JP5562573B2 - 粘着剤用組成物及びこれを具備する表面保護フィルム - Google Patents
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Description
これらの粘着剤を所定の支持体フィルムに塗布する際には、粘着剤を溶剤に溶かした粘着剤溶液を、ロール、スプレー等を用いて塗布する方法がとられてきた。この方法は、粘着剤層を均一に、かつ薄く塗工できるというメリットを有しているが、溶剤の使用は、大気汚染、火災、製造時の安全衛生性、経済性等の観点からは好ましくない。
溶剤を使用しないホットメルトタイプの製造技術として、粘着剤層と支持体フィルムとの積層体を共押し出しによって製造する技術が知られており、粘着剤に関しても、種々のホットメルト型粘着剤が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
具体的には、支持体フィルムと粘着剤層との積層体を金属板等に貼り付けた場合、支持体フィルムと粘着剤層との間で界面剥離を生じ、糊残りが発生しやすいという問題がある。
すなわち、本発明は以下の通りである。
て、前記共重合体(A)は、−70℃以上−5℃以下の範囲に1つ以上のtanδ(損失
正接)ピーク1と、0℃以上50℃以下の範囲に1つ以上のtanδ(損失正接)ピーク
2を有し、前記共重合体(A)が、下記(a)〜(c)の各ブロックを1つ以上含有する、粘着剤用組成物を提供する。
(a)ビニル芳香族単量体単位を95質量%以上含有する重合体ブロック
(b)アルキレン単位とビニル芳香族単量体単位とを含有する共重合体ブロック又は共役ジエン単位とビニル芳香族単量体単位を含有する水添共重合体ブロックであって、ビニル芳香族単量体単位の含有量が55〜90質量%である共重合体ブロック又は水添共重合体ブロック
(c)アルキレン単位を60質量%以上含有する重合体ブロック又は共役ジエン単位を60質量%以上含有する水添重合体ブロック
(a)ビニル芳香族単量体単位を95質量%以上含有する重合体ブロック:10〜50質量%
(b2)共役ジエン単位とビニル芳香族単量体単位とを含有する水添共重合体ブロックであって、ビニル芳香族単量体単位の含有量が55〜90質量%である水添共重合体ブロック:25〜80質量%
(c2)共役ジエン単位を60質量%以上含有する水添重合体ブロック:10〜70質量%
本実施形態の粘着剤用組成物は、ビニル芳香族単量体単位を有する共重合体(A)を含有する粘着剤用組成物である。
前記共重合体(A)は、−70℃以上−5℃以下の範囲に1つ以上のtanδ(損失正接)ピーク1と、0℃以上50℃以下の範囲に1つ以上のtanδ(損失正接)ピーク2を有している粘着剤用組成物である。
(A)ビニル芳香族単量体単位を有する共重合体は、粘弾性測定試験において、−70℃以上−5℃以下の範囲に1つ以上のtanδピーク1を有している。これにより、本実施形態の粘着剤用組成物は、被着対象が歪な形状をしていたとしても、良好な密着性が発揮でき、低温条件下でも室温条件下と同程度の粘着力が得られるようになる。
また、(A)ビニル芳香族単量体単位を有する共重合体は、粘弾性測定試験において、0℃以上50℃以下の範囲に1つ以上のtanδピーク2を有している。これにより、本実施形態の粘着剤用組成物は、適度な接着強さを有し、長時間密着させても接着強さが維持されるという特性を発揮できるようになる。
なお、−65℃以上−15℃以下の範囲に1つ以上のtanδピーク1と、5℃以上45℃以下の範囲に1つ以上のtanδピーク2とを有することが好ましく、−60℃以上−25℃の範囲に1つ以上のtanδピーク1と、10℃以上40℃以下の範囲に1つ以上のtanδピーク2とを有することがより好ましい。
これにより、粘着剤用組成物の柔軟性が良好なものとなり、被着体が歪な表面であっても、確実に密着させることができる。
25℃のtanδ値は、0.15以上であることがより好ましく、0.25以上であることがさらに好ましい。
例えば、測定用試料を、幅10mm、長さ35mmのサイズにカットし、装置ARES(ティーエイインスツルメントー株式会社製、商品名)の捻りタイプのジオメトリーに、セットし、実効測定長さは25mm、ひずみ0.5%、周波数1Hz、−70℃から50℃まで、昇温速度3℃/分で求めた値である。tanδピーク温度は、RSI Orchestrator(ティーエイインスツルメントー株式会社製、商品名)の自動測定より検出されるピークから求められる。
本実施形態においては、ピーク温度におけるtanδ値は、0.1以上であることが好ましい。
アルキレンと、ビニル芳香族化合物との共重合体ブロックを共重合体(A)に含有させる
方法」、「共重合体(A)に含有される水素添加前共役ジエン由来のビニル含有量や分布
、及び共重合体(A)に含有される共役ジエンの水素添加量、あるいは共重合体(A)に
含有されるアルキレン由来の炭素数3以上のαオレフィン量や分布、分子量分布、ビニル
芳香族化合物を主体とするブロックの含有量を調節する方法」が挙げられる。
(a)ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック
(b)アルキレン単位とビニル芳香族単量体単位を主体とする共重合体ブロック又は共役ジエン単位とビニル芳香族単量体単位を主体とする水添共重合体ブロック
(a)ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック
(b)アルキレン単位とビニル芳香族単量体単位を主体とする共重合体ブロック又は共役ジエン単位とビニル芳香族単量体単位を主体とする水添共重合体ブロック
(c)アルキレン単位を主体とする重合体ブロック又は共役ジエン単位を主体とする水添重合体ブロック
これにより、粘着剤用組成物の接着強さの経時的な変化を低減化でき、共重合体(A)の製造効率の向上が図られる。
