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JP6256209B2 - 自動二輪車のマフラー構造 - Google Patents

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JP6256209B2 JP2014115919A JP2014115919A JP6256209B2 JP 6256209 B2 JP6256209 B2 JP 6256209B2 JP 2014115919 A JP2014115919 A JP 2014115919A JP 2014115919 A JP2014115919 A JP 2014115919A JP 6256209 B2 JP6256209 B2 JP 6256209B2
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Description

本発明は、自動二輪車のマフラー構造に関する。
自動二輪車は、エンジンやエンジン排気系が外部に露出しているため、外観が重要視される自動二輪車のエンジン排気系では、エキゾーストパイブに接続されるマフラーは表面をメッキ処理して美感を向上させている。
自動二輪車のマフラーには、メッキ処理が容易な鉄系材料が使用されるが、鉄系材料のマフラーでは、内筒が錆び易く、マフラー水抜き穴から錆を含んだ水が出て、穴出口周辺を汚したり、痕跡が残り、例えばスタンド等が汚れる問題が発生している。
この汚れ防止対策として自動二輪車のマフラーでは、マフラーボディ内面に防錆塗料を用いて防錆処理を施す技術が特許文献1に記載されている。しかし、マフラーは消音のため、マフラーボディ内を複数の膨張室に区画し、複雑な内部構造となっている。このため、マフラー内の防錆処理には、特殊な内面塗装設備が要求される。
自動二輪車のマフラー構造においては、マフラー内を防錆塗料を用いた内面塗装では、防錆塗装液をマフラーボディ内に注入することにより行なわれる。防錆塗装液は塗装後に排出処理しており、塗装液をマフラーボディから抜くために、塗料抜き通路が必要となる。
一方、防錆塗装液はメッキ液に比べ粘性が大きいため、メッキ液抜き穴では粘性の大きな塗装液を充分に抜くことができない。このため、従来のマフラーは、図9に示すように、マフラーボディ1を外筒2と内筒3とから二重筒構造とし、内筒3内を複数の膨張室4a,4b,4cに仕切るバッフルプレート5のメッキ液抜き穴6の穴径を大きくしたり、塗料抜き用切欠7を設けて、マフラーの内筒3内に塗料抜き通路を構成している。また、マフラーの外筒2と内筒3との間にはグラスウール等が充填され、防音構造に構成される。
特開昭62−91614号公報 特開平11−247647号公報
従来の自動二輪車のマフラー構造では、メッキ液抜き孔を大径孔(例えば10mmφ)に拡孔して塗装抜き通路を兼ねたり、また、バッフルプレート5に塗料抜き用切欠7を設けて塗料抜き通路を構成しているため、排気の一部にショートカットによる漏れが生じて、排気騒音の増加や排気音質が悪化してしまう。このため、高級感のある軟らかい音色の排気音にすることが困難であった。
さらに、外筒2と内筒3との間のアニュラス空間9には防錆塗装液の流入や排出が難しかったり、特にアニュラス空間9にグラスウール等を充填させたものでは塗装液の排出が困難であった。
また、特許文献1および2に記載の自動二輪車用マフラー構造では、マフラーの流入側第1段の膨張室に流入した排気ガスが、連通管を通って下流側の膨張室に案内されるが、連通管は流入口端が開孔したり、ラッパ管が設けられているため、流入側膨張室から連通管を通る排気脈動による排気騒音が大きく、さらに、排気の一部は塗料抜き用切欠からショートカット(漏れ)が生じるため、排気騒音の増加や排気音質が悪くなり、騒音規制や排気音質の低下を招く等の問題があった。
最近では、先進国のみならず、開発途上国でも騒音規制や排気音質が問題視されるようになってきており、排気騒音音の増加や排気音質を損なうことなく、しかも特殊な内面塗装設備を用いることなく、既存の一般的内面塗装設備を用いてマフラーの内面塗装を効率的に行なうことができる自動二輪車のマフラー構造が求められるようになっている。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、排気騒音の増加や排気音質の低下を招くことなく、マフラーボディ内の内面塗装を効率的に行なうことができる自動二輪車のマフラー構造を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、一般的な内面塗装設備を用いて、マフラーボディ内の内面塗装を効率よく効果的に行なうことができる自動二輪車のマフラー構造を提供することにある。
本発明に係る自動二輪車のマフラー構造は、上述した課題を解決するために、外筒と内筒との間にアニュラス空間を形成した二重壁構造のマフラーボディと、このマフラーボディの内筒内を複数の膨張室に仕切る隔壁と、前記マフラーボディの前後を区画する端壁とを備えた自動二輪車のマフラー構造において、前記隔壁と端壁との周囲の内筒に、前記膨張室と前記アニュラス空間とを連通する複数の連通孔が設けられ、前記アニュラス空間は、非充填物構造の環状あるいは筒状の空間としたことを特徴とするものである。
ここに、アニュラス空間は外筒と内筒との間に形成される環状の間隙をいい、筒状空間やスリーブ空間を指称する。
本発明においては、排気音の増加や排気音質の低下を招くことなく、マフラーボディ内の内面塗装を効率的に行なうことができる。マフラーボディ内の内面塗装は一般的な既存の内面塗装設備を用いて効率よく、効果的に行なうことができる。
本発明に係るマフラー構造を備えた自動二輪車を右側方から見た全体外観図。 自動二輪車のマフラー構造の実施の形態を示すマフラーボディの縦断面図。 図2のA−A線に沿う断面図。 図2のB−B線に沿う断面図。 図2のC−C線に沿う後面図。 マフラーボディの内筒の流入側端部を示す断面図。 マフラーボディの流入側端壁に設けられた流入管の縦断面図。 アニュラス空間と膨張室との連通構造を示すマフラーボディ内の部分断面図。 従来のマフラーのマフラーボディを示す部分断面図。
以下、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照して説明する。
本発明の実施の形態は、自動二輪車のマフラー構造に関するもので、図1はマフラー構造を備えた自動二輪車を右側方から見た全体の外観図である。なお、この自動二輪車10において、車両前方側を符号Fwで、車両後方側を符号Rwでそれぞれ表示する。
自動二輪車10は、車両前後方向に延びる車体フレーム11を備える。車体フレーム11は車両前半部の前部フレームを構成するメインフレームと車両後半部の後部フレームを構成し、メインフレームの後端部から車両後方に向って後上方に延びるシートレールを有する。メインフレームにエンジン(本実施例では並列2気筒4サイクルエンジン)12が搭載される。エンジン12の上方には燃料タンク13が車体フレーム11によって支持され、燃料タンク13の後方にシート14が設けられる。シート14は例えばタンデムタイプで車体フレーム11のシートレール上に設置される。
車体フレーム11の前上端にヘッドパイプ15が設けられ、このヘッドパイプ15にステアリング機構を介してフロントフォーク16がハンドル17により左右操舵自在に設けられる。フロントフォーク16の下端部に前輪18が回動自在に支持される。車体フレーム11のメインフレーム後部にはスイングアーム19がピボット軸廻り上下に揺動自在に取り付けられ、このスイングアーム19の後端部に後輪20が設けられる。後輪20はエンジン12の動力が公知の動力伝達機構を介して伝達されることで、後輪駆動されるようになっている。
また、エンジン12はエンジンケースを構成するクランクケース22の前上部に、シリンダアッセンブリ23が斜め前上方に延びている。シリンダアッセンブリ23にはシリンダヘッド24後側にエンジン吸気系25が接続される吸気口が、シリンダヘッド24の前側にエンジン排気系26が接続される排気口がそれぞれ設けられる。
エンジン排気系26はシリンダヘッド24の排気口に基端部が接続されるエキゾーストパイブ28を有する。各エキゾーストパイプ28は、シリンダヘッド24の前下方から(エンジンケースの)クランクケース22の下側を通るように廻り込んで車両後方側Rwに延び、後端にマフラー30が接続される。マフラー30は円筒状のマフラーボディ31とマフラーヘッド側のヘッドカバー32とマフラーテール側のテールカバー33とを組み合せて構成される。
マフラー30は、図2に示すように、円筒状本体ケーシングを構成するマフラーボディ31を有し、このマフラーボディ31は円筒状の外側ケーシングの外筒35と内側ケーシングの内筒36とから二重筒(二重壁)構造の筒体が構成される。マフラーボディ31は、同心円状の外筒35と内筒36との間にアニュラス(環状)空間37が構成され、このアニュラス空間37に金網あるいはグラスウール、ステンレスウールが必要に応じて充填され、防音壁構造に構成される。本実施例では、アニュラス空間37に金網を充填させたり、あるいは充填物を充填させずに、空間部のまま環状あるいは筒状の空間として残し、このアニュラス空間37を、後述するように塗料の通路として構成し、防音構造を兼ねている。
マフラーボディ31の筒体は、エンジン12からの排気ガスの流入側から排出側に向って漸次拡開する円筒形状に形成され、筒体内を複数の膨張室(本実施例では3つの膨張室)40,41,42に区画する隔壁43,44がバッフルプレートとして形成される。マフラーボディ31の排気ガス流入側およびその排出側に端壁45,47が設けられてマフラーボディ31の両端部が閉塞されている。
マフラーボディ31の内筒36は、流入側端部が拡開されて外筒35に嵌め合されて一体接合される。また、内筒36の流入側端部(拡開段部)に端壁45が挿入されて嵌め合される。しかして、マフラーボディ31の流入側端部は外筒35、内筒36および端壁45が互いに嵌り合って鉄の溶加棒などの溶着手段で一体に溶着される。流入側端壁45には流入管46が挿通され、この流入管46を通して流入側の第1段の膨張室40に排気ガスが流入せしめられる。
また、マフラーボディ31の外筒35は、排出側端部が内周側に折り返され、その折曲部で排出側端壁47のスリーブ状外周フランジ48包み込むように挟持している。排出側端壁47は、後端バッフルプレートを構成して、マフラーボディ31の後端部を閉塞している。さらに、排出側端壁47の外周フランジ48の内周側にマフラーボディ31の前端側に突出する皿状段部49が形成される。この皿状段部49は内筒36の排出側端部に挿入され、嵌め合されて溶着等で一体化され、内筒36の後端が閉塞される。
さらに、マフラーボディ31の内筒36内を複数の膨張室40,41,42に仕切る隔壁43,44は、本実施例では、流入側の第1の隔壁43と排出側の第2の隔壁44とから構成される。第1の隔壁43は、バッフルプレートの中心部から放射状に延びる補強リブ50が凹状あるいは凸状に形成され、プレート強度が補強される。第1の隔壁43の外周部にスリーブ状の外周フランジ51が一体に形成される。この外周フランジ51は内筒36の内周壁に排出側端部の開口側から挿入されて嵌め合され、一体化される。第1の隔壁43は、内筒36の内周壁に圧入あるいは溶着等で一体に接合される。連通孔60は、例えば塗装液用の8mmφ〜10mmφの孔であり、この連通孔60を通じて中間の膨張室41はアニュラス空間36に連通される。なお、隔壁43の外周フランジ51側は連通孔に代えてU字状あるいは矩形状の切欠を形成したものでもよい。
さらに、連通孔60は、第1の隔壁43の外周フランジ51と内筒36の内周壁との重ね合せ部を貫いて形成する必要は必ずしもなく、第1の隔壁43周囲近傍付近の内筒36に形成したものでもよい。ただ、隔壁部周囲の内筒36に設けられる連通孔60は、自動二輪車10の車体にマフラー30を取り付けたとき、マフラーボディ31は車体幅方向内側および車体下側を向く少なくとも一方の位置に設置してもよい。本実施例は、マフラーボディ31の内筒36と第1の隔壁43の外周フランジ51の重ね合せ部において、連通孔60が車体幅方向内側と車体下側の双方の位置に形成された例を示す。
加えて、第2の隔壁44も、外周部にスリーブ状の外周フランジ52が形成され、この外周フランジ52が内筒36の内周壁に排出側端部の開口から挿入されて一体化され、第1の隔壁43と同様に一体に接合される。第2の隔壁44の外周フランジ52と内筒36の内周壁の重ね合せ部にも、第1の隔壁43周辺部の連通孔60,63と同様に、連通孔63が設けられる。隔壁43,44の外周フランジ51,52と内筒36の内周壁が重なり合う部分に連通孔60,63が複数箇所、例えば2箇所に形成される。
また、前記第1の隔壁43および第2の隔壁44には、連通管55の挿通支持用の貫通孔がそれぞれ形成される。連通管55は、例えば第2の隔壁44の貫通孔から第1の隔壁43の貫通孔を通して挿通され、溶着等で一体に固定される。連通管55は第1の隔壁43の貫通孔から流入側の第1段の膨張室40内に突出し、その突出部に多数のパンチング孔56を形成した孔領域57が構成される。パンチング孔56は、数mmφ、本実施例では例えば3mmφまたは4mmφ程度の孔が形成される。連通管55の流入側先端は端栓58で固定される。この端栓58にはパンチング孔56と同径程度の孔が形成され、連通管55の排出側は、次段の膨張室42に開口している。
また、連通管55は、押出し成形あるいは引抜き成形により管状に成形される。しかし、本実施例では、図2および図3に示すように、プレート部材を丸めて管状に成形し、突合せ面あるいは重ね合せ面をティグ溶接等で溶着し、管状に一体に成形される。プレート部材は管状に成形する前に孔領域57にパンチング孔56を穿つ孔加工が行なわれる。
さらに、第2の隔壁44には、図2および図4に示すように、3つの貫通孔が形成される。第2の隔壁44の中央の貫通孔はテールパイプ61の挿通支持用の孔であり、中央の貫通孔の下側に連通管55の挿通支持用の孔が形成され、反対の上側にバッフルパイプ62の挿通支持用の孔が形成される。連通管55およびバッフルパイプ62は排出側の第2段の膨張室42より貫通孔に挿入されて溶着等で固定支持される一方、テールパイプ61は流入側膨張室40より挿入され、排出側端壁47の中央の貫通孔を貫いて支持される。テールパイプ61の後端は排出側隔壁47より突出して終端しており、突出部はテールカバー33で覆われる。
第2の隔壁44は、外周部にスリーブ状の外周フランジ52が形成され、この外周フランジ52が(マフラーボディ31の)内筒36の内周壁に排出側端部の開口から圧入や溶着等で一体化される。第2の隔壁44の外周フランジ52と内筒36とが重なり合う部分に連通孔63が複数箇所、本実施例では2箇所に孔加工により形成される。連通孔63は、塗装液抜き用の例えば8mmφ〜10mmφの孔であり、第2段の膨張室42とアニュラス空間37とを連通している。なお、外周フランジ52側は連通孔に代えてU字状あるいは矩形状の切欠であってもよい。
さらに、マフラーボディ31の排出側端壁47は、図2および図5に示すように構成される。端壁47の中央部にテールパイプ61の挿通支持用貫通孔が形成される。端壁47の後方側端面にはテールカバー33装着用の取着ブラケット65が複数個、本実施例では3個が周方向に等間隔をなして、溶着等で固定される。取着ブラケット65には図6に示すように、ねじ穴付ナット66が固定されており、テールカバー33は取着ブラケット65を介して取り付けられる。テールカバー33はテールパイプ61の突出部を覆ってマフラー30の外観性を向上させている。
なお、図5において、符号67はマフラー30を車体フレーム11の後部フレーム側に取り付けるための取付ブラケットであり、符号68はメッキ液抜き用の例えば4mmφの孔である。
また、図3および図4において、第1および第2の隔壁43,44にも符号69でそれぞれ示すようにメッキ液抜き用の例えば6mmφの孔が設けられる。メッキ液用の孔68はマフラー30をメッキ液で処理後に、栓溶接が実施されて閉塞される。
また、マフラー30の内筒36には、図6に示すように、流入側端部が拡開されて段部36aが形成され、この流入側端部36aの外周に複数個(本実施例では4個)の切欠70が周方向に等間隔をおいて形成される。切欠70は溝幅が数mm、幅方向長さが10数mm(本実施例では溝幅が4mm、軸方向長さが17mm)で、内筒36の流入側段部36aを外筒35に嵌めこんで重ね合せたとき、重ね合せ部分に流入側膨張室40をアニュラス空間37に連通する連通孔としてU字状あるいは長円状、矩形状の透孔70aが形成される。
さらに、マフラーボディ31の流入側膨張室40への流入管46は、図7に示すように、途中に長円孔、楕円孔の透孔71が複数個(本実施例では3個)形成される。この透孔71は、流入側端壁45の膨張室40側端面から流入側(第1段の)膨張室40内に開口しており、塗料液抜き用穴として機能しており、メッキ液用穴より大きな開口を有する。
一方、マフラーボディ31内の第1の隔壁43および第2の隔壁44には、図1,図3および図4に示すように、外周フランジ51,52と内筒36の内周壁の重ね合せ部分に連通孔60,63が形成される。この連通孔60,63は、図8に示すように形成されて、(第2段,第3段の)膨張室41,42をアニュラス空間37に連通している。連通孔60,63の口径は塗装液の粘性を考慮し、メッキ液用の孔より大径(本実施例では8mmφ〜10mmφ)に形成される。
また、マフラーボディ31の内筒36には図2に示すように、排出側端部に切欠72が複数個(本実施例では4個)が周方向に等間隔を置いて形成される。切欠72は、U字状あるいは矩形状に形成され、軸方向に延びて終端している。内筒36の排出側端部を後端バッフルプレートの端壁47に嵌め合せて閉塞したとき、内筒36の排出側端部に透孔(連通孔)72aを介して膨張室42がアニュラス空間37に連通される。
マフラー30のマフラーボディ31を組み立てたとき、外側ケーシングの外筒35と内筒ケーシングの内筒36との間にアニュラス(環状)空間37が構成され、マフラーボディ31の流入側端部は、端壁45とともに鉄製等の金属製溶加棒で閉じされ、閉塞される。また、マフラーボディ31の排出側端部は、排出側バッフルプレートである端壁47とともに溶加棒で閉じられ、閉塞される。マフラーボディ31の外筒35と内筒36との間に形成されるアニュラス空間37は流入側端部と流出側端部が閉じられ、閉塞され、外気から遮断される。
一方、外筒35と内筒36との間のアニュラス空間37は、内筒36内の各膨張室40,41,42と、内筒36の流入側段部36aの透孔(連通孔)70aおよび第1および第2の隔壁43,44の外周フランジ51,52部分(領域)の連通孔60,63、さらに、内筒36の流出側端部の透孔(連通孔)72aを介して連通される。これら複数の各連通孔(透孔36a,72a、連通孔60,63)は、粘性が大きい塗装液がスムーズに流通可能な大きさに形成され、粘性の小さなメッキ液用孔68,69より口径が大きい。
このため、メッキボディ31の構成部品(外筒35および内筒36、流入側および排出側端壁45,47、第1および第2の隔壁43,44ならびに連通管55、バッフルパイプ62、テールパイプ61等)を組み付けると、外筒35と内筒36との二重壁間のアニュラス空間37は、図2および図8に示すように、塗装(塗料)液の通路を構成することができる。
[マフラー内の塗装]
防錆塗装液を用いたマフラー30内の内面塗装では、マフラーボディ31の外筒35と内筒36との二重壁構造のアニュラス空間37を塗装液の通路として構成し、アニュラス空間37を複数の塗装用孔(透孔70a,72aおよび連通孔60,63)を通して各膨張室40,41,42に連通し、塗装液を流通させることができる。マフラーボディ31内に流入された防錆塗装液は、外筒35と内筒36との間のアニュラス空間37と塗装液の通路、および塗装液抜き通路としてスムーズかつ自由に流動させることができる。マフラー30内に流入された塗装液による塗装は、塗装液流入状態でマフラーボディ31を中心軸廻りに回動させることにより、容易に行なうことができる。また、塗装液は、塗装終了後に、内筒36の流入側端部36aや流出側端部のU字状あるいは長円状、矩形状の透孔70a,72a等から膨張室を経て排出され、流入管46の透孔71から外部に排出される。
このため、防錆用塗装液のマフラーボディ31内への流入やマフラーボディ31からの排出が容易となり、しかも、外筒35と内筒36の間のアニュラス空間37は塗装液の通路として塗装液の流通がスムーズに行なわれる。塗装液はマフラーボディ31から抜け易くなるので、マフラーボディ31内の内面塗装は、特殊な専用塗装設備を用いることなく、既存の一般的な汎用内面塗装設備を用いたどぶ漬けにて行なうことができる。また、マフラー30を長手(中心)軸廻りに回転させて塗装する等の内面専用内面塗装設備を備えた場合には、専用内面塗装設備の噴射ノズルから塗装液を少量噴射させることにより、マフラー30を回転させ、塗装することができる。
また、マフラー30を自動二輪車10に取り付けた状態で、(マフラーボディ31の)内筒36内のバッフルプレートである第1および第2の隔壁43,44に穿設する連通孔60,63の位置を、車体幅方向内側および車体下部を向く位置で、かつ外周フランジ51,52と内筒36の内周壁とが重なり合う部分に形成することで、マフラーボディ31に熱による変色部分が発生しても、外観上目立たない部分に形成することができる。
そして、本実施形態のマフラー30は、マフラーボディ31の外筒35と内筒36の二重壁間のアニュラス空間37に塗装液をスムーズにかつ確実に流通させて内面塗装を行なうことができ、マフラーボディ31内のアニュラス空間37に塗装液が確実に廻るため、塗装不良を防止でき、確実に防錆塗装を施すことができる。
ところで、マフラー30を構成するマフラーボディ31の外筒35と内筒36との間のアニュラス空間37は、最も腐食し易い部分である。マフラー30は走行後にエンジン12が停止して、冷却されると、外筒35に結露が生じ易く、錆が発生し易い部分となる。しかし、本実施形態では、マフラーボディ31の外筒35と内筒36との間のアニュラス空間37を塗装液の流通路とすることができ、アニュラス空間37に塗装液を廻して塗装することができ、塗装不良を防止することができる。
しかも、マフラーボディ31内のバッフルプレートである隔壁43,44周囲に形成されるアニュラス空間37との連通孔60,63は、孔位置が自動二輪車の車体下側(車両幅方向)内側にかけて設けることで、エンジン12の高負荷走行で、高温の排気ガスが連通孔60,63から外筒35に向けて吹き出し、変色しても、連通孔形成位置が外部に露出しにくい位置に設けられるので、外観に悪影響を与えることが少ない。
また、特殊な専用内面塗装設備を備えていなくても、一般的な肉厚の内面塗装設備でマフラー30の生産が可能であり、コスト増を招くことなく、効率的にマフラー30を生産することができる。
[マフラーの騒音問題]
自動二輪車10ではエンジン12からの排気ガスは、エンジン排気系26に排出され、マフラー30に送られる。マフラー30内で多段構造(本実施例では3段)の膨張室40,41,42を通る際に膨張によるマフラー効果で圧力脈動が順次平滑化され、気流音が消音され、排気騒音が軽減されてテールパイプ61から外部に排気される。
マフラー30のマフラーボディ31は内部に多段(本実施例では3段)の膨張室40,41,42を有し、各膨張室40,41,42はパイプ55,62,61(連通管55,バッフルパイプ62、テールパイプ61)等で連通される。マフラーボディ31の流入側第1段の膨張室40はエンジン排気ガスが流入管46から直接送られるため、排気ガスの圧力脈動が他の膨張室41,42より大きく、気流音(騒音)が大きい。第1段膨張室40から排気圧力による気流音を軟らかい音色にするために、連通管55の入口側は端栓58で塞ぐ一方、孔領域57を設けて多数のパンチング孔(本実施例では3mmφあるいは4mmφ)56を設ける。多数のパンチング孔56を設けることにより、排気圧力による音色が、連通管55の入口端を開口させたり、ベルマウス形状を構成したときのように、排気音質が「パッ、パッ、…」、「ボッ、ボッ、…」という音色ではなく、排気音質が「ポアー、ポアー」あるいは「プアー、プアー」という軟らかい音色となるように排気音質の低下を防止している。
各膨張室40,41,42の断面積および容積、パイプの径および長さは消音によるマフラー効果を高めると同時に出口ロスが大きくならないように設定されている。次段側のパイプ(バッフルパイプ、テールパイプ)62,61の入口は排気ガス流により生ずる気流音がある程度小さくなっているので、バッフルパイプ62およびテールパイプ61にはパンチング孔が設けられていない。バッフルパイプ62およびテールパイプ61の流入側入口は開口させたり、ベルマウスを設けてパンチング孔を設けることなく、排気圧力の出口ロスを吸引しつつ、流入抵抗を低減させている。
また、外筒35と内筒36とによる二重筒(壁)構造のアニュラス空間37は軸方向両端部が閉塞され、膨張室が構成されるため、気流音の騒音が外部に漏れることがなく、気流音消音による防音構造に構成される。
自動二輪車10のマフラー30は、エキゾーストパイプ28と同様外部に露出しており、外観上重要な部品であるが、排気ガスの熱による影響を受けて変色や錆が発生し易い。本実施形態の自動二輪車10のマフラー構造では、クロムメッキを施したメッキマフラー30のマフラーボディ31内に、外筒35と内筒36との間のアニュラス空間37を含めて内面塗装を施し、腐食を抑制している。
なお、本発明の自動二輪車のマフラー構造では、メッキマフラーに内面塗装を施す例を説明したが、耐熱塗装用マフラーにおいても同様の内面塗装構造に展開し、マフラーの防錆効果を高めるようにしてもよい。また、自動二輪車のマフラー構造では、マフラーに内面塗装を施すことにより、マフラー材料としてアルミメッキ鋼板やステンレス鋼板以外にも、グレードダウン可能な鉄系材料を用いることができる。
さらに、このマフラー構造は、自動二輪車に限らず、マフラーが外部に露出するタイプの車両に適用される。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 自動二輪車
11 車体フレーム
12 エンジン
13 燃料タンク
14 シート
15 ヘッドパイプ
16 フロントフォーク
17 ハンドル
18 前輪
19 スイングアーム
20 後輪
22 クランクケース(エンジンケース)
23 シリンダアッセンブリ
24 シリンダヘッド
25 エンジン吸気系
26 エンジン排気系
28 エキゾーストパイプ
30 マフラー
31 マフラーボディ
32 ヘッドカバー
33 テールカバー
35 外筒(外側ケーシング)
36 内筒(内側ケーシング)
36a 流入側段部(流入側端部)
37 アニュラス空間
40,41,42 膨張室
43,44 隔壁(バッフルプレート)
45 (流入側)端壁
46 流入管
47 (排出側)端壁(後端バッフルプレート)
48,51,52 外周フランジ
49 皿状段部
50 補強リブ
55 連通管
56 パンチング孔
57 孔領域
58 端栓
60,63 連通孔
61 テールパイプ
62 バッフルパイプ(連通管)
65 取着ブラケット
66 ナット
67 取付ブラケット
68,69 孔(メッキ液(抜き)用孔)
70 切欠
70a 透孔(連通孔)
71 透孔
72 切欠
72a 透孔(連通孔)

Claims (9)

  1. 外筒と内筒との間にアニュラス空間を形成した二重壁構造のマフラーボディと、このマフラーボディの内筒内を複数の膨張室に仕切る隔壁と、前記マフラーボディの前後を区画する端壁とを備えた自動二輪車のマフラー構造において、
    前記隔壁と端壁との周囲の内筒に、前記膨張室と前記アニュラス空間とを連通する複数の連通孔が設けられ、
    前記アニュラス空間は、非充填物構造の環状あるいは筒状の空間としたことを特徴とする自動二輪車のマフラー構造。
  2. 前記隔壁部周囲の内筒に設けられる連通孔は、自動二輪車の車体にマフラーを取り付けたとき、前記マフラーボディの車体幅方向内側および車体下側の少なくとも一方に位置される請求項1に記載の自動二輪車のマフラー構造。
  3. 前記隔壁周囲の内筒に設けられる連通孔は、前記内筒の内周面と前記隔壁の外周フランジとの重ね合せ部を貫いて形成される請求項2に記載の自動二輪車のマフラー構造。
  4. 前記隔壁周囲の内筒に設けられる連通孔は、前記隔壁の片側に位置し、口径が8mmφ〜10mmφである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の自動二輪車のマフラー構造。
  5. 前記端壁周囲の内筒に設けられる連通孔は、周方向に沿って複数設けられた請求項1または2に記載の自動二輪車のマフラー構造。
  6. 前記端壁周囲に設けられる連通孔は、前記内筒の流入側端部および排出側端部に周方向に間隔を置いて設けられ、かつ長手軸方向に延びるU字状、あるいは長円状、矩形状の切欠で構成される請求項5に記載の自動二輪車のマフラー構造。
  7. 前記マフラーボディの端壁に設けられる流入管には、水抜き孔を兼ねる塗装抜き穴が設けられる請求項1または5に記載の自動二輪車のマフラー構造。
  8. 前記マフラーボディの外筒と内筒との間に形成されるアニュラス空間は両端部が閉塞される一方、このアニュラス空間は、前記マフラーボディの内筒内の各膨張室と前記複数の連通孔を介して連通され、前記アニュラス空間は防錆塗料液の通路が構成された請求項1または6に記載の自動二輪車のマフラー構造。
  9. 前記マフラーボディの内筒内を複数の膨張室に仕切る隔壁には、流入側の第1段の膨張室と後流側第2段の膨張室とを連通する連通管が設けられ、前記連通管の入口側開口が端栓で閉塞される一方、連通管の入口側に孔領域が形成され、前記孔領域に多数のパンチング孔が形成された請求項1に記載の自動二輪車のマフラー構造。
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