。
[合成例3]
40gの硝酸銀を10Lのイオン交換水に溶解させ、硝酸銀水溶液を調製し、これに濃度26質量%のアンモニア水203mLを添加して撹拌することにより銀アンミン錯体水溶液を得た。この水溶液を液温10℃とし、撹拌しながら20質量%のヒドラジン一水和物水溶液12mLを60秒間かけて滴下し、銀粒子を析出させ、銀粒子含有スラリーを得た。このスラリー中に、銀量に対して1質量%のオレイン酸を加え10分間撹拌した。このスラリーを濾過し、濾物を、水洗、メタノール洗浄を行い、60℃、24時間真空雰囲気で乾燥して、一次粒子の平均粒子径:20nm、二次粒子の平均粒子径:2.6μm、タップ密度:5.0g/cm、比表面積:1.0m/gの銀粒子を得た。
[合成例4]
40gの硝酸銀を10Lのイオン交換水に溶解させ、硝酸銀水溶液を調製し、これに濃度26質量%のアンモニア水203mLを添加して撹拌することにより銀アンミン錯体水溶液を得た。この水溶液に銀粉(製品名:Ag-HWQ 1.5μm、福田金属箔粉工業(株)製)50gを投入し、銀粉分散銀アンミン錯体水溶液とした。これを液温10℃とし、撹拌しながら20質量%のヒドラジン一水和物水溶液28mLを60秒間かけて滴下し、銀粉の表面に銀を析出させ、銀粒子含有スラリーを得た。このスラリー中に、銀量に対して1質量%のオレイン酸を加え10分間撹拌した。このスラリーを濾過し、濾物を水洗、メタノール洗浄を行い、60℃、24時間真空雰囲気で乾燥して、一次粒子の平均粒子径:20nm、二次粒子の平均粒子径:1.9μm、タップ密度:5.7g/cm、比表面積:1.0m/gの銀粒子を得た。
なお、得られた銀粒子の断面を電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)(JEOL社製のJSM-6700F)で観察したところ、該銀粒子は、銀粉の周りに銀が凝集し、粒子内部に実質的に空間の存在しない中実粒子であることを確認した。
合成例1~4で得られた銀粒子について下記の方法で評価した。
[一次粒子の平均粒子径]
一次粒子の平均粒子径の測定には、上記各合成例で得られた銀アンミン錯体水溶液1020mLに20質量%のヒドラジン一水和物水溶液2.8mLを60秒間かけて滴下して、固液分離し、得られた固形物を純水で洗浄し、60℃、24時間真空雰囲気で乾燥して得られた銀粒子を用いた。
一次粒子の平均粒子径は、集束イオンビーム(FIB)装置(JEOL社製のJEM-9310FIB)で切断した球状の銀粒子の断面を電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)(JEOL社製のJSM-6700F)で観察することにより測定した200個の銀粒子の粒子径を個数平均することにより求めた。
[二次粒子の平均粒子径]
二次粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置((株)島津製作所製、商品名:SALAD-7500nano)を用いて測定した粒度分布において積算体積が50%となる粒径(50%粒径D50)から求めた。
[熱膨張係数]
銀粒子は、ミニ油圧プレス(Specac社製)を用いて、銀粒子に対して荷重200kgfを1分間加えて作製された直径5mm、厚さ1mmの円柱型のペレット型試料を得た。当該試料を熱機械的分析(TMA)装置(セイコーインスツルーメント(株)製、商品名:TMA SS150)を使用し、常温から昇温速度20℃/分で350℃まで昇温する条件にて熱膨張を測定し、25℃のペレット長さ基準とした場合の熱膨張係数求め、焼成温度領域である150℃~300℃の間において最大となる熱膨張係数を最大熱膨張係数とした。
[タップ密度]
