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JP5178487B2 - 永久磁石式回転電機 - Google Patents

永久磁石式回転電機 Download PDF

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JP5178487B2
JP5178487B2 JP2008320138A JP2008320138A JP5178487B2 JP 5178487 B2 JP5178487 B2 JP 5178487B2 JP 2008320138 A JP2008320138 A JP 2008320138A JP 2008320138 A JP2008320138 A JP 2008320138A JP 5178487 B2 JP5178487 B2 JP 5178487B2
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Description

本発明は、回転子内部に導電板を内蔵した永久磁石式回転電機に関する。
回転子内に永久磁石を内蔵した永久磁石式回転電機では、永久磁石の鎖交磁束が常に一定の強さで発生しているので、永久磁石による誘導電圧は回転速度に比例して高くなる。そのため、低速から高速まで可変速運転する場合、高速回転では永久磁石による誘導電圧(逆起電圧)が極めて高くなる。永久磁石による誘導電圧がインバータの電子部品に印加されてその耐電圧以上になると、電子部品が絶縁破壊する。そのため、永久磁石の磁束量が耐電圧以下になるように削減された設計を行うことが考えられるが、その場合には永久磁石式回転電機の低速域での出力及び効率が低下する。
そこで、回転子内に、固定子巻線のd軸電流で作る磁界により不可逆的に磁束密度が変化する程度の低保磁力の永久磁石(以下、可変磁力磁石という)と、可変磁力磁石の2倍以上の保磁力を有する高保磁力の永久磁石(以下、固定磁力磁石という)を配置し、電源電圧の最大電圧以上となる高速回転域では、可変磁力磁石と固定磁力磁石による全鎖交磁束が減じるように、全鎖交磁束量を調整する技術が提案されている。(特許文献1、特許文献2参照)
なお、永久磁石の磁束量は、保磁力と磁化方向厚の積によって決定されるため、実際に回転子鉄心内に可変磁力磁石と固定磁力磁石とを組み込む場合には、可変磁力磁石としては保磁力と磁化方向厚の積が小の永久磁石を、固定磁力磁石としては保磁力と磁化方向厚の積が大の永久磁石を使用する。また、一般に、可変磁力磁石としては、アルニコ磁石やサマリウムコバルト磁石(サマコバ磁石)、フェライト磁石を使用し、固定磁力磁石としてはネオジム磁石(NdFeB磁石)を使用する。
特開2006−280195号公報 特開2008−48514号公報
ところで、この種の永久磁石式回転電機において、高速回転域でいったん減磁した可変磁力磁石を増磁する場合に、可変磁力磁石に近接配置した固定磁力磁石の磁界が、d軸電流が作る増磁用の磁界の妨げとなり、その分増磁のためのd軸電流(磁化電流)が増大する現象がある。
本発明は前記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであって、その目的は、固定磁力磁石の近傍に導電板を配置し、この導電板を貫通するd軸電流による磁界によって導電板に誘導電流を発生させ、その誘導電流により前記固定磁力磁石に発生する磁界を打ち消すことにより、増磁時のd軸電流の増加を押さえた永久磁石式回転電機を提供することにある。
本発明は、前記回転子鉄心とは別に、導電性を有するよう形成された導電板を不可逆的に変化させる永久磁石を除いた他の永久磁石の磁路部分、あるいは、他の永久磁石の磁化方向を中心軸として前記他の永久磁石の周囲に隣接するように設け、前記電機子巻線に磁化電流を通電させて、その磁束で前記導電板に短絡電流を発生させ、この短絡電流によって磁化電流による磁界と反対方向の磁力を有する磁界を発生させることを特徴とする。特に、本発明において、固定磁力磁石の上下、周囲、全表面、あるいは磁束が漏れる磁路部分であるブロック部導電板を設けることもできる。
