[go: up one dir, main page]

JP4918995B2 - 固体酸化物形燃料電池の製造方法 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4918995B2
JP4918995B2 JP2006081397A JP2006081397A JP4918995B2 JP 4918995 B2 JP4918995 B2 JP 4918995B2 JP 2006081397 A JP2006081397 A JP 2006081397A JP 2006081397 A JP2006081397 A JP 2006081397A JP 4918995 B2 JP4918995 B2 JP 4918995B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode layer
metal
solution
porous electrode
fuel cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006081397A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007258016A (ja
Inventor
邦聡 芳片
裕之 小堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2006081397A priority Critical patent/JP4918995B2/ja
Publication of JP2007258016A publication Critical patent/JP2007258016A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4918995B2 publication Critical patent/JP4918995B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Description

本発明は、電解質層と、この電解質層を挟持する一対の多孔質電極層とを有する固体酸化物形燃料電池及びその製造方法に関する。
固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、現在、第三世代の発電用燃料電池として開発が進んでおり、円筒型、モノリス型及び平板積層型の3種類が提案されている。そのいずれもが、酸化物イオン伝導体からなる固体電解質(電解質層)を空気極層(カソード)と燃料極層(アノード)との間に挟んだ積層体を有する。通常、この積層体からなる単セルがセパレータと交互に積層されて、燃料電池スタックが構成されている(例えば特許文献1参照)。
固体酸化物形燃料電池では、空気極層側に酸素(空気)が、燃料極層側に燃料ガス(H2、CO、CH4等)が供給される。空気極層及び燃料極層は、ガスが電解質層との界面に到達することができるように、いずれも多孔質の層からなる。空気極層側に供給された酸素は、空気極層内の気孔を通って電解質層との界面近傍に到達し、この部分で空気極層から電子を受け取って酸化物イオン(O2-)にイオン化される。この酸化物イオンは、燃料極層の方向に向かって電解質層内を移動(拡散)する。そして、燃料極層との界面近傍に到達した酸化物イオンは、この部分で燃料ガスと反応して反応生成物(H2O、CO2等)となり、同時に電子を放出する。この電子は、外部電気回路を通って電気的な仕事をした後、空気極層に到達する。
空気極層側で起こる電極反応、即ち酸素分子から酸化物イオンへのイオン化反応(1/2O2+2e-→O2-)は、酸素分子、電子及び酸化物イオンの三者が関与することから、酸化物イオンを運ぶ電解質層と、電子を運ぶ空気極層と、酸素分子を供給する気相(空気)との三相の界面で起こる。燃料極層側でも同様に、電解質層と、燃料極層と、気相(燃料ガス)との三相の界面で電極反応が起こる。従って、この三相の界面を増大させることが電極反応の円滑な進行に有利であると考えられている。
電解質層は、酸化物イオンの移動媒体であると同時に、燃料ガスと空気とを直接接触させないための隔壁としても機能するので、ガス不透過性の緻密な構造となっている。この電解質層は、酸化物イオン伝導性が高く、空気極層側の酸化性雰囲気から燃料極層側の還元性雰囲気までの条件下で化学的に安定で、かつ、熱衝撃に強い材料から構成する必要があり、かかる要件を満たす材料として、イットリアを添加した安定化ジルコニア(以下、「YSZ」と略称する)等からなる金属酸化物膜が一般的に使用されている。
一方、空気極層及び燃料極層は、いずれも電子伝導性の高い材料から構成する必要がある。空気極層の材料は、1000℃前後の酸化性雰囲気中で化学的に安定でなければならないため、金属は不適当であり、例えば電子伝導性を持つペロブスカイト型酸化物材料、具体的にはLaMnO3やLaCoO3、又は、これらの材料におけるLaの一部をSr、Ca等に置換した固溶体が一般に使用されている。また、燃料極層の材料としては、Ni等の金属や、Ni−YSZ等のサーメットが一般的に使用されている。尚、Ni等の金属は、燃料極層の形成時には、通常、NiO等の酸化物の状態であるが、燃料電池の運転時(発電時)には金属(Ni等)に還元される。
この種の固体酸化物形燃料電池としては、例えば一方の電極層(燃料極層又は空気極層)を兼ねる多孔質基板上に、電解質層及び他方の電極層(燃料極層又は空気極層)を順次形成し、これらを板状の集電体で挟持したものがある(例えば特許文献2参照)。
特開2004−79332号公報 特開2005−251490号公報
しかし、従来の固体酸化物形燃料電池では、集電体と電極層との接触面が限られるため、集電性能を向上させることが困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、集電性能を向上させることができる固体酸化物形燃料電池及びその製造方法を提供する。
本発明の固体酸化物形燃料電池は、電解質層と、前記電解質層を挟持する一対の多孔質電極層とを有する固体酸化物形燃料電池であって、
