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JP2006260811A - 固体高分子形燃料電池用電解質膜、その製造方法及び固体高分子形燃料電池用膜電極接合体 - Google Patents

固体高分子形燃料電池用電解質膜、その製造方法及び固体高分子形燃料電池用膜電極接合体 Download PDF

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Abstract

【課題】高いエネルギー効率での発電が可能であり、供給ガスの露点によらず、高い発電性能を有し、かつ長期間に渡って安定した発電が可能な固体高分子形燃料電池用膜を提供する。
【解決手段】スルホン酸基を有する高分子化合物からなる陽イオン交換膜からなり、陽イオン交換膜中の−SO 基の0.3モル%以上のセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上と、難溶性セリウム化合物とを含む電解質膜を固体高分子形燃料電池用電解質膜として使用する。上記陽イオン交換膜において、好ましくは難溶性セリウム化合物が当該陽イオン交換膜全質量の0.3〜30%含まれるようにし、上記高分子化合物としてはスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体を使用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、初期の出力電圧が高く、長期に渡って高い出力電圧を得られる固体高分子形燃料電池用の電解質膜に関する。
燃料電池は、原料となるガスの反応エネルギーを直接電気エネルギーに変換する電池であり、水素・酸素燃料電池は、その反応生成物が原理的に水のみであり地球環境への影響がほとんどない。なかでも電解質として固体高分子膜を使用する固体高分子形燃料電池は、高いイオン導電性を有する高分子電解質膜が開発され、常温でも作動でき高出力密度が得られるため、近年のエネルギー、地球環境問題への社会的要請の高まりとともに、電気自動車用等の移動車両や、小型コージェネレーションシステムの電源として大きな期待が寄せられている。
固体高分子形燃料電池では、通常、固体高分子電解質としてプロトン伝導性のイオン交換膜が使用され、特にスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換膜が基本特性に優れている。固体高分子形燃料電池では、イオン交換膜の両面にガス拡散性の電極層を配置し、燃料である水素を含むガス及び酸化剤となる酸素を含むガス(空気等)を、それぞれアノード及びカソードに供給することにより発電を行う。
固体高分子形燃料電池のカソードにおける酸素の還元反応は過酸化水素(H)を経由して反応が進行することから、触媒層中で生成する過酸化水素又は過酸化物ラジカルによって、電解質膜の劣化を引き起こす可能性が懸念されている。また、アノードには、カソードから酸素分子が膜内を透過してくるため、同様に過酸化水素又は過酸化物ラジカルを生成することも懸念される。特に炭化水素系膜を固体高分子電解質膜とする場合は、ラジカルに対する安定性に乏しく、長期間にわたる運転においては大きな問題となっていた。
例えば、固体高分子形燃料電池が初めて実用化されたのは、米国のジェミニ宇宙船の電源として採用された時であり、この時にはスチレン−ジビニルベンゼン重合体をスルホン化した膜が電解質膜として使用されたが、長期間にわたる耐久性には問題があった。このような問題を改善する技術としては、高分子電解質膜中に過酸化水素を接触分解できる遷移金属酸化物又はフェノール性水酸基を有する化合物を添加する方法(特許文献1参照)や、高分子電解質膜内に触媒金属粒子を担持し、過酸化水素を分解する方法(特許文献2参照)が知られている。しかし、これらの技術は、初期的には改善の効果があるものの、長期間にわたる耐久性には大きな問題が生じる可能性があった。またコスト的にも高くなるという問題があった。
一方、上記のような炭化水素系の重合体からなる電解質膜に対し、ラジカルに対する安定性が格段に優れる重合体として、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換膜が知られている。近年、これらのパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換膜を用いた固体高分子形燃料電池は、自動車用、住宅用市場等の電源として期待され、実用化への要望が高まり開発が加速している。これらの用途では、特に高い効率での運転が要求されるため、より高い電圧での運転が望まれると同時に低コスト化が望まれている。また、燃料電池システム全体の効率の点から低加湿又は無加湿での運転が要求されることも多い。
しかし、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換膜を用いた燃料電池においても、高加湿下での運転では安定性が非常に高いものの、低加湿又は無加湿での運転条件においては、電圧劣化が大きいことが報告されている(非特許文献1参照)。すなわち、低加湿又は無加湿での運転条件においては、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換膜においても過酸化水素又は過酸化物ラジカルにより電解質膜の劣化が進行するものと考えられる。
特開2001−118591号公報(請求項1、2頁2〜9行) 特開平6−103992号公報(問題を解決するための手段、2頁33〜37行) 新エネルギー・産業技術総合開発機構主催 平成12年度固体高分子形燃料電池研究開発成果報告会要旨集、56頁16〜24行
そこで本発明は、車載用、住宅用市場等への固体高分子形燃料電池の実用化において、十分に高いエネルギー効率での発電が可能であり、供給ガスの加湿温度(露点)がセル温度よりも低い低加湿又は無加湿での運転、セル温度に近い温度で加湿する高加湿での運転のどちらにおいても、高い発電性能を有し、かつ長期間にわたって安定した発電が可能な固体高分子形燃料電池用膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、スルホン酸基を有する高分子化合物からなるイオン交換膜を用いた燃料電池において、低加湿又は無加湿での運転条件における膜の劣化を防止することを目的に鋭意検討し、膜中に特定のイオンと、難溶性セリウム化合物を含有させることにより電解質膜の劣化を格段に抑制でき、その効果を長期に持続できることを見出し、本発明に至った。
本発明は、スルホン酸基を有する高分子化合物からなる陽イオン交換膜からなり、陽イオン交換膜中の−SO 基の0.3モル%以上のセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上と、難溶性セリウム化合物とを含むことを特徴とする固体高分子形燃料電池用電解質膜を提供する。なお、セリウムイオンは+3価又は+4価の状態を取り得、マンガンイオンは+2価又は+3価の状態を取り得るが、本発明では特に限定されない。
本発明の電解質膜は、電解質膜中にセリウムイオン又はマンガンイオンを含むことにより、特に電解質膜のスルホン酸基の一部がセリウムイオン又はマンガンイオンでイオン交換されることにより、セリウムイオン又はマンガンイオンと−SO との相互作用が、過酸化水素又は過酸化物ラジカル耐性を効果的に向上させていると推定される。
電解質膜中のセリウムイオン又はマンガンイオンは、対アニオンが電解質膜のスルホン酸基であるため、電気的中性の条件を満たすためには、原理的には系外に溶出できないはずである。しかし、実際の燃料電池の運転時には、不純物アニオンとして、例えば塩化物イオン等が混入する場合が考えられる。その際は、電解質膜中のセリウムイオン又はマンガンイオンは、塩化物イオンと化合して水溶性の塩化セリウムや塩化マンガンとなって系外に溶出してしまい、その結果、セリウムイオン又はマンガンイオンでイオン交換された電解質膜のスルホン酸基の絶対量が減少し、長期の耐久性が損なわれるおそれがある。
これを防止する方策としては、初期に多量のセリウムイオン又はマンガンイオンでスルホン酸基をイオン交換する手法が考えられる。しかし、多量のセリウムイオン又はマンガンイオンでスルホン酸基をイオン交換してしまうと、水素イオンの十分な伝導性を確保することができず、膜抵抗が増大して発電特性が低下するおそれがある。
本発明は、この膜抵抗の増大を抑えながら電解質膜に長期の耐久性を付与する方法を鋭意検討した結果、発電特性を低下させない範囲で電解質膜のスルホン酸基の一部がセリウムイオン又はマンガンイオンでイオン交換された電解質膜中に、難溶性セリウム化合物を含有することで、格段に長期の耐久性を付与できることを見出したものである。
すなわち、本発明においては、前述のようにセリウムイオン又はマンガンイオンが水溶性の塩化セリウムや塩化マンガンとなって系外に溶出してしまっても、膜中に含有した難溶性セリウム化合物の解離平衡により、除除にセリウムイオンが膜中に溶解し、膜中にセリウムイオンを供給することにより、電解質膜に格段に長期の耐久性を付与することが可能となる。
さらに本発明は、上述の電解質膜を得る方法であって、スルホン酸基を有する高分子化合物の分散液中に、難溶性セリウム化合物の微粒子を添加し混合することにより前記分散液中に難溶性セリウム化合物を分散させ、得られた液を用いてキャスト製膜した後、得られた膜をセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上を含む溶液中に浸漬することを特徴とする固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法を提供する。
さらに本発明は、上述の電解質膜を得る方法であって、スルホン酸基を有する高分子化合物と、セリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上とを含む液状組成物に、難溶性セリウム化合物の微粒子を添加し混合することにより前記液状組成物に難溶性セリウム化合物を分散させ、得られた液を用いてキャスト製膜することを特徴とする固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法を提供する。
さらに本発明は、上述の電解質膜を得る方法であって、スルホン酸基を有する高分子化合物からなる陽イオン交換膜を、セリウムイオンを含む溶液中に浸漬してスルホン酸基の一部をセリウムイオンによりイオン交換した後、セリウムイオンと反応することにより難溶性セリウム化合物を形成する物質を含む溶液に浸漬して、膜中に難溶性セリウム化合物を形成し、次いで前記陽イオン交換膜をセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上を含む溶液中に浸漬することを特徴とする固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法を提供する。
さらに本発明は、上述の電解質膜を得る方法であって、スルホン酸基を有する高分子化合物の分散液中に、当該分散液に溶解可能なセリウム化合物を添加してスルホン酸基の一部をセリウムイオンによりイオン交換した後、セリウムイオンと反応することにより難溶性セリウム化合物を形成する物質を含む溶液又は固体を前記分散液に添加して、該分散液中に難溶性セリウム化合物を形成し、得られた液を用いてキャスト製膜した後、得られた膜をセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上を含む溶液中に浸漬することを特徴とする固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法を提供する。
本発明の電解質膜は過酸化水素又は過酸化物ラジカルに対して優れた耐性を有するため、本発明の電解質膜を有する膜電極接合体を備える固体高分子型燃料電池は、耐久性に優れ、長期にわたって安定な発電が可能である。
スルホン酸基を有する高分子化合物に、セリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上を含有させる方法は特に限定されないが、セリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上を含む水溶性の塩や、セリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上を含む溶液が使用され、例えば以下の方法が挙げられる。(i)スルホン酸基を有する高分子化合物の分散液中にセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上を含む水溶性の塩を添加してセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上を分散液中に含有させた後、又はスルホン酸基を有する高分子化合物の分散液とセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上を含む溶液とを混合した後、得られた液を用いてキャスト法等により製膜する方法。(ii)スルホン酸基を有する高分子化合物からなる膜をセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上を含む溶液中に浸漬する方法。
ここでセリウムイオンは+3価でも+4価でもよく、セリウムイオンを含む溶液を得るために各種の水溶性のセリウム塩が使用される。3価のセリウムイオンを含む塩を具体的に挙げると、例えば、酢酸セリウム(Ce(CHCOO)・HO)、塩化セリウム(CeCl・6HO)、硝酸セリウム(Ce(NO・6HO)、硫酸セリウム(Ce(SO・8HO)等が挙げられる。4価のセリウムイオンを含む塩としては、例えば、硫酸セリウム(Ce(SO・4HO)、硝酸二アンモニウムセリウム(Ce(NH(NO)、硫酸四アンモニウムセリウム(Ce(NH(SO)・4HO)等が挙げられる。またセリウムの有機金属錯塩としてはセリウムアセチルアセトナート(Ce(CHCOCHCOCH・3HO)等が挙げられる。なかでも特に硝酸セリウム、硫酸セリウムは取扱いが容易であり好ましい。また、これらの水溶液でスルホン酸基を有する高分子化合物をイオン交換した際に生成する硝酸又は硫酸は、容易に水溶液中に溶解し、除去できるので好ましい。
また、マンガンイオンは+2価でも+3価でもよく、マンガンイオンを含む溶液を得るために各種の水溶性のマンガン塩が使用される。2価のマンガンイオンを含む塩を具体的に挙げると、例えば、酢酸マンガン(Mn(CHCOO)・4HO)、塩化マンガン(MnCl・4HO)、硝酸マンガン(Mn(NO・6HO)、硫酸マンガン(MnSO・5HO)等が挙げられる。3価のマンガンイオンを含む塩としては、例えば、酢酸マンガン(Mn(CHCOO)・2HO)等が挙げられる。またマンガンの有機金属錯塩としてはマンガンアセチルアセトナート(Mn(CHCOCHCOCH)等が挙げられる。なかでも特に硝酸マンガン、硫酸マンガンは取扱いが容易であり好ましい。また、これらの水溶液でスルホン酸基を有する高分子化合物をイオン交換した際に生成する硝酸又は硫酸は、容易に水溶液中に溶解し、除去できるので好ましい。
例えばセリウムイオンが3価である場合、スルホン酸基がセリウムイオンによりイオン交換されると、3個のプロトンとセリウムイオンが置き換わり、Ce3+が3個の−SO と結合することになるが、完全にイオン交換されていなくてもよい。また、例えばマンガンイオンが+2価である場合、スルホン酸基がマンガンイオンによりイオン交換されると、2個のプロトンとマンガンイオンが置き換わり、Mn2+が2個の−SO と結合することになるが、完全にイオン交換されていなくてもよい。
本発明において、電解質膜中に含まれるセリウムイオン又はマンガンイオンは、膜中の−SO 基の0.3モル%以上である(以下、この割合を「セリウムイオン又はマンガンイオンの含有率」という。)。3価又は4価のセリウムイオンの含有率は、下限としては0.7モル%以上が好ましく、1モル%以上がより好ましく、上限としては30モル%以下が好ましく、16モル%以下がより好ましく、13モル%以下がさらに好ましい。2価又は3価のマンガンイオンの含有率は、下限としては0.5モル%以上が好ましく、1モル%以上がより好ましく、1.5モル%以上がさらに好ましく、上限としては45モル%以下が好ましく、25モル%以下がより好ましく、20モル%以下がさらに好ましい。
セリウムイオン又はマンガンイオンの含有率が上述の範囲よりも小さいと過酸化水素又は過酸化物ラジカルに対する十分な安定性が確保できないおそれがある。またセリウムイオン又はマンガンイオンの含有率が上述の範囲よりも大きいと、水素イオンの十分な伝導性を確保することができず、膜抵抗が増大して発電特性が低下するおそれがある。
本発明における難溶性セリウム化合物とは、25℃の水に対する溶解度が、水100gに対して0.1g以下であるセリウム化合物を意味する。具体的には、リン酸第一セリウム、リン酸第二セリウム、酸化セリウム、水酸化第一セリウム、水酸化第二セリウム、炭酸セリウム、フッ化セリウム、シュウ酸セリウム、タングステン酸セリウム、ヘテロポリ酸のセリウム塩等が挙げられる。これらは無水物でもよく、結晶水又は水和水を有していてもよい。難溶性セリウム化合物のセリウムの価数は+3価でも+4価でもよい。例えば酸化セリウムの場合は、CeでもCeOでもよい。
ここで難溶性セリウム化合物の解離平衡により生じるセリウムイオン、又は膜中で難溶性セリウム化合物が除除に溶解して生成するセリウムイオンは、+3価でも+4価であってもよい。また、難溶性セリウム化合物は、充填剤としても機能し、膜の機械的強度の向上や機械的安定性を付与することにも寄与していると考えられる。
一方、水溶性のセリウム化合物を陽イオン交換膜中に含有させた場合、発電により生成する水や、ガスの加湿により膜に供給される水によりセリウム化合物が容易にイオンに解離し、多量のセリウムイオンが生成する。その結果、すでにイオン交換されていた交換基以外に、多量のスルホン酸基がセリウムイオンによりイオン交換されることになり、水素イオンの十分な伝導性を確保することができず、膜抵抗が増大して発電特性が低下するおそれがある。
本発明においては、難溶性セリウム化合物を膜中に多量に存在させても極端にはプロトン伝導性を阻害しない。この理由としては、解離平衡や溶解等によりセリウムイオンが生成したとしても、これらのセリウムイオンの量はその合計の量が、陽イオン交換膜のスルホン酸基のモル数に対して0.1モル%以下になると考えられる。したがって、難溶性セリウム化合物の膜中への添加量を幅広く変えても、極端な膜抵抗増加を抑制できることから、過酸化水素又は過酸化物ラジカルに対して優れた耐性を有する膜や膜電極接合体の製造が非常に容易となる。
一方、難溶性セリウム化合物は一般に電気伝導度が低いため、膜中に添加した量に依存して電流遮蔽が発生する。したがって、本発明において、電解質膜中に含まれる難溶性セリウム化合物の好ましい割合としては、陽イオン交換膜全質量の0.3〜30%(質量比)であることが好ましく、より好ましくは0.4〜20%、さらに好ましくは0.5〜10%である。膜中の難溶性セリウム化合物の含有量がこの範囲よりも少ないと、長期に渡って過酸化水素又は過酸化物ラジカルに対する十分な安定性が確保できないおそれがある。また含有量がこの範囲よりも多いと、上述のように電流遮蔽が発生するため、膜抵抗が増大して発電特性が低下するおそれがある。
難溶性セリウム化合物としてリン酸第一セリウムが電解質膜中に含まれると、電解質膜の劣化を充分に抑制できるだけでなく、リン酸第一セリウムが吸水性を有することから低加湿の発電においても膜の乾燥が抑制され、高い電圧で発電できるので好ましい。また、結晶水や水和水を有する難溶性セリウム化合物も、保水性を有する効果が高いことから好ましい。
スルホン酸基を有する高分子化合物中にセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上と、難溶性セリウム化合物とを含有させた本発明の電解質膜を得る方法は特に限定されないが、例えば以下の方法が挙げられる。
(1)スルホン酸基を有する高分子化合物とセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上とを含む液状組成物に難溶性セリウム化合物を分散させた後、得られた液を用いてキャスト法等により製膜する方法。
このとき難溶性セリウム化合物は該化合物を高度に分散できる溶媒(分散媒)とあらかじめ混合しておいてからスルホン酸基を有する高分子化合物の分散液と混合してもよい。
(2)スルホン酸基を有する高分子化合物の分散液又は溶液に難溶性セリウム化合物を分散させた後、得られた液を用いてキャスト法等により製膜し、得られた膜をセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上が含まれる溶液中に浸漬しスルホン酸基の一部をイオン置換する方法。
(3)スルホン酸基を有する高分子化合物からなる膜をセリウムイオンが含まれる溶液中に浸漬してセリウムイオンを膜中に含有させた後、リン酸、シュウ酸、NaFや水酸化ナトリウム等の、セリウムイオンと反応して難溶性セリウム化合物を形成する物質を含む溶液に浸漬して、難溶性セリウム化合物を膜中に析出させた後、該膜をセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上が含まれる溶液中に浸漬しスルホン酸基の一部をイオン置換する方法。
(4)スルホン酸基を有する高分子化合物の分散液中に当該分散液に溶解可能なセリウム化合物を添加してスルホン酸基をセリウムイオンによりイオン交換した後、該分散液にリン酸、シュウ酸、NaFや水酸化ナトリウム等の、セリウムイオンと反応して難溶性セリウム化合物を形成する物質又はそれを含む溶液を添加して、該分散液中に難溶性セリウム化合物を生成させ、得られた液を用いてキャスト法等により製膜し、得られた膜をセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上が含まれる溶液中に浸漬しスルホン酸基の一部をイオン置換する方法。
(3)や(4)の方法では、スルホン酸基を有する高分子化合物に、一旦セリウムイオンを含有させたあと、セリウムイオンと反応して難溶性セリウム化合物を形成する物質により難溶性セリウム化合物を生成させている。ここでいうセリウムイオンも、上述した電解質膜に最終的に含まれるセリウムイオンと同様に、セリウムイオンを含む水溶性の塩を使用することにより含有させることができる。セリウムイオンを含む水溶性の塩としては、例えば酢酸セリウム(Ce(CHCOO)・HO)、塩化セリウム(CeCl・6HO)、硝酸セリウム(Ce(NO・6HO)硫酸セリウム(Ce(SO・8HO)等が挙げられる。
上記(1)〜(4)の方法において、難溶性セリウムを均一に含有させることができ、かつ簡便な方法であることから、(1)の方法が好ましい。
本発明の電解質膜は、セリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上と、難溶性セリウム化合物とを不均一に含有するように調整することもできる。例えば、2層以上の層からなる陽イオン交換膜(積層膜)であってその全ての層ではなく少なくとも1層がセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上と、難溶性セリウム化合物とを含有している、すなわち厚さ方向に不均一に、セリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上と、難溶性セリウム化合物とを含んでいてもよい。したがって、特にアノード側について過酸化水素又は過酸化物ラジカルに対する耐久性を高める必要がある場合は、アノードに一番近い層のみセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上と、難溶性セリウム化合物とを含有するイオン交換膜からなる層とすることもできる。セリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上と、難溶性セリウム化合物とが、積層膜のなかの別々の層に含まれていてもよい。
ここで、本発明の電解質膜がセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上と難溶性セリウム化合物とを含む層と、含まない層とからなる積層膜からなる場合は、その作製方法としては、例えば上述の(1)〜(4)のいずれかの方法によりセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上と、難溶性セリウム化合物とを含む陽イオン交換膜を作製しておく。そして、これをセリウムイオン、マンガンイオン又は難溶性セリウム化合物を含まない陽イオン交換膜と積層する工程を経て作製することが好ましいが、特に限定されない。
本発明におけるスルホン酸基を有する高分子化合物としては特に限定されないが、イオン交換容量は0.5〜3.0ミリ当量/g乾燥樹脂であることが好ましく、特に0.7〜2.5ミリ当量/g乾燥樹脂であることが好ましい。また、耐久性の観点から当該高分子化合物は含フッ素重合体であることが好ましく、特にスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体(エーテル結合性の酸素原子を含んでいてもよい)が好ましい。上記パーフルオロカーボン重合体としては特に限定されないが、CF=CF−(OCFCFX)−O−(CF−SOHで表されるパーフルオロ化合物(mは0〜3の整数を示し、nは0〜12の整数を示し、pは0又は1を示し、n=0の場合はp=0かつm=1〜3であり、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を示す。)に基づく繰り返し単位と、テトラフルオロエチレンに基づく繰り返し単位とを含む共重合体であることが好ましい。
上記パーフルオロ化合物の好ましい例をより具体的に示すと、下記式(i)〜(iii)で表される化合物が挙げられる。ただし、下記式中、qは1〜8の整数、rは1〜8の整数、tは1〜3の整数を示す。
Figure 2006260811
スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体を用いる場合、重合後にフッ素化することにより重合体の末端がフッ素化処理されたものを用いてもよい。重合体の末端がフッ素化されていると、より過酸化水素や過酸化物ラジカルに対する安定性が優れるため耐久性が向上する。
また、スルホン酸基を有する高分子化合物として、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体以外のものも使用でき、例えば高分子の主鎖に、又は主鎖と側鎖に芳香環を有しており、該芳香環にスルホン酸基が導入された構造を有する高分子化合物であって、イオン交換容量が0.8〜3.0ミリ当量/g乾燥樹脂である高分子化合物が好ましく使用できる。具体的には、例えば下記の高分子化合物が使用できる。
スルホン化ポリアリーレン、スルホン化ポリベンゾオキサゾール、スルホン化ポリベンゾチアゾール、スルホン化ポリベンゾイミダゾール、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリフェニレンスルホン、スルホン化ポリフェニレンオキシド、スルホン化ポリフェニレンスルホキシド、スルホン化ポリフェニレンサルファイド、スルホン化ポリフェニレンスルフィドスルホン、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルケトンケトン、スルホン化ポリイミド等。
本発明の電解質膜を有する固体高分子形燃料電池は、例えば以下のような構成である。すなわち、本発明の電解質膜の両面に、触媒とイオン交換樹脂とを含む触媒層を有するアノード及びカソードが配置された膜電極接合体を備える。膜電極接合体のアノード及びカソードは、好ましくは触媒層の外側(膜と反対側)にカーボンクロスやカーボンペーパー等からなるガス拡散層が配置される。膜電極接合体の両面には、燃料ガス又は酸化剤ガスの通路となる溝が形成されセパレータが配置され、セパレータを介して膜電極接合体が複数積層されたスタックを構成し、アノード側には水素ガスが供給され、カソード側には酸素又は空気が供給される構成である。アノードにおいてはH→2H+2eの反応が起こり、カソードにおいては1/2O+2H+2e→HOの反応が起こり、化学エネルギーが電気エネルギーに変換される。
また、本発明の電解質膜は、アノード側に燃料ガスではなくメタノールを供給する直接メタノール燃料電池にも使用できる。
上述の触媒層は通常の手法に従い、例えば以下のようにして得られる。まず、白金触媒又は白金合金触媒微粒子を担持させた導電性のカーボンブラック粉末とスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体の溶液を混合し均一な分散液を得て、例えば以下のいずれかの方法でガス拡散電極を形成して膜電極接合体を得る。
第1の方法は、電解質膜の両面に上記分散液を塗布し乾燥後、両面を2枚のカーボンクロス又はカーボンペーパーで密着する方法である。第2の方法は、上記分散液を2枚のカーボンクロス又はカーボンペーパー上に塗布乾燥後、分散液が塗布された面が上記電解質膜と密着するように、上記電解質膜の両面から挟みこむ方法である。なお、ここでカーボンクロス又はカーボンペーパーは触媒を含む層により均一にガスを拡散させるためのガス拡散層としての機能と集電体としての機能を有するものである。また、別途用意した基材に上記分散液を塗工して触媒層を作製し、転写等の方法により電解質膜と接合させた後に基材をはく離し、上記ガス拡散層で挟み込む方法も使用できる。
触媒層中に含まれるイオン交換樹脂は特に限定されないが、電解質膜を構成する樹脂と同様に、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体であることが好ましい。触媒層中のイオン交換樹脂は、本発明の電解質膜と同様にセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上のイオンと、難溶性セリウム化合物とを含んでいてもよい。セリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上のイオンと難溶性セリウム化合物を含むイオン交換樹脂は、アノードにもカソードにも用いることができ、樹脂の分解は効果的に抑制されるので、固体高分子形燃料電池はさらに耐久性が付与される。
触媒層中のイオン交換樹脂と電解質膜の両方にセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上のイオンと難溶性セリウム化合物とを含有させたい場合は、例えば触媒層と電解質膜との接合体をあらかじめ作製し、上述の(3)の方法で触媒層中のイオン交換樹脂及び電解質膜中にセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上のイオンと難溶性セリウム化合物とを含有させることも可能である。
本発明の電解質膜は、一部が、セリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上のイオンと難溶性セリウム化合物とを含む、スルホン酸基を有する高分子化合物のみからなる膜であってもよいが、他の成分を含んでいてもよく、ポリテトラフルオロエチレンやパーフルオロアルキルエーテル等の他の樹脂等の繊維、織布、不織布、多孔体等により補強されている膜であってもよい。
以下、本発明を具体的に実施例(例1〜3)及び比較例(例4、5)を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[例1]
CF=CF/CF=CFOCFCF(CF)O(CFSOH共重合体(イオン交換容量1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)300gとエタノール420gと水280gとを2Lオートクレーブに仕込み、密閉し、ダブルヘリカル翼にて105℃で6時間混合撹拌して均一な液(以下、溶液Aという)を得た。溶液Aの固形分濃度は30%であった。
300mlガラス製丸底フラスコに、上記溶液Aを100gと、硝酸セリウム(Ce(NO・6HO)1.43gとを仕込み、ポリテトラフルオロエチレン製半月板翼にて、室温で8時間撹拌し、均一な液(以下、溶液Bという)を得た。
ここで、高分子電解質膜に含まれることとなるセリウムイオンの含有率を測定した。上記溶液Bを100μmのエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体からなるシート(商品名:アフレックス100N、旭硝子社製、以下、単にETFEシートともいう。)上に、ダイコータにて塗工しキャスト製膜し、80℃で10分予備乾燥した後、120℃で10分乾燥し、膜厚50μmの高分子電解質膜を得た。この高分子電解質膜から、5cm×5cmの大きさの膜を切り出し、乾燥窒素中で16時間放置した後、質量を精秤し、0.1規定の塩酸水溶液中に含浸して、セリウムイオンを完全に抽出した液を得た。この液をICP分光分析にて測定することで算出した結果、高分子電解質膜中のセリウムイオンの含有率は膜中の−SO 基の10.2モル%であった。
次に、300mlガラス製丸底フラスコに、溶液B100gと、酸化セリウム微粉末(CeO、純正化学社製、平均粒径0.4μm)0.5gとを仕込んで混合した。この混合物を超音波発生ホモジナイザー(US−600T:日本精機社製)を使用してさらに混合、粉砕させ、酸化セリウム粒子が分散された半透明の分散液を得た。この溶液を同様に塗工して、キャスト製膜し、膜厚50μmで酸化セリウムの含有率が膜全質量の1.6%の高分子電解質膜を得た。
次に、白金がカーボン担体(比表面積800m/g)に触媒全質量の50%含まれるように担持された触媒粉末(エヌ・イーケムキャット社製)1.0gに、蒸留水5.1gを混合した。この混合液にCF=CF/CF=CFOCFCF(CF)O(CFSOH共重合体(イオン交換容量1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)をエタノールに分散させた固形分濃度9質量%の液5.6gを混合した。この混合物をホモジナイザー(商品名:ポリトロン、キネマチカ社製)を使用して混合、粉砕させ、触媒層形成用塗工液を作製した。
この塗工液を、ポリプロピレン製の基材フィルムの上にバーコータで塗工した後、80℃の乾燥器内で30分間乾燥させて触媒層を作製した。なお、触媒層形成前の基材フィルムのみの質量と触媒層形成後の基材フィルムの質量を測定することにより、触媒層に含まれる単位面積あたりの白金の量を算出したところ、0.5mg/cmであった。
次に、上述のセリウムイオン及び酸化セリウムを含む高分子電解質膜を用い、この膜の両面に上述の基材フィルム上に形成された触媒層をそれぞれ配置し、ホットプレス法により触媒層を膜に転写してアノード触媒層及びカソード触媒層を高分子電解質膜の両面にそれぞれ接合した、膜触媒層接合体を得た。なお、電極面積は16cmであった。
この膜触媒層接合体を厚さ350μmのカーボンクロスからなるガス拡散層2枚の間に挟んで膜電極接合体を作製し、セパレータで挟み、単セルを完成させ、加速試験として開回路試験(OCV試験)を行った。試験は、常圧で、電流密度0.2A/cmに相当する水素(利用率70%)及び空気(利用率40%)をそれぞれアノード及びカソードに供給し、セル温度は120℃、アノードガスの露点は73℃(相対湿度18%)、カソードガスの露点も73℃として、発電は行わずに開回路状態で100時間運転し、その間の電圧変化を測定した。また、試験前後にアノードに水素、カソードに窒素を供給し、膜を通してアノードからカソードにリークする水素ガス量を分析し、膜の劣化の程度を調べた。結果を表1に示す。
次に、また上記同様に膜電極接合体を作製し、セパレータで挟み、単セルを完成させ、高温・低加湿での運転条件における耐久性試験を行った。試験条件は、アノード及びカソードとも0.2MPaに加圧し、水素(利用率50%)及び空気(利用率50%)を供給し、セル温度120℃において電流密度0.2A/cmにおける固体高分子形燃料電池の初期特性評価及び耐久性評価を実施した。アノード側は露点105℃(相対湿度60%)、カソード側も露点105℃となるようにそれぞれ水素及び空気を加湿してセル内に供給し、運転初期のセル電圧及び運転開始後の経過時間とセル電圧との関係を測定した。結果を表2に示す。
また、高加湿での耐久試験も行った。試験条件は、常圧にて、水素(利用率70%)及び空気(利用率40%)を供給し、セル温度80℃において電流密度0.2A/cmにおける固体高分子型燃料電池の初期特性評価及び耐久性評価を実施した。アノード側は露点80℃(相対湿度100%)、カソード側も露点80℃としてそれぞれ水素及び空気を加湿してセル内に供給し、運転初期のセル電圧及び運転開始後の経過時間とセル電圧との関係を測定した。結果を表3に示す。
[例2]
硝酸セリウム(Ce(NO・6HO)10.0gを500mLの蒸留水に溶解し、この中に1モル/Lのリン酸溶液を滴下し、白色の沈殿を得た。これを水洗し、pHが7になるまで水洗・濾過を繰り返し、80℃で乾燥した。この結晶を、X線回折により同定した結果、リン酸第一セリウムであることが確認された。
次に、溶液Aの100gに対して、前記リン酸第一セリウム2.00gを仕込み、ポリテトラフルオロエチレン半月板翼にて、室温で8時間撹拌してリン酸第一セリウムが分散した液状組成物を得た。次にこの液状組成物を100μmのETFEシート上に、ダイコータにて塗工して、キャスト製膜し、80℃で10分予備乾燥した後、120℃で10分乾燥し、さらに150℃で30分のアニールを施し、膜厚50μmでリン酸第一セリウムの含有率が膜全質量の6.2%の高分子電解質膜を得た。
この高分子電解質膜から、5cm×5cmの大きさの膜を切り出し、乾燥窒素中で16時間放置した後、乾燥窒素中で質量を測定したところ、0.260gであった。この膜のスルホン酸基の量は以下の式により求められる。0.260×(1−0.062)×1.1(ミリ当量/g乾燥樹脂)=0.268(ミリ当量)。
次に、この高分子電解質膜のスルホン酸基量の10モル%の量に相当するセリウムイオン(+3価)を含むように、硝酸セリウム(Ce(NO・6HO)11.7mgを500mLの蒸留水に溶解した。この水溶液に、上記高分子電解質膜を浸漬し、室温で40時間、スターラーを用いて撹拌し、高分子電解質膜のスルホン酸基の一部をセリウムイオンによりイオン交換した。なお、浸漬前後の硝酸セリウム溶液をイオンクロマトグラフィーにより分析した結果、この高分子電解質膜のセリウムイオンの含有率は膜中の−SO 基の9.3モル%であることが判明した。
この膜を用いて例1と同様にして膜触媒層接合体を得た。この膜電極接合体について例1と同様の評価を行うと、表1〜3に示す結果のとおりとなった。
[例3]
粒状のポリエーテルエーテルケトン(英国Victrex社製、PEEK−450P)60gを98%の硫酸1200gに室温で少量ずつ添加し、室温で60時間撹拌することで、ポリエーテルエーテルケトンにスルホン酸基が導入された高分子化合物の溶液を得た。次にこの溶液を、5Lの蒸留水に冷却しながら徐徐に滴下することで、スルホン酸基を有するポリエーテルエーテルケトンを析出させ、濾過して分離した。次いでこれを蒸留水で洗浄液が中性になるまで洗浄し、その後80℃真空下で24時間乾燥して、48gのスルホン酸基を有するポリエーテルエーテルケトンを得た。
次にこの化合物約1gを精密に秤量した後、1規定の塩化ナトリウム水溶液500mL中に浸漬し、60℃で24時間反応させてスルホン酸基をナトリウムイオンによりイオン交換した。この試料を室温まで冷却した後、蒸留水で十分洗浄し、イオン交換した1規定の塩化ナトリウム水溶液中と洗浄した蒸留水を0.01規定の水酸化ナトリウムで滴定して、イオン交換容量を求めた。イオン交換容量は1.6ミリ当量/g乾燥樹脂であった。
次にこのスルホン酸基を有するポリエーテルエーテルケトン40gをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)360gに溶解して10%の溶液とする(以下、溶液Cという)。この溶液C100gに例2で得られたリン酸第一セリウム3.1gを添加して混合し、これを室温でポリテトラフルオロエチレンからなる基材にキャスト製膜した後、窒素雰囲気で100℃で10時間乾燥してNMPを蒸発させ、厚さ50μmで膜中のリン酸セリウムの含有率が膜全質量の3.0%の高分子電解質膜を得た。この高分子電解質膜から大きさ5cm×5cmの膜を切り出し、乾燥窒素中で16時間放置した後、質量を精秤したところ、0.171gであった。この膜のスルホン酸基の量は以下の式により求められる。0.171÷1.03×1.6(1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)=0.266(ミリ当量)。
次に、この膜のスルホン酸基量の約10モル%に相当するセリウムイオン(+3価)を含む硝酸セリウム(Ce(NO・6HO)12.0mgを500mLの蒸留水に溶解する。この水溶液に、上記高分子電解質膜を浸漬し、室温で40時間、スターラーを用いて撹拌し、セリウムイオンの含有率が膜中の−SO 基の10モル%である高分子電解質膜を得る。
この膜を用いて例1と同様にして膜触媒層接合体を得てさらに膜電極接合体を得る。この膜電極接合体について例1と同様の評価を行うと、表1〜3に示す結果のとおりとなる。
[例4]
高分子電解質膜として、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる厚さ50μmのイオン交換膜(商品名:フレミオン、旭硝子社製、イオン交換容量1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)であって、大きさ5cm×5cm(面積25cm)を使用した。この膜全体の重さを乾燥窒素中で16時間放置した後、乾燥窒素中で測定したところ、0.251gであった。この膜のスルホン酸基の量は以下の式により求められる。
0.251×1.1(1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)=0.276(ミリ当量)。
次に、硝酸セリウム(Ce(NO・6HO)24.0mgを500mLの蒸留水に溶解し、この中に上記イオン交換膜を浸漬し、室温で40時間、スターラーを用いて撹拌を行ってイオン交換膜中のスルホン酸基の一部をセリウムイオンによりイオン交換した。次に、この膜を1モル/Lのリン酸水溶液に室温で60時間浸漬した。この膜を空気中120℃10時間乾燥し、その後冷却してX線回折により確認したところ、膜中にリン酸第一セリウムが析出していることが確認された。このリン酸第一セリウムの、膜の全質量に対する含有割合は5.2%であった。
次に、この膜のスルホン酸基量の15モル%に相当するマンガンイオン(+2価)を含むように、硝酸マンガン(Mn(NO・6HO)12.0mgを500mLの蒸留水に溶解し、この中に上記イオン交換膜を浸漬し、室温で40時間、スターラーを用いて撹拌し、イオン交換膜のスルホン酸基の一部をマンガンイオンによりイオン交換した。なお、浸漬前後の硝酸マンガン溶液をイオンクロマトグラフィーにより分析した結果、このイオン交換膜のマンガンイオンの含有率は膜中の−SO 基の14モル%であることが判明した。
この膜を用いて例1と同様にして膜触媒層接合体を得てさらに膜電極接合体を得る。この膜電極接合体について例1と同様の評価を行うと、表1〜3に示す結果のとおりとなる。
[例5]
高分子電解質膜として、例4で用いたものと同じ市販のイオン交換膜を何も処理せずに用い、次に、この膜を用いて例1と同様にして膜触媒層接合体を得てさらに膜電極接合体を得た。この膜電極接合体について例1と同様の評価を行ったところ、表1〜3に示す結果のとおりとなった。
[例6]
例3で得られた溶液Cを室温でポリテトラフルオロエチレンからなる基材にキャスト製膜した後、窒素雰囲気で100℃で10時間乾燥してNMPを蒸発させ、厚さ50μmの高分子電解質膜を得た。次いでこの膜から、大きさ5cm×5cmの膜を切り出し、例1と同様にして膜触媒層接合体を得てさらに膜電極接合体を得る。この膜電極接合体について例1と同様の評価を行うと、表1〜3に示す結果のとおりとなる。
Figure 2006260811
Figure 2006260811
Figure 2006260811
上記実施例及び比較例の結果より、加速試験である高温・低加湿の開回路試験(OCV試験)においては、従来の電解質膜は劣化して水素リークが増大していたが、本発明の電解質膜は格段に優れた耐久性を示すことが認められる。また120℃加圧(0.2MPa)の低加湿運転(相対湿度60%)においては、従来の電解質膜は100時間又は20時間で膜に孔が空き、発電不能に陥るが、本発明の電解質膜は格段に優れた耐久性を示し2000時間以上の発電が可能であった。また、80℃常圧の高加湿発電においても優れた耐久性を示すことが認められる。
本発明の電解質膜は、燃料電池の発電により生成される過酸化水素又は過酸化物ラジカルに対する耐久性が極めて優れている。したがって、本発明の電解質膜を有する膜電極接合体を備える固体高分子形燃料電池は、高温低加湿発電、高加湿発電のいずれにおいても長期の耐久性を有する。

Claims (14)

  1. スルホン酸基を有する高分子化合物からなる陽イオン交換膜からなり、陽イオン交換膜中の−SO 基の0.3モル%以上のセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上と、難溶性セリウム化合物とを含むことを特徴とする固体高分子形燃料電池用電解質膜。
  2. 前記難溶性セリウム化合物は、リン酸セリウム、酸化セリウム、水酸化セリウム、炭酸セリウム、シュウ酸セリウム、フッ化セリウム、タングステン酸セリウム及びヘテロポリ酸のセリウム塩からなる群から選ばれる請求項1記載の固体高分子形燃料電池用電解質膜。
  3. スルホン酸基を有する高分子化合物からなる層が2層以上積層された陽イオン交換膜からなり、前記2層以上の少なくとも1層が、セリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上と、難溶性セリウム化合物とを含む請求項1又は2に記載の固体高分子形燃料電池用電解質膜。
  4. セリウムイオンを前記陽イオン交換膜中の−SO 基の0.3〜30モル%含む請求項1〜3のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用電解質膜。
  5. マンガンイオンを前記陽イオン交換膜中の−SO 基の0.5〜45モル%含む請求項1〜3のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用電解質膜。
  6. 前記難溶性セリウム化合物は、前記陽イオン交換膜全質量の0.3〜30%含まれる請求項1〜5のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用電解質膜。
  7. 前記スルホン酸基を有する高分子化合物は、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体である請求項1〜6のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用電解質膜。
  8. 前記パーフルオロカーボン重合体は、
    CF=CF−(OCFCFX)−O−(CF−SOHで表されるパーフルオロビニル化合物(mは0〜3の整数を示し、nは0〜12の整数を示し、pは0又は1を示し、n=0の場合はp=0かつm=1〜3であり、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を示す。)に基づく繰り返し単位と、テトラフルオロエチレンに基づく繰り返し単位とを含む共重合体である請求項7に記載の固体高分子形燃料電池用電解質膜。
  9. 前記スルホン酸基を有する高分子化合物は、高分子の主鎖に、又は主鎖と側鎖に芳香環を有しており、該芳香環にスルホン酸基が導入された構造であって、イオン交換容量が0.8〜3.0ミリ当量/g乾燥樹脂である請求項1〜6のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用電解質膜。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の電解質膜の製造方法であって、
    スルホン酸基を有する高分子化合物と、セリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上とを含む液状組成物に、
    難溶性セリウム化合物の微粒子を添加し混合することにより前記液状組成物に難溶性セリウム化合物を分散させ、
    得られた液を用いてキャスト製膜する
    ことを特徴とする固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の電解質膜の製造方法であって、
    スルホン酸基を有する高分子化合物の分散液中に、難溶性セリウム化合物の微粒子を添加し混合することにより前記分散液中に難溶性セリウム化合物を分散させ、
    得られた液を用いてキャスト製膜した後、
    得られた膜をセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上を含む溶液中に浸漬する
    ことを特徴とする固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法。
  12. 請求項1〜9のいずれかに記載の電解質膜の製造方法であって、
    スルホン酸基を有する高分子化合物からなる陽イオン交換膜を、
    セリウムイオンを含む溶液中に浸漬してスルホン酸基の一部をセリウムイオンによりイオン交換した後、セリウムイオンと反応することにより難溶性セリウム化合物を形成する物質を含む溶液に浸漬して、膜中に難溶性セリウム化合物を形成し、
    次いで前記陽イオン交換膜をセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上を含む溶液中に浸漬する
    ことを特徴とする固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法。
  13. 請求項1〜9のいずれかに記載の電解質膜の製造方法であって、
    スルホン酸基を有する高分子化合物の分散液中に、当該分散液に溶解可能なセリウム化合物を添加してスルホン酸基の一部をセリウムイオンによりイオン交換した後、セリウムイオンと反応することにより難溶性セリウム化合物を形成する物質を含む溶液又は固体を前記分散液に添加して、該分散液中に難溶性セリウム化合物を形成し、
    得られた液を用いてキャスト製膜した後、
    得られた膜をセリウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる1種以上を含む溶液中に浸漬する
    ことを特徴とする固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法。
  14. 触媒を含む触媒層を有するアノード及びカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置される電解質膜とを備える固体高分子形燃料電池用膜電極接合体であって、前記電解質膜が請求項1〜9のいずれかに記載の電解質膜からなることを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
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