以上のような構成を有する本発明によれば、導電板に誘導電流を発生させ、その誘導電流により前記固定磁力磁石に発生する磁界を打ち消すことにより、増磁時のd軸電流の増加を押さえることができるので、回転子の磁極の減磁時および増磁時の磁化電流の増加を抑止できるので、回転機の効率化を達成することができる。
以下、本発明に係る永久磁石式型回転電機の各実施形態について、図1〜18を参照して説明する。本実施形態の回転電機は12極の場合で説明しており、他の極数でも同様に適用できる。
(1.第1の実施形態)
(1−1.構成)
本発明の第1の実施形態について、図1〜図3を用いて説明する。図1は本実施形態の永久磁石式回転電機の回転軸と直交する方向の断面図で、減磁時の磁束の方向を示す図、図2は同じく増磁時の磁束の方向を示す図、図3は増磁時の磁束の方向を示す固定磁力磁石4と導電板8部分の斜視図である。
本発明の第1の実施形態の回転子1は、図1に示すように回転子鉄心2、保磁力と磁化方向厚みの積が小となる永久磁石3(以下、可変磁力磁石という)、保磁力と磁化方向厚の積が大となる永久磁石(以下、固定磁力磁石という)4,4から構成する。回転子鉄心2は珪素鋼板を積層して構成し、前記の可変磁力磁石3及び固定磁力磁石4,4は回転子鉄心2内に埋め込む。回転子鉄心2内を通過する磁束が可変磁力磁石3と固定磁力磁石4の厚さ方向に通過するように、可変磁力磁石3と固定磁力磁石4の端部に磁気障壁となる空洞5を設ける。
本実施形態では、可変磁力磁石3はフェライト磁石またはアルニコ磁石とし、この実施形態ではフェライト磁石を使用した。固定磁力磁石4は、NdFeB磁石を使用した。この可変磁力磁石の保磁力は280kA/mとし、固定磁力磁石の保磁力は1000kA/mとする。可変磁力磁石3は磁極中央のd軸に沿って回転子鉄心2内に配置し、その磁化方向はほぼ周方向である。固定磁力磁石4は磁化方向がd軸方向に対して所定の角度を持つように、前記可変磁力磁石3の両側の回転子鉄心2内に配置する。
前記回転子鉄心2内に埋め込まれた固定磁力磁石4の上側及び下側の全面を覆うように薄い板状の導電板8を配置する。この導電板8は、固定磁力磁石4と共に電機子巻線にd軸電流を通電させた場合に発生する磁束が貫通するもので、その際、平板状の導電板8の表面には渦巻き状に巡回する短絡電流が発生する。すなわち、導電板8は、可変磁力磁石3の磁化が変化する程度の短絡電流が1秒以内に流れ、その後1秒以内にその短絡電流を50%以上減衰させるものであることが好ましい。また、導電板8のインダクタンス値と抵抗値を、可変磁力磁石3の磁化が変化する程度の短絡電流が流れるような値とすると、効率が良い。
前記回転子2の外周には、エアギャップ9を介して固定子10を設ける。この固定子10は、電機子鉄心11と電機子巻線12とを有する。この電機子巻線12に流れる磁化電流により、導電板8には誘導電流が誘起され、その誘導電流によって導電板8を貫通する磁束が形成される。
また、この電機子巻線12に流れる磁化電流により、可変磁力磁石3の磁化方向が可逆的に変化する。すなわち、可変磁力磁石と固定磁力磁石に対しては、永久磁石式回転電機の運転時において、d軸電流による磁界で永久磁石3を磁化させて可変磁力磁石3の磁束量を不可逆的に変化させる。その場合、可変磁力磁石3を磁化するd軸電流を流すと同時にq軸電流により回転電機のトルクを制御する。
また、d軸電流で生じる磁束により、電流(q軸電流とd軸電流とを合成した全電流)と可変磁力磁石と固定磁力磁石とで生じる電機子巻線の鎖交磁束量(回転電機の全電流によって電機子巻線に生じる磁束と、回転子側の可変磁力磁石と固定磁力磁石とによって生じる磁束とから構成される電機子巻線全体の鎖交磁束量)をほぼ可逆的に変化させる。
特に、本実施形態では、瞬時の大きなd軸電流による磁界で可変磁力磁石3を不可逆変化させる。この状態で不可逆減磁がほとんど生じないか、僅かの不可逆減磁が生じる範囲のd軸電流を連続的に流して運転する。このときのd軸電流は電流位相を進めて端子電圧を調整するように作用する。すなわち、大きなd軸電流で可変用磁石3の極性を反転させ、電流位相を進める運転制御方法を行う。このようにd軸電流で可変用磁石3の極性を反転させているので、端子電圧を低下させるような負のd軸電流を流しても、可変用磁石3にとっては減磁界ではなく増磁界となる。すなわち、負のd軸電流で可変用磁石3は減磁することなく、端子電圧の大きさを調整することができる。
(1−2.基本的な作用)
次に、前記のような構成を有する本実施形態の永久磁石式回転電機における増磁時と減磁時の作用について説明する。なお、各図中に、電機子巻線12や導電板8によって発生した磁力の方向を矢印により示す。
本実施形態では、固定子10の電機子巻線12に通電時間が0.1ms〜100ms程度の極短時間となるパルス的な電流を流して磁界を形成し、可変磁力磁石3に磁界Aを作用させる(図1参照)。永久磁石を磁化するための磁界Aを形成するパルス電流は、固定子10の電機子巻線12のd軸電流成分とする。この時、可変磁力磁石3以外に作用する磁界A1も前記パルス電流によって作られる。
2種類の永久磁石の厚みはほぼ同等するとd軸電流による作用磁界による永久磁石の磁化状態変化は保磁力の大きさにより変る。永久磁石の磁化方向とは逆方向の磁界を発生する負のd軸電流を電機子巻線12にパルス的に通電する。負のd軸電流によって変化した磁石内の磁界Aが−280kA/mになったとすると、可変磁力磁石3の保磁力が280kA/mなので可変磁力磁石3の磁力は不可逆的に大幅に低下する。
一方、固定磁力磁石4の保磁力が1000kA/mなので磁力は不可逆的に低下しない。その結果、パルス的なd軸電流が0になると可変磁力磁石3のみが減磁した状態となり、全体の磁石による鎖交磁束量を減少することができる。さらに−280kA/mよりも大きな逆磁界をかけると可変磁力磁石3は逆方向に磁化して極性は反転する。この場合、可変磁力磁石3の磁束と固定磁力磁石4の磁束は打ち消しあうので永久磁石の全鎖交磁束は最小になる。
この場合、固定磁力磁石4によって生じる磁界の磁力の方向は、図1のBに示すように、固定磁力磁石4から可変磁力磁石3の方向となるので、前記電機子巻線12による磁界の磁力の方向と一致するため、可変磁力磁石3の減磁させる方向に強い磁力が作用する。同時に、導電板8には、電機子巻線12の磁界Aを打ち消すような誘導電流が発生し、その誘導電流によって図1矢印Cで示すような磁力の方向を有する磁界が発生する。この導電板8による磁力Cも、可変磁力磁石3の磁化方向を逆方向に向けるように作用する。これらより、可変磁力磁石3の減磁及び極性の反転が効率的に行われる。すなわち、導電板8に誘起された誘導電流により発生した磁界Cの磁力の方向は、可変磁力磁石3を貫通する部分においては、磁化電流による磁界Aの方向と一致するので、減磁方向の磁化も効果的に行われる
つぎに、永久磁石の全鎖交磁束を増加させて最大に復元させる過程(増磁過程)を説明する。減磁完了の状態では、図2に示すように、可変磁力磁石3の極性は反転しており、反転した磁化とは逆方向(図1に示す初期の磁化方向)の磁界を発生する正のd軸電流を電機子巻線12に通電する。反転した逆極性の可変磁力磁石3の磁力は前記磁界が増すに連れて減少し、0になる。さらに正のd軸電流による磁界を増加させると極性は反転して初期の極性の方向に磁化される。ほぼ完全な着磁に必要な磁界である350kA/mをかけると、可変磁力磁石3は着磁されてほぼ最大に磁力を発生する。
この場合、減磁時と同様に、d軸電流は連続通電で増加させる必要はなく、目標の磁力にする電流を瞬間的なパルス電流を流せばよい。一方、固定磁力磁石4の保磁力が1000kA/mなので、d軸電流による磁界が作用しても固定磁力磁石4の磁力は不可逆的に変化しない。その結果、パルス的な正のd軸電流が0になると可変磁力磁石3のみが増磁した状態となり、全体の磁石による鎖交磁束量を増加することができる。これにより元の最大の鎖交磁束量に戻すことが可能となる。
以上のようにd軸電流による瞬時的な磁界を可変磁力磁石3と固定磁力磁石4に作用させることにより、可変磁力磁石3の磁力を不可逆的に変化させて、永久磁石の全鎖交磁束量を任意に変化させることが可能となる。
この場合、永久磁石式回転電機の最大トルク時には磁極の永久磁石の磁束が加え合わせになるように可変磁力磁石3を磁化させ、トルクの小さな軽負荷時や、中速回転域と高速回転域では、前記可変磁力磁石3は、電流による磁界で磁化させて磁束を減少させる。また、磁極の磁石を不可逆変化させて鎖交磁束を最小にした状態で回転子が最高回転速度になったときに、永久磁石による誘導起電圧が、回転電機の電源であるインバータ電子部品の耐電圧以下とする。
(1−3.導電板8の作用)
つぎに、導電板8の作用について述べる。可変磁力磁石3と固定磁力磁石4は回転子鉄心2内に埋め込まれて磁気回路を構成しているので、前記d軸電流による磁界は可変磁力磁石3のみでなく、固定磁力磁石4にも作用する。本来、前記d軸電流による磁界は可変磁力磁石3の磁化を変化させるために行う。そこで、前記d軸電流による磁界が固定磁力磁石4に作用しないようにし、可変磁力磁石3に集中するようにすればよい。
本実施形態では、固定磁力磁石4の上下両面に導電板8を固定磁力磁石4の磁化方向を中心軸として配置する。そのため、図2に示す可変磁力磁石3の増磁方向の磁化を行う場合、前記d軸電流による磁界A1が固定磁力磁石4に作用すると、前記磁界A1を打ち消すような誘導電流が導電板8に流れる。そのため、固定磁力磁石4中には、前記d軸電流による磁界A1と短絡電流による磁界Cが作用し両者が打ち消し合うために、磁界の増減はほとんど生じない。したがって、少ないd軸電流で可変磁力磁石3を磁化できることになる。すなわち、少ない磁化電流により、可変磁力磁石3を効果的に増磁することができる。
このとき、固定磁力磁石4は導電板8により前記d軸電流の影響を受けなく、磁束の増加はほとんど生じないので、d軸電流による電機子鉄心11の磁気飽和も緩和できる。すなわち、電機子鉄心11は、d軸電流によって発生する磁界A+磁界A1が電機子巻線12間に形成された磁路を通過することにより、その部分の磁気飽和が生じる可能性がある。しかし、本実施形態では、導電板8の磁界Cは磁界A1を打ち消し、磁界A1≒0とできるので、電機子鉄心11の磁路を通過する磁束の内、磁界A1による成分が減少するので、電機子鉄心11の磁路が磁気飽和することが緩和される。
(2.第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について、図4〜図6を用いて説明する。図4は本実施形態の永久磁石式回転電機の回転軸と直交する方向の断面図で、減磁時の磁束の方向を示す図、図5は同じく増磁時の磁束の方向を示す図、図6は増磁時の磁束の方向を示す固定磁力磁石4と導電板8部分の斜視図である。
この第2の実施形態において、導電板8は、固定磁力磁石4の上下両面に加えて、固定磁力磁石4の内部にも上下の導電板8と平行に配置されている。すなわち、d軸電流(磁化電流)によって生じる磁束の方向と直交するように各導電板8を設ける。
このような構成を有する第2の実施の形態においては、前記第1の実施の形態の作用効果に加えて、次のような特徴を有する。すなわち、図4に示す、可変磁力磁石3の減磁方向の磁化を行う場合、固定磁力磁石4の側面からから上側に流れる磁界A’による短絡電流も固定磁力磁石4の内部に配置された導電板8に流れることになる。これとは逆の増磁を行う場合も、図5に示すように、固定磁力磁石4の上側から側面に流れる磁界A’による短絡電流も内部の導電板8に流れる。その結果、固定磁力磁石4に側方から進入する磁界A’の磁力を短絡電流に変化させることで減衰することができ、この磁界A’が固定磁力磁石4の磁力を増加させて、可変磁力磁石3の増磁の妨げになることを抑制できる。
更に、前記第1実施形態やこの第2実施形態では、導電板8を板状の部材とすることができるので、永久磁石式回転電機の製造時における導電板8の組み込み作業の簡略化が可能となる。特に、固定磁力磁石4と導電板8とを積層して一体化しておけば、通常の永久磁石を鉄心に組み込む場合と同様な作業で導電板8の組み込みを行うことができる。
