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JP5046039B2 - 液中観察用センサ及び液中観察装置 - Google Patents

液中観察用センサ及び液中観察装置 Download PDF

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Description

本発明は、自己検知型プローブを利用して、試料の表面形状や粘弾性等の各種の物性を液中で観察する液中観察用センサ及び液中観察装置に関するものである。
近年、ナノテクノロジーの進歩により、バイオや半導体等の試料の表面を高分解能で観察する技術が要求されている。この要求を実現するための装置の1つとして、走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)が知られている。この走査型プローブ顕微鏡は、金属、半導体、セラミック、樹脂、高分子、生体材料、絶縁物等の各種の試料の表面を微小領域で観察し、試料の表面形状や粘弾性等の各種の物性を原子レベルの高分解能で観察することができる装置である。しかもこの走査型プローブ顕微鏡は、真空中、ガス中、大気中、液中等の様々な環境下で使用できることから、幅広い分野で好適に利用されている。
特に最近では、液中で試料の観察を行いたいというニーズが非常に高い。これは、電解液との界面で進行する試料の電気化学反応過程を観察したり、バイオ試料を培養液中で生きたまま観察したりすることが、今後の実験や研究で重要なテーマとなっているためである。通常、液中観察を行う場合には、走査型プローブ顕微鏡の1つである原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)が使用される。この原子間力顕微鏡は、カンチレバーの先端に設けられた探針を試料の表面に接触或いは近接させ、カンチレバーの撓み量が一定となるように探針と試料との間の距離を制御しながら走査を行うことで、試料の表面形状や各種の物性を観察するものである。
ところで、カンチレバーの撓み量を測定するには、一般的に光てこ方式と呼ばれる方式で行っている。この方式は、カンチレバーの背面にレーザ光を照射すると共に、背面で反射したレーザ光を検出器で受光する。そして、受光した際のレーザ光の位置変化(光路の変化)に基づいてカンチレバーの撓み量を測定する方式である。そのため、カンチレバーの背面に正確にレーザ光を照射すると共に、反射したレーザ光が確実に検出器に入射するように、予め観察を行う前の前準備としてレーザ光の光路をアライメントしておく必要がある。しかしながら、このアライメントは、僅か数十μm程度のカンチレバーに対して行うので、非常に困難な作業であり、手間と時間がかかるものであった。特に、液中観察を行う場合には、カンチレバーが液中にあるので難しい作業であった。
しかもカンチレバーは、消耗品であるので適宜交換する必要がある。通常、カンチレバーを取り付ける場合には、作業者がカンチレバーを支持する本体部(数mm程度)をピンセットで摘み、カンチレバーホルダにセットしている。ところが、この作業自体が初心者にとっては困難な作業であり、容易に行うことができるものではなかった。そのため、カンチレバーの取り付け時に、該カンチレバーを欠損してしまう状況が頻繁に発生しているのが現状である。加えて、問題なくカンチレバーを取り付けることができたとしても、上述したようにレーザ光の光路をアライメントする作業を引き続き行わなくてはならない。よって、実際に観察や測定を開始するまでに、事前準備が大変なものであった。
ところで、近年になってカンチレバー自身にピエゾ素子等の歪抵抗素子(変位センサ)を組み込んだ自己検知型のプローブが開発されている(特許文献1参照)。この自己検知型プローブについて、図面を参照して簡単に説明する。
図20に示すように、自己検知型プローブ100は、先端に探針101aを有し、基端側が本体部101bに支持されたカンチレバー101と、カンチレバー101の撓み量に応じて抵抗値が変化する歪抵抗素子102と、本体部101bを支持する支持基板103と、を備えている。
探針101a、カンチレバー101及び本体部101bは、シリコン等の半導体材料により一体的に形成されている。歪抵抗素子102は、カンチレバー101の根元付近においてイオン注入法等により形成されている。また、カンチレバー101から本体部101bに亘って、歪抵抗素子102に電気的に接続された配線部104が形成されている。この配線部104は、接続ワイヤ105を介して支持基板103上に形成された配線パターン106に電気的に接続されている。そして、配線パターン106の端部は、センサ信号用の入出力端子となっている。
このように構成された自己検知型プローブ100によれば、入出力端子を介して歪抵抗素子102の抵抗値をモニタすることができ、この抵抗値の変化に基づいてカンチレバー101の撓み量を正確に把握することができる。そのため、この自己検知型プローブ100によれば、上述した光てこ方式を採用する必要がない。
つまり、この自己検知型プローブ100が開発されたことで、従来困難であったレーザ光のアライメント作業をなくすことができる。よって、多くの人がこのメリットを享受でき、初心者でも比較的簡単に原子間力顕微鏡を扱えるようになった。また、この自己検知型プローブ100の登場により、産業用の自動計測可能な原子間力顕微鏡においても、消耗品であるカンチレバー101を比較的簡単に連続的に交換できるようになった。このように、自己検知型プローブ100は、先端産業の発展に貢献している。
米国特許第5345815号明細書
しかしながら、上述した自己検知型プローブ100は、扱い易く今後の主流になるものと考えられているが、液中観察に使用する場合には、適さないものであった。
始めに、これまで既に実用化されて産業の発展に貢献してきた上記自己検知型プローブ100を実際に利用する場合には、図21に示すように、取り扱いを容易にするため、ガラスエポキシ等の樹脂材料からなる基板110上に実装している。この基板110上には、ワイヤ111を介して配線パターン106の端部に電気的に接続された導通パターン112が形成されている。
そして、この基板110を図22に示すカンチレバーホルダ120にセットする必要がある。このカンチレバーホルダ120は、弾性電極121が取り付けられたホルダ本体122と、ホルダ本体122に固定され、弾性電極121の先端を支持すると共に、カンチレバー台123との間に基板110を差し込むための空間を作り出す電極ガイド124と、で主に構成されている。
このように構成されたカンチレバーホルダ120に基板110をセットする場合には、導通パターン112を弾性電極121側に向けた状態で、基板110を電極ガイド124とカンチレバー台123との隙間に挿入する。すると、弾性電極121が基板110を押さえ付けるので、基板110が固定される。また、これと同時に、弾性電極121が、導通パターン112に接触して導通が確保される。その結果、カンチレバー101の撓み信号を捕らえることができ、原子間力顕微鏡としての機能を発揮することができるようになっている。
ところが、大気中で観察を行う場合には問題がないが、液中観察を行う場合には、自己検知型プローブ100自体がどうしても液体に浸かってしまうものであった。そのため、配線部104や接続ワイヤ105、配線パターン106も同様に液体に浸かってしまう。よって、液体と触れる各箇所で電流がリークしてしまったり、酷い場合にはショートしてしまったりする。そのため、変位信号にノイズが入り易く、カンチレバー101の変位を正確に測定することができなかった。しかも、液体に触れる箇所には、電気化学反応による腐食がおきてしまい、欠損や断線が生じ易い。そのため、自己検知型プローブ100は、液中観察に適さないものであった。
また、観察モードによっては、カンチレバーホルダと自己検知型プローブ100との間に圧電素子を介在させ、カンチレバー101を加振させる場合がある。ところがこの場合には、圧電素子自身も液体に触れてしまうので、この圧電素子に関しても同様の問題が起き易かった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、液体に何ら影響を受けずに、自己検知型プローブを利用して試料を液中観察することができる液中観察用センサ、該液中観察用センサを有する液中観察装置を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明に係る液中観察用センサは、カンチレバーホルダにセットされることで、液体内の試料を観察する液中観察用センサであって、前記セット時に前記試料に対して対向配置される探針が先端に形成されていると共に基端側が本体部に支持されたカンチレバーと、カンチレバーに形成され、該カンチレバーの変位量に応じて抵抗値が変化する歪抵抗素子と、カンチレバーから本体部に亘って形成され、歪抵抗素子に電気接続された配線部と、を有する自己検知型プローブと、互いに接着された2枚の絶縁性シートと両絶縁性シートの間にパターニングされた配線パターンとを有し、前記カンチレバーを外側に突出させた状態で前記本体部を支持すると共に、少なくとも一端側が前記液体外に引き出されるように長尺な帯状に形成されたフレキシブル基板と、前記配線部と前記配線パターンとを電気接続する接続部材と、絶縁性の樹脂により、前記配線部、前記接続部材及び該接続部材と前記配線パターンとの電気接続箇所を被覆する樹脂部と、前記液体外に引き出された前記フレキシブル基板の端部において、前記配線パターンが外部に露出した外部接点と、を備え、前記自己検知型プローブは、前記本体部が前記両絶縁性シートの間に挟み込まれた状態で支持されていることを特徴とするものである。
この発明に係る液中観察用センサにおいては、カンチレバーホルダにセットされると、カンチレバーの先端に形成されている探針が、液中環境下の試料に対して対向配置された状態となる。この際、カンチレバーに形成された歪抵抗素子は、配線部及び接続部材を介してフレキシブル基板の配線パターンに電気接続されている。そのため、配線パターンの外部接点を介して、歪抵抗素子に電流を流して該歪抵抗素子の抵抗値をモニタすることができる。よって、探針と試料との間に作用する原子間力によってカンチレバーは変位するが、抵抗値をモニタすることでカンチレバーの変位量を検出することができる。その結果、試料を観察することができる。
ところで、試料は液中環境下にあるので、同様に自己検知型プローブの周辺も液中環境下に置かれてしまい、液体に触れた状態となってしまう。しかしながら、カンチレバーから本体部に亘って形成された配線部、該配線部を配線パターンに接続する接続部材、該接続部材と配線パターンとの電気接続箇所は、絶縁性の樹脂からなる樹脂部によって被覆されており、確実に防水されている。そのため、液中環境下であっても、従来のように電流がリーク或いはショートする恐れがない。また、腐食による欠損や断線が生じる恐れもない。また、配線パターンの外部接点は、液体外に引き出された長尺なフレキシブル基板の端部に形成されているので、液体に触れてしまう可能性がない。しかも、接続部材が接続されたポイントから外部接点までに至る間の配線パターンは、2枚の絶縁性シートによって挟まれて被覆されている。従って、確実に防水されており、液体に触れてしまう恐れがない。
このように、液中観察用センサは、全体が耐防水構造となっており、液体に何ら影響を受けずに、自己検知型プローブを利用して試料を長期的に安定して液中観察することができる。また、液中観察用センサをセット或いは交換する際に、外部接点が液体外に引き出されているので、該外部接点を濡らすことなく、誰でも容易に交換し易い。従って、使用者にとって扱い易く、利便性に優れている。
更に、フレキシブル基板の2枚の絶縁性シートの間に、自己検知型プローブの本体部が挟み込まれて被覆されている。これにより、配線部の一部、接続部材、接続部材と配線パターンとの電気接続箇所は、両絶縁性シートによって保護されるので、より確実な防水構造となっている。従って、液体の影響をより受け難い。







また、本発明に係る液中観察用センサは、上記本発明の液中観察用センサにおいて、前記フレキシブル基板には、貫通孔が形成され、前記自己検知型プローブが、前記貫通孔によって開いた空間に前記カンチレバーが突出した状態で支持されていると共に、前記フレキシブル基板が平坦状態のときに該基板の厚み内にカンチレバーが収まり、前記フレキシブル基板が湾曲状態のときに該基板の表面からカンチレバーが飛び出ることを特徴とするものである。
この発明に係る液中観察用センサにおいては、カンチレバーホルダにセットすると、フレキシブル基板が若干湾曲するので、貫通孔によって開いた空間に突出しているカンチレバーがフレキシブル基板の表面から飛び出る。これにより、カンチレバーの先端に形成された探針が、試料に対向配置されるので、液中観察を行える。
一方、カンチレバーホルダにセットしてない場合には、フレキシブル基板が平坦状態となるので、該フレキシブル基板の厚み内にカンチレバーが収まる。よって、カンチレバーがフレキシブル基板の表面から飛び出すことがないので、カンチレバーを保護することができ、傷等が付いてしまう可能性を低減することができる。従って、液中観察用センサの品質を高めることができる。特に、カンチレバーの先端に形成された探針を、保護することができる。
また、本発明に係る液中観察用センサは、上記本発明の液中観察用センサにおいて、前記フレキシブル基板には、前記貫通孔が該基板の長手方向に沿って所定間隔毎に複数形成されており、各貫通孔に対して前記自己検知型プローブがそれぞれ設けられていることを特徴とするものである。
この発明に係る液中観察用センサにおいては、フレキシブル基板の長手方向に沿って複数の自己検知型プローブが支持されているので、フレキシブル基板を長手方向にずらすだけで自己検知型プローブの交換を容易且つ短時間で行うことができる。従って、交換作業の手間を極力なくすことができ、液中観察を効率良く行うことができる。
また、本発明に係る液中観察用センサは、上記本発明の液中観察用センサにおいて、前記絶縁性シートと前記本体部との間には、前記配線パターンに電気接続された状態で、前記カンチレバーを所定の位相及び振幅で振動させる加振源が設けられていることを特徴とするものである。
この発明に係る液中観察用センサにおいては、加振源が設けられているので、カンチレバーを振動させた振動モードで液中観察を行える。従って、多種多様なデータに基づいて試料をより多角的に観察することができる。
特に、本体部と加振源とを直接接触させることができるので、他の構成要素をできるだけ振動させずに、加振源の振動を直接本体部に伝えることができる。従って、カンチレバーのみを所望の状態で振動させることができ、液中観察の観察精度を向上することができる。また、加振源は、フレキシブル基板の両絶縁性シートによって保護されているので、防水構造となっている。そのため、加振源に関しても液体から何ら影響を受けることがない。
