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JP5552785B2 - 固体高分子電解質膜およびその製造方法、液状組成物 - Google Patents

固体高分子電解質膜およびその製造方法、液状組成物 Download PDF

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JP5552785B2 JP2009228072A JP2009228072A JP5552785B2 JP 5552785 B2 JP5552785 B2 JP 5552785B2 JP 2009228072 A JP2009228072 A JP 2009228072A JP 2009228072 A JP2009228072 A JP 2009228072A JP 5552785 B2 JP5552785 B2 JP 5552785B2
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Description

本発明は、新規固体高分子電解質膜とその製造方法、及び該固体高分子電解質膜の形成に使用される液状組成物に関する。
燃料電池は、水素ガスや各種の炭化水素系燃料(天然ガス,メタンなど)を改質して得られる水素と、空気中の酸素とを電気化学的に反応させて直接電気を取り出す発電装置であり、燃料の持つ化学エネルギーを電気エネルギーに高効率で直接変換できる無公害な発電方式として注目を集めている。
このような燃料電池は、触媒を担持した一対の電極膜(アノード極とカソード極)と該電極膜に挟持されたプロトン伝導性の固体高分子電解質膜(以下、プロトン伝導膜ともいう)とから構成される。アノード極の触媒によって、水素イオンと電子に分けられ、水素イオンは固体高分子電解質膜を通って、空気極で酸素と反応して水になる仕組みになっている。
固体高分子電解質膜としては、Nafion(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成工業(株)社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子(株)社製)の商品名で市販されているスルホン酸基を有する全フッ化炭素系高分子電解質膜、芳香族炭化水素系重合体系、ポリエーテルエーテルケトン系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリイミド系、ポリベンザゾール系の芳香環を主鎖骨格に有し、スルホン酸基を有する芳香族炭化水素系高分子電解質膜等が提案されている。
ところで、このような燃料電池では、酸素の還元反応によって生成する過酸化水素又は過酸化物ラジカルによって、固体高分子電解質膜の劣化を引き起こす可能性が懸念されている。また、酸素分子も膜内を透過してくるため、同様に過酸化水素又は過酸化物ラジカルを生成し、固体高分子電解質膜の劣化を引き起こすことも懸念される。
このような問題点を解決するために、スルホン酸基を有する高分子化合物からなるイオン交換膜に、セリウムイオンを含ませることが提案されていた(特許3915846号、特許文献1)。また、スルホン酸基を有する高分子化合物とともに、酸化セリウムなどの難溶性セリウム化合物を含ませることも提案されている(特開2006-107914号公報、特許文献2)。
なお、従来、このような過酸化水素を分解するためには、白金、ルテニウムなどの触媒が無機酸化物粒子に担持された過酸化物分解層を設けることも知られていた(特開2006-79904号公報、特許文献3)
特許第3915846号 特開2006-107914号公報 特開2006-79904号公報
しかしながら、従来のものでは、固体高分子電解質膜の耐久性は十分ではなく、さらなる改良が求められていた。また、単に、酸化セリウム粒子などの金属酸化物微粒子を添加する場合、金属酸化物粒子の分散性が劣るため、耐久性の向上効果が十分でないという問題点もあった。
このような状況のもと、本発明者ら、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、スルホン酸基を有する重合体とともに、ピロリドン基を有するポリマーを非水溶媒中に共存させた条件の下で金属化合物を酸化させて得られる金属酸化物粒子を含むことで、固体高分子電解質膜の耐久性を改良できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の構成は以下の通りである。
[1]スルホン酸基を有する重合体、および数平均一次粒子径が1nm〜20nmであって、数平均二次粒子径が30nm〜200nmである金属酸化物粒子を含むことを特徴とする固体高分子電解質膜。
[2]スルホン酸基を有する重合体、金属酸化物粒子を含み、
該金属酸化物粒子がノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤の存在下で、金属化合物を酸化させて得られたものであることを特徴とする固体高分子電解質膜。
[3]前記金属酸化物粒子を、前記重合体ならびに前記金属酸化物粒子の合計量に対して0.01〜30重量%含む、[1]または[2]の固体高分子電解質膜。
[4]前記金属酸化物粒子が、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、ニッケル、コバルト、またはセリウムの酸化物から選ばれる少なくとも一種である、[1]〜[3]の固体高分子電解質膜。
[5]スルホン酸基を有する重合体、数平均一次粒子径が1nm〜20nmであって、数平均二次粒子径が30nm〜200nmである金属酸化物粒子、および溶媒を含むことを特徴とする液状組成物。
[6]スルホン酸基を有する重合体、金属酸化物粒子、および溶媒を含み、
該金属酸化物粒子がノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも一種の存在下で、金属化合物を酸化させて得られたものであることを特徴とする液状組成物。
[7]前記金属酸化物粒子を、前記重合体ならびに前記金属酸化物粒子の全体に対して0.01〜30重量%含む、[5]または[6]の液状組成物。
[8]前記[5]〜[7]の液状組成物の製造方法であって、
溶媒中でスルホン酸基を有する重合体と金属酸化物を混合して得ることを特徴とする液状組成物の製造方法。
[9]前記[5]〜[7]の液状組成物をキャスト製膜することを特徴とする固体高分子電解質膜の製造方法。
[10]前記[1]〜[4]の固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜の両側に接して、触媒層とガス拡散層とを有することを特徴とする膜−電極接合体。
[11]前記[10]の膜−電極接合体を有する固体高分子型燃料電池。
本発明の固体高分子電解質膜は、特定の金属酸化物粒子を含んでいるために、耐久性に優れる。したがって、本発明のプロトン伝導膜を有する膜電極接合体を備える固体高分子型燃料電池は、耐久性に優れ、長期にわたって安定な発電が可能である。
[固体高分子電解質膜]
本発明の固体高分子電解質膜は、特定の金属酸化物粒子とスルホン酸基を有する重合体とからなる。
(i)金属酸化物粒子
本発明で使用される金属酸化物粒子は、数平均一次粒子径が1nm〜20nmであって、数平均二次粒子径が30nm〜200nmである。
また、本発明で使用される金属酸化物粒子は、ノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも一種の存在下で、金属化合物を酸化させて得られたものである。
具体的には、ノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤がどのように粒子に存在しているかは明確ではないが、粒子調製時に一部が取り込まれ、金属酸化物粒子表面に吸着されているか、担持されていると推測される。
本発明で使用される金属酸化物粒子は、ノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤の存在下で、金属化合物を酸化させて得られたものであり、かつ数平均一次粒子径および二次粒子径が前記範囲にある粒子が好適である。このような粒子は、粒径分布が狭くかつ安定化されているので、該金属酸化物粒子が固体高分子電解質膜中での分散性に優れ、かつ含水時などにおける該金属酸化物粒子の溶出または脱離が生じにくい。
なお、ノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤を存在させないで粒子を調製した場合には、得られた粒子は粒子径が均一でない場合があり、また、凝集体を形成したり、電解質膜中での分散性が不十分となる場合がある。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリビニルピロリドン、N−ビニルピロリドン/スチレン共重合ポリマー、N−ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合ポリマー等のピロリドン基を有するポリマー;ポリビニルイミダゾール、N−ビニルイミダゾール/スチレン共重合ポリマー、N−ビニルイミダゾール/酢酸ビニル共重合ポリマー等のイミダゾール基を有するポリマー;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールジメチルエーテル等のポリアルキレングリコールアルキルエーテル;ポリエチレングリコールモノフェニルエーテル、ポリプロピレングリコールジフェニル等のポリアルキレングリコールフェニルエーテルエーテル;ポリエチレングリコールアルキルエステル、ポリエチレングリコールステアリン酸エステル、ポリエチレングリコールラウリン酸エステル、ポリエチレングリコールソルビタン酸エステル、ポリプロピレングリコールソルビタン酸エステル等のポリアルキレングリコール脂肪酸エステル;ポリビニルカプロラクタム、ポリビニルアルコール、アルキルポリグルコシド、キトサン系高分子界面活性剤等を挙げることができる。
また、アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族モノカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、N−アシルサルコシン酸塩、N−アシルグルタミン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルフォオレフィンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩−ホルムアミド縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリン、油脂硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩等を挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤のポリスチレン換算の数平均分子量は特に限定されるものではないが、溶媒への溶解性、取り扱い易さを考えて200〜300,000が好ましく、5,000〜200,000がより好ましい。また、原料金属化合物1モルに対し、ノニオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤を10〜1,000g程度存在させることが好ましく、20〜500g存在させることがより好ましい。
上述の界面活性剤の中でも好ましくはノニオン性界面活性剤であり、より好ましくはピロリドン基を有するポリマーである。なお、ピロリドン基を有するポリマーとは、側鎖の全て、あるいは一部分にピロリドン基を含む高分子化合物であって、他の化合物との共重合体でもよい。好ましくは、ポリビニルピロリドン、N−ビニルピロリドン/スチレン共重合ポリマー、N−ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合ポリマー、等の群から選ばれた1つ或は複数個のポリマーである。
金属酸化物粒子としては、酸素を含む金属の化合物であれば特に制限はないが、具体的には、例えば、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、亜鉛、スズ、鉄、ビスマス、マグネシウム、イットリウム、鉛、マンガン、ゲルマニウム、銅、インジウム、ベリリウム、ネオジム、ランタン、ニオブ、タンタル、ニッケル、コバルト、ガリウム、セリウム、モリブデン、タングステンなどの金属の酸化物およびこれらの複合酸化物があげられる。
また、例えば、すず含有酸化インジウム(ITO)、イットリウム含有酸化ジルコニウム(YZrO2)、イットリウム含有酸化アルミニウム(YAl23)、ランタン含有酸化アルミニウム(LaAl23)、ネオジム含有酸化アルミニウム(NdAl23)などの他の金属を含有した金属酸化物でもよい。
これらの金属の酸化物の中でも、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、ニッケル、コバルト、セリウム等の酸化物が特に好ましく用いられる。
また、金属酸化物粒子の数平均一次粒子径は、1nm〜20nm、好ましくは1〜10nm、さらに好ましくは2〜5nmである。数平均一次粒子径は、電子顕微鏡観察によって求められる。
また、得られた粒子は、凝集が少なく、また、粒度分布が狭い均一な性質を有している。具体的には、数平均二次粒子径が30nm〜200nmであり、好ましくは50〜150nmである。また、分散液として保存したときの長期安定性にも優れている。分散度(=一次粒子径/二次粒子径)は、0.005〜0.8であることが好ましく、0.01〜0.5であることがより好ましい。
数平均一次粒子径及び数平均二次粒子径は、ノニオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤の量や、原料金属化合物の量によって調整可能であり、ノニオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤の量を多くしたり、原料金属化合物の量を少なくすると、平均粒子径を小さくできる。
上記金属酸化物粒子を製造する場合において使用される溶媒は、好ましくは比較的極性の大きな溶媒、具体的には、例えば、水、アセトン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、クロロホルム、メタノール、エタノール、テルピオネール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなど、或はこれらを含有する混合溶媒が用いられる。溶媒量は、原料金属化合物濃度が10-10モル/l〜5モル/l好ましくは10-4モル/l〜10-1モル/lさらに好ましくは10-3モル/l〜10-2モル/l程度になる量である。
上記金属酸化物粒子は、例えば、溶媒中においてノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤の存在下で、前記金属酸化物の前駆体である、原料金属化合物を酸化することにより得ることができる。この場合、必要に応じて塩基性化合物、水を加えることもできる。塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の塩基性無機化合物、アンモニア、ヒドラジンなどのアミン化合物を挙げることができる。また必要に応じて加熱または還流させてもよい。反応温度としては、特に限定されないが、通常0〜200℃であり、好ましくは室温〜溶媒の沸点である。また、反応時間は特に限定されないが、通常1分〜100時間であり、好ましくは10分〜10時間である。
本発明でいう原料金属化合物とは、用いる溶媒に可溶な金属化合物であり、例えば、前記金属酸化物を構成する金属の酢酸塩などの有機酸塩類、金属の硝酸塩類、過塩素酸塩類、アルコキシド類、アセチルアセトナート類、ハロゲン化物類などが用いられる。好ましくは、金属ハロゲン化物類、金属硝酸塩類、金属過塩素酸類、金属酢酸塩類が用いられる。これらは結晶水を含むものであってもよい。
これらの原料金属化合物を酸化するための酸素としては基本的には酸素または空気として反応系に供給してもよいが、その必要量は僅かであるので、水中の溶存酸素でも充分であるし、さらには塩基乃至水中の水酸基から反応により生成する酸素を利用してもよい。また、必要に応じて用いられる塩基は、金属化合物から金属酸化物への反応を促進するものであり、好ましくは強塩基であることが望ましく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが好適に用いられる。
このようにして得られた安定化された金属酸化物粒子分散溶液から、溶媒を、減圧、風乾、加熱蒸発などにより除去すると、ノニオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤によって安定化された金属酸化物超微粒子粉末が得られる。
また必要に応じて、得られた粒子を水やアルコールなどで洗浄して、未反応物や余分なノニオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤を除去してもよい。さらに必要に応じて、500℃以上の高温で焼成して、結晶水を除去したり、結晶性を高めたりしてもよい。
金属酸化物粒子の製造に際し、後述するスルホン酸基を有する重合体をあらかじめ共存させてもよく、この場合、乾燥などの操作を行うことなく、電解質膜形成のためのコーティング液を調製することもできる。
最終的に得られる金属酸化物粒子に対し、ノニオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤は、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは3〜25質量%、さらに好ましくは5〜20質量%の量で含まれていることが望ましい。
このような金属酸化物粒子を含んでいると、酸素や過酸化水素又は過酸化物ラジカルを阻害して、固体高分子電解質膜の劣化を抑制できる。また、本発明では、均一な粒子径でかつ凝集の少ない粒子が使用されているために、固体高分子電解質膜の劣化を抑制する効果に特に優れる。
(ii)スルホン酸基を有する重合体
スルホン酸基を有する重合体としては、従来固体高分子電解質膜に使用されていたものでありスルホン酸基を有するものであれば特に制限されない。
たとえば、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリスチレン−グラフト−エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリスチレン−グラフト−ポリテトラフルオロエチレン、脂肪族ポリカーボネート等の脂肪族炭化水素系重合体にスルホン酸基が導入された重合体(スルホン酸基を有する脂肪族炭化水素系重合体)、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、芳香族ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾイミダゾール等の主鎖に芳香環を有する芳香族炭化水素系重合体にスルホン酸基が導入された重合体(スルホン酸基を有する芳香族炭化水素系重合体)も用いることが可能である。
また、スルホン酸基を有する全フッ化炭素系重合体(エーテル結合性の酸素原子を含んでいてもよい)も使用することができる。全フッ化炭素系重合体としては特に限定されないが、CF2=CF−(OCF2CFX)m−Op−(CF2n−SO3Hで表されるパーフルオロビニル化合物(mは0〜3の整数を示し、nは1〜12の整数を示し、pは0又は1を示し、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を示す。)に基づく重合単位と、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位とを含む共重合体である。
スルホン酸基を有する全フッ化炭素系重合体を用いる場合、重合後にフッ素化することにより重合体の末端がフッ素化処理されたものを用いてもよい。
スルホン酸基を有する全フッ化炭素系重合体としては、Nafion(登録商標、デュポン社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子(株)社製)、アシプレックス(旭化成工業(株)社製)などが市販されている。
また、パーフルオロアルキルスルホン酸ポリマーがポリテトラフルオロエチレンと複合化したものや、ポリテトラフルオロエチレングラフトスルホン化ポリスチレンなどの部分フッ素化スルホン化ポリマーも使用することができる。たとえば、延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンにスルホン酸基を有するポリマーを含浸させたGORE-SELECT(ジャパンゴアテックス製)なども使用可能である。
これらのうち、本発明ではスルホン酸基を有する芳香族炭化水素系重合体を使用することが好ましい。
このようなスルホン酸基を有する芳香族炭化水素系重合体としては、本願出願人による、特開2008−247857号公報、特開2007−210919号公報、特開2007−91788号公報などに記載のものが例示される。
固体高分子電解質膜の構成
本発明にかかる固体高分子電解質膜は、前記(i)金属酸化物粒子と前記(ii)スルホン酸基を有する重合体とを含む。
金属酸化物粒子は、前記重合体ならびに金属酸化物粒子の合計量に対して0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%、さらに好ましくは0.5〜15重量%の範囲にあることが望ましい。
このような範囲で金属酸化物粒子が含まれていると、固体高分子電解質膜として良好な耐久性とプロトン伝導性を示す。
また、本発明にかかる固体高分子電解質膜は、上記金属酸化物粒子以外にも、他の金属化合物または金属イオンを含むこともできる。他の金属化合物または金属イオンとしては、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)、スズ(Sn)、マンガン(Mn)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W) 、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)、セリウム(Ce)、ネオジウム(Nd)、プラセオジウム(Pr)、サマリウム(Sm)、コバルト(Co)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、及び、エルビウム(Er)等の金属化合物またはこれらの金属イオンが挙げられる。
本発明にかかる固体高分子電解質膜は、上記金属酸化物粒子とスルホン酸基を有する重合体とを含む液状組成物を用いて作製することができ、また、スルホン酸基を有する重合体の溶液を、基体上に流延してフィルム状に成形した後、上記金属酸化物粒子を含む溶液中に浸漬することで作製することもできる。
液状組成物
本発明にかかる液状組成物は、前記(i)金属酸化物粒子と(ii)スルホン酸基を有する重合体とを含む。なお、金属酸化物粒子、重合体に含まれるスルホン酸基の数に対する上記金属酸化物粒子の量、ならびに重合体および上記金属酸化物粒子の全体に対する金属酸化物粒子の量は、前記した通りである。
液状組成物は、前記金属酸化物粒子、ピロリドン基を有するポリマー、スルホン酸基を有する重合体の他に、通常、溶媒を含む。
溶媒としては、前記スルホン酸基を有する重合体を溶解する溶媒や膨潤させる溶媒であれば良く、たとえば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチル尿素、ジメチルイミダゾリジノン、アセトニトリルなどの非プロトン系極性溶剤や、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、iso−プロピルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン等のエーテル類などの溶剤が挙げられる。これらの溶剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。特に溶解性、溶液粘度の面から、N−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」ともいう。)が好ましい。
また、上記溶媒として、非プロトン系極性溶剤と他の溶剤との混合物を用いる場合、該混合物の組成は、非プロトン系極性溶剤が95〜25質量%、好ましくは90〜25質量%、他の溶剤が5〜75質量%、好ましくは10〜75質量%(但し、合計は100質量%)である。他の溶剤の量が上記範囲内にあると、溶液粘度を下げる効果に優れる。この場合の非プロトン系極性溶剤と他の溶剤との組み合わせとしては、非プロトン系極性溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン、他の溶剤として幅広い組成範囲で溶液粘度を下げる効果があるメタノールが好ましい。
液状組成物中の上記スルホン酸基を有する重合体濃度は、分子量にもよるが、通常、5〜40質量%、好ましくは7〜25質量%である。5質量%未満では、厚膜化し難く、また、ピンホールが生成しやすい。一方、40質量%を超えると、溶液粘度が高すぎてフィルム化し難く、また、表面平滑性に欠けることがある。
また、金属酸化物粒子濃度は、上記重合体との比が、上記の範囲となるようにあればよく、概ね0.05〜12質量%、好ましくは0.7〜5質量%の範囲にあることが好ましい。
なお、溶液粘度は、上記スルホン酸基を有する重合体の分子量や、ポリマー濃度や、添加剤の濃度にもよるが、通常、2,000〜100,000mPa・s、好ましくは3,000〜50,000mPa・sである。粘度が低いと、成膜中の溶液の滞留性が悪く、基体から流れてしまうことがある。一方、粘度が高すぎると、流延法によるフィルム化が困難となることがある。

本発明にかかる液状組成物は、前記溶媒中でスルホン酸基を有する重合体と金属酸化物粒子とを混合することによって、調製することができる。具体的には、スルホン酸基を有する重合体を前記溶媒中に溶解又は分散させた後、上記金属酸化物粒子をこれに混合することによって、調製する方法、または上記金属酸化物粒子を前記溶媒中に溶解又は分散させた後に、スルホン酸基を有する重合体を溶解又は分散させる方法が挙げられる。
さらに、本発明にかかる液状組成物は、前記溶媒中でスルホン酸基を有する重合体と、ノニオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤とを非水溶媒中に共存させ、金属化合物を添加し、金属化合物を酸化して金属酸化物粒子とすることで調製することもできる。
液状組成物には、上記スルホン酸基を有する重合体および上記金属酸化物粒子以外に、硫酸、リン酸などの無機酸、リン酸ガラス、タングステン酸、リン酸塩水和物、β−アルミナプロトン置換体、プロトン導入酸化物等の無機プロトン伝導体粒子、カルボン酸を含む有機酸、スルホン酸を含む有機酸、ホスホン酸を含む有機酸、適量の水などを併用しても良い。
固体高分子電解質膜の製造方法
本発明にかかる固体高分子電解質膜は、例えば、前記液状組成物を、基体上に流延してフィルム状に成形するキャスティング法などにより、製造することができる。基体としては、通常の溶液キャスティング法に用いられる基体であれば特に限定されず、たとえばプラスチック製、金属製などの基体が用いられ、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの熱可塑性樹脂からなる基体が用いられる。
上記のようにして成膜した後、得られた未乾燥フィルムを水に浸漬すると、未乾燥フィルム中の有機溶剤を水と置換することができ、得られる固体高分子電解質膜中の残留溶媒量を低減することができる。
なお、成膜後、未乾燥フィルムを水に浸漬する前に、未乾燥フィルムを予備乾燥してもよい。予備乾燥は、未乾燥フィルムを通常50〜150℃の温度で、0.1〜10時間保持することにより行われる。
製膜後、さらに、スルホン酸基を有する重合体を含む溶液を塗布して、固体高分子電解質膜を多層構造にしてもよい。多層構造にすると上記金属酸化物粒子を偏在させることができる。この場合、固体高分子電解質膜の耐久性とプロトン伝導性の観点から、膜−電極接合体を作製した際にカソード側の層にのみ金属酸化物粒子を含有し、それ以外の層には金属酸化物粒子を含まない構造とすることもできる。
上記のように未乾燥フィルムを水に浸漬した後乾燥すると、残存溶媒量が低減された膜が得られるが、このようにして得られる膜の残存溶媒量は、通常5質量%以下である。また、浸漬条件によっては、得られる膜の残存溶媒量を1質量%以下とすることができる。このような条件としては、たとえば、未乾燥フィルム1質量部に対する水の使用量が50質量部以上であり、浸漬する際の水の温度が10〜60℃、浸漬時間が10分〜10時間である。
上記のように未乾燥フィルムを水に浸漬した後、フィルムを30〜100℃、好ましくは50〜80℃で、10〜180分、好ましくは15〜60分乾燥し、次いで、50〜150℃で、好ましくは500mmHg〜0.1mmHgの減圧下、0.5〜24時間、真空乾燥することにより、膜を得ることができる。
本発明の方法により得られる固体高分子電解質膜は、その乾燥膜厚が、通常10〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
また、別に多孔質基材やシート状の繊維質物質を用いることで、補強された固体高分子電解質膜を製造することもできる。
補強された固体高分子電解質膜を製造する方法としては、たとえば、液状組成物を多孔質基材やシート状の繊維質物質に含浸して、スルホン酸基を有する重合体を多孔質基材やシート状の繊維質物質の内部の細孔に充填させる方法、上記液状組成物を多孔質基材やシート状の繊維質物質に塗布して、スルホン酸基を有する重合体を多孔質基材やシート状の繊維質物質の内部の細孔に充填させる方法、ならびに、上記液状組成物から膜を形成した後、多孔質基材やシート状の繊維質物質に前記膜を重ねて熱プレスし、スルホン酸基を有する重合体を多孔質基材やシート状の繊維質物質の細孔に充填させる方法などを挙げることができる。
また、多層構造の固体高分子電解質膜を形成する場合には、上述の各方法などによって得られた固体高分子電解質膜表面に、さらにダイコート、スプレーコート、ナイフコート、ロールコート、スピンコート、グラビアコートなどの公知の方法で、スルホン酸基を有する重合体を含む組成物を塗布し、必要に応じて乾燥する、あるいは、スルホン酸基を有する重合体を含む組成物から形成された膜を上述の方法で得られた膜に重ねて熱プレスすることなどが挙げられる。なお、塗布量を調節して、ポリマー層の厚さを調製してもよく、例えば一方のポリマー層を厚く、他方を薄くしてもよい。なお、多層構造の固体高分子電解質膜を形成する場合には、少なくとも一つの層を形成する際に、金属酸化物粒子を含む上記液状組成物を用いればよい。このため、すでに形成された固体高分子電解質膜に金属酸化物粒子が含まれている場合、積層のために塗布ないし熱プレスに供されるスルホン酸基を有する重合体を含む組成物には、金属酸化物粒子が含まれていなくともよい。また、形成された固体高分子電解質膜に金属酸化物粒子が含まれていない場合、積層のために塗布ないし熱プレスに供される組成物として、本発明にかかる金属酸化物粒子を含む液状組成物を使用してもよい。また、金属酸化物粒子を含まず、スルホン酸基を有する重合体を含む組成物を、塗布して多層構造を形成後、あるいは該組成物からなるフィルム状に成形した熱プレスする前ないし後、前記金属酸化物粒子を含む溶液中に浸漬させてもよい。
多孔質基材としては、厚さ方向に対して貫通する多数の細孔又は空隙を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、各種樹脂からなる有機多孔質基材、ガラス、アルミナなど金属酸化物や金属自体から構成される無機多孔質基材等が挙げられる。
多孔質基材としては、厚さ方向に対してほぼ平行な方向に貫通している貫通孔を多数個有するものであってもよい。
このような、多孔質基材として、特開2008−119662号公報、特開2007−154153号公報、特開平8−20660号公報、特開平8−20660号公報、特開2006−120368号公報、特開2004−171994号公報、特開2009−64777号公報に開示されたものを使用することができる。
本発明で使用される多孔質基材としては、有機多孔質基材が好ましく、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、高分子量ポリエチレン、架橋型ポリエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリイミド、ポリアクリロトリル、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルホン、ガラスからなる群から選ばれる1種以上からなるものが好ましい。なお、ポリオレフィンとしては、高分子量ポリエチレン、架橋型ポリエチレン、ポリエチレンなどが望ましい。
本発明では、これらの中でも、上記スルホン酸基を有する重合体と組合わせる観点では多孔質基材が、ポリテトラフルオロエチレン、高分子量ポリエチレン、架橋型ポリエチレン、ポリエチレン等のポリオレフィンから構成されたものが好ましい。また必要に応じて、ポリオレフィンは親水化処理されていてもよい。親水化処理は、アルカリ金属溶液を使用して、多孔質を構成するポリオレフィンを変性させる処理であり、かかる処理により、多孔質膜表面が変性され親水性が付与される。なお、変性部分は褐色化することもあるので、褐色層を過酸化水素や次亜塩素酸ソーダ、オゾンなどにより酸化分解して除去してもよい。このような親水化処理を化学エッチングということもある。アルカリ金属溶液としては、メチルリチウム、金属ナトリウム−ナフタレン錯体、金属ナトリウム−アントラセン錯体などのテトラヒドロフラン等の有機溶剤溶液、金属ナトリウム−液体アンモニアの溶液などが挙げられる。
また、シート状の繊維質物質としては、不織布、織布、編布等が挙げられる。織布を構成する繊維としては、ポリエチレン繊維、含フッ素重合体強化繊維、ポリイミド繊維、ポリフェニレンスルフィドスルフォン繊維、ポリスルフォン繊維、ガラス繊維等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
不織布を構成する繊維としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など)、ポリスチレン系樹脂(例えば、結晶性ポリスチレン、非晶性ポリスチレンなど)、芳香族ポリアミド系樹脂、又はポリウレタン系樹脂などの有機成分、あるいは、ガラス、炭素、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、ホウ酸アルミニウム、ワラストナイトなどの無機成分から構成されるものが使用できる。
また、本発明にかかる固体高分子電解質膜は、他にも、スルホン酸基を有する重合体の溶液を、基体上に流延してフィルム状に成形した後、上記金属酸化物粒子を含む組成物中に浸漬することで作製することもできる。
上記金属酸化物粒子を含む組成物に用いられる金属酸化物粒子の分散媒あるいは溶媒としては、得られた固体高分子電解質膜が溶出しないものが好適に用いられ、具体的には水が挙げられる。
[膜−電極接合体]
本発明にかかる膜−電極接合体は、前記固体高分子電解質膜と、触媒層と、ガス拡散層とを備えた膜−電極接合体である。典型的には、前記固体高分子電解質膜を挟んで一方にはカソード電極用の触媒層と他方にはアノード電極用の触媒層が設けられており、さらにカソード側およびアノード側の各触媒層の固体高分子電解質膜と反対側に接して、カソード側およびアノード側にそれぞれガス拡散層が設けられている。
ガス拡散層、触媒層として、公知のものを特に制限なく使用可能である。
具体的にガス拡散層は、多孔性基材又は多孔性基材と微多孔層の積層構造体からなる。ガス拡散層が多孔性基材と微多孔層の積層構造体からなる場合には、微多孔層が触媒層に接して設けられる。カソード側およびアノード側のガス拡散層は、撥水性を付与するために含フッ素重合体を含んでいることが好ましい。
触媒層は、触媒、イオン交換樹脂電解質から構成される。触媒としては、白金、パラジウム、金、ルテニウム、イリジウムなどの貴金属触媒が好ましく用いられる。また、貴金属触媒は、合金や混合物などのように、2種以上の元素が含まれるものであってもよい。このような貴金属触媒は、通常、高比表面積カーボン微粒子に担持したものを用いることができる。
イオン交換樹脂電解質は、前記触媒を担持したカーボンを結着させるバインダー成分として働くとともに、アノード極では触媒上の反応によって発生したイオンを固体高分子電解質膜へ効率的に供給し、また、カソード極では固体高分子電解質膜から供給されたイオンを触媒へ効率的に供給する。
本発明で用いられる触媒層のイオン交換樹脂としては、触媒層内のプロトン伝導性を向上させるためにプロトン交換基を有するポリマーが好ましい。このようなポリマーに含まれるプロトン交換基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基などがあるが特に限定されるものではない。また、このようなプロトン交換基を有するポリマーも、特に限定されることなく選ばれるが、フルオロアルキルエーテル側鎖とフルオロアルキル主鎖とから構成されるプロトン交換基を有するポリマーや、スルホン酸基を有する芳香族炭化水素系重合体などが好ましく用いられる。また、上記の固体高分子電解質膜を構成するスルホン酸基を有する芳香族炭化水素系重合体をイオン交換性樹脂として使用してもよく、さらにプロトン交換基を有するフッ素原子を含むポリマーや、エチレンやスチレンなどから得られる他のポリマー、これらの共重合体やブレンドであっても構わない。このようなイオン交換樹脂電解質は、公知のものを特に制限なく使用可能であり、たとえばNafion(DuPont社、登録商標)やスルホン酸基を有する芳香族炭化水素系重合体等を特に制限なく使用できる。
本発明で用いられる触媒層に必要に応じてさらに、炭素繊維、イオン交換基を有しない樹脂を用いてもよい。これらの樹脂としては撥水性の高い樹脂であることが好ましい。例えば含フッ素共重合体、シランカップリング剤、シリコーン樹脂、ワックス、ポリホスファゼンなどを挙げることができるが、好ましくは含フッ素共重合体である。
[燃料電池]
本発明に係る固体高分子型燃料電池は、前記膜−電極接合体を含むことを特徴としている。具体的には、少なくとも一つ以上の膜−電極接合体及びその両側に位置するセパレータを含む少なくとも一つの電気発生部;燃料を前記電気発生部に供給する燃料供給部;及び酸化剤を前記電気発生部に供給する酸化剤供給部を含む型燃料電池であって、膜−電極接合体が上記記載のものであることを特徴とする。
本発明の電池に用いられるセパレータとしては、通常の燃料電池に用いられるものを用いることができる。具体的にはカーボンタイプのもの、金属タイプのものなどを用いることができる。
また、燃料電池を構成する部材としては、公知のものを特に制限なく使用することが可能である。本発明の電池は単セルで用いることもできるし、複数の単セルを直列に繋いだスタックとして用いることもできる。スタックの方法としては公知のものを用いることができる。具体的には単セルを平面状に並べた平面スタッキング、及び燃料または酸化剤の流路がセパレータの裏表面にそれぞれ形成されているセパレータを介して単セルを積み重ねるバイポーラースタッキングを用いることができる。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本実施例での評価は以下のようにして行なった。
〔スルホン酸当量〕
スルホン酸化重合体を、1N塩酸水で洗浄後、フリーに残存している酸を除去するため水洗水が中性になるまでイオン交換水で充分に洗浄し、乾燥後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解したフェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液を用いて滴定を行い、中和点から、スルホン酸当量を求めた。
〔分子量の測定〕
スルホン酸化重合体の分子量、または耐熱試験後のスルホン酸化重合体の分子量を、臭化リチウム7.83gとリン酸3.3mlと溶媒からなる混合溶液を溶離液として用い、GPCを用い、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
[粒子径]
粒子の数平均一次粒子径を透過型電子顕微鏡(TEM)により、また粒子の数平均二次粒子径を動的光散乱(DLS)法により測定した(測定装置:堀場製作所社製、動的光散乱式粒径分布測定装置、品番「HORIBA LB550」)
[界面活性剤付着量の定量]
界面活性剤付着量については、熱重量分析(TG)を用いて900℃まで加熱した際の重量減少量から算出した。
〔合成例1〕
30cm3のエチレングリコール(EG)(和光純薬製)に、Ce(NO33・6H2O(高純度化学製)7.8g、及びポリビニルピロリドンK−30(PVP)(シグマアルドリッチ製;ポリスチレン換算数平均分子量3×104)2.4gを加え、190℃で60分間加熱・還流し、白濁した混合溶液が得られた。
次に、未反応物や、余分なPVPを除去するために、白濁した溶液の一部を10000rpmの条件で遠心分離し、水及びエタノールで洗浄した。洗浄後、80℃で乾燥させ、粉体を得た。
得られた粉体について、X線回折(XRD)により分析した結果、酸化セリウムが生成していることを確認した。また、FTIRにより分析した結果、PVPに起因するピークが観察され、得られた粉体がPVPで安定化された酸化セリウムであることを確認した。さらに、熱重量分析(TG)において、900℃まで加熱することにより、20wt%の重量減少があったことから、およそ20wt%のPVPが酸化セリウムに付着していることを確認した。
このPVPで安定化された酸化セリウムを透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、一次粒子の大きさは平均で3nmであることが分かった。また、動的光散乱(DLS)法により分析した結果、二次粒径の大きさは平均で100nmであり、粒径分布の標準偏差は30nmの微粒子であることが分かった。
〔合成例2-1〕
(1)疎水性ユニットの合成
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた1Lの三つ口のフラスコに、2,6−ジクロロベンゾニトリル49.4g(0.29モル)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン88.4g(0.26モル)、炭酸カリウム47.3g(0.34モル)をはかりとった。窒素置換後、スルホラン346ml、トルエン173mlを加えて攪拌した。フラスコをオイルバスにつけ、150℃に加熱還流させた。反応により生成する水をトルエンと共沸させ、Dean−Stark管で系外に除去しながら反応させると、約3時間で水の生成がほとんど認められなくなった。反応温度を徐々に上げながら大部分のトルエンを除去した後、200℃で3時間反応を続けた。次に、2,6−ジクロロベンゾニトリル12.3g(0.072モル)を加え、さらに5時間反応した。
得られた反応液を放冷後、トルエン100mlを加えて希釈した。副生した無機化合物の沈殿物を濾過除去し、濾液を2Lのメタノール中に投入した。沈殿した生成物を濾別、回収し乾燥後、テトラヒドロフラン250mlに溶解した。これをメタノール2Lに再沈殿し、目的の化合物107gを得た。
得られた目的の化合物のGPC(溶媒:テトラヒドロフラン)で求めたポリスチレン換算の数平均分子量は7,300であった。得られた化合物は下記構造式で表されるオリゴマーであった。
Figure 0005552785
(2)親水性ユニットの合成
攪拌機、冷却管を備えた3Lの三口フラスコに、クロロスルホン酸233.0g(2モル)を加え、続いて2,5−ジクロロベンゾフェノン100.4g(400ミリモル)を加え、100℃のオイルバスで8時間反応させた。所定時間後、反応液を砕氷1000gにゆっくりと注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥後、酢酸エチルを留去し、淡黄色の粗結晶3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸クロリドを得た。粗結晶は精製せず、そのまま次工程に用いた。
2,2-ジメチル-1-プロパノール(ネオペンチルアルコール)38.8g(440ミリモル)をピリジン300mLに加え、約10℃に冷却した。ここに上記で得られた粗結晶を約30分かけて徐々に加えた。全量添加後、さらに30分撹拌し反応させた。反応後、反応液を塩酸水1000ml中に注ぎ、析出した固体を回収した。得られた固体を酢酸エチルに溶解させ、炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥後、酢酸エチルを留去し、粗結晶を得た。これをメタノールで再結晶し、下記構造式で表される3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチルの白色結晶を得た。
Figure 0005552785
(3)塩基性ユニットの合成
撹拌羽根、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lの3口フラスコに、フルオロベンゼン240.2g(2.50モル)を取り、氷浴で10℃まで冷却し、2,5−ジクロロ安息香酸クロライド134.6g(0.50モル)、塩化アルミニウム86.7g(0.65モル)を反応温度が40℃を超えないように徐々に添加した。添加後、40℃で8時間撹拌した。薄層クロマトグラフィーにより原料の消失を確認した後、氷水に滴下し、酢酸エチルから抽出を行った。5%重曹水により中和した後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥させた後、エバポレーターでにより溶媒を留去した。メタノールから再結晶を行うことにより、中間体の2,5−ジクロロ−4'−フルオロベンゾフェノンを130g、収率97%で得た。
撹拌機、温度計、冷却管、Dean−Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた2Lの3口フラスコに、上記2,5−ジクロロ−4'−フルオロベンゾフェノン130.5g(0.49モル)、2−ヒドロキシピリジン46.1g(0.49モル)、炭酸カリウム73.7g(0.53モル)、を取り、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)500mL、トルエン100mLを加え、オイルバス中、窒素雰囲気下で加熱、撹拌下130℃で反応させた。反応により生成する水をトルエンと共沸させ、Dean−Stark管で系外に除去しながら反応させると、約3時間で水の生成がほとんど認められなくなった。その後、大部分のトルエンを除去し、130℃で10時間反応を続けた。得られた反応液を放冷後、濾液を2Lの水/メタノール(9/1)中に投入した。沈殿した生成物を濾別、回収し乾燥した。撹拌機、温度計、冷却管、Dean−Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた2Lの3口フラスコに乾燥物を取り、トルエン1L中で100℃で撹拌し、残留した水分を留去し溶解させた。放冷後、結晶化物を濾過することにより下記構造式で表される淡黄色の2,5−ジクロロ−4'−(ピリジン−2−イル)ベンゾフェノンを142g、収率83%で得た。
Figure 0005552785
(4)スルホン酸基を有する重合体の合成
撹拌機、温度計、窒素導入管を接続した1Lの3口フラスコに、乾燥したN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)166mLを(1)で合成したオリゴマー13.4g(1.8ミリモル)、(2)で合成した3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル 37.6g(93.7ミリモル)、(3)で合成した2,5−ジクロロ−4'−(ピリジン−2−イル)ベンゾフェノン 1.61g(4.7ミリモル)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド2.62g(4.0ミリモル)、トリフェニルホスフィン10.5g(40.1ミリモル)、ヨウ化ナトリウム0.45g(3.0ミリモル)、亜鉛15.7g(240.5ミリモル)の混合物中に窒素下で加えた。
反応系を撹拌下に加熱し(最終的には82℃まで加温)、3時間反応させた。反応途中で系中の粘度上昇が観察された。重合反応溶液をDMAc175mLで希釈し、30分撹拌し、セライトを濾過助剤に用い濾過した。撹拌機を取り付けた1Lの3つ口で、この濾液に臭化リチウム24.4g(281ミリモル)を1/3ずつ3回に分け1時間間隔で加え、内温120℃で5時間、窒素雰囲気下で反応させた。反応後、室温まで冷却し、アセトン4Lに注ぎ、凝固した。凝固物を濾集、風乾後、ミキサーで粉砕し、1N硫酸1500mLで攪拌しながら洗浄を行った。濾過後、生成物は洗浄液のpHが5以上となるまで、イオン交換水で洗浄後、80℃で一晩乾燥し、目的の塩基性ユニットが導入されたスルホン酸基を有する重合体38.0gを得た。この脱保護後のスルホン酸基を有する重合体のGPC(溶媒:N−メチル−2−ピロリドン)で測定したポリスチレン換算の分子量は、Mn=63000、Mw=194000であった。この重合体のイオン交換容量は2.33meq/gであった。得られたスルホン酸基を有する重合体は、下記構造式で表される化合物(重合体A)である。
Figure 0005552785
〔合成例2-2〕
(1)親水性ユニットの合成
2,2−ジメチルプロパノール44.9g(510.2ミリモル)をピリジン147mlに溶解させた。これに、0℃で、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸クロリド100g(405.6ミリモル)を加え、室温で、1時間攪拌、反応させた。反応混合物に、酢酸エチル740mL及び2mol%塩酸740mLを加え、30分間撹拌した後、静置し、有機層を分離した。分離した有機層を水740mL、10質量%炭酸カリウム水溶液740mL、飽和食塩水740mLで順次洗浄した後、減圧条件下で、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロホルム溶媒)で精製した。得られた溶出液から溶媒を、減圧条件下で留去した。残渣を、65℃でヘキサン970mLに溶解させた後、室温まで冷却した。析出した固体を濾過により分離した。分離した固体を乾燥し、下記構造式で表される2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)の白色固体を99.4g、収率82.1%で得た。
Figure 0005552785
(2)スルホン酸基を有する重合体の合成
無水塩化ニッケル1.62g(12.5ミリモル)とジメチルスルホキシド(DMSO)15mLとを混合し、内温70℃ に調整した。これに、2,2’−ビピリジン2.15g(13.8モル)を加え、同温度で10分撹拌し、ニッケル含有溶液を調製した。(1)で合成した2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)1.49g(5.0ミリモル)と下記構造式
Figure 0005552785
で示されるスミカエクセルPES5200P(住友化学社製、Mn=40000、Mw=94000)0.50g(0.013ミリモル)とをジメチルスルホキシド(DMSO)5mLに溶解させて得られた溶液に、亜鉛1.23g(18.8ミリモル)を加え、70℃に調整した。これに、前記ニッケル含有溶液を注ぎ込み、70℃で4時間重合反応を行った。反応混合物をメタノール60mL中に加え、次いで、6mol/L塩酸60mLを加え、1時間撹拌した。析出した固体を濾過により分離し、乾燥し、灰白色の重合中間体を1.62g得た。得られた重合中間体1.62gを、臭化リチウム1.13g(13.0ミリモル)とN−メチル−2−ピロリドン(NMP)56mLとの混合溶液に加え、120℃で24時間反応させた。反応混合物を、6mol/L塩酸560mL中に注ぎ込み、1時間撹拌した。析出した固体を濾過により分離した。分離した固体を乾燥し、灰白色の目的のスルホン酸基を有する重合体0.42gを得た。この脱保護後のスルホン酸基を有する重合体のGPC(溶媒:N−メチル−2ピロリドン)で測定したポリスチレン換算の分子量は、M n=75000、Mw=173000であった。この重合体のイオン交換容量は1.95meq/gであった。得られたスルホン酸基を有する重合体は、下記構造式で表される化合物(重合体B)である。
Figure 0005552785
〔実施例1〕
合成例1で得られた酸化セリウム微粒子0.8gをメタノール/N−メチル−2−ピロリドン(NMP)=40/60の混合溶媒84mlに添加し、超音波発生ホモジナイザーを使用して分散させた。次いで、この分散液に合成例2-1で得られた重合体A16gを添加し、溶解させた。この溶液をPETフィルムの上にダイコータにてキャスト塗工し、80℃で40分予備乾燥した後、120℃で40分乾燥した。これを大量の蒸留水に一晩浸漬し、膜中の残存NMPを希釈により取り除いた後、風乾し、膜厚40μmの膜を得た。
この膜から5cm×5cmの大きさを切り出し、110℃、減圧下で2時間乾燥した後、質量を精秤し、550℃で2日間静置して、残った灰分を0.1規定硝酸水溶液に溶解させ、セリウムを完全に抽出した液を得た。この液を誘導結合プラズマ(ICP)発光分析にて測定することで、膜中の酸化セリウム量を定量したところ、膜1gに対して37mgであることが判明した。また、加圧下で120℃の熱水に膜を100時間浸漬させ、上記と同様にICP測定を行ったところ、熱水浸漬前後でのセリウム量に変化はなく、酸化セリウム微粒子の熱水への溶出は起こっていないことが判明した。
〔アノード電極ペーストの調製〕
次に、200mlのポリボトルに直径5mmのジルコニアボール(ニッカトー社製「YTZボール」)80gを入れ、白金ルテニウム担持カーボン粒子(田中貴金属工業社製「TEC61E54」、Pt:29.8質量%担持、Ru:23.2質量%担持)1.28g、蒸留水3.60g、n−プロピルアルコール12.02gおよびNafion(商標) D2020(DuPont社製、ポリマー濃度21%分散液、イオン交換容量1.08meq/g)3.90gを加え、ペイントシェーカーで60分間攪拌することにより、アノード電極ペーストを得た。
〔カソード電極ペーストの調製〕
次に、200mlのポリボトルに直径5mmのジルコニアボール80gを入れ、白金担持カーボン粒子(田中貴金属工業社製「TEC10E50E」、Pt:45.6質量%担持)1.25g、蒸留水3.64g、n−プロピルアルコール11.91gおよびNafion(商標) D2020 4.40gを加え、ペイントシェーカーで60分間攪拌することにより、カソード電極ペーストを得た。
〔電極の製造〕
高分子電解質膜の片面に、5cm×5cmの開口を有するマスクを用いて上記アノード電極ペーストをドクターブレードにて塗布し、また上記電極ペーストを塗布していない面に、5cm×5cmの開口を有するマスクを用いて、ドクターブレードにて上記カソード電極ペーストを塗布した。これを120℃で60分間乾燥した。各電極触媒層の触媒塗布量は0.50mg/cm2であった。
〔ガス拡散層〕
ガス拡散層としてSGL CARBON社製のGDL24BCを用いた。
〔燃料電池の作製〕
上記電極触媒層が両面に形成された電解質膜を、2枚のガス拡散層で挟み、圧力60kg/cm2下、160℃×20minの条件でホットプレス成形して、膜−電極接合体を作製した。得られた電極−膜接合体の両側にガス流路を兼ねるセパレータを積層し、これを2枚のチタン製の集電体で挟み、さらにその外側にヒーターを配置し、有効面積25cm2の評価用燃料電池を作製した。
〔性能評価〕
(1)OCV耐久性試験
上記評価用燃料電池のカソード電極側に常圧で0.2L/minの流量で空気を供給し、アノード電極側に常圧で0.2L/minの流量で純水素を供給し、セル温度90℃、カソード電極側相対湿度20%、アノード電極側相対湿度20%として、発電は行わずに開回路状態で300時間運転し、その間の電圧低下速度を測定した。結果を表1に示す。
(2)OCV耐久性試験前後の出力電圧測定
上記評価用燃料電池のカソード電極側に背圧120kPa、利用率40%で空気を供給し、アノード電極側に背圧120kPa、利用率70%で純水素を供給し、セル温度80℃、カソード電極側相対湿度50%、アノード電極側相対湿度50%として、上記OCV耐久試験前後の電流密度1A/cm2でのセル電圧を測定し、セル電圧の低下度を求めた。結果を表2に示す。
〔実施例2〕
実施例1において重合体Aのかわりに合成例2-2で得られた重合体Bを用いた以外は実施例1と同様にして、膜厚40μmの膜を得た。この膜は、実施例1と同様のICP測定により、酸化セリウム量は、膜1gに対して37mgであることが判明した。また、実施例1と同様の熱水浸漬を行い、ICP測定を行ったところ、熱水浸漬前後でのセリウム量に変化はなく、酸化セリウム微粒子の熱水への溶出は起こっていないことが判明した。この膜を用いて実施例1と同様のOCV耐久性試験、及びOCV耐久性試験前後の出力電圧測定の評価を行った。結果を表1〜2に示す。
〔実施例3〕
合成例1で得られた酸化セリウム微粒子0.8gを、NafionTM D2020 76gに添加し、超音波発生ホモジナイザーを使用して分散させた。次いで、この分散液をPETフィルムの上にダイコータにてキャスト塗工し、80℃で40分予備乾燥した後、120℃で40分乾燥し、膜厚40μmの膜を得た。この膜は、実施例1と同様のICP測定により、酸化セリウム量は膜1gに対して36mgであることが判明した。また、実施例1と同様の熱水浸漬を行い、ICP測定を行ったところ、熱水浸漬前後でのセリウム量に変化はなく、酸化セリウム微粒子の熱水への溶出は起こっていないことが判明した。この膜を用いて実施例1と同様のOCV耐久性試験、及びOCV耐久性試験前後の出力電圧測定の評価を行った。結果を表1〜2に示す。
〔比較例1〕
実施例1において、合成例1で得られた酸化セリウム微粒子を使用しない以外は実施例1と同様にして、膜厚40μmの膜を得た。この膜を用いて実施例1と同様のOCV耐久性試験、及びOCV耐久性試験前後の出力電圧測定の評価を行った。結果を表1〜2に示す。
〔比較例2〕
実施例1において、合成例1で得られた酸化セリウム微粒子のかわりに硝酸セリウム六水和物(和光純薬工業社製) 0.79gを使用した以外は実施例1と同様にして、膜厚40μmの膜を得た。この膜は、実施例1と同様のICP測定により、セリウム量は重合体Aとセリウム成分の総質量に対して0.11ミリモル/gであり、スルホン酸基の4.6モル%であることが判明した。また、実施例1と同様の熱水浸漬を行い、ICP測定を行ったところ、熱水浸漬前後でのセリウム量に変化はなく、セリウムの熱水への溶出は起こっていないことが判明した。この膜を用いて実施例1と同様のOCV耐久性試験、及びOCV耐久性試験前後の出力電圧測定の評価を行った。結果を表1〜2に示す。
〔比較例3〕
実施例1において、合成例1で得られた酸化セリウム微粒子のかわりに、市販の酸化セリウム粒子(純正化学製、数平均二次粒子径400nm)を用いた以外は実施例1と同様にして、膜厚40μmの膜を得た。この膜は、実施例1と同様のICP測定により、酸化セリウム量は膜1gに対して46mgであることが判明した。また、実施例1と同様の熱水浸漬を行い、ICP測定を行ったところ、熱水浸漬前後でのセリウム量に変化はなく、酸化セリウム微粒子の熱水への溶出は起こっていないことが判明した。この膜を用いて実施例1と同様のOCV耐久性試験、及びOCV耐久性試験前後の出力電圧測定の評価を行った。結果を表1〜2に示す。
〔比較例4〕
実施例3において、合成例1で得られた酸化セリウム微粒子を使用しない以外は実施例3と同様にして、膜厚40μmの膜を得た。この膜を用いて実施例1と同様のOCV耐久性試験、及びOCV耐久性試験前後の出力電圧測定の評価を行った。結果を表1〜2に示す。
Figure 0005552785
Figure 0005552785
〔評価結果〕
表1より、実施例1、2、及び比較例2、3は開回路電圧の低下速度が比較例1より小さく、実施例3は開回路電圧の低下速度が比較例4より小さいものであった。さらに、酸化セリウム微粒子を用いた実施例1は開回路電圧の低下速度が比較例3より小さいものであった。また、表2より、実施例1、2、及び比較例2、3はOCV耐久試験後の電流密度1A/cm2でのセル電圧低下度が比較例1より小さく、実施例3はOCV耐久試験後の電流密度1A/cm2でのセル電圧低下度が比較例4より小さいものであった。さらに、酸化セリウム微粒子を用いた実施例1はOCV耐久試験後の電流密度1A/cm2でのセル電圧低下度が比較例3より小さいものであった。また、表2より、実施例1、2は電流密度1A/cm2でのセル電圧の初期値が比較例2より高いものであった。以上より、本発明の電解質膜は発電性能に優れ、燃料電池の発電により生成される過酸化水素または過酸化物ラジカルに対する耐久性に優れているものである。

Claims (11)

  1. スルホン酸基を有する重合体、金属酸化物粒子を含み、
    該金属酸化物粒子がノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の存在下で、金属化合物を酸化させて得られたものであり、
    前記金属酸化物粒子を、前記重合体ならびに前記金属酸化物粒子の合計量に対して0.01〜30重量%含み、
    金属酸化物粒子が、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、亜鉛、スズ、鉄、ビスマス、マグネシウム、イットリウム、鉛、マンガン、ゲルマニウム、銅、インジウム、ベリリウム、ネオジム、ランタン、ニオブ、タンタル、ニッケル、コバルト、ガリウム、セリウム、モリブデン、タングステンから選ばれる金属の酸化物およびこれらの複合酸化物の少なくとも1種である
    ことを特徴とする固体高分子電解質膜。
  2. 金属酸化物粒子の数平均一次粒子径が1nm〜20nmであって、数平均二次粒子径が30nm〜200nmである請求項1の固体高分子電解質膜。
  3. 前記金属酸化物粒子が、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、ニッケル、コバルト、またはセリウムの酸化物から選ばれる少なくとも一種である、請求項1または2に記載の固体高分子電解質膜。
  4. 界面活性剤が、ノニオン性界面活性剤であり、ピロリドン基を有するポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子電解質膜。
  5. スルホン酸基を有する重合体、金属酸化物粒子、および溶媒を含み、
    該金属酸化物粒子が、ノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の存在下で、金属化合物を酸化させて得られたものであり、
    前記金属酸化物粒子を、前記重合体ならびに前記金属酸化物粒子の全体に対して0.01〜30重量%含み、
    金属酸化物粒子が、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、亜鉛、スズ、鉄、ビスマス、マグネシウム、イットリウム、鉛、マンガン、ゲルマニウム、銅、インジウム、ベリリウム、ネオジム、ランタン、ニオブ、タンタル、ニッケル、コバルト、ガリウム、セリウム、モリブデン、タングステンから選ばれる金属の酸化物およびこれらの複合酸化物の少なくとも1種である
    ことを特徴とする液状組成物。
  6. 金属酸化物粒子の数平均一次粒子径が1nm〜20nmであって、数平均二次粒子径が30nm〜200nmであることを特徴とする請求項5に記載の液状組成物。
  7. 界面活性剤が、ノニオン性界面活性剤であり、ピロリドン基を有するポリマーであることを特徴とする請求項5または6に記載の液状組成物。
  8. 請求項5〜7のいずれかに記載の液状組成物の製造方法であって、
    溶媒中でスルホン酸基を有する重合体と金属酸化物を混合して得ることを特徴とする液状組成物の製造方法。
  9. 請求項5〜7のいずれかに記載の液状組成物をキャスト製膜することを特徴とする固体高分子電解質膜の製造方法。
  10. 請求項1〜4のいずれかに記載の固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜の両側に接して、触媒層とガス拡散層とを有することを特徴とする膜−電極接合体。
  11. 請求項10に記載の膜−電極接合体を有する固体高分子型燃料電池。
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