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JP5355055B2 - 永久磁石式回転電機 - Google Patents

永久磁石式回転電機 Download PDF

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JP5355055B2 JP2008305416A JP2008305416A JP5355055B2 JP 5355055 B2 JP5355055 B2 JP 5355055B2 JP 2008305416 A JP2008305416 A JP 2008305416A JP 2008305416 A JP2008305416 A JP 2008305416A JP 5355055 B2 JP5355055 B2 JP 5355055B2
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Description

本発明は、2種類以上の永久磁石を使用し、そのうちの少なくとも1つの永久磁石の磁束量を不可逆的に変化させて、低速から高速までの広範囲での可変速運転を可能とした永久磁石式回転電機に関する。
一般に、永久磁石式回転電機は大きく分けて2種類のタイプがある。回転子鉄心の外周に永久磁石を貼り付けた表面磁石型永久磁石式回転電機と、永久磁石を回転子鉄心の中に埋め込んだ埋め込み型永久磁石式回転電機である。可変速駆動用モータとしては、埋め込み型永久磁石式回転電機が適している。
永久磁石式回転電機では、永久磁石の鎖交磁束が常に一定の強さで発生しているので、永久磁石による誘導電圧は回転速度に比例して高くなる。そのため、低速から高速まで可変速運転する場合、高速回転では永久磁石による誘導電圧(逆起電圧)が極めて高くなる。永久磁石による誘導電圧がインバータの電子部品に印加されてその耐電圧以上になると、電子部品が絶縁破壊する。そのため、永久磁石の磁束量が耐電圧以下になるように削減された設計を行うことが考えられるが、その場合には永久磁石式回転電機の低速域での出力及び効率が低下する。
低速から高速まで定出力に近い可変速運転を行う場合、永久磁の鎖交磁束は一定であるので、高速回転域では回転電機の電圧が電源電圧上限に達して出力に必要な電流が流れなくなる。その結果、高速回転域では出力が大幅に低下し、さらには高速回転まで広範囲に可変速運転することができなくなる。
最近では、可変速範囲を拡大する方法として、非特許文献1に記載されているような弱め磁束制御が適用され始めている。電機子巻線の総鎖交磁束量はd軸電流による磁束と永久磁石による磁束とから成る。弱め磁束制御では、負のd軸電流による磁束を発生させることによって、この負のd軸電流による磁束で全鎖交磁束量を減少させる。また、弱め磁束制御においても高保磁力の永久磁石は磁気特性(B−H特性)の動作点が可逆の範囲で変化するようにする。このため、永久磁石は弱め磁束制御の滅磁界により不可逆的に滅磁しないように高保磁力のNdFeB磁石を適用する。
弱め磁束制御を適用した運転では、負のd軸電流による磁束で鎖交磁束が減少するので、鎖交磁束の減少分が電圧上限値に対する電圧の余裕分を作る。そして、トルク成分となる電流を増加できるので高速域での出力が増加する。また、電圧余裕分だけ回転速度を上昇させることができ、可変速運転の範囲が拡大される。
しかし、出力には寄与しない負のd軸電流を常時流し続けるため銅損が増加して効率は悪化する。さらに、負のd軸電流による滅磁界は高調波磁束を生じ、高調波磁束等で生じる電圧の増加は弱め磁束制御による電圧低減の限界を作る。これらより、埋め込み型永久磁石式回転電機に弱め磁束制御を適用しても規定速度の3倍以上の可変速運転は困難である。さらに、前述の高調波磁束により鉄損が増加し、中・高速域で大幅に効率が低下する問題がある。また、高調波磁束による電磁力で振動を発生する可能性もある。
ハイブリッド自動車用駆動電動機に埋め込み型永久磁石電動機を適用した場合、エンジンのみで駆動される状態では電動機は連れ回される。中・高速回転では電動機の永久磁石による誘導電圧が上昇するので、電源電圧以内に抑制するため、弱め磁束制御で負のd軸電流を流し続ける。この状態では、電動機は損失のみを発生するので総合運転効率が悪化する。
電車用駆動電動機に埋め込み型永久磁石電動機を適用した場合、電車は惰行運転する状態があり、上と同様に永久磁石による誘導電圧を電源電圧以下にするために弱め磁束制御で負のd軸電流を流し続ける。その場合、電動機は損失のみを発生するので総合運転効率が悪化する。
このような問題点を解決する技術として、特許文献1や特許文献2には、固定子巻線の電流で作る磁界により不可逆的に磁束密度が変化する程度の低保磁力の永久磁石(以下、可変磁力磁石という)と、可変磁力磁石の2倍以上の保磁力を有する高保磁力の永久磁石(以下、固定磁力磁石という)を配置し、電源電圧の最大電圧以上となる高速回転域では可変磁力磁石と固定磁力磁石による全鎖交磁束が減じるように、電流による磁界で可変磁力磁石を磁化させて全鎖交磁束量を調整する技術が記載されている。
この特許文献1の永久磁石式回転電機は、図17に記載のような構成の回転子1を備えている。すなわち、回転子1は、回転子鉄心2、8個の可変磁力磁石3及び8個の固定磁力磁石4から構成されている。回転子鉄心2は珪素鋼板を積層して構成され、可変磁力磁石3はアルニコ磁石またはFeCrCo磁石であり、固定磁力磁石4はNdFeB磁石である。
可変磁力磁石3は回転子鉄心2の中に埋め込まれ、可変磁力磁石3の両端部には第1の空洞5が設けられている。可変磁力磁石3は磁極間の中心軸になるq軸と一致する回転子の半径方向に沿って配置され、半径方向に対して直角方向に磁化される。固定磁力磁石4は回転子鉄心2内に埋め込まれ、固定磁力磁石4の両端部には第2の空洞6が設けられている。固定磁力磁石4は、2個の可変磁力磁石3により回転子1内周側で挟まれるように回転子1のほぼ周方向に配置されている。固定磁力磁石4は回転子1の周方向に対してほぼ直角方向に磁化されている。
回転子鉄心2の磁極部7は2個の可変磁力磁石3と1個の固定磁力磁石4で取り囲まれるようにして形成されている。回転子鉄心2の磁極部7の中心軸方向がd軸、磁極間の中心軸方向がq軸となる。この回転子1を採用した特許文献1の永久磁石式回転電機では、固定子巻線に通電時間が極短時間(100μs〜1ms程度)となるパルス的な電流を流して磁界を形成し、可変磁力磁石3に磁界を作用させる。着磁磁界を250kA/mとすると、理想的には可変磁力磁石3には十分な着磁磁界が作用し、固定磁力磁石4には着磁による不可逆減磁はない。
その結果、特許文献1の永久磁石式回転電機では、回転子1のd軸電流により可変磁力磁石3の鎖交磁束量を最大から0まで大きく変化でき、また磁化方向も正逆の両方向にできる。すなわち、固定磁力磁石4の鎖交磁束を正方向とすると、可変磁力磁石3の鎖交磁束を正方向の最大値から0、さらには逆方向の最大値まで広範囲に調整することができる。従って、本実施の形態の回転子では、可変磁力磁石3をd軸電流で着磁することにより可変磁力磁石3と固定磁力磁石4を合わせた全鎖交磁束量を広範囲に調整することができる。
例えば、低速域では可変磁力磁石3は固定磁力磁石4の鎖交磁束と同方向(初期状態)で最大値になるようにd軸電流で磁化することにより、永久磁石によるトルクは最大値になるので、回転電機のトルク及び出力を最大にすることができる。中・高速域では、可変磁力磁石3の磁束量を低下させ、全鎖交磁束量を下げることにより、回転電機の電圧は下がるので、電源電圧の上限値に対して余裕ができ、回転速度(周波数)をさらに高くすることが可能となる。
図18(A)から(D)は、そのことを説明する模式図である。特許文献1の永久磁石式回転電機では、図18(A)のように、2つの可変磁力磁石3と1つの固定磁力磁石4とが、d軸を中心としてU字形に配置されている。電動機の通常の運転状態では、可変磁力磁石3及び固定磁力磁石4の磁束の方向は、中心の磁極部7の方を向いている。この状態で、d軸電流をパルス的に流して、減磁用の磁界を発生すると、その磁束は図18(B)のように、回転子1の外周側から可変磁力磁石3及び固定磁力磁石4を貫くように発生し、それによって、可変磁力磁石3は減磁される。このとき、固定磁力磁石4は、保磁力が高いため、減磁されることはない。
この減磁の場合、図18(C)のように、固定磁力磁石4の磁束は、d軸方向と共に可変磁力磁石3の内側から外側に向かって、可変磁力磁石3の当初の磁束の向きとは逆に流れるので、d軸電流の作る磁界による減磁作用を補助する。そのため、可変磁力磁石3の極性を反転させるまでの減磁が可能である。
一方、増磁の場合には、d軸電流を再びパルス的に印加することで、前記とは逆方向の磁界を発生させ、その磁界を構成する逆方向の磁束によって、減磁した可変磁力磁石3の鎖交磁束を前記(A)の通常運転時の状態に戻す。
特開2006−280195号公報 特開2008−48514号公報
前記のような構成を有する特許文献1の永久磁石式回転電機は、回転子1のd軸電流により、可変磁力磁石3の鎖交磁束量を最大から0まで大きく変化でき、また磁化方向も正逆の両方向にできるという優れた特性を有する。ところが、d軸電流によって可変磁力磁石3に作用させた磁界は、磁石内で均一な磁界に分布しないという問題点がある。すなわち、図2(a)に示すように、可変磁力磁石3の中央部分は上側と下側部分よりもd軸電流による磁界が弱くなる
可変磁力磁石3内で、このような磁界の不均一が起こるため、可変磁力磁石3に着磁する強さの磁界を作用させたとしても、周辺部分しか磁化せず、中央部分の磁化が十分に行われないため、鎖交磁束の変化量を大きくすることができなかった。そのため、磁界の不均一を防ぐために、可変磁力磁石3の厚さを制限するなどの工夫が必要であった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、回転子内に設置する可変磁力磁石として、保磁力が異なる複数の可変磁力磁石を組み合わせ、可変磁石の磁化を均一に行うことにより、可変磁力磁石の鎖交磁束の変化量を大きくすることを目的とする。また、本発明では、低速から高速までの広範囲で可変速運転を可能とし、低速回転域の高トルク化と中・高速回転域での高出力化、効率の向上を可能とした永久磁石式回転電機を提供することを目的とする。
本発明の永久磁石回転電機は、保磁力と磁化方向厚の積が異なる2種類以上の永久磁石を用いて回転子の磁極を形成し、電機子巻線の電流が作る磁界により、前記2種類以上の永久磁石のうち、保磁力と磁化方向厚の積が小の永久磁石を磁化させて、磁極を構成する永久磁石の磁束量を不可逆的に変化させ、保磁力と磁化方向厚の積の値が異なる複数の永久磁石を積層して複合磁石を構成し、この複合磁石の中央部に位置する永久磁石の保磁力と磁化方向厚の積の値が、複合磁石の上層部または下層部の少なくとも一方に位置する永久磁石の保磁力と磁化方向厚の積の値よりも小さく設定されており、電機子巻線の電流が作る磁界により磁化させる前記保磁力と磁化方向厚の積が小の永久磁石を、前記複合磁石としたことを特徴とする。
本発明において、回転子の各磁極ごとに2種類以上の永久磁石を磁気回路上で直並列に配置すること、複数の磁極の間で2種類以上の永久磁石を磁気回路上で直並列に配置することも可能である。また、各磁極に、磁気障壁を設けたり、短絡コイルを設けることも可能である。
以上のような構成を有する本発明によれば、回転子内に設置する可変磁力磁石として、保磁力が異なる複数の可変磁力磁石を組み合わせ、可変磁力磁石全体でその磁化を均一に行うことにより、可変磁力磁石の鎖交磁束の変化量を大きくすることができるので、回転機の効率化を達成することができる。
以下、本発明に係る永久磁石式型回転電機の実施の形態について、図1,2を参照して説明する。本実施の形態の回転電機は12極の場合で説明しており、他の極数でも同様に適用できる。
(1.第1の実施の形態)
(1−1.構成)
本発明の第1の実施の形態について、図1を用いて説明する。
本発明の第1の実施の形態の回転子1は、図1に示すように回転子鉄心2、保磁力と磁化方向厚みの積が小となる永久磁石(以下、可変磁力磁石という)3、保磁力と磁化方向厚の積が大となる永久磁石(以下、固定磁力磁石という)4から構成する。回転子鉄心2は珪素鋼板を積層して構成し、前記の可変磁力磁石3及び固定磁力磁石4は回転子鉄心2内に埋め込む。可変磁力磁石3は、保磁力が異なる可変磁力磁石を積層させたものであり、保磁力が強い可変磁力磁石3a,3cを上層部と下層部に配置し、保磁力が可変磁力磁石3a,3cより弱い可変磁力磁石3bを中層部に配置する。
可変磁力磁石3はサマリウムコバルト磁石またはアルニコ磁石を使用することができる。固定磁力磁石4は、NdFeB磁石を使用することができる。本実施の形態では、可変磁力磁石3a,3cは保磁力が300kA/mのサマリウムコバルト磁石とし、可変磁力磁石3bは保磁力が200kA/mのサマリウムコバルト磁石とし、固定磁力磁石4は保磁力が1000kA/mのNdFeB磁石とする。
可変磁力磁石3a〜3cを各磁石の磁化方向に重ね合わせて1つの可変磁力磁石を構成する。すなわち、可変磁力磁石3a〜3cが磁化方向を同じくして、磁気的に直列に配置する。この直列に重ねた可変磁力磁石3は、磁化方向がd軸方向(ここでは、ほぼ回転子の半径方向)となる位置で回転子鉄心2内に配置する。一方、可変磁力磁石3の両側に、固定磁力磁石4,4を磁化方向がd軸方向となる位置で配置する。この横に配置した固定磁力磁石4,4は、積層した可変磁力磁石3に対して、磁気回路上で並列回路を構成する。
回転子鉄心2内を通過する磁束が可変磁力磁石3及び固定磁力磁石4をその厚さ方向に通過するように、可変磁力磁石3及び固定磁力磁石4の端部に空洞6を設ける。特に、磁束が可変磁力磁石3に集中するように、磁気障壁となる空洞5を、固定磁力磁石4の上下に設ける。回転子鉄心2の磁極部7は1個の可変磁力磁石3と2個の固定磁力磁石4で取り囲まれるようにして形成する。回転子鉄心2の磁極部7の中心軸方向がd軸、磁極間の中心軸方向がq軸となる。
前記両側の固定磁力磁石4,4の上下面と平行に、固定磁力磁石4,4を取り囲むように、上側短絡コイル8a及び下側短絡コイル8bを設ける。この時、短絡コイル8a,8bが固定磁力磁石4の磁化方向が中心軸となるようにする。この短絡コイル8a,8bは、リング状の導電性部材から構成し、回転子鉄心2内に設けた空洞6の縁の部分にはめ込むように装着する。なお、回転子鉄心2の穴に高温で溶けた導電性部材を流し込んで鋳造して製作することも可能である。
この短絡コイル8a,8bは、電機子巻線にd軸電流を通電させた場合に発生する磁束で、短絡電流が発生するものである。短絡コイル8a,8bに流れる短絡電流は、不可逆変化させる永久磁石3a,3b,3cの磁化が変化する程度の強さで1秒以内に流れ、その後1秒以内に50%以上減衰するものであることが好ましい。また、前記短絡コイル8のインダクタンス値と抵抗値を、可変磁力磁石3の磁化が変化する程度の短絡電流が流れるような値とすると、効率が良い。
前記回転子2の外周には、エアギャップを介して固定子10を設ける。この固定子10は、電機子鉄心11と電機子巻線12とを有する。この電機子巻線12に流れる磁化電流により、前記短絡コイル8a,8bに誘導電流が誘起され、その誘導電流によって短絡コイル8a,8bを貫通する磁束が形成される。また、この電機子巻線12に流れる磁化電流(d軸電流)により、可変磁力磁石3の磁化方向が不可逆的に変化する。
すなわち、可変磁力磁石3a〜3cに対しては、永久磁石式回転電機の運転時において、d軸電流による磁界で可変磁力磁石3を磁化させて、その磁束量を不可逆的に変化させる。その場合、可変磁力磁石3を磁化するd軸電流を流すと同時にq軸電流により回転電機のトルクを制御する。
また、d軸電流で生じる磁束により、電流(q軸電流とd軸電流とを合成した全電流)と可変磁力磁石3a〜3c及び固定磁力磁石4,4とで生じる電機子巻線の鎖交磁束量、すなわち、回転電機の全電流によって電機子巻線に生じる磁束と、回転子側の2種類以上の永久磁石3a〜3c,4,4によって生じる磁束とから構成される電機子巻線全体の鎖交磁束量をほぼ不可逆的に変化させる。
特に、本実施の形態では、瞬時の大きなd軸電流による磁界で可変磁力磁石3a〜3cを不可逆変化させる。この状態で不可逆減磁がほとんど生じないか、僅かの不可逆減磁が生じる範囲のd軸電流を連続的に流して運転する。このときのd軸電流は電流位相を進めて端子電圧を調整するように作用する。
また、大きなd軸電流で可変磁力磁石3の極性を反転させ、電流位相を進める運転制御方法を行う。このようにd軸電流で可変磁力磁石3の極性を反転させているので、端子電圧を低下させるような負のd軸電流を流しても、可変磁力磁石3にとっては減磁界ではなく増磁界となる。すなわち、負のd軸電流で可変磁力磁石3は減磁することなく、端子電圧の大きさを調整することができる。
一般の磁石モータでは磁石の極性は反転していないので電流位相を進めることによりd軸電流が増加すると、磁石が不可逆減磁する問題があるが、本実施の形態においては、可変磁力磁石3の極性を反転させて位相を進めることが可能である。
(1−2.基本的な作用)
つぎに、第1の実施の形態の作用について説明する。
本実施の形態では、固定子の電機子巻線に通電時間が0.1ms〜100ms程度の極短時間(本実施の形態では10ms)となるパルス的な電流を流して磁界を形成し、可変磁力磁石3に磁界を作用させる。可変磁力磁石3を磁化するための磁界を形成するパルス電流は固定子の電機子巻線のd軸電流成分とする。可変磁力磁石3と固定磁力磁石4の厚みはほぼ同等するとd軸電流による作用磁界による永久磁石の磁化状態変化は保磁力の大きさにより変る。
可変磁力磁石3と固定磁力磁石4の厚みはほぼ同等するとd軸電流による作用磁界による永久磁石の磁化状態変化は保磁力の大きさにより変わる。すなわち、作用磁界による永久磁石の磁化状態変化は、保磁力の大きさと永久磁石の厚みの積で概算する。前記のように本実施形態では、可変磁力磁石3a,3cの保磁力は300kA/m、可変磁力磁石3bの保磁力は200kA/m、固定磁力磁石4の保磁力は1000kA/mと設定されている。
この時、固定磁力磁石4の保磁力は、可変磁力磁石3a〜3cの保磁力の3〜5倍となる。従って、可変磁力磁石3a〜3cの磁力を可変できる電流では、固定磁力磁石4の磁力は変わらずに維持できる。これより、これらの磁石を並列に組み合わせて磁石を構成すると、固定磁力磁石4の磁力をベース分として維持して、可変磁力磁石3の磁力を変化させることにより、永久磁石の全鎖交磁束量を調整できる。
初めに磁石の磁化方向とは逆方向の磁界を発生する負のd軸電流を電機子巻線にパルス的に通電させる。負のd軸電流によって変化した磁石内の磁界が350kA/mになったとすると、可変磁力磁石3aの保磁力が300kA/mなので可変磁力磁石3a〜3cの磁力は不可逆的に大幅に低下する。一方、固定磁力磁石4の保磁力が1000kA/mなので磁力は不可逆的に低下しない。その結果、パルス的なd軸電流が0になると可変磁力磁石3のみが減磁した状態となり、全体の磁石による鎖交磁束量を減少することができる。
つぎに、永久磁石の磁化方向と同方向の磁界を発生する正のd軸電流を電機子巻線に通電する。可変磁力磁石3が着磁するために必要な磁界を発生させる。正のd軸電流によって変化した磁石内の磁界が350kA/mとすると、減磁していた可変磁力磁石3は着磁されて最大に磁力を発生する。一方、固定磁力磁石4の保磁力が1000kA/mなので磁力は不可逆的に変化しない。その結果、パルス的な正のd軸電流が0になると可変磁力磁石3のみが増磁した状態となり、全体の磁石による鎖交磁束量を増加することができる。これにより元の最大の鎖交磁束量に戻すことが可能となる。
以上のようにd軸電流による瞬時的な磁界を可変磁力磁石3と固定磁力磁石4に作用させることにより、可変磁力磁石3の磁力を不可逆的に変化させて、永久磁石の全鎖交磁束量を任意に変化させることが可能となる。
この場合、永久磁石式回転電機の最大トルク時には磁極の永久磁石の磁束が加え合わせになるように可変磁力磁石3を磁化させ、トルクの小さな軽負荷時や、中速回転域と高速回転域では、前記可変磁力磁石3は、電流による磁界で磁化させて磁束を減少させるか、極性を反転させることにより永久磁石の鎖交磁束量を減少させる。また、磁極の磁石を不可逆変化させて鎖交磁束を最小にした状態で回転子が最高回転速度になったときに、永久磁石による誘導起電圧が、回転電機の電源であるインバータ電子部品の耐電圧以下とする。
(1−3.直列配置の作用)
本実施の形態では、可変磁力磁石3として、可変磁力磁石3a〜3cを磁気的に直列に配置しているので、前記可変磁力磁石3の減磁及び増磁の際に、図2(a)で示した従来の単層の可変磁力磁石3とは異なる作用を有する。この点を図2(b)により説明する。
図2(b)は、磁化時の本実施の形態の可変磁力磁石3a〜3c中の磁界の分布図である。単層の可変磁力磁石3と同様にd軸電流によって可変磁力磁石3に作用させた磁界は、磁石内で均一な磁界に分布せず、可変磁力磁石3の上下部分の磁界は中心部に比べかなり高くなる。
しかし、本実施の形態では、図2(b)のように、上層部及び下層部に保磁力が300kA/mの可変磁力磁石3a,3cを配置し、中層部に保磁力に200kA/mの可変磁力磁石3bを配置する。これにより、d軸電流によって可変磁力磁石3の上層部及び下層部に強い磁界が作用するので、保磁力が300kA/mの可変磁力磁石3a,3cを磁化することができる。一方、可変磁力磁石3の中央部には比較的弱い磁界が作用するが、中層部に配置される可変磁力磁石3bは保磁力が200kA/mと保磁力が小さいので、比較的弱い磁界でも中層部を十分に磁化することができる。
(1−4.磁気障壁の作用)
固定磁力磁石4,4の外周部に設けられた磁気障壁の作用について、図3について述べる。磁気障壁となる空洞5,6は、可変磁力磁石3を積層した磁石の外周部になく、並列に配置した固定磁力磁石4,4の外周部に設けられている。固定磁力磁石4,4は磁気障壁があるので、d軸電流による磁界aは小さくなる。
一方、可変磁力磁石3を積層した磁石の周りには磁気障壁がないのでd軸電流により生じる磁界は高くできる。これより、d軸電流による磁界Aを効果的に可変磁力磁石3を積層した磁石に作用させることができる。また、d軸電流により増加する磁束に関しても、固定磁力磁石4,4を通る磁束量の増加を抑制できるので、鉄心の磁気飽和を緩和でき、可変磁力磁石3の磁化を変化させるためのd軸電流も低減できる。
また、図4に示すように、q軸磁束Bが磁石外周部の鉄心を横切るように分布するが、磁気障壁となる空洞5,6があるので磁路断面積が狭くなって磁気抵抗が高くなる。従って、q軸インダクタンスを小さくすることができ、端子電圧を下げることができる。
(1−5.短絡コイルの作用)
つぎに、図5により、短絡コイル8a,8bの作用について述べる。可変磁力磁石3と固定磁力磁石4は、回転子鉄心2内に埋め込まれて磁気回路を構成しているので、前記d軸電流による磁界は可変磁力磁石3のみでなく、固定磁力磁石4にも作用する。本来、前記d軸電流による磁界は可変磁力磁石3の磁化を変化させるために行う。
そこで、前記d軸電流による磁界が固定磁力磁石4,4に作用しないようにし、可変磁力磁石3に集中するようにすればよい。本実施の形態では、固定磁力磁石4,4の上側と下側に短絡コイル8を配置する。短絡コイルは固定磁力磁石4,4の磁化方向を中心軸として配置する。前記d軸電流による磁界が固定磁力磁石4,4に作用すると、前記磁界を打ち消すような誘導電流が短絡コイル8a,8bに流れる。従って、固定磁力磁石4,4中には前記d軸電流による磁界と短絡電流による磁界で、磁界の増減はほとんど生じない。さらに短絡電流による磁界は可変磁力磁石3にも作用し、d軸電流による磁界と同方向になる。
従って、可変磁力磁石3を磁化させる磁界が強まり、少ないd軸電流で可変磁力磁石3を磁化できることになる。この場合、本実施の形態では、短絡コイル8a,8bにより発生する磁界は、可変磁力磁石3の上下層に強く加わり、中層部には余り加わらないが、本実施の形態のでは、中層部の可変磁力磁石3bは保磁力が弱い磁石で構成されているため、磁化の不均一が生じることがない。また、短絡コイルにより固定磁力磁石4,4は前記d軸電流の影響を受けず、磁束の増加はほとんど生じないので、前記d軸電流による電機子鉄心の磁気飽和も緩和できる。
なお、固定磁力磁石4,4の下面(回転子の内周側)に、前記短絡コイル8bに代えて導電性の板を設けることもできる。導電性の板として、銅板またはアルミ板を使用することが好ましい。また、導電性の板は、固定磁力磁石4,4の下面に限らず、上面(回転子の外周側)に配置しても良いが、上面に設けると、電流高調波やスロット高調波で導電性板に誘導電流が生じて前記高調波を低減できるメリットがある。
このような構成では、磁化電流によって発生した磁界が導電性の板に加わると、導電性の板の表面には誘導電流(渦電流)が発生し、それによって、前記短絡コイル8a,8bと同様な磁界が発生する。その磁界により、固定磁力磁石4,4中には前記d軸電流による磁界と短絡電流による磁界で、磁界の増減はほとんど生じない。さらに短絡電流による磁界は可変磁力磁石3にも作用し、d軸電流による磁界と同方向になる。同時に、電機子鉄心11の磁気飽和を緩和する作用も発揮される。
(1−6.エアギャップ長の作用)
第1の実施の形態では、図1に示すように、固定磁力磁石4が配置された近傍のエアギャップ長L1は、可変磁力磁石3が配置された近傍のエアギャップ長L2よりも長くした構成とする。
本実施の形態では、d軸電流による磁界は可変磁力磁石3に作用させることを目的としているが、漏れ磁界も生じる。そのため、本実施の形態ではq軸近傍のエアギャップ長L2をd軸近傍のエアギャップ長L1よりも大きくしている。すなわち、エアギャップ長は可変磁力磁石3が配置された近傍で短くなっているので、エアギャップ部分の磁気抵抗が小さくなる。
従って、磁石を磁化させるためのd軸電流による磁界は、d軸部に配置された可変磁力磁石3に集中させることができ、同時に高い磁界を作用させることができ、少ないd軸電流で可変磁力磁石3を効果的に磁化できる。また、q軸側の磁気抵抗が大きくできるので、回転電機のインダクタンスを低減でき、力率を向上できる。他の実施例として、q軸方向の磁気抵抗を大きくするような非磁性部分を回転子鉄心内に設けてもよい。
(1−7.効果)
以上のような構成並びに作用を有する本実施の形態においては、次の効果が得られる。
(1)d軸電流によって可変磁力磁石3の中央部の可変磁力磁石3bにかかる磁界が、その上層部及び下層部の可変磁力磁石3a,3cに比べて弱くても、可変磁力磁石3の中央部分の磁化を確実に行うことができるので、鎖交磁束の変化量を大きくすることができる。すなわち、d軸電流で可変磁力磁石3を不可逆的に変化させた場合の鎖交磁束量は、可変磁力磁石3と固定磁力磁石4,4を合わせた全鎖交磁束量とすることができる。
(2)永久磁石の全鎖交磁束量の調整は回転電機の電圧を広範囲に調整することを可能とし、また、着磁は極短時間のパルス的な電流で行うことにより、常時弱め磁束電流を流し続ける必要もないので損失を大幅に低減できる。また、従来のように弱め磁束制御を行う必要がないので高調波磁束による高調波鉄損も発生しない。以上により、本実施の形態の回転電機は、高出力で低速から高速までの広範囲の可変速運転を可能とし、広い運転範囲において高効率も可能となる。
(3)永久磁石による誘導電圧に関しては、可変磁力磁石3を負のd軸電流で着磁して永久磁石の全鎖交磁束量を小さくできるので、永久磁石の誘導電圧によるインバータ電子部品の破損がなくなり、信頼性が向上する。
(4)回転電機が無負荷で連れ回される状態では、可変磁力磁石3を負のd軸電流で着磁して永久磁石の全鎖交磁束量を小さくできる。これより、誘導電圧は著しく低くなり、誘導電圧を下げるための弱め磁束電流を常時通電する必要がほとんどなくなり、総合効率が向上する。特に惰行運転時間が長くなる通勤電車に本実施の形態の回転電機を搭載して駆動すると、総合運転効率は大幅に向上する。
(2.第2の実施の形態)
(2−1.構成)
本発明の第2の実施の形態について、図6を用いて説明する。
本発明の第2の実施の形態の構成は、第1の実施の形態の可変磁力磁石3として積層する永久磁石の種類を変えたものである。すなわち、第1の実施形態の可変磁力磁石3a〜3cの代りに、上層部に保磁力が強い可変磁力磁石3aを配置し、中層部に保磁力が可変磁力磁石3aより弱い可変磁力磁石3bを配置し、下層部に可変磁力磁石3aの3倍〜5倍の保磁力の固定磁力磁石4’を配置した。してなる複合磁石を使用する。
すなわち、可変磁力磁石3a,3bと固定磁力磁石4’の磁化方向を同じくして、磁気的に直列に配置する。一方、可変磁力磁石3a,3bと固定磁力磁石4’を直列に積層した磁石の両側に、固定磁力磁石4,4を磁化方向がd軸方向となる位置で配置する。この横に配置した固定磁力磁石4,4は、前記直列に重ねた磁石に対して、磁気回路上で並列回路を構成する。すなわち、磁気回路上では、可変磁力磁石3a,3bに対して、直列に固定磁力磁石4’を、並列に固定磁力磁石4,4を配置する。可変磁力磁石3a,3bはサマリウムコバルト磁石またはアルニコ磁石とし、固定磁力磁石4,4’は、NdFeB磁石とすることができる。また、各磁石の保磁力は、前記第1の実施の形態と等しく設定する。
(2−2.直列配置の作用)
本実施の形態では、複数の磁石を磁気的に直列に配置しているので、複合磁石の減磁及び増磁の際に、前記特許文献1の永久磁石式回転電機とは異なる作用を有する。この点を図7〜13により説明する。
図7は、減磁前の最大の鎖交磁束量を得ている場合の図である。この場合、2種類の可変磁力磁石3a,3bと固定磁力磁石4’の磁化方向は同一であるため、3つの永久磁石3a,3b,4’の磁束が加え合わせになって、最大の磁束量が得られる。
図8は、減磁時の状態を示すもので、電機子巻線によりd軸方向から2種類の可変磁力磁石3a,3bと固定磁力磁石4’の磁化方向とは逆方向の磁界を発生する負のd軸電流を電機子巻線にパルス的に通電させる。負のd軸電流によって変化した磁石内の磁界が350kA/mになったとすると、保磁力の強い可変磁力磁石3aの保磁力が300kA/mなので可変磁力磁石3a,3bの磁力は不可逆的に大幅に低下する。この場合、可変磁力磁石3a,3bには、それに積層した固定磁力磁石4’からの磁界が加わる。これが減磁のためのd軸方向から加わる磁界と打ち消し合うことになるため、その分大きな磁化電流が必要となるが、減磁のための磁化電流は増磁時に比較して少なくて済むので、磁化電流の増加は少ない。
図9は、負のd軸電流により逆磁界での可変磁力磁石3a,3bの磁力が減少した状態を示すものである。可変磁力磁石3の磁力は不可逆的に大幅に低下するが、固定磁力磁石4’の保磁力が1000kA/mなので磁力は不可逆的に低下しない。その結果、パルス的なd軸電流が0になると可変磁力磁石3a,3bのみが減磁した状態となり、全体の磁石による鎖交磁束量を減少することができる。
図10は、負のd軸電流により逆磁界での可変磁力磁石3a,3bの磁力が逆方向に磁化し、全体の磁石による鎖交磁束が最小になった状態を示すものである。負のd軸電流の大きさの可変磁力磁石3aが着磁するために必要な350kA/mの磁界を発生しているならば、減磁していた可変磁力磁石3aは着磁されて磁力を発生する。この時、複合磁石の中央部にかかる磁界は、350kA/m以下になる。しかし、中央部に配置された可変磁力磁石3bの保磁力は、200kA/mであり、着磁に必要な磁界の強さも低くなるので、可変磁力磁石3bも着磁されて磁力を発生する。この場合、可変磁力磁石3a,3bと固定磁力磁石4’の磁化方向が逆であるため、両方の永久磁石の磁束が減算され磁束が最小となる。
図11は、負のd軸電流で極性が反転した可変磁力磁石3a,3bの磁力を減少させるために磁界を発生させた状態を示すものである。固定磁力磁石4’の磁化方向の磁界を発生する正のd軸電流を電機子巻線にパルス的に通電させる。正のd軸電流によって変化した磁石内の磁界の極性が反転した可変磁力磁石3a,3bの磁力を不可逆的に大幅に低下する。この場合、可変磁力磁石3に積層されている固定磁力磁石4’からの磁界が磁化電流による磁界と加え合わせになる(固定磁力磁石4’からバイアス的な磁界が可変磁力磁石3に作用する)ため、可変磁力磁石3a,3bの減磁が容易に行われる。
図12は、正のd軸電流による磁界で極性反転した可変磁力磁石3a,3bの磁力が減少した状態を示すものである。可変磁力磁石3の磁力を不可逆的に低下させる正のd軸電流による磁界には、固定磁力磁石4’による磁界も加わっている。そのため、通常は大きな磁化電流を必要とする時においても、固定磁力磁石4’の作用により、磁化電流の増大を抑止できる。
図13は、正のd軸電流により可変磁力磁石3a,3bが逆方向に磁化(極性が再度反転)し、全体の磁石による鎖交磁束が最大になった状態を示すものである。可変磁力磁石3a,3bと固定磁力磁石4’の磁化方向は同一であるため、両方の永久磁石の磁束が加え合わせになって、最大の磁束量が得られる。
(2−3.可変磁力磁石の作用)
次に、可変磁力磁石3の作用について述べる。図14は、代表的な磁石であるNdFeB磁石及びアルニコ磁石と、保磁力が300kA/mと200kA/mのサマリウムコバルト磁石の磁気特性(保磁力と磁束密度との関係)を示したグラフである。本実施の形態では、固定磁力磁石4,4’としてはNdFeB磁石を使用し、可変磁力磁石3a〜3cとして、保磁力が300kA/mと200kA/mのサマリウムコバルト磁石を使用する。
可変磁力磁石3a,3bは、低保磁力であっても、可変磁力磁石3a,3bのみの状態のときは高磁束密度であるが、固定磁力磁石4を並列に配置した状態では、その作用で可変磁力磁石3a,3bの動作点は低下し、その磁束密度が低下する。これに対して、可変磁力磁石3と固定磁力磁石4’を直列に積層した状態では、直列に積層した固定磁力磁石4’の作用で、可変磁力磁石3の磁石の動作点は上昇し、磁束密度が上昇する。
すなわち、低保磁力で高磁束密度の磁石である可変磁力磁石3a,3bの動作点は、可変磁力磁石3a,3bのみの状態では高磁束密度側(図14のA,B)にあるが、固定磁力磁石4,4を並列に配置した状態では低磁束密度側(図14のA’,B’)に低下する。しかし、本実施の形態のように、可変磁力磁石3と固定磁力磁石4’を直列に積層した状態では、並列に配置された固定磁力磁石4,4と、直列に配置された固定磁力磁石4’の磁界の向きが逆方向であるため、両者の磁界は相殺され、可変磁力磁石3の動作点は高磁束密度側(図14のA”,B”)に移動する。
このグラフから分かるように、可変磁力磁石3a,3bを単独で使用した場合には、動作点A,B点から磁束密度を下げるためには、その保磁力に打ち勝つだけの磁力を電機子巻線のd軸電流による磁界で発生させる必要があり、大きなd軸電流が必要となる。しかし、本実施の形態のように、並列に配置された固定磁力磁石4,4と、直列に配置された固定磁力磁石4’によって、可変磁力磁石3の動作点は図中A”に移動することになるので、磁界の強さをわずかに変化するだけでその磁束密度が急激に低下することになる。これにより、電機子巻線のd軸電流により逆磁界で可変磁力磁石3の磁力が減少した場合に、その磁束密度の変化を大きくすることができるので、少ないd軸電流によって、磁極内に配置された永久磁石全体による鎖交磁束量を大きく変化させることができる。
また、アルニコ磁石もサマリウムコバルト磁石と同じ磁束特性の150kA/mの低保磁力で高磁束密度の可変磁石である。したがって、可変磁力磁石3として、可変磁力磁石3a〜3cを三層に積層する場合や、可変磁力磁石3a,3bと固定磁力磁石4’を積層する場合の中層の可変磁力磁石3bとして使用することができる。可変磁力磁石3bとしてアルニコ磁石を使用した場合でも、磁界の強さをわずかに変化するだけでその磁束密度が急激に低下する。
(2−4.効果)
以上のような構成並びに作用を有する本実施の形態においては、次の効果が得られる。
(1)可変磁力磁石の磁気特性上の動作点を高い位置から低い位置まで変化させることができるので、永久磁石の全鎖交磁束量を広い範囲で変化させることができる。さらにd軸電流によって可変磁力磁石3の中央部にかかる磁界が、上層部及び下層部に比べて弱くても、可変磁力磁石3の中央部分の磁化を確実に行うことができるので、鎖交磁束の変化量を大きくすることができる。すなわち、d軸電流で可変磁力磁石3を不可逆的に変化させた場合の鎖交磁束量は、可変磁力磁石3a,3bと固定磁力磁石4’と固定磁力磁石4,4を合わせた全鎖交磁束量とすることができる。
(2)増磁時の磁化電流の増加を抑止できるので、永久磁石式回転電機を駆動するためのインバータの大型化を必要とせず、現状のインバータをそのまま使用して、運転の効率化が可能となる。
(3)本回転電機の永久磁石の全鎖交磁束が最大にした状態において、可変磁力磁石の磁気特性上の動作点を高くできるので(磁束密度が高くなる)、可変磁力磁石の磁束量を大きくできるので、最大トルクを増加できる。
(3.第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態について、図15を用いて説明する。
本実施の形態は、図15のように、1つの固定磁力磁石4を磁化方向がd軸方向(ここでは、ほぼ回転子の半径方向)となる位置(回転子の磁極中心軸)となるように、回転子鉄心2内に配置する。一方、可変磁力磁石3a,3bと固定磁力磁石4’を直列に重ねた複合磁石を固定磁力磁石4の両側に、磁化方向がd軸方向となる位置で配置する。この両側に配置した可変磁力磁石3a,3bと固定磁力磁石4’を積層した複合磁石は、前記磁極中心部の固定磁力磁石4に対して、磁気回路上で並列回路を構成する。
なお、複合磁石及び固定磁力磁石を構成する各磁石の保磁力は、前記第2の実施の形態と同様なものとする。
以上のような構成を有する本実施の形態では、前記の実施の形態と同様な作用効果に加えて、磁極に対して左右に可変磁力磁石3a,3bと固定磁力磁石4’を積層した磁石が配置されるので、左右の片側ずつ2回に分けて可変磁力磁石3の磁化が可能になる。その結果、可変磁力磁石3a,3bの極性変化を妨げることになる固定磁力磁石4は、並列に配置された1つだけになる。すなわち、固定磁力磁石4が2つ配置された前記実施の形態に比べ、可変磁力磁石3の極性変化を妨げる固定磁力磁石4による磁界を小さくできるので、可変磁力磁石3の磁力を変化させるときに要する磁化電流(d軸電流)を低減することができる。
また、電機子巻線が集中巻の巻線や分数溝巻線などの特殊な巻線構造では、固定子と回転子の幾何的位置が磁極ごとにずれているので、分割して磁化することにより可変磁力磁石3の磁化が可能となる。
(4.第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態について、図16を用いて説明する。
本実施の形態は、図16のように、第1の実施の形態で使用した可変磁力磁石3a〜3cの両側に固定磁力磁石4b,4bを並べて回転子の第1の磁極を構成する。一方、前記第1の磁極と隣接して、固定磁力磁石4aを配置して第2の磁極を構成する。これら隣接する第1と第2の磁極における固定磁力磁石4a,4bの極性は、回転子の外周側及び内周側でそれぞれ異なった極性となるように配置する。
すなわち、可変磁力磁石3a〜3cの両側に固定磁力磁石4b,4bを配置した第1の磁極と、この第1の磁極の両側に配置され、第1の磁極の固定磁力磁石4b,4bとはその極性が異なる固定磁力磁石4aを用いて構成された第2の磁極とから、回転子の磁極が形成される。また、第1の磁極内では、可変磁力磁石3a〜3cと固定磁力磁石4b,4bが磁気回路上で並列に配置され、第1の磁極の可変磁力磁石3a〜3cと第2の磁極に配置された固定磁力磁石4aが磁気回路上で直列に配置される。
以上のような構成を有する本実施の形態では、可変磁力磁石3a〜3cは回転子の1つの極内では、固定磁力磁石と直列に配置されていない。しかし、可変磁力磁石3a〜3cは隣接する極の固定磁力磁石4aの磁界の影響を受けるので、前記実施の形態のように固定磁力磁石4aを積層した場合と同様の効果を得ることができる。すなわち、隣接する回転子の極の固定磁力磁石4aの磁界は、可変磁力磁石3内部では、可変磁力磁石3a〜3cに対して並列に配置された固定磁力磁石4b,4bの磁界とは逆方向であり、互いに相殺するように作用する。これにより、可変磁力磁石3a〜3cを不可逆減磁させた状態から増磁させて元の極性に戻す場合に、変化を妨げるような隣接する固定磁力磁石4b,4bによる磁界を小さくできるので、可変磁力磁石3a〜3cの磁力を変化させるときに要する磁化電流(d軸電流)を低減できる。
本実施形態においても、d軸電流によって可変磁力磁石3の上層部及び下層部に強い磁界が作用するので、保磁力が300kA/mの可変磁力磁石3a,3cを磁化することができる。一方、可変磁力磁石3の中央部には弱い磁界が作用するが、中層部に配置される可変磁力磁石3bは保磁力が200kA/mと保磁力が小さいので、十分に磁化することができる。
(5.他の実施の形態)
本発明は、前記の各実施の形態に限定されるものではなく、つぎのような他の実施の形態も包含する。
(1)前記の可変磁力磁石は、保磁力の異なる可変磁力磁石を3層、あるいは保磁力の異なる可変磁力磁石を2層と固定磁力磁石を1層積層した複合磁石としたが、積層数はこれに限定されるものではなく、4層以上とすることもできる。また、磁気障壁や短絡コイルの配置により、可変磁力磁石に加わる磁束の強度を調整した場合には、調整された強度に合わせて、保磁力の強い可変磁力磁石と保磁力の弱い可変磁力磁石との配置を、可変磁力磁石に加わる磁束の強度に合わせて変更することも可能である。
(2)保磁力の弱い可変磁力磁石としては、実施の形態に記載した保磁力の弱いサマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石以外に、フェライト磁石を使用することも可能である。さらに低保磁力化したNdFeB磁石や他の低保磁力の磁石も適用できる。
(3)前記各実施の形態では4極の回転電機を示したが、8極等の多極の回転電機にも本発明を適用できるのは当然である。極数に応じて永久磁石の配置位置、形状が幾分変ることはもちろんであり、作用と効果は同様に得られる。
(4)磁極を形成する永久磁石において、保磁力と磁化方向の厚みの積をもって永久磁石を区別する定義をしている。従って、磁極は同じ種類の永久磁石で形成し、磁化方向厚みを異なるように形成しても同様な作用と効果が得られる。
(5)前記回転子鉄心2において、固定磁力磁石の外周側に磁気障壁を構成するために設ける空洞の形状や位置、また、固定磁力磁石の内周側にその磁路断面積を決定するために設ける空洞の位置などは、使用する永久磁石の保磁力や磁化電流によって生じる磁界の強さなどに応じて、適宜変更できる。
(6)運転時に極短時間のパルス的なd軸電流による磁界で永久磁石を磁化させて永久磁石の磁束量を不可逆的に変化させ、かつ、全磁石の誘起電圧に対して位相を進めた電流を連続的に通電させて、電流と永久磁石で生じる電機子巻線の鎖交磁束量を変化させる。
すなわち、パルス電流で永久磁石の磁束量を減少させ、さらに電流位相を進めると、磁石磁束に対して逆方向の電流で生じる磁束が発生するので、これを相殺して、全鎖交磁束を減少でき、端子電圧を低下させることができる。なお、電流位相を進めることは負のd軸電流成分を流していることと等価である。
このような電流位相進み制御においては、電流位相を進めるとd軸電流が流れて磁石は減磁して幾分磁束量は減る。しかし、パルス電流で大きく減磁させているので、磁束量の低下は比率的には小さい利点がある。
(7)回転子を固定子に挿入して組み立てる時は、保磁力と磁化方向厚の積が小さな永久磁石を減磁するか、極性を反転させることにより永久磁石の鎖交磁束量を減少させた状態とすることができる。それにより、組立作業を容易に行うことができる。
本発明の第1の実施の形態における回転子と固定子の断面図 回転子内の可変磁力磁石を磁化したときの磁界分布を示した断面図 第1の実施の形態における減磁時の状態を示す断面図 本発明における磁気障壁とq軸磁束との関係を示す断面図 本発明における短絡コイルの作用を示す断面図 本発明の第2の実施の形態における回転子と固定子の断面図 第2の実施の磁石の鎖交磁束が最大の状態を示す断面図 第2の実施のコイルの電流で可変磁力磁石の磁力減少させる磁界を発生させ た状態を示す断面図 第2の実施の電流による逆磁界で可変磁力磁石の磁力が減少した状態を示す 断面図 第2の実施の電流による逆磁界で可変磁力磁石が逆方向に磁化し、磁石の 鎖交磁束が最小の状態を示す断面図 第2の実施のコイルの電流で極性反転した可変磁力磁石の磁力を減少させ る磁界を発生させた状態を示す断面図 第2の実施の電流による磁界で極性反転した可変磁力磁石の磁力を減少さ せた状態を示す断面図 第2の実施の電流による逆磁界で可変磁力磁石が逆方向に磁化し、磁石の 鎖交磁束が最大の状態を示す断面図 低保磁力磁石の動作点変化と代表的磁石の磁気特性を示す図 本発明の第3の実施の形態の構成を示す模式図 本発明の第4の実施の形態の構成を示す模式図 特許文献1に記載の回転子の断面図 特許文献1に記載の回転子の作用を示す模式図
符号の説明
1…回転子
2…回転子鉄心
3,3a〜3c…可変磁力磁石
4,4’,4a,4b…固定磁力磁石
5…空洞(磁気障壁)
6…永久磁石端の空洞(磁気障壁)
7…磁極部
8a,8b…短絡コイル

Claims (18)

  1. 保磁力と磁化方向厚の積が異なる2種類以上の永久磁石を用いて回転子の磁極を形成し、電機子巻線の電流が作る磁界により、前記2種類以上の永久磁石のうち、保磁力と磁化方向厚の積が小の永久磁石を磁化させて、磁極を構成する永久磁石の磁束量を不可逆的に変化させる永久磁石回転電機において、
    磁力と磁化方向厚の積の値が異なる複数の永久磁石を積層して複合磁石を構成し、
    この複合磁石の中央部に位置する永久磁石の保磁力と磁化方向厚の積の値が、複合磁石の上層部または下層部の少なくとも一方に位置する永久磁石の保磁力と磁化方向厚の積の値よりも小さく設定されており、
    電機子巻線の電流が作る磁界により磁化させる前記保磁力と磁化方向厚の積が小の永久磁石を、前記複合磁石としたこと
    を特徴とする永久磁石式回転電機。
  2. 前記複合磁石が、保磁力と磁化方向厚の積が小の永久磁石を少なくとも3層積層したものであり、
    複合磁石の中央部に位置する永久磁石の保磁力と磁化方向厚の積の値が、複合磁石の上下層部に位置する永久磁石の保磁力と磁化方向厚の積の値よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石式回転電機。
  3. 前記複合磁石に対して、保磁力と磁化方向厚の積が大の永久磁石が積層され、
    複合磁石の中央部に位置する永久磁石の保磁力と磁化方向厚の積の値が、複合磁石の他の永久磁石の保磁力と磁化方向厚の積の値よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石式回転電機。
  4. 前記回転子の同一磁極において、前記複合磁石と、保磁力と磁化方向厚の積が大の永久磁石を磁気回路上で直列と並列に配置したものであって
    前記磁極の中央部に前記複合磁石を配置し、その両側に保磁力と磁化方向厚の積が大の永久磁石を配置したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の永久磁石式回転電機。
  5. 前記回転子の同一磁極において、前記複合磁石と、保磁力と磁化方向厚の積が大の永久磁石を磁気回路上で直列と並列に配置し、
    前記磁極の中央部に保磁力と磁化方向厚の積が大の永久磁石を配置し、磁極間側に複合磁石を配置したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の永久磁石式回転電機。
  6. 前記回転子の磁極を、保磁力と磁化方向厚の積が大の永久磁石で構成される磁極と、前記複合磁石と保磁力と磁化方向厚の積が大の永久磁石とで構成される磁極から構成し、
    保磁力と磁化方向厚の積が大の永久磁石で構成される磁極の永久磁石と、前記複合磁石と保磁力と磁化方向厚の積が大の永久磁石とで構成される磁極の複合磁石とを磁気回路的に直列に接続したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の永久磁石式回転電機。
  7. 電機子巻線の電流が作る磁界により複合磁石を磁化させて永久磁石による鎖交磁束を不可逆的に減少させ、また減少後に電流による磁界を前記と逆方向に発生させて前記複合磁石を磁化させて鎖交磁束量を不可逆的に増加させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の永久磁石式回転電機。
  8. d軸電流による磁界で複合磁石を磁化させてその磁束量を不可逆的に変化させ、複合磁石を磁化するd軸電流を流すと同時にq軸電流によりトルクを制御することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の永久磁石式回転電機。
  9. 運転時にd軸電流による磁界で複合磁石を磁化させて永久磁石の磁束量を不可逆的に変化させる動作、d軸電流で生じる磁束により電流と永久磁石で生じる電機子巻線の鎖交磁束量をほぼ可逆的に変化させる動作を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の永久磁石式回転電機。
  10. 最大トルク時には永久磁石の全鎖交磁束が大となるように複合磁石を磁化させ、トルクの小さな軽負荷時や、中速回転域と高速回転域では、前記複合磁石は、電流による磁界で磁化させて、永久磁石の全鎖交磁束を減少させることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の永久磁石式回転電機。
  11. 磁気回路上で並列に配置する磁石はほぼ一直線上か、V字上に配置されることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の永久磁石式回転電機。
  12. 磁気回路上で並列に配置する磁石において、磁極の側面のほぼq軸上に配置される永久磁石と、磁極の中央部に配置される永久磁石から構成されることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の永久磁石式回転電機。
  13. 保磁力と磁化方向厚の積が大の永久磁石の磁路中に磁気抵抗が大きくなる部分を設けることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の永久磁石式回転電機。
  14. 回転子に設けられた保磁力と磁化方向厚の積が大の永久磁石に、その磁化方向と直交する方向に短絡コイルを設けることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の永久磁石式回転電機。
  15. q軸方向の磁気抵抗が磁石部を除くq軸方向の磁気抵抗よりも大きくすることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の永久磁石式回転電機。
  16. q軸方向のエアギャップ長はd軸方向のエアギャップ長よりも大きくすることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の永久磁石式回転電機。
  17. 磁極の永久磁石を不可逆変化させて鎖交磁束を最小にした状態で回転子が最高回転速度になったときに、永久磁石による誘導起電圧が、回転電機の電源であるインバータ電子部品の耐電圧以下とすることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の永久磁石式回転電機。
  18. 回転子を固定子に挿入して組み立てる時は、保磁力と磁化方向厚の積が小さな永久磁石を減磁するか、極性を反転させることにより永久磁石の鎖交磁束量を減少させた状態とすることを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の永久磁石式回転電機。
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