JP2016060825A - ブロック共重合体及び粘接着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロックと共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを含有し、
下記(a)〜(c)の要件を満たす、水素添加ブロック共重合体。
(a)重量平均分子量が2千以上、100万以下
(b)ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が45質量%を超え、95質量%以下
(c)共役ジエン単量体単位の総含有量に対する、水素添加前のビニル結合量が15mol%以上、90mol%以下
【選択図】なし
Description
その改良方法として、例えば、特許文献1には、トリブロック共重合体とジブロック共重合体よりなる粘接着剤組成物が開示されている。更に特許文献2では、特定の2官能性カップリング剤(特定のジハロゲン化合物)でカップリングさせて得られるブロック共重合体よりなる粘接着剤組成物が開示されている。
更に特許文献3では、ビニル芳香族炭化水素単量体と共役ジエン単量体とのブロック共重合体を特定の割合で水添したブロック共重合体よりなる粘接着剤組成物が開示されている。
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みなされたものであって、優れた保持力、耐熱性、塗工性、粘接着剤組成物の低臭気特性を有し、また、これらのバランスに優れる粘接着剤組成物となる水素添加ブロック共重合体及び水素添加ブロック共重合体組成物を提供することを目的とする。
[1]ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロックと共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを含有し、
下記(a)〜(c)の要件を満たす、水素添加ブロック共重合体。
(a)重量平均分子量が2千以上、100万以下
(b)ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が45質量%を超え、95質量%以下
(c)共役ジエン単量体単位の総含有量に対する、水素添加前のビニル結合量が15mol%以上、90mol%以下
[2]前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量を二乗した値と、前記水素添加前のビニル結合量の比が78以上、500以下である、[1]に記載の水素添加ブロック共重合体。
[3]前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が50%を超える、[1]または[2]に記載の水素添加ブロック共重合体。
[4]前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が60%を超える、[1]〜[3]のいずれかに記載の水素添加ブロック共重合体。
[5]ピーク分子量が2万以上、6万以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載の水素添加ブロック共重合体。
[6]ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロックを少なくとも2つ有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の水素添加ブロック共重合体。
[7]成分(A)と成分(B)を含む水素添加ブロック共重合体組成物であって、
成分(A)が、ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロックと共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを含有し、重量平均分子量が2万以上、50万以下であり、
成分(B)が、ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロックを少なくとも2つと共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを含有し、重量平均分子量が3万以上、100万以下であり、
下記(a)〜(d)の要件を満たす、水素添加ブロック共重合体組成物。
(a)成分(A)と成分(B)の重量平均分子量の比
(成分(B)の重量平均分子量)/(成分(A)の重量平均分子量)が1.3〜10
(b)ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が45質量%を超え、95質量%以下
(c)共役ジエン単量体単位の総含有量に対する、水素添加前のビニル結合量が15mol%以上、90mol%以下
(d)成分(A)の含有量が20質量%以上90質量%以下、かつ、成分(B)の含有量が10質量%以上80質量%以下
[8]前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量を二乗した値と、前記水素添加前のビニル結合量の比が78以上、500以下である、[7]に記載の水素添加ブロック共重合体組成物。
[9]前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が50%を超える、[7]または[8]に記載の水素添加ブロック共重合体組成物。
[10]前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が60%を超える、[7]〜[9]のいずれかに記載の水素添加ブロック共重合体組成物。
[11]前記成分(A)の重量平均分子量が7万以上、50万以下である、[7]〜[10]のいずれかに記載の水素添加ブロック共重合体組成物。
[12]前記成分(B)の重量平均分子量が14万以上、100万以下である、[7]〜[11]のいずれか一項に記載の水素添加ブロック共重合体組成物。
[13]前期共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合のトータル水素添加率が5mol%以上90mol%未満である、[7]〜[12]のいずれかに記載の水素添加ブロック共重合体組成物。
[14][1]〜[6]のいずれかに記載の水素添加ブロック共重合体又は[7]〜[13]のいずれかに記載の水素添加ブロック共重合体組成物100質量部と、
粘着付与剤20〜700質量部と、
を、含有する、粘接着剤組成物。
[15]芳香族ビニル系エラストマーを含有する、[14]に記載の粘接着剤組成物。
[16]共役ジエン系合成ゴムを含有する、[14]又は[15]に記載の粘接着剤組成物。
[17]天然ゴムを含有する、[14]〜[16]のいずれかに記載の粘接着剤組成物。
なお、以下において、重合体を構成する構成単位のことを「〜単量体単位」といい、重合体の材料として記載する場合は「単位」を省略し、単に「〜単量体」と記載する。
本実施形態の水素添加ブロック共重合体は少なくとも1つのビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロック(Ar)と少なくとも1つの共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)を含有し、重量平均分子量が2,000以上、1,000,000以下であり、水素添加ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が45質量%を超え、95質量%以下であり、共役ジエン単量体単位の総含有量に対する、水素添加前のビニル結合量が15mol%以上、90mol%以下である。
なお、水素添加ブロック共重合体のピーク分子量は実施例に記載する方法により求めることができる。
(Ar−D)n ・・・(i)
D−(Ar−D)n ・・・(ii)
Ar−(D−Ar)n ・・・(iii)
Ar−(D−Ar)n−X ・・・(iv)
[(Ar−D)k]m−X ・・・(v)
[(Ar−D)k−Ar]m−X ・・・(vi)
水素添加ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量は、後述する実施例において記載する方法により測定することができる。
水素添加ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量を二乗した値を、水素添加ブロック共重合体中の水素添加前の共役ジエン単量体単位のビニル結合量で除した値は78以上、500以下であることが好ましい。より好ましくは83以上であり、さらに好ましくは88以上である。また、より好ましくは400以下であり、さらに好ましくは350以下である。水素添加ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量を二乗した値を、水素添加ブロック共重合体中の水素添加前の共役ジエン単量体単位のビニル結合量で除した値が83以上であることにより、耐熱性、塗布性に優れた特性が得られる傾向にあり、500以下であることにより生産性に優れた特性が得られる傾向にある。
水素添加工程において、ビニル芳香族炭化水素単量体単位の共役結合が水素添加されてもよいが、保持力や接着力の観点から、全ビニル芳香族炭化水素単量体単位の共役結合の水素添加率は、30mol%以下が好ましく、10mol%以下が好ましく、3mol%以下がさらに好ましい。
水素添加ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位の水素添加率は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の水素添加ブロック共重合体組成物は、粘接着特性と低溶融粘度特性のバランス改善の観点から下記成分(A)と成分(B)の2つの異なる構造を有する。
成分(A)と成分(B)の重量平均分子量の比(成分(B)の重量平均分子量)/(成分(A)の重量平均分子量)が1.3〜10である。
成分(A)及び成分(B)の含有量は、後述する製造方法の諸条件を調整することにより上記範囲内に制御することができる。また、成分(A)及び成分(B)の含有量は、後述する実施例において記載する方法により測定することができる。なお、成分(A)及び成分(B)の含有量の値は水素添加前後でほぼ同じ値となるが、水素添加後の値を採用する。
ここで、水素添加ブロック共重合体組成物中のビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量とは、成分ごとの値ではなく、水素添加ブロック共重合体組成物全体としての含有量、すなわち各成分の含有量の平均値である。
本実施形態の水素添加ブロック共重合体組成物中の共役ジエン単量体単位に基づく不飽和二重結合のトータル水素添加率は、0%を超え100mol%以下である。保持力、低臭気特性の観点からは、5mol%以上が好ましく、10mol%以上がより好ましく、20mol%以上がさらに好ましい。また、低粘度特性の観点からは90mol%未満以下が好ましく、75mol%以下がより好ましく、65mol%以下がさらに好ましい。
また、ここで、水素添加ブロック共重合体組成物中の共役ジエン単量体単位に基づく不飽和二重結合のトータル水素添加率とは、成分ごとの値ではなく、水素添加ブロック共重合体組成物全体としてのビニル結合量、すなわち各成分のビニル結合量の平均値である。
また、本実施形態の水素添加ブロック共重合体において、ビニル芳香族炭化水素単量体単位の90質量%以上が、25量体以上になっていることが好ましく、93質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、98質量%以上がさらにより好ましい。また、特に限定されないが、100質量%以下が好ましい。
(成分(A))
成分(A)は、少なくとも一つのビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロック(Ar)と少なくとも一つの共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)と、を含有することが好ましい。
なお、成分(A)の重量平均分子量は実施例に記載する方法により求めることができる。
(Ar−D)n ・・・(i)
D−(Ar−D)n ・・・(ii)
Ar−(D−Ar)n ・・・(iii)
Ar−(D−Ar)n−X ・・・(iv)
[(Ar−D)k]m−X ・・・(v)
[(Ar−D)k−Ar]m−X ・・・(vi)
(上記式(i)〜(vi)中、Arはビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロック(Ar)を表し、Dは共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)を表し、Xは、カップリング剤の残基又は多官能有機リチウム等の重合開始剤の残基を表し、m、n及びkは、1以上の整数を表し、1〜6の整数であることが好ましく、複数存在する場合のArはビニル芳香族炭化水素単量体の種類が同じであっても異なってもよく、複数存在する場合のDは共役ジエン単量体の種類や分子量が同じであっても異なってもよいが、Arが複数存在している場合は、上述の態様が好ましく用いられる。)
(成分(B))
成分(B)は、少なくとも二つのビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロック(Ar)と少なくとも一つの共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)と、を含有する。
なお、成分(B)の重量平均分子量は実施例に記載する方法により求めることができる。
〜(xii)が挙げられる。
(Ar−D)e ・・・(vii)
D−(Ar−D)e ・・・(viii)
Ar−(D−Ar)g ・・・(ix)
[Ar−(D−Ar)g]f−X ・・・(x)
[D−(Ar−D)g]f−X ・・・(xi)
[(Ar−D)g]f−X ・・・(xii)
[(Ar−D)g−Ar]f−X ・・・(xiii)
(上記式(vii)〜(xii)中、Arはビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とす
る重合体ブロック(Ar)を表し、Dは共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)を表し、Xは、カップリング剤の残基又は多官能有機リチウム等の重合開始剤の残基を表し、eおよびfは2以上の整数、gは1以上の整数を表し、6以下の正の整数であることが好ましく、複数存在する場合のArはビニル芳香族炭化水素単量体の種類が同じであっても異なってもよく、複数存在する場合のDは共役ジエン単量体の種類や分子量が同じであっても異なってもよいが、Arが複数存在している場合は、上述の態様が好ましく用いられる。)
保持力、粘着力の観点から、成分(B)は2つのビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエン化合物単量体単位を主体とする重合体ブロックを含有する水素添加ブロック共重合体組成物である、ことが好ましい。
水素添加ブロック共重合体及び水素添加ブロック共重合体組成物は、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を重合開始剤として、少なくとも共役ジエン単量体とビニル芳香族炭化水素単量体を重合させて重合体を得る重合工程、得られた重合体の共役ジエン単量体単位中の二重結合を水素添加する水素添加工程、水素添加されたブロック共重合体を含む溶液の溶媒を脱溶剤する脱溶剤工程、を順次行い、製造することができる。水素添加ブロック共重合体の重量平均分子量は、例えば後述するカップリング剤の種類や添加量を制御することによって調整することができる。また、後述する重合開始剤の添加量と添加回数を制御して、複数回に分けて添加することによっても、重量平均分子量を調整することができる。
重合工程は、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を重合開始剤として、少なくとも共役ジエン単量体とビニル芳香族炭化水素単量体を含む単量体を重合させて重合体を得る工程である。
重合反応温度は、通常10〜150℃、好ましくは30〜130℃、より好ましくは40℃〜100℃である。重合圧力は、上記重合温度範囲で単量および溶媒を液相に維持するに十分な圧力の範囲で行えばよく、特に限定されない。要する時間は条件によって異なるが、通常、48時間以内、好ましくは0.5〜10時間である。
上述したように、重合工程においては、炭化水素溶媒を用いる。炭化水素溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。炭化水素溶媒は1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
重合工程においては、重合開始剤として、少なくとも有機リチウム化合物を用いる。有機リチウム化合物としては、特に限定されないが、例えば、分子中に一個以上のリチウム原子を結合した有機モノリチウム化合物、有機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物が挙げられる。より具体的には、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウム等が挙げられる。重合開始剤は1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤は複数回に分けて、反応液に添加してもよい。こうすることにより、重量平均分子量や構造が異なる複数種のブロック共重合体を含む組成物を一度に得ることができる。
共役ジエン単量体は、1対の共役二重結合を有するジオレフィンである。共役ジエン単量体としては、特に限定されないが、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。このなかでも、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。また、粘接着剤組成物の保持力改良の観点から、1,3−ブタジエンがより好ましい。共役ジエン単量体は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合工程においては、重合速度の調整、重合した共役ジエン単量体単位のミクロ構造(シス、トランス、ビニルの比率)の制御、共役ジエン単量体とビニル芳香族炭化水素単量体との反応比率の調整等の目的で、所定の極性化合物やランダム化剤を使用することができる。
重合工程においては、活性末端を有するビニル芳香族−共役ジエンブロック共重合体を含有する溶液に、その活性末端に対して官能基が1mol当量未満となる量で、前記式(iv)〜(vi)、(x)〜(xiii)においてXで表されるカップリング剤を添加し
てもよい。
重合工程においては、失活剤を添加してもよい。失活剤としては、特に限定されないが、水又はアルコールなどが知られている。このなかでも失活効率の観点から、アルコールが好ましい。失活剤は重合工程のどのタイミングで添加してもよい。添加する失活剤が活性末端の100mol%より少ない量であれば、失活剤の添加後に共役ジエン単量体及び/又はビニル芳香族炭化水素単量体をさらに続けて添加してもよい。こうすることにより失活していない活性末端と共役ジエン単量体及び/又はビニル芳香族炭化水素単量体との重合反応が継続し、異なる分子量の重合体を含む重合体溶液を得ることができる。
水素添加工程は、重合工程で得られた重合体の少なくとも共役ジエン単量体中の二重結合を水素添加反応により水素添加物とする工程である。具体的には、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加して水素添加されたブロック共重合体溶液を得ることができる。その際、ブロック共重合体の水素添加率は、反応温度、反応時間、水素供給量、触媒量などを調整することにより制御することができる。
水素添加反応は、特に限定するものではないが、高い水素添加活性の観点から、後述する重合体の活性末端を失活する工程後に行うことが好ましい。
脱溶剤工程は、重合体を含む溶液の炭化水素溶媒を脱溶剤する工程である。脱溶剤方法としては、特に限定されないが、例えばスチームストリッピング法や直接脱溶媒法により脱溶剤する方法が挙げられる。
上記重合体の製造方法により得られる重合体中の残存溶媒量は、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下であり、さらにより好ましくは0.2質量%以下であり、よりさらにより好ましくは0.05質量%以下であり、特により好ましくは0.01質量%以下である。
その他、重合体の着色防止や高い機械強度の観点から、重合体中の金属を除去する脱灰工程や、ポリマーのpHを調整する中和工程、例えば、酸の添加や炭酸ガスの添加を行ってもよい。
本実施形態の粘接着剤組成物は、上述した水素添加ブロック共重合体又は水素添加ブロック共重合体組成物100質量部と、後述する粘着付与剤20〜700質量部と、必要に応じて後述するその他の成分とを含有する。このような本実施形態の粘接着剤組成物は、優れた保持力、粘着力、耐熱性、低溶融粘度特性、塗工性、粘接着剤組成物の低臭気特性を有し、これらのバランスに優れる粘接着剤組成物となる。
粘着付与剤は、得られる粘接着剤組成物の用途、要求性能によって、多種多様に選択することができる。粘着付与剤としては、特に限定されないが、例えば、天然ロジン、変性ロジン、水添ロジン、天然ロジンのグリセロールエステル、変性ロジンのグリセロールエステル、天然ロジンのペンタエリスリトールエステル、変性ロジンのペンタエリスリトールエステル、水添ロジンのペンタエリスリトールエステル、天然テルペンのコポリマー、天然テルペンの3次元ポリマー、水添テルペンのコポリマーの水素化誘導体、ポリテルペン樹脂、フェノール系変性テルペン樹脂の水素化誘導体、脂肪族石油炭化水素樹脂、脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体、芳香族石油炭化水素樹脂、芳香族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体、環状脂肪族石油炭化水素樹脂、環状脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体などを例示することができる。これらの粘着付与剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
粘着付与剤の含有量は、20〜700質量部が好ましく、より好ましくは40〜500質量部であり、さらに好ましくは60〜400質量部である。粘着付与剤の含有量が上記範囲内であることにより、粘接着特性がより向上する。
軟化剤としては、特に限定されないが、例えば、公知のパラフィン系やナフテン系、アロマ系のプロセスオイル及びこれらの混合オイル等のオイル、可塑剤、合成液体オリゴマー、及びそれらの混合物が挙げられる。
軟化剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、出光興産社製のダイアナフレシアS32(商品名)、ダイアナプロセスオイルPW−90(商品名)、ダイアナプロセスオイルNS−90S(商品名)、Kukdong Oil&Chem社製のWhite Oil Broom350(商品名)、DNオイルKP−68(商品名)、BPケミカルズ社製のEnerperM1930(商品名)、Crompton社製のKaydol(商品名)、エッソ社製のPrimol352(商品名)、PetroChina Company社製のKN4010(商品名)等が挙げられる。
本実施形態の粘接着剤組成物は、必要に応じて、酸化防止剤、本実施形態の粘接着剤組成物を構成するブロック共重合体又はブロック共重合体組成物以外の芳香族ビニル系エラストマー、合成ゴム、天然ゴム若しくはポリマー、ワックス、光安定剤等の安定剤、及びその他の添加剤を含んでもよい。
酸化防止剤の含有量は任意であるが、好ましくは粘接着剤組成物100質量部に対して5質量部以下であることが好ましい。
該スチレン系ブロック共重合体中の共役ジエン中の不飽和基の水素添加率は、90mol%を超えることが好ましい。
本実施形態の粘接着剤組成物の性能は、後述する実施例において示される条件により作製される粘着テープを用い、実施例中に示された測定条件に従って測定することができる。
組成物の糊残りを少なくする場合は、粘着剤のG‘(測定条件:25℃、10rad/s)が、20000以下が好ましく、15000以下がより好ましい。また、組成物中の液状希釈剤量は60質量%以下が好ましい。これらは、特に経皮的薬物送達用途を包含する接着剤の皮膚適用に有用である。
本実施形態の粘接着剤組成物は、公知の方法により、上述したブロック共重合体組成物と、粘着付与剤と、軟化剤と、必要に応じてその他の添加剤と、を混合することにより製造することができる。混合方法としては、特に限定されないが、例えば、ブロック共重合体組成物、粘着付与剤、軟化剤とを、混合機又はニーダー等で、加熱しながら均一混合する方法が挙げられる。
粘接着剤を塗布する方法は、目的とする製品を得ることができる限り、特に制限されるものではなく、例えば、粘接着剤組成物を溶媒に溶かし、溶液塗工する方法や粘接着剤組成物を溶融させて塗工するホットメルト塗工法等で塗工する方法が挙げられる。
このなかでも、環境汚染や塗工の容易性からホットメルト塗工法が好ましい。ホットメルト塗工法は、接触塗布及び非接触塗布に大別される。「接触塗布」とは、ホットメルト接着剤を塗布する際、噴出機を部材やフィルムに接触させる塗布方法をいう。また、「非接触塗布」とは、ホットメルト接着剤を塗布する際、噴出機を部材やフィルムに接触させない塗布方法をいう。接触塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、スロットコーター塗工及びロールコーター塗工等が挙げられる。また、非接触塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、螺旋状に塗布できるスパイラル塗工、波状に塗布できるオメガ塗工やコントロールシーム塗工、面状に塗布できるスロットスプレー塗工やカーテンスプレー塗工、点状に塗工できるドット塗工などが挙げられる。
本実施形態の粘接着剤組成物は、良好な溶解性及び塗工性、吐出安定性、表面肌を有し、粘着性及び粘着力に優れ、かつこれらの粘接着特性バランスも良好である。このような特徴を生かして、各種粘着テープ・ラベル類、感圧性薄板、感圧性シート、表面保護シート・フィルム、各種軽量プラスチック成型品固定用裏糊、カーペット固定用裏糊、タイル固定用裏糊、接着剤等に利用でき、特に粘着性テープ用、粘着性シート・フィルム用、粘着性ラベル用、表面保護シート・フィルム用、衛材用の粘接着剤用として好適に用いることができる。
<(1−1)重量平均分子量、ピーク分子量>
水素添加ブロック共重合体クラムの重量平均分子量およびピーク分子量は、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して、クロマトグラムのピークの分子量に基づいて、求めた。水素添加ブロック共重合体が成分(A)と成分(B)の2つの異なる構造を有する水素添加ブロック共重合体からなる水素添加ブロック共重合体組成物の場合、重量平均分子量の最も小さいピークを成分(A)、成分(A)の次に重量平均分子量の大きいピークを成分(B)として、同様に求めた。なお、成分(A)および成分(B)は各成分のピーク面積を総ピーク面積で除した値((成分(A)あるいは成分(B)のピーク面積)/(総ピーク面積))が0.1以上であるとする。測定ソフトとしては、HLC−8320EcoSEC収集を用い、解析ソフトとしては、HLC−8320解析を用いた。ピーク面積は後述する方法で測定した。
GPC ;HLC−8320GPC(東ソー株式会社製)
検出器 ;RI
検出感度 ;3mV/分
サンプリングピッチ;600msec
カラム ;TSKgel superHZM−N(6mmI.D×15cm)4本(東ソー株式会社製)
溶媒 ;THF
流量 ;0.6mm/分
濃度 ;0.5mg/mL
カラム温度 ;40℃
注入量 ;20μL
一定量のブロック共重合体組成物をクロロホルムに溶解し、紫外分光光度計(島津製作所製、UV−2450)を用いて、溶解液中のビニル芳香族化合物成分(スチレン)に起因する吸収波長(262nm)のピーク強度を測定した。得られたピーク強度から、検量線を用いてビニル芳香族炭化水素単量体単位(スチレン)の含有量を算出した。
水添反応後の反応液に、大量のメタノールを添加することで、部分水添ブロック共重合体を沈殿させて回収した。次いで、部分水添ブロック共重合体をアセトンで抽出し、部分水添ブロック共重合体を真空乾燥した。これを、1H−NMR測定のサンプルとして用いて、水素添加率及びビニル結合量を測定した。
1H−NMR測定の条件を以下に記す。
測定機器 :JNM−LA400(JEOL製)
溶媒 :重水素化クロロホルム
測定サンプル :ポリマーを水素添加する前後の抜き取り品
サンプル濃度 :50mg/mL
観測周波数 :400MHz
化学シフト基準:TMS(テトラメチルシラン)
パルスディレイ:2.904秒
スキャン回数 :64回
パルス幅 :45°
測定温度 :26℃
水素添加ブロック共重合体が成分(A)と成分(B)の2つの異なる構造を有する水素添加ブロック共重合体からなる水素添加ブロック共重合体組成物の場合、上記(1−1)で測定した溶出曲線の総ピーク面積に対する成分(A)のピーク面積の割合を成分(A)の含有量とした。また、上記(1−1)で測定した溶出曲線の総ピーク面積に対する成分(B)のピーク面積の割合を成分(B)の含有量とした。なお、面積比については、解析ソフトにHLC−8320解析を用いて各ピーク間曲線の変曲点での垂直分割により求めた。
(粘接着剤組成物の作製)
水素添加ブロック共重合体100質量部に対して、粘着付与剤であるアルコンM100(荒川化学工業(株)製)を300質量部と、軟化剤であるPW−90(出光興産(株)製)を100質量部とを配合し、オイルバスを用いて加熱しながら、ミキサー(型式:L5M−A、シルバーソンニッポン(株)、パドル型4枚翼)により180℃×60分間、溶融混練し、ホットメルト型粘接着剤組成物を得た。
なお、粘接着剤組成物には、ブロック共重合体組成物100質量部に対して、安定剤として2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートを1質量部配合した。
ホットメルトディスペンサー(サンツール(株)社製 DP−300P)を用いて粘接着剤組成物のスパイラル塗工を行った。塗工温度は150℃、吐出圧は0.1MPa、ノズル径1.0mmφ、塗工速度は毎分30mとした。塗工性を下記の基準により評価した。評価は、良い順から〇、△、×とする。
スパイラルパターンを得ることができるが、線径が一定ではないとき :△
スパイラルパターンを得ることができないとき :×
温度140℃でブルックフィールド型粘度計(ブルックフィールド社製 DV−III)により測定した。得られた値に基づいて溶融粘度を下記の基準により評価した。評価は、良い順から◎、〇、△、×とする。
溶融粘度(140℃)(mPa・s)≦2500 :◎
2500<溶融粘度(140℃)(mPa・s)≦3500 :〇
3500<溶融粘度(140℃)(mPa・s)≦6000 :△
6000<溶融粘度(140℃)(mPa・s) :×
粘接着剤組成物の低臭気特性は、官能試験により評価した。特定量の粘接着剤組成物を20cm×8cmのPE袋に入れて封をした10分後に、袋内のにおいをかぎ、においを感じたものを臭気ありとした。得られた結果に基づいて低臭気特性を下記の基準により評価した。評価は、良い順から〇、△、×とする。
粘接着剤組成物が10g以上でも臭気を感じない場合:〇
粘接着剤組成物が5g以上、10g未満で臭気を感じない場合:△
粘接着剤組成物が5g未満で臭気を感じる場合:×
溶融させた粘接着剤組成物を室温まで冷却し、これをトルエンに溶かした。得られたトルエン溶液をアプリケーターでPETフィルムにコーティングし、その後、室温で30分間、70℃のオーブンで7分間保持し、トルエンを完全に蒸発させて、粘着層の厚さ40μmの粘着テープを作製した。
25mm幅の粘着テープをSUS板に貼り付け、引き剥がし速度300mm/minで引き剥がし、その際の180°剥離力を測定した。得られた剥離力に基づいて下記の基準により粘接着剤組成物の粘着力を評価した。評価は、良い順から◎、○、△、×とする。
20≦粘着力(N/10mm) :◎
14≦粘着力(N/10mm)<20 :○
8≦粘着力(N/10mm)<14 :△
粘着力(N/10mm)<8 :×
SUS板に25mm×25mmの面積が接するように粘着テープを貼り付け、40℃において1kgの荷重を与えて粘着テープがずれ落ちるまでの時間を測定した。得られた時間に基づいて、下記の基準により粘接着剤組成物の保持力を評価した。評価は、良い順から◎、○、△、×とする。
4000≦保持力(40℃)(分) :◎
1000≦保持力(40℃)(分)<4000 :〇
300≦保持力(40℃)(分)<1000 :△
保持力(40℃)(分)<300 :×
SUS板に25mm×25mmの面積が接するように粘着テープを貼り付け、60℃において1kgの荷重を与えて粘着テープがずれ落ちるまでの時間を測定した。得られた時間に基づいて、下記の基準により粘接着剤組成物の保持力を評価した。評価は、良い順から◎、○、△、×とする。
100≦保持力(分) :◎
50≦保持力(分)<100:〇
20≦保持力(分)<50 :△
保持力(分)<20 :×
後述する実施例及び比較例において、水素添加ブロック共重合体またはその組成物を作製する際に用いる水素添加触媒を、下記の方法により調製した。攪拌装置を具備する反応容器を窒素置換しておき、これに、乾燥、精製したシクロヘキサンを1L仕込んだ。次に、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100mmolを添加した。これを十分に攪拌しながら、トリメチルアルミニウム200mmolを含むn−ヘキサン溶液をさらに添加して、室温にて約3日間反応させた。これにより水素添加触媒を得た。
<製造例1−B、製造例1−H>
攪拌機及びジャケット付きの内容量40Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5960gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を65℃に設定した。N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(以下、TMEDAと称する)1.2g及びn−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液(純分で5.74g)を添加し、スチレンを含むシクロヘキサン溶液(純分で710g)を連続的に添加した。スチレンの重合転化率は100%であった。引き続き、1,3−ブタジエンを含むシクロヘキサン溶液(純分で1670g)を連続的に添加して重合を継続した。ブタジエンの重合転化率は100%であった。引き続き、スチレンを含むシクロヘキサン溶液(純分で710g)を連続的に添加して重合を継続した。ブタジエンの重合転化率は100%であった。スチレンの重合後、メタノール2.40gを加えて失活させた。得られた溶液を、分析したところ、得られたブロック共重合体組成物は、スチレンの含有量が46質量%であり、ブタジエン部の平均ビニル結合量が23質量%であった。また、重量平均分子量は56,000であった。得られたブロック共重合体溶液の一部を抜き出し、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去し製造例1−Bのブロック共重合体を得た。
TMEDA,n−ブチルリチウム、スチレン、1,3−ブタジエン、カップリング剤、及びメタノールの量をそれぞれ表1に示すように変更したこと以外は製造例1−Hと同様にして、水素添加ブロック共重合体を得た。得られた水素添加ブロック共重合体の一部を分析した結果を表1に示す。また、製造例1〜7の水素添加ブロック共重合体中の、四酸化オスミウム分解法により求めた25量体以上になっているビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量は、95質量%以上であることを確認した。
攪拌機及びジャケット付きの内容量40Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5960gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を65℃に設定した。TMEDA3.7g及びn−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液(純分で3.99g)を添加し、スチレンを含むシクロヘキサン溶液(純分で1970g)を連続的に添加した。スチレンの重合転化率は100%であった。引き続き、1,3−ブタジエンを含むシクロヘキサン溶液(純分で1160g)を連続的に添加して重合を継続した。ブタジエンの重合転化率は100%であった。その後に、カップリング剤3.44gを添加し、カップリング反応させた。カップリング剤としてはエポトートZX−1059(新日鉄住金化学株式会社)とシクロヘキサンを質量比で、90:10で混合したものを用いた。カップリング剤添加後、メタノール0.99gを加えて失活させた。得られた溶液の一部を抜出し、分析したところ、得られたブロック共重合体組成物は、スチレンの含有量が63質量%であり、ブタジエン部の平均ビニル結合量が50質量%であった。また、得られたブロック共重合体の成分(A)の含有量は65質量%であり、重量平均分子量は80,000であり、成分(B)の含有量は35質量%であり、重量平均分子量は160,000であった。
TMEDA,n−ブチルリチウム、スチレン、1,3−ブタジエン、カップリング剤、及びメタノールの量をそれぞれ表2に示すように変更したこと以外は製造例8と同様にして、水素添加ブロック共重合体組成物を得た。得られた水素添加ブロック共重合体組成物を分析した結果を表2に示す。
また、製造例8〜11の水素添加ブロック共重合体組成物中の、四酸化オスミウム分解法により求めた25量体以上になっているビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量は、95質量%以上であることを確認した。
製造例1−Hの水素添加ブロック共重合体を用い、上述した粘接着剤組成物の作製方法により、ホットメルト型粘接着剤組成物を得た。更に、上述した粘着テープの作製方法により粘着テープを得た。これらの粘接着剤組成物及び粘着テープを使って上述した粘接着剤組成物の物性の測定を行った。これらの結果を表3に示す。
製造例1の水素添加ブロック共重合体に代えて、製造例2〜7、製造例1−Bの水素添加ブロック共重合体およびブロック共重合体を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、粘接着剤組成物及び粘着テープをそれぞれ作製し、特性を評価した。これらの結果を表3に示す。
製造例1の水素添加ブロック共重合体に代えて、製造例6の水素添加ブロック共重合体を用い、さらにPiccolasticA5(イーストマン ケミカル社製)20質量部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、粘接着剤組成物及び粘着テープをそれぞれ作製し、特性を評価した。これらの結果を表3に示す。
製造例1の水素添加ブロック共重合体に代えて、製造例6の水素添加ブロック共重合体を用い、さらにPlastolyn290(イーストマン ケミカル社製)35質量部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、粘接着剤組成物及び粘着テープをそれぞれ作製し、特性を評価した。これらの結果を表3に示す。
製造例1の水素添加ブロック共重合体に代えて、製造例8〜11の水素添加ブロック共重合体組成物を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、粘接着剤組成物及び粘着テープをそれぞれ作製し、特性を評価した。これらの結果を表4に示す。
Claims (17)
- ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロックと共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを含有し、
下記(a)〜(c)の要件を満たす、水素添加ブロック共重合体。
(a)重量平均分子量が2千以上、100万以下
(b)ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が45質量%を超え、95質量%以下
(c)共役ジエン単量体単位の総含有量に対する、水素添加前のビニル結合量が15mol%以上、90mol%以下 - 前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量を二乗した値と、前記水素添加前のビニル結合量の比が78以上、500以下である、請求項1に記載の水素添加ブロック共重合体。
- 前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が50%を超える、請求項1または2に記載の水素添加ブロック共重合体。
- 前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が60%を超える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水素添加ブロック共重合体。
- ピーク分子量が2万以上、6万以下である、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の水素添加ブロック共重合体。 - ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロックを少なくとも2つ有する、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の水素添加ブロック共重合体。 - 成分(A)と成分(B)を含む水素添加ブロック共重合体組成物であって、
成分(A)が、ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロックと共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを含有し、重量平均分子量が2万以上、50万以下であり、
成分(B)が、ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロックを少なくとも2つと共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを含有し、重量平均分子量が3万以上、100万以下であり、
下記(a)〜(d)の要件を満たす、水素添加ブロック共重合体組成物。
(a)成分(A)と成分(B)の重量平均分子量の比
(成分(B)の重量平均分子量)/(成分(A)の重量平均分子量)が1.3〜10
(b)ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が45質量%を超え、95質量%以下
(c)共役ジエン単量体単位の総含有量に対する、水素添加前のビニル結合量が15mol%以上、90mol%以下
(d)成分(A)の含有量が20質量%以上90質量%以下、かつ、成分(B)の含有量が10質量%以上80質量%以下 - 前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量を二乗した値と、前記水素添加前のビニル結合量の比が78以上、500以下である、
請求項7に記載の水素添加ブロック共重合体組成物。 - 前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が50%を超える、請求項7または8に記載の水素添加ブロック共重合体組成物。
- 前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が60%を超える、請求項7〜9のいずれか一項に記載の水素添加ブロック共重合体組成物。
- 前記成分(A)の重量平均分子量が7万以上、50万以下である、
請求項7〜10のいずれか一項に記載の水素添加ブロック共重合体組成物。 - 前記成分(B)の重量平均分子量が14万以上、100万以下である、
請求項7〜11のいずれか一項に記載の水素添加ブロック共重合体組成物。 - 前期共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合のトータル水素添加率が5mol%以上90mol%未満である、
請求項7〜12のいずれか一項に記載の水素添加ブロック共重合体組成物。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の水素添加ブロック共重合体又は請求項7〜13のいずれか一項に記載の水素添加ブロック共重合体組成物100質量部と、
粘着付与剤20〜700質量部と、
を、含有する、粘接着剤組成物。 - 芳香族ビニル系エラストマーを含有する、請求項14に記載の粘接着剤組成物。
- 共役ジエン系合成ゴムを含有する、
請求項14又は15に記載の粘接着剤組成物。 - 天然ゴムを含有する、
請求項14〜16のいずれか一項に記載の粘接着剤組成物。
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