タップ密度(TD)は、タップ密度測定器(Tap-Pak Volumeter、Thermo Scientific社製)にて、振動させた容器内の銀粒子の単位体積当たりの質量(単位:g/cm)として測定した。
[比表面積]
比表面積は、60℃で10分間脱気した後、比表面積測定装置(モノソーブ、カンタクローム(Quanta Chrome)社製)を用いて、窒素吸着によるBET 1点法により測定した。
(実施例1~8、比較例1~7)
(1)樹脂組成物の調製
表1に記載の種類及び配合量の各成分を25℃で自公転ミキサー((株)シンキー製、型番:ARV-310)を用いて混合し、樹脂組成物を調製した。
なお、表1中、空欄は配合なしを表す。
(2)熱伝導性接着用シートの作製
(株)康井精機製のμコート350を用いて、上記樹脂組成物を、離型フィルム(東洋紡(株)製、商品名:TN-200、厚さ25μm)の一方の離型面上に供給しながらグラビア塗工方式にて、厚さ20μmの熱伝導性接着用シートを形成した。なお、乾燥条件は、温度80℃、速度1m/分で行った。
樹脂組成物の調製に使用した表1に記載の各成分の詳細は以下のとおりである。
〔(A)銀粒子〕
・(A1):合成例1で得られた銀粒子(一次粒子の平均粒子径:20nm、二次粒子の平均粒子径:1.1μm、最大熱膨張係数:+5.5ppm/℃、タップ密度:5.2g/cm、比表面積:1.2m/g)
・(A2):合成例2で得られた銀粒子(一次粒子の平均粒子径:20nm、二次粒子の平均粒子径:1.5μm、最大熱膨張係数:+7.4ppm/℃、タップ密度5.4g/cm、比表面積:1.1m/g)
・(A3):合成例3で得られた銀粒子(一次粒子の平均粒子径:20nm、二次粒子の平均粒子径:2.6μm、最大熱膨張係数:+7.0ppm/℃、タップ密度:5.0g/cm、比表面積:1.0m/g、)
・(A4):合成例4で得られた銀粒子(一次粒子の平均粒子径:20nm、二次粒子の平均粒子径:1.9μm、最大熱膨張係数:+2.5ppm/℃、タップ密度:5.7g/cm、比表面積:1.0m/g)
〔(A)成分以外の銀粒子〕
・TC-505C((株)徳力本店製、商品名、平均粒子径:1.93μm、最大熱膨張係数:-0.1ppm/℃、タップ密度:6.25g/cm、比表面積:0.65m/g)
・Ag-HWQ 1.5μm(福田金属箔粉工業(株)製、商品名、平均粒子径:1.8μm、最大熱膨張係数:-0.6ppm/℃、タップ密度:3.23g/cm、比表面積:0.5m/g)
・AgC-221PA(福田金属箔粉工業(株)製、商品名、平均粒子径:7.5μm、最大熱膨張係数:-0.1ppm/℃、タップ密度:5.7g/cm、比表面積:0.3m/g)
・DOWA Ag nano powder-1(DOWAエレクトロニクス(株)製、商品名、平均粒子径:20nm、最大熱膨張係数:-0.1ppm/℃)
〔(B)熱硬化性樹脂〕
・エポキシ樹脂(三菱ケミカル(株)製、商品名、YX7105、液状(25℃における粘度:45,000mPa・s))
・エポキシ樹脂(三菱化学(株)製、商品名、jER1001、固形(軟化点65℃))
・エポキシ樹脂(三菱化学(株)製、商品名、jER1009、固形(軟化点140℃))
・アクリル樹脂:ヒドロキシエチルアクリルアミド(KJケミカルズ(株)製、HEAA(登録商標))
・硬化剤:ジアミノジフェニルスルホン(三井化学ファイン(株)製、商品名、4,4-DAS)
〔(C)バインダー樹脂〕
・アクリルバインダー(日本カーバイド工業(株)製、商品名、ニッセツ、重量平均分子量500,000、ガラス転移温度-10℃)
・アクリルバインダー(日本カーバイド工業(株)製、商品名、ニッセツ、重量平均分子量100,000、ガラス転移温度0℃)
〔希釈剤〕
・メチルエチルケトン(三協化学(株)製)
〔その他の成分〕
・硬化促進剤:イミダゾール系(四国化成工業(株)製、商品名、キュアゾール 2P4MHZ-PW)
・硬化剤:ジクミルパーオキシド(日油(株)性、商品名、パークミル(登録商標)D)
以下に示す測定条件により、実施例1~7、及び比較例1~5で得られた離型フィルムの片面に熱伝導性接着用シートを形成した接着シート(以下、単に接着シートともいう)を用いて、熱伝導性接着用シートの特性の測定、及び評価を行った。評価結果を表1に示した。
<評価項目>
(1)シート性
接着シートを180度折り曲げて、目視観察を行い下記の基準により評価した。
〇:折り曲げた接着シートの熱伝導性接着用シート同士が接着せず、曲げた箇所に割れがなかった
×:折り曲げた接着シートの熱伝導性接着用シート同士が接着した、又は曲げた箇所に割れが発生した
(2)仮接着性
6mm×6mmのシリコンチップ及び接合面に金蒸着層を設けた裏面金チップに、接着シートの熱伝導性接着用シート側の面を65℃、1秒、圧力1MPaの条件で圧着したとき、貼り付け可能な場合を○、貼り付け不能な場合を×として判定した。
(3)弾性率
熱伝導性接着用シートを200℃で2時間硬化させ、縦55cm×横1cm×厚さ20μmのサイズに切り出しサンプルを作製し、該サンプルを熱機械分析装置(セイコーインスツル(株)製、装置名:DMA)にて-50℃から300℃まで毎分10℃昇温させて、25℃の弾性率を測定した。
(4)ガラス転移温度(Tg)
熱伝導性接着用シートを200℃で2時間硬化させ、縦55cm×横1cm×厚さ20μmのサイズに切り出しサンプルを作製し、該サンプルを熱機械分析装置(セイコーインスツル(株)製、装置名:DMA)にて-50℃から300℃まで毎分10℃昇温させて、ガラス転移温度を測定した。
(5)熱膨張係数
熱伝導性接着用シートを200℃で2時間硬化させ、縦3cm×横0.5cm×厚さ20μmのサイズに切り出しサンプルを作製し、該サンプルを熱機械分析装置(セイコーインスツル(株)製、装置名:TMA/SS)にて-50℃から200℃まで毎分10℃昇温させて、-50℃~-40℃間、140℃~150℃間のサンプルの変形量を熱膨張係数として測定した。
(6)熱伝導率(200℃硬化)
熱伝導性接着用シートを200℃で2時間硬化させ、縦1cm×横1cm×厚さ20μmのサイズに切り出しサンプルを作製した。該サンプルの熱伝導率を、熱伝導率計(アドバンス理工(株)製、装置名:TC7000)を用いてJIS R 1611:1997に従い、レーザーフラッシュ法により測定した。
なお、熱伝導率が30W/m・K以上を合格とした。
(7)熱伝導率(300℃硬化)
熱伝導性接着用シートを300℃で2時間硬化させ、縦1cm×横1cm×厚さ20μmのサイズに切り出しサンプルを作製した。該サンプルの熱伝導率を、熱伝導率計(アドバンス理工(株)製、装置名:TC7000)を用いてJIS R 1611:1997に従い、レーザーフラッシュ法により測定した。
なお、熱伝導率が150W/m・K以上を合格とした。
(8)熱時接着強度
6mm×6mmのシリコンチップ及び接合面に金蒸着層を設けた裏面金チップに、接着シートの熱伝導性接着用シート側の面を65℃、1秒、圧力1MPaの条件で仮付けした後、該接着シートの離型フィルムを剥がし、熱伝導性接着用シートの裏面金チップを仮付けした面とは反対側の面を無垢の銅フレームにマウントし、125℃、5秒、圧力0.1MPaで加熱加圧圧着し、さらに180℃のオーブンで1時間硬化させ、サンプルを作製した。マウント強度測定装置(Besi製、装置名:2200 EVO -plus)を用い、上記サンプルの260℃での熱時ダイシェア強度を測定した。