前記一対の多孔質電極層の少なくとも一方には、その気孔壁面の少なくとも一部に沿って集電材料が付着していることを特徴とする。
本発明の固体酸化物形燃料電池の製造方法は、電解質層と、前記電解質層を挟持する一対の多孔質電極層とを有する固体酸化物形燃料電池の製造方法であって、
前記一対の多孔質電極層の少なくとも一方を形成した後、集電材料となる金属を有する金属源を含む溶液に前記一方の多孔質電極層を浸漬することにより、前記多孔質電極層の気孔壁面の少なくとも一部に沿って金属酸化物を付着させることを特徴とする。
本発明の固体酸化物形燃料電池及びその製造方法によれば、多孔質電極層の気孔壁面の少なくとも一部に沿って集電材料を付着させることにより、集電材料と多孔質電極層との接触面を増大させることができる。これにより、集電性能を向上させることができる。
本発明の固体酸化物形燃料電池は、電解質層と、この電解質層を挟持する一対の多孔質電極層とを有し、上記一対の多孔質電極層の少なくとも一方には、その気孔壁面の少なくとも一部に沿って集電材料が付着している。これにより、集電材料と多孔質電極層との接触面を増大させることができるため、集電性能を向上させることができる。
上記一対の多孔質電極層としては、燃料極層及び空気極層を使用することができる。この場合、上記集電材料は、燃料極層及び空気極層の少なくとも一方の気孔壁面の少なくとも一部に沿って付着している。
上記燃料極層の材料には、例えば、セラミックス粉末材料等の酸化物イオン伝導体と金属触媒との混合物を用いることができる。酸化物イオン伝導体としては、蛍石型又はペロブスカイト型の結晶構造を有するものを好ましく用いることができる。蛍石型の結晶構造を有するものとしては、例えばサマリウムやガドリニウム等をドープしたセリア系酸化物、スカンジウムやイットリウムを含むジルコニア系酸化物等を挙げることができる。また、ペロブスカイト型の結晶構造を有するものとしては、ストロンチウムやマグネシウムをドープしたランタン・ガレード系酸化物を挙げることができる。金属触媒を構成する金属としては、還元性雰囲気中で安定であり、かつ、水素酸化活性を有する材料を用いることができ、例えば、ニッケル、鉄、コバルト等や、貴金属(白金、ルテニウム、パラジウム等)等が使用できる。上記材料の中では、水素酸化の活性が高いニッケルが好ましい。よって、酸化物イオン伝導体とニッケルとの混合物で燃料極層を形成することが好ましい。なお、酸化物イオン伝導体からなるセラミックス粉末材料とニッケルとの混合物は、両者を単に混ぜ合わせただけのものであってもよいし、セラミックス粉末をニッケルへ修飾させたものであってもよい。また、上述したセラミックス粉末材料は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。また、燃料極層は、金属触媒のみから構成することもできる。なお、燃料極層の気孔率は、通常20〜50%であり、望ましくは30〜40%である。また、燃料極層の厚みは、通常5〜50μmである。
上記空気極層の材料には、例えば、ペロブスカイト型の結晶構造を有する金属酸化物を用いることができる。具体的には(Sm,Sr)CoO3、(La,Sr)MnO3、(La,Sr)CoO3、(La,Sr)(Fe,Co)O3、(La,Sr)(Fe,Co,Ni)O3等の金属酸化物が挙げられ、酸化性雰囲気下の安定性の観点から(La,Sr)MnO3を使用することが好ましい。上述した金属酸化物は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。また、空気極層を形成する材料として、白金、ルテニウム、パラジウム等の貴金属を使用することもできる。なお、空気極層の気孔率は、通常20〜50%であり、望ましくは30〜40%である。また、空気極層の厚みは、通常5〜50μmである。
上記電解質層の材料としては、例えば、固体酸化物形燃料電池用の電解質材料として広く知られている酸化ジルコニウム、酸化セリウム及び酸化ランタンから選ばれる少なくとも一つを含む複合金属酸化物を使用できる。このような複合金属酸化物の具体例としては、YSZ、スカンジア安定化ジルコニア(以下、「ScSZ」と略称する)、サマリアドープドセリア(以下、「SDC」と略称する)、ガドリニウムドープドセリア(以下、「GDC」と略称する)、ランタン・ガレード等が挙げられる。また、上記複合金属酸化物は、酸化物イオン伝導性の観点から、蛍石型又はペロブスカイト型の結晶構造を有することが好ましい。なお、上記電解質層の厚みは、通常10nm以上100μm以下であり、好ましくは10nm以上10μm以下であり、さらに好ましくは100nm以上5μm以下であり、最も好ましくは、100nm以上1μm以下である。上記厚みが10nm未満の場合、上記一対の多孔質電極層同士が接触するおそれがある。一方、上記厚みが100μmを超えると、上記電解質層の酸化物イオン伝導性が低下するおそれがある。
上記集電材料は、粒状であってもよいし、膜状であってもよい。特に、径が1μm以下の粒子からなる集電材料や、厚みが1μm以下の膜からなる集電材料を使用するのが好ましい。多孔質電極層のガス拡散機能を維持した上、集電性能を向上させることができるからである。なお、上記集電材料が粒状の場合、その粒径は通常10nm以上である。また、上記集電材料が膜状の場合、その膜厚は通常10nm以上である。
上記集電材料としては、一般的な集電材料が使用でき、例えば金属材料や金属酸化物材料が使用できる。具体的には、Pt、Au、Pd、Ag、Ni、Cu等の導電性金属や、La(Cr,Mg)O3、(La,Ca)CrO3、(La,Sr)CrO3等のランタン・クロマイト系の導電性セラミックス材料等を含むものが使用できる。また、上記集電材料は、上記一方の多孔質電極層を構成する電子伝導材料と同じ材料からなるものであってもよい。上記集電材料と上記一方の多孔質電極層の気孔壁面との密着性が向上するからである。なお、本明細書における「集電材料」とは、少なくとも発電時において集電効果を発揮できる材料であればよい。例えば酸化ニッケルのように、発電時に還元されることによって集電効果を発揮できる材料を使用してもよい。