例えば、「ビニル芳香族単量体単位」とは、単量体であるビニル芳香族化合物を重合した結果生ずる、重合体の構成単位を意味し、その構造は、置換ビニル基に由来する置換エチレン基の二つの炭素が結合部位となっている分子構造である。
また、「共役ジエン単量体単位」とは、単量体である共役ジエンを重合した結果生ずる、重合体の構成単位を意味し、その構造は、共役ジエン単量体に由来するオレフィンの二つの炭素が結合部位となっている分子構造である。
また、本実施形態において、「主体とする」とは、共重合体中、単量体単位を60質量%以上含有することを意味する。単量体単位を80質量%以上含有することが好ましく、90質量%以上含有することがより好ましく、95質量%以上含有することがさらに好ましい。
アルキレンとは、エチレン、プロピレン、ブテン、へキセン及びオクテン等のモノオレフィンを示す。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アニオン重合のブロック共重合体の製造方法としては、公知の方法が適用できる。例えば、特公昭36−19286号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭46−32415号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭48−2423号公報、特公昭48−4106号公報、特公昭56−28925号公報、特開昭59−166518号公報、特開昭60−186577号公報等に記載された方法が挙げられる。
c−(b−a)n、c−(a−b)n、c−(a−b−a)n、c−(b−a−b)n、a−c−(b−a)n、a−c−(a−b)n、a−c−(b−a)n−b[(a−b−c)n]m−X、[(a−(b−c)n]m−X、[(a−b)n−c]m−X、[(a−b−a)n−c]m−X、[(b−a−b)n−c]m−X、[(c−b−a)n]m−X、[c−(b−a)n]m−X、[c−(a−b−a)n]m−X、または[c−(b−a−b)n]m−X
aは、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックである。
bは、アルキレン単位とビニル芳香族単量体単位を主体とする共重合体ブロック又は共役ジエン単位とビニル芳香族単量体単位を主体とする水添共重合体ブロックである。
cは、アルキレン単位を主体とする重合体ブロック又は共役ジエン単位を主体とする水添重合体ブロックである。
共重合体(A)中に重合体ブロックが複数存在している場合には、各々の分子量や組成等の構造は同一であっても異なっていてもよい。また、各ブロックの境界や最端部は必ずしも明瞭に区別される必要はない。
また、重合体ブロック中に、結晶部が存在していてもよい。
各共重合体ブロック中には、ビニル芳香族化合物含有量の異なるセグメントが複数個共存していてもよい。
上記Xは、例えば、四塩化ケイ素、四塩化スズ、エポキシ化大豆油、ポリハロゲン化炭化水素化合物、カルボン酸エステル化合物、ポリビニル化合物、ビスフェノール型エポキシ化合物、アルコキシシラン化合物、ハロゲン化シラン化合物、エステル系化合物等のカップリング剤の残基又は多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。
各ブロック中の共役ジエン単位のビニル単位の分布は、特に限定されないが、分布があってもよい。
ビニル単位の分布は、重合中にビニル化剤を添加する、重合中の温度を変化させる等の方法により制御できる。
また、共役ジエン単位の水素添加率には分布があってもよい。水素添加率の分布は、ビニル単位の分布を変更する、あるいは、イソプレンとブタジエンを共重合した後に、以下に記載する触媒を用いて水素添加し、イソプレン単位とブタジエン単位の水素添加速度の差を利用する方法等により制御できる。
このように、共重合体(A)の両末端部にビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックを有する構造とすることにより、凝集力が向上し、本実施形態のおける粘着剤用組成物の接着強さを高めることができる。
主体とする共重合体ブロック又は共役ジエン単位とビニル芳香族単量体単位を主体とする
水添共重合体ブロックの含有量は、本実施形態における粘着剤用組成物において貼り合わ
せ直後から所定時間経過後の接着強さの経時変化が少ないという観点から、25質量%以
上が好ましく、被着体への十分な密着性を得る観点から80質量%以下が好ましい。共重合体(A)中の上記(b)の含有量は、30〜70質量%の範囲がより好ましく、35〜60質量%の範囲がさらに好ましい。
特に、上記(b)を限定した(b2)共役ジエン単位とビニル芳香族単量体単位とを主体とする水添共重合体ブロックに含まれているビニル芳香族単量体単位の含有量が、本実施形態における粘着剤用組成物において貼り合わせ直後から所定時間経過後の接着強さの経時変化が少ないという観点から、10〜90質量%が好ましく、30〜85質量%がより好ましく、45〜80質量%であることがさらに好ましく、55〜75質量%であることがさらにより好ましい。
共重合体(A)中のビニル芳香族単量体単位の含有量が35重量%未満であると、ポリマー仕上げ性が劣り、重合後のポリマー溶液を水蒸気で脱溶媒した後、脱水する工程でポリマーが大きな塊になり、仕上げ設備にかからなくなる。また、ポリマーの乾燥工程でも温度を上げるとポリマーがべとつくため、乾燥するためには、低温で長時間要するため、製造性が劣る。
なお、「ビニル結合量」とは、水添前の共役ジエンの1,2−結合、3,4−結合及び1,4−結合の結合様式で組み込まれているうち、1,2−結合及び3,4−結合で組み込まれているものの割合とする。