(9)信頼性試験(冷熱サイクル)
(8)にて作製したサンプルを冷熱サイクル試験機内で、-55℃から150℃まで昇温し、次いで、-55℃に冷却する操作を1サイクルとし、これを1000サイクル、試験を行い、不良(剥離不良)の発生率を調べた(試料数=20)。
(A)銀粒子を含む樹脂組成物をシート状に成形してなる熱伝導性接着用シートを用いた実施例1~8は、いずれも仮接着性及びシート性に優れ200℃以下の低温焼結条件でも熱伝導性が高く、信頼性に優れた半導体装置を得ることができる。

Claims (12)

  1. (A)銀粒子と、(B)熱硬化性樹脂と、(C)バインダー樹脂とを含有する樹脂組成物をシート状に成形してなる熱伝導性接着用シートであって、
    前記(A)銀粒子は、平均粒子径10~100nmの一次粒子を含む粒子が凝集した中空の二次粒子であり、
    前記(B)熱硬化性樹脂は、液状もしくは軟化点が70℃以下の固形材料であり、
    (B)熱硬化性樹脂の含有量は、(A)銀粒子100質量部に対し、1~30質量部であり、(C)バインダー樹脂の含有量は、(A)銀粒子100質量部に対し、5~35量部であり、上記(B)熱硬化性樹脂の含有量と(C)バインダー樹脂の含有量との合計含有量は、樹脂組成物全量に対して、5~30質量%であることを特徴とする熱伝導性接着用シート。
  2. 前記(A)銀粒子は、二次粒子の平均粒子径が0.5~5.0μmである請求項1に記載の熱伝導性接着用シート。
  3. 前記(A)銀粒子は、150℃~300℃の間の熱膨張係数が正であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱伝導性接着用シート。
  4. 前記(A)銀粒子は、タップ密度が4.0~7.0g/cmである請求項1~のいずれかに記載の熱伝導性接着用シート。
  5. 前記(A)銀粒子は、BET法により求めた比表面積が0.5~1.5m/gである請求項1~のいずれかに記載の熱伝導性接着用シート。
  6. 前記(A)銀粒子は、平均粒子径が0.5~5.0μmである請求項1~のいずれかに記載の熱伝導性接着用シート。
  7. 前記(B)熱硬化性樹脂は、液状もしくは軟化点が70℃以下の固形材料である請求項1~のいずれかに記載の熱伝導性接着用シート。
  8. 前記(B)熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、マレイミド樹脂及びアクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1~のいずれかに記載の熱伝導性接着用シート。
  9. 前記(C)バインダー樹脂は、重量平均分子量が200,000~1,000,000であり、ガラス転移温度が-40℃~0℃である請求項1~のいずれかに記載の熱伝導性接着用シート。
  10. 前記樹脂組成物の硬化後における、弾性率が3GPa以下であり、ガラス転移温度(T
    g)が0℃以下であり、熱膨張係数が-50~-40℃および140℃~150℃において50ppm/℃以下である1~のいずれかに記載の熱伝導性接着用シート。
  11. 前記樹脂組成物を200℃以下で硬化させた硬化物の熱伝導率が30W/m・K以上である請求項1~10のいずれかに記載の熱伝導性接着用シート。
  12. 支持部材と、前記支持部材上に設けられた、請求項1~11のいずれかに記載の熱伝導性接着用シートの硬化物と、前記熱伝導性接着用シートの硬化物を介して、前記支持部材上に接合された半導体素子とを有することを特徴とする半導体装置。
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