グルココルチコイド受容体アゴニストイムノコンジュゲート、グルココルチコイド受容体アゴニスト、及びこれらを作製して使用する方法が、本明細書において提供される。
用語「抗TNFアルファタンパク質」とは、(i)TNFアルファに結合することができるタンパク質、並びに(ii)補体の存在下で、可溶性TNFアルファが細胞表面TNF受容体(p55及び/又はp75)に結合するのを阻害することができる、及び/又は表面TNFアルファ若しくはTNFアルファ受容体を発現する細胞をインビトロで溶解することができるタンパク質を指す。抗TNFアルファタンパク質には、例えば、抗TNF抗体又はこの抗原結合断片(例えば、アダリムバブ又はインフリキシマブ)、及び可溶性TNF受容体(例えば、エタネルセプト)が含まれる。
本明細書において使用する場合、用語「抗体」(単数及び複数)は、当分野の用語であり、本明細書において互換的に使用され得、抗原に特異的に結合する抗原結合部位を有する分子を指す。
用語「抗体」は、免疫グロブリン分子であって、該免疫グロブリン分子の可変領域内の少なくとも1つの抗原認識部位により、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、又は上述の組合せ物のような標的を認識して特異的に結合する免疫グロブリン分子を意味する。本明細書において使用する場合、用語「抗体」は、抗体が所望の生物活性を示す限り、無傷ポリクローナル抗体、無傷モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、抗体を含む融合タンパク質、及び任意の他の修飾免疫グロブリン分子を包含する。抗体は、免疫グロブリンの5種の主要なクラス:それぞれ、アルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ及びミューと呼ばれる、重鎖定常ドメインそのものに基づいて、IgA、IgD、IgE、IgG及びIgM、又はこれらのサブクラス(アイソタイプ)(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)のいずれかとすることができる。免疫グロブリンの異なるクラスは、異なる周知のサブユニット構造及び三次元立体配置を有する。抗体は、修飾されていなくてもよく(naked)、又は毒素、放射性同位体のような他の分子にコンジュゲートされていてもよい。本明細書において使用する場合、用語「抗体」は、二重特異性抗体及び多重特異的抗体を包含する。
用語「抗体断片」は、無傷抗体の一部分を指す。「抗原結合断片」は、抗原に結合する無傷抗体の一部分を指す。抗原結合断片は、無傷抗体の抗原決定可変領域を含有することができる。抗体断片の例には、以下に限定されないが、Fab、Fab’、F(ab’)2及びFv断片、線状抗体及び一本鎖抗体が含まれる。「抗原結合断片」は、二重特異性抗原結合断片又は多重特異性抗原結合断片とすることができる。
「遮断」抗体又は「アンタゴニスト」抗体は、TNFアルファのような、この抗体が結合する抗原の生物活性を阻害又は低減するものである。一部の実施形態において、遮断抗体又はアンタゴニスト抗体は、実質的に又は完全に抗原の生物活性を阻害する。生物活性は、10%、20%、30%、50%、70%、80%、90%、95%低減され得、又は100%も低減されることさえあり得る。
用語「抗TNFアルファ抗体」又は「TNFアルファに結合する抗体」とは、抗体が診断剤及び/又は治療剤として、TNFアルファを標的とすることに有用となるよう、十分な親和性でTNFアルファに結合することができる抗体を指す。無関係の非TNFアルファタンパク質への抗TNFアルファ抗体の結合度は、例えば、放射免疫アッセイ(RIA)によって測定すると、抗体のTNFアルファへの結合の約10%未満となり得る。ある種の実施形態において、TNFアルファに結合する抗体は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM又は≦0.1nMの解離定数(Kd)を有する。
「モノクローナル」抗体又はこの抗原結合断片とは、単一抗原決定基若しくはエピトープの高度に特異的な認識及び結合に関与する、均質抗体又は抗原結合断片集団を指す。これは、様々な抗原決定基に特異的な様々な抗体を通常、含む、ポリクローナル抗体と対照的である。用語「モノクローナル」抗体又はこの抗原結合断片は、無傷モノクローナル抗体と完全長モノクローナル抗体との両方、及び抗体断片(Fab、Fab’、F(ab’)2、Fvのような)、一本鎖(scFv)変異体、抗体部分を含む融合タンパク質、及び抗原認識部位を含む任意の他の修飾免疫グロブリン分子を包含する。さらに、「モノクローナル」抗体又はこの抗原結合断片は、以下に限定されないが、ハイブリドーマ、ファージ選択、組換え発現及びトランスジェニック動物による任意の数の方法で作製されたこのような抗体及びこの抗原結合断片を指す。
用語「ヒト化」抗体又はこの抗原結合断片とは、最小限の非ヒト(例えば、マウス)配列を含有する、特異的な免疫グロブリン鎖、キメラ免疫グロブリン又はこれらの断片である、非ヒト(例えば、マウス)抗体又は抗原結合断片の形態を指す。通常、ヒト化抗体又はこの抗原結合断片は、相補性決定領域(CDR)に由来する残基が、所望の特異性、親和性及び能力(「CDRグラフト化」)を有する、非ヒト種(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ハムスター)のCDRに由来する残基により置き換えられた、ヒト免疫グロブリンである(Jonesら、Nature 321巻:522〜525頁(1986年);Riechmannら、Nature 332巻:323〜327頁(1988年);Verhoeyenら、Science 239巻:1534〜1536頁(1988年))。一部の例において、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基は、所望の特異性、親和性及び能力を有する非ヒト種に由来する抗体又は断片中の対応する残基により置き換えられている。ヒト化抗体又はこの抗原結合断片は、Fvフレームワーク領域中及び/又は置き換えられた非ヒト残基内のどちらかにおいて、追加の残基の置換によりさらに修飾されて、抗体又はこの抗原結合断片の特異性、親和性及び/若しくは能力を改善並びに最適化することができる。一般に、ヒト化抗体又はこの抗原結合断片は、非ヒト免疫グロブリンに対応する、CDR領域のすべて若しくは実質的にすべてを含有する、少なくとも1つの、通常、2つ又は3つの可変ドメインの実質的にすべてを含む一方、FR領域のすべて又は実質的にすべては、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである。ヒト化抗体又はこの抗原結合断片はまた、免疫グロブリン定常領域又はドメイン(Fc)の少なくとも一部、通常、ヒト免疫グロブリンの一部を含むことができる。ヒト化抗体を生成するために使用される方法の例は、米国特許第5,225,539号;Roguskaら、Proc.Natl.Acad.Sci.、USA、91巻(3号):969〜973頁(1994年)及びRoguskaら、Protein Eng.9巻(10号):895〜904頁(1996年)に記載されている。一部の実施形態において、「ヒト化抗体」は、再表面化抗体(resurfaced antibody)である。
抗体の「可変領域」は、単独の、又は組み合わされた、抗体軽鎖の可変領域又は抗体重鎖の可変領域を指す。重鎖及び軽鎖の可変領域はそれぞれ、超可変領域としても知られている、3つの相補性決定領域(CDR)により結合されている、4つのフレームワーク領域(FR)からなる。各鎖におけるCDRは、FRにより一緒に非常に接近して保持されており、他の鎖に由来するCDRと共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与している。CDRを決定するため、少なくとも2つの技法:(1)種間配列変化に基づく手法(すなわち、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest(第5版、1991年、米国国立衛生研究所、Bethesda Md.))、及び(2)抗原−抗体複合体の結晶学的検討に基づく手法(Al−lazikaniら(1997年)J.Molec.Biol.273巻:927〜948年))が存在する。さらに、時として、これらの2つの手法の組合せが当分野において使用されて、CDRを決定する。
Kabatの番号付けシステムは、可変ドメインにおける残基を参照する際に、一般に使用される(およそ、軽鎖の残基1〜107、及び重鎖の残基1〜113)(例えば、Kabatら、Sequences of Immunological Interest.第5版 Public Health Service、米国国立衛生研究所、Bethesda,Md.(1991年))。特に明示的に示さない限り、本明細書において使用される番号付けシステムは、Kabatの番号付けシステムである。
Kabatと同様にアミノ酸の位置の番号付けは、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版.Public Health Service、米国国立衛生研究所、Bethesda,Md.(1991年)における、抗体の編集物の重鎖可変ドメイン又は軽鎖可変ドメインに使用される番号付けシステムを指す。この番号付けシステムを使用して、実際の線状アミノ酸配列は、可変ドメインのFR又はCDRの短縮化、又はこれらへの挿入に対応する、少量の又は追加のアミノ酸を含有することができる。例えば、重鎖可変ドメインは、H2の残基52の後に、単一アミノ酸挿入物(Kabatによる残基52a)、及び重鎖FR残基82の後に、挿入された残基(例えば、kabatによる、残基82a、82b及び82cなど)を含むことができる。残基のKabat番号付けは、「標準的な」Kabat番号付け配列による、抗体の配列の相同性の領域における、アライメントにより与えられた抗体について決定され得る。Chothiaは、代わりに、構造的ループの位置を指す(Chothia及びLesk J.Mol.Biol.196巻:901〜917頁(1987年))。Kabat番号付けの慣習を使用して番号付けした場合、ChothiaのCDR−H1ループの端部は、該ループの長さに応じて、H32とH34との間で変わる(これは、Kabatの番号付けスキームは、H35A及びH35Bにおける挿入と見なし、35Aも35Bも存在しない場合、ループは32が末端となり、35Aしか存在しない場合、ループは33が末端となり、35Aと35Bの両方が存在する場合、ループは34が末端となるからである)。AbM超可変領域は、KabatのCDRとChothiaの構造的ループとの間の中間となり、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアによって使用される。
ある種の態様において、抗体又はこの抗原結合断片のCDRは、Chothiaの番号付けスキームに従って決定され得、この番号付けスキームは、免疫グロブリン構造的ループの位置を指す(例えば、Chothia C&Lesk AM、(1987年)、J Mol Biol 196巻:901〜917頁;Al−Lazikani Bら、(1997年)J Mol Biol 273巻:927〜948頁;Chothia Cら、(1992年)J Mol Biol 227巻:799〜817頁;Tramontano Aら、(1990年)J Mol Biol 215巻(1号):175〜82頁;及び米国特許第7,709,226号を参照されたい)。通常、Kabatの番号付け慣習を使用する場合、ChothiaのCDR−H1ループは、重鎖アミノ酸26〜32、33又は34に存在しており、ChothiaのCDR−H2ループは、重鎖アミノ酸52〜56に存在しており、ChothiaのCDR−H3ループは、重鎖アミノ酸95〜102に存在している一方、ChothiaのCDR−L1ループは、軽鎖アミノ酸24〜34に存在しており、ChothiaのCDR−L2ループは、軽鎖アミノ酸50〜56に存在しており、ChothiaのCDR−L3ループは、軽鎖アミノ酸89〜97に存在している。Kabat番号付けの慣習を使用して番号付けした場合、ChothiaのCDR−H1ループの端部は、該ループの長さに応じて、H32とH34との間で変わる(これは、Kabatの番号付けスキームは、H35A及びH35Bにおける挿入と見なし、35Aも35Bも存在しない場合、ループは32が末端となり、35Aしか存在しない場合、ループは33が末端となり、35Aと35Bの両方が存在する場合、ループは34が末端となるからである)。
ある種の態様において、抗体又はこの抗原結合断片のCDRは、Lefranc M−P、(1999年)The Immunologist 7巻:132〜136頁及びLefranc M−Pら、(1999年)Nucleic Acids Res 27巻:209〜212頁に記載されている、IMGT番号付けシステムに従って決定することができる。IMGTの番号付けスキームによれば、VH−CDR1は26〜35位に存在し、VH−CDR2は51〜57位に存在し、VH−CDR3は93〜102位に存在し、VL−CDR1は27〜32位に存在し、VL−CDR2は50〜52位に存在し、VL−CDR3は89〜97位に存在する。
ある種の態様において、抗体又はこの抗原結合断片のCDRは、MacCallum RMら、(1996年)J Mol Biol 262巻:732〜745頁に従って決定され得る。同様に、Antibody Engineering、Kontermann及びDubel(編)、第31章、422〜439頁、Springer−Verlag、Berlin(2001年)における、Martin A.「Protein Sequence and Structure Analysis of Antibody Variable Domains」を参照されたい。
ある種の態様において、抗体又はこの抗原結合断片のCDRは、AbM番号付けスキームに従って決定され得、この番号付けスキームは、KabatのCDRとChothiaの構造的ループの間の中間となるAbM超可変領域を指し、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェア(Oxford Molecular Group,Inc.)により使用される。
用語「ヒト」抗体は、ヒトにより産生される抗体、又は当分野において公知の技法のいずれかを使用して作製された、ヒトにより産生される抗体に相当するアミノ酸配列を有する抗体を意味する。ヒト抗体のこの定義には、例えばマウス軽鎖及びヒト重鎖ポリペプチドを含む抗体のような、少なくとも1つのヒト重鎖及び/又は軽鎖ポリペプチドを含む、無傷若しくは完全長抗体、この断片、及び/又は抗体が含まれる。
用語「キメラ」抗体は、免疫グロブリン分子のアミノ酸配列が2種以上の種から誘導された、抗体を指す。通常、軽鎖と重鎖の両方の可変領域は、所望の特異性、親和性及び能力を有する、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギなど)の1種の種から誘導された抗体の可変領域に相当する一方、定常領域は、別の種(通常ヒト)から誘導された抗体における配列と相同性となって、その種における免疫応答の誘発を回避する。
用語「エピトープ」又は「抗原決定基」は、本明細書において互換的に使用され、特定の抗体によって認識されて特異的に結合されることができる抗原のこのような一部を指す。抗原がポリペプチドである場合、エピトープは、連続的アミノ酸と、タンパク質の三次フォールディングにより並ぶ非連続的なアミノ酸との両方から形成され得る。連続的なアミノ酸から形成されるエピトープは、通常、タンパク質変性時に保持される一方、三次フォールディングにより形成されるエピトープは、通常、タンパク質変性時に失われる。エピトープは、典型的に、特有の空間的立体配置に、少なくとも3つ、より一般に、少なくとも5つ又は8〜10のアミノ酸を含む。
「結合親和性」とは、一般に、ある分子(例えば抗体)の単一結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原)との間の非共有結合性相互作用の総和の強さを指す。特に示さない限り、本明細書において使用する場合、「結合親和性」とは、結合ペア(例えば、抗体と抗原)のメンバー間の1:1相互作用に反映する、潜在的な結合親和性を指す。そのパートナーYに対する分子Xの親和性は、解離定数(Kd)よって一般に表すことができる。親和性は、本明細書に記載されている方法を含めた、当分野において公知の一般方法によって測定され得る。親和性の低い抗体は、一般に、抗原にゆっくりと結合して、容易に解離する傾向がある一方、親和性の高い抗体は、一般に、抗原により速く結合して、より長く結合を維持する傾向がある。結合親和性を測定する様々な方法が、当分野において公知であり、これらのいずれも、本開示の目的に使用され得る。特定の例示的な実施形態が、以下に記載されている。
「又はより優れた」とは、結合親和性を言及するために本明細書において使用する場合、ある分子とこの結合パートナーとの間により強固な結合があることを指す。「又はより優れた」とは、本明細書において使用される場合、小さなKdという数値によって表される、より強固な結合を指す。例えば、「0.6nM又はより優れた」抗原に対する親和性を有する抗体の場合、抗原に対するこの抗体の親和性は、<0.6nM、すなわち0.59nM、0.58nM、0.57nMなど、又は0.6nM未満の任意の値となる。
「特異的に結合する」とは、抗体がこの抗原結合ドメインを介して、エピトープに結合すること、及びこの結合が、抗原結合ドメインとエピトープとの間にある程度の相補性を伴うことを一般に意味する。この定義によれば、ある抗体が、この抗原結合ドメインにより、無作為な無関係エピトープに結合すると思われるよりも容易に、エピトープに結合したときに、この抗体はエピトープに「特異的に結合している」と称される。用語「特異性」は、相対的な親和性であって、この親和性によってある抗体があるエピトープに結合している、上記の相対的な親和性を認定するために、本明細書において使用される。例えば、抗体「A」は、抗体「B」よりも所与のエピトープに対してより高い特異性を有すると見なされてもよく、又は抗体「A」は、この抗体が関連エピトープ「D」に対する特異性よりも高い特異性で、エピトープ「C」に結合していると称されてもよい。
「優先的に結合する」とは、抗体が、関連する、同様の、相同性の又は類似のエピトープに結合すると思われるよりも容易にあるエピトープに特異的に結合していることを意味する。したがって、所与のエピトープに「優先的に結合する」抗体は、このような抗体が、関連エピトープと交差反応し得る場合でさえも、該関連エピトープに対してよりも、上記の所与のエピトープに結合する可能性がより高い。
ある抗体が所与のエピトープ、又は基準抗体が該エピトープに結合するのをある程度、遮断する程度にそのエピトープまたは重なっているエピトープに優先的に結合している場合、この抗体は、基準抗体のこの所与のエピトープへの結合を「競合的に阻害している」と称される。競合的阻害は、当分野において公知の任意の方法、例えば競合ELISAアッセイによって決定され得る。抗体は、少なくとも90%、少なくとも80%、少なくとも70%、少なくとも60%又は少なくとも50%、基準抗体の所与のエピトープへの結合を競合的に阻害すると称され得る。
「実質的に類似の」又は「実質的に同じ」という言い回しは、本明細書において使用する場合、2つの数値(一般に、本開示の抗体に関連するものと、基準/比較抗体に関連するもう一方のもの)間の類似性の程度が十分なほどかなり高いことを表し、こうして、当業者は、2つの値の間の差異が、前記値(例えば、Kd値)によって測定される生物学的特性の文脈内において、生物学的及び/又は統計学的有意差がほとんど又はまったくないと考える。前記の2つの値の間の差異は、基準/比較抗体に関する値に依存して、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、又は約10%未満とすることができる。
「単離された」ポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞又は組成物は、天然には見出されない形態にある、ポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞又は組成物である。単離されたポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞又は組成物は、これらがもはや、天然に見出される形態にない程度まで精製されたものを含む。一部の実施形態において、単離された抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞又は組成物は、実質的に純粋である。
本明細書において使用する場合、「実質的に純粋な」とは、少なくとも50%純粋な(すなわち、汚染物質を含まない)、少なくとも90%純粋な、少なくとも95%純粋な、少なくとも98%純粋な又は少なくとも99%純粋な物質を指す。
用語「イムノコンジュゲート」、「コンジュゲート」、「抗体−薬物コンジュゲート」又は「ADC」は、本明細書において使用する場合、細胞結合剤のようなタンパク質(例えば、抗TNFアルファ抗体又はこの断片)に連結されている、化合物又はこの誘導体を指し、一般式:
(SM−L−Q)n−A(式中、SM=低分子グルココルチコイド受容体アゴニスト、例えばグルココルチコステロイドに由来する基であり、L=リンカーであり、Q=ヘテロ二官能基、ヘテロ三官能基である、又は存在せず、A=タンパク質(例えば、抗体若しくはこの抗原結合断片、抗TNFタンパク質、抗TNFアルファ抗体若しくはこの断片、可溶性受容体、又は可溶性TNF受容体)であり、n=1〜10である)により定義される。イムノコンジュゲートはまた、反対の順序で一般式:A−(Q−L−SM)nによって定義することもできる。例示として、以下の一般式は、ジペプチド(Ala−Ala)リンカー、及びスクシンイミドチオエーテルをベースとするヘテロ二官能基を有するイムノコンジュゲートを示す:
本開示において、用語「リンカー」は、タンパク質、例えば抗体、抗体断片(例えば、抗原結合断片)、又は機能的等価体をグルココルチコステロイドに連結させることが可能な任意の化学部分を指す。リンカーは、開裂しやすいもの(「開裂可能なリンカー」)であり、これにより、グルココルチコステロイドの放出を容易にすることができる。例えば、このような開裂可能なリンカーは、グルココルチコステロイド及び/又は抗体が依然として活性の状態にある条件における、酸誘起性開裂、光誘起性開裂、ペプチダーゼ誘起性開裂、エステラーゼ誘起性開裂、及びジスルフィド結合開裂を受けやすいものであってもよい。代替的に、リンカーは、開裂に対して実質的に抵抗性(「非開裂性リンカー」)であってもよい。
本開示において、非開裂性リンカーは、安定な共有結合で、グルココルチコステロイドを抗体に連結することが可能な任意の化学部分であり、開裂可能なリンカーについて上で列挙した分類から逸脱するものではない。したがって、非開裂性リンカーは、酸誘起性開裂、光誘起性開裂、ペプチダーゼ誘発性開裂、エステラーゼ誘発性開裂及びジスルフィド結合開裂に対して実質的に抵抗性である。さらに、非開裂性とは、リンカー中の化学結合又はリンカーへの結合が、グルココルチコステロイド及び/又は抗体がこの活性を失わない条件において、酸、光解離性開裂剤、ペプチダーゼ、エステラーゼ、又はジスルフィド結合を開裂する化学化合物若しくは生理学的化合物により誘発される開裂に耐える能力を指す。
ある開裂可能なリンカーは、ペプチダーゼにより開裂される(「ペプチダーゼ開裂可能なリンカー」)。唯一のある種のペプチドしか、細胞の内側又は外側において容易に開裂されない。例えば、Troutら、79 Proc.Natl.Acad.Sci.USA、626〜629頁(1982年)及びUmemotoら 43 Int.J.Cancer、677〜684頁(1989年)を参照されたい。さらに、ペプチドは、α−アミノ酸単位及びペプチド結合からなり、この結合は、1つのアミノ酸のカルボン酸と第2のアミノ酸のアミノ基との間の化学的なアミド結合である。リシンのカルボン酸とα−アミノ酸基との間の結合のような他のアミド結合は、ペプチド結合ではないと理解されており、非開裂可能と見なされる。
一部のリンカーは、エステラーゼによって開裂される(「エステラーゼ開裂可能なリンカー」)。ある種のエステルしか、細胞の内側又は外側に存在するエステラーゼによって開裂され得ない。エステルは、カルボン酸及びアルコールの縮合によって形成される。単純エステルは、脂肪族アルコール、並びに小さな環式アルコール及び小さな芳香族アルコールのような単純アルコールにより生成するエステルである。
一部の実施形態において、開裂可能なリンカー構成成分は、1〜10のアミノ酸残基を含むペプチドを含むことができる。これらの実施形態において、ペプチドは、プロテアーゼによるリンカーの開裂を可能にし、これにより、リソソーム酵素のような細胞内プロテアーゼに曝露されると、グルココルチコステロイドの放出が容易になる(Doroninaら(2003年)Nat.Biotechnol.21巻:778〜784頁)。例示的なペプチドには、以下に限定されないが、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド及びペンタペプチドが含まれる。例示的なジペプチドには、以下に限定されないが、アラニン−アラニン(ala−ala)、バリン−シトルリン(vc又はval−cit)、アラニン−フェニルアラニン(af又はala−phe);フェニルアラニン−リシン(fk又はphe−lys);フェニルアラニン−ホモリシン(phe−homolys);及びN−メチル−バリン−シトルリン(Me−val−cit)が含まれる。例示的なトリペプチドには、以下に限定されないが、グリシン−バリン−シトルリン(gly−val−cit)及びグリシン−グリシン−グリシン(gly−gly−gly)が含まれる。
ペプチドは、天然アミノ酸残基及び/又は非天然アミノ酸残基を含むことができる。用語「天然アミノ酸」とは、Ala、Asp、Cys、Glu、Phe、Gly、His、He、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Gin、Arg、Ser、Thr、Val、Trp及びTyrを指す。「非天然アミノ酸」(すなわち、アミノ酸は天然に存在しない)は、非限定例として、ホモセリン、ホモアルギニン、シトルリン、フェニルグリシン、タウリン、ヨードチロシン、セレノ−システイン、ノルロイシン(“Nle”)、ノルバリン(“Nva”)、ベータ−アラニン、L−又はD−ナフトアラニン、オルニチン(“Orn”)などを含む。ペプチドは、特定の酵素、例えば、腫瘍関連プロテアーゼ、カテプシンB、C及びD、又はプラスミンプロテアーゼによって酵素開裂するよう設計及び最適化され得る。
アミノ酸はまた、天然及び非天然アミノ酸のD体も含む。「D−」は、天然(「L−」)アミノ酸の立体配置とは反対の、「D」(右旋性)立体配置を有するアミノ酸を表す。天然及び非天然アミノ酸は、商業的に購入さえ得(Sigma Chemical Co.,Advanced Chemtech)、又は当分野において公知の方法を使用して合成され得る。
本開示において、用語「グルココルチコステロイド」は、グルココルチコイド受容体と相互作用する、天然又は合成ステロイドホルモンを指す。非限定的な例示的グルココルチコステロイドは、以下を含む:
「グルココルチコステロイドの基」は、親グルココルチコステロイドから1個以上の水素原子を取り除いたものに由来する。水素原子の除去により、リンカーへの親グルココルチコステロイドの結合が容易になる。一実施形態において、水素原子は、親グルココルチコステロイドの任意の好適な−NH2基から除去される。別の実施形態において、水素原子は、親グルココルチコステロイドの任意の好適な−OH基から除去される。別の実施形態において、水素原子は、親グルココルチコステロイドの任意の好適な−SH基から除去される。別の実施形態において、水素原子は、親グルココルチコステロイドの任意の好適な−N(H)−基から除去される。別の実施形態において、水素原子は、親グルココルチコステロイドの任意の好適な−CH3、−CH2−又は−CH=基から除去される。一実施形態において、「グルココルチコステロイドの基」は、親グルココルチコステロイドから1個の水素原子を除去したものに由来する一価の基である。
本開示において、用語「ヘテロ二官能基」又は用語「ヘテロ三官能基」とは、リンカー及びタンパク質、例えば抗体を結合させる化学部分を指す。ヘテロ二官能基及びヘテロ三官能基は、化学部分のどちらか一方の末端において異なる反応性基を有するものとして特徴付けられる。非限定的な例示ヘテロ二官能基は、以下:
用語「薬物抗体比」又は「DAR」とは、A(すなわち、タンパク質、例えば抗体若しくはこの抗原結合断片、抗TNFタンパク質、抗TNFアルファ抗体若しくはこの断片、可溶性受容体、又は可溶性TNF受容体)に連結しているSM(すなわち、低分子グルココルチコイド受容体アゴニスト、例えばグルココルチコステロイドから誘導される基)の数を指す。したがって、一般式(SM−L−Q)n−Aを有するイムノコンジュゲートにおいて、DARは、変数「n」によって定義される。
用語「対象」とは、以下に限定されないが、ヒト、非ヒト霊長類、げっ歯類などを含む、任意の動物(例えば、哺乳動物)を指し、これらの哺乳動物は、特定の治療のレシピエントである。通常、用語「対象」及び「患者」は、ヒト対象を参照して、本明細書において互換的に使用される。
用語「医薬製剤」とは、活性成分の生物活性が有効となるような形態の調製物であって、該製剤が投与される対象に対して、許容されない毒性となるさらなる構成成分を含有しない、調製物を指す。製剤は、滅菌とすることができる。
本明細書において開示されているイムノコンジュゲート又はグルココルチコイド受容体アゴニストの「有効量」は、具体的に明記された目的を実行するための十分な量である。「有効量」は、明記された目的に関連して決定され得る。
用語「治療有効量」とは、対象又は哺乳動物における、疾患又は障害を「治療」するのに有効な、イムノコンジュゲート又はグルココルチコイド受容体アゴニストの量を指す。「予防的有効量」とは、所望の予防的結果を実現するための有効な量を指す。
「治療する」又は「治療」、又は「治療すること」又は「緩和すること」又は「緩和する」のような用語は、診断された病理学的状態若しくは障害の症状を治癒する、減速させる、低減する、及び/又は上記の状態若しくは障害の進行を中断させる治療的手段を指す。したがって、治療を必要とするものは、障害を有していると既に診断されたもの、又は障害を有すことが疑われるものを含む。予防的及び/又は防止的手段は、標的とする病的状態又は障害の発症を予防する、及び/又はこれらの発症を遅延させる手段を指す。したがって、予防的又は防止的手段を必要とするものは、障害を有しやすいもの、及び予防すべき障害があるものを含む。
本明細書において互換的に使用される「ポリヌクレオチド」又は「核酸」は、任意の長さのヌクレオチドのポリマーを指し、DNA及びRNAを含む。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾ヌクレオチド若しくは塩基、及び/又はこれらのアナログ、又はDNAポリメラーゼ又はRNAポリメラーゼによりポリマーに組み込まれ得る任意の基材とすることができる。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチド及びこれらのアナログのような修飾ヌクレオチドを含むことができる。存在する場合、ヌクレオチド構造への修飾は、ポリマーの組立前又はその後に、付与され得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド構成成分によって分断され得る。ポリヌクレオチドは、標識用構成成分とのコンジュゲートによるような、重合後にさらに修飾され得る。他のタイプの修飾には、例えば、「キャップ」、アナログによる1つ以上の天然ヌクレオチドの置換、例えば、未変化連結基(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、カルバメートなど)によるもの及び変化連結基(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)によるもの、例えばタンパク質(例えば、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リシンなど)のようなペンダント部分を含有するもの、インターカレーター(例えば、アクリジン、ソラレンなど)によるものなど、キレート(例えば、金属、放射活性金属、ホウ素、酸化性金属など)を含有するもの、アルキル化剤を含有するもの、修飾連結基(例えば、アルファ−アノマー核酸(anomeric nucleic acids)など)によるもののようなヌクレオチド間修飾、並びにポリヌクレオチド(複数可)の未修飾形態が含まれる。さらに、糖中に、通常、存在しているヒドロキシル基のうちのいずれかが、例えば、ホスホネート基、ホスフェート基により置き換えられ得る、標準保護基により保護され得る、又は活性化されて、さらなるヌクレオチドへの追加的な連結基を調製し得る、又は固体担体にコンジュゲートされ得る。5’及び3’の末端OHは、リン酸化され得る、又はアミン若しくは1〜20個の炭素原子からなる有機キャッピング基部分により置換され得る。他のヒドロキシルもまた、標準保護基に誘導化され得る。ポリヌクレオチドはまた、例えば、2’−O−メチル−、2’−O−アリル、2’−フルオロ−若しくは2’−アジド−リボース、炭素環式糖アナログ、アルファ−アノマー糖、エピマー糖(アラビノース、キシロース若しくはリキソースのような)、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環式アナログ及び無塩基ヌクレオシド(abasic nucleoside)アナログ(メチルリボシドのような)を含めた、当分野において一般に公知であるリボース糖若しくはデオキシリボース糖のアナログ形態を含むことができる。1つ以上のホスホジエステル連結基が、代替連結基によって置き換えられ得る。これら代替連結基には、以下に限定されないが、ホスフェートが、P(O)S(「チオエート」)、P(S)S(「ジチオエート」)、(O)NR2(「アミデート」)、P(O)R、P(O)OR’、CO又はCH2(「ホルムアセタール」)によって置き換えられた実施形態(式中、各R又はR’は、独立して、H、又はエーテル(−O−)連結基、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル若しくはアラルジルを任意選択的に含む、置換又は無置換のアルキル(1〜20C)である)を含む。ポリヌクレオチド中のすべての連結基が同一である必要はない。上の記載は、RNA及びDNAを含めた、本明細書において言及されるすべてのポリヌクレオチドに該当する。
用語「ベクター」は、宿主細胞において、目的とする1つ以上の遺伝子又は配列をもたらす及び任意選択的に発現することができる、構築物を意味する。ベクターの例には以下に限定されないが、ウイルスベクター、修飾されていないDNA又はRNA発現ベクター、プラスミド、コスミド又はファージベクター、陽イオン縮合剤に結合したDNA又はRNA発現ベクター、リポソームに封入されたDNA又はRNA発現ベクター、及び産生細胞のようなある種の真核細胞が含まれる。
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」は、本明細書において互換的に使用され、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指す。ポリマーは、線状又は分岐状とすることができ、修飾アミノ酸を含むことができ、このポリマーは、非アミノ酸によって分断され得る。この用語はまた、天然に修飾されたアミノ酸ポリマー、又は介入、例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、又は標識用構成成分とのコンジュゲートのような任意の他の操作若しくは修飾によって修飾されたアミノ酸ポリマーを包含する。同様に、例えば、アミノ酸(例えば、非天然アミノ酸などを含む)の1つ以上のアナログ、及び当分野において公知の他の修飾物を含むポリペプチドが、この定義内に含まれる。この開示のポリペプチドは、抗体に基づいているので、ある種の実施形態において、ポリペプチドは、単鎖として、又は結合鎖として発生し得ることが理解される。
用語「同一の」又は「同一」率は、2つ以上の核酸又はポリペプチドの文脈では、最大の一致性に関して比較して整列させた(必要な場合、ギャップを導入する)場合に、同一である、又は指定される割合の同一となるヌクレオチド若しくはアミノ酸残基を有する2つ以上の配列又は部分配列を指す(配列同一性の部分として、保存アミノ酸の置換はいずれも考慮しない)。同一率は、配列比較ソフトウェア又はアルゴリズムを使用して、又は目視検査によって測定され得る。アミノ酸又はヌクレオチド配列のアライメントを得るために使用することができる、様々なアルゴリズム及びソフトウェアが当分野において公知である。配列アライメントアルゴリズムのこのような非限定例の1つは、Karlinら、Proc.Natl.Acad.Sci.、90巻:5873〜5877頁(1993年)において修正されている、Karlinら、Proc.Natl.Acad.Sci.、87巻:2264〜2268頁(1990年)に記載されているアルゴリズムであり、NBLAST及びXBLASTプログラムに組み込まれている(Altschulら、Nucleic Acids Res.、25巻:3389〜3402頁(1991年))。ある種の実施形態において、Altschulら、Nucleic Acids Res.、25巻:3389〜3402頁(1997年)に記載されている通り、ギャップドBLAST(Gapped BLAST)が使用され得る。BLAST−2、WU−BLAST−2(Altschulら、Methods in Enzymology、266巻:460〜480頁(1996年))、ALIGN、ALIGN−2(Genentech、South San Francisco、California)又はMegalign(DNASTAR)が、配列を整列させるために使用され得る、さらなる公的に利用可能なソフトウェアプログラムである。ある種の実施形態において、2つのヌクレオチド配列間の同一率は、GCGソフトウェアにおけるGAPプログラム(例えば、NWSgapdna.CMPマトリックス、並びに40、50、60、70又は90のギャップ重量及び1、2、3、4、5又は6の長さ重量を使用する)を使用して決定される。ある種の代替的実施形態において、Needleman及びWunschのアルゴリズム(J.Mol.Biol.(48巻):444〜453頁(1970年))を組み込んだ、GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムが、2つのアミノ酸配列間の同一率を決定するために使用され得る(例えば、Blossum62マトリックス又はPAM250マトリックスのどちらか、並びに16、14、12、10、8、6又は4のギャップ重量及び1、2、3、4、5の長さ重量を使用する)。代替的に、ある種の実施形態において、ヌクレオチド又はアミノ酸配列間の同一率は、Myers及びMillerのアルゴリズム(CABIOS、4巻:11〜17頁(1989年))を使用して決定される。例えば、同一率は、ALIGNプログラム(バージョン2.0)を使用して決定され得、残基表、12のギャップ長さペナルティ及び4のギャップペナルティを用いるPAM120を使用して決定され得る。特定のアライメントソフトウェアによる最大アライメントのための適切なパラメータは、当業者によって決定され得る。ある種の実施形態において、アライメントソフトウェアのデフォルトパラメータが使用される。ある種の実施形態において、第1のアミノ酸配列の第2のアミノ酸配列への同一性の百分率「X」は、100×(Y/Z)として計算され、この場合、Yは、第1及び第2の配列のアライメントにおける同じものの一致としてスコア化されるアミノ酸残基数(目視検査又は特定の配列アライメントプログラムにより整列される)であり、Zは、第2の配列における残基の合計数である。第1の配列の長さが、第2の配列より長い場合、第2の配列に対する第1の配列の同一率は、第1の配列に対する第2の配列の同一率より長い。
非限定例として、ある種の実施形態において、任意の特定のポリヌクレオチドが、基準配列に対してある割合の配列同一性(例えば、少なくとも80%同一性、少なくとも85%同一性、少なくとも90%同一性、及び一部の実施形態において、少なくとも95%、96%、97%、98%又は99%の同一性である)を有するかどうかは、Bestfitプログラム(Wisconsin配列解析パッケージ、Unixのバージョン8、Genetics Computer Group、University Research Park、575 Science Drive、Madison、WI53711)を使用して決定され得る。Bestfitは、Smith及びWatermanの局所相同性アルゴリズム(Advances in Applied Mathematics 2巻:482〜489頁(1981年))を使用して、2つの配列間の相同性の最良セグメントを見出す。本開示に従い、基準配列に対して特定の配列が、例えば95%同一であるかどうかを決定するために、Bestfit又は任意の他の配列アライメントプログラムを使用する場合、同一性の百分率を、基準ヌクレオチド配列の完全長全体にわたって計算し、基準配列におけるヌクレオチドの総数の最大5%の相同性にギャップが可能となるよう、パラメータが設定される。
一部の実施形態において、本開示の2つの核酸又はポリペプチドは、実質的に同一であり、このことは、これらが、配列比較アルゴリズムを使用して、又は目視検査により測定すると、最大一致に対して比較して整列させた場合に、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、及び一部の実施形態において、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%のヌクレオチド又はアミノ酸残基の同一性を有することを意味する。同一性は、長さが少なくとも約10、約20、約40〜60の残基、又はこれらの間の任意の整数値である配列の領域にわたり存在することができ、60〜80の残基、例えば、少なくとも約90〜100の残基より長い領域にわたるものとすることができ、一部の実施形態において、配列は、例えばヌクレオチド配列のコード領域のような、比較される配列の全長にわたり実質的に同一である。
「保存アミノ酸置換」とは、1つのアミノ酸残基が類似側鎖を有する別のアミノ酸残基により置き換えられたものである。類似側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当分野において定義されており、塩基性側鎖(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非帯電性の極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ−分岐側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む。例えば、チロシンに対するフェニルアラニンの置換は、保存的置換である。一部の実施形態において、本開示のポリペプチド及び抗体の配列中の保存的置換により、抗体が結合する抗原、例えばTNFアルファへの、このアミノ酸配列を含有する抗体の結合を抑止されない。抗原結合を排除しない、ヌクレオチド及びアミノ酸の保存的な置換を特定する方法は、当分野において周知である(例えば、Brummellら、Biochem.32巻:1180〜1187頁(1993年);Kobayashiら、Protein Eng.12巻(10号):879〜884頁(1999年);及びBurksら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94巻:412〜417頁(1997年)を参照されたい)。
本開示において、それ自体、又は別の基の一部として使用される用語「ハロ」は、−Cl、−F、−Br又は−Iを指す。一実施形態において、ハロは、−Cl又は−Fである。
本開示において、それ自体、又は別の基の一部として使用される用語「アルキル」は、1〜12個の炭素原子を含有する、無置換の直鎖又は分岐鎖脂肪族炭化水素、すなわちC1〜12アルキル、又は指定された炭素原子数、例えばメチルのようなC1アルキル、エチルのようなC2アルキル、プロピル又はイソプロピルのようなC3アルキル、メチル、エチル、プロピル若しくはイソプロピルのようなC1〜3アルキルなどを指す。一実施形態において、アルキルは、C1〜10アルキルである。別の実施形態において、アルキルは、C1〜6アルキルである。別の実施形態において、アルキルは、C1〜4アルキルである。別の実施形態において、アルキルは、直鎖C1〜10アルキルである。別の実施形態において、アルキルは、分岐鎖C3〜10アルキルである。別の実施形態において、アルキルは、直鎖C1〜6アルキルである。別の実施形態において、アルキルは、分岐鎖C3〜6アルキルである。別の実施形態において、アルキルは、直鎖C1〜4アルキルである。別の実施形態において、アルキルは、分岐鎖C3〜4アルキルである。別の実施形態において、アルキルは、直鎖又は分岐鎖C3〜4アルキルである。非限定的な例示的C1〜10アルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソ−ブチル、3−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシルが含まれる。非限定的な例示的C1〜4アルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル及びイソ−ブチルが含まれる。
本開示において、それ自体、又は別の基の一部として使用される用語「置換されていてもよいアルキル」は、無置換であるアルキル、又はニトロ、ヒドロキシ、シアノ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、スルホンアミド、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボキシ、カルボキシアミド、アルコキシカルボニル、チオール、−N(H)C(=O)NH2及び−N(H)C(=NH)NH2、置換されていてもよいアリール及び置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から独立して選択される、1つ、2つ又は3つの置換基により置換されている、アルキルを指す。一実施形態において、置換されていてもよいアルキルは、2つの置換基により置換されている。別の実施形態において、置換されていてもよいアルキルは、1つの置換基により置換されている。別の実施形態において、置換されていてもよいアルキルは無置換である。非限定的な例示的置換アルキル基には、−CH2OH、−CH2SH、−CH2Ph、−CH2(4−OH)Ph、−CH2(イミダゾリル)、−CH2CH2CO2H、−CH2CH2SO2CH3、−CH2CH2COPh及び−CH2OC(=O)CH3.が含まれる。
本開示において、それ自体、又は別の基の一部として使用される用語「置換されていてもよいシクロアルキル」は、無置換であるシクロアルキル、又はハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルキルカルボニルオキシ、シクロアルキルカルボニルオキシ、アミノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アルキルチオ、カルボキシアミド、スルホンアミド、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロシクロ、アルコキシアルキル、(アミノ)アルキル、(カルボキシアミド)アルキル、(ヘテロシクロ)アルキル及び−OC(=O)−アミノからなる群から独立して選択される、1つ、2つ又は3つの置換基により置換されているシクロアルキルを指す。置換されていてもよいシクロアルキルという用語は、置換されていてもよい縮合アリール、例えばフェニルを有するシクロアルキル基、又は置換されていてもよい縮合ヘテロアリール、例えばピリジルを有するシクロアルキル基を含む。置換されていてもよい縮合アリール又は置換されていてもよい縮合ヘテロアリール基を有する、置換されていてもよいシクロアルキルは、シクロアルキル環上のいかなる利用可能な炭素原子においても、分子の残りに結合され得る。一実施形態において、置換されていてもよいシクロアルキルは、2つの置換基により置換されている。別の実施形態において、置換されていてもよいシクロアルキルは、1つの置換基により置換されている。別の実施形態において、置換されていてもよいシクロアルキルは、無置換である。
本開示において、それ自体、又は別の基の一部として使用される用語「アリール」とは、6〜14個の炭素原子を有する、無置換の単環式又は二環式芳香族環系、すなわち、C6〜14アリールを指す。非限定的な例示的アリール基には、フェニル(「Ph」と略される)、ナフチル、フェナントリル、アントラシル、インデニル、アズレニル、ビフェニル、ビフェニレニル及びフルオレニル基が含まれる。一実施形態において、アリール基は、フェニル又はナフチルである。
本開示において、それ自体、又は別の基の一部として使用される用語「置換されていてもよいアリール」は、本明細書において使用する場合、無置換であるアリール、又はハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、チオール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、置換されていてもよいアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アルキルチオ、カルボキシアミド、スルホンアミド、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル シクロアルキルスルホニル、(シクロアルキル)アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロスルホニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロシクロ、アルコキシカルボニル、アルコキシアルキル、(アミノ)アルキル、(カルボキシアミド)アルキル及び(ヘテロシクロ)アルキルからなる群から独立して選択される、1〜5つの置換基により置換されているアリールを指す。
一実施形態において、置換されていてもよいアリールは、置換されていてもよいフェニルである。別の実施形態において、置換されていてもよいフェニルは、4つの置換基を有する。別の実施形態において、置換されていてもよいフェニルは、3つの置換基を有する。別の実施形態において、置換されていてもよいフェニルは、2つの置換基を有する。別の実施形態において、置換されていてもよいフェニルは、1つの置換基を有する。別の実施形態において、置換されていてもよいフェニルは無置換である。非限定的な例示的置換アリール基には、2−メチルフェニル、2−メトキシフェニル、2−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、2−ブロモフェニル、3−メチルフェニル、3−メトキシフェニル、3−フルオロフェニル、3−クロロフェニル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、2,6−ジ−フルオロフェニル、2,6−ジ−クロロフェニル、2−メチル、3−メトキシフェニル、2−エチル、3−メトキシフェニル、3,4−ジ−メトキシフェニル、3,5−ジ−フルオロフェニル 3,5−ジ−メチルフェニル、3,5−ジメトキシ、4−メチルフェニル、2−フルオロ−3−クロロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、4−(ピリジン−4−イルスルホニル)フェニルが含まれる。置換されていてもよいアリールという用語は、置換されていてもよい縮合シクロアルキル基又は置換されていてもよい縮合ヘテロシクロ基を有するフェニル基を含む。置換されていてもよい縮合シクロアルキル基又は置換されていてもよい縮合ヘテロシクロ基を有する、置換されていてもよいフェニルは、フェニル環上のいかなる利用可能な炭素原子においても、分子の残りに結合され得る。
本開示において、それ自体、又は別の基の一部として使用される用語「アルケニル」は、1つ、2つ又は3つの炭素−炭素二重結合を含有する、アルキルを指す。一実施形態において、アルケニルは、1つの炭素−炭素二重結合を有する。別の実施形態において、アルケニルは、C2〜6アルケニルである。別の実施形態において、アルケニルは、C2〜4アルケニルである。非限定的な例示的アルケニル基には、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、sec−ブテニル、ペンテニル及びヘキセニルが含まれる。
本開示において、それ自体、又は別の基の一部として使用される用語「置換されていてもよいアルケニル」は、本明細書において使用する場合、無置換であるアルケニル、又はハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アルキルチオ、カルボキシアミド、スルホンアミド、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されていてもよいアリール、ヘテロアリール及び置換されていてもよいヘテロシクロからなる群から独立して選択される、1つ、2つ又は3つの置換基により置換されているアルケニルを指す。
本開示において、それ自体、又は別の基の一部として使用される用語「アルキニル」は、1〜3つの炭素−炭素三重結合を含有する、アルキルを指す。一実施形態において、アルキニルは、1つの炭素−炭素三重結合を有する。別の実施形態において、アルキニルは、C2〜6アルキニルである。別の実施形態において、アルキニルは、C2〜4アルキニルである。非限定的な例示的アルキニル基には、エチニル、プロピニル、ブチニル、2−ブチニル、ペンチニル及びヘキシニル基が含まれる。
本開示において、それ自体、又は一部として使用される用語「置換されていてもよいアルキニル」は、本明細書において使用する場合、無置換であるアルキニル、又はハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アルキルチオ、カルボキシアミド、スルホンアミド、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、置換されていてもよいアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール及びヘテロシクロからなる群から独立して選択される、1つ、2つ又は3つの置換基により置換されているアルキニルを指す。
本開示において、それ自体、又は別の基の一部として使用される用語「ハロアルキル」は、1個以上のフッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素原子により置換されている、アルキルを指す。一実施形態において、アルキル基は、1個、2個又は3個のフッ素原子及び/又は塩素原子により置換されている。別の実施形態において、ハロアルキル基は、C1〜4ハロアルキル基である。非限定的な例示的ハロアルキル基には、フルオロメチル、2−フルオロエチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル及びトリクロロメチル基が含まれる。
本開示において、それ自体、又は別の基の一部として使用される用語「アルコキシ」は、末端酸素原子に結合している、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアルケニル又は置換されていてもよいアルキニルを指す。一実施形態において、アルコキシは、末端酸素原子に結合している、置換されていてもよいアルキルである。一実施形態において、アルコキシ基は、末端酸素原子に結合している、C1〜6アルキルである。別の実施形態において、アルコキシ基は、末端酸素原子に結合している、C1〜4アルキルである。非限定的な例示的アルコキシ基には、メトキシ、エトキシ及びtert−ブトキシが含まれる。
本開示において、それ自体、又は別の基の一部として使用される用語「アルキルチオ」は、末端硫黄原子に結合している、置換されていてもよいアルキルを指す。一実施形態において、アルキルチオ基は、C1〜4アルキルチオ基である。非限定的な例示的アルキルチオ基には、−SCH3及び−SCH2CH3が含まれる。
本開示において、それ自体、又は別の基の一部として使用される用語「ハロアルコキシ」は、末端酸素原子に結合している、ハロアルキルを指す。非限定的な例示的ハロアルコキシ基には、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及び2,2,2−トリフルオロエトキシが含まれる。
本開示において、用語「ヘテロアリール」は、5〜14個の環原子を有する無置換の単環式及び二環式芳香族環系、すなわち5〜14員のヘテロアリールを指し、環の1つの少なくとも1個の炭素原子が、酸素、窒素及び硫黄からなる群から独立して選択されるヘテロ原子により置き換えられている。一実施形態において、ヘテロアリールは、酸素、窒素及び硫黄からなる群から独立して選択される、1個、2個、3個又は4個のヘテロ原子を含有する。一実施形態において、ヘテロアリールは、3個のヘテロ原子を有する。別の実施形態において、ヘテロアリールは、2個のヘテロ原子を有する。別の実施形態において、ヘテロアリールは、1個のヘテロ原子を有する。別の実施形態において、ヘテロアリールは、5〜10員のヘテロアリールである。別の実施形態において、ヘテロアリールは、5員又は6員のヘテロアリールである。別の実施形態において、ヘテロアリールは、5個の環原子を有し、例えば、4個の炭素原子及び1個の硫黄原子を有する5員のヘテロアリールであるチエニルである。別の実施形態において、ヘテロアリールは、6個の環原子を有し、例えば、5個の炭素原子及び1個の窒素原子を有する6員のヘテロアリールであるピリジルである。非限定的な例示的ヘテロアリール基には、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3−b]チエニル、チアントレニル、フリル、ベンゾフリル、ピラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾオキサゾニル、クロメニル、キサンテニル、2H−ピロリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、シンノリニル、キナゾリニル、プテリジニル、4aH−カルバゾリル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、フェノチアゾリル、イソオキサゾリル、フラザニル及びフェノキサジニルが含まれる。一実施形態において、ヘテロアリールは、チエニル(例えば、チエン−2−イル及びチエン−3−イル)、フリル(例えば、2−フリル及び3−フリル)、ピロリル(例えば、1H−ピロール−2−イル及び1H−ピロール−3−イル)、イミダゾリル(例えば、2H−イミダゾール−2−イル及び2H−イミダゾール−4−イル)、ピラゾリル(例えば、1H−ピラゾール−3−イル、1H−ピラゾール−4−イル及び1H−ピラゾール−5−イル)、ピリジル(例えば、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル及びピリジン−4−イル)、ピリミジニル(例えば、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル及びピリミジン−5−イル)、チアゾリル(例えば、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル及びチアゾール−5−イル)、イソチアゾリル(例えば、イソチアゾール−3−イル、イソチアゾール−4−イル及びイソチアゾール−5−イル)、オキサゾリル(例えば、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル及びオキサゾール−5−イル)、イソオキサゾリル(例えば、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル及びイソオキサゾール−5−イル)及びインダゾリル(例えば、1H−インダゾール−3−イル)からなる群から選択される。用語「ヘテロアリール」はまた、可能なN−オキシドを含むことが意図されている。非限定的な例示的N−オキシドは、ピリジルN−オキシドである。
一実施形態において、ヘテロアリールは、5員又は6員のヘテロアリールである。一実施形態において、ヘテロアリールは、5員のヘテロアリールであり、すなわちヘテロアリールは、5個の環原子を有する単環式芳香族環系であり、この場合、環の少なくとも1個の炭素原子が、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される、ヘテロ原子により置き換えられている。非限定的な例示的5員のヘテロアリール基には、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル及びイソオキサゾリルが含まれる。別の実施形態において、ヘテロアリールは、6員のヘテロアリールであり、例えばヘテロアリールは、6個の環原子を有する単環式芳香族環系であり、この場合、環の少なくとも1個の炭素原子が、窒素原子により置き換えられている。非限定的な例示的6員のヘテロアリール基にはピリジル、ピラジニル、ピリミジニル及びピリダジニルが含まれる。
本開示において、それ自体、又は別の基の一部として使用される用語「置換されていてもよいヘテロアリール」は、無置換であるヘテロアリール、又はハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アルキルチオ、カルボキシアミド、スルホンアミド、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル シクロアルキルスルホニル、(シクロアルキル)アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロシクロ、アルコキシアルキル、(アミノ)アルキル、(カルボキシアミド)アルキル及び(ヘテロシクロ)アルキルからなる群から独立して選択される、1つ、2つ、3つ又は4つの置換基により置換されているヘテロアリールを指す。一実施形態において、置換されていてもよいヘテロアリールは、1個の置換基を有する。別の実施形態において、置換されていてもよいヘテロアリールは無置換である。利用可能な炭素原子又は窒素原子のいずれも、置換され得る。置換されていてもよいヘテロアリールという用語は、置換されていてもよい縮合シクロアルキル基又は置換されていてもよい縮合ヘテロシクロ基を有するヘテロアリール基を含む。置換されていてもよい縮合シクロアルキル基又は置換されていてもよい縮合ヘテロシクロ基を有する、置換されていてもよいヘテロアリールは、ヘテロアリール環上のいかなる利用可能な炭素原子においても、分子の残りに結合され得る。
本開示において、それ自体、又は別の基の一部として使用される用語「ヘテロシクロ」は、3〜14個の環員を有する、1つ、2つ又は3つの環を含有する、無置換の飽和及び部分不飽和(例えば、1つ又は2つの二重結合を含有する)な環式基(すなわち、3〜14員のヘテロシクロ)であって、環の1つの少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子により置き換えられている、環式基を指す。ヘテロ原子はそれぞれ、スルホキシド及びスルホンを含めた、、酸素、硫黄及び/又は窒素原子からなる群から独立して選択され、窒素原子は、酸化又は四級化され得る。用語「ヘテロシクロ」は、環−CH2−が−C(=O)−により置き換えられている基、例えば、2−イミダゾリジノンのような環式ウレイド基、並びにβ−ラクタム、γ−ラクタム、δ−ラクタム、ε−ラクタム及びピペラジン−2−オンのような環式アミド基を含む。用語「ヘテロシクロ」はまた、置換されていてもよい縮合アリール基を有する基、例えば、インドリニル又はクロマン−4−イルを含む。一実施形態において、ヘテロシクロ基は、C4〜6ヘテロシクロ、すなわち1つの環、並びに1個又は2個の酸素原子及び/又は窒素原子を含有する、4員、5員又は6員の環式基である。一実施形態において、ヘテロシクロ基は、1つの環及び1個の窒素原子を含有する、C4〜6ヘテロシクロである。ヘテロシクロは、利用可能な炭素原子又は窒素原子のいずれかを介して、分子の残りに任意選択的に連結され得る。非限定的な例示的ヘテロシクロ基には、アゼチジニル、ジオキサニル、テトラヒドロピラニル、2−オキソピロリジン−3−イル、ピペラジン−2−オン、ピペラジン−2,6−ジオン、2−イミダゾリジノン、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル及びインドリニルが含まれる。
本開示において、それ自体、又は別の基の一部として本明細書において使用される用語「置換されていてもよいヘテロシクロ」は、無置換であるヘテロシクロ、又はハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アルキルチオ、カルボキシアミド、スルホンアミド、アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、CF3C(=O)−、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロシクロ、アルコキシアルキル、(アミノ)アルキル、(カルボキシアミド)アルキル又は(ヘテロシクロ)アルキルからなる群から独立して選択される、1つ、2つ、3つ又は4つの置換基により置換されているヘテロシクロを指す。置換は、任意の利用可能な炭素原子若しくは窒素原子、又はそれらの両方において行われる。
本開示において、それ自体、又は別の基の一部として使用される用語「アルコキシカルボニル」は、カルボニル基、すなわちアルコキシにより置換されている−C(=O)−を指す。一実施形態において、アルコキシは、C1〜4アルコキシである。非限定的な例示的アルコキシカルボニル基には、−C(=O)OMe、−C(=O)OEt及び−C(=O)OtBuが含まれる。
本開示において、開裂可能なリンカーの部分として使用される用語「自己崩壊基」は、2つの隔たりのある化学部分を、通常安定な3つの部分からなる分子へと共有結合連結することが可能であり、酵素による開裂によって、3つの部分からなる分子から隔たりのある化学部分の1つを放出することができ、酵素による開裂後、分子の残りから自然に開裂して、隔たりのある化学部分の他のもの、例えば、グルココルチコステロイドを放出することができる、二官能性化学部分を指す。一部の実施形態において、自己崩壊基は、p−アミノベンジル単位を含む。一部のこのような実施形態において、p−アミノベンジルアルコールは、アミド結合を介して、アミノ酸単位に結合しており、カルバメート、メチルカルバメート又はカーボネートは、ベンジルアルコールと薬物との間に形成される(Hamannら、(2005年)Expert Opin.Ther.Patent(2005年)15巻:1087〜1103頁)。一部の実施形態において、自己崩壊基はp−アミノベンジルオキシカルボニル(PAB)である。
