JP6576001B2 - エポキシ樹脂混合物、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents
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Description
一般にエポキシ樹脂は軟化点の高いエポキシ樹脂が高い耐熱性を有する傾向があるが、その反面、粘度が上昇するという傾向があり、作業性や保存安定性の面で封止材としての使用は困難となる。この課題に対し、ナフタレン構造を導入することで耐熱性を出そうとする提案がなされている(特許文献2)が、これでは固くもろくなり機械強度が低下する課題を有する。また、多官能のエポキシ樹脂が検討されているが、難燃性が著しく低下するという課題があった。
また、マレイミド樹脂をアミンで変性させて使用するという手法では高粘度となってしまい、無機フィラーを導入できない。また反応性については改善できても、アミノ基がネットワークに多く導入されることとなるため、硬化物における耐薬品特性、吸水率の点、特に組成物の段階での課題として、粘度が大きく上昇してしまうという課題がある。
そこで、本発明は流動性、作業性に優れ、かつ配合物にした際の硬化性、さらには硬化物の耐熱性と相反する難燃性、熱分解特性等に優れるエポキシ樹脂混合物及びその硬化物を提供する。
すなわち本発明は、
(1)二官能以上のエポキシ樹脂(A)と、二官能以上のマレイミド樹脂(B)を含有するエポキシ樹脂混合物であって、エポキシ樹脂(A)の含有量が樹脂総量に対して10〜90重量%であり、マレイミド樹脂の含有量が10〜90重量%であり、150℃におけるICI溶融粘度(コーンプレート法)が0.01〜0.9Pa・s、環球法における軟化点が50〜160℃であるエポキシ樹脂混合物、
(2)前記の二官能以上のエポキシ樹脂(A)がオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂、ナフトール-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレンタイプフェノールアラルキル型エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも一種を含有し、前記の二官能以上のマレイミド樹脂(B)がビス(マレイミドフェニル)メタン、ビス(テトラアルキル置換マレイミドフェニル)メタン、フェノールノボラック型マレイミド樹脂、イソプロピリデンビス(フェノキシフェニルマレイミド)フェニルマレイミドアラルキル樹脂、ビフェニレン型フェニルマレイミドアラルキル樹脂から選ばれる少なくとも一種を含有する前項(1)に記載のエポキシ樹脂混合物、
(3)全塩素量が500ppm以下である前項(1)又は(2)に記載のエポキシ樹脂混合物、
(4)請求項1及至3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂混合物と無機フィラーを含有し、その配合量が5:95〜35:65の割合で含有するエポキシ樹脂組成物、
(5)前記無機フィラーがシリカゲル、アルミナから選ばれる少なくとも一種を含有し、かつその組成物において175℃におけるゲルタイムを15秒〜10分である前項(4)に記載のエポキシ樹脂組成物、
(6)フェノール樹脂型硬化剤を含有する前項(4)又は(5)に記載のエポキシ樹脂組成物、
(7)前項(5)〜(6)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化した硬化物、
(8)二官能以上のエポキシ樹脂(A)と、二官能以上のマレイミド樹脂(B)を50〜160℃の温度領域で加熱混合するエポキシ樹脂混合物の製造方法、
(9)二官能以上のエポキシ樹脂(A)と、二官能以上のマレイミド樹脂(B)をニーダ、ロール混練器のいずれか一種を少なくとも用いて混合する前項(8)に記載のエポキシ樹脂混合物の製造方法、
(10)二官能以上のエポキシ樹脂(A)と、二官能以上のマレイミド樹脂(B)をアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレンから選ばれる少なくとも一種の溶剤中で混合した後、50〜160℃の温度域で溶剤を加熱減圧下、溶剤を留去する前項(8)又は(9)に記載のエポキシ樹脂混合物の製造方法、
に関する。
これに対し、マレイミド樹脂の一部をアミン等の変性剤で変性する事で溶融特性を上げたりするという手法も挙げられている。しかしアミンが入ることで硬化物の特性を悪化させるため、好ましくない。
本発明のエポキシ樹脂混合物においては、あらかじめエポキシ樹脂にマレイミド樹脂を混合させておくことにより、軟化点を有する樹脂として安定的に取り扱うことができ、かつ、流動性も確保できることを明らかとした。さらに、エポキシ樹脂との混合により流動性、だけでなく、一般的なエポキシ樹脂と同様の温度領域で硬化させ、優れた硬化特性を発現させることができる組成物となる。
具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールS、チオジフェノール、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロルメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン又は1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類並びにアルコール類から誘導されるグリシジルエーテル化物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、シルセスキオキサン系のエポキシ樹脂(鎖状、環状、ラダー状、あるいはそれら少なくとも2種以上の混合構造のシロキサン構造にグリシジル基および/またはエポキシシクロヘキサン構造を有するエポキシ樹脂)等の固形または液状エポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
特に、硬化物にした際の難燃性、熱分解特性、誘電特性、吸水特性の観点からフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレンタイプフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂が好ましい。
本発明に使用可能なマレイミド樹脂(B)としては、ビス(マレイミドフェニル)メタン、ビス(テトラアルキル置換マレイミドフェニル)メタン、フェノールノボラック型マレイミド樹脂、イソプロピリデンビス(フェノキシフェニルマレイミド)フェニルマレイミドアラルキル樹脂、ビフェニレン型フェニルマレイミドアラルキル樹脂などが好ましく挙げられる。
融点や軟化点が高温すぎる場合、後のエポキシ樹脂との混合の際にゲル化の可能性が高くなるため好ましくない。
二種の樹脂混合物をドライブレンドする方法では均質に混合することが困難であるため、均質な硬化物を作成することが難しい。そのため、本発明においては溶融および/または溶解させながら製造することが好ましい。
160℃を超える過剰の加熱はエポキシ樹脂混合物のゲル化を招き、低温だと十分に樹脂が流動せず、均質なエポキシ樹脂混合物を得ることが困難となるおそれがある。
エポキシ樹脂(A)が多すぎると耐熱性が低下し、またマレイミド樹脂(B)が多すぎると強靭性が低下し、また吸水率が高く、その信頼性の面から半導体の封止用途としては使用が困難となる。
配線の太さやその構造にもよるが、粘度が1.0Pa・sを超えてしまうと単純な構造の半導体においてもその成型性に問題が生じ、未充填部ができてしまう等の課題が出てくるためである。
また、封止材としてタブレット化して使用する場合、50℃以上の軟化点がないと使用が困難であることから、50〜160℃であることが好ましく、さらに好ましくは55〜160℃、特に好ましくは55〜150℃である。
全塩素量が500ppmを超えた場合、樹脂構造にも多少影響はされるものの一般に半導体封止材とした際に抽出されるイオン分が多くなるため、好ましくない。 具体的には、エポキシ樹脂組成物を硬化物にした際に熱抽出され、溶出するイオン量が20ppm以下、特に一桁かわる10ppm以下となることが好ましい。
また、特に粉状の場合、次工程における粉立ち、吸引、周辺機器の汚れ等の課題から、1.0MPa以上の圧力をかけ、粒状、もしくは紐状、タブレット状の状態に成型することが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明のエポキシ樹脂混合物の他、無機フィラーを含有することが好ましい。また任意成分として他のエポキシ樹脂や硬化剤、硬化促進剤を含有することは好ましい。
併用できるエポキシ樹脂はノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂などが挙げられる。
具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールS、チオジフェノール、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロルメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン又は1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類並びにアルコール類から誘導されるグリシジルエーテル化物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、シルセスキオキサン系のエポキシ樹脂(鎖状、環状、ラダー状、あるいはそれら少なくとも2種以上の混合構造のシロキサン構造にグリシジル基および/またはエポキシシクロヘキサン構造を有するエポキシ樹脂)等の固形または液状エポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明においては特にリン系触媒、もしくはイミダゾール系、アミン系触媒のような含窒素系の触媒が好ましく、特にエポキシ樹脂の硬化剤となるフェノール樹脂等を添加しない場合はイミダゾール系、アミン系触媒のような含窒素系の触媒が特に好ましい。
硬化促進剤は、エポキシ樹脂混合物100に対して0.01〜5.0重量部が必要に応じ用いられる。
本発明においては特に半導体封止用途に使用するため、硬化物の吸水率や耐薬品性、絶縁信頼性、電気特性等の面から前述のフェノール樹脂が好ましく、特にフェノールノボラック、クレゾールノボラック、フェノールアラルキル樹脂(ザイロックタイプ、ビフェニレンタイプ)が好ましい。
アミン系硬化剤や酸無水物硬化剤はその耐薬品特性や電気信頼性、吸水率の問題から好ましくなく、特に酸無水物系の場合、吸湿・吸水による加水分解反応による酸の生成によりワイヤとチップ上のパッド部との接続部の腐食等、特に接続部の腐食に弱くなってしまうことから、使用した場合も主として使用せず添加剤として用いる程度とすることが好ましい。
なお、前述の硬化促進剤としてリン系触媒等を用いる場合はその硬化剤の使用量は0.7当量以上とすることが好ましい。エポキシ樹脂自体が余ることによる硬化不良を防ぐためである。
また、例えば前述の硬化剤に記載したような、各種フェノール樹脂と青酸もしくはその塩類との反応により合成も可能である。本発明においては特に2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパンやその誘導体(部分重合物等)のように分子内にベンジル位のメチレン構造を有しない構造のものが好ましく、これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
バインダー樹脂の配合量は、硬化物の難燃性、耐熱性を損なわない範囲であることが好ましく、エポキシ樹脂と硬化剤の合計100重量部に対して通常0.05〜50重量部、好ましくは0.05〜20重量部が必要に応じて用いられる。
これら無機充填剤の含有量は、本発明のエポキシ樹脂組成物中において、用途にもよるが一般に0〜95重量%を占める量が用いられ、5〜特に半導体封止材の用途で使用する場合、好ましくは50〜95重量%、特に好ましくは65〜95重量%の範囲で、パッケージの形状、必要とする線膨張係数により適状使い分けることが好ましい。
具体的にはFCタイプの薄型、特にMUFタイプでは65〜85重量%が好ましく、ワイヤタイプ、FCの上部もしくはサイドを封止するものの場合、80〜95重量%が好ましく、リードフレームタイプで特にリードフレームの専有面積が大きい場合は81〜93重量%が好ましく使用する。このように各部材の成型方法、線膨張率や流動性を加味したうえで選択することとなる。
また使用する粒径としてはその平均粒径で0.1μm〜30μmのものが好ましい。30μmよりも大きすぎるとパッケージ中のワイヤに引っかかる等の問題がありや、0.1μmよりも小さすぎると極度に流動性を低下させるという問題があることから好ましくない。
具体的には、本発明のエポキシ樹脂組成物に必要な素材を必要に応じてミキサー類で粉砕して混合し、その後必要に応じて押出機、ニーダー、ロール、プラネタリーミキサー等の混練可能な機器を用いて均一になるまで充分に混合してエポキシ樹脂組成物を得る。この際、ニーダーやロール等の混練機の温度が150℃以下であることが好ましい。前述のとおり、マレイミド樹脂が混合されている場合、ゲル化のリスクが大きくなるため、150℃より大きな温度はかけないことが好ましい。また、それぞれの樹脂の軟化点とも関係してその混練温度は40℃以上であることが好ましく、特に50℃以上であることが好ましい。
なお、二種類以上(同種でも構わない)の混練機を用いることより均質に混合できるため好ましい。
このようにして得られた本発明のエポキシ樹脂組成物の成型体は−40〜40℃の間で保管可能であり、特にこの成型体での反応の進行を遅らせるため、−40〜25℃での保管が好ましい。一般にマレイミド樹脂は反応が遅いと言われているが、本発明のエポキシ樹脂組成物においては通常とは異なり反応が速いため、温度管理は重要となる。
なお、本発明に上記ゲルタイム内に成型物のIRチャートを比較した場合、マレイミド樹脂の二重結合部ピークが消失/もしくはほぼ消失しているように見えるレベルに小さくなっている)していることが確認できる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、一般的には二段階で硬化させる。二段階の工程とは、金型内でゲル化成型する一段目の工程、脱型後、後硬化により二段目の反応を行う工程である。
金型にICチップを搭載したリードフレーム、もしくはパッケージ基板等を設置したものを用意し、一般的にはトランスファーモールディング/もしくはコンプレッション成型の手法を用いて金型内で一段目の硬化を行い、脱型した後、二段目で後硬化させる。
具体的には80〜150℃の間で初期硬化を行い、シリコンチップの場合、100℃〜200℃、特に好ましくは150〜180℃、特に好ましくは160〜175℃の間で後硬化を行う。シリコンチップはあまり過度な温度をかけるとチップ自体に負荷がかかりすぎるため悪影響を及ぼすため好ましくない。特に175℃付近までの温度で取り扱うことが好ましい。なお、シリコンカーバイドやチッ化ガリウム等のチップの場合は170〜250℃となる。硬化時間は1〜10時間である。この時、ボイド等ができないようにベント等でガスを抜く、または真空にして空気等の気体を巻き込まないように、ガス対策を講じることが好ましい。このようにして半導体装置を得ることができる。
以下に実施例で用いた各種分析方法について記載する。
エポキシ当量: JIS K 7236 (ISO 3001) に準拠
ICI溶融粘度: JIS K 7117−2 (ISO 3219) に準拠
軟化点: JIS K 7234 に準拠
全塩素: JIS K 7243−3 (ISO 21672−3) に準拠
塩素イオン: JIS K 7243−1 (ISO 21672−1) に準拠
GPC:
カラム(Shodex KF−603、KF−602x2、KF−601x2)
連結溶離液はテトラヒドロフラン
流速は0.5ml/min.
カラム温度は40℃
検出:RI(示差屈折検出器)
ガラス転移点(Tg):
TMA 熱機械測定装置:TAインスツルメンツ TQ400EM
昇温速度:2℃/min.
・吸水率
直径5cm×厚み4mmの円盤状の試験片を100℃の水中で24時間煮沸した後の重量増加率(%)
・吸湿率
直径5cm×厚み4mmの円盤状の試験片を85℃―85%、121℃―100% の各条件下で24時間煮沸した後の重量増加率(%)
<難燃性試験>
・難燃性の判定:UL94に準拠。サンプルサイズは幅12.5mm×長さ150mmとし、厚さは0.8mmで試験を行った。
・残炎時間:5個1組のサンプルに10回接炎したあとの残炎時間の合計
アルミカップを150℃のホットプレート上に載せ予め加温した中にNC−3000L(日本化薬製 フェノールアラルキル型エポキシ樹脂 軟化点52℃)3部を入れ溶融させ、ここにビス(マレイミドフェニル)メタン(ジアミノジフェニルメタンと無水マレイン酸でマレイミド化することで得られる。融点168℃)7部を、少しずつ混ぜながら添加し、添加後、180秒かけて撹拌した後、あらかじめ用意しておいた、SUSプレート上に流し込み、本発明のエポキシ樹脂混合物(EPX−1)を得た。得られた樹脂混合物(EPX−1)は粉状に粉砕した。
得られた樹脂混合物(EPX−1)についてテトラヒドロフランに1%の濃度で溶解したところ問題なく均一に溶解し、淡黄色の液体となった。
また、GPCで確認したところ、それぞれが混在している状態であり、その重合物は1%以下であった。軟化点は128℃(環球法)であり、ICIコーンプレート法による150℃における溶融粘度は0.12Pa・sであった。また得られた樹脂混合物(EPX−1)のエポキシ当量は902g/eq.であった。
アルミカップを180℃のホットプレート上に載せ、予め加温した中にNC−3000L(日本化薬製 フェノールアラルキル型エポキシ樹脂 軟化点52℃)3部を入れ溶融させ、ここにビス(マレイミドフェニル)メタン(ジアミノジフェニルメタンと無水マレイン酸でマレイミド化することで得られる。融点168℃)7部を、少しずつ混ぜながら添加し、添加後、180秒かけて撹拌したところ、徐々に粘度が上昇していくことを確認した。得られた参考用のエポキシ樹脂混合物(EPX−2)についてテトラヒドロフランに1%の濃度で溶解したところ赤みががった薄褐色の溶液で一部溶解せずに白濁しており、ゲル化物が生成していることが確認できた。
50℃と80℃に加温した二本ロールを用いて、NC−3000L(日本化薬製 フェノールアラルキル型エポキシ樹脂 軟化点52℃)150部、ビス(マレイミドフェニル)メタン(ジアミノジフェニルメタンと無水マレイン酸でマレイミド化することで得られる。融点168℃)350部を60秒かけて混練し、板状の混合物(EPX−2)として取り出した。
得られた樹脂混合物(EPX−2)についてテトラヒドロフランに1%の濃度で溶解したところ問題なく均一に溶解し、淡黄色の液体となった。
また、GPCで確認したところ、それぞれが混在している状態であり、その重合物は1%以下であった。軟化点は131℃(環球法)であり、ICIコーンプレート法による150℃における溶融粘度は0.11Pa・sであった。
得られたエポキシ樹脂混合物は粉砕によりフレーク状とした。
実施例1で得られたエポキシ樹脂混合物(EPX−1)ないし比較用のエポキシ樹脂(EP1 : トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂 日本化薬製 EPPN−502H、EP2 : ビフェニル-フェノールアラルキル型エポキシ樹脂 日本化薬製 NC−3000)を、硬化剤(P−1:フェノールノボラック 明和化成工業製 H−1)(P−2: トリスフェノールメタン型フェノール樹脂 日本化薬製 KAYAHARD KTG−105)(P−3:、ビフェニル-フェノールアラルキル型 日本化薬製 KAYAHARD GPH−65)、硬化触媒(硬化促進剤)、無機充填剤、カップリング剤、離型剤を表1の割合(当量)で配合し、ミキシングロールを用いて均一に混合・混練し、エポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物をミキサーにて粉砕し、更にタブレットマシーンにてタブレット化した。このタブレット化されたエポキシ樹脂組成物をトランスファー成型(175℃×60秒)し、更に脱型後160℃×2時間+180℃×6時間の条件で硬化、評価用試験片を得た。試験結果を表1に示す。
Claims (6)
- 二官能以上のエポキシ樹脂(A)と、二官能以上のマレイミド樹脂(B)とを含有するエポキシ樹脂混合物と硬化剤とを含有するエポキシ樹脂組成物であって、
前記エポキシ樹脂(A)がオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレンタイプフェノールアラルキル型エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも一種を含有し、前記の二官能以上のマレイミド樹脂(B)がビス(マレイミドフェニル)メタン、ビス(テトラアルキル置換マレイミドフェニル)メタン、フェノールノボラック型マレイミド樹脂、イソプロピリデンビス(フェノキシフェニルマレイミド)フェニルマレイミドアラルキル樹脂、ビフェニレン型フェニルマレイミドアラルキル樹脂から選ばれる少なくとも一種を含有するものであり、
前記エポキシ樹脂混合物が前記エポキシ樹脂(A)の含有量が樹脂総量に対して10〜90重量%であり、マレイミド樹脂の含有量が10〜90重量%であり、150℃におけるICI溶融粘度(コーンプレート法)が0.01〜0.9Pa・s、環球法における軟化点が50〜160℃であって、
前記エポキシ樹脂混合物と硬化剤とを混合する前に、前記エポキシ樹脂(A)と前記マレイミド樹脂(B)を加熱混合する工程を有するエポキシ樹脂組成物の製造方法。 - 前記エポキシ樹脂組成物が、さらに無機フィラーを含有し、前記エポキシ樹脂混合物と前記無機フィラーの配合量が5:95〜35:65である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
- 前記無機フィラーがシリカ、アルミナから選ばれる少なくとも一種を含有し、かつその組成物において175℃におけるゲルタイムが15秒〜10分である請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
- 前記硬化剤がフェノール樹脂型硬化剤である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
- 前記エポキシ樹脂(A)と前記マレイミド樹脂(B)を50〜160℃の温度領域で加熱混合する請求項1乃至4のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
- 前記エポキシ樹脂(A)と前記マレイミド樹脂(B)をニーダ、ロール混練器のいずれか一種を少なくとも用いて混合する請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
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