また、本発明に係る液中観察装置は、上記本発明の液中観察用センサと、該液中観察用センサを着脱自在に固定する固定機構を有し、セットしたときに前記探針を前記試料に対向配置させるカンチレバーホルダと、前記探針と前記試料とを、試料表面に平行な方向に相対的に走査させると共に、試料表面に垂直な方向に相対的に移動させる移動機構と、前記外部接点を介して前記配線部に流れる電流値を検出して、前記カンチレバーの変位量を検出する検出機構と、前記走査時に前記探針と前記試料表面との距離を、前記カンチレバーの変位量又は振幅量が一定となるように前記移動機構を制御して前記試料を観察する観察機構と、を備えていることを特徴とするものである。
この液中観察装置においては、まず、固定機構により液中観察用センサをカンチレバーホルダにセットする。これにより、探針が液中環境下にある試料に対向配置される。そして、外部接点を介して配線部に電流を流すと共に、検出機構により電流値をモニタしておく。次いで、この状態で移動機構により走査を行う。すると、この走査の間、探針と試料との間に原子間力による相互作用が働くので、試料表面の凹凸に応じてカンチレバーが変位する。すると、カンチレバーの変位に応じて歪抵抗素子も変位するので、抵抗値が変化する。よって、検出機構は、モニタしていた電流値に基づいてカンチレバーの変位量を検出することができる。そして、観察機構は、この走査時に探針と試料表面との距離を、変位量又は振幅量が一定となるように移動機構を制御しながら走査させる。これにより、観察機構は、液中での試料の表面形状や各種の物性情報等を取得することができ、液中観察を行うことができる。
特に、自己検知型プローブを利用して液中観察できるので、観察の前準備の段階でカンチレバーの背面にレーザ光を当てる等のアライメント作業が不要である。従って、非常に使い易く、操作性の向上化を図ることができると共に、速やかに液中観察を行うことができる。
また、本発明に係る液中観察装置は、上記本発明の液中観察装置において、前記固定機構が、前記フレキシブル基板の長手方向に略直交する幅方向に延びたワイヤを有し、該ワイヤを利用して前記液中観察用センサを前記カンチレバーホルダに押さえ付けて固定すると共に、ワイヤを緩めて押さえ付けを解除し、前記フレキシブル基板の両側には、前記ワイヤが入り込んで該ワイヤを位置決めさせる切り欠き溝がそれぞれ形成されていることを特徴とするものである。
この発明に係る液中観察装置においては、ワイヤを利用した簡単な方法により液中観察用センサをカンチレバーホルダにセットすることができる。つまり、ワイヤを緩めた状態で液中観察用センサをカンチレバーホルダに位置させ、その後、ワイヤを張ることで、液中観察用センサをカンチレバーホルダに押さえ付けて確実に固定することができる。しかも、フレキシブル基板の両側に形成された切り欠き溝にワイヤが入り込むので、毎回同じ位置にワイヤが位置決めされる。従って、液中観察用センサを予め決まった位置に確実に固定することができる。よって、正確な液中観察を行うことができる。
また、本発明に係る液中観察装置は、上記本発明の液中観察装置において、前記フレキシブル基板には、該基板を貫通するガイド孔がそれぞれ形成され、前記固定機構が、互いに接近離間する方向に移動自在とされ、前記ガイド孔に挿通される一対の固定用ピン有し、一対の固定ピンを互いに離間させる方向に移動させることによって前記フレキシブル基板に引張力を作用させ、前記液中観察用センサを固定することを特徴とするものである。
この発明に係る液中観察装置においては、一対の固定用ピンを利用した簡単な方法により液中観察用センサをカンチレバーホルダにセットすることができる。つまり、一対の固定用ピンを予め接近させた後、フレキシブル基板に形成されたガイド孔に固定用ピンを挿通させながら液中観察用センサをカンチレバーホルダに位置させる。次いで、一対の固定用ピンを互いに離間する方向に移動させる。これにより、フレキシブル基板は、面内で引っ張られるので、一対の固定用ピンによって確実に固定される。
しかも、ガイド孔内に固定用ピンを挿通させるので、液中観察用センサを予め決まった位置に確実に固定することができる。よって、正確な液中観察を行うことができる。
また、本発明に係る液中観察装置は、上記本発明の液中観察装置において、前記ガイド孔が、前記外部接点を貫いた状態で前記フレキシブル基板の端部に形成され、前記固定用ピンを前記ガイド孔に挿通することで、前記検出機構と前記外部接点とを自動的に導通させることを特徴とするものである。
この発明に係る液中観察装置においては、一対の固定用ピンを挿通させるガイド孔が、外部接点を貫いた状態でフレキシブル基板の端部に形成されている。そのため、固定用ピンをガイド孔に挿通した時点で、検出機構と外部接点とが自動的に導通する。つまり、液中観察用センサをカンチレバーホルダにセットする作業を行うことで、検出機構と外部接点との導通作業に関しても自動的に行うことができる。従って、観察前の準備をよりスピーディに行うことができ、操作性をさらに向上することができる。
また、本発明に係る液中観察装置は、上記本発明の液中観察装置において、前記固定機構が、前記カンチレバーホルダに開口が開いた吸引路を有し、該吸引路を介して前記液中観察用センサを吸着固定することを特徴とするものである。
この発明に係る液中観察装置においては、液中観察用センサをカンチレバーホルダに位置させた後、吸引路を介して吸引を行う。これにより、液中観察用センサを吸引することができ、カンチレバーホルダに吸着固定することができる。このように、吸引力を利用した簡単な方法で液中観察用センサをカンチレバーホルダにセットすることができる。
本発明に係る液中観察用センサによれば、液体に何ら影響を受けずに、自己検知型プローブを利用して試料を液中観察することができる。
また、本発明に係る液中観察装置によれば、自己検知型プローブを利用して液中観察できるので、観察の前準備の段階でカンチレバーの背面にレーザ光を当てる等のアライメント作業が不要である。従って、非常に使い易く、操作性の向上化を図ることができると共に、速やかに液中観察を行うことができる。
特に、本発明に係る液中観察装置をバイオ・メディカル分野で使用することができ、近年盛んである分子細胞生物学の発展に大きく寄与することが予想できる。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る第1実施形態を、図1から図5を参照して説明する。なお、本実施形態では、液体Wが貯留された液槽10内に試料Sを入れた状態で測定を行う場合を例に挙げて説明する。
本実施形態の液中観察装置1は、液体W内で試料Sの表面形状又は粘弾性等の各種の物性を測定して試料Sを観察する装置であって、図1に示すように、自己検知型プローブ2を有する液中観察用センサ3と、カンチレバーホルダ4と、移動機構5と、検出機構6と、観察機構7と、を備えている。
始めに、試料Sは、液槽10の底面に容易に動かないように保持されている。この液槽10は、上部が開口した断面コ形形状に形成されており、XYZステージ11上に固定された試料ステージ12上に固定されている。
上記液中観察用センサ3は、カンチレバーホルダ4にセットされることで、液体W内に置かれた(液中環境下にある)試料Sを観察するためのセンサであって、自己検知型プローブ2と、フレキシブル基板20とを備えている。
自己検知型プローブ2は、図2及び図3に示すように、カンチレバーホルダ4にセットされたときに試料Sに対して対向配置される探針30aが先端に形成されていると共に基端側が本体部30bに支持されたカンチレバー30と、該カンチレバー30の変位量に応じて抵抗値が変化するピエゾ抵抗素子等の歪抵抗素子31と、カンチレバー30から本体部30bに亘って形成され、歪抵抗素子31に電気接続された配線部32と、有している。
この自己検知型プローブ2は、シリコン等の半導体材料により一体的に形成されている。カンチレバー30と本体部30bとの接合部であるカンチレバー30の基端側付近には、開口30cが形成されており、カンチレバー30が基端側でより屈曲して撓み易くなっている。なお、この開口30cの数は、1つに限定されるものではなく、自由に形成して構わないし、形成しなくても構わない。
歪抵抗素子31は、カンチレバー30の基端側において開口30cを両側から挟むように形成されている。なお、この歪抵抗素子31は、例えば、イオン注入法や拡散法等により不純物が注入されて形成されたものである。また、配線部32は、アルミ等の金属配線であり、カンチレバー30から本体部30bに亘ってU字状になるように歪抵抗素子31に電気接続されている。また、本体部30bの端部に位置する配線部32の端末には、接続端子32aが設けられている。
また、本実施形態の自己検知型プローブ2は、カンチレバー30に隣接して参照用のレファレンスレバー33が本体部30bに片持ち状態に支持されている。このレファレンスレバー33は、カンチレバー30よりも長さが短く形成され、カンチレバー30と同様に基端側に開口30cが形成されていると共に、歪抵抗素子31及び配線部32がそれぞれ形成されている。このレファレンスレバー33は、歪抵抗素子31の温度補償の為に使用される。なお、このレファレンスレバー33は、自己検知型プローブ2に必ず設けなくても構わない。
上記フレキシブル基板20は、互いに接着された2枚の絶縁性シート21と、両絶縁性シート21の間にパターニングされた配線パターン22とで構成されており、長尺な帯状に形成されている。なお、2枚の絶縁性シート21は、例えばポリイミド膜等からなり、配線パターン22は、銅を薄膜状にパターニングしたものである。
そして、フレキシブル基板20の一方の端部に、上述した自己検知型プローブ2が支持されている。具体的には、カンチレバー30がフレキシブル基板20の外側に突出した状態で、本体部30bが一方の絶縁性シート21上に接着固定されている。この際、配線パターン22は、一部が露出した状態で自己検知型プローブ2の近傍まで延びている。
そして、配線部32の接続端子32aと配線パターン22との間には、接続ワイヤ(接続部材)23がワイヤボンディングされており、該接続ワイヤ23を介して互いに電気的に接続されている。ところで、これら配線部32、接続ワイヤ23、接続ワイヤ23と配線パターン22との電気接続箇所には、絶縁性の樹脂からなる樹脂部24によって被膜されている。これにより、電流が流れる回路部分は、全て防水された状態となっている。
また、フレキシブル基板20は、図1に示すように、他方の端部が液槽10内に貯留された液体W外に引き出されるほど長尺に形成されており、引き出された他方の端部には、図2に示すように、配線パターン22が外部に露出した外部接点22aが形成されている。なお、図1では、外部接点22aの図示を省略している。
また、本実施形態のフレキシブル基板20の一方の端部の両側には、自己検知型プローブ2を間に挟むように略半円状の切り欠き溝25が形成されている。この切り欠き溝25は、後述するワイヤ43が入り込んで該ワイヤ43を位置決めさせるためのものである。
上記カンチレバーホルダ4は、図1及び図4に示すように、ホルダ本体40と、該ホルダ本体40の下面に固定された斜面ブロック41と、液中観察用センサ3を着脱自在に固定する固定機構42と、を有している。なお、図4は、カンチレバーホルダ4及び自己検知型プローブ2を図1に示す矢印A方向から見た図である。また、開口30cの図示を省略している。
固定機構42は、フレキシブル基板20の長手方向L1に略直交する幅方向L2に延びたワイヤ43と、一対のワイヤ固定部44と、を備えている。
この一対のワイヤ固定部44は、ホルダ本体40の上面に、フレキシブル基板20の幅方向L2に沿って互いに接近離間するように移動自在に固定されている。ワイヤ43は、所定の引張強度を有するワイヤであって、斜面ブロック41を横切るように架け渡されていると共に、両端がホルダ本体40に形成された貫通孔40aを通った後に上記一対のワイヤ固定部44にそれぞれ接続されている。よって、一対のワイヤ固定部44を移動させることで、ワイヤ43の張力を自在に調整できるようになっている。
つまり、液中観察用センサ3を斜面ブロック41に接触させた後、一対のワイヤ固定部44を互いに離間するように移動させることで、液中観察用センサ3をワイヤ43によって押さえ付けて固定することができるようになっている。この際、ワイヤ43は、フレキシブル基板20に形成された切り欠き溝25内に入り込んで、位置決めされるようになっている。
また、一対のワイヤ固定部44を互いに接近するように移動させることで、ワイヤ43を緩めて押さえ付けを解除できるようになっている。このように、本実施形態の固定機構42は、ワイヤ43を利用して液中観察用センサ3を着脱することが可能とされている。
なお、液中観察用センサ3は、カンチレバーホルダ4にセットされたときに、図1に示すように、斜面ブロック41の傾きによってカンチレバー30が試料表面S1に対して所定角度傾くように設定されている。
ところで、液中観察用センサ3は、カンチレバーホルダ4にセットされたときに、図1に示すように、液体W外に引き出されたフレキシブル基板20の外部接点22aがブリッジ回路45に接続するようになっている。このブリッジ回路45は、図5に示すように、配線パターン22及び接続ワイヤ23を介して歪抵抗素子31に電気接続された配線部32に流れる電流値の検出を行っている。そして、ブリッジ回路45は、検出した電流値に応じた出力信号を増幅した後、図1に示すように、差分測定部46に出力するようになっている。
ここで、歪抵抗素子31は、カンチレバー30の変位に応じて抵抗値が変化するが、これ以外にも温度変化によって抵抗値が変化してしまう。しかしながら、本実施形態のブリッジ回路45は、レファレンスレバー33側の歪抵抗素子31を参照しているので、温度変化による不要な抵抗値変化分をキャンセルすることができ、温度影響をなくすことができる。よって、ブリッジ回路45は、カンチレバー30の変位に起因する電流値変化だけに応じた出力信号を出力するようになっている。
差分測定部46には、図1に示すように、ブリッジ回路45から出力信号が入力されてくるだけでなく、基準発生部47から基準信号が入力されている。この基準信号は、例えば、カンチレバー30の変位量が“0”のときに、差分測定部46の出力を“0”とする信号である。そして、差分測定部46は、この基準信号とブリッジ回路45から送られてくる出力信号とを比較して、その差である誤差信号をZ電圧フィードバック回路48に出力するようになっている。即ち、この誤差信号は、カンチレバー30の変位量に対応する信号である。よって、この誤差信号をモニタすることで、カンチレバー30の変位量を検出することができる。即ち、ブリッジ回路45、差分測定部46及び基準発生部47は、配線部32に流れる電流値を検出してカンチレバー30の変位量を検出する上記検出機構6として機能する。
上記XYZステージ11は、例えば、PZT等からなる圧電素子であり、ドライブ回路49から電圧が印加されると、その電圧印加量及び極性に応じて、試料表面S1に平行なXY方向及び試料表面S1に垂直なZ方向の3方向に対して微小移動するようになっている。これにより、自己検知型プローブ2と試料ステージ12とを、XY方向及びZ方向の3方向に相対的に移動させることができるようになっている。即ち、XYZステージ11及びドライブ回路49は、上記移動機構5として機能する。
また、Z電圧フィードバック回路48は、送られてきた誤差信号が一定となるようにドライブ回路49をフィードバック制御する。これにより、カンチレバー30の変位量が一定となるように、探針30aと試料表面S1との距離を高さ制御しながら自己検知型プローブ2の走査を行うことができるようになっている。また、Z電圧フィードバック回路48には、パーソナルコンピュータ等の制御部50が接続されている。この制御部50は、Zフィードバック回路48による変化させる信号に基づいて試料Sの表面形状や各種の物性を測定している。
即ち、Z電圧フィードバック回路48及び制御部50は、検出されたカンチレバー30の変位量が一定となるように移動機構5を制御して試料Sを観察する上記観察機構7として機能する。
次に、このように構成された液中観察装置1により、試料Sを液中観察する場合について説明する。
最初に、液体Wが貯留された液槽10の底面に試料Sを保持させた後、該液槽10を試料ステージ12上に載置する。そして、液中観察用センサ3をカンチレバーホルダ4にセットする。即ち、図4に示すように、一対のワイヤ固定部44を互いに接近させるように移動させてワイヤ43を緩めた状態で、液中観察用センサ3を斜面ブロック41に接触させる。そして、一対のワイヤ固定部44を離間させるように移動させて、ワイヤ43に張力を与える。これにより、ワイヤ43により液中観察用センサ3を斜面ブロック41に対して押し付けることができ、液中観察用センサ3を簡単に固定することができる。特に、フレキシブル基板20に形成された切り欠き溝25にワイヤ43が入り込むので、ワイヤ43が正確に位置決めされる。従って、液中観察用センサ3を予め決まった位置に確実に固定することができる。よって、以降に行う液中観察を正確に行うことができる。
液中観察用センサ3がカンチレバーホルダ4にセットされると、図1に示すように、探針30aが液中環境下にある試料Sに対して対向配置される。また、自己検知型プローブ2も同様に液体Wに浸され、液中環境下に置かれた状態となる。
一方、フレキシブル基板20の他方の端部は、観察領域から離れて液体W外に引き出された状態となっている。そして、図5に示すように、他方の端部に形成された外部接点22aをブリッジ回路45に接続する。ブリッジ回路45に接続後、図5に示すように、ブリッジ回路45を介して配線部32に所定の電圧V1を印加して、電流値をモニタしておく。
これら事前準備が終了した後、液中観察を開始する。
始めに、探針30aと試料表面S1とを接触或いは近接させる初期設定を行う。即ち、XYZステージ11をゆっくりZ方向に上昇させる。すると、探針30aと試料表面S1とが徐々に接近し始めて、両者の間に働く原子間力によりカンチレバー30が撓んで変位する。これに応じて、歪抵抗素子31も同様に変位するので、抵抗値が変化して電流値が変化する。そして制御部50は、検出機構6による検出結果に基づいて、カンチレバー30の撓み量が予め決められた撓み量に達した時点でXYZステージ11の作動を一旦停止させる。これにより、探針30aと試料表面S1とを接触或いは近接させた状態にすることができる。なお、この状態は、カンチレバー30が撓んでいない初期状態であり、この状態を基準として基準発生部47は基準信号を発生させる。
この初期設定が終了した後、XYZステージ11により試料ステージ12をXY方向に移動させて走査を行い、測定を開始する。すると、探針30aは試料Sとの間に働く原子間力を受けるので、走査を行っている際に試料表面S1の凹凸に応じてカンチレバー30が撓んで変位する。カンチレバー30が変位すると、これに応じて歪抵抗素子31も変位して抵抗値が変化するので、ブリッジ回路45で検出していた電流値が変化する。そして、ブリッジ回路45は、この電流変化に応じた出力信号を差分測定部46に出力する。
差分測定部46は、送られてきた出力信号と基準発生部47から送られてきた基準信号とを比較して、カンチレバー30の変位量に応じた誤差信号を算出すると共に、該誤差信号をZ電圧フィードバック回路48に出力する。これにより、Z電圧フィードバック回路48は、カンチレバー30の変位量を検出することができる。そして、Z電圧フィードバック回路48は、誤差信号に基づいて試料ステージ12をZ方向に移動させるようにドライブ回路49を制御し、探針30aと試料表面S1との距離を一定にさせる。つまり、誤差信号を“0”に近づけるように試料ステージ12を制御する。
その結果、自己検知型プローブ2を走査させる際に、検出されたカンチレバー30の変位量が一定となるようにXYZステージ11を適宜Z方向に高さ制御しながら走査させることができる。そして制御部50は、Z電圧フィードバック回路48による変化させる信号に基づいて、試料Sの表面形状や各種の物性データを測定することができる。その結果、試料Sを液中観察することができる。
ところで、液中観察用センサ3がカンチレバーホルダ4にセットされた時点で、自己検知型プローブ2も試料Sと同様に液中環境下に置かれてしまい、液体Wに触れた状態となってしまう。しかしながら、カンチレバー30から本体部30bに亘って形成された配線部32、該配線部32を配線パターン22に接続する接続ワイヤ23、該接続ワイヤ23と配線パターン22との電気接続箇所は、樹脂部24によって被覆されており、確実に防水されている。そのため、液中環境下であっても、従来のように電流がリーク或いはショートする恐れがない。また、腐食による欠損や断線が生じる恐れもない。
しかも、配線パターン22の外部接点22aは、液体W外に引き出された長尺なフレキシブル基板20の他方の端部に形成されているので、やはり液体Wに触れる可能性がない。加えて、接続ワイヤ23が接続されたポイントから外部接点22aまでに至る間の配線パターン22は、2枚の絶縁性シート21によって挟まれて被覆されている。従って、確実に防水されており、液体Wに触れてしまう恐れがない。
このように、液中観察用センサ3は、全体が防水構造となっており、液体Wに何ら影響を受けずに、自己検知型プローブ2を利用して試料Sを長期的に安定して液中観察することができる。
また、本実施形態の液中観察装置1によれば、自己検知型プローブ2を有する液中観察用センサ3を利用して液中観察できるので、観察の前準備の段階で、光てこ方式では必須であったレーザ光のアライメント作業が不要である。従って、非常に使い易く、操作性の向上化を図ることができると共に、速やかに液中観察を行うことができる。しかも、液中観察用センサ3をセット或いは交換する際に、外部接点22aを濡らすことなく誰でも簡単に交換することができる。従って、使用者にとって扱い易く、利便性に優れている。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態を、図6から図8を参照して説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、ワイヤ43を利用して液中観察用センサ3を固定したが、第2実施形態では、固定用ピン63を利用して液中観察用センサ3を固定する点である。
即ち、本実施形態の液中観察装置60は、図6に示すように、一対の固定用ピン63を有する固定機構62を備えている。この一対の固定用ピン63は、図7に示すように、ホルダ本体40を貫通する長穴40bに挿入されており、長穴40bに沿ってフレキシブル基板20の長手方向L1に略直交する幅方向L2に移動可能とされている。なお、図7は、カンチレバーホルダ4及び自己検知型プローブ3を、図6に示す矢印B方向から見た図である。また、図7では、開口30cの図示を省略している。
一対の固定用ピン63は、一端側が斜面ブロック41よりも下方に突出すると共に、他端側がホルダ本体40の上方に突出する長さに調整されている。また、本実施形態では、これら一対の固定用ピン63の間にコイルバネ等の付勢部64が取り付けられており、一対の固定用ピン63を互いに離間する方向に常時付勢している。
また、本実施形態の液中観察用センサ3は、図8に示すように、フレキシブル基板20の両側に該基板20を貫通するガイド孔65が形成されている。このガイド孔65は、上記固定用ピン63が挿通されるサイズで形成されている。
本実施形態の液中観察装置60において、液中観察用センサ3をセットする場合には、まず図7に示すように、一対の固定用ピン63を付勢部64の付勢力に抗する力で接近させておく。そして、フレキシブル基板20に形成されたガイド孔65に固定用ピン63を挿通させながら液中観察用センサ3をカンチレバーホルダ4の斜面ブロック41に位置させる。なお、固定用ピン63にガイド孔65を挿通する際に、フレキシブル基板20を若干湾曲させる。
次いで、付勢部64により一対の固定用ピン63を互いに離間する方向に付勢して、一対の固定用ピン63を移動させる。これにより、フレキシブル基板20は、面内で引っ張られるので、一対の固定用ピン63によって確実に固定される。
このように、固定用ピン63を利用した固定機構62であっても、液中観察用センサ3を容易且つ短時間で固定することができる。特に、ガイド孔65内に固定用ピン63を挿通させるので、液中観察用センサ3を予め決まった位置に確実に固定することができる。よって、第1実施形態と同様に正確な液中観察を行える。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態を、図9から図12を参照して説明する。なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、ワイヤ43を利用して液中観察用センサ3を固定したが、第3実施形態では、固定用ピン73を利用して液中観察用センサ3を固定する点である。更に、第1実施形態では、フレキシブル基板20の一方の端部に自己検知型プローブ2が支持され、他方の端部に外部接点22aが形成されていたが、第3実施形態では、フレキシブル基板20の略中央部に自己検知型プローブ2が支持され、両端に外部接点22aが形成されている点である。
即ち、本実施形態の液中観察装置70は、図9に示すように、フレキシブル基板20の略中央部に自己検知型プローブ2が支持された液中観察用センサ71と、一対の固定用ピン73を有する固定機構72と、を備えている。
液中観察用センサ71は、図10に示すように、フレキシブル基板20の略中央部において、長手方向L1に略直交する幅方向L2にカンチレバー30が沿うように自己検知型プローブ2が支持されている。この際、カンチレバー30がフレキシブル基板20の外側に突出した状態で支持されている。また、配線パターン22は、フレキシブル基板20の略中央部において一部が露出した状態で、自己検知型プローブ2の近傍まで延びている。
なお、第1実施形態と同様に、配線部32の接続端子32aと配線パターン22との間には接続ワイヤ23がワイヤボンディングされていると共に、配線部32、接続ワイヤ23及び接続ワイヤ23と配線パターン22との電気接続箇所は樹脂部24によって被膜されている。
また、本実施形態の配線パターン22は、フレキシブル基板20の両端部で外部に露出しており、この露出した部分が外部接点22aとなっている。また、フレキシブル基板20の両端部には、外部接点22aをそれぞれ貫くようにガイド孔74が4つ形成されている。これにより外部接点22aは、ガイド孔74の周囲を囲むような状態となっている。なお、ガイド孔74は、フレキシブル基板20の一方の端部と、他方の端部とにそれぞれ2つずつ形成されている。
一対の固定用ピン73は、図9及び図11に示すように、ホルダ本体40の上面にフレキシブル基板20の幅方向L2に沿って互いに接近離間するように移動自在に固定されている。なお、図11は、カンチレバーホルダ4及び液中観察用センサ71を、図9に示す矢印C方向から見た図である。また、開口30cの図示を省略している。
各固定用ピン73は、固定台73aと、該固定台73aから上方に突起した2本のピン73bとで構成されている。2本のピン73bは、フレキシブル基板20に形成された隣接する2つのガイド孔74と略同じ距離だけ間隔が空くように形成されている。これにより、フレキシブル基板20の両端部にそれぞれ形成された2つのガイド孔74を同時に2本のピン73bに挿通させることが可能とされている。
また、固定台73a上には、ブリッジ回路45に電気接続された電気接点75が形成されており、ピン73bにガイド孔74を挿通することで、フレキシブル基板20の外部接点22aが電気接点75に自動的に導通するようになっている。
また、ホルダ本体40には、フレキシブル基板20を貫通する貫通孔40aが形成されている。これにより、斜面ブロック41を横切るようにフレキシブル基板20を架け渡した後、貫通孔40aを通じてフレキシブル基板20の両端部をホルダ本体40の上面側に引き回すことが可能とされている。
本実施形態の液中観察装置70において、液中観察用センサ71をセットする場合には、まず図11に示すように、一対の固定用ピン73を接近させた状態で、液中観察用センサ3をカンチレバーホルダ4の斜面ブロック41に位置させる。そして、貫通孔40aを通じて、フレキシブル基板20の両端部をホルダ本体40の上面側に引き回す。これにより、フレキシブル基板20の両端部にそれぞれ形成された2つのガイド孔74は、図12に示すようにホルダ本体40の上面側に位置する。なお、図12は、液中観察用センサ71を、図11に示す矢印D−D方向から見た図である。
続いて、図11に示すように、フレキシブル基板20の両端部にそれぞれ形成された2つのガイド孔74を各固定用ピン73の2本のピン73bに挿通させて、フレキシブル基板20の両端部を一対の固定用ピン73に引っ掛ける。
この際、貫通孔40aの周囲を囲むように形成された外部接点22aは、電気接点75に接触するので、両者が電気的に導通した状態となる。つまり、検出機構6を構成するブリッジ回路45と配線パターン22とが導通した状態となる。
次いで、一対の固定用ピン73を互いに離間する方向に移動させる。これにより、フレキシブル基板20は面内で引っ張られるので、一対の固定用ピン73によって確実に固定される。
このように、固定用ピン73を利用した固定機構72であっても、液中観察用センサ71を容易且つ短時間で固定することができる。特に、ガイド孔74内に固定用ピン73のピン73bをそれぞれ挿通させるので、液中観察用センサ71を予め決まった位置に確実に固定することができる。よって、第1実施形態と同様に、正確な液中観察を行える。
加えて、フレキシブル基板20を固定用ピン73に引っ掛けた時点で、外部接点22aと電気接点75とが接触するので、検出機構6と外部接点22aとが導通する。つまり、液中観察用センサ71をカンチレバーホルダ4にセットする作業を行うことで、検出機構6と外部接点22aとの導通作業に関しても自動的に行うことができる。従って、観察前の事前準備をよりスピーディに行うことができ、操作性をさらに向上することができる。
なお、上記第3実施形態では、電気接点75を介して、検出機構6と外部接点22aとを導通させたが、この場合に限られず、例えば、固定用ピン73自体を導電性材料で形成しても構わない。こうすることで、やはり同様に、フレキシブル基板20を固定用ピン73に引っ掛けた時点で検出機構6と外部接点22aとを導通させることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態を、図13から図19を参照して説明する。なお、この第4実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第4実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、本体部30bがフレキシブル基板20の一方の絶縁性シート21上に載置された状態で、自己検知型プローブ2が支持されていたが、第4実施形態では、本体部30bが2枚の絶縁性シート21に挟み込まれた状態で支持されている点である。
即ち、本実施形態の液中観察用センサ80は、図13及び図14に示すように、フレキシブル基板20の2枚の絶縁性シート21の間に本体部30bが挟みこまれた状態で自己検知型プローブ2が支持されている。よって、配線部32の一部、接続ワイヤ23、接続ワイヤ23と配線パターン22との電気接続箇所が、両絶縁性シート21によって保護された状態となっており、より確実な防水構造となっている。従って、本実施形態の液中観察用センサ80は、液体Wの影響をより受け難い。
更に、本実施形態フレキシブル基板20には、矩形状の貫通孔81が形成されており、この貫通孔81によって開いた空間にカンチレバー30が突出するように自己検知型プローブ2が支持されている。よって、カンチレバー30は、フレキシブル基板20が平坦状態のときに、図14に示すように、フレキシブル基板20の厚み内にカンチレバー30が収まり、フレキシブル基板20の表面から上下方向に飛び出さないようになっている。なお、カンチレバー30の先端に形成された探針30aも、フレキシブル基板20の表面から飛び出ることがない。
なお、探針30a及びカンチレバー30は、フレキシブル基板20を湾曲させた場合だけ、フレキシブル基板20の表面から飛び出るようになっている。
また、フレキシブル基板20の両端部には、後述する固定用ピン83が挿通されるガイド孔82がそれぞれ形成されている。また、ホルダ本体40の上面には、図15に示すように、フレキシブル基板20の長手方向L1に沿って互いに接近離間するように移動可能な一対の固定用ピン83が設けられている。
また、ホルダ本体40には、フレキシブル基板20を貫通する貫通孔40aが形成されている。これにより、斜面ブロック41を横切るようにフレキシブル基板20を架け渡した後、貫通孔40aを通じてフレキシブル基板20の両端部をホルダ本体40の上面側に引き回すことが可能とされている。
本実施形態の液中観察用センサ80をセットする場合には、一対の固定用ピン83を接近させた状態で、液中観察用センサ80をカンチレバーホルダ4の斜面ブロック41に位置させる。そして、貫通孔40aを通じて、フレキシブル基板20の両端部をホルダ本体40の上面側に引き回す。続いて、フレキシブル基板20の両端部にそれぞれ形成されたガイド孔82を一対の固定用ピン83に挿通させて引っ掛ける。次いで、一対の固定用ピン83を互いに離間する方向に移動させる。これにより、フレキシブル基板20は面内で引っ張られるので、一対の固定用ピン83によって確実に固定される。
特に、本実施形態の場合には、液中観察用センサ80を斜面ブロック41にセットし、貫通孔40aを通じてフレキシブル基板20の両端部をホルダ本体40の上面側に引き回した際に、フレキシブル基板20が湾曲するので、この時点でカンチレバー30及び探針30aが図15に示すようにフレキシブル基板20の表面から飛び出た状態となる。よって、液中観察用センサ80をセットするまで、カンチレバー30及び探針30aを保護することができる。そのため、観察を行う前に、カンチレバー30、特に探針30aに傷等が付いてしまう可能性を低減することができる。
このように、本実施形態の液中観察用センサ80によれば、本体部30bが両絶縁性シート21によって保護された状態となっているので、防水がより確実であり、液体Wの影響をより受け難い状態で液中観察を行える。また、観察前に、カンチレバー30及び探針30aに傷が付いてしまい難い。加えて、貫通孔81を通じて、上方からカンチレバー30を確認することができるので、液中観察時に光学顕微鏡を併用しながらの観察を行うことも可能である。
なお、上記第4実施形態において、図16及び図17に示すように、絶縁性シート21と本体部30bとの間に、配線パターン22に接続ワイヤ23を介して電気接続された状態で、カンチレバー30を所定の位相及び振幅で振動させる加振源90を設けても構わない。この加振源90は、外部接点22aを介して外部から送られてきた波形信号に応じた位相及び振動で振動する素子である。カンチレバー30は、この振動の伝達により、波形信号に応じた振幅及び位相遅れをもって振動する。そのため、この場合にはカンチレバー30を振動させた振動モードで液中観察を行うことができ、多種多用な試料Sの観察データを取得することができ、より多角的な液中観察を行うことができる。
特に、本体部30bと加振源90とを直接接触させることができるので、他の構成要素をできるだけ振動させずに、加振源90の振動を直接本体部30bに伝えることができる。従って、カンチレバー30のみを所望の状態で振動させることができ、液中観察の観察精度を向上することができる。しかも、加振源90は、フレキシブル基板20の両絶縁性シート21によって保護されているので、防水構造となっている。そのため、加振源90に関しても液体Wから何ら影響を受けることはない。
なお、振動モードで観察を行う場合には、カンチレバー30の振動状態、例えば、振動振幅(又は自励発振時の周波数)が一定となるように、探針30aと試料Sとの距離を制御しながら走査を行えば良い。
また、上記第4実施形態において、図18に示すように、貫通孔81をフレキシブル基板20の長手方向L1に沿って所定間隔毎に複数形成し、これら各貫通孔81の数に合わせて自己検知型プローブ2を複数設けた液中観察用センサ80としても構わない。この場合には、フレキシブル基板20を長手方向L1にずらすだけで自己検知型プローブ2の交換を容易且つ短時間で行うことができる。従って、交換作業の手間を極力なくすことができ、液中観察をより効率良く行うことができる。
なお、この場合の液中観察用センサ80を固定する場合には、図19に示すように、カンチレバーホルダ4の斜面ブロック41に開口91aが開いた吸引路91を有し、該吸引路91を介して液中観察用センサ80を吸着固定できるように構成しても構わない。このようにすることで、吸引力を利用した簡単な方法で液中観察用センサ80をカンチレバーホルダ4に吸着固定できるので、交換作業をより短時間で行うことができる。
なお、第4実施形態に限られず、上述した第1実施形態から第3実施形態において、吸引路91を採用しても構わない。いずれの実施形態の場合であっても、液中観察用センサの固定をより短時間で簡単に行うことができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記各実施形態では、試料側を三次元方向に移動させる試料スキャン方式を例にして説明したが、この方式に限られず、自己検知型プローブ側を三次元方向に移動させるプローブスキャン方式にしても構わない。この場合においても、スキャン方式が異なるだけで、試料スキャン方式と同様の作用効果を奏することができる。なお、試料側及び自己検知型プローブ側を共に三次元方向に移動できるように構成しても構わない。
本発明に係る第1実施形態を示す液中観察装置の構成図である。 図1に示す液中観察用センサの上面図である。 図2に示す液中観察用センサを構成する自己検知型プローブの拡大斜視図である。 図1に示すカンチレバーホルダ及び液中観察用センサを、矢印A方向から見た側面図である。 図2に示す液中観察用センサとブリッジ回路との関係を示す図である。 本発明に係る第2実施形態を示す液中観察装置の構成図である。 図6に示すカンチレバーホルダ及び液中観察用センサを、矢印B方向から見た側面図である。 図6に示す液中観察用センサの上面図である。 本発明に係る第3実施形態を示す液中観察装置の構成図である。 図9に示す液中観察用センサの上面図である。 図9に示すカンチレバーホルダ及び液中観察用センサを、矢印C方向から見た側面図である。 図11に示す液中観察用センサを、矢印D−D方向から見た図である。 本発明に係る第4実施形態を示す液中観察用センサの上面図である。 図13に示す液中観察用センサを、矢印E−E方向から見た図である。 図13に示す液中観察用センサを、カンチレバーホルダにセットした状態を示す図である。 図13に示す液中観察用センサの変形例を示す図であって、本体部と絶縁性シートとの間に加振源が設けられた液中観察用センサの上面図である。 図16に示す液中観察用センサを、カンチレバーホルダにセットした状態を示す図である。 図13に示す液中観察用センサの変形例を示す図であって、長手方向に複数の自己検知型プローブが設けられた液中観察用センサの上面図である。 本発明に係る固定機構の変形例を示す図であって、斜面ブロックに開口が形成された吸引路を有する固定機構の断面図である。 従来の自己検知型プローブの一例を示す斜視図である。 従来の自己検知型プローブが基板上に実装された状態を示す上面図である。 図21に示す基板を固定するカンチレバーホルダの側面図である。
符号の説明
W…液体
1、60、70…液中観察装置
2…自己検知型プローブ
3、71、80…液中観察用センサ
4…カンチレバーホルダ
5…移動機構
6…検出機構
7…観察機構
20…フレキシブル基板
21…絶縁性シート
22…配線パターン
22a…外部接点
23…接続ワイヤ(接続部材)
24…樹脂部
25…切り欠き溝
30…カンチレバー
30a…探針
30b…本体部
31…歪抵抗素子
32…配線部
42、62、72…固定機構
43…ワイヤ
63、73、83…固定用ピン
65、74、82…フレキシブル基板のガイド孔
81…フレキシブル基板の貫通孔
90…加振源
91…吸引路
91a…吸引路の開口

Claims (9)

  1. カンチレバーホルダにセットされることで、液体内の試料を観察する液中観察用センサであって、
    前記セット時に前記試料に対して対向配置される探針が先端に形成されていると共に基端側が本体部に支持されたカンチレバーと、カンチレバーに形成され、該カンチレバーの変位量に応じて抵抗値が変化する歪抵抗素子と、カンチレバーから本体部に亘って形成され、歪抵抗素子に電気接続された配線部と、を有する自己検知型プローブと、
    互いに接着された2枚の絶縁性シートと両絶縁性シートの間にパターニングされた配線パターンとを有し、前記カンチレバーを外側に突出させた状態で前記本体部を支持すると共に、少なくとも一端側が前記液体外に引き出されるように長尺な帯状に形成されたフレキシブル基板と、
    前記配線部と前記配線パターンとを電気接続する接続部材と、
    絶縁性の樹脂により、前記配線部、前記接続部材及び該接続部材と前記配線パターンとの電気接続箇所を被覆する樹脂部と、
    前記液体外に引き出された前記フレキシブル基板の端部において、前記配線パターンが外部に露出した外部接点と、を備え、
    前記自己検知型プローブは、前記本体部が前記両絶縁性シートの間に挟み込まれた状態で支持されていることを特徴とする液中観察用センサ。
  2. 請求項1に記載の液中観察用センサにおいて、
    前記フレキシブル基板には、貫通孔が形成され、
    前記自己検知型プローブは、前記貫通孔によって開いた空間に前記カンチレバーが突出した状態で支持されていると共に、前記フレキシブル基板が平坦状態のときに該基板の厚み内にカンチレバーが収まり、前記フレキシブル基板が湾曲状態のときに該基板の表面からカンチレバーが飛び出ることを特徴とする液中観察用センサ。
  3. 請求項2に記載の液中観察用センサにおいて、
    前記フレキシブル基板には、前記貫通孔が該基板の長手方向に沿って所定間隔毎に複数形成されており、各貫通孔に対して前記自己検知型プローブがそれぞれ設けられていることを特徴とする液中観察用センサ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の液中観察用センサにおいて、
    前記絶縁性シートと前記本体部との間には、前記配線パターンに電気接続された状態で、前記カンチレバーを所定の位相及び振幅で振動させる加振源が設けられていることを特徴とする液中観察用センサ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の液中観察用センサと、
    該液中観察用センサを着脱自在に固定する固定機構を有し、セットしたときに前記探針を前記試料に対向配置させるカンチレバーホルダと、
    前記探針と前記試料とを、試料表面に平行な方向に相対的に走査させると共に、試料表面に垂直な方向に相対的に移動させる移動機構と、
    前記外部接点を介して前記配線部に流れる電流値を検出して、前記カンチレバーの変位量を検出する検出機構と、
    前記走査時に前記探針と前記試料表面との距離を、前記カンチレバーの変位量又は振幅量が一定となるように前記移動機構を制御して前記試料を観察する観察機構と、を備えていることを特徴とする液中観察装置。
  6. 請求項5に記載の液中観察装置において、
    前記固定機構は、前記フレキシブル基板の長手方向に略直交する幅方向に延びたワイヤを有し、該ワイヤを利用して前記液中観察用センサを前記カンチレバーホルダに押さえ付けて固定すると共に、ワイヤを緩めて押さえ付けを解除し、
    前記フレキシブル基板の両側には、前記ワイヤが入り込んで該ワイヤを位置決めさせる切り欠き溝がそれぞれ形成されていることを特徴とする液中観察装置。
  7. 請求項5に記載の液中観察装置において、
    前記フレキシブル基板には、該基板を貫通するガイド孔がそれぞれ形成され、
    前記固定機構は、互いに接近離間する方向に移動自在とされ、前記ガイド孔に挿通される一対の固定用ピン有し、一対の固定ピンを互いに離間させる方向に移動させることによって前記フレキシブル基板に引張力を作用させ、前記液中観察用センサを固定することを特徴とする液中観察装置。
  8. 請求項7に記載の液中観察装置において、
    前記ガイド孔は、前記外部接点を貫いた状態で前記フレキシブル基板の端部に形成され、
    前記固定用ピンを前記ガイド孔に挿通することで、前記検出機構と前記外部接点とを自動的に導通させることを特徴とする液中観察装置。
  9. 請求項5に記載の液中観察装置において、
    前記固定機構は、前記カンチレバーホルダに開口が開いた吸引路を有し、該吸引路を介して前記液中観察用センサを吸着固定することを特徴とする液中観察装置。
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