(3.第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について、図7〜図9を用いて説明する。図7は本実施形態の永久磁石式回転電機の回転軸と直交する方向の断面図で、減磁時の磁束の方向を示す図、図8は同じく増磁時の磁束の方向を示す図、図9は増磁時の磁束の方向を示す固定磁力磁石4と導電板8部分の斜視図である。
第3の実施形態では、導電板8は固定磁力磁石4の側面に密着した板状の部材であり、固定磁力磁石4をその磁路と平行に覆うように配置する。つまり、導電板8を、前記回転子鉄心2内に埋め込まれた固定磁力磁石4に対して、d軸電流の磁化方向と平行に設ける。
このように固定磁力磁石4の周囲に導電板8を巻き付けるように配置した第3実施形態では、d軸電流による磁界A1が固定磁力磁石4に作用すると、図7に示すように、磁界A1を打ち消すような誘導電流が導電板8に流れる。このとき、短絡電流による磁界Cは、固定磁力磁石4中に均一に作用する。これは、これとは逆の増磁を行う場合である図8でも同様である。そのため、第3の実施形態の効果としては、前記実施形態の効果に加えて、固定磁力磁石4の全域にわたり磁化電流によって発生する磁界の磁力を打ち消すことができるので、回転子の磁極の増磁時の磁化電流の増加を効率よく抑止できで、回転機の効率化を達成することができる。また、固定磁力磁石4の側面に導電板8が配置されていることから、側面から固定磁力磁石4内に磁化電流による磁界が進入することを防止できる利点もある。
(4.第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について、図10〜図12を用いて説明する。図10は本実施形態の永久磁石式回転電機の回転軸と直交する方向の断面図で、減磁時の磁束の方向を示す図、図11は同じく増磁時の磁束の方向を示す図、図12は増磁時の磁束の方向を示す固定磁力磁石4と導電板8部分の斜視図である。
第4の実施形態は、導電板8を固定磁力磁石4の上下及び側面、すなわち、固定磁力磁石4の全周囲に配置したもので、前記第1と第3の実施形態を組み合わせたものである。この場合、導電板8は板状の部材を溶接やろう付けで固定磁力磁石4の表面に接合しても良いし、メッキその他の手法で可変磁力磁石4の表面全体を導電性の材料で覆うことにより形成しても良い。
この第4実施形態においては、前記各実施形態の効果に加えて、固定磁力磁石4にいずれの方向から加わる磁化電流による磁界Aについても、そのエネルギーを誘導電流として消費する。
(5.第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態について、図13〜図15を用いて説明する。図13は本実施形態の永久磁石式回転電機の回転軸と直交する方向の断面図で、減磁時の磁束の方向を示す図、図14は同じく増磁時の磁束の方向を示す図、図15は増磁時の磁束の方向を示す固定磁力磁石4と導電板8部分の斜視図である。
この第5の実施形態において、導電板8は、その中央開口部をd軸電流による磁束が貫通するような無端状の部材であり、電機子巻線にd軸電流を通電させた場合に発生する磁束で、無端状の導電板8を巡回する短絡電流が発生する。この導電板8は、可変磁力磁石3を除いた固定磁力磁石4の磁路部分に設けるもので、固定磁力磁石4の磁化方向を中心軸として、固定磁力磁石4周囲に配置する。
このような構成を有する本実施形態では、図13に示す、可変磁力磁石3の減磁方向の磁化を行う場合、固定磁力磁石4の側面からから上側に流れる磁界A’による短絡電流も固定磁力磁石4の内部に配置された導電板8に流れることになる。これとは逆の増磁を行う場合も、図6に示すように、固定磁力磁石4の上側から側面に流れる磁界A’による短絡電流も導電板8に流れる。そのため、前記各実施形態の効果に加えて、導電板8によって固定磁力磁石4を被覆する部分が少なくて済み、鉄心内に磁気障壁となる導電性部材を配置する箇所が少なくて済み、永久磁石の磁気特性を損なうおそれがない。
(6.第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態について、図16〜図18を用いて説明する。図16は本実施形態の永久磁石式回転電機の回転軸と直交する方向の断面図で、減磁時の磁束の方向を示す図、図17は同じく増磁時の磁束の方向を示す図、図18は増磁時の磁束の方向を示す鉄心のブリッジ部の斜視図である。
第6の実施形態では、導電板8は固定磁力磁石4と可変磁力磁石3の間に設けられたブリッジ部6の周囲を覆う板状の部材であり、導電板8を前記回転子鉄心2内に埋め込まれた固定磁力磁石4を固定磁石のd軸の電流による磁路の境に設ける。
このような構成を有する第6実施形態では、図16及び図17に示すように、可変磁力磁石3の減磁あるいは増磁方向の磁化を行う場合、前記d軸電流による磁界A2がブリッジ部6に作用すると、磁界A2を打ち消すような誘導電流が導電板8に流れる。その結果、この誘導電流によって生じた磁界Cがd軸電流による磁界A2を打ち消すように作用するので、ブリッジ部6の部分に磁気障壁を作成することが可能になる。特に、ブリッジ部6には、鉄心の強度上の要請から空洞などを設けて磁気障壁を形成することが難しいが、本実施形態によれば、ブリッジ部6の機械的強度を確保したまま、磁気障壁を形成することができるので、前記実施形態と同様に、少ない磁化電流で効果的に増磁を行うことのできる効果もある。
(7.他の実施形態)
本発明は、前記の各実施形態に限定されるものではなく、つぎのような他の実施形態も包含する。
(1)前記各実施形態では4極の回転電機を示したが、8極等の多極の回転電機にも本発明を適用できるのは当然である。極数に応じて永久磁石の配置位置、形状が幾分変ることはもちろんであり、作用と効果は同様に得られる。特に、前記各実施形態は、中央に可変磁力磁石を、その両側に固定磁力磁石を配置したものであるが、可変磁力磁石と固定磁力磁石との他の配置にも適用できる。
(2)前記回転子鉄心2において、固定磁力磁石の外周側に磁気障壁を構成するために設ける空洞の形状や位置、また、固定磁力磁石の内周側にその磁路断面積を決定するために設ける空洞の位置などは、使用する永久磁石の保磁力や磁化電流によって生じる磁界の強さなどに応じて、適宜変更できる。
(3)前記各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。特に、ブリッジ部6と固定磁力磁石4の両方に導電板8を設けることで、より効果的に可変磁力磁石の減磁あるいは増磁を行うことができる。
本発明の第1の実施形態を示す回転子と固定子の部分断面図で、減磁時の磁束の向きを示す。 本発明の第1の実施形態を示す回転子と固定子の部分断面図で、増磁時の磁束の向きを示す。 本発明の第1の実施の形態における増磁時の磁束の方向を示す固定磁力磁石4と導電板8部分の斜視図である。 本発明の第2の実施形態を示す回転子と固定子の部分断面図で、減磁時の磁束の向きを示す。 本発明の第2の実施形態を示す回転子と固定子の部分断面図で、増磁時の磁束の向きを示す。 本発明の第2の実施の形態における増磁時の磁束の方向を示す固定磁力磁石4と導電板8部分の斜視図である。 本発明の第3の実施形態を示す回転子と固定子の部分断面図で、減磁時の磁束の向きを示す。 本発明の第3の実施形態を示す回転子と固定子の部分断面図で、増磁時の磁束の向きを示す。 本発明の第3の実施の形態における増磁時の磁束の方向を示す固定磁力磁石4と導電板8部分の斜視図である。 本発明の第4の実施形態を示す回転子と固定子の部分断面図で、減磁時の磁束の向きを示す。 本発明の第4の実施形態を示す回転子と固定子の部分断面図で、増磁時の磁束の向きを示す。 本発明の第4の実施の形態における増磁時の磁束の方向を示す固定磁力磁石4と導電板8部分の斜視図である。 本発明の第5の実施形態を示す回転子と固定子の部分断面図で、減磁時の磁束の向きを示す。 本発明の第5の実施形態を示す回転子と固定子の部分断面図で、増磁時の磁束の向きを示す。 本発明の第5の実施の形態における増磁時の磁束の方向を示す固定磁力磁石4と導電板8部分の斜視図である。 本発明の第6の実施形態を示す回転子と固定子の部分断面図で、減磁時の磁束の向きを示す。 本発明の第6の実施形態を示す回転子と固定子の部分断面図で、増磁時の磁束の向きを示す。 本発明の第6の実施の形態における増磁時の磁束の方向を示すブリッジ部6と導電板8部分の斜視図である。
符号の説明
1…回転子
2…回転子鉄心
3…保磁力と磁化方向厚さの積が小さい永久磁石(可変磁力磁石)
4…保磁力と磁化方向厚さの積が大きい永久磁石(固定磁力磁石)
5…永久磁石端の空洞
6…ブリッジ部
8…導電板
9…エアギャップ
10…固定子
11…電機子鉄心
12…電機子巻線

Claims (8)

  1. 保磁力と磁化方向厚の積が他の永久磁石と異なる2種類以上の永久磁石を用いて磁極を形成し、この磁極を回転子鉄心内に複数個配置して回転子を構成し、この回転子の外周にエアギャップを介して固定子を配置し、この固定子に電機子鉄心と電機子巻線を設け、この電機子巻線の電流が作る磁界により前記回転子の磁極を構成する永久磁石の少なくとも1個を磁化させて、永久磁石の磁束量を不可逆的に変化させる永久磁石式回転電機において、
    前記回転子鉄心とは別に、導電性を有するよう形成された導電板を前記不可逆的に変化させる永久磁石を除いた他の永久磁石の磁路部分に、前記他の永久磁石と隣接するように設け、
    前記電機子巻線に磁化電流を通電させて、その磁束で前記導電板に短絡電流を発生させ、
    この短絡電流によって磁化電流による磁界と反対方向の磁力を有する磁界を発生させることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  2. 保磁力と磁化方向厚の積が他の永久磁石と異なる2種類以上の永久磁石を用いて磁極を形成し、この磁極を回転子鉄心内に複数個配置して回転子を構成し、この回転子の外周にエアギャップを介して固定子を配置し、この固定子に電機子鉄心と電機子巻線を設け、この電機子巻線の電流が作る磁界により前記回転子の磁極を構成する永久磁石の少なくとも1個を磁化させて、永久磁石の磁束量を不可逆的に変化させる永久磁石式回転電機において、
    前記回転子鉄心とは別に、導電性を有するよう形成された導電板を前記不可逆的に変化させる永久磁石を除いた他の永久磁石の磁化方向を中心軸として前記他の永久磁石の周囲に、前記他の永久磁石と隣接するように設け、
    前記電機子巻線に磁化電流を通電させて、その磁束で前記導電板に短絡電流を発生させ、
    この短絡電流によって磁化電流による磁界と反対方向の磁力を有する磁界を発生させることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  3. 前記導電板を、不可逆的に変化させる永久磁石を除いた他の永久磁石の磁化方向と対向する上下両面に設けたことを特徴とする請求項1に記載の永久磁石式回転電機。
  4. 前記他の永久磁石の内部に、上下両面に設けた導電板と平行に他の導電板を設けたことを特徴とする請求項に記載の永久磁石式回転電機。
  5. 前記他の永久磁石の全周囲を導電板によって被覆したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の永久磁石式回転電機。
  6. 前記他の永久磁石の上下少なくともいずれかの面の周囲に、中央部が開口した導電板を配置したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の永久磁石式回転電機。
  7. 導電板を隣接する可変磁力磁石と固定磁力磁石の間に設けられたブリッジ部に設けたことを特徴とする請求項3から請求項のいずれか1項に記載の永久磁石式回転電機。
  8. 前記回転子鉄心の各磁極内の中央部に可変磁力磁石を、その両側に固定磁力磁石を配置したことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の永久磁石式回転電機。
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