[go: up one dir, main page]

JP5544100B2 - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品 Download PDF

Info

Publication number
JP5544100B2
JP5544100B2 JP2009045162A JP2009045162A JP5544100B2 JP 5544100 B2 JP5544100 B2 JP 5544100B2 JP 2009045162 A JP2009045162 A JP 2009045162A JP 2009045162 A JP2009045162 A JP 2009045162A JP 5544100 B2 JP5544100 B2 JP 5544100B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
absorber
upper layer
absorbent body
layer
slit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009045162A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010194218A (ja
Inventor
敬大 溝渕
明史 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daio Paper Corp
Original Assignee
Daio Paper Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daio Paper Corp filed Critical Daio Paper Corp
Priority to JP2009045162A priority Critical patent/JP5544100B2/ja
Publication of JP2010194218A publication Critical patent/JP2010194218A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5544100B2 publication Critical patent/JP5544100B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)

Description

本発明は、吸収性物品に関するものである。
吸収性物品においては、種々の吸収性能が要求され、その代表的なものの一つに逆戻り性能がある。逆戻りとは吸収体により一度吸収された尿が再び物品表面に戻り出てくる現象であり、逆戻りし易いと、不必要に肌が排泄物で汚れるといった問題点がるため、逆戻りし難いものが望まれている。特に、このような要望は成人向けの使い捨ておむつ、吸収パッド等の吸収性物品に多いものである。このような逆戻りに対する解決策も種々提案されており(例えば特許文献2、3参照)、表面シート、中間シート(吸収体と表面シートとの間に介在される)、吸収体等の素材として最適なものを用いることが、一般的に行われていた。
この一方、尿を逆戻りし難くする為に、上記の中間シートとしてセカンドメッシュフィルム(以下、単に「メッシュフィルム」という)を採用する他、吸収体を下層吸収体及び上層吸収体に別けた2層構造とすることも考えられていた。但し、メッシュフィルム及び2層構造の吸収体を採用している従来の大人用紙おむつでは、このメッシュフィルムが尿の吸収阻害を起こす虞もある為、下層吸収体及び上層吸収体にスリットをそれぞれ設けて、このスリットによって吸収性を高めた構造を採用していた。
そして、従来の構造では、このスリットが存在するのに伴い、上層吸収体にパルプ層のみの吸収体を採用して、上層吸収体のスリットで分離された部分をコアラップで包まない形としていた。
特開2005−198598号公報 特表2004−512862号公報 特表2004−500932号公報
しかしながら、下層吸収体及び上層吸収体にそれぞれスリットを設け、上層吸収体をコアラップで包まないという構造とした場合、スリットによる空間がこれら吸収体に存在することや、コアラップで上層吸収体を包まないことが原因で、吸収体の剛性が低下していた。この結果として、高排尿量時には排尿の重みによって吸収体の形状にくずれが生じる虞があることが問題とされていた。
そこで、本発明の主たる課題は、吸収体のくずれを防止し得る吸収性物品を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
