JP6373528B2 - レーダ装置 - Google Patents
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Description
MIMOレーダ装置は、複数の送信アンテナから搬送周波数が互いに異なる複数の送信パルスを同時に放射し、複数の受信アンテナが送信パルスの反射波を受信すると、送信パルスを用いて、各々の反射波の受信信号をパルス圧縮しながら合成するMIMOビーム合成を行う。
搬送周波数が互いに異なるパルスの個数がN(Nは2以上の整数)個である場合、N個のパルス圧縮を実施してMIMOビーム合成を行う。
非特許文献1に開示されているパルス圧縮の処理では、送信パルスのレプリカであるリファレンスと受信信号の畳み込み積分が行われている。
パルス圧縮の高速処理が要求される場合、リファレンス及び受信信号をフーリエ変換して、リファレンスのフーリエ変換結果と受信信号のフーリエ変換結果とを掛け算してスペクトル積を求め、そのスペクトル積を逆フーリエ変換するように構成される。
したがって、N個のパルス圧縮が実施される場合には、フーリエ変換及び逆フーリエ変換の実施回数が合計で2×N回になる。
図1はこの発明の実施の形態1によるレーダ装置を示す構成図である。
図1において、MIMOレーダ制御器1はN(Nは2以上の整数)個の送信パルスの搬送周波数、送信パルスの指向方向及び目標に反射された送信パルスの反射波の指向方向を示すビーム指向角、送信パルスを放射する時刻を示すタイミング信号などのレーダ制御情報を出力する。
MIMOレーダ励振器2はMIMOレーダ制御器1から出力されたレーダ制御情報に含まれている搬送周波数にしたがってN個の送信パルスを生成して、N個の送信パルスをMIMOレーダ送信装置4に出力するとともに、そのレーダ制御情報に含まれているタイミング信号をMIMOレーダ送信装置4及びMIMOレーダ受信装置7に出力する。
MIMOレーダ送信装置4はN個の送信機4−1〜4−Nを備えており、送信機4−1〜4−NはMIMOレーダ励振器2から出力された送信パルスを増幅して、増幅後の送信パルスを送信アンテナ5−1〜5−Nに出力する。
送信アンテナ5−1〜5−Nは送信機4−1〜4−Nから出力された送信パルスを空間に放射する。
MIMOレーダ受信装置7はM個の受信機7−1〜7−Mを備えており、受信機7−1〜7−Mは受信アンテナ6−1〜6−Mにより受信された反射波の受信信号を増幅するとともに、その受信信号の周波数をベースバンド帯に周波数変換する。
また、受信機7−1〜7−Mは受信信号をディジタル信号に変換して、ディジタルの受信信号を信号処理器8に出力する。
パルス圧縮部9−1〜9−Mは受信機7−1〜7−Mから出力されたディジタルの受信信号に含まれている目標信号を分離しつつ、MIMOレーダ制御器1から出力されたビーム指向角にしたがってN個の送信パルスを合成しながらパルス圧縮を実施する。
即ち、パルス圧縮部9−1〜9−Mは受信機7−1〜7−Mから出力されたディジタルの受信信号をフーリエ変換して、その受信信号の周波数スペクトルを求める処理を実施する。
また、パルス圧縮部9−1〜9−MはMIMOレーダ制御器1から出力されたビーム指向角及び搬送周波数によって決まるパルス圧縮用のリファレンスと、その受信信号の周波数スペクトルとのスペクトル積を算出して、そのスペクトル積を逆フーリエ変換する処理を実施する。
なお、スペクトル積の逆フーリエ変換結果は、受信ビームとして、パルス圧縮部9−1〜9−Mから受信ビーム合成部10に出力される。
受信ビーム合成部10はMIMOレーダ制御器1から出力されたビーム指向角にしたがって、パルス圧縮部9−1〜9−Mから出力された受信ビームを合成し、その受信ビームの合成信号であるMIMOビームを出力する処理を実施する。
また、図3はこの発明の実施の形態1によるレーダ装置における信号処理器8のハードウェア構成図である。
図2及び図3において、フーリエ変換部11は例えば図3に示すフーリエ変換回路41で実現されるものであり、受信機7−mから出力されたディジタルの受信信号をフーリエ変換して、その受信信号の周波数スペクトルを求める処理を実施する。
リファレンス生成部12は例えば図3に示すリファレンス生成回路42で実現されるものであり、MIMOレーダ制御器1から出力されたビーム指向角及び搬送周波数によって決まるパルス圧縮用のリファレンスを生成する処理を実施する。
逆フーリエ変換部14は例えば図3に示す逆フーリエ変換回路44で実現されるものであり、スペクトル積算出部13により算出されたスペクトル積を逆フーリエ変換し、スペクトル積の逆フーリエ変換結果を受信ビームとして出力する処理を実施する。
なお、受信ビーム合成部10は例えば図3に示す受信ビーム合成回路45で実現される。
ここで、フーリエ変換回路41、リファレンス生成回路42、スペクトル積算出回路43、逆フーリエ変換回路44及び受信ビーム合成回路45は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、または、これらを組み合わせたものが該当する。
ソフトウェアやファームウェアはプログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)などが該当する。
