JP5183144B2 - 二輪車用空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
また、直立時は速度が高く、制動力や駆動力といった前後方向(タイヤの赤道方向)の力が加わるが、車体を傾けた旋回時には大きな横力が加わるため、タイヤのショルダー部には上記横力に対応する高い横グリップが求められる。すなわち、二輪車を速く旋回させるには、旋回速度の大きさに伴って大きくなる遠心力と釣り合わせるために、車体を大きく倒す必要があり、更に、その遠心力に対向できるようにタイヤが路面にグリップできなければならない。
つまり、車体を大きく傾けたとき、タイヤのグリップが不足する場合には、速く旋回できないことになるため、ショルダー部のグリップが旋回性能に及ぼす影響は非常に大きい。そこで、タイヤのショルダー部に対しては、グリップの高いゴムを用いている。
また、タイヤのセンター部に対しては、市販のタイヤでは直進走行の頻度が高いため、耐摩耗性の高いゴムを用いることが多い。一方、レースや競技用のタイヤにおいては、直進時の速度が非常に高いため、発熱しにくいゴムをトレッドセンター部に配置したり、トレッドセンター部を二重構造として、内部に発熱しにくいゴムを、外部にグリップの高いゴムを配置したりするなどの工夫がなされている。
ゴムは発熱すると軟化する性質があるため、ゴムが軟化してトレッド剛性が低下することで旋回性能が低下したり、ショルダー部の摩耗が進んだり、ショルダー部のゴムが劣化したりする。
特に、バイクレースや、一般消費者でも激しいライディングを行ったときには、走行中にショルダー部のトレッドゴムが発熱して旋回性能が低下するだけでなく、発熱によってゴムが柔らかくなってトレッド剛性が低下し、タイヤが滑りやすくなる。その結果、ショルダー部の摩耗が進んだり、ショルダー部のゴムが劣化したりする。
自動二輪車用のタイヤでは、車体を大きく倒した場合の旋回性能は、タイヤトレッドの片側の端部が接地したときに発生するグリップに依存する。図10は、タイヤ50がキャンバー角(以下、キャンバーアングルとしてCAと記す)50度で接地して回転しているときの断面を示す図で、CAはタイヤ50の縦断面において、車輪中心線CLと路面60に垂直な方向であるZ軸との成す角である。
二輪車が車体を大きく倒して旋回する場合、すなわち、タイヤ50のCAが45度〜50度である場合、タイヤ50のトレッド51の全幅(トレッド幅)のほぼ1/4が接地する。この接地している1/4の領域を3等分し、トレッド端部側に近い方から領域A、領域B、領域Cとし、各領域におけるタイヤ50の幅方向断面でのトレッド51の変形を考える。これは、トレッド変形によってタイヤ50に横力が発生するからで、トレッド51の横方向の変形によりキャンバースラスト(横力)が発生する。
なお、CA50度で接地して回転しているときには、トレッドの接地形状は楕円の一部が欠けた形状であったり、半月形であったりする。
領域Bのトレッド表面、すなわち、路面に接する点をQ点とし、このQ点の内側でトレッド最深部に位置する点をP点とすると、タイヤ50の接地転動時には、上記路面60に接するQ点はトレッド51の表面が路面60に接触したとき路面60に固定され、同図の紙面に垂直な方向である路面60の延長方向、すなわち、タイヤ50の進行方向に沿って直線的に動く。一方、トレッド最深部の点であるP点は、タイヤ50がCAを付けて傾いて転動するため、弓なりの曲線を描く(同図のP→P’→Pで示した直線は、上記曲線の正射影で、同図の右側が車体側で、左側が車体外側である)。このようなP点とQ点の動きの差によって、トレッド51は車体外側方向に横剪断力を受ける。また、この横剪断力が最大になるのは、上記Q点が荷重直下、すなわち、接地面のタイヤ周方向中心に位置したときである。このような横剪断力によりトレッド51が横変形を受けることにより、タイヤ50には上記横剪断力とは反対の方向の力、すなわち、車体側にキャンバースラスト(横力)が発生し、これが旋回時の横グリップとなる。
このようなキャンバースラストの発生の仕組みから、接地長(接地形状の周方向=赤道方向の長さ)が長い方が上記P点と上記Q点との軌跡の差が広がるので、トレッド51が大きく剪断される。逆に、接地長が短いと、トレッド51の剪断量(横方向=タイヤ幅方向の剪断)は少ない。
接地形状が楕円の一部が欠けた形状である場合には、上記3つの領域では、接地長は領域Bが最も長く、次いで領域Aが長く、C領域が最も短い。したがって、領域Bが最も大きな剪断を受け、次いで領域Aで剪断が大きく、領域Cの剪断は少ない。一方、接地形状が半月形である場合には、領域Aと領域Bとがほぼ同じ接地長で長く、領域Cでは接地長が短いので、領域Aと領域Bとで大きな剪断を受け、領域Cの剪断は少ない。
つまり、CAが45度〜50度の大CA時の剪断では、領域Aや領域Bが横力を大きく稼ぐ部位である。
自動二輪車はCAが40度近辺で大きな駆動力を伝えることが多いため、上記領域Cは、加速時の前後方向の駆動入力と横方向の横入力の両方を頻度高く受ける領域であるといえる。その結果、この領域Cがトレッド摩耗の最も進む部位となる。
このようなことから、トレッドゴムは発熱を抑制しながら、最大のグリップを出せることが必要である。すなわち、高いグリップを発生させるためにはtanδの大きなゴムが適しているが、発熱を抑制してトレッドゴムの軟化を防ぐためにはtanδの小さなゴムがよいことになる。
二輪車用タイヤの特徴は、乗用車用タイヤに比べて、幅方向断面に大きな丸みを持っていることで、そのため、回転軸からベルトまでの距離であるベルト半径が領域Aでは小さく、領域Cでは大きい。すなわち、図10に示す領域Cでのベルト半径RCは、領域Aのベルト半径RAよりも大きい。したがって、ベルト速度、つまりトレッドが路面に接触してから、タイヤの回転が進み、トレッドが地面を離れるまでのベルトの速度は領域Cの方が速い。これは、ベルト半径にタイヤの回転速度をかけたものがベルトの速度になるからであり、タイヤの回転速度は領域Aも領域Cも同じだからである。このベルトの周方向の速度差により、タイヤのセンター寄りの領域Cではトレッドがドライビング状態であり、タイヤのトレッド端寄りの領域Aではブレーキング状態である。ドライビングとは、タイヤを赤道方向に沿って輪切りにした場合に、そのトレッド変形が、トレッド内面(タイヤ内部の骨格部材に接している面)がタイヤ進行方向後方に剪断され、路面に接地しているトレッド表面がタイヤ進行方向前方に変形している剪断変形であり、ちょうど、タイヤに駆動力をかけたときに起こる変形である。一方、ブレーキングはドライビングの逆であり、トレッド変形はタイヤ内部側が進行方向前方に剪断され、路面に接地しているトレッド表面がタイヤ進行方向後方に変形している剪断変形であり、制動したときのタイヤの動きとなる。
特に、横グリップを高めるために、タイヤのショルダー部にtanδの大きなゴムを用いた場合には、横方向の変形だけでなく、上記周方向の無駄な変形によっても発熱が促進されてしまうといった問題がある。
上記異種ゴム層の幅をトレッド展開幅の5%〜30%の範囲としたのは、少なくとも最大CA時に接地する領域A(図10参照)での発熱を抑制するとともに、温度が下がりすぎてグリップが低下することを防ぐことができるようにしたためである。
なお、トレッドゴム、ベルト層、ゴム層等の「幅」とは、タイヤの縦断面(トレッド幅方向断面)において、トレッド表面の曲面に沿った長さを指し、「厚さ」はタイヤ径方向に沿った長さを指す。また、「トレッド展開幅」は、幅方向に丸みを持つトレッドを展開して平面にしたときの、一方の端部から他方の端部までの長さであって、上記トレッド表面の曲線に沿って測定したトレッドの一方の端部から他方の端部までの長さに等しい。
また、上記tanδはゴム材料が変形する際にどのぐらいエネルギーを吸収するか(熱に変えるか)を示す値で、一般には、動的粘弾性測定装置を用いて測定される。例えば、周波数15kHz、歪5%の正弦波の変位をゴムサンプルに加え、そのときの反力を測定して求める。本発明においては、動的粘弾性測定装置を用いて、温度50℃、周波数15kHz、歪5%でtanδを測定した。また、自動二輪車用タイヤでも競技用のタイヤの場合は、ショルダー部のトレッド温度は100℃を超える場合もあるので、目的に応じて100℃でのtanδを測定し、これを本発明のtanδとしている。一般の消費者向けのタイヤでは50℃でのtanδを用いることが好ましく、競技用のタイヤでは、100℃でのtanδを用いることが好ましい。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の二輪車用空気入りタイヤにおいて、上記第1の異種ゴム層の幅をトレッド表面側からタイヤ径方向内側に向かって徐々に広くしたものである。これにより、ショルダー端部側に近いほどtanδの小さいゴムの占める割合が大きくなるので、横力を稼ぐ領域である領域Aや領域Bにおける発熱を効果的に抑制することができ、最大CAでの横グリップを確保することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の二輪車用空気入りタイヤにおいて、上記トレッドゴムのトレッド端とトレッド端から測ってトレッド展開幅の10%の位置までの間の平均的なトレッドゴムの厚さを、トレッド端から測ってトレッド展開幅の10%の位置から25%の位置までの間の平均的なトレッドゴムの厚さよりも薄くしたものである。これにより、tanδの小さいゴムの効果に加えて、トレッド端部側の剛性を維持する効果を更に高めることができるので、旋回性能や操縦安定性能を更に向上させることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の二輪車用空気入りタイヤにおいて、上記トレッドゴムの少なくとも一部が、幅狭長尺のゴムストリップをタイヤ周方向に沿って螺旋状に重ねて巻付けて成型されたものであることを特徴とする。これにより、丸みが大きい二輪車用タイヤでも成型精度を確保することができるので、形状精度の高いタイヤを得ることができる。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の二輪車用空気入りタイヤにおいて、上記スパイラルベルト層のタイヤ径方向外側に、コード角が80度〜90度のベルト層を配置したもので、これにより、スパイラルベルト層を保護することができるので、タイヤの耐久性を向上させることができる。また、トレッドの土台が横方向(タイヤ幅方向)に強くなるので、高い横力を維持することができる。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の二輪車用空気入りタイヤにおいて、上記スパイラルベルト層と上記ベルト層との間に、厚みが0.3mm〜3.0mmの緩衝ゴム層が配置されていることを特徴とするものである。これにより、ショルダー部のベルト速度の違いによるトレッドのドライビング変形、ブレーキング変形のうちの周方向の変形のみを上記緩衝ゴム層の剪断変形により吸収することができるので、高い横力を維持しつつトレッドの周方向の変形に伴う発熱を防止することができる。
請求項13に記載の発明は、請求項1〜請求項12のいずれかに記載の二輪車用空気入りタイヤにおいて、上記第1の異種ゴム層のゴムの動的弾性率が上記ショルダー表面層のゴムの動的弾性率よりも小さいことを特徴とするもので、これにより、走行開始直後のように、発熱がまだ十分でないときのグリップを向上させることができる。
最良の形態1.
図1は、本最良の形態1に係る二輪車用タイヤ10の構成を示す断面図で、同図の一点鎖線で示すCLが車輪中心線である。この二輪車用タイヤ10は、ビード部11に配置された1対のビードコア11Cにトロイド状をなして跨る1枚のボディプライ12と、このボディプライ12のタイヤ径方向外側に配置されたスパイラルベルト層13と、このスパイラルベルト層13のタイヤ径方向外側に配置された2枚の交錯ベルト層14A,14Bとを備えており、上記交錯ベルト層14A,14Bのタイヤ径方向外側にはゴム部材(トレッドゴム)からなるトレッド層15が配置されている。
ボディプライ12はスチールコードもしくはナイロンなどの繊維から成る補強部材(以下、コードという)を複数本撚ったものを所定の打込み間隔で平行に並べ、未加硫ゴムでシート状にしたもので、タイヤに配置した場合の上記コードの赤道方向に対する傾斜角であるコード角は90度(ラジアル)である。
スパイラルベルト層13は、赤道方向に対するコード角が0度〜5度のベルト層で、1本または複数本のコードをゴムで被覆し、これをトレッド部分に螺旋巻するように巻き付けて形成したものである。
交錯ベルト層14A,14Bは、スチールコードもしくは芳香族ポリアミド等の繊維を撚ったコードを所定の打込み間隔で配置したもので、赤道方向に対するコード角は50度である。上記2枚の交錯ベルト層14A,14Bは互いに交錯して配置されている。
上記トレッド層15の幅(以下、トレッド展開幅という)は240mmであり、その表面にはトレッドパターンが形成されている。図2はその一例を示す図で、本例では幅a=8mm、深さ5mmの斜め溝15Pが、左右交互にハの字状に配置されているトレッドパターンを採用した。上記斜め溝15Pのトレッド全体に占める割合は10%である。
一方、スパイラルベルト層13の幅は220mm、1枚目の交錯ベルト層 (内側の交錯ベルト層) 14Aの幅は250mm、2枚目の交錯ベルト層(外側の交錯ベルト層) 14Bの幅は230mmである。なお、上記トレッド展開幅、及び、スパイラルベルト層13、交錯ベルト層14A,14Bの幅は、タイヤの縦断面において、トレッド表面の曲面に沿って測定した長さを指す。
上記tanδの値は、例えば、レオメトリックス社製の粘弾性測定装置などの動的粘弾性測定装置を用いて測定した値で、温度50℃、周波数15Hz、歪5%の測定条件にて測定したものである。以下、上記tanδの大きさを、上記高損失ゴムのtanδの値を100とした指数で表わす。
ショルダー部16のトレッドゴムは上記のように2層になっており、表面が表面層15aで、この表面層15aのタイヤ径方向内側、すなわち、トレッドの内層にはtanδの指数が70である異種ゴムから成る第1の異種ゴム層15cが設けられている。この第1の異種ゴム層15cの一端はトレッド端部15zに位置しており、他端は上記トレッド端部からトレッド展開幅の5%〜30%の範囲に位置している。すなわち、上記第1の異種ゴム層15cの幅Wはトレッド展開幅の5%〜30%の範囲にある。また、その厚さはトレッド層15全体の厚さの20%〜70%の範囲にある。
また、センター部17のトレッドゴムも2層になっており、表面が表面層15aで、その内層にはtanδが小さい異種ゴムから成る第2の異種ゴム層15dが設けられている。本例では、上記第2の異種ゴム層15dのゴムとして、上記第1の異種ゴム層15cのゴムと同じ、tanδの指数が70のゴムを用いている。
センター部17は、自動二輪車が直立しているときにトレッドが路面に接している部分であって、トレッドの中央部に位置し、その幅がトレッド展開幅の25%程度の領域である。本例では、上記第2の異種ゴム層15dの幅をトレッド展開幅の15%〜25%としている。
ここで、上記第1の異種ゴム層15cを配置する範囲を、トレッドの端部からトレッド展開幅の5%〜30%までの範囲とすることが肝要である。すなわち、tanδの小さい異種ゴムを配置する範囲を5%未満とすると、異種ゴムの体積が小さすぎて十分な効果が得られないからである。また、tanδの小さい異種ゴムを配置する範囲の上限を30%としたのは、発熱が大きくない領域にまで異種ゴムを配置する範囲を広げると、トレッド温度が低下しすぎてグリップが十分に得られない場合があるからである。これは、大CA時に接地する領域はトレッド展開幅の1/4、つまりトレッド端部15zとトレッド端部15zから測ってトレッド展開幅の25%の位置との間の領域であるが、上記最大CAから車体を少し起こしたCA40度の領域でも大きな駆動力が加わるため、トレッドの発熱量は大きい。そこで、このCA40度で発熱が大きい領域を含めると、発熱が大きい領域はトレッド端部15zとトレッド端部15zから測ってトレッド展開幅の30%程度の位置との間の領域になる。したがって、グリップを低下させずにショルダー部16の発熱を確実に抑制するためには、tanδの小さい異種ゴムを配置する範囲を、トレッドの端部から、トレッドの端部から測ってトレッド展開幅の5%〜30%までの範囲とする必要がある。
なお、上記第1の異種ゴム層15cの厚さがタイヤ幅方向で異なる場合には、最も厚いところでの厚さを上記厚さの範囲とすることが好ましい。
上記第2の異種ゴム層15dは、センター部17全体に配置してもよいが、トレッド全幅の15%以上あれば、センター部17の温度上昇を十分に抑制することができるので、上記第2の異種ゴム層15dの幅としては、トレッド全幅の15%〜25%とすることが好ましい。
また、本例では、上記第2の異種ゴム層15dのタイヤ表面側のゴムと、上記第1の異種ゴム層15cのタイヤ表面側に隣接するゴムとはともにtanδの比較的大きな高損失ゴムであり、かつ、連続的に繋がって表面層15aを形成しているので、タイヤの成型時には、上記表面層15aを形成しているゴムを第1及び第2の異種ゴム層15c,15d及び内部中間層15bとを巻き付けた上に巻付けるようにすればよい。すなわち、上記第2の異種ゴム層15dのタイヤ表面側のゴムと、上記第1の異種ゴム層15cのタイヤ表面側に隣接するゴムとは一緒に巻付けられることになるので、タイヤの製造を効率よく行うことができる。
また、上記トレッド層15の各層15a〜15dのゴムを成型する際には、幅狭長尺のゴムストリップをタイヤ周方向に沿って螺旋状に重ねて巻付けて成型することが好ましい。これにより、丸みが大きな二輪車用タイヤであっても、成型の精度を確保することができるので、形状精度の高いタイヤを得ることができる。
また、センター部17の表面層15aの内層にも、上記第1の異種ゴム層15cのゴムのtanδと同じtanδを有するゴムから成る第2の異種ゴム層15dを設けてセンター部17の温度上昇を抑制するようにしたので、直進時の駆動・制動性が向上するだけでなく、センター部17の剛性が高まり強い横力を受け止めることができるので、操縦安定性能を更に向上させることができる。
また、上記第2の異種ゴム層15dのタイヤ表面側のゴムはとともにtanδの比較的大きな高損失ゴムであり、かつ、連続的に繋がって表面層15aを形成しているので、第2の異種ゴム層15dのタイヤ表面側のゴムと、上記第1の異種ゴム層15cのタイヤ表面側に隣接するゴムとを一緒に巻付けることができる。したがって、タイヤの製造を効率よく行うことができる。このとき、上記トレッド層15の各層15a〜15dのゴムを、幅狭長尺のゴムストリップをタイヤ周方向に沿って螺旋状に重ねて巻付けて成型するようにすれば、成型の精度を確保することができるので、形状精度の高いタイヤを得ることができる。
また、本例では、ボディプライ12と交錯ベルト層14A ,14Bとの間に、周方向に伸びにくい、コード角が赤道方向に対して0度〜5度であるスパイラルベルト層13を設けて、遠心力によるタイヤの膨張を防ぐようにしたので、高速走行時の操縦安定性能にも優れた二輪車用タイヤを得ることができる。
上記第1及び第2の異種ゴム層15c,15dのゴムのtanδの指数を50未満とすると、トレッド温度は更に低下するが、ゴムが硬く振る舞うので、トレッド表面の滑りが大きくなり、グリップが低下する。一方、上記ゴムのtanδの指数が80を超えると、表面層15aのゴムと差が少ないため発熱抑制効果が十分でないので、tanδの指数の範囲としては、50〜80が適当である。
なお、トレッド剛性はトレッド層15の厚みの三乗に比例するので、例えば、トレッド層15の厚みが8mmである場合には、0.5mm〜1.5mm程度薄くすれば、十分な効果を得ることができる。また、トレッド層15の厚みを薄くする範囲は、トレッド展開幅の10%の位置までとすることが好ましい。すなわち、トレッド展開幅の10%の位置までの範囲では、トレッドゴムの厚さを、トレッド端部15zから測ってトレッド展開幅の10%の位置から25%の位置までの間の平均的なトレッドゴムの厚さよりも薄くすればよい。なお、ショルダー部16全体を薄くすると、ショルダー部16のトレッド剛性は向上するが、タイヤ表面の滑りが全体的に増えてしまい、摩耗ライフが低下する。したがって、接地頻度が高い領域Bや領域C(図10参照)では、tanδの小さいゴムが配置されている場合でも、トレッドゴムの厚さを薄くしない方がよい。
また、上記例では、上記第2の異種ゴム層15dのタイヤ表面側のゴムと、上記第1の異種ゴム層15cのタイヤ表面側に隣接するゴムとを一体化したが、図3に示すように、上記第1の異種ゴム層15cのゴムをセンター部17側の端部からセンター部17の方向に延長して上記第2の異種ゴム層15dと連結する連結層15mを設け、上記第1の異種ゴム層15cと上記第2の異種ゴム層15dとが連続的に繋がっているようにすれば、tanδの小さいゴム層についてもゴム種を少なくできるので、タイヤの製造を更に効率よく行うことができる。また、同時に、第1の異種ゴム層15cのセンター部17側の温度上昇も同時に抑制することができるので、グリップも向上する。但し、この場合には、上記連結部15mの厚さについては、上記第1の異種ゴム層15cの厚さよりも薄くすることが好ましく、上記第1の異種ゴム層15cの厚さの半分以下とすると更に好ましい。これにより、過剰な発熱抑制によるグリップの低下を防ぐことができる。
[第一の実施例]
タイヤは二輪車用のタイヤで、タイヤサイズは190/50ZR17である。
これらのタイヤは、いずれも、1対のビードコアにトロイド状をなして跨る1枚のボディプライを有している。この実施例では、ボディプライはナイロンコードを撚って直径0.6mmとし、これを打込み間隔を65本/50mmで平行に並べ、未加硫ゴムでシート状にしたものをカーカス部材として使用している。ボディプライはラジアル(赤道方向に対する角度が90度)である。また、このボディプライは、ビード部において、ビードコアの周りを巻き回して固定されている。
また、スパイラルベルト層は、芳香族ポリアミド(商品名:ケブラー)の繊維を撚って直径0.7mmにしたコードを、打込み間隔が50本/50mmになるように配置したものを用いているが、スチール製のコードで構成してもよい。この場合には、例えば、直径0.21mmのスチール単線を1×3タイプで撚ったスチールコードを打込み間隔30本/50mmでスパイラル状に巻付けて形成するなどすればよい。
2枚の交錯ベルト層は、芳香族ポリアミドの繊維を撚って直径0.7mmにしたコードを、打込み間隔30本/50mmで配置したもので、コード角は50度である。
また、トレッドゴムの厚さは7mmで、センター部からショルダー部までの厚さは、実施例11を除いて、全て同じ厚さである。
また、トレッドの展開幅は240mmで、スパイラルベルト層の幅は220mm、1枚目の交錯ベルト層(内側の交錯ベルト層) 幅は250mm、2枚目の交錯ベルト層(外側の交錯ベルト層) 幅は230mmである。
上記の基本構造は各タイヤについて共通である。
従来例1のタイヤ
トレッドを構成するゴムの種類は1種であり、このゴムのtanδの大きさは0.3である。上記tanδは温度50℃、周波数15Hz、歪5%の測定条件にて測定したものである。以下、上記tanδの大きさについては、tanδ=0.3を100とした指数で表わす。
従来例2のタイヤはセンター部のゴム層が2層になっている。表層のゴムはtanδの指数が100のゴムであり、内層のゴムはtanδの指数が70のゴムである。なお、この内層のゴムの幅は120mmである。
実施例1のタイヤ
トレッド端の内部には異種ゴムが配置されている。この異種ゴムの幅は60mm(トレッドの展開幅の25%)で、厚さは4mm(トレッド層の厚さの57%)、tanδの指数は70である。この異種ゴムとセンター寄りのゴムとの深さ方向の境界は、深さ方向にほぼ垂直であり、傾いていない。また、センター部は2層になっており、表層のゴムはtanδの指数が100のゴムであり、内層のゴムはtanδの指数が70のゴムである。なお、この内層のゴムの幅は120mmである。
実施例2,3,4のタイヤは、実施例1の異種ゴムの幅をそれぞれ15mm(6%),20mm(8%),72mm(30%)に変更したもので、他は実施例1のタイヤと同じである。
比較例1,2のタイヤは、実施例1の異種ゴムの幅をそれぞれ10mm(4%),84mm(35%)に変更したもので、他は実施例1のタイヤと同じである。
実施例5,6のタイヤは、実施例1の異種ゴムの厚さをそれぞれ2mm(29%),5mm(71%)に変更したもので、他は実施例1のタイヤと同じである。
比較例3,4のタイヤは、実施例1の異種ゴムの厚さをそれぞれ1mm(14%),7mm(100%)に変更したもので、他は実施例1のタイヤと同じである。
実施例7,8,9のタイヤは、実施例1の異種ゴムのtanδの指数をそれぞれ90,60,40に変更したもので、他は実施例1のタイヤと同じである。
また、実施例10のタイヤは実施例1のセンター部を1層としたもので、他は実施例1のタイヤと同じである。なお、センター部のゴムのtanδの指数は100である。
また、実施例11のタイヤは実施例1のトレッド端部から10%の範囲のゴムの平均厚みを0.7mmだけ薄くしたもので、他は実施例1のタイヤと同じである。
(1)CA50度における横力測定とドラムでのショルダー部の温度測定
タイヤをリム幅6インチ、リム径17インチのホイールに組込んだタイヤを、表面に#40番の紙ヤスリを貼り付けた直径3mのスチール製のドラムにキャンバー角(CA)50度、荷重1500N、スリップ角(SA)0度で押付けて、速度40km/hで回転させ、このときの横力をタイヤの回転軸に取付けた3分力計で測定する。この横力がキャンバースラストである。なお、上記タイヤの内圧は240kPaである。
横力はタイヤが回転し始めてから5分後のものを測定した。この時、タイヤは十分に暖まっている。そこで、5分の走行を行ってドラムを停止させた直後のショルダー部の温度を測定し、これをドラムでのショルダー部の温度とした。
横力は、従来例1のタイヤで1350Nであった。他のタイヤの横力については、上記従来例1の横力を100とした指数で表わしている。
(2)直進時の転がり抵抗試験
転がり抵抗試験の試験は転がり抵抗試験機を用いて行った。測定条件は、内圧240kPa、荷重1500N、キャンバー角(CA)0度、スリップ角(SA)0度、速度80km/hである。転がり抵抗の値は、従来例1のタイヤの転がり抵抗を100とした指数で示しており、この指数が小さいほど抵抗が少なく、燃費が節約できる。
(3)ドライバーによる操縦安定性能の評価試験と走行後のショルダー部の温度測定
テストコースで熟練ドライバーによる総合的な操縦安定性能の試験を実施した。準備したタイヤはリア用のタイヤで、リアのみをタイヤ交換して実車試験を行った。なお、フロントのタイヤは従来のもので固定した。
タイヤを1000ccのスポーツタイプの二輪車に装着してテストコースで実車走行させ、車輌を大きく倒した旋回時操縦性(コーナリング性能)を中心に評価した。評価点は、テストライダーのフィーリングによる10点法で総合評価した。
テストコースのレイアウトは、速度50km/h前後でCA50度まで倒すコーナーを6箇所設け、特に車輌を大きく倒したときの横グリップ性能を確認できるようにした。1周のラップタイムは約60秒であり、これを15周し、15周での総合的な官能評点をライダーに付けてもらった。
また、15周走行直後のショルダー部の温度を測定し、これを実車走行後のショルダー部の温度とした。
内部ゴムのない従来例2の結果とトレッド端の内部に幅が15mm〜72mmであるtanδの小さな異種ゴムが配置されている実施例1〜4の結果とを比較すると、実施例1〜4ではいずれも従来例2よりもショルダー部の温度が低くかつドラムでの横力=キャンバースラストが大きくなっていることが分かる。このショルダー部の温度の低下及び横力の増加は、異種ゴムの幅が大きい程大きくなることがわかる。また、実施例1〜4ではいずれも従来例2よりも操縦安定性能の評価が高く、更に、走行後のショルダー部の温度についても従来例2よりは低くなっている。これにより、トレッド端の内部にtanδの小さな異種ゴムを配置すれば、ショルダー部の温度上昇を抑制して横グリップ性能を向上させることができることが確認された。
また、異種ゴムの幅が10mmである比較例1では、従来例2とほぼ同じ結果であることから、異種ゴムの幅がトレッド展開幅の5%に満たない場合には、幅が小さすぎて、トレッド端の内部に異種ゴムを配置した効果が得られないことがわかる。逆に、異種ゴムの幅が84mmである比較例2では、横力やショルダー部の温度については幅が72mmである実施例4とほぼ同じ結果であるが、操縦安定性能の評価が実施例4よりも低い。したがって、異種ゴムの幅を30%より大きくしても、横力の増加やショルダー部の温度低下がみられないだけでなく、かえって操縦安定性能が低下するので、異種ゴムの適正な幅の範囲としては、トレッド展開幅の5%〜30%であり、更に好ましくは、8%〜25%であることが確認された。
なお、実施例1と実施例4とを比較しても分かるように、幅がある程度以上広くなると操縦安定性能は低下する。これは、異種ゴムの幅が広くなるとゴムが硬く振る舞うので、駆動時のすべりが増加して操縦安定性能に悪影響を及ぼすためで、実施例1〜4では、ゴムの幅が60mm(25%)である実施例1が最も高い評価を示している。
一方、異種ゴムの厚さがトレッド全体の20%(1mm)に満たない比較例3では、従来例2より若干改良されているものの、薄すぎてその効果は小さい。逆に、異種ゴムの厚さが7mmである比較例4では、横力が従来例2よりも低下してしまった。これは、横グリップの小さなtanδの小さな異種ゴムが接地面に露出していることによるもので、ドラムでのショルダー部の温度は低下しているものの、実車でのショルダー部の温度は逆に増加している。したがって、tanδの小さな異種ゴムについては、内部に配置する必要があり、かつ、その厚みについても、トレッド全体の20%〜70%、更に好ましくは、30%〜70%の範囲が適当であることが確認された。
また、実施例11の結果と実施例1の結果を比較すると、実施例11の方が、横力、ショルダー部温度、操縦安定性能の全てにわたって向上していることがわかる。これにより、異種ゴムの厚さはそのままで、トレッド端部の表層ゴムの厚さを薄くした方が、その部分の剛性が高くなるだけでなく、異種ゴムの割合が高くなるので、ショルダー部の温度上昇を抑制して、横力及び操縦安定性能を向上させることができることが確認された。
図5は、本最良の形態2に係る二輪車用タイヤ20の構成を示す図である。この二輪車用タイヤ20は競技用を想定したもので、2枚のボディプライ22A,22Bと、このボディプライ22A,22Bのタイヤ径方向外側に配置されたスパイラルベルト層23と、このスパイラルベルト層23のタイヤ径方向外側に配置された1枚のラジアルベルト層24と、上記ラジアルベルト層24のタイヤ径方向外側に配置されるゴム部材から成るトレッド層25と、上記スパイラルベルト層23とラジアルベルト層24との間に配置された緩衝ゴム層28とを備えている。
上記2本のボディプライ22A,22Bは、例えば、芳香族ポリアミド(商品名:ケブラー)等の繊維から成るコードを複数本撚ったものを所定の打込み間隔で平行に並べ、未加硫ゴムでシート状にしたもので、タイヤに配置した場合、上記コードの赤道方向に対するコード角度はそれぞれ40度である。これら2枚のボディプライ22は互いに交錯しており、ビード部21において2枚まとめて、両側からビードワイヤ22Wで挟み込まれて固定されている。
スパイラルベルト層23は、赤道方向に対するコード角が0度〜5度のベルト層で、1本または複数本のコードをゴムで被覆し、これをトレッド部分に螺旋巻するように巻き付けて形成したものである。
ラジアルベルト層24は、芳香族ポリアミドの繊維から成るコードを撚ったものを、所定の打込み間隔で配置したもので、赤道方向に対するコード角は80度〜90度である。
なお、トレッド層25の展開幅は240mmで、スパイラルベルト層23の幅とラジアルベルト層24の幅も240mmである。
トレッド層25はショルダー部26とセンター部27とで2層になっており、ショルダー部26には、タイヤ表面側に位置するショルダー表面層25aと内層に位置する第1の異種ゴム層25bとがある。一方、センター部27には、タイヤ表面側に位置するセンター表面層25cと内層に位置する第2の異種ゴム層25dとがある。また、ショルダー部26とセンター部27との間には、高損失ゴムから成る中間層25mが配置されている。
上記高損失ゴムは100℃でのtanδが0.4のゴムで、ショルダー表面層25aを構成するゴムも高損失ゴムである。一方、上記第1及び第2の異種ゴム層25b,25dを構成するゴムの100℃でのtanδは0.25で、センター表面層25cのゴムの100℃でのtanδは0.35である。
このように、センター部27の表面部にもtanδの小さなゴムから成るセンター表面層25cを配置することにより、内層に第2の異種ゴム層25dを設けただけの場合に比べてセンター部27の発熱を抑制することができる。これにより、センター部27の剛性を高めることができるので、直進時の転がり抵抗を改善できるとともに、操縦安定性能を向上させることができる。
また、スパイラルベルト層23は、上述したように、遠心力によるタイヤの膨張を防ぎ、高速走行時の操縦安定性能を向上させるのに有効である。また、スパイラルベルト層23だけでもベルト剛性を比較的高く保てることから、ベルト層をスパイラルベルト層23のみで構成したタイヤもある。また、スパイラルベルト層23を設けた場合には、ベルト剛性が高まるため、それに合わせるベルトは、最良の形態1で示した二輪車タイヤ10の交錯ベルト層14A,14Bのように、赤道方向に対するコード角が40度〜80度である場合が殆どであり、タイヤの内圧は上記スパイラルベルト層23が殆ど受け止めている。そのため、万一、スパイラルベルト層23が損傷すると、タイヤバーストにつながりかねない。例えば、トレッドが摩耗して薄くなったときに高速で突起物を踏みつけた場合や、摩耗しているのにタイヤを使い続けてしまい、スパイラルベルト層23が露出しまった場合には、スパイラルベルト層23が破断してしまう可能性がある。そこで、スパイラルベルト層23の径方向外側に、上記ラジアルベルト層24のような、幅方向に沿ったベルト層を設ければ、上記スパイラルベルト層23を確実に保護することができる。
上記スパイラルベルト層23の幅はトレッド展開幅の60%〜90%とするのが好ましい。上記スパイラルベルト層23の幅がトレッド展開幅の90%を超えると、ベルト層のタイヤ周方向への伸びが小さくなってしまい、トレッドのブレーキング変形を抑制することが困難となる。逆に、上記スパイラルベルト層23の幅がトレッド展開幅の60%未満であると、領域Cにもスパイラルベルト層23の存在しない領域ができるので、領域Cでもベルト層がタイヤ周方向へ伸びてしまい、その結果、領域Aと領域Cとのベルトの速度差があまり縮まらない。したがって、上記ブレーキング変形の抑制効果が小さくなり、くり返し変形によるゴムの発熱を低減することができなくなる。また、接地領域の殆どにスパイラルベルト層23が存在しないため、タガ効果が薄れて高速時の操縦安定性能が低下する。したがって、上記スパイラルベルト層23の幅はトレッド展開幅60%〜90%とするのが好ましい。
この硬質ゴム29は壁面の表面には露出させない方がよい。これは、硬質ゴム29は硬いため摩擦係数が低いからである。硬質ゴム29がトレッド表面に達すると、路面との接触による摩擦力の向上は期待できないだけでなく、逆に、柔らかいゴム(高損失ゴム)の接触面積を減らすことになる。そこで、本例では、上記硬質ゴム29のタイヤ径方向外側の位置を、トレッド表面からd=1mm程度の深さになるように上記硬質ゴム29を配置するようにしている。
また、上記硬質ゴム29の厚み(タイヤ幅方向に沿った長さ)Dが厚くなると、領域Aの内層に配置される第1の異種ゴム層25bのゴムの量が減るので、上記厚みDとしては最大の厚さとなる箇所でも6mm以下とすることが好ましい。なお、硬質ゴム29の厚みDは、その硬さにもよるが、1mm以上あればその効果を発揮することができる。2mm〜5mmとすれは、更に好ましい。
すなわち、低温時にはゴムは硬く振る舞うのでトレッド表面が滑ってしまい、十分なグリップが得られない。そこで、走行初期のグリップを得るためには、第1の異種ゴム層を構成するtanδの小さいゴムの動的弾性率E’(L)を小さくすることで、ショルダー表面層25aのゴムを動きやすくして、ショルダー部26の温まりを良くするようにすれば、走行初期とそれ以降のグリップのバランスを取ることができる。
また、最大CAでの横グリップを発熱により失いたくない場合には、上記第1の異種ゴム層15c(または、第1の異種ゴム層25b)の幅を、トレッド表面側からタイヤ径方向内側に向かって徐々に広くすればよい。具体的には、図8(a)に示すように、上記第1の異種ゴム層15cの断面形状を略台形状するか、図8(b)に示すように、略三角形状とすればよい。これにより、ショルダー部16の端部側に近いほどtanδの小さいゴムの占める割合が大きくなるので、最大CA時の横グリップの発生に大きく寄与する領域Aや領域Bにおける発熱を効果的に抑制することができる。したがって、最大CA時の横グリップを十分に確保することができる。
[第二の実施例]
タイヤは二輪車用のタイヤで、タイヤサイズは190/50ZR17である。
これらのタイヤは、いずれも、2枚のボディプライを有している。このボディプライは芳香族ポリアミド(商品名:ケブラー)の繊維を撚って直径0.6mmとし、これをタイヤセンター部での打込みが40本/50mmになるように配置している。これら2枚のボディプライは互いに交錯しており、タイヤセンター部での角度は赤道方向に対して40度になっている。このボディプライは、ビード部に達しており、ビード部で2枚まとめて、両側からビードワイヤで挟み込まれて固定されている。
スパイラルベルト層は、直径0.12mmのスチール単線を7本で撚り合わせて1本のスチールコードとし、これを打込み間隔50本/50mmとなるようにして、スパイラル状に巻付けて形成した。
ラジアルベルト層は、芳香族ポリアミドの繊維を撚って直径0.6mmにしたものを、打込み間隔50本/50mmで配置した。
トレッド層の厚さは、センター部からショルダー部まで一律で、8mmで、トレッドの展開幅は240mmである。また、スパイラルベルト層の幅は従来例3、実施例12、及び、比較例5,6で240mm、実施例13〜実施例20、及び、比較例7で180mm、90度ベルト層の幅は240mmである。
上記の基本構造は各タイヤについて共通である。
従来例3のタイヤ
トレッド層のセンター部の内部には、幅が120mmで100℃でのtanδが0.25のゴムが、厚み4mmで配置されている。また、その上部には、幅が90mmで100℃でのtanδが0.35のゴムが配置されている。そして、トレッドセンター部両側表層部には、100℃でのtanδが0.4のゴムが配置されている。
実施例12のタイヤ
トレッド端の内部に異種ゴムが配置されている他は従来例3のタイヤと同じである。
上記異種ゴムの幅は60mm(トレッドの展開幅の25%)で、厚さは4mm(トレッド層の厚さの57%)、100℃でのtanδは0.25である。この異種ゴムとセンター寄りのゴムとの深さ方向の境界は、深さ方向にほぼ垂直であり、傾いていない。
実施例13のタイヤは、実施例12のスパイラルベルト層の幅を180mmに変更したもので、他は実施例12のタイヤと同じである。
実施例14のタイヤは、実施例13の異種ゴムの形状を、図7に示すような、径方向内側の幅が狭いタイプに変更したもので、他は実施例13のタイヤと同じである。
実施例15のタイヤは、実施例13の異種ゴムの形状を、図8(a)に示すような、径方向内側の幅が広いタイプに変更したもので、他は実施例13のタイヤと同じである。
実施例16のタイヤは、実施例13の異種ゴムの形状を、図8(b)に示すような、三角形タイプに変更したもので、他は実施例13のタイヤと同じである。
実施例17のタイヤは、実施例13の異種ゴムの形状を、図3に示すような、径方向内側のゴムがセンター方向へ伸びてセンター部内層の異種ゴムと繋がっているタイプに変更したもので、他は実施例13のタイヤと同じである。
実施例18のタイヤは、実施例12の異種ゴムの動的弾性率E’を実施例12の動的弾性率E’の70%にしたもので、他は実施例12のタイヤと同じである。
実施例19のタイヤは、図6に示すように、実施例12のトレッド端部の壁面に硬質ゴムを配置したもので、他は実施例12のタイヤと同じである。
実施例20のタイヤは、実施例12のスパイラルベルト層と交錯ベルト層との間に緩衝ゴムを配置したもので、他は実施例12のタイヤと同じである。
比較例5のタイヤは、従来例3のタイヤのトレッド端部の壁面に硬質ゴムを配置したもので、他は従来例3のタイヤと同じである。
比較例6のタイヤは、従来例3のタイヤのスパイラルベルト層と交錯ベルト層との間に緩衝ゴムを配置したもので、他は従来例3のタイヤと同じである。
比較例7のタイヤは、従来例3のタイヤのスパイラルベルト層の幅を180mmに変更したもので、他は従来例3のタイヤと同じである。
(1)CA50度における横力評価(新品時)
タイヤをリム幅6インチ、リム径17インチのホイールに組込んだタイヤを、表面に#40番の紙ヤスリを貼り付けた直径3mのスチール製のドラムにキャンバー角(CA)50度、荷重1500N,スリップ角(SA)0度で押付けて、速度1000km/hで回転させ、このときの横力をタイヤの回転軸に取付けた3分力計で測定する。この横力がキャンバースラストである。なお、上記タイヤの内圧は200kPaである。
横力はタイヤが回転し始めてから5分後のものを測定した。この時、タイヤは十分に暖まっている。そこで、5分の走行を行ってドラムを停止させた直後のショルダー部の温度を測定し、これをドラムでのショルダー部の温度とした。
横力は、従来例3のタイヤで1900Nであった。他のタイヤの横力については、上記従来例3の横力を100とした指数で表わしている。
(2)摩耗を想定した横力評価
センター部からショルダー部までタイヤ表面を一律に3mm削り取ったタイヤ(以下、3mm削り品という)について、上記(1)の3mドラムと同様の試験を行い、回転してから5分後の横力とショルダー部の温度を測定した。横力は、従来例3の横力を100とした指数で表わした。
(3)ドライバーによる操縦安定性能の評価
テストコースで熟練ドライバーによる総合的な操縦安定性能の試験を実施した。準備したタイヤはリア用のタイヤで、リアのみをタイヤ交換して実車試験を行った。なお、フロントのタイヤは従来のもので固定した。
タイヤを1000ccのスポーツタイプの二輪車を改造して競技用としたバイクを用い、競技を想定して、サーキットでの走行を実施した。この時の最高速度は320km/hであった。評価点は、テストライダーのフィーリングによる10点法で総合評価した。なお、テストは20周で行い、最初の10周の平均ラップタイムと最後の10周の平均ラップタイムを求めた。また、操縦安定性能のフィーリング評価も前半10周と後半10周とに分けて評価した。テストコースのレイアウトは、速度80km/h〜120km/hで車体を大きく倒し込むコーナーが4箇所あった。
また、20周走行直後のショルダー部の温度を測定した。
(4)摩耗量の評価
実車テストを行う前にタイヤの重量を測定しておき、テストコースを20周走行した後にタイヤに付着したゴムのかすや小石などの付着物をきれいに取り除き、再度タイヤの重量を測定する。特設したテストコースはコーナーが多かったため、摩耗はショルダー部に集中的に発生していた。そこで、新品時のタイヤに対する走行後タイヤの重量差を当該タイヤのショルダー部の摩耗量として評価した。各タイヤの摩耗量は、従来例3の摩耗量を100とした指数で表わした。なお、従来例3のショルダー部の摩耗量は4mmであった。
従来例3の結果とトレッド端の内部にtanδの小さな異種ゴムが配置されており、かつ、スパイラルベルト層の幅の狭い実施例13の結果とを比較すると、実施例13では新品も3mm削り品もともに、横力指数が8〜8.5向上している。また、サーキットを走行したときのラップタイムも1.0秒以上速く、効果が明確である。更に、摩耗量も、従来例3よりも20%も少ない。すなわち、実施例13ではタイヤのグリップが向上してタイヤのすべりが抑制され、その結果、摩耗量が大幅に減少していることがわかる。
これは、比較例7のように、単にスパイラルベルト層の幅を狭くしたものや、実施例12のように、トレッド端の内部にtanδの小さな異種ゴムが配置しただけの単独の効果よりも、両者を組合わせることで効果が増すことを示している。例えば、摩耗量についてみると、比較例7は従来例3よりも7%少なく、実施例12は従来例3よりも6%少ない。したがって、単純に両者を組合わせると計算上は13%の改善になる。しかしながら、実際は、両者を組合せた実施例13の摩耗量は、従来例3に比べて20%少なくなっている。これは、両者を組合わせることで、相乗効果が発揮され、グリップレベルが一段と高くなり、タイヤが滑りにくくなって、耐摩耗性が飛躍的に向上したからと考えられる。
また、走行後のショルダー部の温度についても、実施例13は、従来例3、比較例7、及び、実施例12よりも大幅に低くなっていることから、ショルダー部の温度についても相乗効果が発揮されていることが分かる。
また、実施例13の結果と実施例15,16の結果とを比較すると、実施例15,16では初期のグリップはやや低下するものの、従来例3よりグリップが十分に高いだけでなく、摩耗してトレッドの厚みが薄くなった場合のグリップは高い。このように、実施例15,16のように、ショルダー部端部側ほどtanδの小さいゴムの割合が大きい形状とすれば、ショルダー部の温度をある程度高い温度に保つことができるので、最大CAでの横グリップが発熱により失われることを防止することができることが確認された。
また、実施例13の結果と実施例18の結果とを比較すると、tanδの小さいゴムでかつ動的弾性率E’が小さな実施例18では、実車での最初の10周の評点とラップタイムが向上している。これは、評価したライダーのコメントによると、走行始めショルダー部の温たまりがよく、走行初期のグリップが高いことによるとのことである。実施例13のように、tanδの小さいゴムをショルダー部に配置した場合には、走行開始直後のようにまだ発熱が十分でないときには、低温時にゴムが硬く振る舞うことによりトレッド表面がすべってしまい、グリップが十分に得られない場合がある。
このように、tanδの小さいゴムであってかつ動的弾性率E’の小さなゴムを使用すれば、走行開始初期のグリップを確保できることが確認された。
また、緩衝ゴム層を有する実施例20では、新品でも3mm削り品でもショルダー部の温度が10℃も低く、グリップも大幅に向上しているだけでなく、テスト走行においては、今回のテスト中で最高の得点と最速のラップタイムを記録した。また、摩耗量も極めて少なかった。一方、内部ゴムのない従来例3に緩衝ゴム層を配置した比較例6では、ショルダー部の温度が10℃も低くなっているにもかかわらず、グリップはさほど向上しなかった。
実施例20がこのように優れた特性を示すのは、ショルダー部にtanδの小さいゴムを配置したことでグリップが上がった効果と、スパイラルベルト層の幅を狭くしたことで滑りが低減された効果と、緩衝ゴムを配置することで更にグリップが向上した効果とが重なり合って飛躍的に耐摩耗性能とグリップとが向上したからであると考えられる。
ところで、摩耗量で見ると、スパイラルベルト層の幅を狭くするだけで7%(従来例3と比較例7)、緩衝ゴム層を配置するだけで8%(従来例3と比較例6)、tanδの小さいゴムを配置するだけで6%(従来例3と実施例12)の効果があるが、これらを単純に足し合わせると21%の効果になる。しかしながら、実施例20では、従来例3に比較して、摩耗量が36%も小さくなっていることから、単純に緩衝ゴム層を配置するのではなく、本発明と組合わせることで、相乗的にその効果を高めることができる。
15a 表面層、15b 内部中間層、15c 第1の異種ゴム層、
15d 第2の異種ゴム層、15z トレッド端部、16 ショルダー部、
17 センター部、
20 二輪車用タイヤ(競技用)、21 ビード部、22W ビードワイヤ、
22A,22B ボディプライ、23 スパイラルベルト層、24 ラジアルベルト層、25 トレッド層、25a ショルダー表面層、25b 第1の異種ゴム層、
25c センター表面層、25d 第2の異種ゴム層、25m 中間層、
25z トレッド端部、26 ショルダー部、27 センター部、28 緩衝ゴム層、
29 硬質ゴム。
Claims (13)
- ベルト層とこのベルト層のタイヤ径方向外側に配置されたトレッドゴムとを備えた二輪車用空気入りタイヤであって、
ショルダー部のトレッドゴムは、トレッド表面側に位置するショルダー部表面層と、上記ショルダー部表面層のタイヤ径方向内側に配置された第1の異種ゴム層とを備え、
センター部のトレッドゴムは、トレッド表面側に位置するセンター部表面層と、上記センター部表面層のタイヤ径方向内側に配置された第2の異種ゴム層とを備え、
上記ショルダー部のトレッドゴムと上記センター部のトレッドゴムとの間に配置されるトレッドゴムは、トレッド表面側に位置する中間部表面層と、上記中間部表面層のタイヤ径方向内側で上記第1の異種ゴム層と上記第2の異種ゴム層との間に配置された内部中間層とを備え、
上記第1の異種ゴム層は、一端がトレッド端部に位置し、幅がトレッド展開幅の5%〜30%の範囲にあり、
上記第1の異種ゴム層のゴムの損失正接は、上記ショルダー部表面層のゴムの損失正接よりも小さく、
上記第2の異種ゴム層のゴムの損失正接は、上記センター部表面層のゴムの損失正接よりも小さく、
上記内部中間層のゴムの損失正接と上記中間部表面層のゴムの損失正接とは、上記ショルダー表面層のゴムの損失正接と等しいことを特徴とする二輪車用空気入りタイヤ。 - 上記第1の異種ゴム層の幅は、トレッド表面側からタイヤ径方向内側に向かって徐々に狭くなっていることを特徴とする請求項1に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
- 上記第1の異種ゴム層の幅は、トレッド表面側からタイヤ径方向内側に向かって徐々に広くなっていることを特徴とする請求項1に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
- 上記第1の異種ゴム層の厚さの最大値は、トレッドゴムの厚さの20%〜70%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の二輪車用空気入りタイヤ。
- 上記トレッドゴムのトレッド端部とトレッド端部から測ってトレッド展開幅の10%の位置までの間の平均的なトレッドゴムの厚さは、トレッド端部から測ってトレッド展開幅の10%の位置から25%の位置までの間の平均的なトレッドゴムの厚さよりも薄いことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の二輪車用空気入りタイヤ。
- 上記センター部表面層のゴムと上記中間部表面層のゴムと上記ショルダー部表面層のゴムとが連続的に繋がっていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の二輪車用空気入りタイヤ。
- トレッド端部の壁面の少なくとも一部に幅が6mm以下の硬質ゴムが配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の二輪車用空気入りタイヤ。
- 上記トレッドゴムの少なくとも一部は、幅狭長尺のゴムストリップをタイヤ周方向に沿って螺旋状に重ねて巻付けて成型されたものであることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の二輪車用空気入りタイヤ。
- 補強部材のタイヤ赤道方向に対する配列角度が0度〜5度であるスパイラルベルト層を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の二輪車用空気入りタイヤ。
- 上記スパイラルベルト層のタイヤ径方向外側に、補強部材のタイヤ赤道方向に対する配列角度が80度〜90度であるベルト層が配置されていることを特徴とする請求項9に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
- 上記スパイラルベルト層と上記ベルト層との間に、厚みが0.3mm〜3.0mmの緩衝ゴム層が配置されていることを特徴とする請求項10に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
- 上記スパイラルベルト層の幅がトレッド展開幅の60%〜90%であることを特徴とする請求項9〜請求項11のいずれかに記載の二輪車用空気入りタイヤ。
- 上記第1の異種ゴム層のゴムの動的弾性率は上記ショルダー部表面層のゴムの動的弾性率よりも小さいことを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれかに記載の二輪車用空気入りタイヤ。
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