股間部の前側及び後側にそれぞれ延出する前側部分及び後側部分を有し、
少なくとも股間部から後側部分にかけて前後方向に延在する下層吸収体が設けられるとともに、この下層吸収体の上に、下層吸収体よりも幅が狭く且つ少なくとも股間部から後側部分にかけて前後方向に延在する上層吸収体が設けられた、吸収性物品において、
前記下層吸収体は、股間部を含む前後方向中間の所定部分が幅の狭い括れ部分として形成されており、
前記上層吸収体における幅方向中央線の左右両側に、上層吸収体の表裏面に貫通する上層スリットが、股間部における排尿口部より後側の位置から後側部分にかけてそれぞれ延在され、かつ排尿口部及びその前側には延在されておらず
この上層スリットは、前記下層吸収体の括れ部分のうち後側に向かうにつれて幅が拡大し始める後側拡幅開始位置よりも後側において、後側に向うにつれてより幅方向外側に位置するように延在する拡散促進部分と、この拡散促進部分の前側に連続する導入部分とを有し、
透液性を有するメッシュフィルムが前記上層吸収体の上側に配置されて、上層スリットにおける前記導入部分内から前記拡散促進部分内にかけての上面をこのメッシュフィルムが覆い、かつこのメッシュフィルムの両側縁は前記上層吸収体の両側縁よりも幅方向中央側に位置され、
前記下層吸収体には、少なくとも上層スリットと重なる位置にスリットを有しない、
ことを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
本発明者の知見によれば、透液性を有するメッシュフィルムを上層吸収体の上側に配置して、上層スリットの上面をこのメッシュフィルムが覆っている他、上層吸収体及び下層吸収体の内の上層吸収体にのみスリットを設けた構造を採用した。このことで、上層スリットにより尿の拡散経路が確保されて、股間部において局所的に吸収体に至った尿が上層スリットに沿って後側に拡散し、この拡散の過程で上層スリットの拡散促進部分に沿って尿が幅方向外側にも拡散する。
さらに、本請求項では、臀部の体圧のかかる部分である、股間部から後側部分にかけてそれぞれ上層スリットが延在されているため、体圧がかかった状態でも効率よく尿が拡散する。また、後側拡幅開始位置よりも後側において、後側に向うにつれてより幅方向外側に位置するように延在するか又は幅方向に沿って幅方向中央側から幅方向外側に向かって上層スリットが延在しているため、臀部の幅広い吸収体に効率よく尿を拡散できる。
そして、より幅の広い下層吸収体に対して幅方向に広範囲に拡散供給されて、上層吸収体及び下層吸収体によって尿が吸収されるため、メッシュフィルムを設けたこととも相まって、尿が逆戻りし難くなる。他方、本請求項では、上層吸収体にのみスリットを設け、下層吸収体にはスリットが設けられていなことから、吸収体全体としての強度が確保され、更に、最も吸収体が崩れやすい股間部以外の股間部から後側部分で積極的に尿を吸収させることで、排尿の重みによる吸収体くずれを防止することができる。
<請求項2記載の発明>
前記下層吸収体と前記上層吸収体とが直接接触するように、前記下層吸収体の上に前記上層吸収体が積層され、これら前記下層吸収体及び前記上層吸収体をコアラップが一体的に包むことを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
(作用効果)
下層吸収体と上層吸収体とが直接接触する形で、コアラップが下層吸収体及び上層吸収体を一体的に包むことで、排尿の重みによる吸収体くずれを防止する上述の効果がより一層の高いものとなる。
<請求項3記載の発明>
前記上層吸収体がパルプ及びポリマーにより形成され、前記上層吸収体におけるパルプ/ポリマーの比を1.5以上とすることを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
(作用効果)
このように、上層吸収体をパルプ及びポリマーにより形成し、この上層吸収体におけるパルプ/ポリマーの比を1.5以上としたことで、パルプに対するポリマーの比率が低下するのに伴って、この上層吸収体で尿を吸収し難くなる。この結果として、最も吸収体が崩れやすい股間部以外の下層吸収体の部分に積極的に尿を吸収させて、吸収体の崩れをより確実に防止できるようになる。
<請求項4記載の発明>
前記上層吸収体がパルプのみにより形成されることを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
(作用効果)
このように、上層吸収体がパルプのみにより形成されて、上層吸収体にポリマーが存在しないのに伴って、この上層吸収体で尿を吸収し難くなる結果、上記請求項と同様に、最も吸収体が崩れやすい股間部以外の下層吸収体の部分に積極的に尿を吸収させて、吸収体の崩れをより確実に防止できるようになる。