また、コンピュータのメモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性又は揮発性の半導体メモリや、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)などが該当する。
図4はパルス圧縮部9−m(m=1,・・・,M)及び受信ビーム合成部10がソフトウェアやファームウェアなどで実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
図5はパルス圧縮部9−m(m=1,・・・,M)の構成要素及び受信ビーム合成部10がソフトウェアやファームウェアなどで実現される場合の処理手順を示すフローチャートである。
図6において、周波数オフセット部21は送信パルスのレプリカとしてN個のリファレンスが与えられると、MIMOレーダ制御器1から出力された搬送周波数にしたがって複数のオフセットをN個のリファレンスに与えることで、周波数が異なるN個のリファレンスを得る処理を実施する。送信パルスのレプリカとしては、例えば、送信機4−1から出力される送信パルスを用いることができる。
荷重乗算部22は周波数オフセット部21により得られたN個のリファレンスに対して、MIMOレーダ制御器1から出力されたビーム指向角に対応する送信ビームウェイト(荷重)を乗算する処理を実施する。
周波数スペクトル算出部24はリファレンス合成部23により合成されたリファレンスの周波数スペクトルを算出する処理を実施する。
窓関数乗算部25は周波数スペクトル算出部24により算出された周波数スペクトルに対して窓関数を乗算し、窓関数乗算後の周波数スペクトルをパルス圧縮用のリファレンスとしてスペクトル積算出部13に出力する処理を実施する。
図7において、サブバンド毎窓関数乗算部31は周波数スペクトル算出部24により算出された周波数スペクトルの各サブバンドに対して、各サブバンドに対応する窓関数を乗算する第1の窓関数乗算処理部である。
フルバンド窓関数乗算部32はサブバンド毎窓関数乗算部31の出力信号に対して、周波数スペクトル算出部24により算出された周波数スペクトルの全体に対応する窓関数を乗算する第2の窓関数乗算処理部である。
図7の例では、サブバンド毎窓関数乗算部31がフルバンド窓関数乗算部32の前段に設けられているが、サブバンド毎窓関数乗算部31がフルバンド窓関数乗算部32の後段に設けられているものであってもよい。
MIMOレーダ制御器1は、下記の式(1)に示すように、波長がλである基準搬送周波数f0 (RF)に対して、周波数オフセット値Δfn(n=1,・・・,N)をそれぞれ加算することで、N個の送信パルスの搬送周波数fn (RF)(n=1,・・・,N)を決定する。
そして、MIMOレーダ制御器1は、N個の送信パルスの搬送周波数fn (RF)、送信パルスの指向方向及び目標に反射された送信パルスの反射波の指向方向を示すビーム指向角θb、送信パルスを放射する時刻を示すタイミング信号などのレーダ制御情報をMIMOレーダ励振器2及び信号処理器8に出力する。
式(2)において、r(t)は複素線形周波数変調が施されたパルスである。
この実施の形態1では、目標に反射された送信パルスの反射波である反射パルスに対してコヒーレント積分を行う期間(CPI:Coherent Processing Interval)中にH個のパルスの送受信が行われることを想定している。
ただし、パルス繰返し周期PRI(Pulse Repetition Interval)は等間隔であり、tは観測時刻である。
式(3)において、R0は送信アンテナ5−1〜5−N及び受信アンテナ6−1〜6−Mにおける中心位置から空間に存在している目標までの距離、θ0はアレーノーマルを基準とする目標方位、dn (TX)は上記の中心位置を基準とする送信アンテナ5−nの位置、dm (RX)は上記の中心位置を基準とする受信アンテナ6−mの位置、cは光速である。
これにより、送信アンテナ5−1〜5−NからN個の送信パルスPn (TX)(n=1,・・・,N)が空間に放射される。
MIMOレーダ受信装置7の受信機7−m(m=1,・・・,M)は、受信アンテナ6−mにより受信された反射パルスPm (RX)の受信信号を増幅するとともに、その受信信号の周波数をベースバンド帯に周波数変換する。
また、受信機7−mは、その受信信号をディジタル信号に変換して、ディジタルの受信信号を信号処理器8に出力する。
明細書の文章中では、電子出願の関係上、文字“s”の上に“−”の記号を付することができないので、“sバー”のように表記している。
式(4)において、TPRIはパルス繰返し周期PRI、fdはラジアル速度v0の目標信号によるドップラ周波数である。ここでは説明の簡単化のために、距離減衰等による振幅は省略している。
また、送信パルスと反射パルスの送受信行路差については、基準搬送周波数f0 (RF)の波長λを用いると、下記の式(6)(7)の差分で表される。
このため、式(4)で表されている目標信号sバーn,m(t)は、下記の式(8)のようになる。
式(10)において、Δtはサンプリング間隔であり、Δt<TPRIである。
また、l=1,・・・,Lはレンジビン番号であり、l’=l−1である。
式(11)における“l”に関する項、即ち、下記の式(12)に示す項の周波数スペクトルは、下記の式(13)のようになる。
ただし、R(fl)はr(l’Δt)の周波数スペクトル成分を表し、rn (fd)(R0)は下記の式(14)のように表される。
