JP5962612B2 - オルガノゾルの製造方法 - Google Patents
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Description
(A)無機酸化物コロイド水分散液を準備する工程、
(B)水と完全には相溶せず2相系を形成することを特徴とするアルコールを添加する工程、
(C)有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解縮合物を添加する工程、
(D)マイクロ波を照射する工程、
(E)有機溶媒を添加する工程、
(F)共沸蒸留及び/又は限外ろ過によって水を留去する工程、及び
必要に応じて
(G)水を1,000ppm以下まで除去する工程
からなる水性コロイド溶液の溶媒置換を経るオルガノゾルの製造方法が有用である事実を知見し、本発明をなすに至った。
〔1〕
(A)無機酸化物コロイド水分散液を準備する工程、
(B)水と完全には相溶せず2相系を形成することを特徴とするアルコールを添加する工程、
(C)下記一般式(1)
R1 pR2 qR3 rSi(OR4)4-p-q-r (1)
(式中、R1は水素原子、非置換もしくは置換の炭素数1以上20以下の1価炭化水素基、ケイ素原子数50以下のポリジメチルシロキサン基、又はイソシアヌレート基であり、R2、R3及びR4はそれぞれ炭素数1以上6以下のアルキル基である。pは1〜3の整数、qは0,1又は2、rは0,1又は2であり、p+q+rは1〜3の整数である。)
で示される有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物もしくは加水分解縮合物を添加する工程、
(D)マイクロ波を照射する工程、
(E)有機溶媒を添加する工程、及び
(F)共沸蒸留及び/又は限外ろ過によって水を留去する工程
からなる水性コロイド溶液の溶媒置換を経るオルガノゾルの製造方法。
〔2〕
さらに、(G)水を1,000ppm以下まで除去する工程を備える〔1〕に記載のオルガノゾルの製造方法。
〔3〕
工程(A)において準備される無機酸化物コロイド水分散液の分散質が、酸化チタン微粒子を核とし、該核の外側に酸化ケイ素の殻を有するコアシェル微粒子であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載のオルガノゾルの製造方法。
〔4〕
工程(A)において準備される無機酸化物コロイド水分散液の分散質が、スズ及び/又はマンガンを固溶した正方晶系酸化チタン固溶体微粒子を核とし、核の外側に酸化ケイ素の殻を有するコアシェル型正方晶系酸化チタン固溶体水分散液であって、動的光散乱法で測定した該核微粒子の体積平均50%累計粒子径が30nm以下で、該コアシェル型微粒子の体積平均50%累計粒子径が50nm以下であり、前記スズ成分の固溶量が、チタンとのモル比(Ti/Sn)で10〜1,000、前記マンガン成分の固溶量が、チタンとのモル比(Ti/Mn)で10〜1,000である、コアシェル型正方晶系酸化チタン固溶体微粒子を用いることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載のオルガノゾルの製造方法。
〔5〕
工程(A)において準備される無機酸化物コロイド水分散液の分散質が、アルミナ及び/又はシリカであって、動的光散乱法で測定した該分散質の体積平均50%累計粒子径が10nm以上100nm以下であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載のオルガノゾルの製造方法。
〔6〕
工程(B)において添加するアルコールの水に対する20℃における溶解度が1(アルコール1g/水100g)以上、30(アルコール30g/水100g)以下であることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のオルガノゾルの製造方法。
〔7〕
工程(B)において添加するアルコールが、炭素数4以上8以下の芳香族基を含んでいてもよい直鎖型、分岐鎖型又は環型の1価のアルコール、及び炭素数3以上8以下のフッ素原子で全置換又は部分置換された1価のアルコールからなる群から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のオルガノゾルの製造方法。
〔8〕
工程(D)において、マイクロ波の積算照射時間が60秒以上3,600秒以内であり、照射後の系の温度が10℃以上150℃以下であることを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のオルガノゾルの製造方法。
〔9〕
工程(E)において添加される溶媒が、炭素数5以上30以下の炭化水素化合物、アルコール化合物、エーテル化合物、エステル化合物、ケトン化合物、及びアミド化合物からなる群から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のオルガノゾルの製造方法。
〔10〕
工程(G)において、水を1,000ppm以下まで除去する方法が、3Å以上10Å以下の細孔直径を有するゼオライトを用いた物理吸着であることを特徴とする〔2〕〜〔9〕のいずれかに記載のオルガノゾルの製造方法。
〔11〕
工程(G)において、水を1,000ppm以下まで除去する方法が、オルト有機酸エステル、又は下記一般式(2)
(R5O)(R6O)CR7R8 (2)
(式中、R5及びR6はそれぞれ炭素数1以上10以下の1価炭化水素基であって、互いに結合して環を形成してもよく、またR7及びR8はそれぞれ炭素数1以上10以下の1価炭化水素基であって、互いに結合して環を形成してもよい。)
で示されるgem−ジアルコキシアルカンを用いた化学反応を伴う方法であることを特徴とする〔2〕〜〔9〕のいずれかに記載のオルガノゾルの製造方法。
本発明のオルガノゾルの製造方法は、下記工程(A)〜(F)、及び必要に応じて下記工程(G)からなる水性コロイド溶液の溶媒置換を経るものである。
(A)無機酸化物コロイド水分散液を準備する工程、
(B)水と完全には相溶せず2相系を形成することを特徴とするアルコールを添加する工程、
(C)下記一般式(1)
R1 pR2 qR3 rSi(OR4)4-p-q-r (1)
(式中、R1は水素原子、非置換もしくは置換の炭素数1以上20以下の1価炭化水素基、ケイ素原子数50以下のポリジメチルシロキサン基、又はイソシアヌレート基であり、R2、R3及びR4はそれぞれ炭素数1以上6以下のアルキル基である。pは1〜3の整数、qは0,1又は2、rは0,1又は2であり、p+q+rは1〜3の整数である。)
で示される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解縮合物を添加する工程、
(D)マイクロ波を照射する工程、
(E)有機溶媒を添加する工程、
(F)共沸蒸留及び/又は限外ろ過によって水を留去する工程、
(G)水を1,000ppm以下まで除去する工程。
本発明のオルガノゾルの製造方法における工程(A)は、無機酸化物コロイド水分散液を準備する工程である。工程(A)において準備する無機酸化物コロイド水分散液は、好ましくは1〜200nmの体積平均50%累計粒子径を有する無機酸化物粒子等の無機酸化物コロイド水分散液の分散質が水を含む液体分散媒中に凝集せずに分散しているものである。
本発明で用いる無機酸化物コロイド水分散液の分散質は、金属酸化物等の無機酸化物である。金属酸化物を構成する元素としては、13族元素、14族元素(炭素を除く)、第1系列遷移元素、第2系列遷移元素、第3系列遷移元素、ランタノイド等が挙げられる。13族元素では、特にアルミニウム、ホウ素、インジウム等から誘導される酸化物が好適であり、アルミナゾルが一般的に知られている。14族元素(炭素を除く)では、ケイ素、スズ等から誘導される酸化物が好適であり、シリカゾルが一般的である。第1系列遷移元素では、チタン、マンガン、亜鉛等から誘導される酸化物が好適である。これらの酸化物は、特定波長の光吸収材料として用いられることが多い。第2系列遷移元素では、イットリウム、ジルコニウム等から誘導される酸化物が好適である。これらの酸化物は、特定波長の光吸収及び蛍光材料として用いられることが多い。第3系列遷移元素では、ハフニウム、タンタル等から誘導される酸化物が好適である。ランタノイドでは、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、テルビウム、ジスプロジウム、イッテルビウム等から誘導される酸化物が好適である。これらの酸化物は、特定波長の光吸収及び蛍光材料として用いられることが多い。
(M1Ox)m(M2Oy)n (3)
無機酸化物コロイド水分散液は、分散質の種類によって多様な機能性を有する。多様な機能性とは、例えば、コーティング組成物に添加した際に耐擦傷性や可撓性の付与を行える機械的特性、光の屈折率制御性、紫外線遮蔽性、放射線遮蔽性、蛍光性等の付与を行える光学特性、電気伝導性や誘電率の付与を行える電気的特性等である。このように、無機酸化物コロイド水分散液は、それを構成する元素の種類も多様であれば、発現する機能も多様である。しかしながら、無機酸化物コロイド水分散液としての化学工学上の様態は類似したものであり、従って、無機酸化物コロイド水分散液の溶媒置換を考える場合には、ここに挙げた金属酸化物等の無機酸化物を一種単独又は二種以上を複合したものについて、一群として取り扱うことが可能である。化学工学上の様態とは、粉体工学や移動現象論の範疇において議論される物理的性質のことであり、例えば、分散質の粒子径や、ゼータ電位等である。これらの物理量を用いて議論している限りにおいて、無機酸化物コロイド水分散液は分散質を構成する元素の種類が異なっていても、互いに比較考量可能で並列な集合として認識できる。従って、本明細書や実施例において全ての種類及び/又は組み合わせの無機酸化物(金属酸化物)コロイド水分散液について詳細に言及されていないからといって、記述されていない無機酸化物コロイド水分散液についても本発明の範囲に含まれることを妨げない。
本発明の工程(A)で準備する無機酸化物コロイド水分散液は、水を分散媒とすることを特徴とする。水としては、水道水、工業用水、井戸水、天然水、雨水、蒸留水、イオン交換水等の淡水を用いることができるが、特にイオン交換水であることが好ましい。イオン交換水は、純水製造器(例えば、オルガノ(株)製、製品名「FW−10」、メルクミリポア(株)製、製品名「Direct−QUV3」等)を用いて製造することができる。また、分散媒には、以下に述べるように無機酸化物コロイド水分散液を製造する工程で水と任意に混和可能な1価のアルコールを含んでいてもよい。水と任意に混和可能な1価のアルコールは、コアシェル微粒子を製造する際の共溶媒及びゾル−ゲル反応における金属アルコキシドの加水分解副生成物としての由来で含有してもよい。水と任意に混和可能な1価のアルコールは、水に対して0質量%以上30質量%以下で含んでいることが好ましく、0質量%以上25質量%以下であることがより好ましく、0質量%以上20質量%以下であることが更に好ましい。水と任意に混和可能な1価のアルコールの含有量が30質量%より多くなると、工程(B)において添加する水と完全には相溶しないアルコールの相溶化剤として作用することがあるため好ましくないことがある。
本発明の工程(A)で準備する無機酸化物コロイド水分散液の濃度は、好ましくは1質量%以上35質量%以下、より好ましくは5質量%以上30質量%以下、更に好ましくは10質量%以上25質量%以下である。無機酸化物コロイド水分散液の濃度が1質量%より低いと、製造効率が良くないことがあり、好ましくない。無機酸化物コロイド水分散液の濃度が35質量%より高いと、pHや温度等の条件によっては、ゲル化し易くなることがあるため好ましくない。ここでいう濃度とは、無機酸化物コロイド水分散液全体(分散質及び分散媒の質量の総和)中に含まれる分散質の質量の割合を100分率で表わしたものと理解すべきである。濃度は、無機酸化物コロイド水分散液の一定量を秤量して、分散媒を強制乾固した際の質量変化から求めることができる。
本発明で用いる無機酸化物コロイド水分散液としては、とりわけ、上述した金属元素の酸化物の一種単独又は二種以上を複合したものを核とし、この核の外側に上述した金属元素の酸化物の一種単独又は二種以上を複合したものの殻を有するコアシェル微粒子を含有するコロイド水分散液を用いるのが好ましい。このようなコアシェル微粒子含有コロイド水分散液としては、酸化チタンを核とし、この核の外側に酸化ケイ素の殻を有するコアシェル微粒子を含むコロイド水分散液、特に酸化チタン−酸化スズ及び/又は酸化マンガン複合酸化物(スズ及び/又はマンガンを固溶した酸化チタン微粒子)を核とし、この核の外側に酸化ケイ素の殻を有するコアシェル微粒子を含むコロイド水分散液等が挙げられる。以下に、本発明に用いられるコアシェル微粒子(コアシェル型正方晶系酸化チタン固溶体)コロイド水分散液について詳細に説明する。
コアシェル型正方晶系酸化チタン固溶体コロイド水分散液は、スズ及び/又はマンガンを固溶した正方晶系酸化チタン微粒子を核とし、該核の外側に酸化ケイ素の殻を有するコアシェル型正方晶系酸化チタン固溶体を水等の水性分散媒中に分散したものであることが好ましい。
上述した構成を有するスズ及び/又はマンガンを固溶したコアシェル型正方晶系酸化チタン固溶体水分散液の製造方法は、次の工程(イ)、(ロ)からなる。
・工程(イ)
この工程では、先ず、スズ成分及び/又はマンガン成分が正方晶系酸化チタンに固溶している正方晶系酸化チタン固溶体微粒子の水分散体を用意する。この水分散体を得る方法は、特に限定されないが、原料となるチタン化合物、スズ化合物、マンガン化合物、塩基性物質及び過酸化水素を水性分散媒中で反応させて、一旦、スズ及び/又はマンガンを含有したペルオキソチタン酸溶液を得た後、これを水熱処理してスズ及び/又はマンガンを固溶した正方晶系酸化チタン微粒子分散液を得る方法が好ましい。
ここでは、上記(イ)の工程で得られた混合物を急速加熱することにより、スズ及び/又はマンガンを固溶した正方晶系酸化チタン微粒子を核とし、該核の外側に酸化ケイ素の殻を有するコアシェル型正方晶系酸化チタン固溶体の微粒子を形成させる。
この場合、レーザー光を用いた動的光散乱法で測定した体積基準の50%累計粒子径(D50)は、10nm以上100nm以下であることが好ましく、より好ましくは12nm以上80nm以下である。上記無機酸化物コロイド水分散液の分散質のD50値が上記上限値を超えると、白濁し易い場合があり、上記下限値未満では凝集し易い場合がある。
工程(B)は、水と完全には相溶せず2相系を形成することを特徴とするアルコールを添加する工程である。通常の条件では、ここで添加するアルコールは、無機酸化物コロイド水分散液とは混合せず、また分散液中の無機酸化物分散質が該アルコール中に移行することはない。
工程(C)は、下記一般式(1)で示される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解縮合物を添加する工程である。
R1 pR2 qR3 rSi(OR4)4-p-q-r (1)
(式中、R1は水素原子、非置換もしくは置換の炭素数1以上20以下の1価炭化水素基、ケイ素原子数50以下のポリジメチルシロキサン基、又はイソシアヌレート基であり、R2、R3及びR4はそれぞれ炭素数1以上6以下のアルキル基である。pは1〜3の整数、qは0,1又は2、rは0,1又は2であり、p+q+rは1〜3の整数である。)
工程(D)は、マイクロ波を照射する工程である。マイクロ波照射は、その周波数が300MHz〜3THzの電磁波の中から適宜選択することができる。日本国内においては、電波法によって、通常使用可能なマイクロ波周波数帯域が、2.45GHz、5.8GHz、24GHz等に決められているが、中でも2.45GHzは、民生用にも多く使用されており、この周波数の発振用マグネトロンは設備価格上有利である。しかしながら、この基準は特定の国や地域の法律や経済状況に依存したものであり、技術的には周波数を限定するものではない。マイクロ波の出力は100W〜24kW、好ましくは100W〜20kWの定格を有する限り、市販のどのような装置を用いてもよい。例えば、μReactorEx(四国計測工業(株)製)、Advancer(バイオタージ(株)製)等を用いることができる。
Re=ρ・n・d2/μ 数式(1)
本発明で扱うオルガノゾルは、ρが900〜2,000(kg/m3)、好ましくは1,000〜1,500(kg/m3)であり、μが0.001〜0.05(Pa・s)、好ましくは0.002〜0.01(Pa・s)である。例えば、攪拌子長dが5(cm)の磁気回転子を回転数nが700(rpm)で、ρが1,000(kg/m3)、μが0.002(Pa・s)のオルガノゾルを回転した場合のReは約15,000である。nとdを適宜選択することによって上記所望のReの範囲となるように調節することができる。
工程(E)は、有機溶媒を添加する工程である。工程(E)で添加される有機溶媒は、炭素数5以上30以下の炭化水素化合物、アルコール化合物、エーテル化合物、エステル化合物、ケトン化合物、及びアミド化合物からなる群から選ばれる一種又は二種以上である。
工程(F)は、共沸蒸留及び/又は限外ろ過によって水を除去する工程である。水の除去は、共沸蒸留で実施することがより好ましい。
工程(G)は、前工程(F)で除去しきれなかったオルガノゾル中に存在する痕跡量の水を除去する工程である。本工程では、水分濃度が好ましくは1,000ppm以下、より好ましくは500ppm以下、更に好ましくは100ppm以下、最も好ましくは10ppm以下まで低減する。本工程における水分濃度の下限値は特に定めないが、10ppm程度である。10ppmを超えての脱水は、特殊な用途を除き、通常は必要でない。
(R5O)(R6O)CR7R8 (2)
(式中、R5及びR6はそれぞれ炭素数1以上10以下の1価炭化水素基であって、互いに結合して環を形成してもよく、またR7及びR8はそれぞれ炭素数1以上10以下の1価炭化水素基であって、互いに結合して環を形成してもよい。)
(R5O)(R6O)CR7R8 (2)
(式中、R5及びR6はそれぞれ炭素数1以上10以下の1価炭化水素基であって、互いに結合して環を形成してもよく、またR7及びR8はそれぞれ炭素数1以上10以下の1価炭化水素基であって、互いに結合して環を形成してもよい。)
本発明によって製造されたオルガノゾルは、好ましくは1質量%以上30質量%以下、より好ましくは5質量%以上25質量%以下、更に好ましくは10質量%以上20質量%以下の分散質を含有する。分散質の含有量が1質量%未満である場合は、有効濃度として樹脂に混合した際に不十分であることがある。分散質の含有量が30質量%を超える場合は、オルガノゾルの保存安定性が不十分であることがある。
オルガノシリカゾル(OS−1)の合成
工程(A)
磁気攪拌子を備えた1,000mLフラスコに、市販のコロイダルシリカ水分散液(日産化学工業(株)製、商品名「スノーテックスO」)200gを入れた。なお、このコロイダルシリカ水分散液「スノーテックスO」の動的光散乱法による体積平均50%累計粒子径は20nm、濃度は20質量%であることを確認した。
工程(B)
先の工程(A)でコロイダルシリカ水分散液を入れたフラスコに、イソブチルアルコール(デルタ化成(株)製)200gを入れた。コロイダルシリカとイソブチルアルコールは完全に相溶せず、2相を成した。なお、イソブチルアルコールの20℃における水に対する溶解度は、10(g/100g水)であった。
工程(C)
先の工程(A),(B)を経たフラスコに、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名「KBM−5103」)20gを入れた。該シランは主として有機層(イソブチルアルコール層)に溶解する様子が観察された。
工程(D)
先の工程(A)〜(C)を経たフラスコをマイクロ波照射装置(四国計測工業(株)製、製品名「μReactorEx」)のキャビティー内に入れた。磁気攪拌子を700rpmで回転させながら、マイクロ波を5分間照射した。マイクロ波の照射は液温が最高で82℃に達するように、該装置に内蔵のプログラムで制御した。マイクロ波照射後、液温が40℃になるまで室温で静置した。この際に、コロイダルシリカ水分散液の分散質成分が有機層(イソブチルアルコール層)に移行する様子が観測された。
工程(E)
先の工程(A)〜(D)を経たフラスコに、磁気攪拌子で攪拌(700rpm)しながら、有機溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM、日本乳化剤(株)製)300gを添加した。有機溶媒添加後、反応液は均一で透明な状態を呈した。
工程(F)
先の工程(A)〜(E)を経たフラスコの内容物を蒸留用フラスコに移し、溶媒を760mmHgの圧力下において加熱留去した。フラスコ内温が約85℃の時点で留去が起こった。留出量が500gに達するまで留去を続けた。留去終了時の内温は約120℃であった。フラスコ内容物を室温まで冷却し、水分濃度の分析(カールフィッシャー法)を行ったところ0.15質量%であった。合成されたオルガノシリカゾル(OS−1)の動的光散乱法による体積平均50%累計粒子径を測定した。測定結果は図1の通りであった。また、透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ(株)製、装置名「H−9500」)を用いてOS−1の粒子の観察(50k)を行った。結果を図2に示した。
工程(G)
工程(A)〜(F)で製造したオルガノシリカゾル(OS−1)の一部(50g)をモレキュラーシーブ4A(関東化学(株)製、「25958−08」)5gで処理したところ、水分濃度が119質量ppmまで低下した。この際に凝集は見られなかったことから、工程(F)で除去しきれなかった水分の低減にモレキュラーシーブ処理が有用であることが明らかとなった。
表1に結果と工程をまとめて示した。
実施例1の工程(G)に代えて、下記工程(G’)を実施した。
工程(G’)
オルガノシリカゾル(OS−1)50gをオルト蟻酸エチル(日宝化学(株)製)2.5gで処理したところ、水分濃度が88.3ppmまで低下した。この際に凝集は見られなかったことから、工程(F)で除去しきれなかった水分の低減にオルト蟻酸エチル処理が有用であることが明らかとなった。
表1に結果と工程をまとめて示した。
実施例1の工程(G)に代えて、下記工程(G”)を実施した。また、工程(F)においてPGMを400gまで共沸留去した後に、無機セラミック限外ろ過膜を用いてPGMを100gろ過した。
工程(G”)
オルガノシリカゾル(OS−1)50gをアセトンジメチルアセタール(関東化学(株)製)2.5gで処理したところ、水分濃度が31.3ppmまで低下した。この際に凝集は見られなかったことから、工程(F)で除去しきれなかった水分の低減にアセトンジメチルアセタール処理が有用であることが明らかとなった。
表1に結果と工程をまとめて示した。
オルガノチタニアゾル(OT−1)の合成
工程(A)
無機酸化物コロイド水分散液として、酸化チタン−酸化スズ複合酸化物を核とし、酸化ケイ素を殻とするコアシェル微粒子を分散質とし、水を分散媒とするものを調製した。先ず、核となる酸化チタン−酸化スズ複合酸化物微粒子を含有する分散液を製造し、次いで、テトラエトキシシランを加水分解縮合することで、コアシェル微粒子を含有するコロイド水分散液とした。
36質量%の塩化チタン(IV)水溶液(石原産業(株)製、製品名:TC−36)66.0gに塩化スズ(IV)五水和物(和光純薬工業(株)製)1.8gを添加し、よく混合した後、これをイオン交換水1,000gで希釈した。スズ成分の固溶量は2mol%であった。この金属塩水溶液混合物に5質量%のアンモニア水(和光純薬工業(株)製)300gを徐々に添加して中和、加水分解することによりスズを含有する水酸化チタンの沈殿物を得た。このときの水酸化チタンスラリーのpHは8であった。得られた水酸化チタンの沈殿物を、イオン交換水の添加とデカンテーションを繰り返して脱イオン処理した。この脱イオン処理後のスズを含有する水酸化チタン沈殿物に30質量%過酸化水素水(和光純薬工業(株)製)100gを徐々に添加し、その後60℃で3時間攪拌して十分に反応させた。その後、純水を添加して濃度調整を行うことにより、半透明のスズ含有ペルオキソチタン酸溶液(固形分濃度1質量%)を得た。容積500mLのオートクレーブ(耐圧硝子工業(株)製、製品名:TEM−D500)に、上記のように合成したペルオキソチタン酸溶液350mLを仕込み、これを200℃、1.5MPaの条件下、240分間水熱処理した。その後、オートクレーブ内の反応混合物を、サンプリング管を経由して、25℃の水浴中に保持した容器に排出し、急速に冷却することで反応を停止させ、酸化チタン分散液(i)を得た。なお、この酸化チタン分散液(i)中の酸化チタン−酸化スズ複合酸化物微粒子の動的光散乱法による体積平均50%累計粒子径は9nmであることを確認した。
磁気回転子と温度計を備えたセパラブルフラスコに、酸化チタン分散液(i)1,000質量部、エタノール100質量部、アンモニア2.0質量部を室温(25℃)で加えて磁気攪拌した。このセパラブルフラスコを氷浴に浸漬し、内容物温度が5℃になるまで冷却した。ここに、テトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名「KBE−04」)18質量部を加えた後に、セパラブルフラスコをμReactorEx(四国計測工業(株)製)内に設置して、周波数2.45GHz、出力1,000Wのマイクロ波を1分間にわたって照射しながら磁気攪拌した。その間、温度計を観測して内容物温度が85℃に達するのを確認した。得られた混合物を定性ろ紙(Advantec 2B)でろ過して希薄コロイド溶液を得た。この希薄コロイド溶液を限外ろ過によって10質量%まで濃縮し、無機酸化物コロイド水分散液(WT−1)を得た。なお、この無機酸化物コロイド水分散液(WT−1)中のコアシェル微粒子の動的光散乱法による体積平均50%累計粒子径は12nmであることを確認した。WT−1(200g)を磁気攪拌子を備えた1,000mLのセパラブルフラスコに入れた。
工程(B)
先の工程(A)でWT−1を入れたフラスコに、イソブチルアルコール(デルタ化成(株)製)200gを入れた。コロイダルシリカとイソブチルアルコールは完全に相溶せず、2相を成した。なお、イソブチルアルコールの20℃における水に対する溶解度は、10(g/100g水)であった。
工程(C)
先の工程(A),(B)を経たフラスコに、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名「KBM−5103」)20gを入れた。該シランは主として有機層(イソブチルアルコール層)に溶解する様子が観察された。
工程(D)
先の工程(A)〜(C)を経たフラスコをマイクロ波照射装置(四国計測工業(株)製、製品名「μReactorEx」)のキャビティー内に入れた。磁気攪拌子を700rpmで回転させながら、マイクロ波を5分間照射した。マイクロ波の照射は液温が最高で82℃に達するように、該装置に内蔵のプログラムで制御した。マイクロ波照射後、液温が40℃になるまで室温で静置した。この際に、無機酸化物コロイド水分散液は懸濁状態であった。
工程(E)
先の工程(A)〜(D)を経たフラスコに、磁気攪拌子で攪拌(700rpm)しながら、有機溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤(株)製)300gを添加した。有機溶媒添加後、反応液は均一で透明な状態を呈した。
工程(F)
先の工程(A)〜(E)を経たフラスコの内容物を蒸留用フラスコに移し、溶媒を760mmHgの圧力下において加熱留去した。フラスコ内温が約85℃の時点で留去が起こった。留出量が500gに達するまで留去を続けた。留去終了時の内温は約120℃であった。フラスコ内容物を室温まで冷却し、水分濃度の分析(カールフィッシャー法)を行ったところ0.20質量%であった。合成されたオルガノチタニアゾル(OT−1)の動的光散乱法による体積平均50%累計粒子径を測定した。測定結果は図3の通りであった。また、透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ(株)製、装置名「H−9500」)を用いてOT−1の粒子の観察(50k)を行った。結果を図4に示した。
工程(G)
工程(A)〜(F)で製造したオルガノチタニアゾル(OT−1)の一部(50g)をモレキュラーシーブ4A(関東化学(株)製、「25958−08」)5gで処理したところ、水分濃度が250質量ppmまで低下した。この際に凝集は見られなかったことから、工程(F)で除去しきれなかった水分の低減にモレキュラーシーブ処理が有用であることが明らかとなった。
表1に結果と工程をまとめて示した。
実施例4で行った工程(B)において、イソブチルアルコール200gに代えて1−ブタノール200gを用いて実施した他は実施例4と同様の操作を行った。1−ブタノールの20℃における水に対する溶解度は7.7(g/100g水)であった。
表1に結果と工程をまとめて示した。
実施例4で行った工程(B)において、イソブチルアルコール200gに代えて2−ブタノール200gを用いて実施した他は実施例4と同様の操作を行った。2−ブタノールの20℃における水に対する溶解度は26(g/100g水)であった。
表1に結果と工程をまとめて示した。
実施例4で行った工程(B)において、イソブチルアルコール200gに代えてシクロペンタノール200gを用いて実施した他は実施例4と同様の操作を行った。シクロペンタノールの20℃における水に対する溶解度は1.2(g/100g水)であった。
表1に結果と工程をまとめて示した。
実施例4で行った工程(C)において、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン20gに代えてn−プロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、製品名「KBM−3033」)20gを用いて実施した他は実施例4と同様の操作を行った。
表1に結果と工程をまとめて示した。
実施例4で行った工程(C)において、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン20gに代えてビニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、製品名「KBM−1003」)20gを用いて実施した他は実施例4と同様の操作を行った。
表1に結果と工程をまとめて示した。
実施例4で行った工程(E)において、プロピレングリコールモノメチルエーテル300gに代えて、ダイアセトンアルコール300gを用いて実施した他は実施例4と同様の操作を行った。
表2に結果と工程をまとめて示した。
実施例4で行った工程(E)において、プロピレングリコールモノメチルエーテル300gに代えて、混合溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテル:リグロイン=9:1)300gを用いて実施した他は実施例4と同様の操作を行った。
表2に結果と工程をまとめて示した。
実施例4で行った工程(B)において、イソブチルアルコール200gに代えてメタノール200gを使用して実施したところ、分散質の凝集が見られた。メタノールの20℃における水に対する溶解度は∞(任意混合)であった。
表2に結果と工程をまとめて示した。
実施例4で行った工程(B)において、イソブチルアルコール200gに代えてエタノール200gを使用して実施したところ、分散質の凝集が見られた。エタノールの20℃における水に対する溶解度は∞(任意混合)であった。
表2に結果と工程をまとめて示した。
実施例4で行った工程(B)において、イソブチルアルコール200gに代えて2−プロパノール200gを使用して実施したところ、分散質の凝集が見られた。2−プロパノールの20℃における水に対する溶解度は∞(任意混合)であった。
表2に結果と工程をまとめて示した。
実施例4で行った工程(B)において、イソブチルアルコール200gに代えて1−デカノール200gを使用して実施したところ、分散質の凝集が見られた。1−デカノールの20℃における水に対する溶解度は0.1(g/100g水)であった。
表2に結果と工程をまとめて示した。
実施例4で行った工程(D)において、マイクロ波加熱に代えてオイルバスで内温が82℃になるように加熱した。加熱に要した時間は1時間であった。この際に分散質の凝集が見られた。
表2に結果と工程をまとめて示した。
実施例4で行った工程(G)において、乾燥剤としてモレキュラーシーブ4A5gに代えて硫酸ナトリウムを同量用いた。この際に分散質の凝集が見られた。
表2に結果と工程をまとめて示した。
実施例4で行った工程(G)において、乾燥剤としてモレキュラーシーブ4A5gに代えて硫酸マグネシウムを同量用いた。この際に分散質の凝集が見られた。
表2に結果と工程をまとめて示した。
工程(A)
STO:コロイダルシリカ水分散液、日産化学工業(株)製、製品名「スノーテックスO」
TiO2@SiO2:実施例4−工程(A)で製造方法を示したシリカ被覆酸化チタン水分散液
工程(B)
IBA:イソブチルアルコール
1−BuOH:1−ブタノール
2−BuOH:2−ブタノール
CypOH:シクロペンタノール
MeOH:メタノール
EtOH:エタノール
IPA:イソプロピルアルコール
1−DecOH:1−デカノール
工程(C)
KBM−5103:3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン
KBM−3033:n−プロピルトリメトキシシラン
KBM−1003:ビニルトリメトキシシラン
工程(D)
MW:マイクロ波加熱
OB:オイルバス加熱
工程(E)
PGM:プロピレングリコールモノメチルエーテル
DAA:ダイアセトンアルコール
LG:リグロイン
工程(F)
AD:共沸留去(Azeotropic Distillation)
UF:限外ろ過(Ultra Filtration)
工程(G)
MS4A:モレキュラーシーブ4A
OFE:オルト蟻酸エチル
DMP:アセトンジメチルアセタール(2,2−ジメトキシプロパン)
Na2SO4:硫酸ナトリウム
MgSO4:硫酸マグネシウム
結果
「○」:凝集が発生せずにオルガノゾルが得られたものであって動的光散乱法によって測定した体積平均の50%累計粒子径が200nm以下であったもの
「×」:凝集が発生したものであって動的光散乱法によって測定した体積平均の50%累計粒子径が200nmより大きかったもの
無機酸化物コロイド水分散液として、実施例1〜3はコロイダルシリカゾルを、実施例4〜11では水分散チタニアゾルを用いて実施している。このように、本発明は種々の無機酸化物コロイド水分散液に適用可能であることが示唆された。
工程(B)では、水に対する溶解度が約1〜30のアルコールを用いて実施した場合には良好な結果を示すが、水と任意に混合するアルコール(比較例1〜3)や溶解度の小さいもの(比較例4)を用いた場合には、良好な結果を与えなかった。このような特定の溶解度のアルコールを表面処理工程に用いることの有用性はこれまでに知られていなかった。
工程(C)では、多様な炭素官能基を有するシランが利用できることが明らかとなった。
工程(D)では、マイクロ波の加熱が重要であることが実施例1〜11から明らかとなった。なお、オイルバスの加熱は好適に用いることができなかった(比較例5)。このようなオルガノゾル製造の表面処理工程におけるマイクロ波の有用性はこれまでに知られていなかった。
工程(F)では共沸留去及び限外ろ過を利用できることが分かった。
工程(G)では、モレキュラーシーブ及びアセタール系化合物を好適に用いることができるのに対し(実施例1〜11)、無水塩(比較例6,7)では凝集が発生した。このようにオルガノゾルに適用可能な脱水剤の選択はこれまでに知られていなかった。
図2はOS−1の透過型電子顕微鏡画像である。図2から、分散質のシリカ成分はモルフォロジーを変化させていないことが明らかとなり、本発明の手法は無機酸化物粒子の核自体を化学変化させることのない温和な手法であることが明らかとなった。
図3はオルガノチタニアゾル(OT−1)の粒子径分布の測定結果である。図3から、本発明の手法では分散媒が有機溶媒に完全に置換されても凝集が発生していないことが明らかとなった。
図4はOT−1の透過型電子顕微鏡画像である。図4から、分散質のチタニア成分はモルフォロジーを変化させていないことが明らかとなり、本発明の手法は無機酸化物粒子の核自体を化学変化させることのない温和な手法であることが明らかとなった。
図1〜4の結果は、「完全な溶媒置換」と「温和で凝集が発生していない」という二つの課題を両立して解決したことを示している。これら実施例及び比較例は、本発明の有用性を示すための典型的な例であり、本発明の範囲を制限するものではない。
Claims (11)
- (A)無機酸化物コロイド水分散液を準備する工程、
(B)水と完全には相溶せず2相系を形成することを特徴とするアルコールを添加する工程、
(C)下記一般式(1)
R1 pR2 qR3 rSi(OR4)4-p-q-r (1)
(式中、R1は水素原子、非置換もしくは置換の炭素数1以上20以下の1価炭化水素基、ケイ素原子数50以下のポリジメチルシロキサン基、又はイソシアヌレート基であり、R2、R3及びR4はそれぞれ炭素数1以上6以下のアルキル基である。pは1〜3の整数、qは0,1又は2、rは0,1又は2であり、p+q+rは1〜3の整数である。)
で示される有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物もしくは加水分解縮合物を添加する工程、
(D)マイクロ波を照射する工程、
(E)有機溶媒を添加する工程、及び
(F)共沸蒸留及び/又は限外ろ過によって水を留去する工程
からなる水性コロイド溶液の溶媒置換を経るオルガノゾルの製造方法。 - さらに、(G)水を1,000ppm以下まで除去する工程を備える請求項1に記載のオルガノゾルの製造方法。
- 工程(A)において準備される無機酸化物コロイド水分散液の分散質が、酸化チタン微粒子を核とし、該核の外側に酸化ケイ素の殻を有するコアシェル微粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載のオルガノゾルの製造方法。
- 工程(A)において準備される無機酸化物コロイド水分散液の分散質が、スズ及び/又はマンガンを固溶した正方晶系酸化チタン固溶体微粒子を核とし、核の外側に酸化ケイ素の殻を有するコアシェル型正方晶系酸化チタン固溶体水分散液であって、動的光散乱法で測定した該核微粒子の体積平均50%累計粒子径が30nm以下で、該コアシェル型微粒子の体積平均50%累計粒子径が50nm以下であり、前記スズ成分の固溶量が、チタンとのモル比(Ti/Sn)で10〜1,000、前記マンガン成分の固溶量が、チタンとのモル比(Ti/Mn)で10〜1,000である、コアシェル型正方晶系酸化チタン固溶体微粒子を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のオルガノゾルの製造方法。
- 工程(A)において準備される無機酸化物コロイド水分散液の分散質が、アルミナ及び/又はシリカであって、動的光散乱法で測定した該分散質の体積平均50%累計粒子径が10nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のオルガノゾルの製造方法。
- 工程(B)において添加するアルコールの水に対する20℃における溶解度が1(アルコール1g/水100g)以上、30(アルコール30g/水100g)以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のオルガノゾルの製造方法。
- 工程(B)において添加するアルコールが、炭素数4以上8以下の芳香族基を含んでいてもよい直鎖型、分岐鎖型又は環型の1価のアルコール、及び炭素数3以上8以下のフッ素原子で全置換又は部分置換された1価のアルコールからなる群から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のオルガノゾルの製造方法。
- 工程(D)において、マイクロ波の積算照射時間が60秒以上3,600秒以内であり、照射後の系の温度が10℃以上150℃以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のオルガノゾルの製造方法。
- 工程(E)において添加される溶媒が、炭素数5以上30以下の炭化水素化合物、アルコール化合物、エーテル化合物、エステル化合物、ケトン化合物、及びアミド化合物からなる群から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のオルガノゾルの製造方法。
- 工程(G)において、水を1,000ppm以下まで除去する方法が、3Å以上10Å以下の細孔直径を有するゼオライトを用いた物理吸着であることを特徴とする請求項2〜9のいずれか1項に記載のオルガノゾルの製造方法。
- 工程(G)において、水を1,000ppm以下まで除去する方法が、オルト有機酸エステル、又は下記一般式(2)
(R5O)(R6O)CR7R8 (2)
(式中、R5及びR6はそれぞれ炭素数1以上10以下の1価炭化水素基であって、互いに結合して環を形成してもよく、またR7及びR8はそれぞれ炭素数1以上10以下の1価炭化水素基であって、互いに結合して環を形成してもよい。)
で示されるgem−ジアルコキシアルカンを用いた化学反応を伴う方法であることを特徴とする請求項2〜9のいずれか1項に記載のオルガノゾルの製造方法。
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