以上のとおり本発明の吸収性物品によれば、吸収体のくずれを防止するという優れた効果を奏するようになる。
テープ式使い捨ておむつの展開状態の内面側を示す平面図である。 要部のみを示す平面図である。 図1のY−Y断面図である。 図1のZ−Z断面図である。 図2の要部のみを示す平面図である。 変形例の図3に対応する断面図である。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。なお、本発明の用語のうち「股間部」とは使用時に身体の股間と対応させる部分を意味し、製品によって、図示形態のように物品の前後方向中央若しくはその近傍から前側の所定部位までの範囲であったり、物品の前後方向中央の所定範囲であったりするものである。物品の前後方向中間あるいは吸収体の前後方向中間に幅の狭い括れ部分を有する場合は、いずれか一方又は両方の括れ部分の最小幅部位を前後方向中央とする所定の前後方向範囲を意味する。また、「前側部分(腹側部分)」は股間部よりも前側の部分を意味し、「後側部分(背側部分)」は股間部よりも後側の部分を意味する。
図1〜図4は、本発明に係る吸収パッド例200を示している。この吸収パッド200は、股間部C2と、その前後両側に延在する前側部分F2及び後側部分B2とを有するものである。各部の寸法は適宜定めることができ、例えば、物品全長(前後方向長さ)Mは350〜700mm程度、全幅W1は130〜400mm程度(ただし、おむつの吸収面の幅より狭い)とすることができ、この場合における股間部C2の前後方向長さは10〜150mm程度、前側部分F2の前後方向長さは50〜350mm程度、及び後側部分B2の前後方向長さは50〜350mm程度とすることができる。
吸収パッド200は、外面に外装シート32が積層された不透液性バックシート21の内面と、透液性トップシート22との間に、吸収体23が介在された基本構造を有している。
つまり、吸収体23の裏面側には、吸収体23より遙かに大きく形成された不透液性バックシート21が設けられている。不透液性バックシート21としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。
また、不透液性バックシート21の外面は、不織布からなる外装シート32により覆われており、この外装シート32は、所定の食み出し幅をもってバックシート21の周縁より外側に食み出している。外装シート32としては各種の不織布を用いることができる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
吸収体23の表面側は、透液性トップシート22により覆われている。図示形態ではトップシート22の側縁から吸収体23が一部食み出しているが、吸収体23の側縁が食み出さないようにトップシート22の幅を広げることもできる。トップシート22としては、有孔または無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
トップシート22と吸収体23との間には、メッシュフィルムである中間シート25が介在されている。つまり、この中間シート25は、吸収体23により吸収した尿の逆戻りを防止するために設けられるものであり、保水性が低く且つ透液性の高い素材であるメッシュフィルムにより形成されている。
トップシート22の前端を0%としトップシート22の後端を100%としたとき、中間シート25の前端は0〜11%の範囲に位置しているのが好ましく、中間シート25の後端は92〜100%の範囲に位置しているのが好ましい。また、中間シート25の幅25wは後述する上層吸収体23Uの幅L2の50〜90%程度であるのが好ましい。
吸収パッド200の前後方向両端部では、外装シート32および透液性トップシート22が吸収体23の前後端よりも前後両側にそれぞれ延在されて貼り合わされ、吸収体23の存在しないエンドフラップ部EFが形成されている。吸収パッド200の両側部では、外装シート32が吸収体23の側縁よりも外側にそれぞれ延在され、この延在部からトップシート22の側部までの部分の内面にはバリヤシート24の幅方向外側の部分24xが前後方向全体にわたり貼り付けられ、吸収体23の存在しないサイドフラップ部SFを構成している。これら貼り合わせ部分は、図1では点模様で示されており、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シールにより形成できる。これらエンドフラップ部EF及びサイドフラップ部SFは、本発明の周縁部をなし、これらにより囲まれる部分が本発明の本体部をなす。外装シート32を設けない場合、外装シート32に代えて不透液性バックシート21をサイドフラップ部SFまで延在させ、サイドフラップ部SFの外面側を形成することができる。