ここでは、簡単の簡単化のために目標の数が1であるとするが、一般には様々な方位やドップラ周波数を有する複数の目標信号が受信される。
以下、パルス圧縮部9−m(m=1,・・・,M)の処理内容を具体的に説明する。
式(17)では、ヒット方向での位相回転がexp(j2π(Δfn+fd)h’TPRI)となる点には注意が必要である。これはRF帯の目標信号を基準搬送周波数f0 (RF)で周波数変換することによるものである。
式(18)において、wwinはレンジサイドローブ低減用の窓関数ベクトルである。また、an (TXb)はアレーノーマルを基準とするビーム指向角θbに関する成分である。
リファレンス生成部12の周波数オフセット部21は、送信パルスのレプリカとしてN個のリファレンスRが与えられると、MIMOレーダ制御器1から出力された搬送周波数fn (RF)にしたがって異なるオフセットをN個のリファレンスに与えることで、周波数が異なる複数のリファレンスを得る。
荷重乗算部22から出力されるN個のリファレンスは、下記の式(20)のように表される。
(n=1,・・・,N)
ビーム指向角θbに対応する送信ビームウェイトは、例えば、荷重乗算部22の内部メモリに記憶されている。具体的には、例えば、ビーム指向角θbが20度に対応する送信ビームウェイトや、ビーム指向角θbが30度に対応する送信ビームウェイトなどがN個ずつ記憶されている。
リファレンス生成部12の窓関数乗算部25は、周波数スペクトル算出部24からリファレンスの周波数スペクトルを受けると、その周波数スペクトルに対してレンジサイドローブ低減用の窓関数ベクトルwwinを乗算し、その窓関数ベクトルwwinを乗算した周波数スペクトルを式(18)に示すパルス圧縮用のリファレンスとしてスペクトル積算出部13に出力する。
リファレンス合成部23から出力された合成後のリファレンスは、N個のリファレンスが合成されたものであり、N個のリファレンスの周波数スペクトルは、周波数軸上で、周波数オフセット部21により与えられたオフセットだけ離れている。
以降、N個のリファレンスが占有している帯域のそれぞれをサブバンド#n(n=1,・・・,N)と称し、サブバンド#nの周波数スペクトルをサブバンドスペクトル#nと称する。
窓関数乗算部25では、レンジサイドローブ低減用の窓関数ベクトルwwinとして、サブバンドスペクトル#n毎の窓関数ベクトルwn (sub)と、合成後のリファレンスが占有する周波数全体に対する窓関数ベクトルw(full)とが設定されている。
下記の式(22)は、レンジサイドローブ低減用の窓関数ベクトルwwinと、窓関数ベクトルwn (sub)及び窓関数ベクトルw(full)との関係を示している。
これにより、サブバンド毎の窓関数による相互相関レンジサイドローブを低減しながら、低いレンジサイドローブ特性を備えるパルス圧縮が得られる。
即ち、サブバンド毎窓関数乗算部31は、各々のサブバンドスペクトル#n(n=1,・・・,N)に対して窓関数ベクトルwn (sub)をそれぞれ乗算し、それぞれの乗算結果の和を出力する。
仮に、N=4であるとき、例えば、サブバンドスペクトル#2については窓関数ベクトルw2 (sub)が乗算される。これにより、サブバンドスペクトル#2は窓関数ベクトルw2 (sub)が乗算された値になり、サブバンドスペクトル#1,#3,#4は概ね0の値になる。
また、例えば、サブバンドスペクトル#3については窓関数ベクトルw3 (sub)が乗算される。これにより、サブバンドスペクトル#3は窓関数ベクトルw3 (sub)が乗算された値になり、サブバンドスペクトル#1,#2,#4は概ね0の値になる。
窓関数乗算部25のフルバンド窓関数乗算部32は、サブバンド毎窓関数乗算部31の出力信号の全体に窓関数を乗算する。
即ち、フルバンド窓関数乗算部32は、サブバンドスペクトル#1〜#Nの全体に窓関数ベクトルw(full)を乗算する。
以降では、説明の簡単化のために、周波数スペクトルx’m (h)に含まれている雑音nm’を無視する。周波数スペクトルx’m (h)に含まれている雑音nm’を無視すると、式(23)に示すスペクトル積xm (θb,h)は、下記の式(24)のようになる。
式(25)が成り立てば、式(24)に示すスペクトル積xm (θb,h)は、下記の式(26)のようになる。
以降では、Δθ≠0の場合をオフボアサイト目標、Δθ=0の場合をオンボアサイト目標と称する。
明細書の文章中では、電子出願の関係上、文字“a”の上に“〜”の記号を付することができないので、“aチルダ”のように表記している。
式(29)において、Dn(fd)は下記の式(30)に示すドップラ周波数fdに関する対角行列であり、a(R0)は下記の式(31)に示すように距離R0に関するステアリングベクトルである。
式(32)に示すスペクトル積xm (θb,h)は、スペクトル積におけるベクトル表現の一般形であり、スペクトル積算出部13の出力になる。
この実施の形態1では、ドップラ周波数fd及び目標方位θ0に関して下記の式(33)が成立するものとする。
式(34)において、a(R0)の位相は周波数サンプル方向flに対し、距離R0に応じたリニアな変化を示しており、スペクトル積xm (θb,h)の位相も同様にリニアに変化している。したがって、逆フーリエ変換により、窓関数wwin付の送信ビーム合成とパルス圧縮が同時に行われることが分かる。
したがって、送信ビームの合成出力zm (θb)(R)は、下記の式(36)のようになる。
このとき、式(36)では、送信ビーム方位に関して同相化された成分の和も同時に求めており、送信ビームの合成も行っている。
実装時は、式(36)の算出では、逆フーリエ変換を利用してレンジビン毎に求められる。レンジビン毎に求められた式(36)の算出結果が、逆フーリエ変換部14の出力信号となる。
即ち、パルス圧縮部9−mでは、1回のフーリエ変換と1回の逆フーリエ変換を行うだけで、受信ビーム合成部10がMIMOビームを生成することができるため、演算規模を低減することができる。
上記実施の形態1では、パルス圧縮部9−m(m=1,・・・,M)が、フーリエ変換部11と、リファレンス生成部12と、スペクトル積算出部13と、逆フーリエ変換部14とを備えている例を示したが、この実施の形態2では、図8に示すように、パルス圧縮部9−m(m=1,・・・,M)が、フーリエ変換部11と、リファレンス生成部61と、スペクトル積算出部62−1〜62−Nと、逆フーリエ変換部63−1〜63−Nと、受信ビーム出力部64とを備えているものであってもよい。
また、図9はこの発明の実施の形態2によるレーダ装置における信号処理器8のハードウェア構成図である。
図8及び図9において、図2及び図3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
リファレンス生成部61は例えば図9に示すリファレンス生成回路71で実現されるものであり、受信信号の周波数スペクトルが存在しているサブバンド#n(n=1,・・・,N)別に、MIMOレーダ制御器1から出力された搬送周波数によって決まるパルス圧縮用のリファレンスを生成する処理を実施する。
逆フーリエ変換部63−n(n=1,・・・,N)は例えば図9に示す逆フーリエ変換回路73で実現されるものであり、スペクトル積算出部62−nにより算出されたスペクトル積を逆フーリエ変換する処理を実施する。
受信ビーム出力部64は例えば図9に示す受信ビーム出力回路74で実現されるものであり、MIMOレーダ制御器1から出力されたビーム指向角にしたがって逆フーリエ変換部63−1〜63−Nによる逆フーリエ変換結果を合成し、その合成した逆フーリエ変換結果を受信ビームとして受信ビーム合成部10に出力する処理を実施する。
ここで、フーリエ変換回路41、リファレンス生成回路71、スペクトル積算出回路72、逆フーリエ変換回路73、受信ビーム出力回路74及び受信ビーム合成回路45は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、または、これらを組み合わせたものが該当する。
パルス圧縮部9−mの構成要素及び受信ビーム合成部10がソフトウェアやファームウェアなどで実現される場合、フーリエ変換部11、リファレンス生成部61、スペクトル積算出部62−1〜62−N、逆フーリエ変換部63−1〜63−N、受信ビーム出力部64及び受信ビーム合成部10の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを図4に示すメモリ51に格納し、コンピュータのプロセッサ52がメモリ51に格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
リファレンス合成部81は周波数オフセット部21により得られたN個のリファレンスを合成する処理を実施する。
周波数スペクトル算出部82はリファレンス合成部81により合成されたリファレンスの周波数スペクトルを算出する処理を実施する。
窓関数乗算部83−n(n=1,・・・,N)は周波数スペクトル算出部82により算出された周波数スペクトルにおける複数のサブバンドのスペクトル成分のうち、サブバンド#n(n=1,・・・,N)におけるスペクトル成分に対して窓関数を乗算し、窓関数乗算後のスペクトル成分をサブバンド#nにおけるパルス圧縮用のリファレンスとしてスペクトル積算出部62−n(n=1,・・・,N)に出力する処理を実施する。
図11において、サブバンド窓関数乗算部91は周波数スペクトル算出部82により算出された周波数スペクトルにおける複数のサブバンドのスペクトル成分のうち、サブバンド#n(n=1,・・・,N)におけるスペクトル成分に対して、サブバンド#nに対応する窓関数を乗算する第1の窓関数乗算処理部である。
フルバンド窓関数乗算部92はサブバンド窓関数乗算部91の出力信号に対して、周波数スペクトル算出部82により算出された周波数スペクトルの全体に対応する窓関数を乗算する第2の窓関数乗算処理部である。
図11の例では、サブバンド窓関数乗算部91がフルバンド窓関数乗算部92の前段に設けられているが、サブバンド窓関数乗算部91がフルバンド窓関数乗算部92の後段に設けられているものであってもよい。
パルス圧縮部9−m(m=1,・・・,M)以外は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは主にパルス圧縮部9−mの処理内容を説明する。
パルス圧縮部9−m(m=1,・・・,M)のフーリエ変換部11は、受信機7−mからディジタルの受信信号xm[l,h]を受けると、上記実施の形態1と同様に、その受信信号xm[l,h]を離散フーリエ変換することで、上記の式(17)に示すような受信信号xm[l,h]の周波数スペクトルx’m (h)を求め、その周波数スペクトルx’m (h)をスペクトル積算出部62−1〜62−Nに出力する。