上記「ビニル結合量」は、水素添加前の共重合体(A)を使用し、赤外分光光度計(装置名:FT/IR−230;日本分光社製)を用い、ハンプトン法により算出できる。
水添触媒としては、特に限定はされないが、従来公知の水添触媒である、(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩またはアセチルアセトン塩等の遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水添触媒が挙げられる。
具体的には、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号公報、特公平1−37970号公報、特公平1−53851号公報、特公平2−9041号公報等に記載された水添触媒が挙げられる。
官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、チオカルボニル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、チオカルボン酸基、アルデヒド基、チオアルデヒド基、カルボン酸エステル基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、ピリジル基、キノリン基、エポキシ基、チオエポキシ基、スルフィド基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、ハロゲン化ケイ素基、アルコキシケイ素基、ハロゲン化スズ基、ボロン酸基、ホウ素含有基、ボロン酸塩基、アルコキシスズ基、フェニルスズ基等が挙げられる。
特に、共重合体(A)中における、上記(c)を限定した(c2)共役ジエン単位を主体とする水添重合体ブロックの含有量は、本実施形態の粘着剤用組成物において被着体への良好な密着性を得る観点から10質量%以上であることが好ましく、貼り合わせ直後から所定時間経過後の接着強さの経時変化が少ないという観点から70質量%以下であることが好ましく、15〜60質量の範囲であることがより好ましく、15〜50質量%の範囲であることがさらに好ましい。
共重合体(A)は、逐次重合の場合は、分子量分布(=重量平均分子量/数平均分子量)は小さい方がよく1.2以下が好ましい。
このように分子量分布を狭く特定することは、実用上十分な接着強さが得、貼り合わせから長期間接着強度を維持し、さらには、長期間安定した接着力が維持する観点から有効である。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求めることができる。
熱可塑性樹脂類としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ブタジエン樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、ポリメタクリルスチレン、メタクリル樹脂等のプラスチック、スチレン系、オレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系などの熱可塑性エラストマー、各種粘着付与剤の石油樹脂が挙げられる。特に、水添スチレン系エラストマー、エチレン酢酸ビニル共重合体、アクリル系共重合体、粘着付与性樹脂が好適である。
本実施形態の粘着剤用組成物においては、(B)水添スチレン系エラストマーをさらに含有してもよい。
(B)水添スチレン系エラストマーとしては、特に限定されないが、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンを水素添加により飽和させたスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEPS)が代表的な水添スチレン系エラストマーとして挙げられるが、その他、スチレン−エチレン−ブチレン(SEB)、スチレン−エチレン−プロピレン(SEP)といった構造のエラストマーでもよい。
また、水添スチレン系エラストマーに、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、チオカルボニル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、チオカルボン酸基、アルデヒド基、チオアルデヒド基、カルボン酸エステル基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、ピリジル基、キノリン基、エポキシ基、チオエポキシ基、スルフィド基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、ハロゲン化ケイ素基、アルコキシケイ素基、ハロゲン化スズ基、ボロン酸基、ホウ素含有基、ボロン酸塩基、アルコキシスズ基、フェニルスズ基を具備する、官能基を付与した反応性エラストマーを使用してもよい。
本実施形態の粘着剤用組成物においては、(C)エチレン酢酸ビニル共重合体をさらに含有してもよい。
(C)エチレン酢酸ビニル共重合体は、特に限定されないが、例えば、エチレンと酢酸ビニルとを、高温、高圧条件下でラジカル共重合して製造できる。酢酸ビニルの含有率によって性質が異なるが、特に限定するものではない。
本実施形態の粘着剤用組成物においては、(D)アクリル系共重合体をさらに含有してもよい。
(D)アクリル系共重合体は、特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリルニトリルと酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン等との共重合体が挙げられる。
成分(A)の配合割合が20質量%未満であると、本実施形態の粘着剤用組成物において密着性が低下し、貼り合わせ直後から長時間密着させた後において接着強さが変化してしまい、さらには低温条件下における粘着力が低下する。
成分(A)の配合割合が80質量%を超えると、本実施形態の粘着剤用組成物において、接着強さ、粘着力が低下するため好ましくない。
本実施形態の粘着剤用組成物においては、(E)粘着付与剤樹脂をさらに含有してもよい。
粘着付与剤樹脂としては、種類は特に限定はなく、例えば、ロジン系テルペン系樹脂、水添ロジン系テルペン系樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、テルペン−フェノール系樹脂、芳香族炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂等の公知の粘着付与性樹脂が挙げられる。粘着付与剤は単独で使用してもよく、2種類以上混合して使用してもよい。
粘着付与剤の具体例としては、「ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)に記載されたものが使用できる。
(E)粘着付与剤樹脂を用いることにより、接着強さの改良が図られる。
本実施形態の粘着剤用組成物中における(E)粘着付与剤樹脂の含有量は、共重合体(A)を100質量部としたとき、0〜200質量部、好ましくは0〜100質量部の範囲で使用される。
その使用量が200質量部を超えると、長期貼り付け後の接着力が強くなりすぎ、剥離の際に糊残りが生じやすいため好ましくない。
本実施形態の粘着剤用組成物においては、(F)軟化剤をさらに含有してもよい。
(F)軟化剤としては、鉱物油系軟化剤又は合成樹脂系軟化剤のいずれも使用できる。
鉱物油系軟化剤は、一般に、芳香族系炭化水素、ナフテン系炭化水素及びパラフィン系炭化水素の混合物が挙げられ、パラフィン系炭化水素の炭素原子数が全炭素原子中の50%以上を占めるものがパラフィン系オイルと呼ばれ、ナフテン系炭化水素の炭素原子が30〜45%のものがナフテン系オイルと呼ばれ、また、芳香族系炭化水素の炭素原子が35%以上のものが芳香族系オイルと呼ばれている。
(F)軟化剤としては、ゴム用軟化剤であるパラフィン系オイルが好ましく、合成樹脂系軟化剤としては、例えば、ポリブテン、低分子量ポリブタジエン等が好ましいものとして挙げられる。
本実施形態の粘着剤用組成物中の(F)軟化剤の含有量は、(F)軟化剤のブリード抑制や、本実施形態の粘着剤用組成物において実用上十分な機械強度を確保する観点から、0〜100質量%であることが好ましい。
(F)軟化剤の粘着剤用組成物中の含有量は、0〜50質量%の範囲がより好ましく、0〜30質量%以下の範囲がさらに好ましい。
本実施形態の粘着剤用組成物には、酸化防止剤、光安定剤等の安定剤を添加してもよい。
酸化防止剤としては、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルべンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)]アクリレート等のヒンダードフェノール系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネートペンタエリスリトール−テトラキス(β−ラウリルチオプロピオネート)等のイオウ系酸化防止剤;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系酸化防止剤等が挙げられる。
光安定剤としては、例えば2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤や2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、あるいはヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。
本実施形態の粘着剤用組成物は、従来公知の方法により製造できる。
例えば、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、コニーダ、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解又は分散混合後、コーター等によりキザイフィルムに塗工した後、溶剤を加熱除去する方法等が用いられる。
また、中空フィラー(既膨張バルーン)を添加することにより、軽量化、柔軟化、密着性の向上を図ってもよい。
本実施形態の表面保護フィルムは、上述した本実施形態の粘着剤用組成物を、所定の基材フィルム上に積層形成した粘着剤層を具備する構成を有している。
基材フィルムとしては、非極性樹脂又は極性樹脂のいずれも使用できるが、性能や価格面等から、非極性樹脂としては、ポリエチレン、ホモ又はブロックのポリプロピレン、極性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びその加水分解物等が好ましいものとして挙げられる。
本実施形態の表面保護フィルムを構成する粘着剤用組成物の層は、1μm以上100μm以下が好ましく、5〜100μmがより好ましい。
粘着剤用組成物の層の厚さが100μmを超えると、容量が大きくなり、取扱性が悪化し、経済的にも不利である。また、1μm未満であると密着性が悪化し、均一な厚みも得られなくなるという不都合を生じる。
基材フィルムは、5mm以下、好ましくは3mm以下、更に好ましくは1mm以下のものが好ましく、300μm以下がさらにより好ましく、10〜200μmがさらにより好ましい。
一般的に、厚さが300μmを超えるものは「シート」と呼ばれるが、本明細書においては、これらも含めてフィルムと記載している。
先ず、フィルム押出機による方法としては、粘着剤用組成物層の成分と基材フィルム層の熱可塑性樹脂成分とを、溶融共押出機にて、二つの流れにして、すなわち、接着剤層形成用流体と、基材体フィルム形成用流体とをダイス口内で合流せしめて単一流体を形成して押し出し、粘着剤層と樹脂フィルム層とを複合することによって製造できる。
塗工する方法としては、粘着剤層組成物を所定の溶剤に溶解し、塗布液を作製し、これを基材フィルムに塗布することによって製造することができる。
フィルム押出機による方法の場合、粘着剤用組成物は、予め粘着剤用組成物の各成分をドライブレンドすることによっても製造できるため、生産性に優れている。
また、塗工法としては、粘着剤用組成物を溶解可能な溶媒に溶かし、コーター等を用い、基材フィルム上に塗工し、溶媒を加熱乾燥することによって製造できる。粘着剤用組成物に適した溶媒としては、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、クロロホルム等が挙げられる。
先ず、実施例及び比較例に適用した、評価方法及び物性の測定方法について下記に示す。
(I−1)スチレン含有量、共役ジエンのビニル結合量、共役ジエンに基づく二重結合の水素添加率
ポリマー中のスチレン含有量、共役ジエンのビニル結合量、共役ジエンに基づく二重結合の水素添加率は、核磁気共鳴スペクトル解析(NMR)により、下記の条件で測定した。
測定機器:JNM−LA400(JEOL製)
溶媒:重水素化クロロホルム
測定サンプル:ポリマーを水素添加する前後の抜き取り品
サンプル濃度:50mg/ml
観測周波数:400MHz
化学シフト基準:TMS(テトラメチルシラン)
パルスディレイ:2.904秒
スキャン回数:64回
パルス幅:45°
測定温度:26℃
I. M. Kolthoff, et al., J. Polym. Sci., 1946, Vol.1, p.429に記載されている四酸化オスミウム酸法により測定した。
測定サンプル:ポリマーを水素添加する前の抜き取り品
ポリマー分解用溶液:オスミウム酸0.1gを第3級ブタノ−ル125mLに溶解した溶液
ビニル芳香族単量体単位含有する共重合体(A)の重量平均分子量及び分子量分布は、下記の条件でゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
分子量分布は、得られた重量平均分子量と数平均分子量との比により算出した。
測定装置:LC−10(島津製作所製)
カラム:TSKgelGMHXL(4.6mmID×30cm)、2本
溶媒:テトラヒドロフラン
検量線用サンプル:市販(東ソー株式会社製)の標準ポリスチレン、10点測定
測定材料を、幅10mm、長さ35mmのサイズにカットし、測定用試料とした。
装置ARES(ティーエイインスツルメントー株式会社製、商品名)の捻りタイプのジオメトリーに、測定用試料をセットし、実効測定長さは25mm、ひずみ0.5%、周波数1Hz、−70℃〜50℃まで、昇温速度3℃/分の条件により測定した。
tanδピーク温度は、RSI Orchestrator(ティーエイインスツルメントー株式会社製、商品名)の自動測定より検出されるピークから求めた値である。
(II−1)密着性
PMMA板(表面の算術平均粗さ:1.1μm)に、下記実施例1〜8、比較例1〜8において作製した表面保護フィルムを貼り付け、23℃×50%相対湿度中で、重さ1kgのゴムロール(直径10cm)を用いて一定速度で転圧させて貼り付けた後、密着部分と空隙部分の面積比を目視で観察した。
密着性は、下記の4段階で評価を行った。
◎:剥離面積(1m2)に対して、目視で観察できる気泡が全くないもの。
〇:剥離面積(1m2)に対して、目視で観察できる気泡が1点のもの。
×:剥離面積(1m2)に対して、目視で観察できる気泡が2〜4点のもの。
××:剥離面積(1m2)に対して、目視で観察できる気泡が5点以上のもの。
測定装置としては、万能引張試験機「テンシロンSTM−T−200BP:(株)オリエンテック製」を用いた。
180mm長×20mm幅のループ状の、下記実施例1〜8、比較例1〜8において作製した表面保護フィルムを用い、被着体として、PMMA板(表面の算術平均粗さ:0.1μm)を使用して、接触面積15mm×50mm、接触間隔(上部のチャックの下端部とPMMA板の上面の距離):30mm、接着時間:10sec、接着及び引き剥がし速度:500mm/minとして、粘着力(g/10mm)を測定した。
なお、測定温度は、0℃、23℃の2種類とした。
測定装置としては、万能引張試験機「テンシロンSTM−T−200BP:(株)オリエンテック製」を用いた。
PMMA板(表面の算術平均粗さ:0.1μm)に、下記実施例1〜8、比較例1〜8において作製した表面保護フィルムを貼り付け、温度23℃中で180度引き剥がし試験を、貼り付け直後と長時間密着後の2種類行った。
この180度引き剥がし試験においては、測定用試料である表面保護フィルムを25mm幅にしてPMMA板に貼り付け、引き剥がし速度300mm/minとして剥離力を測定した。
なお、長時間密着の評価は、PMMA板に下記実施例1〜8、比較例1〜8において作製した表面保護フィルムを貼り付けた後、23℃×50%相対湿度中で28日放置後に測定した。
ビニル芳香族単量体単位含有する共重合体(A)の水添反応に用いた水添触媒は下記の方法で調製した。
窒素置換した反応容器に、乾燥、精製したシクロヘキサン1リットルを仕込み、ビスシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100ミリモルを添加し、十分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200ミリモルを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させ、水添触媒を調製した。
<ポリマー1:スチレン−ブタジエン−スチレン・ブタジエン−スチレンの水添物(a−c−b−a)>
ここで、a〜cは、それぞれ下記の重合体ブロックを示すものとする。
a:ポリスチレンブロック
b:ブタジエンとスチレンの共重合体ブロック
c:ポリブタジエン単独ブロック
内容積が10Lの、攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を、洗浄、乾燥、窒素置換して、下記の方法によりバッチ重合を行った。
先ず、スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.06質量部と、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン(以下「TMEDA」と記載する。)をn−ブチルリチウム1モルに対して0.7モル添加し、70℃で30分間重合した。
その後、ブタジエン20質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で30分間重合した。
次に、ブタジエン15質量部とスチレン35質量部とを含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で1時間重合した。
最後にスチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で30分間重合した。
上述のようにして得られたポリマーは、スチレン含有量65質量%、ポリスチレンブロック(a)含有量30質量%、ポリブタジエン単独ブロック(c)部のビニル結合量48モル%、ブタジエンとスチレンの共重合体ブロック(b)部のビニル結合量21モル%、ポリマー全体の重量平均分子量17.7万、分子量分布1.10であった。
次に、上述のようにして得られたポリマーに、上記(III)により調製した水添触媒を、ポリマー100質量部当たりチタンとして100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を行った。
その後、メタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体100質量部に対して0.3質量部添加した。
得られた水添ブロック共重合体(ポリマー1)のブタジエンの水添率は99%であった。
ここで、a〜cは、それぞれ下記の重合体ブロックを示すものとする。
a:ポリスチレンブロック
b:ブタジエンとスチレンの共重合体ブロック
c:ポリブタジエン単独ブロック
上記ポリマー1の合成と同様に、内容積が10Lの、攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を、洗浄、乾燥、窒素置換して、下記の方法によりバッチ重合を行った。
スチレン10質量部を含むシクロヘキサン溶液を、上記反応器に投入後、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.05質量部、TMEDAをn−ブチルリチウム1モルに対して0.7モル添加し、70℃で30分間重合した。
その後、ブタジエン25質量部を含むシクロヘキサン溶液を加え、70℃で30分間重合した。
次に、ブタジエン15質量部とスチレン40質量部とを含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で1時間重合した。
最後に、スチレン10質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で30分間重合した。
上述のようにして得られたポリマーは、スチレン含有量60質量%、ポリスチレンブロック(a)含有量20質量%、ポリブタジエン単独ブロック(c)部のビニル結合量43モル%、ブタジエンとスチレンの共重合体ブロック(b)部のビニル結合量18モル%、ポリマー全体の重量平均分子量22.2万、分子量分布1.11であった。
次に、上述のようにして得られたポリマーに、上記(III)により調製した水添触媒を、ポリマー100質量部当たりチタンとして100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を行った。
その後、メタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体100質量部に対して0.3質量部添加した。
得られた水添ブロック共重合体(ポリマー2)のブタジエンの水添率は99%であった。
内容積が10Lの、攪拌装置及びジャケット付きの槽型反応器を2基使用し、洗浄、乾燥、窒素置換して連続重合を行った。
1基目の反応器の底部から、ブタジエンを含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を3.3kg/hrの供給速度で、スチレンを含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を4.8kg/hrの供給速度で、n−ブチルリチウムを含むシクロヘキサン溶液を、全モノマー100質量部に対して0.077質量部になるような供給速度で、さらに、TMEDAを含むシクロヘキサン溶液をn−ブチルリチウム1モルに対して0.44モルになるような供給速度でそれぞれ供給し、90℃で連続重合を行った。
1基目の重合反応器における平均滞留時間は、約45分間であり、ブタジエンの転化率は略100%であり、スチレンの転化率は99%であった。
1基目から出たポリマー溶液を、2基目の反応器の底部から供給し、また同時に、スチレンを含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を1.9kg/hrの供給速度で、2基目の底部に供給し、90℃で連続重合した。2基目の反応器出口におけるスチレンの転化率は98%であった。
連続重合で得られたポリマーは、スチレン含有量67質量%、ポリスチレンブロック(a)含有量20質量%、ブタジエンとスチレンの共重合体ブロック(b)部のビニル結合量16モル%、ポリマー全体の重量平均分子量20万、分子量分布1.9であった。
次に、上述のようにして得られたポリマーに、上記(III)により調製した水添触媒を、ポリマー100質量部当たりチタンとして100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を行った。
その後、メタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体100質量部に対して0.3質量部添加した。
得られた水添ブロック共重合体(ポリマー3)のブタジエンの水添率は99%であった。
上記ポリマー1の合成と同様に、内容積が10Lの、攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を、洗浄、乾燥、窒素置換して、下記の方法によりバッチ重合を行った。
スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液を、上記反応器に投入後、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.05質量部、TMEDAをn−ブチルリチウム1モルに対して0.55モル添加し、70℃で30分間重合した。
その後、ブタジエン70質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で1時間重合した。
最後に、スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で30分間重合した。
上述のようにして得られたポリマーは、スチレン含有量30質量%、ポリスチレンブロック(a)含有量30質量%、ポリブタジエン単独ブロック(c)部のビニル結合量38モル%、ポリマー全体の分子量32.1万、ポリスチレンブロックの重量平均分子量3.2万、分子量分布1.03であった。
次に、上述のようにして得られたポリマーに、上記(III)により調製した水添触媒を、ポリマー100質量部当たりチタンとして100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を行った。
その後、メタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体100質量部に対して0.3質量部添加した。
得られた水添ブロック共重合体(ポリマー4)のブタジエンの水添率は99%であった。
水添触媒をポリマー100質量部当たりチタンとして58ppm添加して水添反応を行った。
その他の条件は、上述した(ポリマー1)と同様として、水添ブロック共重合体(ポリマー5)を得た。
水添ブロック共重合体(ポリマー5)のブタジエンの水添率は70%であった。
ブロック共重合体(A)として、上記(ポリマー1)の15%トルエン溶液を作製した。
次に、アプリケーターを用いて、25μm厚みのポリエステルフィルムに、上記トルエン溶液を塗工し、30分間ドラフト内で風乾後、70℃のオーブンでトルエンを完全に蒸発させ、粘着剤層を具備する表面保護フィルムを作製した。
なお、粘着剤層の厚みは15μmであった。
この表面保護フィルムについて、密着性、接着強さ(貼り合わせ直後、23℃×14日後)、粘着力(23℃、0℃)の測定を行った。測定結果を下記表2に示した。
上記(ポリマー1)に代えて(ポリマー2)を用い、15%トルエン溶液を作製し、これを用いて実施例1と同様の方法で表面保護フィルムを作製し、各特性の測定を行った。測定結果を下記表2に示す。
上記(ポリマー1)に代えて(ポリマー3)を用い、15%トルエン溶液を作製し、これを用いて、実施例1と同様の方法で表面保護フィルムを作製し、各特性の測定を行った。測定結果を下記表2に示す。
上記(ポリマー1)に代えて(ポリマー4)を用い、15%トルエン溶液を作製し、これを用いて、実施例1と同様の方法で表面保護フィルムを作製し、各特性の測定を行った。
測定結果を下記表2に示す。
上記(ポリマー1)に代えて(ポリマー5)を用い、15%トルエン溶液を作製し、これを用いて、実施例1と同様の方法で表面保護フィルムを作製し、各特性の測定を行った。
測定結果を下記表2に示す。
ブロック共重合体(A)として(ポリマー1)を用い、このポリマー1を50質量%、水添系エラストマー(ポリマー構造がEB−S−EB−S、スチレン量が13%、水添前のブタジエン部のビニル量が73%、メルトフローレート・MFR(230℃、2.16kg荷重)が3.5g/10min)を50質量%の割合で混合し、この混合物の15%トルエン溶液を作製した。
上記15%トルエン溶液を用いて、実施例1と同様の方法で表面保護フィルムを作製し、各特性の測定を行った。
測定結果を下記表3に示す。
(ポリマー1)に代えて(ポリマー2)を使用し、(ポリマー2)と上記水添系エラストマーとの比率を下記表3に示す値に調整し、その他の条件は実施例3と同様に15%トルエン溶液を作製した。
上記15%トルエン溶液を用いて、実施例1と同様の方法で表面保護フィルムを作製し、各特性の測定を行った。
測定結果を下記表3に示す。
(ポリマー1)に代えて(ポリマー3)を使用し、(ポリマー3)と上記水添系エラストマーとの比率を下記表3に示す値に調整し、その他の条件は実施例3と同様に15%トルエン溶液を作製した。
上記15%トルエン溶液を用いて、実施例1と同様の方法で表面保護フィルムを作製し、各特性の測定を行った。
測定結果を下記表3に示す。
(ポリマー1)に代えて(ポリマー4)を使用し、(ポリマー4)と上記水添系エラストマーとの比率を下記表3に示す値に調整し、その他の条件は実施例3と同様に15%トルエン溶液を作製した。
上記15%トルエン溶液を用いて、実施例1と同様の方法で表面保護フィルムを作製し、各特性の測定を行った。
測定結果を下記表3に示す。
(ポリマー1)に代えて(ポリマー5)を使用し、(ポリマー5)と上記水添系エラストマーとの比率を下記表3に示す値に調整し、その他の条件は実施例3と同様に15%トルエン溶液を作製した。
上記15%トルエン溶液を用いて、実施例1と同様の方法で表面保護フィルムを作製し、各特性の測定を行った。
測定結果を下記表3に示す。
(ポリマー1)と、水添スチレン系エラストマーとの比率を下記表4に示す値に調整し、その他の条件は実施例3と同様に15%トルエン溶液を作製した。
上記15%トルエン溶液を用いて、実施例1と同様の方法で表面保護フィルムを作製し、各特性の測定を行った。
測定結果を下記表4に示す。
(ポリマー1)、水添スチレン系エラストマー、エチレン酢酸ビニル共重合体(エバフレックスEV45X(VA含有量:46質量%)、三井・デュポンポリケミカル株式会社製)及びアクリル系共重合体(アクリル系共重合体含有溶剤型粘着剤、アロンタックS−1601(固形分30%)、東亜合成株式会社製)を、下記表4に示す配合組成とし、その他の条件は、実施例3と同様として15%トルエン溶液を作製した。
上記15%トルエン溶液を用いて、実施例1と同様の方法で表面保護フィルムを作製し、各特性の測定を行った。
測定結果を下記表4に示す。
(ポリマー1)、水添スチレン系エラストマー、粘着付与剤樹脂(水素化石油樹脂、アルコンP115、荒川化学工業株式会社製)及び軟化剤(ダイアナプロセスオイルPW90、出光興産株式会社製)を、下記表4に示す配合組成とし、その他の条件は、実施例3と同様として15%トルエン溶液を作製した。
上記15%トルエン溶液を用いて、実施例1と同様の方法で表面保護フィルムを作製し、各特性の測定を行った。
測定結果を下記表4に示す。
一方、比較例1においては、共重合体(A)が、−70℃以上−5℃以下の範囲にtanδ(損失正接)ピークを有していないため、密着性、接着強さ、粘着力のいずれにおいても実用上良好な評価が得られなかった。
また、比較例2においては、共重合体(A)が、0℃以上50℃以下の範囲に、tanδ(損失正接)ピークを有していないため、上記密着性において、実用上良好な評価が得られなかった。
一方、比較例3においては、粘着剤用組成物に含有されているポリマー3の共重合体(A)が、−70℃以上−5℃以下の範囲にtanδ(損失正接)ピークを有していないため、密着性、接着強さ、粘着力のいずれにおいても実用上良好な評価が得られなかった。
比較例4においては、粘着剤用組成物に含有されているポリマー4の共重合体(A)が、0℃以上50℃以下の範囲に、tanδ(損失正接)ピークを有していないため、貼り合わせ直後から長時間保存後の接着強さに著しい差が生じ、容易に剥離することが困難な状態となった。
参考例4においては、共重合体(A)が水添スチレン系エラストマーに比べ多すぎるため、接着強さ、粘着力が共に低い結果となった。
Claims (10)
- ビニル芳香族単量体単位を有する共重合体(A)を含有する粘着剤用組成物であって、
前記共重合体(A)は、−70℃以上−5℃以下の範囲に1つ以上のtanδ(損失正
接)ピーク1と、
0℃以上50℃以下の範囲に1つ以上のtanδ(損失正接)ピーク2を有し、
前記共重合体(A)が、下記(a)〜(c)の各ブロックを1つ以上含有する、粘着剤用組成物。
(a)ビニル芳香族単量体単位を95質量%以上含有する重合体ブロック
(b)アルキレン単位とビニル芳香族単量体単位とを含有する共重合体ブロック又は共役ジエン単位とビニル芳香族単量体単位を含有する水添共重合体ブロックであって、ビニル芳香族単量体単位の含有量が55〜90質量%である共重合体ブロック又は水添共重合体ブロック
(c)アルキレン単位を60質量%以上含有する重合体ブロック又は共役ジエン単位を60質量%以上含有する水添重合体ブロック - 前記共重合体(A)の、25℃のtanδ(損失正接)が、0.10以上である請求項
1に記載の粘着剤用組成物。 - 前記共重合体(A)が、下記(a)、(b2)、(c2)の各ブロックを含有する請求
項1又は2に記載の粘着剤用組成物。
(a)ビニル芳香族単量体単位を95質量%以上含有する重合体ブロック:10〜50質量%
(b2)共役ジエン単位とビニル芳香族単量体単位とを含有する水添共重合体ブロックであって、ビニル芳香族単量体単位の含有量が55〜90質量%である水添共重合体ブロック:25〜80質量%
(c2)共役ジエン単位を60質量%以上含有する水添重合体ブロック:10〜70質量% - 前記共重合体(A)が、当該共重合体(A)中の全共役ジエン単位の60mol%以上
が水素添加された重合体である、請求項3に記載の粘着剤用組成物。 - 前記共重合体(A)の両末端部に、ビニル芳香族単量体単位を95質量%以上含有する重合体ブロックを有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の粘着剤用組成物。
- 一種以上の熱可塑性樹脂をさらに含有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の粘着剤用組成物。
- (B)水添スチレン系エラストマー、
(C)エチレン酢酸ビニル共重合体、
(D)アクリル系共重合体
からなる群から選ばれる一つ以上をさらに含有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の粘着剤用組成物。 - 前記共重合体(A):10質量%〜80質量%、
前記(B)水添スチレン系エラストマー:20質量%〜90質量%を含有する請求項7に記載の粘着剤用組成物。 - 前記共重合体(A)が官能基を有している請求項1乃至8のいずれか一項に記載の粘着剤用組成物。
- 基材フィルム上に、厚み1μm〜100μmの請求項1乃至9のいずれか一項に記載の粘着剤用組成物の層が一層以上設けられている表面保護フィルム。
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