本発明では、上記一方の多孔質電極層の表面のうち、少なくとも上記電解質層との接触面を除く表面の一部に上記集電材料が付着していることが好ましい。多孔質電極層の表面に付着した集電材料から電気を取り出すことができるからである。
上記一方の多孔質電極層内の気孔は、平均径が1μm以上100μm以下であることが好ましく、1μm以上10μm以下であることがより好ましい。上記気孔の平均径が1μm未満の場合、上記一方の多孔質電極層のガス透過性が低下する場合がある。一方、上記気孔の平均径が100μmを超える場合、上記一方の多孔質電極層の強度が低下する場合がある。なお、他方の多孔質電極層内の気孔の平均径についても、上記と同じ理由から上記数値範囲内であることが好ましい。
次に、上述した本発明の固体酸化物形燃料電池の好適な製造方法の一例について説明する。
まず、プレス成形等の手段を用いて形成された電解質基板を用意し、この電解質基板の一主面上に一方の多孔質電極層をスクリーン印刷等の手段を用いて形成する。
次に、集電材料となる金属を有する金属源を含む溶液に上記一方の多孔質電極層を浸漬することにより、上記多孔質電極層の気孔壁面の少なくとも一部に沿って金属酸化物(集電材料)を粒状又は膜状に付着させる。
上記金属源としては、上記集電材料を構成する金属元素を含み、かつ後述する溶媒に溶解するものであればよい。例えば、金属塩、金属イオンに対して無機物又は有機物が配位した金属錯体、分子中に金属−炭素結合を有する有機金属化合物等を使用することができる。上記金属源は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
上記集電材料を構成する金属元素は特に限定されないが、例えばCa、Cr、Sr、Nb、Mo、Sb、Te、Ba、W、Mg、Al、Si、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Ag、In、Sn、Ce、Sm、Pb、La、Hf、Sc、Gd、Ga及びTaから選ばれる少なくとも一つの金属元素であることが好ましい。これらの金属元素は、プールベ線図において、金属酸化物として存在する領域(以下、「金属酸化物領域」という)、又は金属水酸化物として存在する領域(以下、「金属水酸化物領域」という)を有しているため、金属酸化物の主用構成元素として適している。
上記金属塩としては、上記金属元素を含む塩化物、硝酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、酢酸塩、リン酸塩、臭素酸塩等を挙げることができる。中でも、本発明においては、塩化物、硝酸塩、酢酸塩を使用することが好ましい。これらの化合物は汎用品として入手が容易だからである。
また、上記金属錯体や上記有機金属化合物の具体例としては、マグネシウムジエトキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、カルシウムアセチルアセトナート二水和物、カルシウムジ(メトキシエトキシド)、グルコン酸カルシウム一水和物、クエン酸カルシウム四水和物、サリチル酸カルシウム二水和物、チタンラクテート、チタンアセチルアセトネート、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、ブチルチタネートダイマー、チタニウムビス(エチルヘキソキシ)ビス(2−エチル−3−ヒドロキシヘキソキシド)、ジイソプロポキシチタンビス(トリエタノールアミネート)、ジヒドロキシビス(アンモニウムラクテート)チタニウム、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、チタンペロキソクエン酸アンモニウム四水和物、ジシクロペンタジエニル鉄(II)、乳酸鉄(II)三水和物、鉄(III)アセチルアセトナート、コバルト(II)アセチルアセトナート、ニッケル(II)アセチルアセトナート二水和物、銅(II)アセチルアセトナート、銅(II)ジピバロイルメタナート、エチルアセト酢酸銅(II)、亜鉛アセチルアセトナート、乳酸亜鉛三水和物、サリチル酸亜鉛三水和物、ステアリン酸亜鉛、ストロンチウムジピバロイルメタナート、イットリウムジピバロイルメタナート、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウム(IV)エトキシド、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、ジルコニウムアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムモノステアレート、ペンタ−n−ブトキシニオブ、ペンタエトキシニオブ、ペンタイソプロポキシニオブ、トリス(アセチルアセトナト)インジウム(III)、2−エチルヘキサン酸インジウム(III)、テトラエチルスズ、酸化ジブチルスズ(IV)、トリシクロヘキシルスズ(IV)ヒドロキシド、ランタンアセチルアセトナート二水和物、トリ(メトキシエトキシ)ランタン、ペンタイソプロポキシタンタル、ペンタエトキシタンタル、タンタル(V)エトキシド、セリウム(III)アセチルアセトナートn水和物、クエン酸鉛(II)三水和物、シクロヘキサン酪酸鉛等を挙げることができる。さらには、クロム(III)アセチルアセトナート、トリフルオロメタンスルホン酸ガリウム(III)、ストロンチウムジピバロイルメタナート、五塩化ニオブ、モリブデニルアセチルアセトナート、パラジウム(II)アセチルアセトナート、塩化アンチモン(III)、テルル酸ナトリウム、塩化バリウム二水和物、塩化タングステン(VI)等であってもよい。
上記金属源を含む溶液に用いられる溶媒は、上記金属源を溶解することができるものであれば、特に限定されるものではない。例えば、金属源が金属塩の場合は、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール等の総炭素数が5以下の低級アルコール、水、トルエン、これらの混合溶媒等を使用することができ、金属源が金属錯体又は有機金属化合物の場合は、水、上述した低級アルコール、トルエン、これらの混合溶媒等を使用することができる。また、本発明においては、上記溶媒を組み合わせて使用してもよい。例えば、水への溶解性は低いが有機溶媒への溶解性は高い金属錯体と、有機溶媒への溶解性は低いが水への溶解性は高い材料(例えば後述する還元剤)とを使用する場合は、水と有機溶媒との混合溶媒を使用して両者を溶解させ、均一な上記溶液とすることができる。