式(38)において、wwin (n)はサブバンド#nにおけるレンジサイドローブ低減用の窓関数ベクトルであり、サブバンド#n以外のサブバンドでは0とみなされる。
なお、サブバンド#1〜#Nにおけるパルス圧縮用のリファレンスは、上記実施の形態1における式(18)に示すパルス圧縮用のリファレンスと比べて、ビーム指向角θbに関する成分an (TXb)が含まれていない点で相違している。
リファレンス生成部61の周波数オフセット部21は、送信パルスのレプリカとしてN個のリファレンスRが与えられると、MIMOレーダ制御器1から出力された搬送周波数fn (RF)にしたがって異なるオフセットをN個のリファレンスに与えることで、周波数が異なる複数のリファレンスを得る。
リファレンス生成部61の周波数スペクトル算出部82は、リファレンス合成部81から合成後のリファレンスを受けると、そのリファレンスの周波数スペクトルを算出し、そのリファレンスの周波数スペクトルを窓関数乗算部83−1〜83−Nに出力する。
窓関数乗算部83−n(n=1,・・・,N)は、周波数スペクトル算出部82からリファレンスの周波数スペクトルを受けると、その周波数スペクトルにおける複数のサブバンドのスペクトル成分のうち、サブバンド#nにおけるスペクトル成分に対して、サブバンド#nにおけるレンジサイドローブ低減用の窓関数ベクトルwwin (n)を乗算し、窓関数乗算後のスペクトル成分を式(38)に示すサブバンド#nにおけるパルス圧縮用のリファレンスとしてスペクトル積算出部62−nに出力する。
リファレンス合成部81から出力された合成後のリファレンスは、N個のリファレンスが合成されたものであり、N個のリファレンスの周波数スペクトルは、周波数軸上で、周波数オフセット部21により与えられたオフセットだけ離れている。
窓関数乗算部83−n(n=1,・・・,N)では、サブバンド#nにおけるレンジサイドローブ低減用の窓関数ベクトルwwin (n)として、サブバンドスペクトル#nの窓関数ベクトルwn (sub)と、合成後のリファレンスが占有する周波数全体に対する窓関数ベクトルw(full)とが設定されている。
下記の式(40)は、レンジサイドローブ低減用の窓関数ベクトルwwin (n)と、窓関数ベクトルwn (sub)及び窓関数ベクトルw(full)との関係を示している。
これにより、サブバンドの窓関数による相互相関レンジサイドローブを低減しながら、低いレンジサイドローブ特性を備えるパルス圧縮が得られる。
即ち、サブバンド窓関数乗算部91は、サブバンドスペクトル#n(n=1,・・・,N)に対してサブバンドスペクトル#nの窓関数ベクトルwn (sub)を乗算する。
仮に、N=4であるとき、例えば、サブバンドスペクトル#2については窓関数ベクトルw2 (sub)が乗算される。これにより、サブバンドスペクトル#2は窓関数ベクトルw2 (sub)が乗算された値になり、サブバンドスペクトル#1,#3,#4は概ね0の値になる。
窓関数乗算部83−n(n=1,・・・,N)のフルバンド窓関数乗算部92は、サブバンド窓関数乗算部91の出力信号の全体に窓関数を乗算する。
即ち、フルバンド窓関数乗算部92は、サブバンドスペクトル#1〜#Nの全体に窓関数ベクトルw(full)を乗算する。
説明の簡単化のために、周波数スペクトルx’m (h)に含まれている雑音nm’を無視すると、スペクトル積xn,m (θb,h)は、下記の式(41)のように表される。
この実施の形態2でも、上記実施の形態1と同様に、ドップラ周波数fdに関して下記の式(42)が成立するものとする。
このとき、式(41)に示すスペクトル積xn,m (θb,h)は、下記の式(43)のようになる。
式(43)において、a(R0)の位相は周波数サンプル方向flに対し、距離R0に応じたリニアな変化を示しており、スペクトル積xn,m (θb,h)の位相も同様にリニアに変化している。したがって、逆フーリエ変換により、窓関数wwin (n)付の送信ビーム合成とパルス圧縮が同時に行われることが分かる。
したがって、サブバンドパルスの圧縮出力yn,m (θb)(R)は、下記の式(44)のようになる。
実装時は、式(44)の算出では、逆フーリエ変換を利用してレンジビン毎に求められる。レンジビン毎に求められた式(44)の算出結果が、逆フーリエ変換部63−nの出力信号となる。
式(45)において、送信ステアリングベクトルa(TXb)は、下記の式(46)のように表される。
式(47)において、C(R)は目標までの距離に依存する行列であり、MIMOレーダ制御1から、固定的あるいは適応的に与えられるものとする。
式(48)では、a(TXb)とa(TX)が線形結合しているため、送信ビームを合成していることが明らかである。また、式(48)には、C(R)が含まれているため、レンジ依存の送信ビーム合成となっている。
即ち、パルス圧縮部9−mでは、1回のフーリエ変換とN回の逆フーリエ変換を行うだけで、受信ビーム合成部10がMIMOビームを生成することができるため、演算規模を低減することができる。
上記実施の形態2では、リファレンス生成部61が、周波数オフセット部21、リファレンス合成部81、周波数スペクトル算出部82及び窓関数乗算部83−1〜83−Nを備えているものを示したが、この実施の形態3では、図12に示すように、リファレンス生成部61が、周波数オフセット部21、周波数スペクトル算出部101−1〜101−N及び窓関数乗算部102−1〜102−Nを備えているものであってもよい。
周波数スペクトル算出部101−n(n=1,・・・,N)は周波数オフセット部21により得られたN個のリファレンスのうち、1つのリファレンスをフーリエ変換することで、1つのリファレンスの周波数スペクトルを算出する処理を実施する。
窓関数乗算部102−n(n=1,・・・,N)は周波数スペクトル算出部101−nにより算出された周波数スペクトルにおける複数のサブバンドのスペクトル成分のうち、サブバンド#nにおけるスペクトル成分に対して窓関数を乗算し、窓関数乗算後のスペクトル成分をサブバンド#nにおけるパルス圧縮用のリファレンスとしてスペクトル積算出部62−n(n=1,・・・,N)に出力する処理を実施する。
図13において、サブバンド窓関数乗算部111は周波数スペクトル算出部101−n(n=1,・・・,N)により算出された周波数スペクトルにおける複数のサブバンドのスペクトル成分のうち、サブバンド#nにおけるスペクトル成分に対して、サブバンド#nに対応する窓関数を乗算する第1の窓関数乗算処理部である。
フルバンド窓関数乗算部112はサブバンド窓関数乗算部111の出力信号に対して、周波数スペクトル算出部101−nにより算出された周波数スペクトルの全体に対応する窓関数を乗算する第2の窓関数乗算処理部である。
図13の例では、サブバンド窓関数乗算部111がフルバンド窓関数乗算部112の前段に設けられているが、サブバンド窓関数乗算部111がフルバンド窓関数乗算部112の後段に設けられているものであってもよい。
リファレンス生成部61以外は、上記実施の形態2と同様であるため、ここではリファレンス生成部61の処理内容を説明する。
リファレンス生成部61の周波数オフセット部21は、送信パルスのレプリカとしてN個のリファレンスRが与えられると、上記実施の形態2と同様に、MIMOレーダ制御器1から出力された搬送周波数fn (RF)にしたがって異なるオフセットをN個のリファレンスに与えることで、周波数が異なる複数のリファレンスを得る。
即ち、周波数スペクトル算出部101−1〜101−Nは、互いに異なるオフセットが与えられているリファレンスをフーリエ変換することで、当該リファレンスの周波数スペクトルを算出する。
即ち、サブバンド窓関数乗算部111は、サブバンドスペクトル#n(n=1,・・・,N)に対してサブバンドスペクトル#nの窓関数ベクトルwn (sub)を乗算する。
仮に、N=4であるとき、例えば、サブバンドスペクトル#2については窓関数ベクトルw2 (sub)が乗算される。これにより、サブバンドスペクトル#2は窓関数ベクトルw2 (sub)が乗算された値になり、サブバンドスペクトル#1,#3,#4は概ね0の値になる。
窓関数乗算部102−n(n=1,・・・,N)のフルバンド窓関数乗算部112は、サブバンド窓関数乗算部111の出力信号の全体に窓関数を乗算する。
即ち、フルバンド窓関数乗算部112は、サブバンドスペクトル#1〜#Nの全体に窓関数ベクトルw(full)を乗算する。
この実施の形態3では、上記実施の形態2のように、N個のリファレンスを合成する必要がないため、上記実施の形態2よりも、構成の簡略化を図ることができる。
上記実施の形態1〜3では、受信機7−m(m=1,・・・,M)からディジタルの受信信号xm[l,h]がパルス圧縮部9−mに出力されるものを示したが、この実施の形態4では、受信機7−m(m=1,・・・,M)とパルス圧縮部9−mの間に、パルスドップラフィルタと複数のドップラ補償部が設けられているものについて説明する。
パルスドップラフィルタ121は例えば離散フーリエ変換を行うフィルタ回路で実現されるものであり、送信アンテナ5−1〜5−Nから放射される送信パルスのパルス繰返し周期PRI毎に、受信機7−m(m=1,・・・,M)から出力された受信信号xm[l,h]を複数回サンプリングして、受信信号xm[l,h]のドップラスペクトルを求める処理を実施する。
なお、受信機7−m(m=1,・・・,M)とパルス圧縮部9−mの間に設けられるパルスドップラフィルタ121及びドップラ補償部122−1〜122−Hは、信号処理器8の内部に実装されていてもよいし、信号処理器8の外部に設けられていてもよい。
パルスドップラフィルタ121及びドップラ補償部122−1〜122−H以外は、上記実施の形態1〜3と同様であるため、ここでは、パルスドップラフィルタ121及びドップラ補償部122−1〜122−Hの処理内容について説明する。
この実施の形態4では、特にドップラ周波数fdに関して式(33)が成立しない場合の対策を開示する。
目標のドップラ周波数fdは一般的に未知であるため、パルス圧縮部9−m(m=1,・・・,M)の前段にパルスドップラフィルタ121が設けられており、パルスドップラフィルタ121によって、受信機7−mから出力された受信信号xm[l,h]のドップラスペクトルが求められる。即ち、受信機7−mから出力された受信信号xm[l,h]はH個の解析ドップラ周波数であるドップラスペクトル成分#h(h=1,・・・,H)に分離される。
ドップラ補償部122−h(h=1,・・・,H)では、H個の解析ドップラ周波数であるドップラスペクトル成分#1〜#Hのうち、ドップラスペクトル成分#hに基づく受信信号xm[l,h]のドップラ補償が実施され、ドップラ補償後の受信信号がパルス圧縮部9−m(m=1,・・・,M)に出力される。
パルス圧縮前の受信信号xm[l,h]は、上記の式(16)で表され、説明の簡単化のために受信機雑音nm[l,h]を無視すれば、上記の式(11)を用いると、パルス圧縮前の受信信号xm[l,h]は、下記の式(50)のように表される。
TPRIの逆数はパルス繰返し周波数fPRIであり、レーダ装置では、fd>fPRIとなるため、ドップラ周波数fdが折返す状況が発生する場合がある。
ドップラ周波数fdが折返すドップラ周波数をfd (fold)とすると、ドップラ周波数fdは、下記の式(51)のように表される。ただし、iは整数であり、折返し回数を表している。
この折返しは、N個の周波数オフセット値Δfn(n=1,・・・,N)についても同様に発生するので、周波数オフセット値Δfnは、下記の式(52)のように表される。ただし、jnは整数であり、折返し回数を表している。
また、パルスドップラフィルタ121を構成するH個のフィルタの中心周波数、即ち、解析ドップラ周波数であるfhは、下記の式(55)のように表される。
以下、h0は目標信号を含む解析ドップラビンであり、目標ドップラビンと称する。そして、fPRI/Hをドップラ分解能であるとすると、下記の式(56)に示す関係が成立する。
ドップラ補償部122−h(h=1,・・・,H)では、ドップラ補償パラメータc(h0)(l)がドップラスペクトル[ym (l)]h0に乗算されることで、ドップラスペクトル[ym (l)]h0におけるレンジ方向のドップラ周波数成分exp(j2πfdl’Δt)の補償が実現される。
補償後ドップラ周波数Δfdがドップラ分解能fPRI/H以下であり、十分に小さい状況下では、ドップラ補償がなされたことになる。
一方、i≠0である折返しありの場合の補償後ドップラ周波数Δfdは、fd (fold)−fh0については十分に小さくなる。ただし、補償しきれないドップラ周波数成分i・fPRIが残留する。
したがって、ドップラ補償を行っても、十分な補償効果を期待できない場合もあるため、この実施の形態4におけるドップラ補償は、折返しが発生していないレーダ装置、あるいは、折返しの発生が稀なレーダ装置での適用が望ましい。
以降では、式(59)によるc(h0)(l)・[ym (l)]h0が式(16)に示す受信信号xm[l,h]としてパルス圧縮が実施される。
即ち、ドップラ補償部122−h(h=1,・・・,H)から式(59)によるc(h0)(l)・[ym (l)]h0が、式(16)に示す受信信号xm[l,h]としてパルス圧縮部9−mに出力される。
これにより、パルス圧縮部9−mが、例えば、上記実施の形態1と同様の処理を実施する場合、式(36)に示す送信ビームの合成出力zm (θb)(R)に相当するドップラ補償後の送信ビームの合成出力zm (θb)(R)が得られる。
なお、実際には、目標のドップラ周波数fdは未知であるから、全ての解析ドップラビンの出力c(h)(l)・[ym (l)]hについて、上記のドップラ補償が行われる。
Claims (12)
- 搬送周波数が異なる複数の送信パルスを空間に放射するパルス放射部と、
前記パルス放射部から放射されたのち、空間に存在する目標に反射された前記送信パルスの反射波を受信する複数のアンテナと、
前記複数のアンテナにより受信された反射波の受信信号を出力する複数の受信機と、
前記受信機から出力された受信信号をフーリエ変換して、前記受信信号の周波数スペクトルを求め、前記送信パルスの指向方向を示すビーム指向角及び前記搬送周波数から決まるパルス圧縮用のリファレンスと前記周波数スペクトルとのスペクトル積を算出して、前記スペクトル積を逆フーリエ変換する複数のパルス圧縮部と、
前記ビーム指向角にしたがって前記複数のパルス圧縮部により逆フーリエ変換されたスペクトル積である受信ビームを合成する受信ビーム合成部と
を備えたレーダ装置。 - 前記パルス圧縮部は、
前記受信機から出力された受信信号をフーリエ変換して、前記受信信号の周波数スペクトルを求めるフーリエ変換部と、
前記ビーム指向角及び前記搬送周波数から決まるパルス圧縮用のリファレンスを生成するリファレンス生成部と、
前記フーリエ変換部により求められた周波数スペクトルと前記リファレンス生成部により生成されたリファレンスとのスペクトル積を算出するスペクトル積算出部と、
前記スペクトル積算出部により算出されたスペクトル積を逆フーリエ変換し、前記スペクトル積の逆フーリエ変換結果を前記受信ビームとして出力する逆フーリエ変換部とを備えていることを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。 - 前記リファレンス生成部は、
送信パルスのレプリカに対して、前記搬送周波数にしたがって複数のオフセットをそれぞれ与えることで、周波数が異なる複数のリファレンスを得る周波数オフセット部と、
前記周波数オフセット部により得られた複数のリファレンスに対して、前記ビーム指向角に対応する荷重を乗算する荷重乗算部と、
前記荷重乗算部により荷重が乗算された複数のリファレンスを合成するリファレンス合成部と、
前記リファレンス合成部により合成されたリファレンスの周波数スペクトルを算出する周波数スペクトル算出部と、
前記周波数スペクトル算出部により算出された周波数スペクトルに対して窓関数を乗算し、窓関数乗算後の周波数スペクトルを前記パルス圧縮用のリファレンスとして前記スペクトル積算出部に出力する窓関数乗算部とを備えていることを特徴とする請求項2記載のレーダ装置。 - 前記窓関数乗算部は、
前記周波数スペクトル算出部により算出された周波数スペクトルの各サブバンドに対して、各サブバンドに対応する窓関数を乗算する第1の窓関数乗算処理部と、
前記周波数スペクトル算出部により算出された周波数スペクトルに対して、当該周波数スペクトルの全体に対応する窓関数を乗算する第2の窓関数乗算処理部とを備えていることを特徴とする請求項3記載のレーダ装置。 - 前記パルス圧縮部は、
前記受信機から出力された受信信号をフーリエ変換して、前記受信信号の周波数スペクトルを求めるフーリエ変換部と、
前記受信信号の周波数スペクトルにおけるサブバンド別に、前記搬送周波数から決まるパルス圧縮用のリファレンスを生成するリファレンス生成部と、
前記フーリエ変換部により求められた周波数スペクトルにおける複数のサブバンドのスペクトル成分のうち、1つのサブバンドにおけるスペクトル成分と前記リファレンス生成部により生成された前記1つのサブバンドのリファレンスとのスペクトル積を算出する複数のスペクトル積算出部と、
前記スペクトル積算出部により算出されたスペクトル積を逆フーリエ変換する複数の逆フーリエ変換部と、
前記ビーム指向角にしたがって前記複数の逆フーリエ変換部による逆フーリエ変換結果を合成し、前記合成した逆フーリエ変換結果を前記受信ビームとして出力する受信ビーム出力部とを備えていることを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。 - 前記リファレンス生成部は、
送信パルスのレプリカに対して、前記搬送周波数にしたがって複数のオフセットをそれぞれ与えることで、周波数が異なる複数のリファレンスを得る周波数オフセット部と、
前記周波数オフセット部により得られた複数のリファレンスを合成するリファレンス合成部と、
前記リファレンス合成部により合成されたリファレンスの周波数スペクトルを算出する周波数スペクトル算出部と、
前記周波数スペクトル算出部により算出された周波数スペクトルにおける複数のサブバンドのスペクトル成分のうち、1つのサブバンドにおけるスペクトル成分に対して窓関数を乗算し、窓関数乗算後の周波数スペクトルを前記1つのサブバンドのリファレンスとして出力する複数の窓関数乗算部とを備えていることを特徴とする請求項5記載のレーダ装置。 - 前記窓関数乗算部は、
前記周波数スペクトル算出部により算出された周波数スペクトルにおける複数のサブバンドのスペクトル成分のうち、1つのサブバンドにおけるスペクトル成分に対して、当該サブバンドに対応する窓関数を乗算する第1の窓関数乗算処理部と、
前記周波数スペクトル算出部により算出された周波数スペクトルに対して、当該周波数スペクトルの全体に対応する窓関数を乗算する第2の窓関数乗算処理部とを備えていることを特徴とする請求項6記載のレーダ装置。 - 前記リファレンス生成部は、
送信パルスのレプリカに対して、前記搬送周波数にしたがって複数のオフセットをそれぞれ与えることで、周波数が異なる複数のリファレンスを得る周波数オフセット部と、
前記周波数オフセット部により得られた複数のリファレンスのうち、1つのリファレンスの周波数スペクトルを算出する複数の周波数スペクトル算出部と、
前記周波数スペクトル算出部により算出された周波数スペクトルにおける複数のサブバンドのスペクトル成分のうち、1つのサブバンドにおけるスペクトル成分に対して窓関数を乗算し、窓関数乗算後の周波数スペクトルを前記1つのサブバンドのリファレンスとして出力する複数の窓関数乗算部とを備えていることを特徴とする請求項5記載のレーダ装置。 - 前記窓関数乗算部は、
前記周波数スペクトル算出部により算出された周波数スペクトルにおける複数のサブバンドのスペクトル成分のうち、1つのサブバンドにおけるスペクトル成分に対して、当該サブバンドに対応する窓関数を乗算する第1の窓関数乗算処理部と、
前記周波数スペクトル算出部により算出された周波数スペクトルに対して、当該周波数スペクトルの全体に対応する窓関数を乗算する第2の窓関数乗算処理部とを備えていることを特徴とする請求項8記載のレーダ装置。 - 前記パルス放射部から放射される送信パルスのパルス繰返し周期毎に、前記受信機から出力された受信信号を複数回サンプリングして、前記受信信号のドップラスペクトルを求めるパルスドップラフィルタと、
前記パルスドップラフィルタにより求められたドップラスペクトルにおける複数のドップラスペクトル成分のうち、いずれかのドップラスペクトル成分による前記受信信号のドップラ補償を実施し、ドップラ補償後の受信信号を前記パルス圧縮部に出力する複数のドップラ補償部とを備えたことを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。 - 前記パルス放射部は、搬送周波数が異なる複数の送信パルスとして、複素線形周波数変調が施されているパルスを空間に放射することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
- 前記パルス放射部は、搬送周波数が異なる複数の送信パルスとして、非線形周波数変調が施されているパルスを空間に放射することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
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