本開示において、用語「保護基」又は「PG」は、反応が分子の他の官能基又は部分で行われている間、アミン官能性を遮断する、すなわち保護する基を指す。当業者は、アミン保護基の選択、結合及び開裂に精通しており、多数の様々な保護基が当分野において公知であることを認識しており、1つの保護基又は別のものが好適であるかは、計画した特定の合成スキームに依存する。例えば、Wuts,P.G.M.;Greene,T.W.「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、第4版、J.Wiley&Sons、NY、2007年など、参考となるこの主題に関する論文が入手可能である。好適な保護基には、カルボベンジルオキシ(Cbz)、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)及びベンジル(Bn)基が含まれる。一実施形態において、保護基はBOC基である。
本明細書において開示されている化合物は、不斉中心を含有し、したがって、鏡像異性体、ジアステレオマー及び他の立体異性体を生じさせる。本開示は、このような考えられる形態、並びにこれらのラセミ体及び分割された形態、並びにこれらの混合物すべての使用を包含することが意図される。個々の鏡像異性体は、本開示を鑑みて、当分野において公知の方法に従って分離され得る。本明細書において記載されている化合物がオレフィン二重結合又は他の幾何学的不斉中心を含有する場合、特に指定しない限り、これらはE及びZ幾何異性体の両方を含むことが意図されている。互変異性体はすべて、本開示によって包含されることがやはり意図されている。
本開示は、本明細書において開示されている化合物の溶媒和物の調製及び使用を包含する。溶媒和物は、通常、化合物の生理学的活性又は毒性を著しく変えず、したがって、薬理学的等価体として機能することができる。用語「溶媒和物」とは、本明細書において使用する場合、例えば、溶媒分子と本開示の化合物との比が、それぞれ、約2:1、約1:1又は約1:2である二溶媒和物、一溶媒和物又は半溶媒和物のような、本開示の化合物と溶媒分子との組合せ物、物理的会合物及び/又は溶媒和物である。この物理的会合は、水素結合を含めたイオン性結合及び共有結合の様々な程度を含む。ある種の場合、溶媒和物は、1つ以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に取り込まれたときのように、単離され得る。したがって、「溶媒和物」は、溶液相及び単離可能な溶媒和物の両方を包含する。本明細書において開示されている化合物は、水、メタノール、エタノールなどのような薬学的に許容される溶媒との溶媒和物形態として存在することができ、本開示は、本明細書において開示されている化合物の溶媒和物形態及び非溶媒和物形態の両方を含むことが意図されている。1つのタイプの溶媒和物は、水和物である。「水和物」は、溶媒分子が水である、溶媒和物の特定の部分グループに関する。溶媒和物は、通常、薬理学的等価物として機能することができる。溶媒和物の調製は、当分野において公知である。例えば、フルコナゾールと酢酸エチル及び水との溶媒和物の調製を記載している、M.Cairaら、J.Pharmaceut.Sci.、93巻(3号):601〜611頁(2004年)を参照されたい。溶媒和物、半溶媒和物、水和物などの類似の調製は、E.C.van Tonderら、AAPS Pharm.Sci.Tech.、5巻(1号):Article 12巻(2004年)及びA.L.Binghamら、Chem.Commun.603〜604頁(2001年)によって記載されている。溶媒和物を調製する、典型的な非限定的方法は、所望の溶媒(有機物、水又はこれらの混合物)に、20℃超から約25℃の温度で、本明細書において開示されている化合物を溶解すること、次に、結晶が形成するのに十分な速度でこの溶液を冷却すること、及び公知の方法、例えばろ過により結晶を単離することを含む。赤外分光法のような分析技法を使用して、溶媒和物の結晶中の溶媒の存在を確認することができる。
本開示は、非毒性の薬学的に許容される塩を含めた、本明細書において開示されている化合物の塩の調製及び使用を包含する。薬学的に許容される付加塩の例には、無機酸付加塩及び有機酸付加塩、並びに塩基塩が含まれる。薬学的に許容される塩には、以下に限定されないが、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩などのような金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのようなアルカリ土類金属;トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルジエチレンジアミン塩などのような有機アミン塩;塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩などのような無機酸塩;クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、酢酸塩、ジクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、シュウ酸塩、ギ酸塩などのような有機酸塩;メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などのようなスルホン酸塩;及びアルギン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩などのようなアミノ酸塩が含まれる。
酸付加塩は、特定の開示されている化合物の溶液と塩酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、リン酸、シュウ酸、ジクロロ酢酸などのような、薬学的に許容される非毒性の酸の溶液とを混合することにより形成され得る。塩基塩は、本開示の化合物の溶液と、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化コリン、炭酸ナトリウムなどのような、薬学的に許容される非毒性の塩基の溶液とを混合することにより形成され得る。
実施形態が、語「含む(comprising)」と共に本明細書に記載されている場合、「からなる(consisting of)」及び/又は「から実質的になる(consisting essentially of)」に関して記載されている他の類似の実施形態もやはり提示されていると理解される。
本明細書において「A及び/又はB」のような言い回しにおいて使用される用語「及び/又は」は、「A及びB」、「A又はB」、「A」及び「B」のどれも含むことが意図されている。同様に、「A、B及び/又はC」のような言い回しに使用される、用語「及び/又は」は、以下の実施形態:A、B及びC;A、B又はC;A又はC;A又はB;B又はC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);並びにC(単独)のいずれも包含することが意図されている。
本開示はまた、抗TNFアルファタンパク質に連結されているグルココルチコイド受容体アゴニストを含有するイムノコンジュゲートを提供する。ある種の実施形態において、抗TNFアルファタンパク質は、抗体又はこの抗原結合断片である。ある種の実施形態において、抗TNFアルファタンパク質は、TNFアルファ(例えば、可溶性TNFアルファ及び/又は膜結合TNFアルファ)に結合する、抗体又はこの抗原結合断片である。ある種の実施形態において、抗TNFアルファタンパク質は、可溶性TNF受容体タンパク質、例えば、Fcのような、重鎖定常ドメイン又はこの断片に融合された可溶性TNF受容体タンパク質である。一部の実施形態において、抗TNFアルファタンパク質、例えば、抗TNF抗体、この抗原結合断片又は可溶性TNF受容体は、細胞の表面上のTNFアルファに結合して、内在化することができる。例えば、その全体を参照により本明細書に組み込む、US2014/0294813は、細胞表面のヒトTNFに結合すると、細胞内内在化を示す、抗TNFタンパク質を開示している。
ある種の実施形態において、抗体又はこの抗原結合断片は、ヒト及び/又はマウスTNFアルファに結合する。TNFアルファに結合する抗体及び抗原結合断片は、当分野において公知である。
一部の実施形態において、抗TNFアルファ抗体又はこの抗原結合断片は、ヒトTNFアルファに結合する。一部の実施形態において、抗TNFアルファ抗体又はこの抗原結合断片は、ヒト、ヒト化又はキメラである。
一部の実施形態において、抗TNFアルファ抗体又はこの抗原結合断片は、マウスTNFアルファに結合する。一部の実施形態において、抗TNFアルファ抗体又はこの抗原結合断片は、マウスである。
抗TNFアルファ抗体及びこの抗原結合断片には、例えば、アダリムバブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル、アフェリモマブ、ネレリモマブ、オゾラリズマブ、プラクルマブ及びゴリムマブが含まれる。付加的な抗TNFアルファ抗体及び抗原結合断片は、例えば、これらの各々の全体を参照により本明細書に組み込む、WO2013/087912、WO2014/152247及びWO2015/073884に提示されている。
アダリムバブは、その全体を参照により本明細書に組み込む、米国特許第6,258,562号に記載されている。インフリキシマブは、その全体を参照により本明細書に組み込む、米国特許第5,656,272号に記載されている。セルトリズマブは、その全体を参照により本明細書に組み込む、WO01/94585に議論されている。アフェリモマブ(MAK195としても知られている)は、その全体を参照により本明細書に組み込む、Vincent,Int.J.Clin.Pract.54巻:190〜193頁(2000年)に議論されている。オゾラリズマブ(ATN−103としても知られている)はナノボディである。オゾラリズマブは、GlySerリンカーによって融合された3つの重鎖可変領域を含有する。可変領域1及び3は同一であり、オゾラリズマブは重鎖を含有しない。オゾラリズマブは、その全体を参照により本明細書に組み込む、WO2012/131053に議論されている。プラクルマブ(CEP−37247としても知られている)は、VL−pCH1−CH2−CH3又は[V−kappa]2−Fcの二量体からなるドメイン抗体であり、この全体を参照により本明細書に組み込む、Gayら、Mabs 2巻:625〜638頁(2010年)に議論されている。ゴリムマブ(CNTO148としても知られている)は、WO2013/087912に議論されており、配列は、GenBank:DI496971.1及びGenBank DI 496970.1に提示されており、これらの各々の全体を参照により本明細書に組み込む。
抗TNFアルファ抗体及びこの抗原結合断片はまた、アダリムバブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル、アフェリモマブ、ネレリモマブ、オゾラリズマブ、プラクルマブ又はゴリムマブのTNFアルファへの結合を競合的に阻害する、抗体及びこの抗原結合断片を含む。抗TNFアルファ抗体及びこの抗原結合断片はまた、アダリムバブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル、アフェリモマブ、ネレリモマブ、オゾラリズマブ、プラクルマブ又はゴリムマブと同じTNFアルファエピトープに結合する抗体及び抗原結合断片を含む。
ある種の実施形態において、抗TNFアルファ抗体又はこの抗原結合断片は、アダリムバブがTNFアルファに結合するのを競合的に阻害する。ある種の実施形態において、抗TNFアルファ抗体又はこの抗原結合断片は、アダリムバブと同じTNFアルファエピトープに結合する。ある種の実施形態において、抗TNFアルファ抗体又はこの抗原結合断片は、アダリムバブ又はこの抗原結合断片である。ある種の実施形態において、抗TNFアルファ抗体又はこの抗原結合断片は、アダリムバブである。
ある種の実施形態において、抗TNFアルファ抗体又はこの抗原結合断片は、アダリムバブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル、アフェリモマブ、ネレリモマブ、オゾラリズマブ、プラクルマブ又はゴリムマブの配列、例えば、相補性決定領域(CDR)、可変重鎖ドメイン(VH)及び/又は可変軽鎖ドメイン(VL)を含む。例示的な抗TNFアルファ抗体又はこの抗原結合断片の配列が、表1〜6に提示されている。
同様に、それぞれ、配列番号50及び59、51及び60、52及び61、53及び62、54及び63、又は58及び65に対して、少なくとも80%の配列同一性を有する、VH及びVLを含む、抗体又は抗原結合断片が提供される。又は、同様に、それぞれ、配列番号50及び59、51及び60、52及び61、53及び62、54及び63、又は58及び65に対して、少なくとも85%の配列同一性を有する、VH及びVLを含む、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号91及び60、又は54及び92に対して、少なくとも85%の配列同一性を有する、VH及びVLを含む、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号50及び59、51及び60、52及び61、53及び62、54及び63、又は58及び65に対して、少なくとも90%の配列同一性を有する、VH及びVLを含む、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号91及び60、又は54及び92に対して、少なくとも90%の配列同一性を有する、VH及びVLを含む、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号50及び59、51及び60、52及び61、53及び62、54及び63、又は58及び65に対して、少なくとも95%の配列同一性を有する、VH及びVLを含む、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号91及び60又は54及び92に対して、少なくとも95%の配列同一性を有する、VH及びVLを含む、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号50及び59、51及び60、52及び61、53及び62、54及び63、又は58及び65に対して、少なくとも96%の配列同一性を有する、VH及びVLを含む、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号91及び60、又は54及び92に対して、少なくとも96%の配列同一性を有する、VH及びVLを含む、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号50及び59、51及び60、52及び61、53及び62、54及び63、又は58及び65に対して、少なくとも97%の配列同一性を有する、VH及びVLを含む、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号91及び60、又は54及び92に対して、少なくとも97%の配列同一性を有する、VH及びVLを含む、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号50及び59、51及び60、52及び61、53及び62、54及び63、又は58及び65に対して、少なくとも98%の配列同一性を有する、VH及びVLを含む、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号91及び60、又は54及び92に対して、少なくとも98%の配列同一性を有する、VH及びVLを含む、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号50及び59、51及び60、52及び61、53及び62、54及び63、又は58及び65に対して、少なくとも99%の配列同一性を有する、VH及びVLを含む、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号91及び60、又は54及び92に対して、少なくとも99%の配列同一性を有する、VH及びVLを含む、抗体又は抗原結合断片が提供される。
同様に、それぞれ、配列番号50及び59、51及び60、52及び61、53及び62、54及び63、又は58及び65に対して、少なくとも80%の配列同一性を有する、VH及びVLを含み、それぞれ、配列番号3又は6、4、5及び32〜34;7〜9及び35〜37;10又は13、11、12及び38〜40;14〜16及び41〜43;17〜19及び44〜46;又は29〜31及び47〜49のCDRを含有する、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号50及び59、91及び60、又は54及び92に対して、少なくとも80%の配列同一性を有する、VH及びVLを含み、それぞれ、配列番号3又は6、4、94及び32〜34;7〜9及び35〜37;又は17〜19及び44〜46のCDRを含有する、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号50及び59、51及び60、52及び61、53及び62、54及び63、又は58及び65に対して、少なくとも85%の配列同一性を有する、VH及びVLを含み、それぞれ、配列番号3又は6、4、5及び32〜34;7〜9及び35〜37;10又は13、11、12及び38〜40;14〜16及び41〜43;17〜19及び44〜46;又は29〜31及び47〜49のCDRを含有する、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号50及び59、91及び60、又は54及び92に対して、少なくとも85%の配列同一性を有する、VH及びVLを含み、それぞれ、配列番号3又は6、4、94及び32〜34;7〜9及び35〜37;又は17〜19及び44〜46のCDRを含有する、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号50及び59、51及び60、52及び61、53及び62、54及び63、又は58及び65に対して、少なくとも90%の配列同一性を有する、VH及びVLを含み、それぞれ、配列番号3又は6、4、5及び32〜34;7〜9及び35〜37;10又は13、11、12及び38〜40;14〜16及び41〜43;17〜19及び44〜46;又は29〜31及び47〜49のCDRを含有する、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号50及び59、91及び60、又は54及び92に対して、少なくとも90%の配列同一性を有する、VH及びVLを含み、それぞれ、配列番号3又は6、4、94及び32〜34;7〜9及び35〜37;又は17〜19及び44〜46のCDRを含有する、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号50及び59、51及び60、52及び61、53及び62、54及び63、又は58及び65に対して、少なくとも95%の配列同一性を有する、VH及びVLを含み、それぞれ、配列番号3又は6、4、5及び32〜34;7〜9及び35〜37;10又は13、11、12及び38〜40;14〜16及び41〜43;17〜19及び44〜46;又は29〜31及び47〜49のCDRを含有する、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号50及び59、91及び60、又は54及び92に対して、少なくとも95%の配列同一性を有する、VH及びVLを含み、それぞれ、配列番号3又は6、4、94及び32〜34;7〜9及び35〜37;又は17〜19及び44〜46のCDRを含有する、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号50及び59、51及び60、52及び61、53及び62、54及び63、又は58及び65に対して、少なくとも96%の配列同一性を有する、VH及びVLを含み、それぞれ、配列番号3又は6、4、5及び32〜34;7〜9及び35〜37;10又は13、11、12及び38〜40;14〜16及び41〜43;17〜19及び44〜46;又は29〜31及び47〜49のCDRを含有する、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号50及び59、91及び60、又は54及び92に対して、少なくとも96%の配列同一性を有する、VH及びVLを含み、それぞれ、配列番号3又は6、4、94及び32〜34;7〜9及び35〜37;又は17〜19及び44〜46のCDRを含有する、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号50及び59、51及び60、52及び61、53及び62、54及び63、又は58及び65に対して、少なくとも97%の配列同一性を有する、VH及びVLを含み、それぞれ、配列番号50及び59、51及び60、52及び61、53及び62、54及び63、又は58及び65のCDRを含有する、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号50及び59、91及び60、又は54及び92に対して、少なくとも97%の配列同一性を有する、VH及びVLを含み、それぞれ、配列番号3又は6、4、94及び32〜34;7〜9及び35〜37;又は17〜19及び44〜46のCDRを含有する、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号50及び59、51及び60、52及び61、53及び62、54及び63、又は58及び65に対して、少なくとも98%の配列同一性を有する、VH及びVLを含み、それぞれ、配列番号3又は6、4、5及び32〜34;7〜9及び35〜37;10又は13、11、12及び38〜40;14〜16及び41〜43;17〜19及び44〜46;又は29〜31及び47〜49のCDRを含有する、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号50及び59、91及び60、又は54及び92に対して、少なくとも98%の配列同一性を有する、VH及びVLを含み、それぞれ、配列番号3又は6、4、94及び32〜34;7〜9及び35〜37;又は17〜19及び44〜46のCDRを含有する、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号50及び59、51及び60、52及び61、53及び62、54及び63、又は58及び65に対して、少なくとも99%の配列同一性を有する、VH及びVLを含み、それぞれ、配列番号3又は6、4、5及び32〜34;7〜9及び35〜37;10又は13、11、12及び38〜40;14〜16及び41〜43;17〜19及び44〜46;又は29〜31及び47〜49のCDRを含有する、抗体又は抗原結合断片が提供される。同様に、それぞれ、配列番号50及び59、91及び60、又は54及び92に対して、少なくとも99%の配列同一性を有する、VH及びVLを含み、それぞれ、配列番号3又は6、4、94及び32〜34;7〜9及び35〜37;又は17〜19及び44〜46のCDRを含有する、抗体又は抗原結合断片が提供される。
ある種の実施形態において、抗TNFアルファ抗体又はこの抗原結合断片は、配列番号3〜5及び32〜34、又は配列番号6、4、5及び32〜34のCDRを含む。ある種の実施形態において、抗TNFアルファ抗体又はこの抗原結合断片は、配列番号3、4、94及び32〜34、又は配列番号6、4、94及び32〜34のCDRを含む。ある種の実施形態において、抗TNFアルファ抗体又はこの抗原結合断片は、配列番号50のVH及び/又は配列番号59のVLを含む。ある種の実施形態において、抗TNFアルファ抗体は、配列番号66の重鎖及び/又は配列番号75の軽鎖を含む。
ある種の態様において、TNFアルファに特異的に結合し、アダリムバブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル、アフェリモマブ、ネレリモマブ、オゾラリズマブ、プラクルマブ又はゴリムマブのVLのChothia VL CDRを含む、抗体又はこの抗原結合断片が本明細書において提供される。ある種の態様において、TNFアルファに特異的に結合し、アダリムバブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル、アフェリモマブ、ネレリモマブ、オゾラリズマブ、プラクルマブ又はゴリムマブのVHのChothia VH CDRを含む、抗体又はこの抗原結合断片が本明細書において提供される。ある種の態様において、TNFアルファに特異的に結合し、アダリムバブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル、アフェリモマブ、ネレリモマブ、オゾラリズマブ、プラクルマブ又はゴリムマブのVLのChothia VL CDRを含み、かつアダリムバブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル、アフェリモマブ、ネレリモマブ、オゾラリズマブ、プラクルマブ又はゴリムマブのVHのChothia VH CDRを含む、抗体又はこの抗原結合断片が本明細書において提供される。ある種の実施形態において、TNFアルファに特異的に結合する抗体又は抗原結合断片は、Chothia及びKabatのCDRが同一アミノ酸配列を有する、1つ以上のCDRを含む。ある種の実施形態において、TNFアルファに特異的に結合し、KabatのCDRとChothiaのCDRとの組合せを含む、抗体及びこの抗原結合断片が本明細書において提供される。
特定の実施形態において、TNFアルファに特異的に結合する、抗体又はこの抗原結合断片であって、例えば、上記のLefranc M−P(1999年)及び上記のLefranc M−Pら、(1999年)に記載されている、IMGT番号付けシステムにより決定される、アダリムバブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル、アフェリモマブ、ネレリモマブ、オゾラリズマブ、プラクルマブ又はゴリムマブのCDRを含む、抗体又はこの抗原結合断片が本明細書において提供される。
特定の実施形態において、TNFアルファに特異的に結合し、MacCallum RMらにおける方法により決定される、アダリムバブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル、アフェリモマブ、ネレリモマブ、オゾラリズマブ、プラクルマブ又はゴリムマブのCDRを含む、抗体が本明細書において提供される。
特定の実施形態において、TNFアルファに特異的に結合し、AbM番号付けシステムにより決定される、アダリムバブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル、アフェリモマブ、ネレリモマブ、オゾラリズマブ、プラクルマブ又はゴリムマブのCDRを含む、抗体又はこの抗原結合断片が本明細書において提供される。
モノクローナル抗体は、Kohler及びMilstein(1975年) Nature 256巻:495頁により記載されているもののような、ハイブリドーマ法を使用して調製され得る。ハイブリドーマ法を使用して、マウス、ハムスター又は他の適切な宿主動物が免疫付与されて、免疫抗原に特異的に結合する抗体のリンパ球による産生を誘発させる。リンパ球はまた、インビトロで免疫付与され得る。免疫付与後、リンパ球を単離して、例えば、ポリエチレングリコールを使用して、好適な骨髄腫細胞系と融合し、ハイブリドーマ細胞を形成させ、この細胞を次に、未融合リンパ球及び骨髄腫細胞から選択して取り出されることができる。次に、免疫沈降、イムノブロッティングにより、又はインビトロでの結合アッセイ(例えば、放射免疫アッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着検査アッセイ(ELISA))により決定される、選択した抗原に特異的に向かうモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、標準法(Goding、Monoclonal Antibodies:Principles and Practice、Academic Press、1986年)を使用するインビトロでの培養、又は動物における腹水腫瘍としてインビボでのどちらかで増殖させることができる。次に、モノクローナル抗体は、ポリクローナル抗体に関して記載されている培養培地又は腹水から精製され得る。
代替として、モノクローナル抗体はまた、米国特許第4,816,567号に記載される、組換えDNA方法を使用して作製され得る。モノクローナル抗体をコードするポリヌクレオチドは、成熟B細胞、又は抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子を特異的に増幅するオリゴヌクレオチドプライマーを使用するRT−PCRによるようなハイブリドーマ細胞から単離され、これらの配列は、従来手順を使用して決定される。次に、重鎖及び軽鎖をコードする、単離されたポリヌクレオチドは、好適な発現ベクターにクローニングされ、このベクターは、E.コリ(E.coli)細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、又はこれがなければ、免疫グロブリンタンパク質を産生しない骨髄腫細胞のような宿主細胞にトランスフェクトされると、モノクローナル抗体が宿主細胞によって産生される。同様に、所望の種の組換えのモノクローナル抗体又はこの断片は、記載されている所望の種のCDRを発現する、ファージディスプレイライブラリから単離され得る(McCaffertyら、1990年、Nature、348巻:552〜554頁;Clacksonら、1991年、Nature、352巻:624〜628頁;及びMarksら、1991年、J.Mol.Biol.、222巻:581〜597頁)。
モノクローナル抗体をコードするポリヌクレオチドは、組換えDNA技法を使用して、いくつかの異なる方法でさらに修飾されて、代替抗体を産生することができる。一部の実施形態において、例えば、マウスモノクローナル抗体の軽鎖及び重鎖の定常ドメインが、1)例えば、ヒト抗体の領域の代わりに置き換えられて、キメラ抗体を産生することができる、又は2)非免疫グロブリンポリペプチドの代わりに置き換えられて、融合抗体を産生することができる。一部の実施形態において、定常領域は、短縮される、又は取り除かれて、モノクローナル抗体の所望の抗体断片を生成する。可変領域の部位特異的又は高密度突然変異誘発を使用して、モノクローナル抗体の特異性、親和性などを最適化することができる。
一部の実施形態において、TNFアルファに対するモノクローナル抗体は、ヒト化抗体である。ある種の実施形態において、このような抗体は治療的に使用されて、ヒト対象に投与した際に、抗原性及びHAMA(ヒト抗マウス抗体)の応答を低減させる。
非ヒト抗体若しくはヒト抗体を操作する、ヒト化する、再表面化する方法もまた、使用され得、当分野において周知である。ヒト化、再表面化又は同様に操作された抗体は、非ヒト、例えば、以下に限定されないが、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類又は他の哺乳動物源に由来する、1つ以上のアミノ酸残基を有することができる。これらの非ヒトアミノ酸残基は、多くの場合、「移入」残基と称される残基によって置き換えられ、この移入残基は、既知のヒト配列の、「移入」可変ドメイン、定常ドメイン又は他のドメインから、通常、採取される。
このような移入配列が使用されて、免疫原性を低下させる、又は結合性、親和性、会合速度、解離速度、アビディティー、特異性、半減期、若しくは当分野において公知の任意の他の好適な特性を低減、向上又は改変することができる。一般に、CDR残基は、TNFアルファ結合への影響に、直接的かつ最も実質的に関与する。したがって、非ヒト又はヒトCDR配列の一部又はすべてが維持される一方、可変領域及び定常領域の非ヒト配列は、ヒトアミノ酸又は他のアミノ酸により置き換えられ得る。
抗体はまた、任意選択的に、抗原、例えば、TNFアルファに対して高い親和性、及び他の好都合な生物学的特性を保持して操作された、ヒト化抗体、再表面化抗体、操作抗体又はヒト抗体とすることができる。この目的を達成するため、ヒト化(又はヒト)抗体又は操作された抗体及び再表面化抗体は、親配列、操作配列及びヒト化配列の三次元モデルを使用する、親配列、並びに様々な概念上のヒト化産生物及び操作産生物の解析過程によって任意選択的に調製され得る。三次元免疫グロブリンモデルは、一般に入手可能であり、当業者によく知られている。選択された候補免疫グロブリン配列の可能性の高い三次元立体構造を例示及び表示する、コンピュータプログラムが入手可能である。これらのディスプレイの精査により、候補免疫グロブリン配列の機能化における残基の可能性の高い役割の解析、すなわち候補免疫グロブリンがTNFアルファのようなこの抗原に結合する能力に影響を及ぼす残基の解析が可能となる。このように、フレームワーク(FR)残基が選択されて、コンセンサス配列及び移入配列から組み合わされ得、この結果、標的抗原に対する親和性の向上のような所望の抗体特性が実現される。
本開示の抗体のヒト化、再表面化又は操作は、以下に限定されないが、Winter(Jonesら、Nature 321巻:522頁(1986年);Riechmannら、Nature 332巻:323頁(1988年);Verhoeyenら、Science 239巻:1534頁(1988年))、Simsら、J.Immunol.151巻:2296頁(1993年);Chothia及びLesk、J.Mol.Biol.196巻:901頁(1987年)、Carterら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89巻:4285頁(1992年);Prestaら、J.Immunol.151巻:2623頁(1993年)、米国特許第5,639,641号、同第5,723,323号;同第5,976,862号;同第5,824,514号;同第5,817,483号;同第5,814,476号;同第5,763,192号;同第5,723,323号;同第5,766,886号;同第5,714,352号;同第6,204,023号;同第6,180,370号;同第5,693,762号;同第5,530,101号;同第5,585,089号;同第5,225,539号;同第4,816,567号;PCT/:US98/16280;US96/18978;US91/09630;US91/05939;US94/01234;GB89/01334;GB91/01134;GB92/01755;WO90/14443;WO90/14424;WO90/14430;EP229246;EP7,557,189;EP7,538,195;及びEP7,342,110に記載されているもののような、任意の公知の方法を使用して行われ得、これらのそれぞれは、これらに引用されている参照文献を含めて、参照により本明細書に完全に組み込まれている。
ある種の代替的実施形態において、抗体(例えば、抗TNFアルファ抗体)は、ヒト抗体である。ヒト抗体は、当分野において公知の様々な技法を使用して、直接、調製され得る。インビトロで免疫付与された、又は標的抗原に特異的な抗体を産生する免疫付与された個体から単離された、不死化ヒトBリンパ球が産生され得る(例えば、Coleら、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy、Alan R.Liss、77頁、(1985年);Boemerら、1991年、J.Immunol.、147巻(1号):86〜95頁;及び米国特許第5,750,373号を参照されたい)。同様に、ヒト抗体は、ファージライブラリから選択され得、この場合、このファージライブラリは、例えば、Vaughanら、1996年、Nat.Biotech.、14巻:309〜314頁、Sheetsら、1998年、Proc.Nat’l.Acad.Sci.、95巻:6157〜6162頁、Hoogenboom及びWinter、1991年、J.Mol.Biol.、227巻:381頁及びMarksら.、1991年、J.Mol.Biol.、222巻:581頁に記載されている通り、ヒト抗体を発現する。抗体ファージライブラリの生成及び使用に関する技法はまた、米国特許第5,969,108号、同第6,172,197号、同第5,885,793号、同第6,521,404号;同第6,544,731号;同第6,555,313号;同第6,582,915号;同第6,593,081号;同第6,300,064号;同第6,653,068号;同第6,706,484号;及び同第7,264,963号;及びRotheら、2007年、J.Mol.Bio.、doi:10.1016/j.jmb.2007.12.018(これらのそれぞれの全体を参照により組み込む)に記載されている。親和性成熟戦略及び鎖シャッフリング戦略(この全体を参照により組み込む、Marksら.、1992年、Bio/Technology 10巻:779〜783頁)は、当分野において公知であり、高い親和性ヒト抗体を産生するために使用され得る。
ヒト化抗体はまた、内因性免疫グロブリン産生物の非存在下で、免疫付与時に、ヒト抗体の全レパトリーを産生することが可能なヒト免疫グロブリン遺伝子座を含有するトランスジェニックマウスにおいて作製することもできる。この手法は、米国特許第5,545,807号;同第5,545,806号;同第5,569,825号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;及び同第5,661,016号に記載されている。
ある種の実施形態において、例えば、腫瘍浸透を向上させるための抗体断片が提供される。様々な技法が、抗体断片の産生に公知である。伝統的に、これらの断片は、無傷抗体のタンパク質分解性消化によって誘導される(例えば、Morimotoら、1993年、Journal of Biochemical及びBiophysical Methods 24巻:107〜117頁;Brennanら、1985年、Science、229巻:81頁)。ある種の実施形態において、抗体断片は、組換えにより産生される。Fab、Fv及びscFv抗体断片はすべて、E.コリ又は他の宿主細胞において発現されてこれらから分泌され得、こうして、多量のこれらの断片の産生が可能となる。このような抗体断片はまた、抗体ファージライブラリから単離され得る。これらの抗体断片はまた、米国特許第5,641,870号に記載されている、線状抗体とすることもできる。抗体断片を産生するための他の技法は、当業者に明白である。
本開示の目的に関すると、修飾された抗体は、抗原(例えば、TNFアルファ)との抗体の会合をもたらす、任意のタイプの可変領域を含むことができることを認識すべきである。この点において、可変領域は、体液性応答を高めて、所望の腫瘍関連抗原に対する免疫グロブリンを産生するよう誘発され得る、任意のタイプの哺乳動物を含むことができる、又はこれから誘導され得る。こうして、修飾した抗体の可変領域は、例えば、ヒト、マウス、非ヒト霊長類(例えば、カニクイザル、マカクなど)又はオオカミ起源とすることができる。一部の実施形態において、修飾された免疫グロブリンの可変領域及び定常領域は両方ともヒトである。他の実施形態において、適合性抗体(通常、非ヒト源に由来する)の可変領域は、操作されて、又は特異的に調節されて、分子の結合特性を改善又は分子の免疫原性を低下させることができる。この点において、本開示において有用な可変領域は、ヒト化され得、又はそうでない場合、移入アミノ酸配列を含ませることにより改変され得る。
ある種の実施形態において、重鎖及び軽鎖の両方における可変ドメインは、1つ以上のCDRの少なくとも部分的な置き換えにより、並びに必要な場合、部分的なフレームワーク領域の置き換え及び配列変更によって改変される。CDRは、フレームワーク領域が誘導される抗体と、同じクラス又はさらにサブクラスの抗体から誘導され得るが、CDRは、異なるクラスの抗体から、及びある種の実施形態において、様々な種に由来する抗体から誘導されることが想定される。CDRのすべてを、ドナー可変領域に由来する完全CDRにより置き換えて、1つの可変ドメインの抗原結合能を別の可変ドメインに転写することは必ずしも必要ではない。むしろ、抗原結合部位の活性を維持するために必要な残基を転写することしか必要としないことがある。米国特許第5,585,089号、同第5,693,761号及び同第5,693,762号に示されている説明を考慮すると、型通りの実験又は試行錯誤試験のどちらか一方を行うことによって、免疫原性の低下した機能性抗体を得ることは、当業者の技量範囲内に十分にある。
抗TNFアルファタンパク質は、可溶性TNF受容体タンパク質を含む。抗TNFアルファタンパク質は、可溶性p75TNF受容体とすることができる。抗TNFアルファタンパク質は、可溶性p55TNF受容体とすることができる。
可溶性TNF受容体は、TNFアルファ及びTNFベータの両方に結合することができる。可溶性TNF受容体は、TNFアルファに結合することができるが、TNFベータには結合することができない。
抗TNFアルファタンパク質、例えば可溶性TNF受容体は、重鎖定常ドメイン若しくはこの断片、又はFc領域若しくはこの断片に融合され得る。重鎖定常ドメイン断片又はFc断片は、Fc受容体に結合することが可能な定常ドメインの一部又はFcとすることができる。重鎖定常ドメイン断片又はFc断片は、補体の存在下、インビトロで細胞溶解を誘発することができる、定常ドメインの一部又はFcとすることができる。重鎖定常ドメイン断片又はFc断片は、ADCCを誘発することができる定常ドメインの一部又はFcとすることができる。
重鎖定常ドメイン若しくはこの断片、又はFc領域若しくはこの断片は、ヒト重鎖定常ドメイン若しくはこの断片、又はヒトFc領域若しくはこの断片とすることができる。重鎖定常ドメイン若しくはこの断片、又はFc領域若しくはこの断片は、IgG1重鎖定常ドメイン若しくはこの断片、又はIgG1 Fc領域若しくはこの断片とすることができる。重鎖定常ドメイン若しくはこの断片、又はFc領域若しくはこの断片は、ヒトIgG1重鎖定常ドメイン若しくはこの断片、又はヒトIgG1 Fc領域若しくはこの断片とすることができる。
当業者は、本開示の抗体及びこの抗原結合断片、並びに本開示の抗TNFタンパク質は、天然又は未改変の定常領域を含むほぼ同じ免疫原性の抗体、この抗原結合断片又は抗TNFタンパク質と比較すると、血清半減期の短縮のような、所望の生化学的特性を実現するよう改変されたドメインを含めた、1つ以上の定常領域ドメインを含む、抗体、この抗原結合断片及び抗TNFタンパク質(例えば、完全長抗体、抗体の抗原結合断片又は可溶性TNF受容体タンパク質)を含むことを理解している。一部の実施形態において、抗体、この抗原結合断片又は抗TNFタンパク質(例えば、完全長抗体、抗体の抗原結合断片、又は可溶性TNF受容体タンパク質)の定常領域は、ヒト定常領域を含む。本開示と適合可能な定常領域への修飾は、1つ以上のドメインにおける1つ以上のアミノ酸の追加、欠失又は置換を含む。すなわち、本明細書において開示されている、抗体、この抗原結合断片又は抗TNFタンパク質(例えば、完全長抗体、抗体の抗原結合断片又は可溶性TNF受容体タンパク質)は、3つの重鎖定常ドメイン(CH1、CH2又はCH3)及び/又は軽鎖定常ドメイン(CL)のうちの1つ以上に対する改変又は修飾を含むことができる。一部の実施形態において、1つ以上のドメインが部分的に、又は完全に欠失された、修飾された定常領域が企図される。一部の実施形態において、抗体、この抗原結合断片、又は抗TNFタンパク質(例えば、完全長抗体、抗体の抗原結合断片又は可溶性TNF受容体タンパク質)は、CH2ドメイン全体が、除去されている(ΔCH2構築物)ドメインの欠失した構築物又はバリアントを含む。一部の実施形態において、削除された定常領域ドメインは、定常領域の欠如によって、通常、付与される分子の可撓性をある程度もたらす、短いアミノ酸スペーサー(例えば、10残基)により置き換えられる。
ある種の実施形態において、抗体、この抗原結合断片、又は抗TNFタンパク質(例えば、完全長抗体、抗体の抗原結合断片又は可溶性TNF受容体タンパク質)は、操作されて、CH3ドメインを、個々の抗体、この抗原結合断片、又は抗TNFタンパク質(例えば、完全長抗体、抗体の抗原結合断片又は可溶性TNF受容体タンパク質)のヒンジ領域に直接融合することができることに留意されたい。他の構築物において、ヒンジ領域と修飾されたCH2及び/又はCH3ドメインとの間のペプチドスペーサーを得ることが望ましいことになり得る。例えば、CH2ドメインが欠失されて、残りのCH3ドメイン(修飾済み又は未修飾)が、5〜20のアミノ酸スペーサーを有するヒンジ領域に結合された、適合性構築物が発現され得る。このようなスペーサーが付与されて、例えば、定常ドメインの調節要素が遊離して接近可能な状態にある、又はヒンジ領域が可撓性を維持している状態にあることを確実とすることができる。しかし、アミノ酸スペーサーは、一部の場合、免疫原性であることが判明しており、構築物に対する望まれない免疫応答を誘発する恐れがあることに留意すべきである。したがって、ある種の実施形態において、構築物に追加されたいずれのスペーサーも、抗体、この抗原結合断片、又は抗TNFタンパク質(例えば、完全長抗体、抗体の抗原結合断片又は可溶性TNF受容体タンパク質)の所望の生化学的性質を維持するよう、相対的に非免疫原性となる、又は一緒に削除されることさえある。
本開示の抗体、この抗原結合断片及び抗TNFタンパク質(例えば、完全長抗体、抗体の抗原結合断片又は可溶性TNF受容体タンパク質)は、数種のアミノ酸、又は単一アミノ酸でさえも、部分的に欠失又は置換させることにより得ることができることが理解される。例えば、CH2ドメインの選択された領域における単一アミノ酸の変異は、Fc結合を実質的に低減させるのに十分となり得、これにより、腫瘍の局在化が増大する。同様に、モジュレートされるエフェクター機能(例えば、補体C1Q結合)を制御する、1つ以上の定常領域ドメインの一部を単に欠失させることが望ましいことがある。定常領域のこのような部分的欠失は、対象とする定常領域ドメインに関連する望ましい他の機能を無傷のままにすると同時に、抗体の選択された特性(血清半減期)を改善することができる。さらに、上で言及したように、開示される抗体、この抗原結合断片及び抗TNFタンパク質(例えば、完全長抗体、抗体の抗原結合断片、又は可溶性TNF受容体タンパク質)の定常領域は、得られた構築物のプロファイルを増強する1つ以上のアミノ酸の変異又は置換によって修飾され得る。この点において、抗体、この抗原結合断片、及び抗TNFタンパク質(例えば、完全長抗体、抗体の抗原結合断片、又は可溶性TNF受容体タンパク質)の立体配置及び免疫原性プロファイルを実質的に維持すると同時に、保存結合部位(例えば、Fc結合)によりもたらされる活性を撹乱することが可能となり得る。ある種の実施形態は、定常領域への1つ以上のアミノ酸の付加を含んで、エフェクター機能の低下又は向上のような望ましい特性を向上させることができる、又はより多くのグルココルチコイド受容体アゴニスト結合をもたらすことができる。このような実施形態において、選択された定常領域ドメインに由来する、特定の配列を挿入又は複製することが望ましいものとなり得る。
本開示の抗体、この抗原結合断片及び抗TNFタンパク質(例えば、完全長抗体、抗体の抗原結合断片、又は可溶性TNF受容体タンパク質)は、修飾されて、免疫原性を低下することができる、すなわち抗薬物免疫応答(ADA)を低下させることができることが理解される。このように行う方法は、例えば、その全体を参照により本明細書に組み込む、WO2015/073884に開示されている。
本開示はさらに、本明細書において示されている、抗体、この抗原結合断片及び抗TNFタンパク質(例えば、完全長抗体、抗体の抗原結合断片、又は可溶性TNF受容体タンパク質)に対して実質的に相同性のバリアント及び等価物を包含する。これらは、例えば、保存的置換変異、すなわち、類似アミノ酸による1つ以上のアミノ酸の置換を含むことができる。例えば、保存的置換とは、例えば、1つの酸性アミノ酸を別の酸性アミノ酸により、1つの塩基性アミノ酸を別の塩基性アミノ酸により、又は1つの中性アミノ酸を別の中性アミノ酸により置換するような、あるアミノ酸を同一の一般クラス内の別のアミノ酸により置換することを指す。保存的なアミノ酸置換により意図されるものは、当分野において周知である。
本開示のポリペプチドは抗体、この抗原結合断片又は抗TNFタンパク質の、組換えポリペプチド、天然ポリペプチド又は合成ポリペプチドとすることができる。本開示の一部のアミノ酸配列は、タンパク質の構造又は機能の有意な影響なしに、変え得ることは当分野において認識されている。したがって、本開示は、大きな活性を示す、又は抗体、この抗原結合断片若しくは抗TNFアルファタンパク質の領域を含む、ポリペプチドの変形をさらに含む。このような変異体には、欠失、挿入、反転、反復及びタイプ置換が含まれる。
ポリペプチド及びアナログは、さらに修飾されて、通常、タンパク質の部分ではなく、追加的な化学部分を含有することができる。このような誘導された部分は、タンパク質の溶解度、生物学的半減期又は吸収を改善することができる。この部分はまた、タンパク質などの任意の望ましい副作用を低減又はなくすこともできる。これらの部分に関する総説は、REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES、第20版、Mack Publishing Co.、Easton、PA(2000年)に見出され得る。
本明細書に記載されている単離されたポリペプチドは、任意の好適な当分野において公知の方法によって生成され得る。このような方法は、直接的なタンパク質合成法から、単離したポリペプチド配列をコードして形質転換された好適な宿主におけるこのような配列を発現するDNA配列の構築にまで及ぶ。一部の実施形態において、DNA配列は、目的の野生型タンパク質をコードするDNA配列を単離又は合成することによる、組換え技術を使用して構築される。任意選択的に、配列は、部位特異的突然変異誘発により、突然変異誘発されて、この機能的アナログを与えることができる。例えば、Zoellerら、Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 81巻:5662〜5066頁(1984年)及び米国特許第4,588,585号を参照されたい。
一部の実施形態において、目的のポリペプチドをコードするDNA配列は、オリゴヌクレオチド合成装置を使用する化学合成によって構築される。このようなオリゴヌクレオチドは、所望のポリペプチドのアミノ酸配列、及び目的の組換えポリペプチドが産生する宿主細胞に好都合のコドンの選択に基づいて設計され得る。標準法は、目的の単離されたポリペプチドをコードする、単離されたポリヌクレオチド配列を合成するために適用され得る。例えば、完全アミノ酸配列を使用して、逆翻訳された遺伝子を構築することができる。さらに、特定の単離されたポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含有するDNAオリゴマーが合成され得る。例えば、所望のポリペプチドの一部をコードするいくつかの小さなオリゴヌクレオチドが合成されて、次にライゲーションされ得る。それぞれのオリゴヌクレオチドは、一般的に、相補的集合体(complementary assembly)のための5’又は3’オーバーハングを含む。
一旦、集合すると(合成、部位特異的変異誘発又は別の方法による)、目的の単離された特定のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列は、発現ベクターに挿入され、所望の宿主におけるタンパク質の発現にとって適切な、発現調節配列に操作可能に連結される。適切な集合体は、好適な宿主における、ヌクレオチドの配列決定、制限マッピング、及び生物活性なポリペプチドの発現により確認され得る。当分野において周知の通り、宿主において、トランスフェクトされた遺伝子の高い発現レベルを得るために、遺伝子は、選択された発現宿主において機能的な転写及び翻訳発現調節配列に操作可能に連結されなければならない。
ある種の実施形態において、組換え発現ベクターを使用して、抗体、この抗原結合断片、又は抗TNFタンパク質(例えば、完全長抗体、抗体の抗原結合断片、又は可溶性TNF受容体タンパク質)をコードするDNAを増幅及び発現させる。組換え発現ベクターは、哺乳動物、微生物、ウイルス又は昆虫遺伝子に由来する、好適な転写又は翻訳調節要素に操作可能に連結されている、抗体、この抗原結合断片、又は抗TNFタンパク質(例えば、完全長抗体、抗体の抗原結合断片、又は可溶性TNF受容体タンパク質)のポリペプチド鎖をコードする、合成された又はcDNA由来のDNA断片を有する、複製可能なDNA構築物である。転写単位は、一般に、(1)遺伝子発現における調節役割を有する遺伝要素(単数又は複数)、例えば転写プロモータ又はエンヘンサー、(2)mRNAに転写されてタンパク質に翻訳される、構造配列又はコード配列、及び(3)適切な転写及び翻訳開始配列並びに終止配列からなる集合体を含む。このような調節要素は、転写を制御するオペレータ配列を含むことができる。元の複製によって通常、付与される宿主における複製能力、及び形質転換細胞の認識を容易にする選択遺伝子がさらに、取り込まれ得る。DNA領域は、これらの領域が互いに機能的に関連している場合、操作可能に連結されている。例えば、シグナルペプチド(分泌リーダー(secretory leader))が、該ポリペプチドの分泌に関与する前駆体として発現される場合、このシグナルペプチドのDNAは、ポリペプチドのDNAに操作可能に連結されている。プロモータは、コード配列の転写を制御する場合、この配列に操作可能に連結されている。又は、リボソーム結合部位が、翻訳を可能にするよう位置されている場合、コード配列に操作可能に連結されている。酵母発現システムに使用するよう意図されている構造要素には、宿主細胞により翻訳されたタンパク質の細胞外分泌を可能にするリーダー配列が含まれる。代替的に、組換えタンパク質が、リーダー又はトランスポート配列なしに発現される場合、この組換えタンパク質は、N末端メチオニン残基を含むことができる。この残基は、続いて、発現された組換えタンパク質から任意選択的に開裂されて、最終産生物をもたらすことができる。
発現調節配列及び発現ベクターの選択は、宿主の選択に依存する。幅広い発現宿主/ベクターの組合せが使用され得る。真核生物の宿主に有用な発現ベクターには、例えば、SV40、ウシパピローマウイルス、アデノウイルス及びサイトメガロウイルスに由来する、発現調節配列を含むベクターが含まれる。細菌宿主に有用な発現ベクターには、pCR1、pBR322、pMB9及びこれらの誘導体を含めた、エスケリキア・コリ(Escherichia coli)に由来するプラスミドのような既知の細菌プラスミド、M13のような広宿主域プラスミド及び繊維状一本鎖DNAファージが含まれる。
抗体、この抗原結合断片及び抗TNFタンパク質(例えば、完全長抗体、抗体の抗原結合断片、又は可溶性TNF受容体タンパク質)を発現するのに好適な宿主細胞には、適切なプロモータの制御下、原核生物、酵母、昆虫又は高等な真核細胞が含まれる。原核生物には、グラム陰性生物又はグラム陽性生物、例えば、E.コリ又は桿菌が含まれる。高等真核細胞には、哺乳動物起源の確立された細胞系が含まれる。細胞不含の翻訳システムも使用され得る。細菌、真菌、酵母及び哺乳動物細胞の宿主を用いる使用に適切なクローニング及び発現ベクターは、Pouwelsら(Cloning Vectors:A Laboratory Manual、Elsevier、N.Y.、1985年)により記載されている、この関連開示は、参照により本明細書に組み込まれている。抗体産生を含めた、タンパク質産生の方法に関する追加情報は、これらの各々の全体を参照により本明細書に組み込む、例えば、米国特許公開第2008/0187954号、米国特許第6,413,746号及び同第6,660,501号、及び国際特許公開番号WO04009823に見出すことができる。
様々な哺乳動物又は昆虫細胞培養物システムもまた、有利に使用されて、組換えタンパク質を発現する。哺乳動物細胞における組換えタンパク質は、一般に、正確にフォールディングされて、適切に修飾され、完全な機能があるので、このようなタンパク質の発現が行われ得る。好適な哺乳動物の宿主細胞系の例には、HEK−293及びHEK−293T、Gluzman(Cell 23巻:175頁、1981年)により記載されている、サル腎細胞のCOS−7系、及び例えば、L細胞、C127、3T3、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、HeLa及びBHK細胞系を含めた、他の細胞系が含まれる。哺乳動物発現ベクターは、複製起源のような非転写要素、発現される遺伝子に連結されている好適なプロモータ及びエンヘンサー、並びに他の5’又は3’フランキング非転写配列、並びに必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナー部位及びアクセプター部位のような5’又は3’非翻訳配列、並びに転写終止配列を含むことができる。昆虫細胞における非相同性のタンパク質を産生するバキュロウィルスシステムが、Luckow及びSummers、Bio/Technology 6巻:47頁(1988年)によって概説されている。
形質転換宿主によって産生されたタンパク質は、任意の好適な方法に従って精製され得る。このような標準法には、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性カラムクロマトグラフィー及びサイジングカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、溶解度差、又はタンパク質精製用の他の任意の標準技法によるものが含まれる。ヘキサヒスチジンのような親和性タグ、マルトース結合ドメイン、インフルエンザコート配列及びグルタチオン−S−トランスフェラーゼをタンパク質に結合させて、適切な親和性カラムに通すことにより、容易な精製が可能となり得る。単離されたタンパク質はまた、タンパク質分解、核磁気共鳴及びX線結晶学のような技法を使用して、物理的に特徴付けることができる。
例えば、培養培地に組換えタンパク質を分泌する系に由来する上澄み液は、市販のタンパク質濃縮フィルター、例えば、Amicon又はMillipore Pelliconの限外ろ過ユニットを使用して、最初に濃縮することができる。濃縮工程の後に、濃縮物を好適な精製マトリックスに適用することができる。代替的に、陰イオン交換樹脂、例えば、ペンダントジエチルアミノエチル(DEAE)基を有するマトリックス又は基材が使用され得る。マトリックスは、アクリルアミド、アガロース、デキストラン、セルロース、又はタンパク質精製に一般に使用される他のタイプのものとすることができる。代替的に、陽イオン交換工程が使用され得る。好適な陽イオン交換体は、スルホプロピル基又はカルボキシメチル基を含む様々な不溶性マトリックスを含む。最後に、疎水的なRP−HPLC媒体、例えば、ペンダントメチル又は他の脂肪族基を有するシリカゲルを使用する、1つ以上の逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)工程を使用して、抗TNFタンパク質(例えば、完全長抗体、抗体の抗原結合断片、又は可溶性TNF受容体タンパク質)をさらに精製することができる。上述の精製工程の一部又はすべても、様々に組み合わせて使用され、均一な組換えタンパク質を得ることができる。
細菌の培養物中において産生された組換えタンパク質は、例えば、細胞ペレットから最初に抽出し、次いで、濃縮、塩析出、水性イオン交換又はサイズ排除クロマトグラフィー工程のうちの1つ以上により単離され得る。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、最終精製工程に使用することができる。組換えタンパク質の発現に使用される微生物細胞は、凍結−解凍サイクル、音波照射、機械的破壊、又は細胞溶解剤の使用を含めた、任意の便利な方法により破壊され得る。
抗体、この抗原結合断片、及び抗TNFアルファタンパク質を精製するための当分野において公知の方法には、例えば、米国特許公開第2008/0312425号、同第2008/0177048号及び同第2009/0187005号に記載されているものも含まれ、これらの各々の全体を、参照により本明細書に組み込む。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、ここでは、SMはグルココルチコステロイドの一価の基である。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物が、本明細書において開示されており、ここでは、SMは、式II−aを有する、グルココルチコステロイドの一価の基であり、式中、R9aは、
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、ここでは、SMは、式II−l:
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、ここでは、SMは、式II−m:
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、ここでは、SMは、式II−o:
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、ここでは、SMは、式II−p:
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、ここでは、SMは、式II−q:
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、式中、SMは、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、式中、SMは、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、式中、R1は、水素及びフルオロからなる群から選択される。
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、式中、SMは、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、式中、R2は、水素及びフルオロからなる群から選択される。
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、式中、SMは、式II−a、II−b、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l’、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、R3は、−CH2OH、−CH2Cl、−SCH2Cl、−SCH2F及び−OHからなる群から選択される。
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、式中、SMは、式II−a、II−b、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l’、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、式中、
R3は、
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、式中、SMは、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、R5及びR8aは、水素及びメチルからなる群から独立して選択される。
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、式中、SMは、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、Zは、=CH−である。
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、式中、SMは、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、Zは、=N−である。
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、式中、SMは、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、R6a、R6d及びR6eは、水素である。
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、式中、SMは、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、Y2は−N(R7a)−である。別の実施形態において、R7aは、水素及びメチルからなる群から選択される。別の実施形態において、R7aは、水素である。別の実施形態において、R7aは、メチルである。
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、式中、SMは、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、式中、
Xは、−(CR4aR4b)t−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−CH2S−及び−N(H)CH(R8a)−からなる群から選択され、
tは、1であり、
R4a及びR4bは、水素及びメチルからなる群から独立して選択され、又は、
R4a及びR4bは、これらが結合している炭素原子と一緒になって、3員のシクロアルキルを形成し、
R8aは、水素及びメチルからなる群から選択される。別の実施形態において、Xは−CH2−である。別の実施形態において、Xは、以下:
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、式中、SMは、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−l、II−m若しくはII−nのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−l’、II−m’、II−n’、II−l”、II−m”若しくはII−n”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、R6cは、水素、−Cl、−OMe(又は−OCH3)及び−OHからなる群から選択される。
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、式中、SMは、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−o’、II−p’、II−q’、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、R6bは、水素、−Cl、−OMe(又は−OCH3)及び−OHからなる群から選択される。
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、式中、SMは、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、R9fは水素である。
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、式中、SMは、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、R9fはメチルである。
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、式中、SMは、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、R11aは、水素及び−OHからなる群から選択される。
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、式中、SMは、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、R11bは水素である。
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、Lが開裂可能なリンカーである、式I−a又はI−bを有する化合物が本明細書において開示されている。別の実施形態において、開裂可能なリンカーは、スクシンイミド、アミド、チオウレア、チオエーテル、オキシム若しくは自己崩壊基、又はこれらの組合せを含む。別の実施形態において、開裂可能なリンカーはペプチドを含む。別の実施形態において、開裂可能なリンカーはトリペプチドを含む。別の実施形態において、開裂可能なリンカーはジペプチドを含む。別の実施形態において、開裂可能なリンカーはリン酸エステルを含む。別の実施形態において、開裂可能なリンカーは、ピロリン酸ジエステルを含む。
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、Qが存在しない、式I−a又はI−bを有する化合物が本明細書において開示される。
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、Qがヘテロ二官能基である、式I−a又はI−bを有する化合物が本明細書において開示されている。
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、Qが、以下:
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、Qがヘテロ三官能基である、式I−a又はI−bを有する化合物が本明細書において開示されている。
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩、例えば、本明細書において開示されており、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、Qが、
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、−L−Q−が、以下:
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、−L−Q−が、以下:
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、Lが非開裂性リンカーである、式I−a又はI−bを有する化合物が本明細書において開示されている。別の実施形態において、リンカーは、1つ以上のポリエチレングリコール単位を含む。
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、−L−Q−が、以下:
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、−L−Q−が、以下:
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、−L−Q−が、以下:
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、−L−Q−が、以下:
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、−L−Q−が、以下:
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、−L−Q−が、以下:
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、−L−Q−が、以下:
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、−L−Q−が、表Iの化学構造のいずれか1つ:
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基であり、nが、2〜8である、式I−a又はI−bを有する化合物が本明細書において開示されている。別の実施形態において、nは1〜5である。別の実施形態において、nは2〜5である。別の実施形態において、nは1である。別の実施形態において、nは2である。別の実施形態において、nは3である。別の実施形態において、nは4である。別の実施形態において、nは5である。別の実施形態において、nは6である。別の実施形態において、nは7である。別の実施形態において、nは8である。
別の実施形態において、式I−a若しくはI−bを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、ここでは、SMは、表IIの化学構造のいずれか1つであるグルココルチコステロイドの一価の基である。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、A1は、抗体若しくはこの抗原結合断片である、又はA2は、抗体若しくはこの抗原結合断片である。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、A1は、ヒトTNFアルファ及び/若しくはマウスTNFアルファに結合する抗腫瘍壊死因子(TNF)アルファタンパク質である、又はA2は、ヒトTNFアルファ及び/若しくはマウスTNFアルファに結合するタンパク質である。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、A1は、可溶性TNFアルファに結合する抗腫瘍壊死因子(TNF)アルファタンパク質である、又はA2は、可溶性TNFアルファに結合するタンパク質である。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、A1は、膜結合TNFアルファに結合する抗腫瘍壊死因子(TNF)アルファタンパク質である、又はA2は、膜結合TNFアルファに結合するタンパク質である。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、A1は、抗TNF抗体を含む抗腫瘍壊死因子(TNF)アルファタンパク質である、又はA2は、抗TNF抗体を含むタンパク質である。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、A1は、抗TNF受容体抗体を含む抗腫瘍壊死因子(TNF)アルファタンパク質である、又はA2は、抗TNF受容体抗体を含むタンパク質である。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、A1は、抗TNF抗体の抗原結合断片を含む抗腫瘍壊死因子(TNF)アルファタンパク質である、又はA2は、抗TNF抗体の抗原結合断片を含むタンパク質である。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、A1は、抗TNF受容体抗体の抗原結合断片を含む抗腫瘍壊死因子(TNF)アルファタンパク質である、又はA2は、抗TNF受容体抗体の抗原結合断片を含む抗腫瘍壊死因子(TNF)アルファタンパク質である。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、抗原結合断片は、Fab、Fab’、F(ab’)2、一本鎖Fv若しくはscFv、ジスルフィド架橋Fv、V−NARドメイン、IgNar、イントラボディ、IgGΔCH2、ミニボディ、F(ab’)3、テトラボディ、トライアボディ、ダイアボディ、単一ドメイン抗体、DVD−Ig、Fcab、mAb2、(scFv)2又はscFv−Fcからなる群から選択される。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、抗体又はこの抗原結合断片は、マウス、キメラ、ヒト化又はヒトである。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、A1は、可溶性TNF受容体を含む抗腫瘍壊死因子(TNF)アルファタンパク質である、又はA2は、可溶性TNF受容体を含むタンパク質である。別の実施形態において、可溶性TNF受容体は、可溶性p75 TNF受容体である。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、A1は、重鎖定常ドメイン又はこの断片を含む、又はA2は、重鎖定常ドメイン又はこの断片を含む。別の実施形態において、重鎖定常ドメイン又はこの断片は、(a)IgA定常ドメイン、(b)IgD定常ドメイン、(c)IgE定常ドメイン、(d)IgG1定常ドメイン、(e)IgG2定常ドメイン、(f)IgG3定常ドメイン、(g)IgG4定常ドメイン及び(h)IgM定常ドメインからなる群から選択される定常ドメインを含む、又はこれらの断片である。別の実施形態において、重鎖定常ドメインは、ヒトIgG1重鎖定常ドメイン又はこの断片を含む。別の実施形態において、重鎖定常ドメインは、ヒトIgG1 Fcドメインを含む。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p又はII−qのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、A1は、軽鎖定常ドメイン又はこの断片を含む、又はA2は、軽鎖定常ドメイン又はこの断片を含む。別の実施形態において、軽鎖定常ドメイン又はこの断片は、(a)Igカッパ定常ドメイン及び(b)Igラムダ定常ドメインからなる群から選択される定常ドメインを含む、又はこれらの断片である。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、A1は、アダリムバブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル及びゴリムマブからなる群から選択される抗体がTNFアルファに結合するのを競合的に阻害する、又はA2は、アダリムバブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル及びゴリムマブからなる群から選択される抗体がTNFアルファに結合するのを競合的に阻害する。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、A1は、アダリムバブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル、アフェリモマブ、ネレリモマブ、オゾラリズマブ、プラクルマブ及びゴリムマブからなる群から選択される抗体と同じTNFアルファエピトープに結合する、又はA2は、アダリムバブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル、アフェリモマブ、ネレリモマブ、オゾラリズマブ、プラクルマブ及びゴリムマブからなる群から選択される抗体と同じTNFアルファエピトープに結合する。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、抗TNFアルファタンパク質は、アダリムバブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル、アフェリモマブ、ネレリモマブ、オゾラリズマブ、プラクルマブ及びゴリムマブからなる群から選択される。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、A1は、それぞれ、配列番号3又は6、配列番号4及び配列番号5の可変重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、並びにそれぞれ、配列番号32、配列番号33及び配列番号34の可変軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列を含む、又はA2は、それぞれ、配列番号3又は6、配列番号4及び配列番号5の可変重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、並びにそれぞれ、配列番号32、配列番号33及び配列番号34の可変軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列を含む。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、A1は、配列番号50の可変重鎖配列、及び配列番号59の可変軽鎖配列を含む、又はA2は、配列番号50の可変重鎖配列、及び配列番号59の可変軽鎖配列を含む。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、A1はTNFベータに結合しない、又はA2はTNFベータに結合しない。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、A1はTNFベータに結合する、又はA1はTNFベータに結合する。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、A1は、インビトロでのL929アッセイにおいて、IC50が1X10−7M以下でヒトTNFアルファ細胞毒性を中和する、又はA2は、インビトロでのL929アッセイにおいて、IC50が1X10−7M以下でヒトTNFアルファ細胞毒性を中和する。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、A1は、TNFアルファとp55及びp75細胞表面受容体との相互作用を遮断する、又はA2は、TNFアルファとp55及びp75細胞表面受容体との相互作用を遮断する。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、A1は、補体の存在下、インビトロで表面TNFを発現する細胞を溶解する、又はA2は、補体の存在下、インビトロで表面TNFを発現する細胞を溶解する。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、可溶性p75 TNF受容体はエタネルセプトである。
別の実施形態において、式I−aを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−a’、II−b’、II−c’、II−d’、II−e’、II−f’、II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−aを有する化合物、又は式I−bを有する化合物若しくは薬学的に許容されるこの塩、例えば、式中、SMが、式II−l、II−m、II−n、II−o、II−p若しくはII−qのいずれか1つ、又は式II−l’、II−m’、II−n’、II−o’、II−p’、II−q’、II−l”、II−m”、II−n”、II−o”、II−p”若しくはII−q”のうちのいずれか1つを有するグルココルチコステロイドの一価の基である、式I−bを有する化合物が本明細書において開示されており、抗体はアダリムバブである。
別の実施形態において、式VII、VII−A、VII−B、VIII、VIII−a、VIII−b、IX、IX−a若しくはIX−bのいずれか1つ、又は式VII’、VII−A’、VII−B’、VIII’、VIII−a’、VIII−b’、IX’、IX−a’、IX−b’、VII”、VII−A”、VII−B”、VIII”、VIII−a”、VIII−b”、IX”、IX−a”若しくはIX−b”のうちのいずれか1つを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されており、
別の実施形態において、式VII、VII−A、VII−B、VIII、VIII−a、VIII−b、IX、IX−a若しくはIX−bのいずれか1つ、又は式VII’、VII−A’、VII−B’、VIII’、VIII−a’、VIII−b’、IX’、IX−a’、IX−b’、VII”、VII−A”、VII−B”、VIII”、VIII−a”、VIII−b”、IX”、IX−a”若しくはIX−b”のうちのいずれか1つを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示され、R1は、水素及びフルオロからなる群から選択される。
別の実施形態において、式VII、VII−A、VII−B、VIII、VIII−a、VIII−b、IX、IX−a若しくはIX−bのいずれか1つ、又は式VII’、VII−A’、VII−B’、VIII’、VIII−a’、VIII−b’、IX’、IX−a’、IX−b’、VII”、VII−A”、VII−B”、VIII”、VIII−a”、VIII−b”、IX”、IX−a”若しくはIX−b”のうちのいずれか1つを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示され、R2は、水素及びフルオロからなる群から選択される。
別の実施形態において、式VII、VII−A、VII−B、VIII、VIII−a、VIII−b、IX、IX−a若しくはIX−bのいずれか1つ、又は式VII’、VII−A’、VII−B’、VIII’、VIII−a’、VIII−b’、IX’、IX−a’、IX−b’、VII”、VII−A”、VII−B”、VIII”、VIII−a”、VIII−b”、IX”、IX−a”若しくはIX−b”のうちのいずれか1つを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示され、R3は、−CH2OH、−CH2Cl、−SCH2Cl、−SCH2F及び−OHからなる群から選択される。
別の実施形態において、式VII、VII−A、VII−B、VIII、VIII−a、VIII−b、IX、IX−a若しくはIX−bのいずれか1つ、又は式VII’、VII−A’、VII−B’、VIII’、VIII−a’、VIII−b’、IX’、IX−a’、IX−b’、VII”、VII−A”、VII−B”、VIII”、VIII−a”、VIII−b”、IX”、IX−a”若しくはIX−b”のうちのいずれか1つを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示され、
R3が、
別の実施形態において、式VII、VII−A、VII−B、VIII、VIII−a、VIII−b、IX、IX−a若しくはIX−bのいずれか1つ、又は式VII’、VII−A’、VII−B’、VIII’、VIII−a’、VIII−b’、IX’、IX−a’、IX−b’、VII”、VII−A”、VII−B”、VIII”、VIII−a”、VIII−b”、IX”、IX−a”若しくはIX−b”のうちのいずれか1つを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示され、R5及びR8aは、水素及びメチルからなる群から独立して選択される。
別の実施形態において、式VII、VII−A、VII−B、VIII、VIII−a、VIII−b、IX、IX−a若しくはIX−bのいずれか1つ、又は式VII’、VII−A’、VII−B’、VIII’、VIII−a’、VIII−b’、IX’、IX−a’若しくはIX−b’のいずれか1つを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示され、Zは=CH−である。
別の実施形態において、式VII、VII−A、VII−B、VIII、VIII−a、VIII−b、IX、IX−a若しくはIX−bのいずれか1つ、又は式VII’、VII−A’、VII−B’、VIII’、VIII−a’、VIII−b’、IX’、IX−a’、IX−b’のいずれか1つを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示され、Zは=N−である。
別の実施形態において、式VII、VII−A、VII−B、VIII、VIII−a、VIII−b、IX、IX−a若しくはIX−bのいずれか1つ、又は式VII’、VII−A’、VII−B’、VIII’、VIII−a’、VIII−b’、IX’、IX−a’、IX−b’、VII”、VII−A”、VII−B”、VIII”、VIII−a”、VIII−b”、IX”、IX−a”若しくはIX−b”のうちのいずれか1つを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示され、R7aは、水素及びメチルからなる群から選択される。別の実施形態において、R7aは、水素である。別の実施形態において、R7aは、メチルである。
別の実施形態において、式VII、VII−A、VII−B、VIII、VIII−a、VIII−b、IX、IX−a若しくはIX−bのいずれか1つ、又は式VII’、VII−A’、VII−B’、VIII’、VIII−a’、VIII−b’、IX’、IX−a’、IX−b’、VII”、VII−A”、VII−B”、VIII”、VIII−a”、VIII−b”、IX”、IX−a”若しくはIX−b”のうちのいずれか1つを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示され、
Xは、−(CR4aR4b)t−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−CH2S−及び−N(H)CH(R8a)−からなる群から選択され、
tは、1であり、
R4a及びR4bは、水素及びメチルからなる群から独立して選択され、又は、
R4a及びR4bは、これらが結合している炭素原子と一緒になって、3員のシクロアルキルを形成する。別の実施形態において、Xは−CH2−である。別の実施形態において、Xは、以下:
別の実施形態において、式VII、VII−A、VII−B、VIII、VIII−a、VIII−b、IX、IX−a若しくはIX−bのいずれか1つ、又は式VII’、VII−A’、VII−B’、VIII’、VIII−a’、VIII−b’、IX’、IX−a’、IX−b’、VII”、VII−A”、VII−B”、VIII”、VIII−a”、VIII−b”、IX”、IX−a”若しくはIX−b”のうちのいずれか1つを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示され、R11bは水素である。
別の実施形態において、式VII、VII−A、VII−B、VIII、VIII−a、VIII−b、IX、IX−a若しくはIX−bのいずれか1つ、又は式VII’、VII−A’、VII−B’、VIII’、VIII−a’、VIII−b’、IX’、IX−a’、IX−b’、VII”、VII−A”、VII−B”、VIII”、VIII−a”、VIII−b”、IX”、IX−a”若しくはIX−b”のうちのいずれか1つを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示され、R7bは水素である。
別の実施形態において、式VII、VII−A、VII−B、VIII、VIII−a、VIII−b、IX、IX−a若しくはIX−bのいずれか1つ、又は式VII’、VII−A’、VII−B’、VIII’、VIII−a’、VIII−b’、IX’、IX−a’、IX−b’、VII”、VII−A”、VII−B”、VIII”、VIII−a”、VIII−b”、IX”、IX−a”若しくはIX−b”のうちのいずれか1つを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示され、R7a及びR7bは、水素である。
別の実施形態において、式VII、VII−A、VII−B、VIII、VIII−a、VIII−b、IX、IX−a若しくはIX−bのいずれか1つ、又は式VII’、VII−A’、VII−B’、VIII’、VIII−a’、VIII−b’、IX’、IX−a’、IX−b’、VII”、VII−A”、VII−B”、VIII”、VIII−a”、VIII−b”、IX”、IX−a”若しくはIX−b”のうちのいずれか1つを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示され、R6bは、水素、−Cl、−OMe(又は−OCH3)及び−OHからなる群から選択される。
別の実施形態において、式VII、VII−A、VII−B、VIII、VIII−a、VIII−b、IX、IX−a若しくはIX−bのいずれか1つ、又は式VII’、VII−A’、VII−B’、VIII’、VIII−a’、VIII−b’、IX’、IX−a’、IX−b’、VII”、VII−A”、VII−B”、VIII”、VIII−a”、VIII−b”、IX”、IX−a”若しくはIX−b”のうちのいずれか1つを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示され、R9fは、水素である。
別の実施形態において、式VII、VII−A、VII−B、VIII、VIII−a、VIII−b、IX、IX−a若しくはIX−bのいずれか1つ、又は式VII’、VII−A’、VII−B’、VIII’、VIII−a’、VIII−b’、IX’、IX−a’、IX−b’、VII”、VII−A”、VII−B”、VIII”、VIII−a”、VIII−b”、IX”、IX−a”若しくはIX−b”のうちのいずれか1つを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示され、R9fは、メチルである。
別の実施形態において、式VII、VII−A、VII−B、VIII、VIII−a、VIII−b、IX、IX−a若しくはIX−bのいずれか1つ、又は式VII’、VII−A’、VII−B’、VIII’、VIII−a’、VIII−b’、IX’、IX−a’、IX−b’、VII”、VII−A”、VII−B”、VIII”、VIII−a”、VIII−b”、IX”、IX−a”若しくはIX−b”のうちのいずれか1つを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示され、R11aは、水素及び−OHからなる群から選択される。
別の実施形態において、式VII、VII−A、VII−B、VIII、VIII−a、VIII−b、IX、IX−a若しくはIX−bのいずれか1つ、又は式VII’、VII−A’、VII−B’、VIII’、VIII−a’、VIII−b’、IX’、IX−a’、IX−b’、VII”、VII−A”、VII−B”、VIII”、VIII−a”、VIII−b”、IX”、IX−a”若しくはIX−b”のうちのいずれか1つを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示され、R11bは、水素である。
別の実施形態において、式VII、VII−A、VII−B、VIII、VIII−a、VIII−b、IX、IX−a若しくはIX−bのいずれか1つ、又は式VII’、VII−A’、VII−B’、VIII’、VIII−a’、VIII−b’、IX’、IX−a’、IX−b’、VII”、VII−A”、VII−B”、VIII”、VIII−a”、VIII−b”、IX”、IX−a”若しくはIX−b”のうちのいずれか1つを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示され、R7bは、R7b−1である。別の実施形態において、R10a及びR10bは、独立して、置換されていてもよいC1〜6アルキルである。別の実施形態において、R10a及びR10bは、独立して、置換されていてもよいC1〜4アルキルである。
別の実施形態において、式VII、VII−A、VII−B、VIII、VIII−a、VIII−b、IX、IX−a若しくはIX−bのいずれか1つ、又は式VII’、VII−A’、VII−B’、VIII’、VIII−a’、VIII−b’、IX’、IX−a’、IX−b’、VII”、VII−A”、VII−B”、VIII”、VIII−a”、VIII−b”、IX”、IX−a”若しくはIX−b”のうちのいずれか1つを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示され、R7bはR7b−2であり、PGはBOCである。別の実施形態において、R10a及びR10bは、独立して、置換されていてもよいC1〜6アルキルである。別の実施形態において、R10a及びR10bは、独立して、置換されていてもよいC1〜4アルキルである。
別の実施形態において、式VII、VII−A、VII−B、VIII、VIII−a、VIII−b、IX、IX−a若しくはIX−bのいずれか1つ、又は式VII’、VII−A’、VII−B’、VIII’、VIII−a’、VIII−b’、IX’、IX−a’、IX−b’、VII”、VII−A”、VII−B”、VIII”、VIII−a”、VIII−b”、IX”、IX−a”若しくはIX−b”のうちのいずれか1つを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示され、R7bはR7b−3である。別の実施形態において、mは、2又は3であり、R10a及びR10bは、それぞれ、置換されていてもよいC1〜6アルキルである。別の実施形態において、mは2である。別の実施形態において、R10a及びR10bは、独立して、置換されていてもよいC1〜4アルキルである。
別の実施形態において、表VI−Bの化合物のいずれか1つである、式VII−A若しくは式VII−Bを有する化合物又は薬学的に許容されるこの塩が、本明細書において開示されている。
別の実施形態において、nが1〜7である、式I−G又は式I−Hを有する化合物を作製する方法が、本明細書において開示されている。別の実施形態において、nは1〜5である。別の実施形態において、nは2〜4である。別の実施形態において、nは1である。別の実施形態において、nは1.5である。別の実施形態において、nは2である。別の実施形態において、nは2.5である。別の実施形態において、nは3である。別の実施形態において、nは3.5である。別の実施形態において、nは4である。別の実施形態において、nは4.5である。別の実施形態において、nは5である。
別の実施形態において、nが1〜7である、式I−Hを有する化合物が、本明細書において開示されている。別の実施形態において、nは1〜5である。別の実施形態において、nは2〜4である。別の実施形態において、nは1である。別の実施形態において、nは1.5である。別の実施形態において、nは2である。別の実施形態において、nは2.5である。別の実施形態において、nは3である。別の実施形態において、nは3.5である。別の実施形態において、nは4である。別の実施形態において、nは4.5である。別の実施形態において、nは5である。別の実施形態において、nは5.5である。別の実施形態において、nは6である。別の実施形態において、nは6.5である。別の実施形態において、nは7である。別の実施形態において、nは7.5である。別の実施形態において、nは8である。
本開示によれば、グルココルチコイド(glucorticoid)受容体アゴニストは、任意の方法により、及び抗体、この抗原結合断片又は抗TNFアルファタンパク質が、抗原(例えば、TNFアルファ)に結合するのを阻止しない、又はグルココルチコイド受容体アゴニストの活性を阻止しない任意の位置において、抗体、この抗原結合断片又は抗TNFアルファタンパク質に連結され得る。このような連結を実現するための方法は、これらの各々の全体を参照により本明細書に組み込む、例えば、Panowskiら、mAbs 6巻:34〜45頁(2014年)、Jainら、Pharm.Res.32巻:3526〜3540頁(2015年)、Mackら、Seminars in Oncology 41巻:637〜652頁(2014年)、米国出願公開第2008/0305044号及び米国出願公開第2011/0097322号に議論されている。
グルココルチコイド受容体アゴニストは、天然アミノ酸、例えば、求核性基を含む側鎖を有するアミノ酸を介して、抗体、この抗原結合断片、又は抗TNFアルファタンパク質に連結され得る。
例えば、グルココルチコイド受容体アゴニストは、リシン残基に連結され得る。リシンを介してコンジュゲートする方法が知られている。このような方法は、リンカーを、第1の化学反応において、抗体、この抗原結合断片、又は抗TNFアルファタンパク質に結合させて、次に、このリンカーを、第2の化学反応において、グルココルチコイド受容体アゴニストと反応させる、2工程法を含む。別の方法においては、予め形成したリンカー−グルココルチコイド受容体アゴニストとの1工程反応により、抗体、この抗原結合断片、又は抗TNFアルファタンパク質に連結されたグルココルチコイド受容体アゴニストを含有する、コンジュゲートを形成する。
グルココルチコイド受容体アゴニストはまた、システイン残基にも連結され得る。システインを介してコンジュゲートする方法が知られている。IgG1抗体は、4つの鎖間ジスルフィド結合を含有し、システインを介したコンジュゲートは、これらの結合の還元により、コンジュゲートに利用可能なスルフヒドリルを生成した後に行うことができる。
部位特異的コンジュゲートの方法の1つは、システインをベースとする部位特異的コンジュゲートである。この方法の一例は、Junutulaら、Nat.Biotechnol 26巻:925〜935頁(2008年)により報告されている。同様にJunutulaら、J.Immunol.Methods 332巻:41〜52頁(2008年)を参照されたい。上記の各々の全体を参照により本明細書に組み込んでいる。この方法を使用して、抗体、この抗原結合断片又は抗TNFアルファタンパク質は、反応性チオール基をもたらす追加のシステインにより操作されて、グルココルチコイド受容体アゴニストをコンジュゲートすることができる。これらの刊行物はまた、抗原結合を妨害しない、反応性システインの選択に関する指針を提供する。
部位特異的コンジュゲートの別の方法は、セレノシステインを使用する。セレノシステインは、システインと類似しているが、システイン中に硫黄原子の代わりに、より反応性の高いセレン原子を含有する。セレノシステインが選択的に活性化される条件が使用され得る。その全体が参照により本明細書に組み込まれている、Hoferら、Biochemistry 48巻:12047〜12057頁(2009年)は、この技法を例示する。
部位特異的コンジュゲートの別の方法は、非天然アミノ酸、例えば、アセチルフェニルアラニン(pAcPhe)又はパラ−アジドフェニルアラニン(pAF)を使用する。これらの各々の全体を参照により本明細書に組み込む、Wangら Proc.Natl.Acad.Sci.100巻:56〜61頁(2003年)、Axupら、Proc.Natl.Acad.Sci.109巻:16101〜16106頁(2012年)及びKernら、JACS 138巻:1430〜1445頁(2016年)が、この技法を例示している。
部位特異的コンジュゲートの別の方法は、例えば、グリコトランスフェラーゼ又はトランスグルタミナーゼによる、酵素手法を使用する。グリコトランスフェラーゼ変異体を使用して、抗体、この抗原結合断片又は抗TNFアルファタンパク質上のグリコシル化部位に、化学的に活性な糖部分を結合させることができる。ヒトIgG抗体は、Fc断片の残基Asn−297にN−グリコシル化部位を含有する。この残基に結合しているグリカンは、脱ガラクトシル化され得、その結果、グリコトランスフェラーゼ変異体は、ここに転移することができる。その全体を参照により本明細書に組み込む、Boeggemanら、Bioconjug.Chem.20巻:1228〜1236頁(2009年)は、この技法を例示する。例えば、ストレプトベルティシリウム・モバランセ(Streptoverticillium mobaranse)に由来するトランスグルタミナーゼは、抗TNFアルファタンパク質に操作され得る、グルタミンタグ、例えばLLQGを認識する。その全体が参照により本明細書に組み込む、Jegerら、Angew Chem.Int.Ed.Engl.49巻:9995〜9997頁(2010年)は、この技法を例示する。
発現されたタンパク質のライゲーションによる、C末端結合も使用され得る。例えば、インテインを媒介するC末端チオエステル形成が、N末端システインペプチドを含有する抗TNFアルファタンパク質との化学選択的ライゲーションに使用され得る。その全体を参照により本明細書に組み込む、Chiangら、J.Am.Chem.Soc.136巻:3370〜3373頁(2014年)は、この技法を例示する。
一実施形態において、本明細書において開示されている合成中間体は、式VII、VIII、VIII−a、VIII−b、IX、IX−a若しくはIX−bのいずれか1つ、又は式VII’、VII−A’、VII−B’、VIII’、VIII−a’、VIII−b’、IX’、IX−a’、IX−b’、VII”、VII−A”、VII−B”、VIII”、VIII−a”、VIII−b”、IX”、IX−a”若しくはIX−b”のいずれか1つを有する化合物であり、R7bは、−L−H、−L−PG
別の実施形態において、本明細書において開示されている合成中間体は、表Xの化合物のいずれか1つである、式VIIIを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩である。
別の実施形態において、本明細書において開示されている合成中間体は、表X−Aの化合物のいずれか1つである、式VIIIを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩である。
別の実施形態において、本明細書において開示されている合成中間体は、表XIIの化合物のいずれか1つである、式IXを有する化合物、又は薬学的に許容されるこの塩である。
インビボ投与に使用される本組成物(例えば、医薬組成物)は、滅菌とすることができる。これは、ろ過により、例えば滅菌ろ過膜により容易に行われる。インビボ投与に使用される本組成物(例えば、医薬組成物)は、保存剤を含むことができる。
本明細書において提供されているグルココルチコイド受容体アゴニストを含む医薬組成物は、例えば、点鼻スプレー、吸入エアゾール(例えば、経口吸入用)、又はカプセル剤、錠剤若しくは丸剤(例えば、経口投与用)として製剤化され得る。
本明細書において提供されるグルココルチコイド受容体アゴニスト(例えば、抗TNF ADC)は、組成物中の抗体あたりのグルココルチコステロイドの数平均(DAR)が約1〜約10である化合物である。一部の実施形態において、組成物中の抗体あたりのグルココルチコステロイドの数平均(DAR)は、約2〜約6である。一部の実施形態において、組成物中の抗体あたりのグルココルチコステロイドの数平均(DAR)は、約3〜約4である。一部の実施形態において、組成物中の抗体あたりのグルココルチコステロイドの数平均(DAR)は、約3.1である。一部の実施形態において、組成物中の抗体あたりのグルココルチコステロイドの数平均(DAR)は、約3.2である。一部の実施形態において、組成物中の抗体あたりのグルココルチコステロイドの数平均(DAR)は、約3.3である。一部の実施形態において、組成物中の抗体あたりのグルココルチコステロイドの数平均(DAR)は、約3.4である。一部の実施形態において、組成物中の抗体あたりのグルココルチコステロイドの数平均(DAR)は、約3.5である。一部の実施形態において、組成物中の抗体あたりのグルココルチコステロイドの数平均(DAR)は、約3.6である。一部の実施形態において、組成物中の抗体あたりのグルココルチコステロイドの数平均(DAR)は、約3.7である。一部の実施形態において、組成物中の抗体あたりのグルココルチコステロイドの数平均(DAR)は、約3.8である。一部の実施形態において、組成物中の抗体あたりのグルココルチコステロイドの数平均(DAR)は、約3.9である。
本明細書に記載されているグルココルチコイド受容体アゴニスト、及びグルココルチコイド受容体アゴニストを含む医薬組成物は、サイトカイン放出の阻害(インビトロ又はインビボ)において、及び/又は自己免疫疾患若しくは炎症性疾患の治療に有用となり得る。本明細書に記載されているグルココルチコイド受容体アゴニスト、及びグルココルチコイド受容体アゴニストを含む医薬組成物は、喘息(例えば、気管支喘息)、クローン病(例えば、回腸及び/若しくは上行結腸を含む軽度から中程度の活動中のクローン病、並びに/又は回腸及び/若しくは上行結腸を含む軽度から中程度のクローン病の臨床的寛解の最大3カ月間の維持)、潰瘍性大腸炎(例えば、活動中の軽度から中程度の潰瘍性大腸炎を有する患者における寛解を誘発するため)、アレルギー性鼻炎(例えば、季節性アレルギー性鼻炎及び/又は通年性アレルギー性鼻炎に伴う鼻の症状)の治療に使用され得る。
ヒト患者への投与の場合、本明細書において提供されるグルココルチコイド受容体アゴニストの合計の1日分の用量は、投与形式に応じて、通常、0.001mg〜5000mgの範囲、又は0.01mg〜1000mgの範囲にある。例えば、経口投与、又は静脈内、筋肉内、関節内又は関節周囲の投与は、0.01mg〜1000mg、又は0.1mg〜100mgとなる合計の1日分の用量を必要とし得る。合計の1日分の用量は、単回用量又は分割用量で投与され得る。
本明細書に記載されているコンジュゲートを含むコンジュゲート及び医薬組成物は、TNFアルファの増加(例えば、滑膜液中のTNFアルファの増加)を特徴とする疾患若しくは障害の治療のため、及び/又は自己免疫疾患若しくは炎症性疾患の治療のための、表面TNFアルファを発現する細胞の溶解(インビトロ又はインビボ)に有用となり得る。
本明細書に記載されているグルココルチコイド(glucocortic)受容体アゴニスト又はコンジュゲートを含む医薬組成物は、関節リウマチ(RA)、若年性特発性関節炎(JIA)、乾癬性関節炎(PsA)、強直性脊椎炎(AS)又は体軸性脊椎関節炎(axSpA)のような脊椎関節症、成人クローン病(CD)、小児性クローン病、潰瘍性大腸炎(UC)、尋常性乾癬(Ps)、化膿性汗腺炎(HS)、ブドウ膜炎、ベーチェット病又は尋常性乾癬を含めた乾癬の治療に使用される。
ヒト患者への投与の場合、本明細書に記載されているコンジュゲートの1日分の用量の合計は、通常、体重1kgあたり0.01μg〜100mgの範囲にあり、毎日、毎週、毎月又は毎年、1回以上、投与され得る。
本開示はまた、特定の実施形態として、実施形態(Emb)1〜209を提供する。実施形態において示されていないこれらの特定の実施形態を言及している式及び表は、上記に示されている。
実施形態4。硫黄原子、酸素原子又は窒素原子が、グルココルチコステロイドのD環に直接又は間接的に結合している、実施形態3の化合物、又は薬学的に許容されるこの塩若しくは溶媒和物。
実施形態48。開裂可能なリンカーが、スクシンイミド、アミド、チオウレア、チオエーテル、オキシム若しくは自己崩壊基、又はこれらの組合せを含む、実施形態1〜47のいずれか1つの化合物、又は薬学的に許容されるこの塩若しくは溶媒和物。
実施形態55。Qが、Q−1、Q−2、Q−3、Q−4、Q−5及びQ−6からなる群から選択されるヘテロ二官能基であり、mが、1、2、3、4、5又は6である、実施形態1〜53のいずれか1つの化合物、又は薬学的に許容されるこの塩若しくは溶媒和物。
実施形態70。リンカーが、1つ以上のポリエチレングリコール単位を含む、実施形態1〜47のいずれか1つの化合物、又は薬学的に許容されるこの塩若しくは溶媒和物。
実施形態71。−L−Q−がLQ−11であり、mが1又は2であり、xが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15である、実施形態1〜47のいずれか1つの化合物、又は薬学的に許容されるこの塩若しくは溶媒和物。
実施形態72。−L−Q−がLQ−12であり、mが1又は2であり、xが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15である、実施形態1〜47のいずれか1つの化合物、又は薬学的に許容されるこの塩若しくは溶媒和物。
実施形態73。−L−Q−がLQ−14であり、mが1又は2であり、xが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15であり、R10a及びR10bが、水素及び置換されていてもよいC1〜6アルキルからなる群から独立して選択される、実施形態1〜47のいずれか1つの化合物、又は薬学的に許容されるこの塩若しくは溶媒和物。
実施形態78。−L−Q−がLQ−19であり、mが1又は2であり、xが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15であり、R10a及びR10bが、水素及び置換されていてもよいC1〜6アルキルからなる群から独立して選択される、実施形態1〜47のいずれか1つの化合物、又は薬学的に許容されるこの塩若しくは溶媒和物。
実施形態83。−L−Q−がLQ−13であり、xが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15である、実施形態1〜47のいずれか1つの化合物、又は薬学的に許容されるこの塩若しくは溶媒和物。
実施形態84。−L−Q−がLQ−29であり、xが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15である、実施形態1〜47のいずれか1つの化合物、又は薬学的に許容されるこの塩若しくは溶媒和物。
実施形態100。SMが、表IIの化学構造のいずれか1つであるグルココルチコステロイドの一価の基である、実施形態1若しくは47〜99のいずれか1つの化合物、又は薬学的に許容されるこの塩若しくは溶媒和物。
実施形態108。抗原結合断片が、Fab、Fab’、F(ab’)2、一本鎖Fv若しくはscFv、ジスルフィド架橋Fv、V−NARドメイン、IgNar、イントラボディ、IgGΔCH2、ミニボディ、F(ab’)3、テトラボディ、トライアボディ、ダイアボディ、単一ドメイン抗体、DVD−Ig、Fcab、mAb2、(scFv)2又はscFv−Fcからなる群から選択される、実施形態102〜105若しくは107のいずれか1つの化合物、又は薬学的に許容されるこの塩若しくは溶媒和物。
実施形態109。抗体又はこの抗原結合断片が、マウス、キメラ、ヒト化又はヒトである、実施形態1〜108のいずれか1つの化合物、又は薬学的に許容されるこの塩若しくは溶媒和物。
実施形態113。重鎖定常ドメイン又はこの断片が、(a)IgA定常ドメイン、(b)IgD定常ドメイン、(c)IgE定常ドメイン、(d)IgG1定常ドメイン、(e)IgG2定常ドメイン、(f)IgG3定常ドメイン、(g)IgG4定常ドメイン及び(h)IgM定常ドメインからなる群から選択される定常ドメインを含む、又はこれらの断片である、実施形態112の化合物、又は薬学的に許容されるこの塩若しくは溶媒和物。
実施形態114。重鎖定常ドメインが、ヒトIgG1重鎖定常ドメイン又はこの断片を含む、実施形態113の化合物、又は薬学的に許容されるこの塩若しくは溶媒和物。
実施形態117。軽鎖定常ドメイン又はこの断片が、(a)Igカッパ定常ドメイン及び(b)Igラムダ定常ドメインからなる群から選択される定常ドメインを含む、又はこれらの断片である、実施形態116の化合物、又は薬学的に許容されるこの塩若しくは溶媒和物。
実施形態120。抗TNFアルファタンパク質又はタンパク質が、アダリムバブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル、アフェリモマブ、ネレリモマブ、オゾラリズマブ、プラクルマブ及びゴリムマブからなる群から選択される、実施形態1〜101のいずれか1つの化合物、又は薬学的に許容されるこの塩若しくは溶媒和物。
実施形態138。表面TNFアルファを発現する細胞を溶解する方法であって、該細胞を、実施形態1〜135のいずれか1つの化合物、又は実施形態136若しくは137の医薬組成物に接触させるステップを含む、方法。
実施形態139。自己免疫疾患の治療を必要としている患者において、自己免疫疾患を治療する方法であって、前記患者に、実施形態1〜135のいずれか1つの化合物、又は実施形態136若しくは137の医薬組成物を投与するステップを含む、方法。
実施形態140。前記自己免疫疾患が、関節リウマチ、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、成人クローン病、小児性クローン病、潰瘍性大腸炎、尋常性乾癬、化膿性汗腺炎、ブドウ膜炎、ベーチェット病、脊椎関節症又は乾癬である、実施形態139の方法。
実施形態141。滑膜液中のTNFアルファの増加を特徴とする疾患又は障害のを治療を必要としている患者において、滑膜液中のTNFアルファの増加を特徴とする疾患又は障害を治療する方法であって、前記患者に、実施形態1〜135のいずれか1つの化合物、又は実施形態136若しくは137の医薬組成物を投与するステップを含む、方法。
実施形態200。前記自己免疫疾患が、関節リウマチ、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、成人クローン病、小児性クローン病、潰瘍性大腸炎、尋常性乾癬又は化膿性汗腺炎である、実施形態199の方法。
本開示はまた、特定の実施形態として、実施形態I〜XXXIIIを提供する。実施形態I〜XXXIIにおいて示されていないこのような特定の実施形態に言及している式及び表は、上記に示されている。
実施形態XXIII。自己免疫疾患の治療を必要としている患者において、自己免疫疾患を治療する方法であって、前記患者に、実施形態I〜XXIのいずれか1つの化合物、又は実施形態XXIIの医薬組成物を投与するステップを含み、任意選択的に、前記自己免疫疾患が、関節リウマチ、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、成人クローン病、小児性クローン病、潰瘍性大腸炎、尋常性乾癬、化膿性汗腺炎、ブドウ膜炎、ベーチェット病、脊椎関節症又は乾癬である、方法。
本開示の実施形態は、以下の非限定実施例を参照することにより、さらに定義され得、これらの非限定実施例は、本開示のある種の抗体の調製及び本開示の抗体を使用する方法を詳細に説明する。物質と方法のどちらに対しても、本開示の範囲から逸脱することなく、多数の修正を行うことができることが当業者に明白である。
本明細書に記載されている実施例及び実施形態は、例示目的に過ぎないこと、並びにこれらを踏まえて様々な修正又は変更が当業者に示唆され、本開示の趣旨及び範囲内に包含されるべきことが理解される。
化合物合成及び特性評価の分析方法
分析データは、一般手順の例示、又は実施例の表において、以下の手順内に含まれている。特に明記しない限り、1H及び13C NMRデータはすべて、Varian Mercury Plus 400MHz又はBruker AVIII 300MHz機器で採集し、化学シフトは、百万分率(ppm)で記す。HPLC分析データは、表7に提示されている方法を使用して、実験内に詳述するか、又はLC/MS及びHPLC条件の表を参照するかのどちらかである。
この後の実施例において使用される略称は以下である:
[実施例1] (2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
工程1:tert−ブチル(4−(4−ホルミルフェノキシ)フェニル)カルバメートの合成
tert−ブチル(4−ヒドロキシフェニル)カルバメート(10g、47.8mmol)及び4−フルオロベンズアルデヒド(11.86g、96mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(100mL)中溶液に、炭酸カリウム(39.6g、287mmol)を加えた。この混合物を、90℃において5時間、撹拌した。追加のバイアルを1個、上記の通り、用意した。2つの反応混合物をすべて一緒にして、DCM(300mL)により希釈し、次に、水(3×100mL)により抽出した。有機層をブライン(100mL)により洗浄してNa2SO4により脱水し、ろ過して減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc=30:1〜5:1により溶出)によって精製すると、目的化合物(20g、63.8mmol、66.7%収率)が黄色固体として得られた。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 9.91 (s, 1H), 9.45 (s, 1H), 7.90 (d, J=8.6 Hz, 2H), 7.54 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.11 - 7.02 (m, 4H), 1.48 (s, 9H).
工程2:(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
(6S,8S,9R,10S,11S,13S,14S,16R,17S)−6,9−ジフルオロ−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(4.5g、10.91mmol)及び硫酸マグネシウム(6.57g、54.6mmol)のMeCN(100mL)中懸濁液を、20℃において1時間、撹拌した。tert−ブチル(4−(4−ホルミルフェノキシ)フェニル)カルバメート(3.42g、10.91mmol)のMeCN(100mL)中溶液を1回で加えた。氷浴を使用して内温を25℃に維持しながら、トリフルオロメタンスルホン酸(4.84mL、54.6mmol)をシリンジにより滴下して加えた。添加後、この混合物を、20℃において2時間、撹拌した。追加のバイアルを3個、上記の通り、用意した。4つの反応混合物をすべて一緒にしてろ過し、ろ液を減圧下で濃縮すると、残留物が得られ、これを分取HPLCによって精製すると、目的化合物(7.5g、12.34mmol、28.8%収率)が黄色固体として得られた。LCMS(方法a、表7)Rt=2.21分;MS m/z=608.3(M+H)+;1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 7.36 (d, J=8.6 Hz, 2H), 7.27 (d, J=10.1 Hz, 1H), 6.85 (d, J=8.6 Hz, 2H), 6.75 (d, J=8.6 Hz, 2H), 6.58 (d, J=8.6 Hz, 2H), 6.29 (dd, J=1.3, 10.1 Hz, 1H), 6.13 (s, 1H), 5.76 - 5.65 (m, 1H), 5.62 - 5.57 (m, 1H), 5.54 (d, J=3.1 Hz, 1H), 5.44 (s, 1H), 5.12 (t, J=5.8 Hz, 1H), 5.00 (s, 2H), 4.94 (d, J=4.9 Hz, 1H), 4.53 (dd, J=6.4, 19.4 Hz, 1H), 4.26 - 4.14 (m, 2H), 2.72 - 2.58 (m, 1H), 2.34 - 2.17 (m, 2H), 2.04 (d, J=13.7 Hz, 1H), 1.77 - 1.62 (m, 3H), 1.49 (s, 3H), 0.86 (s, 3H).分取HPLC法:機器:Gilson281 半分取HPLCシステム、移動相:A:CF3CO2H/H2O=0.075% v/v;B:CH3OH;カラム:Phenomenex Luna C18 250*50mm*10um;流速:80mL/分;モニタリング波長:220及び254nm。
[実施例2] (2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−アミノベンジル)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
工程1:4−(ブロモメチル)ベンズアルデヒドの合成
4−(ブロモメチル)ベンゾニトリル(20g、102mmol)のトルエン(400mL)中溶液に、0℃において水素化ジイソブチルアルミニウム(153mL、153mmol、トルエン中の1M)を1時間かけて、滴下して加えた。追加のバイアルを2個、上記の通り、用意した。3つの反応混合物をすべて一緒にした。この混合物溶液を10%の水性HCl(1.5L)に加えた。この混合物をDCM(3×500mL)により抽出した。有機層をNa2SO4により脱水し、ろ過して減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc=10/1により溶出)によって精製すると、目的化合物(50g、収率82%)が白色固体として得られた。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ 10.02 (s, 1H), 7.91 - 7.82 (m, 2H), 7.56 (d, J=7.9 Hz, 2H), 4.55 - 4.45 (m, 2H).
工程2:3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリンの合成
3−ブロモアニリン(40g、233mmol)の1,4−ジオキサン(480mL)中溶液に、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(94g、372mmol)、酢酸カリウム(45.6g、465mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−i−プロピル−1,1’−ビフェニル(X−phos)(8.07g、13.95mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(8.52g、9.30mmol)を加えた。次に、この混合物を、窒素下、80℃において4時間、加熱した。もう1つのバイアルを、上記の通り、用意した。2つの反応混合物を一緒にして濃縮し、残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=10/1により溶出)により精製すると、目的化合物(60g、収率55.4%)が明黄色固体として得られた。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ 7.23 - 7.13 (m, 3H), 6.80 (d, J=7.5 Hz, 1H), 3.82 - 3.38 (m, 2H), 1.34 (s, 12H).
工程3:tert−ブチル(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)カルバメートの合成
トルエン(600mL)中の3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン(30g、137mmol)及びジ−tert−ブチルジカーボネート(38.9g、178mmol)を100℃において24時間、混合した。もう1つのバイアルを、上記の通り、用意した。2つの反応混合物を一緒にした。この褐色混合物を溶媒蒸発させてEtOAc(1.5L)に溶解し、0.1N HCl(3X2L)及びブライン(3L)により洗浄し、Na2SO4により脱水し、ろ過して減圧下で濃縮すると、表題化合物(50g、収率57%)が赤色固体として得られた。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ 7.63 (br. s., 2H), 7.48 (d, J=7.1 Hz, 1H), 7.37 - 7.28 (m, 1H), 1.52 (s, 9H), 1.34 (s, 12H).
工程4:tert−ブチル(3−(4−ホルミルベンジル)フェニル)カルバメートの合成
テトラヒドロフラン(400mL)中の4−(ブロモメチル)ベンズアルデヒド(24.94g、125mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)DCM錯体(13.75g、18.80mmol)、tert−ブチル(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)カルバメート(20g、62.7mmol)及び炭酸カリウム(43.3g、313mmol)からなる混合物を80℃になるまで12時間、加熱した。もう1つのバイアルを、上記の通り、用意した。2つの反応混合物を一緒にした。この反応混合物を水(500mL)により希釈した。水層をEtOac(3×500mL)により抽出した。有機層をNa2SO4により脱水し、ろ過して減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=10/1により溶出)によって精製すると、表題化合物(15g、収率38.4%)が白色固体として得られた。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ 9.95 (s, 1H), 7.78 (d, J=7.9 Hz, 2H), 7.33 (d, J=7.9 Hz, 2H), 7.27 - 7.13 (m, 3H), 6.82 (d, J=7.1 Hz, 1H), 6.47 (br. s., 1H), 4.00 (s, 2H), 1.48 (s, 9H).
工程5:(6S,8S,9R,10S,11S,13S,14S,16R,17S)−6,9−ジフルオロ−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オンの合成
(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a,10,10−テトラメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン(20g、44.2mmol)を40%水性HBF4(440mL)に懸濁させて、この混合物を25℃において48時間、撹拌した。反応が完了した後、2LのH2Oを加え、この固体をろ過により採集すると、白色固体が得られた。この固体をH2O(1L)、次にMeOH(200mL)により洗浄すると、表題化合物(11g、収率60.3%)が白色固体として得られた。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 7.25 (d, J=10.1 Hz, 1H), 6.28 (d, J=10.1 Hz, 1H), 6.10 (s, 1H), 5.73 - 5.50 (m, 1H), 5.39 (br. s., 1H), 4.85 - 4.60 (m, 2H), 4.50 (d, J=19.4 Hz, 1H), 4.20 - 4.04 (m, 2H), 2.46 - 2.06 (m, 6H), 1.87 - 1.75 (m, 1H), 1.56 - 1.30 (m, 6H), 0.83 (s, 3H).
工程6:(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−アミノベンジル)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
(6S,8S,9R,10S,11S,13S,14S,16R,17S)−6,9−ジフルオロ−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(4.4g、10.67mmol)及び硫酸マグネシウム(6.42g、53.3mmol)のMeCN(100mL)中懸濁液を、20℃において1時間、撹拌した。tert−ブチル(3−(4−ホルミルベンジル)フェニル)カルバメート(3.65g、11.74mmol)のMeCN(100mL)中溶液を1回で加えた。氷浴を使用して内温を25℃未満に維持しながら、トリフルオロメタンスルホン酸(9.01mL、53.3mmol)を滴下して加えた。添加後、この混合物を、20℃において2時間、撹拌した。追加のバイアルを3個、上記の通り、用意した。4つの反応混合物をすべて一緒にした。この混合物溶液を濃縮し、この残留物を分取HPLCによって精製すると、表題化合物(4.5g、収率14.2%)が黄色固体として得られた。LCMS(方法b、表7)Rt=2.65分;MS m/z=606.2(M+H)+;1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 7.44 - 7.17 (m, 5H), 6.89 (t, J=7.7 Hz, 1H), 6.44 - 6.25 (m, 4H), 6.13 (br. s., 1H), 5.79 - 5.52 (m, 2H), 5.44 (s, 1H), 5.17 - 4.89 (m, 3H), 4.51 (d, J=19.4 Hz, 1H), 4.25 - 4.05 (m, 2H), 3.73 (s, 2H), 3.17 (br. s., 1H), 2.75 - 2.55 (m, 1H), 2.36 - 1.97 (m, 3H), 1.76 - 1.64 (m, 3H), 1.59 - 1.39 (m, 4H), 0.94 - 0.78 (m, 3H).分取HPLC法:機器:Gilson281半分取HPLCシステム;移動相:A:ギ酸/H2O=0.01% v/v;B:CH3CN;カラム:Luna C18 150*25 5ミクロン;流速:25mL/分;モニタリング波長:220及び254nm。
[実施例2A] (6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−アミノベンジル)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン(化合物番号41)の合成
工程1:4−(ブロモメチル)ベンズアルデヒドの合成
4−(ブロモメチル)ベンゾニトリル(50g、255mmol)のトルエン(1L)中溶液に、0℃において水素化ジイソブチルアルミニウム(383mL、383mmol、トルエン中の1M)を滴下して加えた。この混合物を1時間、撹拌した。追加のバイアルを2個、上記の通り、用意した。3つの反応混合物をすべて一緒にした。10%水性HCl(1.5L)を加え、次に、DCM(3×1.5L)により抽出した。有機層をNa2SO4により脱水し、ろ過して減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1により溶出)によって精製すると、表題化合物(120g、82%)が白色固体として得られた。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 10.01 (s, 1H), 7.86 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.55 (d, J=7.9 Hz, 2H), 4.51 (s, 2H).
工程2:3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリンの合成
3−ブロモアニリン(80g、465mmol)の1,4−ジオキサン(960mL)中溶液に、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(177g、698mmol)、酢酸カリウム(91g、930mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−i−プロピル−1,1’−ビフェニル(13.45g、23.25mmol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(17.03g、18.60mmol)を加えた。この混合物を、窒素下、80℃において4時間、加熱した。追加のバイアルを2個、上記の通り、用意した。3つの反応混合物を一緒にして濃縮し、残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1により溶出)によって精製すると、表題化合物(150g、46.6%)が明黄色固体として得られた。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.23 - 7.13 (m, 3H), 6.80 (d, J=7.5 Hz, 1H), 3.82 - 3.38 (m, 2H), 1.34 (s, 12H).
工程3:tert−ブチル(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)カルバメートの合成
トルエン(500mL)中において、3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン(50g、228mmol)及びジ−tert−ブチルジカーボネート(64.8g、297mmol)を混合し、この混合物を100℃において24時間、撹拌した。追加のバイアルを2個、上記の通り、用意した。3つの反応混合物を一緒にした。この褐色混合物を濃縮し、この残留物をPEにより洗浄すると、表題化合物(120g、49.5%)が白色固体として得られた。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.62 (s, 2H), 7.48 (d, J=7.5 Hz, 1H), 7.35 - 7.29 (m, 1H), 6.46 (br. s., 1H), 1.52 (s, 9H), 1.34 (s, 12H).
工程4:tert−ブチル(3−(4−ホルミルベンジル)フェニル)カルバメートの合成
THF(600mL)中の4−(ブロモメチル)ベンズアルデヒド(29.9g、150mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)(20.63g、28.2mmol)、tert−ブチル(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)カルバメート(30g、94mmol)及び炭酸カリウム(64.9g、470mmol)からなる混合物を12時間、80℃まで加熱した。追加のバイアルを3個、上記の通り、用意した。4つの反応混合物をすべて一緒にした。この反応混合物を水(1L)により希釈した。水層をEtOAc(3×800mL)により抽出した。有機層をNa2SO4により脱水し、ろ過して減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=10/1により溶出)によって精製すると、表題化合物(35.5g、27.3%)が白色固体として得られた。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 9.97 (s, 1H), 7.80 (d, J=7.9 Hz, 2H), 7.35 (d, J=7.9 Hz, 2H), 7.26 (s, 2H), 7.24 - 7.13 (m, 2H), 6.84 (d, J=7.1 Hz, 1H), 6.43 (br. s., 1H), 4.02 (s, 2H), 1.50 (s, 9H).
工程5:(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−アミノベンジル)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
氷浴を使用して25℃未満に内温を維持しながら、(8S,9S,10R,11S,13S,14S,16R,17S)−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(6g、15.94mmol)及びtert−ブチル(3−(4−ホルミルベンジル)フェニル)カルバメート(4.96g、15.94mmol)のMeCN(50mL)中溶液に、過塩素酸(4.79mL、80mmol)を滴下して加えた。添加後、この混合物を、20℃において2時間、撹拌した。追加のバイアルを3個、上記の通り、用意した。4つの反応混合物をすべて一緒にした。この反応混合物を水性飽和NaHCO3(500mL)によりクエンチし、ジクロロメタン(3×800mL)により抽出した。この有機相を濃縮し、この残留物を分取HPLCによって精製すると、表題化合物(10g、27.0%)が黄色固体として得られた。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 7.36 (d, J=7.9 Hz, 2H), 7.31 (d, J=10.1 Hz, 1H), 7.20 (d, J=7.9 Hz, 2H), 6.89 (t, J=7.9 Hz, 1H), 6.39 - 6.28 (m, 3H), 6.16 (dd, J=1.5, 9.9 Hz, 1H), 5.93 (s, 1H), 5.39 (s, 1H), 5.08 (t, J=5.7 Hz, 1H), 4.98 - 4.87 (m, 3H), 4.78 (d, J=3.1 Hz, 1H), 4.49 (dd, J=6.2, 19.4 Hz, 1H), 4.29 (br. s., 1H), 4.17 (dd, J=5.5, 19.6 Hz, 1H), 3.74 (s, 2H), 2.61 - 2.53 (m, 1H), 2.36 - 2.26 (m, 1H), 2.11 (d, J=11.0 Hz, 1H), 2.07 (s, 1H), 2.02 (d, J=12.8 Hz, 1H), 1.83 - 1.54 (m, 5H), 1.39 (s, 3H), 1.16 - 0.96 (m, 2H), 0.85 (s, 3H).LCMS:tR=2.365分、98%純度、m/z=570.2(M+H)+ LC/MS(表7、方法a)
分取HPLCの方法:機器:Gilson281半分取HPLCシステム、移動相:A:CF3COOH/H2O=0.075% v/v;B:CH3CN、カラム:Phenomenex Luna(2)C18 250*50 10u、流速:80mL/分;モニタリング波長:220及び254nm、時間 B% 0.0 28、20.0 45、20.1 45、20.2 100、30.2 100、0.3 28、31.5 28。
[実施例2B]
(2R,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−アミノベンジル)フェニル)−6b−フルオロ−2,7−ジヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オンの合成
−10℃の(6R,8S,9R,10S,11S,13S,14S,16R,17S)−9−フルオロ−6,11,16,17−テトラヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(1.55g、3.78mmol)、tert−ブチル(3−(4−ホルミルベンジル)フェニル)カルバメート(実施例2由来、工程4)(1.176g、3.78mmol)及びMgSO4(2.273g、18.89mmol)のMeCN(15.1mL)中懸濁液に、トリフルオロメタンスルホン酸(1.34ml、15.11mmol)を滴下して加えた。20分後、この反応物をNaHCO3の飽和水溶液(15mL)、次いで水(60mL)及びEtOAc(100mL)を添加することによりクエンチした。有機層を、水(60mL)、ブライン(60mL)により逐次、洗浄し、脱水(Na2SO4)して溶媒を減圧下で除去した。40〜100%のEtOAc/ヘプタンのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、40g)により精製すると、90%純度の表題化合物が泡状物(880mg、1.458mmol、39%の収率)として得られた。この生成物を、Waters XBridge(商標)RP18 5ミクロンカラム(30×100mm)上での逆相HPLCによってさらに精製することができた。流速40mL/分で、MeCN(A)及び水中の0.1mM NH4CO3(B)のグラジエント(0〜5.0分、A5%、5.0〜19.0分にA15〜55%の直線グラジエント)を使用した。LC−MS(方法r、表7)Rt=0.72分、m/z=604.3[M+H+]。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.37 - 7.31 (m, 2H), 7.28 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.24 - 7.19 (m, 2H), 6.93 - 6.85 (m, 1H), 6.36 (d, J = 2.1 Hz, 2H), 6.35 (p, J = 1.1 Hz, 1H), 6.23 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 6.10 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 5.45 (s, 1H), 5.38 (s, 1H), 5.10 (s, 1H), 4.96 - 4.91 (m, 3H), 4.51 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.38 (s, 1H), 4.28 - 4.16 (m, 2H), 3.74 (s, 2H), 2.76 - 2.60 (m, 1H), 2.20 (td, J = 12.5, 6.3 Hz, 1H), 2.08 (s, 2H), 1.86 (d, J = 11.8 Hz, 1H), 1.75 - 1.58 (m, 7H), 0.89 (s, 3H).
[実施例3] (6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェニル)チオ)フェニル)−6b−フルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
工程1:tert−ブチル(3−メルカプトフェニル)カルバメートの合成
過塩素酸亜鉛(0.422g、1.598mmol)及び3−アミノベンゼンチオール(10g、80mmol)の混合物に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(22.66g、104mmol)を滴下して加えた。この溶液を、25℃において12時間、撹拌した。追加のバイアルを3個、上記の通り、用意した。4つの反応混合物を一緒にした。この混合物をEtOAc(200mL)に溶解し、水(500mL)により洗浄した。有機層をNa2SO4により脱水し、ろ過して減圧下で濃縮すると、残留物が得られた。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=5/1により溶出)によって精製すると、目的化合物(50g、収率69.4%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.45 (br. s., 1H), 7.16 - 7.09 (m, 1H), 7.06 - 7.01 (m, 1H), 6.92 (d, J=7.4 Hz, 1H), 6.55 (br. s., 1H), 3.46 (s, 1H), 1.52 (s, 9H).
工程2:tert−ブチル(3−((4−ホルミルフェニル)チオ)フェニル)カルバメートの合成
tert−ブチル(3−((4−ホルミルフェニル)チオ)フェニル)カルバメート(10g、44.4mmol)のDMF(300mL)中溶液に、25℃においてトリフェニルホスフィン(11.64g、44.4mmol)及びN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(11.47g、89mmol)を加えた。この反応混合物を、N2下、25℃で30分間、撹拌した。100℃において、この混合物を4−フルオロベンズアルデヒド(8.26g、66.6mmol)に加え、この混合物を100℃において12時間、撹拌した。追加のバイアルを4個、上記の通り、用意した。5つの反応混合物を一緒にした。この混合物を水(2L)により希釈し、EtOAc(3×1L)により抽出した。有機層をNa2SO4により脱水し、ろ過して減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=10/1により溶出)によって精製すると、目的化合物(55g、収率75%)が黄色油状物として得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.90 (s, 1H), 7.71 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.58 (s, 1H), 7.48 - 7.41 (m, 1H), 7.33 (t, J=7.9 Hz, 1H), 7.25 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.17 (d, J=7.9 Hz, 1H), 6.72 (br. s., 1H), 1.50 (s, 9H).45 (br. s., 1H), 7.16 - 7.09 (m, 1H), 7.06 - 7.01 (m, 1H), 6.92 (d, J=7.4 Hz, 1H), 6.55 (br. s., 1H), 3.46 (s, 1H), 1.52 (s, 9H).
工程3:ナトリウム(4−((3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)フェニル)チオ)フェニル)(ヒドロキシ)メタンスルホネートの合成
アルデヒド(15g、45.5mmol)のCH3CN(30mL)中溶液に、25℃においてメタ重亜硫酸ナトリウム(11.25g、59.2mmol)の水溶液(90mL)を加えた。この混合物を、25℃において48時間、撹拌した。もう1つのバイアルを、上記の通り、用意した。2つの反応混合物を一緒にした。この溶液をろ過して、固体を水(150mL)、CH3CN(150mL)により洗浄し、減圧下で乾燥すると、目的化合物(32g、収率81%)が白色固体として得られた。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 9.45 (br. s., 1H), 7.54 - 7.49 (m, 1H), 7.47 - 7.35 (m, 3H), 7.33 - 7.17 (m, 3H), 6.85 (d, J=7.9 Hz, 1H), 5.97 (d, J=4.9 Hz, 1H), 4.98 (d, J=4.9 Hz, 1H), 1.45 (s, 9H).
工程4:(6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェニル)チオ)フェニル)−6b−フルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
氷浴を使用して、内温を25℃未満に維持しながら、(8S,9R,10S,11S,13S,14S,16R,17S)−9−フルオロ−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(6g、15.21mmol)及びナトリウム(4−((3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)フェニル)チオ)フェニル)(ヒドロキシ)メタンスルホネート(4.74g、15.21mmol)のTHF(50mL)中溶液に、過塩素酸(4.58mL、76mmol)を滴下して加えた。添加後、この混合物を、20℃において2時間、撹拌した。追加のバイアルを3個、上記の通り、用意した。4つの反応混合物をすべて一緒にした。この反応混合物を水性飽和NaHCO3(500mL)によりクエンチし、DCM(3×800mL)により抽出した。この有機相を濃縮し、この残留物を分取HPLCによって精製すると、目的化合物(9.5g、25.8%)が黄色固体として得られた。LCMS(方法b、表7)Rt=2.68分;m/z=588.1(M+H)+;1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 7.37 - 7.26 (m, 3H), 7.21 (d, J=7.9 Hz, 2H), 6.89 (t, J=7.7 Hz, 1H), 6.43 - 6.30 (m, 3H), 6.23 (d, J=10.1 Hz, 1H), 6.04 (s, 1H), 5.75 (s, 1H), 5.44 (s, 2H), 5.09 (t, J=5.7 Hz, 1H), 4.93 (br. s., 3H), 4.50 (dd, J=6.2, 19.4 Hz, 1H), 4.28 - 4.09 (m, 2H), 3.74 (s, 2H), 2.73 - 2.54 (m, 2H), 2.35 (d, J=13.2 Hz, 1H), 2.25 - 2.12 (m, 1H), 2.05 (d, J=15.0 Hz, 1H), 1.92 - 1.77 (m, 1H), 1.74 - 1.58 (m, 3H), 1.50 (s, 3H), 1.45 - 1.30 (m, 1H), 0.87 (s, 3H).分取HPLC法:機器:Gilson281半分取HPLCシステム;移動相:A:CF3CO2H/H2O=0.075% v/v;B:CH3CN、カラム:Phenomenex Luna C18 250×*50mm*10ミクロン;流速:80mL/分;モニタリング波長:220及び254nm。
[実施例4] (6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェニル)チオ)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
氷浴を使用して、内温を25℃未満に維持しながら、(8S,9S,10R,11S,13S,14S,16R,17S)−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(6g、15.94mmol)及びナトリウム(4−((3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)フェニル)チオ)フェニル)(ヒドロキシ)メタンスルホネート(4.96g、15.94mmol)のMeCN(50mL)中溶液に、過塩素酸(4.79mL、80mmol)を滴下して加えた。添加後、この混合物を、20℃において2時間、撹拌した。追加のバイアルを3個、上記の通り、用意した。4つの反応混合物をすべて一緒にした。この反応混合物を水性飽和NaHCO3(500mL)によりクエンチし、DCM(3×800mL)により抽出した。この有機相を濃縮し、この残留物を分取HPLCによって精製すると、目的化合物(10g、27.0%)が黄色固体として得られた。LCMS(方法b、表7)Rt=2.36分;m/z=570.2(M+H)+;1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 7.36 (d, J=7.9 Hz, 2H), 7.31 (d, J=10.1 Hz, 1H), 7.20 (d, J=7.9 Hz, 2H), 6.89 (t, J=7.9 Hz, 1H), 6.39 - 6.28 (m, 3H), 6.16 (dd, J=1.5, 9.9 Hz, 1H), 5.93 (s, 1H), 5.39 (s, 1H), 5.08 (t, J=5.7 Hz, 1H), 4.98 - 4.87 (m, 3H), 4.78 (d, J=3.1 Hz, 1H), 4.49 (dd, J=6.2, 19.4 Hz, 1H), 4.29 (br. s., 1H), 4.17 (dd, J=5.5, 19.6 Hz, 1H), 3.74 (s, 2H), 2.61 - 2.53 (m, 1H), 2.36 - 2.26 (m, 1H), 2.11 (d, J=11.0 Hz, 1H), 2.07 (s, 1H), 2.02 (d, J=12.8 Hz, 1H), 1.83 - 1.54 (m, 5H), 1.39 (s, 3H), 1.16 - 0.96 (m, 2H), 0.85 (s, 3H).分取HPLC法:機器:Gilson281半分取HPLCシステム;移動相:A:CF3CO2H/H2O=0.075% v/v;B:CH3CN、カラム:Phenomenex Luna C18 250×*50mm*10ミクロン;流速:80mL/分;モニタリング波長:220及び254nm。
[実施例5] (2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェニル)チオ)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
ステロイド(10g、24.25mmol)のCH3CN(200mL)中溶液に、25℃において硫酸マグネシウム(10.21g、85mmol)を加えた。この混合物を、25℃において4時間、撹拌した。次に、上記の溶液に、0℃においてナトリウム(4−((3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)フェニル)チオ)フェニル)(ヒドロキシ)メタンスルホネート(10.51g、24.25mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸(20.48mL、121mmol)を加えた。得られた混合物を、25℃において1時間、撹拌した。追加のバイアルを2個、上記の通り、用意した。3つの反応混合物を一緒にした。この混合物を1N NaOH(300mL)により希釈し、EtOAc(3×600mL)により抽出した。有機層を減圧下で濃縮すると、残留物が得られた。この残留物をEtOAc(60mL)に溶解し、2−ブタノン(180mL)を加えた。30分間、撹拌した後、固体をろ過により採集し、分取HPLCによって精製すると、表題化合物(8.4g、収率17.52%)が黄色固体として得られた。LCMS(方法c、表7)Rt=2.66分;MS m/z=624.1(M+H)+;1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 7.39 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.25 (d, J=8.4 Hz, 3H), 7.03 (t, J=7.7 Hz, 1H), 6.61 (s, 1H), 6.53 (t, J=8.2 Hz, 2H), 6.29 (dd, J=1.5, 9.9 Hz, 1H), 6.12 (s, 1H), 5.76 - 5.49 (m, 2H), 5.46 (s, 1H), 4.96 (d, J=4.9 Hz, 1H), 4.52 (d, J=19.4 Hz, 1H), 4.21 (d, J=19.4 Hz, 2H), 2.74 - 2.53 (m, 2H), 2.34 - 2.13 (m, 2H), 2.09 - 1.96 (m, 1H), 1.79 - 1.62 (m, 3H), 1.57 - 1.43 (m, 4H), 0.86 (s, 3H).分取HPLC法:機器:Shimadzu LC−8A分取HPLC;カラム:Phenomenex Luna C18 250×*50mm*10ミクロン;移動相:AはH2O(0.09%CF3CO2H)及びBはCH3CN;グラジエント:20分でB22%〜52%;流速:80mL/分;波長:220及び254nm。
[実施例6] (6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−アミノ−4−ヒドロキシベンジル)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オンの合成
0℃の(8S,9S,10R,11S,13S,14S,16R,17S)−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(0.164g、0.437mmol)、tert−ブチル(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(4−ホルミルベンジル)フェニル)カルバメート(0.193g、0.437mmol)及びMgSO4(0.189g、1.572mmol)のMeCN(1.8mL)中スラリーに、トリフルオロメタンスルホン酸(0.2mL、2.183mmol)を滴下して加えた。40分後、この反応物をEtOAc(15mL)により希釈し、次に、NaHCO3の飽和水溶液(10mL×2)及びブラインの飽和水溶液(5mL)により逐次、洗浄した。有機相を脱水(Na2SO4)し、溶媒を減圧下で除去した。0〜10%のMeOH/DCMのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、12g)により精製すると、表題化合物(163mg、0.278mmol、64%収率)がワックス状固体として得られた。この物質の一部(約48.9mg)を、Phenomenex C18(2)10ミクロンカラム(250×50mmのカラム)上の逆相HPLCによってさらに精製した。流速90mL/分で、MeCN(A)及び水中の0.1%TFA(B)のグラジエント(0〜5.0分、A15%、5.0〜20分にA15〜70%の直線グラジエント、2分間、保持)を使用した。合わせたフラクションを減圧下で濃縮して、揮発性溶媒を除去し、得られた溶液を冷凍して、凍結乾燥すると、オフホワイトの固体(11.9mg)が得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.75分、m/z=586.26[M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.27 (s, 1H), 9.04 (s, 2H), 7.34 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.94 (dd, J = 8.1, 2.1 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 6.82 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.17 - 6.07 (m, 1H), 5.90 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 5.37 (s, 1H), 4.89 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 4.75 (s, 1H), 4.46 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.26 (q, J = 3.3 Hz, 1H), 4.14 (d, J = 19.5 Hz, 1H), 3.80 (s, 2H), 2.58 - 2.46 (m, 1H), 2.36 - 1.92 (m, 3H), 1.76 - 1.56 (m, 4H), 1.36 (s, 3H), 1.10 - 0.90 (m, 2H), 0.83 (s, 3H).
[実施例7] (2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−アミノベンジル)−3−ヒドロキシフェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オンの合成
工程1:4−((3−ブロモフェニル)(ヒドロキシ)メチル)−3−メトキシベンゾニトリルの合成
0〜5℃の4−ブロモ−3−メトキシベンゾニトリル(2g、9.43mmol)のTHF(21mL)中溶液に、塩化イソプロピルマグネシウム塩化リチウム錯体(THF中1.3M、8.34mL、10.85mmol)を滴下して加えた。<10℃の温度に維持しながら、この反応物を、5時間、撹拌し、直ぐに、3−ブロモベンズアルデヒド(1.979g、10.38mmol)のTHF(10.5mL)中溶液を滴下して加えた。この反応物を一晩で、室温までゆっくりと温めた。この反応をNH4Clの飽和水溶液(25mL)によりクエンチし、MTBE(50mLX3)により抽出した。合わせた有機物をブライン(20mL)により洗浄して脱水(Na2SO4)し、溶媒を減圧下で除去した。0〜10%のMTBE/ヘプタンのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(80gのシリカ)により精製すると、表題化合物(1.77g、5.56mmol、59%収率)がベージュ色のシロップ状物/油状物として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.86分間;MS(ESI−)m/z=315.7[M−H+]。1H NMR (501 MHz, DMSO-d6) δ 7.67 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.47 (t, J = 1.8 Hz, 1H), 7.43 (dd, J = 7.8, 1.5 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.40 - 7.36 (m, 1H), 7.28 (dt, J = 7.8, 1.5 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.10 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 5.94 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H).
工程2:4−(3−ブロモベンジル)−3−メトキシベンゾニトリルの合成
室温のヨウ化ナトリウム(5.00g、33.4mmol)のMeCN(18.5mL)中溶液にクロロトリメチルシラン(3.63g、33.4mmol)を加え、これにより、白色固体が直ちに沈殿した。次に、4−((3−ブロモフェニル)(ヒドロキシ)メチル)−3−メトキシベンゾニトリル(1.77g、5.56mmol)のMeCN(18.5mL)中溶液を加え、直ちに、この反応混合物を60分間、55℃まで加熱した。室温まで冷却した後、この反応物をMTBE(50mL)と水(50mL)との間に分配した。層を分離した後、水相をMTBE(50mLX2)により抽出した。合わせた有機物をNa2S2O3(50mLX2)の1M水溶液、次いでブラインの飽和水溶液(30mL)により逐次、洗浄し、脱水(Na2SO4)して、溶媒を減圧下で除去した。5〜40%のMTBE/ヘプタンのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、80g)により精製すると、表題化合物(1.58g、5.23mmol、94%収率)がオフホワイトの固体として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=1.02分間;MS m/z=観測されず1H NMR (501 MHz, DMSO-d6) δ 7.42 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.39 - 7.30 (m, 4H), 7.22 (td, J = 7.6, 0.6 Hz, 1H), 7.18 (dt, J = 7.7, 1.4 Hz, 1H), 3.94 (s, 2H), 3.82 (s, 3H).
工程3:4−(3−ブロモベンジル)−3−メトキシベンズアルデヒドの合成
<6℃の温度に維持しながら、0℃の4−(3−ブロモベンジル)−3−メトキシベンゾニトリル(0.99g、3.28mmol)のトルエン(16mL)中溶液に、水素化ジイソブチルアルミニウム(4.9mL、ヘキサン中の1.0M溶液、4.9mmol)を5分間かけて滴下して加えた。10分後、この反応を0℃において、1N HCl水溶液(100mL)を注意深く添加することによりクエンチした。次に、DCM(50mLX4)により抽出して、ブラインの飽和水溶液(30mL)により洗浄し、溶媒を減圧下で除去した。0〜40%のMTBE/ヘプタンのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、40g)により精製すると、表題化合物(780mg、2.56mmol、78%収率)が無色油状物として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.95分、MS(DCI+)m/z=303.9、305.9(M+)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.93 (s, 1H), 7.47 (dd, J = 7.5, 1.5 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.42 - 7.33 (m, 3H), 7.25 - 7.17 (m, 2H), 3.96 (s, 2H), 3.85 (s, 3H).
工程4:4−(3−ブロモベンジル)−3−ヒドロキシベンズアルデヒドの合成
0〜3℃の4−(3−ブロモベンジル)−3−メトキシベンズアルデヒド(0.78g、2.56mmol)のDCM(7.8mL)中溶液に、三臭化ホウ素(塩化メチレン中1.0M、6.4mL、6.4mmol)を滴下して加えた。この反応物を0℃において30分間、撹拌し、次に、室温において90分間、撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、得られた暗色油状物をMeOH(20mL)及び水(15mL)により処理すると、不均一混合物が得られた。均一溶液が得られるまでMeCNを加え(約10ml)、この溶液を一晩、撹拌した。揮発性溶媒を減圧下で除去し、得られた水性懸濁液をDCM(25mLX3)により抽出した。合わせた有機物をブライン(20mL)により洗浄してNa2SO4により脱水し、溶媒を減圧下で除去した。10〜50%のMTBE/ヘプタンのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、40g)により精製すると、4−(3−ブロモベンジル)−3−ヒドロキシベンズアルデヒド(660mg、2.267mmol、89%収率)が白色固体として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.85分;MS(DCI+)m/z=307.98、309.97[M+NH4 +]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.07 (s, 1H), 9.83 (s, 1H), 7.39 (q, J = 1.3 Hz, 1H), 7.33 (ddt, J = 6.5, 4.4, 2.0 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 0.9 Hz, 2H), 7.25 (s, 1H), 7.25 - 7.15 (m, 2H), 3.92 (s, 2H).
工程5:4−(3−ブロモベンジル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ベンズアルデヒドの合成
室温の4−(3−ブロモベンジル)−3−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.660g、2.267mmol)のDCM(7.6mL)中懸濁液に、イミダゾール(0.231g、3.40mmol)及びtert−ブチルジメチルクロロシラン(0.410g、2.72mmol)を加え、これを3時間、撹拌した。MeOH(0.5mL)を加え、10分間、撹拌を継続し、この直後に、この反応物をDCM(100mL)により希釈し、水(25mL)、1N HCl水溶液(25mL)及びブラインの飽和水溶液(20mL)により、逐次、洗浄した。有機相を脱水(Na2SO4)し、溶媒を減圧下で除去すると、シロップ状物が得られた。0〜10%のMTBE/ヘプタンのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、40g)により精製すると、目的化合物(820mg、2.023mmol、89%収率)が無色油状物として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=1.18分;MS(DCI+)m/z=422.07、424.09[M+NH4 +]。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.94 (s, 1H), 7.50 (dd, J = 7.7, 1.6 Hz, 1H), 7.42 - 7.36 (m, 2H), 7.36 - 7.32 (m, 2H), 7.25 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.17 (ddd, J = 7.7, 1.7, 1.0 Hz, 1H), 4.01 (s, 2H), 0.92 (s, 9H), 0.26 (s, 6H).
工程6:tert−ブチル(3−(4−ホルミル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル)カルバメートの合成
p−ジオキサン(16mL)中の4−(3−ブロモベンジル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ベンズアルデヒド(0.820g、2.023mmol)、tert−ブチルカルバメート(0.3027g、2.58mmol)、Cs2CO3(1.006g、3.09mmol)の混合物に、30分間、窒素を吹き付けた。第2世代のXPhos触媒前駆体(0.0937g、0.119mmol)を加え、5分間、吹き付けを継続し、その直後、この反応物を4時間、100℃まで加熱した。この反応物を室温まで冷却し、1N HCl水溶液(25mL)により処理し、MTBE(25mL×3)により抽出した。合わせた有機物をブライン(30mL)により洗浄してNa2SO4により脱水し、溶媒を減圧下で除去した。この残留物をTHF(16mL、0.125M)に再溶解し、TBAF/SiO2(1.0〜1.5mmol/g、4.1338g、4.13〜6.2mmol)により45分間、処理し、その直後に、溶媒を減圧下で除去した。0〜75%のMTBE/ヘプタンのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、40g)により精製すると、tert−ブチル(3−(4−ホルミル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル)カルバメート(380mg、1.161mmol、57%収率)がガム状の泡状物として単離した。LCMS(方法r、表7)Rt=0.85分;MS(DCI+)m/z=345.0[M+NH4 +]。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.04 (s, 1H), 9.86 (s, 1H), 9.25 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.34 - 7.28 (m, 2H), 7.27 - 7.20 (m, 2H), 7.14 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.82 (dt, J = 7.7, 1.2 Hz, 1H), 3.89 (s, 2H), 1.45 (s, 9H).
工程7:(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−アミノベンジル)−3−ヒドロキシフェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オンの合成
反応温度を<5℃に維持しながら、0℃の(6S,8S,9R,10S,11S,13S,14S,16R,17S)−6,9−ジフルオロ−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(0.056g、0.136mmol)、tert−ブチル(3−(4−ホルミル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル)カルバメート(0.049g、0.150mmol)及びMgSO4(0.049g、0.408mmol)のMeCN(1.5mL)中スラリーに、トリフルオロメタンスルホン酸(0.060mL、0.680mmol)を滴下して加えた。30分後、この反応混合物をEtOAc(15mL)により希釈し、NaHCO3の飽和水溶液(5mL×2)、次に、ブラインの飽和水溶液(3mL)により逐次、洗浄した。有機相を脱水(Na2SO4)し、溶媒を減圧下で除去した。Phenomenex C18(2)10ミクロンカラム(250×30mmのカラム)上の逆相HPLCにより精製。流速60mL/分で、MeCN(A)及び水中の0.1%ギ酸(B)のグラジエント(0〜5.0分、A15%、5.0〜20.0分にA15〜80%の直線グラジエント、5分間、保持)を使用した。一緒にしたフラクションを減圧下で濃縮して、揮発性溶媒を除去し、次に、凍結乾燥すると、表題化合物が白色アモルファス固体(6.7mg)として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.70分、MS m/z=622.39[M+H+]。1H NMR (501 MHz, DMSO-d6) δ 9.51 (s, 1H), 7.25 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 6.89 - 6.81 (m, 2H), 6.75 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 6.37 - 6.24 (m, 4H), 6.11 (s, 1H), 5.63 (ddd, J = 49.2, 11.2, 6.4 Hz, 1H), 5.50 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 5.30 (s, 1H), 5.07 (s, 1H), 4.91 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 4.85 (s, 2H), 4.47 (d, J = 19.3 Hz, 1H), 4.21 4.14 (m, 2H), 3.70 - 3.60 (m, 2H), 2.69 - 2.50 (m, 1H), 2.26 (s, 1H), 2.31 - 2.16 (m, 1H), 2.07 - 1.94 (m, 1H), 1.68 (q, J = 10.2, 8.9 Hz, 2H), 1.64 1.50 (m, 1H), 1.48 (s, 3H), 0.84 (s, 3H).
[実施例8] (6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−アミノベンジル)−3−ヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オンの合成
反応温度を<5℃に維持しながら、0℃の(8S,9S,10R,11S,13S,14S,16R,17S)−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(0.296g、0.786mmol)、tert−ブチル(3−(4−ホルミル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル)カルバメート(0.251g、0.767mmol)及びMgSO4(0.332g、2.76mmol)のMeCN(3.0mL)中スラリーに、トリフルオロメタンスルホン酸(0.35mLl、3.83mmol)を滴下して加えた。40分後、この反応物をEtOAc(15mL)により希釈し、NaHCO3の飽和水溶液(10mL×2)、次に、ブラインの飽和水溶液(5mL)により逐次、洗浄した。有機層をNa2SO4により脱水し、溶媒を減圧下で除去した。0〜10%のMeOH/DCMのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、12g)により精製すると、表題化合物(238.4mg、0.407mmol、53%収率)が白色固体として得られた。この物質の一部(約79.1mg)を、Phenomenex C18(2)10ミクロンカラム(250×30mmのカラム)上の逆相HPLCによってさらに精製した。流速60mL/分で、MeCN(A)及び水中の0.1%TFA(B)のグラジエント(0〜5.0分、A15%、5.0〜20分にA15〜60%の直線グラジエント、2分間、保持)を使用した。合わせたフラクションを減圧下で濃縮して、揮発性溶媒を除去し、得られた溶液を冷凍して、凍結乾燥すると、表題化合物がオフホワイトの固体(43.4mg)として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.73分、MS m/z=586.2[M+H+]。1H NMR (501 MHz, DMSO-d6) δ 9.61 (s, 1H), 7.30 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.27 - 7.20 (m, 1H), 7.04 (dd, J = 7.7, 2.9 Hz, 2H), 6.95 - 6.91 (m, 2H), 6.90 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 6.79 (dd, J = 7.7, 1.6 Hz, 1H), 6.15 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 5.92 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 5.29 (s, 1H), 4.88 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.79 (s, 1H), 4.45 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.28 (q, J = 3.3 Hz, 1H), 4.15 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 3.82 (s, 2H), 2.59 - 2.49 (m, 1H), 2.30 (dt, J = 13.0, 3.8 Hz, 1H), 2.16 - 2.05 (m, 1H), 2.07 - 1.98 (m, 1H), 1.75 (d, J = 3.0 Hz, 2H), 1.73 - 1.54 (m, 3H), 1.38 (s, 3H), 1.05 (qd, J = 12.9, 4.8 Hz, 1H), 0.97 (dd, J = 11.2, 3.6 Hz, 1H), 0.84 (s, 3H).
[実施例9] (S)−N−(3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)−2−((S)−2−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)プロパンアミド)プロパンアミドの合成
工程1:(9H−フルオレン−9−イル)メチル((S)−1−(((S)−1−((3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメートの合成
室温の(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−アミノベンジル)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オン(1.0327g、1.705mmol)及び(S)−2−((S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)プロパンアミド)プロパン酸(0.782g、2.046mmol)のTHF(11.5mL)中懸濁液に、HATU(1.3g、3.41mmol)及び2,6−ルチジン(0.4mL、3.43mmol)を加えた。室温において3時間後、この反応物をEtOAc(16mL)により希釈し、次に、1N HCl水溶液(4mL×3)及びブラインの飽和水溶液(4mL)により逐次、洗浄した。75〜100%のEtOAc/ヘプタンのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、40g)により精製すると、表題化合物(0.926g、0.955mmol、56%収率)が得られた。LC−MS(方法r、表7)Rt=1.01分、m/z=970.18[M+H+]。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.85 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 8.08 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.89 (dd, J = 7.5, 1.0 Hz, 2H), 7.76 - 7.69 (m, 2H), 7.55 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.49 - 7.16 (m, 13H), 6.94 - 6.88 (m, 1H), 6.30 (ddd, J = 10.1, 3.7, 1.9 Hz, 1H), 6.14 (dt, J = 2.6, 1.2 Hz, 1H), 5.74 - 5.55 (m, 1H), 5.53 (dt, J = 5.0, 2.5 Hz, 1H), 5.12 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.95 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.52 (dd, J = 19.4, 6.2 Hz, 1H), 4.38 (p, J = 7.0 Hz, 1H), 4.32 - 4.16 (m, 5H), 4.09 (p, J = 6.9 Hz, 1H), 3.88 (d, J = 10.9 Hz, 2H), 2.65 - 2.60 (m, 1H), 2.33 - 2.20 (m, 1H), 2.05 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 1.77 - 1.63 (m, 3H), 1.50 (s, 3H), 1.28 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.23 (d, J = 7.1 Hz, 4H), 0.88 (d, J = 12.6 Hz, 3H).
工程2:(S)−2−アミノ−N−((S)−1−((3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)プロパンアミドの合成
室温の(9H−フルオレン−9−イル)メチル((S)−1−(((S)−1−((3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(1.18g、1.216mmol)のTHF(6.0mL)中溶液に、ジエチルアミン(0.5mL、4.79mmol)を加えた。2時間後、MTBE(10mL)を加え、これにより、黄色固体が直ちに沈殿した。このスラリーを90分間、撹拌してろ過し、MTBE(5mL×3)により洗浄すると、黄色固体(802.7mg)が得られた。この物質を、Phenomenex C18(2)10ミクロンカラム(250×50mmのカラム)上の逆相HPLCによってさらに精製した。流速90mL/分で、MeCN(A)及び水中の0.1%ギ酸(B)のグラジエント(0〜5.0分にA15%、5.0〜20.0分にA15〜75%の直線グラジエント、2分間、保持、22.0〜22.5分に75〜95%に直線グラジエント、4分間、保持)を使用した。合わせたフラクションを減圧下で濃縮乾固し、次に、真空オーブン中、50℃において一晩、乾燥した。LC−MS(方法r、表7)Rt=0.76分、m/z=748.5[M+H+]。1H NMRにより、表題化合物は、(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−((S)−2−((S)−2−アミノプロパンアミド)プロパンアミド)ベンジル)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−8b−カルボン酸との約1:1混合物であることを示す(合計0.170g、0.115mol及び各化合物が10%収率)。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.00 (d, J = 3.3 Hz, 2H), 8.42 (d, J = 34.2 Hz, 2H), 8.30 (s, 1H), 7.48 - 7.37 (m, 3H), 7.38 - 7.29 (m, 5H), 7.31 - 7.15 (m, 8H), 6.92 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 6.28 (ddd, J = 10.3, 6.6, 1.9 Hz, 3H), 6.12 (d, J = 3.7 Hz, 3H), 5.77 - 5.53 (m, 3H), 5.45 (d, J = 7.7 Hz, 3H), 5.04 - 4.99 (m, 1H), 4.94 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.50 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.40 (s, 3H), 4.23 - 4.12 (m, 2H), 3.54 (dq, J = 17.6, 6.9 Hz, 1H), 2.71 - 2.56 (m, 1H), 2.30 - 2.15 (m, 1H), 2.03 (d, J = 14.2 Hz, 2H), 1.94 (d, J = 14.3 Hz, 1H), 1.84 (d, J = 14.1 Hz, 1H), 1.76 - 1.59 (m, 7H), 1.49 (d, J = 2.6 Hz, 8H), 1.39 - 1.10 (m, 13H), 1.00 (s, 4H), 0.86 (s, 3H).
工程3:(S)−N−(3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)−2−((S)−2−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)プロパンアミド)プロパンアミドの合成
室温の(S)−2−アミノ−N−((S)−1−((3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)プロパンアミド(0.170g、0.227mmol)及びN−スクシンイミジル3−マレイミドプロピオネート(0.0691g、0.260mmol)のDMF(2.5mL)中溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.1mL、0.573mmol)を加えた。30分後、この反応混合物のpHを、7%TFAの水溶液(1.2mL)を滴下添加することにより、4〜5に調節した。この粗製混合物を、Phenomenex C18(2)10ミクロンカラム(250×50mmのカラム)上の逆相HPLCによって精製した。流速90mL/分で、MeCN(A)及び水中の0.1%TFA(B)のグラジエント(0〜5.0分にA15%、5.0〜20分にA15〜85%の直線グラジエント、2分間、保持)を使用した。合わせたフラクションを減圧下で濃縮し、揮発性溶媒を除去し、得られた溶液を冷凍して、凍結乾燥すると、白色固体(85.2mg、0.0473mmol、21%収率)が得られた。LC−MS(方法R、表7)Rt=0.82分、m/z=899.92[M+H+]。1H NMRデータは、表題化合物と(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−((S)−2−((S)−2−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)プロパンアミド)プロパンアミド)ベンジル)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−1,2,4,6a,6b,7,8,8a,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−8bH−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−8b−カルボン酸との約1:1混合物であることと一致した(表題化合物の代替調製は実施例10を参照されたい。この調製により、このような混合物が回避される)。MS分析により、この物質は、m/z=899.1[M+H+]及びm/z=885.0[M+H+]を有する、2種の化合物の混合物であることが確認される。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.71 (s, 2H), 8.16 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 8.03 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.49 - 7.29 (m, 9H), 7.30 - 7.13 (m, 9H), 6.96 (s, 3H), 6.92 - 6.85 (m, 2H), 6.27 (dt, J = 10.1, 1.9 Hz, 2H), 6.11 (d, J = 2.3 Hz, 2H), 5.74 - 5.53 (m, 2H), 5.46 (d, J = 23.9 Hz, 4H), 4.93 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 4.32 (p, J = 7.1 Hz, 2H), 4.27 - 4.13 (m, 3H), 4.17 (s, 3H), 3.59 (t, J = 7.3 Hz, 4H), 2.69 - 2.53 (m, 2H), 2.38 (t, J = 7.3 Hz, 4H), 2.28 (s, 3H), 2.22 (s, 1H), 2.08 - 1.98 (m, 1H), 1.98 - 1.90 (m, 1H), 1.83 - 1.68 (m, 2H), 1.69 (s, 2H), 1.66 (s, 2H), 1.48 (d, J = 3.7 Hz, 8H), 1.25 (d, J = 7.0 Hz, 6H), 1.15 (d, J = 7.1 Hz, 6H), 0.99 (s, 3H), 0.84 (s, 3H).
[実施例10] (S)−N−(3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)−2−((S)−2−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)プロパンアミド)プロパンアミドの合成
工程1:tert−ブチル((S)−1−(((S)−1−((3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメートの合成
室温のTHF(11.5mL)中の(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−アミノベンジル)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オン(648.1mg、1.070mmol)及び(S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパンアミド)プロパン酸(334mg、1.284mmol)の混合物に、HATU(610mg、1.605mmol)及び2,6−ルチジン(0.3mL、2.58mmol)を加えた。9時間後、この反応物をEtOAc(16mL)により希釈し、次に、1N HCl水溶液(4mL×3)、次いでブラインの飽和水溶液(4mL)により洗浄した。0〜10%のMeOH/DCMのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、40g)により精製すると、表題化合物が黄色泡状物(773.7mg、0.912mmol、85%収率)として得られた。LC−MS(方法r、表7)Rt=0.92分、m/z=848.53[M+H+]。
工程2:(S)−2−アミノ−N−((S)−1−((3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)プロパンアミドの合成
室温のtert−ブチル((S)−1−(((S)−1−((3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(0.7683g、0.906mmol)のDCM(6.0mL)中溶液に、TFA(1.97mL、25.6mmol)を滴下して加えた。50分後、溶媒を減圧下で除去すると、褐色シロップ状物が得られた。この残留物を1:1のDMSO:MeOH(12mL)に溶解し、Phenomenex C18(2)10ミクロンカラム(250×50mmのカラム)上の逆相HPLCによって精製した。流速90mL/分で、MeCN(A)及び水中の0.1%TFA(B)のグラジエント(0〜5.0分にA15%、5.0〜20分にA15〜75%の直線グラジエント、2分間、保持、22.0〜22.5分にA75〜95%の直線グラジエント、4分間、保持)を使用した。合わせたフラクションを減圧下で濃縮乾固し、残留物を真空オーブン中、50℃において一晩、乾燥すると、表題化合物(230mg、0.308mmol、34%収率)が得られた。LC−MS(方法r、表7)主要アセタール異性体Rt=0.73分、m/z=748.78[M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.01 (s, 1H), 8.62 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.04 (d, J = 5.4 Hz, 3H), 7.46 - 7.31 (m, 4H), 7.31 - 7.13 (m, 4H), 6.91 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.27 (dd, J = 10.2, 1.9 Hz, 1H), 6.11 (s, 1H), 5.76 - 5.47 (m, 2H), 5.43 (s, 1H), 4.93 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 4.49 (d, J = 19.5 Hz, 1H), 4.42 (q, J = 7.1 Hz, 1H), 4.23 - 4.13 (m, 2H), 2.72 - 2.54 (m, 1H), 2.33 - 2.16 (m, 2H), 2.02 (dt, J = 13.6, 3.6 Hz, 1H), 1.69 (h, J = 5.9, 5.1 Hz, 3H), 1.48 (s, 4H), 1.33 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.30 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.85 (s, 3H).
工程3:(S)−N−(3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)−2−((S)−2−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)プロパンアミド)プロパンアミドの合成
室温の(S)−2−アミノ−N−((S)−1−((3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)プロパンアミド(0.220g、0.294mmol)及びN−スクシンイミジル3−マレイミドプロピオネート(0.086g、0.324mmol)のDMF(2.8mL)中溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.1mL、0.573mmol)を加えた。30分後、この反応混合物のpHを、7%TFA水溶液(1.0mL)を滴下添加することにより、4〜5に調節した。この粗製混合物を、Phenomenex C18(2)10ミクロンカラム(250×50mmのカラム)上の逆相HPLCによって精製した。流速90mL/分で、MeCN(A)及び水中の0.1%TFA(B)のグラジエント(0〜5.0分にA15%、5.0〜20分にA15〜85%の直線グラジエント、2分間、保持)を使用した。合わせたフラクションを減圧下で濃縮し、揮発性溶媒を除去し、得られた溶液を冷凍して、凍結乾燥すると、白色固体(175.2mg、0.195mmol、66%収率)が得られた。LC−MS(方法r、表7)Rt=0.82分、m/z=899.87[M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.70 (s, 1H), 8.14 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.47 - 7.35 (m, 2H), 7.32 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.26 - 7.10 (m, 4H), 6.95 (s, 1H), 6.87 (dt, J = 7.6, 1.3 Hz, 1H), 6.26 (dd, J = 10.2, 1.9 Hz, 1H), 6.09 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 5.72 - 5.51 (m, 1H), 5.48 (s, 1H), 5.41 (s, 1H), 4.91 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 4.47 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.30 (p, J = 7.1 Hz, 1H), 4.25 - 4.11 (m, 3H), 3.85 (s, 2H), 3.57 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.71 - 2.48 (m, 1H), 2.36 (dd, J = 8.0, 6.7 Hz, 2H), 2.23 (ddt, J = 25.1, 12.2, 6.6 Hz, 2H), 2.01 (dt, J = 13.7, 3.7 Hz, 1H), 1.75 - 1.57 (m, 3H), 1.48 (p, J = 11.9 Hz, 1H), 1.46 (s, 3H), 1.24 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 1.13 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 0.83 (s, 3H).
[実施例11] (S)−N−((S)−1−(((S)−1−((3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−2−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパンアミドの合成
工程1:(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(1H−イミダゾール−5−イル)プロパン酸の2塩酸塩の合成
0℃の(S)−2−アミノ−3−(1H−イミダゾール−5−イル)プロパン酸(1.55g、9.99mmol)の水(40mL)及び1,4−ジオキサン(10mL)中溶液に、NaOH(10mL、19.98mmol)及びBOC無水物(2.319mL、9.99mmol)を加えた。得られた混合物を、23℃において4時間、撹拌した。次に、この混合物をHCl溶液によりpH5へと酸性にし、EtOAc(3×30mL)により洗浄した。次に、無機層を凍結乾燥すると、表題化合物(NaClを含む)(4.449g、9.90mmol、99%収率)が白色固体として得られた。LCMS(方法m、表7)Rt=1.22分、m/z=256.2(M+1)+。
工程2:tert−ブチル((S)−1−(((S)−1−(((S)−1−((3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(1H−イミダゾール−5−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメートの合成
(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(1H−イミダゾール−5−イル)プロパン酸の2塩酸塩(170mg、0.197mmol)、(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(1H−イミダゾール−5−イル)プロパン酸の2塩酸塩(443mg、0.986mmol)のTHF(20mL)中溶液に、DIPEA(0.345mL、1.973mmol)及びHATU(90mg、0.237mmol)、DMAP(31.3mg、0.256mmol)を加え、得られた混合物を0℃において10分間、撹拌し、16時間、25℃まで徐々に温めた。この後、この混合物を濃縮すると残留物が得られ、これをシリカゲルによるDCM/MeOH(10:1)によって精製すると、表題化合物(194mg、0.138mmol、69.9%収率)が黄色固体として得られた。LCMS(方法m、表7)Rt=1.72分、m/z=985.3(M+1)+。1H NMR: (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 0.82-0.89 (m, 10H), 1.12-1.18 (m, 9H), 1.23 (s, 9H), 1.68-1.71 (m, 2H), 2.20-2.33 (m, 2H), 3.86-3.88 (m, 2H), 4.18-4.29 (m, 4H), 4.36-4.39 (m, 1H), 4.49-4.54 (m, 1H), 4.94 (d, J= 4.4 Hz, 1H), 5.13 (bs, 1H), 5.45 (s, 1H), 5.57-5.74 (m, 2H), 6.12(s, 1H), 6.29 (d, J= 10.0 Hz, 1H), 6.91 (d, J= 8.0 Hz, 1H), 7.01 (d, J= 8.0 Hz, 1H), 7.10-7.25 (m, 4H), 7.29-7.37 (m, 3H), 7.44-7.49 (m, 2H), 8.06 (d, J= 6.0 Hz, 1H).
工程3:(S)−2−アミノ−N−((S)−1−(((S)−1−((3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(1H−イミダゾール−5−イル)プロパンアミドの3トリフルオロ酢酸塩の合成
tert−ブチル((S)−1−(((S)−1−(((S)−1−((3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(1H−イミダゾール−5−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(120mg、0.122mmol)のDCM(3mL)中溶液に、TFA(0.6mL、7.79mmol)を加え、この反応混合物を20℃において1時間、撹拌した。この後、この混合物をDCMにより希釈して、約25℃において真空で濃縮すると、表題化合物(149mg、0.103mmol、84.90%収率)が黄色固体として得られた。LCMS(方法m、表7)Rt=1.64分、m/z=885.3(M+1)+。
工程4:(S)−N−((S)−1−(((S)−1−((3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−2−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパンアミドの合成
(S)−2−アミノ−N−((S)−1−(((S)−1−((3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(1H−イミダゾール−5−イル)プロパンアミドの3トリフルオロ酢酸塩(149mg、0.121mmol)及び2,5−ジオキソピロリジン−1−イル3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノエート(48.5mg、0.182mmol)のDMF(2mL)中溶液に、0℃においてDIPEA(0.106mL、0.607mmol)を加え、次に、この混合物を室温において2時間、撹拌した。この反応混合物を分取HPLC(移動相:A=水中の0.05%TFA、B=MeCN;流速:2mL/分)により精製すると、表題化合物(11.4mg、9.02mmol、7.43%収率)が白色固体として得られた。LCMS(方法m、表7)RT=1.62分、m/z=1058.3(M+Na)+。1H NMR: (400 MHz, DMSO-d) δ ppm: 0.86 (s, 3H), 1.24-1.29 (m, 9H), 1.46-1.54 (m, 3H), 1.68-1.76 (m, 2H), 1.98-2.06 (m, 2H), 2.20-2.33 (m, 2H), 2.40-2.44 (m, 2H), 2.60-2.68 (m, 1H), 2.88-2.94 (m, 1H), 3.00-3.05 (m, 1H), 3.57 (t, J= 7.4 Hz, 2H), 3.89 (s, 2H), 4.18-4.39 (m, 4H), 4.49-4.60 (m, 2H), 4.95 (d, J= 4.8 Hz, 1H), 5.46 (s, 1H), 5.54-5.74 (m, 2H), 6.13 (s, 1H), 6.30 (d, J= 10.4 Hz, 1H), 6.92 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 7.00 (s, 2H), 7.20-7.28 (m, 4H), 7.35-7.46 (m, 5H), 8.16 (d, J= 6.4 Hz, 1H), 8.23 (d, J= 7.2 Hz, 1H), 8.31 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 8.96 (s, 1H), 9.89 (s, 1H).
[実施例12] (S)−5−(((S)−1−((4−((4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェニル)チオ)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−4−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)−5−オキソペンタン酸(化合物番号81)の合成
工程1:(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((4−アミノフェニル)チオ)フェニル)−8b−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)アセチル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オンの合成
撹拌した(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((4−アミノフェニル)チオ)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オン(62.4mg、0.1mmol)及びイミダゾール(34.0mg、0.500mmol)のDCM中溶液に、0℃においてTBS−Cl(45.2mg、0.300mmol)を加えた。同一温度において30分間、撹拌を継続した後、この混合物を室温まで温め、2時間、撹拌した。この反応混合物をEtOAc(10mL)により希釈し、水(2×10mL)及びブライン(1×10mL)により洗浄してNa2SO4により脱水し、ろ過して真空で濃縮した。この残留物をカラム(EA:PE=1:10〜1:1)により精製すると、生成物(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((4−アミノフェニル)チオ)フェニル)−8b−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)アセチル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オン(50mg、0.068mmol、67.8%収率)が得られた。LCMS(方法m、表7)Rt=2.144分、m/z 738(M+H)。
工程2:tert−ブチル((S)−1−((4−((4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−8b−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)アセチル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェニル)チオ)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメートの合成
撹拌した(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((4−アミノフェニル)チオ)フェニル)−8b−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)アセチル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オン(0.148g、0.2mmol)及び(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(0.076g、0.400mmol)のDCM(3mL)中溶液に、ピリジン(0.162mL、2.000mmol)、次いでPOCl3(0.075mL、0.800mmol)を滴下して加えた。この反応混合物を周囲温度において1時間、撹拌し、次に真空で濃縮して、この残留物をカラム(EA:PE=1:10〜9:1)により精製すると、tert−ブチル((S)−1−((4−((4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−8b−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)アセチル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェニル)チオ)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(0.073g、0.080mmol、40%収率)が半固体として得られた。LCMS(方法m、表7)Rt=2.156分、m/z 909(M+H)。
工程3:(S)−2−アミノ−N−(4−((4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェニル)チオ)フェニル)プロパンアミドの合成
撹拌したtert−ブチル((S)−1−((4−((4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR、12aS,12bS)−8b−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)アセチル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェニル)チオ)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(0.091g、0.1mmol)の塩化メチレン(1mL)中溶液に、TFA(1mL、12.98mmol)を加え、この溶液を周囲温度において2時間、撹拌し、次に、真空で濃縮すると、生成物である(S)−2−アミノ−N−(4−((4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェニル)チオ)フェニル)プロパンアミド(7.21g、10.38mmol、80%収率)が得られた。LCMS(方法m、表7)Rt=1.653分、m/z 695(M+H)。
工程4:(S)−5−(tert−ブトキシ)−2−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)−5−オキソペンタン酸の合成
撹拌した(S)−2−アミノ−5−(tert−ブトキシ)−5−オキソペンタン酸(406mg、2mmol)及び2,5−ジオキソピロリジン−1−イル3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノエート(532mg、2.000mmol)のジメチルホルムアミド(2mL)中溶液に、DIPEA(0.524mL、3.00mmol)を加えた。室温において撹拌を2時間、継続した後、この反応混合物をEtOAc(10mL)により希釈して水(2X10mL)及びブライン(1×10mL)により洗浄し、Na2SO4により脱水し、ろ過して真空で濃縮し、残留物をカラム(MeOH/DCM=0:10〜1:10)により精製すると、表題化合物(209mg、0.590mmol、29.5%収率)が黄色油状物として得られた。LCMS(方法m、表7)Rt=1.490分、m/z 377(M+Na)。
工程5:(S)−tert−ブチル5−(((S)−1−((4−((4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェニル)チオ)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−4−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)−5−オキソペンタノエートの合成
(S)−2−アミノ−N−(4−((4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b、11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェニル)チオ)フェニル)プロパンアミド(40mg、0.058mmol)、(S)−5−(tert−ブトキシ)−2−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)−5−オキソペンタン酸(30.6mg、0.086mmol)、HATU(32.8mg、0.086mmol)及びDIPEA(0.030mL、0.173mmol)のジメチルホルムアミド(2mL)中溶液を室温で一晩、撹拌し、EtOAc(10mL)により希釈して、水(2X10mL)及びブライン(1×10mL)により洗浄し、Na2SO4により脱水し、ろ過して減圧下で溶媒蒸発させた。この残留物をカラムクロマトグラフィー(MeOH/DCM=0:10;1:10)によって精製すると、表題化合物(30mg、0.029mmol、50.5%収率)が得られた。LCMS(方法m、表7)Rt=2.051分、m/z 1031(M+H)。
工程6:(S)−5−(((S)−1−((4−((4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェニル)チオ)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−4−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)−5−オキソペンタン酸の合成
撹拌した(S)−tert−ブチル5−(((S)−1−((4−((4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R、11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェニル)チオ)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−4−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)−5−オキソペンタノエート(10.31mg、0.01mmol)のDCM(0.5mL)中溶液に、TFA(0.5mL、6.49mmol)を加えた。撹拌を2時間、継続した後、この反応混合物を真空で濃縮すると、表題化合物(6.83mg、7.00μmol、70%収率)が得られた。LCMS(方法m、表7)Rt=1.875分、m/z 975(M+H)。
[実施例13] N−(4−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェノキシ)フェニル)−1−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33,36−ドデカオキサノナトリアコンタン−39−アミドの合成
工程1:(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)−8b−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)アセチル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オンの合成
撹拌した(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オン(290mg、0.477mmol)及びイミダゾール(162mg、2.386mmol)のCH2Cl2(10mL)中溶液に、0℃においてTBS−Cl(216mg、1.432mmol)を加えた。同一温度において30分間、撹拌を継続した後、この混合物を室温まで温め、2時間、撹拌した。この反応混合物をEtOAc(10mL)により希釈して水(2×10mL)及びブライン(1×10mL)により洗浄し、Na2SO4により脱水し、ろ過して真空で濃縮した。この残留物をカラム(EA:PE=1:10〜9:1)によって精製すると、表題化合物(300mg、0.416mmol、87%収率)が得られた。LCMS(方法m、表7)Rt=1.812分、m/z 722(M+H)。
工程2:tert−ブチル(39−((4−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,11aR,12aS,12bS)−8b−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)アセチル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェノキシ)フェニル)アミノ)−39−オキソ−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33,36−ドデカオキサノナトリアコンチル)カルバメートの合成
撹拌した(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)−8b−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)アセチル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オン(144mg、0.2mmol)及び2,2−ジメチル−4−オキソ−3,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35,38,41−トリデカオキサ−5−アザテトラテトラコンタン−44−酸(144mg、0.200mmol)のCH2Cl2(3mL)中溶液に、ピリジン(0.162mL、2.000mmol)、次いでPOCl3(0.037mL、0.400mmol)を滴下して加えた。この反応混合物を周囲温度において1時間、撹拌し、次に、真空で濃縮し、この残留物を、カラムクロマトグラフィー(MeOD:DCM=0:10〜1:10)により精製すると、表題化合物(title comound)(120mg、0.084mmol、42.2%収率)が半固体として得られた。LCMS(方法m、表7)Rt=2.065分、m/z 1422(M+H−100)。
工程3:1−アミノ−N−(4−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェノキシ)フェニル)−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33,36−ドデカオキサノナトリアコンタン−39−アミドの合成
撹拌したtert−ブチル(39−((4−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS、12bS)−8b−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)アセチル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェノキシ)フェニル)アミノ)−39−オキソ−3,6,9,12,15,18,21,24、27,30,33,36−ドデカオキサノナトリアコンチル)カルバメート(190mg、0.134mmol)の塩化メチレン(0.5mL)中溶液に、TFA(0.1mL、1.298mmol)を加え、この溶液を周囲温度において2時間、撹拌し、次に、真空で濃縮すると、表題化合物(100mg、0.083mmol、62.0%収率)が得られた。LCMS(方法m、表7)Rt=1.521分、m/z 1208(M+H)。
工程4:N−(4−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェノキシ)フェニル)−1−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33,36−ドデカオキサノナトリアコンタン−39−アミドの合成
1−アミノ−N−(4−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェノキシ)フェニル)−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33,36−ドデカオキサノナトリアコンタン−39−アミド(0.024g、0.02mmol)及び2,5−ジオキソピロリジン−1−イル3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノエート(7.99mg、0.030mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)中溶液に、DIPEA(6.99μL、0.040mmol)を加え、この混合物を室温において2時間、撹拌した。この反応混合物をEtOAc(10mL)により希釈し、水(2×10mL)、ブライン(1×10mL)により洗浄してNa2SO4により脱水し、ろ過して真空で濃縮した。この残留物をカラムクロマトグラフィー(MeOH/DCM=0:100〜10:100)によって精製すると、表題化合物(0.011g、8.20μmol、41%収率)が得られた。LCMS(方法m、表7)Rt=1.679分、m/z 1359(M+H)。
[実施例14] 2,5−ジオキソピロリジン−1−イル6−(((S)−1−(((S)−1−((3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−6−オキソヘキサノエート(化合物番号78)の合成
室温のビス(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)アジペート(0.273g、0.802mmol)のDMSO(3.5mL)中溶液に、(S)−2−アミノ−N−((S)−1−((3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)プロパンアミド(0.060g、0.080mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.14mL、0.802mmol)のDMSO(1mL)中溶液を滴下して加えた。60分後、この反応物を水中の7重量%のTFA溶液を添加することによりクエンチし、この反応混合物をpH4〜5にした。この粗製反応混合物を、Phenomenex C18(2)5ミクロンカラム(250×21mmのカラム)上の逆相HPLCによって精製した。流速30mL/分で、MeCN(A)及び水中の0.1%ギ酸(B)のグラジエント(0〜1.0分にA15%、1.0〜11分にA15〜80%の直線グラジエント、1分間、保持)を使用した。合わせたフラクションを減圧下で濃縮して、揮発性溶媒を除去し、得られた溶液を冷凍して、凍結乾燥すると、表題化合物が白色固体(21.2mg、0.022mmol、27%収率)として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.80分、m/z=1005.1[M+MeOH+H+]。1H NMR (DMSO) δ 0.84 (s, 3H), 1.17 (d, J = 7.1Hz, 3H), 1.25 (d, J = 7.1Hz, 3H), 1.48 (s, 4H), 1.57 (q, J = 6.2Hz, 4H), 1.68 (dq, J = 13.7, 6.3Hz, 3H), 1.99-2.06 (m, 1H), 2.09-2.18 (m, 2H), 2.18-2.36 (m, 2H), 2.55-2.72 (m, 3H), 2.78 (s, 4H), 3.87 (s, 2H), 4.14-4.22 (m, 2H), 4.26 (p, J = 7.1Hz, 1H), 4.33 (p, J = 7.1Hz, 1H), 4.49 (d, J = 19.4Hz, 1H), 4.93 (d, J = 5.1Hz, 1H), 5.43 (s, 1H), 5.49 (d, J = 5.4Hz, 1H), 5.54-5.75 (m, 1H), 6.11 (s, 1H), 6.28 (dd, J = 10.2, 2.0Hz, 1H), 6.89 (d, J = 7.6Hz, 1H), 7.17 (t, J = 7.9Hz, 1H), 7.23 (t, J = 9.7Hz, 3H), 7.34 (d, J = 7.8Hz, 2H), 7.39 (s, 1H), 7.44 (d, J = 8.1Hz, 1H), 7.99 (d, J = 7.2Hz, 1H), 8.02 (d, J = 7.3Hz, 1H), 9.77 (s, 1H); MS (ESI-) m/z = 971.
[実施例15] tert−ブチル((S)−1−(((S)−1−((3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)カルバメートの合成
室温の(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−アミノベンジル)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オン(113mg、0.187mmol)及び(tert−ブトキシカルボニル)−L−バリル−L−アラニン(53.8mg、0.187mmol)のTHF(1.25mL)中懸濁液に、HATU(106mg、0.280mmol)及び2,6−ルチジン(0.1mL、0.859mmol)を加えた。8時間後、この反応物をEtOAc(16mL)により希釈し、次に、1M HCl(4mL×3)水溶液、NaHCO3の飽和水溶液(4mL)、次にブラインの飽和水溶液(4mL)により逐次、洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、0〜10%のMeOH/DCMのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(12gのシリカ)により生成物を精製すると、表題化合物(148.6mg、0.170mmol、91%の収率)が得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.94分、m/z=875.9[M+H+]。1H NMR (DMSO-d6) δ 9.85 (s, 1H), 7.99 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.43 (dd, J = 8.0, 1.7 Hz, 1H), 7.36 - 7.31 (m, 3H), 7.27 - 7.15 (m, 5H), 6.89 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.67 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.27 (dd, J = 10.2, 1.9 Hz, 1H), 6.11 (s, 1H), 5.73 - 5.52 (m, 1H), 5.50 (dd, J = 4.5, 1.7 Hz, 1H), 5.43 (s, 1H), 5.07 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 4.93 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 4.49 (dd, J = 19.5, 6.4 Hz, 1H), 4.37 (t, J = 7.0 Hz, 1H), 4.25 - 4.12 (m, 2H), 3.87 (s, 2H), 3.80 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 2.73 - 2.53 (m, 1H), 2.23 (ddd, J = 18.7, 11.9, 6.0 Hz, 2H), 2.08 - 1.99 (m, 1H), 1.93 (q, J = 7.0 Hz, 1H), 1.77 - 1.59 (m, 3H), 1.48 (s, 3H), 1.35 (s, 9H), 1.25 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 0.89 - 0.74 (m, 9H).
[実施例16] (2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((4−アミノフェニル)チオ)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a,10−トリメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オン及び(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((4−アミノフェニル)チオ)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a,10−トリメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オンの合成
工程1:1−(4−((4−ブロモフェニル)チオ)フェニル)エタノンの合成
4−ブロモベンゼンチオール(3.1g、16.40mmol)及びK2CO3(2.72g、19.67mmol)のDMF(45mL)中の撹拌溶液に、1−(4−フルオロフェニル)エタノン(2.19mL、18.04mmol)を加え、直ちに、この反応物を20分間、100℃に加熱した。この反応物を周囲温度まで冷却し、水(50mL)により希釈し、EtOAc(3×50mL)により抽出した。合わせた有機物を脱水(MgSO4)し、溶媒を減圧下で除去した。0〜60%のEtOAc/ヘプタンのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、120g)により精製すると、表題化合物(3.24g、10.55mmol、64%収率)が黄色固体として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.95分、m/z=307.0 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.87 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.62 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.38 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 2.50 (s, 3H).
工程2:tert−ブチル(4−((4−アセチルフェニル)チオ)フェニル)カルバメートの合成
1,4−ジオキサン中の1−(4−((4−ブロモフェニル)チオ)フェニル)エタノン(3.24g、10.55mmol)、tert−ブチルカルバメート(1.483g、12.66mmol)、Cs2CO3(5.15g、15.82mmol)及びジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(0.503g、1.055mmol)の混合物に、30分間、窒素を吹き付けた。このフラスコを排気して、N2(3X)を逆充填した。Pd2dba3(0.290g、0.316mmol)を加え、この反応物を排気して、N2(3X)を逆充填した。この反応混合物を、18時間、100℃に加熱した。この反応物を周囲温度まで冷却し、水(75mL)により処理して、次に、EtOAc(3X50mL)により抽出して脱水(MgSO4)し、溶媒を減圧下で除去した。0〜60%のEtOAc/ヘプタンのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、120g)により精製すると、表題化合物(2.0g、5.82mmol、55%収率)が黄色固体として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.96分、m/z=344.0 [M+H+]。1H NMR (501 MHz, DMSO-d6) δ 9.62 (s, 1H), 7.82 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.58 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.43 (d, J = 6.7 Hz, 2H), 7.11 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 2.49 (s, 3H), 1.47 (s, 9H).
工程3:(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((4−アミノフェニル)チオ)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a,10−トリメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オン及び(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((4−アミノフェニル)チオ)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a,10−トリメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オンの合成
0℃の(6S,8S,9R,10S,11S,13S,14S,16R,17S)−6,9−ジフルオロ−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(0.400g、0.970mmol)、tert−ブチル(4−((4−アセチルフェニル)チオ)フェニル)カルバメート(0.366g、1.067mmol)及びMgSO4(0.350g、2.91mmol)のMeCN(4.0mL)中スラリーに、トリフルオロメタンスルホン酸(0.431mL、4.85mmol)を滴下して加えた。30分後、この反応物をEtOAc(25mL)により希釈し、NaHCO3の飽和水溶液(20mL)、ブラインの飽和水溶液(25mL)により逐次、洗浄し、脱水(MgSO4)し、次に、溶媒を減圧下で除去すると黄色泡状物が得られた。0〜10%のMeOH/DCMのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、40g)により精製すると、生成物がケタール異性体の混合物(460mg、0.721mmol、74%収率)として得られた。この物質の一部を、Phenomenex C18(2)10ミクロンカラム(250X50mm)上の逆相HPLCによって精製した。流速90mL/分で、MeCN(A)及び水中の0.1%TFA(B)のグラジエント(0〜5.0分にA15%、5.0〜18分にA15〜75%の直線グラジエント、次に5分間、保持)を使用した。合わせたフラクションを濃縮して、揮発性溶媒を減圧下で除去し、得られた溶液を冷凍して、凍結乾燥すると、ケタール異性体が黄色固体として得られた。少量のケタール異性体:(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((4−アミノフェニル)チオ)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a,10−トリメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オン。黄色粉末(10.0mg)。LCMS(方法r、表7)Rt=0.80分、m/z=638.2 [M+H+]。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.33 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.23 (dd, J = 10.1, 1.5 Hz, 1H), 7.19 - 7.12 (m, 2H), 6.96 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.76 - 6.63 (m, 2H), 6.29 (dd, J = 10.2, 1.9 Hz, 1H), 6.10 (s, 1H), 5.66 - 5.45 (m, 2H), 5.14 (d, J = 5.8 Hz, 1H), 4.65 (d, J = 19.3 Hz, 1H), 4.22 - 4.07 (m, 2H), 2.48 - 2.35 (m, 1H), 2.14 - 2.04 (m, 1H), 2.02 - 1.91 (m, 1H), 1.77 - 1.64 (m, 2H), 1.63 - 1.56 (m, 1H), 1.50 (dd, J = 13.2, 6.3 Hz, 1H), 1.44 (s, 3H), 1.36 (s, 3H), 1.14 - 0.98 (m, 1H), 0.80 (s, 3H).
主要量のケタール異性体:(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((4−アミノフェニル)チオ)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a,10−トリメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オン。黄色粉末(18.1mg)。LCMS(方法r、表7)Rt=0.85分、m/z=638.2[M+H+]。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.28 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 7.20 (dd, J = 8.4, 7.2 Hz, 4H), 6.95 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.73 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.31 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 6.13 (s, 1H), 5.75 - 5.57 (m, 1H), 5.53 (s, 1H), 5.00 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.22 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.06 - 3.80 (m, 4H), 2.72 - 2.55 (m, 1H), 2.39 - 2.27 (m, 1H), 2.17 - 2.02 (m, 2H), 1.79 - 1.56 (m, 3H), 1.50 (d, J = 12.4 Hz, 6H), 0.73 (s, 3H).
[実施例17] (6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((4−アミノフェニル)チオ)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a,10−トリメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オン及び(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((4−アミノフェニル)チオ)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a,10−トリメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オンの合成
0℃の(8S,9S,10R,11S,13S,14S,16R,17S)−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(0.200g、0.531mmol)、tert−ブチル(4−((4−アセチルフェニル)チオ)フェニル)カルバメート(0.201g、0.584mmol)及びMgSO4(0.192g、1.59mmol)のMeCN(2.0mL)中スラリーに、トリフルオロメタンスルホン酸(0.24mL、2.66mmol)を滴下して加えた。30分後、この反応物をEtOAc(15mL)により希釈し、NaHCO3の飽和水溶液(10mL)、次にブラインの飽和水溶液(10mL)により逐次、洗浄して脱水(MgSO4)し、溶媒を減圧下で除去すると黄色泡状物が得られた。0〜10%のMeOH/DCMのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、24g)により精製すると、生成物がケタール異性体の混合物(198mg、0.329mmol、62%収率)として得られた。この物質の一部を、Phenomenex C18(2)10ミクロンカラム(250X50mm)上の逆相HPLCによって精製した。流速90mL/分で、MeCN(A)及び水中の0.1%TFA(B)のグラジエント(0〜5.0分にA15%、5.0〜18分にA15〜75%の直線グラジエント、次に、5分間、保持)を使用した。合わせたフラクションを濃縮して、揮発性溶媒を減圧下で除去し、得られた溶液を冷凍して、凍結乾燥すると、ケタール異性体の両方が白色固体として得られた。主要量のケタール異性体:(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((4−アミノフェニル)チオ)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a,10−トリメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オン。白色粉末(14.6mg)。LCMS(方法r、表7)Rt=0.83分、m/z=602.1[M+H+]。1H NMR (501 MHz, DMSO-d6) δ 7.30 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.22 - 7.12 (m, 4H), 6.91 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.68 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.16 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 5.91 (s, 1H), 4.93 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 4.74 (brs, 2H), 4.30 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 4.02 - 3.79 (m, 4H), 2.53 (dt, J = 14.7, 7.6 Hz, 1H), 2.30 (d, J = 14.8 Hz, 1H), 2.16 - 1.95 (m, 2H), 1.85 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 1.78 - 1.67 (m, 2H), 1.55 (td, J = 15.2, 13.3, 7.7 Hz, 2H), 1.50 (s, 3H), 1.37 (s, 3H), 1.13 - 0.97 (m, 2H), 0.70 (s, 3H).少量のケタール異性体:(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((4−アミノフェニル)チオ)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a,10−トリメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オン。白色粉末(12.0mg)。LCMS(方法r、表7)Rt=0.80分、m/z=602.1 [M+H+]。1H NMR (501 MHz, DMSO-d6) δ 7.32 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 7.25 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.95 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.66 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.13 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 5.87 (s, 1H), 5.09 (d, J = 6.1 Hz, 1H), 4.71 (brs, 1H), 4.62 (d, J = 19.3 Hz, 1H), 4.22 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 4.11 (d, J = 19.2 Hz, 2H), 2.47 - 2.37 (m, 1H), 2.25 - 2.07 (m, 1H), 1.94 (qd, J = 11.3, 3.8 Hz, 1H), 1.87 - 1.75 (m, 1H), 1.70 (s, 2H), 1.59 - 1.44 (m, 2H), 1.32 (d, J = 5.1 Hz, 6H), 1.18 - 1.03 (m, 1H), 0.78 (s, 3H), 0.61 (dd, J = 11.2, 3.5 Hz, 1H), 0.50 (qd, J = 12.9, 4.8 Hz, 1H).
[実施例18] 2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(4−アミノフェノキシ)−3−ヒドロキシフェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オンの合成
工程1:3−メトキシ−4−(4−ニトロフェノキシ)ベンズアルデヒドの合成
バニリン(2.5g、16.43mmol)、4−フルオロニトロベンゼン(2.61mL、24.65mmol)及び炭酸カリウム(4.54g、32.9mmol)をDMF(15mL)に溶解し、80℃において一晩、撹拌した。冷却後、この混合物を水により処理し、EtOAc(×2)により抽出した。合わせた有機層を水及びブラインにより洗浄し、脱水(Na2SO4)して濃縮した。ヘプタン中の0〜40%のEtOAcのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、120g)により精製すると、表題化合物がわずかに黄色の固体(3.37g、75%)として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.88分;m/zは観測されず1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.00 (s, 1H), 8.26 - 8.17 (m, 2H), 7.72 - 7.60 (m, 2H), 7.42 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.12 - 7.03 (m, 2H), 3.82 (s, 3H).
工程2:3−ヒドロキシ−4−(4−ニトロフェノキシ)ベンズアルデヒドの合成
−78℃の3−メトキシ−4−(4−ニトロフェノキシ)ベンズアルデヒド(6.02g、22.03mmol)のDCM(100mL)中溶液に、三臭化ホウ素(110mL、110mmol)を加えた。この反応物を−78℃において1時間、撹拌し、次に、0℃において5時間、撹拌した。この混合物を氷と混合して、DCMにより抽出した。合わせた有機層を水及びブラインにより洗浄し、脱水(Na2SO4)して濃縮した。0〜30%のヘプタン中のEtOAcのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、120g)により精製すると、表題化合物が紫色油状物(5.55g、97%収率)として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.80分;m/zは観測されず1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.24 (s, 1H), 8.22 - 8.14 (m, 2H), 7.36 (s, 1H), 7.30 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.15 - 7.07 (m, 2H), 7.02 - 6.96 (m, 2H).
工程3:4−(4−アミノフェノキシ)−3−ヒドロキシベンズアルデヒドの合成
添加される3−ヒドロキシ−4−(4−ニトロフェノキシ)ベンズアルデヒド(5.g、19.29mmol)、塩化第一スズ(18.29g、96mmol)のエタノール(60mL)中溶液に、塩化第一スズ(18.29g、96mmol)を加え、これを2時間、80℃に加熱した。この混合物を冷却して、氷、及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と注意深く混合し、次に、EtOAcにより複数回、抽出した。合わせた有機層をブラインにより洗浄して脱水(Na2SO4)し、Celite(登録商標)によりろ過して、ろ液を濃縮すると、表題化合物が黄色固体(1.18g、27%収率)として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.48分;m/z=観測されず1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.90 - 9.87 (m, 1H), 10.90 - 9.26 (m, 2H), 8.66 - 8.56 (m, 1H), 7.66 - 7.61 (m, 1H), 7.50 - 7.46 (m, 1H), 7.46 - 7.38 (m, 2H), 7.38 - 7.29 (m, 4H), 7.16 - 6.99 (m, 6H); MS(ESI-) m/z = 227.9 (M-H).
工程4:(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(4−アミノフェノキシ)−3−ヒドロキシフェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オンの合成
室温の4−(4−アミノフェノキシ)−3−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.611g、2.67mmol)及び(6S,8S,9R,10S,11S,13S,14S,16R,17S)−6,9−ジフルオロ−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(1g、2.425mmol)のTHF(70mL)中溶液に、過塩素酸(2.64mL、24.25mmol)を加えた。16時間後、この反応物を水により処理し、EtOAcにより2回、抽出した。合わせた有機層を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液、チオ硫酸ナトリウムの飽和水溶液、次にブラインの飽和水溶液により洗浄し、脱水(Na2SO4)して溶媒を減圧下で除去した。この物質を、Phenomenex C18(2)5ミクロンカラム(250×21mmのカラム)上の逆相HPLCによって精製した。流速30mL/分で、MeCN(A)及び水中の0.1%TFA(B)のグラジエント(0.0〜1.0分にA15%、1.0〜10分にA65%までの直線グラジエント、1分間、保持)を使用した。合わせたフラクションを減圧下で濃縮して、揮発性溶媒を除去し、得られた溶液を冷凍して、凍結乾燥すると、表題生成物が黄色固体(338.9mg、23%収率)として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.72分間;MS(ESI+) 624.2(M+H);1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.88 (s, 2H), 7.28 (dd, 1H), 7.27 - 7.22 (m, 2H), 7.07 (d, 1H), 7.00 (d, 1H), 6.96 - 6.88 (m, 3H), 6.30 (dd, 1H), 6.18 - 6.08 (m, 1H), 5.78 - 5.67 (m, 1H), 5.65 - 5.52 (m, 1H), 5.42 (s, 1H), 5.00 - 4.95 (m, 1H), 4.53 (d, 1H), 4.27 - 4.18 (m, 2H), 2.79 - 2.57 (m, 1H), 2.36 - 2.28 (m, 1H), 2.24 (td, 1H), 2.13 - 2.01 (m, 1H), 1.80 - 1.66 (m, 3H), 1.65 - 1.52 (m, 1H), 1.51 (s, 3H), 0.88 (s, 3H).
[実施例19] (6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((4−アミノフェニル)スルホニル)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オンの合成
工程1:4−((4−ブロモフェニル)チオ)ベンゾニトリルの合成
4−ブロモベンゼンチオール(5.0g、26.4mmol)及び4−フルオロベンゾニトリル(3.20g、26.4mmol)のDMF(50mL)中溶液に、炭酸カリウム(4.39g、31.7mmol)を加え、これを3時間、120℃に加熱した。この反応物を0℃まで冷却し、水(100mL)を加え、この混合物をEtOAc(3×50mL)により抽出した。合わせた有機物を脱水(MgSO4)し、溶媒を減圧下で除去した。0〜60%のEtOAc/ヘプタンのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(80gのシリカ)により精製すると、表題化合物(6.82g、23.5mmol、89%収率)が黄色固体として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.95分、m/z=291.2 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.72 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.65 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.43 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.26 (d, J = 8.7 Hz, 2H).
工程2:tert−ブチル(4−((4−シアノフェニル)チオ)フェニル)カルバメートの合成
1,4−ジオキサン(207ml)中の4−((4−ブロモフェニル)チオ)ベンゾニトリル(6.0g、20.68mmol)、tert−ブチルカルバメート(2.91g、24.81mmol)、ジイソプロピル(2’,4’,5’−トリイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(0.820g、2.068mmol)及びCs2CO3(10.11g、31.0mmol)の混合物に、30分間、窒素を吹き付けた。このフラスコを排気して、N2(3X)を逆充填した。Pd2dba3(0.568g、0.620mmol)を加え、この反応物を排気して、N2(3回)を逆充填した。この反応混合物を、28時間、100℃に加熱した。この反応物を室温まで冷却し、直ちに、水(200mL)により処理して、EtOAc(3X75mL)により抽出して脱水(MgSO4)し、溶媒を減圧下で除去した。0〜30%のEtOAc/ヘプタンのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、120g)により精製すると、表題化合物(3.20g、9.80mmol、47%収率)が黄色固体として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=1.0分;m/z=344.1 [M+NH4 +]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.67 (s, 1H), 7.69 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.61 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.47 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.14 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 1.49 (s, 9H).
工程3:tert−ブチル(4−((4−シアノフェニル)スルホニル)フェニル)カルバメートの合成
室温のtert−ブチル(4−((4−シアノフェニル)チオ)フェニル)カルバメート(480mg、1.471mmol)のCH2Cl2(15mL)中溶液に、3−クロロ過安息香酸(639mg、3.71mmol)を小分けにして加えた。30分後、この反応物を水(20mL)とEtOAc(10mL)との間に分配した。これらの層を分離して、水相をEtOAc(2×25mL)により抽出した。合わせた有機物はブラインの飽和水溶液(50mL)により洗浄してMgSO4により脱水し、溶媒を減圧下で除去した。0〜60%のEtOAc/ヘプタンのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、40g)により精製すると、表題化合物(372mg、1.04mmol、71%収率)が黄色固体として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.86分;m/z=376.0 [M+NH4 +]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.92 (s, 1H), 8.06 (s, 4H), 7.87 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.66 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 1.45 (s, 9H).
工程4:tert−ブチル(4−((4−ホルミルフェニル)スルホニル)フェニル)カルバメートの合成
0℃のtert−ブチル(4−((4−シアノフェニル)スルホニル)フェニル)カルバメート(0.780g、2.176mmol)のTHF(20mL)中溶液に、5分間かけて、水素化ジイソブチルアルミニウム(6.53mL、トルエン中の1.0M、6.53mmol)を滴下して加えた。30分後、水素化ジイソブチルアルミニウム(トルエン中の1.0M)(2.176mL、2.176mmol)を加え、この反応物を0℃でさらに1時間、撹拌した。0℃において、1N HCl水溶液(120mL)をゆっくりと添加することによりこの反応物をクエンチし、水相をEtOAc(2X75mL)により抽出した。合わせた有機物をブラインの飽和水溶液(50mL)により洗浄し、MgSO4により脱水し、溶媒を減圧下で除去した。0〜10%のCH2Cl2/MeOHのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、80g)により精製すると、表題化合物(0.275g、0.761mmol、35%収率)が黄色油状物として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.83分、m/z=359.9 [M+H−]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.04 (s, 1H), 9.89 (s, 1H), 8.18 - 7.97 (m, 4H), 7.85 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.64 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 1.43 (s, 9H).
工程5:(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((4−アミノフェニル)スルホニル)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オンの合成
0℃の(8S,9S,10R,11S,13S,14S,16R,17S)−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(0.100g、0.266mmol)、tert−ブチル(4−((4−ホルミルフェニル)スルホニル)フェニル)カルバメート(0.106g、0.292mmol)及びMgSO4(0.096g、0.797mmol)のMeCN(1.0mL)中スラリーに、トリフルオロメタンスルホン酸(0.12mL、1,328mmol)を滴下して加えた。30分後、この反応物をEtOAc(15mL)により希釈し、次に、NaHCO3の飽和水溶液(10mL)、次いでブラインの飽和水溶液(10mL)により、洗浄し、脱水(MgSO4)した。減圧下で溶媒を除去すると、明黄色泡状物が得られ、これを、0〜10%のCH2Cl2/MeOHのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、24g)により精製すると、無色ガラス状物が得られた。アセタール異性体を、Phenomenex C18(2)10ミクロンカラム(250×30mm)上の分取逆相HPLCによって分離した。流速60mL/分で、MeCN(A)及び水中の0.1%TFA(B)のグラジエント(0〜3.0分にA15%、3.0〜18分にA15〜80%の直線グラジエント、次に、5分間、保持)を使用した。合わせたフラクションを濃縮し、揮発性溶媒を減圧下で除去し、得られた溶液を冷凍して、凍結乾燥すると、表題化合物が白色固体(8.0mg、18%収率)として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.76分、MS m/z=620.0 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.81 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.61 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.49 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.27 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 6.56 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.12 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 5.89 (s, 1H), 5.47 (s, 1H), 4.91 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 4.73 (s, 1H), 4.48 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.24 (s, 1H), 4.13 (d, J = 19.5 Hz, 1H), 2.51 (s, 2H), 2.32 - 2.22 (m, 1H), 2.13 - 2.01 (m, 1H), 2.02 - 1.88 (m, 1H), 1.78 - 1.56 (m, 5H), 1.35 (s, 3H), 1.11 - 0.96 (m, 2H), 0.82 (s, 3H).
[実施例20] N−(3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)−3−(2−(2−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)エトキシ)エトキシ)プロパンアミド
工程1:tert−ブチル(2−(2−(3−((3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−3−オキソプロポキシ)エトキシ)エチル)カルバメートの合成
室温の2,2−ジメチル−4−オキソ−3,8,11−トリオキサ−5−アザテトラデカン−14−酸(0.100g、0.361mmol)、(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−アミノベンジル)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オン(0.199g、0.328mmol)及び2,6−ジメチルピリジン(0.12mL、0.983mmol)のTHF(2.0mL)中溶液に、HATU(0.125g、0.328mmol)を加えた。24時間後、溶媒を減圧下で除去し、この反応混合物を0〜10%のMeOH/CH2Cl2のグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、24g)により精製すると、表題化合物が明黄色泡状物(226mg、0.261mmol、80%収率)として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.91分、m/z=865.5 [M+H+]。1H NMR (DMSO-d6) δ 0.86 (s, 3H), 1.36 (s, 9H), 1.50 (s, 4H), 1.71 (ddt, J = 17.9, 13.3, 5.8 Hz, 3H), 1.94 - 2.14 (m, 2H), 2.18 - 2.39 (m, 1H), 2.55 - 2.74 (m, 1H), 3.03 (q, J = 6.0 Hz, 2H), 3.48 (hept, J = 3.1, 2.7 Hz, 4H), 3.66 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 3.88 (s, 2H), 4.13 - 4.26 (m, 2H), 4.51 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.94 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 5.45 (s, 1H), 5.52 (dd, J = 4.3, 1.7 Hz, 1H), 5.65 (dddd, J = 48.5, 11.4, 6.7, 2.0 Hz, 1H), 6.13 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 6.73 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 6.80 - 6.97 (m, 1H), 7.18 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.25 (td, J = 9.1, 8.2, 1.6 Hz, 3H), 7.32 - 7.39 (m, 3H), 7.45 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.11 - 8.85 (m, 1H), 9.83 (s, 1H).
工程2:3−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)−N−(3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)プロパンアミド
室温のtert−ブチル(2−(2−(3−((3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−3−オキソプロポキシ)エトキシ)エチル)カルバメート(226mg、0.261mmol)のCH2Cl2(3.0mL)中溶液に、TFA(1.0mL、12.98mmol)を加えた。45分後、揮発物を真空下で除去し、粗生成物は、100%収率と見なして、さらに精製することなく次の工程に持ち越した。LCMS(方法r、表7)Rt=0.80分、m/z=765.4 [M+H+]。
工程3:N−(3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)−3−(2−(2−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)エトキシ)エトキシ)プロパンアミドの合成
室温の3−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)−N−(3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)プロパンアミド(0.226g、0.295mmol)及び2,5−ジオキソピロリジン−1−イル3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノエート(0.087g、0.325mmol)のDMF(2.0mL)中溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.155mL、0.88mmol)を加えた。45分後、この粗製反応混合物を、Phenomenex C18(2)10ミクロンカラム(250×50mmのカラム)上の逆相HPLCによって精製した。流速80mL/分で、MeCN(A)及び水中の0.1%ギ酸(B)のグラジエント(0〜5.0分にA18%、5.0〜25.0分にA15〜80%の直線グラジエント、5分間、保持)を使用した。合わせたフラクションを減圧下で濃縮して、揮発性溶媒を除去し、得られた溶液を冷凍して、凍結乾燥すると、表題化合物が白色固体(48mg、0.052mmol、18%収率)として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.84分、m/z=916.4 [M+H+]。1H NMR (DMSO-d6) δ 0.84 (s, 3H), 1.48 (s, 4H), 1.59 - 1.76 (m, 3H), 2.03 (d, J = 13.9 Hz, 1H), 2.17 - 2.38 (m, 4H), 2.54 - 2.72 (m, 1H), 3.11 (q, J = 5.8 Hz, 2H), 3.31 - 3.35 (m, 4H), 3.42 - 3.51 (m, 4H), 3.57 (dd, J = 7.8, 6.8 Hz, 2H), 3.64 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 3.86 (s, 2H), 4.10 - 4.25 (m, 2H), 4.49 (dd, J = 19.5, 6.0 Hz, 1H), 4.93 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 5.07 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 5.43 (s, 1H), 5.51 (s, 1H), 5.53 - 5.74 (m, 1H), 6.11 (s, 1H), 6.28 (dd, J = 10.2, 1.9 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.97 (s, 2H), 7.16 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.20 - 7.28 (m, 3H), 7.30 - 7.39 (m, 3H), 7.38 - 7.48 (m, 1H), 7.96 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 9.81 (s, 1H).
[実施例21] N−(3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)−1−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−アミド
実施例20と同じ手順によって調製した。白色固体(17mg、0.017mmol、9%収率)。LCMS(方法r、表7)Rt=0.82分、m/z=1026 [M+Na+]。1H NMR (DMSO-d6) δ 0.85 (s, 3H), 1.22 (s, 8H), 1.49 (s, 3H), 1.61 - 1.77 (m, 2H), 2.03 (d, J = 13.9 Hz, 1H), 2.12 - 2.40 (m, 3H), 2.55 - 2.66 (m, 1H), 3.12 (q, J = 5.8 Hz, 2H), 3.33 (s, 1H), 3.41 - 3.51 (m, 11H), 3.58 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 3.65 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 3.87 (s, 2H), 4.18 (d, J = 14.1 Hz, 2H), 4.42 - 4.61 (m, 1H), 4.93 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.07 (s, 1H), 5.44 (s, 1H), 5.50 (s, 1H), 5.6-5.7 (m, 1H), 6.28 (dd, J = 10.2, 1.9 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.98 (s, 2H), 7.17 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.24 (t, J = 9.8 Hz, 3H), 7.32 - 7.38 (m, 3H), 7.43 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.98 (s, 1H), 9.81 (s, 1H).
[実施例22] N−(3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)−1−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)−3,6,9,12,15,18−ヘキサオキサヘンイコサン−21−アミド
実施例20と同じ手順によって調製した。白色固体(23.2mg、0.021mmol、22%収率。LCMS(方法r、表7)Rt=0.83分、m/z=1092.3 [M+H+]。1H NMR (DMSO-d6) δ 0.84 (s, 3H), 1.48 (s, 4H), 1.58 - 1.76 (m, 3H), 2.02 (dt, J = 14.0, 3.6 Hz, 1H), 2.17 - 2.37 (m, 4H), 2.62 (dtd, J = 24.1, 11.9, 4.4 Hz, 1H), 3.12 (q, J = 5.8 Hz, 2H), 3.40 - 3.52 (m, 23H), 3.57 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 3.64 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 3.86 (s, 2H), 4.10 - 4.25 (m, 2H), 4.49 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.92 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 5.08 (s, 1H), 5.43 (s, 1H), 5.49 - 5.73 (m, 2H), 6.11 (s, 1H), 6.27 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.97 (s, 2H), 7.16 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.23 (dd, J = 13.9, 9.0 Hz, 3H), 7.30 - 7.38 (m, 3H), 7.43 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.98 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 9.81 (s, 1H).
[実施例23] N−(3−(4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)−1−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33,36−ドデカオキサノナトリアコンタン−39−アミド
実施例20と同じ手順によって調製した。無色のガラス状物として単離した(20mg、0.015mmol、18%収率)。LCMS(方法r、表7)Rt=0.85分、m/z=1356.4 [M+H+]。1H NMR (DMSO-d6) δ 0.84 (s, 3H), 1.48 (s, 4H), 1.67 (d, J = 14.3 Hz, 3H), 2.03 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 2.30 (q, J = 9.8, 8.5 Hz, 4H), 2.65 (s, 1H), 3.13 (q, J = 5.8 Hz, 2H), 3.34 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.39 - 3.54 (m, 46H), 3.57 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 3.64 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.86 (s, 2H), 4.18 (d, J = 14.6 Hz, 2H), 4.49 (d, J = 19.2 Hz, 1H), 4.93 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 5.07 (s, 1H), 5.43 (s, 1H), 5.50 (s, 1H), 5.62 (d, J = 41.1 Hz, 1H), 6.11 (s, 1H), 6.20 - 6.36 (m, 1H), 6.87 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.98 (s, 2H), 7.16 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.23 (t, J = 9.0 Hz, 3H), 7.34 (d, J = 8.4 Hz, 3H), 7.43 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.97 (s, 1H), 9.80 (s, 1H).
[実施例24] N−(3−((4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェニル)チオ)フェニル)−3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド
4mLのバイアルにおいて、3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパン酸(43.5mg、0.26mmol)、次いでDMA(1.0mL)に溶解したHATU(148mg、0.39mmol)、次いで、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(67ul、0.39mmol)を無溶媒で加えた。次に、DMA(0.5mL)に溶解した(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェニル)チオ)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オン(80.83mg、0.13mmol)の溶液を加えた。この反応物を、室温において2時間、振とうした。この反応物をLC/MSにより確認し、逆相HPLC(方法q、直線グラジエント45〜75%)によって精製すると、表題化合物が得られた。LCMS(方法s、表7)Rt=0.78分;MS m/z=775.3(M+H)+;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6/D2O, 温度 = 27℃) δ 7.61 - 7.57 (m, 1H), 7.49 - 7.44 (m, 1H), 7.43 - 7.37 (m, 2H), 7.34 - 7.22 (m, 4H), 7.06 - 7.02 (m, 1H), 6.92 (s, 2H), 6.29 (dd, J = 10.2, 1.9 Hz, 1H), 6.14 - 6.09 (m, 1H), 5.72 - 5.52 (m, 1H), 5.46 (s, 1H), 4.98 - 4.93 (m, 1H), 4.52 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.26 - 4.14 (m, 2H), 3.73 - 3.71 (m, 2H), 3.69 - 3.65 (m, 2H), 2.73 - 2.55 (m, 1H), 2.35 - 2.26 (m, 1H), 2.25 - 2.12 (m, 1H), 2.03 - 1.95 (m, 1H), 1.79 - 1.62 (m, 3H), 1.55 - 1.39 (m, 4H), 0.85 (s, 3H).
[実施例25] N−(3−((4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェニル)チオ)フェニル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド
6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸から、実施例24に記載されている通り調製した。逆相HPLC(方法s、直線グラジエント50〜80%)によって精製した。LCMS(方法c、表7)Rt=0.82分;MS m/z=817.3(M+H)+;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6/D2O, 温度 = 27℃) δ 7.68 - 7.65 (m, 1H), 7.53 - 7.49 (m, 1H), 7.42 - 7.38 (m, 2H), 7.33 - 7.24 (m, 4H), 7.04 - 7.01 (m, 1H), 6.91 (s, 2H), 6.29 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 6.14 - 6.10 (m, 1H), 5.72 - 5.53 (m, 1H), 5.46 (s, 1H), 4.96 - 4.92 (m, 1H), 4.51 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.24 - 4.15 (m, 2H), 3.38 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.70 - 2.54 (m, 1H), 2.35 - 2.11 (m, 5H), 2.03 - 1.96 (m, 1H), 1.76 - 1.61 (m, 3H), 1.59 - 1.41 (m, 8H), 1.24 - 1.13 (m, 2H), 0.85 (s, 3H).
[実施例26] N−(3−((4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェニル)チオ)フェニル)−4−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ベンズアミド
4−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)安息香酸から、実施例24に記載されている通り調製した。逆相HPLC(方法s、直線グラジエント50〜80%)によって精製した。LCMS(方法c、表7)Rt=0.83分;MS m/z=823.2(M+H)+;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6/D2O, 温度 = 27℃) δ 8.02 - 7.97 (m, 2H), 7.88 - 7.85 (m, 1H), 7.77 - 7.73 (m, 1H), 7.52 - 7.47 (m, 2H), 7.44 - 7.36 (m, 3H), 7.35 - 7.30 (m, 2H), 7.29 - 7.23 (m, 1H), 7.15 (s, 2H), 7.14 - 7.10 (m, 1H), 6.29 (dd, J = 10.2, 1.9 Hz, 1H), 6.15 - 6.09 (m, 1H), 5.71 - 5.54 (m, 1H), 5.47 (s, 1H), 4.97 - 4.94 (m, 1H), 4.52 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.24 - 4.14 (m, 2H), 2.70 - 2.57 (m, 1H), 2.37 - 2.27 (m, 1H), 2.24 - 2.12 (m, 1H), 2.03 - 1.97 (m, 1H), 1.75 - 1.64 (m, 3H), 1.54 - 1.42 (m, 4H), 0.85 (s, 3H).
[実施例27] N−(3−((4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェニル)チオ)フェニル)−4−((2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド
4−((2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)メチル)シクロヘキサン−1−カルボン酸から、実施例24に記載されている通り調製した。逆相HPLC(方法q、直線グラジエント50〜80%)によって精製した。LCMS(方法s、表7)Rt=0.85分;MS m/z=843.3(M+H)+;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6/D2O, 温度 = 27℃) δ 7.68 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 7.54 - 7.49 (m, 1H), 7.42 - 7.37 (m, 2H), 7.35 - 7.22 (m, 4H), 7.04 - 7.01 (m, 1H), 6.95 (s, 2H), 6.29 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 6.12 (s, 1H), 5.71 - 5.53 (m, 1H), 5.46 (s, 1H), 4.99 - 4.93 (m, 1H), 4.51 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.25 - 4.15 (m, 2H), 3.26 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 2.73 - 2.58 (m, 1H), 2.35 - 2.14 (m, 3H), 2.03 - 1.96 (m, 1H), 1.83 - 1.62 (m, 7H), 1.59 - 1.40 (m, 5H), 1.37 - 1.24 (m, 2H), 0.98 - 0.87 (m, 2H), 0.85 (s, 3H).
[実施例28] N−(3−((4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェニル)チオ)フェニル)−1−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−アミド
1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−3−オキソ−7,10,13,16−テトラオキサ−4−アザノナデカン−19−酸から、実施例24に記載されている通り調製した。逆相HPLC(方法s、直線グラジエント45〜75%)によって精製した。LCMS(方法c、表7)Rt=0.76分;MS m/z=1022.4(M+H)+;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6/D2O, 温度 = 27℃) δ 7.70 - 7.66 (m, 1H), 7.55 - 7.50 (m, 1H), 7.43 - 7.37 (m, 2H), 7.34 - 7.23 (m, 4H), 7.06 - 7.01 (m, 1H), 6.92 (s, 2H), 6.29 (dd, J = 10.2, 1.9 Hz, 1H), 6.14 - 6.11 (m, 1H), 5.72 - 5.53 (m, 1H), 5.46 (s, 1H), 5.00 - 4.92 (m, 1H), 4.51 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.26 - 4.15 (m, 2H), 3.66 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 3.59 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.51 - 3.40 (m, 11H), 3.33 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 3.12 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 2.70 - 2.58 (m, 1H), 2.51 - 2.47 (m, 3H), 2.36 - 2.25 (m, 3H), 2.24 - 2.13 (m, 1H), 2.04 - 1.97 (m, 1H), 1.75 - 1.65 (m, 3H), 1.56 - 1.42 (m, 4H), 0.85 (s, 3H).
[実施例29] N−(3−((4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェニル)チオ)フェニル)−1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−アミド
1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−酸から、実施例24に記載されている通り調製した。逆相HPLC(方法s、直線グラジエント45〜75%)によって精製した。LCMS(方法c、表7)Rt=0.80分;MS m/z=951.3(M+H)+;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6/D2O, 温度 = 27℃) δ 7.69 - 7.66 (m, 1H), 7.54 - 7.49 (m, 1H), 7.42 - 7.37 (m, 2H), 7.35 - 7.24 (m, 4H), 7.06 - 7.01 (m, 1H), 6.93 (s, 2H), 6.29 (dd, J = 10.2, 1.9 Hz, 1H), 6.17 - 6.10 (m, 1H), 5.71 - 5.55 (m, 1H), 5.46 (s, 1H), 4.98 - 4.93 (m, 1H), 4.51 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.24 - 4.16 (m, 2H), 3.66 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 3.56 - 3.51 (m, 2H), 3.50 - 3.36 (m, 14H), 2.71 - 2.60 (m, 1H), 2.51 - 2.48 (m, 2H), 2.33 - 2.27 (m, 1H), 2.18 (q, J = 10.5 Hz, 1H), 2.03 - 1.94 (m, 1H), 1.74 - 1.66 (m, 3H), 1.56 - 1.44 (m, 4H), 0.85 (s, 3H).
[実施例30] N−(3−((4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェニル)チオ)フェニル)−1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−3,6,9,12,15,18−ヘキサオキサヘンイコサン−21−アミド
1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−3,6,9,12,15,18−ヘキサオキサヘニコサン−21−酸から、実施例24に記載されている通り調製した。逆相HPLC(方法q、直線グラジエント10〜100%)によって精製した。LCMS(方法s、表7)Rt=0.80分;MS m/z イオン化しなかった。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6/D2O, 温度 = 27℃) δ 7.69 - 7.66 (m, 1H), 7.55 - 7.50 (m, 1H), 7.44 - 7.37 (m, 2H), 7.34 - 7.24 (m, 4H), 7.06 - 7.01 (m, 1H), 6.94 (s, 2H), 6.29 (dd, J = 10.2, 1.9 Hz, 1H), 6.13 (s, 1H), 5.69 - 5.55 (m, 1H), 5.46 (s, 1H), 4.97 - 4.93 (m, 1H), 4.51 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.23 - 4.16 (m, 2H), 3.66 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 3.56 - 3.38 (m, 22H), 2.70 - 2.63 (m, 1H), 2.54 - 2.53 (m, 2H), 2.51 - 2.48 (m, 2H), 2.33 - 2.26 (m, 1H), 2.18 (q, J = 10.3 Hz, 1H), 2.03 - 1.97 (m, 1H), 1.73 - 1.65 (m, 3H), 1.55 - 1.44 (m, 4H), 0.85 (s, 3H).
[実施例31] N−(3−((4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェニル)チオ)フェニル)−3−(2−(2−(2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)プロパンアミド
3−(2−(2−(2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)プロパン酸から、実施例24に記載されている通り調製した。逆相HPLC(方法q、直線グラジエント45〜75%)によって精製した。LCMS(方法s、表7)Rt=0.80分;MS m/z=908.1(M+H)+;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6/D2O, 温度 = 27℃) δ 7.69 - 7.66 (m, 1H), 7.54 - 7.51 (m, 1H), 7.42 - 7.38 (m, 2H), 7.34 - 7.24 (m, 4H), 7.06 - 7.02 (m, 1H), 6.93 (s, 2H), 6.29 (dd, J = 10.2, 1.9 Hz, 1H), 6.12 (s, 1H), 5.68 - 5.55 (m, 1H), 5.46 (s, 1H), 4.98 - 4.94 (m, 1H), 4.51 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.24 - 4.16 (m, 2H), 3.64 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 3.55 - 3.50 (m, 2H), 3.47 - 3.37 (m, 9H), 2.69 - 2.66 (m, 1H), 2.54 - 2.53 (m, 1H), 2.50 - 2.47 (m, 2H), 2.32 - 2.25 (m, 1H), 2.21 - 2.14 (m, 1H), 2.03 - 1.97 (m, 1H), 1.74 - 1.65 (m, 3H), 1.54 - 1.43 (m, 4H), 0.85 (s, 3H).
[実施例32] N−(3−((4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェニル)チオ)フェニル)−3−(2−(2−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)エトキシ)エトキシ)プロパンアミド
3−(2−(2−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)エトキシ)エトキシ)プロパン酸から、実施例24に記載されている通り調製した。逆相HPLC(方法q、直線グラジエント45〜75%)によって精製した。LCMS(方法s、表7)Rt=0.76分;MS m/z=934.4(M+H)+;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6/D2O, 温度 = 27℃) δ 7.69 - 7.66 (m, 1H), 7.54 - 7.49 (m, 1H), 7.42 - 7.38 (m, 2H), 7.34 - 7.23 (m, 4H), 7.05 - 7.01 (m, 1H), 6.91 (s, 2H), 6.29 (dd, J = 10.2, 1.9 Hz, 1H), 6.13 (s, 1H), 5.68 - 5.56 (m, 1H), 5.46 (s, 1H), 4.97 - 4.93 (m, 1H), 4.51 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.24 - 4.15 (m, 2H), 3.66 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.58 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.51 - 3.43 (m, 4H), 3.33 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 3.10 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 2.63-2.58(m,1H), 2.55 - 2.53 (m, 1H), 2.50 - 2.49 (m, 2H), 2.32 - 2.27 (m, 2H), 2.18 (q, J = 10.3 Hz, 1H), 2.03 - 1.97 (m, 1H), 1.73 - 1.63 (m, 3H), 1.54 - 1.42 (m, 4H), 0.85 (s, 3H).
[実施例33] N−(3−((4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェニル)チオ)フェニル)−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド
2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)酢酸から、実施例24に記載されている通り調製した。逆相HPLC(方法s、直線グラジエント45〜75%)によって精製した。LCMS(方法c、表7)Rt=0.95分;MS m/z=761.7(M+H)+;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6/D2O, 温度 = 27℃) δ 7.65 - 7.61 (m, 1H), 7.52 - 7.47 (m, 1H), 7.44 - 7.39 (m, 2H), 7.36 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.33 - 7.25 (m, 3H), 7.11 - 7.08 (m, 1H), 7.07 (s, 2H), 6.32 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 6.15 (s, 1H), 5.72 - 5.55 (m, 1H), 5.47 (s, 1H), 5.00 - 4.92 (m, 1H), 4.53 (d, J = 19.5 Hz, 1H), 4.30 - 4.17 (m, 4H), 2.72 - 2.61 (m, 1H), 2.38 - 2.28 (m, 1H), 2.19 (q, J = 10.3 Hz, 1H), 2.05 - 1.98 (m, 1H), 1.78 - 1.64 (m, 3H), 1.60 - 1.42 (m, 4H), 0.87 (s, 3H).
[実施例34] N−(3−((4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)フェニル)チオ)フェニル)−3−(2−(2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エトキシ)エトキシ)プロパンアミド
3−(2−(2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エトキシ)エトキシ)プロパン酸から、実施例24に記載されている通り調製した。逆相HPLC(方法q、直線グラジエント40〜75%)によって精製した。LCMS(方法c、表7)Rt=0.95分;MS m/z=863.9(M+H)+;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6/D2O, 温度 = 27℃)δ 7.71 - 7.66 (m, 1H), 7.55 - 7.51 (m, 1H), 7.44 - 7.38 (m, 2H), 7.36 - 7.25 (m, 4H), 7.08 - 7.03 (m, 1H), 6.91 (s, 2H), 6.31 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 6.14 (s, 1H), 5.72 - 5.55 (m, 1H), 5.47 (s, 1H), 4.98 - 4.94 (m, 1H), 4.53 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.27 - 4.14 (m, 2H), 3.63 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 3.53 - 3.43 (m, 8H), 2.72 - 2.61 (m, 1H), 2.48 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 2.35 - 2.24 (m, 1H), 2.20 (q, J = 10.4 Hz, 1H), 2.05 - 1.96 (m, 1H), 1.76 - 1.65 (m, 3H), 1.57 - 1.41 (m, 4H), 0.87 (s, 3H).
[実施例34A] 3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−((S)−1−(((S)−1−((3−(4−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)プロパンアミドの合成
工程1:(S)−2−アミノ−N−((S)−1−((3−(4−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)プロパンアミドの合成
0℃のDCM(6mL)及びDMF(12mL)中の(S)−2−((S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)プロパンアミド)プロパン酸(765mg、2.00mmol)、(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−アミノベンジル)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オン(600mg、1.053mmol)の溶液に、HATU(601mg、1.580mmol)及び2,6−ルチジン(0.37mL、3.16mmol)を加えた。30分後、この混合物を室温まで温め、一晩、撹拌した。この反応混合物にジエチルアミン(2.18mL、21.06mmol)を加え、室温において撹拌を3時間、継続し、直後に揮発性溶媒を減圧下で除去した。この残留物を1:1のDMSO:MeOH(12mL)に溶解し、Phenomenex C18(2)10ミクロンカラム(250×50mmのカラム)上の逆相HPLCによって精製した。流速90mL/分で、MeCN(A)及び水中の0.1%TFA(B)のグラジエント(0〜5.0分にA15%、5.0〜20分にA15〜85%の直線グラジエント、5分間、保持)を使用した。合わせた生成物フラクションを凍結乾燥すると、表題化合物がオフホワイトの固体(447mg、0.628mmol、60%収率)として得られた。LC−MS(方法r、表7)Rt=0.78分、m/z=711.9 [M+H]。1H NMR (501 MHz, DMSO-d6) δ 10.03 (s, 1H), 8.63 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.07 (d, J = 5.4 Hz, 3H), 7.44 - 7.38 (m, 2H), 7.38 - 7.34 (m, 2H), 7.29 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.23 - 7.16 (m, 3H), 6.90 (dt, J = 7.7, 1.3 Hz, 1H), 6.14 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 5.90 (t, J = 1.6 Hz, 1H), 5.38 (s, 1H), 4.90 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 4.52 - 4.37 (m, 2H), 4.27 (q, J = 3.3 Hz, 1H), 4.16 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 3.87 (s, 2H), 2.58 - 2.49 (m, 1H), 2.28 (ddd, J = 13.4, 4.5, 2.1 Hz, 1H), 2.09 (dtd, J = 17.0, 10.6, 5.0 Hz, 1H), 2.00 (dd, J = 12.2, 5.7 Hz, 1H), 1.78 - 1.54 (m, 5H), 1.37 (s, 3H), 1.35 (s, 3H), 1.30 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.01 (ddd, J = 22.1, 11.9, 4.2 Hz, 2H), 0.84 (s, 3H).
工程2:3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−((S)−1−(((S)−1−((3−(4−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)プロパンアミドの合成
室温のN−スクシンイミジル3−マレイミドプロピオネート(250mg、0.938mmol)及び(S)−2−アミノ−N−((S)−1−((3−(4−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)プロパンアミド(445mg、0.625mmol)のDMF(12mL)中溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.33mL、1.875mmol)を加えた。室温において30分後、揮発性溶媒を減圧下で除去した。この残留物を1:1のDMSO:MeOH(12mL)により希釈し、Phenomenex C18(2)10ミクロンカラム(250×50mmのカラム)上の逆相HPLCによって精製した。流速90mL/分で、MeCN(A)及び水中の0.1%TFA(B)のグラジエント(0〜5.0分にA25%、5.0〜20分にA25〜90%の直線グラジエント、5分間、保持)を使用した。合わせた生成物フラクションを凍結乾燥すると、表題化合物がオフホワイトの固体(295.1mg、0.342mmol、55%収率)として得られた。LC−MS(方法r、表7)Rt=0.85分、m/z=863.4 [M+H]。1H NMR (501 MHz, DMSO-d6) δ 9.71 (s, 1H), 8.17 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.43 (dd, J = 7.8, 1.1 Hz, 2H), 7.38 - 7.32 (m, 2H), 7.29 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.22 - 7.15 (m, 3H), 6.96 (s, 2H), 6.88 (dt, J = 7.8, 1.3 Hz, 1H), 6.13 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 5.90 (t, J = 1.6 Hz, 1H), 5.37 (s, 1H), 4.90 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 4.48 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.32 (p, J = 7.1 Hz, 1H), 4.27 (q, J = 3.3 Hz, 1H), 4.21 (p, J = 7.1 Hz, 1H), 4.16 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 3.87 (s, 2H), 3.59 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.57 - 2.49 (m, 1H), 2.38 (dd, J = 8.0, 6.6 Hz, 2H), 2.32 - 2.24 (m, 1H), 2.15 - 2.04 (m, 1H), 2.04 - 1.95 (m, 1H), 1.80 - 1.54 (m, 5H), 1.37 (s, 3H), 1.26 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.15 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.02 (ddd, J = 21.2, 12.1, 4.2 Hz, 2H), 0.84 (s, 3H).
[実施例35]
上記の方法を使用して以下の化合物を調製した。
[実施例36] N−(3−アミノフェニル)−4−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンズアミドの合成
工程1:塩化4−ホルミルベンゾイルの合成
0℃の4−ホルミル安息香酸(15.01g、100mmol)のTHF(100mL)中溶液に、塩化オキサリル(17.51mL、200mmol)を滴下して加え、次いでN,N−ジメチルホルムアミド(0.387mL、5.00mmol)を滴下添加した。この混合物を室温まで温め、次に、さらに2時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮すると、塩化4−ホルミルベンゾイル(16.86g、100mmol、100%収率)が得られ、これをさらに精製することなく使用した。
工程2:tert−ブチル(3−(4−ホルミルベンズアミド)フェニル)カルバメートの合成
0℃の塩化4−ホルミルベンゾイル(16.86g、100mmol)のTHF(100mL)中溶液に、トリエチルアミン(63.4mL、455mmol)を滴下して加え、次いでtert−ブチル(3−アミノフェニル)カルバメート(18.93g、91mmol)を添加した。この混合物を室温で2時間、撹拌した後、EtOAc(200mL)により希釈し、水(2×100mL)及びブライン(100mL)により洗浄し、Na2SO4により脱水して真空で濃縮した。この残留物をEtOAc/PE(1:1)20mLにおいて粉末にし、得られた沈殿物を採集すると、tert−ブチル(3−(4−ホルミルベンズアミド)フェニル)カルバメート(27.8g、82mmol、90%収率)が黄色固体として得られた。LCMS(方法e、表7)Rt=2.00分;MS m/z=285 [M−t−Bu]。
工程3:N−(3−アミノフェニル)−4−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンズアミドの合成
撹拌した(8S,9S,10R,11S,13S,14S,16R,17S)−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(9.42g、25.02mmol)、tert−ブチル(3−(4−ホルミルベンズアミド)フェニル)カルバメート(実施例2、工程5と類似の方法で作製した)(8.515g、25.02mmol)及びMgSO4(12.04g、100mmol)のMeCN(250mL)中溶液に、0℃でトリフルオロメタンスルホン酸(11.11ml、125mmol)を滴下して加えた。この混合物を0℃において2時間、撹拌し、次に、室温まで温めて、さらに16時間、撹拌した。この混合物をろ過してTHFにより洗浄し、ろ液を真空で濃縮した。この残留物をTHF(100mL)に溶解し、次に、1M NaOH水溶液により中和して、pH=8にした。この混合物をEtOAc(200mL)により抽出し、水(2×100mL)及びブライン(100mL)により洗浄し、Na2SO4により脱水して真空で濃縮した。5%MeOH/DCMにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ)により精製すると、粗生成物が得られ、これを、Sunfire C18 10ミクロン(250×19mmのカラム)上の逆相HPLCによりさらに精製した。流速30mL/分で、MeCN(A)及び水中の0.05%TFA(B)のグラジエント(0〜10.0分の直線グラジエントを22〜32%、5分間、保持)を使用した。合わせたフラクションを冷凍して凍結乾燥すると、N−(3−アミノフェニル)−4−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンズアミド(1.972g、3.29mmol、13%収率)が白色固体として得られた。LCMS(方法f、表7)Rt=1.37分、MS m/z=599 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.01 - 7.92 (m, 3H), 7.64 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.55 - 7.40 (m, 3H), 7.05 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.27 (dd, J = 10.2, 1.8 Hz, 1H), 6.03 (s, 1H), 5.60 (s, 1H), 5.13 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 4.68 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.45 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 4.37 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 2.68 (dt, J = 14.5, 7.0 Hz, 1H), 2.41 (dd, J = 13.7, 10.2 Hz, 1H), 2.29 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 2.18 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 1.99 (dd, J = 13.8, 3.5 Hz, 1H), 1.94 - 1.80 (m, 2H), 1.82 - 1.69 (m, 2H), 1.52 (s, 3H), 1.14 (m, J = 16.8, 8.0 Hz, 2H), 1.02 (s, 3H).
少量のアセタール異性体:黄色固体として、N−(3−アミノフェニル)−4−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンズアミド(112mg、0.176mmol、0.9%収率)。LCMS(方法e、表7)Rt=1.53分、MS m/z=599 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 7.90 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.48 (dd, J = 8.1, 3.5 Hz, 3H), 7.15 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.09 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.59 - 6.51 (m, 1H), 6.28 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 6.25 (s, 1H), 6.05 (s, 1H), 5.51 - 5.37 (m, 1H), 4.45 (s, 1H), 4.30 (d, J = 19.2 Hz, 1H), 4.14 (d, J = 19.2 Hz, 1H), 2.70 (t, J = 13.6 Hz, 1H), 2.43 (d, J = 13.3 Hz, 1H), 2.22 (dd, J = 23.3, 12.5 Hz, 2H), 2.07 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 1.93 (q, J = 5.1, 3.5 Hz, 2H), 1.80 (d, J = 14.0 Hz, 2H), 1.53 (d, J = 1.7 Hz, 3H), 1.21 (dd, J = 41.7, 12.1 Hz, 2H), 1.03 (s, 3H).
[実施例37] N−(3−アミノフェニル)−4−((6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−6b−フルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンズアミドの合成
上の実施例36と同じ手順を使用して合成した。主要なアセタール異性体:N−(3−アミノフェニル)−4−((6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−6b−フルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンズアミド。LCMS(方法f、表7)Rt=1.35分、MS m/z=617 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.29 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 8.00 - 7.93 (m, 2H), 7.73 (s, 1H), 7.59 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.43 (s, 0H), 7.38 (s, 1H), 7.29 (dd, J = 10.0, 5.3 Hz, 2H), 6.81 (s, 1H), 6.24 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 6.05 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 5.62 (s, 1H), 5.49 (s, 1H), 5.03 - 4.96 (m, 1H), 4.58 (d, J = 19.5 Hz, 1H), 4.23 (d, J = 19.6 Hz, 1H), 2.73 - 2.52 (m, 1H), 2.40 - 2.32 (m, 1H), 2.25 - 2.12 (m, 1H), 2.11 - 2.02 (m, 1H), 1.92 - 1.84 (m, 1H), 1.76 - 1.67 (m, 3H), 1.51 (s, 3H), 1.40 (tt, J = 14.3, 7.1 Hz, 1H), 0.90 (s, 3H).
少量のアセタール異性体:N−(3−アミノフェニル)−4−((6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−6b−フルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンズアミド。LCMS(方法B、表7)Rt=1.45分、MS m/z=617 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 8.06 (s, 1H), 7.95 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.54-7.41 (m, 5H), 7.09 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 6.34 (d, J = 10 Hz, 1H), 6.28 (s, 1H), 6.13 (s, 1H), 5.49 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 4.34-4.13 (m, 3H), 2.79-2.24 (m, 5H), 1.74-1.63 (m, 2H), 1.60 (s, 3H), 1.04 (s, 3H).
[実施例38] N−(3−アミノフェニル)−4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンズアミドの合成
上の実施例36と同じ手順を使用して合成した。主要なアセタール異性体:N−(3−アミノフェニル)−4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンズアミド。LCMS(方法f、表7)Rt=1.376分、MS m/z=635 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 7.96 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.88 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.64 (dd, J = 8.3, 1.5 Hz, 2H), 7.48 - 7.42 (m, 1H), 7.39 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 6.98 (dt, J = 7.7, 1.6 Hz, 1H), 6.41 - 6.26 (m, 2H), 5.71 - 5.45 (m, 2H), 5.14 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 4.69 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.44 - 4.28 (m, 2H), 2.73 (dt, J = 25.9, 12.1 Hz, 1H), 2.41 (td, J = 11.7, 6.9 Hz, 2H), 2.29 (dt, J = 14.0, 3.6 Hz, 1H), 1.91 - 1.67 (m, 4H), 1.60 (s, 4H), 1.02 (s, 3H).
少量のアセタール異性体:N−(3−アミノフェニル)−4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンズアミド。LCMS(方法e、表7)Rt=1.506分、MS m/z=635 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 7.90 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.49 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.35 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.09 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.65 - 6.48 (m, 1H), 6.41 - 6.27 (m, 3H), 5.76 - 5.39 (m, 2H), 4.42 - 4.22 (m, 2H), 4.15 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 2.66 (dd, J = 27.8, 13.4 Hz, 1H), 2.47 - 2.24 (m, 3H), 2.08 - 1.85 (m, 2H), 1.75 (t, J = 14.9 Hz, 2H), 1.61 (s, 3H), 1.03 (s, 3H).
[実施例39] 3−アミノフェニル4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンゾエートの合成
工程1:tert−ブチル(3−ヒドロキシフェニル)カルバメートの合成
3−アミノフェノール(10g、92mmol)のTHF(450mL)中溶液に、Boc無水物(23.40mL、101mmol)を加えた。この混合物を85℃において16時間、加熱し、LCMSによりモニタリングした。その後、この混合物を濃縮すると残留物が得られ、これをEtOAc(150mL)に溶解して水(100mL)、飽和NaHCO3(100mL)及びブライン(100mL)により洗浄し、Na2SO4で脱水して真空で濃縮した。この粗製物質をPE(50mL×2)により洗浄すると、表題化合物(16.5g、76mmol、収率82%)が白色固体として得られた。LCMS(方法g、表7)Rt=1.66分、MS m/z=232.1 [M+Na+]。
工程2:3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)フェニル4−ホルミルベンゾエートの合成
tert−ブチル(3−ヒドロキシフェニル)カルバメート(5g、23.90mmol)のDCM(60mL)中溶液に、0℃において4−ホルミル安息香酸(3.59g、23.90mmol)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(7.40g、35.8mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.584g、4.78mmol)を加えた。この温度において、アルゴン雰囲気下、得られた混合物を10分間、撹拌した。次に、この混合物を室温まで温め、撹拌を16時間、継続した。この混合物を氷浴中で冷却した。副生成物であるN,N’−ジシクロヘキシルウレアを沈殿物としてろ別し、透明なろ液を真空下で濃縮した。この粗製物質をDCM/EtOAc(100%〜30:1)により溶出したシリカゲルクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物(7.0g、18.54mmol、78%収率)が白色固体として得られた。LCMS(方法d、表7)Rt=2.17分、MS m/z=364.0 [M+Na+]。
工程3:3−アミノフェニル4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンゾエートの合成
撹拌した、無水MeCN(40mL)及びTHF(40mL)中の(6S,8S,9R,10S,11S,13S,14S,16R,17S)−6,9−ジフルオロ−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(実施例2、工程5)(7.248g、17.58mmol)及び3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)フェニル4−ホルミルベンゾエート(6g、17.58mmol)の溶液に、0℃において窒素下、トリフルオロメタンスルホン酸(7.8mL、87.9mmol)を滴下して加えた。この混合物を0℃で1時間、撹拌し、次に、氷水(30mL)に注ぎ入れて、EtOAc(2×45mL)により抽出した。合わせた有機層を冷却水(2×30mL)、ブライン(30mL)、飽和NaHCO3(30mL)及び追加の水(30mL)により洗浄して真空で濃縮すると、黄色固体が得られた。この粗製物質をDCM/MmeOH(100%〜40:1)により溶出したシリカゲルカラムクロマトグラフィー(200〜300メッシュ)によって精製し、次に、分取HPLCによってさらに精製すると、表題化合物(主要なアセタール異性体)(2.166g、3.32mmol、19%収率)が白色固体として得られた。LCMS(方法d、表7)Rt=1.54分、MS m/z=636.3 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.13 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.66 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.27 (dd, J = 10.1, 1.4 Hz, 1H), 7.06 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 6.48 (dd, J = 8.3, 2.1 Hz, 1H), 6.40 (t, J = 2.2 Hz, 1H), 6.34 (dd, J = 7.8, 2.2 Hz, 1H), 6.30 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 6.12 (s, 1H), 5.82 - 5.47 (m, 3H), 5.31 (s, 2H), 5.15 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 5.03 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.60 (dd, J = 19.5, 6.4 Hz, 1H), 4.33 - 4.12 (m, 2H), 2.66 (ddd, J = 26.2, 13.7, 9.3 Hz, 1H), 2.31 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 2.21 (td, J = 12.4, 6.3 Hz, 1H), 2.12 - 1.98 (m, 1H), 1.84 - 1.64 (m, 3H), 1.50 (s, 4H), 0.89 (s, 3H).
少量のアセタール異性体である、3−アミノフェニル4−((2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−2、6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’、1’:4、5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンゾエート(1.073g、1.676mmol、10%収率)も白色固体として単離された。LCMS(方法d、表7)Rt=1.58分、MS m/z=636.3 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.13 - 8.06 (m, 2H), 7.51 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.28 (dd, J = 10.1, 1.4 Hz, 1H), 7.06 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 6.52 - 6.44 (m, 1H), 6.43 - 6.28 (m, 4H), 6.14 (s, 1H), 5.80 - 5.48 (m, 2H), 5.39 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 5.31 (s, 2H), 5.04 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 4.26 - 4.15 (m, 2H), 4.05 (dd, J = 19.2, 5.9 Hz, 1H), 2.67 - 2.51 (m, 1H), 2.29 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 2.27 - 2.14 (m, 1H), 2.11 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 1.96 - 1.59 (m, 4H), 1.51 (s, 3H), 0.90 (s, 3H).
[実施例40] 3−アミノフェニル4−((6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−6b−フルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンゾエートの合成
上の実施例39と同じ手順を使用して合成した。主要なアセタール異性体:3−アミノフェニル4−((6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−6b−フルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンゾエート.LCMS(方法d、表7)Rt=1.54分、MS m/z=618.3 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.19 (dd, J = 7.8, 1.9 Hz, 2H), 7.67 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.41 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.35 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 6.97 - 6.84 (m, 3H), 6.32 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 6.12 (s, 1H), 5.63 (s, 1H), 5.13 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 4.69 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.43 - 4.30 (m, 2H), 2.76 (td, J = 13.6, 5.8 Hz, 1H), 2.70 - 2.54 (m, 1H), 2.43 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 2.31 (ddd, J = 14.9, 11.6, 4.5 Hz, 2H), 2.01 - 1.92 (m, 1H), 1.89 - 1.69 (m, 3H), 1.62 (s, 4H), 1.03 (s, 3H).
少量のアセタール異性体:3−アミノフェニル4−((6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−6b−フルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンゾエート.LCMS(方法d、表7)Rt=1.58分、MS m/z=618.2 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.10 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.52 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.30 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.16 (dd, J = 9.8, 6.0 Hz, 1H), 6.64 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.61 - 6.51 (m, 2H), 6.31 - 6.19 (m, 2H), 6.05 (s, 1H), 5.47 (s, 1H), 5.38 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 4.19 (d, J = 18.7 Hz, 2H), 4.04 (d, J = 19.2 Hz, 1H), 2.66 (td, J = 13.9, 6.3 Hz, 1H), 2.48 - 2.33 (m, 1H), 2.17 - 2.05 (m, 2H), 1.87 (dt, J = 13.8, 7.0 Hz, 2H), 1.84 - 1.69 (m, 2H), 1.51 (s, 4H), 0.90 (s, 3H).
[実施例41] 3−アミノフェニル4−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンゾエートの合成
上の実施例39と同じ手順を使用して合成した。主要なアセタール異性体:3−アミノフェニル4−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンゾエート。LCMS(方法d、表7)Rt=1.86分、MS m/z=599.8 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.14 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.64 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.44 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 7.14 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 6.63 (dd, J = 8.1, 2.2 Hz, 1H), 6.54 (q, J = 2.6 Hz, 1H), 6.48 (dd, J = 8.1, 2.2 Hz, 1H), 6.24 (dd, J = 10.0, 2.0 Hz, 1H), 6.00 (s, 1H), 5.59 (s, 1H), 5.13 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 4.69 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.43 (q, J = 3.3 Hz, 1H), 4.37 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 2.66 (td, J = 13.4, 5.3 Hz, 1H), 2.38 (dd, J = 13.7, 4.1 Hz, 1H), 2.32 - 2.19 (m, 1H), 2.14 (d, J = 12.7 Hz, 1H), 2.06 - 1.93 (m, 1H), 1.94 - 1.85 (m, 1H), 1.89 - 1.68 (m, 3H), 1.50 (s, 3H), 1.22 - 1.01 (m, 2H), 1.02 (s, 3H).
少量のアセタール異性体:3−アミノフェニル4−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンゾエート。LCMS(方法d、表7)Rt=1.89分、MS m/z=599.8 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.22 - 8.11 (m, 2H), 7.53 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.49 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 7.14 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 6.63 (dd, J = 8.1, 2.1 Hz, 1H), 6.55 (t, J = 2.2 Hz, 1H), 6.53 - 6.45 (m, 1H), 6.33 - 6.24 (m, 2H), 6.05 (t, J = 1.6 Hz, 1H), 5.46 (t, J = 3.8 Hz, 1H), 4.46 (q, J = 3.3 Hz, 1H), 4.30 (d, J = 19.2 Hz, 1H), 4.15 (d, J = 19.2 Hz, 1H), 2.70 (td, J = 13.5, 5.4 Hz, 1H), 2.48 - 2.38 (m, 1H), 2.23 (ddd, J = 24.3, 12.6, 6.6 Hz, 2H), 2.12 - 2.03 (m, 1H), 2.02 - 1.89 (m, 2H), 1.89 - 1.77 (m, 2H), 1.53 (s, 3H), 1.26 (tt, J = 12.4, 6.3 Hz, 1H), 1.17 (dd, J = 11.1, 3.6 Hz, 1H), 1.03 (s, 3H).
[実施例42] (6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェノキシ)メチル)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
工程1:tert−ブチル(3−((4−ホルミルベンジル)オキシ)フェニル)カルバメートの合成
4−(ブロモメチル)ベンズアルデヒド(34.4g、173mmol)のジメチルホルムアミド(200mL)中溶液に、K2CO3(47.8g、346mmol)及びtert−ブチル(3−ヒドロキシフェニル)カルバメート(36.2g、173mmol)を逐次、加えた。次に、この黄色懸濁液を油浴中、2時間、80℃において加熱した。この反応物を水(200mL)によりクエンチし、EtOAc(2×200mL)により抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)により洗浄してNa2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテルから80:20 PE/EtOAc、グラジエント溶出)により精製すると、tert−ブチル(3−((4−ホルミルベンジル)オキシ)フェニル)カルバメート(47.27g、144mmol、83%収率)が白色固体として得られた。LCMS(方法h、表7)Rt=1.92分;MS m/z=272 [M−t−Bu+H+]。
工程2:(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェノキシ)メチル)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
撹拌した、0℃の(8S,9S,10R,11S,13S,14S,16R,17S)−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(15.06g、40mmol)及びtert−ブチル(3−((4−ホルミルベンジル)オキシ)フェニル)カルバメート(13.75g、42.0mmol)及びMgSO4(19.26g、160mmol)のMeCN(400mL)中懸濁液に、トリフルオロメタンスルホン酸(17.76mL、200mmol)を滴下して加えた。次に、この反応混合物を20℃まで温め、さらに2時間、撹拌した。この混合物をろ過してTHFにより洗浄し、ろ液を真空で濃縮した。残留物をTHF(100mL)に溶解し、1M 水性NaOHによりpH8まで中和し、EtOAc(200mL)により希釈し、水(2×200mL)及びブライン(200mL)により洗浄して脱水(Na2SO4)し、真空で濃縮した。この残留物をフラッシュカラム(MeOH:DCM=1:20)によって精製した。得られた物質を、Sunfire C18 10ミクロン(250×19mmのカラム)上の分取HPLCによってさらに精製した。流速30mL/分で、MeCN(A)及び水中の0.05%TFA(B)のグラジエント(0〜10.0分にA22〜32%の直線グラジエント、5分間、保持)を使用すると、表題化合物(7.338g、12.15mmol、30%収率)が黄色固体として得られた。LCMS(方法i、表7)Rt=1.47分、MS m/z=586 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, MeOD-d4) δ 7.502-7.446 (m, 5H), 7.389-7.349 (m, 1H), 7.009, 6.988 (dd, J1 = 2 Hz, J2 = 8.4 Hz, 1H), 6.890-6.859 (m, 2H), 6.275, 6.250 (dd, J1 = 1.2 Hz, J2 = 8.8 Hz, 1H), 6.027 (s, 1H), 5.501 (s, 1H), 5.147 (s, 2H), 5.107, 5.078 (dd, J1 = 6.8 Hz, J2 = 11.6 Hz, 1H), 4.672 (d, J = 19.6 Hz, 1H), 4.436 (s, 1H), 4.370 (d, J = 19.2 Hz, 1H), 2.706-2.671 (m, 1H), 2.652-2.265 (m, 3H), 2.002-1.700 (m, 5H), 1.512 (s, 3H), 1.151-1.112 (m, 1H), 1.054-1.009 (m, 4H).
少量のアセタール異性体:少量のアセタール異性体である(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェノキシ)メチル)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン(354mg、0.604mmol、2%収率)も黄色固体として単離された。LCMS(方法i、表7)Rt=1.51分、MS m/z=586 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.416 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.332-7.276 (m, 3H), 6.879 (t, J = 8 Hz, 1H), 6.185-6.115 (m, 5H), 5.948 (s, 1H), 5.319 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 5.041-5.014 (m, 3H), 4.980 (s, 2H), 4.791 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 4.302-4.239 (m, 2H), 4.056, 4.008 (dd, J1 = 6 Hz, J2 = 19.6 Hz, 1H), 2.552-2.540 (m, 1H), 2.337-2.304 (m, 1H), 2.075-2.005 (m, 2H), 1.884-1.736 (m, 5H), 1.395 (s, 3H), 1.219-1.045 (m, 2H), 0.892 (s, 3H).
[実施例43] (6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェノキシ)メチル)フェニル)−6b−フルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
上の実施例42と同じ手順を使用して合成した。主要なアセタール異性体:(6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェノキシ)メチル)フェニル)−6b−フルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン.LCMS(方法i、表7)Rt=1.74分、MS m/z=604 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.48 - 7.49 (m, 4H), 7.44 - 7.33 (m, 2H), 7.02 (dd, J = 8.3, 1.9 Hz, 1H), 6.96 - 6.84 (m, 2H), 6.32 (dd, J = 10.1, 1.8 Hz, 1H), 6.13 (s, 1H), 5.52 (s, 1H), 5.16 (s, 2H), 5.08 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 4.65 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.46 - 4.27 (m, 2H), 2.84 - 2.50 (m, 2H), 2.45 - 2.27 (m, 3H), 2.01 - 1.90 (m, 1H), 1.80 - 1.70 (m, 3H), 1.62 (s, 3H), 1.55 (dd, J = 12.8, 4.8 Hz, 1H), 1.02 (s, 3H).
少量のアセタール異性体:(6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェノキシ)メチル)フェニル)−6b−フルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン。LCMS(方法i、表7)Rt=1.77分、MS m/z=604 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.42 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.36 - 7.25 (m, 3H), 7.01 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 6.43 - 6.30 (m, 3H), 6.24 (dd, J = 10.1, 1.5 Hz, 1H), 6.12 (s, 1H), 6.04 (s, 1H), 5.47 (s, 1H), 5.35 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 5.02 (s, 2H), 4.31 - 4.14 (m, 2H), 4.04 (d, J = 19.2 Hz, 1H), 2.72 - 2.58 (m, 1H), 2.18 - 1.98 (m, 2H), 1.85 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 1.77 - 1.63 (m, 2H), 1.58 - 1.40 (m, 4H), 0.90 (s, 3H).
[実施例44] (2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェノキシ)メチル)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
上の実施例42と同じ手順を使用して合成した。主要なアセタール異性体:(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェノキシ)メチル)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン.LCMS(方法f、表7)Rt=1.45分、MS m/z=622 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.44 (s, 4H), 7.27 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 6.87 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 6.30 (dd, J = 10.1, 1.5 Hz, 1H), 6.24 - 6.04 (m, 4H), 5.81 - 5.39 (m, 3H), 5.13 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 5.09 - 4.91 (m, 5H), 4.55 (dd, J = 19.5, 6.4 Hz, 1H), 4.32 - 4.09 (m, 2H), 3.60 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.81 - 2.55 (m, 1H), 2.40 - 2.14 (m, 2H), 2.06 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 1.85 - 1.63 (m, 6H), 1.58 - 1.43 (m, 4H), 0.88 (s, 3H).
少量のアセタール異性体:(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェノキシ)メチル)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン。LCMS(方法f、表7)Rt=1.49分、MS m/z=622 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.41 (d, J = 8.1 Hz, 3H), 7.35 - 7.20 (m, 3H), 6.88 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 6.31 (dd, J = 10.1, 1.6 Hz, 1H), 6.16 (dd, J = 13.9, 5.0 Hz, 6H), 5.77 - 5.45 (m, 2H), 5.36 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 4.35 - 4.13 (m, 2H), 4.05 (dd, J = 18.9, 4.9 Hz, 1H), 2.70 - 2.53 (m, 1H), 2.29 (s, 1H), 2.24 - 2.13 (m, 1H), 2.12 - 2.04 (m, 1H), 1.96 - 1.81 (m, 1H), 1.81 - 1.63 (m, 3H), 1.50 (s, 4H), 0.89 (s, 3H).
[実施例45] (6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノベンジル)オキシ)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
工程1:tert−ブチル(3−(ヒドロキシメチル)フェニル)カルバメートの合成
(3−アミノフェニル)メタノール(88.5g、719mmol)のTHF(80mL)中溶液に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(184mL、790mmol)を加えた。この混合物を、25℃において一晩、撹拌した。次に、この混合物を濃縮乾固し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン=1:9(v/v)により溶出)によって精製すると、表題化合物(161.1g、722mmol、100%収率)が白色固体として得られた。LCMS(方法j、表7)Rt=1.77分、MS m/z=246 [M+Na+]。工程2:tert−ブチル(3−(ブロモメチル)フェニル)カルバメートの合成
tert−ブチル(3−(ヒドロキシメチル)フェニル)カルバメート(120g、484mmol)のTHF(50mL)中溶液に、−20℃においてトリフェニルホスフィン(254g、967mmol)、次いでN−ブロモスクシンイミド(103g、580mmol)を加えた。3時間撹拌した後、溶媒を真空で除去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=100:1により溶出)により精製すると、表題化合物(125g、437mmol、90%の収率)が白色固体として得られた。LCMS(方法j、表7)Rt=2.10分;MS m/z=230、232[M−t−Bu+H+]。
工程3:tert−ブチル(3−((4−ホルミルフェノキシ)メチル)フェニル)カルバメートの合成
ジメチルホルムアミド(300mL)中の4−ヒドロキシベンズアルデヒド(25.6g、210mmol)及び炭酸カリウム(29.0g、210mmol)の混合物を、15分間、撹拌した。次に、tert−ブチル(3−(ブロモメチル)フェニル)カルバメート(60g、210mmol)を加えた。この混合物を60℃まで加熱し、この温度で2時間、撹拌した。この混合物を50mLの水に注ぎ入れ、EtOAc(3×50mL)により抽出した。合わせた有機層を水(1×100mL)及びブライン(1×100mL)により洗浄し、真空で濃縮した。この粗製物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=500:1により溶出)によって精製すると、表題化合物(72g、209mmol、100%収率)が白色固体として得られた。LCMS(方法j、表7)Rt=2.08分;MS m/z=272 [M−t−Bu+H+]。
工程4:(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノベンジル)オキシ)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
MeCN(150mL)中の硫酸マグネシウム(13.43g、112mmol)、tert−ブチル(3−((4−ホルミルフェノキシ)メチル)フェニル)カルバメート(10.96g、33.5mmol)及び(8S,9S,10R,11S,13S,14S,16R,17S)−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(10.5g、27.9mmol)からなる混合物に、0℃においてトリフルオロメタンスルホン酸(12.38mL、139mmol)を滴下して加えた。この混合物を室温まで温めて、この温度で2時間、撹拌した。この混合物をろ過して、ろ液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液500mLに注ぎ入れ、EtOAc(250mL)により抽出した。有機層をブライン(200mL)及び水(200mL)により洗浄し、真空で濃縮した。この粗製物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM−MeOH=50:1(v/v)により溶出)によって精製し、得られた生成物を分取HPLCによってさらに精製すると、表題化合物(6.04g、10.31mmol、37%収率)が白色固体として得られた。LCMS(方法k、表7)Rt=1.91分、MS m/z=586 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.35 (dd, J = 19.6, 9.4 Hz, 3H), 7.09 - 6.89 (m, 3H), 6.61 - 6.33 (m, 3H), 6.18 (dd, J = 10.1, 1.7 Hz, 1H), 5.95 (s, 1H), 5.38 (s, 1H), 5.16 - 5.01 (m, 3H), 5.02 - 4.85 (m, 3H), 4.80 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 4.50 (dd, J = 19.5, 6.3 Hz, 1H), 4.31 (s, 1H), 4.18 (dd, J = 19.4, 5.5 Hz, 1H), 2.33 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 2.17 - 1.98 (m, 2H), 1.90 - 1.53 (m, 5H), 1.40 (s, 3H), 1.13 - 0.96 (m, 2H), 0.87 (s, 3H).
[実施例46] (6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノベンジル)オキシ)フェニル)−6b−フルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
上の実施例45と同じ手順を使用して合成した。LCMS(方法k、表7)Rt=1.89分、MS m/z=604 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.32 (dd, J = 17.3, 9.4 Hz, 3H), 7.10 - 6.94 (m, 3H), 6.65 - 6.35 (m, 3H), 6.25 (dd, J = 10.1, 1.7 Hz, 1H), 6.05 (s, 1H), 5.58 - 5.32 (m, 2H), 5.22 - 5.03 (m, 3H), 5.01 - 4.86 (m, 3H), 4.52 (dd, J = 19.5, 6.4 Hz, 1H), 4.20 (dd, J = 19.4, 5.5 Hz, 2H), 2.78 - 2.56 (m, 1H), 2.44 - 2.31 (m, 1H), 2.19 (td, J = 12.0, 6.8 Hz, 1H), 2.06 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 1.95 - 1.81 (m, 1H), 1.68 (dd, J = 15.4, 9.7 Hz, 3H), 1.57 - 1.30 (m, 4H), 0.88 (s, 3H).
[実施例47] (2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノベンジル)オキシ)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
上の実施例45と同じ手順を使用して合成した。LCMS(方法C、表7)Rt=1.45分、MS m/z=622 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.57 - 7.29 (m, 6H), 7.24 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.45 - 6.23 (m, 2H), 5.69 - 5.49 (m, 1H), 5.46 (s, 1H), 5.16 (s, 2H), 5.06 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 4.64 (d, J = 19.5 Hz, 1H), 4.43 - 4.15 (m, 2H), 2.89 - 2.56 (m, 1H), 2.52 - 2.32 (m, 2H), 2.28 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 1.87 - 1.62 (m, 4H), 1.60 (s, 3H), 1.00 (s, 3H).
少量のアセタール異性体:(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノベンジル)オキシ)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン。LCMS(方法C、表7)Rt=1.48分、MS m/z=622 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.41 - 7.13 (m, 3H), 7.08 - 6.90 (m, 3H), 6.61 (s, 1H), 6.52 (dd, J = 17.3, 7.5 Hz, 2H), 6.31 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 6.11 (d, J = 18.4 Hz, 2H), 5.79 - 5.56 (m, 1H), 5.53 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 5.34 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 5.18 - 5.00 (m, 3H), 4.93 (s, 2H), 4.28 (dd, J = 19.1, 6.2 Hz, 1H), 4.19 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 4.05 (dd, J = 19.1, 5.9 Hz, 1H), 3.60 (t, J = 6.2 Hz, 3H), 2.72 - 2.51 (m, 1H), 2.29 (s, 1H), 2.22 - 2.11 (m, 1H), 2.06 (d, J = 13.4 Hz, 1H), 1.93 - 1.80 (m, 1H), 1.80 - 1.60 (m, 6H), 1.50 (s, 3H), 1.36 (s, 1H), 0.89 (s, 3H).
[実施例48] (6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェニル)エチニル)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
工程1:tert−ブチル(3−エチニルフェニル)カルバメートの合成
撹拌した3−エチニルアニリン(56.6g、483mmol)のTHF(300mL)中溶液に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(123ml、531mmol)を加えた。この混合物を一晩、加熱して還流した。次に、この混合物を周囲温度まで冷却し、酢酸エチル(500mL)に溶解して、1N水性HCl(200mL)、飽和水性Na2CO3(200mL)及びブライン(200mL)により逐次、洗浄した。有機層をNa2SO4により脱水して真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(15%EtOAc/PEにより溶出)によって精製すると、tert−ブチル(3−エチニルフェニル)カルバメート(94g、435mmol、90%収率)が得られた。LCMS(方法f、表7)Rt=1.80分;MS m/z=162[M−t−Bu+H+]。
工程2:tert−ブチル(3−((4−ホルミルフェニル)エチニル)フェニル)カルバメートの合成
500mLの丸底フラスコ中、4−ヨードベンズアルデヒド(30.2g、130mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(4.56g、6.50mmol)、ヨウ化銅(I)(2.476g、13.00mmol)及びトリフェニルホスフィン(3.41g、13.00mmol)をTHF(200mL)に溶解し、トリエチルアミン(181mL、1300mmol)、次いでtert−ブチル(3−エチニルフェニル)カルバメート(28.2g、130mmol)を加えた。窒素雰囲気下、この混合物を75℃において16時間、撹拌した。反応の完了後、揮発性溶媒を完全に除去した。粗製物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/CH2Cl2=1:3により溶出)により精製すると、tert−ブチル(3−((4−ホルミルフェニル)エチニル)フェニル)カルバメート(35.5g、111mmol、85%収率)がオフホワイトの固体として得られた。LCMS(方法f、表7)Rt=2.08分、MS m/z=322 [M+H+]。
工程3:(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェニル)エチニル)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
0℃の(8S,9S,10R,11S,13S,14S,16R,17S)−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(3.76g、10.00mmol)、tert−ブチル(3−((4−ホルミルフェニル)エチニル)フェニル)カルバメート(3.21g、10mmol)及びMgSO4(4.81g、40.0mmol)のMeCN(100mL)中懸濁液に、トリフルオロメタンスルホン酸(4.44ml、50.0mmol)を滴下して加えた。この混合物を、さらに2時間、撹拌した。この混合物をろ過して、THFにより洗浄した。このろ液を真空で濃縮した。この残留物をTHF(50mL)に溶解し、1M NaOH水溶液によりpH=8まで中和し、EtOAc(200mL)により抽出し、水(2×100mL)及びブライン(100mL)により洗浄して脱水(Na2SO4)し、真空で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH:DCM=1:40により溶出)により精製すると、2.5gの粗生成物が得られ、これを分取HPLCによりさらに精製すると、表題化合物(1.449g、2.500mmol、25%収率)が黄色固体として得られた。LCMS(方法l、表7)Rt=1.86分、MS m/z=580 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.65 - 7.41 (m, 4H), 7.32 (d, J = 9.9 Hz, 2H), 7.05 (dd, J = 9.8, 5.7 Hz, 1H), 6.85 - 6.49 (m, 4H), 6.29 - 6.05 (m, 1H), 6.01 - 5.83 (m, 1H), 5.63 - 5.40 (m, 1H), 5.26 (s, 2H), 5.12 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 4.96 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 4.82 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 4.63 - 4.41 (m, 1H), 4.37 - 4.08 (m, 2H), 2.40 - 1.91 (m, 5H), 1.87 - 1.52 (m, 6H), 1.40 (s, 4H), 1.14 - 0.95 (m, 2H), 0.88 (s, 3H).
少量のアセタール異性体である、(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェニル)エチニル)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オンも黄色固体として単離された(85mg、0.147mmol、1.5%収率)。LCMS(方法i、表7)Rt=1.93分、MS m/z=580 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.51 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.42 - 7.21 (m, 3H), 7.05 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.83 - 6.45 (m, 3H), 6.29 - 6.07 (m, 2H), 5.95 (s, 1H), 5.47 - 5.14 (m, 3H), 4.82 (s, 1H), 4.38 - 4.14 (m, 2H), 4.03 (d, J = 19.3 Hz, 1H), 2.33 (d, J = 10.3 Hz, 2H), 2.15 - 1.96 (m, 1H), 1.93 - 1.68 (m, 5H), 1.40 (s, 3H), 1.33 - 0.97 (m, 3H), 0.89 (s, 3H).
[実施例49] (6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェニル)エチニル)フェニル)−6b−フルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
上の実施例48と同じ手順を使用して合成した。主要なアセタール異性体:(6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェニル)エチニル)フェニル)−6b−フルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン。LCMS(方法f、表7)Rt=1.57分;MS m/z=598 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.55 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.46 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.30 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.05 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.71 (s, 1H), 6.66 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.24 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 6.04 (s, 1H), 5.51 (d, J = 15.2 Hz, 2H), 5.26 (s, 2H), 4.97 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 4.55 (d, J = 19.5 Hz, 1H), 4.22 (d, J = 19.5 Hz, 2H), 2.74 - 2.56 (m, 1H), 2.36 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 2.24 - 2.10 (m, 1H), 2.06 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 1.92 - 1.78 (m, 1H), 1.78 - 1.58 (m, 3H), 1.50 (s, 3H), 1.45 - 1.31 (m, 1H), 0.88 (s, 3H).
少量のアセタール異性体:(6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェニル)エチニル)フェニル)−6b−フルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン。LCMS(方法f、表7)Rt=1.61分、MS m/z=598 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.51 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.39 - 7.22 (m, 3H), 7.05 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.72 (s, 1H), 6.67 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.24 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 6.18 (s, 1H), 6.05 (s, 1H), 5.49 (s, 1H), 5.35 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 5.26 (s, 2H), 4.19 (d, J = 18.9 Hz, 2H), 4.04 (d, J = 19.1 Hz, 1H), 2.75 - 2.55 (m, 1H), 2.37 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 2.09 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 1.84 (d, J = 6.5 Hz, 2H), 1.78 - 1.62 (m, 2H), 1.50 (s, 4H), 0.89 (s, 3H).
[実施例50] (2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェニル)エチニル)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
上の実施例48と同じ手順を使用して合成した。主要なアセタール異性体:(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェニル)エチニル)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン。LCMS(方法f、表7)Rt=1.57分;MS m/z=616 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.55 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.47 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.27 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.05 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.71 (s, 1H), 6.66 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.30 (dd, J = 10.1, 1.4 Hz, 1H), 6.13 (s, 1H), 5.80 - 5.58 (m, 1H), 5.55 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 5.26 (s, 2H), 5.14 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 4.99 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.56 (dd, J = 19.5, 6.4 Hz, 1H), 4.23 (dd, J = 19.5, 5.4 Hz, 2H), 2.79 - 2.56 (m, 1H), 2.31 (s, 1H), 2.26 - 2.14 (m, 1H), 2.12 - 1.99 (m, 1H), 1.83 - 1.62 (m, 3H), 1.61 - 1.40 (m, 4H), 0.88 (s, 3H).
少量のアセタール異性体:(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェニル)エチニル)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン。LCMS(方法f、表7)Rt=1.61分、MS m/z=616 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.52 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.33 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 7.05 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.73 (s, 1H), 6.68 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.32 (dd, J = 10.1, 1.7 Hz, 1H), 6.21 (s, 1H), 6.15 (s, 1H), 5.78 - 5.58 (m, 1H), 5.55 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 5.36 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 5.27 (s, 2H), 5.08 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 4.33 - 4.12 (m, 2H), 4.06 (dd, J = 19.1, 5.0 Hz, 1H), 2.72 - 2.53 (m, 1H), 2.29 (s, 1H), 2.23 - 2.02 (m, 2H), 1.92 - 1.82 (m, 1H), 1.82 - 1.61 (m, 3H), 1.51 (s, 4H), 0.90 (s, 3H).
[実施例51] (2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((E)−3−アミノスチリル)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
工程1:tert−ブチル(E)−(3−(2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ビニル)フェニル)カルバメートの合成
窒素をパージしたtert−ブチル(3−エチニルフェニル)カルバメート(10g、46.0mmol)のトルエン(150mL)中溶液に、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(16.70mL、115mmol)及びカルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)(2.63g、2.76mmol)を加えた。この混合物を50℃において16時間、加熱し、直ちに、減圧下で濃縮した。PE/EtOAc(100%〜10:1)により溶出したクロマトグラフィー(シリカ)により精製すると、表題化合物(13.25g、36.8mmol、80%収率)が白色固体として得られた。LCMS(方法d、表7)Rt=2.19分、MS m/z=290.1[M−tBu]+。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.33 (s, 12H), 1.54 (s, 9H), 6.17 (d, J= 18.4 Hz, 1H), 6.49 (bs, 1H), 7.18 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 7.26-7.29 (m, 1H), 7.35-7.40 (m, 2H), 7.47 (s, 1H).
工程2:tert−ブチル(E)−(3−(4−ホルミルスチリル)フェニル)カルバメートの合成
N2下、tert−ブチル(E)−(3−(2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ビニル)フェニル)カルバメート(6g、17.38mmol)及び4−ブロモベンズアルデヒド(3.38g、18.25mmol)のTHF(85mL)中溶液に、20℃において、K2CO3(4.80g、34.8mmol)及びPd(Ph3P)4(1.607g、1.390mmol)を加えた。この混合物を80℃において32時間、撹拌した。この混合物を濃縮すると、残留物が得られ、これをEtOAc(50mL)に溶解してろ過した。このろ液を濃縮した。PE/EtOAc(10:1〜6:1)により溶出したシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製すると、生成物が得られ、これをPE(10mL)によりさらに洗浄すると、表題化合物(3.43g、10.49mmol、60%収率)が緑色固体として得られた。LCMS(方法d、表7)Rt=2.08分、MS m/z=324.1 [M+H+]。
工程3:(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((E)−3−アミノスチリル)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
窒素下、0℃の撹拌した、無水MeCN(30mL)及びTHF(30mL)中の(6S,8S,9R,10S,11S,13S,14S,16R,17S)−6,9−ジフルオロ−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(実施例2、工程5)(5.0g、12.12mmol)及び(E)−tert−ブチル(3−(4−ホルミルスチリル)フェニル)カルバメート(4.612g、12.12mmol)の懸濁液に、トリフルオロメタンスルホン酸(5.38mL、60.6mmol)を滴下して加えた。この混合物を0℃で1時間、撹拌し、次に、氷水(30mL)に注ぎ入れて、EtOAc(2×50mL)により抽出した。合わせた有機層を冷却水(30mL)、ブライン(30mL)、飽和NaHCO3(30mL)、及び再度、水(30mL)により洗浄し、真空で濃縮すると、黄色固体が得られた。この粗製物質をDCM/MeOH(100%〜40:1)により溶出したシリカゲルカラムクロマトグラフィー(200〜300メッシュ)によって精製し、次に、分取HPLCによりさらに精製すると、表題化合物(1.45g、2.328mmol、19%収率)が得られた。LCMS(方法d、表7)Rt=1.47分、MS m/z=618.3 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.61 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.43 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 7.03 (dd, J = 15.5, 7.6 Hz, 2H), 6.75 (dd, J = 8.0, 4.7 Hz, 2H), 6.50 (dd, J = 7.9, 1.3 Hz, 1H), 6.31 (dd, J = 10.1, 1.8 Hz, 1H), 6.15 (s, 1H), 5.79 - 5.46 (m, 3H), 5.13 (dd, J = 14.7, 8.7 Hz, 3H), 4.97 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.55 (dd, J = 19.5, 6.4 Hz, 1H), 4.23 (dd, J = 19.4, 5.5 Hz, 2H), 2.73 - 2.56 (m, 1H), 2.40 - 2.21 (m, 2H), 2.15 - 2.02 (m, 1H), 1.82 - 1.64 (m, 3H), 1.61 - 1.44 (m, 4H), 0.88 (s, 3H).
少量のアセタール異性体である、(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((E)−3−アミノスチリル)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン(0.30g、0.456mmol、4%収率)も、白色固体として単離された。LCMS(方法d、表7)Rt=1.51分、MS m/z=618.3 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO- d6) δ 7.57 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.27 (d, J = 7.9 Hz, 3H), 7.18 - 6.97 (m, 3H), 6.75 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 6.50 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 6.31 (dd, J = 10.2, 1.6 Hz, 1H), 6.15 (d, J = 10.3 Hz, 2H), 5.78 - 5.67 (m, 1H), 5.63 - 5.49 (m, 2H), 5.37 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.07 (dd, J = 12.0, 5.8 Hz, 3H), 4.33 - 4.15 (m, 2H), 4.06 (dd, J = 19.2, 5.7 Hz, 1H), 2.69 - 2.54 (m, 1H), 2.36 - 2.08 (m, 3H), 1.94 - 1.60 (m, 4H), 1.50 (s, 3H), 0.90 (s, 3H).
[実施例52] (6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((E)−3−アミノスチリル)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
上の実施例51と同じ手順を使用して合成した。主要なアセタール異性体:(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((E)−3−アミノスチリル)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン。LCMS(方法d、表7)Rt=1.48分、MS m/z=582.3 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 0.88 (s, 3H), 1.00-1.09 (m, 2H), 1.40 (s, 3H), 1.63-1.79 (m, 5H), 2.04-2.15 (m, 2H), 2.32-2.34 (m, 1H), 2.55-2.60 (m, 1H), 4.20 (dd, J= 20.2 Hz, 5.0 Hz, 1H), 4.31 (s, 1H), 4.54 (dd, J= 19.2 Hz, 6.0 Hz, 1H), 4.82 (s, 1H), 4.94-4.95 (m, 1H), 5.10-5.14 (m, 3H), 5.46 (s, 1H), 5.95 (s, 1H), 6.18 (d, J= 10.0 Hz, 1H), 6.50 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 6.73-6.76 (m, 2H), 7.00-7.14 (m, 3H), 7.32 (d, J= 10.0 Hz, 1H), 7.45 (d, J= 8.4 Hz, 2H), 7.59 (d, J= 8.0 Hz, 2H).
少量のアセタール異性体:(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((E)−3−アミノスチリル)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン。LCMS(方法d、表7)Rt=1.52分、MS m/z=582.3 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 0.89 (s, 3H), 1.05-1.31 (m, 3H), 1.40 (s, 3H), 1.74-1.89 (m, 5H), 2.05-2.07 (m, 2H), 2.31-2.34 (m, 1H), 2.54-2.59 (m, 1H), 4.00-4.06 (m, 1H), 4.23-4.31 (m, 2H), 4.80 (s, 1H), 5.05-5.09 (m, 3H), 5.31-5.32 (m, 1H), 5.95 (s, 1H), 6.12 (s, 1H), 6.18 (d, J= 9.6 Hz, 1H), 6.49-6.50 (m, 1H), 6.74-6.76 (m, 2H), 7.00-7.14 (m, 3H), 7.26 (d, J= 7.6 Hz, 2H), 7.32 (d, J= 10.0 Hz, 1H), 7.57 (d, J= 7.6 Hz, 2H).
[実施例53] (6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((E)−3−アミノスチリル)フェニル)−6b−フルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
上の実施例51と同じ手順を使用して合成した。主要なアセタール異性体:(6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((E)−3−アミノスチリル)フェニル)−6b−フルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン。LCMS(方法d、表7)Rt=1.45分、MS m/z=600.3 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.61 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.42 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.30 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 7.03 (dd, J = 15.6, 7.6 Hz, 2H), 6.79 - 6.70 (m, 2H), 6.50 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 6.25 (dd, J = 10.1, 1.4 Hz, 1H), 6.06 (s, 1H), 5.54 - 5.43 (m, 2H), 5.13 (t, J = 6.0 Hz, 3H), 4.95 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 4.55 (dd, J = 19.5, 6.4 Hz, 1H), 4.22 (dd, J = 19.3, 5.4 Hz, 2H), 2.62 (m, 2H), 2.42 - 2.02 (m, 3H), 1.92 - 1.80 (m, 1H), 1.77 - 1.61 (m, 3H), 1.51 (s, 3H), 1.47 - 1.32 (m, 1H), 0.89 (s, 3H).
少量のアセタール異性体:(6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((E)−3−アミノスチリル)フェニル)−6b−フルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン。
LCMS(方法d、表7)Rt=1.48分、MS m/z=600.3 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.57 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.28 (dd, J = 12.2, 9.3 Hz, 3H), 7.18 - 6.97 (m, 3H), 6.75 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 6.50 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 6.25 (dd, J = 10.1, 1.2 Hz, 1H), 6.13 (s, 1H), 6.05 (s, 1H), 5.46 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 5.35 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 5.06 (dd, J = 14.0, 7.9 Hz, 3H), 4.24 (dd, J = 19.3, 6.3 Hz, 2H), 4.05 (dd, J = 19.1, 5.8 Hz, 1H), 2.73 - 2.58 (m, 1H), 2.47 - 2.30 (m, 2H), 2.09 (d, J = 10.1 Hz, 2H), 1.85 (d, J = 6.5 Hz, 2H), 1.78 - 1.65 (m, 2H), 1.50 (s, 4H), 0.90 (s, 3H).
[実施例54] (2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−アミノフェネチル)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
工程1:tert−ブチル(E)−(3−(4−(ヒドロキシメチル)スチリル)フェニル)カルバメートの合成
0℃のMeOH(60mL)及びTHF(60mL)中の(E)−tert−ブチル(3−(4−ホルミルスチリル)フェニル)カルバメート(実施例51、工程2)(4.0g、12.37mmol)の溶液に、NaBH4(0.936g、24.74mmol)を加えて、0℃において1時間、撹拌した。この混合物を飽和水性NH4Cl(20mL)によりクエンチして濃縮すると、残留物が得られ、これをEtOAc(100mL)と水(100mL)との間に分配した。有機層を減圧下で濃縮し、DCM/EtOAc(10:1〜5:1)により溶出したシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物(3.23g、7.08mmol、57%収率)が明赤色固体として得られた。LCMS(方法d、表7)Rt=1.98分;MS m/z=348.1 [M+Na+]。
工程2:tert−ブチル(3−(4−(ヒドロキシメチル)フェネチル)フェニル)カルバメートの合成
EtOAc(50mL)及びTHF(50mL)中のPd/C(0.657g、0.618mmol)及び(E)−tert−ブチル(3−(4−(ヒドロキシメチル)スチリル)フェニル)カルバメート(純粋)7(3.35g、10.29mmol)の懸濁液を、水素バルーンにより処理して、1.5時間、0℃で撹拌し、LCMSによりモニタリングした。この混合物をろ過した。追加のPd/C(0.657g、0.618mmol)をろ液に加えた。この混合物を、水素の雰囲気下でさらに1時間、撹拌し、LCMSによりモニタリングした。この混合物をろ過して、EtOAc(15mL)により洗浄した。このろ液を濃縮すると残留物が得られ、これをPE/EtOAc(10:1〜2:1)により溶出したシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物(1.2g、3.49mmol、34%収率)が白色固体として得られた。LCMS(方法d、表7)Rt=2.0分;MS m/z=350.0 [M+Na+]。
工程3:tert−ブチル(3−(4−ホルミルフェネチル)フェニル)カルバメートの合成
MnO2(9.24g、106mmol)及びtert−ブチル(3−(4−(ヒドロキシメチル)フェネチル)フェニル)カルバメート(2.9g、8.86mmol)のDCM(40mL)中の懸濁液を、窒素バルーンにより処理して、2時間、30℃で撹拌し、LCMSによりモニタリングした。上記の混合物に追加のMnO2(0.8g、9.2mmol)を加え、さらに1時間、30℃で撹拌した。この混合物をろ過して、DCM(20mL)により洗浄した。ろ液を濃縮すると、表題化合物(2.9g、8.58mmol、97%収率)が黄色固体として得られた。LCMS(方法d、表7)Rt=2.14分、MS m/z=226.0[M−Boc]+。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.90 (s, 1H), 7.71 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.25 (s, 2H), 7.19 - 6.97 (m, 3H), 6.73 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 6.48 (s, 1H), 2.98 - 2.87 (m, 2H), 2.86 - 2.78 (m, 2H), 1.44 (s, 9H).
工程4:(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−アミノフェネチル)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
0℃の無水MeCN(30mL)及びTHF(30mL)中の撹拌したtert−ブチル(3−(4−ホルミルフェネチル)フェニル)カルバメート(4.18g、12.85mmol)及び(6S,8S,9R,10S,11S,13S,14S,16R,17S)−6,9−ジフルオロ−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(5.3g、12.85mmol)の懸濁液に、トリフルオロメタンスルホン酸(5.61mL、64.2mmol)を滴下して加えた。得られた混合物を0℃で1時間、撹拌し、次に、氷水(20mL)に注ぎ入れて、EtOAc(2×25mL)により抽出した。合わせた有機層を冷却水(20mL)、ブライン(10mL)、飽和水性NaHCO3(20mL)及び水(20mL)により洗浄して真空で濃縮すると、黄色固体が得られた。この粗製物質をジクロロメタン/メタノール(100%〜40:1)により溶出したシリカゲルカラムクロマトグラフィー(200〜300メッシュ)によって精製すると生成物が得られ、これを分取HPLCによりさらに精製すると、表題化合物(2.21g、3.57mmol、28%収率)が白色固体として得られた。LCMS(方法d、表7)Rt=1.75分、MS m/z=619.8 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.34 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.27 (t, J = 8.0 Hz, 3H), 6.89 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.43 (s, 1H), 6.36 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 6.31 (dd, J = 10.2, 1.8 Hz, 1H), 6.14 (s, 1H), 5.75 - 5.56 (m, 1H), 5.54 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 5.46 (s, 1H), 5.12 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.95 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.92 (s, 2H), 4.53 (dd, J = 19.5, 6.4 Hz, 1H), 4.21 (dd, J = 19.4, 5.6 Hz, 2H), 2.83-2.79 (m, 2H), 2.73 - 2.57 (m, 3H), 2.275-2.25 (m, 2H), 2.08-2.04 (m, 1H), 1.79 - 1.62 (m, 3H), 1.67-1.50 (m, 4H), 0.87 (s, 3H).
少量のアセタール異性体である、(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−アミノフェネチル)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン(0.45g、0.667mmol、5%収率)も、白色固体として単離された。LCMS(方法d、表7)Rt=1.79分、MS m/z=619.8 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.33-7.17 (m, 5H), 6.89 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.46 - 6.27 (m, 4H), 6.12 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 5.75 - 5.55 (m, 1H), 5.53 (s, 1H), 5.34 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 5.06 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 4.92 (s, 2H), 4.31 - 4.15 (m, 2H), 4.05 (dd, J = 19.2, 5.6 Hz, 1H), 2.83-2.79 (m, 2H), 2.72 - 2.54 (m, 3H), 2.29 (s, 1H), 2.21-2.13 (m, 1H), 2.09-2.05 (m, 1H), 1.93 - 1.81 (m, 1H), 1.79 - 1.60 (m, 3H), 1.50 (s, 3H), 0.88 (s, 3H).
[実施例55] (6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−アミノフェネチル)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
上の実施例54と同じ手順を使用して合成した。主要なアセタール異性体:LCMS(方法d、表7)Rt=1.74分、MS m/z=583.8 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.34 (dd, J = 16.7, 9.1 Hz, 3H), 7.24 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.89 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.42 (s, 1H), 6.36 (dd, J = 7.7, 1.6 Hz, 2H), 6.17 (dd, J = 10.1, 1.7 Hz, 1H), 5.95 (s, 1H), 5.41 (s, 1H), 5.11 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 4.93 (d, J = 5.4 Hz, 3H), 4.81 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 4.52 (dd, J = 19.5, 6.4 Hz, 1H), 4.30 (s, 1H), 4.19 (dd, J = 19.5, 5.6 Hz, 1H), 2.87 - 2.77 (m, 2H), 2.73 - 2.64 (m, 2H), 2.62 - 2.52 (m, 1H), 2.32 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 2.18 - 1.98 (m, 2H), 1.83 - 1.58 (m, 5H), 1.40 (s, 3H), 1.24 - 0.97 (m, 2H), 0.87 (s, 3H).
少量のアセタール異性体(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−アミノフェネチル)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン:LCMS(方法d、表7)Rt=1.77分、MS m/z=583.9 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.32 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.19 (q, J = 8.2 Hz, 4H), 6.89 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.44 - 6.29 (m, 3H), 6.17 (dd, J = 10.1, 1.8 Hz, 1H), 6.07 (s, 1H), 5.95 (s, 1H), 5.29 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 5.03 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 4.92 (s, 2H), 4.78 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 4.34 - 4.19 (m, 2H), 4.02 (dd, J = 19.2, 5.9 Hz, 1H), 2.81 (dd, J = 9.5, 6.1 Hz, 2H), 2.68 (dd, J = 9.6, 6.0 Hz, 2H), 2.61 - 2.52 (m, 1H), 2.32 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 2.03 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 1.91 - 1.67 (m, 5H), 1.39 (s, 3H), 1.27 - 1.01 (m, 2H), 0.89 (s, 3H).
[実施例56] (6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−アミノフェネチル)フェニル)−6b−フルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
上の実施例54と同じ手順を使用して合成した。主要なアセタール異性体:LCMS(方法d、表7)Rt=1.74分、MS m/z=601.9 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.32 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 7.26 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 6.89 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.43 (s, 1H), 6.36 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 6.24 (dd, J = 10.1, 1.7 Hz, 1H), 6.05 (s, 1H), 5.45 (s, 2H), 5.10 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 4.97 - 4.85 (m, 3H), 4.52 (dd, J = 19.5, 6.4 Hz, 1H), 4.20 (dd, J = 19.2, 5.6 Hz, 2H), 2.85 - 2.76 (m, 2H), 2.72 - 2.54 (m, 3H), 2.36 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 2.20-2.18 (m, 1H), 2.04 (s, 1H), 1.91 - 1.80 (m, 1H), 1.73 - 1.61 (m, 3H), 1.50 (s, 3H), 1.40-1.38 (m, 1H), 0.87 (s, 3H).
少量のアセタール異性体(6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−アミノフェネチル)フェニル)−6b−フルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン:LCMS(方法d、表7)Rt=1.77分、MS m/z=601.9 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.35 - 7.13 (m, 5H), 6.89 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.41 (s, 1H), 6.36 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 6.24 (dd, J = 10.1, 1.7 Hz, 1H), 6.06 (d, J = 13.8 Hz, 2H), 5.44 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 5.33 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.04 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.91 (s, 2H), 4.27-4.21 (m, 2H), 4.04 (dd, J = 19.2, 5.9 Hz, 1H), 2.85 - 2.76 (m, 2H), 2.70-2.66 (m, 3H), 2.37-2.35 (m, 2H), 2.07-2.06 (m, 2H), 1.84 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 1.71 (t, J = 10.3 Hz, 2H), 1.50 (s, 4H), 0.90 (s, 3H).
[実施例57] (6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェニル)アミノ)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
工程1:tert−ブチル(3−((4−ホルミルフェニル)アミノ)フェニル)カルバメートの合成
窒素下、トルエン(300mL)中のtert−ブチル(3−アミノフェニル)カルバメート(31.2g、150mmol)、4−ブロモベンズアルデヒド(33.3g、180mmol)、Pd(OAc)2(1.684g、7.50mmol)、BINAP((RS)2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル)(9.34g、15.00mmol)、Cs2CO3(98g、300mmol)からなる混合物を、16時間、還流した。室温まで冷却した後、この混合物を水とEtOAcとの間に分配した。有機層を濃縮し、PE:EtOAc(5:1)により溶出したカラムクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物(32.8g、105mmol、70%収率)が黄色油状物として得られた。LCMS(方法j、表7)Rt=1.94分;MS m/z=313 [M+H+]。
工程2:(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェニル)アミノ)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
0℃の、THF(50.00ml)及びMeCN(50ml)中の(8S,9S,10R,11S,13S,14S,16R,17S)−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(12.05g、32.0mmol)及びtert−ブチル(3−((4−ホルミルフェニル)アミノ)フェニル)カルバメート(10g、32.0mmol)の懸濁液に、トリフルオロメタンスルホン酸(14.21ml、160mmol)を滴下して加えた。この反応混合物を同一温度において、さらに2時間、撹拌した。この混合物をEtOAc(200mL)により希釈し、水(100mL)、飽和NaHCO3溶液(1×100mL)及びブライン(1×100mL)により洗浄し、Na2SO4で脱水して真空で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(MeOH:DCM=1:40)により精製し、得られた物質を分取HPLCによりさらに精製すると、表題化合物(1.729g、3.03mmol、10%収率)が白色固体として得られた。LCMS(方法k、表7)Rt=1.50分;MS m/z=571 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.01 (s, 1H), 7.33 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.00 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.87 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 6.36 (s, 1H), 5.94 (s, 1H), 5.32 (s, 1H), 5.10 (s, 1H), 5.02 - 4.87 (m, 3H), 4.80 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 4.51 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 4.31 (s, 1H), 4.20 (d, J = 17.8 Hz, 1H), 2.62 - 2.52 (m, 1H), 2.32 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 2.20 - 1.98 (m, 2H), 1.86 - 1.69 (m, 4H), 1.69 - 1.55 (m, 1H), 1.41 (s, 3H), 1.18 - 0.97 (m, 2H), 0.87 (s, 3H).
白色固体として、少量のアセタール異性体(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェニル)アミノ)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン(78mg、0.137mmol、0.4%収率)。LCMS(方法k、表7)Rt=1.53分;MS m/z=571 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.00 (s, 1H), 7.32 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.96 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.87 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 6.35 (s, 1H), 6.24 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 6.17 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 6.10 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 6.00 (s, 1H), 5.95 (s, 1H), 5.27 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.02 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 4.97 (s, 2H), 4.78 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 4.30 (s, 2H), 4.03 (dd, J = 19.1, 5.8 Hz, 1H), 2.65 - 2.52 (m, 1H), 2.32 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 2.14 - 1.95 (m, 2H), 1.89 - 1.63 (m, 5H), 1.39 (s, 3H), 1.28 - 1.11 (m, 1H), 1.05 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 0.89 (s, 3H).
[実施例58] (6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェニル)アミノ)フェニル)−6b−フルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
上の実施例57と同じ手順を使用して合成した。主要なアセタール異性体:LCMS(方法k、表7)Rt=1.49分;MS m/z=589 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.02 (s, 1H), 7.30 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.99 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.87 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 6.36 (s, 1H), 6.31 - 6.16 (m, 2H), 6.10 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.04 (s, 1H), 5.45 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 5.35 (s, 1H), 5.11 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 4.97 (s, 2H), 4.91 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 4.51 (dd, J = 19.5, 6.3 Hz, 1H), 4.20 (dd, J = 19.2, 5.5 Hz, 2H), 2.74 - 2.58 (m, 1H), 2.36 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 2.27 - 2.13 (m, 1H), 2.06 (d, J = 9.5 Hz, 2H), 1.93 - 1.78 (m, 1H), 1.78 - 1.57 (m, 3H), 1.51 (s, 3H), 1.42 (dd, J = 12.4, 4.5 Hz, 1H), 0.87 (s, 3H).
少量のアセタール異性体、(6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェニル)アミノ)フェニル)−6b−フルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン:LCMS(方法k、表7)Rt=1.50分;MS m/z=589 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.01 (s, 1H), 7.29 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.97 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.87 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 6.35 (s, 1H), 6.24 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.10 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 6.02 (d, J = 18.4 Hz, 2H), 5.44 (s, 1H), 5.30 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 4.97 (s, 3H), 4.30 (d, J = 19.1 Hz, 1H), 4.19 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.05 (d, J = 19.1 Hz, 1H), 2.78 - 2.56 (m, 1H), 2.36 (d, J = 13.3 Hz, 1H), 2.06 (d, J = 10.7 Hz, 2H), 1.83 (dd, J = 16.3, 10.0 Hz, 2H), 1.76 - 1.61 (m, 2H), 1.50 (s, 4H), 0.89 (s, 3H).
[実施例59] (2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェニル)アミノ)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
上の実施例57と同じ手順を使用して合成した。主要なアセタール異性体:LCMS(方法l、表7)Rt=1.62分、MS m/z=607 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.02 (s, 1H), 7.25 (dd, J = 18.2, 9.4 Hz, 3H), 6.99 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.87 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 6.36 (t, J = 1.9 Hz, 1H), 6.30 (dd, J = 10.1, 1.8 Hz, 1H), 6.25 - 6.19 (m, 1H), 6.14 (s, 1H), 6.09 (dd, J = 7.9, 1.3 Hz, 1H), 5.77 - 5.55 (m, 1H), 5.53 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 5.35 (s, 1H), 5.11 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.96 (s, 2H), 4.92 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.51 (dd, J = 19.5, 6.4 Hz, 1H), 4.21 (dd, J = 19.3, 5.6 Hz, 2H), 2.76 - 2.53 (m, 1H), 2.28 (dd, J = 12.6, 5.9 Hz, 2H), 2.06 (d, J = 12.0 Hz, 3H), 1.70 (dt, J = 20.2, 6.0 Hz, 3H), 1.60 - 1.40 (m, 4H), 0.86 (s, 3H).
少量のアセタール異性体(2S,6aS,6bR,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノフェニル)アミノ)フェニル)−2,6b−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン:LCMS(方法l、表7)Rt=1.65分、MS m/z=607 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.01 (s, 1H), 7.27 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 6.97 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.88 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.41 - 6.19 (m, 3H), 6.20 - 6.07 (m, 2H), 6.03 (s, 1H), 5.65 (d, J = 46.4 Hz, 1H), 5.52 (s, 1H), 5.32 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 5.06 (s, 1H), 4.97 (s, 2H), 4.32 (dd, J = 19.1, 5.3 Hz, 1H), 4.19 (s, 1H), 4.06 (dd, J = 18.7, 4.8 Hz, 1H), 2.59 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 2.29 (s, 1H), 2.17 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 2.07 (s, 1H), 1.87 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 1.69 (dd, J = 23.7, 12.4 Hz, 3H), 1.50 (s, 4H), 0.89 (s, 3H).
[実施例60] (6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノベンジル)チオ)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
工程1:4−((3−ニトロベンジル)チオ)ベンズアルデヒドの合成
(3−ニトロフェニル)メタンチオール(35g、282mmol)及び4−フルオロベンズアルデヒド(52.5g、310mmol)の乾燥ジメチルスルホキシド(220mL)中溶液に、炭酸カリウム(78g、564mmol)を加えた。この反応混合物を、4時間、100℃に加熱した。追加のバイアルを1個、上記の通り、用意した。2つの反応物を一緒にして、水(2L)により希釈し、次に、EtOAc(3×600mL)により抽出した。合わせた有機層をNa2SO4により脱水して濃縮すると、残留物が得られ、これをカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=20/1〜5/1により溶出)によって精製すると、表題化合物(62g、80%収率)がわずかに褐色の固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.54 (s, 2 H) 7.51 (d, J=8.33 Hz, 2 H) 7.59 (s, 1 H) 7.77 (d, J=8.33 Hz, 2 H) 7.87 (d, J=7.89 Hz, 1 H) 8.05 - 8.10 (m, 1 H) 8.30 (s, 1 H) 9.87 (s, 1 H).
工程2:(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−10−(4−((3−ニトロベンジル)チオ)フェニル)−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
0℃の(8S,9S,10R,11S,13S,14S,16R,17S)−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(9g、23.91mmol)及び4−((3−ニトロベンジル)チオ)ベンズアルデヒド(7.19g、26.3mmol)のMeCN(500mL)中溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸(21.23mL、239mmol)を滴下して加えた。この反応物を0℃において1時間、撹拌した。追加のバイアルを2個、上記の通り、用意した。3つの反応物をすべて一緒にして、水(2L)に注ぎ入れた。得られた混合物をEtOAc(3×500mL)により抽出した。合わせた有機層をNa2SO4により脱水して濃縮すると、残留物が得られ、これを分取HPLCによって精製すると、表題化合物(5.57g、16%収率)が白色固体として得られた。LCMS(方法n、表7):Rt=3.20分;m/z=632.0 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 0.84 (s, 3 H) 0.93 - 1.08 (m, 2 H) 1.37 (s, 3 H) 1.52 - 1.76 (m, 5 H) 1.94 - 2.15 (m, 2 H) 2.29 (br d, J=11.91 Hz, 1 H) 2.50 - 2.58 (m, 1 H) 4.15 (dd, J=19.40, 5.51 Hz, 1 H) 4.27 (br d, J=2.87 Hz, 1 H) 4.39 (s, 2 H) 4.48 (dd, J=19.40, 6.39 Hz, 1 H) 4.77 (d, J=3.09 Hz, 1 H) 4.89 (d, J=4.63 Hz, 1 H) 5.07 (t, J=5.95 Hz, 1 H) 5.38 (s, 1 H) 5.91 (s, 1 H) 6.15 (dd, J=10.14, 1.76 Hz, 1 H) 7.25 - 7.38 (m, 5 H) 7.55 (t, J=7.94 Hz, 1 H) 7.79 (d, J=7.72 Hz, 1 H) 8.04 (dd, J=8.16, 1.54 Hz, 1 H) 8.19 (d, J=1.76 Hz, 1 H)
少量のアセタール異性体である、(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10S,11aR,12aS,12bS)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−10−(4−((3−ニトロベンジル)チオ)フェニル)−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン(0.34g、1%収率)も、白色固体として得られた。LCMS(方法n、表7):Rt=3.28分;MS m/z=631.8 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 0.86 (s, 3 H) 0.98 - 1.05 (m, 1 H) 1.10 - 1.21 (m, 1 H) 1.37 (s, 3 H) 1.66 - 1.88 (m, 5 H) 1.94 - 2.08 (m, 2 H) 2.29 (br dd, J=13.23, 2.87 Hz, 1 H) 2.50 - 2.56 (m, 1 H) 3.99 (dd, J=19.18, 5.95 Hz, 1 H) 4.20 (dd, J=19.07, 6.28 Hz, 1 H) 4.27 (br s, 1 H) 4.39 (s, 2 H) 4.77 (d, J=3.09 Hz, 1 H) 4.99 (s, 1 H) 5.26 (d, J=6.84 Hz, 1 H) 5.92 (s, 1 H) 6.04 (s, 1 H) 6.15 (dd, J=10.03, 1.87 Hz, 1 H) 7.16 (d, J=8.38 Hz, 2 H) 7.26 - 7.34 (m, 3 H) 7.55 (t, J=7.94 Hz, 1 H) 7.75 (d, J=7.72 Hz, 1 H) 8.05 (dd, J=8.16, 1.54 Hz, 1 H) 8.21 (t, J=1.76 Hz, 1 H).
工程3:(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−アミノベンジル)チオ)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
EtOAc(2mL)中の(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−10−(4−((3−ニトロベンジル)チオ)フェニル)−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オン(138mg、0.22mmol)、亜鉛(214mg、3.28mmol)及び酢酸(0.4ml、6.99mmol)からなる混合物を40℃において2時間、撹拌した。LCMSにより、所望のアニリン生成物に一部変換されていることが示された。さらなる亜鉛(71mg、1.09mml)を加え、40℃においてさらに2時間、撹拌した。この溶液を室温まで冷却し、飽和水性NaHCO3とEtOAc(3×)との間に分配した。合わせた有機層をNa2SO4により脱水し、DCM中0〜5%のMeOHにより溶出したクロマトグラフィー(シリカゲル)によって精製すると、表題化合物(64mg、0.106mmol、49%収率)が得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.77分、MS m/z=601.9 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.35 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.32 - 7.24 (m, 3H), 6.89 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.56 (q, J = 2.3 Hz, 1H), 6.47 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 6.40 (ddd, J = 7.6, 2.6, 1.4 Hz, 1H), 6.15 (dd, J = 10.1, 1.8 Hz, 1H), 5.95 - 5.89 (m, 1H), 5.38 (s, 1H), 5.03 (d, J = 14.0 Hz, 3H), 4.90 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 4.77 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 4.54 - 4.44 (m, 1H), 4.28 (s, 1H), 4.16 (d, J = 20.6 Hz, 1H), 4.06 (d, J = 2.3 Hz, 2H), 2.59 - 2.50 (m, 1H), 2.30 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.14 - 2.03 (m, 1H), 1.97 (s, 2H), 1.88 - 1.67 (m, 4H), 1.63 (td, J = 11.9, 10.4, 5.1 Hz, 1H), 1.37 (d, J = 1.9 Hz, 3H), 1.10 - 0.92 (m, 2H), 0.84 (s, 3H).
[実施例61] (6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((2−アミノピリジン−4−イル)メチル)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
工程1:(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(ブロモメチル)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オンの合成
0℃の(8S,9S,10R,11S,13S,14S,16R,17S)−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(1.0738g、2.85mmol)、4−(ブロモメチル)ベンズアルデヒド(0.539g、2.71mmol)及びMgSO4(1.33g、11.05mmol)のMeCN(18ml)中懸濁液に、4−(ブロモメチル)ベンズアルデヒド(0.539g、2.71mmol)を加えた。トリフルオロメタンスルホン酸(2.0g、13.5mmol)を、7℃未満の温度を維持するように、滴下して加えた。この反応物を4分間、撹拌し、直ちに、飽和水性NaHCO3(20mL)を添加することによりクエンチし、EtOAc(60mL)により抽出した。合わせた有機物をブライン(10mL)により洗浄し、溶媒を減圧下で除去した。0〜5%のMeOH/DCMのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、40g)により精製すると、表題化合物(1.59g、2.85mmol、100%収率)がオフホワイトの泡状物として得られた(アセタールジアステレオマーの9:1混合物)。特性評価は、主要なアセタール異性体に関して提供される:LCMS(方法r、表7)Rt=1.04分、MS m/z=557.2、559.2 [M+H]。1H NMR (501 MHz, DMSO-d6) d 7.44 (s, 4H), 7.30 (dd, J = 10.1, 2.2 Hz, 1H), 6.15 (ddd, J = 10.1, 4.8, 1.9 Hz, 1H), 5.91 (t, J = 1.7 Hz, 1H), 5.43 (s, 1H), 5.07 (s, 1H), 4.93 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.77 (dd, J = 3.6, 0.9 Hz, 1H), 4.67 (s, 2H), 4.51 (dd, J = 19.4, 4.1 Hz, 1H), 4.31 4.26 (m, 1H), 4.17 (d, J = 19.5 Hz, 1H), 2.58 2.49 (m, 1H), 2.30 (dd, J = 12.9, 4.7 Hz, 1H), 2.16 2.05 (m, 1H), 1.99 (d, J = 23.9 Hz, 1H), 1.89 1.71 (m, 2H), 1.75 1.65 (m, 1H), 1.67 1.57 (m, 1H), 1.38 (s, 3H), 1.11 0.91 (m, 2H), 0.85 (s, 3H).
工程2:(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((2−アミノピリジン−4−イル)メチル)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−1,2,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4−オンの合成
20mLのバイアルに、脱気したジオキサン(2.0ml)/水(0.200mL)溶液中の(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(ブロモメチル)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オン(0.100g、0.179mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−アミン(0.039g、0.179mmol)及びK2CO3(0.099g、0.718mmol)を投入した。この懸濁液を排気して、乾燥N2(3X)を逆充填した。Pd(dppf)Cl2(0.012g、0.016mmol)を加え、バイアルをここでもやはり、排気して、乾燥N2により逆充填した。この反応混合物を90℃に加熱した。1.5時間後、出発原料が消費された。この反応物を室温まで冷却し、EtOAc(20mL)により希釈し、水(25mL)、次にブライン(25mL)により洗浄し、MgSO4により脱水して溶媒を減圧下で除去した。0〜10%のMeOH/CH2Cl2のグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、40g)により精製すると、明黄褐色固体が得られた。Phenomenex C18(2)10ミクロンカラム(250×50mm)上の逆相分取HPLCによるさらなる精製。流速80mL/分で、MeCN(A)及び水中の0.1%TFA(B)のグラジエント(0〜5.0分にA15%、5.0〜20分にA15〜85%の直線グラジエント、20〜25分間、保持)を使用した。合わせたフラクションを冷凍して、凍結乾燥すると、表題化合物(27mg、0.047mmol、26%収率)が白色固体として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.90分、MS m/z=571.3 [M+H+]。1H NMR (501 MHz, DMSO-d6) δ 7.93 (s, 2H), 7.82 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.39 - 7.22 (m, 3H), 6.73 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.69 (s, 1H), 6.24 - 6.09 (m, 1H), 5.93 (s, 1H), 5.44 (s, 1H), 4.94 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.80 (s, 1H), 4.50 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.30 (s, 1H), 4.19 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 3.99 (s, 2H), 2.61 - 2.51 (m, 1H), 2.35 - 2.27 (m, 1H), 2.19 - 2.08 (m, 1H), 2.08 - 1.99 (m, 1H), 1.82 - 1.59 (m, 5H), 1.40 (s, 3H), 1.02 (ddd, J = 27.9, 11.7, 3.2 Hz, 2H), 0.87 (s, 3H).
実施例61(上)と同じ手順を使用し、以下の実施例を合成した。
[実施例67]
1−(3−(4−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)−1H−ピロール−2,5−ジオンの合成
工程1:(Z)−4−((3−(4−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−4−オキソブタ−2−エン酸の合成
室温の(6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−アミノベンジル)フェニル)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−デカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−4(2H)−オン(239mg、0.420mmol)のTHF(3.0mL)中溶液に、無水マレイン酸(46.5mg、0.474mmol)を加えた。75分後、溶媒を減圧下で除去すると、表題化合物がオフホワイトの泡状物として得られた。これを、さらに精製することなく、次の工程(100%収率と見なした)に使用した。LCMS(方法o、表7)Rt=0.86分、MS m/z=668.5 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.99 (s, 1H), 10.29 (s, 1H), 7.45 7.38 (m, 2H), 7.38 7.31 (m, 2H), 7.27 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.24 7.15 (m, 3H), 6.92 (dt, J = 7.8, 1.3 Hz, 1H), 6.38 (d, J = 12.1 Hz, 1H), 6.25 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 6.12 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 5.89 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 5.36 (s, 1H), 5.03 (s, 1H), 4.88 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.73 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 4.46 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 4.26 (p, J = 3.2 Hz, 1H), 4.14 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 3.87 (s, 2H), 2.52 (dd, J = 13.6, 5.3 Hz, 1H), 2.32 2.23 (m, 1H), 2.07 (tt, J = 10.8, 6.2 Hz, 1H), 2.02 1.94 (m, 1H), 1.84 1.51 (m, 5H), 1.36 (s, 3H), 1.09 0.93 (m, 2H), 0.82 (s, 3H).
工程2:1−(3−(4−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)−1H−ピロール−2,5−ジオンの合成
臭化亜鉛(75.0mg、0.333mmol)及び(Z)−4−((3−(4−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−4−オキソブタ−2−エン酸(171mg、0.256mmol)のテトラヒドロフラン(2.0mL)中溶液に、ビス(トリメチルシリル)アミン(HMDS)(63.4μL、0.306mmol)を加えた。この混合物を、2.5時間、50℃に加熱した。LCMSにより、変換が不完全であることが示され、したがって、ビス(トリメチルシリル)アミン(HMDS)(63.4μL、0.306mmol)のもう一定分量を加えた。この反応は、50℃においてさらに90分後に、完了した。この混合物を室温まで冷却し、EtOAc(20mL)により希釈し、次に、1N 水性HCl(2×10mL)、飽和水性NaHCO3(10mL)、ブライン(10mL)により逐次、洗浄し、Na2SO4により脱水して、溶媒を減圧下で除去した。0〜10%のMeOH/DCMのグラジエントにより溶出したクロマトグラフィー(シリカ、12g)により精製すると、表題化合物(82.6mg、0.127mmol、50%収率)がオフホワイトの固体として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=1.02分、MS m/z=650.5 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.27 (dt, J = 7.8, 3.7 Hz, 3H), 7.19 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.17 7.06 (m, 4H), 7.06 7.01 (m, 3H), 6.04 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 5.81 (t, J = 1.5 Hz, 1H), 5.64 (s, 1H), 5.29 (s, 1H), 4.95 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 4.80 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.65 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 4.38 (dd, J = 19.4, 6.4 Hz, 1H), 4.18 (t, J = 3.4 Hz, 1H), 4.06 (dd, J = 19.5, 5.7 Hz, 1H), 3.86 (s, 2H), 2.45 (dd, J = 13.5, 5.4 Hz, 1H), 2.30 2.11 (m, 1H), 2.11 1.81 (m, 1H), 1.76 1.44 (m, 4H), 1.28 (s, 3H), 1.02 0.83 (m, 2H), 0.75 (s, 3H).
[実施例68] 2−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ベンジル)フェニル)−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−8b−イル)−2−オキソエチル二水素ホスフェートの合成
−51℃の1−(3−(4−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(82mg、0.126mmol)のテトラヒドロフラン(0.5mL)中溶液に、ジホスホリルクロリド(158mg、0.609mmol)を滴下して加えた。この反応を1時間かけて、−10℃までゆっくりと温め、−5℃において水でクエンチした。この混合物をNaHCO3の飽和水溶液により処理して、pH8の溶液を得た。EtOAc(5mL)による処理によって、乳状エマルションが得られた。1N 水性HClの添加により、pHを1に調節すると、エマルションが改善した。EtOAc(4×5mL)により抽出し、次に、合わせた有機物をブライン(5mL)により洗浄し、脱水(Na2SO4)して、溶媒を減圧下で除去した。この生成物を、Phenomenex C18(2)10ミクロンカラム(250×50mm)上の逆相分取HPLCによって精製した。流速90mL/分で、MeCN(A)及び水中の0.1%TFA(B)のグラジエント(0〜5.0分にA15%、5.0〜20.0分にA15〜95%の直線グラジエント)を使用した。合わせたフラクションを冷凍して、凍結乾燥すると、表題化合物(3.6mg、4.93mmol、4%収率)が白色固体として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.95分、MS m/z=730.5 [M+H+]。1H NMR (501 MHz, DMSO-d6) δ 7.38 (dt, J = 7.8, 3.7 Hz, 3H), 7.31 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.29 7.26 (m, 2H), 7.25 7.22 (m, 1H), 7.19 (t, J = 1.9 Hz, 1H), 7.17 7.12 (m, 3H), 6.16 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 5.93 (t, J = 1.6 Hz, 1H), 5.48 (s, 1H), 4.96 4.86 (m, 2H), 4.84 (s, 1H), 4.56 (dd, J = 18.1, 8.1 Hz, 1H), 4.30 (q, J = 3.3 Hz, 1H), 3.97 (s, 2H), 2.59 2.52 (m, 1H), 2.31 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 2.17 2.07 (m, 1H), 2.05 1.98 (m, 1H), 1.85 1.56 (m, 5H), 1.39 (s, 3H), 1.03 (ddd, J = 18.5, 11.8, 4.1 Hz, 2H), 0.88 (s, 3H).
[実施例69] 2−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−((S)−2−((S)−2−(2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド)プロパンアミド)プロパンアミド)フェノキシ)メチル)フェニル)−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−8b−イル)−2−オキソエチル二水素ホスフェートの合成
工程1:tert−ブチル((S)−1−(((S)−1−((3−((4−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−8b−(2−((ジ−tert−ブトキシホスホリル)オキシ)アセチル)−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)オキシ)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメートの合成
室温のtert−ブチル((S)−1−(((S)−1−((3−((4−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)オキシ)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(463mg、0.559mmol)及び1H−テトラゾール(MeCN中0.45M、4.97ml、2.237mmol)のジメチルアセトアミド(2ml)中溶液に、ジ−tert−ブチルN,N−ジエチルホスホロアミダイト(0.226ml、0.811mmol)を加えた。追加のジ−tert−ブチルN,N−ジエチルホスホロアミダイト(0.2mL)を4.5時間後に投入し、撹拌を一晩、継続した。この反応物を0℃まで冷却し、直ちに、30%の過酸化水素(0.17mL、1.67mmol)水溶液を滴下して加えた。リン酸エステルへの酸化は、1.5時間以内に完了した。この反応物を0℃まで冷却し、Na2S2O3(8mL)の1M水溶液を添加することにより、この反応物をクエンチした。この混合物をEtOAc(2×30mL)により抽出し、合わせた有機層をブラインにより洗浄してNa2SO4により脱水し、溶媒を減圧下で除去した。溶離液として100%EtOAcを使用するクロマトグラフィー(シリカ)により精製すると、表題化合物(366mg、0.359mmol、64%収率)が白色固体として得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=1.08分、MS m/z=1020.5 [M+H+]。
工程2:2−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−((S)−2−((S)−2−アミノプロパンアミド)プロパンアミド)フェノキシ)メチル)フェニル)−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−8b−イル)−2−オキソエチル二水素ホスフェートの合成
室温のtert−ブチル((S)−1−(((S)−1−((3−((4−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−8b−(2−((ジ−tert−ブトキシホスホリル)オキシ)アセチル)−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)オキシ)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(364mg、0.357mmol)のDCM(2mL)中溶液に、TFA(0.95mL)を加えた。この反応は2時間以内に完了し、直ちに、溶媒を減圧下で除去した。表題化合物が泡状の明黄色固体として得られ、さらに精製することなく使用した。LCMS(方法r、表7)。主要なアセタール異性体:Rt=0.77分;MS m/z=808.3 [M+H+]、少量のアセタール異性体:Rt=0.79分;MS m/z=808.3 [M+H+]。
工程3:2−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−((S)−2−((S)−2−(2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド)プロパンアミド)プロパンアミド)フェノキシ)メチル)フェニル)−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−8b−イル)−2−オキソエチル二水素ホスフェートの合成
室温の2−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−((3−((S)−2−((S)−2−アミノプロパンアミド)プロパンアミド)フェノキシ)メチル)フェニル)−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−8b−イル)−2−オキソエチル二水素ホスフェート(285mg、0.353mmol)のジメチルホルムアミド(1.5mL)中溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.37mL、2.12mmol)及びマレイミド酢酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(89mg、0.353mmol)を逐次、加え、一晩、撹拌した。この反応混合物をDMSOにより希釈し、Phenomenex C18(2)10ミクロンカラム(250×50mm)上の分取逆相HPLCにより精製した。流速30mL/分で、MeCN(A)及び水中の0.1%TFA(B)のグラジエント(0〜3.0分にA15%、3.0〜19.0分にA15〜60%の直線グラジエント、次に、19.0〜23.0分に直線グラジエントでA85%まで)を使用した。合わせたフラクションを濃縮し、揮発性溶媒を減圧下で除去し、得られた溶液を冷凍して、凍結乾燥すると、表題化合物(93mg、0.098mmol、28%収率)が白色固体として得られた。主要なアセタール異性体:LCMS(方法r、表7)Rt=0.83分、MS m/z=945.4 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.78 (s, 1H), 8.39 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.13 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.49 - 7.37 (m, 4H), 7.33 (t, J = 2.2 Hz, 1H), 7.28 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.14 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.10 - 7.05 (m, 1H), 7.03 (s, 2H), 6.64 (dd, J = 8.0, 2.4 Hz, 1H), 6.13 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 5.89 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 5.50 (s, 1H), 5.04 (s, 2H), 4.96 - 4.85 (m, 2H), 4.81 (s, 1H), 4.55 (dd, J = 18.1, 8.2 Hz, 1H), 4.38 - 4.21 (m, 3H), 4.13 - 3.98 (m, 2H), 2.53 (dd, J = 13.2, 5.2 Hz, 1H), 2.28 (d, J = 16.1 Hz, 1H), 2.09 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 2.08 - 1.95 (m, 1H), 1.70 (dddd, J = 29.9, 25.9, 14.4, 6.4 Hz, 5H), 1.36 (s, 3H), 1.26 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.18 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.02 (ddd, J = 14.7, 11.6, 4.0 Hz, 2H), 0.86 (s, 3H).
[実施例70] 2−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−((S)−2−((S)−2−(2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド)プロパンアミド)プロパンアミド)ベンジル)フェニル)−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−8b−イル)−2−オキソエチル2−(ジメチルアミノ)アセテート2,2,2−トリフルオロアセテートの合成
工程1:2−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−((S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパンアミド)プロパンアミド)ベンジル)フェニル)−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−8b−イル)−2−オキソエチル2−(ジメチルアミノ)アセテート2,2,2−トリフルオロアセテートの合成
tert−ブチル((2S)−1−(((2S)−1−((3−(4−((6aR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(実施例10、工程1と同じ方法で調製)(78mg、0.096mmol)、2−(ジメチルアミノ)酢酸(10.9mg、0.106mmol)及び2,6−ジメチルピリジン(0.022mL、0.192mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(2.0mL)中溶液に、HATU(43.8mg、0.115mmol)を加え、得られた溶液を室温において45分間、撹拌した。0.1Mの水性TFA中の5〜95%MeCMの溶媒グラジエントにより溶出した、C18 HPLCにより粗生成物を精製した。純粋な生成物を含有するフラクションを凍結乾燥によって濃縮すると、表題化合物(82mg、89%収率)が得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.80分;MS m/z=898.2 [M+H+]。
工程2:2−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−((S)−2−((S)−2−(2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド)プロパンアミド)プロパンアミド)ベンジル)フェニル)−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−8b−イル)−2−オキソエチル2−(ジメチルアミノ)アセテート2,2,2−トリフルオロアセテートの合成
DCM(4mL)及びTFA(1mL)中の、2−((6aR,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−((S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパンアミド)プロパンアミド)ベンジル)フェニル)−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−8b−イル)−2−オキソエチル2−(ジメチルアミノ)アセテート(82mg、0.074mmol)の溶液を室温で20分間、撹拌し、次に、真空で濃縮した。この化合物の無水N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)中溶液に、Hunig塩基(0.20mL、1.15mmol)及び2,5−ジオキソピロリジン−1−イル2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセテート(27.8mg、0.11mmol)を加えた。得られた混合物を室温で15分間、撹拌し、TFA(0.106mL、1.376mmol)を加えた。0.1Mの水性TFA中の5〜95%MeCMの溶媒グラジエントにより溶出した、C18 HPLCにより粗生成物を精製した。純粋な生成物を含有するフラクションを凍結乾燥することによって濃縮すると、表題化合物が無色固体(46mg、0.0439mmol、59%収率)として得られた。LCMS(方法r、表7)主要なアセタール異性体、Rt=0.82分、MS m/z=934[M+H+];少量のアセタール異性体、Rt=0.81分、MS m/z=934[M+H+]。1H NMR (501 MHz, DMSO-d6) δ 10.12 (s, 2H), 9.75 (s, 1H), 8.40 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 8.11 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.45 - 7.42 (m, 1H), 7.38 (dd, J = 8.2, 2.0 Hz, 2H), 7.31 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.17 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.06 (s, 1H), 6.89 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 6.50 (s, 1H), 6.15 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 5.93 - 5.90 (m, 1H), 5.52 (s, 1H), 5.30 (d, J = 17.7 Hz, 1H), 5.00 (d, J = 17.7 Hz, 1H), 4.86 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 4.36 - 4.25 (m, 4H), 4.12 - 4.02 (m, 2H), 3.87 (s, 1H), 2.82 (s, 3H), 2.56 - 2.51 (m, 1H), 2.50 (s, 0H), 2.50 (d, J = 1.8 Hz, 0H), 2.33 - 2.26 (m, 2H), 2.15 - 2.06 (m, 2H), 2.04 - 1.97 (m, 2H), 1.84 - 1.80 (m, 1H), 1.77 - 1.60 (m, 4H), 1.37 (s, 3H), 1.26 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.19 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.10 - 0.98 (m, 3H), 0.89 (s, 3H).
[実施例71]
4−(2−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−((S)−2−((S)−2−(2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド)プロパンアミド)プロパンアミド)ベンジル)フェニル)−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−8b−イル)−2−オキソエトキシ)−4−オキソブタン酸の合成
工程1:2−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−((S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパンアミド)プロパンアミド)ベンジル)フェニル)−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−8b−イル)−2−オキソエチルtert−ブチルスクシネートの合成
表題化合物は、2−(ジメチルアミノ)酢酸を4−(tert−ブトキシ)−4−オキソブタン酸に置き換えて、実施例70に記載されている方法を使用して調製した。LCMS(方法r、表7)Rt=1.03分、MS m/z=968 [M+H+]。
工程2:4−(2−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−((S)−2−((S)−2−(2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド)プロパンアミド)プロパンアミド)ベンジル)フェニル)−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−8b−イル)−2−オキソエトキシ)−4−オキソブタン酸の合成
表題化合物は、実施例69、工程2に記載されている方法を使用して調製した。表題化合物は無色固体(49mg、43%)として単離した。LCMS(方法r、表7)Rt=0.88分、MS m/z=948.9 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.23 (s, 1H), 9.74 (s, 1H), 8.37 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 8.09 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.42 - 7.33 (m, 3H), 7.31 - 7.25 (m, 1H), 7.17 (dd, J = 20.7, 7.9 Hz, 3H), 6.90 - 6.84 (m, 1H), 6.15 - 6.09 (m, 1H), 5.90 - 5.87 (m, 1H), 5.48 (s, 1H), 5.07 (d, J = 17.7 Hz, 1H), 4.86 - 4.79 (m, 2H), 4.37 - 4.23 (m, 3H), 4.12 - 3.98 (m, 2H), 3.85 (s, 2H), 2.65 - 2.58 (m, 2H), 2.52 - 2.47 (m, 2H), 2.32 - 2.24 (m, 2H), 2.09 (d, J = 10.8 Hz, 2H), 2.02 - 1.94 (m, 2H), 1.85 - 1.56 (m, 6H), 1.36 (s, 3H), 1.24 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.17 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.10 - 0.95 (m, 3H), 0.85 (s, 3H).
[実施例72]
2−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−((S)−2−((S)−2−(2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド)プロパンアミド)プロパンアミド)ベンジル)フェニル)−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−8b−イル)−2−オキソエチル水素スルフェートの合成
工程1:2−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−((S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパンアミド)プロパンアミド)ベンジル)フェニル)−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−8b−イル)−2−オキソエチル水素スルフェートの合成
tert−ブチル((S)−1−(((S)−1−((3−(4−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−7−ヒドロキシ−8b−(2−ヒドロキシアセチル)−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−10−イル)ベンジル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(実施例10、工程1と類似の方法で調製した)(53mg、0.065mmol)のMeCN(2mL)中溶液に、ピリジン三酸化硫黄錯体(42mg、0.26mmol)を加えた。この混合物を、室温において2時間、撹拌した。0.1Mの水性TFA中の5〜95%MeCNの溶媒グラジエントにより溶出した、C18 HPLCにより粗生成物を精製した。純粋な生成物を含有するフラクションを凍結乾燥によって濃縮すると、表題化合物が得られた。LCMS(方法r、表7)Rt=0.83分、MS m/z=892.0 [M+H+]。
工程2:2−((6aR,6bS,7S,8aS,8bS,10R,11aR,12aS,12bS)−10−(4−(3−((S)−2−((S)−2−(2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド)プロパンアミド)プロパンアミド)ベンジル)フェニル)−7−ヒドロキシ−6a,8a−ジメチル−4−オキソ−2,4,6a,6b,7,8,8a,8b,11a,12,12a,12b−ドデカヒドロ−1H−ナフト[2’,1’:4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−8b−イル)−2−オキソエチル水素スルフェートの合成
表題化合物は、実施例69、工程2に記載されている方法を使用して調製した。表題化合物は無色固体(27mg、28%収率)として単離した。LCMS(方法r、表7)Rt=0.77分、MS m/z=928.9 [M+H+]。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.75 (s, 1H), 8.37 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 8.10 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.40 - 7.32 (m, 2H), 7.33 - 7.29 (m, 1H), 7.27 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.23 - 7.12 (m, 3H), 7.04 (s, 1H), 6.93 - 6.83 (m, 2H), 6.12 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 5.91 - 5.86 (m, 1H), 5.42 (s, 1H), 4.87 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.84 (s, 1H), 4.74 (d, J = 18.3 Hz, 1H), 4.45 (d, J = 18.3 Hz, 1H), 4.36 - 4.24 (m, 3H), 4.11 - 3.99 (m, 2H), 3.86 (s, 2H), 2.58 - 2.48 (m, 1H), 2.32 - 2.22 (m, 1H), 2.08 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 1.98 (s, 1H), 1.77 (s, 2H), 1.75 - 1.56 (m, 4H), 1.36 (s, 3H), 1.24 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.17 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.10 - 0.95 (m, 2H), 0.83 (s, 3H).
[実施例73] コンジュゲートプロトコル
一般的なシステインコンジュゲートプロトコル
所望の抗体の約10mg/mLの溶液を、PBS緩衝液(pH7.4)中、及びPBS中の10mM TCEP溶液中で調製した(Pierce Bond−Breaker、カタログ77720)。次に、約2モル当量の10mM TCEPを添加することにより、抗体(抗hTNF hIgG1(D2E7)又は抗mTNF mIgG2a(8C11;McRae BLら、J Crohns Colitis 10巻(1号):69〜76頁(2016年))を部分還元し、手早く混合し、37℃において60分間、インキュベートした。次に、DMSOを、15%の合計DMSOとなる十分量で、上記の部分還元した抗体に加えた。コンジュゲートに関すると、次に、10mMのD−L−マレイミド溶液(この場合、SMは、グルココルチコステロイドの基であり、Lはリンカーである)を8モル当量加え、室温で30分間、インキュベートした。次に、PBS緩衝液(pH7.4)により予め平衡にした、NAP−5脱塩カラム(GE Healthcare、カタログ17−0853−02)を使用して、過剰のコンボ(combo)及びDMSOを除去した。次に、脱塩済み試料をサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、及び換算質量分析法(reduced mass spectrometry)によって分析した。
チオスクシンイミド加水分解
本開示のADCのチオスクシンイミド環の加水分解は、高pHにおいて、ADCをインキュベートすることにより達成した。手短に言えば、0.7Mアルギニン(pH9.0)溶液を調製し、PBS緩衝液中の各ADCに加えて、合計のアルギニン濃度を50mM(pH約8.9)にした。次に、この物質を25℃において72時間、インキュベートした。次に、換算質量分析法によってスクシンイミド環の加水分解を確認し、この後、0.1M酢酸溶液を添加することにより、加水分解物をクエンチし、酢酸の合計を12.5mM(pH約7.1)にした。
一般的なリシンコンジュゲートプロトコル
最初に、所望の抗体の約10mg/mL溶液をPBS緩衝液(pH7.4)中で調製した。次に、抗体に8モル当量のD−L−N−ヒドロキシスクシンイミド(この場合、SMは、グルココルチコステロイドの基であり、Lはリンカーである)を加え、15%DMSOの存在下、23℃において最大24時間、インキュベートした。次に、PBS緩衝液(pH7.4)により平衡にしたNAP−5脱塩カラム(GE Healthcare、カタログ17−0853−02)を使用し、コンジュゲートした試料を脱塩し、過剰のコンボ及びDMSOを除去した。次に、脱塩済み試料をサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、及び換算質量分析法によって分析した。
ADC分析手順
疎水性相互作用クロマトグラフィー。疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)により、ADCをプロファイルし、コンジュゲート度を決定して、薬物対抗体薬物比(DAR)の概数を算出した。手短に言えば、ADC100μgを4.6×35mmのブチル−NPRカラム(Tosoh Bioscience、カタログ14947)を装備したUltimate3000 Dual LCシステム(Thermo Scientific)にロードした。ADCは、A100%の緩衝液で平衡にしたカラムにロードし、0.8mL/分で、A100%の緩衝液からB100%の緩衝液までの12分間にわたる直線グラジエントを使用して溶出し、この場合、緩衝液Aは、25mMのリン酸ナトリウム、1.5Mの硫酸アンモニウム(pH7.25)であり、緩衝液Bは、25mMのリン酸ナトリウム、20%イソプロパノール(pH7.25)である。DARは、各ピーク面積比の合計をこれらの対応する薬物搭載量と乗算して、合計重量により除算して100を乗算することにより決定した。
サイズ排除クロマトグラフィー。7.8×300mm TSK−gel 3000SWXLカラム(Tosoh Bioscience、カタログ08541)を装備したUltimate3000 Dual LCシステム(Thermo Scientific)を使用して、ADCのサイズ分布をサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によりプロファイル化した。ADCの各々の20ugをカラムにロードし、1mL/分の100mM硫酸ナトリウム、0.8mL/分の100mMのリン酸ナトリウム(pH6.8)のイソクラティックグラジエント(isocratic gradient)を使用して、17分間にわたり溶出させた。
[実施例74] グルココルチコステロイドがコンジュゲートされているアダリムバブの調製により、ADCを得る。
平均DAR3.5を有する、アダリムバブMP−ala−alaステロイドADCを、以下の2工程の化学プロセス:アダリムバムのジスルフィド還元、次いでマレイミドプロピルアラニン−アラニンステロイド(化合物番号88)によりアルキル化(コンジュゲート)することによって調製した。
第1の工程において、アダリムバブの限定数の鎖間ジスルフィド結合を、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(「TCEP」)(≧1.8当量)で還元させる。次に、DMSO中において、部分還元したアダリムバブを化合物番号88(≧5当量)にコンジュゲートする。
得られたADC調製物のクロマトグラフィー分割を示している図5を参照すると、ADCは、還元された鎖間ジスルフィド結合の数に応じて、0の薬物リンカー分子に結合(「E0」ピーク)した、2つの薬物リンカー分子に結合した(「E2」ピーク)、4つの薬物リンカー分子に結合した(「E4」ピーク)、6つの薬物リンカー分子に結合した(「E6」ピーク)及び8つの薬物リンカー分子に結合した(「E8」ピーク)抗体を含有する不均質混合物である。均質なE2及びE4ピークをクロマトグラフィーにより分離して単離する方法は、Hamblettら、Clin Cancer Res 2004年;10巻:7063〜7070頁により記載されている。図5において使用したHIC条件は、以下の通りであった:
カラムは、TOSOH Tskgelブチル−NPR、4.6mm×3.5cm、2.5μであり、カラム温度は30℃とした。波長は280nmとし、稼働時間は22分間であり、注入量は40μLであり。流速は0.5mL/分とした。移動相A:25mMのNa2HPO4(pH7.0)及び1.5Mの(NH4)2SO4、移動相B:25mMのNa2HPO4(pH7.0)/IPA=75/25。グラジエントプロファイル:
均質なE2及びE4ピークをクロマトグラフィーにより分離して単離する方法は、Hamblettら、Clin Cancer Res 2004年;10巻:7063〜7070頁により記載されている。手短に言えば、加水分解及びpH<7.4への調節後、分布の広い混合物を3Mの硫酸アンモニウム/50mMリン酸緩衝液により処理して、硫酸アンモニウムの全溶液濃度を約0.8Mにした。予め充填済みの疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)カラム(ブチルセファロースHP樹脂)は、0.5NのNaOH溶液(4CV)により消毒し、注入用の水(WFI、0.5CV)により洗浄し、0.8Mの硫酸アンモニウム/25mMリン酸緩衝液(4CV)で平衡にすることにより調製した。幅広い分布/硫酸アンモニウム緩衝溶液をHICカラム(およその搭載量は、樹脂1mLあたり30mgのタンパク質)にロードし、次いで、0.8Mの硫酸アンモニウム/25mMリン酸緩衝液(2.5CV)により洗浄した。生成物の溶出は以下の通りとした:0.72Mの硫酸アンモニウム/25mMリン酸緩衝液(3CV)、非コンジュゲートmAb;0.56Mの硫酸アンモニウム/25mMリン酸緩衝液(4.5CV)、DAR2 ADC;0.32Mの硫酸アンモニウム/25mMリン酸緩衝液(6.5CV)、DAR4 ADC。次に、限外ろ過(Millipore Ultracel、30kDカットオフ)により、DAR2及びDAR4の生成物フラクションを別々に約30mg/mLに濃縮し、次いでダイアフィルトレーションによりWFI(8CV)にした。
精製済みE4コンジュゲートのスクシンイミドを加水分解し、アルギニン緩衝液を使用して、生成物溶液のpHを≧9に調節することにより、安定した結合をもたらした。この溶液を周囲温度において≧2日間、保持し、この時点でLC−MS分析により、加水分解が>90%完了であることが決定された。LC−MSクロマトグラムの一部に関して、図6を参照されたい。図6において使用したSEC条件は、以下であった:
カラムは、TOSOH TSK−gelG3000SWxL、5μ、250Å、7.8×300mmとし、カラムは周囲温度であり、波長は214nmであり、稼働時間は55分間であり、注入量は10μLであり、流速は、0.25mL/分であり、オートサンプラー温度は、4℃とした。移動相:100mMのNa2HPO4及び100mMのNa2SO4、pHの6.8/IPA=90/10。
MP−ala−ala−ステロイド化合物番号88をコンジュゲートしたアダリムバブの未処理(図7)及びデコンボリューション(図8)加工したMSデータ。黒色正方形及び丸は、それぞれ、加水分解された、及び加水分解されていないスクシンイミドを含むADCを表す。加水分解された及び加水分解されていないADCの相対存在量を使用して、加水分解変換を決定する。
加水分解
コンジュゲート後のスクシンイミド環の加水分解は、pH8.0、pH8.5及びpH9.0のホウ酸塩緩衝液、pH8.0及びpH9.0のアルギニン緩衝液を用いて行い、環の加水分解の速度を検討した。これらの結果が以下の図9に示されている。
[実施例75] 低分子ステロイドのインビトロ活性
グルココルチコイド受容体結合アッセイ
製造業者のプロトコルに従い、Polarscreen(商標)グルココルチコイド受容体アッセイキット、Red(ThermoFisher A15898)を使用したグルココルチコイド受容体(GR)の結合について低分子の試験を行った。手短に言えば、化合物をDMSOに連続的に希釈し、次に、1:10の希釈でアッセイキット緩衝液に移送した。化合物をアッセイキット緩衝液中に1:5にさらに希釈し、10μlを384ウェルの低容量ブラックウオールプレート(Corning4514)に移送した。4X Fluormone GS Red保存溶液5μl及び4× GR完全長保存溶液5μlを、試験化合物を含有する各ウェルに加え、プレートを室温で4時間、光から保護してインキュベートした。EnVisionマルチラベルプレートリーダー(Perkinelmer、番号2104−0010)を使用して、各プレートに関して蛍光偏光度(mP)を測定し、データは、4パラメータの曲線当てはめを使用して解析し、EC50値を生成した。これらの結果が以下の図10に示されている。
ミネラルコルチコイド受容体細胞アッセイ
PathHunter(登録商標)NHRPRO CHO−K1 MR細胞系(DiscoveRx、カタログ番号93−0451C2)を使用して、製造業者のプロトコルに従い、ミネラルコルチコイド受容体(MR)アゴニスト活性について低分子を試験した。手短に言えば、培養培地中の20,000個の細胞/ウェルを、96ハーフウェルプレート(Costarカタログ番号3885)において、37℃で一晩、プレート培養した。培地を除去して、アッセイ培地(30μl;最終DMSOは0.3%)中で、連続的に希釈した低分子により置き換えた。プレートを、37℃で一晩、インキュベートした。培地を取り除いて、検出試薬(DiscoveRxカタログ番号93−0001;12μL/ウェル)で置き換え、室温(RT)において60分間、インキュベートした。EnVisionマルチラベルプレートリーダー(Perkinelmer、番号2104−0010)を使用して、各プレートに関して発光量を測定し、データを4パラメータの曲線当てはめを使用して解析し、EC50値を生成した。これらの結果が以下の図10に示されている。
黄体ホルモン受容体結合アッセイ
LanthaScreen(登録商標)TR−FRET黄体ホルモン受容体コアクチベータアッセイ(Thermofisherカタログ番号A15903)の修正版を使用して、黄体ホルモン(progersterone)受容体(PR)結合に関して低分子を試験し、この場合、フルオレセイン標識コアクチベータペプチドをFluormone AL−Red(Thermofisherカタログ番号PV4294)により置き換え、アッセイシグナルを改善した。手短に言えば、化合物をDMSOに連続的に希釈し、次に、1:10の希釈でアッセイ用緩衝液(Thermofisherカタログ番号PV4301+5mM DTT)に移送した。化合物10μlを96ハーフエリア黒色ウェルプレート(Corningカタログ番号3694)に二連で移送した。PR−LBDタンパク質(アッセイ用緩衝液中の4nM保存溶液;Thermofisherカタログ番号P2899)5μlを各ウェルに加えた。さらに、アッセイ用緩衝液中のFluormone AL−RED(12nM)及びテルビウム標識抗GSTモノクローナル抗体(mAb)(20nM;Thermofisherカタログ番号PV3550)の調製混合物5μlも各ウェルに加えた。プレートを室温(RT)で2時間、インキュベートし、次に、TR−FRET発光量比をEnVisionマルチラベルプレートリーダー(Perkinelmer番号2104−0010)を使用して測定した。データは、4パラメータの曲線当てはめを使用して解析し、EC50値を生成した。これらの結果が以下の図10に示されている。
アンドロゲン受容体結合アッセイ
LanthaScreen(登録商標)TR−FRETアンドロゲン受容体コアクチベータアッセイ(Thermofisherカタログ番号A15878)の修正版を使用して、アンドロゲン受容体(AR)結合に関して低分子を試験し、この場合、フルオレセイン標識コアクチベータペプチドをFluormone AL−Red(Thermofisherカタログ番号PV4294)により置き換え、アッセイシグナルを改善した。手短に言えば、化合物をDMSOに連続的に希釈し、次に、1:10の希釈でアッセイ用緩衝液(Thermofisherカタログ番号PV4295+5mMのDTT)に移送した。化合物10μlを96ハーフエリア黒色ウェルプレート(Corningカタログ番号3694)に二連で移送した。AR−LBDタンパク質(アッセイ用緩衝液中の5nM保存溶液;Thermofisherカタログ番号3009)5μlを各ウェルに加えた。さらに、アッセイ用緩衝液中のFluormone AL−RED(20nM)及びテルビウム標識抗GSTモノクローナル抗体(mAb)(30nM;Thermofisherカタログ番号PV3550)の調製保存溶液5μlも各ウェルに加えた。プレートを室温(RT)で6時間、インキュベートし、次に、TR−FRET発光量比をEnVisionマルチラベルプレートリーダー(Perkinelmer番号2104−0010)を使用して測定した。データは、4パラメータの曲線当てはめを使用して解析し、EC50値を生成した。これらの結果が以下の表10に示されている。
GREリポーターアッセイ
実施例78に記載されているK562親GRE(pGL4.36[luc2P/MMTV/Hygro])細胞を、96ウェルの組織培養物で処理した白色プレート(Costar:3917)に、アッセイ培地(RPMI、1% CSFBS、1% L−グルタミン、1%ピルビン酸ナトリウム及び1% MEAA)50μL中、ウェルあたり50,000個の細胞でプレート培養した。低分子GRアゴニスト化合物を、100%DMSO中、100μMの開始濃度で連続希釈し、4倍の連続希釈を行った。248μlのアッセイ用培地に連続希釈した化合物2μlを、二次希釈用プレート(1:125希釈)に移送することにより、アッセイ培地で低分子化合物をさらに希釈した。次に、この細胞を266.7nMの最終開始濃度(1:3)又は培地単独の場合に、1:125に希釈したGRアゴニスト化合物25μLにより処理し、37℃、5%CO2で24時間、インキュベートした。24時間のインキュベート後、細胞をDual−Gloルシフェラーゼアッセイシステム(Promega−E2920)75μLにより10分間、処理し、TopCount又はMicroBeta2(PerkinElmer)を使用して、発光量を分析した。
エストロゲン受容体結合アッセイ
LanthaScreen(登録商標)TR−FRETエストロゲン受容体アルファコアクチベータアッセイ(Thermofisherカタログ番号A15885)の修正板を使用して、エストロゲン受容体(ER)アルファ結合に関して低分子を試験し、この場合、フルオレセイン標識コアクチベータペプチドをFluormone ES2 Green(Thermofisherカタログ番号PV6045)により置き換え、アッセイシグナルを改善した。手短に言えば、化合物をDMSOに連続的に希釈し、次に、1:10の希釈でアッセイ用緩衝液(Thermofisherカタログ番号PV4295+5mM DTT)に移送した。化合物10μlを96ハーフエリア黒色ウェルプレート(Corningカタログ番号3694)に二連で転送した。ER−LBDタンパク質(アッセイ用緩衝液中の5nM保存溶液;Thermofisherカタログ番号4542)5μlを各ウェルに加えた。さらに、アッセイ用緩衝液中のFluormone ES2 Green(12nM)及びテルビウム標識抗GSTモノクローナル抗体(mAb)(8nM;Thermofisherカタログ番号PV3550)の調製保存溶液5μlも各ウェルに加えた。プレートを室温(RT)で4時間、インキュベートし、次に、TR−FRET発光量比をEnVisionマルチラベルプレートリーダー(Perkinelmer番号2104−0010)を使用して測定した。データは、4パラメータの曲線当てはめを使用して解析し、EC50値を生成した。これらの結果が以下の表10に示されている。
[実施例76] 抗TNFアルファイムノコンジュゲートの安定性
マトリックス安定性
抗TNFαステロイドADCの低分子ペイロードの放出が、生理的条件下において、早くなり易いかどうかを試験した。これらの実験において、血漿(ヒト、サル、マウス又はラット)又は緩衝液に二連でADCを希釈し、37℃、5%CO2において6日間、インキュベートした。各試料を時間0分時点、及び6日間の期間にわたる様々な時間点にクエンチした。次に、LC/MS/MSを使用して試料を解析し、対応する低分子に関する標準曲線と比較した。経時的な低分子ペイロードの%最大放出量を計算した。これらの結果が、以下の表11にまとめられている。
これらの結果により、抗TNFαステロイドADCは、緩衝液及び複数の種の血漿中において安定であり、最小限の低分子放出が観察されることが実証される。
タンパク質分解安定性
プロテアーゼ処理により、ステロイドADCがこのペイロードを放出し易いかを、マウスCD−19抗体にコンジュゲートしたvcmcMMAE薬物リンカーを使用して生成したADCと比較した。ADC(平均DARは4)をカテプシンB又はプロテイナーゼKの一方とインキュベートし、ペイロード放出量を様々な時間点(0、1、4、7及び24時間)において、LC−MSにより分析した。
結果が図1に示されており、ステロイドADCが、ADCからペイロードの外因性カテプシン媒介性放出に対して抵抗性であることを実証している。このことは、カテプシン処理時に有意な量でMMAEが放出される、公知のペイロードリンカー(mcvcMMAE)ADCと対照的である。このデータは、ステロイドADCは、公知のADCよりも循環中のカテプシン活性に由来する早期ペイロード放出に対してかなり感受性が低いことを示している。実際に、ステロイド放出は、幅広い開裂特異性を示す、プロテイナーゼK、すなわちセリンプロテアーゼの場合にしか観察されない。このことは、ステロイドADCの抗体部分は、ステロイドリンカー開裂前にかなり異化される必要があること、及びペイロード放出は、リソソームのようなADCの抗体足場の消化が起こり得る環境に制限され得ることを示すものである。
カテプシンB消化
カテプシンB(Sigma)の保存溶液0.2mg/mLを緩衝液(25mM Tris、50mM NaCl及び5%グリセロール)中で調製した。カテプシンBの10μg/mL作業溶液を生成するため、0.2mg/mLのカテプシンB保存溶液5μLを、活性化緩衝液(50mM酢酸ナトリウム(pH5)、1mM EDTA及び5mM DTT)95μlと混合し、37℃において15分間、インキュベートした。ADC消化の場合、100ug/mLのADCを20μl及びカテプシンB作業溶液20μlを、160μlの希釈緩衝液(50mM酢酸ナトリウム、1mM EDTA)と混合した。振とうしながら、試料を37℃でインキュベートし、40μLの一定分量を0、1、4、7及び24時間後に抜き取った。各一定分量に、クエンチ溶液(0.1%ギ酸;1:1のMeOH:MeCN;100nMカルブタミド)160μlを加え、放出された低分子を既に開示したLC−MS/MSにより検出した。
プロテイナーゼK消化
プロテイナーゼK(Sigma)の保存溶液5mg/mLを、脱イオン(DI)水中で調製した。プロテイナーゼKの作業溶液0.25mg/mLを、50μLの5mg/mLプロテイナーゼKと950μlの希釈緩衝液(1× HBSS及び1mM EDTA)とを混合することにより調製した。ADC消化の場合、100ug/mLのADCを20μL及びプロテイナーゼK作業溶液40μlを、140μlの希釈緩衝液と混合した。振とうしながら、試料を37℃でインキュベートし、40μLの一定分量を0、1、4、7及び24時間後に抜き取った。各一定分量に、クエンチ溶液(0.1%ギ酸;1:1のMeOH:MeCN;100nMカルブタミド)160μlを加え、放出された低分子を既に開示したLC−MS/MSにより検出した。
[実施例77] 抗TNFアルファイムノコンジュゲートのインビボ安定性
ステロイドADCが薬物リンカー喪失を受け易いかをマウスにおいて評価した。MP−Ala−Ala−ステロイドをヒトIgG1 mAb(平均DARは4)にコンジュゲートし、pH9においてインキュベートし、チオスクシンイミド環の開環加水分解を触媒させた。中和後、このステロイドADCをマウスに注射し、薬物リンカー喪失の速度をLC−MSにより7日間にわたりモニタリングした。
これらの実験において、リン酸緩衝生理食塩水中で製剤化したADCを、15匹の雄DBA/1マウスに5mg/kgで静脈内投与した。3匹のマウスを投与の1時間後、24時間後、72時間後、168時間後及び240時間後に犠牲にした。EDTA全血液を採集し、質量分析法によるインビボでのDAR分析を行うために血清を調製した。
血清試料の事前希釈
全抗体リガンド結合アッセイによって測定したADCの全抗体濃度に基づいて、血清試料をウマ血清(Life technologies、16050−122)に希釈した。希釈は、結合能の磁気ビーズの上限値に好適な、10〜30μg/mLの範囲までの最終濃度の推定に基づいた。
免疫親和性の親和性精製
タンパク質LoBind管(Eppendorf North America)中、予め希釈したADC血清試料の各々100μLに350μLのウマ血清を加えて、全量を450μLにし、続いて、4μgのビオチン−抗ヒトFc抗体(2mg/mLのビオチン抗ヒト溶液を2μL)を加えた。オービタルシェーカーにおいて、900rpmで振とうすることにより、試料を室温で2時間(hr)、インキュベートした。各血清試料に関して、LoBind管において、ストレプトアビジンをコーティングした磁気ビーズ(Pierce、カタログ番号88817)の50μLスラリーをPBS緩衝液中の0.1% Tween(PBST)と平衡にした。磁気ラックにLoBind管を置くことによってLoBind管の側壁に磁気ビーズを引き寄せた後、Tween20緩衝液を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBST)をピペットにより取り除いた。抗ヒト捕捉試薬との2時間のインキュベート後の血清試料を、平衡済み磁気ビーズを含有するLoBind管に移送し、オービタルシェーカーにおいて900rpmで1時間、室温でインキュベートした。磁気ビーズとのインキュベート後に血清を除去し、磁気ビーズを500μLのPBST(3回)によって完全に洗浄し、次いで、MilliQ水中の5%MeOH500μLにより洗浄した(3回)。磁気ビーズを50%MeOH/MilliQ水中の0.5%ギ酸100μLと15分間、インキュベートすることによって、磁気ビーズに結合したADCを放出させた。
精製ADCの還元
10μLの還元試薬(2M Tris緩衝液(pH7.5)中の10mM EDTAを用いて、Thermo Scientificから購入した粉末から新しく調製した10mM TCEP)を100μLの試料に添加することにより、放出したADCを還元し、37℃において30分間、インキュベートした。
LC/MS分析
還元済み試料(10μL)を温度制御された(5℃)CTCオートサンプラーによって、Agilent6550 QTof LC/MSシステムに注入した。試料溶出は、Waters C−4、3.5μm、300Å、2.1×50mm i.d.HPLCカラムで実施した。移動相は、A:水中の0.1%ギ酸、及びB:MeCN中の0.1%ギ酸であり、流速は、0.45mL/分とし、カラム室は、40℃に維持した。
HPLCグラジエントは、以下の通りとした:
還元済みADCの高分解能MS分析は、ポジティブイオンモードで操作した、Dual Agilent Jet Streamエレクトロスプレーイオン化(ESI)源を装備したAgilent6550四重極飛行時間型(Agilent Technology、San Clara、CA)で行った。質量分析計は、最大3,200m/zまでのMS範囲の拡張ダイナミックレンジ(2GHz)モードで操作した。一次ESI源をLC/MS分析用に使用し、922.009798m/zにおける較正溶液を注入するために二次ESIプローブを使用し、リアルタイムMS較正を行った。質量分析計は、一日毎に較正した。理論質量に対する分析対象物の典型的な質量誤差は、毎日の操作で、±5百万分率未満とした。MSデータは、MassHunter Qual Browser Build5.0を使用して処理した。
MSスペクトルのデコンボリューション
MassHunter Bioconfirmソフトウェアパッケージにおける最大エントロピー法を使用して、多重電荷イオン質量スペクトルをデコンボリューション処理し、中性の分子量スペクトルを導いた。デコンボリューション処理したピークの強度を使用して、DARを計算した。
デコンボリューション処理したMSスペクトルからのDAR値の算出
DAR値は、次式に基づいて、デコンボリューション処理したMSピーク強度を使用して算出した:
軽鎖(LC)からのDAR値:LC DAR=(2×LC^のピーク強度)/((LCのピーク強度+LC^のピーク強度))
LC及びLC^は、それぞれ、薬物リンカーが0及び1を有する軽鎖である。
重鎖(HC)からのDAR値:
HC DAR=2×(HC^のピーク強度+2×HC^^のピーク強度+3×HC^^^のピーク強度)/(HCのピーク強度+HC^のピーク強度+HC^^のピーク強度+HC^^^のピーク強度)
HC、HC^、HC^^及びHC^^^は、それぞれ、薬物リンカーが0、1つ、2つ及び3つを有する重鎖である。
合計DAR=LC DAR+HC DAR
結果
これらの結果が図2に示されている。この実施例は、ステロイドADCからの薬物リンカーの最小限の喪失が、7日間にわたり観察されることを実証している。
[実施例78] ヒト及びマウス膜貫通TNFアルファGREリポーター細胞系の生成
親細胞系を生成するために、完全成長培地(RPMI、10%のFBS、1%のL−グルタミン、1%のピルビン酸ナトリウム及び1%のMEM NEAA)2mLを含む6ウェルの皿(Costar:3516)に、ウェルあたり500,000個の細胞で、37°、5%CO2で24時間、K562細胞を播種した。翌日、1.5μgのpGL4.36[Luc2P/MMTV/Hygro](Promega:E316)、1.5ugのpGl4.75[hRLuc/CMV](Promega:E639A)及び3μlのPLUS試薬(Invitrogen:10964−021)を、244uLのOpti−MEM(Gibco:31985−070)に希釈して、室温で15分間、インキュベートした。pGL4.36[luc2P/MMTV/Hygro]ベクターは、グルココルチコイド受容体及びアンドロゲン受容体のようないくつかの核内受容体の活性化に応答して、ルシフェラーゼリポーター遺伝子luc2Pの転写を推進するMMTV LTR(マウス乳房腫瘍ウイルス長末端反復)を含有する。pGL4.75[hRluc/CMV]ベクターは、ルシフェラーゼリポーター遺伝子hRluc(レニルラ・レニフォルミス(Renilla reniformis))をコードし、高発現及び異常転写が低減するよう設計されている。インキュベートの後、希釈済みDNA溶液を、1:1 Lipofectamine LTX溶液(Invitrogen:94756)(13.2μl+256.8μl Opti−MEM)と予備インキュベートし、室温で25分間、インキュベートして、DNA−Lipofectamine LTX複合体を形成させた。インキュベート後、細胞含有ウェルにDNA−Lipofectamine複合体500μlを直接、加えた。37°、5%CO2において、24時間、K562細胞をトランスフェクトした。インキュベート後、細胞をPBS 3mLにより洗浄し、2週間、ハイグロマイシンB(Invitrogen:10687−010)125μg/mLを含有する完全成長培地を用いて選択した。「K562 pGL4.36[Luc2P/MMTV/Hygro]_pGL4.75[hRLuc/CMV]」細胞が生成した。
マウス膜貫通TNFアルファGREリポーター細胞系を生成するために、完全成長培地(RPMI、10%FBS、1%L−グルタミン、1%のピルビン酸ナトリウム及び1%のMEM NEAA)2mLを含む6ウェルの皿(Costar:3516)に、ウェルあたり500,000個の細胞で、37°、5%CO2、24時間、親細胞K562 pGL4.36[Luc2P/MMTV/Hygro]_pGL4.75[hRLuc/CMV]を播種した。翌日、非タグ付きマウスTNFをコードする3μgのmFL_TNFa DNA(Origene:MC208048)及び3μlのPLUS試薬(Invitrogen:10964−021)を、244uLのOpti−MEM(Gibco:31985−070)に希釈して、室温で15分間、インキュベートした。インキュベートの後、希釈済みDNA溶液を、1:1 Lipofectamine LTX溶液(Invitrogen:94756)(13.+256.8μLのOpti−MEM)と予備インキュベートし、室温で25分間、インキュベートして、DNA−Lipofectamine LTX複合体を形成させた。インキュベート後、細胞含有ウェルにDNA−Lipofectamine複合体500μlを直接、加えた。親K562 pGL4.36[Luc2P/MMTV/Hygro]_pGL4.75[hRLuc/CMV]細胞を、37°、5%CO2で、24時間、トランスフェクトした。インキュベート後、細胞をPBS 3mLにより洗浄し、2週間、ハイグロマイシンB(Invitrogen:10687−010)125μg/mL及びG418(Gibco:10131−027)250μg/mLを含有する完全成長培地を用いて選択した。「K562マウスFL−TNFa GRE(pGL4.36[luc2P/MMTV/Hygro])」細胞が生成した。
ヒト膜貫通TNFアルファGREリポーター細胞系を生成するために、親細胞K562 pGL4.36[Luc2P/MMTV/Hygro]_pGL4.75[hRLuc/CMV]に、プラスミドhTNFデルタ1−12 C−Myc pcDNA3.1(−)プラスミド構築物をトランスフェクトした。このプラスミドは、tace抵抗性膜貫通TNF(すなわち、アミノ酸77〜88のない配列番号1)をコードするpcDNA3.1(Thermofisherカタログ番号V79020)である。(tace抵抗性膜貫通TNFについて議論したPerez Cら、Cell 63巻(2号):251〜8頁(1990年)を参照されたい)。次に、これらの細胞系を、この後の実施例に記載されているTNFアルファリポーターアッセイにおいて使用した。
[実施例79] GRE膜貫通TNFアルファリポーターアッセイにおける抗TNFアルファイムノコンジュゲートの活性
K562親GRE(pGL4.36[luc2P/MMTV/Hygro])細胞、及びK562 mFL−TNF−a又はhTNFデルタ1−12GRE(pGL4.36[luc2P/MMTV/Hygro])細胞を、96ウェルの組織培養物により処理した白色プレート(Costar:3917)に、アッセイ培地(RPMI、1% CSFBS、1% L−グルタミン、1%ピルビン酸ナトリウム及び1% MEAA)50μL中、ウェルあたり50,000個の細胞でプレート培養した。この細胞を、アッセイ用培地、ステロイド化合物又は培地単独中で、3×連続希釈マウス又はヒト抗TNF−a抗体薬物コンジュゲート25μLにより処理し、37°、5%CO2で48時間、インキュベートした。48時間のインキュベート後、細胞をDual−Gloルシフェラーゼアッセイシステム(Promega−E2920)75μLにより10分間、処理し、TopCount(PerkinElmer)を使用して、発光量を分析した。データは、4パラメータの曲線当てはめを使用して解析し、EC50値を生成した。%最大活性化をデキサタサゾン100nMに正規化し、これを最大活性化と見なした。マウスTNFアルファ細胞系を使用した結果が、以下の表12に示されており、ヒトTNFアルファ細胞系を使用した結果が、以下の表13に示されている。以下の表12において、Aは、8C11を指す。以下の表13において、Aは、アダリムバブ(配列番号66及び73)を指す。パーセント(%)モノマーは、既に開示したSECによって決定した(ADC分析手順を参照されたい)。
[実施例80] GRE膜貫通TNFアルファリポーターアッセイにおける、様々な抗ヒトTNFアルファイムノコンジュゲートの活性
抗ヒトTNFアルファイムノコンジュゲートの調製
タンパク質はすべて、実施例36における一般的なシステインコンジュゲートのプロトコルにおいて強調した条件を使用して、化合物番号99にコンジュゲートした。以下の表14に示されている場合、システインの付加(下線)を抗TNF配列に操作して、コンジュゲートした。
GREリポーターアッセイにおける抗ヒトTNFアルファイムノコンジュゲートの活性
抗ヒトTNFアルファイムノコンジュゲート(抗ヒトTNFアルファADC又は抗hTNFアルファステロイドADCとも呼ばれる)を、実施例79に記載されている条件下での、K562親GRE(pGL4.36[luc2P/MMTV/hydgro])及びK562 hTNFデルタ1−12GRE(pGL4.36[luc2P/MMTV/hydgro])細胞系における活性を試験した。表15に示されている結果は、試験した抗hTNFアルファステロイドADCのすべてが、親細胞系に対するその活性とは無関係の、強力な抗原依存活性があることを実証していることを示している。
抗ヒトTNFアルファイムノコンジュゲートのヒトTNFアルファへの結合
組換え可溶性TNFα三量体への抗hTNFアルファステロイドADCの結合速度は、抗ヒトFc/抗ヒトF(ab’)2捕捉(アフィボディ及びオゾラリズマブADCを除く、すべてのADCの場合に使用)又は直接的なNHS/EDC媒介性アミンカップリング手法(オゾラリズマブADCに限り使用した)のどちらかを使用して、25℃において、Biacore T200機器(GE Healthcare)で行った、表面プラズモン共鳴をベースとする測定により決定した。約10000RUのヤギ抗ヒトIgG Fcポリクローナル抗体(Thermo Fisher Scientific Inc.、カタログ番号31125)又はヤギ抗ヒトF(ab’)2ポリクローナル抗体(Jackson Immunoresearch Laboratories,Inc.カタログ番号109−006−006)を、10mMの酢酸ナトリウム(pH4.5)中で5μg/mLに希釈し、製造業者の指示書及び手順に従って、標準アミンカップリングキットを使用する、CM5バイオセンサーチップに固定化した。バイオセンサー表面上の未反応部分は、1Mエタノールアミンによりブロッキングした。直接的なアミンカップリング手法の場合、約750RUのオゾラリズマブステロイドコンジュゲートをCM5チップに直接、固定化した。チップ調製及び結合速度の測定は、アッセイ用緩衝液HBS−EP+(10mM Hepes、pH7.4、150mM NaCl、3mM EDTA、0.05% Tween20)において行った。捕捉フォーマットにおける結合速度測定の場合、各アッセイ周期は、以下の工程:1)0.5μg/mLの濃度及び5μL/分の流速で60秒間の、試験表面における試験ADCの捕捉、2)50μl/分で300秒間、参照表面及び試験表面の両方に分析対象物の注射(ヒトTNFα又は緩衝液のみ)、この後の、50μl/分で600秒間の解離のモニタリング、3)参照表面及び試験表面の両方への、10mMグリシン−HCl(pH1.5)又は100mM HCl(直接、結合したADCの場合)の注射による捕捉表面の再生成からなった。直接アミンカップリングフォーマットにおける結合速度測定の場合、工程2)及び3)だけを行った。アッセイの間、測定はすべて、ブランク表面単独(すなわち、捕捉されなかった試験抗体又は固定化ナノボディ)に対して参照し、緩衝液のみの注射を二重参照に使用した。TNFαの注射は、それぞれ、2倍希釈シリーズにおいて、50nM〜0.39nMの濃度の範囲とした。データを処理し、Biacore T200評価ソフトウェアを使用して、1:1結合モデルに全体を当てはめ、結合速度論的速度定数ka(M−1s−1)及びkd(s−1)、並びに平衡解離定数KD(M)を決定した。2つの独立した実験を行った。表16において報告されている値は、これらの実験の平均値である。
[実施例81] リポ多糖により刺激されるヒトPBMCサイトカイン放出アッセイにおける、抗hTNFアルファステロイドADCの活性
一次ヒト末梢血単核細胞(PBMC)は、Biological Specialty Corporation(カタログ番号214−00−10)から購入し、PBS50mLで洗浄し、5%DMSOを含むFBS中に再懸濁して、一定分量を採り、使用するまで液体窒素中に冷凍保存した。PBMCを解凍し、2% FBS及び1%ペニシリン−ストレプトマイシンを補給したRPMIに再懸濁し、細胞アッセイ用プレート(Costar番号3799)にプレート培養した。細胞を、37℃及び5%CO2において4時間、様々な濃度の抗hTNFアルファステロイドADCと共にインキュベートした。次に、100ng/mlのLPSにより細胞を一晩、刺激させた。翌日、プレートを1000rpmで5分間、回転させて、上澄み培地100μLを、追加の96ウェルプレートに直接、移送し、IL−6(MSD、番号K151AKB)及びIL−1ベータ(MSD、番号K151AGB)濃度を分析した。用量応答データを、非線形回帰を使用するシグモイド型曲線に当てはめて、GraphPad5.0(GraphPad Software,Inc.)を活用して、IC50値を計算した。表17に示されている結果は、抗hTNFアルファステロイドADCは、活性化一次免疫細胞に由来する、炎症誘発性サイトカインIL−6及びIL−1ベータの放出の阻害に強力な活性を有することを実証している。
[実施例82] L929細胞でのTNFa誘発性細胞毒性アッセイにおける抗TNFアルファイムノコンジュゲートの活性
L929は、アクチノマイシンDによる事前処理によって感作されるマウスの異数線維肉腫細胞系である。TNFaによる処理によって、アポトーシス、及びその後の細胞死が始まる。対数期のL929細胞は、トリプシンを0.05%使用して採取し、D−PBSにより2回洗浄して、CEDEXによって計数した。4μg/mLのアクチノマイシンDを含有するアッセイ培地において、細胞を1E6個の細胞/mLで再懸濁し、50μLをすべてのウェルに加えた。抗マウスTNFアルファステロイドADC(化合物71にコンジュゲートした抗マウスTNFアルファ8C11;抗mTNFアルファステロイドADCとも称する)及び抗マウスTNF mAb(8C11)を、アッセイ培地に4×濃度まで希釈し、1:3の連続希釈を行った。マウスTNFαは、600pg/mLの4×濃度まで希釈した。抗mTNFステロイドADC及び抗mTNF mAb(125μL)を、1:2の希釈スキームでmTNFα(125μL)に加え、室温で1時間、穏やかに振とうしながらインキュベートした。抗体/mTNFα(又はADC/mTNFα)混合物を、三連で50μL/ウェルでウェルに加えた。37℃、5%CO2において、20時間、プレートをインキュベートした。生存率を定量するため、WST−1試薬(Rocheカタログ番号11644807001)10μLをウェルに加えた。プレートを3.5時間、アッセイ条件下でインキュベートし、500×gで遠心分離し、75μLの上澄み液をELISAプレート(Costarカタログ番号3369)に移送した。Spectromax190 ELISAプレートリーダーを使用して、OD420〜600nmにおいてプレートを読み取った。データを解析し、GraphPad Prism5に適合させたシグモイド型用量応答(可変傾き)を使用してIC50値を算出した。
抗mTNFアルファステロイドADCは、非コンジュゲート化抗mTNFアルファmAb(IC50 1.5nM)に対して、同等の中和効力(IC50 1.9nM)を有した。
上記の条件下で、中和活性に関して抗ヒトTNFアルファイムノコンジュゲートを試験した。この結果が表18に示されており、試験した抗ヒトTNFアルファイムノコンジュゲートは、ヒトTNFアルファを強力に中和することを実証することを示している。
[実施例83] マウスFcガンマ受容体への抗mTNFアルファステロイドADCの結合
SPR(表面プラズモン共鳴)をベースとするBiacore T200機器(GE Healthcare)を使用して、抗mTNFアルファステロイドADC(化合物71にコンジュゲートされている抗mTNF 8C11)及び抗mTNFアルファmAbの組換えマウスFcgR(すべてR&D Systems)への結合を評価した。FcgRを、フローセルの表面で、2つ、3つ及び/又は4つのCM5タイプのS Biacoreチップに直接固定化し、約1000〜2000RU(レゾナンス単位)となる密度にした。各Biacoreチップのフローセルの1つのブランク修飾表面を参照表面として使用した。各実験は、会合期及び解離期からなった。会合期は、50ul/分の流速、並びにFcgRIIBとFcgRIIIの場合、4000、2000、1000、500、250、125、62.5、31.25及び0nMの濃度、及び受容体IとIVの場合、100、50、25、12.5、6.25、3.13、1.56及び0nMで、すべてのフローセルにわたる親mAb及びADCを滴定することからなった。解離期は、50ul/分の流速において、ランニング緩衝液(HBS−EP+、pH7.4、GE Healthcare)の連続フローからなった。会合期及び解離期は、それぞれ5分間(受容体I及びIV)又は1分間(受容体II及びIII)、モニタリングした。各結合サイクルの後に、100ul/分の流速において、100mM HClを5秒のパルスによりチップ表面を再生成した。Biacore評価ソフトウェアを使用して、未処理データを1:1(FcgRI及びIV)、又は定常状態(受容体IIB及びIII)結合モデルに当てはめた。結果が表19に示されている。kaは、会合速度定数(1/Ms)であり、kdは、解離速度定数(1/s)であり、KDは、平衡解離定数(M)である。
[実施例84] 接触過敏症モデルにおける、抗mTNFアルファステロイドADCの活性
抗mTNFアルファステロイドADCを、感作剤(フルオレセインイソチオシアネート(FITC))の適用による、遅延型過敏症(DTH)応答(T細胞主導)を使用する、急性接触過敏症モデル、すなわち急性皮膚炎の誘発において評価した。抗mTNFアルファステロイドADCの効力は、耳の腫れを軽減する能力により測定した。ステロイドバイオマーカーであるコルチコステロン及びプロコラーゲン1型N末端プロペプチド(P1NP)を、それぞれ、視床下部−下垂体−副腎系(HPA)軸及び骨代謝回転に及ぼす、抗mTNFアルファステロイドADC処理の推定上の影響を評価するための読取り体として含ませた。
耳の腫れ
0日目に、マウスを全身麻酔下に置き、腹部の毛髪を剃った。マイクロピペッターを使用して、マウスを、腹部にFITC溶液(1:1のアセトン:DBP中の1.5%溶液)400uLを経皮施用することにより感作させた。6日後、FITCを耳にチャレンジする1時間前に、マウスに、ビヒクル又は治療剤を投与した。耳へのチャレンジに関すると、マウスを全身麻酔下に置き、20μlのFITCを右耳に適用してチャレンジした。チャレンジして24時間後、マウスを全身麻酔下に置き、マウスの耳の厚さをノギスにより測定する。チャレンジした耳とチャレンジしていない耳との間の差異を算出した。耳にチャレンジして72時間後、マウスに1mpk IPでACTHを注射し、ACTH後の30分時点に、端部から出血させた。血漿を採集して、P1NP、コルチコステロン、遊離ステロイド及び大型分子のレベルを分析した。
放出された遊離ステロイド及び内因性コルチコステロンの定量
ステロイドの較正曲線は、最終濃度0.03nM〜0.1μMの8つの異なる濃度レベルのマウス血漿中で調製した。最終コルチコステロン濃度が0.3nM〜1μMの範囲のコルチコステロン較正曲線を、PBS緩衝液中の70mg/mLウシ血清アルブミン溶液中で調製した。0.1%ギ酸を含む160μLのMeCNの溶液を、40μLの検討用血漿試料又は較正用標準品に加えた。上澄み液を蒸留水により希釈し、30μLの最終試料溶液をLC/MS分析のために注入した。
放出された遊離ステロイド及びコルチコステロンの定量は、ポジティブモードで操作したエレクトロスプレーイオン化源をインターフェース接続したShimadzu AC20 HPLCシステムに接続したAB Sciex5500トリプル四重極質量分析計で行った。Waters XBridge BEH C18、2.1x30mm、3.5μmのカラムをクロマトグラフィー分離に使用した。移動相Aは、Milli Q HPLC水中の0.1%ギ酸であり、移動相Bは、MeCN中の0.1%ギ酸とした。移動相B2%から移動相B98%までの直線グラジエントを0.6〜1.2分に適用した。全稼働時間は、0.8mL/分の流速で2.6分とした。質量分析計は、700℃の源温度でポジティブMRMモードで操作した。
血漿P1NPの定量
血漿P1NPの定量は、タンパク質トリプシン消化に基づくLC/MSプラットフォームで行った。血漿試料を一部、沈殿させて、MeCN/0.1M炭酸水素アンモニウム/DTT混合物を添加することにより、完全に還元した。上澄み液を採集し、ヨード酢酸を添加することによりアルキル化した。このアルキル化タンパク質はトリプシンにより消化され、得られたトリプシンペプチドをLC/MSによって分析した。較正曲線は、ウマ血清にスパイクした合成トリプシンペプチドを使用することにより生成した(非干渉性代替マトリックス)。消化効率とLC/MS注入の両方を正規化するために、安定な同位体を標識した隣接ペプチド(トリプシンペプチドの両末端上の3〜6のアミノ酸伸長)を、MeCN/DTTタンパク質沈殿混合物に加える内部標準として使用した。
Columnex Chromenta、BB−C18、2.1×150mm、5μmのカラムをクロマトグラフィー分離に使用した。移動相Aは、Milli Q HPLC水中の0.1%ギ酸であり、移動相Bは、MeCN中の0.1%ギ酸とした。移動相B2%から移動相B65%までの直線グラジエントを0.6〜3分に適用した。全稼働時間は、0.45mL/分の流速で8分とした。700℃の源温度において、AB Sciex 4000Qtrap質量分析計をポジティブMRMモードで使用し、P1NPペプチドを定量した。
血漿中の全ADCの定量
全抗体(ADC及び主鎖mAb)の濃度は、Mesoscale Discovery(MSD)プラットフォームを使用するリガンド結合アッセイによって測定した。ビオチン標識マウスTNFを抗mTNFアルファステロイドADCに対する捕捉用試薬として使用し、スルホタグコンジュゲートしたヤギ抗マウス検出抗体を検出に使用した。較正曲線は、マッチングマトリックスにおいて、ADC分子の連続希釈により生成し、QC試料を使用してアッセイの適格性を確認した。
結果
これらの結果が、以下の表20に示されている。
これらの結果は、抗mTNFアルファステロイドADCは、コルチコステロン及びP1NPに対して望ましくない作用をもたらさないと同時に、低分子ステロイド治療と等価な応答効果を得ることができることを実証している。
ステロイドペイロードの抗TNF mAbへのコンジュゲートが、効力の増強に必要かどうかに取り組むために、さらなる接触過敏症(CHS)の検討を行った。上記のプロトコルに従い、ビヒクル、抗mTNFアルファmAb(10mpk)、抗mTNFアルファステロイドADC(10mpk)(化合物番号139)、又は共投与される抗mTNFアルファmAb(単回i.p.注射で同時送達させる)とADC化学量論に一致する当量の低分子ステロイドとの混合物のいずれかをマウスに、1回、i.p.投与した。DAR4を有する抗mTNFアルファステロイドADCの用量を10mpkとした場合、これは、低分子ステロイド(化合物番号42)4μgと算出された。図9に示されている結果は、抗mTNFアルファステロイドADC治療は、抗mTNFアルファmAbと低分子ステロイドとの組合せ、又は抗mTNFアルファmAb単独と比較した場合、耳の炎症を軽減する効力がかなり向上したことを実証している。
[実施例85] コラーゲン誘発性関節炎における抗mTNFアルファステロイドADCの活性
関節炎のコラーゲン誘発性関節炎(CIA)モデルにおいて、抗mTNFアルファステロイドADC(化合物番号137)が疾患に影響を及ぼす能力を評価した。
これらの実験において、雄DBA/1Jマウスは、Jackson Labs(Bar Harbor、ME)から得た。6〜12週齢のマウスを使用した。すべての動物を、12時間の明/暗サイクル下、一定温度及び湿度に維持して、rodent chow(Lab Diet5010 PharmaServ、Framingham、MA)を与え、水は自由摂取させた。AbbVieは、AAALAC(実験動物ケア評価認証協会)により適格認定を受けており、手順はすべて、動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee:IACUC)により承認を受け、選任獣医により監視を受けた。体重及び状態をモニタリングし、動物は、>20%の体重減を示すと安楽死させた。
雄のDBA/Jマウスに、0.1N酢酸に溶解した100μgのII型ウシコラーゲン(MD Biosciences)及び200μgの熱不活性化済みマイコバクテリウム・チューベルクロシス(Mycobacterium tuberculosis)H37Ra(Complete Freund’s Adjuvant、Difco、Laurence、KS)を含有するエマルション100μLを、尾部の下側の皮内(i.d.)に免疫付与した。コラーゲンによる免疫付与後の21日間、マウスにPBS中の1mgのZymosan A(Sigma、St.Louis、MO)をIPで追加免疫した。追加免疫後、関節炎について、1週間に3〜5回、マウスをモニタリングした。Dyerスプリングノギス(Dyer310−115)を使用して、脚部の腫れについて後脚を評価した。
マウスは、疾患の最初の臨床徴候時の24日目〜28日目の間に登録し、等価な関節炎の重症度の群に区分した。早期治療処置は、登録時に開始した。
0.5%HPMC/0.02%Tween80ビヒクル[v/]中のステロイド(化合物番号3)(10mpk)を経口(p.o.)により、又は0.9%生理食塩水中の抗mTNFアルファmAb(10mpk)(8C11)若しくは抗mTNFアルファステロイドADC(10mpk)(化合物番号137)を腹腔内(i.p.)に1回、動物に投与した。投与の24及び72時間後に、尾部に傷を付けることによる抗体曝露のために血液を採集した。組織病理用に、最後のエンドポイントに脚部を採集した。完全血球算定するために、心穿刺によって最後のエンドポイントに血液を採集した(Sysmex XT−2000iV)。統計的有意性は、ANOVAによって決定した。
結果が図3に示されており、単回用量の抗mTNFアルファステロイドADCにより、抗mTNFアルファmAb又は低分子ステロイド単独と比べると、約6週間、脚部の腫れの改善により、作用期間の延長を示し得ることが実証される。
抗mTNFアルファステロイドADCのTNF標的機能性に取り組むよう設計した個別の検討において、抗mTNFアルファmAb(10mpk)若しくは抗mTNFアルファステロイドADC(10mpk)(化合物番号145)、又はマウスに発現されない抗原である、鶏卵タンパク質オボアルブミンを認識するアイソタイプステロイドADC(10mpk)(化合物番号224):
を動物に1回、i.p.投与した。ADCはどちらも、当量の薬物搭載量を有した。低分子ステロイド(3mpk)は、1日1回(q.d)、経口投与した。結果が図10に示されており、単回用量の抗mTNFアルファステロイドADCが、21日間の期間にわたり毎日、投与した低分子ステロイドと等価な効力を有することを実証している。単回用量の非標的化アイソタイプステロイドADCは、同一時間枠にわたり、抗mTNF mAb単独と類似する、部分的な効力しか有していなかった。百分率は、ビヒクルと比べた、%阻害を意味する。この検討(図11)の過程全体での動物の体重の評価により、抗mTNFアルファステロイドADC群を除く、すべての処理群において、重量が喪失することが明らかになった。対照的に、抗mTNFアルファステロイドADCにより処理されたマウスは、21日間の検討全体にわたり、正常な重量増加を示した。
[実施例86] コラーゲン誘発性関節炎における様々な抗mTNFアルファステロイドADCの活性
様々なステロイドペイロード又は薬物:抗体比(DAR)を有するいくつかの抗mTNFアルファステロイドADCの効力を、関節炎のマウスモデルにおいて試験した。実施例85において概説した手順に従って検討を行った。これらの結果が以下の表21に示されている。
[実施例87] コラーゲン抗体誘発性関節炎のヒトTNFトランスジェニックTg1278TNFノックアウトマウスモデルにおける抗hTNFアルファイムノコンジュゲートの活性
抗ヒトTNFアルファADCの効力を、関節炎のヒトTNFaトランスジェニックマウスモデルにおいて評価した。
コラーゲン抗体誘発性関節炎(CAIA)モデル(Moore,AR J Transl Med 12巻:285頁(2014年))は、既に記載した(Moore Aら、J Transl Med 12巻(1号):285頁(2014年))、ヒトTNFトランスジェニックTg1278TNFノックアウトマウスを使用して行った。8mgの、コラーゲンII型(ArthritoMab(商標))の様々なエピトープを標的とするモノクローナル抗体のカクテルを、0日目にマウスの腹腔内(i.p.)に投与した。3日目に、マウスに10μgのLPSをi.p.注射し、疾患病理を亢進させた。検討の3日目に開始して14日目まで、毎日、動物に関節炎スコアに関する評価を行った。1群あたり8匹の雄マウスを使用し、試験品又はPBSビヒクルを2週間、1週間に2回、i.p.投与した。
これらの結果が図4に示されており、抗ヒトTNFアルファADCにより、抗ヒトTNFアルファmAb(アダリムバブ)と比べて、疾患スコアをかなり低下させることができることが実証される。
[実施例88] 炎症ピークに及ぼす抗mTNFアルファステロイドADCの活性
マウスCIA実験を行い、炎症ピークを有する動物に対する抗mTNFアルファステロイドADCの効力を確立した。後期での治療投与の場合、疾患の最初の臨床徴候時にマウスを検討に登録し、登録して6日後に投与した。1群の動物を疾患の7日目に犠牲にし、他の群のすべてに投与した時点に、マイクロコンピュータ断層撮影法(μCT)及び組織学分析による関節炎の変化に対するベースラインを得た。6日目に、ビヒクル(0.9%生理食塩水)、抗mTNFアルファmAb(10mpk)(8C11)又は抗mTNFアルファステロイドADC(10mpk)(化合物番号145)のいずれかを、すべての動物に1回、投与し、21日目に犠牲にした。関節炎の後脚を採集し、μCT分析を行った。次に、組織学評価用に、同じ脚を使用した。実験の終了時に、心穿刺により全血液を採集して、完全血球算定(CBC)を評価した。
マイクロコンピュータ断層撮影法(μCT)
脛骨/腓骨を傷つけないで後脚を切り取り、10%ホルマリンに固定した。等方性ボクセル及び300ミリ秒の積分時間を使用して、高分解能設定(2048×2048ピクセル再構築において1000投影/180°)における、55kVp、145μAで、μCT(Scanco Medical AG、Micro−CT40)により脚をスキャンした。脛距関節から目的の領域周辺に、手作業で円筒形等高線を描き、100枚のスライス(1.8mm)に足首まで広げた。評価は、上限閾値1000及び下限閾値320で、0.8シグマガウスを利用するScancoソフトウェアにより行った。
組織学評価
処理マウス由来の後脚は、10%の中性の緩衝化ホルマリン中に浸漬して固定し、48時間、カルライト(Calrite)溶液中、ある程度、脱灰し、側部及び脚の付け根の内側縁部をトリミングした。次に、脚を約48時間、カルライトに戻して入れ、脱灰を完了させた。試料を決まった手順で処理し、パラフィンに、矢状面に埋包し、5ミクロンで区分し、ヘマトキシリン及びエオシンにより染色した。0〜4のスケール:0=ゼロパーセント、1=軽度、2=中度、3=顕著、4=重症を使用して、炎症/パンヌス形成、好中球浸潤、骨浸食及び軟骨損傷の存在について、顕微鏡によりスライドを評価した。
図12に示されている結果は、単回用量の抗mTNFアルファステロイドADCにより、確立した疾患を逆戻りさせることができ、ベースライン付近まで脚部の腫れが軽減され得ることを実証している。対照的に、単回用量の抗mTNFアルファmAbは、炎症に対して最小限の効果をもたらした。
μCTによって測定される足根骨の量減少に及ぼす処理の影響が、図13に示されている。これらの結果は、炎症のピーク時に投与した単回用量の抗mTNFアルファステロイドADCは、抗mTNFアルファmAb単独と比較して、疾患媒介性関節骨浸食をかなり阻害することができることを実証している。
処理CIAマウスの関節の組織学評価の結果が、図14〜17に示されている。これらは、疾患のピーク時に投与した単回用量の抗mTNFアルファステロイドADCにより、年齢の一致したビヒクル対照に比べて、21日目までに、炎症、パンヌス形成、骨浸食及び軟骨損傷がかなり低減し(p<0.001)、疾患のレベルが、ベースラインにおける対照において観察されたレベルに等価であることを実証している(ビヒクルd6)。評価した6つの脚のうちの2において、6日目のベースライン時(処理前)及びビヒクル処理マウスの21日目に、マウスにおいて100%の出現があったことと比べて、21日目の抗mTNFアルファステロイドADC処理動物において、足根骨/指関節に検出可能な疾患はなかった。
対照的に、疾患のピーク時の単回用量の抗mTNFアルファmAbは、d21において、年齢の一致したビヒクル対照と比べて、炎症、骨浸食、パンヌス形成又は軟骨破壊を阻害しなかった。疾患のレベルは、ベースライン対照よりも重症であり、炎症の改善に対する穏やかな傾向が観察された。
全血液を分析して、処理による末梢血液細胞サブセットの変化を評価した。図18〜23に示されている結果は、疾患動物において観察された、いくつかの末梢血液細胞集団の増加は、単回用量の抗mTNFアルファステロイドADCを用いることにより解決され得ることを実証している。総合的な白血球、好中球及び単球の統計的有意性の低下が、抗mTNFアルファステロイドADC処理の場合に観察された。
[実施例89] 抗mTNFアルファステロイドADC及び抗CD163 ADCの比較
炎症性疾患の治療における、抗TNFイムノコンジュゲートの治療的効力の向上を実証するため、本発明者らは、この活性を、標的とする抗炎症機能を有することが文献に記載されている、グルココルチコイドイムノコンジュゲート手法である、ヘモグロビンスカベンジャー受容体CD163を標的とするADCと比較した(Graversen NJHらによる、PCT国際出願WO2011039510A2;Graversen JHら、Mol.Ther.20巻(8号):1550〜8頁(2012年))。
マウスCD163GREリポーター細胞系の生成
親細胞系は、実施例78に記載されているものと同様であるが、K562細胞の代わりにCHO−K1細胞を用いて生成した。次に、得られた親細胞系CHO pGL4.36[Luc2P/MMTV/Hygro]_PGL4.75[hRLuc/CMV]に、実施例78に記載されている条件下、マウスCD163(Origeneカタログ番号MR216798)をコードするプラスミドをトランスフェクトした。得られた細胞系CHO mCD163 GRE(pGL4.36[luc2P/MMTV/Hygro])を使用して、抗mTNFアルファと抗マウスCD163イムノコンジュゲート(抗mCD163イムノコンジュゲート又は抗mCD163ステロイドADCとも称される)の両方のインビトロ活性を試験した。
抗マウスCD163イムノコンジュゲートの調製
キメララット抗マウスCD163 mIgG2a/k抗体は、記載されているクローン3E10B10に対するVH配列及びVL配列から生成した(PCT国際出願WO2011/039510A2からの配列番号87/88)。この抗体は、実施例36における一般的なシステインコンジュゲートのプロトコルにおいて強調した条件を使用して、化合物番号99にコンジュゲートし、薬物:抗体比(DAR)4を得た。
マウスCD163 GREリポーターアッセイにおける抗マウスCD163イムノコンジュゲート(immunoconjuate)の活性
抗マウスCD163イムノコンジュゲートは、実施例79に記載されている条件における、CHO mCD163 GRE(pGL4.36[luc2P/MMTV/Hygro])細胞系に対する活性を試験した。抗mTNFアルファステロイドADC(化合物番号145)をネガティブ対照として含ませた。表22における結果は、抗マウスCD163イムノコンジュゲート(化合物番号223):
は、マウスCD163 GRE細胞系に対して、抗mTNFアルファステロイドADCとは無関係の、抗原依存活性を示すことを実証している。
マウスコラーゲン誘発性関節炎における抗マウスCD163イムノコンジュゲートの活性
抗マウスCD163ステロイドイムノコンジュゲートが、脚部の腫れに影響を及ぼす能力を、RAのコラーゲン誘発性関節炎(CIA)モデルにおいて評価した。抗mCD163ステロイドADCと同じ薬物リンカー及びDARを有する対照の抗mTNFアルファステロイドADC(化合物139)も同一の検討において評価し、両方のADCに対する親mAbも処理群として含ませた。実施例85において概説した手順に従って実験を行った。これらの結果が図24に示されており、抗mCD163ステロイドADCは、最初に、単回用量の処理後の最初の数日に脚部の腫れを軽減するが、この効果は一過性となることを示している。比較において、検討期間を通して、炎症を完全に抑制するために、単回用量の抗mTNFアルファステロイドADCが十分である。
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