上記溶液における上記金属源の濃度としては、通常0.001〜10mol/リットルであり、中でも0.01〜1mol/リットルであることが好ましい。濃度が0.001mol/リットル未満であると、金属酸化物の生成反応が起こり難く、所望の金属酸化物を得ることができない可能性があり、濃度が10mol/リットルを超えると、沈殿物が生成する可能性があるからである。
上記溶液は、上記金属源の他に、酸化剤及び還元剤から選ばれる少なくとも一つを更に含むことが好ましい。金属酸化物の生成反応を促進させることができるからである。例えば、上記溶液に酸化剤が含まれていると、上記金属源が溶解してなる金属イオン等の酸化が速やかに行われるため、金属酸化物の生成反応が促進する。また、例えば、上記溶液に還元剤が含まれていると、この還元剤が分解して電子を放出することにより水(溶媒)の電気分解反応を誘発すると考えられる。水の電気分解反応が起こると水酸化物イオンが発生し、これにより、上記溶液のpHが上昇し、プールベ線図における金属酸化物領域又は金属水酸化物領域へとシフトするため、金属酸化物の生成反応が促進する。
上記酸化剤としては、上述した溶媒に溶解し、かつ上記金属源が溶解してなる金属イオン等を酸化することができるものであれば特に限定されず、例えば、過酸化水素、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム、酸化銀、二クロム酸、過マンガン酸カリウム等が挙げられ、中でも過酸化水素、亜硝酸カリウムを使用するのが好ましい。
上記溶液における上記酸化剤の濃度は、酸化剤の種類に応じて異なるが、通常0.001〜1mol/リットルであり、中でも0.01〜0.1mol/リットルであることが好ましい。濃度が0.001mol/リットル未満であると、金属酸化物の生成反応を促進させる効果を充分に発揮することができない可能性があり、濃度が1mol/リットルを超えると、濃度の増加に見合う効果が得られず、コスト上好ましくないからである。
上記還元剤としては、上述した溶媒に溶解し、かつ分解反応により電子を放出することができるものであれば、特に限定されず、例えば、ボラン−tert−ブチルアミン錯体、ボラン−N,Nジエチルアニリン錯体、ボラン−ジメチルアミン錯体、ボラン−トリメチルアミン錯体等のボラン系錯体、水酸化シアノホウ素ナトリウム、水酸化ホウ素ナトリウム等を挙げることができ、中でもボラン系錯体を使用することが好ましい。
上記溶液における上記還元剤の濃度は、還元剤の種類に応じて異なるが、通常0.001〜1mol/リットルであり、中でも0.01〜0.1mol/リットルであることが好ましい。濃度が0.001mol/リットル未満であると、金属酸化物の生成反応を促進させる効果を充分に発揮することができない可能性があり、濃度が1mol/リットルを超えると、濃度の増加に見合う効果が得られず、コスト上好ましくないからである。
また、上記溶液は、補助イオン源や界面活性剤等の添加剤を含有していても良い。
上記補助イオン源は、電子と反応して水酸化物イオンを発生するものであり、上記溶液のpHを上昇させ、金属酸化物の生成反応を促進させることができる。これは、プールベ線図において、金属酸化物領域や金属水酸化物領域へと誘導する働きのことである。従って、上記補助イオン源は、熱で分解して電子を放出する還元剤と組み合わせることで効果を発揮するが、上記溶液に還元剤が含まれていなくても、加熱により酸素と分離するため、単独で酸化剤としても使用できる。なお、上記補助イオン源の使用量は、使用する金属源等に応じて適宜設定すればよい。
このような補助イオン源としては、具体的には、塩素酸イオン、過塩素酸イオン、亜塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン、臭素酸イオン、次臭素酸イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン等のイオン種を挙げることができる。これらの補助イオン源は、溶液中で下記の反応を起こすと考えられている。
(化1) ClO4 - + H2O + 2e- ⇔ ClO3 - + 2OH-
(化2) ClO3 - + H2O + 2e- ⇔ ClO2 - + 2OH-
(化3) ClO2 - + H2O + 2e- ⇔ ClO- + 2OH-
(化4) 2ClO- + 2H2O + 2e- ⇔ Cl2 + 4OH-
(化5) BrO3 - + 2H2O + 4e- ⇔ BrO- + 4OH-
(化6) 2BrO- + 2H2O + 2e- ⇔ Br2 + 4OH-
(化7) NO3 - + H2O + 2e- ⇔ NO2 - + 2OH-
(化8) NO2 - + 3H2O + 3e- ⇔ NH3 + 3OH-
上記反応式に従って発生した水酸化物イオンは、上記溶液のpHを上昇させ、金属酸化物の生成反応を促進させることができる。
上記界面活性剤は、多孔質電極層の気孔壁面に対する上記溶液の濡れ性を向上させ、金属酸化物の生成反応を促進させることができる。このような界面活性剤としては、具体的にはサーフィノール485、サーフィノールSE、サーフィノールSE−F、サーフィノール504、サーフィノールGA、サーフィノール104A、サーフィノール104BC、サーフィノール104PPM、サーフィノール104E、サーフィノール104PA等のサーフィノールシリーズ(以上、全て日信化学工業社製商品名)、NIKKOL AM301、NIKKOL AM313ON(以上、全て日光ケミカル社製商品名)等を挙げることができる。なお、上記界面活性剤の使用量は、使用する金属源等に応じて適宜設定すればよい。
上記溶液に上記多孔質電極層を浸漬する際、上記溶液及び上記多孔質電極層のうち少なくとも一方(好ましくは双方)を、10℃以上の温度に保持してもよい。金属酸化物の生成反応を促進させることができるからである。金属酸化物の生成反応をより促進させるためには、50℃以上の温度に加熱することが好ましく、60℃以上の温度に加熱することがより好ましい。この場合、加熱温度は、作業性の観点から、上記溶液の沸点以下の温度とすることが好ましい。例えば、上記溶液及び上記多孔質電極層のうち少なくとも一方(好ましくは双方)を、通常10〜100℃の範囲に保持すればよく、生産性の観点から50〜90℃の範囲に加熱することが好ましい。
上記溶液に上記多孔質電極層を浸漬する際、上記多孔質電極層と上記溶液とが接触している部分に、気泡状の酸化性ガスを接触させてもよい。上記金属源が溶解してなる金属イオン等の酸化が速やかに行われるため、金属酸化物の生成反応が促進するからである。このような酸化性ガスとしては、上記金属源が溶解してなる金属イオン等を酸化することができるものであれば特に限定されず、例えば、酸素、オゾン、亜硝酸ガス、二酸化窒素、二酸化塩素、ハロゲンガス等が挙げられ、中でも酸素、オゾンを使用することが好ましく、特にオゾンを使用することが好ましい。工業的に入手が容易であり、低コスト化が実現できるからである。また、上述した気泡状の酸化性ガスの導入方法については、特に限定されるものではないが、例えば、バブラーを使用する方法を挙げることができる。バブラーを使用することにより、上記多孔質電極層と上記溶液とが接触している部分と、酸化性ガスとの接触面積を増大させることができ、金属酸化物の生成速度を効率よく向上させることができるからである。このようなバブラーとしては、一般的なバブラーを使用することができ、例えば、ナフロンバブラー(アズワン社製)等を挙げることができる。また、上記酸化性ガスは、通常ガスボンベから上記溶液に供給することができ、オゾンに関しては、オゾン発生装置から上記溶液に供給することができる。
また、上記溶液に上記多孔質電極層を浸漬する際、上記多孔質電極層と上記溶液とが接触している部分に、紫外線を照射してもよい。紫外線を照射することによって、水の電気分解反応を促進させたり、上述した還元剤の分解を促進させたりすることができると考えられ、発生した水酸化物イオンによって、上述したように金属酸化物の生成反応を促進させることができるからである。また、紫外線を照射することにより、上述した補助イオン源から水酸化物イオンを発生させたり、得られる金属酸化物の結晶性を向上させたりすることもできる。なお、上記紫外線としては、波長が470nm以下の近紫外光も含むものとする。
上記紫外線の波長としては、通常185〜470nmであり、生成反応をより促進させるためには、185〜260nmであることが好ましい。また、上記紫外線の強度としては、通常1〜20mW/cm2であり、生成反応をより促進させるためには、5〜15mW/cm2であることが好ましい。このような紫外線照射を行う紫外線照射装置としては、例えば市販の紫外線照射装置を使用することができ、具体的には、SEN特殊光源社製のHB400X−21等を使用することができる。
上記方法によって上記一方の多孔質電極層の気孔壁面の少なくとも一部に沿って金属酸化物(即ち集電材料)を付着させた後、上記電解質基板における上記一方の多孔質電極層が接する主面とは反対側の主面に、スクリーン印刷等の手段を用いて他方の多孔質電極層を形成する。以上の方法により、本発明の固体酸化物形燃料電池が得られる。
なお、多孔質電極層の気孔壁面に集電材料を付着させる方法としては、上記方法以外の方法を使用してもよい。例えば、上記溶液と上記一方の多孔質電極層とを接触させることによって、上記多孔質電極層の気孔壁面に集電材料を付着させてもよい。
上記溶液と上記一方の多孔質電極層とを接触させる方法は、特に限定されるものではないが、上記溶液と多孔質電極層とが接触した際に、多孔質電極層の温度を低下させない方法であることが好ましい。多孔質電極層の温度が低下すると金属酸化物の生成反応が起こり難くなり、所望の金属酸化物(即ち集電材料)を得ることができなくなる可能性があるからである。多孔質電極層の温度を低下させない方法としては、例えば、上記溶液を液滴として多孔質電極層上に接触させる方法等が挙げられる。この際、上記液滴は、例えば0.001〜1000μm程度の小さい径を有することが好ましい。上記液滴の径が上記範囲内であれば、上記溶液の溶媒が瞬時に蒸発し、多孔質電極層の温度の低下を抑制することができる上、液滴の径が小さいことで、均質な金属酸化物を得ることができるからである。
上記溶液の液滴を多孔質電極層上に接触させる方法は、特に限定されるものではないが、具体的には、上記溶液を噴霧することにより多孔質電極層上に上記溶液を接触させる方法や、上記溶液をミスト状にした空間の中に多孔質電極層を通過させることにより多孔質電極層上に上記溶液を接触させる方法等が挙げられる。上記方法によれば、上記多孔質電極層表面に形成された気孔の開口から上記溶液が浸入し、上記多孔質電極層の気孔壁面に上記溶液が付着する。
上記溶液を多孔質電極層上に噴霧する方法は、例えばスプレー装置等を用いて噴霧する方法等が挙げられる。上記スプレー装置等を用いて噴霧する場合、液滴の径は、通常0.001〜1000μm、中でも0.01〜100μmであることが好ましい。液滴の径が上記範囲内にあれば、多孔質電極層の温度の低下を抑制することができ、均質な金属酸化物を得ることができるからである。
また、上記スプレー装置の噴射ガスとしては、金属酸化物の生成を阻害しない限り特に限定されるものではないが、例えば、空気、窒素、アルゴン、ヘリウム、酸素等を挙げることができ、中でも不活性な気体である窒素、アルゴン、ヘリウムが好ましい。また、上記スプレー装置は、固定されているもの、可動式のもの、回転によって上記溶液を噴射させるもの、圧力によって上記溶液を噴射させるもの等であってもよい。このようなスプレー装置としては、一般的に用いられるスプレー装置を用いることができ、例えばハンドスプレー(アズワン社製)、超音波ネプライザ(オムロン社製)等を用いることができる。
上記溶液をミスト状にした空間の中に多孔質電極層を通過させる方法を用いる場合、液滴の径は、通常0.001〜1000μmであり、中でも0.01〜100μmであることが好ましい。液滴の径が上記範囲内にあれば、多孔質電極層の温度の低下を抑制することができ、均質な金属酸化物を得ることができるからである。
また、金属酸化物の生成反応を促進させるために、上記溶液を多孔質電極層上に接触させる際、上記多孔質電極層を加熱することが好ましい。例えば、上記多孔質電極層を金属酸化物生成温度以上に加熱すればよい。ここで、「金属酸化物生成温度」とは、上述した金属源を構成する金属元素が酸素と結合して上記多孔質電極層上に金属酸化物が生成する最低温度のことである。上記金属酸化物生成温度は、金属源の種類や溶媒等の上記溶液の組成によって大きく異なり、通常300〜1000℃の範囲内である。特に、生産性の観点から、400〜700℃の範囲内となるように、金属源の種類や溶媒等を選択するのが好ましい。一方、上記溶液が酸化剤や還元剤を含む場合、上記金属酸化物生成温度は、通常150〜800℃の範囲内であり、特に、生産性の観点から、300〜500℃の範囲内となるように、金属源の種類や溶媒等を選択するのが好ましい。
上記金属酸化物生成温度は、以下の方法により測定することができる。まず、所望の金属源を含む上記溶液を調製する。次に、多孔質電極層を加熱することによって多孔質電極層の表面温度を変化させながら、上記多孔質電極層上に上記溶液を接触させることにより、金属酸化物が生成する多孔質電極層の表面温度のうち、最低の表面温度を測定する。この最低の表面温度を本明細書における「金属酸化物生成温度」とすることができる。この際、金属酸化物が生成したか否かは、得られる金属酸化物が結晶性を有する場合、例えばX線回折装置(リガク製、RINT−1500)により得られた結果から判断し、得られる金属酸化物がアモルファス膜の場合、例えば光電子分光分析装置(V.G.Scientific社製、ESCALAB 200i−XL)により得られた結果から判断することができる。
また、多孔質電極層の加熱方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、ホットプレート、オーブン、焼成炉、赤外線ランプ、熱風送風機等による加熱方法を挙げることができ、中でも、ホットプレートを使用すると、多孔質電極層の温度を所望の温度に確実に保持できるため好ましい。
本方法においては、酸化性ガス雰囲気下で多孔質電極層上に上記溶液を接触させてもよい。上記金属源が溶解してなる金属イオン等の酸化が速やかに行われるため、金属酸化物の生成反応が促進するからである。このような酸化性ガスとしては、上記金属源が溶解してなる金属イオン等を酸化することができるものであれば特に限定されず、例えば、酸素、オゾン、亜硝酸ガス、二酸化窒素、二酸化塩素、ハロゲンガス等が挙げられ、中でも酸素、オゾンを使用することが好ましく、特にオゾンを使用することが好ましい。工業的に入手が容易であり、低コスト化が実現できるからである。
また、本方法においては、多孔質電極層上に上記溶液を接触させる際に、多孔質電極層と上記溶液とが接触する箇所に紫外線を照射してもよい。紫外線を照射することによって、水の電気分解反応を促進させたり、上述した還元剤の分解を促進させたりすることができると考えられ、発生した水酸化物イオンによって、上述したように金属酸化物の生成反応を促進させることができるからである。また、紫外線を照射することにより、上述した補助イオン源から水酸化物イオンを発生させたり、得られる金属酸化物の結晶性を向上させたりすることもできる。なお、上記紫外線としては、波長が470nm以下の近紫外光も含むものとする。
上記紫外線の波長としては、通常185〜470nmであり、生成反応をより促進させるためには、185〜260nmであることが好ましい。また、上記紫外線の強度としては、通常1〜20mW/cm2であり、生成反応をより促進させるためには、5〜15mW/cm2であることが好ましい。このような紫外線照射を行う紫外線照射装置としては、例えば市販の紫外線照射装置を使用することができ、具体的には、SEN特殊光源社製のHB400X−21等を使用することができる。なお、本方法においては、上述した酸化性ガス雰囲気下で、多孔質電極層と上記溶液とが接触する箇所に紫外線を照射してもよい。
以下、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照して説明する。参照する図1は、本発明の一実施形態に係る固体酸化物形燃料電池を示す模式断面図である。また、参照する図2は、図1に示す固体酸化物形燃料電池の燃料極層の模式断面拡大図である。
図1に示すように、固体酸化物形燃料電池10は、電解質層11と、電解質層11を挟持する燃料極層12及び空気極層13とを有する。また、図2に示すように、燃料極層12の気孔壁面12aの一部に沿って、集電材料14が付着している。これにより、集電材料14と燃料極層12との接触面を増大させることができるため、集電性能を向上させることができる。
また、図1に示すように、集電材料14は、燃料極層12の表面12bにも付着している。これにより、燃料極層12の表面12bに付着した集電材料14から電気を取り出すことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されない。例えば、上記実施形態では燃料極層の気孔壁面の一部に沿って集電材料が付着している場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、空気極層の気孔壁面の一部に沿って集電材料が付着していてもよいし、燃料極層及び空気極層の双方の気孔壁面の一部に沿って集電材料が付着していてもよい。
次に、上述した固体酸化物形燃料電池10の製造方法の一例について、図面を参照して説明する。参照する図3A,B及び図4A,Bは、上述した固体酸化物形燃料電池10の製造方法の一例を示す概略工程図である。なお、図3及び図4において、図1と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
まず、図3Aに示すように、電解質層11(電解質基板)上に、スクリーン印刷等の手段を用いて燃料極層12を形成する。次に、集電材料14(図1参照)となる金属を有する金属源と、例えば還元剤とを、水等の溶媒に溶解させて溶液1(図3B参照)を調製する。そして、図3Bに示すように、溶液1に燃料極層12を浸漬する。これにより、図4Aに示すように、燃料極層12の気孔壁面12aの一部に沿って、集電材料14が付着する。その後、燃料極層12を溶液1から取り出す。
次に、図4Bに示すように、電解質層11上に、スクリーン印刷法等の手段を用いて空気極層13を形成し、固体酸化物形燃料電池10が得られる。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例では、上述した図1に示すような構造を有する単セルを作製した。まず、GDC(Ce0.9Gd0.11.9)粉末(平均粒径:0.5μm)を耐圧容器に入れ、一軸プレス機にて1t/cm2の圧力で成形後、これを真空パックで包装し、静水圧プレス機にて2t/cm2の圧力で再度成形した。その後、焼結(1450℃、10時間)を行い、電解質基板(厚み:0.5mm)を作製した。
次に、エチルカルピトールに、NiO粉末(平均粒径:1μm)及びSDC(Ce0.8Sm0.21.9)粉末(平均粒径:1μm)を、質量比(NiO:SDC)が7:3となるように加え、更にバインダーとしてエチルセルロースを加えた後、これらをボールミルで混合して燃料極層を形成するための燃料極ペースト(粘度:5×105mPa・s)を調製した。次に、スクリーン印刷法により上記電解質基板上に上記燃料極ペーストを印刷した。その後、これらをオーブンにて130℃で15分間乾燥させ、1450℃で1時間焼成を行い、上記電解質基板上に燃料極層(厚み:50μm)を形成した。
次に、エチルカルピトールに、Sm0.5Sr0.5CoO3(平均粒径:3μm)を加え、更にバインダーとしてエチルセルロースを加えた後、これらをボールミルで混合して空気極層を形成するための空気極ペースト(粘度:5×105mPa・s)を調製した。次に、スクリーン印刷法により、上記電解質基板の上記燃料極層を形成した面とは反対面に上記空気極ペーストを印刷した。その後、これらをオーブンにて130℃で15分間乾燥させ、1200℃で1時間焼成を行い、上記電解質基板上に空気極層(厚み:50μm)を形成した。上記工程にて、燃料極/電解質基板/空気極からなる積層体を得た。
続いて、水とイソプロピルアルコール(IPA)との混合溶媒(水:IPAの容量比が80:20)に、塩化インジウム四水和物(InCl3・4H2O)、塩化スズ及び還元剤であるボラン−ジメチルアミン錯体(関東化学社製)を、それぞれの濃度が0.01mol/リットル、0.001mol/リットル及び0.02mol/リットルとなるよう溶解させた溶液を用意した。そして、上記溶液(温度:70℃)に上記積層体を24時間浸漬して、上記燃料極層の気孔壁面の一部、及び上記空気極層の気孔壁面の一部に沿ってITO(酸化インジウムスズ)からなる集電材料を付着させて単セルを作製した。
本発明の一実施形態に係る固体酸化物形燃料電池を示す模式断面図である。 図1に示す固体酸化物形燃料電池の燃料極層の模式断面拡大図である。 A,Bは、本発明の一実施形態に係る固体酸化物形燃料電池の製造方法の一例を示す概略工程図である。 A,Bは、本発明の一実施形態に係る固体酸化物形燃料電池の製造方法の一例を示す概略工程図である。
符号の説明
1 溶液
10 固体酸化物形燃料電池
11 電解質層
12 燃料極層
12a 気孔壁面
12b 表面
13 空気極層
14 集電材料

Claims (7)

  1. 電解質層と、前記電解質層を挟持する一対の多孔質電極層とを有する固体酸化物形燃料電池の製造方法であって、
    前記一対の多孔質電極層の少なくとも一方を形成した後、集電材料となる金属を有する金属源を含む溶液に前記一方の多孔質電極層を浸漬することにより、前記多孔質電極層の気孔壁面の少なくとも一部に沿って金属酸化物を付着させることを特徴とする固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  2. 前記溶液は、酸化剤及び還元剤から選ばれる少なくとも一つを更に含む請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  3. 前記溶液は、塩素酸イオン、過塩素酸イオン、亜塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン、臭素酸イオン、次臭素酸イオン、硝酸イオン及び亜硝酸イオンから選ばれる少なくとも一つのイオン種を更に含む請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  4. 前記溶液に前記一方の多孔質電極層を浸漬する際、前記溶液及び前記一方の多孔質電極層のうち少なくとも一方を、10℃以上の温度に保持する請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  5. 前記溶液に前記一方の多孔質電極層を浸漬する際、前記溶液及び前記一方の多孔質電極層のうち少なくとも一方を、前記溶液の沸点以下の温度に加熱する請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  6. 前記金属源は、金属塩、金属錯体及び有機金属化合物から選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  7. 前記金属源は、Ca、Cr、Sr、Nb、Mo、Sb、Te、Ba、W、Mg、Al、Si、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Ag、In、Sn、Ce、Sm、Pb、La、Hf、Sc、Gd、Ga及びTaから選ばれる少なくとも一つの金属元素を含む請求項1又は6に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
JP2006081397A 2006-03-23 2006-03-23 固体酸化物形燃料電池の製造方法 Expired - Fee Related JP4918995B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006081397A JP4918995B2 (ja) 2006-03-23 2006-03-23 固体酸化物形燃料電池の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006081397A JP4918995B2 (ja) 2006-03-23 2006-03-23 固体酸化物形燃料電池の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007258016A JP2007258016A (ja) 2007-10-04
JP4918995B2 true JP4918995B2 (ja) 2012-04-18

Family

ID=38632035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006081397A Expired - Fee Related JP4918995B2 (ja) 2006-03-23 2006-03-23 固体酸化物形燃料電池の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4918995B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101301934B1 (ko) * 2008-12-31 2013-09-02 생-고뱅 세라믹스 앤드 플라스틱스, 인코포레이티드 열충격 내성 고체 산화물 연료 전지 스택

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09115525A (ja) * 1995-10-17 1997-05-02 Fujikura Ltd 固体電解質型燃料電池の燃料電極の改善法
JP2005026055A (ja) * 2003-07-02 2005-01-27 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池用複合電極及び固体電解質型燃料電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007258016A (ja) 2007-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2031677B1 (en) Removal of impurity phases from electrochemical devices
JP5135841B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池の製造方法
JP5218469B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池用電極層
JP5041195B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池
JP5283500B2 (ja) 大きい表面積を有する燃料電池用カソード
JP5228457B2 (ja) 固体酸化物型燃料電池の製造方法
JP2006261101A (ja) 固体酸化物形燃料電池の製造方法
JP5114852B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池の製造方法
JP2006286607A (ja) 固体酸化物形燃料電池
WO2021085426A1 (ja) 一酸化炭素製造装置
JP4918995B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池の製造方法
JP4992206B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池用電極層の製造方法
JP4984401B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池用電極層の製造方法
JP4899325B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池の製造方法
JP5228456B2 (ja) 固体酸化物型燃料電池の製造方法
JP2007042574A (ja) 固体酸化物形燃料電池の製造方法
JP4984604B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池及びその製造方法
JP5532530B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池の製造方法
JP5116221B2 (ja) 酸化銅粒子を含有する電極材料及びそれを用いた固体酸化物形燃料電池の燃料極の製造方法
JP4863043B2 (ja) プロトン伝導形燃料電池の製造方法
JP5228458B2 (ja) 固体酸化物型燃料電池の製造方法
JP4555116B2 (ja) 積層体
JP2012138371A (ja) 固体酸化物形燃料電池の製造方法
JP5041194B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池
JP2012174427A (ja) 燃料電池の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110809

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110830

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111027

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120105

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150210

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees