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JP5530650B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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JP5530650B2 JP2009079873A JP2009079873A JP5530650B2 JP 5530650 B2 JP5530650 B2 JP 5530650B2 JP 2009079873 A JP2009079873 A JP 2009079873A JP 2009079873 A JP2009079873 A JP 2009079873A JP 5530650 B2 JP5530650 B2 JP 5530650B2
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Description

本発明は、吸収性物品に関するものである。
吸収体を内蔵した吸収性物品として種々のものが従来より存在しているが、成人向けの使い捨ておむつ、吸収パッド等の吸収性物品の一種として、一回や二回の排尿では交換しないような夜用パッドが一般に知られている。このような夜用パッドなどのパッドであって立体ギャザーが配置されているものを装着して、このパッドの中に繰り返し排尿した場合、排尿口付近の吸収体の吸収能力が限界に達して、次第に吸収スピードが落ちるようになる。そして、吸収スピードが排尿スピードを下回ると、身体の臀部から股間に対応するパッドの部分にかけて尿がプールされる状態になるものの、プールした尿はゆっくり吸収されて吸収体の中で拡散し、体圧が加わっている臀部の部分まで広く吸収されるようになる。
但し、吸収スピードが排尿スピードを下回るのに伴って、漏れ出しを防止する為の左右の立体ギャザーを有している構造のパッドからでも、尿の漏れ出しが発生する場合がある。この漏れ出しの大きな原因の一つとして、パッドをテープタイプ使い捨ておむつに装着して身体に当てて仰向けに寝たとき、排尿口から背側に平均的に190〜200mm離れた付近に位置する左右の立体ギャザーを臀部でつぶしていることが考えられる。
そして、つぶされて立体ギャザーが立っていない部分から尿の漏れ出しが発生しやすくなる結果として、特に前述のように高排尿時にプールされた尿が、立体ギャザーの寝ている部分から溢れて、パッド全体としては吸収能力を未だ有している場合であっても、尿の漏れ出しを誘引してしまうことになる。
特開2000-271170号公報 特開2003-325563号公報
そこで、本発明の主たる課題は、高排尿時において股間部分でプールした尿を、立体ギャザーが身体によって潰されるのに伴って漏れ出すことを防止するだけでなく、吸収体全体を効果的に利用して実使用時の吸収力を高め得る吸収性物品を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
股間部の前側及び後側にそれぞれ延出する前側部分及び後側部分を有し、
少なくとも股間部から後側部分にかけて前後方向に延在する吸収体が設けられると共に、この吸収体の表面を透液性のトップシートで覆い、
吸収体を挟んで2枚の立体ギャザーがトップシートに設けられた吸収性物品において、
2枚の立体ギャザーの内側であって且つ吸収体なるトップシート上の部分から立ち上がる2枚の補助ギャザーを、身体の臀部の溝に沿うように左右一対設け、
2枚の補助ギャザーがトップシート上の部分から立ち上がり始める位置と個々に交差する形で2本のスリットを吸収体に配置することを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
本発明者の知見によれば、高排尿時において左右2枚の立体ギャザーの周辺に尿がプールされるのに伴い、これら立体ギャザーが潰れて寝てしまって立体ギャザーと身体との間に隙間ができた場合に、尿の漏れが発生する虞があることが見いだされている。これに対して、本請求項によれば、2枚の立体ギャザーの内側となるにトップシート上の部分に、2枚の補助ギャザーを相互に並ぶ形で設けた。そして、これら2枚の補助ギャザーを、例えば吸収体の長手方向に沿って相互に平行に延びるように配置するのではなく、身体の臀部の溝に沿うように配置することにした。
つまり、本請求項では、身体に臀部の溝があるのに伴い、この臀部の溝に沿う形で補助ギャザーをトップシート上に設けることにより、左右2枚の立体ギャザーが潰れてしまって、立体ギャザーと身体との間に隙間ができた場合でも、トップシート上の補助ギャザーは潰れずに立ち上がって機能することで、この補助ギャザーが尿の漏れ出しを防止する。
また、例えば途中から吸収体の両側部分であるサイド部分に流れるような曲線として、2枚の補助ギャザーと個々に交差する形で、2本のスリットを吸収体に配置することで、2本のスリット内に沿ってプールした尿を吸収体内で拡散させることができる結果として、吸収体全体を効果的に利用して尿の吸収力が高まる。
以上より、本請求項に係る吸収性物品によれば、高排尿時において、立体ギャザーが身体によって潰されるのに伴って股間部分でプールされた尿が漏れ出すことを防止できるだけでなく、吸収体全体を効果的に利用して実使用時における尿の吸収力を高めることができる。
<請求項2記載の発明>
2枚の補助ギャザーがトップシート上の部分から立ち上がり始める位置外側に突出する円弧状にそれぞれ形成したことを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
(作用効果)
補助ギャザーを外側に弧を描くような形状とした場合、尿をプールする空間が大きくなるので、本請求項によれば、立体ギャザー際に尿がより一層溜まり難くなる結果、請求項1の作用効果が高まることになる。
<請求項3記載の発明>
2枚の補助ギャザーがトップシート上の部分から立ち上がり始める位置内側に突出する円弧状にそれぞれ形成したことを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
(作用効果)
補助ギャザーを内側に弧を描くような形状とした場合、臀部の溝の形に2枚の補助ギャザーがより確実に沿うようになることから、本請求項によれば、補助ギャザーの身体との密着性が高まるようになる。
<請求項4記載の発明>
2本のスリットが、途中からサイド部分に流れるような曲線としつつ2枚の補助ギャザーと交差するように配置したことを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
(作用効果)
本請求項によれば、背側のサイド部分の吸収体も有効に使えるため、実使用において尿のより高い吸収量を維持できるようになる。
以上のとおり本発明の吸収性物品によれば、高排尿時において股間部分でプールした尿を、立体ギャザーが身体によって潰されるのに伴って漏れ出すことを防止するだけでなく、吸収体全体を効果的に利用して実使用時の吸収力を高め得るという優れた効果を奏するようになる。
第1実施形態に係る吸収パッドの展開状態の内面側を示す平面図である。 要部のみを示す平面図である。 図1のY−Y断面図である。 図1のZ−Z断面図である。 図2の要部のみを示す平面図である。 第1実施形態の第1変形例の図1に対応する断面図である。 第1実施形態の第2変形例の図1に対応する断面図である。 第2実施形態に係る吸収パッドの展開状態の内面側を示す平面図である。 第3実施形態に係る吸収パッドの展開状態の内面側を示す平面図である。 第4実施形態に係る吸収パッドの展開状態の内面側を示す平面図である。
以下、本発明の第1実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。なお、本発明の用語のうち「股間部」とは使用時に身体の股間と対応させる部分を意味し、製品によって、図示形態のように物品の前後方向中央若しくはその近傍から前側の所定部位までの範囲であったり、物品の前後方向中央の所定範囲であったりするものである。物品の前後方向中間あるいは吸収体の前後方向中間に幅の狭い括れ部分を有する場合は、いずれか一方又は両方の括れ部分の最小幅部位を前後方向中央とする所定の前後方向範囲を意味する。また、「前側部分(腹側部分)」は股間部よりも前側の部分を意味し、「後側部分(背側部分)」は股間部よりも後側の部分を意味する。
図1〜図4は、本発明に係る吸収パッド200を示している。この吸収パッド200は、股間部C2と、その前後両側に延在する前側部分F2及び後側部分B2とを有するものである。各部の寸法は適宜定めることができ、例えば、物品全長(前後方向長さ)Mは350〜700mm程度、全幅W1は130〜400mm程度(ただし、おむつの吸収面の幅より狭い)とすることができ、この場合における股間部C2の前後方向長さは10〜150mm程度、前側部分F2の前後方向長さは50〜350mm程度、及び後側部分B2の前後方向長さは50〜350mm程度とすることができる。
吸収パッド200は、外面に外装シート32が積層された不透液性バックシート21の内面と、透液性トップシート22との間に、吸収体23が介在された基本構造を有している。
つまり、吸収体23の裏面側には、吸収体23より遙かに大きく形成された不透液性バックシート21が設けられている。不透液性バックシート21としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。
また、不透液性バックシート21の外面は、不織布からなる外装シート32により覆われており、この外装シート32は、所定の食み出し幅をもってバックシート21の周縁より外側に食み出している。外装シート32としては各種の不織布を用いることができる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
吸収体23の表面側は、透液性トップシート22により覆われている。図示形態ではトップシート22の側縁から吸収体23が一部食み出しているが、吸収体23の側縁が食み出さないようにトップシート22の幅を広げることもできる。トップシート22としては、有孔または無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
トップシート22と吸収体23との間には、メッシュフィルムである中間シート25が介在されている。つまり、この中間シート25は、吸収体23により吸収した尿の逆戻りを防止するために設けられるものであり、保水性が低く且つ透液性の高い素材であるメッシュフィルムにより形成されている。
トップシート22の前端を0%としトップシート22の後端を100%としたとき、中間シート25の前端は0〜11%の範囲に位置しているのが好ましく、中間シート25の後端は92〜100%の範囲に位置しているのが好ましい。また、中間シート25の幅25wは後述する上層吸収体23Uの幅L2の50〜90%程度であるのが好ましい。
吸収パッド200の前後方向両端部では、外装シート32および透液性トップシート22が吸収体23の前後端よりも前後両側にそれぞれ延在されて貼り合わされ、吸収体23の存在しないエンドフラップ部EFが形成されている。吸収パッド200の両側部では、外装シート32が吸収体23の側縁よりも外側にそれぞれ延在され、この延在部からトップシート22の側部までの部分の内面にはバリヤシート24の幅方向外側の部分24xが前後方向全体にわたり貼り付けられ、吸収体23の存在しないサイドフラップ部SFを構成している。
これら貼り合わせ部分は、図1では点模様で示されており、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シールにより形成できる。これらエンドフラップ部EF及びサイドフラップ部SFは、本発明の周縁部をなし、これらにより囲まれる部分が本発明の本体部をなす。外装シート32を設けない場合、外装シート32に代えて不透液性バックシート21をサイドフラップ部SFまで延在させ、サイドフラップ部SFの外面側を形成することができる。
バリヤシート24の素材としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコンなどにより撥水処理をしたものが好適に使用される。
バリヤシート24の幅方向中央側の部分24cはトップシート22上にまで延在しており、その幅方向中央側の端部には、細長状弾性部材24Gが前後方向に沿って伸張状態でホットメルト接着剤等により固定されている。この細長状弾性部材24Gとしては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。
また、両バリヤシート24,24は、幅方向外側の部分24xが前後方向全体にわたり物品内面(図示形態ではトップシート22表面および外装シート32内面)に貼り合わされて固定されるとともに、幅方向中央側の部分24cが、前後方向の両端部では物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に貼り合わされて固定され、かつ前後方向の両端部間では物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に固定されていない。この非固定部分は、図1に示されるように、物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に対して起立可能なバリヤ部となる部分であり、その起立基端24bはバリヤシート24における幅方向外側の固定部分24xと内側の部分24cとの境に位置する。
吸収体23としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて粒子状等の高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。また、吸収体23の形状は、相対的に前側の部分が後側の部分よりも幅広な帯状、あるいは長方形状、台形状等、適宜の形状とすることができる。
この一方、吸収体23は、下層吸収体23Bの上に、下層吸収体23Bの幅Lよりも幅L2が狭く且つ少なくとも股間部C2から後側部分B2にかけて前後方向に延在する上層吸収体23Uが積層された二層構造となっている。また、これら下層吸収体23Bと上層吸収体23Uとは相互に直接接触するように配置されていて、高吸収性ポリマー粒子を混合する場合等には、これら下層吸収体23B及び上層吸収体23Uをクレープ紙や不織布等で形成されたコアラップ26によって一体的に包む構造とされている。
そして、本実施形態においてこのコアラップ26は、図3に示すように上層吸収体23Uの上側を覆う上側コアラップ26Aと下層吸収体23Bの下側を包む下側コアラップ26Bとにより構成されている。但し、図1のZ−Z断面に対応する部分では、図4に示すようにコアラップ26の両サイドが切断された構造ともされている。
ここで、不織布としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンや、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン(登録商標)等のポリアミド等の熱可塑性ポリマー材料からなる繊維を構成繊維とすることが考えられる。また、これらの繊維は、芯鞘型あるいはサイドバイサイド型等の複合繊維としても良い。
以上から、実施形態では、前述の透液性を有するメッシュフィルムである中間シート25が、コアラップ26を介して、上層吸収体23Uの上側に配置され、後述する上層スリット40の上面をこの中間シート25が覆う構造とされている。さらに、上層吸収体23Uの前後方向長さM4は下層吸収体23Bの前後方向長さM3と同じであっても良いが、70〜85%程度とするのが望ましい。また、上層吸収体23Uの全幅L2は下層吸収体23Bの全幅Lの40〜60%程度とするのが望ましい。
吸収体23における繊維目付け及び高吸収性ポリマーの目付けは適宜定めることができるが、繊維目付けは100〜600g/m2程度とするのが好ましく、また吸収性ポリマーの目付け0〜400g/m2程度とするのが好ましい。より詳細には、下層吸収体23Bの繊維目付けは例えば80〜400g/m2程度、高吸収性ポリマーの目付けは例えば50〜400g/m2程度とすることができ、上層吸収体23Uの繊維目付けは例えば80〜300g/m2程度、高吸収性ポリマーの目付けは例えば10〜200g/m2程度とすることができる。
そして、下層吸収体23B及び上層吸収体23Uは高吸収性ポリマーの他に、前述のようにパルプを含むことがあるが、パルプを含む場合には、下層吸収体23Bのパルプ/ポリマーの比は、吸収効果を高めるために、3以下とすることが考えられ、また、上層吸収体23Uのパルプ/ポリマーの比は、排尿の重みによる吸収体くずれを防止するために、1.5以上とすることが考えられ、特に1.9が最適となる。
下層吸収体23Bは、股間部C2を含む前後方向中間の所定部分が幅の狭い括れ部分23nとして形成されている。この括れ部分23nの最小幅L3は、括れ部分23nの前後に位置する非括れ部分の幅L1の50〜65%程度であるのが好ましい。また、物品前端を0%とし物品後端を100%としたとき、括れ部分23nの前端は10〜25%の範囲に位置しているのが好ましく、括れ部分23nの後端は40〜65%の範囲に位置しているのが好ましく、括れ部分23nの最小幅L3となる部位(最小幅部位)は25〜30%の範囲に位置しているのが好ましい。
他方、図1に示すように、2枚の立体ギャザーであるバリヤシート24の内側となる透液性トップシート22上の部分に、2枚の補助ギャザー28が相互に平行ではなく、臀部の溝に沿うように相互に並ぶ形で設けられている。そして、これら2枚の補助ギャザー28内には、それぞれ複数本の糸ゴム29が入っている。
この際、これら補助ギャザー28の腹側の先端部分は、バリヤシート24が潰れてしまうような、排尿口(図中の黒塗り星マーク)から190〜200mmより腹側に位置している。但し、排尿口から180mm以下の位置であればより効果が高まり、更に、排尿口と平行な位置に補助ギャザー28の先端部分が位置すれば、より一層効果的である。
尚、2枚の補助ギャザー28は背側の端部で接合されていても良いが、離れている方がその部分から尿が背側に流れるため、尿のあふれ漏れをより確実に防ぐことができる。但し、2枚の補助ギャザー28をバリヤシート24と平行に配置したのでは、尿をプールさせる空間を充分作れないため、効果的とは言えない。また、1枚当たりの補助ギャザー28は、上記のように複数本の糸ゴム29を使用することにより、臀部に線で当たるのではなく面で当たるようにできるため、より肌に優しく密着性が高まるようになる。
そして、この補助ギャザー28の素材としては、撥水性のSMMSなどが考えられるが、透液性トップシート22上にあるため、肌に当たる違和感を低減するため、目付は高すぎない方が良く、例えばバリヤシート24の目付より低い目付(例えば5〜15g/m2)とすることが考えられる。
この一方、この補助ギャザー28を透液性トップシート22上に設置するための設備について以下に説明する。
つまり、バリヤシート24の内側に、バリヤシート24を設置するのと同様の設備を配置し、補助ギャザー28の繰り出しスピードを製品となる吸収パッド200の流れスピードより遅くして、補助ギャザー28用の設備を揺動させて間欠動作により、補助ギャザー28を透液性トップシート22上に貼付けるようにすることが考えられる。
以上のことから、本実施形態では、身体に臀部の溝があるため、この臀部の溝に沿う形で補助ギャザー28を透液性トップシート22上に設けることによって、左右のバリヤシート24が潰れてしまう場合でも、透液性トップシート22上の補助ギャザー28は潰れずに立ち上がって機能して、隙間ができてもこの補助ギャザー28が尿の漏れ出しを防止する。
さらに、上層吸収体23Uには、これら2枚の補助ギャザー28と個々に交差する形とされ且つ、途中からサイド部分に流れるような曲線とそれぞれされる2本の上層スリット40が、それぞれ上層吸収体23Uの表裏面を貫通するように配置されている。このように2本の上層スリット40を上層吸収体23Uに配置することで、2本の上層スリット40内に沿ってプールした尿を吸収体23内で拡散させることができる結果として、吸収体23全体を効果的に利用して尿の吸収力が高まる。
以上より、本実施形態に係る吸収性物品である吸収パッド200によれば、高排尿時において、バリヤシート24が身体によって潰されるのに伴って股間部分でプールされた尿が漏れ出すことを防止できるだけでなく、吸収体23全体を効果的に利用して実使用時における尿の吸収力を高めることができる。
つまり、上記の上層吸収体23Uは、幅方向中央線の左右両側に、表裏面に貫通する上層スリット40が、股間部C2から後側部分B2にかけてそれぞれ延在されており、この上層スリット40は、下層吸収体23Bの括れ部分23nのうち後側に向かうにつれて幅が拡大し始める後側拡幅開始位置(最小幅部位)23wよりも後側において、後側に向うにつれてより幅方向外側に位置するように延在するか、又は幅方向に沿って幅方向中央側から幅方向外側に向かって延在する拡散促進部分41を有している。
この拡散促進部分41は図示例のように下層吸収体23Bの括れ部分23nに沿う円弧状等の曲線状をなしているのが好ましいが、直線状であっても良い。また、図示形態の上層吸収体23Uは、長方形状をなしているが、下層吸収体と同様に前後方向中間部に括れ部分を有していても良い(図示略)。
このような構造を有していると、圧縮力が加えられた状態でも、上層スリット40が尿の拡散経路として確保されるため、図5に矢印で示すように、股間部C2の排泄位置(図中の黒塗り星マーク)において局所的に吸収体23に至った尿が上層スリット40に沿って後側に拡散する過程で、上層スリット40の拡散促進部分41に沿って幅方向外側にも拡散し、より幅の広い下層吸収体23Bに対して幅方向に広範囲に拡散供給される。
尚、2本の上層スリット40の幅wは適宜定めることができるが、通常の場合10〜30mmの範囲内にあるのが好ましく、特に10〜15mmの範囲内にあるのが好ましい。上層スリット40の幅wが狭過ぎるとスリットが幅方向に潰れ易くなり、狭過ぎるとスリット40内に上下部材(例えば吸収体23の包装シート)が入り込み、いずれにせよ拡散のための空間が減少するため好ましくない。
一方、上層スリット40は、拡散促進部分41の前側に連続する部分として、左右のスリット間隔dが20〜40mmである導入部分42を有しているのが好ましい。より好ましい間隔dは10〜40mmである。この導入部分42の前側端から物品の前端までの距離M5は、物品全長の1/3程度(例えば、物品全長Mが630mmであれば、距離M5を250mmとする)であり、排尿口部より後側位置に上層スリット40を配置することにより、吸収体23の一部のみに尿を吸収させない構造として、吸収体崩れをより確実に防止できるようになる。
上記した第1実施形態の第1変形例として、図6に示すように、2枚の補助ギャザー28を外側に突出する円弧状にそれぞれ形成することが考えられる。このように外側に弧を描くような補助ギャザー28の形状とした場合、尿をプールする空間が大きくなり、バリヤシート24際に尿がより一層溜まることがなくなる結果、高排尿時において股間部C2でプールされた尿が漏れ出すことを防止できる作用効果が高まる。
また、上記した第1実施形態の第2変形例として、図7に示すように、2枚の補助ギャザー28を内側に突出する円弧状にそれぞれ形成することが考えられる。このように内側に弧を描くような補助ギャザー28形状とした場合、臀部の溝の形により一層沿うことになり、補助ギャザー28の身体との密着性が高まるようになる。
次に、本発明の第2実施形態について図8を参照しながら詳説する。尚、第1実施形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
本実施の形態では、第1の実施の形態とほぼ同様な構造とされているが、左右2本の上層スリット40を1セットとして、背側方向に向かって複数セット配置した構造とした。このように2本の上層スリット40を複数セット配置したことで、背側サイドへの素早い拡散が可能となって、高排尿時でも吸収スピードを保つことができる。この為、各上層スリット40にプールする尿を少なくさせて、上層スリット40が1セットの場合よりもさらにあふれ漏れを防止することになる。
次に、本発明の第3実施形態について図9を参照しながら詳説する。尚、第1実施形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
本実施の形態では、第2の実施の形態とほぼ同様な構造とされているが、エンボス30をも有する構造とした。つまり、エンボス30にも上層スリット40と同様の効果があり、エンボス30を通って尿が拡散するので、尿の拡散に役立つことになる他、エンボス30には吸収体23を固定し、よれや割れを防ぐ効果もある。
特に、上記第2実施形態のように上層スリット40が複数本ある場合には、吸収体23のよれや割れが発生しやすいため、上層スリット40と上層スリット40の間にエンボス30を配置することで、吸収体23のよれや割れを防止することができる。
次に、本発明の第4実施形態について図10を参照しながら詳説する。尚、第1実施形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
本実施の形態では、第1の実施の形態とほぼ同様な構造とされているが、吸収パッド200の股間付近に平面ギャザー31が配置されている。
従来より、平面ギャザー31は吸収パッド200の股間付近に配置されていて、吸収パッド200の前後方向をテープタイプ使い捨ておむつの中で自然に丸みを帯びさせ、股間部C2のバリヤシート24をより身体に密着させているが、本実施形態では、平面ギャザー31を背側に配置させている。つまり、これにより吸収パッド200は幅方向に丸みを帯びる仕様となる。
従って、本実施形態によれば、吸収パッド200の幅方向に丸みを帯びる仕様となるため、透液性トップシート22上の補助ギャザー28が立ちやすくなる結果、この補助ギャザー28が身体により確実に密着するようになるのに伴って、尿は補助ギャザー28をより一層超え難くなる。この結果として、潰れてしまうバリヤシート24をも持ち上げられ、透液性トップシート22上の補助ギャザー28を超えてバリヤシート24に尿が接触しても、バリヤシート24で防漏させることが可能ともなる。
さらに、平面ギャザー31があることで、吸収パッド200のサイドのフラップ部分が立ち上がるため、尿がバリヤシート24を超えた場合でも、サイドフラップ部SFで尿を保持し、外部への尿の漏れ出しを極力抑えることができる。
尚、上記した補助ギャザー28の体に当たる部分に、クリーム状のものを塗布することにより、吸収パッド200を装着したときに、補助ギャザー28が身体に接着して隙間を埋めてより漏れを防止することができる。
本発明は、吸収パッド、パンツタイプ若しくはテープタイプ使い捨ておむつ、または整理用ナプキン等、吸収性物品全般に利用できるものである。
21…不透液性バックシート、22…透液性トップシート、23U…上層吸収体、23B…下層吸収体、24…バリヤシート、26…コアラップ、28…補助ギャザー、32…外装シート、40…上層スリット、200…吸収パッド。

Claims (4)

  1. 股間部の前側及び後側にそれぞれ延出する前側部分及び後側部分を有し、
    少なくとも股間部から後側部分にかけて前後方向に延在する吸収体が設けられると共に、この吸収体の表面を透液性のトップシートで覆い、
    吸収体を挟んで2枚の立体ギャザーがトップシートに設けられた吸収性物品において、
    2枚の立体ギャザーの内側であって且つ吸収体なるトップシート上の部分から立ち上がる2枚の補助ギャザーを、身体の臀部の溝に沿うように左右一対設け、
    2枚の補助ギャザーがトップシート上の部分から立ち上がり始める位置と個々に交差する形で2本のスリットを吸収体に配置することを特徴とする吸収性物品。
  2. 2枚の補助ギャザーがトップシート上の部分から立ち上がり始める位置外側に突出する円弧状にそれぞれ形成したことを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
  3. 2枚の補助ギャザーがトップシート上の部分から立ち上がり始める位置内側に突出する円弧状にそれぞれ形成したことを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
  4. 2本のスリットが、途中からサイド部分に流れるような曲線としつつ2枚の補助ギャザーと交差するように配置したことを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
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