バリヤシート24の素材としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコンなどにより撥水処理をしたものが好適に使用される。
バリヤシート24の幅方向中央側の部分24cはトップシート22上にまで延在しており、その幅方向中央側の端部には、細長状弾性部材24Gが前後方向に沿って伸張状態でホットメルト接着剤等により固定されている。この細長状弾性部材24Gとしては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。
また、両バリヤシート24,24は、幅方向外側の部分24xが前後方向全体にわたり物品内面(図示形態ではトップシート22表面および外装シート32内面)に貼り合わされて固定されるとともに、幅方向中央側の部分24cが、前後方向の両端部では物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に貼り合わされて固定され、かつ前後方向の両端部間では物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に固定されていない。この非固定部分は、図1に示されるように、物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に対して起立可能なバリヤ部となる部分であり、その起立基端24bはバリヤシート24における幅方向外側の固定部分24xと内側の部分24cとの境に位置する。
吸収体23としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて粒子状等の高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。また、吸収体23の形状は、相対的に前側の部分が後側の部分よりも幅広な帯状、あるいは長方形状、台形状等、適宜の形状とすることができる。
この一方、吸収体23は、下層吸収体23Bの上に、下層吸収体23Bの幅Lよりも幅L2が狭く且つ少なくとも股間部C2から後側部分B2にかけて前後方向に延在する上層吸収体23Uが積層された二層構造となっている。また、これら下層吸収体23Bと上層吸収体23Uとは相互に直接接触するように配置されていて、高吸収性ポリマー粒子を混合する場合等には、これら下層吸収体23B及び上層吸収体23Uをクレープ紙や不織布等で形成されたコアラップ26によって一体的に包む構造とされている。そして、本実施形態においてこのコアラップ26は、図3に示すように上層吸収体23Uの上側を覆う上側コアラップ26Aと下層吸収体23Bの下側を包む下側コアラップ26Bとにより構成されている。但し、図1のZ−Z断面に対応する部分では、図4に示すようにコアラップ26の両サイドが切断された構造ともされている。
ここで、不織布としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンや、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン(登録商標)等のポリアミド等の熱可塑性ポリマー材料からなる繊維を構成繊維とすることが考えられる。また、これらの繊維は、芯鞘型あるいはサイドバイサイド型等の複合繊維としても良い。
以上から、実施形態では、前述の透液性を有するメッシュフィルムである中間シート25が、コアラップ26を介して、上層吸収体23Uの上側に配置され、後述する上層スリット40の上面をこの中間シート25が覆う構造とされている。さらに、上層吸収体23Uの前後方向長さM4は下層吸収体23Bの前後方向長さM3と同じであっても良いが、70〜85%程度とするのが望ましい。また、上層吸収体23Uの全幅L2は下層吸収体23Bの全幅Lの40〜60%程度とするのが望ましい。
吸収体23における繊維目付け及び高吸収性ポリマーの目付けは適宜定めることができるが、繊維目付けは100〜600g/m2程度とするのが好ましく、また吸収性ポリマーの目付け0〜400g/m2程度とするのが好ましい。より詳細には、下層吸収体23Bの繊維目付けは例えば80〜400g/m2程度、高吸収性ポリマーの目付けは例えば50〜400g/m2程度とすることができ、上層吸収体23Uの繊維目付けは例えば80〜300g/m2程度、高吸収性ポリマーの目付けは例えば10〜200g/m2程度とすることができる。
そして、下層吸収体23B及び上層吸収体23Uは高吸収性ポリマーの他に、前述のようにパルプを含むことがあるが、パルプを含む場合には、下層吸収体23Bのパルプ/ポリマーの比は、吸収効果を高めるために、3以下とすることが考えられ、また、上層吸収体23Uのパルプ/ポリマーの比は、排尿の重みによる吸収体くずれを防止するために、1.5以上とすることが考えられ、特に1.9が最適となる。
下層吸収体23Bは、股間部C2を含む前後方向中間の所定部分が幅の狭い括れ部分23nとして形成されている。この括れ部分23nの最小幅L3は、括れ部分23nの前後に位置する非括れ部分の幅L1の50〜65%程度であるのが好ましい。また、物品前端を0%とし物品後端を100%としたとき、括れ部分23nの前端は10〜25%の範囲に位置しているのが好ましく、括れ部分23nの後端は40〜65%の範囲に位置しているのが好ましく、括れ部分23nの最小幅L3となる部位(最小幅部位)は25〜30%の範囲に位置しているのが好ましい。また、下層吸収体23Bは、少なくとも次述の上層スリット40と重なる位置にスリットを有しないものであり、この部位以外にスリットを有していても良いが、全体にわたりスリットを有しないのが望ましい。
上層吸収体23Uは、幅方向中央線の左右両側に、表裏面に貫通する上層スリット40が、股間部C2から後側部分B2にかけてそれぞれ延在されており、この上層スリット40は、下層吸収体23Bの括れ部分23nのうち後側に向かうにつれて幅が拡大し始める後側拡幅開始位置(最小幅部位)23wよりも後側において、後側に向うにつれてより幅方向外側に位置するように延在する拡散促進部分41を有している。この拡散促進部分41は図示例のように下層吸収体23Bの括れ部分23nに沿う円弧状等の曲線状をなしているのが好ましいが、直線状であっても良い。また、図示形態の上層吸収体23Uは、長方形状をなしているが、下層吸収体と同様に前後方向中間部に括れ部分を有していても良い(図示略)。
このような構造を有していると、座位時のように厚さ方向の圧縮力が加えられた状態でも、上層スリット40が尿の拡散経路として確保されるため、図5に矢印で示すように、股間部C2の排泄位置(図中の黒塗り星マーク)において局所的に吸収体23に至った尿が上層スリット40に沿って後側に拡散する過程で、上層スリット40の拡散促進部分41に沿って幅方向外側にも拡散し、より幅の広い下層吸収体23Bに対して幅方向に広範囲に拡散供給される。よって、上層吸収体23U及び下層吸収体23Bによって尿が吸収されるため、メッシュフィルムとされる中間シート25を設けたこととも相まって、逆戻りが発生し難く成る。また、上層スリット40が股間部C2まで存在していることにより、物品の股間部C2と身体とのフィット性が良好となる。
なお、このような観点から、上層スリット40の拡散促進部分41の前端は、下層吸収体23Bの括れ部分23nにおける後側拡幅開始位置23wを通る幅方向線上またはその近傍に位置しているのが好ましい。また、上層スリット40の拡散促進部分41における幅方向外側縁の接線と前後方向とのなす角をθ1とし、下層吸収体23Bの括れ部分23nの側縁の接線と前後方向とのなす角をθ2としたとき、上層スリット40の拡散促進部分41と対応する前後方向範囲内の各前後方向位置において、次の関係式、
0° ≦ θ1 ≦ 90°
θ1−20° ≦ θ2 ≦ θ1+20°
を満足するように構成されているのが好ましく、
特に、次の関係式、
0° ≦ θ1 ≦ 40°
θ1−10° ≦ θ2 ≦ θ1+5°
を満足するように構成されているのが好ましい。
さらに、上層スリット40の拡散促進部分41の後端は下層吸収体23Bの側縁から離間しているのが好ましい。この場合、その幅方向離間距離L1が、下層吸収体23Bにおける括れ部分23nの後端の幅をLとしたとき、10mm ≦ L1 ≦ L/3の関係を満足するように構成されているのが好ましく、特に50mm ≦ L1 ≦ L/3の関係を満足するように構成されているのが好ましい。このように、上層スリット40の拡散促進部分41の後端を下層吸収体23Bの側縁からある程度離間させつつ、十分に下層吸収体23Bの側部まで延在させることにより、上層スリット40による幅方向の拡散が過大とならない範囲で、下層吸収体23Bに対して十分に広範囲に尿を拡散することができるようになる。
また、吸収性物品の全長をMとし、上層スリット40の拡散促進部分の後端よりも後側部分B2の前後方向長さをM1とし、上層スリット40の拡散促進部分41の後端よりも前側部分の前後方向長さをM2としたとき、M/2 ≦ M2 < Mの関係を満足するように構成されているのが好ましく、特にM/7 ≦ M2 < M/3の関係を満足するように構成されているのが好ましい。このように、上層スリット40の拡散促進部分41の後端を十分に後側に延在させつつも、物品後端から十分に離間させることにより、上層スリット40による後側への拡散が適度となる。上層スリット40をあまりに物品後側まで延在させると、後側への拡散が過大となって、いわゆる背漏れが発生するおそれがある。
以上より、本実施形態によれば、透液性を有するメッシュフィルムとされる中間シート25を上層吸収体23Uの上側に配置して、上層スリット40の上面をこのメッシュフィルムが覆っている他、上層吸収体23U及び下層吸収体23Bの内の上層吸収体23Uにのみスリットを設けた構造を採用している。このことで、上層スリット40により尿の拡散経路が確保されて、股間部C2において局所的に吸収体に至った尿が上層スリット40に沿って後側に拡散し、この拡散の過程で上層スリット40の拡散促進部分41に沿って尿が幅方向外側にも拡散するようになる。
他方、本実施形態では、上層吸収体23Uにのみスリットを設け、下層吸収体23Bにはスリットが設けられていなことから、吸収体全体としての強度が確保され、更に、最も吸収体23が崩れやすい股間部C2以外の股間部C2から後側部分で積極的に尿を吸収させることになる。この結果として、排尿の重みによる吸収体くずれを防止することができる。
さらに、下層吸収体23Bと上層吸収体23Uとが直接接触する形で、コアラップ26がこれら下層吸収体23B及び上層吸収体23Uを一体的に包むことで、排尿の重みによる吸収体くずれを防止する効果がより一層の高いものとなる。
また、本実施形態では、上層吸収体23Uをパルプ及びポリマーにより形成し、この上層吸収体23Uにおけるパルプ/ポリマーの比を1.5以上となっている。このことで、パルプに対するポリマーの比率が低下するのに伴って、この上層吸収体23Uで尿を吸収し難くなる結果として、最も吸収体23が崩れやすい股間部C2以外の下層吸収体23Bの部分に積極的に尿を吸収させて、吸収体23の崩れをより確実に防止できるようにもなる。
上層スリット40の幅wは適宜定めることができるが、通常の場合10〜30mmの範囲内にあるのが好ましく、特に10〜15mmの範囲内にあるのが好ましい。上層スリット40の幅wが狭過ぎるとスリットが幅方向に潰れ易くなり、狭過ぎるとスリット40内に上下部材(例えば吸収体23の包装シート)が入り込み、いずれにせよ拡散のための空間が減少するため好ましくない。
一方、上層スリット40は、拡散促進部分41の前側に連続する部分として、左右のスリット間隔dが20〜40mmである導入部分42を有しているのが好ましい。より好ましい間隔dは10〜40mmである。この導入部分42の前側端から物品の前端までの距離M5は、物品全長の1/3程度(例えば、物品全長Mが630mmであれば、距離M5を250mmとする)であり、排尿口部より後側位置に上層スリット40を配置することにより、吸収体23の一部のみに尿を吸収させない構造として、吸収体崩れをより確実に防止できるようになる。
上記とは別に、本実施形態の変形例として、コアラップ26を図6に示す袋状に一体的に形成した袋状コアラップ26Cにより構成してもよい。尚、上記実施形態では、吸収体23を構成する上層吸収体23Uと下層吸収体23Bとが、相互に接着されていない構造としたが、これらが相互に接着された構造としても良い。また、上層吸収体23Uと下層吸収体23Bとが積繊されていても良い。
さらに、上記実施形態と異なり、上層吸収体23Uをパルプのみにより形成しても良い。このように、上層吸収体23Uをパルプのみにより形成することで、上層吸収体23Uにポリマーが存在しないのに伴って、この上層吸収体23Uで尿をより一層吸収し難くなる。この結果として、上層吸収体23Uをパルプのみにより形成した場合でも、上記実施形態と同様に、最も吸収体23が崩れやすい股間部C2以外の下層吸収体23Bの部分に積極的に尿を吸収させることによって、吸収体23の崩れを確実に防止できるようになる。
他方、股間部C2へのフィット性を高めるために、吸収パッド200の幅方向両側部における吸収体23の裏面側に、前側部分F2から後側部分B2にわたり延在するように糸ゴム等の細長状弾性部材を設けることもできるが、上層スリット40の存在により股間部C2へのフィット性が高くなるため、図示形態のように省略することができる。
本発明は、吸収パッド、パンツタイプ若しくはテープタイプ使い捨ておむつ、または整理用ナプキン等、吸収性物品全般に利用できるものである。
21…不透液性バックシート、22…透液性トップシート、23U…上層吸収体、23B…下層吸収体、24…バリヤシート、26…コアラップ、32…外装シート、40…上層スリット、200…吸収パッド。

Claims (4)

  1. 股間部の前側及び後側にそれぞれ延出する前側部分及び後側部分を有し、
    少なくとも股間部から後側部分にかけて前後方向に延在する下層吸収体が設けられるとともに、この下層吸収体の上に、下層吸収体よりも幅が狭く且つ少なくとも股間部から後側部分にかけて前後方向に延在する上層吸収体が設けられた、吸収性物品において、
    前記下層吸収体は、股間部を含む前後方向中間の所定部分が幅の狭い括れ部分として形成されており、
    前記上層吸収体における幅方向中央線の左右両側に、上層吸収体の表裏面に貫通する上層スリットが、股間部における排尿口部より後側の位置から後側部分にかけてそれぞれ延在され、かつ排尿口部及びその前側には延在されておらず
    この上層スリットは、前記下層吸収体の括れ部分のうち後側に向かうにつれて幅が拡大し始める後側拡幅開始位置よりも後側において、後側に向うにつれてより幅方向外側に位置するように延在する拡散促進部分と、この拡散促進部分の前側に連続する導入部分とを有し、
    透液性を有するメッシュフィルムが前記上層吸収体の上側に配置されて、上層スリットにおける前記導入部分内から前記拡散促進部分内にかけての上面をこのメッシュフィルムが覆い、かつこのメッシュフィルムの両側縁は前記上層吸収体の両側縁よりも幅方向中央側に位置され、
    前記下層吸収体には、少なくとも上層スリットと重なる位置にスリットを有しない、
    ことを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記下層吸収体と前記上層吸収体とが直接接触するように、前記下層吸収体の上に前記上層吸収体が積層され、これら前記下層吸収体及び前記上層吸収体をコアラップが一体的に包むことを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記上層吸収体がパルプ及びポリマーにより形成され、前記上層吸収体におけるパルプ/ポリマーの比を1.5以上とすることを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
  4. 前記上層吸収体がパルプのみにより形成されることを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
JP2009045162A 2009-02-27 2009-02-27 吸収性物品 Expired - Fee Related JP5544100B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009045162A JP5544100B2 (ja) 2009-02-27 2009-02-27 吸収性物品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009045162A JP5544100B2 (ja) 2009-02-27 2009-02-27 吸収性物品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010194218A JP2010194218A (ja) 2010-09-09
JP5544100B2 true JP5544100B2 (ja) 2014-07-09

Family

ID=42819572

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009045162A Expired - Fee Related JP5544100B2 (ja) 2009-02-27 2009-02-27 吸収性物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5544100B2 (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5926498B2 (ja) * 2011-05-31 2016-05-25 大王製紙株式会社 使い捨て吸収性物品
WO2012170808A1 (en) 2011-06-10 2012-12-13 The Procter & Gamble Company Absorbent core for disposable absorbent articles
RU2568565C2 (ru) 2011-06-10 2015-11-20 Дзе Проктер Энд Гэмбл Компани Одноразовые подгузники
JP5882718B2 (ja) * 2011-12-16 2016-03-09 花王株式会社 吸収性物品
JP5558617B1 (ja) * 2013-07-16 2014-07-23 花王株式会社 吸収性パッド
JP5558616B2 (ja) * 2012-11-29 2014-07-23 花王株式会社 吸収性パッド
WO2014084087A1 (ja) * 2012-11-29 2014-06-05 花王株式会社 吸収性パッド
PL2740449T3 (pl) 2012-12-10 2019-07-31 The Procter & Gamble Company Artykuł chłonny o wysokiej zawartości materiału chłonnego
ES2655690T3 (es) 2013-06-14 2018-02-21 The Procter & Gamble Company Artículo absorbente y canales de formación de núcleo absorbente cuando están húmedos
US9987176B2 (en) 2013-08-27 2018-06-05 The Procter & Gamble Company Absorbent articles with channels
CA2922316A1 (en) 2013-08-27 2015-03-05 The Procter & Gamble Company Absorbent articles with channels
EP3351225B1 (en) 2013-09-19 2021-12-29 The Procter & Gamble Company Absorbent cores having material free areas
US9789009B2 (en) 2013-12-19 2017-10-17 The Procter & Gamble Company Absorbent articles having channel-forming areas and wetness indicator
JP6438277B2 (ja) * 2014-11-12 2018-12-12 花王株式会社 吸収性物品
JP6138872B2 (ja) 2015-07-31 2017-05-31 大王製紙株式会社 吸収性物品
EP3167859B1 (en) 2015-11-16 2020-05-06 The Procter and Gamble Company Absorbent cores having material free areas
EP3238678B1 (en) 2016-04-29 2019-02-27 The Procter and Gamble Company Absorbent core with transversal folding lines
EP3238676B1 (en) 2016-04-29 2019-01-02 The Procter and Gamble Company Absorbent core with profiled distribution of absorbent material
JP7636132B2 (ja) * 2018-12-04 2025-02-26 王子ホールディングス株式会社 吸収性物品
JP7155969B2 (ja) * 2018-12-04 2022-10-19 王子ホールディングス株式会社 吸収性物品

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4558390B2 (ja) * 2004-06-30 2010-10-06 大王製紙株式会社 吸収性物品
JP4092319B2 (ja) * 2004-09-06 2008-05-28 大王製紙株式会社 使い捨ておむつ
JP4557914B2 (ja) * 2005-03-23 2010-10-06 花王株式会社 使い捨ておむつ
JP4969101B2 (ja) * 2005-12-27 2012-07-04 大王製紙株式会社 吸収性物品の製造方法
JP2007202576A (ja) * 2006-01-30 2007-08-16 Livedo Corporation 吸収用積層体および使い捨て吸収性物品
JP2007202575A (ja) * 2006-01-30 2007-08-16 Livedo Corporation 吸収用積層体および使い捨て吸収性物品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010194218A (ja) 2010-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5544100B2 (ja) 吸収性物品
JP5590790B2 (ja) 吸収性物品
JP5530733B2 (ja) 吸収性物品
JP5595809B2 (ja) 吸収性物品
JP5773665B2 (ja) 吸収性物品
JP6213878B2 (ja) 吸収性物品
JPH02104353A (ja) 流体移動層および伸縮自在股下デザインを有する吸収性下着
JP2010046155A (ja) 使い捨ておむつ
JP2016067626A5 (ja)
JP5907585B2 (ja) 吸収性物品
JP5530650B2 (ja) 吸収性物品
JP6226290B2 (ja) 吸収性物品
JP5851727B2 (ja) 吸収性物品
JP5586942B2 (ja) 吸収性物品
JP5946122B2 (ja) 使い捨ておむつ
JP5913886B2 (ja) 吸収性物品
JP2013172813A5 (ja)
JP6903116B2 (ja) パンツタイプ使い捨ておむつ
JP6164555B2 (ja) 吸収性物品
WO2019235215A1 (ja) 吸収性物品
JP5791072B2 (ja) 使い捨て吸収性物品
JP5950329B2 (ja) 吸収性物品
JP7178845B2 (ja) 吸収性物品
JP2019136150A (ja) 吸収性物品
JP6842967B2 (ja) 吸収性物品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130419

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20131025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140123

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140411

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140512

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5544100

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees